第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  当社は、2019年5月9日開催の取締役会において、第三者割当による優先株式発行及び資金の借入に関して決議し、三菱商事㈱及び㈱三菱UFJ銀行との間で、同日付で再生支援の枠組みについての基本合意書及び三菱商事㈱との間で株式引受契約書を締結し、財務及び事業基盤の強化を実現するとともに、新たな中期経営計画「再生計画~再生と未来に向けたビジョン~」を策定しました。その後の脱炭素化社会・水素社会への移行の加速、LNG(液化天然ガス)を含む低炭素エネルギー及び再生可能エネルギーの更なる普及といった当社を取り巻く事業環境の大きな変化や、そのような変化を捉えた重要顧客の戦略見直し及び当社にとっての新たな市場での成長機会に鑑みて、2021年5月7日

 開催の取締役会において当該計画をアップデートしました。

  複雑な制約・課題に対し最適なソリューションを提供する柔軟性、設計を最適化し高い品質を保証するEPC(設計・調達・建設)遂行力、及び基礎研究力とEPC知見を融合する新技術の社会実装力という創業以来の実績に裏打ちされた当社グループの強みを活かして、複雑化する社会・顧客の課題に応えていきます。具体的には、「低炭素・カーボンリサイクル事業」「水素事業」「エネルギーマネジメント事業」「ライフサイエンス事業」という4つの主要事業領域とDX分野にて事業の伸長や継続型事業を創出・強化することで事業ポートフォリオを革新し、既存事業と新規事業の利益比率を2030年までに50:50とすること、及びそれらの推進により連結純利益300億円以上を稼ぐ収益構造に変革を遂げることを目指しています。

  また、「エンジニアリング会社の最大の財産は人財であり、その高度化・拡充は成長に向けた原動力となる」という考えのもと、当社グループは人的資本経営の取組みを推進しています。再生計画の早期達成及び統合事業戦略の実現に向け、上記4つの主要事業領域で活躍することができる「①人財の高度化・拡充」、DXビジネス&DX業務改革を推進する「②デジタル人財の育成」、事業を下支えするインフラとしての「③健康増進や多様な人財が活躍できる組織風土作り」の3点を、人的資本経営における重要課題として確実に取り組んでいます。

 

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  この長期目標に向けて、既存EPC事業の確実な遂行と収益の確保、新規EPC事業における優良案件の採り上げと収益の積み上げを目指すとともに、新規事業の着実な種まきとその成長を狙い、様々な取組みを進めています。また、

 財務基盤の強化については、EPC事業におけるリスク管理の徹底、事業ポートフォリオの革新の加速、リソース配分の

 最適化、固定費の適切なコントロールにより、安定的な収益基盤を拡大させることで、収益の積み上げと共に資本を

 充実させていきます。

 

 当社を取り巻く事業環境の変革に的確に対応するためには、本部組織間の有機的な横連携が必要となります。

再生計画達成と未来に向けたビジョンを加速させる施策として、以下「事業系戦略委員会」を整備し、横断的な

横連携を強化、事業戦略の深化による企業価値向上を目指しています。

 

「統合戦略委員会」

 各本部の事業計画・要員計画の見直しを定期的に行い、最新の内部環境、外部環境を踏まえたうえで、全社最適の

 観点から人的・財務的リソース配分案を策定する。

「脱炭素ビジネス推進委員会」

 脱炭素ビジネスの開発・拡張・収益化に向けた戦略の策定・実行を担う。

「プロジェクト競争力強化委員会」

 EPC事業の業務プロセス革新、デジタル活用を通じた競争力強化を図る。

 

「人財開発委員会」

 人財開発を全社的に強力に取り進めることを目的とする。

 

 一方、当社グループが企業価値向上と中長期的な成長の持続を達成するためには、経営の健全性や透明性を担保するガバナンスの強化が求められています。当社においては、ガバナンスの更なる強化を目的に、以下の役割を担う

任意委員会を設置し、全社横断的にガバナンス議論を醸成し、経営へ報告を行う体制を構築しています。

 

「内部統制委員会」

 法令に従い、業務の適正を確保するための内部統制システムの整備・運用を行う。

「コンプライアンス委員会」

 コンプライアンスに関する意見収集や指示等の役割を担う。

「SQEIマネジメント委員会」

 安全・品質・環境・情報セキュリティに関する業務プロセスの継続改善を行う。

「サステナビリティ委員会」

 サステナビリティにかかわる重点課題を検討・議論を通じて同定し、事業戦略反映を行う。

 

 再生計画の最終年度となる2023年度は、これまでの5年間の振り返りを行います。リスク管理体制の高度化やプロジェクト遂行管理力の強化などに取り組んできた成果を取りまとめ、そのうえで、「社会の“かなえたい”を共創

(エンジニアリング)する」を念頭に、既存事業の着実な進歩と新規事業の加速により、事業ポートフォリオの革新を

進め、安定的な収益基盤の確立、企業価値向上を目指し、新たな中期経営計画を策定していきます。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

■当社グループの取組み方針

 当社グループは、70年を超える歴史の中で研鑽を重ねた高度なエンジニアリングの技術力をベースに「技術力・社会実装力」、「ソリューション提案力」、「プロジェクトマネジメント力」、「顧客との信頼構築力」といった独自の強みを武器に、広く社会への貢献、グローバルな課題の解決に取り組んできました。

 

 当社グループの経営理念である「エネルギーと環境の調和」のもと、全社員が企業活動に従事し、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会など、すべてのステークホルダーから信頼され、共感していただける企業グループ経営を目指し、時代の変化を捉えて着実に歩みを進めてきました。そのうえで、当社が掲げる「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」を念頭に、主要事業である「エンジニアリング事業」を更に深化させるとともに、当事業を通じ、社会が要求するあらゆる課題に対し真摯に取り組み、解決していくことを目指します。

 

■当社グループの共有する価値観

 当社グループは、今から17年前の2006年に“ESG”(Environment, Social, Governance)視点を意識した「千代田グループのCSRバリュー」(以下5項目)を策定しました。当時から、社員一人ひとりが自らの果たす使命を認識し、その時代における社会からの要求事項を真正面から捉え、当社グループの持続的成長の実現とともに、企業価値向上に向け、確実に取り組んで参りました。

 

 <千代田グループのCSRバリュー>

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■リスク管理(マテリアリティの位置付け及び特定について)

 事業環境が大きく変革を遂げる中にあっても、「千代田グループのCSRバリュー」で掲げた3点“Value2:環境への取組み(気候変動対応)”“Value3:社会への貢献(人的資本経営)”“Value4:人の尊重(人権尊重)”を、現在も当社グループが解決すべき重要課題として同定し、創業以来培ってきた高度なエンジニアリングを駆使し、着実にその取組みを推進しています。

 これらの重要課題として認識する3点『気候変動対応』『人的資本経営』『人権尊重』に絞って、「(1)気候

変動への対応」以降に説明します。

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■ガバナンス(サステナビリティ推進体制)

 我が国が目指す2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けた脱炭素社会への移行が加速する今こそ、経営理念に掲げる「エネルギーと環境の調和」を更に深化させるとともに、事業ポートフォリオを着実に革新し、持続可能な社会の発展に貢献することを通じて、企業価値の向上を図ることこそが私たちのサステナビリティであると考えています。

 当社グループにおけるサステナビリティの更なる深化を目指し、企業価値向上とともに、持続可能な成長達成に向けて、CSO(Chief Sustainability Officer、代表取締役社長が兼務)を委員長とするサステナビリティ委員会を2022年4月に設立しました。サステナビリティを経営の中枢に据え、中長期視点からESGテーマである気候変動

対応、人権・サプライチェーンマネジメント、Diversification、健康経営等に係る取組みを、サステナビリティ

委員会にて集中的・継続的に議論を行っています。サステナビリティ委員会は代表取締役社長の諮問機関とし、

原則年2回開催、当委員会にて審議した内容を取締役会に報告し、取締役会が適切に監督を行うための体制を構築

しています。

 

 2022年度主な活動内容:サステナビリティ委員会 6月、3月の2回開催

            サステナビリティ協議会 5月、8月、11月、2月の4回開催

 

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 *1 統合戦略委員会:

   各本部の事業計画・要員計画の見直しを定期的に行い、最新の内部環境、外部環境を踏まえたうえで、全社

   最適の観点から人的、財務的リソース配分案を策定する。

 *2 脱炭素ビジネス推進委員会:

   脱炭素ビジネスの開発・拡張・収益化に向けた戦略の策定、実行を担う。

 

(1) 気候変動への対応

■気候変動対応に関する考え方及び取組み

 「エネルギーと環境の調和」を経営理念に掲げ、創業以来グローバルな社会課題の解決に取り組んできた当社にとって、気候変動は重要な経営課題の一つであり、その解決に向けた脱炭素・循環型社会の実現は当社グループの意義といえます。水素事業をはじめとした、脱炭素・低炭素技術を推進し、社会が目指すカーボンニュートラルの実現、循環型社会の実現のために当社グループが貢献できることを検討・策定し、事業戦略に反映していきます。特に、脱炭素社会への社会的要請が高まる中、GHG(温室効果ガス)排出量の削減が社会全体の重要な課題となっており、課題解決に向け、顧客をはじめとしたステークホルダーとともに取り組んでいくことが我々に求められた

使命と受け止めています。

 また、当社グループは2022年4月1日付で、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けた、「カーボン

ニュートラル宣言」を公表しました。当社グループが持つ高度な技術力と社会実装力、更にはデジタル革新技術をもとに“削減”と“貢献”の両輪で脱炭素・循環型社会の実現に貢献することを目指します。

 

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 参考:CHIYODA Report 2022 カーボンニュートラル宣言(13ページ)

    https://www.chiyodacorp.com/ir/CR2022_J_3.pdf

 

■対応方針

 当社グループにとって、地球環境や人間・企業活動に重大な影響を及ぼす「気候変動」は、リスクであると同時に、新たな事業機会をもたらすものと考えています。「エネルギーと環境の調和」という経営理念に沿って、

グローバルな課題解決に取り組んできた歴史の中で、「気候変動」対応は、当社が掲げる「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」とも密接に繋がっている重要な経営課題の一つです。SDGsやパリ協定で示された国際的な目標達成への貢献を目指し、当社グループ各社と確りと連携を取りつつ、政府・企業・業界団体等の

幅広いステークホルダーとの協働を通して、本課題に取り組んでいきます。また、当社は気候関連財務情報開示

タスクフォース(TCFD)を支持するとともに、TCFDに沿った情報開示の拡充に取組んでいきます。

 

■リスク管理

 2022年4月に設立したサステナビリティ委員会の枠組みのもと、気候変動を含む様々なリスク及び機会の評価を行うとともに、GHG排出量管理について、社内関連部署の横連携により設定した目標の達成に向けての取組み推進

及び、その進捗状況の管理に努めていきます。

 

■ガバナンス

 前述「■ガバナンス(サステナビリティ推進体制)」に記載のとおりです。

 

■戦略

 気候変動により平均気温が上昇することはグローバルに事業を行う当社にとっては大きな脅威であると同時に、高度なエンジニアリングの技術力を駆使することで、新たな事業創造の機会にも通じるものと認識しています。当社は2019年にTCFDに賛同し、グローバル規模での気候変動リスク・機会のシナリオ分析を実施しました。不確実性の高い気候変動について、2040年社会(当時は20年後社会における主なリスクと機会分析を実施)を当社事業の視点から、2℃、4℃の世界でシナリオ分析し、リスク対応・機会の獲得に向けての対応策の方向性を検討しました。

 

 <主なリスクと機会>

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 世の中は1.5℃~2℃シナリオに向かっていく中、2022年に発生したロシアによるウクライナ侵攻に伴う、世界各国によるロシアへの経済制裁に端を発したエネルギー需給のひっ迫など、当社の主要事業である「エンジニア

リング業」が直面する気候変動によるリスク対応・機会の獲得は新たな局面を迎えていると認識しています。

 

 このような状況を受け、2021年に公表した再生計画アップデートにて、2℃シナリオをベースとした「事業ポートフォリオの革新」を掲げ、2030年のありたい姿として、既存分野と新規分野の収益比率を「50:50」とすること

を目標に、技術による脱炭素・低炭素社会、循環型社会の実現に向けて、着実に貢献を果たしていきます。

 

 また、2030年のありたい姿の達成のために、以下4つの事業領域とデジタルトランスフォーメーション(DXビジネス)で、「エンジニアリングの新たな価値」を創出し、事業ポートフォリオの革新を実現するとともに、複雑

化・高度化する社会・顧客の課題に応え、来たるべきカーボンニュートラル社会の達成に貢献していきます。

 

<事業領域>

① 低炭素・カーボンリサイクル事業

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② 水素事業

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③ エネルギーマネジメント事業

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④ ライフサイエンス事業

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⑤ デジタルトランスフォーメーション(DXビジネス)

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 なお、2019年に実施したシナリオ分析については、昨今の世界情勢等環境変化のスピードが著しく早いことから、気温上昇の前提条件などを見直し、2023年度以降に改めて実施することを検討しており、その結果を有価証券報告書にて適宜開示する予定にしています。

 

■指標及び目標

 2030年に向けた中期目標とともに、2050年に向けた長期目標を策定し、その達成に向け鋭意取り組んでいきます。環境への取組みに関する過年度の定量データについては、CHIYODA Report 2022「データセクション/ESGデータハイライト」(74、75ページ)に掲載のとおりです。

 

 参考:当社ホームページ カーボンニュートラル宣言

    https://www.chiyodacorp.com/jp/csr/environment/carbonneutral.html

 

(2) 人的資本経営

 当社グループの最大の財産は人財であり、その高度化・拡充は成長に向けた原動力です。4つの事業分野(注1)とデジタルトランスフォーメーション(DX)で「エンジニアリングの新たな価値」を創出し、事業ポートフォリオの革新を実現することを目指す当社では、以下3点をマテリアリティとして人的資本経営を進めています。

 

 (注)1 4つの事業分野:低炭素・カーボンリサイクル、水素、エネルギーマネジメント、ライフサイエンス

 

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■戦略

<人財の高度化・拡充>

① 推進体制

 当社の「人財のカテゴリ(職種)」を4つに定め、夫々の職種ごとに計画的・効率的な人財開発を進めていくというコンセプトに基づき、2020年9月に4名の人財育成担当者としてHRO(Human Resources Officers)を、全社の最高人事責任者としてCHRO(Chief Human Resources Officer)を置きました。HROは、全社から部長相当の人財を任命し、事業本部・機能本部を跨いだ「人財の高度化・拡充」を推進しています。

 2022年4月には、経営諮問会議の下部機関としてCHRO(現在は人事・DX本部長が兼任)を委員長、全本部長を委員とする人財マネジメント委員会を設立しました。事業分野ごとの事業計画達成と事業ポートフォリオ革新を実現するために必要な人財配置・組織機能・プロジェクト遂行体制等に関する議論を行い、本部を跨いだ人財の配置、外部からの人財の採用、人財の育成戦略を策定しています。

 

② HROの役割

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 参考:CHIYODA Report 2022 人財が価値を創る(46~49ページ)

    https://www.chiyodacorp.com/ir/CR2022_J_3.pdf

 

③ 人財開発の基本的な考え方

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④ 業務遂行力を強化する取組み

 当社がこれまで培ってきた「人財の独自の強み」を更に発展させ、「卓越した専門能力」と「自ら社会課題を特定し、その社会課題の解決まで完遂する力(課題設定・完遂力」の強化に注力しています。

 

「卓越した専門能力」:2022年度に「卓越した専門能力」を持つ人財をフェローとして登用する制度を設け、「既存事業分野」、新規事業分野の「水素事業」及び「ライフサイエンス事業」からそれぞれ1名ずつ計3名をフェ

ローに登用しました。フェローには、当社事業戦略をリードするだけではなく、社員一人ひとりのロールモデルとなることを期待しています。また、フェローの拡充を目指し、フェロー候補となる人財群19名の選抜も行っています。

「課題設定・完遂力」:初任管理職層である30代前半の社員を中心に「アクションラーニング型の研修」を2021年度から展開しており、2022年度は50名が参加しています。2023年度以降は対象者を拡大する予定です。

 

⑤ 組織経営力を強化する取組み

 事業ポートフォリオの革新に向け「組織経営力(組織と人財を維持・発展させる力)」を持ったリーダーが不可欠であると考えています。「組織経営力」の強化については、「早期に組織運営を実践すること」を重視しており、同一ポジションへの滞留年数に上限を設け交代を促進し、課長相当以上への昇格に年齢は問わず、実際の登用に当たっては、HROを中心として事業本部・機能本部を跨いだ議論を実施し、登用を決定しています。結果として、30代の部長や40代のグループ会社社長等、若いリーダーが誕生しています。また、世代を問わず「高いレベルの役割・目標」を任され、それらを担う人財に対しては、手厚く処遇できる人事制度としており、新たなリーダーを生み出す基盤としています。

 加えて、課長相当以上には「組織改革や人財育成に特化した評価(組織経営力評価)」を実施することで、継続的に組織経営力の伸長を目指してもらうとともに、上司・同僚・部下からマネジメント行動に対するコメントの機会(360度観察と呼称)を設け、自身の組織経営力の伸長に向けた内省の機会とするとともに、風通しの良い組織となるよう環境整備を進めています。

 

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 会社主導の施策のほか、ボトムアップで成長に向けた自発的な取組みも進んでいます。2020年に立ち上げられた社員の有志活動(次世代DIGGING LAB、通称:DIGLAB)では、本部の垣根を越え、新規ビジネスの検討・経営へ提案、スモールスタートでの実行を目指す等、自発的な組織風土への改革に大きく寄与したとして、HR Award 2022(企業人事部門)に入賞しました。

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 参考:当社ホームページ HR Awardの受賞について

    https://www.chiyodacorp.com/media/220802.pdf

 

<デジタル人財育成>

① 推進体制

 デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるため、デジタル人財の育成やDX意識・文化の醸成を図っています。当社では、CDO(Chief Digital Officer、現在はCHROが兼任)、各本部から選出されたDO(Digital Officer)、デジタル変革エバンジェリストで組織するCDO室を2021年7月に開設し、千代田DXビジョンの下、4つの基本戦略(プロジェクトデジタル変革、コーポレートデジタル変革、デジタル変革ビジネス、人財マインドデジタル変革)をベースに全社DX活動を推進しています。2022年4月からは組織体制を変更し、人事・DX本部として人財変革とデジタル変革を組み合わせ、社内の業務変革を加速しています。

 

② 具体的な取組み

 デジタル人財の育成においては、対象層を①経営層、②DX推進コア人財、③全社員に分け施策を展開しています。特に、②DX推進コア人財に向けては、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が創設・運営するAI人財の育成を目的とした資格である「E資格」の取得を奨励しており、2022年度は4名(累計19名)が取得しています。また、2022年12月には、経済産業省の「DX認定事業者」の認定を取得しています。

 

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 参考:当社ホームページ DX認定について

    https://www.chiyodacorp.com/media/20221202_j.pdf

 

<健康経営・多様な人財が活躍できる組織風土作り>

① 推進体制

 2022年4月には、人事部内に健康経営とダイバーシティを推進する専任組織を設け、当社内でのダイバーシティと健康経営に関する各種施策を推進しています。

 

② 健康経営への取組み

 2020年度からCWO(Chief Wellness Officer、現在は社長が兼任)を置き、2022年度からはCWOを議長とした健康経営推進会議を設置し、健康経営を強力に推進しています。健康に関する各種データの分析、ストレスチェックの集団分析結果を組織へフィードバックし、職場改善活動につなげるなど、実効性の高い施策を実施しました。また、2022年度の当社の総合健康リスクは83と全国平均(※100を超える場合は全国平均と比べて休職者が発生する可能性が高い)を下回る数値となっています。上記取組みにより、2023年3月には「健康経営優良法人」に3年連続(3回目)で選定されました。また、前述したDIGLABにおいては、心理的安全性を重視した社内風土変革への取組みが評価され、心理的安全性AWARD2022にてシルバーリングを受賞しました。今後は健康経営の戦略マップを策定し、PDCAを進めていきます。

 

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 参考:健康経営優良法人2023 一覧

    https://kenko-keiei.jp/1042/

    当社ホームページ 心理的安全性AWARD2022受賞について

    https://www.chiyodacorp.com/media/220531.pdf

 

③ ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)への取組み

 性別、国籍、性的指向、働き方や役割などの違いによらず、社員一人ひとりが活き活きと能力発揮できる会社を目指して取組みを進めています。2022年度は女性活躍、ベテラン層の更なる活躍、中途採用を中心として活動を実施しました。女性活躍に関しては、管理職に占める女性の割合を指標として、一般職(当社では専任職と呼称)から総合職への転換や、女性総合職の活躍支援を実施しています。その結果、2020年度は3.7%だった管理職に占める女性の割合は、2021年度は6.3%、2022年度は8.3%と順調に増加しています。また、ベテラン層向けには「自身を取り巻く環境の変化に対応する」マインドの醸成を促すキャリア研修を2022年度から実行し、2023年度以降に対象者及び内容について更に強化していく予定です。事業ポートフォリオの革新に向け、当社内だけではなく外部からの人財採用も強化しており、中途採用者数も大幅に増加しています。今後は、D&Iポリシーの策定や社員へのD&Iに関する研修を計画しています。

■指標及び目標(単体)

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 その他の「社員の状況・多様性」、「育児・介護等の休業取得者数」について、2021年度までの実績を当社ホームページで公開しています。2022年度の実績は、2023年度中の公開を予定しています。

 

 参考:当社ホームページ データ集

    https://www.chiyodacorp.com/jp/csr/data-sheet/

 

(3) 人権尊重への対応

■人権尊重への対応に関する考え方及び取組み

 企業の社会的責任として取組みの推進が国際的に求められている「人権の尊重」は、当社グループにとってリスクであると同時に、持続的な企業価値向上に資するものであると考えています。前述のとおり、当社グループは「千代田グループのCSRバリュー」の1つに「人の尊重」を掲げ、当社グループが取り組むべきマテリアリティとして、すべての事業活動の基盤となる重要な要素と位置付けて取組みを進めています。

 

■リスク管理

 委託先や調達先等のサプライチェーンを含む当社グループの事業活動のすべての過程において人権を侵害する行為や人権に関する法令の違反が発生した場合、行政罰、顧客との取引停止、社会的信頼の喪失・企業価値の毀損などにつながり、ひいては経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。企業経営に影響するリスクへ確実に対応するため、サステナビリティ委員会の枠組みのもと、関連組織が連携して人権デュー・ディリジェンスの実施や救済メカニズムの整備などの人権尊重の取り組みを推進するとともに、継続的な研修機会の実施や情報の開示等を通じ、当社グループの社員一人ひとりの人権尊重へ向けた意識向上を図って参ります。

 

■ガバナンス

 前述「■ガバナンス(サステナビリティ推進体制)」に記載のとおりです。

 

■戦略

 人権尊重の取組みとして、当社グループでは、人権方針の策定、人権デュー・ディリジェンス(注2)の実施、救済メカニズムの整備などに取り組んでいます。

 2021年度は、当社グループが人権尊重の責任を果たすことのコミットメントとして、2018年9月に策定した「人権基本方針」(https://www.chiyodacorp.com/jp/about/policy/)を、取締役会での議論を経て改定しました。この改定では、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」をはじめとする人権に関する国際規範や法令の遵守、人権

デュー・ディリジェンスの継続的な実施などについて明文化するとともに、当社グループにおける人権に関する重点課題を特定しました。また、「人権基本方針」に従い、海外の主要プロジェクトにおいて、人権デュー・ディリジェンスの一環として取引先を対象とするSelf-Assessment Questionnaireを活用したリスク評価及び軽減・是正の要請、契約書への人権尊重に係る条項の反映、工事現場の労働者(二次以降のサプライヤーを含む)が利用できる

苦情処理窓口の設置などの取組みを開始しました。

 2022年度は、「人権基本方針」で特定した人権に関する重点課題に関して、外部専門家の協力を得て、当社

グループが事業を遂行している国を中心に、国別の人権リスクマッピング及び当社グループの事業別の人権リスク評価を実施し、優先的に人権デュー・ディリジェンスに取り組むべき事業・プロジェクトの特定を行いました。

また、現時点において、「人権基本方針」で掲げている人権に関する重点課題の変更はないことを確認しました。

 当社はエンジニアリング会社として国内・海外で事業を展開している限り、サプライチェーン全体において人権侵害を可能な限り排除することを目指し、2023年度は、当該リスク評価の結果を踏まえて、人権デュー・ディリ

ジェンスの中長期的な目標・計画を設定し、対象事業・プロジェクトの拡大、プロセスの見直し・改善及び当社

グループにおける実施体制の構築に取り組みます。また、国際連合「ビジネスと人権に関する指導原則」が求める要件に照らし、被害者が効果的な救済を受けるための実効性なプロセスの構築や相談・通報制度の改善に努めて

いきます。

 

(注)2 人権デュー・ディリジェンス:サプライチェーンにおける人権への影響を特定・評価し、防止・軽減・

    是正に向けた取組みを計画・実行し、取組みの実効性を評価し、その進捗・結果について説明・情報開示

    していくために実施する継続的なプロセス。

 

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■指標及び目標

 2022年度においては、具体的な指標及び目標は設定していませんが、人権尊重への対応に関する以下のデータの把握・管理を行いました。

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(注)3 人権に対する負の影響の重大性・負の影響の及ぶ範囲・救済困難度の観点から、深刻度が高いと判断され

    るものの当社グループ及び当社グループの取引先(当社事業に関連するものに限定)における件数です。

   4 人権侵害(ハラスメントを含む)と認定した2件については、是正措置を実施し、行為者の処分を行いま

     した。

   5 当社グループ全従業員向けに、ハラスメント・ビジネスと人権・贈収賄禁止などを含むコンプライアンスeラーニングを毎年実施し、人権の尊重を定めている「千代田グループ行動規範」遵守の宣誓を取得しています。

 

 当社グループでは、上記の戦略及びリスク管理を踏まえ、今後人権に係るリスクと機会を測定するための具体的な指標及び目標を設定し、取組みを進めていきます。

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりです。

 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識したうえで、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努めています。

 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものです。

 

(a)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響

 世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、保護貿易・経済制裁・国交の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生する、或いは

顧客・パートナーの財務状況が悪化する等、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。

 当社グループでは、経済・社会情勢の変動を注視しつつ案件実現性・受注確度等を見極めながら、受注活動を

行うとともに、顧客とのリスクの最適な分担を図っています。また、顧客投資計画の突然の中止・遅延といった

事態に備えるため、受注計画には常にバックアップ案件を織り込み作成しています。加えて、斯様な業績変動に

対応するため、新規分野を中心に幅広い分野でのEPC案件のスタディ業務に積極的に取り組んでおります。

 

(b)地震等の自然災害、ウイルスによる感染症、地政学リスク、テロ・紛争等の不可抗力

 地震、地球的気候変動による大規模降雨・洪水・台風等の自然災害や、ウイルスによる感染症拡大、テロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場或いは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。

 また、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻により全世界的に地政学リスクが高まり、世界経済を巡る不確実性、経済制裁の応酬等のデカップリングの動きが更に顕在化することが懸念されます。こうした不安定な世界情勢が、顧客及びジョイントベンチャーパートナーの財務状況悪化、サプライチェーンの混乱、機器資材費

等の高騰につながり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、人命第一と安全確保を最優先に考えた常なる備えとして、危機管理セクションを設置し情報の収集・分析を行うとともに、刻々と変化する危険地域の状況を把握し、適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用するなど、危機管理組織を強化しています。有事の際には緊急対策本部を立ち上げ、顧客等関係先と迅速に情報共有するとともに、適時に適切な対応策を実施することで、これらの危機事象発生に伴う影響を最小限に留めるよう有事対応の手順を定めています。さらに、大規模地震等を想定したBCPを策定し、災害発生時には即時の安否確認・スムーズな初動対応・優先業務を立ち上げられるよう、平時から訓練を重ねることで事業継続力の向上に取り組んでいます。また、ロシア・ウクライナ情勢の影響については、最新情報を分析しつつ、

海外赴任、出張中の当社グループ社員の安全に十分配慮するとともに、他国にて遂行中の案件への影響を今後も

注視、対処していきます。

 

(c)パートナーリスク

 当社グループの事業領域では、案件の規模や複雑さ、リスクシェア等の事由により、パートナーとジョイント

ベンチャーを組成し、受注することがあります。パートナーの債務不履行や財政状態の悪化等が生じた場合は、

当社グループが契約上の連帯責任を負うため、当社グループの経営に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、協業を決定する際に、パートナー候補の財務状況等を分析するとともに、取引開始後もモニタリングを継続し、早期にリスクを発見できる体制を敷いております。

 

(d)機器資材費の高騰

 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じます。そのため、昨今のロシア・ウクライナ問題といった急激な社会情勢の変化を受けて、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されています。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。さらに、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものです。また、原油価格や保険料の上昇等により海上輸送費も大きく影響を受けます。

 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図るなどの調達先の多様化、競争環境の維持、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じています。さらに、世界的なインフレ進行による資機材・労務価格の高騰に対しても、顧客・

ベンダー・サブコントラクター等の事業パートナーやステークホルダーとの協議・交渉を通じて適切な対応を心がけています。

 

(e)工事従事者・機器資材の確保困難

 プラント建設では、建設工事に必要な工事従事者などの人的資源の確保、工事に要するインフラ確保やサプライチェーンの寸断等により、機器資材の調達が計画どおりに進まないことにより、工程遅れが生じ、その回復のために追加費用を投入する場合があります。

 当社グループでは、国内及び海外においては労働力の逼迫する国や気候の過酷な地域での工事において、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用など建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材

供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っています。

 また、新型コロナウイルス感染症以外の世界的な感染症や疫病の影響やストライキ等により工事中断を余儀なく

された場合には、顧客や現地関係機関と連携して適切な対応を取り、影響の最小化を図っています。

 

(f)気候変動による事業環境変化に関するリスク

 気候変動が社会に与える影響は地球規模であり、グローバル社会が共通して直面している最も重要な社会的課題の1つです。当社グループは、気候変動の拡大に伴う物理的リスクと移行リスクによる顧客の投資環境や事業ポートフォリオが変化することで、当社の経営及び事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があると認識しています。

 このような中、複雑化・高度化する社会や顧客の課題を的確に捉え、解決していくために、各国のエネルギー

情勢や気候変動政策の見直し、法規制等を注視、及び政府、関係官庁、顧客等のネットワークから適時・適切に

最新の情報を入手し、経営計画を策定することで対処しています。

 一方、当社グループは、気候変動を新たな事業機会としても捉えています。脱炭素・炭素循環型社会実現に

向け、水素社会への移行の加速、LNGを含む低炭素エネルギー及び再生可能エネルギーの更なる普及といった当社

グループを取り巻く事業環境の大きな変化や、重要顧客の戦略見直し、及び当社グループにとっての新たな市場

機会の成長を踏まえて、2021年5月にアップデートした中期経営計画で、2030年のありたい姿として「事業ポート

フォリオの革新」を掲げました。

 複雑な制約・課題に対し最適なソリューションを提供する最適化力、設計を最適化し高い品質を保証するEPC遂行力、及び基礎研究力とEPC知見を融合する新技術の社会実装力という創業以来の実績に裏打ちされた当社が培ってきた強みを活かして、水素社会をはじめとする脱炭素社会への移行を加速し、2050年のカーボンニュートラル

達成に貢献します。また、カーボンニュートラル貢献分野及びライフサイエンス分野の伸長や継続型事業の創出・強化の両面で既存事業と新規事業の利益比率を50:50とすること、及びそれらの推進により、連結純利益300億円

以上を稼ぐ収益構造に変革を遂げることを目指しています。

 

(g)プラント事故

 当社グループが建設中の又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災などの重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性が

あります。

 当社グループでは、このような不測の事態が発生しないよう、計画時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担にかかわる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得などによりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っています。なお、当社グループでは工事安全を確保するためのあらゆる取組みを“C-Safe”と名付け、その旗印のもと

安全文化の醸成に弛まぬ努力を注いでいます。

 

(h)為替レートの変動

 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客から受領する対価と異なる通貨で行われる場合が

あるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動の

リスクを回避し、影響を最小化するよう努めています。

 

(i)コンプライアンス違反

 国内外でプラント建設を行うに当たり、当社グループの本社・子会社・事務所及び建設施工地が所在する国々・地域の法令・規制に各々従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、若しくは疑義を持たれる行為が万が一発生した場合には、プロジェクトの遂行や事業の運営に多大な影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、これら違反の防止、疑義を持たれる事の回避のため、集合研修やe-ラーニング等の継続的な社員教育を通じ、人権尊重や贈賄疑念防止を含めて、事業遂行にかかる最新の法令・諸規制やルール等を遵守することの周知徹底を図るとともに、常に国内外の関係当局や顧客をはじめとするステークホルダーの動向をタイム

リーに把握するよう努めています。加えて、CCO(Chief Compliance Officer:チーフ・コンプライアンス・オフィ

サー)を委員長とし各組織のコンプライアンス・オフィサーを委員とするコンプライアンス委員会、及びCCOを委員長としグループ各社社長を委員とするグループ会社コンプライアンス連絡会を設置し、コンプライアンスへの対応

を確実に業務プロセスへ取り込んでいます。

 

(j)情報セキュリティへの脅威

 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に

関する秘密情報を保有しています。多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われています。重要な情報システムやネットワーク設備へのサイバー攻撃に備え、防御施策を強化しながらそのリスク低減を図っておりますが、完全なリスク回避はできるものではなく、不測の事態により、システム障害、秘密情報の

漏洩、サイバー詐欺被害、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。さらには、ロシアによるウクライナ侵攻を境に、一般企業がサイバー攻撃に巻き込まれるリスクはますます高まって

います。

 当社グループでは、本社はもとより主なグループ会社でISMS認証を取得して、定期的な教育や監査等の情報

セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。

 

(k)事業投資にかかわる損失

 当社グループは、新会社の設立や既存の会社の買収等の事業投資を行うことがあります。その事業投資において多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、

投資先の収益が当初計画どおりに上がらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の

追加が必要となる事態に直面する、などのリスクがあります。

 当社グループでは、社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行うことに加えて、損失リスクに相応する当社グループの財務許容力を慎重に見極めたうえで投資の可否を決定しています。さらに実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めています。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月22日)現在において判断したものです。

 

<経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容>

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりです。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度において、世界各国では新型コロナウイルス感染症の規制の緩和・撤廃により、経済活動に回復の兆しが見られた一方、ロシア・ウクライナ情勢の影響が長期化していることやインフレの継続などから、世界経済の先行きが不透明な状況が続いています。

 このような状況のもと、当社グループを取り巻く事業環境では、気候変動問題への対応としてカーボンニュートラルや脱炭素化社会への移行の動きが加速する一方、ロシア・ウクライナ情勢を背景にエネルギーの安定供給との両立が改めて課題となっています。

 中期経営計画「再生計画~再生と未来に向けたビジョン~」ではこうした事業環境の変化を先取りし、エネルギーの

安定供給とエネルギートランジションを支える資源として重要性が高まっているLNG(液化天然ガス)を主体とする既存事業の深化、成長分野と位置付ける再生可能エネルギー、水素、炭素循環、エネルギー運用最適化、ライフサイエンスなどの新規事業の強化、デジタルトランスフォーメーションを通じたビジネスモデルの付加価値向上を進めています。

 また、再生と未来に向けたビジョンの取組みを加速するため、当社グループはカーボンニュートラル宣言を公表しました。エンジニアリングの総合力にデジタル革新技術を活用して「2050年ネットゼロ」社会の実現に貢献していきます。

 引き続き既存事業の着実な進捗と新規事業の加速により「エンジニアリングの新たな価値」を創出し、事業ポートフォリオの革新を進め、安定的な収益基盤を確立することで、持続的な成長と企業価値の一層の向上を目指します。

 

 当連結会計年度における業績は、次のとおりです。

 

(受注工事高)

 受注工事高は、前連結会計年度比62.7%減の1,549億75百万円となりました。なお、当連結会計年度末受注残高は

1兆1,488億90百万円となりました。受注工事高の概要は、「報告セグメントであるエンジニアリング事業の分野別概況」に記載のとおりです。

 

(完成工事高)

 完成工事高は、前連結会計年度比38.3%増の4,301億63百万円となりました。完成工事高の概要は、「報告セグメントであるエンジニアリング事業の分野別概況」に記載のとおりです。

 

(完成工事総利益)

 完成工事総利益は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による世界的なインフレ等がありましたが、案件は堅調に進捗したことから、前連結会計年度の完成工事総利益227億94百万円に対し、327億9百万円となりました。また、完成工事総利益率は前連結会計年度の7.3%から0.3ポイント増加し7.6%となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症の規制緩和に伴う営業活動の活発化および成長戦略を推進するための研究開発費の増加等により、前連結会計年度に比べ23億43百万円増加し145億92百万円となりました。また、販売費及び一般管理費比率は前連結会計年度の3.9%から0.5ポイント減少し3.4%となりました。

 

(営業利益)

 営業利益は、完成工事総利益と同様の理由により、前連結会計年度に比べ75億71百万円増加し181億16百万円となりました。

 

(営業外収益・営業外費用)

 営業外収益は、海外プロジェクト資金の運用利益等により、前連結会計年度に比べ18億99百万円増加し43億57百万円となりました。また、営業外費用は、為替差損等により、前連結会計年度に比べ5億80百万円増加し21億52百万円となりました。この結果、営業外収支は22億5百万円の収益となりました。

 

(経常利益)

 経常利益は、完成工事総利益と同様の理由及び営業外収益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ88億90百万円増加し203億22百万円となりました。

 

(特別利益・特別損失)

 特別利益及び特別損失は、前連結会計年度が206億90百万円の損失超過であったのに対し、当連結会計年度は、関係会社清算益および関係会社株式売却益等の計上により5億7百万円の収益超過となりました。

 

(法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額)

 税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ300億87百万円増加し208億29百万円となりました。

 法人税、住民税及び事業税は55億11百万円、法人税等調整額は1億17百万円となり、前連結会計年度に比べ20億59百万円の増加となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ278億17百万円増加し151億87百万円となりました。

 

報告セグメントであるエンジニアリング事業の分野別概況は、次のとおりです。

 

[エネルギー分野]

(LNG・その他ガス関係)

 海外では、カタール、アメリカ、インドネシアでLNGプラントのEPC(設計・調達・建設)業務を遂行中です。年産800万トンのLNGプラント4系列の増設案件であるカタールNorth Field East LNG輸出基地案件(NFE

プロジェクト)では本設プラントの土木工事が、アメリカのゴールデンパスLNGプロジェクトでは建設工事が

それぞれ本格化し進捗しています。また、インドネシアのタングーLNG拡張プロジェクト(第3系列)は完工に

向けて最終盤を迎えています。その他ガス分野では、カタールで当社グループ会社がLNG・ガス処理プラント

の改造・改修案件に係る複数の設計業務を遂行中です。

 国内では、当社グループが建設したLNG受入基地の改造・改修工事を遂行中です。

当連結会計年度の受注工事高は607億31百万円(前連結会計年度比267.4%増)となり、完成工事高は2,423億83百万円(同51.9%増)となりました。

 

(石油・石油化学関係)

 国内では、石油会社向けに、製油所の設備更新工事、省エネやカーボンニュートラルに資する各種検討及び

耐震補強等の国土強靭化基本法対応の検討業務などを遂行中です。また、石油化学分野では機能材案件のEPC

業務を遂行中です。

 当連結会計年度の受注工事高は359億29百万円(同11.1%増)となり、完成工事高は295億51百万円(同47.9%減)となりました。

 

[地球環境分野]

(医薬・生化学・一般化学関係)

 医薬・生化学分野では、塩野義製薬㈱向け案件において、遺伝子組換えタンパク質によるワクチン原薬製造設備の増設及び付帯設備を完工しました。また、その他製薬会社向けバイオ医薬品原薬製造設備のEPC業務を

遂行中で、新たに医薬品原薬製造設備の建設も受注しました。

 当社は、シオノギファーマ㈱が設立したPharmira㈱に出資参画しており、医薬品原薬・中間体製造に関する革新的な連続生産技術を実装化する役割を担っています。また、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術

総合開発機構(NEDO)助成事業にて、産学連携で「植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の開発」を

進めています。

 一般化学分野では、顧客の廃プラスチックのリサイクル事業について基本設計業務を実施しました。

 当連結会計年度の受注工事高は267億50百万円(同34.9%減)となり、完成工事高は340億96百万円(同4.3%増)となりました。

 

 

(環境・新エネルギー・インフラ関係)

 環境分野では、インドにおける環境規制強化により石炭火力発電所への排煙脱硫設備の導入が進む中、当社

のCT-121排煙脱硫プロセスが複数の案件に活用されています。また、国内顧客向けには、石炭火力発電所向け

の排煙脱硫設備のEPC業務を完工しました。

 新エネルギー分野では、太陽光発電設備(メガソーラー)建設や木質ペレットを燃料とする国内最大級のバイオマス発電所建設に係るEPC業務を遂行中です。

 インフラ分野では、インドネシアで単一製造ラインとして世界最大規模となる銅製錬工場のEPC業務を遂行中で、建設工事が本格化しています。国内では、EPC業務を遂行していたポリプロピレン重合用触媒製造工場が

完工したほか、新規案件として先端素材工場のFEED(基本設計)業務を遂行中です。

 当連結会計年度の受注工事高は258億51百万円(92.0%減)となり、完成工事高は1,192億27百万円(同101.8%増)となりました。

 

≪脱炭素ビジネスの取組み≫

 水素・アンモニア、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)/CCU(Carbon dioxide Capture and

 Utilization)、エネルギーマネジメントの取組みは以下のとおりです。

 

(水素・アンモニア)

 水素分野では、当社の独自技術であるSPERA水素™技術の優位性を生かした水素サプライチェーンの構築に向けて、シンガポール、欧州で具体的な案件や検討を進めています。

 シンガポールでは、商用規模のクリーン水素サプライチェーン事業の実現に向けて、同国有数の総合ユー

ティリティで政府系コングロマリットであるSembcorp Industries社、三菱商事㈱と概念設計を遂行中で、

2026年に商業水素供給開始を目標としています。

 欧州では、オランダのロッテルダム港湾公社、Koole Terminals社、三菱商事㈱とともに、商業規模の水素

輸入による国際間水素サプライチェーン構築の検討を進めています。また、イギリス・スコットランドから

オランダ・ロッテルダム港への水素海上輸送プロジェクトに参画、事業化調査を実施中です。

 国内では、水素バリューチェーン推進協議会の理事会社として、社会実装プロジェクトの創出と政策支援の実現などに向けて活動しています。

 アンモニア関連分野では、当社が主幹事会社となり、NEDOのグリーンイノベーション基金事業として、産学官連携で製造コストの低減を実現する新規アンモニア合成技術の開発を進めています。また、国内における

アンモニア受入設備や水素燃料供給に関する複数の検討業務を遂行中です。

 

(CCS/CCU)

 CCS分野では、国内火力発電所の燃焼廃ガスからCO2を分離・回収・貯蔵するCCS実証設備の運転支援業務を

遂行しました。また、大規模な天然ガス火力発電所で発生する排ガスから固体吸収材を用いてCO2を分離・回収

する技術開発をNEDOのグリーンイノベーション基金事業として進めています。加えて、CO2の回収・CCSシステム設計におけるグローバルリーダーであるPace CCS社とCCS分野での協業に関する覚書を締結、CCSプロジェクトのFS(Feasibility Study)やコンセプトデザインからFEED/EPCまで幅広く展開していきます。

 東南アジアでは、インドネシア国営石油会社プルタミナ社と脱炭素循環技術の共同検討業務契約を、タイ

発電公社EGAT社とクリーン水素・アンモニア バリューチェーン検討覚書をそれぞれ締結し、両国におけるカーボンニュートラル社会への早期移行に貢献していきます。

 CCU分野では、産学官連携で、CO2の回収・資源化やCO2を原料とするパラキシレン製造の研究開発に取り組んでいます。また、アメリカBlue Planet社、三菱商事㈱との協業で、排ガス等に含まれるCO2を原料にしてコンクリート原料である骨材を製造する技術開発を推進しています。加えて、産学官連携で、大気中のCO2の回収・

資源化の研究開発も取り組んでいます。

 ドイツのINERATEC社とe-fuel製造による脱炭素化促進に向けた戦略的協業に関する覚書を締結し、同社の

最先端PtXテクノロジーを活用することで、e-fuel分野に展開していきます。加えて、CO2と水素を用いた合成燃料製造の実証プラント建設工事を受注し、遂行中です。

 

(エネルギーマネジメント)

 北海道北部風力送電㈱向け世界最大級の大型蓄電池システム建設工事を2023年3月に完工し、4月から運転を開始しました。同システムの20年間に亘る保守業務も受注しています。また、蓄電池事業においては新規

案件も順調に推進しています。エネルギーマネジメントシステム分野として、スタートアップ企業と連携して国内向けにVPP(Virtual Power Plant)事業などの取組みを強化しています。

 その他、再生可能エネルギーの効率的な活用に資する蓄エネルギー活用や地域分散型のエネルギー供給システムの構築を進めています。

 

≪デジタルトランスフォーメーション(DX)の取組み≫

 全社DXの基盤となるデジタル人財の育成やDX意識・文化の醸成等を図るとともに、プロジェクトデジタル

変革、コーポレートデジタル変革、デジタル変革ビジネスの取組みを進めています。2022年12月に経済産業省が進めるDX認定制度に基づく「DX認定事業者」に認定されました。

 プロジェクトデジタル変革では、EPC遂行管理力の進化に向けて、AWP(Advanced Work Packaging)を大型プロジェクトに順次適用しています。また、㈱Arent及び当社が共同出資した㈱PlantStreamが開発した革新的な空間設計システムは、当社グループの設計業務を改革するとともに、国内外のプラントオーナーやEPCコントラク

ターでの導入が進んでいます。

 コーポレートデジタル変革では、デジタル技術を活用したリモートワーク環境の更なる整備、リソース

計画・人財管理の高度化、ロボティックスプロセスオートメーション導入による管理業務の効率化を推進しています。

 デジタル変革ビジネスでは、プラント運転・保守ソリューションとDX事業を再編・統合し、顧客のプラント

運転・保全業務の変革を支援するソリューション事業を展開していきます。また、アメリカVisionaize社と

協業で国内外の顧客に産業設備/プラントの運転・保守業務に大きな変革をもたらす3D デジタルツインの提供を開始しました。

 

 経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項、及び、それらに対する対応については、3.事業等のリスクに記載しています。

 カタール、アメリカ、インドネシアで遂行中のLNG等のプロジェクトのほか、手持ちEPC案件を着実に遂行していくことに加え、2021年5月に公表した「再生計画~再生と未来に向けたビジョン~」のアップデートでも言及しているとおり、脱炭素社会への移行加速や石油ガス業界の急激な変革進行への対応、再生可能エネルギー分野及び医薬ライフサイエンス分野等の更なる強化、並びにデジタル徹底活用による全社事業変革を強力に推し進めていきます。

 また、当社グループは、従業員が心身ともに健康を保持して能力を最大限に発揮することが当社グループの経営理念達成や競争力の向上に不可欠であると考え、人財たる従業員を支えるため健康経営に取り組んでおり、経済産業省と日本健康会議が共同で認定する「健康経営優良法人」を2021年から3年連続で取得しています。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

 ① 受注実績

事業部門の名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

受注高

受注残高

受注高

受注残高

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

<前年同期比>

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

1 エンジニアリング事業

415,219

99.9

1,331,014

100.0

154,347

99.6

1,148,890

100.0

(100,117)

<62.8%減>

(93,065)

エネルギー

分野

(1) LNGプラント関係

15,292

3.7

914,960

68.8

55,508

35.8

811,656

70.6

(98,935)

<263.0%増>

(80,503)

(2) その他ガス関係

1,235

0.3

3,006

0.2

5,223

3.4

5,162

0.5

(△197)

<322.7%増>

(0)

(3) 石油・石油化学関係

32,352

7.8

27,188

2.0

35,929

23.2

26,655

2.3

(1,575)

<11.1%増>

(△6,911)

地球環境

分野

(4) 医薬・生化学

  ・一般化学関係

41,117

9.9

50,429

3.8

26,750

17.2

42,698

3.7

(△1,292)

<34.9%減>

(△384)

(5) 環境・新エネルギー

  ・インフラ関係

322,366

77.5

332,737

25.0

25,851

16.7

259,129

22.6

(1,015)

<92.0%減>

(19,767)

(6) その他

2,854

0.7

2,690

0.2

5,085

3.3

3,589

0.3

(81)

<78.1%増>

(89)

2 その他の事業

721

0.1

627

0.4

(   -)

<12.9%減>

(   -)

総 合 計

415,940

100.0

1,331,014

100.0

154,975

100.0

1,148,890

100.0

(100,117)

<62.7%減>

(93,065)

 

  なお、国内及び海外の受注高並びに受注残高の内訳は、次のとおりです。

国内外内訳

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

受注高

受注残高

受注高

受注残高

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

<前年同期比>

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

国   内

86,525

20.8

104,121

7.8

87,161

56.2

92,247

8.0

(82)

<0.7%増>

(△5,846)

海   外

329,414

79.2

1,226,893

92.2

67,813

43.8

1,056,643

92.0

(100,034)

<79.4%減>

(98,911)

合   計

415,940

100.0

1,331,014

100.0

154,975

100.0

1,148,890

100.0

(100,117)

<62.7%減>

(93,065)

(注)  受注残高の( )内の数字は、前連結会計年度以前に受注した工事の契約変更等による減額及び外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額の合計を加味しています。

 

 ② 売上実績

事業部門の名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

<前年同期比>

構成比(%)

1 エンジニアリング事業

310,394

99.8

429,535

99.8

<38.4%増>

エネルギー

分野

(1) LNGプラント関係

155,454

50.0

239,315

55.6

<53.9%増>

(2) その他ガス関係

4,063

1.3

3,068

0.7

<24.5%減>

(3) 石油・石油化学関係

56,670

18.2

29,551

6.9

<47.9%減>

地球環境

分野

(4) 医薬・生化学

  ・一般化学関係

32,681

10.5

34,096

7.9

<4.3%増>

(5) 環境・新エネルギー

  ・インフラ関係

59,069

19.0

119,227

27.7

<101.8%増>

(6) その他

2,455

0.8

4,275

1.0

<74.1%増>

2 その他の事業

721

0.2

627

0.2

<12.9%減>

総 合 計

311,115

100.0

430,163

100.0

<38.3%増>

 

  なお、国内及び海外の売上実績の内訳は、次のとおりです。

国内外内訳

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

<前年同期比>

構成比(%)

国   内

117,677

37.8

93,189

21.7

<20.8%減>

海   外

193,437

62.2

336,974

78.3

<74.2%増>

合   計

311,115

100.0

430,163

100.0

<38.3%増>

  (注) 1  当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していません。

       2  主な相手先別の売上実績及び総売上高に対する割合は次のとおりです。

前連結会計年度

当連結会計年度

 相手先

金額

(百万円)

割合

(%)

 相手先

金額

(百万円)

割合

(%)

カタールエナジー

75,437

24.2

カタールエナジー

146,126

34.0

ビーピー・ベラウ・エルティーディー

31,521

10.1

ピーティー・フリーポート・インドネシア

91,256

21.2

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は1,066億82百万円となり、前連結会計年度末残高より375億82百万円増加しました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。

 

営業活動による資金収支

税金等調整前当期純利益の計上に加え、未収入金の回収、運転資金負担の改善などにより、当連結会計年度における営業活動による資金収支は、441億57百万円のプラスとなりました。

 

投資活動による資金収支

ライフサイエンス事業への新規投資の一方、定期預金の払戻などにより、当連結会計年度における投資活動による資金収支は、78億89百万円のプラスとなりました。

 

財務活動による資金収支

長期借入金の新規調達の一方、返済などにより、当連結会計年度における財務活動による資金収支は、170億57百万円のマイナスとなりました。

 

② 資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは、当社が受注した国内外のプラント建設に関わる費用、販売費及び一般管理費のほか、今後の成長戦略を支えるための投資です。販売費及び一般管理費のうち主なものは、従業員給与 手当等の人件費のほか、業務委託費等です。当社の研究開発費は、研究開発に携わる従業員の人件費が過半を占めています。

今後の成長戦略を支えるための投資については、当社グループは2021年5月にアップデートされた中期経営計画「再生計画~再生と未来に向けたビジョン~」で事業ポートフォリオと収益構造の革新を掲げており、既存事業の深化を図りながら、当社の未来を拓く新規事業を加速することで、事業基盤を強化し、持続的な成長を実現していくことを目指しています。資金配分については、このビジョンに沿って既存事業の深化と新規事業の加速をバランスよく実行していきます。

既存事業の深化では、EPC業務プロセスの変革とプロジェクト遂行力の強化に重点的に投資していきます。新規事業の加速では、カーボンニュートラル分野、ライフサイエンス分野を対象とした投資を強化していきます。そして、両分野でのビジネスモデルにさらなる付加価値を付けていくためにデジタルトランスフォーメーションを図る投資も推進していきます。

 

③ 財務政策

当社グループは、上記中期経営計画を確実に遂行するうえで、長期にわたる大型プロジェクトの円滑な遂行の観点から、安定した財務基盤を維持すること、及び新規事業の加速に備えた資金余力を確保するため、自己資本比率については20%以上を安定的に維持することを目標としています。

また、資金需要に対しては、内部資金又は借入により資金調達することとしています。資金の流動性については、三菱商事㈱の完全子会社である三菱商事フィナンシャルサービス㈱と総額800億円の融資枠及び金融機関と当座貸越契約を締結し十分に確保しています。

上記財源を適切に活用し、中期経営計画で掲げた事業環境の変化を捉えた事業ポートフォリオと収益構造の変革を加速させ、当社グループを安定的に運営する資金を創出していくと同時に、その延長線上で、安定的な配当を早期に実施できるように努めていきます。

 

(4) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。一般に公正妥当と認められる連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産及び負債の報告額や、報告対象期間中の収益及び費用の報告額に影響する判断及び見積りを行うことが要求されます。当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づいて判断及び見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合もあります。

 当社グループの見積りや判断を含む重要な会計方針は、連結財務諸表注記の「4 会計方針に関する事項」に記載しています。また、会計方針の適用において使用される当社の判断と見積りのうち、当社グループの連結財務諸表の報告額に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるものについては、連結財務諸表注記の「4 会計方針に関する事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。

5【経営上の重要な契約等】

(業務提携等)

契約会社名

相手方の名称

国名

契約締結日

契約内容

千代田化工建設株式会社

(当社)

三菱商事株式会社

日本

2008年3月31日

第三者割当増資による普通株式の発行を含む資本業務提携

千代田化工建設株式会社

(当社)

三菱商事フィナンシャルサービス株式会社

日本

2019年6月28日

再生支援の枠組みとしての融資契約

(注)

千代田化工建設株式会社

(当社)

三菱商事株式会社

日本

2019年6月27日

再生支援の枠組みとして三菱商事フィ

ナンシャルサービス㈱に対する連帯保証の契約

 

千代田化工建設株式会社

(当社)

株式会社三菱UFJ銀行

日本

2019年6月28日

再生支援の枠組みとしての融資契約

(注) 2021年5月21日付で融資契約を更新しています。詳細は、2021年5月21日に公表の「三菱商事フィナンシャル

    サービス株式会社との融資契約の更新に関するお知らせ」をご参照ください。

 

(連結子会社間の吸収合併)

 当社は、2022年12月27日開催の取締役会において、当社の連結子会社である千代田工商㈱、千代田システムテクノロジーズ㈱、及び千代田テクノエース㈱の3社について、千代田工商㈱を存続会社とする吸収合併を行うことを決議し、同日付で当該3社は合併契約を締結しました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。

6【研究開発活動】

 当社は、1951年に研究施設(R&Dセンター)を設置後、70年以上にわたり、経営理念である「エネルギーと環境の調和」を目指し、高度なエンジニアリングの技術力を通じて、それぞれの時代、或いは、将来の社会・顧客課題の解決、それを通じたビジネスの発掘とともに付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する新たな技術・商品の開発を進めてきました。

 事業環境が急激に変化を遂げる中、当社は「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」を念頭に、エネルギーという枠を超えた領域での取組みをより一層加速させていきます。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は2,052百万円です。

 

(1) カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に向けた取組み

 (水素サプライチェーン構築)

 脱炭素社会の実現に向けた社会的要請に応えるべく、当社は様々な再生可能エネルギーに関連する取組みを

行っています。このうち、燃焼時にCO2が排出されない水素は、究極のクリーンエネルギーとしてその利用の

実現が期待されていますが、その普及には、取扱いに留意を要する水素を石油や天然ガスのように大規模に

貯蔵・輸送する技術の確立が社会的な課題となっています。

 当社は、将来の水素エネルギー社会へ対応するため、有機ケミカルハイドライドを用いて水素をガソリンの

主要成分であるトルエンに固定し、常温・常圧で取り扱いやすいメチルシクロヘキサンとして輸送/貯蔵するSPERA水素TM技術の開発を実施しています。三菱商事㈱、三井物産㈱、日本郵船㈱と共同で、ブルネイで調達した水素を日本へ輸送・供給するNEDO実証事業を2020年12月に無事に完了し、当技術の商業規模へのスケールアップが可能であることを確認しました。SPERA水素TM技術は、シンガポール水素社会実現の鍵となる候補技術としても注目されており、同国政府・関係民間各社との間で覚書を締結し、当社の独自技術を用いた水素の輸入利用・

事業化に向けての技術及び商務面での協議・検討を進めています。2022年3月から、シンガポール政府からの

助成金交付を得て現地大学Nanyang Technological University及びNational University of Singaporeの研究者と共に水素サプライチェーン構築のための連携プログラムを進めています。

 

 (アンモニア利用拡大)

 水素と同様に、燃焼時にCO2が排出されないアンモニアは、石油や天然ガスのように大規模な貯蔵・輸送する技術が既に確立されていることから、今後、火力発電所や船舶等で化石燃料の代替としての利用拡大が期待されています。しかし、既存のアンモニアの製造方法(ハーバーボッシュ法)は高温・高圧環境が必要であり、複雑な

製造設備を必要とするため、製造コストが低減しない一因となっています。

 当社は、東京電力ホールディングス㈱、㈱JERAと共同で、既存の触媒以上の高い活性を持つ新触媒をコアと

する国産技術の開発と、製造コストの低減を実現するため複雑な製造設備を要さない低温・低圧環境でのアンモニア製造プロセスの技術実証を進めており、NEDOのグリーンイノベーション基金事業に採択されています。

 

 (CCS/CCU関連)

 火力発電などから排出されるCO2の削減は、地球温暖化対策として炭素循環社会を実現するために重要であり、CO2を資源として捉えて、回収・貯蔵し、有効利用するCCS/CCUの拡大が社会から求められています。しかし、燃焼効率の高い天然ガスを使用する火力発電所から排出されるCO2は濃度が低く、既存の技術では大型・高コストな分離・回収設備が必要なことから、本格的な社会普及を実現するには、設備の小型化・低コスト化を

実現する技術の開発が必要です。

 当社は、㈱JERA、公益財団法人地球環境産業技術研究機構と共に、CO2吸収技術開発に関して、NEDOから

グリーンイノベーション基金事業の採択を受け、天然ガス火力発電所のガスタービンから排出されるCO2

分離・回収を小面積・低コストで実現するための固体吸収材をコアとする国産技術の開発に着手しました。

2022年から30年までの9年間で革新的なCO2分離・回収技術の確立を目指します。

 CO2の有効利用の方法として、NEDO事業において共同研究者である国立大学法人富山大学、日鉄エンジニア

リング㈱、日本製鉄㈱、ハイケム㈱及び三菱商事㈱と協力して、CO2からパラキシレンを製造する触媒の改良、量産技術の開発やCO2削減効果を含めた事業性検討を進めています。2023年3月には、CO2を原料として製造した

化合物から、パラキシレンを取り出すことに成功し、事業化に向けた動きを加速させています。

 また、国立研究開発法人理化学研究所、古河電気工業㈱、UBE㈱、清水建設㈱、国立大学法人東京大学及び

国立大学法人大阪大学と共に採択されたNEDOのムーンショット型研究開発事業では、回収したCO2を、電気還元してオレフィンやアルコールに転換する技術開発を進めています。この度、2024年度まで当該研究開発事業の

延長が決定しています。

 (触媒・脱硫装置関連)

 大気汚染への対応が世界的な課題となる中、ガソリン及び軽油中の硫黄分の削減は、大気汚染物質の排出抑制に繋がり、環境負荷の低減に大きな役割を果たします。当社が開発した、水素化脱硫触媒(CT-HBT®)は、灯油・軽油の精製時に、原料油に含まれる硫黄酸化物(大気汚染や酸性雨の原因物質)を大幅に削減するものです。

当製品は国内の商業装置へ6件の納入実績があり、いずれも顧客から高い評価をいただいています。加えて、

本触媒の担体は高機能素材として触媒以外への適用の可能性も見込まれるため、用途の検討を進めています。

 また、石炭・重油燃焼ボイラーなどの排煙から少ない消費電力で二酸化硫黄成分(SO2)を吸収することが

できるCT-121排煙脱硫プロセスは、石炭火力発電所向けに多く導入され、海外でも広くライセンスを展開して

おり、2016年にはインドの大手重工メーカーであるLarsen&Toubro社と技術供与契約を締結しました。経済成長に伴う大気汚染が深刻化し、火力発電所等から排出される硫黄酸化物の除去が社会要請となっている同地に

おいて、複数の案件を受注しており、更なる拡大を目指しています。

 

(2) バイオ・医薬・ライフサイエンス分野に係る取組み

 ヒト細胞に培養等の加工を施して用いる再生医療等製品は、これまで有効な手段がなかった様々な疾患に対する効果が期待されている一方で、普及のためには、産業利用可能な規模での実用化に向け、製造の安定性向上やコストの低減が必要となっています。

 当社は、これらの課題に対応するため、当社R&Dセンター内にラボを設置し、iPS細胞等幹細胞の品質評価・

製造プロセスに関する技術開発を進めています。また、国立大学法人筑波大学と特別共同研究事業を実施して

おり、2020年11月には、同大学内に「つくば幹細胞ラボ」を開設し、当分野における最先端の技術を当社事業に導入できる体制を構築しています。

 また、化石資源に依存せず、植物や微生物の生体機能を利用して有用な物質の生産を行う、バイオものづくり産業の更なる発展に貢献するため、㈱ニッピ、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人大阪大学と共同で、植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の開発を開始しました。本事業は、NEDOのカーボン

リサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発に採択されており、従来、動物素材からの抽出が必要であった機能性タンパク質を、植物を用いてヒト生体適合型に改変したうえで、大量かつ安価に生産する技術とシステムの開発を目指しています。

 さらに、当社は、ガス・石油・環境分野で培った触媒開発・スケールアップの知見を活かし、低分子医薬品

原薬・中間体開発のスピードアップと生産時の品質や作業安全性を向上とする連続生産技術の開発と実装化を、シオノギファーマ㈱が中心となって設立し当社も出資参画しているPharmira㈱とともに実施しています。

 

(3) DX促進等による業務効率改善に向けた取組み

 (最適設計技術、安全設計技術)

 プラント建設において様々なプロセスを設計・改良するうえで、シミュレーションや解析技術は極めて重要な技術として位置付けられています。

 当社は、設計の各段階で、3次元解析(FEM解析、熱流動解析等)やプラントの起動・停止・異常時の挙動を

再現するダイナミック・シミュレーションの技術を活用して、精度の高い設計を進めるほか、プラント運転の

最適化、定量・定性リスク評価による安全設計、最適保全計画の策定などを行っています。

 

 (プラント設備最適配置と空間自動設計技術)

 ㈱Arent及び当社が共同出資する㈱PlantStreamが開発した空間設計システム「PlantStream®」によって、

プラント計画時にプラント設備や機器装置の最適配置を検討し、また配管や配線の配置を効率的に設計して

います。これにより設計や調達の手戻りを解消し、プロジェクト全体の遂行リスクを軽減します。

 

 (プロジェクト遂行技術)

 プラント建設における工事業務の円滑な遂行を管理する手段として、各業務を管理可能な単位で分割

(パッケージ化)したうえで遂行スケジュールを策定し、各業務に必要な図面、資機材、人員等のリソースを

計画・管理する手法であるAWPが一般的になりつつあります。当社は、このAWPの手法にプラントエンジニア

リングの専門知識、これまでのプロジェクト遂行で得た知見及び複数のデジタルソリューションを組み込み、

建設工事の上流段階である設計・調達業務を含めて図面、資機材、人員等のリソースを包括的に計画・管理する手法「Chiyoda AWP」をプラント建設の現場で実践しています。これにより、プロジェクトの進捗状況を含む

膨大なデータの可視化を実現し、工事の待機時間を減少させるとともに、不測の事態に対する工事計画の修正を早期に行うことを可能にしています。

(4) O&M(Operation & Maintenance)事業の革新に係る取組み

 (耐震診断・補強対策・老巧化対応技術)

 3次元解析やダイナミック・シミュレーションを中心とした運転最適化と設備保全技術を活かし、国内

製油所・油槽所を中心とするプラント設備や燃料供給基地において、国土強靭化基本法に沿った耐震診断、補強対策検討、老朽化対応等を実施しています。今後も我が国の要となるエネルギー供給設備の強化事業に参画していきます。

 

 (EFEXIS®開発)

 解析・診断技術等、当社がこれまでに培ったプラントエンジニアリングの専門知識や知見と最新のクラウド

技術、IoT技術を融合させたEFEXIS®ソリューションは、国内外の顧客プラントで導入が進んでおり、従来、熟練した操作員の知見や感覚に頼ることが多かった部分の自動化・効率化による操業中プラントの収益性向上に貢献しています。EFEXIS®FCC最適運転AIシステム(FCC AI Optimizer®)を導入した太陽石油㈱四国事業所では、重油を高温下で触媒と反応させガソリンや軽油を製造する残油流動接触分解装置(RFCC装置)の運転最適化が実現し、

安定操業に寄与するなど大きな導入効果が出ています。

 また、西部石油㈱と共同で実施している、装置監視AIを活用した運転支援システム構築事業は、一般社団法人社会実装推進センターの2020年度補正 産業保安高度化推進事業費補助金に採択されており、EFEXIS®の更なる

展開・効果検証を推進しています。

 

(5) その他の取組み

 (宇宙関連)

 当社はエンジニアリングの技術や知見を宇宙利用の拡大に活かすことを視野に入れ、1990年代から国立研究

開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)向けに、画像処理・通信装置、細胞培養実験・植物生育実験に用いる科学機器といった国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に搭載する機器設備の開発を中心に取組みを継続

してきました。

 現在、JAXAとインド宇宙開発機関との国際共同ミッションとして、2024年に打ち上げを目標にしている月極域探査ミッションで使用する月探査ローバに搭載される水資源分析計や、2024年頃からアメリカ、カナダ、欧州

及び日本の宇宙開発機関の協働での組立が予定されている月周回有人拠点(月探査ゲートウェイ)に設置するCO2除去装置の開発を担当しています。地球低軌道にある国際宇宙ステーションから月面に向けて事業領域の拡大を進めています。