当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、真のグローバル企業となり、100周年に向けて持続した成長を続けることができるよう、『The IDEC Way』を制定しております。『The IDEC Way』は、Vision、Mission、Core Valuesの3つの要素で構成しており、その最も重要な基盤として、創業の理念「人間性尊重経営」を位置付け、継承しております。
世界経済の動向は依然不透明な状況にありますが、どのような市場環境であっても、当社グループがグローバルで持続的に成長し、社会課題の解決に貢献していくため、今回新たに2050年のありたい姿を想定し、そこからバックキャストして2030年のビジョンを策定いたしました。
人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現すること。これは創業以来変わることのない、私たちの想いです。当社は、誰もが健康で、幸せに、生き生きと暮らすことのできる社会を実現するための取り組みを推進しております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画において、ROIC、ROE、EPSを経営指標としており、ROIC10%以上、ROE15%以上、EPS360円以上という目標を開示しております。なお、上記の数値目標は当社グループが現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、将来様々な要因によって目標を達成できない可能性があります。
(3)投資単位の引下げに関する考え方及び方針等
当社は、株式の流動性を高め、個人株主の増加を図ることを資本政策上の重要課題と認識しております。そのため、利益還元の充実に加え、個人株主の皆さまに向けた説明会の開催に加え、わかりやすい株主通信の作成やホームページの拡充などの対応を進めております。
(4)中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
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当社グループでは2022年5月に、2025年3月期を最終年度とする新中期経営計画を発表いたしました。しかし、グローバルで製造業の設備投資需要が堅調に推移したことに加え、収益性向上に向けた取り組みが寄与した結果、2023年3月期の業績は過去最高を更新し、初年度で中期経営計画の目標を達成したことから、2023年5月に新しい計画を発表いたしました。修正計画では、長期的に営業利益率20%を実現するため、2025年3月期に売上高850億円以上、営業利益153億円以上、営業利益率18%以上の達成を目指しております。 |
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中期経営計画のスローガンである、「PASSION FOR YOUR SUCCESS」を実現するために、長年培ってきた制御技術をベースに、自動化・無人化・省力化需要や、安全・安心・ウェルビーイング意識の向上をはじめとする、注力分野に対応した取り組みを推進することで、社会課題の解決に貢献し、持続的な成長の実現を目指しております。
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当社は創業当時から、人と機械をつなぐHMI(Human-Machine Interface )のリーディングカンパニーとして、グローバルに事業を拡大してきました。しかし時代の変化に伴い、ものづくりの現場や生活の様々なシーンにおいて、制御用操作スイッチやプログラマブル表示器をはじめとする、人と機械の接点となる「Interface」だけでなく、IoTの進展などにより、人と機械、機械と機械などが相互にネットワークでつながる「Interaction」へと事業領域が広がってきました。そして今後は、ネットワークでつながった機械装置に加え、人と機械が共存する空間も含めた、環境を最適化(Optimal Environment)することで、人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現するための需要が高まってくるものと考えられます。こういった背景を踏まえて、これまで培ってきた安全DNAを活かし、今までのHMIの考え方をさらに進化させた、人を中心とするHMI-X[Transformation]を当社グループの新たなコンセプトとして推進してまいります。 |
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なお当社では、「HMI-X」を人と機械の関係の変化に伴い、最適なインターフェースの在り方が変化していくことと定義しております。HMI・安全を融合した製品・サービスを社会へ提供することで「HMI-X」をリードし、パーパスである「人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現」してまいります。
(目標達成に向けた4つの基本戦略)
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
①ガバナンス
当社グループの活動方針を策定する機関として、CSR委員会を設置しています。委員長は代表取締役社長とし、CSR委員会の傘下には、ESGに、私たちの強みである「安全:Safety」 「品質:Quality」を加えた「ESG+Sa+Q」の5つの分野の専門委員会を設けています。各専門委員会の委員長は執行役員とし、専門知識や経験を持ったメンバーで構成され、それぞれのテーマに即した施策に取り組んでいます。CSR委員会は年2回開催しており、議論した重要事項については、必要に応じて経営会議や取締役会に報告され、監督される体制となっています。
また、CSR委員会で議論された内容は、CSRリーダーがCSR職場研修会で社員一人ひとりと共有し、CSR活動の実践並びに、意見が言い合える風通しの良い職場づくりを目指しています。2023年3月期の社員からの意見・提案は約354件あり、各専門委員会に共有され、当社グループのCSR活動の参考としています。
②戦略
当社グループは『The IDEC Way』に基づき、IDEC Group Code of Conduct(行動基準)・CSR憲章・国連グローバル・ コンパクトの10原則を重要な指針として定め、事業活動を通じた社会課題の解決により、持続可能な開発目標(SDGs)を達成していくための取り組みを行っています。また、2018年に立ち上げたCSR委員会を中心に、持続的な活動を推進しています。
市場環境が大きく変化している中で、気候変動をはじめとする地球規模の様々な社会課題に対応していくことは、グローバル企業として必要不可欠となっています。多様な社会課題を解決し、日々変化するお客さまのニーズにお応えするとともに、当社グループが持続的な成長を実現するため、2050年のありたい姿を想定し、そこからバックキャストして2030年のビジョンを策定しました。
また、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に向けて、サステナビリティ対応にも注力していますが、2050年に当社グループとして「カーボンニュートラル」を実現するための取り組みや、グローバルでの成長拡大に向けた人的資本の強化にも今後さらに力を入れていきます。
今後も、サステナビリティに関する基本方針のもと、ILO傘下のISSA(International Social Security Association)が推進するVision Zeroキャンペーンへの賛同・登録を通じた、社内外全ての人々の安全・健康・ウェルビーイングの追究や、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同による気候変動などの地球環境問題への配慮、リスクと機会に対する将来対応想定など、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動を通じたグローバルな課題解決への取り組みを推進していきます。
(サステナビリティに関する基本方針)
私たちは、IDECの経営理念である『The IDEC Way』で掲げる「Vision:いつも、ずっと、みんなに新しい安心を」、「Mission:人と機械の最適環境を創造」に基づいて事業活動を行っています。
また、『The IDEC Way』のOur PrinciplesやIDEC Group Code of Conduct(行動基準)において、実現のために取るべき行動を明記しており、その実践を通じて持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。
③リスク管理
サステナビリティ全般に関するリスクと機会は、マテリアリティ分析において、ステークホルダーの重要度と事業としての重要度の両軸でマッピングしており、「気候変動」と「企業基盤」に関わるリスクについては、当社グループのリスクマップに統合して管理しています。
リスクの重要項目については、リスクマネジメント委員会において評価、管理しており、年に1回経営戦略企画本部でリスクと機会を見直すこととしています。
④指標及び目標
マテリアリティ(重点課題)を特定し、2022年から開示していますが、2050年のありたい姿、2030年のビジョンを策定したことに伴い、改めて見直しを行いました。4つ目の項目として「企業基盤」を追加し、気候変動の対応に加えて、人的資本やガバナンスの一層の強化を図っていきます。
マテリアリティの見直しに伴い、2030年の目指すべき姿を実現するための取り組みテーマを設定し、テーマごとにサステナビリティKPIを掲げています。また、マテリアリティやサステナビリティKPIは、中期経営計画の取り組みテーマにも一部連動しています。
(2)気候変動
気候変動への対応
●当社グループの環境経営
当社グループは2050年のありたい姿を想定するとともに、2030年のビジョンを制定し、地球温暖化や気候変動対応をはじめとする社会問題にグローバル企業として向き合いながら、持続的な成長を目指しています。
サステナビリティ対応、とりわけ気候変動への取り組みは、社会的な要請の高まりに応えるだけではなく、地球環境保護の観点からも企業として不可欠な取り組みと言えます。さらに、私たちが持続的な成長を目指す上で、今や環境戦略は事業戦略の重要な一部となっていることから、環境対応を移行機会として積極的に捉え、環境配慮型製品の開発、環境エネルギー事業などの活動を通じて、私たちのパーパスである、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングの実現に貢献する戦略を推進しています。
具体的には、「環境負荷低減に向けた取り組み推進」を中期経営計画の基本戦略の取り組みテーマに掲げて、サステナビリティKPIを設定し、その目標達成に向けて私たちの移行機会を反映させたアクションプランを進めています。
当社グループは、2050年のありたい姿を目指しつつ、カーボンニュートラルの実現に向けて、私たちが今できることから始めています。
●担当執行役員メッセージ
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当社グループが社会的な責任を果たしていくために、サステナビリティ対応、その中でも特に気候変動への取り組みは、グローバルで事業活動を行う企業として不可欠だと考えています。マテリアリティでも、3つ目の項目として「気候変動への対応」を掲げており、2030年の目指す姿を実現するため、サステナビリティKPIを設定し、目標達成に向けたアクションプランを推進しています。 |
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一方で技術開発・環境担当の上席執行役員としては、開発推進と環境対応の両方の目線で、メーカーとして効果的に両立できる形を日々考えています。環境対応は、リスク面でIDECの事業存続に今後大きく関わる要素であるのみならず、機会面ではメーカーとして大いにビジネスチャンスとなり得る要素であるということを、当社グループ内に浸透させていきます。
●環境に配慮した製品開発と設備投資
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「環境配慮型製品開発手順書」を制定し、設計段階から、省エネルギー・省資源化、脱炭素を目指した製品開発を行っています。使用部品点数の削減・軽量化、再生プラスチックの段階的採用、主要製品のライフサイクルアセスメント(LCA)やカーボンフットプリント(CFP)算出を進めている他、IDEC独自基準に基づいて新製品の環境配慮度合いを点数化し、基準を満たした新製品は環境配慮強化型製品として、ISO/JIS Q 14021(タイプⅡ)に準拠したIDECオリジナルのエコマークを貼付しています。2020年3月期以降に発売した、新製品に占める環境配慮強化型製品の累計比率は、2023年3月期74.1%となりました。 また、環境に配慮した開発への投資を促進する仕組みとして、2023年3月期より内部炭素価格(ICP)を導入しました。初年度のICPは6,000円に設定し、2024年3月期は8,000円、以降は毎年金額を見直す予定です。 社内でICPのコンセプトを浸透させるために、環境戦略委員会でモデルケースを選定し、CO2削減量の算出やICP適用後の投資対効果への影響度などを検討しています。 |
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事例として、省エネルギー対応の新規生産設備導入や、従来品よりも環境負荷を低減する環境配慮強化型製品への開発投資、省エネ空調設備の導入、ガソリン車から電気自動車への置き換えなどをシミュレーションし、ICP利用の活性化を促進しています。
●自家消費型太陽光発電の導入拡大
国内外のオフィスや工場に自家消費型の太陽光発電設備の導入を加速することで、再生可能エネルギーへの電力の置き換えによる環境負荷低減を図っています。
IDEC(単体)においては、これまでの発電設備に加え、2023年3月期より新たに1か所が稼働開始し、2024年3月期にはさらに3か所の設備の増設を計画しています。
国内グループ会社では、IDECファクトリーソリューションズ株式会社の工場、及び本社社屋の2か所に設置した設備が稼働しています。グローバルでは、米国オフィス・工場や英国の工場で、自家消費型が稼働しています。
●環境エネルギー事業
グループ会社のIDECシステムズ&コントロールズ株式会社では、2012年から太陽光発電所の建設からアフターフォローまでをワンストップで提供する再生可能エネルギー事業を展開しています。
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特にここ数年で導入が進んでいる、工場・倉庫・店舗・施設など建物の屋根を利用した自家消費型太陽光発電設備は、グリーンエネルギー利用によるCO2削減で環境への貢献を実現します。また、災害時の非常用電源として周辺地域に提供することにより、安全・安心という目に見えない地域貢献が実現できることから、事業の推進を通じて、より良い社会の実現を目指しています。 |
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●サーキュラーエコノミーの実現に向けて
当社グループは、カーボンニュートラル実現のため、限りある資源を有効活用する、サーキュラーエコノミーの取り組みを推進しています。メーカーとして、製品の設計や開発段階だけではなく、製造工程や物流、梱包資材に至るまで、環境負荷の低減と環境問題を重視した経営を進めています。
一例として、品質関連部門の資料や設計図の電子化など、ペーパレス化による紙消費量の削減を各拠点で実施しています。また2022年2月には、本社食堂に生ごみを水と炭酸ガスに完全分解する生ごみ処理機と、排水に含まれる油分や残飯、野菜くずなどを分離・収集する、グリーストラップを恒常的に浄化できる装置を導入しました。これにより、本社食堂でこれまで排出されていた年間約8tの生ごみをほぼゼロにすることが可能となりました。
蘇州工場(中国)では、使用していたビニール袋の代わりに、再利用可能なソフトトレイやバケツを活用することで、ビニール袋の使用量削減を推進しています。最終的には、ビニール袋の使用量をゼロにすることで、年間約2.7tの削減を目標としており、今後同様の取り組みを国内外の拠点にも展開する予定です。
その他にも、製品梱包資材の見直しとして、2021年12月にバイオマスプラスチック25%以上のフィルムを使ったエアキャップを日本の2拠点で採用するなど、当社グループ全社でサーキュラーエコノミーの実現に向けた環境負荷低減の取り組みを進めています。
今後も環境マネジメント組織のグローバルネットワークを通じて、それぞれの環境対応の取り組みを当社グループ全体へ横展開させていきます。
●生物多様性
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事業継続を支える上で生物多様性を重要な要素と考えており、様々な取り組みを行っています。2023年4月にIDEC本社の緑地は、公益財団法人都市緑化機構が運営するSEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)に認定され、企業緑地の優良な保全、創出活動を対象とした「そだてる緑」部門に選ばれました。在来種を中心とした緑地整備などにより、野鳥や昆虫などが生息できる場所を提供し、生物多様性保全・向上に貢献しています。 また、国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)における、生物多様性フレームワーク採択を要請するBUSINESS FOR NATUREの声明にも賛同、署名しています。 |
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TCFD提言に沿った情報開示
①ガバナンス
代表取締役社長が委員長を務めるCSR委員会の専門委員会である環境戦略委員会が中心となり、気候関連財務情報の開示に取り組んでいます。
環境戦略委員会は様々な部門の社員で構成されており、環境担当上席執行役員のもと、毎月開催しています。
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委員会は、環境対応を事業計画に戦略的に組み入れるため、より環境経営にシフトした活動を目指して、2022年12月に環境マネジメント委員会から環境戦略委員会に名称を変更しています。委員会では、環境配慮型製品の環境項目審査、製品のカーボンフットプリント算出試行、内部炭素価格の活用促進、TCFD提言に沿った情報開示の準備、環境イベントの企画運営などを行っています。 環境戦略委員会での決定事項はCSR委員会を通じて、あるいは直接、経営会議に上程して方針が決定され、その後取締役会に報告される体制にな |
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っています。
②戦略
シナリオ策定
2020年のコロナ禍以降、とりわけ2022年は欧州をはじめとする世界的に不安定な情勢の影響によるエネルギー供給問題が発生しています。エネルギー需給構造の不安定さが顕在化しただけではなく、燃料価格高騰による物価高やインフレーションの進行が進む中、EUでは石炭や石油などの化石燃料消費量が増加し、世界規模でも経済活動の回復に伴いCO2排出量が増加し続けるなど、パリ協定で定められたCO2排出量削減目標の達成が困難な状況にあることが、国際エネルギー機関が発行する、世界エネルギー展望2022年版(WEO2022)でも報告されています。
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これらの状況を踏まえた上で、パリ協定の長期目標である、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求するシナリオと、現時点での世界的情勢に沿ったシナリオを、移行リスクシナリオと物理的リスクシナリオからそれぞれ2つずつ選定しました。 具体的には、移行リスクシナリオはWEO2022のSTEPS(2.6℃シナリオ)とNZE(1.5℃シナリオ)を、物理的リスクシナリオはIPCC第5次報告書のRCP2.6(2℃シナリオ)とRCP8.5(4℃シナリオ)を採用しました。 各々のシナリオに基づく世界観を認識した上で、当社グループのリスクと機会の分析を実施しています。 |
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リスクと機会
環境戦略委員会では、環境情報開示のグローバルスタンダードの一つであるCDP質問書のリスクと機会項目を参考にしながら、当社グループで想定されるリスクと機会の洗い出しを行いました。具体的には、財務上の潜在的影響額、影響の程度、発生確率、時間的接点などを数値化して、定量的に主要リスクと機会それぞれの優先対応項目を選定しました。
その上で、外的環境の変化と、そこから発生し得る事業へのインパクトを想定し、環境戦略として行うべき当社グループの対応を検討し、リスクと機会の一覧表とマップに展開しました。
③リスク管理
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環境戦略委員会で検討した、気候変動に関するリスクと機会の抽出結果、及びマッピングにおいて重要と評価したリスク項目は、当社グループのリスクマップに統合して管理しています。さらに、マテリアリティの自然資本に関わるリスクと機会にも反映させています。 環境推進室では、特に環境に関わるリスク管理項目を年度ごとのリスク管理表に展開し、達成指標を定めて達成状況をリスクモニタリング部会に報告しています。
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●移行計画
当社グループでは、環境戦略を自社の事業戦略の重要な一部と捉え、移行計画を中期経営計画に反映させています。具体的には、カーボンニュートラルを目指して、CO2排出量削減の指標と目標を定め、他の環境対応目標と合わせて中期経営計画のサステナビリティKPIとしています。
自社のCO2排出量削減の手段として、自家消費型太陽光発電設備の導入を計画的に進める一方、今年度から国内でCO2フリー電力の部分的導入を始めています。CSR調達ガイドラインとグリーン調達ガイドラインを定め、サプライヤーへの環境負荷軽減への協力依頼も毎年継続しています。
事業に関しては、環境配慮型製品の開発や、環境エネルギー事業などに代表される、環境に関わる事業活動の事業貢献度の向上に計画的に取り組んでいます。そのため、リスクと機会の分析は、環境戦略を事業戦略に取り込む上での重要なプロセスと考えており、自社の移行機会となり得る要素を基に、主要機会一覧の表にあるような、当社グループの今後の対応を検討しています。検討した内容は、今後の中長期の経営計画に段階的に反映させて、より具体的な行動計画へと落とし込んでいきます。また、その指標として環境関連事業活動に対する事業貢献度の数値化の検討を始めています。
環境関連事業活動の中核の一つとなる、環境配慮型の製品開発に関しては、その必要性と事業貢献に関わる重要性、そして移行機会を活かしたビジネスチャンスの創出を、各部門へこれまで以上に浸透させていきます。
こうした移行計画に関わる活動は、当然のことながら、当社グループのパーパスである、「世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現することへの貢献」に対し、環境側面における調和のとれた取り組みとなっています。
④指標及び目標
CO2排出量削減については、2025年3月期までにScope1と2で24%削減、2031年3月期までに50%削減(2020年3月期比)を中期経営計画で目標としており、2024年3月期より達成進捗度を役員報酬に反映させる制度を導入しています。
2023年3月期のCO2排出量に関しては、排出量係数のより低い電力会社への切り替えと、前年度に導入した自家消費型太陽光発電設備の稼働等により、Scope2のCO2排出量が2022年3月期より減少しています。近年の好調な売上増加により工場の稼働が増えたことで、これまで自社CO2排出量は2020年3月期で増加傾向にありましたが、ようやく2020年3月期に対して若干下回る結果となりました。なお、各工場で稼働率の向上を継続的に推進しているため、売上高原単位は順調に減少しつつあり、また、CO2をどれだけ少なくして効率的に利益を稼いだかを表す指標である炭素利益率(ROC)は、大きく増加しています。
2024年3月期は、自家消費型太陽光発電設備の計画的追加導入、排出量係数の低い電力への契約切り替えに加えて、本社をはじめとする国内主要工場でCO2フリー電力の30%導入開始による効果が期待でき、中期削減目標達成を目指します。
Scope3に関しては、2023年3月期より、当社グループ(連結)の上流(カテゴリ1-8)と下流(カテゴリ9-15)両方の算出を開始しました。全般的には、カテゴリ11の販売した製品の使用が、Scope3排出量の大半を占めています。したがって、メーカーとして今後も環境に配慮した製品の開発をさらに推進することで、顧客に提供する製品の使用時の排出量低減に努めていきます。
上流に関しては、カテゴリ1の購入した物品・サービスが大半を占めています。サプライヤーに提供しているCSR調達ガイドラインとグリーン調達ガイドラインに基づいて、サプライヤーの環境対応向上とCO2排出量削減を継続的に依頼していきます。今後は、より具体的な指標を定めて、特に主要購入先とのサプライヤーエンゲージメントの向上を図る予定です。
(3)人的資本
人的資本の取り組み
人材戦略
IDECでは4つのマテリアリティの一つとして、「企業基盤:価値創造を促進する経営構造の整備、組織風土の醸成及び人材の育成」を掲げています。持続的な成長と企業価値向上を実現するためには、企業の活性化や人的資本の強化が必要不可欠となるため、2030年の目指す姿を掲げ、中期経営計画の施策やサステナビリティKPIとも連動させながら、様々な取り組みを推進しています。
2019年からエンゲージメントサーベイ(従業員意識調査)を実施しており、エンゲージメントスコアをサステナビリティKPIに設定し、現状と課題の把握、重点課題を中心とした対策を行うことで、エンゲージメントの向上に取り組んでいます。また、今後グローバルでの事業拡大をさらに推進していくためにも、ディーセント・ワークや、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みも不可欠です。人材の多様性確保に向けて、グローバル人材の採用や女性管理職比率の向上などにも注力しています。
なお、中長期の人材戦略として、重要ポジションの充足とリーダー人材の育成を掲げており、グループ全社での持続的成長を実現するために、次世代の経営を担う幹部候補者を計画的に選抜、育成しています。
①ガバナンス
経営戦略と人事戦略を立案していくため、代表取締役直轄の組織として、2023年3月期に経営戦略企画本部を新たに設置しました。関係各部と調整しながら、長期ビジョンや中期経営計画、サステナビリティKPIなどの策定、経営・人事戦略の立案、経営資源マネジメントなどを牽引しています。重要事項は経営会議に上程しており、方針決定後に取締役会へ報告する体制としています。
また全社安全衛生委員会の専門部会として、ディーセント・ ワーク推進部会を2022年に設置し、働き甲斐のある職場環境づくりや、社員のウェルビーイング実現に向けた社員満足度向上を目指した取り組みを行っています。
②戦略
●人材育成方針・社内環境整備方針
当社グループは、「世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現すること」を私たちのパーパスとして定めるとともに、「Pioneer the new norm for a safer and sustainable world.(いつも、ずっと、みんなに新しい安心を)」というVisionを 『The IDEC Way』で掲げ、全ての人々に幸福と安心をもたらし、より安全で持続可能な社会の実現を目指しています。
当社グループのVisionの実現に向けて、グローバルベースで事業をさらに発展させていくとともに、事業活動を通じて様々な社会課題の解決に貢献するため、多種多様な強みを持ち、能力を発揮できる人材や、情熱を持って自律的に未来を切り開ける、次世代を担う人材の採用・育成を重点テーマに定めています。今後もダイバーシティ&インクルージョンを積極的に推進し、様々な人材育成施策を実施していきます。
また、当社グループは職場の安全と心身の健康を守るとともに、人権を尊重し、差別のない健全な職場環境の確保に取り組んでいます。
●人材マネジメントシステムの強化
人材育成方針、エンゲージメントサーベイを踏まえた人事制度の導入、多面評価の実施、人材育成強化のため教育制度の充実を図っています。また、キャリア開発会議で社員一人ひとりの育成を考える仕組みを構築しています。
(新人事制度)
2019年に実施した、エンゲージメントサーベイで明確になった人事諸制度の課題(評価、給与・ボーナス、昇進昇格など)を踏まえ、2022年に新人事制度を導入しました。
新人事制度では、多様なキャリア志向に対応するため、コースを複線化し、個々人の要望・強みを活かせる機会を提供するとともに、「目標管理(評価)」と「報酬」の透明性を高め、求められる役割、行動や仕事の成果に応じた公正な評価、処遇を実現しています。
(多面評価制度)
2023年3月期より、多面評価制度を新たに導入し、日頃の職務行動や職務遂行能力について「気付き」をもたらすことで、自己認識を変化させ、行動変容を促しています。
(キャリア開発会議)
社員の成長支援と組織への適材適所の実現を図るための新しい取り組みとして、2023年3月期から「キャリア開発会議」を行っています。キャリア開発会議では、本部単位で部門長が集まり、メンバーの能力開発などの課題を共有・明確化し、役割配置の検討や、今後の昇進昇格を含めた、社員の育成プランの検討を行っています。
また、ストレスチェックの集団分析結果のフィードバック、セルフレポート(自己申告書)の傾向や意見も共有し、職場環境の改善にも役立てています。
(教育制度)
当社グループは人材への投資によって社員を育成し、様々な社会課題を解決し、カスタマーサクセスを実現するため、多様な研修制度を用意しています。体系的な社内外研修制度やキャリアアップ支援制度の他、グローバルで通用する人材育成を目指し、若手社員を対象とした海外トレーニー制度を導入しています。
また、グループ全社での持続的成長を実現するため、当社グループの将来を牽引する、次世代経営幹部候補の早期育成を図る、選抜型教育プログラムも導入しています。
●ディーセント・ワークの推進
IDECでは、DXの推進による業務効率化や、電話等を含むITインフラ基盤の整備、計画的年休・男性の育児休業取得の奨励等、様々な働き方改革を推進してきました。より柔軟な働き方を可能にするため、裁量労働制も導入しており、今後フレックスタイム制の導入、既存の在宅勤務制度や特別休暇制度の見直しについても、現在検討を進めています。
また2023年3月期より、安心して働き続けられる働き甲斐のある職場環境づくりや、社員のウェルビーイング実現、社員満足度向上を目指して、ディーセント・ワーク推進部会を立ち上げ、以下の目標を掲げて、組織を横断した情報共有や全社施策の検討を行っています。
ディーセント・ワーク推進部会を始め、関連する部門が連携することで、全ての社員にとって、働き甲斐のある環境づくりを推進していきます。
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・労働時間管理の適正化 ・柔軟な働き方の実現 ・仕事と家庭の両立支援 ・女性活躍推進支援
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●IDECのダイバーシティ&インクルージョン ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを推進し、様々な経験、専門知識、知見を有する、多様な人材が人間性を尊重し、性別、性的指向、性同一性、国籍、社会身分、門地、宗教等を問わず活躍できる環境の整備や支援体制の充実に取り組んでいます。
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(女性管理職の育成と登用)
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多様な人材がチャレンジできる環境・風土づくりの一環として、女性活躍に向けた取り組みを推進しています。2025年3月期末までに、IDEC単体の女性管理職者数を15名とする目標を掲げ、女性活躍推進のキーとなる幹部社員を対象とした意識改革研修、全女性社員を対象としたキャリア研修などの取り組みを進めています。 |
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2023年4月時点で15名となり、1年前倒しで目標を達成しています。
(外国籍人材の採用と登用)
2023年3月期末のIDEC単体の外国籍社員は63名です。うち執行役員2名、部門長2名が外国籍を有しており、国籍に関わらず採用を行い、様々な部門で活躍しています。
また、主要会議における議事録の多言語化を推進するなど、環境整備にも力を入れています。
(キャリア人材の採用と登用)
キャリア採用で、高い専門性を持つ人材を積極的に採用しています。IDEC単体におけるキャリア人材として、2020年3月期から2023年3月期までの3年間で累計57名を採用し、うち管理職採用は16名です。
また、事業革新を推進できるDXやAI人材、お客さまの課題に対して最適なソリューションを提案する技術営業や新製品開発などを担える、高い専門的知識を持った人材の採用・育成を積極的に推進しています。今後も、事業強化のために必要となる専門性や知識を有するキャリア採用を、積極的に進めていきます。
(障がい者の就労機会の創出と活躍機会への取り組み)
2022年3月期より企業グループ算定特例を適用しており、2023年3月期末のIDEC国内グループの障がい者雇用数は41名(換算人数50名)、雇用率は3.0%となっています。
障がいのある社員との定期的な面談を通して、就労状況を確認し、職場環境を整えることで、法的雇用率以上の雇用率を維持しています。
(LGBTQ+への理解・支援)
誰もが生き生きと働くことのできる職場環境構築に向けて、LGBTQ+に関する社内教育を2022年3月期より実施しています。社内相談窓口担当者への研修を実施し、LGBTQ+に関する理解を深めるため、カミングアウト時の基本的な対応について、具体的にイントラネット上に掲載し、社員が閲覧できるようにしています。
今後も、社員のアイデンティティが侵害されることのない環境づくりを推進していきます。
●社員の健康維持増進と安全文化の構築
当社グループでは、社員とその家族が「心身ともに健康である」ことが全ての基盤であるという認識のもと、「IDECグループの健康宣言」を制定し、健康への取り組みを推進しています。ウェルビーイング向上のための第一歩は、社員の安全と健康の確保であり、職場におけるケガや病気などの原因を取り除き、未然に防止する取り組みを推進しています。
2019年には、社員の健康を推進するため、フィットネスジムやヘルスケアセンターなどを備えた厚生棟を本社構内に新設し、専属産業医と常勤の保健師が健康管理に取り組んでいます。さらに2022年には、企業内診療所を本社厚生棟に開設し、全ての社員のメンタル、フィジカル双方からの健康確保を目指していきます。
(生産現場における安全衛生の積極的な推進)
世界で一番安全・安心・ウェルビーイングを追究・実現する企業となるため、2018年に労働安全衛生のVision Zeroキャンペーンに日本で初めて賛同・登録し、Vision Zeroを推進する専門部門を日本で初めて設置しました。CSR委員会の安全推進委員会や品質マネジメント委員会において、多様な取り組みを行っています。
また、労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格であるISO45001認証を、2019年に滝野事業所で初めて取得し、2022年には国内の全生産事業所(滝野・福崎・尼崎・竜野・木場)で取得しました。海外においても認証取得を進めており、2023年3月期に蘇州で取得し、今後台湾、タイ工場にも拡大することで、レベルアップを図っていく予定です。
各職場では、労働環境の改善や労働災害の未然防止につなげる「気付き報告」や、リスクアセスメントを組織横断的に行うなど、安全で快適な職場環境づくりに取り組んでおり、職場の安全・安心を強力に推進す
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るために必要な知識、技術を有する社員の教育も積極的に推進しています。これまでの取り組みを評価いただき、2022年には毎年全国で1社しか選ばれない、中央労働災害防止協会の会長賞を受賞しました。2022年に日本で行われたビジョンゼロ・サミットでは、IDECが推進役としてサミットを牽引し、人々が安全かつ健康に働く世界を目指す、地球規模の予防文化活動の啓発などを、世界に発信しました。 また、IDECの安全文化構築の取り組みは、2023年5月に日経BPより発行された書籍において、ロレアルやナイキ、BMWといった、世界の名だたる企業とともにベストプラクティスとして紹介されており、ウェルビーイングのグローバル推進企業の1社として認知されています。今後は、人間の可能性を最大限に引き出す技術である「ウェルビーイング・テクノロジー」への取り組みを推進していきます。 |
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(全社安全衛生委員会での取り組み)
各拠点の安全衛生体制の上部組織として、「全社安全衛生委員会」を設置し、当社グループ全体の労働災害の防止、社員の健康の増進、快適な職場環境の形成に向けた活動に取り組んでいます。また労務、安全衛生に関する課題や対応を協議し、組織横断的に情報共有を図りながら活動を展開しています。
全社安全衛生委員会の傘下には、4つのテーマ(交通安全、健康づくり、設備安全、ディーセント・ワーク)に特化した「専門部会」を設置し、全社的な課題の洗い出し、対応策の協議などを行っています。
●コンプライアンス
職務を行う上での基本的な行動指針を、「IDEC Group Code of Conduct」としてグローバルに発行しています。グループ理念である『The IDEC Way』のもとに「IDEC Group Code of Conduct」を位置付け、社員がとるべき行動を「Workplace」「Social」「Business」の3軸に集約し、グローバルにも伝わりやすい構成としています。日本語、英語の他、中国語、フランス語、タイ語、ベトナム語、クメール語に翻訳し、社内イントラネットで国内外のグループ会社社員が必要な時に、いつでも自由に閲覧できるようにしています。
コンプライアンス研修は、Code of Conductの理解を深める研修と、コンプライアンス違反事例などを踏まえた事例研究を階層別研修の中で継続的に実施しています。また、内部監査の一部としてコンプライアンス違反がないかどうかの監査を行い、コンプライアンスの軽視や違反によるリスクを適切に認識しています。
●人権の尊重
創業当時から「人間性尊重経営」を理念としており、当社グループを取り巻く全ての人々が高い人権意識を持ちながら、持続的な社会の発展に貢献していくために、事業活動における人権に対するコミットメントを基本方針としています。
『The IDEC Way』に基づき、具体的な行動指針となるよう「IDEC Group Code of Conduct」を定めており、その中の人権・職場環境に対する行動として、性別、国籍、社会身分、門地、宗教等によって差別しないことなど、人間性を尊重するための行動指針を定めています。また「国際人権章典」や、国連の「ビジネスと人権に関する国連指導原則」、国際労働機関 (ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」など、人権に関わる国際規範を支持・尊重するとともに、国連グローバル・コンパクトに署名し10原則を支持しています。
取締役会は、人権課題に関するコミットメントの遵守や取り組みに関する監督責任を持っており、当社グループは人権基本方針のもと、社員を含む全てのステークホルダーの人権尊重に向けた取り組みを推進していきます。
●社員エンゲージメントの向上
会社と社員の信頼関係や、社員の全般的なモチベーションを向上させることを目的として、2019年に1回目のエンゲージメントサーベイを実施し、調査結果から見えてきた課題に対して、様々な取り組みを推進してきました。
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2022年10月には2回目となる調査を実施し、総合的な指標である「職場の総合的魅力」、「会社の総合的魅力」が、ともにスコアアップするなど改善が見られ、取り組んできた施策に一定の効果がありました。一方で、まだ改善が必要な項目も多いことから、2回目の結果についても全社をあげて、今後対応策を実施していきます。 |
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また、2024年3月期から社長表彰制度を新たに導入しました。新制度では、テーマ別に設定される表彰部門とは別に、グループ理念を体現した社員や、Core Valuesを基にした、働く上で具体的に意識するべき考え方・行動である、Principlesに沿って行動した模範的な社員を表彰する部門も設定し、グループ理念の浸透を図ります。
このように、様々な施策を通じて社員のエンゲージメントの向上を目指していきます。
③リスク管理
人的資本に関するリスクと機会は、マテリアリティ分析において、ステークホルダーの重要度と事業としての重要度の両軸でマッピングしており、「企業基盤」の人的資本に関わるリスクについては、当社グループのリスクマップに統合して管理しています。
リスクの重要項目については、リスクマネジメント委員会において評価、管理しており、年に1回、経営戦略企画本部で人的資本に関するリスクと機会を見直すこととしています。
④指標及び目標
当社グループのマテリアリティとして、価値創造を促進する経営構造の整備、組織風土の醸成及び人材の育成を掲げており、2030年の目指す姿を定義しています。
その達成に向けて、「働きやすい職場環境づくり」と「人的資本への投資拡大」という取り組みテーマで、それぞれサステナビリティKPIを設定し、目標の達成に向けた取り組みを推進しています。
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(1)リスクマネジメント体制と運用
当社グループにおけるリスクの発生をあらかじめ回避するとともに、万一発生した場合にもその被害を最小限に抑制することを目的に、危機管理規程を制定しています。また、代表取締役社長を委員長とする「CSR委員会」傘下の専門委員会として「リスクマネジメント委員会」を設置し、グループ全体での平常時のリスクマネジメントとリスク発生時の対応を行う体制としています。「リスクマネジメント委員会」には委員会内に「リスクモニタリング部会」と「BCP策定準備部会」を設け、当社グループ全体でのリスクの選定、評価、リスク低減に向けた取り組みのモニタリングや、当社グループ全体のBCP策定に向けた取り組みを実施しています。また、同委員会内に「Hotline担当」を設け、内部通報窓口の整備や通報事象への対応を行なっています。
「リスクマネジメント委員会」はこれらの取り組み内容を年2回開催される「CSR委員会」にて報告し、「CSR委員会」から取締役会に報告を行うとともに、通報案件など重要事象については「リスクマネジメント委員会」から直接取締役会に報告することで、経営層へ適切にリスク情報を報告できる体制を整えています。
リスクモニタリング活動
当社グループの持続的な事業の拡大、企業価値向上にマイナスの影響を与える事象を「リスク事象」として想定し、定期的なリスクの特定、評価を実施しています。また、環境戦略委員会において重要と評価した気候変動リスクも「リスク事象」として統合し評価しています。そして、その中で発生確率又は影響度が高いと評価された事象を「高リスク事象」とし、管轄する部門ごとに年間でのリスク低減目標を設定し、上期・下期の半年ごとにその進捗を確認しています。
BCP策定
当社グループにとっての高リスク事象の一つである地震等の自然災害に備えるため、BCP策定を推進するための準備部会を立ち上げ、生産部門や対象事業所の関係者と連携しながら、災害発生時対応の基本的方針や初動対応フロー、事業継続計画の策定を推進しています。
大阪府と兵庫県に本社・主要事業所を有する当社グループにとって「南海トラフ地震」は大きなリスクであると認識しています。災害時に、対策本部の各担当が初動対応としてどのような動きをとるか想定し、またそのために必要なマニュアルやチェックリストを作成し、平常時から必要な防災対策などの見直しを進めています。合わせて、社内イントラを使って社員一人ひとりの防災意識を高めるための情報発信なども行っています。
(2)高リスク事象の特定プロセス
当社グループの持続的な事業の拡大、企業価値向上にマイナスの影響を与える事象を「リスク事象」として想定し、各リスク事象について「発生確率」「被害の大きさ」「影響度」を指標とした評価アンケートを実施し、その結果からリスクマップにプロットして相対的に評価しています。
想定するリスク事象とリスクマップ
※ 気候変動リスクは環境戦略委員会で高リスクと評価された事象を反映しています。
※ リスクは短~中期で評価し、気候変動リスクで長期と評価されたものも短~中期で再評価して統合しています。
※ 太枠内にプロットされるリスクを高リスク事象と判定しています。
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リスク カテゴリ- |
No |
リスク事象 |
2022年度のリスク評価 |
昨年比 |
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外部要因 リスク |
1 |
関西地区における震度6弱以上の地震等による事業拠点の被災 |
南海トラフ地震を踏まえて発生確率は昨年より上昇、一方で社内でのBCP対策により影響度は若干低下するが、依然として高リスク事象として評価 |
- |
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2 |
拠点地域内での紛争やテロの発生 |
昨年同様に依然として高リスク事象として評価 |
- |
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2b |
国家間情勢や治安悪化による駐在者、拠点操業への影響 |
地域紛争や反日抗争などによるビジネスへの影響をリスク事象として認識し②の派生リスクとして追加評価 |
新規 |
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3 |
拠点内での感染症クラスターの発生 |
感染症対策の実施や、ウイルスへの認識変化などを踏まえ影響度は低下 |
↓ |
||
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4 |
外部要因(部品廃番、調達困難)による製品仕様変更 |
電子部品の調達難による仕様変更に直面したことから影響度、発生確率ともに上昇し高リスクとして評価 |
↑ |
||
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内部要因 |
事業戦略リスク |
5 |
納期長期遅延につながるような部材調達困難 |
電子部品の調達難による納期調整に直面したことから影響度、発生確率ともに上昇し高リスクとして評価 |
↑ |
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6 |
生命身体に影響する可能性のある重大製品事故の発生 |
昨年同様に影響の大きい事象として高リスクとして評価 |
- |
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7 |
製品の性能・データ改ざんによる品質偽装 |
リスク低減対策の実施により若干発生確率は低下すると評価 |
↓ |
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8 |
使用禁止物質が含まれた製品の流通 |
調達部材による含有リスクによる規格への影響を考慮し、昨年より評価上昇 |
↑ |
||
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9 |
戦略投資リスク(M&Aや企業提携戦など戦略的な投資による財務状況への影響) |
昨年と同程度に評価 |
- |
||
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リソース・インフラリスク |
10 |
重症以上の労働災害の発生 |
安全衛生委員会の取り組みにより若干発生確率は低下 |
↓ |
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11 |
サボタージュ、ストライキによる業務機能停止 |
グループ会社を含めた結果、昨年より発生確率は上昇 |
↑ |
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12 |
システムダウン、ネットワークダウンなどのインフラの半日以上の停止 |
サイバーアタックを別リスク事象として派生させたため、その他事由による停止の影響度は低く評価 |
↓ |
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|
12b |
サイバーアタックによるネットワークの長期停止 |
停止期間が長期化することから影響度は大きいと評価 |
新規 |
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コンプライアンスリスク |
13 |
他社の知的財産権侵害による販売差止め、損害賠償請求 |
昨年と同程度に評価 |
- |
|
|
14 |
人権課題(児童労働・強制労働など)への不対応 |
グローバルビジネスでの人権課題の認識の高まりから、不対応は不買運動やレピュテーションリスクにつながり影響度が大きいと評価 |
- |
||
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14b |
ハラスメント発生による職場士気の低下 |
リスク事象の定義を見直しリスクとして認識 |
↑ |
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15 |
会計、税務の不適切処理による追徴課税 |
グループ会社を含めた結果、リスクは上昇すると評価 |
↑ |
||
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16 |
社員による高額の横領、背任、贈収賄 |
昨年と同程度に評価 |
- |
||
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17 |
上位役職者によるインサイダー取引 |
業績状況に誘引され発生確率が若干上昇すると評価 |
↑ |
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18 |
独禁法、下請法違反による公取の立ち入り |
昨年と同程度に評価 |
- |
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19 |
自社重要情報、他社秘密情報、個人情報の漏洩 |
グループ会社を含めた結果、リスクは上昇すると評価 |
↑ |
||
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20 |
許認可不備による業務差し止め |
認証等も含め影響度は上昇すると評価 |
↑ |
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会計・財務リスク |
21 |
売上債権回収困難、貸倒 |
昨年と同程度に評価 |
- |
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22 |
資産の毀損リスク |
業績、在庫高等の状況から昨年度より上昇すると評価 |
↑ |
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気候変動リスク |
移行リスク |
① |
原材料のコスト増加 |
製造・調達コストへの直接的な影響と部品調達難によりコスト増加が誘引されることから高リスクと評価 |
- |
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② |
変化する顧客行動 |
短~中期でリスクは顕在化しないと評価 |
- |
||
|
③ |
競合他社に対する技術の遅れ |
環境配慮技術への遅れは将来的な事業リスクにつながると評価 |
- |
||
|
④ |
カーボンプライシングの上昇 |
CO2削減への世界的気運の高まりから規制や法令制度による影響は大きくなると評価 |
- |
||
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物理リスク |
⑤ |
気温変動 |
気温変動が自然災害など様々なリスクを誘引するが、短~中期での確率は低くなると評価 |
- |
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(3)事業等のリスク
上記のとおり想定・評価した「高リスク事象」を含め、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与え、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下で記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①外部要因リスク
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項目 |
リスクの内容 |
主な取り組み |
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関西地区における震度6弱以上の地震等による事業拠点の被災(上記表・マップ中のリスクNo.1) |
大阪府と兵庫県に本社・主要事業所を有する当社グループにとって関西地区での巨大地震発生による事業所被災は大きなリスクであると認識しています。被災により一部又は全部の操業が中断した場合、適切なBCPを備えていなければ生産及び出荷が遅延する可能性や、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生する可能性があり、財政状況や事業展開に与える影響が大きいと考えています。 |
リスクマネジメント委員会内にBCP策定を推進するための準備部会を立ち上げ、災害発生時対応の対策本部体制、基本的方針や初動対応フロー、事業継続計画についての検討と策定を推進しています。災害時に、対策本部の各担当が初動対応としてどのような動きをとるか想定し、またそのために必要なマニュアルやチェックリストを作成して平常時から必要な防災対策などの見直しを進めています。 |
|
拠点地域内での紛争やテロの発生(上記表・マップ中のリスクNo.2) 国家間情勢や治安悪化による駐在者、拠点操業への影響(上記表・マップ中のリスクNo.2b) |
グローバルに事業を展開し、展開国数15か国、海外売上比率が50%以上を占める当社グループにおいて、拠点地域内での紛争やテロ、またそれに準じるデモや抗争により、社会や市場が混乱した場合には財政状況や事業展開に与える影響が大きいと考えています。 |
適時に情報を収集するとともに、地域分散などによりリスク回避を図っていますが、リスクにつながる状況が発生した場合には、例えば紛争地域回避による輸送の遅延や輸送費の高騰などの課題テーマごとのタスクフォースを立ち上げ情報収集と対策を進めています。 |
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外部要因(部品廃番、調達困難)による製品仕様変更(上記表・マップ中のリスクNo.4) |
コロナ禍における電子部品の調達難による製品仕様変更に直面したことから影響度、発生確率ともに上昇し、メーカーとして大きな影響を受ける事象と考えています。 |
タスクフォースを組んで部品の調達状況を把握するとともに、部品変更や仕様変更を進め、リスクの軽減に努めています。 |
②内部要因リスク
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項目 |
リスクの内容 |
主な取り組み |
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納期長期遅延につながるような部材調達困難(上記表・マップ中のリスクNo.5) |
部材調達困難により納期の長期化が生じた場合、売上高の減少や在庫の積み上げなど財政状況経営成績に与える影響が大きいと考えています。 |
タスクフォースを組んで部材の調達状況を把握・管理するとともに、全体での納期調整を行うなど、影響を最小化するための取り組みを推進しています。 |
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生命身体に影響する可能性のある重大製品事故の発生(上記表・マップ中のリスクNo.6) |
人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現することをパーパスとして標榜する当社グループにとって、生命身体に影響する可能性のある重大製品事故の発生は財政状況や事業活動はもちろん、レピテーションにも大きな影響を与える可能性があります。 |
QMS(Quality Management System)での帳票や手順書の整備を実施するとともに、市場クレームの故障情報を監視し、アラート機能や重大クレーム管理リストなどを整備して異常の早期察知と早期対応を推進しています。 |
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人権課題(児童労働・強制労働など)への不対応(上記表・マップ中のリスクNo.14) |
グローバルビジネスでの人権課題の認識の高まりから、人権課題への不対応は不買運動やレピュテーションリスクにつながり影響度が大きいと考えています。 |
人権課題に対する社内研修体系を整備し、従業員の意識醸成を図る他、人権デューディリジェンスなどの実施による状況把握、課題発見に向けての取り組みを推進しています。 |
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自社重要情報、他社秘密情報、個人情報の漏洩(上記表・マップ中のリスクNo.19) |
コロナ禍におけるリモートワークの推進、また業務のシステム化・情報化の進行と合わせて、個人情報保護法など法令による情報管理体制が求められる中ではより一層の情報管理が必要とされており、漏洩等が生じた場合の影響も大きいと考えています。 |
社内規程の見直しや業務システムのセキュリティレベルの向上など、情報管理体制の見直しを推進しています。 |
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資産の毀損リスク (上記表・マップ中のリスクNo.22) |
棚卸資産について、実際の将来需要又は市場状況が当社グループの見積りより悪化した場合、評価減が必要となる可能性があります。 |
供給計画・生産計画の策定において、急激な需要変動等機動的に反映し、在庫の長期滞留化リスク軽減に努めています。 |
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固定資産の減損に係る会計基準の適用により、時価の下落や当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの状況によっては減損処理が発生する可能性があります。 |
固定資産の稼働状況、キャッシュ・フローの創出状況等を定期的にモニタリングし、効率的運用を実施しています。 |
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APEM社を連結子会社化したことに伴い、のれん及び無形資産である商標権と顧客関連資産を計上しており、景気変動等の影響により収益性が低下した場合、シナジー効果が発揮されず、減損損失が発生する可能性があります。 |
月次・四半期単位等定期的に業績動向・経営状態を確認するとともに、超過収益力の向上を目的としたシナジー効果の最大化に向けた取り組みを強化しています。 |
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度においては、原材料価格の高騰及び部材調達の逼迫化等の懸案要因はあったものの、グローバルベースでの製造業の設備投資需要は昨年度同様に堅調に推移いたしました。
このような状況の中、当社グループにおいては、ソリューション提供力のより一層の強化とデジタル関連・自動車関連・工作機械・ロボット業界等を中心にグローバルベースでさらに拡大している需要、市場要求に柔軟に対応することによって、主力のHMI事業・安全防爆事業を中心に売上が増加した結果、対前年同期比で、売上高・営業利益ともに大幅な増収増益となりました。
内訳としては、国内売上高は345億1千9百万円(前年同期比11.7%増)となり、海外においても、中国上海でのロックダウンによる影響もごく一時的なものにとどまり、全エリアにおいて大幅な増収となり、為替の円安効果も加わって海外売上高は493億4千9百万円(前年同期比23.7%増)となりました。これにより、当連結会計年度の連結売上高は838億6千9百万円(前年同期比18.5%増)となりました。
利益面においては、増収効果とともに売価の適正化も順調に進み、原材料価格高騰の影響も克服して、売上総利益率は前年同期比で上昇し、さらには販売費及び一般管理費の水準適正化による販売管理費比率の低減効果と円安による増益効果もあって、営業利益は前年同期に比べ、43億8千8百万円増益の140億6千万円(前年同期比45.4%増)、経常利益は前年同期に比べ、40億5百万円増益の144億3百万円(前年同期比38.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ、22億4千8百万円増益の101億4千4百万円(前年同期比28.5%増)となりました。
以上による当連結会計年度における経営成績は以下のとおりです。
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2022年3月期 |
2023年3月期 |
比較増減 |
増減率 |
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売上高(百万円) |
70,789 |
83,869 |
+13,079 |
+18.5% |
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売上総利益(百万円) |
30,310 |
37,376 |
+7,066 |
+23.3% |
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売上総利益率(%) |
42.8 |
44.6 |
+1.7 |
- |
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営業利益(百万円) |
9,672 |
14,060 |
+4,388 |
+45.4% |
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営業利益率(%) |
13.7 |
16.8 |
+3.1 |
- |
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経常利益(百万円) |
10,398 |
14,403 |
+4,005 |
+38.5% |
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親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) |
7,896 |
10,144 |
+2,248 |
+28.5% |
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(為替レート) |
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米ドル平均レート(円) |
112.40 |
135.51 |
+23.11 |
- |
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ユーロ平均レート(円) |
129.91 |
138.15 |
+8.24 |
- |
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人民元平均レート(円) |
17.51 |
19.75 |
+2.24 |
- |
セグメントごとの経営成績に関しては、次のとおりであります。
①日本
日本においては、昨年度に引き続き半導体関連・自動車関連・工作機械・ロボット業界等の需要が堅調に推移し、主力製品を中心に市場要求に的確に対応した結果、売上高は前年同期に比べ、49億9千9百万円増収の390億4千5百万円(前年同期比14.7%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、22億1千2百万円増益の70億4千5百万円(前年同期比45.8%増)となりました。
②米州
北米地域においても、高水準での需要が継続するとともに為替の大幅な円安効果もあり、売上高は前年同期に比べ、42億5千5百万円増収の158億1千5百万円(前年同期比36.8%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、14億3千4百万円増益の29億7千4百万円(前年同期比93.1%増)となりました。
③EMEA
欧州も、日本及び米州同様、制御用操作スイッチなど主力のHMI事業の売上が増加した結果、売上高は前年同期に比べ、13億6千5百万円増収の133億5百万円(前年同期比11.4%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、1億3千1百万円増益の7億6千8百万円(前年同期比20.7%増)となりました。
④アジア・パシフィック
アジア・パシフィック地域においては、中国上海におけるロックダウンによる影響は限定的で前年同期比増収を確保し、他のアジア地域の需要も堅調であったことから、主力製品であるHMI事業の制御用操作スイッチやインダストリアルコンポーネンツ事業の制御用リレーの売上が大幅に増加した結果、売上高は前年同期に比べ、24億5千9百万円増収の157億3百万円(前年同期比18.6%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、9億5百万円増益の34億3千8百万円(前年同期比35.8%増)となりました。
また、製品種類別の売上高については、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、製品種類別の区分を一部変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の 数値を変更後の製品種類区分に組み替えた数値で比較しております。
①HMI事業
グローバル全地域において、昨年度に引き続き設備投資需要に支えられた結果、売上高は前年同期に比べ、48億7千4百万円増収の357億6千万円(前年同期比15.8%増)となりました。
※HMI(Human Machine Interface:人と機械が触れ合う環境)の核となる、「制御用操作スイッチ」や「ジョイスティック」、「表示灯」、「プログラマブル表示器」などの製品群です。
②インダストリアルコンポーネンツ事業
主力市場である米州及び中国市場での制御用リレーの売上が増加した結果、売上高は前年同期に比べ、18億5千1百万円増収の154億7千6百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
※機械や生産ラインなどを制御・操作するための制御盤の中に組み込み、機械・装置の制御部分の基礎として使用される、「スイッチング電源」や「端子台」、「制御用リレー/ソケット」、「サーキットプロテクタ」などの製品群です。
③オートメーション&センシング事業
日本、米州及びEMEAにおいて、依然としてプログラマブルコントローラの需要が堅調であった結果、売上高は前年同期に比べ、18億6千1百万円増収の103億2千7百万円(前年同期比22.0%増)となりました。
※産業現場や暮らしの様々なシーンにおける機器の自動化に貢献する各種製品、機械・装置の頭脳の役割をする「プログラマブルコントローラ」やリテールや、物流分野など様々な分野で活用されている「自動認識機器」などの製品群です。
④安全・防爆事業
日本及び中国を中心に安全関連機器の需要が大幅に伸長していることを背景に、売上高は前年同期に比べ、35億7千5百万円増収の162億8千2百万円(前年同期比28.1%増)となりました。
※産業現場の安全を守る「非常停止用押ボタンスイッチ」や「安全スイッチ」、「イネーブル装置」といった「安全関連機器」に加え、石油・化学プラントなど、爆発性のガスが存在する現場での事故を未然に防ぐ「防爆関連機器」などの製品群です。
⑤システム
日本において引き続き、半導体製造設備・物流関連設備等の制御盤の売上が堅調で、売上高は前年同期に比べ11億5百万円増収の48億4千8百万円(前年同期比29.5%増)となりました。
※顧客ニーズに合わせてIDECの製品をシステム化して提供する「各種システム」、安全関連機器・安全技術を組み合わせて最適なシステムを構築する「協働ロボットシステムソリューション」などの製品群です。
⑥その他
日本におけるその他システム関連製品の需要が減少した結果、売上高は前年同期に比べ、1億8千8百万円減収の11億7千4百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
※メガソーラーや太陽光発電用電力マネジメントシステムをはじめとする「再生可能エネルギー事業」に加え、太陽光併用型農業プラントのトータルソリューションを提供する「次世代農業ソリューション」、幅広い分野での応用研究が進んでいる「ウルトラファインバブル(微細気泡)発生装置」などの事業や製品群です。
(2)キャッシュ・フローの状況
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前連結会計年度(百万円) |
当連結会計年度(百万円) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
9,652 |
7,009 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,386 |
△3,110 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△8,578 |
△4,403 |
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現金及び現金同等物に係る換算差額 |
507 |
369 |
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現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
194 |
△133 |
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現金及び現金同等物の期首残高 |
15,009 |
15,203 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
15,203 |
15,070 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、70億9百万円の収入(前年同期は96億5千2百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等を51億9千3百万円納付、棚卸資産が44億7千1百万円、売上債権が14億7千7百万円増加した一方で、税金等調整前当期純利益を144億1百万円、減価償却費を35億4千4百万円計上したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、31億1千万円の支出(前年同期は13億8千6百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得により29億2千4百万円、定期預金の預入により4億6百万円を支出したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、44億3百万円の支出(前年同期は85億7千8百万円の支出)となりました。これは主に、借入の返済により7億5百万円、配当金の支払いにより36億2千8百万円を支出したことなどによるものです。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
46,588 |
125.5 |
|
米州 |
1,865 |
103.4 |
|
EMEA |
14,986 |
120.5 |
|
アジア・パシフィック |
16,378 |
131.5 |
|
合計 |
79,818 |
125.1 |
(注)金額は、販売価格によっております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 |
受注残高 |
||
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
34,510 |
74.5 |
13,514 |
74.9 |
|
米州 |
15,763 |
107.7 |
4,972 |
98.2 |
|
EMEA |
15,114 |
101.4 |
8,975 |
133.8 |
|
アジア・パシフィック |
12,161 |
65.4 |
4,085 |
50.8 |
|
合計 |
77,550 |
82.1 |
31,547 |
83.3 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
39,045 |
114.7 |
|
米州 |
15,815 |
136.8 |
|
EMEA |
13,305 |
111.4 |
|
アジア・パシフィック |
15,703 |
118.6 |
|
合計 |
83,869 |
118.5 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、見積りによる収益・費用の計上を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる方法により見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、不確実性を含んでおり、見積りによる数値とは異なる場合があります。
特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①棚卸資産
当社グループは、連結会計年度末時点において簿価と市場価格の状況を検討し市場価格が下回る場合は評価損を計上しております。実際の市場価格が当社グループの見積りより変動した場合、計上した評価損の過不足が生じる可能性があります。
また、従来より、一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げており、在庫実態に変化が生じた場合には、同様に棚卸資産の簿価を切り下げることとなります。
②貸倒引当金
当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しておりますが、債権先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる場合があります。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期に法人税等調整額として計上いたします。
④退職給付費用
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合及び今後この前提条件が変化した場合には、変化した年度以降の退職給付費用が大きく増減する場合があります。
⑤固定資産の減損損失
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準における資産のグルーピング方法として、工場その他の事業用施設等については、継続して収支を把握している単位かつ独立したキャッシュ・フローを生み出す単位で、遊休資産については、当該資産単独で区分する方法を採用しており、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、又は遊休状態で今後も使用する見込みがない場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
⑥のれん及び商標権・顧客関連資産
当社グループは、のれん及び商標権・顧客関連資産に関してその効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。その資産性の評価について検討し、将来において当初想定した収益が見込めなくなった場合に、簿価の切り下げを行う可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①売上高
当連結会計年度においては、原材料価格の高騰及び部材調達の逼迫化等の懸案要因はあったものの、グローバルベースでの製造業の設備投資需要は昨年度同様に堅調に推移いたしました。
このような状況の中、当社グループにおいては、ソリューション提供力のより一層の強化とデジタル関連・自動車関連・工作機械・ロボット業界等を中心にグローバルベースでさらに拡大している需要、市場要求に柔軟に対応することによって、主力のHMI事業・安全防爆事業を中心に売上が増加した結果、対前年同期比で、売上高・営業利益ともに大幅な増収増益となりました。
内訳としては、国内売上高は345億1千9百万円(前年同期比11.7%増)となり、海外においても、中国上海でのロックダウンによる影響もごく一時的なものにとどまり、全エリアにおいて大幅な増収となり、為替の円安効果も加わって海外売上高は493億4千9百万円(前年同期比23.7%増)となりました。これにより、当連結会計年度の連結売上高は838億6千9百万円(前年同期比18.5%増)となりました。
なお、当連結会計年度における対米ドルの平均レートは、135.51円(前年同期は112.40円で23.11円の円安)、対ユーロの平均レートは、138.15円(前年同期は129.91円で8.24円の円安)、対人民元の平均レートは、19.75円(前年同期は17.51円で2.24円の円安)となりました。
②損益状況
売上原価は前年同期に比べ、60億1千3百万円増加し、464億9千2百万円(前年同期比14.9%増)となりました。これは主に売価の適正化も順調に進み、原材料価格高騰の影響も克服した結果、売上高が増加したことによるものです。販売費及び一般管理費は、26億7千7百万円増加し、233億1千5百万円(前年同期比13.0%増)となりました。利益については、主に売上高が増加したことによりそれぞれ、営業利益は前年同期に比べ、43億8千8百万円増益の140億6千万円(前年同期比45.4%増)となり、経常利益は前年同期に比べ、40億5百万円増益の144億3百万円(前年同期比38.5%増)となりました。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ、22億4千8百万円増益の101億4千4百万円(前年同期比28.5%増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産の額は、前連結会計年度末より92億7千4百万円増加し、1,042億3千5百万円となりました。これは主に、棚卸資産が50億8千3百万円、有形固定資産及び無形固定資産が17億3千2百万円、売上債権が17億1千5百万円、現金及び預金が5億1千1百万円増加したことなどによるものです。
負債の額は、前連結会計年度末より5億2千9百万円減少し、454億2千2百万円となりました。これは主に、リース債務が7億4百万円増加した一方で、未払法人税等が7億1千4百万円、借入金が7億5百万円、仕入債務が5億4百万円減少したことなどによるものです。
純資産の額は、利益剰余金が65億1千万円、為替換算調整勘定が27億2千5百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末より98億4百万円増加し、588億1千3百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より1億3千3百万円減少し、150億7千万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、70億9百万円の収入(前年同期は96億5千2百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等を51億9千3百万円納付、棚卸資産が44億7千1百万円、売上債権が14億7千7百万円増加した一方で、税金等調整前当期純利益を144億1百万円、減価償却費を35億4千4百万円計上したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、31億1千万円の支出(前年同期は13億8千6百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得により29億2千4百万円、定期預金の預入により4億6百万円を支出したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、44億3百万円の支出(前年同期は85億7千8百万円の支出)となりました。これは主に、借入の返済により7億5百万円、配当金の支払いにより36億2千8百万円を支出したことなどによるものです。
(5)戦略的現状と見通し及び今後の方針
当社グループでは、中期経営計画達成に向けて、組織再編による生産改革を推進しております。2023年4月より全社的に組織を見直し、各部門の責任者に社内外で経験を積んだ人材を新たに任命いたしました。組織再編により、各々の機能を強化できる体制をつくることで、APEMグループも含めたグローバルで購買、サプライチェーン、生産における双方向での供給や、技術交流などができるようにしてまいります。生産改革の推進により、圧倒的なコスト低減を達成し、グローバル競争力の向上を実現したいと考えております。
また、多角化する顧客ニーズや社会課題に対応するため、多様な製品を組み合わせて最適なソリューションを提案する、技術営業機能を設置いたしました。顧客の課題解決に向けたソリューション案件が増加しており、関係部門と連携を取りながら進めております。今後ともコンポーネンツ販売だけでなく、課題解決型のソリューション販売を強化することで、グローバルでの競争力向上を図ってまいります。
DXの推進は喫緊の課題の一つとなっているため、経営基盤強化のための取り組みとして、様々なシステム導入による業務効率化を推進しております。デジタルマーケティングのプロジェクトでは、全グローバル拠点で共通のプラットフォームを導入いたしました。これにより、お客さま一人ひとりにパーソナライズした、最適なコンテンツを提供できることから、商談獲得につながるプロセスの創出を進めております。2023年3月期からは、統合基幹業務システムである、ERP(Enterprise Resource Planning)基盤の構築と、SCP(Supply Chain Planning)を実現できるシステムをグローバルでの導入プロジェクトを立ち上げ、推進しております。システムの導入により、一連のビジネスプロセスを一貫して管理することが可能になり、デジタルマーケティングや、セールスフォースオートメーションなど各ツールとも相互連携することで、より効率的なオペレーションを実現し資本効率の向上も目指してまいります。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発は、主として当社とAPEMグループで行っており、各連結子会社は当社及びAPEM SASで開発されたものを製造並びに販売することを主としております。したがって、当社グループにおける研究開発活動は、主として日本とEMEAで行っております。
当社では、時代のニーズに対応した最適な製品・ソリューションを提供するために、"いつも、ずっと、みんなに新しい安心を(Pioneer the new norm for a safer and sustainable World.)"をVisionとして掲げ、機械の操作スイッチをはじめとする制御機器開発で培ってきたコア技術を活用してきました。工場などの製造現場やくらしの身近な場面において、人と機械が向き合う接点をより安全に、そして快適にするといった安全・安心・ウェルビーイングの実現と追求を目指した、技術並びに製品の開発を推進しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は
主な研究開発活動の成果を示すと次のとおりであります。
主力製品であるHMI事業では、感染症予防対策・衛生対策の一つとしてスイッチに触れたくないというニーズに応えて、不特定多数の人が操作するアプリケーション(例えばエレベーター等)や、衛生面の観点から接触操作を避けたいアプリケーション(例えばクリーンルームの入退場扉開閉スイッチや食品機械の操作)に対応した「φ22CWシリーズフラッシュシルエットタッチレススイッチ」を開発しました。当製品は保護構造IP65/67、NEMA TYPE 4X認証取得、屋外で使用可能、最大距離270mm(検出体が人の手の場合)まで検出といった特徴を持っており、これを早期に市場へ投入することで、マーケットリーダーとして市場拡大、利益及び売上拡大を図ります。加えて「φ22HWシリーズPush-in式コントロールユニット」製品に、作業者の作業熟練度に依存しない安定した品質の配線作業が簡単で短時間に配線できる機能を持つ、省工数や省スペースに優れた「表示灯丸平形」及び「1段3接点化」製品のバリエーション追加を行いました。今後労働人口の減少や知識・スキルの高い技術者の不足によりPush-inスイッチの需要はますます拡大すると予測しております。
また市販のタブレットを制御機器の操作パネルやペンダントとすることができる画面サイズ8~11インチ対応「HT3P形セーフティコマンダ」に加えて、安定した通信が可能な有線LAN接続、確実な操作が可能なメカニカルスイッチの搭載、及び情報量が豊富で高速処理が可能な13インチタブレットの取り付けを可能とした「HT4P形セーフティコマンダ」を新たに開発・発売しました。この製品は市販タブレットに安全機能(非常停止用押ボタンスイッチ、イネーブルスイッチ)を簡単にプラスすることができ、人間工学に基づいた持ち易さ、回転式グリップによる利き手を問わない操作性、USB/LAN変換器、USB-PD内蔵といった機能を保有しております。
インダストリアルコンポーネンツ事業では、端子台間を連結するための連結シャフトねじをなくした、ねじレス連結構造「BTBH-Hシリーズ固定端子台“BTB easy-stack”」を開発しました。この製品は、お客様の手元で自在に組立ができる利便性を向上、工具なしで本体を回転させ簡単に組立ができる、また感電を防止するフィンガープロテクト構造による安全保護構造(IP20保護等級)を持つ製品となります。加えて高まる制御部の小形化に対応した低背サイズ(1極タイプ:15.7mm(2極タイプ:16.5mm)×12.7mm×29.0mm(H×W×D))、高い接点定格(1極標準形:12A、1極高容量形:16A、2極標準形:8A)、各国安全規格(cUL、VDE、CQC)に対応した主力のDC電圧タイプとして「RCシリーズプリント基板用リレー」を開発し、日本、中国、米国などの市場に投入しております。
安全・防爆事業では、中国市場向けとなる「RF3V形強制ガイドリレー」を開発しました。当製品は、横幅が13mm、奥行きは4極が40mm、6極が50mmとコンパクトな設計となっており、金メッキ接点を採用した信頼性の高い接点を持ち、中国CQC認証の取得も行っております。「RF2V形強制ガイドリレー(2極)」タイプと合わせて、ターゲットとする工作機械、ロボット、半導体製造装置、各種機械に対して非常停止スイッチや安全スイッチ、リレーモジュール、セーフティコントローラ等安全製品とともにお客様に最良な提案を行ってまいります。そして「セーフティレーザスキャナSE2L形」の配線を所定のPush-in端子台に接続するだけで、強制ガイド式リレーによってロボットコントローラ用に変換された安全信号を、M12コネクタケーブルによって取り出すことが可能となる接続ターミナル「SE9Z形ロボットコントローラ接続ターミナル」を開発しました。この製品は「セーフティレーザスキャナSE2L形」のマスタースレーブ配線も省配線化する機能も持っており、省工数、高メンテナンス性だけでなく、IP65の保護構造を持つ安全制御の配線知識を補う便利なリレーターミナルとなっています。生産現場や物流現場において協調ロボットの安全基準が明確化されたこと、また自立走行ロボットを含む無人搬送システムの安全基準ISO3691-4が更新されたことにより、セーフティレーザスキャナが果たす役割がますます重要となってきており、今後の市場の拡大を見込んでおります。
また安全システムを監視・診断する安全リレーモジュールのバリエーション追加として、22.5mm幅のスリムタイプでありながら4a出力(4NO1NC)が可能な「HR6S-BAC形安全リレーモジュール」を開発しました。当製品は安全入力部の省配線を実現、配線端子部は挿抜タイプのPush-in端子、ネジ端子を選択可能となっています。
オートメーション&センシング事業では、IoTシステムの複雑な要素をゲートウェイ、無線回線、クラウドシステムといった一つのパッケージに凝縮した「SG1A形LTE通信型クラウドデータロガー」を開発しました。この製品は機械の遠隔監視に必要な機能を1つの製品にパッケージ化、プログラミング不要でIoTシステムを構築、購入後、10分でデータのモニタリングを開始といった特徴を持っており、お客様が簡単、かつ初期投資不要で、遠隔監視システム構築を実現、お客様のビジネスの効率化に貢献する製品となります。
また低コスト&省スペースを実現した1台で4種類の負荷定格に対応、重負荷と軽負荷の設備に対応、及び当社PLCと表示器との通信の親和性が高いMODBUS通信に対応した「VF1A形インバーター」を米国向け市場に開発・販売を始めました。米国市場ではエネルギー効率に対する基準や指令の導入が進んでおり、これによってインバーター市場が拡大しており、当製品と当社のPLCや表示器との親和性を高めたサンプルプログラムやインバーターの遠隔監視機能などを追加することで、付加価値の高いソリューションのユーザーへの提供を進めます。加えて「SA2E形アンプ内蔵小型光電スイッチ」のバリエーションとして「透過型」を追加開発しました。
APEMグループでは、当連結会計年度において、原材料価格の高騰や部材調達の逼迫化等、生産及びサプライチェーンにおける課題に直面したものの、14件の新製品を市場投入し、17件のカスタマーとのプロジェクトに参画いたしました。
また、革新的な研究開発施策を追求した結果、2件の特許を申請し、また、ジョイスティック事業においては、製品性能と市場への即応性を向上させる2つの新技術が生産段階へ導入されました。引き続き、原材料及び部材の標準化等に取り組みつつ、当社にて設計されたSMD LEDモジュールを活用した次世代のQシリーズ表示灯の市場投入を目指す等、グループ全体での協業もさらに強化してまいります。