文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「卓越した技術と製品により社会に貢献する」「株主の利益を尊重し、社員の人格を大切にする」「環境と共生し、国際標準に準拠しつつ、永遠の発展を目指す」を経営理念としております。
この理念のもと、経営の基本方針として「創意工夫を社是とし、独自の技術と製品をもって顧客の要望と信頼にこたえる」「世界に活躍する企業として総合開発力を結集し、新製品・新需要の開発に挑戦する」「人材の育成・登用をはかるとともに、一切の無駄を省き、高生産性・高収益を追求する」を掲げ、安定的な事業基盤・収益基盤を構築し、長期にわたって持続的な企業価値向上を目指してまいります。
(2)当社グループを取り巻く経営環境、対処すべき課題及び当社の事業戦略
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的となり、社会経済活動の正常化、景気の自律的回復が期待される一方、ウクライナ情勢の影響等を受けた原材料・エネルギー価格の高止まり、金融引き締めによる景気減速懸念など、依然として先行き不透明な状況が続くことが予想されます。
こうした経済状況のもと、当社グループの主要事業である塗料関連事業、自動車製品関連事業における各事業環境とそれに対応した事業戦略の概要については、以下のとおりです。
[ 塗料関連事業 ]
塗料関連事業は、塗料の製造・販売及び工事請負を主たる事業としております。
塗料分野では、国内の人口減少トレンドが続く中、市場は趨勢的に縮小傾向にあり、大小多くの塗料メーカー等による熾烈な販売競争、環境対応型塗料を中心とした新製品の開発競争が激化しております。
また、足元の事業環境は、企業収益・個人消費の低迷や感染症の影響が一定程度継続する中、原材料価格の高騰等によるコスト増加も加わって、一層厳しい状況が続くことが見込まれます。
こうした競争環境の中、当社は航空機用塗料で培った高い技術力をベースに、地球環境や安全性に配慮した環境対応型塗料、省エネに寄与する塗料を中心とした多面的・持続的な研究開発のもと、同業他社との製品差別化に取り組んでおります。販売面では、塗料販売店・塗装施工店を中心とした自社製品の販売ネットワークを構築しており、その拡大強化にも継続して取り組んでおります。
塗料関連事業においては、厳しい経営環境の中、こうした取組みの強化に加え、顧客のニーズに合った新たな製品の開発、海外を含む新たな市場への挑戦にも積極的に取り組むと同時に、一部製品の販売価格見直しや原価改善活動に引き続き注力し、安定的な収益基盤の構築を図ってまいります。
[ 自動車製品関連事業 ]
自動車製品関連事業は、自動車用防音材(制振材、吸・遮音材)、防錆塗料等の塗材を中心とした自動車部品の製造・販売並びにこれに関連した研究開発などの事業活動を行っております。
自動車業界におきましては、100年に一度と言われる大変革期を迎え、環境規制強化の流れの中、自動運転、電気自動車、コネクテッド、シェアリングの大きなトレンドの波が同時に押し寄せ、競争環境が大きく変わろうとしております。足元では、先行き不透明感は残るものの、自動車の生産台数は国内を中心に回復基調が続くと見込まれることから、原材料価格高騰等のコスト増加要因への対応力強化やサプライチェーンの強化・安定化等が収益力強化の中心的課題の一つとなっております。
加えて近年においては、カーボンニュートラルに向けた環境課題への対応を含め、持続的成長をより重要視した事業活動が強く求められる状況にあります。
こうした事業環境の中、当社は国内自動車メーカーの動向を的確に捉え、研究開発段階からの連携を強化しつつ、部品軽量化や車室内の快適性向上等の新しいニーズに応える新技術・製品を提供し、中長期的な受注拡大に取り組んでおります。
また、日本経済の低成長という構造的問題から国内生産の増加は期待できず、中国やアジア等の新興国を含めたグローバルでの事業活動を通した収益力強化も大きな課題です。当社は、関係会社・協力会社を含めたグローバルでの生産体制をベースに、自動車メーカーの生産体制の変化にも機動的に対応できるサプライチェーンのさらなる強化・安定化、効率的な生産体制の確立を図るとともに、収益力強化を実現するための抜本的な「もの作り」改善に、持続的に取り組んでおります。
自動車製品関連事業においては、経営環境の変革期において、研究開発、生産・製造、営業等の各部門が一体となって、グローバルで真の自動車部品サプライヤーとしての位置づけをより強固なものとしてまいります。
(3)中長期的な経営の基本戦略
当社グループを取り巻く経営環境と対応する事業戦略を踏まえ、以下の経営の基本戦略を着実に遂行することで、外部環境の変化に耐えうる安定的な収益基盤の構築、変化に的確に対応できる効率的な事業体制の確立に努めてまいります。
① 国内事業の安定的な収益基盤の構築
既存製品のシェア拡大、あらゆるプロセスにおける徹底した原価改善に努め、外部環境の変化に耐えうる安定的な収益基盤の構築を実現してまいります。
②「技術のニットク」の強化と新技術・新製品開発
当社の強みである機能性・軽量化・環境対応を主眼に、高機能・高付加価値製品の開発を進めるとともに、「サステナビリティ(持続可能性)」に重点を置き、社会・顧客ニーズの変化に対応した新技術・新製品開発を推進いたします。
③ グローバル展開の強化
塗料関連事業においては、各地域のニーズに即した製品販売を強化し、自動車製品関連事業においては、原料調達から「ものづくり」まで、グローバルで連携を強化して、原価改善と生産体制最適化(サプライチェーンの強化)を図ってまいります。
④ DX(デジタルトランスフォーメーション)推進
研究開発、生産、販売、ビジネスモデル構築等、各機能におけるDXを推進し、生産性向上、効率的な事業体制の確立を目指してまいります。
⑤ サステナビリティ経営の推進
環境配慮型製品の拡充、循環経済を強く意識したマテリアルリサイクルの確立、さらには2050年に全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルを実現すべく、環境負荷低減、社会課題解決に積極的に取組むと同時に、持続的な成長を支える人材育成やガバナンス強化により、経営基盤のさらなる充実を図ってまいります。
⑥ プライム市場の上場維持基準への適合
当社は、2022年4月の株式会社東京証券取引所における市場区分の見直しに関して、プライム市場への上場を選択いたしました。移行基準日時点(2021年6月30日)において、プライム市場の「流通株式時価総額」の基準を充たしていないことから、2025年3月期までを計画期間と定め、時価総額および流通株式比率の向上を目指した取組みを推進しております。2025年3月期を最終年度とする中期経営計画の達成に注力するとともに、持続的な企業価値向上に引き続き務めてまいります。
(4)目標とする経営指標
当社グループは、①販売力強化による事業規模拡大、②生産体制の拡充及び生産効率化、資本効率向上による安定的な収益基盤の構築と効率的な事業体制の確立を推進し、持続可能な成長の実現を目指しております。
そのため、前期対比売上高成長率、売上高営業利益率及び売上高経常利益率、自己資本利益率を重要な経営指標と位置づけております。
当社グループは、『経営の基本理念』 に、「卓越した技術と製品により社会に貢献する」こと、「環境と共生し、国際標準に準拠しつつ、永遠の発展を目指す」ことを掲げ、創業以来、「社会貢献」や「環境」を強く意識した経営に取り組んでまいりました。
一方、地球規模で広がる環境問題や社会課題は深刻さを増しており、企業に求められる社会的責任もこれまで以上に多様化・高度化し、こうした課題への積極的かつ迅速な対応が求められています。
こうした状況を踏まえ、当社グループは次のとおり「サステナビリティ基本方針」を定め、改めて経営の基本理念や基本方針を着実に実践し、ステークホルダーの皆様の声に真摯に向き合いながら、課題解決に欠くことのできない技術革新にも積極果敢に挑戦し、社会の持続的な発展への貢献と持続的な企業価値向上を目指してまいります。
<サステナビリティ基本方針>
私たち日本特殊塗料グループ(ニットクグループ)は、『経営の基本理念』や 『経営の基本方針』、その他関連する方針等に基づき、環境問題や社会課題の解決、そこに欠くことのできない技術革新に積極果敢に挑戦し、社会の持続的な発展への貢献と持続的な企業価値向上を目指します。
● 卓越した技術と製品により、社会の持続的な発展に貢献します
● すべての事業活動を通じて環境負荷低減に努め、環境に配慮した製品の拡充を図ります
● 多様な人財(材)が、安全で健康的に働ける快適な職場環境の整備、「働きがい」のある活力に満ちた職場づくりを推進します
● 法令や社会規範を遵守し、公正で誠実な企業活動を実践して、ステークホルダーの皆様から信頼され、社会に求められるニットクグループを目指します
また、当社グループは、サステナビリティ基本方針を踏まえ、環境・社会・ガバナンスに関する課題を中心とした重要課題をマテリアリティとして設定し、具体的な取組みを推進してまいります。
サステナビリティに関する取組みの状況は次のとおりであります。なお、ガバナンスに関する事項等における当社のガバナンス体制については、2023年6月22日現在の状況を記載しております。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、環境・社会・ガバナンスを中心とした経営上の重要課題をマテリアリティとして設定し、環境・社会に関する事項については「サステナビリティ委員会」、ガバナンスに関する事項については「コンプライアンス委員会」で全般的な統括を行っております。
両委員会ともに、委員長を取締役社長遠田比呂志、委員を取締役、監査役、執行役員とすることで、取締役会や執行役員会と一体・連携して、マテリアリティへの対応状況を管理監督し、対応する各施策を強固に推進する体制を整えております。
また、各委員会において、関連する全社専門委員会等の専門組織から個別の審議事項について確認・報告を受けるとともに、両委員会が相互に審議内容を共有し、全社一体となったガバナンス体制の構築、充実を図ってまいります。
当社は、直接的あるいは間接的に当社グループの財政状態、経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクに迅速かつ的確に対処するため、取締役、執行役員、常勤監査役を主要なメンバーとするリスク管理委員会及び危機管理委員会を設置し、サステナビリティに関するリスクを含む全社的なリスクの評価・管理とその対応策の検討・推進、危機管理体制の構築を行っております。
同時に、マテリアリティへの対応策については、サステナビリティ委員会、コンプライアンス委員会にて統括していることから、両委員会はリスク管理委員会及び危機管理委員会と情報共有を行い、必要に応じて各全社専門委員会(「環境」「安全」を専管する全社専門委員会等)とも個別案件の情報共有を進めながら、把握したリスクへの対応策を一体的に推進するとともに、全社的なリスク管理体制、危機管理体制の強化・充実を図っております。
なお、当社グループにおけるリスク全般については、「
環境・社会・ガバナンスに関する課題を中心とした重要課題をマテリアリティとして設定し、具体的な取組みを推進しています。各マテリアリティの内容や主な対応策、及び重要な指標・目標は以下のとおりです。
なお、当社は2022年にサステナビリティ基本方針、マテリアリティを定め、2023年4月よりガバナンス体制としてサステナビリティ委員会、コンプライアンス委員会を整備しております。指標・目標については、ステークホルダーと当社グループにとっての重要性、当社のこれまでの取組状況等を踏まえ、指標・目標が明確化され、全社的共有が進んでいる事項を記載しております。また、気候変動への対応については、当社グループの目標として、多様な人財(材)の活躍及び人財(材)育成と「働きがい」向上については、当社の目標として設定しております。
<環境>
・マテリアリティ:環境負荷の低減、主な対応策:環境負荷物質の使用低減
・マテリアリティ:気候変動への対応、主な対応策:CO2排出量の削減
指標・目標:当社グループは、2030年度にCO₂排出量を50%削減(*)し、2050年にはすべての製品と企業活動を通じた「カーボンニュートラル」を実現することを目指しています
* 2018年度比。当社グループ(当社および連結子会社)のScope1・Scope2
・マテリアリティ:資源循環型社会の構築、主な対応策:廃棄物の削減
<社会>
・マテリアリティ:製品品質の向上、主な対応策:安全安心な製品品質の確保
・マテリアリティ:多様な人財(材)の活躍、主な対応策:性別や経験等にとらわれない多様な人財の活用
指標・目標:当社は、2025年までに新規採用に占める女性の割合を20%以上とすること、管理職に占める女性の割合を高めることを目指しています
・マテリアリティ:人財(材)育成と「働きがい」向上
主な対応策:教育研修体制の整備、ワークライフバランス推進
指標・目標:当社は、2025年までに従業員全体の有給休暇取得率を70%以上にすることを目指しています。
・マテリアリティ:安全で働きやすい職場づくり、主な対応策:労働安全衛星の推進
・マテリアリティ:人権の尊重、主な対応策:人権意識の向上
<ガバナンス>
・マテリアリティ:コンプライアンスの徹底、主な対応策:コンプライアンス体制の整備と意識向上
・マテリアリティ:ガバナンスの強化、主な対応策:ガバナンスの実効性向上
・マテリアリティ:サプライチェーン・マネジメントの向上
主な対応策:グリーン調達の推進、CSRガイドラインの浸透
各マテリアリティに関する最新の情報については、以下のアドレスに掲載する当社「
https://www.nttoryo.co.jp/csr_top/csr_report.html
(4)人的資本に関する戦略(方針)、指標及び目標
当社が持続的な企業価値向上を図るために欠くことのできない重要な要素の1つは、人的資本(人財(材))です。当社は「多様な人財(材)の活躍」、「人財(材)育成と『働きがい』向上」、「安全で働きやすい職場づくり」をマテリアリティに定め、次のような方針、目標を掲げております。
① 多様な人財(材)の活躍
当社が、グローバルで多岐にわたる事業戦略を着実に実行し、将来にわたって持続的成長を達成するためには、多様な人財を活用し、かつ個々の努力を組織の力として実現させることが必要です。当社は、日本特殊塗料グループ行動規範において、国籍や性別などによる不合理な差別を禁止するとともに、多様な人財の活性化推進を経営計画に掲げ、多様な人財の活躍に取り組んでおります。
② 人財(材)育成と「働きがい」向上
持続的な会社の成長には、個々人の成長(人財育成)が不可欠です。当社は、一人ひとりのライフプラン、個性・適性に応じた成長を支援するため、教育研修体制の整備・充実に取り組み、多様でかつ優秀な人材の育成に努めております。
③ 安全で働きやすい職場づくり
「安全はすべてに優先する」「労災はすべて防ぐことができる」「安全はみんなの責任である」の3つの基本理念のもと、「『人命尊重』、『安全最優先』を柱に、労働災害、職業性疾病および交通災害ゼロを目指し、従業員が安全でかつ健康に働ける快適な職場づくりを推進する」を基本方針に掲げ、継続的かつ全社的な安全衛生活動を推進しております。
④ 指標及び目標
(女性の活躍)
「2025年までに新規採用に占める女性の割合を20%以上とする」こと、及び「管理職に占める女性の割合を高める」ことを目標としております。
(「働きがい」向上)
「2025年までに従業員全体の有給休暇取得率を70%以上にする」ことを目標としております。
管理職に占める女性の割合につきましては、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。その他の目標に対する実績の推移及び最新の情報につきましては、以下のアドレスに掲載する当社「CSRレポート」(2023年10月以降に更新予定)をご確認ください。
https://www.nttoryo.co.jp/csr_top/csr_report.html
当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社が判断したリスクの重要度にしたがって記載しておりますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、実際の発生リスク、発生程度やその影響度は記載の順序とは異なる可能性があります。また、当社グループではこうしたリスクの最小化に継続して取り組んでおり、その対応策の一部を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針に係るもの
当社グループは、技術開発や業務展開を効率的に行いつつ、経営資源を最適化するために技術提携や合弁の形で多くのパートナーと共同で事業を行っております。各事業会社の研究開発・設計、営業、生産・製造、管理部門等の各部門及び会社間・部門間相互において、戦略・方針等の大きな方向性や事案毎の詳細な情報を共有し、連携強化に努めておりますが、共同活動の当事者間で歩調の不一致等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 大規模災害及び重度感染症等の発生・蔓延に係るもの
当社グループの拠点のいずれかが大規模な地震などの災害に罹災し、あるいは重度感染症の蔓延等により生産・稼動等が困難となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に近年においては、高い確率で予想されている首都直下型地震や東海・東南海・南海地震の発生リスク、新たな重度感染症の蔓延等に係るリスクが高まっている状況にあります。このような事態に備え、当社グループは、製品納入責任を果たすべく事業継続計画の策定、運用、定期的な訓練の実施や計画の見直し等を全社レベルで行っております。
しかしながら、想定外の現象が起きる可能性は否定できず、その内容によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、2020年初めから新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大が社会、経済活動に甚大な打撃を及ぼしてまいりました。各国で経済的な支援を含む各種の感染症対策が施され、一定の成果を発揮しつつありますが、サプライチェーンの混乱等の間接的な影響を含め、今後の経済回復・経済活動正常化の大幅な遅れや新たな感染症の流行が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 気候変動に関するもの
温室効果ガスの排出量増大に起因する地球温暖化がもたらす気候変動、及びそれに対して各国政府や地域行政が講じる政策・施策については、市場環境や顧客ニーズへの影響を含め、当社グループの事業戦略に大きく影響を与えるものと認識しており、その内容・程度によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、こうした気候変動に関するリスクについて、経営計画や事業計画にその対応策を反映し、ステークホルダーに向けた適切な情報開示を実施すべく、ガバナンス体制を整備しております。
具体的には、事業・業務部門を横断して、カーボンニュートラルに関する専門プロジェクトを設置し、気候変動に関する施策・対応策の検討を進めており、2050年に全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指すことを目標として定めました。また、開発・技術、製品戦略的な側面においては、従来より各事業部門が主導して取り組みを推進しております。
各施策・対応策は、取締役会による承認のもと、当該プロジェクトや関連部署において実行されるとともに、その進捗は、サステナビリティに関する施策を統括するサステナビリティ委員会(従来のCSR推進委員会を名称変更、事務局としてサステナビリティ推進室を設置)を通じて、あるいは直接取締役会に共有され、適切に管理される体制を整えております。
なお、自社でのエネルギー使用の合理化・使用量低減を目指した様々な対応策の検討・実施のほか、自動車の軽量化・燃費低減や古衣料等の廃棄物削減に資する自動車用防音材、屋根等に塗装することで建物内の温度上昇を抑える効果がある遮熱塗料等、環境対応型製品(温室効果ガス削減に資する製品)の開発・拡販に注力することを中期経営計画の基本戦略に掲げ、全社的に推進しております。
当社グループは、今後、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)等に準拠した対応活動を強化・推進し、気候変動に関するリスクの最小化に継続して取り組んでまいります。
(4) 品質管理体制、法的規制に係るもの
① 品質管理体制、製造物責任
当社グループは、品質基準「ISO9001」の認証を受け、当社を中心とした品質対応の専門部署が主導的な役割を果たしつつ、品質管理のシステムに則った厳格な品質管理を徹底しております。しかしながら、全ての製品について欠陥が無く、将来クレームが発生しないという保証はありません。また、当社の事業規模を勘案した製造物責任賠償保険に加入しておりますが、万一、製造物責任賠償保険で充分に填補できない製品の欠陥による損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 環境に関する法的規制
当社グループは、環境との共生を最重要課題の一つと捉え、環境対策には万全を期して、関連法規を遵守した事業活動を行っておりますが、環境維持に対する社会的要請は年々高まり、関連法規は厳しさを増しております。こうした法的規制に対し、事後的な対応だけでなく、事前のリスク検討・評価、それに対応する事業戦略・リスク対応策の策定・実施を行っておりますが、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が想定外の範囲で行われた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性や規制遵守のコスト増加につながり、その内容・程度によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 財政状態及び経営成績の変動に係るもの
① 海外事業展開のリスク
当社グループは、北米、中国、タイ、インドネシア、インドにおいて合弁事業の形を主体に事業を展開しております。海外での事業においては、それぞれの国や地域において以下のような困難が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・予期し得ない法律・規制、租税制度等の変更
・労務環境の違いに基づく争議等の発生
・電力、水、輸送等インフラ面での障害発生
・自然災害、伝染病・感染症等衛生上の問題
・紛争、テロ、政情不安、治安の悪化 等
なお、当社グループは、関係各部署において、こうした諸問題が生じる前、あるいは可能な限り早期にその情報を入手し、リスク対応策の検討・実施に努めております。
② 為替リスク
当社グループの海外市場での業務展開は、合弁会社による現地生産を主体としております。これら合弁会社への出資金、合弁会社からの配当金、技術提携先との技術料の受け払いなど、一定の為替リスクを伴います。また、当社グループが購入する原材料は海外で産出されるものが多く、これらの価格は直接・間接に為替相場の影響を受けます。為替リスクを回避、軽減するために手段を講じておりますが、為替相場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 金利変動リスク及び資金調達リスク
当社グループは、将来にわたって必要な設備を新規に取得あるいは更新するための設備投資資金や運転資金を主に金融機関からの借入によりまかなっております。長期借入金は概ね固定金利により金利変動リスクの低減を図っておりますが、大幅な金利変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、現状取引金融機関との関係は良好で必要資金は問題なく調達できており、調達先金融機関との関係強化を図る一方、分散化によるリスク低減を図っておりますが、将来も引き続き充分に調達可能であるという保証はありません。
④ 有価証券投資の影響
当社は、取引金融機関、関係会社、重要取引先の株式を中心に、事業戦略上の効果や経済合理性を勘案した上で、中長期の保有を目的とした株式ポートフォリオを有しております。株式保有の合理性については、保有先企業との関係や取引状況、当該企業の経営成績及び株価、配当等を確認の上、定期的な検証を行っており、当社の企業価値向上につながると考える株式のみを保有する方針ですが、個々の保有株式の価格変動が、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 退職給付債務
当社グループの保有する年金資産の著しい下落、実際の運用結果や予測給付債務計算の前提・仮定から大幅な不利となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 重要な訴訟事件等の発生に係るもの
当社グループは、現時点において将来の業績に重大な影響を及ぼすと思われるような損害賠償の請求や訴訟の提起を受けている事実はありません。しかし、将来当社グループの事業活動に関連して、製品の不具合、有害物質の発生、知的所有権問題その他様々な事由で当社グループに対して訴訟その他の請求が提起される可能性があります。その内容によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策の進展により、経済活動正常化に向けた動きがみられましたが、長期化するウクライナ情勢等を背景とした原材料・エネルギー価格の高騰、世界的な金融引き締めによる景気減速懸念、急激な為替変動等から、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
こうした状況のもと、当社グループは、徹底した感染症拡大防止策を講じながら、新中期経営計画の基本戦略に掲げる収益基盤の強化、新技術・新製品開発、サステナビリティ経営の推進等に注力し、企業価値向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は607億3千8百万円(前期比10.9%増)となり、前期を上回って堅調に推移いたしました。
損益面につきましては、原材料やエネルギー価格高騰等の影響を受けたものの、売上高の回復により、営業利益は16億3千1百万円(前期比10.0%増)となりました。経常利益は、持分法による投資利益や為替変動の影響等により31億4千1百万円(前期比19.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億3百万円(前期比61.7%増)となりました。
前年同期との比較については、以下のとおりとなっております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります(各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高消去後の数値を記載)。
[ 塗料関連事業 ]
国内需要は回復基調にあることから、主力製品の防水材や床用塗料を中心に建築・構築物用塗料の販売は順調に推移いたしました。また、集合住宅大規模改修工事等の工事関連売上は前期比6.1%増と事業規模拡大を継続しており、当セグメントの売上高は205億6千5百万円(前期比6.3%増)となりました。
損益面では、改善効果に比べ、原材料・エネルギー価格高騰の影響が大きく、セグメント損失は1億1千3百万円(前期はセグメント利益3億7千3百万円)となりました。
[ 自動車製品関連事業 ]
世界的な半導体不足、サプライチェーン停滞等の影響が残るものの、主要顧客である自動車メーカーの生産台数が一定程度回復してきたことから、吸・遮音材や防錆塗料等の塗材を中心に販売が増加し、当セグメントの売上高は401億5千7百万円(前期比13.4%増)となりました。
損益面では、当セグメントにおきましても、原材料・エネルギー価格高騰等の影響を受けましたが、売上高の回復を受け、セグメント利益は17億3千7百万円(前期比57.8%増)となりました。
[ その他 ]
保険代理業の売上高は1千5百万円(前期比0.4%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19億2千2百万円増加し、108億5千3百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、61億9千8百万円の収入(前期比11億7千8百万円の増加)となりました。税金等調整前当期純利益36億9千4百万円、売上債権の増加額16億1千9百万円、仕入債務の増加額17億4千7百万円、利息及び配当金の受取額15億4百万円、法人税等の支払額11億1千8百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、15億8千8百万円の支出(前期比3億2千2百万円の減少)となりました。この主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出22億8千6百万円、投資有価証券の売却による収入5億7千4百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、28億1千8百万円の支出(前期比11億1千9百万円の減少)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出14億5千6百万円、配当金の支払額9億1千2百万円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
当社グループは受注による生産は僅かであり、主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残高について特に記載すべき事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1〔連結財務諸表等〕 連結財務諸表 注記事項 〔重要な会計上の見積り〕」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、塗料関連事業セグメントでは前連結会計年度に比べ6.3%増の205億6千5百万円、自動車製品関連事業セグメントでは前期比13.4%増の401億5千7百万円となり、全体売上高は607億3千8百万円(前期比10.9%増)となりました。
地域別売上高では、海外売上が前期比6億5千万円の増加(前期比7.6%増)し、国内売上は前期比53億8百万円の増加(前期比11.5%増)となりました。これは、塗料製品関連事業セグメントにおける工事関連売上、自動車製品関連事業セグメントにおける自動車用防音材(主に吸・遮音材)や防錆塗料等の塗材を中心に販売が増加し、前期を大きく上回ったことによるものです。なお、報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、塗料関連事業が33.9%(前期は35.3%)、自動車製品関連事業が66.1%(前期は64.6%)となりました。
利益面では、原材料・エネルギー価格高騰の影響を受ける中、販売価格見直しを含む売上高の増加に加え、多面的な原価低減活動・経費低減策推進により、営業利益は前連結会計年度に比べ1億4千8百万円増加し、16億3千1百万円(前期比10.0%増)となりました。
なお、セグメント利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経常利益は、前連結会計年度に比べ5億1千6百万円増加し、31億4千1百万円(前期比19.7%増)となりました。これは営業利益が増加したことに加え、営業外収益で海外関連会社の持分法による投資利益が6億1千4百万円増加したこと等によるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ8億2百万円増加し、21億3百万円(前期比61.7%増)となりました。これは経常利益が増加したことに加え、法人税等の合計が2億2千2百万円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ22億4千1百万円増加し、820億3千3百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加19億2千2百万円、売掛金の増加13億1千8百万円、長期貸付金の減少13億4千8百万円によるものです。
負債については、前連結会計年度末に比べ2億4千4百万円減少し、298億2千2百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加12億3千2百万円、借入金の減少14億6千6百万円によるものです。
純資産については、前連結会計年度末に比べ24億8千6百万円増加し、522億1千1百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加11億8千6百万円、その他有価証券評価差額金の減少7億1千6百万円、為替換算調整勘定の増加14億7千7百万円によるものです。
以上の結果、自己資本比率は0.8%増加し56.3%となりました。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用になります。投資を目的とした資金需要は、主に能力の増強及び更新に係る生産設備等への投資によるものです。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債は76億7千3百万円、営業キャッシュ・フロー対有利子負債比率は80.8%となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は108億5千3百万円となっております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、前期対比売上高成長率、売上高営業利益率、売上高経常利益率及び自己資本利益率を重要な経営指標としております。
直近5期の実績は、以下のとおりとなっております(連結業績)。
売上高成長率については、主に自動車製品関連事業において、製品市場全体の需要低迷や市場構造・製品構成の変化等から2020年3月期の売上高が減少に転じ、さらに2021年3月期におきましては、新型コロナウイルス感染症の甚大な影響を受け、売上高が大きく減収する結果となりました。2022年3月期以降、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策進展とともに経済活動は正常化に向かいつつあることから、一転して当連結会計年度(2023年3月期)にかけて、2期連続して二桁成長を遂げる結果となりました。
売上高営業利益率につきましては、2020年3月期までは概ね5.0%程度を維持しておりましたが、2021年3月期は、前述のとおり売上高の減少幅が大きく、売上高営業利益率も大幅な低下となりました。2022年3月期以降、当連結会計年度におきましても、一定の増収効果があったものの、原材料・エネルギー価格高騰等の影響が大きく、売上高営業利益率は2.7%と一定の回復にとどまりました。
売上高経常利益率につきましては、高い利益率を達成してきた主因は、持分法による投資利益であり、20億円を超える持分法投資利益計上が続いた時期もありましたが、近年は製品構成の変化、国内外における新型コロナウイルス感染症の影響等から、同投資利益は10億円を下回る水準が続いており、売上高経常利益率は5.2%(前期比0.4%増)にとどまりました。
自己資本利益率につきましては、利益水準が一定程度回復したことから、当連結会計年度は4.6%となりました。
技術提携
(1)技術援助契約
(注)1 対価として一定料率のロイヤリティーを受け取っております。
2 対価として一定額及び一定料率のロイヤリティーを受け取っております。
3 製品開発サポートとして開発費用の対価を受け取っております。
(2)技術受入契約
(注)1 対価として一定料率のロイヤリティーを支払っております。
当社グループは、社是の「創意工夫」、経営の基本理念・基本方針・長期ビジョンのもと、「安全」・「環境」をキーワードに社会貢献に応えるべく塗料と防音材を柱に研究開発活動に取り組んでおります。
研究開発体制および研究開発は、自動車関連事業、塗料関連事業の開発技術部門が、技術のニットクのさらなる進化への取り組みとして、ニットクらしさ・強みを生かした高機能・高付加価値製品の開発を推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
各セグメントの主な研究開発活動の概要は、次のとおりであります。
(1) 塗料関連事業
塗料関連開発分野では、地球環境や安全性に配慮した環境対応型塗料、省エネに寄与する塗料や施工における作業工程の短縮を重点テーマとして、製品開発に取り組みました。
航空機用塗料の分野では、「JAXA(宇宙航空研究開発機構)次世代航空イノベーションハブ」の着氷防止塗料開発で確立した超撥水技術の用途開発を進めております。航空機以外にも超撥水技術に対する期待を寄せられており、当年度においては気象用レーダードームに初めて採用となりました。今後も機能性材料の研究開発に努め、更なる用途拡大を目指してまいります。
防水材の分野では、環境規制強化のニーズに応えた特化則非該当(MOCA無配合)製品への切り替えを推進しております。 当年度においては現場での作業性改善の要望を受け、中粘度タイプの防水材として特化則非該当(MOCA無配合)ウレタン防水材「プルーフロンエコDX MID」と「プルーフロンエコHG MID」を開発しました。
塗り床材の分野では、環境配慮型塗料である水性硬質ウレタン「ユータックコンプリート」シリーズの製品開発を進めております。従来の水性硬質ウレタンに比べ、バイオマス度の高い設計で、温室効果ガス排出低減に効果のある製品として開発を進めております。また土木分野においても、従来の溶剤系塗料からの切り替えを目標に、環境配慮型塗料の開発を進めております。
引き続き、環境配慮・省エネ対策を中心に、様々な分野での社会貢献を目指し、研究開発に取組んでまいります。さらに、コンプライアンスの観点より、製品の品質管理ならびに化学物質管理におけるガバナンス強化に努めており、お客様により安全・安心な製品を提供すると共に、情報の積極的な公開を推進してまいります。
当連結会計年度における塗料関連事業の研究開発費の金額は、
(2) 自動車製品関連事業
自動車製品開発分野では、自動車業界のモビリティ革命への対応とさまざまな環境規制強化への対応を研究開発のターゲットに設定し、製品開発に取り組みました。また、製品開発における事業性判断を早期に図るため、新たな開発管理の要素を昨期から組み入れ継続推進してまいります。
①モビリティ革命への対応
当社の強みである、グローバルにおけるNVHの情報ネットワークを活用するとともに、急速に電動化シフトが進む中国市場における競合調査を実施しました。また、国内自動車メーカー様との先行開発を通じ、電動車として必要となる防音技術の確立に取り組んでおります。顧客要求の変化に柔軟に対応できる能力と独自技術の開発に今後も注力してまいります。
②環境規制強化への対応
当社の強みである、繊維素材を活用した環境にやさしい製品開発と合わせて、リサイクル技術についても研究を進めています。特に、今年度は、温室効果ガス低減に向けた製品開発をするうえで重要な数値の見える化を重視しました。市町村、学会、関連企業と連携し、資源循環型社会の実現に貢献できるよう努めました。
③部品開発
塗布型制振材と防錆塗料については、顧客のニーズに合わせた材料開発の推進と、海外の提携先企業との連携、製品技術・製造技術の積極的な展開を継続しております。製品剛性向上や耐熱変形性向上に寄与する、特殊加工に関する特許を2018年に取得しました。この技術を駆使しリサイクル材を用いた機能向上素材および高機能製品開発を継続検討し、未利用資源のアップサイクルを目指してまいります。当社の防音材製造で発生するプレコンシューマー材を活用し、防音かさ上げ材を開発しました。低コストで環境にやさしいかさ上げ材として今後採用に向けた展開を推進してまいります。
④塗材開発
塗布型制振材と防錆塗料については、顧客のニーズに合わせた材料開発の推進と、海外の提携先企業との連携、製品技術・製造技術の積極的な展開を継続しております。
強化した海外提携先企業との連携関係を生かし、基材、構造、焼付けなど、クルマづくりの変化、カーボンニュートラルなどに対応できる技術や材料を開発し、提案してまいります。
当連結会計年度における自動車製品関連事業の研究開発費の金額は、