第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、経営の基本方針を次のとおり「基本理念」として掲げております。

 ① 社会   よき企業市民として社会との調和ある成長を目指す。

        ・企業倫理の徹底をはかり、公正で透明な企業活動の推進。

        ・クリーンで安全な商品を提供することを使命とし、地球環境保護を重視した企業活動の推進。

        ・地域社会の一員としての役割を自覚し、よい社会づくりに貢献。

 ② お客さま 革新的な技術開発、製品開発に努め、お客さまに喜ばれる、よい商品を提供する。

 ③ 株主   将来の発展に向けた革新的経営を進め、株主の信頼に応える。

 ④ 社員   労使相互信頼を基本に、社員の個性を尊重し、安全で働きやすい職場環境をつくる。

 ⑤ 取引先  開かれた取引関係を基本に、互いに研鑚に努め、ともに長期安定的な成長を目指す。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

 世界中で、経済的、地政学的に不安定・不確実な時代が続くことが予想されるなか、当社が持続可能な成長を続けるために、世の中の社会課題を解決し、必要とされる企業となるべく、以下の取り組みを推進してまいります。

①ものづくり競争力強化

 お客さまに信頼され・選ばれるための「ものづくり競争力」の確保を目指し、a.マーケットイン※1を意識した設計・製造品質の向上、b.競合に勝てる原価の実現、c.キャッシュフロー改善への貢献ができる、企画・開発から生産・納入までのリードタイム短縮を目指します。

②技術開発力強化

 インテリアスペースクリエイターの実現に向けて、技術開発力の向上に取り組みます。まず、a.環境変化にスピーディに対応するために技術ロードマップを整備。その上で、b.内装システムサプライヤーとしての技術力を獲得、c.空間ソリューションの企画・開発を強化、d.コア事業とは別の新事業の芽を創出し実現に向けた社会実装を進めます。とりわけ、電動化に対応する技術開発力の向上を急ピッチで進めます。

③販売能力強化

 世界中のさまざまなお客さまから選ばれるために、上記①ものづくり競争力、②技術開発力をベースにして、販売能力を引き上げ、世界中のお客さまに提案を行い、受注拡大を目指します。

④経営基盤強化

 上記①~③を実践していく上で、「ヒト・モノ・カネ」の経営資源をマネジメントする仕組みと体制が欠かせません。取り巻く環境変化の早さに追随するため、DXを通じた財務・非財務の経営情報の早期入手・展開を行い、意思決定の迅速化およびガバナンス強化に努めます。また、社員全員が能力を100%発揮できる風通しのよい職場風土の醸成、社員全員の業務品質向上を目指したTQM活動※2を引き続き推進します。そして、2030年ありたい姿の実現に向けた人材の計画的な採用・育成を行います。あわせて、イノベーション創出に向けて、社員のチャレンジを後押しする仕組みや制度を充実いたします。

 上記に加え、環境対応として、自社の生産現場だけでなく、サプライチェーン全体でのCO₂排出量削減に向けた活動を推進するとともに、生物多様性など社会が求める新しい要請にも応えていきます。

 当社は、先進的な技術開発と高品質なものづくりを通じて、人を中心としたモビリティー空間のソリューションを提供することで、社会課題の解決を図りながら経済的価値を向上し、「社会に必要とされ続ける企業」を目指してまいります。

 

※1 マーケットイン:顧客のニーズに基づいて、ニーズを満たすような商品を開発・提供すること

※2 TQM(Total Quality Managementの略)活動:柔軟で強靭な企業体質を保つため、基本理念の「お客さま第一」「絶え間ない改善」「全員参加」に基づき、「人」「組織」「プロセス」の能力を高め、業務品質向上を図る活動

 

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

 

[戦略]

トヨタ紡織グループは、創業者である豊田佐吉の考えをまとめた「豊田綱領」に基づき、すべてのステークホルダーから信頼され続けるために「基本理念」を制定し、事業活動において着実に実践しています。持続可能な成長の追求を通じて経済的価値の向上を図り、その成果をステークホルダーのみなさまに還元するとともに、持続可能な成長への投資をすることで、中長期的に企業価値の向上を図り、ステークホルダーのみなさまの期待に応え、国際社会・地域社会の発展に貢献します。

これまでもCSR活動に取り組み、SDGsの達成に貢献してきましたが、世の中の変化に合わせ、2019年3月よりCSRからCSV経営へのシフトを加速させています。そして2020年7月、さまざまな社会課題の中から本業を通じて優先的に取り組む重要な課題を特定し、解決する姿をマテリアリティとして策定し、続く11月にマテリアリティ実現への施策を織り込んだ「2025年中期経営計画」を発表しました。

さらに、CSV経営の考え方を明確にするため、CSRの考え方を見直し、2021年11月に取締役会の承認を受け、「トヨタ紡織グループサステナビリティ基本方針」を策定しました。

また、「基本理念」を実践するために、グローバルでの共通の価値観や行動パターンとして「TB Way」「トヨタ紡織グループ行動指針」を制定し、共有しています。

 

 

 

トヨタ紡織グループ サステナビリティ基本方針

トヨタ紡織グループのサステナビリティ基本方針は、「経営の考え方」、「マテリアリティ」、「経営の目指す姿」で構成されています。

 

 

 

1.経営の考え方

トヨタ紡織グループは、「豊田綱領」に

基づいて「マテリアリティ」を定め、本業を

通じて、社会に貢献していきます。

※トヨタグループの創始者である豊田佐吉の

考えをまとめたもの

 

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2.マテリアリティ

インテリアスペースクリエイターとして

快適・安全・安心を創造し、こころ豊かな

暮らしと交通事故死傷者ゼロ社会に貢献

していきます。

また、再生可能エネルギーの活用やサーキュ

ラーエコノミーでカーボンニュートラルの

実現に挑戦していきます。

 

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3.経営の目指す姿

当社の企業価値は、よき企業市民として

社会的価値への貢献と、競争力・経営基盤の

強化の取り組みを軸に経済的価値の向上を

図り、ステークホルダーのみなさまの期待に

応えると同時に持続可能な成長を追求して

いきます。

 

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[ガバナンス]

活動にあたっては、年2回開催する「CSV推進会議」(議長:CSO(Chief Strategy Officer))で、CSVの考え方に基づいた企業価値向上に向けた課題や方向性の報告、審議を行うとともに、活動の内容を取締役会に報告します。

また、CSV推進会議には、ESGの観点で整理し、マテリアリティの進捗を測るESG KPIの責任者である全てのチーフオフィサーが出席し、ESG KPIのモニタリングを実施しています。これらの活動を通して、マテリアリティの達成度合いを正確に把握し、必要に応じてPDCAサイクルを回し、リカバリーを図っています。

 

体制図

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[リスク管理]

2019年4月から2020年7月にかけて、全社をあげて重要課題の特定に取り組み、マテリアリティを策定しました。

特定した重要課題は、人と生活を豊かにする「プラスの影響を最大化するもの」と、リスクを回避する「マイナスの影響を最小化するもの」に分類し、それらを「本業を通じて解決する安全・環境・快適に関する課題」と、「競争力を発揮するための源泉となる人・組織に関する課題」に整理。それぞれの課題へ「解決する姿」を加えたものを、トヨタ紡織グループのマテリアリティとしました。

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[指標及び目標]

2025年中期経営計画で設定した経済的価値を測る財務KPIに加え、社会的価値を測る非財務KPIのESG KPIを、2021年12月に設定しました。

ESG KPIをもとにマテリアリティを実現し、企業価値を向上することで、ステークホルダーのみなさまの期待に応えていきます。

なお、ESG KPIは、年に2回開催するCSV推進会議(議長:CSO(Chief Strategy Officer))で、フォローしています。

 

<ESG KPI策定の考え方>

1.ESGの観点で整理

2.トヨタ紡織グループサステナビリティ基本方針に沿っている

3.マテリアリティの進捗を測ることができる

4.コーポレートガバナンスコードに則している

5.社会からの要請に対応している

No (※)

関連する

マテリアリティ

KPI項目

2022年度

実績

目標値

2025年度

2030年度

生産CO2排出量削減率(2013年度比)

▲31%

▲25%

▲50%

再エネ導入率

23%

15%

40%

物流CO2排出量削減率(2011年度比)

▲30%

▲14%

▲20%

廃棄物排出量削減率(2011年度比)

▲20%

▲14%

▲20%

水使用量低減率(2013年度比)

▲35%

▲6%

▲8%

自然共生(植樹本数)

7.2万本

累計64万本

累計77万本

環境負荷ミニマム化につながる電動化製品のユニット部品における売上高比率

6.5%

10%

45%

①②

特許出願数

325件

320件/年

500件/年

①②

社外発表・論文数

66件

90件/年

120件/年

10

インテリアスペースクリエイターにつながる新製品開発率

5%

15%

30%

11

交通安全に寄与する製品の採用が予定される車種率

20%

50%

12

社会貢献活動の推進 参加者数

延べ2,980人

延べ2,000人

延べ2,000人

13

行動指針の実践度

87%

100%

100%

14

全社員へのストレスチェック実施回数

1回/年

1回/年

1回/年

15

健康診断受診率

99.98%

100%

100%

16

社員の重大災害発生件数

0件

0件

0件

17

③⑤

外来工事業者・外来者の重大災害件数

0件

0件

0件

18

③⑤

環境異常・苦情発生件数

1件

0件

0件

19

サイバーセキュリティ重大インシデント発生件数

1件

0件

0件

20

DX認定

認定事業者

DX-Excellent企業

DX-Excellent企業

21

独占禁止法違反件数

0件

0件

0件

22

贈収賄違反件数

0件

0件

0件

23

④⑤

サプライチェーン上の人権リスク対応(人権デュー・ディリジェンスの展開)

仕入先との

勉強会実施

展開率100%

展開率100%

24

客先からの外部表彰

8件

5件

5件

25

適時開示順守率

100%

100%

100%

(※) 上記KPIの実績および目標値のうち、No.1、2、4、5、6、13、16、17、18、19、21、22は、トヨタ紡織グループグローバル、No.3、7、8、9、10、11、12、14、15、20、23、24、25はトヨタ紡織㈱単体の数値です。

 

個別項目

 

(2)人的資本

 

1.人材戦略

自動車業界は100年に1度の大変革期にあり、従来の枠組みを越えた対応が求められています。

人材戦略においては、事業の拡大や新規事業の創出に貢献するために、誰もが率直に意見を言い合える「風通しの良い職場風土の醸成」によって、「多様な人材の活躍」を一層促進させ、イノベーションの活性化を図っていきます。

また、労働人口の減少などにより必要リソーセスの確保は一層難しくなることが予想されます。従来の延長線上にない新たな採用方法を導入しながら、必要なリソーセスはグローバルかつタイムリーに確保できる体制整備を行っていきます。

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1)多様な人材の活躍促進

当社では、多様なキャリアや働き方(主体的選択)を尊重し、国籍や年齢、性別、心身の障がいによらず、その多様性を受容して、それぞれの活躍・貢献に報いる制度、誰もがチャレンジ・活躍できる制度と環境整備を進めています。

2022年からは、社員の生の声を把握し経営陣に伝えて問題解決に繋げるため、社員ネットワーク(ENRG: Employee Network Resource Group)を設立し、活動を開始しています。

 

女性の活躍促進

[当社(単体)における女性管理職数・比率推移]

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[実施策]

キャリア形成支援

・自己申告・能力マップに基づく業務付与・育成異動

・重点育成対象者の登録と育成

柔軟なワークルール

オフィス・IT環境の整備

・フレックスタイムのコアレス化、在宅勤務制度の導入

・育児をする技能系社員が働きやすいラインの導入

・短時間勤務制度の拡充

・家族の海外出向に伴う退職後の復職制度

女性社員と上司の意識改革

・上司向けの教育、育休後の復職セミナー、女性活躍促進大会の開催

 

② 男性の育児休職取得促進

当社では、仕事と家庭を両立できる環境整備が、社員のモチベーション向上や業務の進め方の見直しに繋がると考え、男性の育児休職への意識向上と職場の理解を推進しています。

2023年からは、育児休職中の経済面でのサポートも開始し、取得を後押ししています。

 

[当社(単体)男性の育児休職取得数・比率]

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③ 外国籍社員、障がい者、シニア人材の活躍促進

日本以外の地域のグループ会社からのトレーニー(研修生)受け入れや、地域をまたぐ異動の活性化、世界各国の大学からインターンシップの受け入れや採用を積極的に実施しています。

また、さまざまな障がいを持った方が働きやすい職場環境づくりを推進しており、特に、聴覚に障がいのある方には、各工場で手話の勉強会の実施や、朝礼の連絡事項を大型モニターに掲示する等工夫をしています。

シニア人材についても、50歳以上対象の社内公募制度であるジョブポスティング制度や、60歳以降も高い職責を担い、成果を出している人材に対し、処遇で報いる制度の導入や、仕入先を含む活躍の場の拡大など、シニア人材がよりいきいきと働き活躍できる施策を実施しています。

 

 

[当社(単体)の外国籍社員、障がい者、シニア人材]

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④ LGBTQ+等 性への多様性の対応

性の多様性の理解促進のため、管理職向けに教育を実施し、社内に相談窓口を設けています。

今後も、LGBTQ+の方も安心して働ける環境を整備するとともに、社員の意識改革・理解活動を進め、性のどのようなあり方も尊重できる風土を育てていきます。

 

2)人材育成(現有組織・人材の強化)

経営理念に基づいた「TB Wayコンピテンシー(グローバルリーダーに求められる行動規範)」を策定し、「戦略立案」「実行貫徹」「人材・組織力向上」「人間力」の4つの観点で、バランスよく能力を発揮できる人材の育成と登用をグローバルに行っています。

 

① GHRプラットホーム

2013年度からトヨタ紡織グループのプロパー人材の管理職以上の資格認定を行い、見極め・育成・登用を計画的に進めて参りました。また2020年度から、職責が大きいポジションを担う場合、高い処遇が受けられるように制度の見直しを行い、若手社員の抜擢など適材適所の人材登用を容易にし、新たな経営課題への対応力を高めました。

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② 次世代経営幹部候補の育成支援

2018年度以降、後継者育成委員会(GSCT・GSC・RSC)を順次立上げ、次世代経営幹部候補の見極めやサクセッションプラン、個別育成計画の議論を通じ、地域を超えた登用や、グローバル幹部教育プログラム(GEDP※1、 GLDP※2)による育成を図っております。

※1 Global Executive Development Program

  中堅幹部職クラスを対象とした選抜教育

※2 Global Leader Development Program

  基幹職から若手幹部職を対象とした選抜教育

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③ イノベーティブ人材の育成

当社の事業領域の拡大、新規ビジネスの創成を担う人材育成を目的に2022年より2つのプログラムを始動しました。

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3)風通しの良い職場づくり

多様性の拡大を今後当社の強みとするためには、誰もが率直に意見を言い合える風通しの良い職場づくりが不可欠であると考え、社員が持てる能力を最大限発揮し、安心して働くことができる風土の醸成に取り組んでいます。

 

① 360度評価の実施

2020年度より360度評価の導入を行い、人材の見極めや登用、配置の参考指標として活用しています。また、本人へフィードバックを行う事により、気づきを与え、更なる成長の機会を提供しています。

 

② 風通しの良い職場づくりへの取り組み

2022年は、役員による行動宣言や、全ライン長へのハラスメント防止教育、有識者による講演会を実施いたしました。

また、2023年からは精神医学の見地から、感謝と思いやりのあるコミュニケーションを体得する教育の実施や、心理学の専門スタッフによる心の悩みを持つ社員への対応を強化していきます。

 

[社員満足度(いきいきKPI)肯定回答率の推移]

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4)健康経営

社員の健康増進を経営課題の一つとして捉え、2019年に「トヨタ紡織健康宣言」を策定し、CEOを最高責任者とした健康経営推進体制のもと、労使一体となり、健康でいきいきと働くことが出来る会社づくりを進めています。その取り組みが認められ、昨年に引き続き2022年度「健康経営優良法人2023ホワイト500」の認定を受けることができました。

2023年4月からは敷地内禁煙を実施し、卒煙への取り組みも支援していきます。また各部に配置された健康活動推進員を活用した取り組みにより、生活習慣の改善を考える環境を整えることで、社員の健康リテラシー向上を目指しています。

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(3)TCFDへの対応

 

トヨタ紡織グループは「地球環境保護を重視した企業活動の推進」を基本理念に、持続可能な社会の実現に向け、トヨタ紡織グループ一体となって地球環境保護に貢献しています。

2016年に「2050年環境ビジョン」を策定し、2020年には「取引先とともに「ものづくり」の革新を図り、環境負荷のミニマム化を実現する」をマテリアリティ(本業を通じて優先的に取り組む重要課題)として特定し、環境へ配慮した取り組みを推進しています。

2020 年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同しました。気候変動が事業に与える影響とそれによるリスクと機会をシナリオに基づいて広範に分析することで、自社の取り組みの方向性を確認し、今後の経営戦略に反映していきます。

 

※ Task Force on Climate-related Financial Disclosures

 

 

[ガバナンス]

気候変動を含む環境問題に関する具体的な取り組み施策は、取締役会での意思決定を経て、経営戦略会議、経営企画会議、経営会議などで業務執行を行っています。

取締役会、経営戦略会議、経営企画会議で指示された環境問題への対応方針などは、年5回開催されるカーボンニュートラル環境推進会議で共有し、トヨタ紡織グループの環境課題に対する実行計画の策定と進捗管理につなげています。また、実行計画に基づくKPIを設定し、毎月の経営会議に報告し、マネジメントレビューを実施しています。

カーボンニュートラル環境推進会議で審議した内容は取締役会に報告し、取締役会の指示・監督のもと、戦略への反映を実施しています。

 

[戦略]

気候関連のリスクと機会のシナリオ分析

①シナリオ分析結果

国際エネルギー機関(IEA)による移行面で影響が顕在化する「1.5~2℃シナリオ※1」と、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による物理面で影響が顕在化する「4℃シナリオ※2」を踏まえ、短期・中期・長期のリスクと機会を抽出し、特にリスク・機会の評価が高いものを下表に記載。

 

※1 1.5℃シナリオ:NZE(IEA World Energy Outlook 2021)、2℃未満シナリオ:SDS(IEA World Energy Outlook 2021)

※2 4℃シナリオ:RCP8.5(IPCC第5次評価報告書)

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※3 次期中期経営計画に応じて更新を行います

 

②重点取り組み

製品材料のサーキュラーエコノミーによるカーボンニュートラルへの挑戦

トヨタ紡織グループは製品のライフサイクルでのCO2排出量の削減を推進しています。

製品の軽量化や植物由来材料(バイオマス)の活用、電動化製品に対応した技術開発に加え、製品のリサイクル性向上も進めます。また、カーボンニュートラルに向け、製品に使われている材料のCO2排出量削減も進めていきます。

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※1 製品を原料として再利用し、新たな製品にすること

※2 使用済製品を化学的に分解して製品の原料として再利用すること

※3 再生可能な生物由来の資源

 

 

③シナリオ分析を通じて

・気候変動が事業に与えるリスク・機会の大きさを再認識するとともに、当社の取り組みがリスク低減・機会拡大につながっていることを確認することができました。

・シナリオ分析の結果は、「2025年 中期経営計画」の取り組み推進および「2030年 中期経営計画」を検討する上での参考とし、経営戦略へ反映していきます。

・今後もシナリオ分析の結果を踏まえ、リスクや機会に対する対応を強化していくとともに、さらなる情報開示に取り組んでいきます。

 

 

[リスク管理]

カーボンニュートラル環境センターが気候変動にともなう外部環境の変化と内部環境の変化を全社的にモニタリングし、事業に影響を与えるリスクを洗い出しています。

気候関連リスクは、カーボンニュートラル環境推進会議の審議を経て、取締役会長や取締役社長も出席し、人事総務本部を担当するChief Human Resources Officer(CHRO)が議長を務めるリスク管理推進会議で特定します。リスク管理推進会議では、各部からの報告をもとに、気候変動に起因する「台風」「洪水」を含むあらゆるリスクについて議論します。他リスクとの関係の中で相対的に重要性を判断した上で、最終的に全社にとっての気候関連リスクを特定しています。

特定されたリスクはChief Risk Officer(CRO)のマネジメントのもと、取締役会へ報告しています。

 

[指標と目標]

中期・長期目標

 

・2050年環境ビジョン

 トヨタ紡織グループ CO2排出量ゼロにチャレンジ

 ライフサイクル CO2排出量ゼロにチャレンジ

 

GHG排出量

[目標]

・2030年目標

 CO2排出量2013年度比 ▲50%

・2025年環境取り組みプラン

 CO2排出量2013年度比 ▲25%

 

[実績]

 

項目

2022年度実績(概算)(※)

[スコープ1・2の

目標達成状況]

113%

 

 

CO2 スコープ1

59,340  t-CO2

 

 

CO2 スコープ2

196,595  t-CO2

 

※ KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を取得予定です。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成

績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおり

であります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月21日)現在において当社グループ

が判断したものであります。

 

(1) 経済状況等

  当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売、サービスの提供が含まれております。重要な部分

を占める自動車関連製品の需要は、製品・サービスを提供している国又は地域の経済状況の影響を受けることにな

ります。従って、日本、北中南米、中国、アジア・オセアニア、欧州を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う自動車需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの事業は、競合他社が製造を行う地域の経済状況から間接的に影響を受ける場合がありま

す。例えば、競合他社が現地でより低廉な人件費の労働力を雇用した場合、当社グループと同種の製品をより低価

格で提供できることになり、その結果、当社グループの売上が悪影響を受ける可能性があります。さらに、部品や

原材料を製造する地域の現地通貨が下落した場合、当社グループのみならず他のメーカーでも、製造原価が下がる

可能性があります。このような傾向により、輸出競争や価格競争が熾烈化し、いずれも当社グループの業績及び

財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。

 

(2) 特定の取引先への依存

 当社グループは、自動車内装品をはじめとした各種自動車部品を主にトヨタ自動車㈱に販売しており、当

連結会計年度の売上収益に占める同社への割合は、21.5%となっております。そのため、同社の自動車販売動向に

よっては、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当連結会計年度末現在の同社による当社の議決権の所有割合は、直接所有割合31.0%であります。

 

(3) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク

 当社グループの生産及び販売活動は、日本をはじめ北中南米、中国、アジア・オセアニア、欧州など幅広い市場で展開しているため、これらの地域市場への事業進出には各国諸事情の違いにより次のようないくつかのリスクが内在しております。

①予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

②社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への影響

③不利な政治的または経済的要因の発生

④人材の採用・確保と労働問題に係るリスク

⑤テロ、戦争、感染症、その他要因による社会的混乱

 

 

(4) 為替レートの変動

 当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売、サービスの提供が含まれております。各地域にお

ける売上、費用、資産、負債を含む外貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これら

の項目は換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなくても、円換算後の価値が影響を受ける可

能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能

性があります。

 

(5) 価格競争

 自動車業界における価格競争は大変厳しいものとなっております。

 当社グループは、技術、品質、価格に優れた製品を全世界に供給し、顧客の要望に対応できる企業と考え

ておりますが、将来においても有効に競争できるという保証はありません。これは当社グループの属している各製

品市場、地域市場において新しい競合先、既存の競合先間の提携により市場シェアを急速に拡大する可能性がある

ためです。価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの経営成績及び財務状況

に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料、部品供給元への依存

 当社グループの生産は、原材料・部品を複数のグループ外供給元に依存しております。当社グループは、グルー

プ外供給元と取引基本契約を結び、原材料・部品の安定的な取引を安定的な生産の前提としておりますが、供給逼

迫による世界的な品不足や供給元の不慮の事故・大規模な震災、異常気象等による台風や洪水、感染症の流行など

により、原材料・部品の不足が生じないという保証はありません。その場合、生産の遅れを招き、原価を上昇させ

る可能性があります。また、原材料・部品を生産する際に使用する電気やガスなどのエネルギー価格が著しく上昇した場合も原価を上昇させる可能性があります。

 

(7) 環境規制

当社グループは、基本理念に基づき、企業倫理の徹底をはかり、公正で透明な企業活動の推進、地球環境保護

を重視した企業活動の推進を活動の基本とし、環境への負荷低減および適用される法規制遵守を徹底しており

ます。具体的には、環境規制に適応した製品開発、環境負荷物質の発生を低減させる工法・技術開発、および製造

段階で発生する環境負荷物質の低減に努めております。

 しかし、環境に関するさまざまな法規制は、今後も改正や強化される傾向にあり、その対応に遅れた場合には、

製品開発、製品製造の限定・縮小などを引き起こす恐れがあり、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及

ぼす可能性があると考えています。

 また、環境に関するさまざまな法規制への対応に遅れた場合は、国や自治体、地域住民、顧客からの信頼を失

い、当社の評判及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 新製品の開発力

 当社グループは、経営の基本理念の一つである「革新的な技術開発、製品開発に努め、お客さまに喜ばれる、

良い商品を提供する」のもと、高度化・多様化する市場のニーズを先取りし、顧客の満足が得られるよう、新製品

開発に努めております。今後も継続して新製品を開発し、販売できると考えておりますが、そのプロセスは複雑

かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクがあります。

 ①新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後、十分充当できる保証はありません。

 ②長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新製品又は新技術へつながる保証はありません。

 ③技術の急速な進歩と市場ニーズの変化により、当社グループの商品価値が急激に低下する可能性があります。

 ④現在開発中の新技術の商品化の遅れにより、市場の需要に対応できず、収益機会を逸する可能性があります。

 

(9) 知的財産権

 当社グループは、他社製品と差別化を図るため、技術とノウハウの蓄積と、これらの保護について努力を傾注し

ておりますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であり、または限定的にしか保護されない状況

にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造することを防止できない

可能性があります。また、他社が類似する、もしくは、当社グループより優れている技術を開発し、当社グループ

の特許や企業秘密を模倣又は解析調査することを防止できない可能性があります。さらに、当社グループは他社の

知的財産権に配慮しながら製品や技術の開発を行っておりますが、これらが将来的に他社の知的財産権を侵害して

いると判断される可能性があります。

 

 

(10) 商品の欠陥

 当社グループは、経営の基本理念の一つに「クリーンで安全な商品を提供することを使命とし、地球環境保護を

重視した企業活動の推進」を掲げ、総力をあげて品質向上に取組んでおります。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来リコールや製造物責任賠償が発生しないという保証はありません。

 また、製造物責任賠償について、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を完全にカ

バーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を及ぼし、売上の低下、収益の悪化などにより、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 大規模災害、感染症等

 当社グループは、大規模災害による事業活動への影響を最小化する為、事業継続のための体制整備を進め、安否

確認システムの整備、定期的な訓練や生産設備の定期的な検査・点検等の諸施策を行っております。

 また、感染症においては、外部から随時情報を入手し初動遅れを防止、感染症教育を強化し自己防衛を向上、感染症レベルに応じた健康管理、備蓄品、勤務対応の基準作成等の対策を実施しております。

しかし、当社グループならびに仕入先企業の生産施設で発生する人的・自然的災害、停電などの中断事象による影

響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。特に、当社グループの国内工場や仕入先などの取引先の多く

は、東海地方に所在しており、この地域で大規模な震災、台風、集中豪雨による洪水、重大な感染症等が

発生した場合、生産・納入活動が遅延・停止する可能性があります。また、犯罪等により、当社グループの業務遂

行に影響し、当社グループの販売網及び供給網に混乱が生じる可能性があります。遅延・停止及び混乱が長期間に

わたる場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)情報セキュリティ

 当社グループは、日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃について、外部からの不正侵入・システムへの不正アク

セスやコンピュータウイルス感染、また機密情報漏洩等を重大なリスクと捉え、セキュリティ対策を推進してい

ます。対策を推進する上で社員に対する啓発活動・訓練・教育による運用面の強化も重要と考えており、システム

面での対策強化に加え、社員に対するセキュリティ意識の底上げを組織的・継続的に行うことで、当社グループの

信頼維持・向上に努めています。

 しかし、サイバー攻撃・意図的な不正・過失等により、情報システム等に障害が生じる場合や、機密情報が外部

に漏洩する可能性があります。このような事象が発生した場合、当社グループの事業活動の停滞や社会的信用の

低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 上記を含むリスクについて、当社グループは、リスク管理推進会議を通じてリスクを統合的に把握・管理し、リスクによりもたらされる損失を未然に回避・極小化するための活動を行っております。具体的には、リスクの棚卸し、分析・評価により重点リスクの選定を行い、リスクの予防・対応策を考え実行しております。その後、モニタリング及びレビューを行い、進捗の確認と評価を行っております。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」とい

う。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

■事業を取り巻く環境

 当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動制限が多くの国で緩和される一方で、ウクライナ情勢に端を発したエネルギーコストの上昇、インフレの加速や各国での金利上昇などに伴い景気減速の懸念が強まりました。自動車業界においては、半導体不足の長期化や、高止まりしている原材料費や物流費による大きな影響があり、今後も厳しい状況が続くことが予想されます。

 また、気候変動に対する温暖化抑制のみでなく、資源循環や自然共生に向けた対応、人権遵守や人材の多様性の尊重・受容の実現など、社会課題解決に向けた企業の積極的な行動への期待がますます高まっています。

 

■当期の事業概況

 ①足許の競争力強化

 当該年度において、当社は、自動車生産台数の大きな変動や、原材料費や物流費の高騰が続く厳しい環境下で、柔軟な生産対応を行ってまいりました。生産現場では、東北や九州を含めた工場間での人の行き来や助け合いを行える仕組みを構築しました。また、TPS※1とDX※2を融合させ、段ボールで再現した生産工程の現物シミュレーション等を行い、モノづくりのさらなる高効率化を進めました。さらに、減産下でも価格競争力を強化し稼ぐ力を向上させるため、新製品の原価企画の推進、固定費の効率化などを進めてまいりました。

②中長期目線での取り組み

 2025年目指す姿である「内装システムサプライヤーとしてホーム※3となる」ために、2015年より進めてきましたシート骨格機構部品事業の再編は、完結に向けてめどがつきました。また、売上の拡大に向けて、インドネシア・インドで新規のお客様から受注を獲得できました。今後は、電動化の進展に合わせ、モーターコアなど電動化部品の受注も伸ばしてまいります。

 さらに、2030年ありたい姿である「インテリアスペースクリエイターとして新価値を創造」することを目指すべく、今年1月に米国ネバダ州ラスベガス市で開催された電子機器などの見本市のCES2023において、車室空間ソリューションの一つとして、ライドシェア※4の快適性を実現するアイテムを発表しました。これは今まで投資を行ってきたスタートアップ企業との成果でもあります。また、車いすユーザーが介助者なしでも安全で自立的な移動を実現する空間コンセプトを提案し、高評価をいただきました。今後は、このような技術を早期に世の中に提供できるよう、企画・実証フェーズから実装フェーズへ段階を上げていきたいと考えております。

 

※1 TPS(Toyota Production Systemの略):トヨタ生産方式

※2 DX(Digital Transformationの略):高速インターネットやクラウドサービス、人工知能(AI)などのIT(情報技術)によってビジネスや生活の質を高めていくこと

※3 ホーム:「現地現物」で、自分たちで付加価値をつけることができ、競合と比較しても競争力で勝っている事業や地域のこと

※4 ライドシェア:交通渋滞の緩和や環境負荷の低減などを目的とした、乗用車の相乗り需要をマッチングさせるソーシャルサービスの総称

 

 当連結会計年度の業績につきましては、連結売上収益は、部品供給問題などに起因する生産制約の影響はあり

ましたが、グローバルでの需要回復による増産効果や為替影響により、前連結会計年度に比べ1,825億円(12.8%)増加の1兆6,040億円となりました。利益につきましては、グローバルでの需要回復による増産効果は

ありましたが、主に日本での部品供給問題などによる車種構成の変化やロシア事業終了に伴う費用計上などにより、連結営業利益は、前連結会計年度に比べ126億円(△20.9%)減少の476億円、税引前利益は、前連結会計年度

に比べ122億円(△19.0%)減少の522億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度

に比べ245億円(△62.6%)減少の146億円となりました。

 

 当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産は、現金及び現金同等物や営業債権の増加などにより、前連

結会計年度末に比べ426億円増加の1兆73億円となりました。一方、負債は、前連結会計年度末に比べ295億円増加し、5,704億円となりました。主な要因は、営業債務の増加によるものです。資本は、前連結会計年度末に比べ

130億円増加し、4,368億円となりました。主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上によるもの

です。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

 

<日本>

 当地域におきましては、増産効果などにより、売上収益は、前連結会計年度に比べ322億円(4.6%)増加の7,329

億円となりました。営業利益につきましては、部品供給問題などによる車種構成の変化や諸経費の増加はありました

が、移転価格税制調整金の影響などにより、前連結会計年度に比べ20億円(21.3%)増加の116億円となりました。

 

<北中南米>

 当地域におきましては、生産台数の増加や為替の影響などにより、売上収益は、前連結会計年度に比べ709億円

(22.3%)増加の3,887億円となりました。営業損失につきましては、増産効果はありましたがモデルチェンジや

新車種立上げに伴う諸経費の増加により、11億円(前連結会計年度は営業利益29億円)となりました。

 

<中国>

 当地域におきましては、昨年度下期の新車投入などによる生産台数の増加や為替の影響などにより、売上収益は、

前連結会計年度に比べ324億円(15.3%)増加の2,446億円となりました。営業利益につきましては、増産効果や新製

品効果に加え、為替の影響などにより、前連結会計年度に比べ54億円(34.7%)増加の212億円となりました。

 

<アジア・オセアニア>

 当地域におきましては、生産台数の増加や為替の影響などにより、売上収益は、前連結会計年度に比べ591億円

(31.1%)増加の2,496億円となりました。営業利益につきましては、増産効果や為替の影響はありましたが、

移転価格税制調整金の影響などにより、前連結会計年度に比べ126億円(△47.5%)減少の140億円となりました。

 

<欧州・アフリカ>

 当地域におきましては、生産台数の増加や為替の影響などにより、売上収益は、前連結会計年度に比べ120億円

(12.5%)増加の1,082億円となりました。営業利益につきましては、増産効果や為替の影響はありましたが、

ロシア事業終了に伴う費用計上などにより、前連結会計年度に比べ33億円(△63.8%)減少の19億円となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、2,481億円と前連結会計年度末に

比べ102億円(4.3%)の増加となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は894億円となりました。これは主に、税引前利益522億円、減価償却

費及び償却費470億円などにより資金が増加したことによるものです。

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

 投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は364億円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による

支出456億円などにより資金が減少したことによるものです。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 財務活動の結果減少した現金及び現金同等物は408億円となりました。これは主に、リース負債の返済による支出

310億円、配当金の支払125億円などにより資金が減少したことによるものです。

 

 

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 前年同期比(%)

日本(百万円)

695,177

4.6

北中南米(百万円)

360,405

22.4

中国(百万円)

216,552

17.3

アジア・オセアニア(百万円)

222,533

30.5

欧州・アフリカ(百万円)

90,509

12.6

合計

1,585,178

13.7

 (注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 アジア・オセアニアセグメントにおいて、生産台数の増加や為替の影響などにより、生産実績が増加しております。

 

b.受注実績

 当社グループは、主にトヨタ自動車株式会社をはじめとする各納入先より、四半期毎及び翌月の生産計画の提示を受け、生産能力を勘案して生産計画を立て生産しております。

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 前年同期比(%)

日本(百万円)

643,570

1.6

北中南米(百万円)

384,129

22.3

中国(百万円)

235,866

16.8

アジア・オセアニア(百万円)

233,911

32.3

欧州・アフリカ(百万円)

106,559

12.3

合計

1,604,036

12.8

 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 アジア・オセアニアセグメントにおいて、生産台数の増加や為替の影響などにより、販売実績が増加して

  おります。

3 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 相手先

 前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 金額(百万円)

 割合(%)

 金額(百万円)

 割合(%)

トヨタ自動車㈱

359,861

25.3

345,660

21.5

トヨタ モーター ノース アメリカ㈱

163,283

11.5

162,051

10.1

トヨタ車体㈱

147,326

10.4

150,938

9.4

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)

連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しておりま

す。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、連結売上収益が、前連結会計年度に比べ1,825億円(12.8%)増加の1兆6,040億円となりました。連結営業利益は、前連結会計年度に比べ126億円(△20.9%)減少の476億円となりました。連結税引前利益は、前連結会計年度に比べ122億円(△19.0%)減少の522億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ245億円(△62.6%)減少の146億円となりました。

 なお、当社グループは、経営成績に重要な影響を与える要因として、取引先である自動車メーカーの自動車生産

台数、販売台数及び販売車種等の変動の影響を受けております。

 

 

a.売上収益

 売上収益は部品供給問題などに起因する生産制約の影響はありましたがグローバルでの需要回復による増産効果や為替影響により前連結会計年度に比べ1,825億円(12.8%)増加の1兆6,040億円となりました

b.営業利益

 営業利益は、グローバルでの需要回復による増産効果はありましたが主に日本での部品供給問題などによる車種構成の変化やロシア事業終了に伴う費用計上などにより前連結会計年度に比べ126億円(△20.9%)減少の476億円となりました

c.税引前利益

 税引前利益は営業利益の減少などにより、前連結会計年度に比べ122億円(△19.0%)減少の522億円となりました

d.法人所得税費用

 法人所得税費用は、前連結会計年度に比べ129億円(69.5%)増加の314億円となりました。また、税引前利益

に対する比率は、前連結会計年度の28.8%から60.2%となりました。

e.親会社の所有者に帰属する当期利益

 親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ245億円(△62.6%)減少の146億円となり、基本的1株当たり当期利益は78円57銭となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッ

シュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

b.経営及び財務に関する考え方

 当社グループは、経済的価値向上の成果をステークホルダーに安定的・継続的に還元するとともに、将来の成長に向け再投資することで、中長期的に企業価値の向上をはかることを「経営の目指す姿」とし、経営基盤と競争力を強化しつつ、お客さまや社会に対する提供価値の多面化や事業領域の拡大を進めております。

 

c.資金調達の方針及び方法

当社グループは、事業活動の継続、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化、成長への投資を目的として、

資金調達を実施しております。資金調達の方法については、直接金融、間接金融双方の市場環境を踏まえ、資金

調達方法の多様化や経済合理性の観点から総合的に判断し、決定しております。

設備投資や研究開発費などの長期資金需要については、金融機関からの長期借入金及び社債の発行にて対応し

ております。その際、返済負担の軽減を図るために、年度別の返済・償還額の平準化をしております。運転資金需要については短期借入金にて対応しております。

 また、多様化する資金調達環境下において、安定的に資金調達可能な環境を確保すべく、当社グループは国

内の格付機関から格付を取得しております。本報告書提出日現在において、株式会社日本格付研究所より格付

AA(安定的)を付与されております。こうした外部機関からの当社グループへの財務状況に対する評価は一定

のキャッシュポジションを維持していることなどによるものであります。

また、緊急的な資金需要に対して、コミットメントラインを設定し、資金を確保できる体制を整えておりま

す。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成の状況を判断するための客観的な指標等

 2020年11月に発表した中期経営計画において、2025年の経営目標として既存コア製品の拡販・新規OEM獲得により売上収益1兆6,000億円+α、固定費の更なる効率化と原価低減により将来の成長予算を確保しつつ営業利益1,000億円+α、営業利益率6~7%を目標に掲げました

 2022年度の財務実績は、売上収益は前期比1,825億円増加の1兆6,040億円、営業利益は前期比126億円減少の476億円となり、税引前利益は前期比122億円減少の522億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比245億円減少の146億円となりました

 中期経営計画の2年目として実行計画に取り組んでまいりましたが外部環境変化の影響などにより前年比で減益となりました厳しい外部環境の中でも将来に向けた取り組みは着実に実施し25年度経営目標達成に繋げてまいります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当する事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

研究開発活動の基本方針

 当社グループでは、「お客様に信頼と満足をお届けする製品の開発」という基本的な考えのもと、当社独自の技術

や仕組みにより、世界のあらゆるお客様の期待に応えられる魅力的で高品質な商品開発に取り組んでおります。

そのために、年々高度化・多様化するお客様のニーズを先取りし、他社を凌駕する魅力的な技術・商品開発、

及びコア技術の更なる熟成を図っております。また、各地域統括会社が、それぞれの地域のニーズに即した製品

開発を行うことで、グループをあげて、グローバルマーケットを視野に入れた最適な開発体制を構築しております。

 また、新興国市場の急激な拡大にも対応できる徹底した良品廉価活動による競争力の強化を進めてまいります。

 なお、無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発費は、47,306百万円であり、セグメント別の

活動状況及び研究開発費は、次のとおりであります。

 

①日本

シート事業におきましては、新開発の電動クッション長可変機構を搭載したシートがレクサス新型SUVに採用されました。従来品に比べて座長面の調整量を増やすことにより、高身長の乗員でも膝裏までサポートすることができます。フロントシートの座面部の長さを調整しても、溝を発生させないシートカバーおよびスライド機構であるため、快適性の向上に寄与しています。

内外装事業におきましては、環境負荷低減接着剤を使用したドアトリムが新型セダンに採用されました。ドアトリムのアッパー部に表皮を貼り合わせるために使用する接着剤として、新たに環境に優しい有機溶剤を含まない接着剤を採用しました。また、接着剤の材質をドアトリムの構成材料と統一することにより、従来はリサイクルできずに廃棄処理していたアッパー部のマテリアルリサイクルが可能となり、サーキュラーエコノミーに貢献しています。

 また、ユニット部品事業におきましては、2021年度より実証実験、先行試験販売を行ってきた飛沫防止パーティション「vi:ease(ビーズ)」の法人向け販売を開始しました。タクシーだけでなく、医療関係の送迎バスやコミュニティバスなどにもご利用いただけます。

当地域に係る研究開発費は、47,001百万円であります。

 

②北中南米

 特に記載すべき活動状況はありません。

 当地域に係る研究開発費は、304百万円であります。

 

③中国

 特に記載すべき事項はありません。

 

④アジア・オセアニア

 特に記載すべき事項はありません。

 

⑤欧州・アフリカ

 特に記載すべき事項はありません。