第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営方針

①ミッションとビジョン

 当社グループのミッションは、次のとおりであります。

「テクノロジーと心で、たくさんのいい生活を」

 そのミッションの実現に向けて、当社グループは次のようなビジョンを持って前進してまいります。

「心地いいくらしが循環する、社会のしくみをつくる」

 当社グループは、最新の情報技術を組み込んだシステム・アプリケーションを不動産市場向けに開発し、不動産市場にテクノロジーの力で新たな付加価値を創出することを目指しています。多くの不動産会社が業務の効率化を進めながら不動産物件情報の量的及び質的向上を図れるような仕組みを提供することで、市場における「情報」の量的及び質的改善を推進し、市場全体の効率性向上に貢献してまいります。また、不動産取引の一連のプロセスをデジタル化、DXを推進していくことで、不動産会社にとっても一般消費者にとっても利便性の高い取引を実現してまいります。不動産市場はIT化によって大きく進化する可能性を秘めています。当社グループは、全ての人の生活に直結する不動産市場をITの力でより良いものにすることで、社会に新しい付加価値を提供してまいります。

 

②経営方針

 当社グループの経営基本方針は、不動産市場で必要とされるシステムをクラウド・SaaSとして開発、提供し、不動産市場向けSaaSのリーディングカンパニーとして確固たる地位を築くことであります。

 当社グループは、不動産会社のビジネスの基幹である物件情報及び顧客情報の「一元的管理」を支援し、顧客である不動産会社が高度情報化する不動産市場に適応し、持続的な成長を続けていくための業務支援SaaSを提供する会社として、主導的地位を築いてまいります。

 当社グループは、IT技術を活用して不動産市場における様々な課題を解決し、市場の全ての参加者に満足していただけるようなSaaSを提供することで、市場の健全な成長・発展に貢献し、長期的に持続可能な成長を目指してまいります。

 当社グループは、事業そのもので社会課題の解決に貢献してまいります。2015年9月の国連サミットにおきまして、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が採択され、具体的な17のゴール・169のターゲットが設定されました。当社グループは、「変化をもたらす高度IT人材の創出」、「不動産業の発展を支えるIT技術基盤の創出」、「スモールビジネスの支援と地域経済への貢献」など、SDGsに沿った複数の具体的なマテリアリティ(重要課題)を定めております。これらのマテリアリティに沿って具体的な活動を行っていくことが、当社グループの事業成長においてもプラスの影響をもたらすとの認識のもと、重要な経営課題と捉えて引き続き活動に取り組んでまいります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは創業当初より不動産市場に特化し、業務に精通した開発エンジニア及びセールスチームによる自社開発・直販体制を強みとして、不動産業共通の業務効率化ニーズ並びにIT化ニーズを集積しサービス化することで、ノウハウを蓄積してまいりました。今後も引き続き、主力サービスである不動産業務支援SaaSのマーケティング・セールス活動を推進し、顧客基盤の拡大を加速化させて行きたいと考えております。

 今後、不動産情報の流通形態は、インターネット関連技術の進歩並びに消費者による情報ニーズが増大し多様化していくことに伴い、大きく変化していく可能性があります。当社グループは、当社グループの持つ不動産業務ノウハウ、アプリケーション開発技術及びインターネット技術を組み合わせていくことで環境の変化に対応し、消費者並びに不動産会社にとって最適な情報の利活用をITを通じて支え、不動産市場に欠くことの出来ない存在となることを目指しております。

 当社グループの主な成長ドライバー(成長要因)は、SaaSの顧客毎収入(顧客単価)の増加と顧客数の増加であり、これらの要素をバランス良く伸ばしていくことが事業の成長及び発展にとって極めて重要であります。また、当社グループのSaaSはいわゆる売り切り型のソフトウェア販売とは異なり、一定期間の利用契約に基づく月額利用料金の形で提供を行っていることから、各顧客の利用継続期間におけるLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を伸ばしていくことも、同じく重要な成長ドライバーであります。

 以上のような戦略に基づき、引き続きウェブセミナーを中心としたセミナーマーケティングによる優良リード(見込み顧客)の獲得、オンライン中心の効率的なセールス活動等を推進し、新規顧客の獲得を図ってまいります。加えて、新たなサービスの企画・開発、既存顧客へのアップセル/クロスセル、既存サービスの機能拡充・付加価値向上等により、引き続き顧客単価についても成長を目指してまいります。

 また、現状比較的低水準で推移している顧客のサービス解約率に関しましても、引き続き丁寧なカスタマーサポートを継続し、顧客の業務に欠かせない市場に深く定着したサービスとして、解約率の最小化及びLTVの最大化を図ってまいります。


(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは成長途上の段階にあり、事業規模の拡大と利益創出基盤の拡大を指向しております。当面の指標としては売上高及び利益水準を重視し、増収増益基調を維持しながら、将来の更なる成長のための基盤づくりを推進していく所存です。

 当社グループのコア事業であるSaaSの成長ドライバーは、①顧客数及び②顧客単価(月額)であります。中長期的には、①顧客数:5,000社、並びに②顧客単価(月額):100,000円以上を達成することを目標としております。

 

(4)経営環境

 当社グループが特化している不動産市場の特徴、並びに不動産市場に特化している主な理由は、以下のとおりであります。

 ・不動産市場は国内最大級産業であり、市場規模が大きい

 ・不動産業界には中小規模の会社が圧倒的に多く、投資を必要としない「使う」システムが最適

 ・不動産会社は全国各地に分散しており、クラウド・SaaSモデルに最適な市場特性

 ・不動産会社の業務フローは各社類似しており、共通のシステムツールへのニーズが高い

 ・消費者の検索ニーズや業者間取引に対応できる物件情報データベースを構築・管理するシステムが不可欠

 ・インターネットを通じた自動機能アップデートにより、規制や法改正等への対応が容易

 当社グループが推進するクラウド・SaaSモデルは、これら不動産市場を取り巻く様々な要因・特性の中において、大きな市場価値を生むものであると考えております。

 また、その市場において不動産会社は以下のような経営課題に直面しており、当社が開発・提供するSaaSはそれらの課題を解決することを目指しております。

 ・不動産取引のデジタル化(VR技術を活用した内覧、IT重要事項説明、電子契約等)による利便性向上

 ・コロナ禍での「新常態」に対応した非対面営業の実現

 ・不動産物件情報、契約情報、顧客情報の一元管理を通じた利活用と業務効率の向上

 ・自社ウェブサイト等を通じた消費者向けウェブマーケティング強化による収益機会の向上

 ・不動産オーナーに対する資産運用管理サービスの強化

 ・情報セキュリティ、データ保全、事業継続計画への対応

 ・IT投資及びコストの最適化

 ・働き方改革推進に伴う業務見直しと省力化(不動産業における在宅業務の実現)

 当社グループは、「不動産テクノロジー」領域のリーディング企業として、このようなニーズに対応する一連のシステム・アプリケーションを不動産会社にとってコスト効率性の高いSaaSで提供することで、不動産市場のIT化を推進しております。

 当社グループが提供するSaaSは、インターネットがあればどこでも業務ができ、万全のセキュリティが確保され、サーバ等の初期投資が必要なくスピーディーに立ち上げ可能であり、不動産市場にとって最適といえる仕組みであります。上記のような市場分析に基づき、引き続き当社SaaSの販売拡大を主軸として、成長を目指してまいります。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの課題としては、主に以下の4項目を認識しております。

 

①成長の原動力としての人的資本への投資

 当社グループは顧客の課題を解決するITソリューションを提供しており、今後顧客基盤及び事業基盤を一層拡大していくうえで、人的資本こそが最重要経営資源であります。優秀な人財の採用及び教育による早期戦力化は、当社グループのような成長ステージにある企業にとって最重要課題であり、継続的な採用活動及び社内教育体制の整備に努め、今後の事業拡大局面において、機動的かつ迅速な事業展開を行い得る組織体制の整備に取り組んでまいります。

 人的資本への投資、研修等への取り組みに関しては、ハラスメント研修、情報セキュリティ研修、インサイダー取引防止研修等のコンプライアンス系研修に加え(年1回の受講を必須)、スキル獲得につながるものとしては、業務に資する資格取得を会社が全面支援、受験費用全額と書籍購入費用(上限あり)を会社が補助する「資格取得支援制度」(資格数制限なし)を整備しており、各自の自発的な学びを促す仕組みを導入しております。

 また、従業員が心身ともに健康かつ安全に仕事に取り組み、最大のパフォーマンスを発揮することが、企業としての成果を最大化し、成長・発展につながると考え、「健康経営宣言」を制定しております。健康診断受診率100%を目指し、ストレスコーピング等を学ぶヘルスマネジメント研修を年1回実施する等、人的資本のベースとなる一人一人の健康にフォーカスしたさまざまな取り組みを実施し、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に2020年より4年連続で認定されております。

 

②市場シェアの拡大、デファクト・スタンダードとしての定着

 当社グループは、不動産市場特化型SaaSを提供するベンダーとして、当社SaaSを市場におけるデファクト・スタンダードとするべく、積極的な新規顧客獲得の営業活動に取り組んでおります。

 目下の新規顧客獲得の戦略としましては、不動産管理の領域を重視する戦略をとっております。特に中規模以上の不動産管理会社を重要なターゲットとして、「いい生活賃貸管理クラウド」を始めとするさまざまな不動産管理会社向けソリューションの新規顧客の開拓活動を行っております。不動産市場に流通する物件情報を、市場において最も正確に把握し、かつ最も大量に保有しているのは「不動産管理会社」であり、不動産市場におけるあらゆるビジネスの要に位置するキープレーヤーである、と当社グループは考えております。従いまして、その要の不動産管理会社に当社SaaSを導入・定着させシェアを高めていくことで、その周辺に位置する不動産仲介会社等は各段に獲得しやすくなるもの、と考えております。当社グループは、以上のような戦略に基づき、引き続き積極的なマーケティング・セールス活動を展開してまいります。

 

③新サービス開発への取り組み

 当社グループは、不動産市場特化型SaaSを提供する企業として競争力を維持向上させていくために不動産市場のニーズに対応した新サービスの開発に積極的に取り組んでおります。

 これら新サービスについては、既存顧客へ導入を訴求し追加契約として積み増していくこと(顧客単価増進)、並びに新規顧客の積極的な契約獲得をすること(顧客数増進)を軸に、セールス活動を推進していく所存であります。今後も不動産市場のシステムニーズをくみ取り、タイムリーにサービス開発に生かしていくことで、付加価値の高いSaaSを提供していく所存であります。

 

④サービス品質と情報セキュリティ管理に対する取り組み

 当社グループは、不動産市場におけるクラウド・SaaSのリーディングカンパニーとして、かねてより自らが提供するITサービスの可用性、継続性を確保・維持するための対策を講じることは極めて重要な責務であると認識し、ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)の構築とその運用に努めてまいりました。当社は「ISO/IEC20000-1」認証を取得しており、当社のITサービスマネジメントにおいて、適切かつ厳格な管理体制が整っていることが公的に評価されていることになりますが、今後も企業顧客向けサービス提供を行う企業として、サービス内容についてお客様にご満足いただけるよう、当社「ITサービス基本方針」に基づき、ITSMSの改善を続けていくと同時に、第三者視点を取り入れたサービス品質の向上を継続的に実施してまいります。

 また、膨大かつ重要な不動産情報を、安全かつ適切に管理・運用するのは当社グループの責務であると認識し、当社はクラウドサービス情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格である「ISO/IEC27017」認証を取得しております。当社は本認証を維持することで、当社SaaSの信頼性を確保し、SaaS固有のリスク管理を強化してまいります。

 さらに、顧客へのシステム・アプリケーションの提供にあたり、個人情報及び顧客情報、機密情報の取扱い及びセキュリティ体制の整備を引き続き推進していく所存です。情報の取扱いに関する社内規程の適切な運用、定期的な社内教育の実施、システム・プラットフォームの一層のセキュリティ強化、システム監査の強化、情報取扱いに関する内部監査等を推進するとともに、情報セキュリティマネジメントシステムの標準規格である「ISO/IEC27001」認証を維持してまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス、リスク管理 -サステナビリティマネジメントを推進するためのリスク管理及びガバナンス体制-

 当社グループは、サステナビリティマネジメントを推進するにあたり、コンプライアンス、人的資本、SDGs、気候変動に関わる事項については、関係する部署が活動を推進し、活動状況を関係部署のとりまとめ役であるコーポレートグループリーダーが確認する体制としております。サステナビリティに関する重要事項の意思決定にあたっては、関係部署のとりまとめ役であるコーポレートグループリーダーによって経営会議にて報告、審議され、重要事項は取締役会に報告するものとしております。

 

 

(2)戦略 -サステナビリティマネジメントを推進するための戦略・基本方針-

(人的資本関連)

 当社グループでは、前述の人的資本拡大に向けた取り組みを「人的資本の拡大に関する基本方針」としてまとめ、取り組みの指針として運用してまいります。

 

「人的資本の拡大に関する基本方針」

1.人的資本拡大に向けた基本方針

 株式会社いい生活(以下「当社」という)は、「テクノロジーと心で、たくさんのいい生活を」という「ミッション」を掲げ、「心地いいくらしが循環する、社会のしくみをつくる」という「ビジョン」のもと、全ての人々の生活の根幹をなす不動産市場にフォーカスし、不動産市場における様々な課題を解決し、エンドユーザに最善の顧客体験を提供する一連のITサービスを、SaaS(Software as a Service)として提供する事業、またそれらSaaSプロダクトを結ぶデータプラットフォームを通じ付加価値を提供する事業、を展開しています。

 無形固定資産としてのソフトウェア・サービスを開発、提供し、それを利用する顧客に対する付加価値の創造、その延長にある市場及び社会全体に対する付加価値創造の実現は、全て当社における人的資本によってもたらされるものであり、人的資本こそが当社の価値や競争力の源泉であります。

 当社では、人財を人的資源ではなく、人的資本としてとらえ、投資を行う対象として、高めることができるものとして認識しています。資本としての価値を高めるためには、個の自律的、内発的な学びを促すとともに、自立した個が集まるチームによる学び(互助価値創造)も欠かせません。 ダイバーシティ&インクルージョンを通じて、一人一人が持っている能力や資質、価値観などを組み合わせ、人的資本への投資を行い、個人の個性を十分に発揮できる環境を整えることで、顧客及び社会全体にとっての付加価値の創造を実現してまいります。

 

2.目指すべき個々人の在り方

 当社は、「会社の存在意義」、「会社として目指すべき未来の姿」をミッションとビジョンに結晶させ、それを実現する過程において大切にしたい価値観、目指すべき個々人の在り方として以下のバリューを定めております。

 

「新たなスタンダードを定着し続けよう」

 常に「当たり前」を疑い、学びほぐしながら歩んだ道のりを形式知化しよう。

 先駆者として好奇心をもち、未踏への探索を楽しみ、新たな見聞を組織に導入し拡張していこう。

 

「明日の距離感で前進しよう」

 遠すぎる未来でも今日でもなく、「明日」の距離感で世界をひとつ前進させるイノベーションや改善を考えよう。

 だれも置き去りにせずに、かといって停滞もせず、主体的に進むべき道を照らそう。

 

「信頼を積み重ね歴史をはぐくもう」

 過去は今日につながり、今日は未来につながっていく。

 お客様との信頼をひとつひとつ積み重ねることが、「わたしたち」の土台となり、歴史になる。

 

「挑戦と失敗をまるごと愛そう」

 これから挑戦する人も、挑戦を見守る人も、トライ&エラーで大いなる愛をもって迎え入れよう。

 小さな挑戦も大きな失敗も、支え合いながら積み重ねよう。

 

「多彩な仲間と化学結合を起こそう」

 自らのWILLを発信し、自分の足りない能力を補ってくれる仲間やパートナーを巻き込んでいこう。

 領域や考えの違いを超えて、スペシャリストのDNAが融合すれば、新たな化学反応が生まれる。

 

「優しさと易しさに芯をとおそう」

 優しさ = “friendly“、易しさ = “comfortable“ それは決して八方美人ではない。

 一本軸がとおった明快なコミュニケーションとシステムによって、頼られる存在になろう。

 

 当社は、このミッション、ビジョン、バリューで社会とつながり、また、人とつながります。社会にとって意味がある、会社にとって意味がある、従業員一人一人にとっても意味がある、この3つのベクトルを合わせ、社会と会社の関係もwin-win、会社と従業員の関係もwin-winというサステナブルな関係の実現を目指します。

 

3.社内環境整備基本方針

 上記の方針の具現化するために、以下の各項目において施策を推進いたします。

 

(ⅰ)自発的価値創造性の追求

 価値創造に必要な新しいことを学ぶ機会を提供するために資格取得支援制度を定め、運用しております。この制度は、対象資格制限なし、取得可能な資格数上限なし、としており、会社から強制する研修ではなく、各自の自律的な学びを支援するための仕組みとして位置づけております。

 また従業員には、新入社員研修から始まり、以下のスキル獲得を促します。

  ①テクニカルスキル:IT知識、不動産市場・業務知識、財務・会計・法務知識、サービス開発等各業務における

            専門知識及びスキル等

  ②ヒューマンスキル;コミュニケーション、対人関係

  ③コンセプチュアルスキル:ロジカルシンキング、問題解決、戦略立案等

 

(ⅱ)目標設定、目標達成を支援する過程での積極的対話の積み重ね

 毎期、会社全体や部署の目標と整合する個人ミッション、目標を定め(OKR)、HRテックツールを活用した1on1、振り返りを行うことで、管理職がメンバーの成功をサポートします。全ての従業員が、成果を上げるために会社及び管理職の支援を受ける権利があります。

 

(ⅲ)一人ひとりの価値を顕在化させる中で、ウェルビーイングも追及

 従業員が心身ともに健康かつ安全に仕事に取り組み、最高のパフォーマンスを発揮することが、人的資本による付加価値を最大化し、企業としての成長・発展につながると考え、「健康経営宣言」(下記参照)を制定し、一人ひとりのウェルビーイングにコミットしています。

 健康診断受診率100%を実現・維持し、 ストレスコーピング等を学ぶ健康マネジメント研修を年1回実施する等、人的資本のベースとなる一人ひとりのウェルビーイングにフォーカスしたさまざまな取り組みを実施しており、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」継続的な認定につなげております(2023年まで4年連続で認定)。

 

(ⅳ)人間性の尊重

 ダイバーシティ&インクルージョンを推進する中で、コンプライアンス教育を継続的に実施、法令違反及びハラスメントのない会社を目指します。

 ライフイベント等で一時的に休職、職務を離れる場合にも、その期間はライフイベントにフォーカスし、就業可能になった場合には復帰することが当たり前のものとして運用し、実効性を高めるとともに一層の定着を図ります。

 

(ⅴ)タレントの獲得

 上記の取り組みを進め、社会と会社の関係もwin-win、会社と従業員もwin-winというサステナブルな関係の実現を図り、当社で獲得できるスキル及び経験を明らかにすることで、採用市場において最高のCandidate Experienceを提供し、求める人財を選び、求める人財から選ばれる関係を実現していきます。

 

 また、当社グループでは上記「人的資本の拡大に関する資本方針」でも記載のとおり、人的資本の基盤となる従業員とその家族のウェルビーイングを支援するために、「健康経営宣言」を定めております。

 

「健康経営宣言」

 株式会社いい生活では、従業員が心身ともに健康かつ安全に仕事に取り組み、最大のパフォーマンスを発揮することが、企業としての成果を最大化し、成長・発展につながると考え、「健康経営宣言」を制定いたしました。

 従業員の健康は企業として重要な経営課題のひとつであります。当社のミッションである「ITの力で不動産市場をより良いものに」を実現するためには、まず、当社が永続的企業として成長していくことが必要で、そのためには従業員一人ひとりが心身共に健康で、活き活きと仕事ができる環境が必要です。 今後とも、ミッションとビジョンの実現に不可欠なものとして、従業員の健康保持・増進に向けた取り組みを推進してまいります。

 

<取り組みのご紹介>

「定期健康診断の受診促進」

定期健康診断の受診を促進しています。

「オフィス内完全禁煙」

オフィス内は完全禁煙であり、受動喫煙のリスクを排除しております。

「過重労働対策」

毎週水曜日をノー残業デーと定め、定時退勤を呼び掛けています。またそれ以外の日も遅くとも20時までの退勤を奨励しています。また月の半ばに時間外勤務の状況をアラートという形で管理職に共有、偏りのない仕事の配分に周囲も支援できる環境を作っています。

「マッサージルームの設置」

肩こりや腰のはりを予防あるいは早期に解消できるように鍼灸師が常駐し、業務時間内にマッサージを受けることが出来ます。また、ストレッチ指導、健康維持レターの発信等も行っており、社内健康維持の基点として機能しております。

「感染症予防(インフルエンザ予防接種の希望者への無償提供)」

毎年、インフルエンザ流行に先駆けて全社で予防接種を希望者に無償で提供しています。本社ではクリニックの医師の方にオフィスに出張していただき、業務時間中に受診・接種できる環境を提供しています。

「メンタルへルスケア・ストレスチェック」

こころの健康増進のため、全従業員を対象とした、年に1回の法定ストレスチェックをはじめ、産業医によるカウンセリングを行っております。また新卒で入社するメンバーには社会人基礎研修の一環としてセルフケア、ストレスコーピング研修を実施しております。

「健康維持に向けた取り組み」

本支店には無料のウォーターサーバーを完備、福利厚生向上とともに、夏の熱中症対策、冬場の乾燥防止・感染症予防にも役立てています。また腰痛になりにくいメッシュバックの高機能チェアを全社で利用、加湿器の設置等健康維持に配慮したオフィス環境づくりを心がけております。

「リフレッシュスペースの設置」

社内には様々な用途に対応する「リフレッシュスペース」を設置、丸テーブルを中心とした協力的なコミュニケーションを取りやすいレイアウトとしており、チームミーティングやランチ休憩等に利用されています。またサークル活動等にも自由に利用できます。

「家庭内の健康への配慮」

従業員の家庭内の健康への配慮として、子一人につき年間6日間の看護休暇制度を「有給」としております(通常の有給に加えて取得可能)。

 

<体制>

 代表取締役 CFO(コーポレートグループリーダー兼任)を健康経営推進の責任者とし、「コーポレートグループ 人事部」のメンバーが推進業務を担います。

 

(SDGs関連)

SDGsへの取り組みについて

 当社グループは、「テクノロジーで不動産市場をより良いものに」というミッション(使命、存在意義)を掲げ、事業そのもので社会課題の解決を目指しております。日本のスモールビジネスの代表格である不動産業に対し、業務のデジタル化機会を提供し、エンドユーザーの利便性ニーズに叶う魅力ある不動産業並びに不動産市場の実現に向け、事業を発展させてまいります。

 不動産業は従来より、紙資源を多用する業界の一つです。当社のサービスは、不動産会社による紙資源利用の抑制を促すサービスであり、当社サービスを広めることは業界全体の紙資源有効利用につながると考えております。

 また、当社サービスは、従来の不動産業で当たり前であった、エンドユーザーの移動を前提とした対面での営業活動、また車両等を使った物件の見学等の機会をデジタルで代替することを可能にするものとなっております。引き続き、環境に配慮した不動産業を実現していく支援を、当社のサービスを通じて提供してまいります。

 当社グループは、さまざまな社会課題に対して事業を通じてアプローチしていくという方針のもと、以下をマテリアリティとして定め、解決に向けて貢献してまいります。

 

マテリアリティ

関連するゴール

変化をもたらす人材の創出

・高度IT人材の創出

・新しい働き方を推進

・多様、多彩な人財に活躍の場を提供

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社会に付加価値をもたらす革新的かつ高品質なサービスを

・社会的付加価値の高いサービスの創出

・継続的な品質の向上

・情報セキュリティの重視

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事業を通じた住環境への貢献

・IT化による適正な不動産市場の形成

・市場の適正化を通じ、全ての人による適切な市場アクセスの確保

・ステークホルダーと共に、人と社会を支える基盤としての不動産市場の発展に貢献

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IT・DXを通じた環境にやさしい、豊かで持続可能な社会の実現

・環境負荷の低い業務の遂行

・ステークホルダーと共に、市場のオンライン化、環境負荷の低い不動産業への貢献

・全国に広がるステークホルダーと共に、地域社会の健全な発展への貢献

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(環境・気候変動関連)

気候変動に対する取り組みについて

 当社グループは、電力等のエネルギーを利用して事業活動を行っており、気候変動が事業活動に大きな影響を与える重要な環境課題であると認識しています。

 気候変動による大規模自然災害の発生や環境規制の強化は、当社顧客の事業環境並びに顧客が保有する資産の状況に大きな影響を与える可能性があり、また、電気料金の上昇等当社のサービス提供に関わる運用コストも増大させる可能性があります。

 一方、気候変動によって、環境対応住宅、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)等、低炭素・脱炭素型の住宅・不動産の普及が促され、

 

①:エンドユーザによる環境対応住宅への住み替えニーズが高まり、住み替えや修繕に向けた投資が活発になる

②:エンドユーザの住宅・不動産情報検索における志向性が変化、検索項目の多様化をもたらす可能性があり、多様化された検索ニーズに素早く対応する情報データベース及びSaaSに対する新たなニーズが顕在化する(変化する家探しに対応するデータベースが求められる)

 

 可能性もあり、それらは当社にとっては新たな事業機会につながります。

 また、当社の顧客である不動産事業者にとっても、対エンドユーザーで環境に配慮したサービス提供が意識されることで、ペーパーレスの一層の推進、省略できる移動の削減(店舗への来訪、物件見学等)、省電力なシステムの利用等を可能にする当社業務支援SaaSの提供機会拡大につながる可能性もあります。

 当社グループは、このような認識のもと、ステークホルダーの皆さまと協働し、サプライチェーン全体で、エネルギー消費量並びにCO2排出量の削減を進めてまいります。

 このような気候変動に対する取り組みにおける指針とするため、当社はTCFDに賛同し、またあるべき開示方法について知見を獲得するためにTCFDコンソーシアムに入会をいたしました。コーポレートグループリーダーを主担当とし、定期的に取締役会に取り組み状況を報告する体制としております。

 社内における取り組みとしては、

 

①:社内文書の電子化に伴う紙資源利用機会の削減

②:オフィス内(当社への郵送物等)の文書廃棄には、専用のリサイクルボックス「保護(まもる)くん」(株式会社日本パープル)を利用し、機密保持とリサイクルを両立

③:通常のFAXを廃止、ウェブ送受信に限定することで印刷と紙資源利用の省略

④:遠隔地の顧客対応等でウェブ会議を推進し、出張機会の抑制

 

 等を推進しており、引き続き、業務の効率化と環境への配慮の両立を目指した事業の運営を進めてまいります。

 CO2排出量の開示は、2022年3月期からの取り組みということもあり、削減に向けた目標値の設定については、今後のトレンドを注視しながら適切に設定してまいりたいと考えております。

 

(3)指標及び目標

当社グループにおける人的資本関連の重要な指標は以下のとおりです。

 

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

連結従業員数(人)

152

170

181

191

男性従業員比率(%)

71.61

65.88

66.85

69.11

女性従業員比率(%)

28.39

34.12

33.15

30.89

女性管理職比率(%)※1

9.09

8.33

8.00

4.17

取締役に占める女性比率

0

0

0

0

障がい者雇用率(%)※2

0.65

0.59

0.55

0.52

従業員1人当たりの平均月間残業時間(時間/月)

24.93

19.98

25.87

18.59

有給休暇取得率(%)

69.6

68.9

64.9

77.17

育児休業取得者数

3

1

1

3

育児休業取得率(%)※3

50

100

50

75

育児休業復職者数

1

2

1

1

育児休業復職者比率(%)

100

67

100

100

育児を理由とする短時間勤務制度 利用者数

4

5

5

5

離職率(%)※4

15.3

7.6

10.7

7.54

ストレスチェック受検率(%)

97.6

97.0

100.0

100.0

高ストレス者数(人)

20

22

17

23

定期健康診断受診率

100

100

100

100

在宅勤務比率(%)※5

77.7

62.3

49.68

(注)数字は全てグループ全体、連結ベース

(注)契約社員、アルバイトは含まない

 ※1 部長以上の女性人数 ÷ 部長以上の全役職者数

 ※2 障がい者数 ÷ 全従業員数

 ※3 育休取得者数÷子が生まれた社員(男性含む)

 ※4 離職者数(4/1~3/31) ÷ 統計年度期初4/1時点の全従業員数

 ※5 2021年3月期:在宅勤務制度の運用を開始した2020年10月~2021年3月を集計

 

人的資本に関する情報の各項目に係る目標値の設定については、当社グループは現状人数規模が比較的小さく、母集団としては限られることから、定めてはおりませんが、今後のトレンドを注視しながら適切に設定してまいりたいと考えております。

 

 

当社グループのCO2排出量につきましては、インターネット領域を主とする事業特性から、CO2排出量の算定を国内オフィス4拠点からの排出を対象範囲とし、以下のとおり算出しております。

 

  SCOPE1:0.0  t-CO2

  SCOPE2:61.4 t-CO2(マーケット基準)

 (SCOPE3に関しては、今後算定・開示に向けて準備を進めております。)

 

3【事業等のリスク】

 

 以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)事業環境について

①インターネットの普及について

 当社グループが展開しているクラウドソリューション事業は、主にインターネットを利用する不動産業界の顧客を対象としており、顧客基盤拡大のためには、不動産の物件情報検索等においてインターネットを利用する消費者が増える必要があります。故にインターネットの更なる普及は当社が成長するための基本的な前提条件であると考えております。

 これまでのところ、日本国内におけるインターネット利用状況は安定的に高水準で推移しておりますが、インターネットの普及に伴う弊害の発生及び利用に関する新たな規制の導入その他予期せぬ要因によって、今後インターネット利用者の減少及び利用コストの高騰等が起こった場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

 また、インターネット上の情報通信、又は電子商取引が今後も広く普及し、インターネットの利用者にとって快適な利用環境が実現されることも当社の成長のための基本条件となります。こうした通信インフラ環境の向上が一般的な予測を大きく下回る場合、当社の事業環境及び前提条件に一定の制約が生じることとなり、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

 

②クラウド事業について

 クラウドとは、システム・アプリケーションをインターネット経由で提供するサービスで、ソフトウェアの提供における新しい方法・概念として認知され、従来から「SaaS」とも呼ばれ、浸透が進んでまいりました。その一方で今後クラウドを扱う企業レベルの競争も激化する可能性があります。このような事業環境のもとで、サービスにおいて新技術への対応が思いどおりの成果をあげられない場合、顧客ニーズを正確に把握することができなかった場合、他社においてより画期的なコンセプトをもった商品・サービスが出現した場合、又はクラウド自体の需要が当社の予測を大きく下回る場合、当社グループの財政状態及び経営成績は悪影響を受ける可能性があります。

 

③競合による業績への影響について

 当社グループは不動産業界のニーズに合ったシステム・アプリケーションを開発し、不動産業界向けにクラウド・SaaSとして提供しております。第三者が新たに不動産業界の業務ノウハウに精通した技術者、営業担当者を集め、当社グループと同様の事業モデルを構築するには時間的、資金的な障壁があるものと考えておりますが、当社グループと同等のシステムを再構築することは技術的に不可能とは言い切れず、また、資金力、ブランド力を有する大手企業の参入や全く新しいコンセプト及び技術を活用した画期的なシステムを開発した企業が出現した場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、インターネット業界の技術革新や新規参入等により、競争が一層激化した場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

④技術革新への対応等について

 当社グループはインターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われ、非常に変化の激しい業界となっております。このため、技術革新に対する当社の対応が遅れた場合、当社グループの競争力が低下する可能性があります。

 

⑤不動産業界の動向について

 当社グループは、不動産業界の顧客向けに不動産業務支援システム等のシステム・アプリケーションを開発しSaaSとして提供する事業を展開しており、販売先も不動産業界の顧客に集中している状況にあります。不動産業界の中でも賃貸仲介、賃貸管理、売買仲介等、それぞれの業態にあったサービスを提供しておりますが、不動産業界全般の景気や、不動産業界におけるシステム投資の状況によって、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

 また、今後において、不動産業界に対する規制環境の変化や業界各社の対応に何らかの変化が生じた場合には、当社グループの事業にも影響が生じる可能性があります。

 

⑥法的規制について

 現在、日本国内においてインターネットに関連する主要な法規制には電気通信事業法があります。当社は、顧客企業に対し「メール配信機能」を提供している事から、電気通信事業者の届出をしております。

 その他、インターネット上の情報流通や電子商取引のあり方について現在も様々な議論がなされている段階であります。上記以外に当社が営む事業そのものを規制する法令はありませんが、今後、インターネットの利用者や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等が制定されたり、既存の法令等の解釈が変更されたりした場合、当社グループの事業が制約される可能性があります。

 また、不動産に関わる分野におけるインターネット上の情報流通や表示項目等が規制の対象になる可能性もあり、その場合には当社グループの事業が制約される可能性があります。

 

(2)当社のシステム等に係るリスクについて

 当社では、ネットワークのセキュリティに関してしかるべき方策を施し、更には個人情報漏洩に関する保険等に加入しておりますが、それらの対策を施してもコンピュータウィルス等の侵入やハッカー等による様々な妨害を原因とした損失発生の際に、それらをすべて補填できない場合があります。その場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

①顧客サービス用システムの不具合(バグ等)発生の可能性について

 一般的に、高度なソフトウェアにおいては不具合の発生を完全に解消することは不可能であると言われており、当社グループが提供するSaaSにおいても、各種不具合が発生する可能性があります。今後とも信頼度の高いシステムの開発に努め、また契約において原則として免責事項を定めてはいるものの、特にインターネットを通じて提供される当社のサービスに運用上支障をきたす致命的な不具合が発見され、その不具合を適切に解決できない場合、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

②自然災害、事故及びシステム等にかかるリスクについて

 当社グループでは、顧客向けSaaS提供用のシステムインフラ基盤を全面的にIaaS環境上に構築、運用しております。当該IaaSについては外部IaaS事業者から調達しており、当該事業者が保守を行っておりますが、現時点において世界トップクラスの安定性・堅牢性を持つと考えられる事業者を選定しているものの、当該事業者の想定を超えるような地震・台風・津波又は火山活動等の自然災害や、事故・火災・テロ等により、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障をきたす可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症拡大に見られるような伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック)によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、当社グループの全従業員を対象とした在宅勤務(リモートワーク)の体制を構築済みであり、お客様からのお問い合わせ、サポートセンターに関しましても、従前と変わらないサービスレベルを維持できる体制が整っております。また、お客様へのご訪問やご商談につきましても、Web会議等の活用により、従前と変わらない営業活動を展開できる体制を整えております。

 しかしながら、想定を超えるような流行により業務を適切に遂行できないような事態が発生した場合には、同様に当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③特定の外部IaaS事業者への依存にかかるリスクについて

 当連結会計年度末時点で当社SaaSのサービスインフラ基盤につきましては、主として米国Amazon社の提供するIaaSであるAWS(Amazon Web Services)上での運用を行っております。なお同社とは良好な関係を保っており、今後の契約関係も安定して継続する見込みでありますが、今後何らかの理由により、同社とのIaaS利用に関する契約の解消や、契約内容の重大な部分に変更がある場合などには、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また同社とは米ドル建てでの取引を行っていることから、今後急激な為替変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお為替リスクの低減手段につきましては、主として為替予約を中心としております。

 

(3)情報セキュリティ管理について

 当社グループは顧客向けに顧客情報管理システムを提供しており、そのシステムの運用を通じて蓄積される個人情報等の管理に関して、顧客から委託を受けております。また自社運営サイトを通じて、顧客情報を取得することがあります。当社グループでは、社内基準に従い個人情報をはじめとする顧客の重要情報を管理し、その情報の外部漏洩防止に関して、情報資産に対するセキュリティ管理、情報管理に関する従業員への教育、外部委託先との機密保持契約などを行い、また、当社においては2009年5月に情報セキュリティマネジメントシステム(以下、ISMSという)の国際標準規格である「ISO/IEC27001」認証を、並びに2017年9月にクラウドサービス情報セキュリティマネジメントシステム(以下、ISMSという)の国際標準規格である「ISO/IEC27017」認証を東京本社、大阪支店、福岡支店及び名古屋支店において取得しており、現時点までにおいて情報管理に関する重大な事故やトラブルの発生は認識しておりません。

 しかし、これら顧客重要情報等が何らかの形で外部漏洩したり、不正使用されたりする可能性が完全に排除されているとは言えません。また、これらの事態に備え、個人情報漏洩に対応する保険等に加入しておりますが、全ての損失を完全に補填するものではありません。従いまして、これらの事態が起こった場合、当社グループへの損害賠償請求や当社の信用の低下等によって当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは個人情報保護法における個人情報取扱事業者に該当しており、同法の適用を受けております。

 

(4)事業体制について

①人的資本の確保について

 当社グループは、サービスの開発業務において自社開発を基本原則としております。今後においても、現在の事業領域を中心に事業拡大を図っていく方針であり、当社グループのサービス戦略及び開発戦略等の業務遂行にあたり専門的な知識・技術を有した優秀な人財の確保が必要となります。当社において、これらの人的資本を拡充できない場合は、当社グループの考えるスピードでの効率的な事業展開に支障をきたす可能性があります。

 

②事業拡大に対する組織的な対応について

 当社グループはまだ小規模な組織であり、内部管理体制もこれに応じたものになっております。今後、企業規模が拡大していくに従って、内部管理体制の更なる充実を図る方針でありますが、当社グループの事業拡大に即応して、適切かつ十分な組織対応が出来ない可能性があります。

 今後の急速な事業拡大に備え、既存従業員の育成、採用活動による人員増強などの施策を講じるとともに、管理業務の効率化を図り、組織的効率を維持・向上させることが重要な課題となってまいります。これらの施策が計画どおりに進行しない場合、事業機会の逸失、業務品質の低下などを招き、当社グループの事業拡大及び事業運営に悪影響を与える可能性があります。

 また、小規模な組織であるため、業務プロセスを特定の個人に依存している場合があります。今後、業務の定型化、形式化、代替人員の確保などを随時進める予定でありますが、特定の役職員に依存している業務の遂行が当該役職員の退職その他何らかの理由により困難になった場合、一時的に当社グループの業務運営に支障をきたす恐れがあります。

 

③知的所有権に関する訴訟の可能性について

 当社グループで開発・設計しているソフトウェアやプログラムは、いわゆる「公知の基礎技術」を改良又は組み合わせることにより当社が独自で開発・設計しておりますが、第三者の知的所有権を侵害している可能性があります。特に「ビジネスモデル特許」については、米国等において既に一般化していることや今後国内においても当該特許の認定が進むと予想されることから、これら知的所有権等への対応の重要性は増大すると考えております。

 現在のIT分野における技術の進歩やビジネス・アイデアの拡大のスピードは非常に速く、予想が困難であり、また、現在の特許制度のもとでは調査の限界もあるものと考えられます。

 過去もしくは現時点におきましては、当社グループが第三者の知的所有権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後、当社グループの事業分野で当社の認識していない特許等が成立していた場合、又は新たに成立し第三者の知的所有権を侵害した場合には、損害賠償やロイヤリティの支払い要求、差止請求等により、当社グループの事業に何らかの悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)商標権の管理について

 当社グループは、新たなサービスを開始する際には、サービスの名称等について商標の出願、登録を行うか、又は商標登録には馴染まない一般的な名称を使用する等、第三者の商標権を侵害しないように留意しております。

 過去において提供したサービスの名称の一部においては、第三者が類似商標を登録している等の理由により、商標の登録が承認されていないもの、又は登録未申請のものがありますが、これらについては当社グループとして適切な対応を行っているものと認識しております。

 過去もしくは現時点におきましては、当社グループが第三者の商標権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、当社グループの調査内容が十分である保証はなく、当社グループの見解が常に法的に正当であるとは保証できません。万一、当社グループが第三者の商標権等の知的財産権を侵害していると認定され、その結果、損害賠償請求、差止請求などがなされた場合、又は、当該事項により当社の信用力が低下した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。