第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

京福グループでは、以下に掲げる「経営理念」および「経営姿勢」を基本方針に、京都地区では鉄軌道事業を、福井地区ではバス・タクシーを中心とした交通インフラをそれぞれ核に、地域と協働して沿線の魅力を高めることで企業価値の向上を図ってまいります。

 

<経営理念>

京福グループは、安全・安心をブランドの礎とし、人と社会に貢献します。

 

<経営姿勢>

・安全・安心・感動を基礎に、社会と一体となって歩みます。

・進取・挑戦の歩みを止めず、日々進化し続けます。

・人と自然を敬愛します。

 

(2) 中長期的な経営戦略

京福グループは、2019年に中期経営計画(目標年次 2023年度)を策定し、各施策を進めておりましたが、新型コロナの影響により2021年にその打ち切りを余儀なくされました。しかしながら、激変した経営環境のもと、これに柔軟に順応すると同時に経営基盤の再構築に注力することにより、2022年度における営業利益、経常利益、当期純利益は、いずれも過去最高となりました。

京福グループは、今後とも確実に成長を続けるとともに、これまで培ってきた地域の皆さまとの関係をベースとした事業基盤を一層強固なものとすることにより、これからも安定して株主さま、お客さま、地域の皆さまから支持していただける企業集団として永続していくことを目指し、2023年5月に「京福グループ中期経営計画2025(2023年度~2025年度)および2030年度の経営目標を定めております。

 

<基本方針>

・京福グループは3年間にわたってコロナ禍への緊急事態対応から転換し、ビジネスチャンスを確実に生かすことで、成長を図ります。一方で、新しい事業環境に適応するとともに適切な投資を行い、安定的に経営を継続していくことを目指します。

・新たに生まれる人の流れを確実に取り込むことで、地域インフラとしての重要性向上を図ります。

・安全・安心に関する取り組みを着実に継続するとともに、これまでにない輸送の価値をお客さまに提供します。

・沿線地域の皆さまとの連携を通じて沿線の魅力を深耕・発信することにより、地域のにぎわいづくりに貢献するとともに、一定規模の不動産投資を行うことにより、よりよいまちとくらしを創造していきます。

・ソフト・ハード両面で環境負荷の低減を目指すとともに、自然災害等のリスクにそなえることにより、持続可能で強固な組織体を目指します。

 

<具体的な取り組み>

①運輸業

・運輸安全マネジメントの着実な継続

・嵐山線に新型車両、回生ブレーキ等を導入

・嵐山線ダイヤ改正

・嵐山線のバリアフリー化のさらなる推進

・電気バス・ユニバーサルデザインタクシーの導入

・老朽施設の建て替えなど適切な設備投資

②不動産業

・収益物件の取得

・賃貸住宅ランフォートシリーズ(京都)、Kフォートシリーズ(福井)の展開拡大

・地域密着型の宅地分譲事業の強化

・福井地区社有地の活用促進

 

③レジャー・サービス業

・施設運営体制の強化(嵐山駅ビル、帷子ノ辻駅ビル)

・嵐山線沿線の観光資源の掘り起こしと連携強化による誘客策の企画・実施

・AIのさらなる活用などによる情報機能の充実(ボートレース事業)

・自然・環境とふれあう新展示施設の開設(越前松島水族館、開館65周年(2024年)目途)

④福井地区運輸業(京福グループ)

・交通ICカードの導入(2024年春)

・北陸新幹線と福井県内に点在する観光地をつなぐ「二次交通」としての機能強化

・収益物件の取得

・「ふくいMaaS」としてシームレスなモビリティサービス提供

・事業拠点のさらなる集約と営業強化

⑤管理部門

・誰もが働きやすい職場環境の整備

・KES(Kyoto Environmental Management System Standard・環境マネジメントシステム)認証に基づく活動の継続

 

<賃金配分および投資額資金配分および投資額>

 持続的な成長と企業価値の向上につなげるため、各事業において成長・戦略投資と維持・更新投資を行うとともに、株主還元については安定的な配当の継続を目指します。

 

<定量目標>

 中期経営計画の期間中(2023年度~2025年度)に各施策を進めることで営業利益を確実に積み上げ、2030年度において営業利益20億円を達成するとともに、各年度安定的に10億円以上の親会社株主に帰属する当期純利益確保を目指します。

 

(3) 経営環境

 2022年度下期以降、足元では経済活動の正常化の動きが見られ、インバウンドの本格回復も見込まれるようになりました。他方で、コロナ禍を経て、お客さまの価値観や消費動向について不可逆的な変化も生じております。さらに、京福グループの事業エリアである京都エリアについては、今後インバウンドを中心に観光客の回復が大幅に進むことが見込まれるほか、福井エリアでは2024年に北陸新幹線が延伸開業されます。加えて、2025年に大阪・関西万博が開催されることに伴って、新たなお客さまの流れが生じるものと想定しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新型コロナウイルス感染症の拡大という未曽有の危機に当たり、当社グループは、2021年5月策定「京福グループにおける今後の事業の方向性について」に沿い、「安全・安心」「構造改革」「SDGs」を柱に、激変した経営環境への順応と、経営状況のコロナ以前の水準への回復に取り組んでまいりました。

安全・安心につきましては嵐山線各駅のバリアフリー化を継続して進め、2022年度末時点で全22駅のうち18駅で段差解消が完了しました。京都バス㈱ではバスロケーションシステム・リアルタイム混雑情報提供システム「京都バスナビ」を2023年3月に開設、京福バス㈱は「ふくいMaaS協議会」設立に際し交通事業者として参画するなど、さらに安心してご利用いただけるサービスを拡充しました。

構造改革につきましては2023年2月に京福バスがケイカン交通㈱および福井交通㈱を完全子会社化し、同年4月に㈱京福コミュニティサービスが京福商事㈱を吸収合併し、京福不動産㈱に改称しました。グループ9社の7社への再編成と、資本整理による福井地区交通事業3社の一体的経営で、実質5社の効率性の高い体制を構築しました。

SDGsにつきましては嵐山線車両2両での回生ブレーキ導入改造、バス・タクシー事業での「環境性能の高い車両の導入、小学生向け安全教室「嵐電教室」の開催、京都府絶滅寸前種フジバカマを保護育成する活動や越前松島水族館での飼育が難しい希少生物の飼育と展示など、事業活動を通じSDGs達成に向けた様々な取り組みを実施、合わせて健康経営の推進、育児・介護休業制度の充実など、誰もが働きやすい職場環境の整備も進めました。

以上をふまえ、2023年度以降は「京福グループ中期経営計画2025」(2023年度~2025年度)を推進、確実な成長と財務基盤強化を図り企業として永続していくことを目指すとともに、地域密着の企業グループとして人と社会にさらなる貢献をしてまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

①考え方

 京福グループは公共交通事業を中心に、生活に直結する様々なサービスを、地域で暮らす皆様、働き学ぶ皆様、地域を訪れる皆様など、多くの皆様に提供してきました。これからも「経営理念」「経営姿勢」を基本方針とし、「行動憲章」に基づいた事業活動を通じてSDGs達成への取組みをはじめ、社会の持続的発展に貢献してまいります。

 

<経営理念>

京福グループは、安全・安心をブランドの礎とし、人と社会に貢献します。

 

<経営姿勢>

1.安全・安心・感動を基礎に、社会と一体となって歩みます。

2.進取・挑戦の歩みを止めず、日々進化し続けます。

3.人と自然を敬愛します。

「経営姿勢」は、私たちが「経営理念」に沿って経営の意思決定を行い、事業を推進する上での価値観です。

 

<行動憲章>

1.私たちは、人々に安全・安心と笑顔を提供します。

2.私たちは、地域を学び、地域と歩み、地域のために尽くします。

3.私たちは、ルールを守り、すべてのことに迅速に取組みます。

4.私たちは、人権を尊重し、人と地球に優しい事業を行います。

5.私たちは、学び、育て、日々新鮮な気持ちで成長します。

「行動憲章」は、「経営理念」を役職員・スタッフ一同の日常の行動で実現するための基本方針です。

 

 京福グループの「経営理念」や「行動憲章」、安全・安心や環境保護など従来からの取組みの多くがSDGsの方向性ときわめて親和性が高く、持続可能な社会への貢献を目指し、次のとおり重要課題を整理しております。

 

<京福グループのSDGs重要課題>

SDGs重要課題1 安全・安心でユニバーサルな事業の展開

SDGs重要課題2 人と地球に優しいエコでクリーンな事業の推進

SDGs重要課題3 笑顔のパートナーシップによる事業の創出

 

②ガバナンス及びリスク管理

 当社は、株主総会、取締役会、監査役会等の機関を企業組織の中心に位置付け、それぞれの構成員はその機関が的確かつ有効に機能するよう、その運営に必要な法令等を理解するとともに遵守し、企業経営全般において適正かつ有用な意思決定を行うよう努めております。

 主な事項については次のとおり体制を構築し、重要なものは取締役会に適宜報告することとしています。

・顧客ならびに当社および役職員等に関し発生する危機について、これを予防するとともに、発生の際の被害を最小限に止めるための指針及びその他必要な事項を「危機管理規程」に定め、各部署は、「事業継続計画(BCPマニュアル)」など必要に応じ、これにもとづいた具体的対処方法を整備しております。

・鉄軌道事業部署においては、安全輸送の確保を最優先の命題として、安全に関する取組みの基本方針・組織体制等および運転、施設、車両に関する業務の実施体制、方法を「安全管理規程」に定め実施しております。

・情報セキュリティに関しては、情報管理の基本的な取り扱い事項を「情報セキュリティ基本規程」に定め、それに付随した諸規程の制定とともに、管理部内に担当役員を責任者とした経理・情報システム担当を設け、緊急時の対応やルールの策定等の対策を講じております。

・環境管理の分野に関しては、環境管理責任者を置き、特定非営利活動法人KES環境機構が認証するKES・環境マネジメントシステム・スタンダード ステップ2に適合した環境マネジメントシステムを実施しております。

・業務に関連する法改正については、改正内容や趣旨を当社やグループ各社の役員・管理職で共有し、必要に応じて社規則の改正、説明会の開催等をおこなうこととしております。

 

・当社およびグループ各社の役職員(契約社員、パート・アルバイト等を含む)、及び、あらゆる業務に係る関係者を対象に「京福グループホットライン」を開設しており、通報を受けた情報につき事実関係の調査を行い、当社およびグループ各社に必要な対策を講じることとしております。

・腐敗防止、贈収賄防止に関しては、「京福グループの独占禁止法遵守宣言」として「取引先との健全な関係を保持するためのガイドライン」を定め、職場に掲示して全職員に周知しております。

・働き方改革推進関連法に準じ、当社およびグループ各社で労働時間等を管理するための仕組みを整備するとともに、適正な働き方を推進し遵守できる体制を構築しております。

・発生したコンプライアンス違反事案については、原因や背景を検証したうえで、当社およびグループ各社に水平展開し、再発防止に取り組む体制にしております。

 

(2)重要なサステナビリティ項目

当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は、次のとおりであります。

 

(人的資本に関する戦略、指標及び目標)

 当社グループは、お客さまに必要とされる商品・サービスを提供し、企業として持続的に成長していくためには、多様な視点を取り入れた経営が必要であると考えています。当社管理職のうち中途採用者の占める割合は現在25%を超えており、今後も継続してこれを維持することを目指すとともに、女性・外国人・中途採用者の積極的な採用と職域の拡大を進めます。また、ジョブローテーションを促進するほか、多様な価値観を持つ従業員がその能力を存分に発揮できるよう社内環境の整備に取り組みます。当社は、「健康経営優良法人2023」(中小規模法人部門)の認定を受けており、今後も従業員の健康維持・増進に取り組みます。

 当社は、「女性活躍に関する行動計画」(計画期間:2022年4月1日から2027年3月31日までの5年間)において、女性正社員の割合が低いという課題認識のもと、育児休職、育児休業給付等の制度について社内再啓発を行うとともに、求職者に対して積極的な広報活動を実施することにより女性を積極的に採用し、女性正社員の割合を1割以上にすることを目標としております。女性正社員の割合は、9.0%(2023年3月31日現在)であります。

 なお、上記指標及び目標は、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)少子高齢化について

 少子高齢化の進行に伴い、今後就業・就学人口の落ち込みが続いていくものと予測されています。この問題は当社グループにおきましては、運輸業である鉄軌道事業およびバス運送事業の輸送人員の減少を招くこととなり業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)テロ等の社会不安について

 現下のテロ情勢の中で、公共交通機関の一端を担っている当社は、お客様の安全輸送を確保するため、随時、関係省庁からの情報収集に努めるとともに、自主警備の強化を行っておりますが、不測の事態により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)経済の動向について

 景気の大幅な変動により個人消費や民間設備投資が激変する場合、当社グループが提供する製品需要や電車・バス・タクシー等の輸送旅客の減少や価格競争の激化が進展する可能性があります。このような環境下において、当社グループの営業収益や収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)材料・資材価格の高騰について

 今後の経済情勢や国際情勢の変化により材料・資材価格が高騰する可能性および材料資材が不足する可能性があります。当社グループにおきましては単価・内容・発注方法等の見直しなどによる経費軽減を実施しておりますが、価格上昇により業績に影響を及ぼす可能性があります。

  また、バス運送事業、タクシー事業においては、地政学的リスクの高まりにより原油価格の不安定な状況が続くことで燃料費の増加が予想され、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)時価の下落について

 当社グループが保有する棚卸資産、有形・無形固定資産および投資有価証券等は今後時価が著しく下落した場合、減損損失または評価損を計上し業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)事故について

 当社グループは運輸業を営んでおり、安全輸送については従業員教育や業務管理等のソフト面の他、設備改良等のハード面からも万全の施策を実施しておりますが、想定を大きく上回るような事故が発生した場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)市場金利の上昇について

 今後の経済情勢において金利上昇が予測され、当社グループにおきましては金利による負担軽減を図るべく、保有資産の効率性を高め有利子負債の圧縮を目指しておりますが、急激な経済情勢の変動あるいは金融機関等の動向により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)感染症の流行等について

 新型コロナウイルス感染症等の感染拡大によるパンデミックに対し、当社グループにおきましては「危機管理規程」に基づき社長を委員長とした対策本部組織を立ち上げ、状況に応じた対策を図ることとしております。

 また、事業継続計画(BCP)にて、鉄軌道事業あるいはバス運送事業等運輸業の継続運行のため、あるいは、その他事業の継続のための対応を策定しています。

 しかしながら、予想を上回るパンデミックによる不測の事態においては、経済活動や個人消費が大きな影響を受けることにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)自然災害・気候変動について

 当社グループは、自然災害等の発生に対しては社内体制を整備し、緊急時の対応に備えておりますが、万一、大規模な地震や気候変動に伴う風水害や沿線の観光資源である自然環境に想定外の変化等が発生した場合、当社グループの営業活動に著しい支障が生じ、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)電力供給不足への対応について

 原子力発電所の稼働停止により、各電力会社の電力供給能力は大幅に低下し、大規模停電などのトラブルが発生することが予想されます。

 車両運行のため電力を使用する当社にとって、電力供給が不十分となった場合には、車両運行等サービスの安定的な提供が行えず、事業継続に大きな支障が生じる可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の当社グループの営業収益は13,324百万円(前期比1,721百万円、14.8%増)となり、構造改革の推進等によるコスト削減効果もあり、営業利益は1,292百万円(前期比792百万円、158.1%増)となりました。これに、営業外収益および営業外費用を加減した経常利益は1,405百万円(前期比522百万円、59.2%増)となり、特別利益および特別損失ならびに法人税等を加減し、非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は1,223百万円(前期比549百万円、81.6%増)となりました。

 

  セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

   (運輸業)

鉄軌道事業、バス運送事業、タクシー事業ともに、下期以降、回復傾向がみられましたが、通期では新型コロナウイルス感染症拡大以前の売上水準を下回る厳しい結果となりました。

このような状況下においても、嵐山線では人気アニメ「鬼滅の刃」コラボレーションイベントの東映太秦映画村との共同開催や、世界文化遺産高山寺および西日本ジェイアールバスとの連携による「鳥獣戯画きっぷ」の発売、文化庁「観光再開・拡大に向けた文化観光コンテンツの充実事業」の採択を受けた、映画文化の魅力発信と旅行商品販売のウェブサイト「ニッポン シネマレトロ キョウト」の開設など、関係先と連携し沿線地域の魅力を深耕・発信する販売促進策を実施しました。叡山ケーブル・ロープウェイでは、比叡山上の「ガーデンミュージアム比叡」や八瀬地域で開催されたイベントとの連携、京都バス㈱では京都市交通局との一部系統における共同運行開始したほか、政府による行動制限の撤廃や観光支援策実施などの効果もあり、利用客が増加しました。福井地区では、京福バス㈱が交通系ICカードシステムの導入準備に着手、ケイカン交通㈱・福井交通㈱が「京福グループ配車アプリ」と「事前確定運賃」のサービスを開始するなど、2024年春予定の北陸新幹線金沢・敦賀間延伸開業に伴う来訪客増加を視野に各施策を進めました。

運輸業の営業収益は6,899百万円(前期比1,036百万円、17.7%増)となり、営業損失は33百万円(前期営業損失615百万円)となりました。

 

 (提出会社の鉄軌道事業の運輸成績表)

 

種別

単位

当連結会計年度

 

(2022.4.1~2023.3.31)

 対前期増減率(%)

輸送人員

定期

千人

2,709

6.0

定期外

4,931

32.2

7,641

21.5

旅客運輸収入

定期

百万円

248

4.6

定期外

1,003

36.9

1,251

29.0

 

 

 (業種別営業成績)

種別

当連結会計年度

(2022.4.1~2023.3.31)

営業収益

対前期増減率

 

百万円

鉄軌道事業

1,345

29.0

バス運送事業

4,987

15.1

タクシー事業

692

13.2

消去

△125

6,899

17.7

 

(不動産業)

不動産業では、居住系賃貸建物の賃貸収入が引き続き堅調に推移、「BOAT RACE(ボートレース)三国」はプレミアムGIレース「マスターズチャンピオン」の開催や各種販売促進策の実施が奏功し増収となりました。京福電気鉄道㈱が保有する福井口土地では新テナント「クスリのアオキ」が営業を開始、㈱京福コミュニティサービスは福井市福1丁目の賃貸住宅を取得、「Kフォート福」として管理運営をスタートするなど、不動産賃貸事業の更なる強化拡充を図りました。

不動産業の営業収益は5,030百万円(前期比295百万円、6.3%増)となり、営業利益は1,249百万円(前期比47百万円、4.0%増)となりました。

 

 (業種別営業成績)

種別

当連結会計年度

(2022.4.1~2023.3.31)

営業収益

対前期増減率

 

百万円

 不動産賃貸事業

5,779

9.3

 不動産販売事業

95

△52.5

 消去

△844

5,030

6.3

 

 (主な相手先別の収益実績及び総営業収益に対する割合)

相手先

前連結会計年度

(2021.4.1~2022.3.31)

当連結会計年度

(2022.4.1~2023.3.31)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

越前三国競艇企業団

3,532

30.45

3,824

28.70

 

(レジャー・サービス業)

レジャー・サービス業の各施設とも、積極的な営業活動や観光支援策の効果で利用客が増加しました。

ホテル京福 福井駅前では、ホテルの落ち着いた雰囲気を生かしつつ、恐竜をデザインしたパネル照明やカーペットなど遊び心を取り入れた「恐竜ルーム」を8階に2室オープンし、北陸新幹線福井延伸開業後の観光需要の高まりを見据え、ホテルの付加価値を高めました。

レジャー・サービス業の営業収益は1,630百万円(前期比408百万円、33.4%増)となり、営業利益は75百万円(前期営業損失85百万円)となりました。

 

(業種別営業成績)

種別

当連結会計年度

(2022.4.1~2023.3.31)

営業収益

対前期増減率

 

百万円

 ホテル業

721

59.6

 水族館業

508

33.4

 物販業

213

6.1

 その他

202

0.4

 消去

△14

1,630

33.4

 

②キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に加え、減価償却費等の非現金支出項目による資金留保などにより2,334百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ755百万円の収入増となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより1,098百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ123百万円の支出増となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済などにより986百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ49百万円の支出増となりました。

 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は1,950百万円となり、前連結会計年度末に比べ249百万円の増加となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループのサービス・販売等は、必ずしも一様ではないため、セグメント毎に金額あるいは数量での記載は行なっておりません。

 そのため生産、受注及び販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

  ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。

 

 (経営成績の分析)

  当連結会計年度におけるわが国経済は、下期以降、新型コロナウイルス感染症への感染防止策が順次緩和される中、経済活動に穏やかな持ち直しの動きがみられた一方、世界経済の減速懸念や原材料価格高騰などの下振れリスクにより、依然先行き不透明な厳しい状況下で推移しました。

  このような状況のもと、当社グループでは、安全輸送の維持と安心してご利用いただけるサービスの提供、コロナ禍で影響を受けた各事業の業績回復に総力で取り組むとともに、京福バス㈱が2022年4月の京福リムジンバス㈱の吸収合併に続き、2023年2月にケイカン交通㈱・福井交通㈱を完全子会社化し、福井地区交通事業3社の一体的・効率的経営の体制を整備するなどの構造改革を推進した結果、当連結会計年度の営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、それぞれ過去最高となりました。

 

 (財政状態の分析)

  総資産は、有形固定資産の取得などにより、前連結会計年度末に比べ1,029百万円増加し、21,182百万円となりました。

  負債は、長期借入金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ337百万円減少し、11,718百万円となりました。

  純資産は親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,366百万円増加し、9,463百万円となりました。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社グループは、「連結営業収益」、「連結ROE」、「連結有利子負債/EBITDA倍率」を重要な指標として位置付けております。各指標は、以下のとおりです。

 

経営指標

前連結会計年度

当連結会計年度

連結営業収益

11,603百万円

13,324百万円

連結ROE

9.7%

15.4%

連結有利子負債/EBITDA倍率※

4.47倍

2.83倍

※連結有利子負債/EBITDA倍率=(社債+借入金)÷(営業利益+減価償却費)

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 (キャッシュ・フローの状況の分析)

  当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

 (資本の財源及び資金の流動性)

  当社グループの資金需要の主な内容は運転資金及び設備投資資金であり、これらの調達方法につきましては、営業活動により獲得した資金を充当し、不足分を借入金など有利子負債により調達することとしております。

  借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資資金については、長期借入金及び社債の調達を基本としております。

  なお、重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりです。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。