第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「投資家の皆様の資産形成に役立つ」ことを事業目的としております。「中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供し、投資家の皆様の資産形成に役立つ」ファイナンシャル・サービス事業と「投資家の皆様の資産形成に役立つために、投資家にとって望ましい投資信託を提供する」アセットマネジメント事業を拡大し、投資家の皆様の資産形成に役立つことで、金融を中心とした情報社会に不可欠な企業グループとして成長していきたいと思っております。

 

(2)経営環境

① 基本的経営環境

金融庁の「平成27事務年度 金融レポートについて」は、「我が国の家計金融資産の構成等を他の先進国と比較してみると、現預金比率が高く、株式・投信等の比率が低いといった特徴がある。株式・投信等を直接に保有している比率は、米国が3割を超えているのに対し、我が国では1割強に留まっている。(47頁)」、我が国の預金は長期にわたり、低金利が続いていますので、「家計金融資産の構成にこうした違いがあることは、米英と比べ、我が国の家計金融資産の伸びが緩やかなものに留まっていることの一因となっているものと考えられる(47頁)」、「高齢化が進む中でいかに老後の資産を形成するか、また、勤労世代の資産形成をいかに行っていくかが重要な課題である。公的年金等にも自ずと財政的な制約がある中では、勤労世帯の自助努力を促し、安定的な資産形成を進めることを実現していくことが重要であると考えられる。(49頁)」として、いわゆる「貯蓄から資産形成」を政府として進めていく旨が記載されています。

その一環として、国民の資産形成のために、NISA、つみたてNISAやiDeCoなど資産形成を税務上優遇する制度が創設されました。

前述のとおり、当社グループは、「中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供し、投資家の皆様の資産形成に役立つ」ファイナンシャル・サービス事業と「投資家の皆様の資産形成に役立つために、投資家にとって望ましい投資信託を提供する」アセットマネジメント事業を行っています。

当社グループの事業目的は、政府の指針・政策に適合しており、当社グループの事業は、我が国の現状と政府の指針・政策を背景とする需要が存在しますので、当社グループの基本的な経営環境は良好であると考えております。

また、当社グループは、国内外の投資信託をはじめとする金融情報をデータベースに蓄え、このデータベースを基盤として、順次提供情報の質的・量的拡充に努めてまいりました。また、より多くの一般投資家の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただき、当社グループの客観的な比較・評価情報を入手する機会を増加させ、投資信託をはじめとする金融情報なら「モーニングスター(旧商号)」とのブランドを社会的に確立し、多くの一般投資家の信頼と利用を拡大してきました。これらの金融情報を金融機関、一般投資家へ提供するASPやアプリケーションの開発にもかなりの資金を投資してきました。

このように、一般投資家に金融情報についての社会的ブランドを確立し、金融情報のデータベースを構築し、さらにそれを収益化することは容易ではなく、当社グループと同じ事業形態で、ファイナンシャル・サービス事業に参入するのは困難であり、投資信託を中心とする金融情報に関しては、当社グループは他の追随を許さないリーディングカンパニーとなりました。

2023年3月30日に、米国モーニングスター・インクに、「モーニングスター」ブランドを返還しましたが、その対価は80億円となりました。モーニングスター・インクが、当社が築き上げた日本における「モーニングスター」のブランド力を評価した結果です。

 「モーニングスター」ブランドの返還は、投信評価情報を含むファイナンシャル・サービス事業の売却ではなく、サービス名称の変更です。2023年3月30日以降のファイナンシャル・サービス事業は継続し、「ウエルスアドバイザー」のブランドで、引き続き商品およびサービスの提供を行ってまいります。

 そのため、今後は、「ウエルスアドバイザー」のブランドを社会的に確立する努力をし、より多くの一般投資家・消費者の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただき、「ウエルスアドバイザー」のブランドの確立により、ウェブサイトほかの広告価値や提供データの利用価値を高め、業績の向上を図りたいと考えております。

また、当社グループは、モーニングスター・インクとの提携を維持拡大し、モーニングスター・インクの米国を中心とする海外金融データベースや様々な金融商品に関する調査分析情報を利用して、引き続き、優良な海外金融を情報を提供していきます。

当社グループは、親会社であるSBIホールディングス株式会社とその傘下に擁する金融関連のグループ企業各社と緊密な関係を保つことで、相互のシナジー効果によって競争力の強化を図ることができ、効率的な経営と事業展開を追求していくことができます。

 

② 最近の経営環境

3 事業等のリスク に記載のとおり、当社グループは、投資信託を中心とした金融情報を提供し、投資信託を組成、運用しています。

そのため、投資信託市況に影響を受け、投資信託の構成要素である株式市況、株価、為替、市場金利の影響も受けます。

当社グループのアセットマネジメント事業は、運用する投資信託の運用残高の一定割合の信託報酬を得ています。

特に、子会社 SBIアセットマネジメント株式会社が運用する公募追加型株式投資信託は、投資信託への資金流出入額と投資している株式の株価により、運用残高が変動し、信託報酬が変動します。

 当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が緩和され、経済活動が正常化に向かい、景気の持ち直しの動きがみられるものの、ウクライナ情勢の長期化などが懸念される中で、物価上昇や世界的な金融引き締めにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループの事業に関連性の高い投資信託市場においては、ETFを除く公募追加型株式投資信託の純資金流入額が、前連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の9兆6,885億円から当連結会計年度は7兆4,775億円に減少しました。一方、当連結会計年度末の日経平均株価は、前年度末比0.79%上昇し、28,041円となりました。

 このような経営環境下で、当社グループのアセットマネジメント事業は、インデックスファンドを中心に公募の投資信託の当連結会計年度末の運用残高が、前連結会計年度末の9,317億円から54.7%増加し、1兆4,413億円となりました。また、地域金融機関の有価証券運用の高度化と多様化を支援する私募の投資信託の当連結会計年度末の運用残高は、前連結会計年度末の1兆9,517億円から23.4%増加し、2兆4,081億円となりました。

当社グループ全体の当連結会計年度末の運用残高は、前連結会計年度末の、3兆6,976億円から26.8%拡大し、4兆6,920億円となりました。

ファイナンシャル・サービス事業のデータ・ソリューションは、投資信託の販売金融機関が活用する「Wealth Advisor」の提供台数が前連結会計年度の114,680台から115,645台に増加しました。金融機関の販売員の方に顧客への商品説明に使っていただくタブレットアプリによるファンドデータの提供を中心に、「モーニングスター」ブランドの返還や新型コロナウイルス感染症の影響をあまり受けることはなく、堅調に推移しています。

一方、メディア・ソリューションは、「モーニングスター」ブランド変更に伴い、モーニングスターアワード「ファンドオブザイヤー」等のライセンスおよびセミナーを取り止めたことにより、メディア・ソリューションの売上高が減少いたしました。

 新型コロナウイルスの感染法上の分類が2023年5月8日から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられました。新型コロナウイルスの発生から3年余りが経ち、対面での資産運用セミナーが開催できない状況が続いてきましたが、新型コロナウイルスの感染法上の分類の引き下げにより、本格的に制限がない対面でのセミナーを開催できると考えております。

また、「モーニングスター」ブランドの返還は、投信評価情報を含むファイナンシャル・サービス事業の売却ではなく、サービス名称の変更です。2023年3月30日以降のファイナンシャル・サービス事業は継続し、「ウエルスアドバイザー」のブランドで、引き続き商品およびサービスの提供を行ってまいります。

 そのため、今後は、「ウエルスアドバイザー」のブランドを社会的に確立する努力をし、より多くの一般投資家・消費者の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただき、「ウエルスアドバイザー」のブランドの確立により、ウェブサイトほかの広告価値や提供データの利用価値を高め、業績の向上を図りたいと考えております。

 

(3)経営戦略

当社グループは、「中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供し、投資家の皆様の資産形成に役立つこと」を事業目的に、金融を中心とした情報社会に不可欠な企業グループとして成長していきたいと考えております。

そのために、当社グループの信用力・ブランド力の向上を図るとともに、提供情報・商品を発展・拡充して、投資家のためにより有用な情報を提供すること、投資家本位の投資信託を提供すること、そのための情報提供チャネル、販売チャネルを開拓していくこと、フィデューシャリー・デューティー(金融機関の顧客本位の業務運営)へ適格に対応することなどにより、中長期の事業運営を行なっていく所存です。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

具体的には以下の施策に重点を置いて中長期の事業運営を行なってまいります。

 

① ブランディング

 当社グループは、「中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供し、投資家の皆様の資産形成に役立つ」ためには、より多くの一般投資家・消費者の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただく必要があり、当社グループの客観的な比較・評価情報を入手する機会を増加させる必要があります。

当社グループは、設立以来25年間、「モーニングスター(旧商号)」ブランドを社会的に確立する努力をしてまいりました。

 2023年3月30日に、米国モーニングスター・インクに、「モーニングスター」ブランドを返還しましたが、その対価は80億円となりました。モーニングスター・インクが、当社が築き上げた日本における「モーニングスター」のブランド力を評価した結果です。

 「モーニングスター」ブランドの返還は、投信評価情報を含むファイナンシャル・サービス事業の売却ではなく、サービス名称の変更です。2023年3月30日以降のファイナンシャル・サービス事業は継続し、「ウエルスアドバイザー」のブランドで、引き続き商品およびサービスの提供を行ってまいります。

 そのため、今後は、「ウエルスアドバイザー」」のブランドを社会的に確立する努力をし、より多くの一般投資家・消費者の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただき、「ウエルスアドバイザー」のブランドの確立により、ウェブサイトほかの広告価値や提供データの利用価値を高め、業績の向上を図りたいと考えております。

 

② 評価情報の中立性および信頼性の更なる向上

 当社グループの営業基盤は、当社グループが行なう各種の評価情報の客観性と中立性にあると考えております。そのため、ユーザーからの当社グループの信頼性が損なわれないように、評価情報が客観的事実に基づくものか否かのチェック体制を構築しております。今後も評価情報の客観性を高め、中立性の確保を図り、信頼性をさらに向上させる必要があると考えております。

 

③ フィデューシャリー・デューティー(金融機関の顧客本位の業務運営)への対応

 政府が2016年6月2日に閣議決定した「日本再興戦略2016」のなかに「金融機関に対しては、利益相反の適切な管理や運用高度化等を通じ、真に顧客・受益者の利益にかなう業務運営がなされるよう、フィデューシャリー・デューティーの徹底を図ることとし、これにより、国民の安定的な資産形成への貢献を促す」とあります。これは当社の事業の目的と合致するものであります。

 また、金融庁は2016年9月15日に公表した「平成27事務年度金融レポート」のなかで、金融機関に対し、(1) 良質な金融商品の提供と投資信託選定プロセスの透明化、(2) 金融機関と顧客の間にある「情報の非対称性」の解消と顧客本位の業務運営、(3) 顧客の金融リテラシー強化と顧客の「投資への興味促進」を求めています。当社は、これらのソリューションとなるサービスを金融機関に提供してまいりました。

 (1)について、当社は、金融機関に投資信託のラインナップ分析や導入ファンドの選定支援などのファンドレポートを提供しております。(3)について、当社は投資家の皆様に金融情報をWEB上で無料提供し、資産運用セミナーには無料でご招待しております。

 特に、(2)について、金融機関の販売員の皆様が顧客である個人投資家に、適切に金融商品の説明ができるツールとしてタブレットアプリを提供しております。その台数の増加に努め、より多くの投資家が適切な金融商品の説明を受けるようにすることで、フィデューシャリー・デューティーに貢献し、同時に当社グループの安定した収益基盤を拡大していきたいと考えております。

 

④ 提供情報の拡大および情報環境の変化に迅速かつ適切に対応できる体制の構築

 当社は、国内外の投資信託をはじめとする金融情報をデータベースに蓄え、このデータベースを基盤として、順次提供情報の質的・量的拡充に努めてまいります。また、スマートフォンやスマートタブレットなどの最新の情報端末による金融情報提供を行ない、金融市場、インターネット環境の変化に適宜対応する努力をしてまいりました。

 2011年3月期に開始したタブレットアプリによるファンドデータの提供は、当連結会計年度末には115,645台となり、タブレットアプリ「Wealth Advisors」によるデータ提供は、当社の収益の大きな柱となりました。

 当社グループは、国内・海外のファンドデータ、株式、企業情報、暗号資産等のデータをさらに拡充し、他社の追随を許さない総合的金融情報を提供する体制を整え、情報環境の変化に対応できる体制を構築し、常に最新の情報機器、コミュニケーションツールを活用した商品・サービスを提供していきたいと考えております。

 そのために、設備投資の状況に記載のとおり、提供サービスの品質向上、情報データベースの拡充のための設備投資を怠りなく実施していきたいと考えております。

 

⑤ アセットマネジメント事業の強化

 当社グループは、アセットマネジメント事業の強化を図ってきました。

 当社グループは、これまで子会社SBIアセットマネジメント株式会社が行なっている公募追加型株式投資信託の運営を中心にアセットマネジメント事業に、2019年2月に子会社とした米国の資産運用会社Carret Asset Management LLCが運営する海外債券型ファンド等を、2019年12月に、子会社としたSBIボンド・インベストメント・マネジメント株式会社およびSBI地方創生アセットマネジメント株式会社が運営する地域金融機関の自己資金を受託する私募の投資信託を加え、2022年10月にアクティブファンド・オブ・ファンズ等の運用を行う新生インベストメント・マネジメント株式会社を子会社化し、アセットマネジメント事業の範囲を拡大してきました。

 これにより、運用する投資信託の種類・範囲と残高が拡大し、グローバル・アセット・アロケーションの進展に対応し、収益の安定、拡大を図ることが可能な体制となりました。

 お客様の多様化する投資ニーズに対してグローバルな幅広い商品を迅速に提供する事により、当社グループが運営するファンドの運用資産残高は、2019年3月末の12,846億円から2022年3月末には36,976億円、2023年3月末には46,920億円と大幅かつ急速に拡大いたしました。その結果、収益の安定的な拡大を実現する事ができました。

 今後は、新NISAへの先行した対応による競争力のある低コストのインデックス型公募投信により個人資産形成への貢献すること、変化する金利状況に問題解決型の提案による金融機関の運用資金を獲得することで、運用資産の更なる増加を目指してまいります。

 一方で、システム、データ、人員等の経営資源を統合し、業務の効率化と収益力の強化を図り、リスク管理体制およびコンプライアンス体制の一層の強化を図ることで、利益の拡大を目指してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

(1)ガバナンス

 気候変動や資源問題に代表される環境課題のほか、人権や経済的不平等、食料問題といった社会課題の顕在化を背景に、ESG(環境:Environment、社会:Social、企業統治:Governance)を意識した経営に対する社会の注目と関心、そして期待が高まっています。

当社が属するSBIグループでは、サステナビリティに関するグループ全体の指針として「サステナビリティ基本方針」を策定しています。この基本方針のもと、当社グループでは、サステナビリティ委員会を設置し、グループの経営戦略の一環としてサステナビリティ施策を議論しております。

サステナビリティ委員会は、当社グループのサステナビリティに関する活動を定期的に、取締役会に報告しています。

 

 

(2)リスク管理

 当社は、取締役会でリスク管理規程を制定し、また、グループリスク管理規程を制定いたしております。当社のみならず、当社グループに重大な影響を与える問題が発生した場合、あるいはその可能性が生じた場合の対応体制を明確にするため、リスク管理実施細則を制定し、リスクの種類別に管理手法・対応手続を定めております。

リスク担当役員は、当社および子会社について外部環境、業務プロセス、内部環境などに係るリスクカテゴリーごとにリスク情報を収集・分析するリスクアセスメントを年2回実施しております。

リスクアセスメントは、リスク管理実施細則に定めているとおりにリスクを識別・評価し、リスクレポートに取り纏め、代表取締役社長、常勤監査役に報告し、必要に応じて対策を検討しています。

サステナビリティに関するリスクは、このリスクアセスメントの最重要課題として、識別・評価、報告を実施しております。

 

(3)戦略

 当社グループは、「投資家の皆様の資産形成に役立つために、中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供する」ファイナンシャル・サービス事業と「投資家の皆様の資産形成に役立つために、投資家にとって望ましい投資信託を提供する」アセットマネジメント事業を展開しております。

ファイナンシャル・サービス事業においては、サステナビリティに関して、「投資家の皆様のESGへの関心に役立つために、ESGに優れた企業情報を提供する」ことに注力してまいります。

 また、アセットマネジメント事業においては、子会社SBIアセットマネジメントでは、2019年5月より、ESGの中でも特に環境にフォーカスした「SBIグローバルESGバランス・ファンド」(愛称:グリーンインパクト)の運用を開始しました。また、2021年11月には、パリ協定温室効果ガス排出削減目標を実践しようとする企業で構成される株価指数への連動を目指す「SBI パリ協定ネット・ゼロ インデックス・ファンド」および、世界のジェンダー・フリーに取り組む企業で構成される株価指数への連動を目指す「SBI ジェンダー・フリー インデックス・ファンド」の設定を行うなど、この分野にも積極的に取り組んでまいりました。

 なお、これらの全ての投資信託は、現在では2023年3月に金融庁が改正した「金融商品取引業者向けの総合的な監督指針」に基づくESG投信には該当しないものとなりましたが、今後とも投資家の皆様のサステナビリティへの関心にも留意しながら新たな金融商品を検討し、提供することも検討課題としていきます。

 

 

(4)指標及び目標

人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績

 

 人間性を重視した登用、社会の維持・発展に貢献する人材の育成こそがお客さまに役立つ財・サービスを提供するために必要不可欠であり、サステナブルな経営を推進していく上で重要な構成要素の一つであるとの考えております。

 採用において、プロフェッショナルとしての職歴だけではなく人間性を重要視した採用をおこなっております。
従業員には、業務面でも人間的にも優れた人物であることを求めますが、人種・国籍・性別や学歴等は一切問いません。高度な専門性や多様なバックグラウンドを持つ将来性の高い人材を採用していきます。

また、当社では、女性の活躍に向けて、仕事と家庭との両立を目的とした職場環境の整備、育児及び介護による休暇・休業や育児を行う者の短時間勤務などの制度の普及・充実に努めております。

また、女性の管理職への登用を行っており、これら女性管理職の多くは中途採用者であります。今後も女性・外国人の管理職への登用等、中核人材の登用等を進めてまいりたいと考えております。

 当社および国内子会社の業務執行取締役および執行役員のうち女性の割合は8.3%となっております。この比率を徐々に高めていきたいと考えております。

 なお、当社の業務内容から、当社の人員採用は、ファンド・アナリスト、ファンド・マネージャーなど専門性が高いものが多く、その人材は社会一般にはかなり少数であります。国内における従業員が121名(2023年3月末)と比較的少数なこともあり、経験者の中途採用を中心に専門性があることを管理職の採用上の優先事項とせざるを得ません。そのため、多様性の確保に向けた測定可能な目標を設定することは、今後の検討課題といたします。

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の変動の外的要因について

当社グループは、サービス・商品の多様化によって安定的な収益基盤の構築を図っておりますが、景気動向や投資信託市場、株式市況、為替、市場金利、金融機関の動向等の外部要因は、常に変動し、当社グループの業績に常に影響を与えています。これらの外部要因は、当社グループでコントロールができず、大きな変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響がでる可能性がありますが、その時期や影響を予想することは困難であります。

① 株式市況および株価

当社グループのアセットマネジメント事業の子会社 SBIアセットマネジメント株式会社は、主として公募追加型株式投資信託を運用しており、運用する投資信託の残高の約定割合の信託報酬を得ています。

公募追加型株式投資信託は株式に投資する投資信託であり、そのため、株式市況および投資している株式の株価により、運用する投資信託の残高が変動し、信託報酬が変動します。

当社グループのアセットマネジメント事業は、従来、SBIアセットマネジメント株式会社による公募追加型株式投資信託の運用が中心でしたが、株式市況および株価の変動リスクへの対応を目的の1つとして、2019年2月に、米国において私募の債券型ファンドを中心に運用しているCarret Asset Management LLCを子会社とし、2019年12月に、主として、私募の債券型投資信託を運用するSBIボンド・インベストメント・マネジメント株式会社およびSBI地方創生アセットマネジメント株式会社を子会社といたしました。これらの株価変動による影響が小さい私募の債券型投資信託により、運用する投資信託の種類や範囲を拡大し、グローバル・アセット・アロケーションをおこない、収益の安定を図っております。

なお、2022年8月1日付で、連結子会社であるSBIアセットマネジメント株式会社、SBIボンド・インベストメント・マネジメント株式会社およびSBI地方創生アセットマネジメント株式会社を、SBIアセットマネジメント株式会社を存続会社として吸収合併いたしました。

② 為替、市場金利

当社グループは、2019年2月に、米国において私募の債券型ファンドを中心に運用しているCarret Asset Management LLCを子会社とし、2019年12月に、主として、私募の債券型投資信託を運用するSBIボンド・インベストメント・マネジメント株式会社およびSBI地方創生アセットマネジメント株式会社を子会社といたしました。これらの子会社は、運用する投資信託・ファンドの残高の約定割合の信託報酬を得ています。

これにより、当社グループのアセットマネジメント事業が運用する投資信託・ファンドの投資対象に、国内および米国を中心とする海外の債券が追加されました。そのため、当社グループの業績は、これまでより国内および米国を中心とする海外の債券市場、国内外の金利、為替の変動の影響を受ける可能性が高くなりました。

当社グループは、金利、為替の予約などや、親会社であるSBIホールディングスグループの金融情報や手法を活用して、債券市場、国内外の金利、為替の変動の影響を低減し、顧客である投資家の皆さまに安定的な運用結果を提供し、当社グループの収益の安定を図っております。

③ 金融機関の動向

当社グループのアセットマネジメント事業の子会社SBIアセットマネジメント株式会社が運用する公募追加型株式投資信託は、金融機関に一般投資家への販売を委託し、地域金融機関の自己資金を受託して私募の債券型投資信託を運用しています。

また、当社グループのファイナンシャル・サービス事業は、投資信託を中心に各種金融商品のインターネット広告を受注しています。資産運用などのセミナーは、金融機関からのスポンサー収入をもって運営しています。

金融機関の販売員が投資信託を中心とする金融商品の販売説明に利用するタブレットアプリによるファンドデータや金融機関のウェブサイト上のデータを金融機関に提供しています。

このように、当社グループ各社の主要顧客は金融機関であり、金融機関の動向は、当社グループの業績に影響を与えます。

当社グループは、各金融機関と良好な関係を構築しておりますが、金融機関が株式市況および株価、債券市場、為替、市場金利などの変動により業績に影響を受けた場合、金融機関からの当社グループへの広告、セミナーの発注が変動する可能性があります。

一方、当社グループのタブレットアプリによるファンドデータの提供は、2023年3月末には、115,645台となり、金融機関の金融商品販売に不可欠なものとなっており、広告、セミナーの受注が減少した場合でも、安定的な収益の確保を図っています。

また、SBIアセットマネジメント株式会社は、地域金融機関から受託した資金を運用し、地域金融機関の運用状況改善のポートフォリオ提供と地域金融機関の投信販売サポートを行っていきます。

 

(2) アセットマネジメント事業で運営するファンドの募集および運営成績について

当社グループのアセットマネジメント事業は、公募追加型株式投資信託や私募の債券型投資信託、投資助言を行っておりますが、新規ファンドの募集が困難となる場合や、当初予定していたとおりにファンドを運用できなくなる可能性があります。また、当社グループの運用するファンドが期待どおりの運用成績を達成出来なかった場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) アセットマネジメント事業に影響を与える法的規制について

当社グループのアセットマネジメント事業は、投資信託運用会社として金融商品取引法に基づき投資運用業及び投資助言業の登録を行っております。また、米国において、同国の金融商品取引法に基づき投資運用業及び投資助言業の登録を行っております。今後、日米両国で、これら金融商品取引法及びその関連法令等に関し改正が行われた場合、当該事業の業務遂行に影響を及ぼす可能性があります。また、何らかの理由により法令等への違反をし、これらの登録の取消処分等を受けた場合には、当該事業の業務遂行に支障をきたすと共に当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 「のれん」の減損の可能性について

当社グループのこれまでの買収等の企業結合の結果、2023年3月31日現在の連結貸借対照表に「のれん」が1,676,585千円計上されています。

「のれん」の内訳は以下のとおりです。

「のれん」の発生要因

「のれん」が帰属する

事業・サービス

企業結合年月

「のれん」

の残高

Carret Holdings Inc.と Carret Asset Management LLC の買収、子会社化

米国における私募の債券型ファンドの運用

2019年2月

915,230千円

SBIボンド・インベストメント・マネジメント㈱の買収、子会社化

私募の債券型投資信託の運用(注)1

2019年12月

629,136千円

SBI地方創生アセットマネジメント㈱の買収、子会社化

私募の債券型投資信託の運用(注)1

2019年12月

71,252千円

新生インベストメント・マネジメント㈱の買収、子会社化

公募ならびに私募の投資信託のアクティブ運用(注)1

2022年10月

60,965千円

 

1,676,585千円

(注)1 2023年4月1日現在、SBIアセットマネジメント株式会社で行っている事業であります。

 

当連結会計年度において、以下の「のれん」を当連結会計年度末時点における収益性を反映した金額まで減損処理いたしました。

「のれん」の発生要因

「のれん」が帰属する

事業・サービス

企業結合年月

のれんの
減損損失

「のれん」

の残高

㈱株式新聞社の買収、子会社化、合併

株式新聞、株式情報(注)2

2008年4月

31,943千円

-千円

SBIサーチナ㈱の買収、子会社化

中国・アジア金融情報(注)2

2012年10月

152,505千円

-千円

(注)2 現在、ウエルスアドバイザー株式会社で行っている事業であります。

「固定資産の減損に係る会計基準」および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」に従い、各「のれん」が帰属する事業・サービスに「営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナス」などの減損の兆候の有無を把握し、減損の兆候がある場合には、減損損失の認識と測定を行います。その結果、「のれん」の減損損失が生じた場合には、当社グループの業績に影響がでます。

当連結会計年度末において、上記の「のれん」が帰属する事業・サービスに減損の兆候はありません。

当連結会計年度において、上記の「のれん」が帰属する事業・サービスの営業活動から生ずる損益はプラスであり、少なくとも今後の2連結会計年度において、「のれん」の減損損失を計上する必要が生じる可能性は小さいものと考えております。

 

(5) コンピュータシステム等のトラブルについて

当社グループは、インターネットを通じて各種評価情報を提供するとともに、ホームページへの広告の掲載や金融情報の配信を行っております。当社グループは、コンピュータシステムの拡充と安定性の確保には多大な努力をしておりますが、システムへの予想を超えるアクセス数の増加による過負荷、機器やソフトウェアの不具合、人為的ミス、回線障害、コンピュータウィルス、ハッカー等の悪意の妨害行為のほか、停電、自然災害によってもシステム障害が起こる可能性があります。

当社グループでは、さまざまなシステム障害対策を講じてはおりますが、何らかの理由により障害が発生した場合、サービス停止による収益機会の喪失、顧客やユーザーからの信頼性低下などにより、当社グループの業績に影響が出る可能性があります。

 

(6) 個人情報の管理について

当社グループは、事業に必要な個人情報を収集し活用しております。これらの個人情報の流出や外部による不正取得による被害の防止は、当社グループの事業にとってきわめて重要であり、当社グループではこれらの動向に注意し、顧客の利害が侵害されることのないようセキュリティ対策を講じております。過去に顧客情報の漏えいや破壊等が起こったことは認識しておらず、また、情報漏えい等により損害賠償を請求されたこともありません。しかし、今後個人情報の漏えい等があった場合、当社グループに対する信頼性低下の可能性があるほか、法的責任を問われる可能性もあり、その結果として当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

(7) 当社グループの公正な中立機関としてのイメージについて

当社グループは、SBIホールディングスグループの日本における総合金融サービスの一翼を担っております。

当社グループの営業基盤は、当社グループの行う各種の比較・評価の客観性と中立性にあると考えております。したがって、ユーザーからの当社グループの事業に対する信頼性が損なわれないように、SBIホールディングスグループとの協力関係は維持しながらも、当社グループの独立性を重視して、客観的かつ公正な比較・評価情報を提供していく所存であります。

しかしながら、ユーザーが当社グループの提供する情報に関して客観性や中立性が欠如していると判断した場合や、当社グループの提供するデータや記事の信頼性が、データの間違いや不適切な引用記事等によって損なわれ、評価機関としてのイメージが低下した場合には、当社グループの業績や株価に悪影響を与える可能性があります。

 

(8) 「モーニングスター」ブランドの返還

当社は、2023年1月27日開催の取締役会において、Morningstar, Inc. (米国イリノイ州、以下、モーニングスター・インク)とのライセンス契約を終了し、モーニングスター・インクに「モーニングスター」ブランドを返還し、その対価として80億円を受領する契約(以下、本終了契約)を締結いたしました。

本終了契約に基づき、自社のウェブサイトやスマートフォンアプリによる投資情報や、金融機関向けに提供している商品およびサービス、また投資家向けセミナーにおいて、「モーニングスター」ブランドの利用を2023年3月30日で終了いたしました。

また、2023年3月29日に臨時株主総会を開催し、当社の商号を「SBIグローバルアセットマネジメント株式会社」に変更する定款変更を決議いたしました。

当社グループは、設立以来25年間、「モーニングスター(旧商号)」ブランドを社会的に確立する努力をしてまいりました。

「モーニングスター」ブランドを返還の対価は80億円となりましたが、モーニングスター・インクが、当社が築き上げた日本における「モーニングスター」のブランド力を評価した結果と考えられます。

なお、本ライセンス契約の終了は、投信評価情報を含むファイナンシャル・サービス事業の売却ではなく、「モーニングスター」ブランドの返還であり、2023年3月30日以降のファイナンシャル・サービス事業は継続し、「ウエルスアドバイザー」のブランドで、引き続き商品およびサービスの提供を行ってまいります。

そのため、今後は、「ウエルスアドバイザー」」のブランドを社会的に確立する努力をし、より多くの一般投資家・消費者の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただき、「ウエルスアドバイザー」のブランドの確立により、ウェブサイトほかの広告価値や提供データの利用価値を高め、業績の向上を図りたいと考えております。

当社が築きあげた「モーニングスター(旧商号)」ブランドによって、当社の情報を閲覧し、セミナーに参加した投資家がいると思われ、「ウエルスアドバイザー」」のブランドを充分に認知していただくまでの間、セミナーや広告に関わる収益が減少する可能性があります。

 

(9) SBIホールディングスグループとの関係について

SBIホールディングス株式会社は、当社の議決権の所有割合の52.69%(2023年3月31日現在)に相当する株式を間接保有しております。連結総売上高においてSBIホールディングスグループに対する売上高が一定の割合で存在しており、SBIホールディングスグループの業績変動によって当社グループの業績に影響が出る可能性があります。また、SBIホールディングスグループの金融サービス事業戦略、当社グループと取引を行っているSBIホールディングスグループの会社の経営方針等によっては、当社グループの事業運営等に影響を与える可能性があり、特に今後相互に重複する事業が出てきた場合、当社グループによる当該事業の着手または推進に障害となる可能性があります。

 

(10) 新型コロナウイルス感染症による影響について

新型コロナウイルスの感染法上の分類が2023年5月8日から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられました。新型コロナウイルスの発生から3年余りが経ち、対面での資産運用セミナーが開催できない状況が続いてきましたが、新型コロナウイルスの感染法上の分類の引き下げにより、本格的に制限がない対面でのセミナーを開催できると考えております。

新型コロナウイルスの発生前の水準まで対面でのセミナーの集客を回復し、新型コロナウイルス禍で直実に集客してきたオンラインセミナーと合わせて、ファイナンシャル・サービスの収益基盤を拡大したいと考えております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 「モーニングスター」ブランドの返還と商号の変更

当社は、2023年1月27日開催の取締役会において、Morningstar, Inc. (米国イリノイ州、以下、モーニングスター・インク)とのライセンス契約を終了し、モーニングスター・インクに「モーニングスター」ブランドを返還し、その対価として80億円を受領する契約(以下、本終了契約)を締結いたしました。

本終了契約に基づき、自社のウェブサイトやスマートフォンアプリによる投資情報や、金融機関向けに提供している商品およびサービス、また投資家向けセミナーにおいて、「モーニングスター」ブランドの利用を2023年3月30日で終了いたしました。

また、2023年3月29日に臨時株主総会を開催し、当社の商号を「SBIグローバルアセットマネジメント株式会社」に変更する定款変更を決議いたしました。

当社および子会社の商号変更を含むブランド返還の手続の完了により、当社はその対価80億円を2023年3月期の特別利益に計上いたしました。なお、当該80億円は2023年3月期の連結貸借対照表には未収入金に計上していますが、2023年4月19日までに現金で入金されています。

なお、本ライセンス契約の終了は、投信評価情報を含むファイナンシャル・サービス事業の売却ではなく、「モーニングスター」ブランドの返還であり、2023年3月30日以降のファイナンシャル・サービス事業は継続し、「ウエルスアドバイザー」のブランドで、引き続き商品およびサービスの提供を行ってまいります。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が緩和され、経済活動が正常化に向かい、景気の持ち直しの動きがみられるものの、ウクライナ情勢の長期化などが懸念される中で、物価上昇や世界的な金融引き締めにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループの事業に関連性の高い投資信託市場においては、ETFを除く公募追加型株式投資信託の純資金流入額が、前連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の9兆6,885億円から当連結会計年度は7兆4,775億円に減少しました。一方、当連結会計年度末の日経平均株価は、前年度末比0.79%上昇し、28,041円となりました。

このような経営環境下で、当社グループのアセットマネジメント事業は、インデックスファンドを中心に公募の投資信託の当連結会計年度末の運用残高が、前連結会計年度末の9,317億円から54.7%増加し、1兆4,413億円となりました。また、地域金融機関の有価証券運用の高度化と多様化を支援する私募の投資信託の当連結会計年度末の運用残高は、前連結会計年度末の1兆9,517億円から23.4%増加し、2兆4,081億円となりました。

当社グループ全体の当連結会計年度末の運用残高は、前連結会計年度末の、3兆6,976億円から26.8%拡大し、4兆6,920億円となりました。アセットマネジメント事業は、運用残高に伴い信託報酬が増加します。2022年10月に子会社とした新生インベストメント・マネジメント株式会社の6ケ月間の売上も加わり、当連結会計年度のアセットマネジメント事業の売上高は、前連結会計年度の5,949百万円から15.0%の増収となる6,841百万円となりました。

ファイナンシャル・サービス事業は、投資信託の販売金融機関が活用する「Wealth Advisor」の提供台数が前連結会計年度の114,680台から115,645台に増加し、金融機関向けの当社独自開発の運用関連ツールやファンドデータの納品が増加しました。ブランド変更に伴い、モーニングスターアワード「ファンドオブザイヤー」等のライセンスおよびセミナーを取り止めたことにより、メディアソリューションの売上高が減少いたしました。その結果、当連結会計年度のファイナンシャル・サービス事業の売上高は、2,173百万円から268百万円(△12.3%) の減収となる1,905百万円となりました。

上記の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高が前連結会計年度の8,123百万円から623百万円(7.7%)の増収となる8,747百万円 となりました。

また、前連結会計年度と比べ、売上原価が566百万円増加し、販売費及び一般管理費が355百万円増加した結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度の2,129百万円から298百万円(△14.0%)の減益となる1,831百万円となりました。

営業外損益は、前連結会計年度と比べ、営業外収益が353百万円増加し、営業外費用は変わらず、その結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度の2,403百万円から55百万円(2.3%)の増益となる2,458百万円となりました。

特別利益にブランド返還収入を8,000百万円計上し、ブランド返還費用を含む組織再編費用、投資有価証券売却損などの特別損失を2,339百万円計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,454百万円から3,988百万円(3.74倍)の増益となる5,443百万円となりました。

 

 

(連結業績の概要)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

    至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

    至 2023年3月31日)

前連結会計年度比較

金額(千円)

利益率(%)

金額(千円)

利益率(%)

金額(千円)

比率(%)

売上高

8,123,286

 

8,747,113

 

623,826

7.7

営業利益

2,129,805

26.2

1,831,139

20.9

△298,666

△14.0

経常利益

2,403,695

29.6

2,458,942

28.1

55,247

2.3

親会社株主に帰属する当期純利益

1,454,134

17.9

5,443,020

62.2

3,988,886

274.3

連結売上高は11期連続の増収、4期連続で過去最高売上を更新しました。

経常利益は14期連続の増益、12期連続の過去最高益を更新しました。

親会社株主に帰属する当期純利益は14期連続の増益、10期連続の過去最高益を更新しました。

 

セグメント別、サービス別の販売実績

 

 セグメント別売上高

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

増減率
(%)

金額(千円)

構成比(%)

金額(千円)

構成比(%)

アセットマネジメント事業

5,949,302

73.2

6,841,373

78.2

15.0

ファイナンシャル・サービス事業

2,173,984

26.8

1,905,740

21.8

△12.3

連結売上高

8,123,286

100.0

8,747,113

100.0

7.7

 注)記載金額は千円未満を切捨てて表示しております。

 

アセットマネジメント事業

インデックスファンドを中心に公募の投資信託の当連結会計年度末の運用残高が、前連結会計年度末の9,317億円から54.7%増加し、1兆4,413億円となりました。また、地域金融機関の有価証券運用の高度化と多様化を支援する私募の投資信託の当連結会計年度末の運用残高は、前連結会計年度末の1兆9,517億円から23.4%増加し、2兆4,081億円となりました。当社グループ全体の当連結会計年度末の運用残高は、前連結会計年度末の、3兆6,976億円から26.8%拡大し、4兆6,920億円となりました。

その結果、アセットマネジメント事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度の5,949百万円から892百万円(15.0%)の増収となる6,841百万円となりました。

セグメント利益は、前連結会計年度の1,557百万円から72百万円(△4.7%)の減益となる1,484百万円となりました。

 

ファイナンシャル・サービス事業

ファイナンシャル・サービス事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度の2,173百万円から268百万円(△12.3%)の減収となる1,905百万円となりました。

セグメント利益は、前連結会計年度の572百万円から226百万円(△39.5%)の減益となる346百万円となりました。

当社は、2023年3月30日をもって、米国モーニングスター・インクに「モーニングスター」ブランドを返還する契約を2023年1月27日に締結し、その対価として80億円の特別利益を計上しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅な増益となりました。

一方、当該契約締結後、「モーニングスター」ブランドを用いるサービスを取り止めたことでファイナンシャル・サービス事業は減収・減益となりました。

 

③ 個別業績の概要について

投資信託の販売金融機関が活用する「Wealth Advisor」の提供台数が前連結会計年度の114,680台から115,645台に増加し、また金融機関向けの当社独自開発の運用関連ツールやファンドデータの納品が増加し、データ関連の売上が増加いたしました。

一方、当社は、モーニングスター・インクに「モーニングスター」ブランドを返還し、2023年3月30日に「モーニングスター」ブランドの利用を終了しました。それに先立ち、「モーニングスター・ファンドオブザイヤー」等のライセンスおよびセミナーを取り止めたことにより、WEB広告やセミナーの売上高が減少いたしました。

その結果、売上高が前事業年度の1,935百万円から218百万円(△11.3%)の減収となる1,716百万円となり、営業利益は、前事業年度の477百万円から199百万円(△41.8%)の減益となる277百万円となりました。

当事業年度は子会社からの配当金がなかったため受取配当金が減少し、経常利益は、前事業年度の2,652百万円から2,133百万円(80.4%)の減益となる519百万円となりました。

「モーニングスター」ブランド返還の対価8,000百万円と抱合わせ株式消滅差益289百万円を特別利益に計上し、「モーニングスター」ブランド返還費用ほかの組織再編費用192百万円、投資有価証券売却損605百万円、減損損失144百万円など特別損失を1,045百万円計上しました。

その結果、当期純利益は、前事業年度の2,783百万円から2,722百万円(97.8%)の増益となる5,505百万円となりました。

 

(2)当連結会計年度の財政状態の概要

資産合計は前連結会計年度末と比較して7,301百万円増加し、21,356百万円となりました。

これは、流動資産が6,387百万円増加し、固定資産が923百万円増加したことによるものであります。

現金及び預金の減少は、配当金を1,546百万円支払い、投資有価証券が1,246百万円増加したことによるものであります。

未収入金は、「モーニングスター」返還の対価8,000百万円を未収計上したものであります。なお、当該未収入金は、2023年4月19日までに現金入金されています。

固定資産の増加は、主として投資有価証券が1,246百万円増加した一方、無形固定資産が565百万円減少したことによるものであります。

投資有価証券は資金運用により増加しましたが、期末残高3,871百万円のうち、2,084百万円は特定金銭信託内の現金同等物であります。

無形固定資産は、のれんの減損184百万円、ソフトウエアの減損248百万円などにより減少しました。

また、負債合計は前連結会計年度末と比較して2,774百万円増加し、4,556百万円となりました。

負債の増加は、税金等調整前当期純利益の増加による未払法人税等が2,244百万円増加したことによるものであります。

その他有価証券評価差額金は、その他の有価証券の売却により、マイナスの評価差額が527百万円減少しました。

為替換算調整勘定は、円安により米国子会社の株式取得時の換算レートと当期の期中換算レートの差が拡大したことにより217百万円増加いたしました。

非支配株主持分は、SBIアセットマネジメント株式会社の株式追加取得などにより非支配株主持分比率が減少し、150百万円減少しました。

その結果、純資産合計は、前連結会計年度末と比較して4,526百万円増加し、16,799百万円となりました。

 

(3)当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,691百万円減少し、2,485百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比べ、1,480百万円増加し、2,608百万円の収入となりました。

これは、主として、税金等調整前当期純利益8,119百万円の計上、未収のライセンス返還収入8,000百万円、投資有価証券売却損益1,546百万円、売上債権の増減額250百万円、法人税の還付額669百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比べ、4,795百万円減少し、3,471百万円の支出となりました。これは、主として、投資有価証券の取得による支出5,495百万円、投資有価証券の売却および特定包括信託財産の解約による収入2,534百万円、無形固定資産の取得314百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ、260百万円増加し、1,889百万円の支出となりました。これは、主として、配当金の支払額が1,546百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が前連結会計年度よりも減少し273百万円となったことによるものであります。

 

(4)今後の見通し

 

アセットマネジメント事業については、低コストのインデックスファンドの提供を通じて、投資家の資産形成に貢献することで、公募追加型株式投資信託の運用残高の一層の増加に努め、また、地域金融機関等の資産運用の高度化および多様化を支援するために、的確な私募の投資信託の提供を通じて、地域金融機関の収益向上に努めて、当社グループの運用残高の増加、ひいては収益を拡大していきたいと考えております。

ファイナンシャル・サービス事業については、急速に変化する情報環境に迅速かつ適切に対応できる体制を構築し、常に最新のコミュニケーションツールを活用した商品・サービスを提供していきたいと考えております。また、販売金融機関が進めるフィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)に適合したサービスを提供していきたいと考えております。特に、販売金融機関が個人投資家に適切に金融商品の説明ができるように、当社の情報提供の多様化に努め、より多くの投資家が最適な資産運用を行うことができることに貢献し、当社の安定した収益基盤を拡大していきたいと考えております。

 

⑥生産、受注及び販売の実績

a 生産実績及び受注実績

当社グループの提供するサービスは広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらない製品・サービスも多いため、セグメント別に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 

b 販売実績

セグメント別、サービス別の販売実績は以下のとおりです。

 

 セグメント別売上高

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

増減率
(%)

金額(千円)

構成比(%)

金額(千円)

構成比(%)

アセットマネジメント事業

5,949,302

73.2

6,841,373

78.2

15.0

ファイナンシャル・サービス事業

2,173,984

26.8

1,905,740

21.8

△12.3

連結売上高

8,123,286

100.0

8,747,113

100.0

7.7

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.記載金額の千円未満を切捨てて表示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a 資本の財源及び資金の流動性

キャッシュ・フローの分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要⑤連結キャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたり、連結決算日現在における財政状態並びに連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び判断を一定の会計基準の範囲内で行う必要があります。しかし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果とこれらの見積りが異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の事項が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。なお、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。

a 繰延税金資産の回収可能性

連結貸借対照表に計上した繰延税金資産については、将来の回収可能性を十分に検討し、その全額が回収可能であると判断しております。

b 投資有価証券の評価

2023年3月31日現在、連結会社等が保有する有価証券について、回収可能性に疑義のある事象は認識しておらず、適切に評価しております。

 

c のれんの評価

 

当社グループのこれまでの買収等の企業結合の結果、2023年3月31日現在の連結貸借対照表に「のれん」が1,676,585千円計上されています。

「のれん」の内訳は以下のとおりです。

「のれん」の発生要因

「のれん」が帰属する

事業・サービス

企業結合
年月

「のれん」

の残高

Carret Holdings Inc.と Carret Asset Management LLC の買収、子会社化

米国における私募の債券型ファンドの運用

2019年2月

915,230千円

SBIボンド・インベストメント・マネジメント㈱の買収、子会社化

私募の債券型投資信託の運用(注)1

2019年12月

629,136千円

SBI地方創生アセットマネジメント㈱の買収、子会社化

私募の債券型投資信託の運用(注)1

2019年12月

71,252千円

新生インベストメント・マネジメント㈱の買収、子会社化

公募ならびに私募の投資信託のアクティブ運用(注)1

2022年10月

60,965千円

 

1,676,585千円

(注)1 2023年4月1日現在、SBIアセットマネジメント株式会社で行っている事業であります。

 

当連結会計年度において、以下の「のれん」を当連結会計年度末時点における収益性を反映した金額まで減損処理いたしました。

「のれん」の発生要因

「のれん」が帰属する

事業・サービス

企業結合年月

のれんの
減損損失

「のれん」

の残高

㈱株式新聞社の買収、子会社化、合併

株式新聞、株式情報(注)2

2008年4月

31,943千円

-千円

SBIサーチナ㈱の買収、子会社化

中国・アジア金融情報(注)2

2012年10月

152,505千円

-千円

(注)2 現在、ウエルスアドバイザー株式会社で行っている事業であります。

「固定資産の減損に係る会計基準」および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」に従い、各「のれん」が帰属する事業・サービスに「営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナス」などの減損の兆候の有無を把握し、減損の兆候がある場合には、減損損失の認識と測定を行います。その結果、「のれん」の減損損失が生じた場合には、当社グループの業績に影響がでます。

 

d 営業債権の評価

営業債権は、決算日以前の売上から生じた債務者に対する正当な債権であり、また、決算日後に発生すると予想される貸倒損失に対して適切な引当金を計上しております。

 

e ソフトウェアの評価

2023年3月31日現在、連結会社等が保有するソフトウェアについて、回収可能性に疑義のある事象は認識しておらず、適切に評価しております。

なお、2022年3月期において、稼働が見込まれないソフトウェアについて除却処理し、97百万円の除却損を計上いたしました。

 

5【経営上の重要な契約等】

 

終了契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

モーニングスター㈱

Morningstar, Inc.

米国

商品・サービス

商標

2023年3月30日をもって、下記のライセンス契約の終了

「モーニングスター」ブランドの使用取り止め

2023年1月27日締結

無期限

(注)ライセンス契約の終了に伴い、2023年3月30日時点の未経過期間に係るロイヤルティに相当する長期前払費用43,760千円の除却を行っております。

 

ライセンス契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

モーニングスター㈱

Morningstar, Inc.

米国

商品・サービス

商標

「モーニングスター」ブランドの使用

サービス及び技術の使用、販売、複製

商品・サービスの販売、提供に際しての商標の使用

1998年4月8日締結

無期限

(注)ロイヤルティの支払については、Morningstar, Inc.との間で締結したライセンシング・アグリーメントに定められており、1999年12月期までは当該アグリーメント及びMorningstar, Inc.との覚書に基づきロイヤルティの支払いは行っておりません。なお、2000年5月に同社との間で、2000年1月より2029年12月までのロイヤルティを2000年7月に一括して前払いすることで合意し、2000年7月3日に支払いを実行いたしました。

当該支払い金額は191,422千円でありますが、未経過期間に係るロイヤルティに相当する額は長期前払費用として資産計上し、支払対象期間にわたって毎期均等額の費用化を行っております。

6【研究開発活動】

該当事項はありません。