第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「おいしい!の笑顔をつくる」のミッションのもと、お客さまに満足いただける商品・サービスを提供し、継続・進化することで社会から「よい会社」として信頼される企業グループを目指して活動しております。

 

井村屋グループ理念として
M(ミッション)おいしい!の笑顔をつくる
V(ビジョン) Be always for Customers!
P(パッション)イノベーション(革新)
を掲げ、「不易流行」の考え方のもと、「特色経営」を磨き、独創的な楽しい商品と
すぐれたサービスの提供を通じて、社会から必要とされるグループ企業を目指します。

 

(2)目標とする経営指標
  当社グループは、将来を見据え、サステナビリティある企業構築を進め成長に向かって中期3カ年計画「Be Resilient2023~新しい時代をしなやかに生きる~」の実行に取り組んでおります。

    当社グループは、売上高、営業利益、売上高営業利益率、海外事業売上高比率を重要な経営指標としております。当該指標を採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解するうえで重要な指標であり、経営方針・経営戦略等の進捗状況や企業価値の的確な把握が可能であると判断するためであります。

    井村屋グループ中期3ヵ年経営計画 最終年度(2023年度)の数値目標

      <財務指標>

      売上高 465億円

      営業利益 20億円(売上高営業利益率 4.3%)

      海外事業売上高比率 7.5%

      <非財務指標>

      温室効果ガス排出削減 2013年度比35%減

      国内事業廃棄物量削減 2019年度比50%減

      女性管理職比率    15%以上

 

(3)会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略

       今後の経済動向につきましては、新型コロナウイルス感染症の制限緩和は進むものの、地政学リスク等に起因する物価上昇や為替市場の影響など、先行き不透明な状況が予想されます。菓子・食品業界におきましても、消費者マインドの変化や更なる原副材料価格・エネルギー価格の上昇が予測され、経営環境は引き続き厳しいものと想定されます。

      このような状況のもと当社グループは2023年度、中期3ヵ年計画「Be Resilient 2023 ~新しい時代をしなやかに生きる~」の最終年度を迎え、財務目標並びに非財務目標の達成と今後の中長期プランを策定する重要な年次となります。活動テーマを「倦まず・弛まず・積極果敢」として、パーパスである「おいしい!の笑顔をつくる」 を追求して、サステナブル経営を目指し、目標達成に向けたイノベーションの実行に取り組んでまいります。

       井村屋株式会社の流通事業においては、小豆素材を基軸に特色と健康をテーマに2N(NEXT・NEW)の創出に取り組みます。主力商品である「あずきバー」は2023年度に発売50周年を迎えます。感謝の気持ちを込めたキャンペーンなどの販売促進を実施し、売上の拡大を図るとともに、井村屋ブランド全体の底上げに繋げます。また、「やわもちアイス」シリーズでは新商品「やわもちアイス 抹茶氷」を新機軸として新たな需要の創造を目指します。更に今年度はグループ全体の成長戦略の一環として、三重県津市の中勢北部サイエンスシティ内に竣工した「あのつFACTORY」が本格稼働します。輸出やEC販売強化を進め、SOY事業及びカステラ事業を柱事業とする成長戦略を実行します。「AZUKI・FACTORY」においても新しい市場開拓に向けた設備投資によりお客様への価値提供を推進いたします。

       井村屋フーズ株式会社のBtoB事業では、調味料事業の粉末加工拡大に向け、品質面と環境面そして生産性向上の観点から新たな付加価値を創造するスプレードライヤー新工場の建設を進めております。新工場の稼働に向けて、独自技術を活かした新規商材の提案を行い、事業の強みを活かした市場開拓を進めていきます。食品加工事業では、成長が期待されるスパウチ市場の開拓を継続するとともに、新規OEM商品の設備導入を進め、お客様に信頼される企業として活動を強化してまいります。

    海外事業では、アメリカのIMURAYA USA,INC.において、井村屋ブランド商品の輸入総代理店機能を更に強化し、米国での「あずきバー」の販売強化など、市場拡大と井村屋ブランドの価値向上を目指します。中国事業では、井村屋(北京)食品有限公司(IBF)が焼菓子、包子の新規及び業務用販売ルート開拓に取り組むとともに、日本からの輸入商品の販路拡大を目指します。調味料事業を展開する北京京日井村屋食品有限公司(JIF)、井村屋(大連)食品有限公司(IDF)においては新市場への提案を強化するとともに海外への販路拡大に取り組みます。マレーシアのIMURAYA MALAYSIA SDN.BHD.(IMM)において、生産能力の増強を図りながら「AZUKI BAR」「Mochi Mochi」のマレーシア国内市場拡大を進めるとともに、ASEAN市場の開拓を目指します。

    コスト面では、グループ全体でイノベーション活動を推進し、DXの取り組みによる生産性向上、SCM機能の強化によるロス・ミス・ムダの削減を実行し、コスト低減を図ります。

    以上の状況を踏まえ、次期の連結業績見通しにつきましては、売上高465億円、営業利益20億円、経常利益21億円、親会社株主に帰属する当期純利益14億円を見込んでおります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、サステナビリティに関するリスクマネジメントの実効性を高めるため、取締役会の事前審議機関として代表取締役社長を議長とする経営戦略会議を設置しております。その中で、事業リスクを伴う重要な業務執行について検討することによりリスク及び機会の監視、統制を行っております。

経営戦略会議においては、上記のような個別議案の審議を通じたリスクマネジメントだけではなく、グループ全体のリスクについて総括的に議論するために設置されているBCP活動推進委員会の活動内容についても毎月報告がなされ、必要に応じて同委員会に対して指示が出されております。

こうした全社的な活動に加えて、内部統制部門である経営品質・ガバナンス室による内部監査を通じて各部署におけるサステナビリティに関するリスク及び機会への対応について監視、統制を実施しており、その結果についても経営戦略会議にて報告されております。

 

(2)戦略

当社グループの人的資本に関する戦略(方針)について、当社グループでは、ダイバーシティを推進し、多様な働き方に柔軟に対応し、「人材の人財化」を進めております。外国人採用、キャリア(中途)採用、定年退職者の再雇用、障がい者雇用など国籍・性別等に関係なく人材の採用を行っており、中期計画におけるKPIとして2023年度の女性管理職比率を設定し、女性の活躍できる職場環境づくりを進めるとともに、外国人・中途採用者においても、海外での事業展開や必要な職務に応じて、積極的に採用を行い、管理職として登用しております。

人材育成方針については、“私たち一人ひとりが挑み、成長し続け、ステークホルダーの皆さまと共に「笑顔をつくる人」を目指そう”という「井村屋グループクレド」人財ビジョンと10(Ten)action(行動指針)に従い、個人・企業の着実な成長に向けた環境づくりに取り組み、機能別研修・新人研修・通信教育等、多様な教育制度で、従業員一人ひとりの成長をサポートして企業全体の向上を図っております。

 

(3)リスク管理

当社グループにおきましては、サステナビリティ関連のリスクを含む個々の事業リスクへの対応策や予防策の検討は、パーパス及び最高経営責任者から発信される経営方針に基づき、各部署が年間目標の一環として取り組むことを基本としております。その取り組み内容については、毎月のレビューを通じて各事業会社内にて報告、確認、審議されることとなっており、重要案件に係る内容につきましては、事業会社社長報告会、経営戦略会議での審議を経て、取締役会に付議されることとなっております。

個々のリスク管理に加え、当社グループのサステナビリティに大きな影響を与える自然災害のような全社的なリスクについては、BCP活動推進委員会が中心となって年度活動方針、計画を定めてリスク管理に取り組んでおります。また、製品の安心安全性や労働安全衛生といった複数の部門に渡るリスクについても、各事業会社において専門の委員会を設置して管理が行われ、それらの活動状況は各事業会社において報告、確認されております。重要案件につきましては経営戦略会議をはじめとする上位会議に付議されております。

 

(4)指標及び目標

当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備の方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次の通りであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

女性管理職比率

2024年3月までに15%以上

13.9%

 

(注)当社グループにおいては、上記人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備の方針に基づき活動しておりますが、指標及び目標、並びに実績については、国内で事業を営む連結子会社を対象として記載しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

リスク

関連するリスク

主な取り組み

気象状況及び原材料価格との関連に係るもの

・農作物由来の原料等の市況の影響
・異常気象あるいは異常気温の影響

・仕入先との連携強化、取引の安定化
・グローバルな調達先の選定
・需要予測による発注精度向上

得意先の経営破綻

・海外を含めた予期せぬ得意先の経営破綻

・情報収集、与信管理、債権保全

資金調達

・金融危機による資金の枯渇
・各種リスク要因により計画を達成できないことで生じる追加の資金調達等のリスク発生

・資金調達先及び機関の適度な分散
・財務体質の維持・強化
・各種リスク要因の適時の分析と対策
・最新の情報に基づく適時の計画の見直し

減損

・買収又は設立した子会社等の事業計画未達
・金利の急激な上昇

・経営会議等における適正価格の審議
・シナジー実現に向けたフォローアップや定期的なモニタリング

退職給付費用及び債務に係るもの

・割引率の低下や運用利回りの悪化

・適度な分散投資
・安全性高い運用先への投資

税効果の変動リスク

・将来課税所得の見積り変更等による税金費用の減少又は増加

・各国における税制変更情報収集
・税金及び税金関連費用を最小化スキームの立案実行

特定の販売先への高い依存度に係るもの

・加温製品の「肉まん・あんまん」の主要販売先はコンビニエンスストア

・様々なカテゴリー展開による特定ポートフォリオ依存度低減
・大手スーパー、新規販路開拓

競合の出現

・参入障壁が低い事業分野において、多数の競合企業が存在

・競合に対する差別化、技術、サービス向上

グローバルな競争激化への備え

・市場変化、カントリーリスク
・海外現地に対する技術、ノウハウ不足

・外部連携による価値創造
・バリューチェーン再構築

為替・金利等変動リスク

・為替・金利の変動による海外での事業活動の停滞
・為替・金利の変動による海外子会社業績の円換算への影響

・為替予約及び変動金利から固定金利へのスワップ等
・親会社を含めた為替変動リスクの低い国での資金調達

カントリーリスク

・貿易規制
・戦争や紛争、暴動などの発生リスク

・進出国の適度な分散
・段階的な投資の実施

製品の安心安全性

・ネガティブな風評拡大による業績悪化
・製品の品質クレーム、トラブルによるお客様からの信頼低下

・品質基準を設け、商品品質向上
・ステークホルダーへの適切な情報公開、「お客様の声」の製品・サービスの開発・開発への反映
・賠償責任保険へ加入しリスク低減

情報漏洩

・お客様情報漏洩

・情報コントロール、体制整備
・ウイルス制御ソフト等体制整備

新型コロナウイルス

・感染拡大、対応策、回復に長期化

・対策地域本部の設置
・対応方針を継続して従業員へ周知
・各事務所内の3密回避対応
・事業状況の一元把握

法的規制

・法的規制の変更
・関連法規改正

・各種業界団体への加入等情報収集
・各会議によりリスクマネジメント強化、体制整備、社員教育の実施

 

 

 

前記の中で、当社グループが特に注目している主な事業等のリスクは以下のとおりです。

 

・財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動

 1.経営成績等と気象状況及び原材料価格との関連に係るもの

 当社グループの流通事業における製品は季節商品の占める割合が高く、販売期間における異常気象あるいは異常気温の影響を受けることがあります。

 また、製品に使用する原材料においても、主要原料であります小豆・砂糖をはじめとする農作物由来の原料等に関しましては特に市況の影響を受けます。

 

 2.キャッシュ・フローの状況の変動に係るもの

 当社グループのキャッシュ・フローは、当連結会計年度において、借入金を計画通り返済しております。しかし、今後とも資金の効率的配分を行い来期以降のキャッシュ・フロー計画を立案しておりますものの、かつてのオイルショック時の原材料仕入に関しての支払サイトの短縮等を余儀なくされたような、現在の収支状況が崩れる場合が生じた際は、全事業セグメントにおいて、営業活動によるキャッシュ・フローの状況等にも影響を及ぼす可能性があります。

 

 3.保有資産の評価に係るもの

 当社グループが保有する土地や投資有価証券等の資産価値が時価等に基づき下落する場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 4.退職給付費用及び債務に係るもの

 当社グループの従業員に係る退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。従って割引率の低下や運用利回りの悪化は、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

・特定の取引先・製品・技術等への依存

1.特定の販売先への高い依存度に係るもの

 加温製品の「肉まん・あんまん」の主要販売先はコンビニエンスストアであり当社グループも大手数社に対して販売しておりますが、販売先の事業方針、営業施策等に変更があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 

2.特定の製品への高い依存度に係るもの

 菓子・食品の製品については、元来その成分および製造方法について、業界自体が特許権のハードルが低く、比較的容易に新規参入や類似商品の販売が予想され加えて競合先との価格競争激化の可能性があります。
 また、当社の販売商品には「水ようかん」「ゆであずき」「肉まん・あんまん」「あずきバー」等ロングセラー商品が多くあり販売ウエイトも高いものですが、商品サイクルが短期化している業界にあって、市場のニーズに適合する新商品の開発も必要となっております。
 

・特定の法的規制・取引慣行・経営方針

1.事業の今後の展開に係るもの

 中国、アメリカ及びマレーシアで展開しております海外での事業につきましては、現地の消費動向等により、計画通りの販売ができない場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
 

2.業界関連等の法的規制等に係るもの

 当社は食品等の製造や販売等事業の展開において、現時点の規制に従いまた規制上のリスクを伴って業務を遂行しております。
 将来における輸入制限、独占禁止、特許、消費者、使用原料、租税、環境・リサイクル関連等の法規制や規則、政策、業務慣行、解釈、財政及びその他の政策の変更ならびにそれによって発生する事態は当社の業務遂行や業績等へ影響を及ぼす可能性があります。しかしそれらの内容・程度等の予測は困難であり、また当社が制御できるものではありません。

 

 

・その他

1.食の安全性に係るもの

 当社グループは「おいしい!の笑顔をつくる」の社会的使命のもと、食を提供するものとし、お客様に高品質で安全な商品・サービスを提供し、より多くのお客様のご満足をいただけることを第一義として使用原料の検査体制の充実や生産履歴の明確化(トレーサビリティ)等に努めてまいりました。2014年度には井村屋フーズ株式会社七根工場、2015年度には井村屋株式会社全工場で「食品安全管理システム認証22000」(FSSC22000)を取得し、より一層の食の安全性の追求と品質保証体制の確立を図ってまいります。また、新商品の開発におきましても、「安全・安心・安定」を基本指針としておりさらなる改善を目指しております。
 製品等の安全性と商品開発、生産、流通販売の各段階を通じた品質管理体制については最大限の努力を払っております。しかし、偶発的な事由によるものを含めて製品事故が発生した場合や当社グループの取り組みの範囲を超える事態が発生した場合には、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
 

2.自然災害に係るもの

 当社グループは、地震や台風等の自然災害に対して社内体制を整備し、緊急時の対応に備えておりますが、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた天変地異の場合には、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.情報システムに係るもの

 当社グループでは、生産、販売、管理等の情報をコンピューターにより管理しています。また、ルートセールスや通信販売等の営業取引や消費者キャンペーンを含む販売促進活動等を通じて、お客様情報を保有しております。これらの情報システムの運用については、コンピューターウイルス感染によるシステム障害や、ハッキングによる被害及び外部への社内情報の漏洩が生じないよう万全の対策を講じています。しかしながら、今後これらの情報が外部に流出するような事態が起きた場合、当社グループの信用低下を招き、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 
 

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財務状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

1) 経営成績の状況

  当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和が進んだことにより経済活動は持ち直しの動きが見られましたが、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、原材料・エネルギー価格の高騰や世界的な金融引き締めなどにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

  菓子・食品業界におきましても、物価が上昇する中で生活意識の変化も強まっており、厳しい市場環境が続くものと想定されます。

  このような状況のもと、当社グループは創業125年 会社設立75周年を迎えました。また、当期は中期3カ年計画「Be Resilient 2023 ~新しい時代をしなやかに生きる~」の2年目にあたる重要な年度であり、何事にも果敢に挑戦する「進取」をテーマとして掲げ、サステナブルな企業体質構築と収益構造の変革に向け活動しました。

 井村屋株式会社ではグループ全体の成長戦略の一環として、2023年3月に三重県津市の中勢北部サイエンスシティ内に市場競争力向上を目指した新工場「あのつFACTORY」を竣工し、稼働を開始しました。

 当社グループの売上高については、井村屋株式会社において冷菓カテゴリーや「肉まん・あんまん」などの点心・デリカテゴリーを中心に各カテゴリーで売上が増加しました。BtoB事業の井村屋フーズ株式会社においてもOEM受託商品の売上が順調に推移しました。米国のIMURAYA USA, INC.(以下「IMU」と記載)では日本から輸入した井村屋商品の売上が増加しました。

 以上の結果、連結売上高は、446億85百万円(前期比6.0%増)となりました。

 損益面では、原材料価格、エネルギーコスト、物流費用が上昇する中、商品価格の改定を行うとともに生産性向上活動の継続にてコストの抑制を図り、営業利益が増加しました。また、海外取引における為替差益や、井村屋株式会社の新工場「あのつFACTORY」の輸出促進に関する補助金収入により、親会社株主に帰属する当期純利益も増加しました。

 以上の結果、営業利益は19億92百万円(前期比16.9%増)、経常利益は22億84百万円(同10.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億11百万円(同9.4%増)となり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに過去最高の業績となりました。

 

  各セグメントの概況は次のとおりであります。

 

① 流通事業

  流通事業(BtoC事業)の中心である井村屋株式会社では各カテゴリーの商品が順調に推移し、BtoB事業の井村屋フーズ株式会社ではスパウチ商品の受注が順調に推移しました。また、IMU では日本からの輸入商品の売上が増加しました。  

  以上の結果、流通事業の売上高は401億36百万円(前期比6.6%増)となり、セグメント利益は29億63百万円(同14.4%増)となりました。

  流通事業におけるカテゴリー別の概況につきましては以下のとおりです。

 

  (菓子カテゴリー)

    防災用備蓄商品として評価の高い「えいようかん」や「4コ入きなこおはぎ(つぶあん)」などの冷凍和菓子シリーズが伸長しました。また、IMUでは日本から輸入したカステラの売上が大きく増加しました。

    以上の結果、菓子カテゴリーの売上高は、67億31百万円(前期比25.4%増)となりました。

 

  (食品カテゴリー)

    「お赤飯の素」や「カップおしるこ」が好調に推移しました。冷凍食品では「ゴールドまん」シリーズや「井村屋謹製 カリーぱん」が伸長しました。また、井村屋フーズ株式会社の食品加工事業では屋外活動の活発化に伴いカロリーやビタミン補給のゼリー飲料であるスパウチ受託加工が増加に転じました。

    以上の結果、食品カテゴリーの売上高は74億33百万円(前期比7.0%増)となりました。

 

  (デイリーチルドカテゴリー)

    「豆腐類」では「4個入り美し豆腐」が好調に推移するとともに、独自の殺菌技術により長期保存が可能な「大豆屋和蔵 大豆ッ子」の輸出売上が増加しました。「チルドパックまん」は「3コ入りチルドまん」シリーズの売上が増加しました。

    以上の結果、デイリーチルドカテゴリーの売上高は、22億8百万円(前期比14.2%増)となりました。

 

  (冷菓カテゴリー)

    冷菓商品は、2023年度に発売50周年を迎える「あずきバー」シリーズが順調に推移し、売上金額は前期比103.4%となりました。また、「やわもちアイス」シリーズの10周年限定商品が売上に貢献しました。マレーシアのIMURAYA MALAYSIA SDN.BHD.(IMM)においては現地の嗜好に合わせて開発した「AZUKI BAR」シリーズや新商品「Mochi Mochi」シリーズの販路拡大に取り組みました。IMUでは、販売促進の効果を見直した事により、売上が減少しました。

    以上の結果、冷菓カテゴリーの売上高は139億88百万円(前期比3.1%減)となりました。

 

  (点心・デリカテゴリー)

    「肉まん・あんまん」などの点心・デリカテゴリーは、コンビニエンスストアでの商品が好調に推移するとともに販売店様と共同企画した新商品も好評をいただき売上が増加しました。

  以上の結果、点心・デリカテゴリーの売上高は91億78百万円(前期比8.1%増)となりました。

 

  (スイーツカテゴリー)

    「アンナミラーズ」は2022年8月31日に40年間ご愛顧いただいた「高輪店」を閉店しましたが、その後催事販売としてJR高円寺駅1F改札外とJR川口駅2F改札外の期間限定ショップ「コレもう食べた?」に出店し、売上とともに「アンナミラーズ」ブランドの維持に貢献しました。また、「La maison JOUVAUD(ラ・メゾン・ジュヴォー)」では各店舗ともコロナ禍から着実に集客数が回復し売上が増加しました。上質でスタイリッシュな居住地として注目される「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」2階に新たに出店した「ジュヴォー虎ノ門ヒルズ店」においても新作商品の「ビスキュイ」や「カヌレ」、「ロカイユ」が好評をいただいております。

    以上の結果、スイーツカテゴリーの売上高は、4億78百万円(前期比17.5%増)となりました。

 

  (VISON(ヴィソン)カテゴリー)

    国内新規事業として2年目を迎えたVISONカテゴリーでは、三重県多気町の大型商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」内にて三重県の水と酒米、酵母を使用し、テロワール*に根差した日本酒「福和蔵(ふくわぐら)」の製造・販売と、「菓子舗井村屋」として「酒々(ささ)まんじゅう 芳醸菓」など特色のある商品を販売しており、「VISON(ヴィソン)」の来場者の増加も相まって、売上がともに伸長しました。「福和蔵」においては、「福和蔵 純米大吟醸」「福和蔵 純米酒」が高い評価をいただいており、3月1日からは三重県多気町産の契約栽培米「神の穂」を使用した「福和蔵 純米吟醸」の販売を開始しました。

    以上の結果、VISON(ヴィソン)カテゴリーの売上高は1億17百万円(前期比48.9%増)となりました。

 

*テロワールはワイン等の生産に関わる生育地の「土地の要素」「気候の要素」「人的要素」を総合した生産環境のことを指し、味覚を決定する重要な要素とされています。

 

② 調味料事業

 国内では井村屋フーズ株式会社のシーズニング事業において、家庭内食向けの調味料と機能性素材のOEMが堅調に推移しました。中国での調味料事業は、新型コロナウイルス感染対策強化の影響により、売上が減少しましたが、ゼロコロナ政策が撤廃され、今後の展開には期待が持てる段階に入りました。

 以上の結果、調味料事業の売上高は43億31百万円(前期比1.0%増)となりました。セグメント利益は6億92百万円(同0.3%増)となりました。

 

 

③ その他事業

 イムラ株式会社において井村屋商品のアウトレット販売を行っている「MOTTAINAI屋」は、感染防止対策の徹底とお客様へのサービス向上に取り組みました。「ソフトアイスクリーム&スイーツ店WaiWai(ワイワイ)」においては、「アンナミラーズ」の「アップルパイ」「チェリーパイ」の取扱いを開始し、好評を得ております。

 以上の結果、井村屋グループ株式会社の賃貸事業を加えた、その他事業の売上高は2億16百万円(前期比4.8%増)となりました。セグメント利益は28百万円(同156.0%増)となりました。

 

2)財政状態の状況

  当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。

  総資産は341億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ46億84百万円の増加となりました。流動資産は、販売増加に伴う棚卸資産の増加などにより、19億96百万円増の127億35百万円となりました。固定資産は、新工場建設に伴う有形固定資産の増加などにより、26億88百万円増の213億71百万円となりました。

  負債は154億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億92百万円の増加となりました。流動負債は、未払金や新工場建設に伴う短期借入金の増加などにより、25億42百万円増の129億20百万円となりました。固定負債は、長期リース債務の増加などにより、8億50百万円増の25億2百万円となりました。

 純資産はその他有価証券評価差額金の増加、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、12億92百万円増の186億84百万円となりました。

 その結果、自己資本比率は前連結会計年度末59.0%から54.7%へ減少しました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、16億89百万円となり、前連結会計年度末比で6億19百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の収入は24億52百万円となり、前連結会計年度に比べ、収入は4億59百万円減少いたしました。この減少の主な要因は、販売増加に伴う売上債権及び棚卸資産が増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における投資活動による資金の支出は23億74百万円となり、前連結会計年度に比べ、支出は14億15百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、新工場建設に伴う有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における財務活動による資金の収入は3億98百万円となり、前連結会計年度に比べ、収入は24億47百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、新工場建設に伴う短期借入による収入が増加したことによるものであります。

 

 

 

4)生産、受注及び販売の実績

当連結会計年度における生産等の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

① 生産等の状況

(1) 生産実績

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

流通事業

23,802,668

104.6

調味料事業

4,838,729

102.0

消去(セグメント間取引)

△299,587

合計

28,341,811

104.1

 

(注) 1.金額は、製造原価によって示しております。

2.その他事業における生産実績はありません。

 

(2) 製品仕入実績

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

流通事業

3,452,813

107.9

合計

3,452,813

107.9

 

(注) 1.金額は、仕入原価によって示しております。

2.調味料事業、その他事業における製品仕入はありません。

 

(3) 商品仕入実績

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

流通事業

55,752

104.1

その他事業

38,927

106.3

消去(セグメント間取引)

△34,992

合計

59,687

100.8

 

(注) 1.金額は、仕入原価によって示しております。

2.調味料事業における商品仕入はありません。

 

② 受注状況

当社グループでは、流通事業及び調味料事業において一部受注生産を行っております。なお、金額は僅少のため記載を省略しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

流通事業

40,204,814

106.6

調味料事業

4,608,530

101.6

その他事業

231,591

105.0

消去(セグメント間取引)

△359,801

合計

44,685,134

106.0

 

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱日本アクセス

12,872,303

30.5

13,954,286

31.2

三菱商事㈱

4,715,430

11.2

4,898,716

11.0

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
 経営者の検討における重要な項目について当社及び連結子会社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローは、「第2〔事業の状況〕3〔事業等のリスク〕」に述べる各項目の影響を受けますが 、当連結会計年度末において当社グループの経営者は、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の項目、指標が有用であると考えます。
 

① 売上高

  売上高は、国内事業会社において冷菓カテゴリーや点心・デリカテゴリーが伸長するとともに、米国向けのカステラの売上が増加しました。その結果、連結売上高は446億85百万円となりました。売上高等の詳細については「第2〔事業の状況〕4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりですが、さらに前連結会計年度と比較した連結会計年度の事業別売上高実績を示すと下記のとおりであります。

 

 

 

企業集団の事業別売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 
事業区分

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比増減

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率




菓子

5,370

12.7%

6,731

15.1%

1,361

25.4%

食品

6,946

16.5%

7,433

16.6%

487

7.0%

デイリーチルド

1,933

4.6%

2,208

4.9%

274

14.2%

冷菓

14,430

34.2%

13,988

31.3%

△441

△3.1%

点心・デリ

8,490

20.1%

9,178

20.5%

688

8.1%

スイーツ

407

1.0%

478

1.1%

71

17.5%

VISON

79

0.2%

117

0.3%

38

48.9%

流通事業計

37,656

89.3%

40,136

89.8%

2,480

6.6%

調味料事業

4,288

10.2%

4,331

9.7%

43

1.0%

その他事業

207

0.5%

216

0.5%

9

4.8%

合計

42,151

100.0%

44,685

100.0%

2,533

6.0%

 

 

② 売上原価及び営業利益

 営業利益については、前期比2億88百万円(16.9%)増の19億92百万円となりました。その要因として、商品価格の改定を行うとともに、継続した生産性向上活動の効果によりコストの抑制が図られたことによります。一方、原材料・エネルギー価格の高騰等により、売上原価率は65.1%となり、前年より0.2%増加しております。

 販売費及び一般管理費については、前期比5億15百万円(3.9%)増の136億18百万円となりました。主な要因としては、物流費や人件費が増加したことによります。

 

③ 経常利益

 経常利益については、前期比2億9百万円(10.1%)増の22億84百万円となりました。その結果、経常利益率は5.1%となり、前年より0.2%増加しております。その要因は、主に海外事業への貸付金に対する為替影響によるものであります。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は前期比1億38百万円(9.4%)増の16億11百万円となりました。

 

 なお、今後の見通しにつきましては、「第2〔事業の状況〕1〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕(3)会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおりであります。
 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては「第2〔事業の状況〕3〔事業等のリスク〕」に記載のとおりであります。

 

 

 

2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

 当事業年度における各キャッシュ・フローの詳しい状況につきましては、「第2〔事業の状況〕4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料、製商品仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。株主還元策につきましては、「第4〔提出会社の状況〕3〔配当政策〕」に記載のとおりであります。
 また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的としてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金調達・管理の一元化を行い、グループ全体の資金効率化を進めております。
 当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
 なお、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は16億89百万円、有利子負債の残高は39億87百万円となっております。
 

3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 重要な判断を要する会計上の見積り及び当該見積りとは、会社の財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす会計上の見積りであり、かつ本質的に不確実な事柄に関する経営者の重要な、或いは主観的な判断を反映させることを要するものです。
 以下の各項目は、その認識及び測定にあたり、経営者の重要な判断及び会計上の見積りを必要とするものです。

 

① 固定資産の減損処理

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価格を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損損失が必要となる可能性があります。

 

② 繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

③ 確定給付費用及び確定給付制度債務

 従業員の確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率、退職率及び死亡率等年金数理計算上の基礎率に基づき見積られております。実績と見積りとの差はその他の包括利益として、認識されております。経営者は、この数理計算上の仮定を適切であると考えておりますが、実績との差異や仮定の変動は将来の確定給付費用及び確定給付制度債務に影響します。
 当社及び連結子会社の割引率は、各年度の測定日における日本の長期国債の利回りに基づき決定しております。各測定日に決定した割引率は、測定日現在の確定給付制度債務及び翌年度の純期間費用を計算するために使用されます。
 確定給付費用及び確定給付制度債務に関する見積りや前提条件については「第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕〔注記事項〕(退職給付関係)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、「おいしい!の笑顔をつくる」の社会的使命のもと、高い技術と新鮮な時代感覚をもち、夢のある商品とすぐれたサービスを通じて豊かな生活を提供できるよう、菓子及び食品とその関連分野における活動を行っております。

 すなわち、基礎研究や外部研究機関との共同研究の継続及び事業展開上急務な研究課題に取り組み、お客様の食の安全と安心を提供できるよう、新素材の開発とその応用、製品の改善・改良・品質の向上、生産技術・生産設備の開発などに努めております。

 コロナ禍も収束に向かう中で市場、顧客、消費者の動向や変化を的確にとらえて俊敏に変化対応した新商品の開発に力を入れてまいります。

 現在の研究開発は、各事業会社の商品開発部門及び研究・開発部門などにより推進されております。なお、研究開発活動を担当している期中平均人員は71名であり、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は485百万円であります。

 

各セグメントの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) 流通事業

(基礎研究)

大学や公設研究機関と連携しながら、井村屋のコア原料である「あずき」に関する基礎研究に取り組んでおります。小豆から抽出したポリフェノールの機能性研究のほか、小豆に関する加工や栽培等、多方面にわたった研究も行っております。これらの研究成果を特色ある自社商品の商品開発や販売促進、あるいは新規事業につなげていくことが大きな目標となっており、小豆に限らない新しいものづくりにつながる新技術の開発にも取り組んでおります。

一方で、生産活動で生じる食品廃棄物・副産物(小豆の煮汁、おから等)の有効活用、バイプロダクト化を目指した研究にも取り組んでおります。

(菓子商品)

コロナ禍において、食べきりサイズで押すだけの簡単パッケージが特徴の「片手で食べられる小さなようかん」をはじめとしたワンプッシュシリーズは、衛生的に食べられる点もご評価いただき、多くのお客様からご好評をいただきました。また新商品の「もっちりぷるんわらびもち(黒糖・ぶどうアソート)」など、EC向けの大容量・アソート商品や海外向けに輸出展開しておりますカステラもご好評いただき、市場拡大しております。今後も国内のみならず世界に向けておいしいの笑顔を発信し、時代の変化に対応した商品づくりを行ってまいります。

 (食品商品)

主力商品である「ゆであずき」が2022年度に60周年を迎えました。その記念すべき年として原材料の全てを北海道産に限定したこだわりのあるゆであずきへリニューアルいたしました。また大人向けにそのまま食べるあんことして「ラム酒香るあんこ」「日本酒香るあんこ」、トレンドであるあんとバターを組み合わせた「かけるご褒美 あん×バター」といった新しい切り口のあんこ商品を発売し、ご好評いただいております。家庭内需要の増加、時短簡便調理の利便性、小豆のおいしさ・健康性をご評価いただき、「お赤飯の素」「つぶあん・こしあん」「ぜんざい・おしるこ」「氷みつ」「無糖のあずき」等も好調に推移いたしました。引き続きお客様に喜んでいただける健康寄与商品・お役立ち商品を開発してまいります。

 (デイリーチルド商品)

当社の豆腐商品は、長期保存可能な「充填豆腐」としてスタートし、2022年度で50周年を迎えました。2023年3月に、新工場あのつFACTORYが竣工し、次の50年に向け『Re start !!!』いたします。新製法の豆腐の取り組みとして「美し豆腐LONG SHELF LIFE 180」「高カロリー豆腐 LONG SHELF LIFE 180」は180日間美味しく食べられる事を実現した商品で国内、海外、業務用ルートへと多岐にわたり展開いたします。長期にわたり販売してきました「大豆屋和蔵大豆ッ子」シリーズでは、大豆の旨みを閉じ込め、独自の殺菌技術により長期保存を可能としたシール300g×3丁パックを新商品として発売しました。買い置きができ、毎日の食事で様々な料理にご使用いただけます。

また販売中の「井村屋雪花菜(きらず)冷凍おから5㎏」はSDGsの観点より、副産物であるおからを活用した商品としてご好評いただいております。今後も更なる付加価値のある商品開発を行ってまいります。

 

 (冷菓商品)

主力商品「あずきバー」は2023年度に発売50周年を迎えます。その記念すべき年に向け、希少価値の高い白小豆を原料に使った「白あずきバー」を発売し、話題を呼び、ご好評いただきました。2022年度に発売10周年を迎えた「やわもちアイス」は、記念新商品(よもぎもち味、みかん大福味、焦がしみたらし、パフェいちご大福味)を発売いたしました。また一部のエリアにて「やわもちアイス」シリーズ史上初のかき氷タイプをテスト販売し、今後に繋がる良い結果を残すことができました。また、近年伸長している「ボールアイス」シリーズの新商品「ドラえもんボール」は、食べた後も小物入れなどに残しておきたくなるユニークな形状が、幅広い年代の多くのお客様にご好評いただきました。また小豆をAZUKIへと輸出商品のラインナップを拡充し、海外のお客様に向けた商品もご評価いただくことができました。今後も更なる拡売を目指すとともに、和風を中心とした特色や付加価値のある商品開発に取り組んでまいります。

 (点心・デリ商品)

点心・デリ商品はCVSを中心に商品提案及び供給を行っております。年間販売商品は原材料価格高騰の中、価値と価格の整合性の合う商品作りを目指しリニューアルを行いました。また、特色である熟成発酵生地を使用した「ゴールドまん」シリーズは、環境への配慮としてトレーを無くし、品質の向上に努めました。家庭内需要の影響もあり、冷凍食品の肉まん・あんまんの販売が好調に推移し、その他冷凍食品では「井村屋謹製Pizzaぱん」を発売するなど、肉まん・あんまん以外の冷凍食品の強化にも取り組みました。また、海外に向けて輸出用餡ぱんを開発し、Eコマース向けの「12個入りゴールド肉まん」など新しい売場へのチャレンジを行い、今後も更なる市場拡大に向け取り組んでまいります。

 (冷凍菓子商品)

「小豆加工」「もち加工」「包あん」「冷凍」技術を融合し、自然解凍するだけで包みたての美味しさを味わえる4コ入冷凍和菓子を展開しております。より多くのお客様に冷凍和菓子を楽しんでいただくため、和菓子とクリームを掛け合わせた和洋折衷の「4コ入 黒ごまクリーム大福」、「4コ入 抹茶クリーム大福」を季節限定にて追加し、ご好評いただいております。また、あずき博士として知られる名寄市立大学の加藤副学長やゼミの学生と意見を交わしながら開発した「なまらもちもち!なよろ大福」を北海道限定で発売いたしました。学生の柔軟なアイデアや学術的な知見が詰められた魅力ある商品を開発することができました。今後もより多くのお客様にお喜びいただける商品開発を進めてまいります。

当連結会計年度における研究開発費の金額は462百万円であります。

 

(2) 調味料事業

井村屋フーズ七根サイトにおきましては、原材料や動燃費の高騰に対して、コストダウン対策として、新たな製造方法を開発することで顧客への提案を行うことが出来ました。この製法は環境にも配慮した設計になっており、その独自性から製法の特許出願を行いました。また、昨年度に引き続き植物素材に重点を置き、「オーツミルクパウダー」の開発を行い、顧客への提案を開始しました。

なお、海外市場に向けて、当社豆乳パウダーを使用した植物ミルクパウダーの取り組みを強化しています。

当社の強みを生かした提案商品開発(ODM)の活動を継続し、新顧客および新市場の創出を進めて参ります。

当連結会計年度における研究開発費の金額は23百万円であります。

 

(3) その他事業

特記事項はありません。