第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは、接着剤、シーリング材等の製造販売業であるボンド、化学品を専門に扱う商社業である化成品、補修・改修・補強工事等を請負う土木建設工事業を行う工事事業、その他の事業において、顧客のニーズにあった製品・商品の開発や製造、サービスの提供を通じて社会およびステークホルダーの信頼に応えていくとともに、株主の皆様への利益還元を図るため、収益力の向上、企業価値の増大に努めて参ります。

 

(2) 経営環境

日本経済は、経済活動の正常化が進むことで景気は緩やかに回復し、個人消費についてもコロナ禍からの自粛傾向が弱まり、また物価高や人手不足を背景とする賃金上昇を受けて底堅く推移すると思われます。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化による資源コストのさらなる高騰や、欧米で急拡大している金融機関に対する信用不安が日本経済の回復に大きな影響を及ぼす可能性もあり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような中、ボンド事業においては、住関連分野では建設コストの増加などが影響し、住宅需要の回復が見込めず、前年同程度の住宅着工戸数になることが予想されます。一方、土木建築分野においては、ビル・マンションなどのストック市場およびインフラ市場における補修・改修・補強は堅調に推移する見込みです。また、接着剤やシーリング材に使用される原材料価格は、緩やかに調達コストが下がることが予想されるものの、エネルギーコストの上昇などにより価格の高止まりが継続していることから、先行き不透明な状況となっています。化成品事業においては、スマートフォンやパソコンなど個人消費者向け市場の減少が懸念されるものの、自動車業界や産業機器などにおいては引き続き成長が続くと予想されます。工事事業においては、国土強靭化基本計画の推進により、老朽化したインフラ整備や維持管理の需要拡大が引き続き見込まれております。

 

(3) 中期的な経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、合成接着剤「ボンド」などを製造・販売するメーカーとしてのボンド事業、化学品を扱う専門商社としての化成品事業、社会インフラおよび建築ストック市場の補修・改修・補強を目的とした工事事業を主力の3事業として、「つなげる」ことを理念とし、事業展開を図っております。

そのような中、当社グループは、2024年3月期から当社設立100周年を迎える2026年3月期を最終年度とする3ヵ年の「中期経営計画2026」を策定いたしました。この中期経営計画では、「ボンド」「化成品」「工事事業」のそれぞれが、新規開拓の強化や成長分野への注力をさらに推進し、過去最高となる売上高・営業利益を目指して参ります。

ボンド事業におきましては、住関連分野向け接着剤や土木建築用接着剤・シーリング材などのコア事業の強化だけでなく、電子電材、自動車業界などの成長市場向け製品の開発、新規開拓活動の強化に努め、事業領域の拡大を図って参ります。

化成品事業については、当社材料科学研究所が進めている自社技術を活かした製品開発を推進し、市場導入を目指します。また、成長市場である自動車、電子電機、化学工業分野への営業活動を強化し、放熱、耐熱用途商材の拡販に努めて参ります。

工事事業においては、ボンド事業が持つ補修・改修・補強用接着剤や工法、関係会社間のネットワークを活用し、橋梁などの社会インフラ、建築ストック市場における補修・改修・補強工事事業の拡大を強化して参ります。課題である人手不足については、採用強化、雇用確保の施策を検討し、事業拡大を継続できる体制構築に努めます。

また事業拡大に向けた成長投資については、生産、物流、DX関連に過去最大規模となる約150億円の設備投資を行って参ります。なお資本政策におきましては、株主還元の強化、資本効率の向上を目的に、過去最大となる約60億円の自己株式取得を計画し、「総還元性向 約60%(3期平均)」を目指して参ります。

 

「中期経営計画2026」数値目標

 

2026年3月期計画 (2023年3月期比)

連結売上高

1,408億円 (+14.1%)

連結営業利益

97億円 (+30.9%)

EBITDA

129億円 (+34.5%)

ROE

8.0%

設備投資額(3年累計)

約150億円

株主還元額(3年累計)

約120億円

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業活動の成果をあらわす経営指標として事業拡大と収益性を重視し、売上高、営業利益、営業利益率、自己資本当期純利益率(ROE)を重点経営指標としております。当連結会計年度における売上高は1,233億39百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益は74億21百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益率は6.0%(前年同期は6.4%)、自己資本当期純利益率(ROE)は13.8%(前年同期は7.7%)となりました。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

サステナビリティに関する考え方及び取組

 コニシグループは、事業活動において、経済活動、社会活動、環境活動の重要性を認識し、社会的責任を果たす経営に取り組んでおります。

 そのような中、サステナビリティに関する活動を重点課題の一つとして捉え、以下のサステナビリティ経営方針のもと、事業活動を行っております。

<サステナビリティ関連参照URL>

 https://www.bond.co.jp/sustainability/

 

(サステナビリティ経営方針)

 コニシグループの企業理念は、『誠実な行動とチャレンジ精神で、多様な「つなげる」にこだわり、新たな価値を創造することで、関わる全ての人々に安心と笑顔を提供します』です。これに則り、地球環境や社会のさまざまな課題に対する取り組みを各事業活動を通じて継続的に行い、自然環境保全や、社会との共生を実現し、中長期的な企業価値向上と持続可能で豊かな社会を未来につなぎます。

 

〇ガバナンス

 全社的なサステナビリティに関する取り組みの推進と中長期的な企業価値向上を目的に代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置しております。委員は、取締役、執行役員、委員長が認めた委員により構成しています。

 サステナビリティ推進委員会において報告、協議、承認された事項については、必要に応じて取締役会や各組織に報告し、当該報告、承認内容に関する管理・監督を行っています。

<コーポレートガバナンス参照URL>

 https://www.bond.co.jp/sustainability/corp_governance.html

 

○リスク管理

 コニシグループは、サステナビリティに関するリスクと機会の把握が、中長期的な企業価値向上に向けた重要な取り組みと位置付け、サステナビリティ推進委員会にて識別・評価・管理を行い、必要に応じて、取締役会へ報告いたします。

 

〇戦略/指標と目標

 コニシグループでは、中長期的に事業活動に影響を与える可能性があるサステナビリティに関するリスクと機会の抽出及び重要課題の特定を進めております。

 なお、人的資本(提出会社)については、次のとおりとなります。

 

 

<提出会社>

 

重要課題

戦略

指標と目標

人的資本

[人材活用]

①人材確保

②従業員満足度の向上

③従業員の教育

①中期経営計画に沿った新卒・経験者採用の実施

②従業員満足度を把握するための施策の検討

③現在実施している新入社員研修、OJTトレーナー研修、階層別研修、新任管理職研修の内容の振り返りを行い、維持・改善し、研修制度の充実を図る

①人員計画に基づき毎年30~40名程度の採用

②従業員満足度の把握

③研修時間や内容充実度の把握

[職場環境]

・社内環境整備の維持、改善

・夏季・冬季休日制度とは別に連続5日間リフレッシュ休日制度

・有給休暇の取得推進

・育児時短の取得期間の充実(子が小学校3年生が終わるまで)

・研究部門におけるスーパーフレックス制度により、研究開発の効率化を図る

・営業部門におけるエリアフリーアドレスによるコミュニケーションの充実

・カジュアルワーク制度の導入

・従業員のワークライフバランスの充実の向上

・有給休暇の月1日(年間12日)の取得を推奨

・仕事で成果を出せる環境づくり

 

3【事業等のリスク】

当社グループの事業に関する主なリスクは以下のものが考えられ、これらのリスクを低減するべく努力しております。しかし、予想を超えた事態が発生した場合は、経営成績および財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、これらのリスクだけに限定されるものではありません。なお、当該リスクにおける将来に関する記載内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 海外市場への進出に係るリスク

 当社グループは中国、東南アジア市場での事業拡大を戦略の一つとしております。販売拠点といたしましては、中国の科昵西貿易(上海)有限公司、タイのKony Sunrise Trading Co.,Ltd. およびインドネシアのPT.KONISHI INDONESIAがあります。生産拠点といたしましては、中国の科陽精細化工(蘇州)有限公司、ベトナムのKonishi Lemindo Vietnam Co.,Ltd.、インドネシアのPT.KONISHI LEMINDO INDONESIAがあります。この内、Konishi Lemindo Vietnam Co.,Ltd.およびPT.KONISHI LEMINDO INDONESIAは、現地での販売拠点を兼ねております。

 しかしながら、これら拠点での活動は、各国の法規制や金融情勢など社会的・政治的リスクをともない、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 貸倒れリスク

当社グループでは売上債権管理として与信限度の設定、担保・保証等の取付け、引当金の設定等を行い、不測の事態に対応すべく努力しておりますが、取引先の信用不安等により予期せぬ貸倒れによる損失が発生する可能性があります。特に、化成品では、取引先の大口化と回収サイトの長期化により売上債権が増加傾向にあり、予期せぬ貸倒れにより当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 原油価格の変動の影響

当社グループで製造・販売している接着剤、シーリング材等の製品は、石油化学製品を原材料として使用しているものが多く、このため原油価格変動による原材料価格の変動の影響を大きく受けます。また、化成品では主な販売商品が石油化学製品であり、販売価格、仕入価格に大きな影響が生じる可能性があります。

 

(4) 知的財産権の保護

当社グループは、他社製品との差別化のため独自の技術の開発と知的財産権の保護に努めております。しかし、第三者による当社グループの知的財産を使用した類似製品の製造販売を完全に防止できないことや、当社グループの製品が他社の知的財産権を侵害していると判断されることが生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 事故および災害

当社グループは事故および災害による製造設備の停止を防止するため、設備点検の実施、安全装置・消火設備の充実、定期的な防災訓練の実施を行っております。特に、当社では製品の安定供給のため東西2工場(滋賀・栃木)体制を取っております。しかしながら、大規模な産業事故、大規模災害等による製造設備の損壊を被ることがあります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法規制等

ボンドの主力製品である接着剤およびシーリング材には、その原料として石油化学物質を多く使用しております。今後、新たな法規制の施行や従来の法規制の強化、変更がなされた場合、法令遵守のためのコストや販売活動の制限を受け、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 製品の品質と責任

当社グループは顧客に信頼されるべく品質第一に努め、顧客第一の現場主義を重視した製品開発を行い、国際的な品質管理システムISO9001の品質管理システムに従って各種製品を設計・製造しております(2012年5月以降は自己適合宣言にて運用)。また、生産物回収費用保険・製造物責任賠償保険等に加入しておりますが、これらを超える重大な品質トラブルが発生した場合、当社グループおよび製品への信頼を損なうものであり、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 市況変動によるリスク

化成品の主な販売商品であるIT関連材、電子部品関連基材、薄膜材料等は、電子・電機産業や自動車産業の動向により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 工事事業に関連するリスク

工事事業の多くは、事業期間が長期にわたるため、将来の事業環境が大きく変化した場合、また、人身や施工対象物などに関わる重大な事故が発生した場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) その他

行動制限や隔離等を要する重度な感染症が発生した場合は、経済活動の停滞により、当社グループの事業活動や財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのような事態が発生した場合、当社グループでは緊急対策本部を立ち上げて環境の変化や当社グループへの影響を見極めながら、必要な対応策を迅速かつ柔軟に講じて参ります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立に向けて、生活の正常化が進む中、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、世界的な資源・エネルギー価格高騰の影響を受け、電力・燃料価格等の物価上昇が続き、回復は弱含みの状況となりました。今後は経済活動の正常化が進むことで景気は緩やかに回復すると予想されますが、ウクライナ情勢の長期化による資源コストのさらなる高騰や、欧米での金融機関に対する信用不安が日本経済の回復に大きな影響を及ぼす可能性もあり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような事業環境の中、当社グループにおきましては、建築・土木分野の需要が復調し、補修・改修・補強向けの売上高が、ボンド・工事事業、両セグメントともに好調に推移しました。また化成品セグメントは、自動車向けの商材が好調に推移しました。一方で原材料コストや電力・燃料価格の高騰が、全体の収益を圧迫しましたが、年度後半にかけて販売価格への転嫁が進んだことにより、回復基調となりました。

その結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。

 

 

(財政状態)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ137億26百万円増加し、1,328億74百万円となりました。

 

a. 資産

流動資産は、受取手形が18億72百万円減少したものの、現金及び預金が60億25百万円、電子記録債権が40億30百万円、商品及び製品が20億74百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ121億67百万円増の944億34百万円となりました。固定資産は、有形固定資産の機械装置及び運搬具が5億52百万円、建物及び構築物が3億31百万円減少したものの、有形固定資産の建設仮勘定が9億27百万円、投資その他の資産の投資有価証券が4億55百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ15億58百万円増の384億40百万円となりました。

 

b. 負債

流動負債は、支払手形及び買掛金が22億46百万円、未払法人税等が20億60百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ46億60百万円増の458億56百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債が3億34百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ4億80百万円増の55億36百万円となりました。

 

c. 純資産

純資産は、利益剰余金が82億85百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ85億84百万円増の814億82百万円となりました。

 

(経営成績)

当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高1,233億39百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益74億21百万円(前年同期比1.7%増)、経常利益79億27百万円(前年同期比1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、2021年8月24日公表の「固定資産の譲渡および特別利益の計上に関するお知らせ」のとおり固定資産売却益を計上したことから、100億32百万円(前年同期比95.4%増)となりました。

 

セグメントの概況は次のとおりであります。

 

a. ボンド

一般家庭用分野においては、ホームセンター向けやコンビニエンスストア向けは堅調に推移しました。住関連分野においては、建築コストが上昇傾向となり新設住宅着工戸数の持ち直しの動きは鈍く、内装工事用の販売数量は減少しました。産業資材分野においては、自動車・電子部品等に使用される弾性接着剤の販売数量が増加しました。建築分野においては、建築補修用や建築用シーリング材の販売数量は増加し、土木分野においても、表面保護・はく落防止工法が好調に推移しました。

当連結会計年度については、接着剤やシーリング材に使用される原材料価格が過去にない水準で高騰しましたが、経費削減や原価改善の取り組み、製品販売価格への転嫁が年度後半にかけて進捗し、営業利益は前年同期並みまで回復しました。

以上の結果、売上高は689億68百万円(前年同期比8.4%増)、営業利益は45億36百万円(前年同期比1.5%減)となりました。

 

b. 化成品

売上高、利益ともに、仕入商材の価格改定による影響もあり、全体的に好調に推移しました。化学工業分野においては、樹脂原料の販売が堅調に推移しました。自動車向けの商材は、半導体不足等で需要影響はあったものの、供給制約の緩和や新規採用により好調に推移しました。また、電子電機向けの商材は、供給先の生産調整もあり低調に推移しました。丸安産業㈱は、コンデンサ用商材が半導体不足の影響を受け減少しましたが、半導体製造に使用される商材は引き続き好調に推移しました。

以上の結果、売上高は346億74百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益は12億65百万円(前年同期比27.9%増)となりました。

 

c. 工事事業

工事事業においては、公共事業を中心とした社会インフラおよび建築ストック市場の補修・改修・補強工事が引き続き好調に推移し、ボンドエンジニアリング㈱は売上・利益ともに増加しました。また、2023年1月に子会社化した中信建設㈱も売上・利益の増加に寄与しました。その他の関係工事会社は、工事の受注状況は堅調であるものの、資材価格の高騰や大型工事案件を得られなかったこと等により低調に推移しました。

以上の結果、売上高は195億14百万円(前年同期比8.3%増)、営業利益は16億6百万円(前年同期比4.0%減)となりました。

 

d. その他

その他は不動産賃貸業等となります。売上高は1億82百万円(前年同期比5.7%減)、営業利益は2百万円(前年同期比82.5%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の増加額は57億54百万円(前年同期比39億61百万円増)となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローの増加額が46億6百万円(前年同期比15億91百万円減)、投資活動によるキャッシュ・フローの増加額が35億49百万円(前年同期は26億74百万円の減少)、財務活動によるキャッシュ・フローの減少額が24億76百万円(前年同期比6億53百万円増)となったことによるものです。

この結果、当連結会計年度の資金の期末残高は、前連結会計年度に比べ57億54百万円増加し、312億68百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、46億6百万円(前年同期比15億91百万円減)となりました。

これは、有形固定資産売却益が71億83百万円、売上債権及び契約資産の増加額が29億73百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が150億52百万円あったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は、35億49百万円(前年同期は26億74百万円の使用)となりました。

これは、定期預金の預入による支出が16億7百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が14億75百万円あったものの、有形固定資産の売却による収入が64億71百万円あったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、24億76百万円(前年同期比6億53百万円増)となりました。

これは、配当金の支払額が17億48百万円、自己株式の取得による支出が4億42百万円あったこと等によるものです。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

生産実績(t)

前年同期比(%)

ボンド

144,498

△1.3

化成品

工事事業

その他

合計

144,498

△1.3

(注)1 化成品はその品種が多種多様にわたり、その数量の表示が困難であるため記載しておりません。

2 工事事業およびその他については、生産実績を定義することが困難であるため記載しておりません。

 

 

② 受注実績

 当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度末

(2023年3月31日)

 

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

ボンド

化成品

工事事業

19,930

△0.4

16,062

10.3

その他

合計

19,930

△0.4

16,062

10.3

(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。

2 当社グループでは、「工事事業」セグメントの土木建設工事以外は受注生産を行っておりません。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

ボンド

68,968

8.4

化成品

34,674

8.9

工事事業

19,514

8.3

その他

182

△5.7

合計

123,339

8.5

(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

 前連結会計年度

(自  2021年4月1日

 至  2022年3月31日)

 当連結会計年度

(自  2022年4月1日

 至  2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社デンソー

15,042

13.2

17,661

14.3

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績等

(財政状態)

 当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」をご参照ください。

 

(経営成績)

 当社グループの経営成績は、当連結会計年度において売上高1,233億39百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益74億21百万円(前年同期比1.7%増)、経常利益79億27百万円(前年同期比1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益100億32百万円(前年同期比95.4%増)となりました。

 以下に、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析いたします。

 

a. 売上高および営業利益の分析

 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度より96億68百万円増加し1,233億39百万円、営業利益は前連結会計年度より1億22百万円増加し74億21百万円となりました。

 なお、当社グループでは、研究開発費を売上原価および販売費及び一般管理費として処理しております。当連結会計年度の研究開発費は16億45百万円であり、前連結会計年度と比較して2.0%増加しました。

 セグメント別の詳しい内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」をご参照ください。

 

b. 営業外損益の分析

 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度より13百万円増加し5億91百万円となりました。主な要因は、受取配当金が37百万円増加したこと等によるものです。

 また、営業外費用は、前連結会計年度より31百万円増加し85百万円となりました。主な要因は、減価償却費が14百万円、支払補償費が9百万円増加したこと等によるものです。

 

c. 特別損益の分析

 当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度より69億87百万円増加し71億85百万円となりました。主な要因は、固定資産売却益が71億40百万円増加したこと等によるものです。

 また、特別損失は、前連結会計年度より20百万円増加し61百万円となりました。主な要因は、固定資産処分損が20百万円増加したこと等によるものです。

 

d. 中期経営計画および達成状況

 当社グループは、2024年3月期から当社設立100周年を迎える2026年3月期を最終年度とする3ヵ年の「中期経営計画2026」を策定いたしました。この中期経営計画では、「ボンド」「化成品」「工事事業」のそれぞれが、新規開拓の強化や成長分野への注力をさらに推進し、過去最高となる売上高・営業利益を目指して参ります。

 ボンド事業におきましては、住関連分野向け接着剤や土木建築用接着剤・シーリング材などのコア事業の強化だけでなく、電子電材、自動車業界などの成長市場向け製品の開発、新規開拓活動の強化に努め、事業領域の拡大を図って参ります。

 化成品事業については、当社材料科学研究所が進めている自社技術を活かした製品開発を推進し、市場導入を目指します。また、成長市場である自動車、電子電機、化学工業分野への営業活動を強化し、放熱、耐熱用途商材の拡販に努めて参ります。

 工事事業においては、ボンド事業が持つ補修・改修・補強用接着剤や工法、関係会社間のネットワークを活用し、橋梁などの社会インフラ、建築ストック市場における補修・改修・補強工事事業の拡大を強化して参ります。課題である人手不足については、採用強化、雇用確保の施策を検討し、事業拡大を継続できる体制構築に努めます。

 また事業拡大に向けた成長投資については、生産、物流、DX関連に過去最大規模となる約150億円の設備投資を行って参ります。なお資本政策におきましては、株主還元の強化、資本効率の向上を目的に、過去最大となる約60億円の自己株式取得を計画し、「総還元性向 約60%(3期平均)」を目指して参ります。

 

「中期経営計画2026」数値目標

 

2026年3月期計画 (2023年3月期比)

連結売上高

1,408億円 (+14.1%)

連結営業利益

97億円 (+30.9%)

EBITDA

129億円 (+34.5%)

ROE

8.0%

設備投資額(3年累計)

約150億円

株主還元額(3年累計)

約120億円

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

b. 資金需要および財務政策

 当社グループは、資金需要を満たすための資金として、原則として手元資金および営業活動によるキャッシュ・フローを財源としております。また、当社および国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、当社グループ内の余剰資金を当社へ集中し、資金の有効活用を図っております。

 2024年3月期から2026年3月期についての設備投資は、「中期経営計画2026」に記載のとおり、生産能力の増強や生産効率の向上、DXの強化を目的に、3年累計で約150億円を見込んでおります。また株主還元については、株主還元の強化、資本効率の向上を目的に、連結配当性向30%以上の維持と過去最大となる約60億円の自己株式取得を計画し、「総還元性向 約60%(3期平均)」を目指して参ります。M&A投資については、事業拡大、グループ経営の相乗効果の最大化に寄与するM&Aを積極的に行っていく予定であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

販売系列または提携

契約会社名

相手先

国名

系列または提携内容

契約期間

コニシ株式会社

(提出会社)

東亞合成株式会社

日本

東亞合成株式会社が生産する釣り用以外の家庭用シアノアクリレート系瞬間接着剤の日本における独占的販売権。

1993年4月1日より1994年3月28日まで以後当事者間に異議がない場合1年毎自動延長

 

6【研究開発活動】

当社グループでは『生産者が一万本作った商品でも、お客様には買った一本が全て』の品質方針のもと、顧客や社会のニーズに応えるトップ製品の開発に注力しております。

当社では、既存分野での接着剤、建築用シーリング材等の製品開発を継続しているほか、新分野での製品開発や海外関係会社向けの製品開発も積極的に推し進めました。また、材料科学研究所では、接着剤にとらわれず、新分野、新素材の研究を進めております。環境対策面では、引き続き製品個々の環境対策に取り組んでおります。

セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

なお、研究開発費については、材料科学研究所で行っている各セグメントに配分できない研究費用183百万円が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,645百万円となっております。

 

(1) ボンド

当社の研究開発は、『競合に打ち勝つ技術構築と市場に選ばれる新製品の開発』を基本姿勢とし、浦和研究所・大阪研究所・材料科学研究所を中心に行っております。浦和研究所・大阪研究所では、一般家庭用、工業用および土木建築用の接着剤や補修材、工業用および建築用シーリング材、両面粘着テープ、自動車用離型剤並びに業務用のワックス・洗剤等の研究開発を行っております。

当連結会計年度において、工業用接着剤の分野では、住宅・建材業界、電子・電機業界、自動車業界、包装資材業界向けに、また、土木建築用接着剤、建築用シーリング材の分野では、土木補修・建築補修業界向けに、その他の分野でもそれぞれの業界向けに新製品の導入や新規用途の開発を積極的に進めました。

いずれの分野においても当社製品のシェアを拡大するために、継続的な製品の性能向上や生産性改善にも積極的に取り組みました。

以上の結果、当事業に係る研究開発費は1,447百万円となりました。

 

(2) 化成品

特記すべき事項はありません。

 

(3) 工事事業

工法の試験等を行っており、当事業に係る研究開発費は15百万円となりました。

 

(4) その他

特記すべき事項はありません。