第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営方針

当社グループは、2022年12月に創業50周年を迎えるにあたり、49年目の創業記念日である2021年12月2日より、新しい経営理念「『寄り添うチカラ』で人々の感動と笑顔を生み出す」とパーパス(存在意義)「地方創生による社会貢献を通してすべての人や企業にサプライズを提供し、持続可能な未来の発展に貢献します」の適用を開始し、これまで培ってきたシステム(IT)と業務(BPO)のノウハウを通じて広く社会に有益な存在であり続けることを目指して企業活動を推進しています。

 


 


 

当社グループは、過去の慣習にとらわれず、次の、次の未来に向けてITのチカラでイノベーションを創出し続けることで、人や社会に新たな変革をもたらし、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。

 

(2) 中期経営計画「「NEXT STAGE 2023 - HENCA SINCA SOZO -」の遂行

「お客様に寄り添うチカラ」で持続的成長の実現を目指すことを長期的目標とし、2023年度の財務目標として、売上高210億円、営業利益34億円、ROEおよびROIC13%以上の達成を掲げ、経営基盤の強化、収益性の向上、ESG経営の進化を進め、環境変化に対応していきます。

 

<中期経営計画の基本方針>

① 経営基盤の強化

企業価値の持続的な向上を目指し、事業成長していくためには強い経営基盤を築くことが必須と考え、ガバナンスの強化、社内インフラの強化、開発体制および品質の強化を推進いたします。また、今後の成長を支える多様な人財の確保について、質と人数の両面から強化してまいります。

 

② 収益性の向上

財務目標として掲げるROIC13%を達成すべく、ROIC経営を全社に浸透させ収益性の向上を目指します。具体的には、低収益事業からの撤退、事業部間シナジーのさらなる追求、成長事業・新規事業育成のための積極的投資に努めてまいります。

 

 

③ ESG経営の進化

将来の成長に向け、利益と効率性の追求に加えESG経営の実践が求められています。当社グループでは社長自らがサステナビリティ推進担当となり、ESGの考え方を社内に浸透させるとともに、我々の強みを生かし、様々なソリューションの提供を通じて地方のデジタルトランスフォーメーション(DX)化に貢献し、地方経済の活性化に寄与していきたいと考えております。

 

(3) 経営環境

今後の経営環境につきましては、日本経済は新型コロナウイルス感染症の収束に伴い穏やかに持ち直しの動きが見られます。その一方で、世界的な資源価格や物価の高騰、円安、金融市場の混乱といった不安要因も多くみられ、依然として先行き不透明な状況が続くものと思われます。

 

(4) 対処すべき事業上および財務上の課題

当社グループは2021年度に、2023年度までの3カ年を対象とした、中期経営計画をスタートいたしました。不確実性の高い時代において、お客様のニーズの多様化や社会の変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現すべく、中期経営計画の3年目となる2023年度は、以下の項目への取り組みを加速化させてまいります。

 

    ① クロスセルの拡大による既存事業の成長をさらに追求

当社は、既存事業のさらなる成長に向け、クロスセルの拡大が重要課題と考えております。お客様のニーズが多様化する中、業界をまたがって様々なソリューションを提供することで、事業部間シナジーを追求してまいります。その中心となるのが、非対面ソリューション、コンタクトセンターソリューション、キャッシュレスソリューション、セキュリティソリューションの4領域と考えております。「非対面」を実現するデジタル化のニーズは引き続き堅調に推移すると予想されます。コンタクトセンターソリューションにおいて主力の延滞債権督促業務を無人化した「ロボティックコール」は、ノンバンクを中心に新規顧客を獲得するなど好調な販売を維持しております。また、業界問わずサイバー攻撃に対するセキュリティ対策のニーズが高まっており、全事業部でのクロスセルに取り組んでおります。既存事業の深掘りとクロスセルにより、さらなる成長を目指してまいります。

 

② 新規事業の拡充

当社は、デジタル・キャッシュレス・セキュリティという3つのプラットフォームで構成する「デジタル地域インフラ」を提供し、地方のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しております。2022年4月には、社長直轄の新規事業推進室を創設し、幅広い領域でソリューションを提供してきた実績を軸に、産学官の連携など新たなパートナーと組み、自社の技術に留まらない事業創生に向け、スピード感をあげて取り組んでまいります。全国規模の強固な顧客基盤をてこに、即効性のあるサービス、システムを展開することで、新規事業を立ち上げ、一挙に拡大したいと考えております。

 

  ③ サステナブルな社会の実現に向けた対応

当社は、『「寄り添うチカラ」で人々の感動と笑顔を生み出す』というサステナビリティ基本方針を掲げ、5項目のマテリアリティを特定し、課題解決に向け全社で取り組んでおります。地域社会と人々のライフステージすべてをイノベーションでサポートし、サプライズを提供することでサステナブルな未来を実現してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループでは、サステナビリティを巡る課題への対応を重要な経営課題であると認識し、事業を通じて社会課題の解決に努め、持続可能な社会の実現に貢献することが、当社グループの企業価値の向上につながると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)アイティフォーグループのサステナビリティ全般

① 基本方針

当社は2021年12月に、「地方創生による社会貢献を通してすべての人や企業にサプライズを提供し、持続可能な未来の発展に貢献します」というパーパスのもと、当社ビジネスの主要基盤でもある「地方」や「地域」にフォーカスしたサステナビリティ方針を策定し、持続可能な地域社会の実現に向けて社会的な責任を果たしていくことを発表しました。


当社のサービスは社会の多くの場所で活用されています。それは、決済端末のように社会の人々の目につきやすい製品だけでなく、当社のサービスであると認識されづらい場面においてもさまざまなサービスが活躍しています。それらは、出生、入園、入学から卒業、就職、結婚、出産、そしてセカンドライフなど、人々のあらゆるライフステージを支えています。当社のサービスが社会の皆様に驚きや感動、笑顔を生み出し、地域社会づくりに貢献することで、地球環境や経済システム、社会の発展に貢献し、持続可能な未来を実現することを目指しています。

 

② ガバナンス

当社は、社会の大きな変化やニーズの変化に対応した迅速かつ柔軟な事業展開を目指し、強固なガバナンスの構築に取り組んでいます。

2021年に発表した第3次中期経営計画の基本方針の1つ「ESG経営の進化」 に則り、代表取締役社長自らがサステナビリティ委員長を、そして3名の取締役が副委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置しました。委員会メンバーには、各事業部からさまざまな等級の社員が参画しているだけでなく、メンバー内の女性比率は約3割と、ダイバーシティにも配慮しています。

2022年12月には、重要課題に特化した「地方創生推進委員会」「人財推進委員会」「環境推進委員会」の3つの推進委員会を新たに設置し、3名の取締役を推進委員長としました。これにより、当社の重要課題に対し迅速に対応することが可能となり、サステナビリティの取り組みを拡大・進化させます。

また当社は、グループ全体でサステナビリティを含めた事業活動に取り組み、企業価値向上を図るため、定期的にグループ会社トップによる「ITFORグループ経営会議」を開催しています。1回目は2022年12月に開催し、サステナビリティの基本方針を確認すると共に、今後グループとして取り組みを推進していくことを確認しました。2回目は2023年6月に開催し、グループガバナンスについて討議します。当会議は半期に1度開催し、主要テーマに合わせて各社代表によるディスカッションを実施することでグループガバナンスを強化しグループ経営を進めることでシナジーを生み出し、持続的に企業価値向上に努めます。

なおサステナビリティ委員会の活動を半期に1度取締役会(代表取締役2名、監査等委員である者を除く取締役3名、監査等委員である取締役3名の計8名で構成)に報告することで、進捗状況の報告のみならず必要に応じて指示を受けることができ、より継続的、有効かつ円滑な取り組みを実現することを可能にしています。取締役会で受けた指示内容は、サステナビリティ委員会を通して円滑に各本部ほかグループ会社に展開し、シームレスに取り組めるようにしています。

 


 

 <サステナビリティ委員会メンバー構成>

委員長    代表取締役社長

副委員長   代表取締役専務 技術開発本部長

       取締役 事業本部長

       取締役 管理本部長

メンバー   技術開発本部所属社員2名

事業本部所属社員9名(うち女性2名)

管理本部所属社員4名(うち女性2名)

社長直属社員  2名(うち女性1名)

 

 

③ ESGを考慮したマテリアリティと具体的な取組戦略

当社は、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の視点を取り入れさまざまな角度から検討し、サステナビリティ上のマテリアリティ(重要課題)を5つに特定しました。

 

<5つのマテリアリティと具体的な取り組みの説明>

ESG区分

マテリアリティ

説明

取組概要

環境負荷の低減

温室効果ガス排出量削減に関して、自社での取り組みを促進するだけでなく、お客様の取り組みに対しご支援できるソリューションを提供します。

・気候変動リスクに対する活動の推進

「地方創生」による

社会貢献

事業活動を通じたソリューションを含むオープンイノベーションを活用することで、都市部と地方の格差を是正し、地方経済の活性化を目指します。

・オープンイノベーションによる地方活性化

・地方雇用活性化ソリューションの提供

DX推進による生産性向上、付加価値向上

常に新しく進化するITを活用して団体・企業の生産性向上を支援するとともに、やりがいを持って働くことができる環境構築を支援します。

・新技術を活用した社会インフラの構築、提供

・DXによるディーセント・ワーク推進

人財の深化

多様な価値観・バックグラウンドが尊重され、一人ひとりが能力を最大限発揮できるよう、人財の活躍推進と育成に取り組むとともに、働きがいのある未来志向の職場環境を創造します。

・人権の尊重

・多様な人財の活動推進と育成

・働きがいのある職場環境の提供

・労働安全衛生・健康経営の継続的な推進

経営基盤の強化
 (経営基盤の強化、

社内インフラの強化)

コンプライアンス経営やリスクマネジメント体制、コーポレートガバナンス体制の強化などの「経営基盤の強化」と、社内DX化促進などの「社内インフラの強化」を推進します。

・経営基盤の強化

・コンプライアンス経営の強化

・リスクマネジメント体制の強化

・コーポレート・ガバナンスの強化

・社内インフラの強化

・社内DX化の推進

・セキュリティ強化

 

上記のうち、「環境負荷の低減」と「人財の深化」は、「気候変動」項目と「人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針」項目に関連して、(2)および(3)に別途詳細を記載しています。

 

④ サステナビリティにおけるリスク管理

当社は、リスク管理全体を統括する組織として、社長を委員長、他の取締役3名を構成員とするコンプライアンス・リスク管理委員会を設置しており、情報セキュリティ、環境、労働衛生、製品品質、安全などのリスクの重要度を評価、分析のうえモニタリングしております。また当社および子会社の有事においては社長を本部長とする緊急対策本部が統括して危機管理にあたることとしています。

その中でサステナビリティにおけるリスク管理に関しては、環境・地方創生・人財の各推進委員会が協議した内容をサステナビリティ委員会に報告します。サステナビリティ委員会はリスクの重要度を評価し、リスクが最小となる対応策を協議します。協議結果はコンプライアンス・リスク管理委員会に報告され、必要に応じて社内の関係部署に対応を指示するとともに、最終的に取締役会に報告します。

 

 

(2)気候変動

① ガバナンス

気候変動に関するガバナンスはアイティフォーのサステナビリティ全般についてのガバナンスに組み込まれています。

 

② 戦略

気候変動への対応を中長期的な企業価値に影響を与える重要な課題と認識しております。環境推進委員会は、気候変動に関するリスクと機会の分析を行い、その影響の調査に取り組んでいます。移行リスクのうち政策・法規制リスク、市場リスクおよび物理的リスクのうち急性リスクは2℃未満シナリオと4℃シナリオを用い、2050年までを考慮したシナリオ分析を実施しています。その結果、重大な影響はないと予測いたしました。

※IPCC第5次報告書におけるRCP2.6/RCP4.5/RCP8.5を使用

 

③ リスク管理

事業部および環境推進委員会でリスクの列挙と分析、重要度の評価を行っています。今後、事業インパクトの評価、対応の定義を行う態勢を整えます。

 

④ 指標と目標

 現金の「発行」「輸送」「管理」に要するCO2排出量の削減が見込まれる、地方公共団体、地方企業のキャッシュレス化推進など、事業活動に関連するGHG排出量の削減に向けた取り組みを推進しております。

 

SCOPE1およびSCOPE2排出量

2021年実績 454t-CO2 ※2022年は集計中

SCOPE3については、今後の開示に向けた検討を進めています。

 

 

(3) 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

① 人的資本経営に関する取組方針

当社は、「『寄り添うチカラ』で人々の感動と笑顔を生み出す」という経営理念を実現するために、その原動力となる社員の一人ひとりに寄り添うことで、社員が生き生きと働き、持てる能力を最大限発揮できる環境づくりを目指しています。

 

② 戦略

当社の人的資本経営は、人財の確保や育成に関連する取り組みの一つひとつが、最終的には経営の目指す目標(ROICの向上。中期経営計画最終年度である2023年度は13%)につながっていくイメージを見える化し、各施策に関係する社員全員が最終ゴールを意識した活動をすることで、施策の実施効果を最大限上げていくことを狙いとしています。


 

各施策はKPIの設定とモニタリングにより定点観測を行います。KPIについても、企業間比較が可能な指標に当社の独自指標も加え、また、目標を達成するためのマイルストーンとしてのKPIと、当社として常に維持すべき絶対水準を示したモニタリング指標としてのKPIとに分けて管理することにより、目指すべき目標の明確化を図っています。

 

A 社内人財の教育・育成

当社は従業員一人ひとりの成長が企業の成長にもつながるという人材育成方針に基づき、社員の教育・育成に努めています。社員が最新の技術や知識を身につけ、高度な専門性を持つこと〔=人材から人財へ〕により、お客様へのより良いサービスの提供が可能になると考えており、階層別・業務別に焦点を絞った研修のほか、対人対応力などのコンピテンシーを高めるための研修にも力を入れています。

最近は新卒採用を増やしており、新人エンジニア研修には平均して1,000時間以上の学習時間を確保しているほか、社員の就業時間の5%を自己研鑽の時間に充てる施策を展開するなど、社員のキャリアアップやスキルアップを積極的に支援しています。当社はこうした教育や育成を通して「自ら学び続ける文化をつくる」ことを目指しており、それが最終的には仕事の高い遂行能力を有する人財の育成につながるとの思いから、KPIでは「納期遅延の極小化」や「見積精度の精緻化」に関連する指標をもモニターしてまいります。

 

 

<指標および目標>

KPI項目・目標

(実績・目標は年度ベース)

実績

目標

備考※3

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

PMP取得者数(%)

(対象:技術開発本部)

13.3

12.2

17.3

20.0

[比較可能]

[モニタリング]

情報処理技術者国家試験(※1)(%)

(対象:技術開発本部)

75.8

72.9

75.3

80.0

[比較可能]

[モニタリング]

当社都合によるプロジェクト納期遅延の極小化(%)

0.52

0.50

[独自]

[モニタリング]

プロジェクトの見積精度(※2)(%)

68.2

83.5

83.6

85.0

[独自]

[モニタリング]

 

※1 情報処理推進機構主催のもの。

※2 全プロジェクト件数のうち、見積誤差が10%未満となるISO9001管理対象プロジェクトの割合を85%に保つ。

※3 [比較可能]は企業間比較が可能な指標であり、[独自]は当社の独自の取り組みとして作成した指標。

   [マイルストーン]は年ごとの進捗を迫っていく指標であり、[モニタリング]は維持すべき絶対水準。以下同様。

 

B 経験者採用の積極化

当社は新卒者の採用や育成に力を入れる一方で、ビジネス環境の変化にも迅速に対応するべく、経験豊かな即戦力人財の採用も積極化しています。また、様々なフィールドで活躍をしてきた経験者の採用は、当社内での新たな発想の展開にも寄与するとの観点からも、ダイバーシティを推し進めています。

当社を中途退職した元社員の再雇用制度である「カムバック・アルムナイ制度(※)」を2023年4月から導入したことも同じコンセプトに則ったものです。

 

※「カムバック・アルムナイ制度」: 出産、介護や配偶者の転勤などの理由により、または自身のキャリアアップなどのために当社を中途退職した元社員(アルムナイ)の再雇用制度。退職前の当社での勤続期間や離職期間は不問。

 

C 女性活躍推進

当社は女性の積極採用を進めているほか、上記の「カムバック・アルムナイ制度」の導入や時短勤務、テレワークにより、結婚や出産などを契機に一旦は退職をした女性もライフステージに合わせて活躍できるよう職場環境の整備に取り組んでいます。当社は一次請けの比率が高く、お客様のご要望を正確に聴く力や高いコミュニケーション能力が求められることから、性別を問わず女性にとっても大きな活躍の場があります。今後は社内のロールモデルとなるような女性社員の数を更に増やすことにより、将来の管理職候補のすそ野拡大に努めてまいります。

 

<指標および目標>

KPI項目・目標

(実績・目標は年度ベース)

実績

目標

備考

2022年度

2025年度

女性従業員割合(%)

18.0

25.0

[比較可能]

[マイルストーン]

女性管理職比率(%)

4.3

9.0

[比較可能]

[マイルストーン]

採用した労働者に占める女性労働者の割合(%)

26.0

35.0

[比較可能]

[マイルストーン]

 

 

 

また当社は、グループ一体となって全国の自治体における税金や国民健康保険などの催告業務の管理効率化を目的とした各種システムを提供しており、またその業務受託(BPO)も大規模に展開しています。こうした自治体向け業務システムの構築からシステムを活用してのBPOサービスにつきましては、当社(システム開発・BPOサービス)、株式会社アイ・シー・アール(BPOサービス・コールセンター運用)、株式会社シー・ヴィ・シー(訪問・調査業務)というグループ会社間の連携によってシナジー効果を高めており、BPOサービスの全国展開に伴って、契約社員やパート社員の方々を含めて、多くの女性が活躍しております。当社グループによるBPOサービスの結果、2022年度の全国規模での催告業務による収納率向上効果は0.5~0.7%となっており、自治体の職員の方々が本来業務に専念するためのサポートを通じて、社会的価値の創造への貢献を続けてまいります。

 

D シニア人材の活躍

当社グループのBPO分野における女性活躍の様子は上記のとおりですが、同分野におけるシニア就業者数も年々増加しており、多様な働き方を実現する場となっています。加えて当社では、2024年4月における定年延長制度の導入も進めており、シニア人財活躍のための一段の取り組みを推進しています。

 

グループ会社を含めた社員ピラミッド(正社員ベースと正社員+非正社員ベース)


 

E 労働環境の改善

当社は2021年、サステナビリティ推進におけるマテリアリティのひとつとして「人財の深化」を掲げており、その具体的な取り組みとして2023年4月から新人事制度がスタートするとともに、給与改定においては正社員を対象に平均10%の月例賃金の引き上げを実施しました。また、扶養する子ども1人当たりの手当の額を従来の3倍に引き上げるなど、社員のモチベーションやエンゲージメントの向上に積極的に取り組んでおり、より働きがいのある職場環境の実現を目指します。

この数年は、メリハリのあるワークライフバランス実現のために、有給休暇取得に全社一丸となって取り組んでいます。有給休暇の取得を促すための諸制度を活用して、足元の有給休暇取得率は80%を超えています。

また、「アニバーサリー休暇制度」(自分の誕生日や記念日(My誕生日・My記念日)の属する月の有給休暇取得社員への奨励金支給)、「+1(プラスワン)休暇制度」(飛び石連休の谷間の日や土日祝日を含んだ3連休の前後に休暇を取得した社員への奨励金支給)の取り組みで、有給休暇の取得率は着実に上昇しており、この水準を引き続き全社で維持していくことを目標とします。


 

昨年10月1日から施行された出生時育児休業制度(産後パパ育休制度)に関連して、その対象となるすべての男性社員に宛て、人事部より個別に制度の説明を実施することで育休の取得を促しており、政府の目標である「2025年に50%の取得率」を意識した運営を行ってまいります。

 

<指標および目標>

KPI項目・目標

(実績・目標は年度ベース)

実績

目標

備考

2022年度

2023年度

平均残業時間(時間)

17

10

[比較可能]

[モニタリング]

有給休暇取得率(%)

83

85

[比較可能]

[モニタリング]

男性の育児休業取得率(%)

44

50

[比較可能]

[マイルストーン]

 

 

F 社員の心身および社会的健康の向上

当社は、社員が毎日働く職場を快適な場とすることで、社員が生き生きと働くことができ、それが仕事の能率をあげていくことにつながると考えています。昨年12月に当社は創立50周年を迎え、その記念イベントの一環として本社入居ビルの最上階(12階)に増床し、組織に関係なく自由に空間と時間を共有できる場づくりとして、従来の考えや価値観にとらわれない柔軟なレイアウトとしました。今後も、本社入居ビルの他のフロアや本社以外の事業所の内装工事や増改築などを通じて、全社員が働きやすく、新たな発想を生み出せる職場環境を目指します。


こうした職場環境向上への取り組みと並行して、定期的なストレステストや健康診断を社員全員に実施することで、社員の心身における変化を見逃さない体制としています。また、グループ会社の株式会社アイ・シー・アールが今般、健康経営優良法人2023に認定されたことから、健康経営に関する知見を今後、グループ内で共有していきます。

 

<指標および目標>

KPI項目・目標

(実績・目標は年度ベース)

実績

目標

備考

2022年度

2023年度

ストレステスト受検率(%)

84

100

[比較可能]

[モニタリング]

健康診断受診率(%)

89

100

[比較可能]

[モニタリング]

 

 

 

G ダイバーシティ/インクルージョンの強化

当社はITによる新たなイノベーションを起こすためには、多様な人財が多様な働き方をすることにより、社員同士で刺激を与えあう環境が不可欠だと考えています。そのために、当社のお客さま企業のIT人財育成をサポートすべく、長期の出向受け入れなどによる人財交流を積極的に行っているほか、社員の兼業・副業制度やフリーエージェント(FA)制度を2024年4月から導入すべく準備中です。

多様な人財に多様な働き方をしてもらうことを目指す一方で、会社全体としての一体感や連帯感の醸成は必要であると考えています。これまで、新型コロナウイルスの影響により、集まって実施することができなかった社内イベントも徐々に開始しています。2023年2月には、全国30カ所で活躍する約430人(2023年2月末)のBPOスタッフの電話応対技能のレベルアップ教育の一環として、「電話催告オペレーター業務のロールプレイングコンテスト」を実施しました。このような活動を通して、継続的に社員やスタッフのスキルならびにエンゲージメントを高めていきます。


H 離職率改善

当社における直近の離職率は6~7%台で推移しています。近年当社では、新卒採用を大きく増やしており、若年層の離職率を増加させないことが課題のひとつであると認識しています。最近は特に若年層の仕事に対する価値観の変化や、終身雇用制度のあり方の変化なども相まって、若年層社員が同一企業で働く割合は、年々低下傾向にあります。IT業界においても人財の流動化が高まっていることから、当社としては上記の施策A~Gにしっかり取り組んでいくことにより社員の定着率を高めていくことを目指します。目標としては、現状の離職率が上昇しないよう、6%をモニタリング指標とします。

 

 
<指標および目標>

KPI項目・目標

(実績・目標は年度ベース)

実績

目標

備考

2022年度

2023年度

自発的な離職率(%)

6

6

[比較可能]

[モニタリング]

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきまして、合理的に予見することが困難であるため、記載しておりません。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)事業環境について

全社的な当社を取り巻く環境として、少子高齢化や人口減少に伴う労働者人口減少の時代を迎え、生産性の向上が喫緊の課題となっております。さらに、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響が依然として不透明な中、経済・社会環境の変化に対し柔軟な対応が必要となっております。また、クラウド活用の進展、ハードウェアからソフトウェアへの流れは今後も継続し、当社のビジネスモデルも変革を迫られております。各事業については、フィンテックの進化、キャッシュレス化の進展、働き方改革、法制度の変化、次世代移動通信システムへのサービス移行などが、当社の今後の業績に影響を与えるものと考えられます。

当社グループが強い事業領域と位置付ける地方銀行を中心とする金融機関においては、低金利の長期化や法改正の影響などを受け、地域ビジネスへの参入など事業の多角化による経営基盤の強化を目的としたアライアンスの拡大、また地方百貨店においても地方経済の低迷による厳しい状況が続いており、事業環境は楽観視できない状況が続いております。当社グループでは、業務効率化や事業拡大につながる様々なソリューションの提供により取引先の収益に貢献できるように取り組んでおりますが、厳しい事業環境が継続することで取引先の業績やIT投資計画に大きな影響を及ぼし続ける場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。戦略商品であるキャッシュレス決済事業の拡大に取り組んでおりますが、マルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」の導入先となる加盟店の経営状況、半導体市場の動向、競合の激化などの問題により事業拡大が進展しない場合においては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

また、M&A案件に業績面や財務面での問題が生じた場合などに、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。AIやブロックチェーンなどの新技術を獲得し、それを活用した新商品の販売を目指していきますが、技術開発が十分に進まず、競合他社に先行された場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(2)競合について

当社グループは、事業戦略展開分野を金融業界向けシステムや、流通・小売業界向けシステムなどに関連する分野に集中することにより他社と比べ優位なシステムノウハウを蓄積し、その分野で独自のソリューションとネットワークインフラを含むハード・ソフトのトータルサービスを提供しております。しかしながら、既存の大手コンピューター・メーカーや専業システムインテグレーターとの競合が厳しくなっております。また、当社グループは質の高いソリューションを提案することにより売上の拡大を図っておりますが、情報通信機器類の価格の低下に伴い単価の引き下げ圧力が強まっております。このような企業間競争のさらなる激化と販売価格の下落傾向が続いた場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(3)為替相場の変動について

当社グループの商品仕入の約4割が輸入であり、主に米国ドル建ての取引となっております。当社は、為替相場の変動によるリスクを軽減するため、先物為替予約取引を外貨建買掛金等および発注高の範囲内で行っております。先物為替予約取引の契約先は、いずれも信用度の高い国内の銀行であり、相手先の契約不履行による、いわゆる信用リスクはほとんどないと判断しております。

しかしながら、先物為替予約取引により為替相場の変動による影響を緩和することは可能であっても、間接的な影響を含め、すべてのリスクを排除することは不可能であり、大幅な円安が続くとコストアップ要因となることから、為替相場の変動により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

 

(4)システム(商品)開発、品質管理について

当社グループの取り扱う情報通信機器類のライフサイクルは、年々短くなる傾向にあります。当社グループは、国内外から最新の情報技術および機器類を仕入れ、お客様へ提供しておりますが、技術進歩に遅れをとった場合や商品戦略を誤った場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、当社が保有する2年以上経過した在庫品については、売却可能性がない場合は廃棄処分とし、在庫水準の適正化に努めております。

当社グループが独自開発し、高いシェアを確保しております特許権が成立していないシステムなどで、類似品や競合品の出現により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

また、当社グループはニーズに合ったパッケージシステムおよびお客様の要求事項に基づくソフトウェアの開発、製造ならびに保守(ハード、ソフト)サービス等を行っておりますが、それらの品質管理を徹底し、お客様に対して品質保証を行うとともに顧客満足度の向上に努めております。さらに当社では「ISO9001(2015年版)」の認証を取得し、品質マニュアルおよび品質目標を設定することにより、品質管理の徹底を図っております。また、情報セキュリティマネジメントシステム国内標準規格「ISO27001(2013年版)」の認証を取得し、お客様へのサービス向上に努めております。しかしながら、当社グループの提供するサービス等において品質上のトラブルが発生した場合には、トラブル対応による追加コストの発生や損害賠償により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(5)情報セキュリティについて

当社グループは、お客様の了解を得た上で、個人情報を含む重要情報に接する機会があります。当社では、プライバシーマークの取得に加え、自社開発の「入退室管理システム」やPCの操作ログを見える化する「CATサポーター」を全社に導入し、情報管理を徹底しております。管理体制としては、各事業部長が情報管理責任者となり担当部門内のセキュリティ管理の責任を負うとともに、各部署に情報管理担当者を配置しております。引き続き情報管理には万全の対応を図ってまいりますが、万一、当社から重要情報が流出するような事態が生じた場合には、事業の継続に重大な影響を及ぼす恐れがあります。

 

(6)自然災害等について

当社ではデータセンターを東京と大阪に設置しており、大規模地震等を想定した事業継続計画(BCP)の整備、安否確認システムの導入、耐震対策、防災訓練等の対策を講じておりますが、大地震等により防災管理体制の想定範囲を超えるような災害が発生した場合には、停電・通信回線の障害等の不測の事態により業務の遂行に影響を及ぼす恐れがあります。

 

 (7)新型コロナウイルス感染症の感染拡大について

世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、当社においてもテレワークなどの勤務体制の変更、出社時における検温・マスク着用・アルコール消毒などの励行、事業の分散運営などにより社員の安全の確保に努めてまいりました。今後、感染の再拡大やその影響が世界的に長期化した場合、受注活動における制約、ソフトウェア開発の遅延、サプライチェーンの混乱により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

 

(8)業績の季節変動について

当社グループの属する情報サービス事業においては、お客様への出荷や納期が9月および3月に集中する傾向があり、連結会計年度における各四半期の売上高・利益に変動がございました。しかしながら、システム開発における大型案件では、従来の一括受注ではなく開発見積りおよびスケジュールの精度を高める目的から工程ごとの分割受注が増加しております。また、前連結会計年度におきましては、収益認識会計基準等の適用に伴う影響により、過去の連結会計年度に比べ季節変動の傾向が弱まっておりました。当連結会計年度におきましては、第3四半期の売上が第4四半期にずれ込んだ影響により、第4四半期に集中しております。今後の傾向につきましては注視してまいります。

前連結会計年度および当連結会計年度の業績変動の状況は以下のとおりです。
 

 

前連結会計年度(自  2021年4月1日  至  2022年3月31日)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

連結会計年度計

売上高(千円)

4,681,135

3,946,048

4,140,116

4,254,339

17,021,640

(構成比)

(27.5%)

(23.2%)

(24.3%)

(25.0%)

(100.0%)

営業利益(千円)

964,633

753,311

616,869

696,575

3,031,389

(構成比)

(31.8%)

(24.9%)

(20.3%)

(23.0%)

(100.0%)

経常利益(千円)

987,844

771,657

653,025

694,099

3,106,628

(構成比)

(31.8%)

(24.8%)

(21.0%)

(22.4%)

(100.0%)

 

(注)アイティフォー単体売上高 2021年9月 1,334,798千円 2022年3月 1,460,166千円

 

 

当連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

連結会計年度計

売上高(千円)

4,522,037

4,437,321

3,542,748

5,820,274

18,322,382

(構成比)

(24.7%)

(24.2%)

(19.3%)

(31.8%)

(100.0%)

営業利益(千円)

733,556

842,280

574,857

1,066,873

3,217,567

(構成比)

(22.8%)

(26.2%)

(17.9%)

(33.1%)

(100.0%)

経常利益(千円)

770,442

850,966

606,298

1,050,515

3,278,222

(構成比)

(23.5%)

(26.0%)

(18.5%)

(32.0%)

(100.0%)

 

(注)アイティフォー単体売上高 2022年9月 1,825,366千円 2023年3月 2,784,899千円

 

(9)業務提携等について

当社グループは、今後も当社グループ事業の拡大と安定を図るための業務提携などを積極的に進めていく方針ですが、当社グループが当初想定したシナジー効果が生じない場合や提携・出資先企業の業績によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(10)株式価値の希釈化について

当社は、過去に会社法第236条、第238条および第239条の規定に基づく新株予約権を発行しておりますが、権利行使がなされた場合、株式価値の希釈化が起こり、当社株価に影響が出る可能性があります。なお、2006年6月23日開催の第47回定時株主総会におきまして、「当社株式の大規模買付行為への対応策(「買収防衛策」)」を導入し、必要に応じ内容の改定を行い継続してまいりましたが、2022年5月12日開催の当社取締役会決議により、当社第63回定時株主総会終結の時をもって、買収防衛策を継続せず、廃止いたしました。

なお、当社は買収防衛策廃止後も、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見などを開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法およびその他関連法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という)の状況の概要は以下のとおりです。

① 財政状態および経営成績の状況

当社グループは2021年度から2023年度を対象とした中期経営計画を策定し、経営基盤の強化、収益性の向上、ESG経営の進化の3つを柱に、「お客様に寄り添うチカラ」で持続的成長の実現を目指し、計画の達成に向け事業活動を推進しております。

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第7波と第8波の影響を受けましたが、行動制限の緩和傾向に伴い穏やかに持ち直しの動きが見られました。一方、世界的な資源価格や物価の高騰、円安の影響など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループを取り巻く国内ITサービス業界では、「非接触」や「非対面」を実現するデジタル化のニーズが引き続き高く、AIやブロックチェーンなど、デジタル技術を活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変革を行うDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心に企業の投資意欲は引き続き高い状態にあります。その一方で、一部の業種や企業では、先行き不透明な景況感の中でIT投資の抑制や先送りの動きが続いており、企業の投資計画の見直しについて注視しております。

営業活動においては、金融機関を中心に、当社の主力である延滞債権管理システムの継続的な更改に加え、個人ローン業務支援システム「SCOPE」と業務の非対面化を実現するローンWeb受付システム「WELCOME」を組み合わせた新規販売および機能追加が引き続き安定的に推移しました。これらの当社システムは、申込用紙の削減や契約書類も電子化することで環境への配慮を実現しつつ、審査に費やす時間の短縮に貢献しております。また、延滞債権督促業務を無人化した「ロボティックコール」の販売が好調で、大手金融機関にも新規導入されるなど、利用が広がっています。受注高は18,567百万円(前年同期比105.8%)、受注残は15,300百万円(前年同期比101.6%)といずれも前年同期を上回り、過去最高となりました。

これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は18,322百万円(前年同期比107.6%)、営業利益は3,217百万円(前年同期比106.1%)、経常利益は3,278百万円(前年同期比105.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,291百万円(前年同期比108.5%)と増収増益となりました。売上・利益共に過去最高を更新したほか、営業利益は、中期経営計画の目標を1年前倒しで達成しました。

なお、報告セグメント別の経営成績は次のとおりです。

 

(システム開発・販売)

基幹事業である金融機関向けのソフト開発、インフラ設備の更改、延滞債権督促業務を無人化した「ロボティックコール」の導入などにより販売は安定的に推移しております。また、マルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」は端末の部品調達の遅れが徐々に緩和しました。その結果、受注高は11,168百万円(前年同期比101.9%)、売上高は10,611百万円(前年同期比107.7%)、セグメント利益は1,778百万円(前年同期比118.4%)となりました。

 

(リカーリング)

安定収益源である保守サービスに加え、公共分野向けBPO(業務受託)サービスにおいて政令市・中核市を中心に、既存契約先からの追加受注および、新規受託先の売上が計上されるなど引き続き堅調に推移しております。その結果、受注高は7,399百万円(前年同期比112.3%)、売上高は7,710百万円(前年同期比107.6%)、セグメント利益は1,439百万円(前年同期比94.1%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は10,796百万円となり、前連結会計年度末と比べ211百万円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動から得られた資金は1,714百万円(前年同期比61.0%)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益3,283百万円、仕入債務の増加額414百万円、減価償却費362百万円、主な減少要因は法人税等の支払額1,208百万円、売上債権の増加額1,037百万円です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は758百万円(前年同期比214.7%)となりました。主な減少要因は有形固定資産の取得による支出358百万円、無形固定資産の取得による支出184百万円、投資有価証券の取得による支出101百万円、有価証券の純増加額100百万円、定期預金の預入による支出100百万円、主な増加要因は投資有価証券の売却による収入103百万円です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は744百万円(前年同期比136.6%)となりました。減少要因は配当金の支払額830百万円です。

 

③ 生産、受注および販売の実績

a. 仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。

項目

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

前年同期比(%)

システム開発・販売(千円)

3,116,408

123.9

リカーリング(千円)

合計(千円)

3,116,408

123.9

 

(注) セグメント間取引はありません。

 

b. 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。

項目

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

システム開発・販売

11,168,360

101.9

6,736,518

109.0

リカーリング

7,399,008

112.3

8,563,543

96.5

合計

18,567,369

105.8

15,300,061

101.6

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

c. 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。

項目

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

前年同期比(%)

システム開発・販売(千円)

10,611,902

107.7

リカーリング(千円)

7,710,480

107.6

合計(千円)

18,322,382

107.6

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、財政状態および経営成績の分析は、連結会計年度末現在で行っており、見積りについては見積りを必要とする事象および見積りに与える要因を把握した上で適切な仮定を設定して評価を行っております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、重要な会計上の見積りを要する項目は該当がないものと判断しております。

 

② 経営成績の分析

a) 売上高

当連結会計年度における売上高は、全事業領域でおおむね計画通り売上高が伸長した結果、18,322百万円(前年同期は17,021百万円)となりました。2023年3月期を含む直近3年間の年平均成長率は、6%となっております。

報告セグメント別では、システム開発・販売セグメントにおいて、金融機関向けのソフト開発、インフラ設備の更改、延滞債権督促業務を無人化した「ロボティックコール」の導入などにより販売が安定的に推移しました。また、マルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」は端末の部品調達の遅れが解消したことなどにより、売上高は10,611百万円(前年同期は9,855百万円)となりました。リカーリングセグメントにおいては、システム販売の増加に伴い保守サービスが安定的に増加したことに加え、公共分野向けBPO(業務受託)サービスが政令指定都市・中核市を中心に引き続き堅調に推移した結果、売上高は7,710百万円(前年同期は7,166百万円)となりました。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、システム開発・販売が57.9%、リカーリングが42.1%となりました。

b) 売上総利益

当連結会計年度における売上総利益は、6,734百万円(前年同期は6,156百万円)となりました。売上総利益率は36.8%となり、前年同期に対し0.6ポイント増加しました。これは、半導体不足による資材価格の高騰や円安による輸入仕入コストの上昇があったものの、外注費のコントロールなどにより原価率が改善したことによるものです。

c) 営業利益

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、研究開発および新規事業向け投資、既存事業向け投資、社内DX推進および人財育成投資などにより、3,517百万円(前年同期は3,125百万円)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は3,217百万円(前年同期は3,031百万円)となりました。

d) 経常利益

当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金の増加などにより112百万円(前年同期106百万円)となりました。営業外費用は、投資有価証券売却損、固定資産除却損、会員権評価損の計上などにより51百万円(前年同期は31百万円)となりました。以上の結果、経常利益は、3,278百万円(前年同期は3,106百万円)となりました。

e) 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における特別利益は、新株予約権戻入益として5百万円を計上しました。特別損失は、計上しておりません。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,291百万円(前年同期は2,112百万円)となりました。

 

 

③ 財政状態の分析

a) 資産

当連結会計年度末の総資産は21,667百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,656百万円増加しました。流動資産は17,676百万円となり、1,412百万円増加しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が1,070百万円、有価証券が399百万円増加したことなどです。固定資産は3,990百万円となり、244百万円増加しました。この主な原因は、建設仮勘定が157百万円増加したことなどです。

b) 負債

当連結会計年度末の負債合計は4,499百万円となり、前連結会計年度末に比べて96百万円増加しました。流動負債は4,243百万円となり、68百万円増加しました。これは主に、その他が202百万円減少しましたが、買掛金が414百万円増加したことなどです。固定負債は256百万円となり、27百万円増加しました。

c) 純資産

当連結会計年度末の純資産は17,167百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,560百万円増加しました。この主な原因は、剰余金の配当の支払いにより831百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により2,291百万円増加したことなどです。この結果、自己資本比率は、79.1%となり、前連結会計年度末の77.9%から1.2ポイント増加しました。

 

セグメントごとの財政状況および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」 に記載のとおりです。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

⑤ 資本の財源および資金の流動性に係る情報

当社グループの資本の財源および資金の流動性については、運転資金および設備投資資金は基本的に自己資金でまかなうこととしておりますが、不足時の一時的な運転資金を効率的に調達するため、主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。

なお、自己資本比率79.1%、流動比率416.6%などの指標が示すように、健全な財務体質や営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力によって、当社グループの事業展開に必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、既存システムソリューション品質の継続的向上、規格準拠に対応したソリューション製品の研究開発を行ってまいりました。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は135,476千円です。

 

セグメントごとの研究開発活動は以下のとおりです。

 

(1)システム開発・販売

従来は、Windows、iOSベースのPOSシステムと連携接続を行っていました。しかし、セルフレジを中心としたAndroidベースPOSシステムの普及を受け、OSに依存しないネットワーク型の連携接続の研究開発、自治体における給食費の公会計化に伴い、学校徴収金の公会計化に取り組む自治体が増えており、最適な給食管理システム開発などの研究開発の活動を行っております。

上記の研究開発活動などの結果、システム開発・販売における研究開発費は26,760千円となりました。

 

(2)リカーリング

先進技術と環境配慮を両立し、利便性とセキュリティのバランスを取りつつ、持続可能なクラウドサービスの提供を目指した「次世代IPaC」の研究開発、2025年3月までにEC加盟店に対するクレジットカード不正防止対応「3DS2.0」の導入が義務付けられることから、ネット決済のセキュリティ対策を強化する目的で、3DS2.0対応の研究開発の活動を行っております。

上記の研究開発活動などの結果、リカーリングにおける研究開発費は108,715千円となりました。