第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、創業以来『開拓・創造・実践』の企業理念のもと、独自の革新的、創造性に富んだ高い技術・開発力を背景に、「コネクタ事業」「インターフェース・ソリューション事業」「航機事業」の3つの事業をグローバルに展開し、発展してまいりました。

“Technology to Inspire Innovation”「当社の開発する技術が、お客様の独創的な商品開発に新しい扉を拓きます。」をグローバルスローガンとして、お客様のイノベーション実現を加速する技術開発・ものづくりに注力しております。そして、世界のお客様からパートナーとしての高い信頼をいただくため、「連結経営を基軸としたグローバルな事業展開」「グローバルマーケティングと技術開発力の強化」「品質・ものづくりの革新」を経営の基本方針として推進しております。

そして航空電子グループ企業行動憲章に基づいて、良き企業市民として、関係法令を遵守し、お客さま、株主・投資家の皆様、取引先、地域社会をはじめとした関係者に対する社会的責任を果たすことを目指します。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループが置かれている事業環境は、コロナ禍を契機としたデジタル化、リモート化の加速、世界的な脱炭素化への流れ、5G(第5世代移動通信システム)の本格普及など、社会や市場が大きく変化しております。当社グループが注力する市場においても、自動車市場における電装化の一層の加速、産業・インフラ市場でのスマート工場やFA・工作機械のネットワーク化の進展が見込まれるとともに、携帯機器市場においても5G化によるスマートフォンの機能進化による需要のほか、ウェアラブル機器やVR(仮想現実)・AR(拡張現実)機器の普及も期待されるなど、各市場において大きな変化が見込まれます。

こうした環境の中で、当社グループは、「5Gでつながる環境にやさしい次世代モビリティ・IoT社会」の実現に向けて、当社の持つ製品や技術開発力によって、事業を通じて社会に貢献し、企業として成長していくことを目指します。

 

その実現のために、2025年度を最終年度とする5カ年の中期経営計画を2020年度に策定しました。

中期経営計画の基本戦略として、

①自動車、産機・インフラ、携帯機器の「3つの重点市場」における市場の変化や技術の進化をとらえ、「技術開発力とものづくり」を強化すること

②コネクタ事業、インターフェース・ソリューション事業、航機事業の「主力3事業」において成長を図るとともに、小型・高性能アンテナなどの「新たな領域」を確立し、社会のニーズに応える価値の創造と事業の成長を図ること

③世界的な脱炭素化の潮流を踏まえ、サステナビリティ経営を目指し、持続的成長への基盤を強化すること

を推進し、2025年度売上高3,000億円、経常利益300億円の経営目標達成を目指します。

 

コネクタ事業、インターフェース・ソリューション事業、航機事業においては、それぞれ下記の中長期的戦略に基づき成長を目指します。

(コネクタ事業)

先端市場である携帯機器市場でのトップクラスのシェアを維持しながら、ADAS、自動運転、電動車などの普及によって、ますます電装化が進む自動車市場と、高齢化や人手不足を背景にした省人化・自動化ニーズの高まりによって中長期的な成長が予測されるFA・工作機械市場や5Gの普及によって拡大する通信インフラ市場における成長を目指します。

(インターフェース・ソリューション事業)

自動車の進化によって需要が拡大する自動車向け静電容量式タッチパネルの事業成長を目指すほか、操作性の向上が求められている産業機器市場においても操作パネル等の販売拡大を進め、自動車と産機市場それぞれの用途に適したタッチパネルのニーズを捉えて事業拡大を目指します。

(航機事業)

防衛・宇宙事業で培った加速度計、ジャイロなど“モーションセンス&コントロール”の技術を、半導体製造装置向けリニアモータや、各機器における自動化・リモート化需要に向けた小型慣性計測ユニットなど、民間市場に展開することで成長を目指します。

 

(3) 対処すべき課題

当社を取り巻く事業環境は、世界では、インフレや高金利の継続により、景気の下押しが見込まれるほか、欧米での金融不安への懸念など、世界経済の景気後退リスクが高まり、先行き不透明感が増すものと思われます。

一方、わが国では、インフレや海外経済の減速はあるものの、サービス消費等を中心に景気は緩やかに回復するものと思われます。

当社グループの関連するエレクトロニクス市場では、当社が注力する自動車市場においてはEV需要の拡大、産業機器市場では、スマートファクトリーや自動化に向けたFA、ロボットの需要拡大及び5G投資の一層の加速や6Gに向けた技術検討の本格化、携帯機器市場では5Gの本格普及を背景とした各種ウェアラブル機器やVR、AR等の需要の立ち上がりなど、今後も成長が期待されています。

このような状況のもと、当社グループとしては、各国の経済状況、市場動向並びに顧客動向を踏まえ、製品の安定供給を図るとともに、生産性を向上することにより、売上高の確保、収益性の改善を進め、事業環境の変化に迅速に対応する強い事業構造の確立に努めてまいります。

加えて、上述(2)項記載のとおり、持続的成長の実現に向けて、5G関連市場やCASEをはじめとする自動車市場など成長市場・成長領域への取組みの遂行にあたって、電気自動車における大電流対応などの技術開発力とものづくりの一層の強化を進めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<基本方針>

当社グループは、『開拓、創造、実践』の企業理念と、企業行動憲章のもとで、社会の一員として社会課題解決への貢献を通じて成長することを目指しております。

3つの主力事業がもつ革新的かつ創造性に富んだ高い技術・開発力を通じて、Connected Society、Safe Mobility、Clean Energy、Industrial Innovation、Air, Space and Ocean の5つの領域において、お客様との協創により社会価値を創出し、社会の持続的発展に貢献しながら企業価値の向上を目指します。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、サステナビリティ経営の推進にあたり、環境経営、CSR・コンプライアンス、人材活用、リスクマネジメントなどに関して全社横断的な各種委員会等を設けることにより、サステナビリティに関連するガバナンス体制を構築し、重要課題(温室効果ガス排出削減、多様な人材の活躍推進など)について、取組みを強化してまいります。


 

(2) リスク管理

当社グループでは、全社リスク管理委員会を設置し、持続的成長を阻害するリスクを特定し、監視、管理しております。

顕在化したリスクについては、対策の見直しや情報の共有により再発防止に努め、潜在リスクについては、発生可能性・切迫度及び経営への影響を評価し、発生時の対策案を検討しております。

特に重要案件に関しては、経営会議で適宜報告されるとともに、必要に応じて取締役会で付議又は報告され、会社経営陣が適切に全社のリスク管理状況を把握、監督する体制としております。

 

(3) 重要なサステナビリティ項目

① 環境に関する事項

当社グループは「社会の一員として、自然環境や生物多様性を尊重し、環境にやさしい事業活動を通して社会的責任を果たすことにより、豊かで持続可能な循環型社会の実現に貢献する」を環境方針の基本理念に掲げ、各種環境管理活動に取り組んでおります。

 

a) ガバナンス及びリスク管理

当社グループでは環境管理に関する方針と目標の設定、環境管理活動計画の実施促進と評価・検討を行うため、「環境管理委員会」を設置しております。本委員会で審議される案件の中で、経営上のリスクに関わる事項は、全社リスク管理委員会への報告を行うこととし、また、特に重要な事項は、経営会議で適宜報告され、必要に応じて取締役会で付議又は報告されることとしております。

 

 

b) 戦略

○地球温暖化対策

近年、地球温暖化の影響が、これまでの想定に比べより深刻であることが報告され、脱炭素社会の早期実現が世界共通の喫緊の課題となっております。当社グループでは、地球温暖化には、異常気象による事業停止、操業度低下、人材消失や、また環境規制強化に伴う対策コスト増大等を発生させる重大なリスクがあると考えており、そのため地球温暖化対策を重要な課題と捉え、2030年度にグローバル連結ベースで温室効果ガス排出量を55%削減(2017年度比)することを目指し、省エネ対策や再生可能エネルギー導入の両面に取り組んでおります。省エネ対策の具体的施策については、「環境意識の啓発」として、環境教育の徹底、各種環境イベントによる意識啓発、「生産系での対策」として、成型機やプレス機のエネルギー効率改善、梱包トレーのリユース、「工場施設での対策」として、用力・空調監視システムにより、部門毎・主要な工程毎に使用電力の見える化を図り、省エネルギー施策の考案、効果確認に役立てております。

 

○資源の有効活用

最近では、世界的に資源供給のひっ迫が懸念され、循環型社会への転換が求められております。

事業活動により発生する不要物の取組みとして、レスペーパーによる一般廃棄物の削減、プラスチック系・金属系廃棄物の分別徹底によるリサイクル及び有償売却により再資源化を図っております。再資源化率は2021年度の実績で、99.9%となっております。

 

○生物多様性への取組み

豊かな地球環境を守っていくには生物多様性は重要であり、当社グループでは、社会の一員として自然環境や生物多様性を尊重するとともに、事業活動を行う上で少なからず生物の環境に影響を及ぼしていることを認識するよう努めております。地球温暖化対策、省資源活動、化学物質管理等、日頃の環境管理活動を実践し充実させていくことが生物多様性の取組みにつながると捉えております。

環境経営のシンボルとして、2004年度に森林の再生保全のため、「航空電子グループの森」を開設しました。豊かで持続可能な社会実現のため、私たちは植林や下草刈りなどの活動を通して、グループ社員の森林保全による環境意識啓発の場とすることに加え、温室効果ガス(CO2)の吸収並びに水源の涵養(かんよう)に貢献しております。

・ヒノキと広葉樹によるCO2吸収量:年間5.3t-CO2

・地下水の涵養量推計値:年間5,320㎥

 

c) 指標及び目標

当社グループは、脱炭素社会の実現に向け取り組んでおり、2017年度の温室効果ガス排出量(Scope1・2)を基準に、2030年に向けた温室効果ガス排出量の削減目標を55%に設定し、推進しております。


 

 

 

基準年

実績

目標

2017年度

2022年度

2030年度

温室効果ガス排出量

(Scope1・2)

106,789t-CO2

68,135t-CO2

48,055t-CO2

削減量
 (2017年度比)

△38,654t-CO2

△58,734t-CO2

削減率

△36%

△55%

 

(注) 1.Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)

Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

2.各数値は、主に、連結・非連結の生産会社を対象としております。

 

② 人的資本に関する事項

当社グループの企業理念である『開拓、創造、実践』を具現化し、継続的な企業価値の向上を支える原動力は人材であります。当社グループでは、人的資本の向上を実現する各種施策に取り組んでおります。

 

a) ガバナンス及びリスク管理

当社グループの将来の発展に向けた事業構造の改革及び事業力の強化のため、グループ全体の人員の適正化、人材力の有効活用など人的資本に関わる課題やリスクを検討し、対応施策を推進するため、1994年に「経営人材活用委員会」を設置しております。本委員会で審議される案件の中で、経営上のリスクに関わる事項は、全社リスク管理委員会への報告を行うこととし、また、特に重要な事項は、経営会議で適宜報告され、必要に応じて取締役会で付議又は報告されることとしております。

 

b) 戦略

○多様な人材の活躍推進

当社グループでは、年齢、性別、国籍、障がいの有無にとらわれず、多様な人材が活躍できる職場環境の実現に向けた取組みを推進しております。特に女性活躍推進に関しては、

・女性社員の積極的採用

・女性管理職登用に向けた女性選抜研修の実施

・女性社員がリーダーシップを発揮できる環境をつくるためのアイデアを話し合う女性管理職の座談会の実施

等の施策を実施し取組みを強化するとともに、定期採用者に占める女性比率及び女性管理職比率の目標を定めております。

 

○人材育成方針

グローバル市場における競争力を確保するため、及び経営環境の急速な変化に対応するためには、社員個々人のスキルアップを図ることが重要であります。当社グループでは、階層別研修・職能別研修を体系的に整備するとともに、社員が将来を見据えて自律的にキャリアを形成できるよう、自己啓発を促すプログラムの設定や、計画的な幹部人材の育成を図るための選抜研修も導入しております。また、ものづくりの技能伝承を目的とした教育、資格取得の強化も図っております。

 

○社内環境整備方針

当社グループでは、社員が安全で働きやすい職場環境を実現するとともに、働きがいを持って活躍できる職場の実現を目指しております。

具体的には、柔軟な働き方を選択でき、ワーク・ライフ・バランスを実現できる在宅勤務制度、フレックスタイム制度の導入や、育児・介護のための短時間勤務、配偶者出産休暇、子供の私傷病や家族の介護の際に取得できる休暇、育児休業・介護休業制度など、育児・介護と仕事の両立を支援する各種制度を整備しております。

 

 

c) 指標及び目標

女性の活躍推進のため具体的な指標と目標について、次のとおり設定し、取組みを強化しております。

指 標

目 標

実 績

定期採用者に占める

女性比率

2025年度までに

25%以上

19.4%

(2022年度定期採用者)

女性管理職比率

2030年度までに

6%以上

2.7%

(2023年3月31日現在)

 

(注) 本指標における取組みは、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、目標及び実績は提出会社の数値を記載しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが、判断したものであります。

 

(1) 環境課題への対応について

近年、地球温暖化の影響が深刻となっており、脱炭素社会の早期実現が世界共通の喫緊の課題となっております。また、世界的に資源供給のひっ迫が懸念され、循環型社会への転換が求められております。これら環境課題への対応が遅れた場合、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、当社グループは、環境課題を重要なサステナビリティ項目と位置付け、温室効果ガス排出削減による地球温暖化対策をはじめとする各種環境管理活動に取り組んでおります。

 

(2) 自然災害等に関する影響について

当社グループの生産・販売拠点は、国内外に分散しておりますが、自然災害の発生や感染症の蔓延等のリスクを抱え事業を展開しております。このため、大規模な自然災害等が発生し、物的・人的被害の発生や物流機能の麻痺等による生産活動の縮小・停止を余儀なくされた場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらリスクに対して、安定した製品供給を維持するため、保有する設備や情報システムに対してのバックアップ体制等の対策を講じております。

 

(3) 海外展開について

当社グループは、市場のグローバル化に対応して、生産拠点及び販売拠点を海外に展開しており、今後も積極的に行う方針であります。このため、世界各国の経済動向及び政治・社会情勢の変化や為替変動が、当社グループの調達コストやサプライチェーンなどに影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、需要の変動に対する対応力を強化するとともに、生産の複数拠点化などによる安定生産を図り、業績向上の確保に努めております。また、為替変動リスクへの対応として、先物為替予約による為替ヘッジを行っております。

 

(4) 携帯機器市場について

当社グループの連結売上高の約4割は、携帯機器市場向け製品であります。携帯機器市場は需要の変動が激しく、スマートフォンに見られるような急激な需要の減少が顕在化した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対して、生産リードタイムの短縮や生産設備の効率化による需要変動への対応力強化に努めております。

 

(5) 世界的な半導体不足について

世界的な半導体不足により、自動車メーカーをはじめとした当社の関連するエレクトロニクス市場において、生産調整の影響が生じております。現時点で半導体不足の解消時期を正確に予測することは困難な状況にありますが、顧客の生産調整が継続した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対して、顧客の最新情報を入手し、顧客の生産変動に合わせた適切な生産対応に努めることにより、リスク低減を図っております。

 

(6) 競合環境と価格低下による影響について

当社グループは、事業を展開する市場において激しい競争にさらされており、コネクタ等の製品価格低下や急激な技術の変化が進んでいるため、当社グループ製品のシェア低下や利益率悪化等の変動要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、コスト削減、新製品投入による利益率の確保に努めております。

 

(7) 原材料等の調達について

当社グループの製品は、原材料や一部部材を外部業者より調達しております。主要な原材料の市況価格変動による仕入コストの増加、需要の急激な変化や物流の混乱等に伴う供給元からの調達難が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、海外調達先の開拓と調達品のコスト低減、2社購買などによる安定調達に努めております。

また、製造過程における生産設備の稼働等、相当の電力を消費するため、電力価格の高騰が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対して、省エネルギー化の推進や生産性向上などによる使用電力低減に努めております。

 

 

(8) 品質について

当社グループは、「品質・ものづくりの革新」を経営の基本方針として推進しており、社会的に有用で、安全に十分配慮した高い品質の商品とサービスを提供しておりますが、万一、当社製品に品質上、安全上の不具合が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、評価試験体制の強化・拡充、及び高いレベルでの品質管理体制の維持・向上に努めております。

 

(9) 知的財産権について

当社グループは、他社の特許権等の知的財産権を尊重しつつ、国内外において事業活動を行っておりますが、第三者から知的財産権に関する主張を受け、係争事件に発展した場合、又は、当社製品、技術が第三者によって模倣された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、第三者の知的財産権の侵害を回避するとともに、将来の事業活動に必要な知的財産権獲得のための研究開発活動の強化及び当社グループの知的財産権の保護に努めております。

 

(10) 生産設備等の処分について

当社グループの生産設備は、製品ライフサイクルの短命化に伴う陳腐化等による処分損失が発生する可能性があります。このリスクに対して、経済的耐用年数による減価償却の実施や他製品用として転用可能な設備の開発など、生産設備の徹底した有効活用を図っております。

 

(11) 人材確保について

当社グループでは、継続的な企業価値の向上を支える原動力は人材であり、優秀な従業員を獲得し維持する必要があると捉えております。少子高齢化や労働人口の減少など、必要な人材を継続的に確保するための競争は年々厳しさを増しており、十分な人材確保が困難となった場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対して、多様な人材が活躍できる職場環境の実現に向けた取り組みを推進するほか、人事制度の拡充など、人材育成や社内環境整備に努めております。

 

(12) 情報セキュリティについて

当社グループは、業務を通じて入手した取引先の機密情報や個人情報等を多数保有しております。このため、サイバー攻撃、コンピュータ・ウィルスの感染、その他不測の事態により機密情報が消失、改ざん、漏洩した場合、当社グループの社会的信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらリスクに対して、情報セキュリティ統括室を設置し、情報セキュリティ方針・ガイドラインの強化及び監視を徹底するほか、管理体制の整備、情報セキュリティ人材強化、情報セキュリティシステムの構築等、防止に努めております。

 

(13) コンプライアンスについて

当社グループは、国内外において、独占禁止法、製造物責任、贈収賄防止、データ保護、環境、人権、労務、租税等に係る法規制や輸出入規制、政府の許認可等、様々な公的規制の適用を受けて事業を行っております。これら公的規制の違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合、損害賠償請求や信用失墜等により、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対して、当社グループは、法令・定款の遵守を徹底するため、航空電子グループ企業行動憲章・行動規範を制定するとともに、7月5日を「遵法の日」と定め、毎年社長が訓示を実施しております。また、法令・定款等に違反する行為や企業倫理等に関する不正行為を発見した場合の通報体制として内部通報制度を設置するなど、違反、不正行為の発生可能性を低減するよう努めております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の世界経済は、コロナ流行後の巣ごもり需要が一巡したことから財需要は低迷したものの、欧米を中心にサービス分野が景気を牽引し、底堅い景気となりました。また中国においても、ゼロコロナ政策によるロックダウンや同政策解除による感染急拡大などの混乱はありましたが、第4四半期に入り経済活動の正常化が進みました。

以上のような景気の中で、エネルギーコスト上昇などからインフレが進み、これに対し各国では金融引き締めを進めましたが、年度末に起きた欧米の一部金融機関の破綻をきっかけに、金融不安への懸念も高まりました。

わが国経済においては、コロナ感染対策の緩和から経済活動の正常化が進みました。期後半に生産活動や輸出が頭打ちになる等の弱さはあったものの、個人消費が回復基調にあり、景気は緩やかに持ち直しつつあります。一方、為替の状況は、海外各国の金融対策との乖離から第3四半期にかけて急激に円安が進行しましたが、年末には円高に転じるなど変化が激しい状況となりました。

当社グループの関連するエレクトロニクス市場は、携帯機器市場では、引き続き中国需要が低迷したことに加え、期後半には顧客の生産調整により需要が減少し、厳しい事業環境の中で推移しました。産業機器市場においても、第3四半期後半以降、半導体製造装置の減速や一般産機の急速な受注調整が発生しました。一方、自動車市場では、半導体不足やサプライチェーン混乱による減産の影響を受け、自動車需要全体としては弱含みであったものの、電装化及びEV化関連の領域は拡大基調が継続しました。

このような状況のもと当社グループは、主力のコネクタ事業を中心に積極的なグローバルマーケティングと新製品開発活動のスピードアップによる受注・売上の拡大を図るとともに、内製化の更なる強化によるコストダウン、設備効率化及び諸費用抑制など経営全般にわたる効率化を推進し業績向上に努めました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、2,358億64百万円(前連結会計年度比105%)、利益面においては、営業利益175億62百万円(前連結会計年度比97%)、経常利益191億15百万円(前連結会計年度比103%)、親会社株主に帰属する当期純利益146億39百万円(前連結会計年度比102%)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

① コネクタ事業

携帯機器分野においては、円安効果があったものの、中国需要の低迷などスマートフォン市場が悪化して厳しい状況となりました。産機・インフラ分野においては、期後半に需要の一服感が見られたものの、前年並みを維持しました。自動車分野においては、半導体入手難による顧客の生産減など厳しい状況でしたが、ADAS関連製品が増加したことなどから、当連結会計年度の売上高は2,041億80百万円(前連結会計年度比103%)となりました。利益面では、携帯機器向け製品の需要減少による操業度悪化、材料費高騰、及びエネルギーコスト上昇などに対し、費用抑制などコストダウンを進めましたが、セグメント利益は175億55百万円(前連結会計年度比86%)となりました。

② インターフェース・ソリューション事業

自動車分野においては、ガラスセンサにおける生産終了品が影響しましたが、産機・インフラ分野においては、FA・工作機械や半導体製造装置で主要顧客の堅調さが継続したことから、当連結会計年度の売上高は116億91百万円(前連結会計年度比109%)、セグメント利益は5億36百万円(前連結会計年度比131%)となりました。

③ 航機事業

産機・インフラ分野において、原油価格高騰による油田掘削向けセンサの需要が拡大したこと、また、半導体製造装置向け製品も好調が継続したことから、当連結会計年度の売上高は191億14百万円(前連結会計年度比125%)、セグメント利益は40億62百万円(前連結会計年度比249%)となりました。

 

 

財政状態の状況は、次のとおりであります。

① 資 産

当連結会計年度末の総資産は、主として、コネクタ事業の国内主力生産子会社(山形航空電子)での工場増設に伴う建設費用支払いによる建設仮勘定等の増加により、前連結会計年度末に比べ12億82百万円増加2,266億26百万円となりました。

② 負 債

負債は、仕入債務の支払い及び借入金の約定返済により、前連結会計年度末に比べ121億13百万円減少553億41百万円となりました。

③ 純資産

純資産は、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ133億96百万円増加1,712億84百万円となり、自己資本比率は、75.5%となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上及び棚卸資産の削減等により、324億51百万円のプラス(前連結会計年度は244億32百万円のプラス)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主として新製品生産用設備を中心とする有形固定資産取得による支出などから、234億32百万円のマイナス(前連結会計年度は202億85百万円のマイナス)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済及び株主配当金の支払いにより、116億45百万円のマイナス(前連結会計年度は99億85百万円のマイナス)となりました。

この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ25億34百万円減少630億25百万円となりました。

 

(生産、受注及び販売の実績)

当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績、受注実績及び販売実績は、次のとおりであります。

 

(1) 生産実績

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

コネクタ事業

203,434

99.5

インターフェース・ソリューション事業

11,507

105.1

航機事業

19,355

126.4

その他

772

117.0

235,070

101.6

 

(注) 金額は販売価額によっております。

 

(2) 受注実績

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比
(%)

受注残高
(百万円)

前期比
(%)

コネクタ事業

200,892

98.0

23,283

87.6

インターフェース・ソリューション事業

12,710

103.3

4,435

129.8

航機事業

26,623

148.4

19,719

161.5

その他

898

82.0

389

105.5

241,125

102.0

47,828

112.4

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(3) 販売実績

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

コネクタ事業

204,180

103.0

インターフェース・ソリューション事業

11,691

108.7

航機事業

19,114

125.3

その他

878

108.3

235,864

104.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

三信電気㈱

41,396

18.4

49,216

20.9

Apple Inc.

23,535

10.5

24,979

10.6

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

 「(経営成績等の状況の概要)  (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(2) 資金の流動性及び資本の源泉

① キャッシュ・フロー

「(経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

② 財務政策

当社の運転資金需要の主な内訳は、当社グループ製品の新製品開発及び製造のための材料及び部品の購入のほか、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等であります。また、設備資金需要の主な内訳は、新製品開発、製造及び生産性向上、品質向上のための設備投資と当社グループの永続的な発展のための投資であります。

こうした資金需要に対し当社グループは、グローバルマーケティングの強化及び技術開発力の強化による受注・売上の拡大と環境・品質を重視した競合に負けない物づくりを積極的に推進し、営業キャッシュ・フローの創出に努めております。

更に、財務対策として売上債権の流動化等、資金調達の多様化並びに資産の効率化を推進しているほか、グループ資金調達リスクの回避及び資金コストの低減を図るため、コミットメントライン契約による資金調達枠の確保、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)導入によるグループ内資金の効率化など様々な対策を講じております。

 

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2025年度を最終年度とする5ヵ年中期経営計画を策定し、売上高3,000億円、経常利益300億円の経営目標を掲げております。

中期経営計画の2年目となる当連結会計年度において、中期経営計画の目標に対する実績値及び達成率は以下のとおりであります。

 

指標

実績

中期経営計画

2021年度

(億円)

2022年度

(億円)

達成率

2025年度目標

(億円)

売上高

2,250

2,358

79%

3,000

経常利益

185

191

64%

300

 

 

 当連結会計年度は、「(経営成績等の状況の概要)  (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおり、携帯機器分野で厳しい状況となりましたが、自動車分野及び産機・インフラ分野で堅調に推移する結果となりました。

中期経営計画の3年目となる翌連結会計年度は、自動車分野及び産機・インフラ分野での売上拡大及び操業度改善による営業増益を目指してまいります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、グローバルな視点での事業運営と顧客価値の追求に徹し、優れた製品をタイムリーに市場に供給するため、グローバルマーケティング力の強化及び技術開発力の強化を積極的に推進しております。これを牽引し支えるために、商品開発センターにおいては、基礎・応用技術の研究開発を主体に、各事業部の技術部門においては、所管事業に関する新製品、新製法の開発を主体に、それぞれが連携をとりながら長年にわたって培ってきた経験と実績を生かして研究開発活動を実施しております。また、各生産子会社は、所管製品に関連する事業部との密接な連携のもとに新製法の開発を主体に取り組んでおります。

当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発成果は次のとおりであります。

 

(1) 商品開発センター

独自性のあるIoT製品に貢献する技術開発に取り組んでいます。電気接続分野では小型化や薄型化といった従来からの要求に加え、柔軟性や伸縮性への接続信頼性が要求されております。このような要求に応えるべく粘着性のフィルム型コネクタ(Film Type Connector:以下FTC)の開発に取り組んでおり、振動耐久性を必要とするモビリティ、ロボット向けにFTCを利用したセンサモジュール試作を進めております。一方、IoT領域での鍵となる技術分野のひとつであるセンサ・解析分野では、独自のMEMS加速度計を用いた高精度センサシステムの構造物診断市場への参入を目的とする実証実験を継続しており、劣化診断に有効なデータ取得技術の向上と共に、当該技術の事業性を調査しております。

社会課題解決に資する高精度センサおよびそれを用いたシステム関連の技術開発に取り組んでおり、過疎化する山岳農村地帯の安全確保に貢献する地すべりセンシング用途の水位計システムを産学連携で開発し、山岳エリアに設置・実装いたしました。また、電気化学センサの技術開発では、これまでに開発してきた小型多点電気化学測定装置をベースとしてウイルスなどの生体物質の多数検体同時検査を目指したシステムを試作し、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究助成の下、インドでの医療機器関連展示会に開発品を出展し、ビジネス化に向けニーズ探索を行いました。量子センサ開発では、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の未来社会創造事業のプロジェクトとして、資源探査用途の計測応用の可能性実証や自動運転などに貢献すべく高感度センサ開発を継続しております。また、衛星測位と慣性航法装置とのデータ統合化技術の磨き上げを加速させ、スマート農業やスマート建設機械などの自動運転に資する制御技術とモジュール開発も進めております。

モノづくり面ではコネクタ製品向けに、材料分析技術、電磁両立性(EMC)解析技術、潤滑や摩耗といった現象に関するトライボロジー技術の磨き上げに注力しております。材料分析技術では、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして関連する再生材料や植物由来材料の化学・機械特性に関する分析調査も進めております。トライボロジー技術に関しては、EV充電端子などの大電流コネクタの接点部における金属めっき膜の摩耗を大幅に抑制するJAE独自の接点界面設計技術 「wearzerO™ (ウェアゼロ)」 を開発し、実用性能の実証を行っております。

 

(2) コネクタ事業

製品開発では、スマートフォンをはじめとしたICT機器の実装基板における更なる高密度実装に対応するため、実装の確実性と高密度実装を両立した千鳥配列端子の基板対基板(FPC)コネクタ「WP86SD」シリーズ(嵌合部コンタクトピッチ0.25mm、端子部コンタクトピッチ0.5mm)を開発しました。本製品は狭ピッチ化に加え、業界初となる8Aの通電が可能なハイパワーホールドダウン(基板への固定補強用金具)を備えることで、スマートフォンの急速充電に必要な大電流にも対応しております。PC及び周辺機器の外部I/Oにおいては、USB4® Version2.0(最大80Gbps)の高速伝送及び新たに追加された大電力の給電規格のEPR(Extended Power Range:最大給電能力は48V/5A、240W)に対応したUSB4®プラグコネクタを開発しました。本製品は、USB-IF(USB Implementers Forum, Inc.)が認証テストツールに唯一採用している「USB4® Golden Plug」に認定されており、業界最高レベルの伝送品質が実証されております。また、高精細サイネージ用や産業機器用では、DisplayPortやUSBなどにおける高速信号の伝送距離を10m~20mまで延長可能とするため、劣化した信号の補正能力が優れたリタイマーICをハーネス内に実装したACC(Active Copper Cable)の製品化を推進しております。EV向けにおいては、高温/低温環境下に耐える防水/防油性能をインサート成形で実現し、コネクタの小型化と原価削減を図りました。また、5万回の繰返し挿抜にも耐えられるEV用充電プラグの開発に向けて表面処理材料の最適化を確立しました。

生産技術開発では、画像認識などを用いた新工法により、ケーブルの配置補正の工程など今まで属人的なモノづくりになっていた工程を自動化することで、生産ラインの省人化及び品質安定を実現するとともに、汎用性を考慮した設備の開発を進めております。また、成形、プレス、表面処理加工におけるシミュレーションソフトを導入し、部品の加工工程を事前にシミュレーションすることで、手戻りのない効率的な開発及び改善活動を推進しております。

基盤技術開発では、次世代製品の開発として、洗濯に対応したスマート衣料向けコネクタの小型化及び多品種化や基板対基板用高密度コネクタの要素技術の開発を推進しております。次世代製品の要素技術の開発としては、高速伝送コネクタで必要となる車載コネクタ・ハーネスの電磁ノイズ低減技術、PAM4(4値パルス振幅変調)伝送の設計評価技術の開発を推進するとともに、EV用コネクタで必要となる太径電線やアルミ電線とコンタクトとの超音波結線技術の開発、大電流コネクタの長寿命接点構造の研究を推進しております。また、解析技術の開発としては、振動解析技術、防水用のゴム解析技術、コネクタ形状の最適化解析技術の開発を行っております。

新領域である小型・高性能アンテナでは、「AN01」シリーズに加えて、新たなラインナップとして、車載端末、企業向けWi-Fiアクセスポイント、5G基地局向けに「AN02」シリーズの開発を行いました。周波数帯としてはWi-Fiで主に用いられる2.4 GHz、5 GHz、6 GHzと、ローカル5Gで用いられる4.6~4.9 GHzに対応しております。また、「AN01」が水平置きの構造であったのに対し、「AN02」は垂直置きの構造になっており、フットプリントの省スペース化を図ったことに加えて、放射パターンの等方性の向上、金属接近時のさらなる特性改善も実現しております。

 

※USB4®は、USB-IF(USB Implementers Forum, Inc.)の商標です。

 

(3) インターフェース・ソリューション事業

自動車市場では、EV化の拡大、自動運転技術の進展とともに、車室内における居住空間の変化が進み、ディスプレイ大型化に伴う軽量化、デザイン性や視認性向上のニーズが高まっております。これらに対応するため、軽量で屈曲性を有し低反射を実現するフィルムタイプのメタルメッシュタッチセンサの開発を行っており、機能・材料開発および新たなプロセス・設備検討を推進しました。また、低反射化に伴い顕在化する防汚性課題に対して、指紋目立ち性と指紋ふき取り性を大幅に改善する表面処理の開発を行いました。

産機・インフラ市場向けには、工作機械、ロボット用操作端末の開発において、作業者の操作性向上に繋がる軽量化やデザイン検討に取り組み、試作サンプルを製作し評価を進めました。新領域の製品創出に向けた取り組みとして、メタルメッシュセンサ技術の応用により、従来のタッチ機能に加え、非接触・感圧機能を有した静電容量式多機能センサの開発を進め、試作品を展示会へ出展しました。また、メタルメッシュセンサの更なる高精細印刷の実現による用途拡大に向けて、産学連携での共同研究を推進しております。

 

(4) 航機事業

産機市場向け製品開発では、実運用が開始された国内ドローン市場におけるレベル4環境(有人地帯目視外無人飛行)に対応するフライトコントローラとして、飛行安全を実現する冗長化と慣性センサの最適化の開発を進めております。また、制御のデジタル化による小型/高分解能の電波高度計の開発も進めております。慣性計測装置としては、i-Construction、スマート農業向けの小型IMUについて、より厳しい耐環境性への対応技術の研究を継続しており、実証モデルによる実環境での検証を実施しております。

高精度光応用センサにおいては、性能向上に向けて光学系の要素技術を研究しており、システムレベルでの評価を含む製品化に向けた取り組みを行っております。

 

 

以上の研究開発費総額は12,123百万円であります。