文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
当社グループは、“快適で健康なヒューマンライフの創造に貢献する”という企業理念のもと、健康・医療をメインテーマに事業を展開し、グローバルなメディカルカンパニーへと飛躍することを目指しております。
当社グループは、「社会はいつでも我々の製品を必要としている」をスローガンに、ESG、SDGsを意識した経営を推進し、人々のWell-beingの実現、サステナブルな社会の創造に貢献してまいります。
当社グループの事業は、ウォーターヘルスケア事業と医療関連事業からなり、現在、ウォーターヘルスケア事業が連結売上高の87.3%を占めておりますが、今後、医療関連事業を新たな事業軸の一つとして構築していくことを目指しております。電解水透析事業や再生医療関連事業を展開する医療関連事業を拡充することにより、グループの収益基盤が強化されるだけでなく、当社グループをメディカルカンパニーとしてブランディングすることで、整水器販売を中心とするウォーターヘルスケア事業への大きな波及効果を得ることが出来ると考えております。
ヘルスケア、医療に関連する当社グループ事業の成長には、科学的エビデンスによる裏付けが不可欠です。これまで30年以上に亘り産官学共同研究を実施し、その成果を国際学術誌に論文として多数発表してまいりました。今後も、理化学研究所や東京大学、神戸大学、早稲田大学を始めとする研究機関と連携し、既存ビジネスの拡大とともに新たな事業シーズの発掘を目的に、基礎研究から臨床研究まで幅広い研究開発を実施してまいります。
資本面では、「資本効率性」、「株主還元」、「財務健全性」をバランス良く実現することを基本方針とし、常に経営効率の向上に取り組み、適正な利益を生む経営を実施するとともに、ステークホルダーへの適切な収益の分配、安定した財政基盤の更なる充実に努めてまいります。
当社グループは、効率的で筋肉質な経営を目指しており、連結売上高経常利益率及びROE(自己資本利益率)を意識した経営を行っており、連結売上高経常利益率20%以上、ROE10%以上を中期的目標としております。
3年に亘り社会経済活動に多大な影響を与えた新型コロナが収束に向かい、感染症法上の位置付けが本年5月に5類に移行されたことにより、経済活動はようやく正常化へと戻りつつあります。一方で、ウクライナ情勢の懸念や中台関係の緊張の高まりなどもあり、今後の世界経済の先行きはいまだ不透明な状況にあります。そのような環境のもと、当社グループにおきましては、コロナ禍により制限を受けていた対面販売や医療機関向けの営業活動が正常化へと向かうことで、2021年3月期を底とした成長路線を加速していくことが出来るものと考えております。コロナ禍を経て、世間の健康意識がより高まっていることも、ヘルスケア、医療分野を主事業とする当社グループにとってはチャンスであると捉えております。製造におきましては、部材の調達やコスト増など引き続き厳しい環境が予測されるため、効率化のためのシステム導入によるコスト削減などのほか、製品の値上げや新たな部材調達先の確保など先行して対策を講じており、強いサプライチェーンの構築、より筋肉質な経営へと繋げてまいります。
当社グループは、2027年3月期連結売上高320億円を目標とし、その実現並びに中長期的な企業価値向上を目指し、以下の3点を重点的に取り組んでまいります。
1.主事業である整水器販売事業の直接販売部門の効率化を伴う量的拡大
2.整水器販売事業の卸・OEM部門における海外展開の拡大
3.世界に先駆けた電解水透析の普及と、保険適用も視野に入れた研究開発等の活動
①ウォーターヘルスケア事業
当社の電解水素水整水器は、アルカリ性で抗酸化性のある水素を含有した電解水素水を生成し、「胃腸症状の改善」に効果が認められた、厚生労働省所管の管理医療機器です。腸は免疫機能の約70%を担っており、また第二の脳とも呼ばれ、健康の維持・増進のためには腸内環境を整えることが重要であるとの認知が広まってきております。コロナ禍もあり、腸を健康にする「腸活」がさらに脚光を浴びており、「胃腸症状の改善」に効果のある整水器の需要は、今後、高まっていくと考えております。
電解水素水は胃腸症状の改善だけでなく、含有する水素の抗酸化性による健康保持、増進、疾病予防への効果も期待されており、当社では30年以上に亘りさまざまな大学、研究機関と産官学共同研究を実施し、その成果を国際学術誌で論文発表してまいりました。当社は、健康寿命の延伸、医療費の削減には「予防」が最も重要との考えのもと、その一助として「ウォーターヘルスケアという、新習慣。」を提唱しております。これは「健康長寿社会の実現」を掲げ、健康保持・増進策に注力している国策にまさに合致するものであり、厚生労働省、経済産業省が推奨する「健康経営®」を切り口に、企業への一括導入に注力しております。また、導入企業の従業員への展開へと広げてまいります。
コロナ禍を契機として、新たな販売チャネルとして注力しておりますECサイト等のWEBマーケティングも引き続き推進してまいります。
当社の電解水素水整水器のユーザー数は、直接販売、間接販売合わせて現在約85万件ですが、これを300万件規模に拡大することを目指しております。これにより、消耗品である浄水カートリッジ販売がストックビジネスとして安定した収益基盤となります。仮に300万件のユーザー数を実現し、その70%が浄水カートリッジを購入した場合、売上高は年間約20,000百万円となります。その早期実現のため、価格帯も含めてより普及しやすい商品の開発、認知向上を目的とした広報施策など、中長期的視野に立った俯瞰的な対策を講じてまいります。
海外事業では、インドネシアで、日本の技術で生成した、より安全で美味しいアルカリ性の水をコンセプトとした「Pristine(プリスティン)」をブランドに、ボトルドウォーター事業を展開しております。インドネシアは、世界4位の人口と経済成長による中間所得層の増加により、ボトルドウォーター市場が拡大路線にあります。その中で、まずは売上高を伸ばして同国内でのシェアを高めることを方針とし、2030年度に売上高1兆ルピア(90億円、1ルピア=0.0090円)の目標を現地パートナーのシナルマスグループと掲げております。従来からのSNS等を通じたデジタルマーケティングに加え、より幅広い層への認知を拡大させるため2023年度よりインドネシア全土でのテレビCMを開始するなど、改めてマーケティングへの先行投資を実施しております。ジャワ島外へも展開地域を拡大していくとともに、今後の業績伸長を見据えた製造体制の強化にも取り組んでまいります。
上記飲用以外にも、新たな事業創出を目的に、農業、工業などへの電解水素水の応用に関する産学共同研究を推進しております。
②医療関連事業
電解水透析は、これまで透析液原液の成分(溶質)ばかりに主眼が置かれていた透析治療に、溶媒である「水」そのものに世界で初めて着目した次世代新規治療法です。透析患者のQOL向上とともに病院経営にも収益面で寄与することが期待されております。2018年7月に厚生労働省から提出された腎疾患対策検討会報告書において、CKD(慢性腎臓病)重症化予防を徹底するとともに、CKD患者(透析患者及び腎移植患者を含む)のQOL(生活の質)の維持向上を図ることが大方針に掲げられ、電解水透析がまさにその指針に沿うものとしての認知も広がっております。コロナ禍においては医療施設への訪問ができないなどの営業上の制約がありましたが、新型コロナの収束により徐々に緩和されてきております。現在、全国展開する大手病院グループの主病院や地域で主導的立場の病院への導入を進めており、それらを起点に更に普及を促進してまいります。まずは、国内約4,500施設の約7%、300施設への設置を目指します。また、国内にとどまらずグローバルスタンダードへの発展を目指します。
再生医療関連事業では、ステムセル研究所が、再生医療・細胞治療を目的とした、「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞バンク事業及び、それらの細胞を利用した、新たな治療法、再生医療等製品の開発、そしてこれらの事業基盤をベースにした再生医療・不妊治療・出産・子育て等の領域での事業開発及び投資等の事業展開を行っております。同社は、国内のさい帯血保管総数の約99%のシェアを占める国内最大手の民間さい帯血バンクです。従来の「さい帯血」に加え、2021年4月より日本初の「さい帯保管サービス」も展開しております。コロナ禍においては、リアル・マーケティングが制約を受ける中、新たに取り組んでまいりましたデジタル・マーケティングがそれを補う形で展開してまいりました。新型コロナの収束により、従来のリアル・マーケティングが再開することで、双方をミックスした「Ⅹ(クロス)マーケティング」の展開がスタートし、双方のシナジーにより、認知向上、保管検体数増加に大きく寄与するものと考えております。
一方、同社の強みである、全国の産婦人科医院及び出産を控える妊婦さんとその周辺の関係者の方々へアプローチできる独自のネットワークを活用し、AIなどの新しい技術を利用したデータサイエンス(先制医療)分野や、「さい帯血」や「さい帯」以外の他の細胞のバンキング、またそれらを利用した新たなプロダクトやサービスの開発等の事業展開を、M&Aも含めて推進してまいります。
中国での病院運営事業につきましては、糖尿病治療や血液透析治療などの慢性期疾患領域における高度な日本式医療サービスの提供をコンセプトに展開しております。コロナ禍の影響などにより、事業の進捗は想定よりも遅れておりますが、堅実に来院者数・稼働率ともに増加しております。
当社グループは、以下のテーマを課題とし、その対策に取り組んでおります。また、SDGsの取組みとも連携し、持続的成長、企業価値向上を実現してまいります。
①ウォーターヘルスケア事業
整水器関連事業につきましては、現在の約85万件の整水器アクティブユーザー数を300万件とすることを目指しております。ユーザー数拡大の早期実現のためには販売力を強化し、整水器市場を拡大させることが最も重要であると考えております。
職域販売におきましては、セミナー数の増加が業績拡大の大きな要素となります。これまで代理店である企業からの紹介をもとにセミナーを実施してまいりましたが、新たな取組みとして、人材紹介会社などを介して多様なネットワークを持つ個人からの紹介により、これまでリーチできていない先の開拓に取り組んでおります。一方、営業効率につきましては、1セミナーあたりの販売台数を指標とし、その向上のため、営業トークを基本に立ち返ってブラッシュアップしております。また、これからの業容拡大に備え、営業人員の増強にも取り組んでおります。
卸・OEM部門では、国内外での新規取引の開拓に取り組んでおります。特に、ベトナムをはじめとした海外向け製品の展開が活発化しており、成長余地が特に大きな部門として、体制強化も含め、精力的に進めてまいります。
一方、新型コロナへの対応から本格的にスタートしたWEBマーケティングにも引き続き注力しております。この取り組みは、電解水素水、整水器の認知や理解向上にも寄与するものであり、既存の販売チャネルにも大きな後押しとなります。
インドネシアでのボトルドウォーター事業につきましては、ミネラルウォーター市場に占めるアルカリ水の市場割合を拡大させることが重要であると考えております。将来の飛躍的成長に向けて、2023年度よりインドネシア全土でのテレビCMを開始するなど、改めてマーケティングへの先行投資を開始しております。ペットボトルの販売では、ジャワ島外へ展開地域を拡大し、ガロンの宅配では、ジャカルタ市内を中心に専属のディストリビューターを増やし、より地域に密着した体制構築に取り組んでおります。
②医療関連事業
電解水透析事業につきましては、2023年4月末現在、全国にある透析施設4,493施設のうち32施設(945床)に電解水透析システムが導入されており、約2,800名の患者の方々が電解水透析治療を受けられております。電解水透析の導入施設数を増やし、全国の透析患者が居住地域に関係なく、電解水透析治療を選択出来る環境を作る事が急務であると考えております。2024年3月期は、当期の徳洲会グループの山内病院に続き、同グループの他施設への導入が予定されております。このような系列病院での展開とともに、聖路加国際病院、医療法人鉄蕉会 亀田総合病院や社会医療法人愛仁会 井上病院といった透析治療の基幹施設への導入実績をもとにした、面での展開で普及を拡大してまいります。本年6月には、神戸にて開催された日本透析医学会学術集会・総会においてランチョンセミナーを開催し、これを契機に、まだ展開の弱い関西以西での普及拡大にも注力してまいります。
また、電解水透析システムをより多くの施設に導入いただくには、水の質、安定性はもちろん、システムの小型化やメンテナンス性の向上、コストも重要な要素です。今後、より普及を促進することを目指し、医療機器化も視野にさらなる改良、開発に取り組んでおります。
細胞バンク事業における、さい帯血の保管につきましては、厚生労働省健康局より「臍帯血取扱事業の届出」の提出を要請されており、ステムセル研究所は今後も同省と協議しながら、適切に事業運営を行ってまいります。
また、近年さい帯血の保管の需要が急激に高まってきており、同社は2021年3月に新たな細胞処理センター(横浜市)を増設いたしました。今後も2021年4月に開始した「さい帯(へその緒)保管サービス」を含めた、出産に由来する組織由来の細胞(周産期組織由来細胞)等の採取、保管事業の拡大に備え、細胞処理能力、細胞保管能力の増強を行ってまいります。
③新規事業
当社グループが持続的に成長するためには、現在の主軸事業である整水器関連事業の他に、新たな事業軸を構築することが必要であると考えております。その一つとして最も注力しております医療関連事業の他、農業分野や工業分野でも電解水素水による新規事業の創出を目的とした研究開発に取り組んでおります。いずれも非常に大きな将来性がある分野です。今後も、グループ全体のシナジーを念頭に、将来性の見込める新規事業に対して先行投資を実施してまいります。
④サステナビリティ
当社グループでは、5つの重要領域(健康・医療、環境、ひと、社会、サプライチェーン)における9つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。企業活動を通じて、社会課題を解決していくべく鋭意取り組んでまいります。
・健康寿命の延伸への貢献
・新しい医療(治療法・サービス)の開発
・地球温暖化対策への対応
・環境対策(循環型社会の構築)への貢献
・ダイバーシティ&インクルージョンの推進
・働き方改革の実施
・地域社会との共存
・農業分野への貢献
・持続可能な調達の実施
⑤人財
当社グループが持続的な成長を実現するためには、多様な人財の登用、育成が必要です。中でも、女性の活躍は不可欠であると考えており、マテリアリティでもありますダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでまいります。また、社員の生産性の向上や健全な労働環境づくりを目的に、代表取締役を責任者とした体制で「健康経営」を推進するなど、働き方改革にも取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する考え方
当社グループは、“快適で健康なヒューマンライフの創造に貢献する”という企業理念のもと、健康・医療をメインテーマに、5つの重要領域(健康・医療、環境、ひと、社会、サプライチェーン)における9つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。事業を通じて社会課題解決に取り組み、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
当社グループの価値観・取り組みは、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」とも親和性が高く、ステークホルダーの皆様との対話も含め、事業活動を通じてSDGsの達成に貢献できると考えております。
また、当社グループの持続的な成長を実現するためには、人財が特に重要なマテリアリティの一つであると考えており、性別や国籍、職歴等に拘らない多様な人財の登用、育成に取り組んでおります。
当社グループでは、代表取締役をリーダーとして、日本トリム経営企画部を中心に、営業部門、管理部門にかかわらず、部門横断的なメンバーでサステナビリティ関連課題である重要領域に関するチームを構成し、関連課題の事業リスク・機会の分析と対応の検討を実施しております。その内容は、各チーム責任者から代表取締役に随時報告するとともに、取締役会はその報告を受け、監督しております。今後、サステナビリティの実現に向けた活動を推進する委員会の設立を検討してまいります。
当社グループでは、日本トリム経営企画部と管理本部が中心となり各担当部署と連携してリスクの識別、評価、管理を行っております。リスクの分析結果を踏まえ、全社レベルでの優先順位の高いリスクを抽出し、この結果は取締役会に報告されます。当社グループは、事業との連携も念頭に、今後の対策を議論、検討し、経営・事業戦略へ組み込んでまいります。
① 戦略
当社グループにおける、人財の採用・育成及び社内環境整備に関する方針、戦略は下記のとおりです。
(人財採用・育成方針)
当社グループは、多種多様な人財が最大限の力を発揮することが中長期的な企業価値向上に繋がるという考えのもと、性別・国籍・職歴に拘わらず、多種多様な人財を積極的に採用しております。
外国人の採用につきましては、国籍等に囚われず、その能力・成果に応じた邦人同様の人事評価を行うことを基本方針としております。特に海外のグループ子会社においては積極的に現地国の人財を採用しております。
採用した人財に対して雇用を保障する事が企業の最も重要な社会的責任の一つであると考えております。雇用を維持しつつ、従業員がより成長できる機会を提供することで、会社の持続的成長を可能にすると考えております。
(社内環境整備に関する方針)
従業員の帰属意識の醸成や、株価上昇に対する動機付け等の観点から、2023年3月より、株式給付信託(J-ESOP)を導入いたしました。本制度は従業員自身が株主となることで、企業価値向上に伴う株価向上が従業員の財産形成にも資することができ、また、従業員が企業価値向上のためにより高い次元で業務に邁進し、挑戦することで、会社の持続的成長に寄与するものであると考えております。
その他、専門性の高い資格取得に対する奨励金の支給や、E-Learningを提供し、従業員の自主的なスキルアップ・自己啓発活動を促す環境を整備しております。
多様な人財の活躍のため、女性の登用も積極的に行っております。2023年3月末時点では、管理職における女性の割合は5.9%となり、前年度よりも増加しました。産前・産後休暇や育児休暇を取得し、復職する従業員も年々増加しており、今後も全社員がより力を発揮しやすい職場環境の醸成に向けた環境整備に努めてまいります。
当社グループでは、上記① 戦略 において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
※当社は、グループ各社と連携してサステナビリティに関する重要課題に取り組んでおりますが、具体的な実績及び目標に関しては連結ベースの数値ではなく、当社の数値を記載しております。
性別に関係なく活躍できる環境を提供するため、引き続き、産前・産後休暇や育児休暇制度の充実を図り、加えて女性幹部候補の育成にも努めていく方針です。また、従業員一人ひとりのワーク・ライフ・バランスや優秀な人財の確保・定着の実現に向け、今後も就業規則の見直しや多様な制度導入の検討を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの主力取扱製品は、電解水素水整水器(連結売上高に占める割合45.5%)及びその浄水カートリッジ(同28.2%)であり、当社グループの業績は当該整水器関連事業への依存度が高い状況です。浄水カートリッジ販売は、外的影響を受けにくい安定した収益基盤となっておりますが、整水器につきましては、何らかの理由で営業活動に支障が出た場合、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
グループの収益基盤強化のため、整水器以外の事業(ウォーターヘルスケア事業のボトルドウォーター事業や医療関連事業)の成長に向けて取り組んでおり、これらの伸長により、整水器の売上高構成比は下がりつつあります。
当社グループの主事業である電解水素水整水器販売において、対面による説明販売を主とする職域販売、取付・紹介販売、店頭催事販売及びメンテナンス(修理)時の販売が整水器売上高の79.3%を占めており、コロナ禍のように人との対面機会が制限される事態が発生すると、営業機会が減り、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
リモート営業やWEBマーケティングなど、対面によらない販売チャネルの構築にも注力しております。
(3) 原材料及び部品の調達に関して
当社グループは、海外も含めて多数の取引先から原材料及び部品を仕入れております。当社グループがコントロールできない自然災害や市況変動、そのサプライヤーの原材料及び部品の確保状況によって部材の調達ができず、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。同一部品の仕入先を複数確保するとともに、コストも勘案しながら国内で調達できる体制を目指してまいります。
また、SDGsの観点からサステナブルな調達活動に対する社会的要請が今後より強くなると見込まれ、対応の遅れが業績に影響を及ぼす可能性があります。社会と環境に配慮した責任ある調達活動を実施してまいります。
(4) 品質管理に関して
ウォーターヘルスケア事業の主製品である電解水素水整水器は、製品に何らかの欠陥が発見された場合など、製造物にかかる賠償責任を負っております。また、顧客の安全のために大規模なリコールを実施する可能性があり、これらにより当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。電解水素水整水器はQMS省令※1に則り、ISO13485及びISO9001※2を取得した自社工場で製造しており、安全を最優先課題とし、品質の維持・向上に努めております。また、製造物に関して賠償が発生した場合に備え、対象となる全ての製品につき保険に加入しております。インドネシアのボトリング工場におきましても整水器と同様に製品の欠陥や賠償が発生するリスクがありますが、日本水準の品質管理の運用を目指し、設備管理、社員教育を実施しております。
医療関連事業の細胞バンク事業におきましては、細胞の分離・処理作業に必要な試薬や長期保管用タンクの冷却用液体窒素の供給が滞ったり、設備が正常に稼動しないなどにより細胞の品質維持に支障をきたす場合があります。これらにより、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。ステムセル研究所では、グローバル品質規格であるAABB※3やISO9001といった第三者の認証機関より査察を受け、品質や設備運用の維持向上に努めております。
※1 QMS省令: 医療機器、対外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(Quality Management System)。
※2 ISO13485、ISO9001:ISOとは、工業分野の国際標準規格。中でもISO13485は、医療機器の品質標準規格。
※3 アメリカ血液銀行協会(American Association of Blood Banks)。
(5) 風評被害に関して
当社グループが展開する各事業において、当社以外の事業者が関連法令に違反して当該違反の事実がマスメディア等に取り上げられた場合やSNS等でネガティブな情報が掲載された場合に、当社グループも風評被害を受け、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。業界団体のコンプライアンス強化の取り組みにも積極的に関与し、健全な市場環境の維持に努めます。
(6) 法的規制等に関して
当社グループは事業遂行にあたり、法的規制を受けております。国内の整水器関連事業におきましては、医薬品医療機器等法(薬機法)の規制を受けており、医療機器の製造を行うためには厚生労働省より指定を受けた第三者認証機関より医療機器製造販売認証を必要とし、また、販売に当たっては販売業の届出をする必要があります。細胞バンク事業におきましては、再生医療等安全性確保法により、さい帯血を処理するには特定細胞加工物製造許可を必要とします。また、その他事業も含め、国内におきましては独占禁止法や個人情報の保護に関する法律等の法規制を受けております。事業を展開する各国におきましては、当該国の法的規制の適用を受けております。当社グループでは、それぞれ法規制に対応した体制を整備しておりますが、関連する法令の改正、強化や新たな法規制が制定された場合、これらの法規制等に違反した場合、社会的要請に反した行動をした場合など、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁等により、当社グループ事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。業界団体のネットワークも活用し、関連法令に関する情報取得に努めております。
(7) 個人情報の漏洩に関して
個人情報の管理につきましては細心の注意を払っておりますが、社内の情報システムの不具合やサイバー攻撃等により個人情報の漏洩や不正使用等が発生した場合、社会的信用の低下や賠償金の支払い等により、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
秘密情報の漏洩や不正使用等を防ぐため、情報セキュリティ対策ツールの導入やIT資産の一元管理を実施するとともに、社内教育にも徹底して取り組んでおります。
(8) 災害・事故等に関して
大地震等の大規模自然災害や火災等の突発的な事故が発生した場合は、生産設備等に多大な損害を被る可能性があり、操業の中断により出荷に遅れが生じ、また破損した建物や設備の復旧に多額の費用がかかるおそれがあります。また、コロナ禍のように、新型の感染症等が拡大した場合、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、災害・事故等の発生に備えたリスク管理を実施しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(財政状態)
当連結会計年度の財政状態は以下のとおりであります。
資産合計は29,046百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,456百万円増加(前期比9.2%増)いたしました。
負債合計は6,918百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,130百万円増加(同19.5%増)いたしました。
純資産合計は22,128百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,325百万円増加(同6.4%増)いたしました。
(経営成績)
当連結会計年度の当社グループの売上高は17,951百万円(前期比10.3%増)、営業利益は2,378百万円(同19.0%増)、経常利益は2,515百万円(同20.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,646百万円(同15.2%減)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
ウォーターヘルスケア事業の売上高は15,665百万円(前期比9.0%増)、セグメント利益は2,130百万円(同16.9%増)となりました。
医療関連事業の売上高は2,286百万円(前期比19.8%増)、セグメント利益は248百万円(同40.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より917百万円増加して12,795百万円となりました。
営業活動の結果、得られた資金は1,937百万円(前期は1,145百万円の収入)となりました。
これは主に売上債権の増加1,288百万円及び法人税等の支払額253百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益2,523百万円、減価償却費389百万円の計上及び前受金の増加390百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は551百万円(前期は432百万円の収入)となりました。
これは主に有価証券の償還による収入500百万円がありましたが、投資有価証券の取得による支出643百万円、有形固定資産の取得による支出263百万円及び関係会社株式の取得による支出100百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は500百万円(前期は568百万円の収入)となりました。
これは主に配当金の支払額459百万円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は製造原価によっております。
b. 受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記販売高のうち、日本トリム単体の販売高は電解水素水整水器7,991,920千円(前期比109.8%)、カートリッジ5,054,371千円(同105.3%)であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
当連結会計年度の総資産は29,046百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,456百万円増加(前期比9.2%増)いたしました。
流動資産は19,894百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,734百万円増加(同9.5%増)いたしました。主な要因は、営業活動の結果、受取手形及び売掛金が1,298百万円増加したことによるものであります。
固定資産は9,152百万円となり、前連結会計年度末に比べ721百万円増加(同8.6%増)いたしました。主な要因は、資産運用等を目的とした投資有価証券の取得及び関係会社株式の取得があったことによるものであります。
流動負債は5,905百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,008百万円増加(同20.6%増)いたしました。主な要因は、子会社であるステムセル研究所の業績伸長等に伴う前受金の増加390百万円や法人税、消費税等の税金の納付予定額が376百万円増加したことによるものであります。
固定負債は1,012百万円となり、前連結会計年度末に比べ121百万円増加(同13.6%増)いたしました。主な要因は、ボトルドウォーター事業においてガロンボトルの販売が増加したことに伴い、ボトルのデポジットが増加し、長期預り保証金が増加したことによるものであります。
純資産は22,128百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,325百万円増加(同6.4%増)いたしました。主な要因は、配当により460百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,646百万円の計上及び非支配株主持分が146百万円増加したことによるものであります。
経営成績の分析
(売上高)
売上高は前連結会計年度に比べ、1,674百万円増加して17,951百万円(前期比10.3%増)となり、過去最高売上高を更新いたしました。
<ウォーターヘルスケア事業>
ウォーターヘルスケア事業の売上高は15,665百万円(前期比9.0%増)となりました。
国内の整水器販売事業では、当連結会計年度の整水器売上高が7,991百万円(前期比9.8%増)となりました。第4四半期において、新型コロナが収束に向かい、さらに感染症法上の位置付けが本年5月に5類に移行する方針が出されたことにより、セミナー数はコロナ禍前の水準近くまで戻りつつあります。また、コロナ禍以降に注力してまいりました健康経営提案による企業設置や、サッカーを始めとしたスポーツ関連での展開は、順調に広がっております。これらの結果、職域販売部門の売上高は3,959百万円(前期比15.0%増)、取付・紹介販売部門は1,526百万円(同4.1%増)、店頭催事販売部門は524百万円(同13.3%増)となりました。
卸・OEM部門におきましては、2021年3月期よりスタートしたOEM先が好調で、期末には想定以上の売れ行きから部材調達が間に合わずに納品を待っていただくほどとなりました。また、ベトナムなどへの海外向け製品の販売も伸長しており、それらの結果、売上高が851百万円(前期比14.6%増)となりました。
WEBマーケティング部門では、売上高が492百万円(前期比3.4%増)となりました。1台当たりの販売コストを維持しつつ、販売台数を伸ばすべく、引き続き自社メディアの育成に注力するとともに、販売プロセス効率化による購買率向上にも取り組んでおります。
ストックビジネスである国内カートリッジ販売につきましては、本年4月の値上げ前の駆け込み需要があったこともあり、当連結会計年度の売上高は5,054百万円(前期比5.3%増)となりました。
海外では、インドネシアのボトルドウォーター事業を展開するPT.SUPER WAHANA TEHNOの売上高が1,638百万円(前期比16.8%増)となり、過去最高の売上高を更新いたしました。コロナ禍の収束によりペットボトルの販売が回復し、また各家庭へのガロンの販売も堅実に伸長した結果、それぞれが過去最高の売上高となりました。引き続き現地パートナーのシナルマスグループと全面的に協働し、事業拡大に取り組んでまいります。
次期につきましては、本年5月8日に新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行されたことにより対面販売への制約がなくなり、徐々に正常化していくことから、コロナ禍前の水準への回復からさらに成長へと躍進する年とすべく邁進してまいります。営業トークを基本に立ち返ってブラッシュアップし、営業力の底上げにも引き続き取り組んでおり、本年6月に、職域販売部門で5,000台、取付・紹介販売部門で1,700台の販売を目指しております。また、本年3月より整水器本体の値上げを、4月よりカートリッジの値上げを実施したことも売上高を押し上げるとともに営業利益率向上の後押しとなると見込んでおり、ウォーターヘルスケア事業では売上高16,990百万円(前期比8.5%増)を計画しております。
<医療関連事業>
医療関連事業の売上高は2,286百万円(前期比19.8%増)となりました。
電解水透析事業では、当期におきまして、千葉県南房総地区の基幹病院である医療法人鉄蕉会 亀田総合病院や徳洲会グループの山内病院など5施設、126床への導入がありました。
本年3月10日付 日本経済新聞朝刊に、徳洲会グループ 湘南鎌倉総合病院 小林修三院長と当社会長森澤との透析患者のWell-beingにスポットを当てた対談記事を掲載し、医療関係者のみならず、患者及びその関係者の方々からも大きな反響をいただいており、今後の普及拡大への大きな後押しとなると考えております。
次期につきましては、10施設200百万円の売上高を計画しております。
再生医療関連事業では、売上高が前期比16.3%増となりました。ステムセル研究所の細胞バンク事業における「さい帯血」保管サービス(市場シェア約99%)及び2021年4月より開始した日本初の「さい帯(へその緒)」保管サービス(同100%)それぞれの検体数増加及び2022年12月からのサービス価格改定が寄与し、過去最高の売上高を更新いたしました。
コロナ禍中に立ち上げた、デジタル・マーケティング(Web広告、SEO、オンラインセミナー等)と従来型のリアル・マーケティング(産科施設における母親学級等でのスピーチ等)の相乗効果により、中期目標(2028年3月期)として、国内全出生数に対する細胞保管率約3%、営業利益率30%を目指しております。次期につきましては、再生医療関連事業の売上高は2,610百万円(前期比20.3%増)を計画しております。
売上原価は前連結会計年度に比べ、492百万円増加し、5,520百万円(前期比9.8%増)となり、売上総利益は1,182百万円増加し、12,431百万円(同10.5%増)となりました。ともに主な要因は、整水器関連事業、ボトルドウォーター事業、細胞バンク事業でそれぞれ売上高が伸長したことによります。
売上原価率については30.7%となり、前期比0.1ポイント減となりました。主な要因は、整水器関連事業においては、昨年6月に整水器のメイン機種であるRefineの実売価格を引き上げたこと及び浄水カートリッジの売上伸長により売上原価率の改善がありましたが、セールスミックス及び部材価格高騰の影響により整水器関連事業合計の売上原価率に大きな変動はございませんでした。また、ボトルドウォーター事業におきましては、ペットボトル売上の伸長により売上原価率の低いガロン売上との構成比が変化し、売上原価率が若干増加いたしました。細胞バンク事業においては、サービス価格改定により売上原価率が改善されております。これらの各事業における要因に加え、各事業のミックスにより売上原価率は0.1ポイント減となりました。
次期につきましては、整水器関連事業における整水器及び浄水カートリッジの値上げによる売上原価率の改善がある一方、ボトルドウォーター事業及び再生医療関連事業の業績伸長による売上構成比の変化等により、売上原価率30.8%を計画しております。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、802百万円増加し、10,053百万円(前期比8.7%増)となりました。前期に比べて当期はコロナ禍による営業活動の制限が正常化に近づいたため、営業費が増加いたしました。また、スポットでのテレビCM、その他マーケティング費用の増加や人員増加に伴い人件費も増加いたしました。
当社グループでは、将来の飛躍に向けた先行投資として研究開発やPR活動に積極的に取り組むとともに、コスト削減にも鋭意取り組んでおります。次期におきましてもより筋肉質な経営体制を目指してまいります。
(経常利益)
経常利益は前連結会計年度に比べ、423百万円増加し、2,515百万円(前期比20.2%増)となりました。
売上高経常利益率は前期の12.9%から当期は14.0%となり、1.1ポイント改善しました。上述のとおり、販売費及び一般管理費の増加はありましたが、コロナ禍が収束しつつあることによる営業活動の正常化への動きや価格改定により、費用以上に売上高が伸長し、経常利益率が改善されました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループでは、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として経常利益率20%以上、ROE(自己資本利益率)10%以上を中期的目標としております。経常利益率については前述のとおりであり、ROEは8.1%となりました。
次期につきましては、整水器関連事業の営業体制強化に伴う人員増やボトルドウォーター事業のマーケティングへの先行投資等を見込んでいるものの、整水器や浄水カートリッジの価格改定による収益増加を勘案し、経常利益率は14.4%、ROEは8.7%を計画しております。引き続き資産効率を意識した経営を行ってまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
ウォーターヘルスケア事業及び医療関連事業の両事業において、原則、営業活動により獲得した自己資金により運営しております。
当社は、「資本効率性」「株主還元」「財務健全性」をバランス良く実現し、株主価値の持続的向上を目指すことを資本政策の基本方針としております。これらを実現するため、収益性の高い整水器関連事業を軸に経営基盤確立のための内部留保の充実を図りつつ、累進的な株主還元を実施してまいります。整水器の普及拡大にはエビデンスの取得が不可欠であるとの考えのもと、電解水素水の新たな機能の解明や、他分野への用途拡大を見据えた産学共同研究開発を積極的に推進し、投資を行っております。また、浄水カートリッジ販売につきましては毎期着実に伸長しており、安定的収益基盤として当社グループの財務健全性に大きく寄与しております。事業拡大のための設備投資や業務効率化のための基幹システムへの投資についても随時積極的に行っております。
整水器関連事業とともに、電解水透析事業、再生医療関連事業などの医療関連事業の成長により、グローバルなメディカルカンパニーへと発展を遂げ、持続的成長を実現してまいります。
株主還元につきましては、資本政策の基本方針のもと、DOE(株主資本配当率)3%を基準として定め、業績に多大な影響を及ぼすことがない限り、財務健全性を確保しながら累進的な配当を実施することとしております。当方針に則り、期初配当予想の1株当たり60円から20円増配して80円(DOE3.0%)とし、さらに40周年を迎えたことを記念して1株当たり40円の記念配当を実施することとし、合わせて120円の配当(DOE4.5%)を実施いたしました。
次期につきましては、記念配当を除いた1株80円から5円増配し、業績予想達成時のDOE 3.0%に相当する85円を予定しております。今後の市場環境の動向、業績の状況を見極めながら、適正な配当金額について検討を継続し、変更する場合は速やかに公表いたします。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
詳細については、「第5経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当社グループ(当社)が締結している経営上の重要な契約は、次のとおりであります。
当社グループは、事業を拡充していくためには科学的エビデンスが不可欠であるとの考えのもと、ウォーターヘルスケア事業におきましては、水を電気分解して得られるアルカリ性で水素を豊富に含んだ「電解水素水」の研究及びそれを生成する「整水器」等の機器開発を行っております。また、医療関連事業では、電解水素水を血液透析に応用した「電解水透析」に関する研究並びに機器開発を、再生医療関連事業におきましては、「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞を利用した新しい医療の実現を目指した共同研究等を実施しております。
① 飲用分野
電解水素水は、医療効果の認証を得ている「胃腸症状の改善」だけでなく、溶存する水素の抗酸化作用による様々な効果が期待されており、産官学共同研究により、新たな機能の解明、実証、多用途化に取り組んでおります。
昨年10月に理化学研究所との共同論文が科学誌「Nutrients」に掲載されました。電解水素水の日常的飲用は腸内炎症を抑制し、炎症性腸疾患の症状緩和に効果が期待されることを示唆する内容です。炎症性腸疾患は腸の炎症が原因で、下痢、血便、腹痛、倦怠感などの症状を繰り返す病気で、その代表的疾患である難病指定の「潰瘍性大腸炎」の患者数は140,574人、「クローン病」は47,633人おられます(厚生労働省「令和2年度 衛生行政報告例」)。それらの方々のQOL(生活の質)改善が期待されることから、今後、ヒト試験も検討してまいります。11月には科学誌「Heliyon」に「健常者においても電解水素水の日常的継続飲用により、血中酸化ストレスが低く抑えられている」との内容の論文が掲載されました。「ウォーターヘルスケアという、新習慣。」が生活習慣化しやすい疾病予防策として期待されることを示唆するもので整水器普及の大きな後押しとなるエビデンスです。
本年4月、これらの成果を更に深化させることを目的に、本年4月より神戸大学と、共同研究講座「エッセンシャルヘルスケア科学共同研究講座」を開設いたしました。
高知県須崎市との3年間に亘る電解水素水飲用による健診データや医療費に関する疫学調査事業につきましては、引き続き進行中で、2025年3月期末頃に終了する計画です。
今後も引き続き、理化学研究所、東京大学、東北大学等と、電解水素水の効果とその機序解明とともに新たな事業シーズ探索を目的とした共同研究を進めてまいります。
② 農業分野
農業分野では、農作物の栽培に電解水素水を応用することにより、生産効率向上、抗酸化性や糖度の高い機能性作物生産への寄与、「還元野菜®」のブランド化など高品質・高付加価値農業の実現に向けて取り組んでおります。
農作物栽培に関する電解水素水の効果については、これまで農家の方々にも協力いただき確認してまいりましたが、現在、その機序解明を目的に、遺伝子レベルでの解析を行う共同研究を理化学研究所と推進しております。効果の機序を明らかにし、国内のみならず世界にも目を向け、農業分野事業拡大に向けて精力的に研究開発に取り組んでまいります。
① 電解水透析分野
電解水透析では、昨年7月、「Renal Replacement Therapy」に、聖路加国際病院、日鋼記念病院等と、電解水透析による透析患者の重度疲労感低減に関する共同論文を発表いたしました。多くの透析患者が最も苦しんでいる疲労感を抑制することは、透析患者の家庭復帰や社会復帰に繋がり、QOL改善によるWell-being実現は、社会的、経済的にも大変大きな意義があります。これまで東北大学を中心に聖路加国際病院などの協力機関と連携して推進してきた共同研究によって、安全性とともに、電解水透析による透析患者の疲労感低減や患者の粗死亡率の低減など、期待される効果についてのエビデンスがさらに積み上がっております。引き続き、臨床データを蓄積していくとともに、今後、当システムの医療機器化や海外展開も視野に、更なる開発を推進してまいります。
② 再生医療分野
ステムセル研究所では、再生医療・細胞治療のためのさい帯血の分離・保管及び周産期組織由来細胞の研究開発に取り組んでおります。国内における「さい帯血」を用いた研究開発では、高知大学医学部附属病院において脳性麻痺児に対する臨床研究が、大阪公立大学医学部附属病院等においては低酸素性虚血性脳症(HIE)児に対する臨床研究が進められております。米国においては、FDA認可のもとデューク大学で進められている、脳性麻痺児等へのさい帯血投与プログラムに同社にさい帯血を保管されている方々が参加されるケースが増加しており、その結果も良好です。また、「さい帯」を用いた研究開発では、東京大学医科学研究所及び東京大学医学部附属病院との小児形態異常等の先天性疾患に対する治療法の開発を、大阪大学大学院医学系研究科とは新たな半月板治療法の開発を引き続き推進しております。
上記の様々な研究成果を反映して、水の質をより高めるための機能向上は勿論、業務用機器、電解水透析用機器、農業用機器始め、新たな事業開拓を目指した製品、技術開発にも取り組んでおります。また、再生医療分野でも独自の技術によるユニークな製品開発に取り組んでまいります。
このように、当社グループでは、電解水素水の機能の解明、普及促進への後押しとなるエビデンスの取得、並びに農業分野、電解水透析分野、再生医療分野等での新たな事業軸の構築に向け、研究開発及びより高機能な製品開発に注力し、更なる企業価値向上に取り組んでおります。
以上の結果、ウォーターヘルスケア事業における研究開発費は