第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、高機能樹脂部品でクルマの軽量化をリードするとともに、新しい価値の創造へのチャレンジ

  を積極的に行い、お客様の期待と要望の一歩先を行く、提案型企業を目指します。
 また、安全と環境にやさしいものづくりも追求し続け、真に社会に貢献できる企業を目指しております。
 基本方針として、次のとおり企業理念を掲げて企業活動を行っております。
 ・社員の幸福と繁栄を願い、人・社会・地球を大切にする企業を実現します。
 ・感動創造企業を目指し、技術開発と革新的なものづくりにチャレンジします。
 ・企業倫理の徹底を図り、地域から信頼される企業を築きます。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは2019年度から2023年度までの5年間を対象とする「中期経営計画」を掲げ、計画最終年度となる2023年度に連結売上高1,500億円、売上高営業利益率9%以上、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上を経営目標として公表しておりましたが、主要顧客の生産台数において、新型コロナウイルス感染症の影響や半導体供給不足の影響は回復基調にあるものの、中期経営計画立案時の台数に対しては減少となる想定とする一方で、新規部品の受注や部品構成の変化等が主な要因となり、最終年度の売上高は1,630億円となる見込みです。営業利益は、米国工場の2直化のタイミング遅れによる費用負担と、想定した生産台数の減少に加え、原材料及びエネルギー価格の上昇、またCSR経営の強化に伴う費用増加等により、減益となる見込みですが、最適生産の追求と業務効率の改善等により売上高営業利益率5%の確保を目標としております。自己資本当期純利益率(ROE)は、営業利益の減益要因等もあり6%の確保を目標として事業運営を推進してまいります。
 

(3)中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題

 当社グループは従来からの国内の売上高比率および特定取引先の売上依存度の高さ、計画的な人材育成、働き方改革(業務の変革と効率化)の実現に加え、SDGsやカーボンニュートラルなどのサステナビリティに関する活動の推進、地政学リスクやパンデミック等の緊急事態におけるBCP(事業継続計画)への対応等が経営課題であると認識しており、これらの経営課題に対処すべく、施策に取り組んでおります。
 なお、その戦略は以下のとおりであります。

 

① 顧客戦略
 1)顧客ニーズ把握の強化、開発提案活動の推進、戦略商品の拡販により安定受注を獲得する。
 2)事業拠点をフルに活用し、グローバルでの顧客対応を充実する。
 3)顧客の多様化、新規領域への対応検討を推進する。
 

② 商品戦略
 1)保有技術の更なる進化で、インパネ、外装外板部品および機能部品を軸とした、商品の価値向上を

   実現する。
 2)樹脂による新たな価値創造で、市場ニーズの変化に応える新規商品を開発する。

  3)車両レベルの開発をIT革新(IoT、AI)、MBD(モデルベース開発)および共創活動で推進し、

    開発プロセスを革新する。

 

③ ものづくり戦略
 1)品質保証のしくみ運用を強化、推進し、市場や顧客の期待を上回る品質を実現する。
 2)究極の無駄を排除したものづくりに向け、部材入荷から顧客までの全体最適のものづくりを構築する。

  3)MBDプロセスを定着しQCDを追求した製品設計、工程設計を実践する事により、ものづくり革新を推進

   する。

  4)事業拠点で情報共有をタイムリーに行い、グローバルでの最適生産と最適調達を推進する。

 

④ 拠点戦略
 1)拠点ごとの安定収益確保を継続できる基盤を構築し、グループ内連携を強化する。

 2)BCPに基づき早期回復のために各セグメント内の連携を強化する。

 
⑤ 経営基盤戦略
 1)CSR経営の強化、環境対応、地域貢献を推進し、DNCブランドを確立する。

 2)あらゆる経営プロセスで先行管理へシフトする。

  3)グループメンバーひとりひとりの働きがい向上を目指し、ヒトを支える仕組みを強化する。

 4)新たな発想、視点、ツールを活用し働き方改革を実現する。

 

 以上の戦略を通じて、経営課題に対処するとともに、市場ニーズを先取りする独創的、革新的な樹脂製品や技術開発への積極的なチャレンジにより、事業拡大を図ってまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) サステナビリティに関する考え方

当社グループは、次のとおりサステナビリティ基本方針を掲げて、持続可能な社会の実現を目指しております。

 

当社グループは、社員一人ひとりが主役となり、

企業理念のもとサステナブルな社会の実現に向けて取り組みます。

 

 

 ・社員一人ひとりがサステナブルな社会の実現を自分事として捉え、

担当業務と一体化し、課題解決に取り組みます。

 ・ものづくり力を駆使し、創造と変革を起こし、社会課題の解決に貢献します。

 

また、SDGs17のゴールのうち、製造業としての責任を果たしつつ、持続可能な社会の実現に向けて、「社員一人ひとりが主役となれる」12のゴールを選定し、SDGs宣言を策定いたしました。

 


 

サステナビリティに関して、社員の安全・健康は事業活動の基盤であり全てに優先させ、人間尊重を基本とした危険・有害要因ゼロで、安心して活き活きと働き続けられる企業を築きます。


 

6項目の安全衛生方針を掲げ、安全・衛生・健康・交通・防火の取り組みを明確にし、全員参加で活動しています。この安全衛生方針を基本とし、安心・安全向上活動を全ての活動の原点として、徹底と継続に取り組んでいます。

 

(2) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

安全衛生に関しては、各拠点の活動内容を共有できる場として、最高責任者である安全衛生担当の役員を委員長とした全社安全衛生委員会を毎月開催しています。

環境保全活動に関しては、全社環境委員会において、環境方針に基づいた全社活動の運営と情報の共有、環境法令順守および法令改正の情報発信等を行い、全社の環境活動を推進しています。

想定されるリスクに対する未然防止及び万一リスクが顕在化した場合に適切・迅速な行動を取るため「リスク管理委員会」を設置し、リスクに対する基本的事項を取りまとめた「リスク管理規程」を制定しております。

 

(3) 具体的な取組み

① 環境保全活動

(環境理念)

全員参加で、 徹底した環境保全活動を 継続的に行い、

人・社会・地球に やさしい企業になります。 

 

(環境方針)

1.企業活動が環境に与える影響を把握し、環境目標を定め、定期的な見直しを行うとともに、環境マネジメントシステムにより環境パフォーマンス向上のための継続的改善を図り、環境の保護及び汚染の予防に努めます。

2.企業活動、製品及びサービスの環境に与える影響の中で、特に廃棄物の削減とリサイクル化、省資源・省エネルギーの推進、環境負荷物質の管理・低減を優先的に活動し、徹底したロス低減と環境改善に取り組みます。

3.環境に関連した法規制およびその他の要求事項を順守します。 

 

(TCFD)

気候変動に係るリスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響があり、取り組むべき課題と認識しており、社内の横断的な活動であるSDGs活動をはじめ、カーボンニュートラルへの取り組みやリスク管理委員会活動を通じて気候変動関連の活動を実施しております。

情報開示におきましては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の考えに基づき、同等の枠組みで分かり易く情報開示に努めてまいります。

[ガバナンス]

2020年に政府が掲げた「2050年カーボンニュートラル(以下、CN)宣言」の実現に向けて、当社は、省エネ、再エネ、リサイクル等のCNの取り組みを、取締役を責任者とし、CN対応の専門部門である技術本部生産企画部を率いて、施策の立案及び推進をしております。

また、取り組み状況について、年1回取締役会で報告、審議を実施し、企業経営へ反映をしております。

 

[戦略]

当社の戦略は、以下に示すとおりです。


 

[リスク管理]

国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示す「2℃シナリオ」や政策・法規制などの自動車産業を取り巻く環境変化より課題を抽出し、当社におけるリスクと機会に対する対応を整理しました。

移行リスクについては、CN活動の専門部署が全社をリードし、年1回取締役会へ取り組み状況を報告しております。

物理的リスク(急性)については、リスク管理委員会でリスクの評価と特定をし、対応策の進捗状況を半期に1回取締役会に報告しております。

 

[指標及び目標]

当社は、「2030年に2013年度比50%減(売上高比)」という目標を掲げGHG排出量削減に取り組んでおり、2022年度までに25.6%の削減を行っております。


 

 

② 人材の多様性の確保を含む人材育成及び社内環境整備

[戦略]

<人材育成方針>

当社グループでは、企業理念において「社員の幸福と繁栄を願い、人・社会・地球を大切にする企業を実現します。」を掲げており、社員の成長こそが、会社が成長する上での最も重要な要素であると考えております。社員が誇りをもって働けるよう“ものづくりから向かうはひとづくり”という未来図を描き、新たな可能性を創り未来の社会を支える企業となるため、次世代に活躍できる人材の育成に取り組んでおります。

近年、企業を取り巻く事業環境や人々の行動が大きく変容していく中にあっては、持続的な成長を実現するためには未来に向けた成長投資(人的資本投資)がより重要であると認識しております。

永続的な企業として未来の社会を支えるため、社員の幸せに向き合っていくために、ものづくりを超えたひとづくりへと今ある枠を超えた新たなことにチャレンジしようとする社員を様々な施策でサポートし、育成してまいります。

具体的には、社員が自身の目指すべきキャリアを描けるよう、各主要ポスト毎の求める人物像、必要な役割・スキルを体系化し、階層別の教育と職種別の専門教育、さらにはDNCブランド構築・共有活動にも力を入れ、社員の柔軟な思考と力強い推進力を育成することで『DNC-Way』(行動指針)を体現できる次世代人材(リーダー)を輩出します。

また、タレントマネジメントシステムを導入し、社員の経歴やスキル、資質、キャリアプランなどの情報を採用や育成、配置において、戦略的に活用することで、個々人のパフォーマンスの最大化を図っていくとともに、若手海外チャレンジ研修や社内公募制度など、意識・行動変革へ果敢に挑戦する社員に対し自己成長と自己実現の場を提供することで、社員の自律的なキャリア形成を支援します。

 

<社内環境整備方針>

当社グループは、「一人ひとりが力を発揮することで、会社は成長する」という考え方のもと、経営基盤戦略のひとつに「一人ひとりの働きがい向上を目指し、人を支える仕組みを強化する」という方針を掲げ、多様な人材が、長期に渡って活躍し続けられるようにするための職場環境整備や組織風土づくりに取り組んでおります。

 

『D&I(Diversity&Inclusion)の推進』

誰もが尊重され、活躍できる職場をつくるため、目指す姿を”あらゆる個性を持った社員がその人格を尊重され自然に活躍できる職場が、特段の施策などなく日常となっている姿”とし、それを実現するための行動の着眼点として、次の3つを掲げ、全社をあげた取組みに注力しています。

・ 質の高いコミュニケーションの追求

無意識による相互理解の機会損失を、質の高いコミュニケーションで防ぐことができる職場をつくる。

・ ライフとワークが相乗効果を生み出す職場環境づくり

私たちがお客さまに提供する価値の性質上、時間的・場所的制約はあるものの、生活の充実が仕事のやる気に繋がり、仕事の充実が生活の満足につながるような、「今の自分に合わせた働き方」を後押しできる職場をつくる。

・ 継続的に学び、成長を志向する風土の醸成

より効率的に成果を出すために継続的に学び、教え、メンバーが共に育つ職場をつくる。

ダイバーシティ&インクルージョンを推進していくことは、人材確保の観点や、CSR活動の一環に留まらず、社員一人ひとりの異なる強みや特性を活かし、その能力を最大限発揮すると共に、多様な考えを取り入れることにより、新たな知の結合(イノベーション)が生み出され、それが新しい価値創造に繋がるという認識の下、重点的に取り組みを行っております。

 

『多様な働き方の推進』

「ライフとワークの両立」を実現するため、総労働時間の短縮や年次有給休暇の取得促進はもちろんのこと、社員の多様な働き方を支援する施策を推進することで、社員が活き活きと働き続けられる職場環境づくりに取り組んでおります。ライフが充実することでワークがはかどり、ワークがうまくいくことでライフもより潤うという好循環を目指します。

・ フレックスタイム制の拡充

コアタイムを勤務地毎にパターン化するなど制度の見直しを行い、製造本部を含む全間接部門で導入が出来るよう取り組みを進めております。

・ 休暇制度の充実

「ファミリーサポート休暇」や「ヘルスサポート休暇」といった新たな休暇制度を導入する等、休暇制度を充実させることで、社員の多様な働き方を支援します。

・ テレワークの推進

ライフワークバランスの促進に加えて、BCP対策の実現、さらには移動ロス低減によるCO2削減に貢献するため、テレワークの推進に取り組んでおります。また、組織と個人の生産性を維持・向上させるため、コミュニケーションツールや文書管理システム、社内決裁システムなどのITインフラ整備を進めると共に、全社基幹システムの再構築も進めております。

・ ジョブリターン制度

ライフイベント等で貴重な経験を積んだ元社員に改めて活躍の機会を提供し、その経験から得られた知見や従来にない発想や考え方を取り入れることで、会社のさらなる発展・成長に繋げることを目的としております。

 

[指標及び目標]

当社グループでは、上記において記載した、人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。

ただし、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

指 標

目 標

実 績(当連結会計年度)

女性管理職の人数

2026年3月までに7名

5名

正規雇用労働者の男女の賃金の差異

2030年3月までに75%以上

69.0%

中途採用者の管理職比率

2030年3月までに35%以上

28.0%

 

(注)正規雇用労働者の男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、記載内容及び将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在していること、並びに投資に関連するリスク全てを網羅するものではないことにご留意下さい。

 

(1) 自動車業界の動向及び特有の商慣行

当社グループの製品の需要は、主要得意先であるマツダ株式会社をはじめとする自動車関連メーカーの販売状況の影響を受けます。

自動車関連メーカーの販売状況は製品販売先の国または地域の経済状況の影響を受ける可能性があるため、主要市場(日本、北米、欧州、アジア)における景気動向、金利動向、為替動向等が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、自動車業界では、部品量産を開始した以降は継続した原価低減活動の実施により、顧客から製品価格の引き下げの要請を受ける商慣行があります。当社グループは計画的な合理化・原価低減活動を実施し、製品価格の引き下げがなされても、収益性が低下しないようコスト管理に取り組んでおりますが、顧客からの要請の内容によっては、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 特定の取引先への依存

当社グループの主要な得意先はマツダ株式会社(以下、「同社」という。)であり、当連結会計年度の売上高に占める割合は52.4%(前連結会計年度53.8%)となっており、同社の売上高に占める割合が高いため、同社の自動車生産及び販売動向が、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 海外事業展開に伴うリスク

当社グループは、グループの持続的な成長基盤を築くため、東アジア(中国、韓国)、アセアン地域(タイ、インドネシア)、中米・北米(メキシコ、米国)においても事業展開を行っております。

グローバル展開を行う上では、当該進出国での以下に掲げるリスクに直面する可能性があります。

a 予期しない法律または規制の変更

b 人材の採用と確保の難しさ

c ストライキ等の労働争議

d テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

これらリスクを最小限に抑えるため、現地に精通した弁護士、監査法人等からも迅速に情報を入手し、いち早く対策が打てるよう努めておりますが、リスクの顕在化により、材料調達や生産が困難になることや販売の中止等の困難が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 価格競争

自動車業界の価格競争の激化を受け、部品メーカーにおいても他社との競合による価格競争が激化しております。当社グループは、環境への配慮、軽量化、低価格等の市場のニーズに応えながら、技術開発等で付加価値を高め価格維持に努めておりますが、競合先の低販売価格に対して、販売の維持・拡大、収益性の確保ができなくなる可能性があります。この場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 原材料等の供給不足、原材料費・エネルギー費・物流費等の高騰

当社グループは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達し製品を生産しております。安定した調達を行うため、原材料や部品等の市場動向を注視するとともに、取引先の経営状況確認や品質管理を徹底しながら発注を行っておりますが、原材料やエネルギーの供給不安、原油価格の高騰や需要状況の逼迫による、原材料費・エネルギー費・物流費等の高騰、供給元での不慮の事故等による供給の中断等により、安定したコスト・納期で原材料及び部品等を調達できない場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新製品開発力・技術力

当社グループは、市場・顧客からの軽量化・低価格等のニーズに応えるため、金属やガラスから樹脂への代替製品の開発を積極的に行い、軽量化、低コスト化等に向けて製品開発を実施・提案しております。

例えば、樹脂製テールゲートにおいては、当社の材料開発技術と生産技術を活かした軽量化製品を開発するなど、常に顧客の求める製品を提供するため、世界に誇れる技術開発力を活かし、コスト競争力向上、商品性向上、軽量化・新規アイテム提案等に向け、さらなる製品開発力・技術力の強化に注力しております。

しかしながら、市場・顧客ニーズの変化に対応できず、魅力ある新製品を開発できない場合やタイムリーに提供できない場合、将来の成長と収益性を悪化させ、また投下資金の負担により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 知的財産権

当社グループは、他社製品との差別化のため、製品・製造技術等に関連する特許等の知的財産権を取得しております。また、第三者の知的財産権侵害防止のため、随時特許調査を行っております。

知的財産権による完全な保護が困難であるか、限定的にしか保護されない国または地域で自社特許の製品を生産された場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

一方、当社グループの製品または製造技術が、将来的に第三者の知的財産権を侵害していると判断される場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 製品の欠陥

製品品質については、国際的な品質管理基準であるISO9001をはじめ、当社グループでの開発から生産までの品質保証体系に基づいて日常管理を行っています。しかしながら、当社グループの製品すべてについて欠陥がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。欠陥の内容によっては多額の追加コストが発生する可能性があります。

また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険によりカバーできないリスクもあります。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコスト負担につながり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 為替レートの変動

為替レートの変動については、以下の内容等により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

a 当社グループの取引の内、外貨建て取引分。

b 海外事業の売上高。

c 当社保有の債権の中にある、回収の期間が長期予定の外貨建債権。

(10) 情報管理

当社グループでは、情報セキュリティのリスクに対して、セキュリティ対策を講じ、社員に対する啓発活動・教育等のセキュリティ強化に努めておりますが、サイバー攻撃やコンピュータウイルスによる、外部への機密情報漏洩や情報の喪失、情報システム等に障害が生じる可能性があります。このような状況が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
 また、自然災害等偶然な事由によりネットワーク機能が停止した場合に備え、サーバー機の設置を分散することによりネットワーク機能の停止による復旧対策にも努めておりますが、被害の規模により製品の受注・発注が滞り生産不能に陥る可能性があります。このような状況が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 人材の確保・育成

当社グループは、グローバルな事業展開のため、社内外での積極的な語学研修への参加、経験豊かな中途採用などにより有能な人材の確保・育成に努めておりますが、転職・不慮の事故・休職により、人材の流失、ノウハウの逸失が発生する可能性があります。このような状況が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 退職給付債務

当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上設定した退職給付債務の割引率及び年金資産の期待運用収益率といった前提条件に基づいて算出しております。

しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合には、将来に亘って当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(13) 法的規制

当社グループは、日本をはじめ事業を展開する各国において地球環境保護や製品の安全性に関連する規制等、様々な法規制の適用を受けており、当社グループはコンプライアンスを重要な経営課題と認識し、役員、従業員に対してコンプライアンス教育を実施するなど、管理体制の強化に努めております。

しかし、急な法改正・強化がされる場合、新たな規制遵守のために発生する追加費用によって、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(14) 気候変動、自然災害、パンデミック、事故

当社グループでは、生産設備の定期的な保守、耐震工事等の災害対策整備等を行っております。

しかし、予期しない自然災害、感染症の流行、不慮の事故等に起因する生産設備の火災・故障、停電等により、生産や納品等に関し、遅延や停止が生じる可能性があります。特に、当社グループの国内工場や仕入先などの取引先の多くは、中国地方に所在しており、この地域で大規模な災害が発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(15) 新型コロナウイルス感染症による影響

新型コロナウイルス感染症の影響により、当社の主要販売先をはじめとする日系自動車メーカー各社における販売台数の減少に伴う生産の減少による売上の減少や感染症拡大防止の対応によって、収益悪化の可能性があります。また、感染症による影響が長期に亘る場合、更なるコスト増加による収益悪化が発生する可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1)経営成績の状況

①  売上高

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績は、世界的な半導体不足の影響等はありましたが、顧客生産台数が回復傾向になったことと、原材料・エネルギー費高騰分の価格への転嫁等により、売上高は前連結会計年度と比べ29,075百万円(24.9%)増加の145,744百万円となりました。

②  売上原価、営業損益

当連結会計年度の営業利益は、顧客の2直化のタイミング遅れによる米国新工場の費用負担と、全拠点における原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありますが、増収影響と投資の抑制や見直し等あらゆる経費の削減とコスト改善活動実施により3,453百万円(前連結会計年度は2,632百万円の営業損失)となりました。

③  営業外損益、経常損益

当連結会計年度の経常利益は、2,864百万円(前連結会計年度は985百万円の経常損失)となりました。

④  特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、518百万円(前連結会計年度は2,085百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

(2)財政状態の状況

①  資産

当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ6,736百万円(4.3%)増加し、162,899百万円となりました。主な要因は、売掛金及び投資その他の資産のその他並びに原材料及び貯蔵品が増加したことによるものであります。

②  負債

負債は、前連結会計年度に比べ5,233百万円(6.6%)増加し、84,477百万円となりました。主な要因は、長期借入金が減少した一方で、支払手形及び買掛金並びに流動負債のその他並びに未払金が増加したことによるものであります。

③  純資産

純資産は、前連結会計年度に比べ1,503百万円(2.0%)増加し、78,422百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が増加した一方で、利益剰余金が減少したことによるものであります。

この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ18円50銭増加の1,063円76銭に、自己資本比率は、前連結会計年度の47.5%から1.1ポイント低下の46.4%となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して1,923百万円(9.2%)減少し、18,944百万円となりました。

①  営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、14,048百万円の収入(前連結会計年度は3,705百万円の収入)となりました。主な要因は、減価償却費11,895百万円の計上によるものであります。

②  投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、8,991百万円の支出(前連結会計年度は20,107百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出7,432百万円であります。

③  財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、7,618百万円の支出(前連結会計年度は3,579百万円の収入)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出5,254百万円であります。

 

(4)生産、受注及び販売の実績

当社は取引先の生産順序どおりに生産納入する方式を採用しており、確定受注は主に納期直前であることから、生産実績及び受注実績は、販売実績と重要な相違はないため記載は省略しております。

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日   本

102,957

18.1

中国・韓国

4,464

△22.9

ア セ ア ン

12,287

35.5

中米・北米

26,036

78.3

合   計

145,744

24.9

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

マツダ株式会社

62,735

53.8

76,341

52.4

Mazda Motor Manufacturing de Mexico, S.A. de C.V.

18,465

15.8

26,069

17.9

ダイハツ工業株式会社

11,898

10.2

10,960

7.5

 

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)の自動車業界を取り巻く環境は、カーボンニュートラルやSDGsをはじめとする持続可能な社会の実現に向けた取り組みや次世代の自動車開発がより一層加速するなか、世界で長期化していた新型コロナウイルス感染症の影響や半導体供給不足等による生産数の下振れは回復傾向にあるものの、ロシア・ウクライナ情勢等により、原材料及びエネルギー価格が高い水準で推移しており、これらは当社の事業活動にも大きな影響を及ぼすこととなりました。
 このような環境の中、当社はCSR経営の強化を前面に、事業活動を通じた社会貢献活動を利益創出と双璧をなすものとして推進し、2023年度を最終年度とする中期経営計画に掲げる経営指標達成に向けた諸施策を実施してまいりました。
 具体的な取り組みとしまして、研究開発領域においては、内装・外装部品でのリサイクル技術の開発や内装部品における自動車内の快適性向上、熱マネージメント技術の開発、樹脂と電装の融合による先進的な操作デバイスの開発等を推進してまいりました。
 ものづくり領域においては、2019年に稼働を開始した本社工場の機能を活用した全自働化ラインのノウハウを水平展開するべく活動を推進してまいりました。より一段と進化した生産プロセスの拡充による省資源、省エネルギー化を目指し活動を進めてまいります。

商品領域としましては、インストルメントパネルの新しい価値の追求、次世代光透過表皮の技術開発や電動車にも対応可能なバスバーの量産等を推進してまいりました。
 経営基盤領域においては、新型コロナウイルス感染防止策の一環として、テレワーク勤務やWEB会議等の活用や、女性活躍推進制度拡充プロジェクトによる、制度の見直し等の働き方改革を実施してまいりました。今後も多様性を意識した活動を推進してまいります。

 

当連結会計年度の連結業績は、世界的な半導体不足の影響等はありましたが、顧客生産台数が回復傾向になったことと、原材料・エネルギー費高騰分の価格への転嫁等により、売上高は前連結会計年度と比べ29,075百万円(24.9%)増加の145,744百万円となりました。営業利益は、顧客の2直化のタイミング遅れによる米国新工場の費用負担と、全拠点における原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありますが、増収影響と投資の抑制や見直し等あらゆる経費の削減とコスト改善活動実施により、3,453百万円(前連結会計年度は2,632百万円の営業損失)となりました。経常利益は、2,864百万円(前連結会計年度は985百万円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、518百万円(前連結会計年度は2,085百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(日本)

日本では、世界的な半導体不足の影響等はありましたが、主要顧客の生産台数増加と車種構成の変化に加え、販路拡大に向けた戦略OEMへの売上増加と、原材料・エネルギー費高騰分の価格への転嫁等により、売上高は前連結会計年度と比べ14,808百万円(16.2%)増加の105,956百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありますが、増収影響と投資の抑制や見直し等あらゆる経費の削減とコスト改善活動実施により、前連結会計年度と比べ3,292百万円(408.4%)増加の4,098百万円となりました。

 

(中国・韓国)

中国・韓国では、邦貨換算影響による増収要因もありましたが、中国でのロックダウンによる自動車部品調達支障の影響により、売上高は前連結会計年度と比べ1,282百万円(16.7%)減少の6,384百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、生産工程の見直しによるコスト改善等はありましたが、減産影響と原材料及びエネルギー価格高騰の影響等により、81百万円の損失(前連結会計年度は283百万円のセグメント利益)となりました。

 

(アセアン)

アセアンでは、顧客生産台数の回復と邦貨換算影響により、売上高は前連結会計年度と比べ3,300百万円(35.5%)増加の12,585百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありましたが、増収影響と生産工程の見直しによるコスト改善等により、前連結会計年度と比べ857百万円(482.6%)増加の1,034百万円となりました。

 

(中米・北米)

中米・北米では、米国新工場の本格的な稼働開始と金型売上の増加に加え、邦貨換算影響により、売上高は前連結会計年度と比べ11,522百万円(78.8%)増加の26,145百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、顧客の2直化のタイミング遅れに対する米国新工場の生産体制の見直し等による改善を行いましたが、開発費の一括計上と邦貨換算影響により、2,750百万円の損失(前連結会計年度は2,871百万円のセグメント損失)となりました。

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により賄っておりますが、一部の設備投資についてはリースにより調達しております。今後の重要な資本的支出の予定及びその調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度と比較して1,923百万円(9.2%)減少し、18,944百万円となりました。これは当社グループの支払債務及び投資活動を勘案しつつ、適正な流動性を確保するために資金の調達・運用を行ったものであります。

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(4) 経営者の問題意識と今後の方針

当社グループは、対処すべき課題に記載する経営課題に対処すべく、「中期経営計画」において、顧客戦略、商品戦略、ものづくり戦略、拠点戦略、経営基盤戦略の5つを柱とする経営戦略を掲げ諸施策を推進しております。

ものづくり戦略においては、カーボンニュートラル実現に向け省エネ、再エネ、リサイクル等の活動を強化し、推進しております。

なお、今後の事業環境の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大からの経済回復はありますが、ロシア・ウクライナ情勢等により、原材料及びエネルギー価格が高い水準で推移しており、当社においても、先行きの見通しは不透明な状況であります。
  このような状況の中、当社では世界4地域に展開した事業拠点での安定した事業の展開による成長、市場ニーズを先取りした独創的、革新的な樹脂製品や技術開発への積極的なチャレンジ、ものづくりのあるべき姿の追求、働き方改革の実現等、企業の継続的発展のための取り組みを推進してまいります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

 CO2排出による気候変動が大きな社会問題となり、政府より2050年カーボンニュートラルが宣言されました。自動車業界も脱炭素に向けた取り組みが一段と加速しており、パワートレインの電動化に加え、ものづくりにおけるCO2排出量の低減も急務となっております。また、車と外部の情報通信、自動運転技術等の新しいモビリティー社会実現に向けた技術開発も重要な課題となっております。このような業界動向に対し、当社は製品の軽量化や植物由来材料の採用、ものづくりの中で排出される廃棄物『ゼロ』を目指した取り組みにより、CO2排出量の低減を推進しています。また、樹脂と電装デバイスの融合による操作性の向上や、センシング技術の組み込み等で安全に貢献する技術開発も進めています。これらの独自技術の深化により、心地よいクルマ社会に貢献してまいります。
 当社において、R&D本部、開発本部、技術本部が中心となり、材料、加工、構造等の要素技術の研究から新製品の開発まで、一貫した研究開発活動を行っております。本社移転を機に、研究開発、設計、生産技術の拠点を一か所に集約するとともに、研究施設を拡張・充実することで、効率的な開発体制を構築しました。製品の信頼性試験を実施しているテクニカル試験センターも、計画通り2023年2月に本社へ集約しました。また、関係会社との連携体制としては、加工技術分野の金型、機械、治具等の研究開発は、主に子会社のデック株式会社と共同で行い、構造設計分野におけるCAD設計・CAE解析の研究開発は、主に子会社の帝恩汽車部件(上海)有限公司、DaikyoNishikawa Korea Co., Ltd.と共同で行っております。その他、材料研究を中心に、大学・研究機関・外部企業と幅広く共同研究活動を行っており、特に本社近隣の各研究機関との連携強化を図っています。
 当連結会計年度における当社の研究開発費の総額は2,473百万円であり、主な研究開発の活動内容は下記に記載しております。また、当社グループは当社の商品戦略に基づき、日本を中心とした研究開発活動を行っており、この研究開発費につきましては、90%以上が日本セグメントであることから、一括して記載しております。

 

(1)脱炭素社会に向けた技術開発
 外装部品領域においては、内製ブレンド樹脂材料、独自成形工法を用いたテールゲートなどの新規の樹脂化開発により、スチールに比較して約30%軽量化するとともにコスト低減も達成しました。軽・小型自動車に加えて乗用車に採用を広げております。更なる車種展開のため、機能・付加価値向上と原価低減の開発を推進しております。また、植物由来材料(セルロースナノファイバー)の軽量・高リサイクル性の特性を生かした工法の基礎開発を完了し、製品開発に移行しています。
 内装部品領域においては、内装トリム、トランクトリム部品、空調ダクト等に樹脂発泡成形技術を展開し、約25%の軽量化を達成しました。発泡成形技術は、内装部品の適用拡大に加え、外装部品への適用を目指し更なる高発泡・高外観工法の開発を推進しております。また、循環型社会に貢献するため、捨てられる素材を再利用した新たな価値を付加する加飾部品の開発にも力を入れています。
 パワートレイン部品領域においては、電気自動車などの電動化対応として、大型バッテリーパックの高付加価値化やインバーターの樹脂化に取り組んでおります。また、電動化により冷却系統が複雑化しており、当社が開発した樹脂製の冷却パイプへの期待は高まっています。 
 製品開発の領域においては、MBD(モデルベース開発)に取り組み、使用材料の最小化、量産立ち上げ時のロスの削減、製品開発期間の大幅短縮を目標に開発力向上を図っています。
 ものづくりの領域においては、製造する上で排出される廃棄物を再利用するための技術開発を進め、廃棄物『ゼロ』を目指した活動にも取り組んでいます。
 

(2)快適性向上開発
 自動車の車内における快適性を向上させる加飾、塗装、縫製技術等のデザイン提案を行い、次世代車の内装部品への適用を目指しております。乗員の触れる内装部品の質感、触感向上においては、表皮材やウレタンフォームの研究を完了し、車両搭載を実現しました。また、電動車では高い車内の静粛性が求められるため、車内の遮音・吸音性能を向上させると同時に車の走行距離を伸ばす熱マネージメント技術の開発にも着手し、商品化を進めています。
 

(3)樹脂と電装デバイスの融合
 デザイン性や安全性を向上させるため、光透過表皮技術と電装技術を融合させた先進的な操作デバイスの開発を推進しております。また、電子部品の機能安全を保障する開発プロセスを構築し、お客様に安全なデバイスを提供する開発体制を整備しました。

 

(4)独自技術の深化
 新製品開発を支える要素技術である樹脂材料、成形技術、金型技術の領域において、独自の技術開発を実施しております。要求品質を満足するため、自社独自の樹脂材料ブレンド技術を開発し、バンパー、樹脂ボディ部品の薄肉化や低比重化を実現し、車両の軽量化に貢献しております。また、要素技術開発領域ではMBR(モデルを用いた研究開発)を大学と共同で進め、高度分析技術と現象のモデル化により、短期間での材料開発を目指しています。

 

(5)次世代技術の研究開発

 当社は、4つの中期商品戦略(コックピット、フロントエンド、パワートレイン、テールゲートモジュール)の中で、軽量化、遮音性、断熱性等の商品価値を高める技術開発を進めております。特にコックピットにおいては、製品枠を超えた機能統合を進めており、革新的な製品の実現に挑戦しております。