当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針、経営戦略等
当社グループは、その目的と使命である「より多く社会に貢献する」を実現するため、2020年に新たな企業理念として「究極の理念」を定め、社員・グループの成長、全員経営・連携と競争、SDGs経営の推進、納税額の拡大に取り組んでおります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題につきましては、以下のとおりです。
① グループの企業価値の向上
当社グループは、ホールディングスと各事業会社間の連携と健全な競争により、一層の企業価値の向上に努めてまいります。
② 事業会社の収益力向上
ホールディングスは各事業会社を詳細に分析し、収益力向上のための支援、指導、管理を実施いたしております。また、成長可能性の高い分野への経営資源の重点配分、不採算事業の再構築を積極的に実施し、各事業会社の収益力向上を図ります。
③ グループ会社の持続的発展に向けた施策
当社グループは、顧客ニーズに対応した、なかでもSDGsに資する新製品の開発、さらには量産化を目指します。また、当社グループにシナジー効果をもたらすことや、新たな成長分野への進出などを目的としたM&Aを今後も積極的に実施してまいります。
④ 海外戦略
収益機会の拡大のため、今後も海外進出を継続してまいります。事業の展開につきましては、リスクと事業の成長性を勘案しながら推進してまいります。
⑤ 研究開発の拡充
5G/EV等の半導体・電子部品分野、及び医療分野など、今後成長が見込まれる分野に向け研究開発を進めてまいります。
メカトロニクス関連事業におきましては、データセンタ、パワー半導体、電子部品、EV部品関連等、日々進化する技術に対応した装置の開発に取り組んでおります。
ディスプレイ関連事業におきましては、有機ELパネルの高機能化、高精細化、フレキシブル化に対応した装置の開発に取り組んでおります。
産業機器関連事業におきましては、ホームクリーニング業界向けに培ってきた技術を応用した医療リネン事業やeコマース業界の紙包装需要の増大等に向けた開発に取り組んでおります。
電子機器関連事業におきましては、世界的に需要が拡大している人工透析装置の次世代型の開発、また電力流通量の拡大に対応した電力会社向け制御通信機器の開発に取り組んでおります。
⑥ 財務体質の強化
財務体質強化のため、より収益性の高い安定した事業運営を図り、安定的なキャッシュ・フローを確保しつつ、売掛債権の回収・在庫圧縮等による自己資本比率の向上に努めてまいります。
当社グループは「より多く社会に貢献する」という企業理念のもと、将来にわたって働く場を取り巻くさまざまな社会課題を解決するため、サステナビリティに関するマテリアリティ(重要課題)として「事業活動を通じた環境負荷低減」を定め、体制の構築や具体的な取り組みを推進しております。
なお、文中の詳細に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社および当社グループの持続的な成長・発展が、社会の持続的な発展に貢献することを目指しております。経営理念「より多く社会に貢献する」に基づき、事業活動を通じた環境負荷の低減、働きがいのある職場環境づくりと社会課題解決への積極的な取り組みを進めてまいります。
(2)ガバナンス
当社グループは、環境、気候変動、人的資本、ダイバーシティ等のテーマについて、当社代表取締役社長を委員とするSDGs経営推進委員会がマテリアリティの抽出、目標の設定、計画の推進等を行っております。詳細は以下のとおりです。
①SDGs経営推進委員会
当社は、当社取締役会の直下に気候変動と人的資本・多様性関連のリスク及び機会を監視し、管理することをその目的の一つとするSDGs経営推進委員会を設置し、検討した内容等を取締役会に報告・提言しております。
当委員会は当社代表取締役社長を委員長とし、グループ各社から選任された1名以上の委員によって構成され、事務局は当社経営戦略本部に設置しております。当委員会の詳細につきましては、
②環境マネジメントシステムの構築と運用
当社グループは全ての事業領域における環境負荷を低減することを目的として、環境活動の指針となる「ワイエイシイグループ環境理念」および「ワイエイシイグループ環境方針」を定め、環境経営を推進しております。詳細につきましては、
また、当社ならびに一部のグループ会社は、ISO14001の規格に基づく環境マネジメントシステムを構築し認証を取得しております。当社はワイエイシイメカトロニクス株式会社、ワイエイシイマシナリー株式会社、ワイエイシイビーム株式会社の4社でマルチサイト認証を取得しております。ワイエイシイガーター株式会社、大倉電気株式会社、ワイエイシイエレックス株式会社につきましては、それぞれ単独で環境マネジメントシステムを構築し認証を取得しております。
当社の環境マネジメントシステムは取締役管理副本部長を委員長、当社の各事業部、ワイエイシイメカトロニクス株式会社、ワイエイシイマシナリー株式会社、ワイエイシイビーム株式会社の各社から選任された1名以上の委員によって構成される環境委員会を中心に運用しており、事務局は当社管理統括本部に設置しております。
当社代表取締役に対し、ISO14001の規格ならびに環境マニュアルの定めに基づくマネジメントレビューを通じ、環境マネジメントシステムの運用状況について報告するとともに、当社代表取締役のアウトプットに基づき環境マネジメントシステムの変更・改善を行うことで環境経営を推進しております。
(3)気候変動対応戦略
当社グループは、気候変動を重要な経営課題として認識しております。
①気候変動の緩和に向けた当社グループの取り組み
当社グループでは気候変動の緩和に向け、エネルギー使用量削減による二酸化炭素排出量削減に取り組んでおります。2022年度に実施した取り組みは以下のとおりです。
a.照明のLED化
b.エネルギー効率の高い空調機器・生産設備への更新
c.よりエネルギー使用量の少ない社用車への切り替え
②気候変動に対応する事業戦略
気候変動に対応する事業戦略につきましては、今後検討を進めてまいります。
(4)人材の育成及び社内環境整備に関する方針
①人材育成
(人材育成方針)
当社グループは企業の持続的発展に欠かせないものは「人」であり、当社グループは一人ひとりのスキルに応じたOFF-JT、OJT、自己啓発に対する支援を複合的に組み合わせ、従業員の成長の支援に不断に取り組んでまいります。
②社内環境整備
(社内環境整備方針)
当社グループは持続可能な新しい働き方の実践や、多様な人材が成長・活躍できる制度と環境の整備を強化・推進いたします。
また、従業員満足(ES)や自発的貢献意欲の向上を図り、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進します。
(5)リスク管理
①管理体制
気候変動等におけるリスクと機会について、SDGs経営推進委員会メンバーと事務局、ISO14001上の環境管理責任者でもある取締役管理統括副本部長、環境事務局が協働してリスクと機会の洗い出し、スコアリング等に基づくリスク評価を行い、その結果を取締役会に報告しております。
②リスクと機会の分析
当社では気候変動について1.5℃シナリオ、4℃シナリオに基づいてリスクと機会の分析を行いました。その結果、当社グループでは気候変動は法的リスクをはじめとして、短期・中期・長期で当社グループの事業・経営に大きな影響を及ぼす可能性があることを認識しております。
具体的な影響としては、以下のリスクと機会を想定しております。
・炭素税の導入によるエネルギー使用に伴うコストの増加
・再生可能エネルギー発電促進賦課金額の上昇
・4℃シナリオにおける石油等化石燃料価格の上昇
・環境負荷、特に二酸化炭素排出量の大きい製品・商材に対する需要減
当社グループにおけるカーボンプライシングによるコスト増は、二酸化炭素排出量が2021年度実績と同じレベルで推移した場合、IEA・SDSシナリオ(先進国)に基づいて試算した結果、2030年度でおよそ41百万円、2040年度にはおよそ65百万円になると想定されることから、財務に与える影響は大きいと認識しております。
(6)サステナビリティに関する指標及び目標
①気候変動に関する指標
リスクと機会について分析を行った結果、当社グループでは、気候変動の評価指標として二酸化炭素排出量を選定いたしました。
②当社グループ(日本国内)における二酸化炭素排出量実績(単位:t-CO2)
|
年度 |
合計 |
Scope1 |
Scope2 |
備考 |
|
2022年度 |
3,486.4 |
413.2 |
3,073.1 |
|
|
2021年度 |
3,871.6 |
359.8 |
3,511.7 |
|
注1.集計システムの変更、二酸化炭素排出量集計対象範囲の拡大等により、当有価証券報告書の開示以前に何らかの形で公表したデータとの間に差異が生じている可能性があります。
注2.集計の対象
|
区分 |
排出源 |
|
|
Scope1 |
LPG |
ワイエイシイホールディングス(株):第二工場・富士工場・熊本工場・大分工場、(株)ワイエイシイダステック:本社・リセールセンター・アプリケーションセンター |
|
ガソリン |
ワイエイシイホールディングス(株)、ワイエイシイメカトロニクス(株)、ワイエイシイテクノロジーズ(株)、ワイエイシイマシナリー(株)、ワイエイシイビーム(株)、ワイエイシイガーター(株)、(株)ワイエイシイダステック、(株)ワイエイシイデンコーが所有する社有車で使用したガソリン |
|
|
軽油 |
(株)大倉電気が保有する社用車、ワイエイシイメカトロニクス(株)が保有するフォークリフト |
|
|
Scope2 |
電気 |
ワイエイシイホールディングス(株):本社工場・テクニカルセンター・第二工場・日立工場・山梨工場・富士工場・熊本工場・大分工場、ワイエイシイメカトロニクス(株):つくば事業所、ワイエイシイガーター(株):本社・青森事業所・宮城事業所・福岡事業所・岡山事業所、(株)ワイエイシイダステック:本社・リセールセンター・アプリケーションセンター、ワイエイシイマシナリー(株):新潟工場(旧ワイエイシイ新潟精機(株)新潟工場)、(株)ワイエイシイデンコー:本社・新町工場、大倉電気(株):本社工場・第二工場、ワイエイシイエレックス(株):本社 |
③気候変動に関する目標
当社グループでは、気候変動に関する目標として二酸化炭素排出量削減を設定しております。
2025年度目標:2016年度比20%削減(Scope1・2合計)
2030年度目標:2016年度比46%削減(Scope1・2合計)
<目標設定に関する補足説明>
・以下のいずれかに該当する会社・事業所等は、基準となる2016年度における二酸化炭素排出量ならびに排出量を算出するためのLPG、ガソリン、電気使用量等のデータがないことから、当有価証券報告書提出日時点において、二酸化炭素排出量の削減目標は設定しておりません。
しかし、2021年度よりエネルギー使用量の集計ならびに二酸化炭素排出量の算定・集計を開始しており、今後適切な目標を設定できると判断した時点で目標を設定いたします。
a)2016年度のエネルギー使用量のデータが残っていない会社・事業所
b)2017年度以降に竣工した事業所
④二酸化炭素排出量削減状況(単位:t-CO2)
|
|
合計 |
Scope1 |
Scope2 |
備考 |
|
(a)2022年度排出量 |
1,538.7 |
289.8 |
1,248.9 |
|
|
(b)2021年度排出量 |
1,581.2 |
276.3 |
1,304.8 |
|
|
(c)2016年度(基準) |
1,792.5 |
288.3 |
1,504.1 |
|
|
差異(a-c) |
▲253.7 |
1.4 |
▲255.1 |
|
|
差異(b-c) |
▲211.2 |
▲11.9 |
▲199.2 |
|
|
増減率(a-c)(%) |
▲14.2 |
0.5 |
▲17.0 |
|
|
増減率(b-c)(%) |
▲11.8 |
▲4.2 |
▲13.3 |
|
注1.2016年度と2021年度および2022年度の二酸化炭素排出量削減状況の比較を容易にするため、以下のいずれかに該当する会社・事業所の実績を除外して集計したことにより、「(6)②当社グループ(日本国内)における二酸化炭素排出量実績(単位:t-CO2)」に記載した2021年度および2022年度の二酸化炭素排出量との間に差異が生じております。
・2016年度のエネルギー使用量データが残っていなかった会社・事業所
・2017年度以降に竣工した事業所等
・2021年度時点で閉鎖された事業所等
注2.二酸化炭素排出量の集計範囲は以下のとおりです。
・Scope1:LPG、ガソリン、軽油
・Scope2:電気(熱・蒸気の購入実績はありません)
(7)人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標および目標
当社グループでは、上記「(4)人材の育成及び社内環境整備に関する方針」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
|
指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度末) |
|
管理職に占める女性の割合 |
2030年3月までに19.0% |
3.0% |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努めております。
(1)技術革新・新製品開発に係るリスク
当社グループを取巻く環境は技術の進歩が急速であり、常時最先端の製造装置の開発に努めておりますが、開発の遅れやニーズの変化に対応できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)金利の変動に係るリスク
当社グループは、事業資金の一部を金融機関から借入金として調達しております。当社グループとして計画的に有利子負債の返済に努め、自己資本の充実に努めておりますが、将来の金利変動を含む事業環境が変化した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)海外依存に係るリスク
当社グループは、海外顧客への売上高が全体の約3分の1を占めております。そのため、特にアジア地域における政治、経済、社会情勢の変化や各種規制の変化、為替レートの変動、その他突発的な外部要因が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料・部品の価格変動に係るリスク
当社グループは、資材調達において徹底して調達価格の低減に努めておりますが、半導体等の広範囲なサプライチェーンの混乱による原材料の需給の逼迫が生じ、それに伴って原材料・部品の価格が急騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)取引先の業績悪化に係るリスク
当社グループは、取引先の適切な信用調査を実施しておりますが、取引先の急激な業況の悪化により債権回収が困難な事態が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)売掛金の回収に係るリスク
当社グループは、ディスプレイ関連事業において主に中国の液晶パネルメーカーに各種装置の製造・販売を行っております。
輸出取引で、かつ顧客との契約の中で当社グループが据付けの義務を負う取引については、「装置の引渡し」と「当該装置の据付け及び現地での調整作業」を別個の独立した履行義務として識別し、装置の引渡しが完了した時点、及び現地での据付作業が完了した時点でそれぞれ収益を認識しております。
当該取引については、装置の引渡し後に契約額の70%から90%を回収し、残額については現地での据付作業が完了後に回収する条件としております。
ディスプレイ事業各社においては、取引ごとに売掛金の回収状況をモニタリングし、回収予定期日を超過した売掛金については、月に1度の会議で営業担当者より回収遅延理由と今後の回収予定の報告を求めており、かつ、一定期間以上経過した売掛金については、回収計画を策定し、実行に移しております。
回収計画の実行に際しては、営業担当者が現地顧客へ赴き、直接交渉に当たる等の対応を行っておりますが、取引先の商習慣及び装置の検収遅れ等により残金回収が遅延した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)受注損失引当金に係るリスク
当社グループは、多くの顧客に各種装置の製造・販売を行っております。装置は、原価総額を見積り、適切な承認を得た上で、顧客からの内示や注文書に基づき製造に着手し、定期的に製品完成まで見積原価総額の見直しを実施しておりますが、顧客の設備投資計画変更等の影響により受注キャンセルとなり、別の顧客からの新たな注文等に基づく仕様変更の発生、あるいは新規開発案件及び特殊な仕様に基づく装置の製造工程においての不具合の発生により、追加原価が発生して受注損失引当金の積み増しが生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)特定人物(会長兼社長)へ依存するリスク
当社グループは、代表取締役会長兼社長百瀬武文が1973年の当社設立時からの事業推進者として、当社グループの経営方針や事業戦略の決定等において重要な役割を担っております。
当社グループでは、執行役員制度の採用等により、同氏に過度に依存しない体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難となった場合、当社グループの業績および今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
(9)訴訟に係るリスク
当社グループは、その経営判断、業務執行において会社の利益に反して他者の利益を侵害し、あるいは他者に損失を与えないよう、コンプライアンス体制の強化を図っておりますが、他者から訴訟を提起され結果的に敗訴した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 自然災害に係るリスク
当社グループは、生産の多くを外部に委託していることから、地震等の自然災害によって直接被害を受けることは相対的に少ないと考えますが、自然災害の発生による得意先の設備投資計画の変更、生産委託先又は仕入先の部材・部品供給の遅延や停止等が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 新規事業開発に係るリスク
将来的な事業拡大に向けて、新規事業開発に積極的に取り組んでおりますが、新規事業の展開には不確定要素が多く、想定を超える市場環境変化等、様々な要素によって新規事業の確立が困難となり、投資の回収が遅れる、または回収できない可能性があります。
(12) サステナビリティに係るリスク
当社グループは、サステナビリティへの取組みに対する重要性を認識し、SDGs経営推進委員会と環境委員会を中心に取組みを進めておりますが、以下のリスクがあることを認識しております。
①気候変動
今後各国・地域における脱炭素社会の実現に向けた政策の強化、二酸化炭素排出に関連する法令等の改訂・新規制定が想定外のスピードで行われた場合、かかる取組みへの支出の増加する可能性があります。
また、気候変動に対する当社グループの取組みが著しく不十分である、あるいは開示が不十分であると評価された場合、機関投資家の当社に対する出資の縮小もしくは引き揚げ、顧客からの取引縮小にさらされる等のリスクがあります。
②気候変動以外
気候変動以外のサステナビリティ以外の課題に対する取組みについても、当社グループの取組みが著しく不十分である、あるいは開示が不十分であると評価された場合、機関投資家の当社への出資の縮小もしくは引き揚げ、顧客からの取引縮小にさらされる等のリスクがあります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は以下のとおりです。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、世界的なインフレの進行、そして金融引き締め等により、中国および欧米を中心に世界経済の減速が強まりました。一方、半導体を中心とした部品調達難は一部を除き改善の方向にあり、長期化した物流リードタイムも正常化に向かいつつありますが、サプライチェーンの混乱、インフレの高止まり、金融市場の混乱、そして設備投資の停滞等が懸念され、今後とも先行き不透明な状況にあります。
このような経済状況のもと、当社グループは、SDGs関連等の刻々と変わる顧客ニーズを捉えた装置の開発と販売に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の業績は、売上高241億14百万円(前連結会計年度比5.8%増)、営業利益14億95百万円(前連結会計年度比4.5%減)、経常利益15億41百万円(前連結会計年度比3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9億21百万円(前連結会計16.8%減)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(メカトロニクス関連事業)
クリーンコンベア及び各種自動搬送システム装置への堅調な需要とイオンビームミリング装置が好調に推移し、増収増益となりました。
これらの結果、売上高は110億45百万円(前連結会計年度比1.6%増)となり、セグメント利益は11億26百万円(同17.7%増)となりました。
(ディスプレイ関連事業)
遠赤外線熱処理装置が堅調に推移しましたが、ドライエッチング装置は設備投資の延期や競争激化による不採算案件が生じ、増収減益となりました。
これらの結果、ディスプレイ関連事業の売上高は43億4百万円(同18.3%増)となり、セグメント損失は4億65百万円(同セグメント利益10百万円)となりました。
(産業機器関連事業)
クリーニング事業から医療リネン事業及びeコマース業界向け紙包装事業等へのビジネスモデル転換を図っておりますが、まだ十分とは言えない状況にあり、減収減益となりました。
これらの結果、産業機器関連事業の売上高は10億20百万円(同0.1%減)となり、セグメント損失は39百万円(同セグメント損失1億71百万円)となりました。
(電子機器関連事業)
電力会社向け制御通信機器は順調に推移し、増収増益となりました。
これらの結果、電子機器関連事業の売上高は77億43百万円(同6.5%増)となり、セグメント利益は7億63百万円(同21.3%増)となりました。
(2) 当期の財政状態の概況
①資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度における流動資産は301億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億43百万円増加しました。主な増加要因は仕掛品19億14百万円、受取手形及び売掛金7億10百万円、原材料及び貯蔵品4億11百万円であり、主な減少要因は現金及び預金20億67百万円であります。固定資産は86億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億円増加しました。主な増加要因は土地3億64百万円、建設仮勘定2億65百万円であり、主な減少要因は減価償却累計額(建物及び構築物)1億44百万円、建物及び構築物(純額)1億5百万円であります。その結果、総資産は387億40百万円となり、前連結会計年度末に比べて17億43百万円の増加となりました。
流動負債は136億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億43百万円減少しました。主な増加要因は未払法人税等1億92百万円であり、主な減少要因は短期借入金4億84百万円であります。固定負債は90億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億34百万円増加しました。主な増加要因は長期借入金12億89百万円、リース債務(固定負債)67百万円であり、主な減少要因は事業整理損失引当金1億49百万円であります。その結果、負債は227億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億90百万円の増加となりました。
純資産は159億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億52百万円増加しました。主な増加要因は利益剰余金4億72百万円、為替換算調整勘定1億39百万円であります。その結果、自己資本比率は41.1%となり、1株当たり純資産は1,737円30銭となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ20億67百万円減少し、65億52百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、16億36百万円の減少(前連結会計年度は10億93百万円の増加)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益15億35百万円、減価償却費5億12百万円であり、主な減少要因は棚卸資産の増加25億79百万円、売上債権の増加7億10百万円、未収消費税等の増加2億65百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、7億42百万円の減少(前連結会計年度は1億95百万円の減少)となりました。主な減少要因は有形固定資産の取得による支出7億54百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、2億72百万円の増加(前連結会計年度は23億2百万円の減少)となりました。主な増加要因は長期借入れによる収入44億50百万円であり、主な減少要因は長期借入金の返済による支出28億49百万円、短期借入金の純減額7億95百万円、配当金の支払額4億48百万円であります。
(3) 生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
メカトロニクス関連事業(百万円) |
8,991 |
108.5 |
|
ディスプレイ関連事業(百万円) |
4,936 |
140.9 |
|
産業機器関連事業(百万円) |
636 |
122.5 |
|
電子機器関連事業(百万円) |
4,879 |
94.5 |
|
合計(百万円) |
19,444 |
111.3 |
(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替後の数値であります。
②受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
|
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
メカトロニクス関連事業 |
14,033 |
115.5 |
7,512 |
166.0 |
|
ディスプレイ関連事業 |
6,181 |
94.4 |
8,542 |
128.2 |
|
産業機器関連事業 |
1,041 |
105.7 |
144 |
117.1 |
|
電子機器関連事業 |
9,167 |
102.5 |
9,286 |
118.1 |
|
合計 |
30,425 |
106.3 |
25,485 |
132.9 |
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
メカトロニクス関連事業(百万円) |
11,045 |
101.6 |
|
ディスプレイ関連事業(百万円) |
4,304 |
118.3 |
|
産業機器関連事業(百万円) |
1,020 |
99.9 |
|
電子機器関連事業(百万円) |
7,743 |
106.5 |
|
合計(百万円) |
24,114 |
105.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
ニプロ株式会社 |
3,095 |
13.6 |
3,127 |
13.0 |
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発債務の開示に関連して、種々の見積りを行っております。経営者は、これらの見積りが過去の実績や状況に応じて合理的であると考えられる様々な要因に基づき判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性がありますが、重要な顧客に対する債権について、早期回収のための取組みを行っております。
b.受注損失引当金
当社グループは、受注契約に係る将来損失に備えるため、損失見積額を受注損失引当金として計上し、対応する仕掛品と相殺して表示しております。詳細は「第5経理の状況 注記事項」に記載しております。
c.投資有価証券
その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外のものについては、期末の市場価格等に基づく時価法、市場価格のない株式等については移動平均法による原価法で評価しております。その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外のものについては、時価の変動により投資有価証券の価額が変動し、その結果純資産が増減します。また、その他有価証券について、時価又は実質価額が著しく下落した場合には、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損しております。将来、時価又は実質価額が著しく下落し、回復見込みが認められない場合には、減損する可能性があります。
d.繰延税金資産
会計上と税務上の資産負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果につきましては、期末におけるスケジューリング可能な将来減算一時差異において、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。
なお、評価性引当額は将来税務上減算される一時差異及び繰越欠損金などについて計上した繰延税金資産のうち、実現が不確実であると考えられる部分について設定しております。
e.退職給付費用
当社は、確定給付型の退職一時金制度と企業年金基金制度を採用しております。
国内連結子会社は、主に確定給付型の退職一時金制度及び確定拠出型の企業年金制度を採用しております。退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算において想定される前提条件に基づいて算出されております。具体的には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づく死亡率などがその前提条件となります。これらの前提条件のうち、特に割引率については、それらが変動することにより退職給付費用及び退職給付債務の額に大きな影響を与えることがあります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績において、売上高は前連結会計年度比5.8%増の241億14百万円となりました。長期化したリードタイムが正常に向かいつつある一方、顧客の設備投資が遅れたことが主因であります。営業利益は前連結会計年度比4.5%減の14億95百万円となりました。物価高の影響により、粗利率が25.2%と(前連結会計年度は26.9%)低下した結果によるものです。なお、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.事業等のリスク」欄もご参照ください。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
メカトロニクス関連事業、ディスプレイ関連事業及び産業機器関連事業は、市場の設備投資の増減に多大な影響を受けます。従って、市場の変化を一早く読み取り、即応できる開発・生産体制の構築が不可欠であります。また、電子機器関連事業におきましては、安心と安全を担保する技術革新の構築が不可欠だと考えております。
④経営戦略の現状と見通し
a.メカトロニクス関連事業
メカトロニクス関連事業におきましては、5Gや自動制御の進化、地球環境問題への関心の高まりに伴う自動車のEVシフトにより、新たなニーズが次々と生まれております。このような状況のもと、刻々と変化する顧客のニーズを捉えた製品の開発及び販売拡充に努めてまいります。
b.ディスプレイ関連事業
ディスプレイ関連事業におきましては、新しいデバイス向けの需要が拡大しており、最先端のデバイスに対応した製品の開発及び販売拡充に努めてまいります。
c.産業機器関連事業
産業機器関連事業におきましては、国内におけるクリーニング市場は飽和状態にありますが、医療リネン事業及びeコマース向け紙包装事業において新たな需要が生まれております。このような状況のもと、国内外の販売代理店との連携を強化し、販売拡充に努めてまいります。
d.電子機器関連事業
電子機器関連事業におきましては、世界的に拡大する人工透析需要と電力自由化の普及に伴う設備投資により、新たなニーズが次々と生まれております。このような状況のもと、顧客のニーズを捉えた製品の開発及び販売拡充に努めてまいります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フロー
「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)当期の財政状態の概況 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」の項に記載の内容をご参照ください。
b.財務政策
当社グループは運転資金・各種投資資金を金融機関からの借入金及び社債に依存しております。当連結会計年度末の有利子負債額は、前連結会計年度末の132億36百万円から140億41百万円へ増加しております。
当社グループは、安定した期間利益の確保に基づく財務体質の改善が経営上最も重要な課題のひとつであると認識しており、今後とも業績の向上に努めてまいります。
なお、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.事業等のリスク」欄もご参照ください。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループ各社間の連携と競争によって企業体質の強化を図り、持続的な成長が可能な企業集団を目指してまいります。
(1)業務提携契約
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相手先 |
契約内容 |
契約日 |
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米国LINUS BIOTECHNOLOGY, INC. |
米国LINUS BIOTECHNOLOGY, INC.のエクスポソームプラットフォームによるヒト毛髪の切片化および 生化学分析のための準備作業を自動化する装置の開発についての業務提携契約 |
2022年12月8日 (米国時間) |
(2)資本提携に関する契約の締結
当社は、2023年5月11日開催の取締役会において、米国LINUS BIOTECHNOLOGY, INC.との間で、資本提携に関する契約を決議し、同日付で資本締結契約を締結いたしました。
詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
(3)株式取得による企業結合
当社は、2023年3月17日開催の取締役会において、JEインターナショナル株式会社および株式会社GDテックの全株式の取得による子会社化について決議し、2023年4月3日に全株式を取得しました。
詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループにおけるセグメント別の研究開発は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、5G関連、自動車業界、医療分野など、今後の成長が見込まれる分野を中心に
(1)メカトロニクス関連事業
半導体、通信機器、電磁的記録媒体、自動車業界向けを中心として、日々進化する技術に対応した装置の開発に積極的に取り組んでまいります。
新ニーズ向けでは、電子機器用のセラミックパッケージ切断装置の開発などを積極的に進めてまいります。
なお、メカトロニクス関連事業における研究開発費は
(2)ディスプレイ関連事業
ディスプレイ分野では、液晶用に加え有機EL用エッチング装置の開発、ベーク及びアニール装置の開発、また、フレキシブルパネルへの対応を進めてまいります。
なお、ディスプレイ関連事業における研究開発費は
(3)産業機器関連事業
クリーニング分野では、省エネルギー化など、地球環境保全に配慮し環境負荷軽減に貢献するワイシャツ仕上機・包装機等製品の開発を進めるとともに、ホームクリーニング業界向けに培ってきた技術を応用し医療リネン業界・包装業界等に向けて展開を図ってまいります。
なお産業機器関連事業における研究開発費は
(4)電子機器関連事業
電子機器関連事業におきましては、世界的に需要が拡大している人工透析装置の次世代型の開発、また、電力流通量の拡大に対応した電力会社向け制御通信機器の開発に取り組んでまいります。
なお、電子機器関連事業における研究開発費は