文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、冷延鋼板、表面処理鋼板、建材商品、エクステリア商品、各種ロール、グレーチング等鉄鋼を素材とした各種製品の製造販売を中心に、また付帯事業として鋼板加工業、倉庫業、スポーツ施設の運営、不動産賃貸業等の事業活動を行っております。当社グループはこの事業活動を通じて、「新しい個性を持った価値の創造」を基本理念に掲げ、社会から信頼され、必要とされる存在価値のある企業を目指しております。この「新しい個性を持った価値」とは、株主と顧客から信頼され期待される機能の創造(事業価値)、必要とされるベストメーカーとしての持続力(存続価値)、変革挑戦し成長する社員一人ひとりの個性(社員価値)、社会・自然環境と調和し共生する努力(社会価値)であります。これらの経営理念を推進し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資することを経営の基本方針としております。
(2)経営戦略等
当社は独立系の鉄鋼メーカーとして、表面処理鋼板事業とその川下分野としての建材事業からなる鋼板関連事業を中心に、電炉事業を源流とする鉄鋼ロール事業および鋼製グレーチング事業、さらにはエンジニアリング、不動産事業等を擁し、ユニークな存在感を発揮する企業として成長してきました。
今後も当社の基本理念・経営理念・行動原則に基づく機動力を活かした経営を追求するとともに、当社グループの総合力と企画力を発揮することで、海外では新たな成長に向け事業の積極的な展開を進め、国内では縮小トレンドの需要環境下でさらにシェアアップを図り、事業領域の拡大に取り組みます。この「海外事業展開」と「国内需要捕捉」を成長の基軸とし、「安全」・「安心」・「環境」・「景観」をキーワードとして、商品開発・製造・販売など事業活動のあらゆる側面に展開し、ステークホルダーの皆様にさまざまな価値を提供することで、広く社会から必要とされる企業を目指します。
また、当社グループをとりまく環境が激しく変化するなか、当社グループが持続的に成長を果たしていくためには、将来を見据えたビジョンと計画を持ち、その内容をさまざまなステークホルダーと共有することで当社グループの活力を高めていくことが有効であることから、当社の創立90周年にあたる2025年に向けた長期ビジョン『桜(SAKURA)100』を策定しております。当社グループはこの『桜(SAKURA)100』のもと、当社のシンボルマークである桜のように、さまざまな環境の変化に順応するたおやかな姿、新しい事業領域に挑戦し花を咲かせる姿、グローバルに愛され永く花を咲かせる姿を目指し、連結営業利益100億円を安定して計上できる100年企業への発展を実現してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2020年度~2022年度の経営計画である『淀川製鋼グループ中期経営計画2022』(以下、「中期経営計画2022」といいます。)に続く、2023年度~2025年度の経営計画として『淀川製鋼グループ中期経営計画2025』(以下、「中期経営計画2025」といいます。)を策定し、2023年5月10日に開示しております。なお、詳細は当社ウェブサイトに掲載しておりますので、下記をご参照下さい。
< https://www.yodoko.co.jp/ir/management/managementplan/ >
中期経営計画2022においては、定量的業績目標を「連結経常利益(2022年度)90億円以上」と掲げておりました。中期経営計画2022の3年目(最終年度)である2023年3月期(2022年度)は、国内事業では資源・エネルギー価格の高騰等、原材料を中心にコスト負担は増加したものの、鉄鋼市況の動向にあわせ機動的に販売価格の改定に努めたことにより、計画値を上回る結果となりました。一方、海外事業では、インフレ抑制のための金融引き締め、長引く中国のゼロコロナ政策による事業環境の悪化等により伸び悩む結果となりましたが、グループ全体では連結経常利益176億円と目標を大きく上回る業績を達成しました。
中期経営計画2025においては、目標指標を連結経常利益から、長期ビジョン「桜(SAKURA)100」で掲げる本業で得た利益である連結営業利益に変更し、収益力のさらなる強化に向けて取り組んでまいります。
また、利益目標に加え、ROE(自己資本当期純利益率)を新たな目標指標として設定し、安定的に5%以上を達成できる状態を目指すとともに、中長期的にさらなる資本効率の改善に向けて取り組みを進めてまいります。
<中期経営計画2025 経営指標目標>
・連結営業利益:100億円以上の安定計上(中期経営計画2025期間)
・ROE(自己資本当期純利益率):5%以上(2025年度)
(4)経営環境
世界経済は、ゼロコロナ政策の撤廃に伴う中国経済の持ち直しが期待される一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化の影響や、欧米の金融引締めに伴う景気後退への懸念に加え金融不安の兆しも疑われるなど、引き続き不透明な状況が続くものと想定されます。
日本経済においても、物価上昇の動きは続くことが予想されるとともに、日銀の金融政策の動向を注視する必要もあり、前述の世界的リスク要因からの影響を強く受けることが想定されます。
鉄鋼市場においては、日本国内市場・海外市場いずれにおいても、鉄鋼原材料と資源・エネルギーコストの高止まりが続く中、ロシア・ウクライナ情勢や台湾有事への懸念などの地政学リスクも加わり、当面は需給バランスも含め不安定な状況が続くものと予想されます。
当社グループにとっても、各地域の需要およびコスト環境は予断を許さない不安定な動きが続くものと考えられ、厳しい事業環境が継続するものと予想されます。
このような不透明な事業環境の中、当社グループとしましては、変化の激しい市況に応じた機動的な営業・生産活動につとめるとともに、このたび新たに策定した「淀川製鋼グループ中期経営計画2025」の着実な実行に取り組むことで、収益力強化を図ってまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、中期経営計画2022に続く新たな経営計画として、2023年度から始まる3年間の中期経営計画2025を策定し、取り組みを進めております。
その概要は以下のとおりです。
なお、詳細は当社ウェブサイトに掲載しておりますので、下記をご参照下さい。
< https://www.yodoko.co.jp/ir/management/managementplan/ >
a.対象会社
淀川製鋼所及び連結子会社8社
b.対象期間
2023年度~2025年度の3年間
c.基本戦略
「収益構造の更なる強靭化」「新しい分野への挑戦」「持続可能な経営基盤の構築」を基軸とする以下の6項目を基本戦略とし、施策を展開してまいります。
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A.収益構造の更なる強靭化 A-1.成長のための既存ビジネスの拡大 A-2.ものづくり力の底上げ |
B.新しい分野への挑戦 B-1.既存事業を基盤とした新分野の開拓 |
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C.持続可能な経営基盤の構築 C-1.将来を見据えた積極的投資と資本効率向上 C-2.次世代を担う人材の育成と組織力強化 C-3.全てのステークホルダーとの共生 |
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d.資本政策と株主還元
当社は「株式会社淀川製鋼所 コーポレートガバナンスガイドライン」のなかで、資本政策の基本方針を定めております。
< https://www.yodoko.co.jp/assets/pdf/ir/management/governance/governance.pdf >
中期経営計画2025の期間中については、資本政策の基本方針に加え、以下の考え方に基づき機動的に資金を活用してまいります。
・中期経営計画2025期間においても、長期化するウクライナ紛争、欧米の金融引き締め政策に伴う景気減速懸念、日本における大規模金融緩和の出口の見通し、そしてアジアにおいて高まる地政学リスクなど、当社グループを取り巻く経営環境は一層厳しさが増し、大きく変動することを想定しておく必要があります。
・このような不透明かつ厳しい環境の中で当社グループが持続的に成長していくためには、当社グループの強みである機動力を引き続き発揮するとともに、既存事業における競争力強化と新しい事業領域の開拓、持続可能な世界を実現するための環境対応、そして事業活動の全ての基盤となる人的資本の充実などに優先的に資金を充当することが求められ、これらの裏付けとなる強固な財務基盤を維持することが重要です。
・当社は自社の資本コストを定期的に分析しており、資本コストを上回る資本効率を実現するために、既存事業における投下資本利益率の向上、ならびに積極的投資による非事業資産の事業資産への組み換えにより、資本効率の向上に取り組みます。
・株主の皆様への利益還元としては、配当金のお支払いを重視することとし、設備投資計画ならびに財務状況等を踏まえ、年間配当金として1株あたり50円以上を維持したうえで、「業績に応じた配当のお支払い」の指標としては、連結配当性向年間30%以上を目途といたします。
e.設備投資計画
①中期経営計画2025期間中の考え方
・生産効率向上やコスト低減、品質向上など競争力強化を目的とした戦略的な投資を優先的に実施し、また、既存事業の継続に必要な老朽設備・施設の更新も計画的に実施いたします。
・CO2排出量削減に寄与するサステナビリティ関連の投資や、レガシーシステムからの脱却を含むDX関連投資についても計画的に進めてまいります。
②設備投資額
・2023年度~2025年度の連結総投資額は、200~250億円規模を計画し、その内訳としては、競争力強化に75~110億円、既存事業基盤の維持に80~100億円、サステナビリティ関連に25~30億円、DX関連に20億円とします。
f.ステークホルダーとの共生
当社グループの事業活動のキーワードである「安全」「安心」「環境」「景観」をあらゆる事業活動に展開することにより、様々なステークホルダーの期待に応えてまいります。
①株主・投資家
・企業価値の向上
・IR施策の充実、情報発信の強化
②顧客・取引先
・全社的な品質管理体制の強化
・ブランド力の強化
・取引先とのパートナーシップの維持向上
③従業員
・組織・人材の活性化に向けた制度設計、教育システムの構築
・ITツール導入やデジタル化推進による省力化・業務効率向上
④社会・自然環境・その他
・ガバナンス体制のさらなる強化
・サステナビリティ推進(省エネ・創エネによるCO2削減、再生可能エネルギーの段階的な導入)
・全社的なシステム再構築によるIT基盤の強化
g.定量的目標
前述の「(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」を参照ください。
以上に示しましたとおり、中期経営計画2025においては、これまでの取り組みを振り返り、成果を定着させるとともに、長期ビジョン「桜(SAKURA)100」の実現に向け、成長・拡大路線へ舵を切ってまいります。
また、「Link to the Future」を本中期経営計画期間のキャッチフレーズとして掲げ、さらにその先の未来へつながる重要な期間と位置づけております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ及び当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
① サステナビリティ全般に関する考え方
当社グループは、「淀川製鋼グループ企業理念」に基づく事業活動を通じて、社会から信頼され、必要とされる存在価値のある企業を目指すなかで、社会・自然環境と当社グループの中長期的な持続可能性に資する、さまざまなサステナビリティの課題に取り組んでおります。
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淀川製鋼グループ企業理念
<基本理念> 新しい個性を持った価値の創造
淀川製鋼グループは、表面処理鋼板事業を主体として「新しい個性を持った価値の創造」をグループの基本理念に 掲げ、社会から信頼され、必要とされる存在価値のある企業を目指します
<経営理念> 顧客と株主から信頼され、期待される機能を創造します 広く社会から必要とされるベストメーカーを目指します 社員一人ひとりの個性をもって充実し、変革に挑戦し、成長します 社会・自然環境と調和し、共生に努めます
<行動原則> 顧客の期待を超える品質・サービスに向けた行動をします 安全は全ての基礎であり、安全第一の行動をします 法とモラルを必ず守って社会最適な行動をします 革新と創造へ挑戦の心を持って行動します 信頼と思いやりを持って行動します 自然環境と共生する行動をします 連携した行動をします |
② サステナビリティ全般に関するガバナンス
当社グループは、規程に基づき、サステナビリティ関連の課題を含むリスク管理全般に係るガバナンス体制を構築し運用しております。その組織としては、リスク管理を統括する常設機関として、当社の取締役(社外を含む)、監査役(社外を含む)、および執行役員ならびに子会社の代表者で構成される「コンプライアンス・リスク管理委員会」(以下、「委員会」といいます。)を設置し、その執行を担う下部組織として「コンプライアンス・リスク管理推進WG会」(以下、「WG会」といいます。)を設置しております。また、委員会およびWG会の事務局は監査部門が担当しております。
委員会は、リスク管理に係るガバナンス体制の構築と維持、計画の検討、重要なリスク情報に関する業務執行部門に対する調査の指示や報告内容と対応方針の審議等を行い、必要に応じて取締役会に報告・提言を行っております。
③ サステナビリティ全般に関するリスク管理
当社は、規程に基づき、サステナビリティ関連の課題を含むさまざまなリスクに対するリスク管理活動を推進しております。各業務執行部門は、サステナビリティ関連を含むさまざまなリスクを抽出し、大きく「災害リスク」「事業リスク」「外部環境リスク」に分類した上で、抽出したリスク要因から引き起こされる事象の顕在化可能性や影響度を評価し、それら全てに対応策を講じております。その上で、なお残るリスクについては、その大きさに応じ、対応方針とリスク低減等の具体策やスケジュール等をとりまとめた計画を策定し取り組んでおります。
リスク管理活動の事務局は監査部門が担当しており、業務執行部門の活動のモニタリングを行い、その結果を委員会で報告しております。
(2)気候変動対応
当社では、気候変動問題への取組みを重要な経営課題と認識しており、グループ全体で省エネルギー、CO2排出量の削減を推進しております。2022年度より再生可能エネルギー由来の電力導入を一部開始しました。2030年度に向けて導入量を拡大し、CO2排出量の削減を進めてまいります。
① ガバナンス
環境保全に対する規制や要請に対応しつつ、より積極的に取り組むために「ヨドコウ環境マネジメントシステム」を構築しています。さらに、「サステナビリティ推進室」を設置し、TCFD事務局として気候変動関連の検討・管理を推進してまいります。
また社長を委員長とし、環境担当役員、各部門の総括環境管理者からなる「環境委員会」で、気候変動に関わる基本方針や重要事項を審議しています。「環境委員会」で審議した内容は取締役会へ報告を行い、全社で統合した取組みを推進しております。
② リスク管理
気候関連リスク・機会を発生可能性と影響度の観点から優先順位付けを行い、重要度の高い事項に注力して取り組んでおります。
気候関連リスクの管理プロセスとして、サステナビリティ推進室を中心に「環境委員会」にて、気候関連リスクに関する分析、対策の立案と推進、進捗管理等を実践しております。
「環境委員会」で分析・検討した内容は、取締役会に報告し、全社で統合したリスク管理を行っております。
③ 戦略
中長期的なリスクの一つとして「気候変動」を捉え、関連リスク及び機会を踏まえた戦略と組織のレジリエンスについて検討するため、当社はIEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(2℃未満シナリオおよび4℃シナリオ)を参照し、2030年及び2050年までの長期的な当社への影響を考察し、国内鋼板関連事業を中心にシナリオ分析を実施しました。
※2℃未満シナリオ:気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化などの対策が取られるシナリオ
4℃シナリオ :気温上昇の結果、異常気象などの物理的影響が生じるシナリオ
リスク大 ★★★ >リスク小 ★
機会大 ●●● >機会小 ●
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シナリオ |
要因 |
変化 |
リスク/機会 |
重要度 |
当社への影響 |
当社の対応策 |
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2℃未満 |
カーボンプライシングの導入 |
原材料等の調達コストの増加 |
リスク |
★★★ |
◆カーボンプライシング(炭素税、排出量取引)導入による原材料への価格転嫁の影響で調達コストが増加する。 ◆物流事業者のEV・FCVへの設備投資や再生可能エネルギー・グリーン燃料の調達により、物流コストが増加する。 |
◇生産効率アップの取組み推進 ◇製品価格転嫁について交渉 ◇モーダルシフトの推進 ◇物流拠点・配送方法の協議・検討 |
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操業エネルギーコストの増加 |
リスク |
★★ |
◆カーボンプライシング(炭素税、排出量取引)導入により、操業エネルギー(電力・ガス)価格が増加する。 |
◇省エネルギーの推進 ◇自家消費太陽光発電設備導入 ◇生産効率アップの取組み推進 |
||
|
環境規制の強化 |
CO2排出削減に向けた規制への対応 |
リスク |
★ |
◆社会的要請により、環境規制が一層強化される。 それに伴い、CO2排出削減への取組みが加速し、エネルギー関連投資が増加する。 |
◇省エネルギーの推進 ◇CO2削減に寄与する新技術の検討・導入 |
|
|
顧客嗜好の変化 |
社会における環境意識、脱炭素意識の高まり |
機会 |
●●● |
◆環境及び脱炭素意識の高まりによりZEH,ZEBへの移行が推進する。 それに伴い、省エネルギーの寄与が期待できる当社の断熱・環境対応製品需要が拡大する。 |
◇断熱・環境対応製品(屋根・壁・パネル材等)の提供拡大とメニューの充実 ◇断熱・環境対応製品の開発推進 |
|
|
4℃ |
自然災害の激甚化 |
サプライヤー、及び当社事業所が被災することによる操業停止リスクの上昇 |
リスク |
★★ |
◆サプライヤー、及び当社事業所が自然災害(台風、洪水など)に見舞われ、操業停止の可能性が高まる。 |
◇原材料安定調達のためのレジリエンスの高い調達網の構築 ◇適正在庫の継続的確保 ◇事業所間の代替生産体制整備 ◇事業所災害対策(洪水他)の更なる推進 |
|
激甚化する自然災害に備える災害対応ソリューションや製品需要の増加 |
機会 |
●● |
◆自然災害の激甚化(台風大型化等)が懸念され、災害に備える動きが活発化する。 それに伴い、当社の屋根・壁高強度製品や水密性能の高い製品・施工の需要が拡大する。 |
◇製品メニューの充実と提供拡大 ◇高強度製品の開発推進 |
④ 指標と目標
記載されている指標と目標は、提出会社によるものであります。
1999年に企業活動の指針として「淀川製鋼所環境宣言」を作成し、以来全社を挙げて、地球の環境に配慮した企業活動に取り組んでいます。気候変動問題については、省エネルギーの推進や再生可能エネルギー利用、新技術の導入などによるCO2排出量の削減が重要課題と考えます。
当社は、「2050年カーボンニュートラルの実現」を目指し、「2030年度CO2排出量 2013年度比30%削減」をターゲットとして取り組んでまいります。
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項目 |
基準年(2013年度)実績 |
2022年度実績 |
目標年 |
目標値 |
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CO2排出量 |
200千t-CO2 |
148千t-CO2 |
2030年度 |
2013年度比30%削減 |
(3)多様性を含む人的資本に係る戦略並びに指標および目標
記載されている戦略並びに指標および目標は、提出会社によるものであります。
① 多様性の確保を含む人材育成方針と社内環境整備方針
<人材の多様性確保についての考え方>
当社は、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観をもつ人材が存在しその個性を活かすことが、変化の激しい社会情勢と市場環境に対応が可能な組織の構築に資するとともに、当社の持続的な成長を確保するうえでの強みとなり得る、との認識に立ち、女性・中途採用者・外国人等の活躍促進を含む多様性の確保を推進しております。
<多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針>
当社では、各種採用チャネルを活用して女性・中途採用者・外国人等の属性を問わず多様な人材の採用を実施するとともに、女性一般職社員の総合職への職掌転換も促進し、多様性人材の拡充に向け取り組んでおります。また多様な人材が、各自の特性や価値観を活かして個々の能力を最大限発揮しうるため、女性総合職向けの各種研修等、社員教育の充実を図り社員が自律的に成長できる環境づくりを進めております。
その他、子育て世代が働きやすい社内環境整備として、仕事と育児の両立の支援に向け、下記の取り組みも実施しております。
(当社における仕事と育児の両立支援のための制度)
・産休・育休制度の活用促進
・子育て世代の社員の時短勤務制度(1時間/日まで有給)の利用促進
・育児・介護等が必要な社員が、多様な働き方を可能とするための在宅勤務制度の導入
尚、外国人材については、国籍・信条を問わず、多様性および異なる価値観を尊重し、優秀な人材は積極的に上位職種に登用する等の多様性を尊重する取り組みを進めてまいります。
今後は、多様性人材の拡大に向けた各種設定目標値の達成に取り組むとともに、社員が柔軟に働きやすい職場環境づくりの整備を行い、全ての社員が心身ともに健康で安心して業務ができる環境づくりに取り組んでまいります。
② 上記方針に関する指標、ならびにその目標および実績
<目標値>
(1)大卒総合職社員採用者に占める女性の割合(2021年度~2024年度) 20%以上
(2)管理職に占める女性の比率(2025年度まで) 5%以上
(3)大卒総合職社員に占める中途採用者の割合(2025年度まで) 20%以上
<実績値>
(1)大卒総合職社員採用に占める女性の割合(2021年4月1日~2023年4月1日入社実績) 33.3%
(2)管理職に占める女性の割合(2023年4月1日現在) 3.2%
(3)大卒総合職採用者の中途採用割合(2022年度実績) 22.7%
当社及び当社グループの事業展開上のリスク要因について、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当社グループのリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。
1. 事 業 関 連
(1)鉄鋼および建材市況の変動
当社グループの購入する主原料(熱延鋼板)、副原料(亜鉛・アルミおよび塗料等)、その他各種資材等の価格は市況に大きく左右されます。主原料である熱延鋼板の価格は、いわゆる鉄鋼原材料である鉄鉱石と原料炭の価格変動の影響を受けますが、これらの価格はときに実需給によらず投機的な商品市況として変動する場合があります。また、熱延鋼板の市況は、海外市場と日本国内市場で乖離が発生する場合もあります。当社グループは原料の機動的な調達を強みとするとともに、顧客に対しても一定の価格交渉力を有しておりますが、当社が販売する商品の市況と原料市況が想定を超えて乖離する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から脱しつつあると考えられますが、ロシアのウクライナ侵攻と欧米等によるロシアへの経済制裁などを発端とするサプライチェーンの混乱や資源・エネルギー価格の高止まりを主要因とする物価上昇が続いております。また、特に欧米ではインフレ対応としての中央銀行による金融政策が金利上昇につながるなど、金融市場においても先行きに不透明感が高まっております。
これらを背景として鉄鋼市場においても製品価格が高止まりする一方で、景気後退懸念に伴い需給バランスが世界的に不安定な状況となっております。
これらの状況は当社グループの2024年3月期以降の業績に影響を及ぼす可能性がありますが、その影響の程度については流動的です。
当社グループとしましては、原料については、重要な調達先と戦略的に資本関係を結ぶなどして供給の安定を図るとともに、複数の調達先と機動的な交渉を行うこと、さらには調達先の一層の多様化を進めることでリスクの低減を図っております。販売価格については、製品の機能・品質はもちろんのこと、デリバリー、各種サポートの充実、顧客との信頼関係の深化など、あらゆる面での競争力強化と差別化を継続的に図り、価格交渉力の向上に取り組んでおります。
(2)クレーム
当社グループが製造・販売する製品や提供するサービス等に起因し、何らかのクレームが発生するリスクがあります。
このリスクについて、当社グループとして可能な限り低減の措置をとっておりますが、リスクが顕在化する時期やその影響の程度は流動的です。
当社グループとしましては、ISOの品質マネジメントシステムを主体とする品質保証体制のもと実効的な品質管理を行い、製品の性能と品質の確保に努めております。また、顧客対応の専用部署を設け、苦情や問い合わせに迅速かつ適切に対応することで、リスクの低減を図っております。なお、一部の製品を対象とする賠償責任保険に加入しております。
当社が2007年から2016年に製造した建築外装用カラー鋼板の一部で発生している美観および耐久性上の不具合に関し、将来の不具合発生にかかる補修費用等の発生リスクについては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 (連結貸借対照表関係)4.偶発債務」を参照ください。
(3)新型コロナウイルス感染症による影響
新型コロナウイルス感染症については、当社グループの2023年3月期の業績においては、中国におけるいわゆる「ゼロコロナ」政策に伴う上海など大都市での都市封鎖などから、主に当社連結子会社であるYSS社の生産および販売活動に一定の影響がありました。当連結会計年度末の状況としては、世界経済はその影響から脱しつつあるものと考えられます。
一方で、新たな変異株の出現などから再び経済活動への影響が及ぶリスクは残っているものと考えられ、同問題は引き続き当社グループの2024年3月期以降の業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がありますが、その影響の程度は流動的です。
当社グループとしましては、引き続き従業員の感染リスク低減と安全確保等に努めるとともに、グループ各社が機動的に連携することで調達・生産・販売のリスク低減に取り組んでまいります。
(4)海外情勢の変動
当社グループは海外では台湾、中国、タイに生産・販売拠点を有しており、各拠点の経済圏のみならず他の地域への輸出販売が連結売上高の相当な比率を占めております。これら海外市場での事業活動には以下のようなリスクが内在しております。
①保護主義的な貿易措置による輸出販売の制約
②不利な政治または経済要因による事業活動の制約
③予期しない法律及び規制並びに税制の変更による事業活動の制約
④各種要因からの社会的混乱による事業活動の制約
これらのリスクが顕在化する時期やその影響の程度については流動的です。
2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は、欧米等によるロシアへの経済制裁の影響も含め、世界的なサプライチェーンの混乱や各種資源・エネルギーの供給制約と価格高騰など、世界経済に大きな影響を及ぼしております。これらの状況は当社グループの特に中長期的な事業活動に影響を及ぼす可能性がありますが、その程度は流動的です。
また、中国においては習近平政権への権力一極集中が進み、権威主義的・強権的姿勢が強まっていることから、台湾問題を含む国際情勢全般において日本および欧米諸国との対立が強まっております。中国との政治的対立や経済的分断が進む場合、当社グループの中長期的な事業活動に影響が及ぶ可能性がありますが、そのリスクが顕在化する時期や程度は流動的です。
当社グループとしましては、複数の事業拠点を配することでリスクの分散を図るとともに、各拠点が連携をとって機動的に対処してまいります。また、特に台湾問題については、常に諸情勢を注視するとともに有事を想定した対応策を継続して検討してまいります。
(5)為替の変動
当社グループの海外連結子会社の取引は、各所在国の現地通貨または米ドルでの契約が大半を占めていることから、これら通貨と日本円との為替レートの変動は、当社の連結の売上高・利益に直接的な影響を及ぼします。
米ドルに対する日本円の為替レートの変動は、直接的には当社および日本国内のグループ会社の輸出環境、日本国内市場における輸入競合製品との価格競争環境、当社の原材料の調達コスト等に影響を及ぼすとともに、間接的には日本のマクロ経済に影響を及ぼします。
これらのリスクが顕在化する時期やその影響の程度については流動的です。
当連結会計年度においては、米国の政策金利引き上げに伴い米ドルに対する円安が一時大きく進捗するとともに、当社グループの海外連結子会社所在国通貨についても全般的に円安方向の傾向が続きました。
当社グループでは、これら為替レートの動向に細心の注意を払うとともに、そのときどきの動向に応じた機動的な調達と販売施策を実行することで、収益の安定に努めております。
(6)情報セキュリティ
当社の事業活動は、情報システムを利用して業務の効率化を図っております。また、自社及び取引先の営業秘密や個人情報などの機密情報を、情報システムに保管しています。これらの機密情報の管理には万全を期しておりますが、悪意のある第三者からのサイバー攻撃等で情報が漏洩した場合、社会的信用が著しく低下し、事業活動が滞る可能性があります。また、自然災害による大規模停電やランサムウェア他により、想定外のシステム障害が発生し、復旧に時間を要した場合は、生産・販売・間接業務など事業活動全てにおいて、直接的な影響が及ぶ可能性があります。
これらのリスクが顕在化する時期やその影響の程度は流動的ですが、当社では、情報システム・情報セキュリティに関する諸規程を定め、適切なシステム管理体制を構築し、セキュリティ対策を実施しております。また、バックアップデータの消失やハード障害への対策として、積極的にクラウドの利用を推進し、リスクの低減に取り組んでおります。
(7)気候変動
気候変動は中長期的に地球環境や世界的マクロ経済に大きな影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの事業活動、業績や財務状況、ひいては事業形態にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社は2022年6月に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同を表明し、ガイダンスに沿った気候変動シナリオ分析を実施しております。脱炭素社会へ向けた移行リスクとしては、カーボンプライシング(炭素税,CO2排出量取引)の導入による原材料及びエネルギー価格の上昇、環境規制の強化による設備投資の発生などが想定されます。また、当社グループ事業への物理的リスクとしては、自然災害の激甚化による当社事業所への被害やサプライチェーンの混乱などが予想されますが、これらのリスクが顕在化する時期や影響の程度については流動的です。シナリオ分析の結果を踏まえ、当社は「2050年カーボンニュートラルの実現」を目指し、「2030年度CO2排出量2013年度比30%削減」をターゲットとして取り組みます。
当社グループではさまざまな環境問題に対応するべく1999年に「環境宣言」及び「環境行動指針」を定め、「安全・安心・環境・景観」を全ての事業活動におけるキーワードとして、自然と調和し共生する企業活動に取り組んでおります。地球温暖化問題への取組としては、グループ全体で省エネルギーやCO2排出量の削減などを推進する為、環境マネジメントシステムを構築し、国内外の主要事業所においてISO14001を取得しております。
当社の外装建材商品では高強度かつ軽量で暴風・地震災害に強い鋼板製屋根・外壁商品、空調負荷の低減が期待できる高断熱屋根・外壁商品に注力しており、さらにはゲリラ豪雨時の道路冠水リスクを低減するグレーチング商品にも注力しております。当社グループでは気候変動をリスクとしてだけでなく機会として捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題の解決へ貢献してまいります。
2. 財 務 関 連
(1)市況変動にともなう財務状況への影響
当社グループの主力事業である表面処理鋼板事業及びその二次製品である鋼板建材事業は、世界的な鉄鋼および鋼板建材市況の変動の影響を大きく受ける特徴があります。需給環境による販売数量の変動に加え、原材料価格・販売価格の双方の大きな変動に常にさらされるとともに、双方が想定を超えて乖離する場合は、当社グループの業績のみならず短期的なキャッシュフローに大きな影響が及びます。
前連結会計年度(2022年3月期)から当連結会計年度(2023年3月期)にかけては、新型コロナウイルス感染症の影響の緩和に伴う販売数量の回復に加え、世界的な鉄鋼原材料と鉄鋼製品の急激な価格高騰などから、当社グループの運転資金負担は大きく増大しました。
当社グループとしてはこのような事業上の特徴を踏まえ、保有する現預金についてキャッシュフローの大きな変動に耐えうる相応の水準維持に努めるとともに、投資有価証券の流動化に加え、金融機関と締結しているコミットメントライン契約の活用などにより、機動的に資金面の対応をしております。
(2)減損会計による影響
当社グループの事業のセグメントの内、その他事業に属する資産グルーピングである「西脇カントリークラブ(ヨドコウ興発株式会社)」については、営業損失の計上が続いております。当連結会計年度において、ヨドコウ興発株式会社は西脇カントリークラブにおける主要な固定資産のリニューアルを完了し、リニューアル後の事業計画に基づき業績の改善を進める方針ですが、計画に対する今後の実績の状況と、当該資産グルーピングにおける固定資産の公正価値の評価いかんによっては、今後の連結業績において減損損失が生じる場合があります。
(3)保有株式の時価変動
当社は、事業の拡大と持続的成長のためにはさまざまな企業との協力関係が不可欠であるとの観点から、企業価値を向上させるための事業戦略上の重要性、取引先との事業上の関係等を総合的に判断し、政策的に株式を保有することとしております。この政策保有株式を含むその他投資有価証券については、金融商品会計基準に基づき、個々の銘柄の期末時点における時価が帳簿価額に比べ50%以上下落した場合には「著しく下落した」ものとみなして減損処理を行い、また30%以上50%未満下落した場合にも回復可能性の有無を判断し必要と認められた場合には減損処理を行い、簿価と時価との差額を評価損として特別損失に計上するという会計処理を行っております。経済情勢の変化等により、株価が大きく下落した場合には、この評価損の計上により当社グループの業績と財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
このリスクが顕在化する時期や影響の程度は流動的です。
当社は、毎年、個別の政策保有株式の保有目的の妥当性や中長期的な保有の合理性について検証し、保有の合理性が認められないと判断したものは、適切な時期に純投資への振替や売却を進めております。
(4)退職給付債務
当社グループは、会計基準に従って退職給付債務を処理しておりますが、今後の経済情勢によっては退職給付債務の計算基礎となる事項(割引率、長期期待運用収益率等)について再検討する必要が生じる可能性があり、また、年金資産の運用環境によっては数理計算上の差異が多額に発生する可能性もあります。これらの場合、未積立退職給付債務の増加等、費用処理すべき債務金額が増加することにより、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
このリスクが顕在化する時期や影響の程度は流動的です。
当社グループとしましては、毎年、年金運用プランの見直しを実施し年金資産の構成比率を変動させることにより、経済情勢に即した運用を実施することによって、退職給付債務が業績に与える影響を抑える取り組みを行っております。
なお、当社は2023年4月より社員の定年到達年齢を60歳から65歳に制度変更しておりますが、これに伴い退職給付債務が今後の業績に与える影響は極めて軽微であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、ウィズコロナの進展による経済活動正常化の進捗などから、景気は緩やかながら持ち直しの動きがみられましたが、ウクライナ情勢の影響や、円安による輸入コスト上昇などによる資源・エネルギー価格の高騰などの要因から、特に期間の後半において景気の下押し圧力が高まりました。
世界経済におきましては、米国では物価上昇や金融引締策の影響などから先行き景気減速への懸念が高まっております。中国ではいわゆる「ゼロコロナ」政策や不動産不況などの影響による需要低迷などから停滞がみられており、加えて欧州でのエネルギー価格高騰などによるインフレの加速や政策金利の上昇などから、減速感を強めております。
鉄鋼業においては、日本国内では、半導体の供給制約の緩和などから自動車生産に持ち直しの動きが見られる一方で、非住宅着工や機械受注が弱含むなどの要因から、鉄鋼受注・生産ともに減少が続いております。
海外鉄鋼市場では、中国のゼロコロナ政策撤廃に伴う景気回復への期待は見られるものの、全体としては各地域の景気減速を反映し弱含んでおります。
当社グループは、原材料・エネルギーなど各種コストの過去に類をみない急激な上昇のなか、お客様への製品の安定供給と自助努力によるコストダウンにつとめるとともに、再生産可能な製品販売価格についてお客様のご理解を得られるよう丁寧な説明につとめました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高220,314百万円(前年同期比18,659百万円増)、営業利益12,665百万円(同1,683百万円減)、経常利益17,686百万円(同230百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益10,593百万円(同804百万円増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、営業活動に伴うキャッシュ・フローの増加による現金及び預金の増加、売掛債権の減少、棚卸資産の増加、純投資目的株式の売却に伴う投資有価証券の減少などの差引により前連結会計年度末より6,386百万円増加し251,057百万円となりました。負債は、仕入債務、退職給付に係る負債の減少などにより前連結会計年度末より3,582百万円減少し49,150百万円となりました。純資産は、利益剰余金、為替換算調整勘定等の増加などにより前連結会計年度末より9,968百万円増加し201,906百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
鋼板関連事業
売上高は210,952百万円(前年同期比18,523百万円増)、営業利益は13,310百万円(前年同期比902百万円減)であります。
ロール事業
売上高は2,929百万円(前年同期比240百万円増)、営業損失は262百万円(前年は営業利益8百万円)であります。
グレーチング事業
売上高は3,500百万円(前年同期比56百万円増)、営業利益は51百万円(前年同期比57百万円減)であります。
不動産事業
売上高は1,236百万円(前年同期比27百万円減)、営業利益は786百万円(前年同期比71百万円減)であります。
その他事業
売上高は1,695百万円(前年同期比133百万円減)、営業利益は237百万円(前年同期比208百万円減)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物期末残高は、前連結会計年度末に比べ9,750百万円増加し、40,712百万円となりました。これは主に、営業活動によるキャッシュ・フローにおける資金の収入によるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は17,336百万円(前年は資金の減少10,645百万円)となりました。当期営業利益、売上債権の減少と棚卸資産の増加の差引が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は3,160百万円(前期比1,175百万円増)となりました。これは主に固定資産の取得等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は5,092百万円(前期比3,865百万円増)となりました。これは主に、配当金の支払によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
鋼板関連事業(百万円) |
205,998 |
6.2 |
|
ロール事業(百万円) |
2,877 |
7.3 |
|
グレーチング事業(百万円) |
3,717 |
6.7 |
|
不動産事業(百万円) |
- |
- |
|
報告セグメント計(百万円) |
212,594 |
6.2 |
|
その他(百万円) |
240 |
51.4 |
|
合計(百万円) |
212,834 |
6.2 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
鋼板関連事業 |
208,121 |
4.0 |
26,171 |
△9.8 |
|
ロール事業 |
3,200 |
△4.9 |
2,099 |
14.8 |
|
グレーチング事業 |
3,486 |
1.5 |
173 |
△7.4 |
|
不動産事業 |
1,236 |
△2.2 |
- |
- |
|
報告セグメント計 |
216,044 |
3.8 |
28,444 |
△8.3 |
|
その他 |
1,622 |
△17.7 |
371 |
△16.4 |
|
合計 |
217,666 |
3.6 |
28,816 |
△8.4 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
鋼板関連事業(百万円) |
210,952 |
9.6 |
|
ロール事業(百万円) |
2,929 |
8.9 |
|
グレーチング事業(百万円) |
3,500 |
1.6 |
|
不動産事業(百万円) |
1,236 |
△2.2 |
|
報告セグメント計(百万円) |
218,618 |
9.4 |
|
その他(百万円) |
1,695 |
△7.3 |
|
合計(百万円) |
220,314 |
9.3 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱佐渡島 |
40,316 |
19.9 |
45,784 |
20.8 |
|
阪和興業㈱ |
20,340 |
10.0 |
- |
- |
(2)経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
<売上高>
日本国内・海外ともに各種コストが急激に上昇する厳しい事業環境ではありましたが、各地域において新型コロナウイルス感染症の影響からの回復に伴う需要の捕捉につとめるとともに、再生産可能な製品販売価格の実現に取り組みました。
日本国内での販売価格が改善傾向にあったことに加え、タイの子会社であるPPT社の業績が堅調であったことなどから、連結売上高は増収となりました。
<営業利益>
日本国内においては、各種コストの上昇などによる厳しい状況が継続しましたが、販売価格の改善などから増益となりました。
一方で海外においては、台湾の子会社であるSYSCO社が海外市況悪化の影響を強く受け大きく減益となったことに加え、中国の子会社であるYSS社が主にゼロコロナ政策の影響から販売量が減少したことなどから、連結営業利益は減益となりました。
<経常利益>
営業外収益における投資有価証券売却益の計上増などから、経常利益の減益幅は営業利益と比べ減少しております。
<親会社株主に帰属する当期純利益>
法人税等合計額における法人税、住民税及び事業税の計上増などから連結当期純利益の減益幅は経常利益と比べ増加しております。なお、連結当期純利益における減益要因として非支配株主比率の高いSYSCO社の影響が大きいことから、親会社株主に帰属する当期純利益では増益となっております。
当社グループの資本政策の基本方針については、持続的な成長のための積極的投資と株主への最大限の利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
当連結会計年度末時点で外部からの資金調達を必要とする重要な資本的支出の予定はありませんが、当面の運転資金及び設備投資資金については、主として自己資金から充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達していく方針です。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、2020年に策定・開示しました「淀川製鋼グループ中期経営計画2022」において、「連結経常利益(2022年度)90億円以上」としておりました。
当期におきましては、日本国内および海外のいずれにおいても各種コストが急激に上昇する厳しい経営環境の中、当社グループの強みである機動力を発揮しコスト削減や販売価格の改善、新規顧客の開拓などの企業努力を重ね、2022年度の目標値を上回る連結経常利益を計上することができました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
鋼板関連事業
鋼板業務
日本においては、建築需要の停滞や期間の後半にかけての採算重視の販売施策などからひも付き(特定需要家向け)および店売り(一般流通向け)ともに販売量は減少しましたが、各品種の販売価格の改善により増収・増益となりました。
海外では、台湾のSYSCO社は、台湾国内向けおよび輸出ともに期間の後半に市況停滞の影響を強く受け、販売数量が減少したことなどから減益となりました。中国のYSS社は、ゼロコロナ政策に伴う上海など大都市での都市封鎖等の影響による販売量の減少から業績は悪化しました。タイのPPT社は、高付加価値製品の販売が堅調に推移したことに加え、販売価格改善も進捗したことから増収・増益となりました。
建材業務
建材業務では、エクステリア商品、外装建材商品ともに販売量は減少しましたが、販売価格改善などの要因から全体としては増収となりました。
以上から、鋼板関連事業としては増収・減益となりました。
ロール事業
鉄鋼向けの輸出販売量が増加したことなどから増収となりましたが、材料価格の高騰などのコスト増により営業損失となりました。
グレーチング事業
販売価格の改善などにより増収となりましたが、材料価格の高騰などのコスト増により減益となりました。
不動産事業
売上についてはほぼ前年並みに推移しましたが、賃貸用不動産の改修などによる償却負担増等により減益となりました。
その他事業
倉庫運送事業の扱い減などにより減収・減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、資本政策の基本方針のなかで、「グローバルな経済の変動に経営環境が大きな影響を受けるなかで、企業理念に基づく経営戦略を着実に実現し、持続的な成長のための積極的投資と株主への最大限の利益還元を両立させるために、強固な財務基盤を維持する」こととしており、営業活動によるキャッシュ・フローを安定的に獲得すべく事業活動に取り組んでおります。
2023年3月期の連結キャッシュ・フローの状況としては、営業活動によるキャッシュ・フローは17,336百万円の資金の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは3,160百万円の資金の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは5,092百万円の資金の減少、現金及び現金同等物に係る換算差額は667百万円の資金の増加となり、現金及び現金同等物の残高は9,750百万円増加しました。
このうち、固定資産の取得・売却等による資金の減少は5,938百万円、配当金の支払(非支配株主への支払含む)による資金の減少は5,023百万円であります。
前期は新型コロナウイルス感染症の影響等で落ち込んだ販売量からの回復と各種コストの大幅な上昇から運転資金負担が増大し資金が大きく減少しましたが、当期は主に運転資金負担の増加幅が縮小したことなどから、上記のとおりの資金の増加となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
技術導入契約
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契約会社 |
相手会社 |
契約内容 |
契約期間 |
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㈱淀川製鋼所 |
アンドリッツ キュスタース社(独) |
パルプ製紙用ロールとその附属装置の製造に関する技術指導を受けること |
2021年2月から 2026年2月まで |
当社において、多様化した商品市場に応え、ユーザーに直結した高付加価値商品の開発に注力しております。特に鋼板関連事業のカラー鋼板については、プレコート分野での高級カラー鋼板の需要増大に対処するため、絶えず新製品の開発に取り組んでおります。また、鋼板関連事業の建材商品については、開発本部 開発部、建材性能試験場において、新商品の開発、既存商品のモデルチェンジ等、常に社会のニーズに対応すべく研究活動を行っております。ロール事業についても、ロール製品の大阪工場内の技術開発チームで開発研究を行っております。
また、連結子会社であるSYSCO社においても、各種精密試験機器により分析を実施し、高機能のカラー鋼板の研究を行っております。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、