当社グループは、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、中長期の経営方針を定め、それをさらに年度の全社方針に展開し事業推進しております。当社グループは、この経営理念により、スポーツの振興と発展のため積極的に使命と役割を果たし、社会への貢献と企業の発展を目指しております。
また、当社グループは、主たる経営指標としてROA(総資産事業利益率)及びROE(自己資本利益率)を採用しており、いずれも2025年度に連結ベースで9%以上を目標としております。収益力を高めつつバランスよく資産効率、資本効率を向上させることで企業価値を増大させていきたいと考えております。
当社グループは、持続的成長と企業価値向上のため、下記のとおり経営の重点課題に取り組んでまいります。
1)スポーツを通じた社会貢献
当社グループは、1906年の創業以来「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という経営理念を掲げています。これは今後も変わることのない軸であり、すべてのステークホルダーに向けたミズノのパーパス(存在意義)といえます。
過去3年間にわたり新型コロナウイルス感染症は人々の暮らしに多大な影響・制約をもたらしましたが、その中で、この3年間はスポーツの持つ力・素晴らしさを改めて認識することができた期間でもありました。記憶に新しいところでは、2022年11月から12月にかけて開催されたサッカーの世界大会や2023年3月に行われた野球の世界大会における日本代表の活躍は、人々に大いなる感動・興奮・希望を与えてくれました。そして当社グループの製品群がその活躍を陰で支えたことは、当社グループにとっても非常に嬉しい出来事でした。また、コロナ禍を経験したことにより人々の健康への意識も益々高まってきています。当社グループは、今後も野球・サッカーをはじめとした競技スポーツやランニング・ウォーキング・水泳などの健康スポーツの振興に貢献するとともに、これら事業の拡大に努めてまいります。
2)高付加価値創造
当社グループでは、近年はスポーツで培った知見を生かし、高齢化社会や気候変動適応の製品・サービス開発にも取り組んでいます。そして、スポーツの力で社会課題解決に貢献するイノベーションをさらに創出していくため、大阪本社ビルの隣に新しい「イノベーションセンター」を建設し、2022年秋から本格稼働を開始しました。この施設においては、スポーツの定義を競技シーンだけでなく、日常生活シーンにおける身体活動にまで広げて、最先端の機材や測定機器を導入し、科学的なデータを取りながら製品・サービス開発のサイクルをアジャイルに進め、高付加価値な製品・サービスを世に送り出してまいります。
3)サステナビリティ活動の推進
気候変動や人権などサステナビリティを取り巻く社会課題の重要性は年々高まってきています。当社グループは、1991年から30年以上にわたって事業活動に伴う環境や社会への影響を低減するため、企業の社会的責任としてCSR活動を積極的に進めてきました。環境配慮型製品の開発や、資源の有効活用、調達先企業に対するCSR調達など、今後も取り組みをさらに強化していきます。そのうえで、サステナビリティ活動をコストと捉えるのではなく、経営戦略と一体となって積極的に投資を進めることで、ブランド価値や企業価値を高めることにつなげてまいります。
※当社グループのサステナビリティ活動の詳細は、当社ウェブサイト(https://corp.mizuno.com/jp/sustainability)に掲載していますのでご参照ください。
4)経営効率の改善
当社グループの業績は、この2年間は過去最高利益を更新するなど拡大してまいりましたが、一方で、原材料価格の上昇、国際輸送運賃の高騰、輸入仕入に係る為替レートの悪化などの影響もあり、2023年3月期における売上総利益率は低下し、棚卸資産も高い水準で推移しています。この状況を改善するため、原価低減活動やグループ各社における在庫管理強化に引き続き取り組むとともに、成長が見込まれる海外市場におけるランニング・フットボール事業拡大やグローバルでのECチャネル強化へ経営資源の配分を行い、さらなる収益性改善に努めてまいります。そして、目標とする経営指標であるROAとROEにおいて2025年度までに9%台の達成を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役社長がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。サステナビリティ全般に関する事項は、人事総務担当執行役員を委員長とするサステナビリティ推進委員会(社内名:MIZUNO CREW21本委員会 )(原則年4回開催)で議論され、その内容はサステナビリティ活動の推進状況とともに取締役会に報告されております。取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。
代表取締役社長が委員長を務めるリスクマネジメント委員会は、「リスクマネジメント規程」に基づいて設置されており、当社グループ全体の事業活動におけるリスクマネジメントを総括し、経済・社会・環境の影響を含むあらゆる種類のリスクの洗い出し及びその未然防止策・再発防止策・BCPの構築・実行の中心的役割を担っております。リスクマネジメント委員会は、原則毎月1回開催しております。サステナビリティに関するリスクマネジメントプロセスのレビューに関しては、リスクマネジメント委員会で審議され、サステナビリティ推進委員会経由で取締役会に報告しております。また、サステナビリティに関するリスクへの対応状況は、サステナビリティ推進委員会においてモニタリングされ、その内容は取締役会へ報告されております。
ガバナンス及びリスク管理を通して、「気候変動」、「人権を尊重した責任ある調達」を当社グループにおける重要なサステナビリティ項目として識別しました。それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
<気候変動>
人事総務担当執行役員が委員長、製品開発担当執行役員が副委員長を務めるCREW21環境分科会を年6回開催しております。商品企画、開発、人事総務、法務、物流、品質保証、各事業部、施設、工場など主要な部門の責任者をメンバーに、環境方針の策定・改訂、短期・中期・長期環境目標の設定や目標達成のための具体的施策などを討議しております。
気候変動の緩和に向けた取り組みを加速させるため、2020年8月に長期環境目標を見直し、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことを定めました。2030年のScope1、2においては2018年比で30%の削減、Scope3のカテゴリー1(購入した製品・サービス )とカテゴリー12( 販売した製品の廃棄 )においては2018年比で50%削減(製品当たり)を目標として設定しました。
気候変動に関する詳細な情報、TCFD提言に基づく情報開示及び温室効果ガス排出量に関する報告については、それぞれ弊社ウェブサイトをご参照ください。当該サイトは2023年7月に更新予定です。
気候変動:
TCFD:
温室効果ガス排出量:
<人権を尊重した責任ある調達>
業務執行取締役を委員長として、企画生産部門、工場部門や全社的な管理部門から選ばれたメンバーで構成しているプロダクト横断委員会にて、CSR調達監査の進捗を報告するとともに、「ミズノCSR調達行動規範」の遵守の推進、CSR調達活動のグローバルでの対応などについて討議しております。当社グループは、CSR調達を確かなものとするためには取引前の事前評価が重要であるとの考えのもと、新規サプライヤー候補工場に対し、CSR事前評価の100%実施を目標に掲げ、継続して達成しております。また、取引中のサプライヤーに対しては定期的なCSR監査を実施しており、CSR監査の流れや国別実施数についての情報を開示しております。人権を尊重した責任ある調達に関する詳細な情報については、弊社ウェブサイトをご参照ください。当該サイトは2023年7月に更新予定です。
(2)人材の育成及び社内環境整備に関する方針
不透明さを増す昨今の事業環境において、当社グループが持続的な成長を実現するためには、あらゆる世代の多様な従業員がチャレンジ意欲を掻き立て、従業員一人当たり利益の向上と働きがいの向上の両立を実現することが重要だと考えております。そこで、事業競争力をもたらす人材育成と、会社と社員のより良い関係性を構築する従業員エンゲージメント向上を人材育成戦略の柱としております。
<人材育成方針>
当社グループの競争力の源泉は「人材」であり、人材の「材」は「財」であるという認識のもと、国籍・人種・性別・年齢などにかかわらず、従業員一人一人の能力の向上と開発を支援しています。
特に、将来にわたる事業継続を可能にする「経営人材」、グローバルでの競争優位を生み出すための「グローバル人材」、デジタル技術を活かして新たな価値を創造する「イノベーション人材」を中心に育成・研修を行っています。
上記に加えて、事業に直接的な影響をもたらす専門性についても、各年次、職位、職能ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修制度を設計・運用することにより、継続的な人材育成に取り組んでおります。
また、管理職層の戦略的異動では、積極的にキャリアチェンジを行い、多角的な視点を持つ幹部候補人材の育成を行っています。
新卒10年目までの社員については、毎年キャリアシートにて自身の短期・中長期でのキャリアプランの確認を行い、計画的人事異動で自律的にキャリアを築けるように取り組んでいます。
<社内環境整備>
従業員エンゲージメントの向上を目指し、従業員エンゲージメントプラットフォーム(Qualtrics社)を導入し、従業員のエンゲージメントレベルを継続的にモニタリングすることで、組織の活力向上を目指しています。以下に示した施策は企業価値を向上するための従業員エンゲージメントに関する取り組みです。
① ダイバーシティ&インクルージョン
<女性活躍推進>
「女性の活躍推進」に継続して取り組んでいます。キャリア形成支援や職場の風土改革、多様な働き方をサポートする制度、社内選抜研修やキャリア面談、他社共同の女性管理職フォーラムへの参加などにより、2025年度末までに管理職における女性従業員比率10%に引き上げることを目指しています。
<キャリア採用>
ダイバーシティの本質は「異質性の発揮」だと考え、新たな価値を生み出すイノベーションを起こすべく、多様な人材を活用していきます。異なる価値観や専門能力を持った人材の中途採用での確保を進めています。現管理職ポストにおける中途採用者の比率は10.4%であり、2025年度末までに20%に引き上げるよう、今後も女性管理職も含めた管理者候補となる人材を積極的に採用していきます。
② 働きやすい職場環境の創出
ミズノは、仕事と家庭生活の両立のためにさまざまな支援制度を提供しています。主な施策は以下になります。
<育児支援>
妊娠時期から有給休暇の時間単位利用(年40時間分)、産前産後休暇、育児休職および休職延長(1歳6カ月を超えた場合、2歳まで)、復職後の短時間勤務(子どもが小学校3年生まで)やフレックスタイム制(同じく中学校3年生まで)など、女性従業員の妊娠・出産から育児期間における就業パターンはほぼ確立し、活用が進んでいます。男性従業員においても同様に、育児出産休暇の取得、フレックスタイム制度などの活用により、積極的な育児参加を呼びかけています。
また、2021年度に、不妊治療を目的とした時短勤務や休職を取得できる制度、および看護を目的とした時短勤務を可能とする制度をトライアルでスタートしており、現在継続中です。
<リ・エントリー制度>
結婚や出産などで望まない離職に至った従業員に対しても、再び復帰できる支援としてリ・エントリー制度を設け、有用な人材を確保できるよう努めています。
<年次有給休暇>
正社員および契約社員に対して、入社日に年間10日、勤続6年以上で年間20日の年次有給休暇の付与を定めています。この有給休暇は、2014年度から時間単位(最大5日40時間分/年)での取得も可能としており、活用が広がっています。また、有効期限が消滅した年次有給休暇を、本人の私傷病、介護、ボランティアなどの福祉活動、スポーツ振興活動などに利用できる繰越年次有給休暇制度も設けるなど、従業員の福利厚生の向上に努めています。
<健康経営(ウェルビーイング)>
当社グループでは、健康経営宣言を行い、従業員一人一人が心身共に健康で、ワーク・ライフ・バランスを実現できる環境整備に努めています。この健康経営宣言に基づき、「生活習慣病予備軍の比率低減」「重大疾病の早期発見」「メンタルヘルス休業者の人数減」「喫煙比率の低減」の4つの課題に対して目標値を定め、健康増進施策に取り組んでいます。
施策の一環として、当社オリジナルの体操動画の社内配信、 ウォーキングイベント等の社内スポーツイベントの開催 、食や睡眠をテーマとした健康経営セミナー、異業種合同で不妊治療や更年期障害に関する女性の健康促進セミナー、クラブ活動や社員のプライベートでのスポーツ活動への費用補助 、健康・運動に関連した全社教育の実施などを行っております。
<人的資本に関する主な指標及び目標>
当社グループの人材の開発と育成のより詳しい内容については、下記ウェブサイトよりご覧ください(2023年7月更新予定)
当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識するとともに、リスクの回避やリスクが発生した場合の対処・対応を事前に定めておりますが、業績等に影響を与える事項はこれらに限定されるものではありません。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、世界各地域に販売拠点や生産拠点を置くなど積極的に海外進出を推進しております。販売拠点は、欧州、北米、アジア、オーストラリアなどにおいて現地法人及び支店として展開していることに加え、現地の販売代理店を経由して当社製品を販売しております。また、中国、タイ、インドネシア、ベトナム及びカンボジアなどには、スポーツシューズ、スポーツウエア及びゴルフクラブなど当社グループの主力商品を製造している自社工場やOEM委託工場が存在しております。
当社グループは、リスクマネジメントの責任体制を明確にするため、代表取締役社長が委員長を務める「リスクマネジメント委員会」を設置しております。リスクマネジメント委員会は、「リスクマネジメント規程」に基づき、事業活動にともなうあらゆる種類のリスクを洗い出し、評価、対策実施・情報開示に関して、ミズノグループ全体のリスクマネジメントを総括する役割を担っております。また、当社グループは、研修の実施やマニュアルの作成などを行って、各分野において予見可能な各種リスクに対応できる仕組みを確保しております。また、自然災害、社外からの妨害行為、不正などの予見や発生時の対応方法を「危機管理マニュアル」に定め備えております。
しかしながら、グローバルな事業展開には、進出先における予測不能な法令・規則の変更が行われたり、テロ・戦争・暴動・ストライキ、感染症その他の要因による政治的・社会的・経済的混乱などが発生した場合には、当社グループのその後の事業展開が継続できないおそれがあり、当社グループの売上高の減少等の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、世界各地域で製造・販売等の事業活動を行っておりますが、グループ各拠点の外貨建取引は為替レートの変動の影響を受けております。グループ各拠点は、為替変動の影響を最小限にとどめるためにリスクヘッジ手段として先物為替予約取引等を行っておりますが、予想を大きく上回るなど不測の変動が生じた場合には、当社グループの売上高の減少、売上原価の増加、為替差損の増加等の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当社が定めた厳格な品質管理や品質保証に係る規程のもと、製品の生産を行っておりますが、スポーツやアウトドアなどアクティブな状況で使用される製品は、当社基準の想定を上回り破損し、破損によりユーザーや第三者を負傷させたり、器物の損傷を招くなどの潜在的なリスクを有しております。当社グループは、製造物責任保険に加入し、不意の訴訟や賠償要求に備えておりますが、保険で十分にカバーできるという保証はありません。また、万一、リコールが発生した場合には、製品回収・交換・設計変更などによる多大なコスト増大や、ブランドイメージや社会的評価の低下とそれにともなう売上高減少を招くことになり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、全ての企業活動が環境に影響を与えていることを自覚し、地球環境の保全に貢献することを目的に、1991年9月に地球環境保全活動「Crew21プロジェクト」を発足させて以来、環境保全活動・環境負荷低減に取り組んでまいりました。現在は「Crew21環境分科会」を中心に環境保全活動・環境負荷低減を推進する環境マネジメントシステムを運用し環境に関する諸課題の解決にあたっていますが、エネルギー・温室効果ガス排出量の削減、再生可能エネルギーへの転換などの気候変動への対応が充分と認められない場合や、プラスチックごみなどの廃棄物排出量や有害化学物質の削減、水資源の効率的な利用などが適切に行われなかった場合は、当社グループの社会的な信用度が低下しブランドを毀損する可能性があります。なお、当社グループは、長期的な目標として2050年でのカーボンニュートラルを目指すことを宣言しています。また、2022年3月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同を表明し、TCFD提言に基づいた情報開示を行っています。
当社グループが製造・販売する商品に関しては、天然皮革、天然樹脂、木材、金属及び石油製品などを原材料として使用しており、これらの原材料は資源価格の変動リスクにさらされております。当社グループは、主要な原材料についてリスク管理の観点からも可能な限り複数の取引先から購入を行っておりますが、不測の資源価格の上昇が発生した場合には、原材料コストの増大によって当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ミズノ倫理規範の中で、「1)社内で創出された知的財産の保護を徹底する。2)第三者の知的財産を尊重し、侵害しない。」と規定し、国内外で特許、実用新案、意匠、商標の知的財産権を積極的に取得し活用を進めております。
しかしながら、当社グループの申請中の特許が認められない可能性、当社グループの知的財産の不正使用ないし侵害を防ぐための対応が成功しない可能性、当社グループの技術等が他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性などが存在すると認識しており、当社グループの知的財産が干渉を受けた場合、これに対処するコスト増加などの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、商品の品質、取引関連、環境、労務、安全衛生、会計基準や税務など様々な法規制の適用を受けております。当社グループは、ミズノ倫理規範に基づき、サステナビリティ推進委員会およびリスクマネジメント委員会の下、グループ全体のコンプライアンスの徹底を行っております。また、ミズノ株式会社の取締役会の決議によって定めた「業務の適正を確保するための体制」(内部統制システムの整備に関する基本方針)により、子会社を含めた当社グループにおける内部統制システムの整備と運用を実行しております。子会社はミズノ株式会社と共通の方針管理のもとで事業活動を遂行するとともに、リスクマネジメントシステムの運用においても軌を一にすることを明確にしております。また、子会社の経営執行については、子会社の経営執行者の自主性や専門性を尊重しつつも、質的・金額的に重要性の高い案件の決裁は、基準によって当社の取締役会、業務執行取締役、または執行役員が行う規定となっているため、子会社においても業務の適正性が損なわれることはないと考えております。
しかしながら、これら法規制を遵守できなかった場合は、これに対処するコスト増加等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、現行の法規制の変更や新たな法規制などが追加された場合には、当社グループの事業活動が制限され、あるいはその他対応のための投資が必要になる等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはグローバルで事業活動を展開しております。当社グループ商品に対する需要は、それらの販売を行っている国または地域の経済状況の影響を受けるため、景気後退およびそれに伴う需要の減少によって、売上高の減少などの影響を及ぼす可能性があります。一方、このような状況に対処するため、新たに事業構造改革の実施が必要となった場合、それによる費用が増大する等の可能性もあります。また、当社グループは一般消費者向け商品を多く製造販売しておりますため、気象の変化に伴う個人消費の需要の変動、消費者の嗜好の変化等による売上高の減少等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは適切な手続を経て策定された事業計画に基づき固定資産の投資を行っております。
しかしながら、一部の固定資産について、資産の収益性の低下等により事業計画で想定した投資額の回収が見込めなくなる可能性があります。これに伴い「固定資産の減損に係る会計基準」に規定される会計手続の結果として、減損損失を計上する等の当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが顧客に対して商品販売やサービス提供を行うに際しては、顧客の情報管理に最大限に注意を払い漏洩しないための情報システム防御を実行しております。
しかしながら、第三者等による情報システムへの意図的な侵入が行われたり、様々な原因や理由によって情報システムが停止するなどの問題が予想され、それによって個人を含む顧客情報の漏洩や流出が発生するリスクが存在いたします。万一、このような事態が発生した場合には顧客からの損害賠償請求や信用の失墜により、これに対処するコスト増加等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、災害・事故等に備えたリスク管理を実施しております。
しかしながら、地震等の自然災害の発生や火災・爆発事故、戦争、テロ行為、感染症の流行などにより、当社グループの販売や生産の拠点が損害を受け、操業の中断や物流の遅延、多額の復旧費用が発生するリスクが存在し、たとえ自社の施設や商品等への直接的な損害が限定的であったとしても、取引先や仕入先・製造委託先が被災した場合や消費活動の低迷などにより、売上高の減少や対処するコスト増加等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 人材の確保、育成
当社グループの競争力の維持や成長の実現には、優秀な人材の採用と育成、維持が課題となります。当社グループでは公正で透明性のある人事制度、教育研修制度や福利厚生制度の充実、ダイバーシティの推進などを通して多様性のある優秀な人材がそれぞれの能力を発揮できる職場環境の実現に努めていますが、人材の確保、育成が想定通りに進まない場合は当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策での行動制限が緩和され、野球やサッカーの世界大会が大きな盛り上がりを見せるなど、企業や個人の消費マインドに改善の動きが見られました。一方、世界的に進んだ金融引き締めの影響による金融資本市場の変動、物価やエネルギー価格の上昇など、景気の下振れリスクも見られました。海外経済も緩やかな回復の動きが継続したものの、金融引き締めの進行や、長期化するウクライナ情勢に起因する物価やエネルギー価格の上昇など、景気減速への警戒感が高まっています。
このような状況の中、当社グループは、国内においては野球品や競技スポーツ品を中心に販売が改善、海外においても米州や韓国を中心にゴルフ事業の好調が続きました。材料費の高騰や為替変動による仕入れ価格の上昇等の影響については、売上高の増加と経費コントロールにより最小化しました。
これらの結果、当社グループの経営成績は、売上高は392億9千9百万円増収(前年同期比22.8%増)の2,120億4千4百万円、営業利益は30億7千万円増益(前年同期比31.1%増)の129億4千5百万円、経常利益は30億6千2百万円増益(前年同期比27.9%増)の140億3千9百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は21億9千3百万円増益(前年同期比28.4%増)の99億1千万円となり、いずれも連結決算の開示が制度化されて以降最高となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
a 日本
日本は、新型コロナウイルス感染症対策での行動制限が敷かれた前年同期と比較し、事業環境が改善しました。世界大会が大きな盛り上がりをみせた野球やサッカーに加え、バレーボールやラケットスポーツなどのインドアスポーツの商品も好調に推移しました。加えて、非スポーツ事業であるワークビジネス事業も好調に推移しました。この結果、売上高は172億4千7百万円増収(前年同期比15.1%増)の1,315億7百万円、営業利益は17億5百万円増益(前年同期比39.7%増)の59億9千5百万円となり、売上高は連結決算の開示が制度化されて以降最高となりました。
b 欧州
欧州は、第1四半期に大きな影響を受けたサプライチェーンの状況が改善したものの、物流費の高騰や為替変動によるコスト高の影響を受けました。そのような環境においても、主要事業であるランニングシューズの販売が回復しました。また、ゴルフクラブの販売も引き続き堅調に推移しました。
この結果、売上高は71億9千7百万円増収(前年同期比40.1%増)の251億3千9百万円、営業利益は2億8千万円増益(前年同期比20.2%増)の16億6千9百万円と、それぞれ過去最高の結果となりました。
なお、当連結会計年度における欧州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
英ポンド:163.60円(前年同期 153.94円)、ユーロ(欧州支店):141.26円(前年同期 131.05円)、
ユーロ(子会社):137.93円(前年同期 130.11円)、ノルウェークローネ:13.66円(前年同期 12.80円)
c 米州
米州では、輸送コストや物価の上昇、金融引き締めに伴う景気の減速といったマイナス要因が見られたものの、引き続きゴルフクラブの販売が好調を維持しており業績を牽引しました。また、野球やバレーボールなどの競技スポーツ品の販売も堅調に推移しました。
この結果、売上高は74億4千万円増収(前年同期比31.5%増)の310億6千7百万円、営業利益は1億8千6百万円増益(前年同期比7.1%増)で、過去最高の28億2千6百万円となりました。
なお、当連結会計年度における米州各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
米ドル:130.78円(前年同期 109.86円)、カナダドル:100.18円(前年同期 87.46円)
d アジア・オセアニア
アジア・オセアニアは、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されるなど、事業環境が改善しました。全域で業績は好調に推移し、ゴルフクラブやランニングシューズ、サッカースパイクなど幅広い商品群で業績が拡大しました。
この結果、売上高は74億1千3百万円増収(前年同期比43.8%増)の243億2千9百万円、営業利益は8億8千7百万円増益(前年同期比63.8%増)の22億7千6百万円と、それぞれ過去最高の結果となりました。
なお、当連結会計年度におけるアジア・オセアニア各通貨の換算レートは以下のとおりであります。
台湾ドル:4.40円(前年同期 3.94円)、香港ドル:16.70円(前年同期 14.14円)、
中国元:19.39円(前年同期 17.04円)、豪ドル:90.58円(前年同期 82.37円)、
韓国ウォン(100ウォン当たり):10.17円(前年同期 9.61円)、
米ドル(シンガポール):130.78円(前年同期 109.86円)
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ311億6千7百万円増加し、1,975億2千3百万円となりました。商品及び製品が154億1千1百万円、売掛金が105億6千3百万円それぞれ増加したことが主な要因です。
負債は、前連結会計年度末に比べ193億5千4百万円増加し、732億4千7百万円となりました。長短借入金が132億8百万円、支払手形及び買掛金が42億4千5百万円それぞれ増加したことが主な要因です。
純資産は、前連結会計年度末に比べ118億1千2百万円増加し、1,242億7千5百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の67.3%から62.6%へと4.7ポイント減少しました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は238億4千5百万円となりました。当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りとなります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは80億4千7百万円の支出となりました。収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益135億8千4百万円、減価償却費の計上26億7千8百万円、仕入債務の増加額46億7百万円、支出の主な内訳は棚卸資産の増加額149億9千8百万円、売上債権の増加額98億8千5百万円、法人税等の支払額45億4百万円となります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは44億4千5百万円の支出となりました。収入の主な内訳は投資有価証券の売却による収入1億9千7百万円、支出の主な内訳は有形固定資産の取得による支出43億8千6百万円、無形固定資産の取得による支出8億9千4百万円となります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは110億1千2百万円の収入となりました。収入の主な内訳は短期借入による収入77億5千4百万円、長期借入による収入79億8百万円、支出の主な内訳は長期借入金の返済による支出26億8千4百万円、配当金の支払額16億5千7百万円となります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループは見込生産を行っており、その他の事業のうち、スポーツ施設関連の一部のみ受注生産を行っておりますが、全体に占める割合が僅少であるため記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりでありますが、その前提となる様々な要因については、過去の実績、現在の状況及び将来の想定を総合的に勘案し、合理的と考えられる見積りと判断に基づいて適用しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、当社グループでは、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。新型コロナウイルス感染症による当社グループ事業への影響は回復しつつあり、2024年3月期以降にさらに正常化が進むとの仮定に基づき、会計上の見積りを行っております。
a 繰延税金資産
繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。当社グループでは、将来の課税所得や加減算などのスケジューリングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得の予測・仮定に変更が生じ、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され税金費用が計上される可能性があります。
b 退職給付債務
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される計算基礎を用いて算出されております。その見積数値と実績が異なる場合、または見積数値が変更された場合、その影響額は将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には、将来において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
割引率の見積りにあたっては、安全性の高い長期の債券利回りを基礎に決定しております。また、期待運用収益率については、保有する年金資産のポートフォリオ、過去の実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して決定しております。
c 減損会計
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産の市場価格及びその資産を使用した営業活動から生じる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。
回収可能価額は見積り将来キャッシュ・フロー及びその他の見積り及び仮定から合理的に決定しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、これらの見積り及び仮定が将来変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損認識の可能性があります。
d 有価証券及び投資有価証券の評価
当社グループは、純投資目的及び長期的な協力関係や取引関係の観点から株式等を所有しており、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に株式等の減損処理を実施することとしております。即ち、時価のある「その他有価証券」については、期末時価が帳簿価額を30%以上下回った場合かつ下落が一時的でないと判断した場合に、また、時価のない「その他有価証券」については評価対象となる純資産額が帳簿価額を50%以上下回った場合に減損処理を実施するものであります。従って、将来の株式市場や投資先の業績動向により、これらの有価証券及び投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、ROA(総資産事業利益率)とROE(自己資本利益率)を目標とする経営指標と位置付けておりますが、収益的成長と財務状態が適正にバランスすることにより向上するROAを特に重要な経営指標として目標値を設定しております。現時点で中期的な目標とするROAを連結ベースで9%以上といたしております。当連結会計年度におけるROAは7.3%(前年同期比1.0ポイント改善)であり、目標を達成するために、引き続き資産の効果的・効率的な投下による収益の最大化を図り、企業価値を増大させていきたいと考えております。
a 売上高及び売上総利益
売上高は392億9千9百万円増収(前年同期比22.8%増)の2,120億4千4百万円となりました。国内においては野球品や競技スポーツ品を中心に販売が改善、海外においても米州や韓国を中心にゴルフ事業の好調が続きました。売上高の改善に伴い、売上総利益は94億4千8百万円増益(前年同期比13.2%増)の810億2千万円となりました。
b 販売費及び一般管理費、営業利益及び経常利益
販売費及び一般管理費63億7千7百万円増加(前年同期比10.3%増)し、680億7千5百万円となりましたが、コロナ下でのコスト削減策が定着したことが貢献し売上高販管費率は改善されました。売上高の増加も加わり、営業利益は30億7千万円増益(前年同期比31.1%増)の129億4千5百万円となりました。
経常利益は営業利益に加え為替差益などを計上し、30億6千2百万円増益(前年同期比27.9%増)の140億3千9百万円となりました。
c 特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、主に投資有価証券売却益を計上したこと等により6千6百万円となりました。特別損失は、事業構造改善費用を計上したこと等により5億2千1百万円となりました。法人税等は、前年同期比で4億8千5百万円増加し35億6千5百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は21億9千3百万円増益(前年同期比28.4%増)の99億1千万円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、商品、原材料等の購入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用及び維持更新等を目的とした設備投資等であります。これらの資金需要に対しては、営業活動から獲得する自己資金並びに金融機関からの借入による調達を基本としております。また、安定的な運転資金確保を目的に取引銀行と当座借越契約を締結しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債は238億3千6百万円となっております。
(1)ライセンス付与契約
(注)売上高に対する一定比率のロイヤリティを受け取っております。
当社グループの研究開発活動は、経営理念と長期経営方針に基づき、グローバル事業戦略に沿った商品開発を基本的なコンセプトとしております。そのためには、スポーツ工学及びスポーツ科学の研究を基盤とした基幹技術や素材の研究・開発を行うことが中核的な活動であり、そのことにより高機能製品の開発が実現されると考えております。同時に製品を実現するための生産技術の開発を進め、それらの技術が蓄積されることによりプロダクション機能の強化が果たされるものと考えております。
現在、研究開発活動の体制は、スポーツ品の製造に関しては、基礎研究・機能研究など広範で中長期的な視点で研究開発を行う当社の研究開発部と各グローバルプロダクト部門(アパレル、フットウエア、イクイップメント)の開発セクションを中心として、MIZUNO USA,INC.の開発部門やミズノテクニクス株式会社の技術部門、セノー株式会社開発本部などもその役割を担って推進しております。基盤技術や素材・製品の研究開発にあたっては、独自の研究に加え、多くの大学の研究室や取引先企業の研究開発部門等とも密接に連携を図り協力関係のもと遂行しております。
また、最近においては長年スポーツで培った技術をスポーツ以外の分野でも活用すべくライフイノベーション分野や産業資材分野への応用展開にも力を入れております。ミズノのスポーツテクノロジー、商品・サービスを通じて健康・快適・安全の領域でより多くの人が生きがいや喜びを感じ幸せに暮らす事に貢献出来るように、またより安全で快適な社会を作ることに貢献できるように研究開発を進めています。ミズノグループでの研究開発に携わる人員はグループ全体で233名であります。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は