当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2020年5月に長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]とともに、2020年度から2022年度までの中期経営計画(2020-2022)[ D.C. 2022 ](以下、「前中期経営計画」という。)を発表し、この前中期経営計画において、1.基幹事業の質的成長による収益の拡大、2.基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化、3.経営・事業基盤の強化、4.社会的価値の実現、の4つを基本方針とし、これに基づく個別施策を着実に実行してまいりました。前中期経営計画期間は、新型コロナウイルス感染症の影響が経済・社会活動に大きく影響を及ぼした3ヵ年であり、市場は大きく落ち込みましたが、長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]及び前中期経営計画により、当社グループの事業基盤や収益力は大きく拡大・強化されたと捉えております。
一方、世界経済は新型コロナウイルス感染症の影響から脱したとはいえ、格差の拡大、地政学的不安定性の増大、地球温暖化への対応の緊急性の高まり、金融情勢の不安定化等の不確実性、不透明性がますます高まっております。
このような状況をふまえ、当社グループとして改めて長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]を見直すとともに、長期的な成長に向けた新中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]を策定いたしました。
■Sangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]
長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]では“サンゲツグループはスペースクリエーション企業へ”を目標に掲げ、スペースクリエーション企業へ転換するためのアプローチを明示し、取り組むこととしておりますが、このベースとなる基本的な考え方、戦略に変更はありません。しかしながら、前中期経営計画期間中の施策面、収益面の進捗をふまえ、長期ビジョン達成へのアプローチの文言を一部変更し、スペースクリエーション企業像の明確化と、さらにその先の事業の考察を行うと同時に、2022年度決算において長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]の収益目標を達成したことから、新たな定量目標を設定いたしました。
1.2030年に目指すビジョン
“サンゲツグループはスペースクリエーション企業へ”
2.目指すスペースクリエーション企業像
人的資本とデジタル資本を基盤としたデザイン力とクリエイティビティによる4機能、
すなわち
・それぞれの市場に最適なコンセプトに基づく魅力的な空間デザイン提案機能
・高度な企画・開発・調達力を持ち、広範囲な商品を提案するスペース材料提供機能
・品切れなく広域に即時配送を可能とする在庫・配送・物流機能
・さまざまな事業、人的関係、企業連携を通じての規模と総合性・機動性のある施工機能
を有機的にインテグレートしたソリューション力により、
グローバルにスペースクリエーションに関する高い価値を提供する企業
3.長期ビジョン達成の基本戦略
この基本戦略によるビジョンの達成を通じ、私たちは、次の社会的価値の実現を目指します。
[サンゲツグループが実現を目指す社会的価値]
サンゲツグループは、
|
Inclusive |
(みんなで) |
:平等で健康的なインクルーシブな社会の実現 |
|
Sustainable |
(いつまでも) |
:地球環境を守るサステイナブルな社会の実現 |
|
Enjoyable |
(楽しさあふれる) |
:より豊かでエンジョイアブルな社会の実現 |
社会の実現に貢献します。
[定量目標]
|
2030年3月期 |
連結売上高 |
2,500億円 |
|
|
|
連結営業利益 |
270億円 |
|
[スペースクリエーション企業、さらにその先へ]
2020年5月に長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]と前中期経営計画を発表し、その後推進する中で、スペースクリエーション企業へと転換することによる収益基盤の拡大と、収益の安定性を確認する一方、日本市場の量的限界を再認識し、さらなる大きな成長のためにはスペースクリエーション企業に留まらず、さらに事業を展開していく必要性も認識いたしました。スペースクリエーション企業として、人々によろこびとやすらぎをもたらす空間をデザインし、提案し、提供するためには、その空間での人々の過ごし方を考え、構想することが必要となります。すなわち、スペースクリエーションとはどのような空間を提供するのか、空間をどのように人々に使っていただくかを考えることであり、これは空間のオペレーションがいかに行われるかを考察することに繋がっていると認識しております。
その意味において、スペースクリエーション事業の先には空間のオペレーション事業の可能性があると考えており、今後スペースオペレーション事業への展開の可能性の検討を進めてまいります。
■中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ] ※BX=Business Transformation
前中期経営計画期間中にさまざまな施策を進めた結果として、2022年度には収益の大幅な伸長を達成いたしましたが、前中期経営計画の施策の進展以上の収益の拡大となったとも理解をしております。その意味において、中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]の3年間は前中期経営計画を引き継いで収益基盤を堅固なものとし、次の飛躍に備える期間と位置付けております。長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]にて明確化した、目指すべきスペースクリエーション企業像の確実な実現に向けての諸施策を実行するとともに、スペースクリエーション事業のプラットフォームにおいて、従来の主要商品・主要市場での拡張のみならず、商品面での拡充、海外市場の強化・拡大・収益化、エクステリア事業の拡大・高度化を実行いたします。この中期経営計画(2023-2025)[ BX
2025 ]の基本方針、施策、資本政策、定量目標を以下のとおりといたします。
1.基本方針
中期経営計画(2023-2025)
[ BX 2025 ]
-次の飛躍に備える3年間-
スペースクリエーションの価値を高めるソリューション力を強化・拡充し、強固な収益力と成長力を持つスペースクリエーション企業へと転換、主要商品・市場の事業拡張に加え、商品の拡充、エクステリア事業・海外事業の拡大を実行する。
また、さらなる長期的成長を可能ならしめる事業を展開するべく、スペースオペレーション事業の可能性を検討する。
2.施策
3.資本政策
1)株主還元方針
・2026年3月末の自己資本を950~1,050億円とする
・株主還元は配当を主体とし、1株当たり年間配当金は130円を下限に、安定的な増配を目指す
・市場の状況により自己株式の取得も検討する
2)資金配分計画
|
中期経営計画期間中資金創出 |
|
資金配分 |
|
||
|
期初保有現金同等物 |
270億円 |
|
成長投資 |
200~250億円 |
|
|
営業CF |
470~510億円 |
|
株主還元 |
250~350億円 |
|
|
借入金増減 |
▲80~60億円 |
|
期末現金同等物 |
200~250億円 |
|
4.定量目標(2026年3月期目標)
1)経済価値
|
① 連結売上高 |
1,950億円 |
|
|
② 連結営業利益 |
205億円 |
|
|
③ 連結当期純利益 |
145億円 |
|
|
④ ROE |
14.0% |
|
|
⑤ ROIC |
14.0% |
|
|
⑥ CCC |
65日 |
|
2)社会価値
①地球環境
|
GHG排出量 |
連結 |
2021年度比 28%削減 |
|
|
GHG排出量 |
単体 |
2018年度比 60%削減 |
|
|
使用エネルギー量 |
単体 |
2018年度比 6%削減 |
|
|
リサイクル率(有効利用率) |
単体 |
90%以上 |
|
②人的資本
|
非喫煙率 |
単体 |
85%以上 |
|
|
やりがい指数(社員意識調査における“仕事のやりがい肯定率”) |
単体 |
77%以上 |
|
|
女性管理職比率 |
単体 |
25%以上(2026年4月時点) |
|
|
障がい者雇用率 |
単体 |
4%以上(2026年3月末時点) |
|
|
キャリア採用者数 |
単体 |
3年間合計 60~80名 |
|
|
人的資本投資額 |
単体 |
3年間合計 7億円 |
|
|
男性育休取得率 |
単体 |
2週間以上 100% |
|
③社会資本
|
児童養護施設改修活動 |
連結 |
50件/年間 |
|
|
マッチングギフト |
連結 |
18,000 S-mile |
|
|
外部団体への寄付を含めた 社会貢献活動費 |
連結 |
年間経常利益の0.3%~0.5%を目途とし、 寄付は特定の団体に継続的に実施する |
|
なお、前中期経営計画(2020-2022)[ D.C. 2022 ]のレビュー及び新中期経営計画(2023-2025)[ BX
2025 ]の詳細につきましては、当社Webサイトにて、説明動画及び資料を公開しております。
https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/library/briefing_report.html
(2)経営戦略等、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
経営環境における今後の見通しにつきましては、地政学的リスクの高まりによるサプライチェーンの混乱や、これを一因とするエネルギー資源・原材料価格の高騰が継続することが予想される一方、金融面での不透明性、不確実性が拡大しており、これに先進国での政治的混乱が加わることにより、実体経済にも大きな影響を与えることを懸念しております。当社事業に関連の深い国内建設市場では、住宅市場においては、コロナ禍からの回復傾向に一服感が見られ、横ばいが続くものと予想されます。非住宅市場においては、経済活動の再開によるホテル・宿泊施設等の回復や、首都圏におけるオフィスリニューアル市場の高まりといった期待要因がある一方、原材料価格や物流費等の高騰が継続しており、コスト・調達面における厳しい状況が予想されます。
このような状況の中、当社グループは、前述「(1)経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に掲げるSangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]及び3ヵ年の中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]を着実に実行することにより、商品販売だけでなく配送力・提案力・施工力といった機能をインテグレートしたソリューション力を強化し、内装材の販売から「スペースクリエーション企業」への進化を図ります。そのために、人的資本の拡大・高度化・活躍支援や、デジタル資本の蓄積・分析・活用を進め、社会的価値の創造に努めるとともに、定量目標の達成を目指してまいります。
(その他の対処すべき課題)
1)Koroseal Interior Products Holdings,Inc.においては、2016年11月の買収後、新鋭壁紙製造設備の導入、壁面保護材料事業からの一部撤退、当社商品の販売拡大等の施策を実行したものの、依然営業赤字から脱せずにおります。事業が自社製造壁紙及び他社壁紙の販売という低付加価値モデルに留まっていることが最大の課題であり、差別化し得る商品・ブランド、短納期供給力、提案力、施工力等の機能強化等の施策実行に引き続き取り組んでまいります。
2)中国・香港及び東南アジアでの事業は、過去欧米品を中心にホテル関連の建設市場向けの販売をメインとしておりましたが、アジア市場における欧米品の競争力低下及び新型コロナウイルス感染症の影響によるホテル関連工事の低迷等に大きな影響を受けており、アジア市場で安定的な収益を確保しつつ事業成長を達成するために、グループ会社であるクレアネイト社によるアジア市場向けの競争力のある商品の開発、住宅市場向けの取引拡大のための在庫・販売政策の推進等の課題に取り組んでまいります。
3)日本市場においても、原材料価格・仕入商品価格の値上げ、物流委託費・包装材料・人件費等を含むその他経費の上昇が継続しており、これらコスト上昇に対して収益性を維持しながら販売数量維持・拡大に向けた施策を実行してまいります。
4)日本市場において、特定の仕入先からの壁装材の品質問題が発生しており、お客様相談室を設置の上、当該仕入先と連携しつつ、当該商品の施工先住居、施設等に対する補修対策を継続的に実施してまいります。この補修に係る費用は仕入先によって全額負担されており、当社において損失は計上されておりません。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.サステナビリティ全体に関する基本的な考え方及び取組
(1)ガバナンス
当社は、2016年4月にCSR推進課を新設、2017年4月には社長を委員長として、全社を横断的に統括するCSR委員会を設置しました。2020年11月からはESG委員会に名称を変更し、ESGに関する国際的なガイドライン(ISO26000、GRI、SASB)などに対応するための分科会を設け、実効的なESGマネジメントを行い、社会的課題解決に向けた取り組みを進めています。
ESG委員会では、ISO26000で示された7つの中心課題を活動テーマとして、それぞれを5つの分科会が担い、活動を推進しています。各分科会は、テーマにおける主管部署だけでなく、管理部門やロジスティクス部門、営業部門など、幅広いメンバーで構成し、議論の多様性を高めています。ESG委員会は、各マテリアリティに対して取り組み目標を設定し、実際に業務を行う社内各部門の業務計画に落とし込みます。また、取り組み状況については、年4回、四半期ごとに、分科会からの報告による進捗管理を行うとともに、課題解決のための意見交換や議論を行っています。組織体制においては、委員長を社長が、総括責任者を担当執行役員が務め、さらに監査等委員である社内取締役の出席のもと実施しています。
ESG委員会の活動内容に関する取締役会への報告は、従来不定期で行っていましたが、2022年度からは年2回の定期報告を行うことを定めており、取締役会のより強い監督のもとでESG活動を展開しています。
ESG委員会体制図
(2)戦略
当社グループは、社会的要請や当該業界の重要テーマを踏まえ、社会及び長期投資家にとっての重要度と当社事業の持続的成長への影響からマテリアリティを特定しました。これらのテーマは、長期ビジョンの実現に向けた重要項目でもあり、事業計画と連動しながらPDCAサイクルを回していきます。
抽出したマテリアリティは、社会及び長期投資家にとっての重要度と当社事業の持続的成長への影響からマッピングを行うとともに(表①マテリアリティマップ)、長期ビジョンで実現を目指す社会的価値や、関連するSDGsと紐づけています(表②マテリアリティ・社会的価値・SDGsとの関連性)。また、特筆すべきマテリアリティに関しては、リスクと機会から分析し、リスクの管理と機会の創出・獲得に向けた対応を行っています(表③2022年度 特筆すべきマテリアリティ)。
表①マテリアリティマップ
表②マテリアリティ・社会的価値・SDGsとの関連性
表③2022年度 特筆すべきマテリアリティ
|
区分 |
マテリアリティ |
考え方、「リスク」と「機会」 |
|
リスク |
・調達面での供給安定性 |
商品を製造するメーカーの生産キャパシティは、業界全体の低収益構造を反映して年々逼迫している。主たる分野で大きなシェアを有するブランドメーカーとしては、製造設備の不具合などで計画どおりの生産ができず、顧客への商品提供に支障が出ることは、当社の収益に大きく影響するとともに、建設現場での納期遅延などの要因ともなり得る。業界全体のリスク要因として、万全の対応を行っていく必要がある。 |
|
・品質安定性 |
インテリア商品やエクステリア商品を提供する立場として、品質の安定性は顧客要求事項の最上位の項目である。全国に広く販売しシェアを獲得している状況下、品質の低下・劣化による貼り替えなどの対応は、ブランドイメージの棄損になるとともに、収益を圧迫する大きなリスク要因である。品質管理を担う体制と人材の増強に向けた取り組みを継続的に進めている。 |
|
|
・事業活動における環境負荷 (GHG、エネルギー、廃棄物) |
当社単体としては、GHGやエネルギーは事務所の照明・空調、ロジの動力など、廃棄物は商品のカット端材や不良在庫、回収見本帳などにおいて負荷が発生しているが、サプライチェーン全体に対する環境負荷は相対的に小さい状況である。一方で、グループ全体では製造を担うクレアネイト、Korosealにおける製品製造面での環境負荷が大きく、気候変動や資源循環といった世界的な課題に対し真摯に向き合い取り組みを進捗させていく必要がある。この取り組みが進展しない事態となることは、地球環境及び企業経営のサステナビリティに対しての大きなリスク要因となる。 |
|
|
機会 |
・デザインするよろこびの提供 |
長期ビジョン・中期経営計画に掲げるスペースクリエーション企業への転換に向けての重要課題であり、デザインはプラスアルファの価値を提供する源泉である。インテリアとエクステリアの双方をモノから取り扱う唯一の企業として、デザインを追求し提供することで、企業価値を高めることができる。また、デザインを通じた顧客とのコミュニケーションは、顧客と当社がwin-winな関係を築く結果となり、その実績の積み重ねがサンゲツグループとしての高いデザイン力の構築につながっている。 |
|
・サービスと価格の 適切なバランス |
顧客にとっては、商品群によって求めるサービスに違いがある。価格を訴求すべき商品や、受注・出荷・配送などのサービス機能を重視すべき商品などさまざまであるため、それぞれのサービス機能に価値を感じていただき、顧客の満足度を高めることは、適切な対価を得る重要な機会となる。 |
|
|
・社員の健康と能力開発 ・社員エンゲージメントの向上 ・従業員のダイバーシティ・ インクルージョン |
人材は最も重要な基盤の一つであり、社員のエンゲージメントの向上が、業績向上に加え、企業価値の向上につながる。中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」から取り組んでいる健康経営・働き方の見直し・社員の能力開発などに加え、2022年4月からスタートした人事制度の導入によりさらなる人的資本の強化を進めている。これは当社グループの持続的な成長に大きく寄与する機会となる。 |
(3)リスク管理
当社では、「(2)戦略」に掲げるマテリアリティに対し、ESG委員会での活動を通じ、これらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのマネジメントレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。
マテリアリティの特定のプロセスは、以下のとおりです。
マテリアリティの特定プロセス
(4)指標及び目標
1)中期経営計画(2020-2022)[ D.C. 2022 ]における目標と実績
当社では、2020年度から2022年度までの中期経営計画[ D.C. 2022 ]において、社会価値における定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この実績(速報値)は以下のとおりです。
①地球環境
|
・Scope1&2 GHG排出量削減 |
目標30% |
→ 30.1% |
達成 |
|
・エネルギー使用量削減 |
目標4% |
→ 3.5% |
未達成 |
|
・廃棄物総廃棄量削減 |
目標4% |
→ 9.6%増 |
未達成 |
|
・リサイクル率 |
目標83%以上 |
→ 86.4% |
達成 |
|
・見本帳リサイクルセンターの新設 |
|||
|
・2022年度見本帳リサイクル実績 |
77,262冊 |
||
②人的資本
|
・障がい者雇用 |
目標4% |
→ 3.91% |
未達成 |
|
・非喫煙率 |
目標82% |
→ 81.1% |
未達成 |
|
・女性管理職 |
目標20% |
→ 20.1% |
達成(※2023年7月1日付異動後想定数値) |
③社会資本
|
・児童養護施設リフォーム |
目標30件/年間 |
→ 55件/年間 |
達成 |
|
・マッチングギフト |
目標13,000 S-mile |
→ 15,129 S-mile |
達成 |
地球環境と人的資本の取り組みに関する詳しい内容は、「
また、当社では中期経営計画に掲げる指標以外にも、E(環境)S(社会)G(ガバナンス)の各項目で詳細なKPIを設け、進捗状況を管理しています。詳しい内容は当社Webサイトをご覧ください。
「ESGマネジメント」KPIと実績
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/management.html
2)中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]における施策と目標
中期経営計画(2020-2022)[ D.C. 2022 ]の実績をふまえ、より高い社会価値を生み出すために、当社グループでは、2023年5月に新中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]を策定し、サステナビリティに関する新たな目標を設定しました。この達成に向け、さらに取り組みを推進してまいります。
■社会価値向上に向けた施策
[環境]
・連結および単体 GHG(Scope1&2)排出量削減
・GHG(Scope3)排出量の把握と削減方策の明確化
・低環境負荷商品の開発強化
・見本帳リサイクルセンターの拡大含めリサイクルの推進
[社会]
・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進
・児童養護施設の住環境改善活動の推進
・支援が必要な子ども達、開発途上国、難民への継続的支援
■人的資本の拡大・高度化・活躍支援に向けた施策
・組織別人事担当者の配置
・多様性のあるキャリア採用の大幅増と新卒採用拡大
・専門性と事業構築力強化のための教育・研修拡充
・処遇改善と働く環境整備
・非正規社員比率の改善とダイバーシティの推進
■定量目標
①地球環境
|
GHG排出量 |
連結 |
2021年度比 28%削減 |
|
|
GHG排出量 |
単体 |
2018年度比 60%削減 |
|
|
使用エネルギー量 |
単体 |
2018年度比 6%削減 |
|
|
リサイクル率(有効利用率) |
単体 |
90%以上 |
|
②人的資本
|
非喫煙率 |
単体 |
85%以上 |
|
|
やりがい指数(社員意識調査における“仕事のやりがい肯定率”) |
単体 |
77%以上 |
|
|
女性管理職比率 |
単体 |
25%以上(2026年4月時点) |
|
|
障がい者雇用率 |
単体 |
4%以上(2026年3月末時点) |
|
|
キャリア採用者数 |
単体 |
3年間合計 60~80名 |
|
|
人的資本投資額 |
単体 |
3年間合計 7億円 |
|
|
男性育休取得率 |
単体 |
2週間以上 100% |
|
③社会資本
|
児童養護施設改修活動 |
連結 |
50件/年間 |
|
|
マッチングギフト |
連結 |
18,000 S-mile |
|
|
外部団体への寄付を含めた 社会貢献活動費 |
連結 |
年間経常利益の0.3%~0.5%を目途とし、 寄付は特定の団体に継続的に実施する |
|
(5)その他、2022年度における具体的な取組
当社グループは、サステナビリティを事業と一体として考え、事業活動を通じて持続可能な社会を実現するため、長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]において「みんなで(Inclusive) いつまでも(Sustainable) 楽しさあふれる(Enjoyable)社会の実現」を掲げ、注力しています。2022年度における、主な取り組みは以下のとおりです。
■環境面における取組
持続可能な社会の実現に向けた商品開発を進め、リサイクル資源を利用した壁紙「MEGUReWALL(メグリウォール)」やカーペットタイル「NT 700 Fiber Eco」、カーテン「&ECO」など、壁・床・ファブリックと全てのエレメントにわたり低環境負荷商品を拡充しました。また、「sangetsu 見本帳リサイクルセンター」でのリサイクル処理量の拡大に努めたほか、社員が主体となった環境保護活動への参加も積極的に実施しました。GHG削減に向けた取り組みにおいては、Scope1・Scope2の削減に向けた施策とともに、当社グループのGHG排出量において大きな割合を占めるScope3の削減を目指し、仕入先に直接赴き、環境の取り組みや改善について確認やアドバイス等を行いました。
■社会面における取組
継続的に実施している児童養護施設への内装改装支援は、新型コロナウイルス感染症防止対策を行いつつ活動を展開し、当連結会計年度の実績は55件、2014年からの累計では187件となりました。また、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みでは、女性管理職比率と障がい者雇用率の向上に努め、多様な人材が幅広い組織で活躍できるように職場環境の改善を行いました。さらに、開発途上国の子ども達を支援するNPOへの協力や産学連携のプロジェクトへの参画、LGBTQ+への理解を深めるセミナーの開催など、幅広い活動に取り組みました。
■人材価値の向上に向けた取組
人材価値の向上に向けた取り組みにおいては、人事制度改革により管理職にジョブ型を導入することで、職務と報酬の公平性を重視し、社員がより幅広いキャリアを描き、挑戦できる組織の構築に向けた体制整備を行いました。さらに、社員の健康診断に対する保健指導や生活習慣の改善といった、健康経営方針に基づく長期的な取り組みが評価され、「健康経営優良法人2023」に認定されました。当認定は昨年に続き4年連続、通算では5度目となります。
こうしたサステナビリティ活動に関する積極的な情報開示が評価され、2023年1月には当社のサステナビリティサイトが、一般社団法人サステナビリティコミュニケーション協会が実施する「サステナビリティサイト・アワード2023」においてシルバー(優秀賞)を受賞しました。当社グループはこれからも、サステイナブルな社会の実現に向けた取り組みを強化し、全てのステークホルダーとともに、新しい価値創造のよろこびを分かち合える企業になることを目指してまいります。
2.気候変動に関する考え方及び取組
当社の事業は地球環境との関わりが深く、企業として環境保全に努めることは当然の責務です。当社では、自らの事業活動における環境負荷の低減はもとより、地球環境に配慮したより良い住環境の創造に努めております。持続可能な社会の実現に、企業としてより主体的に参画するため、2021年10月には「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」提言に賛同を表明しました。環境負荷の低減に向け、この提言への対応を進めています。
地球温暖化による気候変動は、人間の生活や自然の生態系にさまざまな影響を与えています。この主たる原因である温室効果ガス(以下、GHG)を削減させるためには、エネルギーを最小限に無駄なく有効活用することが必要であり、エネルギー削減を推進することが地球温暖化防止、地球資源の有効活用に繋がると考えております。
(1)当社を取り巻く環境負荷の状況
当社が行う事業活動においては、当社グループによるGHG排出や商品・見本帳の廃棄に加え、取引先でのGHG排出、また建築現場での使用済み廃材などさまざまな状況・場所において環境負荷が発生しています。当社ではこのそれぞれのスコープにおける環境負荷の状況を把握し、環境負荷を低減する取り組みを行っています。
■サンゲツを取り巻く環境影響図
■Scope3を含めたGHG排出量(単体)
ファブレスを主とする当社において、事業活動により発生するGHG排出量は、Scope1&2(1.4%)と比較して、Scope3が大きな割合を占めています。Scope3の中でも、仕入先での製品製造に伴うカテゴリ1(購入した製品・サービス)が約9割となっており、サプライチェーン全体のGHG排出量削減を進めるには、仕入先と協業した削減の取り組みが不可欠であると考えています。
2021年度※ Scope3を含めたGHG排出量
|
分類 |
GHG排出量(t-CO2) |
構成比 |
|
|||
|
Scope1&2 |
5,992 |
1.4% |
|
|||
|
Scope3 |
|
403,851 |
|
98.6% |
|
|
|
|
カテゴリ1(購入した製品・サービス) |
|
364,167 |
|
88.9% |
|
|
|
カテゴリ4(輸送・配送(上流)) |
|
22,302 |
|
5.4% |
|
|
|
その他 |
|
17,382 |
|
4.3% |
|
|
合計 |
409,843 |
100.0% |
|
|||
※数値算出時期の都合上、2021年度数値を参考掲載しております。
■サンゲツグループ全体でのGHG排出量内訳(Scope1&2)(連結)
グループ全体のGHG排出量は、商品製造機能を持つ会社(クレアネイト・Koroseal)が総排出量の約8割を占めており、環境負荷低減を実現するためには、この製造部分の排出削減を進める必要があります。このために、グループ全体での2030年を見据えた具体的な目標・計画を立てるとともに、製造にかかるエネルギーにおいては省エネ設備への更新、事務所やオフィスの電力使用においては再エネ電力への切替といった、各社の事業の特徴に合わせた削減施策を実行しています。
2022年度 グループGHG排出量内訳(Scope1&2)
|
社名 |
GHG排出量(t-CO2) |
構成比 |
|
|
|
㈱サンゲツ |
5,668 |
19.1% |
|
|
|
クレアネイト㈱ |
(国内・製造会社) |
18,652 |
62.8% |
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Koroseal Interior Products Holdings,Inc. |
(海外・製造会社) |
4,183 |
14.1% |
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他グループ6社 |
(国内外・非製造会社) |
1,176 |
4.0% |
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合計 |
29,679 |
100.0% |
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|
(2)ガバナンス
気候変動への対応は、社長を委員長とするESG委員会のもとに設置した環境分科会が行っています。環境分科会の構成は、環境施策の企画・立案を担うESG推進部門、エネルギー使用を伴うファシリティや車両管理を担う総務部門、商品開発を担う各事業部門、ロジスティクスセンターでの配送部門、営業部門などさまざまな部門が参加しています。分科会では、事業活動によるGHG排出の環境負荷といったマテリアリティに対し、2030年3月期の当社単体でのカーボンニュートラル、グループ連結では2030年3月期55%減(2021年度比)の達成に向けた目標を設定し、削減計画の策定、施策の検討や実行といった気候変動への対応を進めています。これらの取り組みは四半期ごとに進捗状況をレビューし、取締役会にて年2回の進捗状況に関する管理・監督を行っています。
また当社は、ISO14001の認証を取得しています(認証範囲の従業員比率38.5%)。環境マネジメントシステムを統括するISO管理責任者のもと、これを補佐するISO事務局を設置し、各事業所において環境活動を実施しています。
環境活動推進体制図
※ESG委員会の体制については、「
(3)戦略
2022年度から、気候変動リスクについてTCFDの提言に沿ったリスクと機会の見直しを行っています。見直しにあたっては、事業活動におけるGHG排出量を低減できないこと、商品・見本帳を低炭素化できないことや回収・リサイクルできないこと及び急性・慢性的に起こりうる物理的なリスクといった観点で検討を進めています。
①気候変動によるリスクと機会
把握した環境負荷においては、要素ごとにリスクと機会を分析し、対応策を進めています。
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リスク |
項目 |
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移行リスク |
法規制 |
・GHG排出やプラスチックに対する規制強化による収益の圧迫 |
|
技術 |
・脱炭素・再生材使用・リサイクル技術の不足 |
|
|
市場 |
・脱炭素技術やリサイクル設備を導入することでの設備コスト増 ・リサイクル可能商品の回収にかかるコストの増加 |
|
|
・脱炭素(CO2フリー)・再生原材料への切換による原価アップ |
||
|
・事業活動に伴う排出のオフセットによるコスト増 |
||
|
・消費者行動の変化による販売機会の喪失 …既存製品のニーズ減退 …脱炭素ニーズ増加 (対応製品の不足) |
||
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評判 |
・脱炭素製品、回収・リサイクルできる製品が提供できない事での評判低下 ・サンゲツブランドの指名買いの低下・ESG投資家からの失望 |
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物理リスク |
急性 |
・台風やゲリラ豪雨など自然災害(洪水や浸水、強風)の激甚化による、 安定供給(仕入~納品・施工迄)に資する各機能の棄損と停止 |
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慢性 |
・平均気温上昇に伴う空調などの稼働コスト増大 |
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機会 |
項目 |
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|
機会 |
資源の効率性 |
・資源循環することで資源の効率性が向上する |
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エネルギー源 |
・商品・見本帳を低炭素エネルギー(再エネなど)で製造ができる |
|
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製品/サービス |
・商品・見本帳を低炭素化することによる環境配慮対応 ・資源循環することによる環境配慮対応 |
|
|
市場 |
・低炭素商品・見本帳の拡充により環境配慮のニーズに応える ・再生材使用/リサイクル可能商品の拡充により環境配慮のニーズに応える |
|
|
強靭性 (レジリエンス) |
・商品・見本帳の低炭素化といったニーズの変化に対しても、 よりサステイナブルな商品・サービスが提供できる ・バージン材が枯渇する事態が発生しても資源循環するフローを 構築していることでサステイナブルな商品・サービスが提供できる |
|
②マテリアリティ
当社では、環境面における重要課題を以下の4つと捉え、それぞれの課題に対して取り組みを行っており、各項目における具体的な取り組みは、当社Webサイトに公開しています。
|
事業活動における 環境負荷 |
GHG排出量・エネルギー使用量の削減、廃棄物の削減、リサイクル率の向上 [詳細] 気候変動への対応 https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/climatechange.html 資源循環 https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/recycling_society.html |
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サプライチェーンの 環境負荷 |
グループ環境負荷の把握と低減プラン策定 [詳細]スコープ3への対応 https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/climatechange.html#sec06 |
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見本帳リサイクル |
リサイクル処理キャパシティの向上、リサイクル率の向上 [詳細]見本帳リサイクル https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/recycling_society.html#sec03 |
|
環境商品の開発 |
低炭素、資源循環に資する商品の開発 [詳細]商品を通じた地球環境保全 https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/product.html |
(4)リスク管理
当社では、マテリアリティを特定し、ESG委員会での活動を通じてこれらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのマネジメントレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。
特に、気候変動を含む環境に関するテーマに取り組む「環境分科会」では、①事業活動における環境負荷、②サプライチェーンの環境負荷、③環境商品の開発 をマテリアリティとして掲げ、当社グループの事業全体の環境負荷を把握し、地球温暖化防止や持続可能な資源循環に向けた体制の構築を目指しています。
※ESG委員会におけるマテリアリティの特定プロセスについては、「
(5)指標及び目標
当社では、中期経営計画(2020-2022)[ D.C. 2022 ]において、事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減に向けた定量目標を設け、取り組みを進めました。目標と2022年度までの進捗は、以下のとおりです。
①環境負荷低減に向けた定量目標と進捗
当社では、2020年度から2022年度までの中期経営計画[ D.C. 2022 ]において、環境面における定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。
■2022年度 目標と実績(単体)
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目標 |
実績 |
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GHG排出量(Scope1&2) |
30%削減(2018年度比) |
30.1% |
:達成 |
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エネルギー使用量 |
4%削減(2018年度比) |
3.5% |
:未達成 |
|
|
廃棄物総廃棄量 |
4%削減(2018年度比) |
9.6%増 |
:未達成 |
|
|
リサイクル率 |
83%以上 |
86.4% |
:達成 |
|
■実績推移(単体)
|
|
単位 |
2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
|
GHG排出量(Scope1&2) |
t-CO2 |
8,118 |
6,638 |
6,233 |
5,992 |
5,668 |
|
エネルギー使用量 |
GJ |
127,535 |
127,178 |
127,681 |
125,355 |
123,021 |
|
廃棄物総廃棄量 |
t |
3,695 |
4,195 |
4,098 |
4,283 |
4,134 |
|
リサイクル率 |
% |
75.0 |
80.1 |
81.5 |
85.0 |
86.4 |
|
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|
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②気候変動に関連する今後の目標と取組
長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]における目標:2030年カーボンニュートラル実現に向けて
当社では、長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]において、単体カーボンニュートラルを掲げています。当社のGHG排出量削減の取り組みは、これまでも営業車両のハイブリッド化やエコドライブの推進、CO2排出係数の少ない新電力への切替などを行ってきましたが、2029年度の目標達成に向けて、省エネ、創エネ、再エネ、オフセットの4つの施策を中心に削減に取り組んでいきます。設備更新などでの「省エネ」、太陽光発電設備導入による「創エネ」、再生エネルギー調達による「再エネ」、植林・電力証書・排出権などでの「オフセット」などを計画的に実行し、GHG排出量の実質ゼロに向けて取り組んでいきます。
■定量目標
GHG排出量(Scope1&2)
・グループ連結 55%減(2021年度比)
・サンゲツ単体 カーボンニュートラル
■GHG排出量カーボンニュートラルに向けた計画値(単体)
※2023年5月12日に発表した中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]における施策と目標の詳細につきましては、「
■カーボンニュートラルに向けたロードマップ(単体)
当社の環境に関する取り組みの詳細は、環境レポート「Environmental Report 2022」で開示しています。
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/report/report_environmental.html
3.人的資本に関する考え方及び取組
当社グループは、ブランドステートメント“Joy of Design”のもと、さまざまな空間創造を通じた“デザインするよろこび”の提供を目指しています。豊かな感性が重要な価値を持つ「デザイン」を経営の軸とする当社にとっては、社員一人ひとりが自らの個性を多様性として活かし、互いに尊重しあいながら成長することが、事業における強い原動力となります。この力を最大限に生み出すために、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンや健康経営といった施策を通じ、社員が自らの仕事に誇りを持って生き生きと働き、社会に新たな価値を提供する企業を目指しています。
(1)ガバナンス
人的資本への取り組みについては、社長を委員長とするESG委員会のもとに設置した人的資本分科会が行っています。分科会では、多様な社員の活躍支援や社会的弱者の就労支援に向けた取り組みを進めており、これらの取り組みは四半期ごとに進捗状況をレビューし、取締役会にて年2回の進捗状況に関する管理・監督を行っています。
※ESG委員会の体制については、「
(2)リスク管理
当社では、マテリアリティを特定し、ESG委員会での活動を通じてこれらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのマネジメントレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。
特に、人的資本に関するテーマに取り組む「人的資本分科会」においては、①社員の健康と能力開発、②社員エンゲージメントの向上、③従業員のダイバーシティ・インクルージョン を掲げています。この特定においては、GRIとSASBの定めるガイドライン等を参考に当社に特に関係するESG課題を特定し、社会及び長期投資家にとっての重要度や当社事業の持続的成長への影響を踏まえて評価しています。マテリアリティに対する進捗状況については、ESG委員会にて四半期ごとにレビューを行っています。
(3)戦略、指標及び目標
当社の人材に関する基本的な考え方は以下のとおりです。
■人材価値の向上に関する基本的な考え方
当社グループは、持続可能な企業価値の向上を追求しています。ここでの「企業価値」とは「人材価値の総和」に他なりません。経営において「人材価値の向上」は何よりも優先すべき課題と捉え、課題解決のためにさまざまな施策を実行しています。この基本的な考え方に基づき、当社では人的資本に関する各方針を定め、具体的な取り組みを着実に実行するとともに、目標や参考指標を通じた実態把握や進捗管理を行い、人材価値の拡大を図っています。
具体的な取り組みとしては、「人権方針」や「企業理念」あるいは「長期ビジョン」など当社グループの共通の価値観を全従業員と共有しています。また職務・職責に応じた人事制度の導入、年齢・性差・国籍などによらない能力基準の配置・登用、専門性のある人材のキャリア採用拡大、外国籍人材の採用強化、教育研修の拡充(業務へのIT活用を前提としたIT教育、現場力向上のための職種毎の教育支援)等を実行しています。
基本的な考え方に基づく、各方針や具体的施策、指標及び目標は以下のとおりです。
1)人材育成
①人材育成方針
自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己実現の場を提供する。
・社員の人生設計・成長を促進する教育機会を提供する
・昇格昇進の拡大と早期化により現場での経験を積ませ、将来の管理職、経営層の育成を行う
・計画的に多様な仕事を経験させ、活力を生み出す人材配置を行う
②具体的な取組
■人事制度改革
当社では、「社員が経営を担う事業基盤の整備」を重要施策の一つとして人事制度改革を進めており、2022年4月には新たな人事制度の運用を開始しました。新人事制度では、管理職に対する任用を従来の「能力等級×役職」から「職務に対応するグレード制」へと変更することで、職務の目的・成果に応じた報酬体系を明確にしました。さらに、組織運営能力や経営力に特化した「マネジメント系」と高度専門的な能力を発揮する「プロ系」の2系統の職務グレードとすることで、キャリアの幅を広げ、専門人材の育成や強化、採用に備えます。
新たな制度は「職務型」の人事制度ですが、いわゆるステレオタイプのジョブ型とは異なります。新たな制度における「職務とそのグレード」は、時代に合ったもの、より競争力のある仕事・職務へと臨機応変に変えていく必要があり、基本的な部分はありつつも、常に変化していくものとしています。この新たな人事制度を活用し、さらに積極的な人材登用の機会を創出していきます。
職務グレード・職能等級制度の全体像
■研修制度
当社では、ビジネスパーソンとしての基礎力を身に付けるための階層別研修の他、テーマに応じた目的別研修を行っています。
[主な研修(一部)]
基礎力育成に向けた階層別研修
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研修名 |
対象者 |
|
|
新入社員研修 |
新入社員(全員) |
|
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ロジカルシンキング研修 |
2年目社員(全員) |
|
|
クリティカルシンキング研修 |
3年目社員(任意) |
|
|
リーダーシップ研修 |
主事相当昇格者 |
|
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ティーチング・コーチングスキル研修 |
係長相当昇格者 |
|
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マネジメント研修 |
新任管理職任用者 |
|
|
評価者研修・目標設定研修 |
管理職任用者 |
|
テーマに応じた目的別研修
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研修名 |
対象者 |
|
|
LGBTQ+研修 |
部門長 ※その他社員任意参加 |
|
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ハラスメント研修 (感情把握とコントロールのためのEQ研修) |
部門長、グループ会社マネージャー層 |
|
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メンタルヘルス研修 |
部署責任者、新入社員 |
|
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キャリア研修 |
30歳・40歳・54歳到達時(任意) |
|
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各種健康増進研修 |
全社員(任意) |
|
|
経営幹部育成研修 |
選抜社員 |
|
|
IT・DX関連研修 |
選抜社員 |
|
その他、通信教育や資格取得の助成、表彰制度等により、社員が自ら主体的に学ぶ風土の醸成に努めております。
2)ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(社内環境整備)
①サンゲツグループダイバーシティ基本方針
サンゲツグループを取り巻く国内外の外部環境の変化がますます激しくなる中で、強固な事業基盤を築き持続的な発展に繋げていくためには、多様化する需要分野・地域・お客さまに対し、多様な機能や商品、深い専門性をもったサービスの提供が不可欠です。
サンゲツグループは、性別・年齢・国籍・人種・宗教・障がいの有無・性自認及び性的指向等にかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進します。
背景や感性、価値観などの違いによる新たな視点や発想を、豊かな創造性につなげる「ダイバーシティ・マネジメント」を経営の中核に据え、多様化する市場の要請を捉えながら、成長実現に向けた重要施策として取り組んでいます。
②具体的な取組
■多様な人材の活躍支援
当社では、従業員の多様性を活かすことで、一人ひとりの意欲や能力を最大限発揮することを目指し、新たな価値創造を組織にもたらすべく、経営戦略の一環としてさまざまな取り組みを行っています。多様な人材の活躍を支援するための施策として、柔軟な働き方を実現する各種制度をはじめ、障がい者雇用については、処遇改善や各組織でのトライアル雇用などに取り組んでいます。また、新卒の採用だけでなく、空間デザイナーや施工エンジニア、情報システム関係、ロジスティクス、コーポレート部門等において、多様性のあるキャリア採用を拡大し、人的資本を強化しています。
■女性活躍支援
戦略的な人事制度改革の実践にあたり、女性活躍推進法に基づく自主行動計画を実行しています。女性社員が自身の強みを活かして活躍できる組織及びそれを支援する制度づくりを目的とし、人事部内にダイバーシティ&インクルージョン推進担当を配置し、目標達成に向け各種施策を展開しています。性別にかかわらず、社員の知見・経験や専門性を組織に活かすことを目指し、2021年度から3年間の行動計画に沿ってダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。
女性活躍推進法に基づく行動計画
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目的 |
女性社員が長く働き続け、自身の強みを活かし、活躍できる組織及びそれを応援する風土の実現 |
|
計画期間 |
2021年4月1日~2024年3月31日までの3年間 |
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目標①(定量) |
管理職層に占める女性割合を2022年度までに20%とする →2025年度25%以上 |
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目標②(定量) |
正社員の有給休暇取得率を75%以上とする |
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目標③(定性) |
社員全体の長時間労働是正 |
実施策
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キャリア形成支援 |
・女性社員及び、上司に対するキャリア形成支援と支援スキル向上研修の導入 ・多様なキャリア選択が可能な人事制度検討 |
|
男女格差の解消 |
・男性育児休職制度の整備と取得啓蒙 |
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働き方改革の継続実施 |
・テレワーク勤務等、柔軟な働き方に関わる制度の再整備と拡充及び、積極活用の促進 ・業務効率化のためのDX推進 |
■LGBTQ+に関する取組
サンゲツグループ人権方針、サンゲツグループダイバーシティ基本方針を掲げ、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がいの有無、性自認及び性的指向などにかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進することを社内外へ周知しています。こうした考えからLGBTQ+を積極的に支援するためのヘルプラインの設置やALLYステッカー掲示による意志表明支援などに取り組んでいます。また、2022年度には、全社員(部門長 ※その他社員任意参加)を対象としたLGBTQ+研修を行いました。
※ALLY(アライ):LGBTQ+を積極的に支援し、行動する人のこと。
サンゲツALLYステッカー
③指標及び目標
当社では、2020年度から2022年度までの中期経営計画[ D.C. 2022 ]において、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンにおける定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。
■中期経営計画[ D.C. 2022 ]における目標と実績(単体)
|
|
目標 |
実績 |
|
|
[女性管理職登用支援]女性管理職比率 |
20.0% |
20.1%(2023年7月見通し) |
:達成 |
|
[障がい者雇用の拡大]障がい者雇用率 |
4.0% |
3.9% |
:未達成 |
■実績の推移(単体)
・女性管理職比率
女性が自身の強みを生かして活躍できる組織と制度作りを進めた結果、女性管理職比率は20.1%(2023年7月見通し)と、中期経営計画[ D.C. 2022 ]で掲げた目標を達成しました。引き続き、2025年度目標25%を目指してまいります。
※人事異動時期の変動により、2023年のみ7月時点の見通しで算定しております。
・障がい者雇用率
障がいを持つ方の雇用率は3.9%と、目標にわずかに届かなかったものの、法定雇用率2.3%を超える結果となりました。2025年度目標4.0%に向け、引き続き取り組みを進めてまいります。
④その他の参考指標(単体)
・平均勤続年数
社員一人ひとりが意欲を持って仕事にチャレンジできる、働きがいのある会社を目指しています。その結果を示す指標の一つとして、平均勤続年数は男女ともに安定した推移を示しています。
・男性育児休業取得率
性別問わず、誰もが仕事と育児を両立できる環境づくりと、会社・部署ぐるみで子育てをサポートする体制の推進として、男性育児休業取得率の推進を行っています。現在、女性社員の育児休業取得率は100%となっておりますが、男性社員においても、2025年度の目標取得率100%(2週間以上)を目指してまいります。
※男性育児休業取得率(育児休業には出生時育休を含む):
年度内に育児休業を取得した男性社員数÷年度内に配偶者が出産した男性社員数
3)働き方の見直し(社内環境整備)
①働き方に関する方針
サンゲツでは、社員の多様性、人格、個性を尊重し、
社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運用と、
安全で働きやすい職場環境を確保する。
②具体的な取組
■仕事と家庭の両立支援
社員が能力を十分に発揮できる雇用環境の整備を行うとともに、次世代の育成に貢献するため、社員の育児・介護を支援しています。介護に関するセミナーの実施、ベビーシッター・病児保育費用の助成、民間保育所との法人提携、また、子を持つ社員への理解促進や家庭内コミュニケーション促進のためのこども参観日の開催等、さまざまな施策で仕事と家庭の両立を支援しています。
育児・介護支援制度
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妊娠・出産 |
育休中 |
育児 |
介護 |
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産前・産後休業 |
・育児休業者支援プログラム (上司面接・ 育児サポートセミナー) ・育児休職の一部有給化 |
・育児短時間勤務制度 (小学2年生始期まで) ・民間保育所の法人提携 ・病児保育サービス費用助成 ・ベビーシッター費用補助制度 ・フレックスタイム制度 ・時間有給休暇制度 ・在宅勤務制度 |
・介護休業 (法定+最長1年まで延長可) ・フレックスタイム制度 ・時間有給休暇制度 ・在宅勤務制度 |
■働き方の多様性
当社では、社員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場を目指し、さまざまな労務管理の改善強化策を実施しています。フレックスタイムやテレワークなどの柔軟な勤務制度をはじめ、「Google Workspace※」などICT技術の活用、ベビーシッター費用の助成、民間保育所との業務提携など、社員のワークライフバランスを推進するための取り組みを多面的に行っています。
※Googleが提供するクラウドコンピューティングで、生産性向上のためのグループウェアツール。
働きやすい環境づくりに向けた施策
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働き方の柔軟性 |
コアタイム無しのフレックスタイム勤務や在宅勤務、時差勤務や時間単位の有給休暇制度等、職種や職場環境に応じて活用しやすい制度を整備。サテライトオフィスやグループ会社のオフィス利用を可能とし、働く場所の選択肢を拡充。 |
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過重労働の防止 |
PCログによる労働時間の可視化やPC自動シャットダウン時間の設定、Google Workspaceを活用し、リモート会議やチャット機能による円滑なコミュニケーション、お互いの業務状況を共有することで、業務をシェアし過重労働を防止。保健師や産業医への相談窓口の設置。 |
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オフィス環境 |
敷地内の全面禁煙の実施、グループアドレスの推進やコミュニケーションエリアの設置等、働きやすいオフィス環境の整備。 |
③参考指標(単体)
・育児短時間勤務利用者数
仕事と家庭の両立を支援するための雇用環境の整備の一環である「育児短時間勤務」の利用者数は年々増加しています。
・ワーキングマザー比率
子育て期間中の社員が継続して就業できる制度や環境づくりを推進しています。女性社員におけるワーキングマザー比率は、年々増加しています。なお、2022年より、ワーキングマザーの定義を「子のいる女性社員全員」から、「18歳未満の子のいる女性社員」へと変更しています。
※ワーキングマザー比率:ワーキングマザー人数÷女性正社員人数
・有給休暇取得率
4)健康経営(社内環境整備)
①健康経営方針
健康に働き、人生を送る 「従業員が生き生きと働くために」
・心身の健康づくり(本人やその家族)
心身の健康づくりに向けた体制の充実、健康の保持・増進活動に取り組みます
・人生をより豊かに
健康経営により、本人やその家族、地域社会全体への幸せづくりに貢献します
・働きやすい環境づくり
安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保します
当社では、サンゲツグループ企業倫理憲章5原則のひとつに「従業員が生き生きと働くために」を掲げ、従業員の多様性、人格、個性を尊重し、従業員一人ひとりが会社経営の主人公として能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運営と、安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保することに取り組んでいます。引き続き、安全・健康・快適で働きやすい職場環境の確保と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、健康の保持・増進活動に努めてまいります。
②健康経営推進体制
代表取締役社長執行役員を健康管理最高責任者とし、人事部健康経営推進室の健康経営推進担当・保健師が中心となり、快適な職場環境と心身の健康づくりを実践するため、各事業所の健康経営推進担当、産業医と連携して従業員の健康保持・増進活動を展開しています。
③具体的な取組
当社では、従業員が生き生きと働くために安全・健康・快適で働きやすい職場環境の整備と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、「計画年休の取得促進」「敷地内全面禁煙実施」「全社員対象にしたストレスチェックの実施」など、健康の保持・増進活動に継続的に取り組んでいます。2019年には「サンゲツ健康保険組合」を設立し、健康経営に向けた組織体制を整備し、健康に関する情報発信や各種健康イベントの開催など、心身の健康づくりに向けた取り組みを強化しました。さらに、保険診療対象外である「先進医療制度」の治療を受ける社員の経済負担を軽減させる「がん先進医療補償制度」を導入し、従来進めている疾病予防・早期発見に向けた啓蒙活動と併せ、経済面からの「治療と仕事の両立」の支援制度を整えました。
これらの活動が評価され、当社は2020年以降4年連続で健康経営優良法人(大規模法人)に認定されました。
④指標及び目標
当社では、2020年度から2022年度までの中期経営計画[ D.C. 2022 ]において、健康経営における定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。
■中期経営計画[ D.C. 2022 ]における目標と実績(単体)
|
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目標 |
実績 |
|
|
|
非喫煙率 |
82.0% |
81.1% |
:未達成 |
|
■実績の推移(単体)
・非喫煙率
継続的な取り組みにより非喫煙率は増加傾向にありますが、2023年3月末時点で81.1%と目標未達となりました。
当社では、この他にも定期健康診断における有所見率やがん検診受診率といった数値に定量目標を設け、健康経営を推進しております。詳しい情報は当社Webサイトをご覧ください。
健康経営
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/health_management.html
⑤その他の参考指標(単体)
・退職者数(年間・定年除く)/離職率
社員一人ひとりの人権を尊重するとともに、不当な差別やハラスメントを禁止し、公正で明るい職場づくりに努めています。心身の健康が保てる職場環境の整備を推進しており、直近5年の離職率は低い水準を保っています。
・時間外労働時間の推移
新型コロナウイルス感染症の影響による働き方や市場動向の変化により、時間外労働時間にも年度による変動が見られますが、多様な働き方を可能にするシステム・制度の積極的な導入により、時間外労働の低減に努めています。
・ストレスチェックの受験率と結果(高ストレス者比率)
直近年度においては、高ストレス者は10%程度となっています。定期的なストレスチェックにより、メンタルヘルス不調の未然防止・職場環境の改善に努めています。
5)労働安全衛生(社内環境整備)
①労働安全衛生基本方針
・社員の安全確保、健康増進を図り、安全で快適な職場づくりを推進する
・安全や心身の健康に関する法令、社内規定を遵守する
・労働災害、車両事故や交通違反の件数削減を推進する
②安全衛生管理体制
当社では、安全衛生担当取締役を、全社統括安全衛生管理者とし、全社の安全衛生を統括管理しています。全社統括安全衛生管理者の下に、全社安全衛生管理委員会をおき、その下に本社及び各支社とロジスティクスセンターの安全衛生管理委員会を設けています。安全衛生管理委員会では、総務部長または各支社長を委員長とし、衛生管理者、安全管理者、産業医、そして各部署から安全衛生委員を選出しており、当委員会での審議項目については、定期的に取締役会に報告しています。
さらに、身体的な作業が多く発生するロジスティクスセンター内における安全衛生活動は、別途定める「ロジスティクスマニュアル<安全衛生>」に基づき実施しています。また、同職場における請負会社への安全対応も、ロジスティクスセンター内の安全衛生活動の中で行っています。
③具体的な取組
・新入社員を対象とした安全衛生研修を行い、安全衛生の考え方や組織体制の理解、活動内容の周知、安否確認方法の訓練を行いました。(2022年度55名)
・労働災害が発生した場合には、該当部署が発生日を含め翌日までに「発生報告書」を作成、発生後1週間以内に「対策報告書」を作成し、対策会議を行った上で事務局に提出することで、発生状況の共有・管理と再発防止に努めています。
・国内で発生が懸念される地震などの大規模災害に向けた労働安全衛生の取り組みの一環として、2013年度より事業継続計画(BCP)の作成、飲料水・食料・トイレなどの備蓄品の整備に加え、全員参加型防災訓練や救命救急講習、AED講習会、安否確認サービスでの報告訓練などの対策を講じています。
・車両事故防止対策として、「ドライブレコーダー」と「テレマティクス」の全営業車両への設置、バックモニターや安全機能を標準装備した車両の段階的な導入を行うとともに、エコドライブの推進や交通違反に対する個別指導を行うなど危険運転の抑制を実施しています。
・新型コロナウイルス感染症対策として、社員への予防啓蒙とともにマスク・消毒液の配布や、ガイドラインの周知、テレワークの推進や分散勤務体制のルール作成と実施を行い、感染予防をしつつ、事業継続できる体制づくりを行っています。
④参考指標(単体)
・労働災害度数率・強度率
当社では、従業員へ安全衛生教育を実施するとともに、労働災害などが発生した際には、速やかに発生状況を全社で共有し、各部署で再発防止対策を実施しています。2022年度の正社員の労働災害による死亡者数は0名でした。また労働災害による被災者数は5名で、そのうち休業被災者数は0名でした。
|
(3月期) |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
|
労働災害度数率 |
0.41 |
0.84 |
0.84 |
1.63 |
0.0 |
|
労働災害強度率 |
0.0004 |
0.004 |
0.003 |
0.002 |
0.0 |
・度数率:100万のべ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数※(災害発生の頻度)
※休業1日以上及び身体の一部又は機能を失う労働災害による死傷者数
・強度率:1,000のべ実労働時間当たりの延べ労働損失日数(災害の重さの程度)
(4)社員エンゲージメント
企業の成長においては、社員が会社の方向性を理解・共感し、エンゲージメント高く働くことが必要不可欠であると考えています。当社では、全社員を対象とした「社員意識調査」を実施し、この結果を分析し組織・制度・風土等の改革に反映しており、中でも社員エンゲージメントに関する指標は、経営における重点項目として特に注視しております。
エンゲージメントの醸成においては、経営層と社員、部署や役職、年代、地域を越えたコミュニケーションが欠かせませんが、当社では社長の安田が、「YASUDAコラム」として決算業績やグループ会社の取得といった成長戦略に紐づくテーマから、時事・季節や趣味に関することまで、さまざまなメッセージを随時発信しています。さらに、社員との対話集会(2022年度はコロナ影響により未実施)や新入社員との懇親会を開催するなど、多くの機会を通じて社員の意識の共有を図っています。また、2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響によるコミュニケーション不足が懸念される中で、当社では部署ごとでの定期的な課会や朝礼の実施により、問題の解決に努めてきました。
直近の取り組みでは、2023年1月より、社員が主体となった企業理念見直しタスクフォースを実施しています。グループ会社を含めた公募により集まった87名がメンバーとなり、1グループ5名程度のチームに分かれ、当社グループをどのような会社にしたいかについて考え、当社の存在意義や提供すべき社会価値について議論しました。各チームの議論や意見は経営会議で報告され、議論やブラッシュアップを重ねて、新たな経営理念を導きだしています。経営理念は会社の方向性を示す指針であり、これを社員が主体となって議論することで、会社への深い理解や方向性への共感・自分事化につながる機会となったと考えております。
対話集会の様子
■社員エンゲージメントに関する指標(単体)
社員エンゲージメントにおいて、この基本となる「自分の仕事にやりがいがあるか」という指数は低下傾向にあり、大きな課題であると認識しております。これは、個人からチームへと営業目標を変更する中で、「個人」のやりがいが見えづらくなっていることが一因であると考えており、改善に向けた働きかけを行っていきます。一方、「会社への将来性」や「チャレンジする風土」など、上昇している指数もあり、今後も継続的にこれらの数値を把握しながら、社員エンゲージメントの向上を目指してまいります。
設問「現在の自分の仕事にはやりがいがある。」
設問「わが社には将来性があると思う。」
設問「課内には失敗を恐れずにチャレンジする雰囲気がある。」
※2023年5月12日に発表した中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]における施策と目標の詳細につきましては、「
※当社グループにおける成長戦略の進捗状況やサステナビリティの取り組みに関しては、当社WEBサイトをご覧ください。
サステナビリティサイト
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/
統合報告書「SANGETSU REPORT 2022」
https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/library/report.html
なお、最新の統合報告書につきましては、2023年10月頃に当社WEBサイトにて公開予定です。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境について
(リスクの内容)
当社グループは壁装材・床材・ファブリック(カーテン・椅子生地)等のインテリア商材の企画・販売及び壁紙の製造等を行うインテリアセグメント、門扉・フェンス・テラス等のエクステリア商品の販売及び施工を行うエクステリアセグメント、米国での壁紙製造及び北米・中国・東南アジアの環太平洋地域においてインテリア商材の販売を行う海外セグメント、設計・デザイン提案から内装・建築施工を行うスペースクリエーションセグメントにて事業を展開しております。これらの事業は建設需要に左右されるため、国の経済全体の景気動向や政府の住宅に関する政策、税制の変更及び人口減少などに伴う住宅・非住宅の新設着工数の減少、景気の後退によるコントラクト市場の減少等により、ビジネス機会を損失するリスクが存在します。
(リスク対策)
事業基盤である国内市場において、住宅・非住宅分野における新築や改築は、少子高齢化が進むなか、将来的に大きく成長していくことは期待しにくいと予想しており、国内における様々な事業基盤の整備拡充を背景に、シェアの拡大と値上げによる収益改善を中期的戦略とし、長期的戦略としては海外事業の収益化に注力しています。また、調達面ではメーカーからの安定的な供給と中長期目線での商品開発を行えるよう製造部門へ経営資源を投入することにより、リスクの回避に努めております。
(2) 仕入価格の変動について
(リスクの内容)
当社グループの取扱商品は、石油化学製品、アルミ、ガラス等を原料とするものが多く、原油、鉱産物価格の高騰などにより商品仕入価格に極端な変動がある場合や、海外からの調達において海上輸送に関わるコストが高騰する場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
主要原材料の価格推移を常時観察し、材料調達における複数購買化や生産量の調整を行っていますが、2021年以降、塩ビ・可塑剤・ナイロン・ポリエステル等主要原料等全ての原材料が高騰し、壁装材・床材・カーテン用ファブリック・椅子生地・接着剤・縫製費等の仕入価格が大幅に上昇したため、競合他社の動きも注視しつつ、商品の安定供給と物流サービスレベルの維持並びにインテリア業界の健全な発展のため、2021年9月に壁装材、床材、ファブリックそれぞれ13~18%、2022年4月に18~24%、2022年10月に壁装材、床材、椅子生地それぞれ7~12%の値上げを実施しました。
今後も仕入先だけではなく、原油価格や原材料メーカーの価格変動動向にも注視し、仕入価格の交渉や販売価格の値上げに関する適切な判断を行うための情報収集等の準備を常時実施してまいります。
(3) 商品の供給について
(リスクの内容)
当社グループでは、取扱商品のうち主力商品である壁装材や床材について、商品サンプルを掲載した見本帳を配付することで、営業及び販売活動を行っております。見本帳掲載商品の企画開発は自社で行っておりますが、一部の商品を除き、製造は外部仕入先のメーカーが行い、商品の供給を受けております。見本帳有効期間内は安定供給を維持することが強く求められる業界であるため、生産トラブル、原材料調達等の予期せぬ要因によって商品の供給が中断した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、当社子会社であるクレアネイト株式会社は、国内最大手の壁紙メーカーであります。今後当社が壁装事業を拡大する上で、競争力強化、量的確保のみならず、製販一貫体制の確立による事業の効率化を通じ、更なる発展が可能になるものと位置付けておりますが、工場の安定稼働と商品の安定供給を維持することはグループ全体で取り組むべき課題と認識し、対処してまいります。
(リスク対策)
メーカーから商品を安定的に調達できるよう、仕入の前段階としてメーカーの工場内の実査や適正な製造工程の確認を行い、万が一調達が困難な状況に陥った際のバックアップ体制として、主要商品については十分な在庫の確保、代替となる商品の準備等、有事に備えた環境整備を行っております。
また、当社からお客様への持続的な商品供給ついては、入荷から受注・出荷に至るまで、あらゆる場面で関連するシステム連携の強化に加え、各地区の在庫拠点であるロジスティクスセンターの安定稼働の阻害が想定されるリスクに対して、対処すべき行動計画の検証を定期的に行い、対応策の有効性の確認と改善を図っております。
(4) 知的財産について
(リスクの内容)
当社グループでは、“Joy of Design”をブランドステートメントとして、さまざまな空間創造を通じた“デザインするよろこび”を提供し得る、デザイン性と機能性に優れた商品開発に努めておりますが、類似した商品が他社に製造されるおそれがあります。
また、第三者より知的財産権を侵害しているという主張を受け、訴訟が提起された場合には、係争費用や損害賠償等の損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
リスクの低減を図るため、下記のような様々な取り組みを行っております。
・当社ブランド及び商品につき特許、意匠及び商標の出願を行う等、知的財産権の保護と管理に努めております。
・競合他社の知財情報、出願内容(特許、意匠、商標)の概要につき、常にモニタリングを行い、社内で最新の情報を共有しております。
・外部の専門家である弁理士と緊密に連携し、直ちに相談できる体制をとっております。
(5) 法的規制について
(リスクの内容)
予期せぬ法令等の改正があった場合、事業を展開していく上で、製造物責任、知的財産、環境、労務など様々な法的規制の適用を受けている当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(リスク対策)
内外の法規制を常時観察して法対応が行えるようにしております。また、コンプライアンスの遵守を企業にとっての最低必要条件と位置付け、管理体制を構築し、社員教育の強化に努めるなどの体制をとっております。
(6) 自然災害について
(リスクの内容)
商品開発、製造、調達、ロジスティクス、販売、サービスに係る当社グループの施設は、国内全域、海外(北米、中国・香港、東南アジア各国)に点在しており、地震・洪水・暴風雨・大雪等の自然災害に伴うインフラの停止、建物・設備の損壊、故障による混乱状態に陥り、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
当社グループでは、自然災害による事業活動への影響を最小限にとどめるため、災害発生時の事業継続計画書(BCP)を策定しております。非常時の初期対応、報告方法、対策本部の設置と役割について明記し、災害発生の際に適切な対応が取れる仕組みを構築し、定期的な訓練や設備の点検を行っております。また毎年、災害の状況に合わせて事業継続計画を見直しております。これらの他、商品の安定的な調達と供給を実行するため、仕入先などのサプライチェーンや当社グループの各地の事業拠点の被災時に、代替拠点での商品調達・配送が可能な体制を構築しております。
(7) 気候変動について
(リスクの内容)
気候変動リスクへの関心が高まる中、2015年に国連で「パリ協定」が採択され、同年に開催された国連サミットではSDGs(持続可能な開発目標)が採択されるなど、2030年をターゲットにした目標の設定が進展しました。一方、金融機関に関連した動きとして、国連環境計画の「責任投資原則(PRI)」では投資家に対してサステナビリティ投資が要請され、それに呼応して日本では年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がPRIに署名するなど、日本の金融においてもESG投資がメガトレンドとなっています。また、気候変動関連の情報開示については、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言において、企業に対して「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目についての財務的な影響を開示するよう求められています。
このように気候変動に関連する環境変化が大きく進展する中、当社では、事業活動におけるGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出量を低減できないリスク、商品・見本帳を低炭素化できないリスクや回収・リサイクルできないリスク、及び急性・慢性的に起こりうる物理的なリスクが想定され、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
例えば、GHG排出量を低減できないことでの炭素税の負担増加による財務影響や評判の低下や、商品・見本帳を低炭素化できない、または回収・リサイクルできないことが市場からのニーズに対応できないことに繋がることでの信用の低下、ビジネス機会の喪失などが考えられます。
(リスク対策)
当社は、気候変動リスクへの対応として、社長を委員長とする全社リスク管理委員会のもとに2022年度より気候変動リスク部会を新設し、組織的な管理体制を構築しました。この気候変動リスク部会のもと、気候変動に関する各リスクを、法規制・技術・市場・評判などの移行リスクと、急性・慢性的などの物理的リスクといった区分に沿って分析し、インテリア事業本部、ロジスティクス本部、営業本部と緊密に連携し、具体的な管理指標を設定した上で、リスクの監視と対応を行ってまいります。
当社は2020年5月に発表したSangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]において、地球環境を守るサステイナブルな社会の実現を目指すべく、2030年度の事業活動(Scope1&2)におけるGHG排出量の削減目標を30%減(2018年度比、当社単体)とし、その後2021年5月の決算・経営戦略説明会では2030年度の目標を修正(当社単体ではカーボンニュートラル、グループ全体では50~55%の削減を検討)した上で削減の検討・実行を行っておりました。また、改めて2023年5月の決算・経営戦略説明会において、長期ビジョンの到達年と合わせ、グループGHG排出量目標を2029年度55%減(2021年度比)とし、単体においてもカーボンニュートラル目標の到達年を2029年度に前倒し発表するなど、気候変動リスクの原因となるGHG排出量の削減に努めてまいります。
なお、グループGHG排出量の目標設定における基準年については、壁紙メーカーであるクレアネイト株式会社を2021年3月末に子会社化したことを踏まえ、グループでの目標設定としては2021年度を基準年としています。
(8) 情報セキュリティについて
(リスクの内容)
当社グループは、事業活動を通じ、個人情報を含む様々な機密情報を適切に管理するため、多くの投資を行っております。また、こうしたシステムの運用並びに導入・更新に際しては、システムトラブルや情報の外部漏洩が発生しないよう最大限の対策を講じております。しかしながら、外部からのコンピュータウイルスやハッキングの被害、ホストコンピュータ・ネットワーク機器の障害、ソフトウェアの不備等によるシステム障害、災害によるシステムの一部損壊による業務停止、情報の外部漏洩等の事態が発生するおそれがあり、これらの予期せぬトラブルの発生に伴い、社会的信頼を損なうとともに多額の費用負担が生じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(リスク対策)
・サーバー、ネットワーク機器は、適性に応じクラウド及びデータセンターへの移行・利用を推進しております。
・外部からの不正アクセスやマルウェア等の対策として、不正侵入検知・監視サービスやセキュリティ対策ソフトを導入しております。
・ITシステムに影響を及ぼす不正なマルウェア等は導入しているEDR(Endpoint Detection and Response)にて即時検知、隔離するとともに、SOC(Security Operation Center)と連携して迅速に対処しております。
・情報セキュリティに関する社員の教育(個人情報を含む機密情報保護と情報管理の重要性)や訓練を定期的に実施しております。
・重要なシステム機器については二重化しております。
・サイバーセキュリティ損害保険に加入しております。
・改正個人情報保護法の施行に合わせ、新たに個人情報保護規定を制定しております。
・2022年8月にサイバーセキュリティ統括室を設置し、当社グループ全体のサイバーセキュリティ体制構築を進めております。
(9) 与信管理について
(リスクの内容)
当社グループは、取引先に対して与信供与を行っており、経済情勢悪化の影響や不測の事態を含めた取引先の財政状態悪化により債権の回収が困難となった場合、貸倒れによる損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに対し下記の取り組みを実施し、債権の回収不能による損失発生の予防として与信管理体制強化を図り、貸倒れによる損失回避に努めております。
(リスク対策)
・与信管理規程の適切な運用
・取引先の信用状況を勘案した与信限度額の年次更新
・重要な取引先の業況ヒアリング、財務諸表の定期的な把握
・取引先との今後の展開を見据えた取引条件の見直し
・債権回収状況のタイムリーなモニタリング
・与信不安先に対する会計上の貸倒引当金の設定
・与信不安先に対する管理強化や営業施策支援の実施
・取引先の信用状況に応じた担保、保証、取引信用保険付保等の債権保全策の実施
(10) 海外事業活動について
(リスクの内容)
当社グループは、北米、中国・香港、東南アジア各国を中心に事業を展開しており、以下の場合、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼすリスクがあります。
・感染症の蔓延、政情不安、経済動向の不確実性、宗教・文化・商習慣の相違、戦争・内戦、テロ、投資・海外送金・輸出入規制等が発生した場合。
・当社グループでは、海外における製品の販売等の事業活動において外貨建の取引をしており、連結財務諸表作成にあたって海外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、為替相場に急激な変動が生じた場合。
・固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行った結果、固定資産の減損損失を計上する場合。
・製造部門を持つグループ会社の事業において、原油や鉱産物価格の高騰などにより原材料や商品仕入価格に極端な変動がある場合。
・日本からの輸送並びに海外グループ各社が海外から商品を調達する場合の輸送に関わるコストが高騰する場合。
(リスク対策)
・当社グループでは、平時より政治的又は経済的な障害となりうる問題に関する情報の収集や、不測の事態に対するBCPの策定など、グループ内で有事に備えた環境整備を行っております。
・当該事業活動にあたり、先物為替予約等のデリバティブを活用したヘッジ取引により、為替変動リスクの軽減に努めております。
・当社グループでは投資後の事業を管理する体制を整備しております。
・原材料等が高騰した場合には、市場や競合の状況を判断しながら適切な値上げを実施します。仕入先だけではなく、原油価格や原材料メーカーの価格変動動向にも注視し、仕入価格の交渉や販売価格の値上げに関する適切な判断を行うための情報収集等の準備を常時実施しております。
・より効率の良い輸送方法の選択と、販売先への輸送運賃の適切な請求を行っております。
(11) 新型コロナウイルス感染症パンデミックの発生について
(リスクの内容)
新型コロナウイルス感染症パンデミックが発生し、一時的に事業活動を停止または制限せざるを得ない状況になった場合、当社グループの経営成績や財務状況等に大きな影響を与える可能性があります。
(リスク対策)
当社グループでは、こうしたリスクに備え、経営成績、財務状況への影響を最小限に抑えること、また、建築物の最終仕上げ材である当社商品(内装仕上げ材)を、品切れ無く受注、出荷、納品業務を継続することが企業責任であり、これらが実行できるよう以下の取り組みを行いました。
・社長執行役員を本部長とする新型コロナウイルス対策本部の設置
・積極的な在宅勤務(テレワーク)推進による出社比率の削減、また万が一感染者が発症しても部門全体が業務停止とならないよう、出社した社員は分散勤務体制を実施し、手指消毒、うがい、マスク着用、飛沫防止パネルの設置などによる感染防止と事業継続の両立を実施
・安否確認サービスを利用した毎朝の社員の健康状態と出社状況の確認
・不要不急の国内・海外出張や会議、会合等は禁止とし、社員食堂は席数を減らし黙食を徹底、社内外で人との接触を可能な限り低減
・ショールームの営業時間短縮や休業、来場者の抑制を行う一方、オンラインコンサルテーションやバーチャルショールームを導入
・新商品をご案内するイベントの休止やWEB化
・社員同士の社内外会食やレクリエーションを制限する一方、Web懇親会を推奨しコミュニケーションの活性化を促進
・マスクや消毒液をグループで手当てし、グループ内での感染防止に努めるとともに、得意先や医療機関への寄付
これらをまとめたガイドラインを策定し、社員へ行動指針を示し、国内外の感染の状況や政府・自治体など行政からの指示を遵守した上で都度改訂し、社内に周知徹底しました。
なお、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことに伴い、ガイドラインは撤廃し、出社率や出張、社内コミュニケーションにおける制限を撤廃しました。テレワーク、電子社内申請システムなど新しい働き方の多様性に資する制度は活かしながら、afterコロナに向けた事業活動の活発化を進めています。
今後も国内外の感染状況や政府・自治体など行政の方針に変更があった場合は速やかに対応してまいります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は164,454百万円であり、前連結会計年度末に比べ16,511百万円増加しております。流動資産は104,843百万円と前連結会計年度末に比べ17,317百万円増加しました。これは主に、売上の増加による現金及び預金並びに売上債権の増加や、安定供給に向けた政策的な在庫の積み増し等に伴う棚卸資産の増加によるものです。固定資産は59,610百万円と前連結会計年度末に比べ806百万円減少しました。
負債合計は68,629百万円であり、前連結会計年度末に比べ9,012百万円増加しております。これは主に、仕入債務の増加及び未払法人税等の増加によるものです。
純資産合計は95,825百万円であり、前連結会計年度末に比べ7,498百万円増加しております。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加及び配当金の支払による利益剰余金の減少、並びに子会社株式の追加取得による資本剰余金の減少によるものです。
これらにより当社グループの流動比率は185.3%、自己資本比率は58.2%となり、その他の要素も含め、健全な財政状態を維持しております。
②経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策の規制緩和以降、ウィズコロナに向けた社会経済活動の正常化が進み、緩やかな持ち直しの動きが見られました。しかしながら、地政学的リスクの高まりによるサプライチェーンの混乱や、これを一因とするエネルギー資源・原材料価格の高騰が継続する一方、欧米金融市場における一部銀行の破綻等、先行きの不透明感が高まっています。当社事業に関連の深い国内建設市場におきましては、経済活動の回復の一方で、原材料価格や輸送費の高止まり等の影響はさらに拡大しております。さらに、経済全体が新型コロナウイルス感染症による落ち込みから回復する中で、新設住宅着工戸数が伸び悩むなど、経営環境は予断を許さない状況です。
このような状況下で、当社グループは、最終年度である中期経営計画[ D.C.2022 ]に基づく施策を着実に実行しました。「スペースクリエーション企業」に向けたバリューチェーン上のポジション強化として、壁紙製造メーカーであるクレアネイト株式会社の株式の残り49%を追加取得し、完全子会社化したほか、九州エリアの有力配送企業である有限会社クロス企画(2023年4月に株式会社化)を新たに子会社化しました。商品開発においては、持続可能な社会の実現に貢献する低環境負荷商品や、建材価格が上昇する中で低価格帯の戦略商品を拡充したほか、国内外のグループ会社の連携による海外向け商品の開発を進めるなど、各市場やニーズに合わせた商品戦略を実行しました。一方、原材料価格の高騰や物流コストの上昇等を背景に、2021年9月、2022年4月に実施した商品取引価格の改定に続き、10月1日受注分より第三次取引価格改定を行い、インテリア事業における収益性の改善を進めました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高176,022百万円(前年同期比17.8%増)、営業利益20,280百万円(同154.8%増)、経常利益20,690百万円(同152.2%増)となりました。なお、前年同期には米国の子会社であるKoroseal Interior Products Holdings,Inc.関連の商標権の減損を行っていたこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は14,005百万円(前年同期は276百万円)と大幅な増加になりました。
(参考)
個別業績につきましては、売上高140,052百万円(前年同期比15.8%増)、営業利益19,726百万円(同128.8%増)、経常利益20,690百万円(同128.3%増)、当期純利益は14,754百万円(前年同期は当期純損失1,436百万円)となりました。売上高、営業利益、経常利益が前年実績と比べ増加した主な要因は、上記の通りインテリア事業における収益性の改善を進めたことによるものです。加えて、当期純利益については、前年同期には当社の連結子会社でありKoroseal社の親会社であるSangetsu USA, Inc.に対する子会社株式評価損及びKoroseal社への貸付に対する貸倒引当金繰入額を特別損失として計上したことなどにより、大幅な増加となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(インテリアセグメント)
壁装事業では、新設住宅着工床面積の減少により市場全体が弱含みで推移する中、住宅向け量産壁紙「SP」が引き続き堅調を維持したほか、11月に発刊した非住宅施設向け不燃認定壁紙見本帳「FAITH」が非住宅のみならず住宅での採用が進み、発刊直後から売上が伸長しました。また、ガラスフィルム見本帳「クレアス」や粘着剤付化粧フィルム見本帳「リアテック」において、営業部門間での連携が奏功し、好調に推移した結果、壁装材の売上高は73,503百万円(前年同期比17.9%増)となりました。
床材事業では、都市圏における商業・飲食需要や底堅い住宅リニューアル市場を背景として、住宅・非住宅で幅広く使用できるビニル床タイル見本帳「フロアタイル」の売上が堅調に推移しました。また、低環境負荷商品を収録したカーペットタイル見本帳「NT700」が、環境配慮に向けた市場のニーズを捉え、オフィスを中心に採用が進んだほか、ホテル需要の回復基調を追い風として、「DT」や「カーペット」の売上も伸長しました。さらに、1月には施設用床材見本帳「Sフロア」を発刊し、低価格帯の戦略商品を拡充しました。これらの結果、床材の売上高は52,154百万円(同16.2%増)となりました。
ファブリック事業では、カーテン市場全体に縮小傾向が見られ、厳しい環境となったものの、住宅市場において、カーテン見本帳「ストリングス」が売上をけん引したほか、2月には住宅向けカーテン見本帳「AC」を発刊し、市場浸透に向けた販促活動を行いました。新見本帳「AC」においては、上代価格の改定を行い、収益性の改善も図っております。一方、B to C事業を担う株式会社サンゲツヴォーヌにおいては、EC事業やビルダー向け販売事業を通じた積極的な営業活動に努めました。これらの結果、カーテンと椅子生地を合わせたファブリックの売上高は9,514百万円(同10.5%増)となりました。
インテリアセグメントにおいては、壁装事業、床材事業、ファブリック事業の各事業において4月1日及び10月1日受注分より実施した取引価格改定の浸透により、売上高・営業利益ともに伸長しました。施工費や接着剤等を含むその他の売上6,776百万円(同6.0%減)を加え、インテリアセグメントにおける売上高は141,949百万円(同15.4%増)、営業利益は20,504百万円(同125.4%増)となりました。
(エクステリアセグメント)
エクステリアセグメントにおいては、住宅部門では、新設住宅着工戸数の伸び悩みにより厳しい状況となる中、グループ会社である株式会社サングリーンの創立50周年を記念した販促施策や、リフォームに重点を置いた営業活動等が奏功し、売上が伸長しました。一方、非住宅部門は、年度末の需要期を迎え好調に推移し、大型フェンスや外周フェンス等が数多く完工し、スペースクリエーション分野においても進展が見られました。また、成長戦略に基づく人員の拡充や専門人材の登用を進めた結果、エクステリアセグメントの売上高は6,293百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は450百万円(同16.8%減)となりました。
(海外セグメント)
海外セグメントでは、海外関係会社の2022年1月から12月までの実績を、当連結会計年度の業績に算入しております。
北米市場では、市場環境は経済活動の回復を背景として復調傾向となったものの、足元では金利の上昇による建設市場の弱含みといった影響が見られました。こうした環境下で、デザイン開発を強化している自社製造壁紙が市場の評価を得て好調に推移したほか、一部商品からの撤退を行った壁面保護材料事業の収益の改善が見られ、海外の大型医療物件への納品も売上に貢献しました。一方、在庫調整のための製造量減少による生産効率の低下や、業績連動賞与の増加に伴う販管費の増加等が、収益の減少要因となりました。
東南アジア市場では、新型コロナウイルス感染症による移動制限の撤廃等により、各国の経済活動は総じて回復基調となりました。これにより、停滞していた建設工事も再開し、2020年に100%現地法人としたタイやベトナムでの売上が大きく伸長するなど、各拠点で堅調に推移しました。また、新たな営業支援・顧客管理システムの導入や、国をまたいだグローバルスペック営業の強化といった各地域の連携強化を図りました。
中国・香港市場では、各地での厳格なロックダウン及び観光客の制限の影響が継続し、物件の竣工延期が発生するなど、依然として厳しい状況となりました。このような状況下で、収益性を意識した営業体制の見直しや北米のグループ会社であるKoroseal社の新商品発表会をオンラインで開催するなど、コロナ終息後を見据えた施策を着実に実行しました。
これらの結果、海外セグメントにおける売上高は21,670百万円(前年同期比36.0%増)、営業損失は1,065百万円(前年同期は営業損失1,821百万円)となりました。
(スペースクリエーションセグメント)
スペースクリエーションセグメントのうち、主に施工部門を担うフェアトーン株式会社においては、首都圏や関西エリアにおける大型物件が完工し、売上に寄与しました。また、当社との連携した営業活動が確実に進展し、メインのオフィス案件に加え、医療福祉施設や宿泊・ホテル施設での実績が伸長しました。また、2023年1月には品質管理部門を新設し、管理機能の強化に向けた施策を進めました。
主にデザイン部門を担う当社のスペースクリエーション事業部においては、首都圏を中心とするオフィスリニューアル需要を背景として、売上が堅調に推移しました。また、当社の営業部門との連携による人材の拡充が奏功し、新規顧客の開拓が進みました。
これらの結果、スペースクリエーションセグメントの売上高は7,746百万円(前年同期比17.8%増)、営業利益は391百万円(同179.9%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7,878百万円増加し、24,765百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は17,373百万円(前年同期は5,718百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益20,442百万円、減価償却費3,579百万円、仕入債務の増加額3,055百万円、売上債権の増加額5,550百万円及び法人税等の支払額4,582百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は408百万円(前年同期は827百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,827百万円、定期預金の払戻による収入1,517百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入848百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は9,355百万円(前年同期は13,341百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額4,398百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出2,763百万円及び借入金の返済による支出2,236百万円などによるものです。
④仕入及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
インテリア |
(百万円) |
100,538 |
108.6 |
|
エクステリア |
(百万円) |
3,961 |
111.3 |
|
海外 |
(百万円) |
14,224 |
140.1 |
|
スペースクリエーション |
(百万円) |
6,094 |
113.4 |
|
調整額 |
(百万円) |
△1,628 |
- |
|
合計 |
(百万円) |
123,190 |
112.2 |
(注)1.セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、海外セグメントの仕入実績に著しい変動がありました。これは、為替相場が円安で推移したことによる仕入価格の上昇等によるものです。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
インテリア |
(百万円) |
141,949 |
115.4 |
|
エクステリア |
(百万円) |
6,293 |
108.1 |
|
海外 |
(百万円) |
21,670 |
136.0 |
|
スペースクリエーション |
(百万円) |
7,746 |
117.8 |
|
調整額 |
(百万円) |
△1,638 |
- |
|
合計 |
(百万円) |
176,022 |
117.8 |
(注)1.セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。
2.総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。
3.当連結会計年度において、海外セグメントの販売実績に著しい変動がありました。これは、為替相場が円安で推移したことによる販売価格の上昇等によるものです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(インテリアセグメント)
インテリアセグメントにおいては、国内の建設市場の状況は、住宅市場の新築・リフォーム、非住宅市場の新築・リニューアルともマイナスで推移し、市場全体として厳しい状況でありました。
そのような市場環境下で、販売価格の改定として、2021年9月に引き続き、2022年4月及び10月に実施した2回の値上げにより売上高が伸長、全ての商品で総利益増となりました。値上げにおける数量面の影響は、商品によって様々であります。当社推計で、数量・業界シェアとも増加したのは、粘着剤付化粧フィルム「リアテック」、ガラスフィルム「クレアス」、カーペットタイルの3つの商品群であります。一方で、当社が主力とする壁紙と塩ビシート床材については、数量・業界シェアとも減少しております。値上げによる業界シェアの低下を想定していたものの、全ての商品において一定程度の低下に留めており、適正な値上げと業界シェアの維持に繋げられたと認識しております。しかしながら、同業他社からの価格攻勢を受けており、機能やサービスといった価値提供を更に推し進め、収益性を維持しながら数量の回復を実現していくことが重要な課題であります。
(エクステリアセグメント)
エクステリアセグメントを担う株式会社サングリーンにおいては、売上高に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準程度まで回復したものの、スペースクリエーション事業の強化を中心とする成長戦略に基づく各施策を実行する中で、先行投資としての販売費及び一般管理費が増加したため、セグメント利益は減益となりました。エクステリアセグメントの業績は総じて安定しているものの、更に伸ばしていく必要があると強く認識しております。事業の地理的・規模的拡大と高度化を実現するため、インテリアとエクステリアの協業を更に進め、営業活動の活発化と空間デザインの連携によるデザイン提案力強化を進めるとともに、全国展開の推進による市場シェア拡大も目指してまいります。
(海外セグメント)
北米市場においては、Koroseal Interior Products Holdings,Inc.が主力とする市場では、依然として新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まで回復していないものの、急激な円安も影響し、売上高は前年を大きく上回りました。利益に関しては、前年から改善したものの、マイナスが継続しております。コスト上昇に対する販売価格改定や低利益商品からの一部撤退といった収益改善策を着実に実行しているものの、米国経済におけるインフレは根強く、自社製造壁紙の生産効率の向上といった収益性の強化に向けた施策を更に実行していくことが求められます。
東南アジア市場においては、各国における経済活動の回復により、売上高、利益とも大幅に改善しました。海外セグメントにおける3市場においては、東南アジアが最も早いペースで回復しております。
中国・香港市場においては、新型コロナウイルス感染症による厳格なロックダウンなどの制限が影響し、売上高・利益とも大きく前年を下回りました。
海外セグメント全体では、前年から改善しているものの、セグメント損失が継続しております。日本国内における収益力向上に継続して取り組む一方、将来的な国内市場の数量限界は避けられず、海外における事業展開の必要性は更に高まっております。海外セグメントの各社において、各地域に応じて他社と差別化した機能や価値を提供できる事業モデルを構築し、収益化実現に取り組んでまいります。
(スペースクリエーションセグメント)
フェアトーン株式会社では、首都圏などの大型物件が完工したことにより、売上高が好調に推移しました。当社と連携した営業活動も着実に進み、売上高が年々伸長しております。また、原材料価格の高騰や物流コストの上昇等を背景に、材料費や施工代の価格改定を実施して収益性の改善を進め、セグメント利益が大幅に増加しました。2022年10月に九州営業所を開設、また、グループ会社である株式会社壁装においても2022年9月に東京支店を開設し、地理的拡大を通じた施工体制の構築を進めております。
当社のスペースクリエーション事業部では、将来のスペースクリエーション事業拡大に向けて、空間デザイン力や施工管理能力などを有した専門人員の獲得を更に積極的に進めており、必要な人的投資として引き続きコストが先行しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは17,373百万円となり、前年同期から11,655百万円増加しました。仕入価格や物流関連費用などの上昇に対して、2021年9月に引き続き、2022年4月と10月における2回の販売価格の改定で収益性の改善を図り、営業利益が前年同期から12,320百万円増加、154.8%増となったことが大きく影響しております。商品の販売のみを通じた価値ではなく、配送体制やデザイン提案といったサービス機能を含めた価値提供を更に強化し、収益力の改善に繋げました。
投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]で掲げた基本方針に基づく施策は着実に実行することとしており、将来の収益拡大に向けて必要な投資を実施しました。インテリアセグメントにおける投資として、壁紙の持続的な安定供給を実現するため、クレアネイト株式会社の新工場建設(広島県東広島市)を着工しました(2024年7月竣工予定)。また、九州エリアにおけるロジスティクス体制の地理的・機能的な拡充と強化を目的に、有力な配送企業である有限会社クロス企画(2023年4月に株式会社化)の株式を取得し、連結子会社としました。
一方で、コーポレートガバナンス・コードに基づき、保有意義がなくなった政策保有株式の売却を進めており、当該株式の売却による収入が発生しました。また、海外セグメントにおいて、中国・香港市場の事業体制再編として、中国蘇州の連結子会社の株式を売却したことによる収入も発生しました。
財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]における資本政策及び2021年12月公表の株主還元方針に基づき、安定増配を実施しました。
当社グループは、連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物に換金性の高い金融資産を加えた資金を、現金及び現金同等物として認識しております。現金及び現金同等物をベースに、営業キャッシュ・フローの獲得による資金創出及び借入による外部資金調達で得られた資金を財源とし、様々な成長投資及び資本政策を通じた株主還元に使用しております。また、手許資金と有利子負債のバランスを維持するため、ネットキャッシュ残高にも留意しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物、ネットキャッシュの状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
(1)連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物 |
16,886 |
24,765 |
|
(2)預入期間が3ヶ月を超える定期預金 |
1,460 |
52 |
|
(3)有価証券 |
300 |
300 |
|
(4)投資有価証券(株式除く) |
1,894 |
1,885 |
|
現金及び現金同等物 残高 |
20,541 |
27,002 |
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
(1)現金及び現金同等物 |
20,541 |
27,002 |
|
(2)短期借入金 |
△862 |
△801 |
|
(3)1年内返済予定の長期借入金 |
△1,101 |
△7,801 |
|
(4)長期借入金 |
△7,734 |
- |
|
ネットキャッシュ 残高 |
10,842 |
18,400 |
中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]における3年間の資金配分の計画及び実績は以下のとおりであります。
資金創出及び調達は計画に近い水準であったものの、資金配分の成長投資が施策実行時期の見直し等により15,860百万円に留まり、計画を下回る実績となりました。株主還元においても、配当の比重を高め、且つ安定的増配を行いつつ、機動的に自己株式取得を行う基本方針に基づいた還元策を実施したものの、配当総額11,741百万円、自己株式取得3,121百万円、計14,863百万円に留まり、計画を下回る実績となりました。3年間トータルで連結総還元性向を略100%とする目標に対しても、実績は88.8%となっております。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物27,002百万円については、計画内の金額で収まっている一方、ネットキャッシュ残高が大きく増加しました。
中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]期間中の資金配分計画及び実績 (単位:億円)
|
資金創出 |
|
|
資金配分 |
|
||
|
目標 |
実績 |
|
目標 |
実績 |
||
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2020年3月末保有現金同等物 |
368.1 |
368.1 |
|
成長投資 |
200~260 |
158.6 |
|
中計期間中の 営業キャッシュ・フロー |
280~300 |
327.8 |
⇒ |
株主還元 |
170~190 |
148.6 |
|
中計期間中の借入金増減 |
▲50~100 |
▲118.7 |
|
2023年3月末保有現金同等物 |
250~300 |
270.0 |
|
合計 |
577.2 |
|
合計 |
577.2 |
||
中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]における3年間の資金配分の計画は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。Sangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]を見据え、将来の事業拡大に向け必要な成長投資及び資本政策に基づく株主還元は着実に実施する方針であります。原資となる資金については収益拡大による営業キャッシュ・フローの最大化を図るとともに、成長投資における資金需要に応じて外部借入を柔軟に活用します。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成には、経営者による会計基準の選択及び適用、資産及び負債並びに収益及び費用の見積りを必要とします。経営者は、見積りについて過去の実績や状況を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果や将来の見込みは見積り特有の不確実性により、見積りと差異が生じる可能性があります。
当連結会計年度において、当社グループが重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定として認識しているものは次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(固定資産の減損に係る見積り)
米国の子会社であるKoroseal Interior Products Holdings,Inc.及びSangetsu USA, Inc.は米国会計基準に準拠して財務諸表を作成しており、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」により、当社グループの連結決算手続上、当該財務諸表を利用しております。当社グループは、固定資産について減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が回収不能となる兆候がある場合、減損テストを行っております。
a.有形固定資産及び償却無形資産
有形固定資産及び償却無形資産に関する会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.非償却無形資産
対象となる非償却無形資産は、商標権であります。商標権については、減損の兆候が生じるような状況の変化が生じた場合、減損の兆候判定を行っております。減損の兆候判定において、経済状況や市場環境、会社の経営成績や財務状況等の定性的な要素及び公正価値決定のための重要な情報を総合的に評価した結果、減損の兆候があると判断された場合及び最低年1回、減損テストを実施しております。減損テストでは商標権の公正価値と帳簿価額を比較しております。公正価値の算定は企業結合時に採用した評価モデルを継続適用しております。当社グループが想定する今後の事業計画に基づき、主に商標権が帰属する売上高及び商標権のロイヤリティ料率からロイヤリティ免除法を用いて、公正価値を見積っております。
公正価値計算のための割引率は、税引後の加重平均資本コスト(WACC)の水準及び不確実性リスクを考慮して設定しております。WACCは決算日現在の米国における実効税率、国債や社債利回り等を勘案して算定しております。米国内外の経済状況や金融・資本市場、国際情勢に予期せぬ変化が生じた場合、割引率が著しく変動する可能性があります。
ロイヤリティ免除法による計算においては、主に以下の仮定を用いております。ロイヤリティ料率は、関連する業種のロイヤリティ料率、商標権の収益性及び事業用資産の公正価値を考慮して設定しております。商標権に帰属する売上割合は、過去の実績及び今後の事業計画見通しを基に設定しております。永続成長率は、米国のGDP成長率見通しやインフレ率等を考慮して設定しております。実効税率は、米国における税率水準を考慮して設定しております。
当連結会計年度において、商標権に係る減損の兆候は確認されておらず、最低年1回実施する減損テストの結果においても、商標権の公正価値が帳簿価額を上回ったため、減損損失は認識しておりません。
(3) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と位置付けております。中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]における定量目標(KPI)として、最終年度となる2022年度のROE9.0%の達成を目指し、企業価値の向上に取り組みました。
中期経営計画(2020-2022)[ D.C.2022 ]に掲げる資本政策に基づき、安定的な増配と機動的な自己株式取得を実行し、当連結会計年度末の自己資本は95,741百万円となりました。目標とした自己資本900~950億円を上回ったものの、ほぼ目標に近い水準を維持することができました。インテリアセグメントにおける収益性の改善が大きく影響し、親会社株主に帰属する当期純利益が14,005百万円と過去最高益を達成したことにより、ROE実績は15.3%となり、定量目標を達成しました。しかしながら、セグメント別においては、海外セグメントの損失が続いており、早期の収益化が課題と認識しております。
また、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)においては、目標65日に対し、当連結会計年度末における実績は77.1日(2020年3月期比4.7日悪化)となり、目標達成には至りませんでした。CCCの内訳は売上債権回転期間110.4日(同3.9日悪化)、棚卸資産回転期間57.9日(同5.5日悪化)、仕入債務回転期間91.2日(同4.7日改善)であります。販売価格改定に伴う売上高の増加による売上債権の大幅な増加、商品の安定供給に向けた政策的な在庫の積み増し等に伴う棚卸資産の増加により、回転期間が悪化しました。中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]において、改めてCCCの短縮を目標とし、資金効率の改善に繋げていく所存です。
当社グループは、中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]における定量目標として、2026年3月期の連結売上高1,950億円、連結営業利益205億円、連結当期純利益145億円、ROE14.0%、ROIC14.0%、CCC65日の達成を目指します。定量目標のROE14.0%は当連結会計年度実績の15.3%を下回りますが、中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]の3ヶ年は、Sangetsu Group長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]を見据えて、将来の更なる事業拡大と成長を実現するための先行投資、特に人的資本への投資を積極的に進める期間と位置付けております。必要な投資は確実に実施しながらも収益性を維持することを目指し、スペースクリエーション企業への転換を進めるとともに、定量目標の達成に向けた各施策を実行してまいります。
当社は、2021年2月10日に締結したウェーブロックホールディングス株式会社との株主間契約に基づき、2022年4月28日にクレアネイト株式会社の株式取得に関するコールオプションを行使し、同年5月27日に同社株式を追加取得、完全子会社化いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループの研究開発活動については、ブランドステートメント“Joy of Design”の実現を目指し、単にインテリア商材を提供するだけではなく、人々がそのインテリア商材を使い、デザインし、その空間で楽しみ、やすらぎを得られる、豊かな生活文化の創造に寄与し得る商品開発に取り組んでいます。
品質については、取扱商品の品質管理体制を強化するために、品質管理技術室を設置し、独自の評価項目に沿って仕入先を多面的に評価し、品質改善を働きかけることで品質管理を徹底しています。商品開発の各段階においては、検証体制プロセスとして「デザインレビュー」を整備し、商品開発を担うインテリア事業本部各事業部と、品質管理技術室をはじめとする関係部局が連携して審議を重ね、品質の担保に努めています。
また、商品開発力・調達力の強化として、主力メーカーとのアライアンス強化に継続的に取り組んでいるほか、国内最大手のビニル壁紙メーカーである当社子会社クレアネイト株式会社において、海外子会社と連携した商品開発活動や、量産壁紙需要の高まりに対応する供給体制の強化に向けた取り組みを進めています。
これらの結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は
(インテリアセグメント)
インテリアセグメントにおいては、壁装材、床材、ファブリック(カーテン・椅子生地)等、合わせて約12,000点の商品をサンゲツブランドで企画開発・販売し、毎年、主要見本帳約30冊のおよそ3分の1を更改に向けて開発しています。商品開発においては、最新のインテリアトレンドを捉えるために、国内外への市場調査を強化するとともに、第一線で活躍する外部のデザイン顧問からも情報収集を進め、「市場起点」での商品開発・研究活動を行っております。
当連結会計年度は、国立科学博物館と共同開発した商品や、障がいを持つアーティストとのコラボレーション商品など、社外の多様なパートナーとデザイン性の高い商品開発を行うとともに、脱炭素社会の実現に貢献する低環境負荷商品や、デフレに対応する低価格帯商品の開発・拡充に取り組みました。
こうした商品開発が外部にも評価され、2021年4月に発売した、隈研吾氏との共同開発による壁紙と床材のコレクション「カゲトヒカリ」が、国際的に権威のあるデザイン賞「iF デザインアワード 2022」を受賞したほか、リサイクル素材を使用した壁紙・ガラスフィルム・カーペットタイル、そしてチャイルドセーフティ機能を持つロールスクリーンの4点が、「2022年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
これらの結果、インテリアセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は
(壁装事業)
壁装事業では、2022年5月に発売した壁紙見本帳「リザ―ブ1000」において、国立科学博物館とのコラボレーション商品を開発し、動物や植物の標本など同館の収蔵品をモチーフとした、知的好奇心をくすぐる個性豊かな商品を発売しました。また、車両内装に使われるクッション材の端材などを再利用した低環境負荷商品「MEGUReWALL(メグリウォール)」シリーズを新たに収録。環境負荷の低減に貢献する壁紙として、エコマーク認定を取得しました。さらに、6月に発売したガラスフィルム見本帳「CLEAS vol.2」では、フィルム部分にペットボトル由来の再生材料を80%以上使用した透明飛散防止フィルム「クリエイシア90」を収録しました。当商品は建築用ウィンドウフィルム業界初のエコマーク認定商品となりました。なお、「MEGUReWALL」と「クリエイシア90」は2022年度のグッドデザイン賞を受賞しています。
また、2017年から継続開催し、今回で6回目となる「サンゲツ壁紙デザインアワード2022」では、ブランドステートメント“Joy of Design”をテーマに、新しい発想のデザインやアイデアを幅広く募集しました。今回も、国内外からコンセプトやデザインに優れた多くの作品が集まり、壁紙の新しい可能性を広げる活動となりました。
一方、クレアネイト株式会社では、撥水・抗菌・表面強化・ストレッチ性機能を持つハードストレッチ壁紙を始めとした機能性商品の開発に加え、環境に配慮した非フッ素系撥水剤を使用した商品及び海外市場向けのフリースバック壁紙の開発を進めております。
(床材事業)
床材事業では、設計段階からCO2削減を重視する環境対応商品のニーズへの対応として、10月に発売したカーペットタイル見本帳「NT 700 Fiber Eco Vol.2」において、100%リサイクルナイロン糸「エコニール(R)」を使用した環境負荷の低減に寄与するカーペットタイルを発売しました。一方、10月に発売したクッションフロア見本帳「Hフロア」では、「染める」「削る」「重ねる」といった手作業ならではのぬくもりを丁寧に再現した意匠性の高い商品を収録したほか、知的障がいのある作家の作品をプロダクト化する福祉実験ユニット「ヘラルボニー」とのコラボレーションとして、アーティストの豊かな感性を活かした商品を収録しました。さらに、11月に発売した防滑性ビニル床シート見本帳「ノンスキッド」においても、住空間のトレンドである「アウトドア」をテーマとしたデザイン性に優れた商品を収録するなど、商品のストーリー性や多様性、ユーザーのライフスタイルを重視した商品開発に努めました。また、2023年1月には施設用床材見本帳「Sフロア」を発刊し、ローコストでありながら意匠性に優れた商品や、施設の長寿命化へのニーズに応える高機能商品を拡充しました。
(ファブリック事業)
ファブリック事業では、2023年2月にカーテン見本帳「AC」を発刊しました。近年人気の高まっているデザインシアーのラインアップを拡充し、繊細な刺繍デザインの商品や、グローバルに活躍するテキスタイルデザイナー鈴木マサル氏とのコラボレーション商品など、トレンド感のあるアイテムを多数収録しました。また、「&ECO」シリーズにおいては、再生糸でありながら天然素材のような質感にこだわった新商品を発売しました。当商品は、低環境負荷商品としてエコマーク認定を取得しております。さらに、空間をスタイリッシュに演出する新しい縫製スタイル「SAウェーブ」を開発。ブラインドやロールスクリーンで窓回りをすっきりと納めるニーズが高まる中で、ファブリックの柔らかな質感と、すっきりとした納まりを両立する縫製仕様としました。
一方、ECサイトである「ワードローブサンゲツ」では、WEBサイトオリジナルの意匠性の高い新商品を発売し、インテリアシールや窓ガラスフィルムなど、カーテン生地以外の商品を含めたラインアップの強化を図りました。
(エクステリアセグメント)
研究開発活動は行っておりません。
(海外セグメント)
海外セグメントにおいては、北米市場では、Koroseal Interior Products Holdings,Inc.が、顧客のニーズに基づく製品開発活動を行っております。開発プロセスにおいては、デザイン開発部署が、多様なアイデアを市場動向やトレンド、品質といった多角的な視点から検証・評価を重ね、製品開発を行っております。当連結会計年度においては、自社製造壁紙における新商品の継続的な開発・発売に努め、市場の高い評価を受けました。中でも日本の伝統工芸をモチーフとした海外向けコレクション「TAKUMI」は、当社グループ共通の新ブランドとして、グローバルな展開を目指しております。
東南アジア市場、中国・香港市場においては、アフターコロナに向けた商品戦略の強化として、Goodrich Global Holdings Pte., Ltd.とクレアネイト株式会社及び当社の3社を中心としたプロジェクトチームを立ち上げ、グループシナジーを活かしたアジア圏向けの新ブランドの開発に着手しております。
これらの結果、海外セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は、
(スペースクリエーションセグメント)
研究開発活動は行っておりません。