第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は上下水道、ガス、情報通信を中心とした地域インフラ整備に対して、鋳鉄管、鉄蓋、樹脂管及び関連資材の供給を中心とした事業展開を図ってまいりました。インフラに携わる企業として、その機能の維持継続が使命と考えております。しかしながら、管路老朽化が年々進展し更新の潜在需要が増大する一方、人口減少や節水等による事業体収入の減少や、高齢化等による工事の担い手不足といったジレンマが解消されない状態が継続しており、管の供給だけにとどまっていては、使命を果たすことができないという危機意識から、劣化診断サービスの提供等、管路更新サイクル全般に関与する事業スタイルへのシフトチェンジ、すなわち「管路分野の Innovative All in ワンストップ企業」としての地位を確立すべく、活動を続けております。そうした役割を担うことにより、社会的な使命を果たしつつ、継続的に発展していく企業を目指し、環境変化に俊敏かつ柔軟に対応できる企業体質の強化を推し進めてまいります。
 今後も、継続的に株主様等のステークホルダーの皆様にお役立ちできるよう努めてまいります。

 

(2)対処すべき課題

① 鋳鉄管等コア事業の収益力強化

上記基本方針に沿って、以下の3点を課題として取り組んでまいります。
(1) 販売力の強化に向けた新商品・新分野を含めた開発・拡販と需要喚起
(2) コスト競争力の一層の向上
(3) 人材育成の強化と女性活躍の推進ならびにESG経営の推進
これらの課題に対する主な取り組みは以下の通りです。

 

1)AIを活用した管路劣化診断技術の普及と拡販

事業スタイル変革の第一歩として、2018年より、Fracta社とのパートナーシップ契約に基づき、同社のAIを活用した管路劣化診断技術の事業体様への展開を進めてまいりました。その有効性が高く評価され、年々着実に事業体様での採用を拡大してきております。この普及活動にさらにドライブをかけ、拡販に注力してまいります。

2)環境インフラのデジタル情報基盤の整備

DX推進の一環として開発いたしました「だいさくくん」は、スマートフォンやタブレットで、データ収集・集計、自動編集できるDXソフトです。AIを活用し、マンホールの点検業務における作業効率の改善を実現したもので、マンホール点検業務の初回の受注でも高評価を得ました。今後、必要とされる事業体様・点検会社様へのご提案を進めてまいります。

3)新商品「楽ちゃく」の販売

楽に、早く、確実に一人で接合できるプリセット接合工具を開発し、販売開始いたしました。誰でも、楽で正確な接合ができること、従来の半分の時間で接合が可能、作業は管上部からできるクリーン施工の三点をセールスポイントとしており、試用を経てより使いやすい形にバージョンアップし、拡販を進めてまいります。

4)水研様との業務提携の強化

㈱水研と当社で知的財産を共同保有しておりますKATANAバルブは、当社が製造を担い、㈱水研が販売開始いたしました。切粉を一切混入させることなく短時間で簡単に管路にバルブを設置できるようにすることで、水質確保や施工時間の短縮といった社会課題解決に寄与しております。ポリエチレン管の需要が高い海外での展開を視野に入れております。

5)「オセール」の拡販

鉄道、交差点、河川横断等、開削工事が困難な箇所で行う非開削工法における、耐震性能を維持するための治具として、当社は、地上で組み立てが極めて容易で、画期的に工数の削減が可能な「オセール」を開発し、2019年6月より販売開始、毎年拡販を進めてきております。この商品の有用性をさらに広くアピールしていき、認知度を一層向上させ、さらなる拡販を図ってまいります。

6)サスティナビリティへの取り組み

カーボンニュートラルの実現に向け電気炉建設チーム設置を昨年月に設置し、検討を進めております。この検討を進化させ、具体化を図ってまいります。

7)更なる新商品開発とイノベーション

「オセール」・「楽ちゃく」に続く、イノベーティブな新商品開発を実現し、コア事業とのシナジー効果の創出を図ってまいります。

8)一層の合理化の追求と品質の向上

2018年度に大規模合理化を実施し、単年度で中期3か年計画を大きく上回る成果を出しました。2019年度以降も継続したコスト削減活動を実施してきております。引き続き、歩留向上、エネルギーコスト改善、操業の効率化やお客様の満足度を高めるための継続的な品質向上活動を推進してまいります。

9)効率的な新規及び老朽更新の設備投資

策定済の老朽更新計画を着実に進めると同時に新規案件の優先順を明確にし、適時適切な設備投資を計画的に行ってまいります。

10)徹底した業務効率化と高度化

在宅勤務の推進と並行してワークフローシステム化、RPA利用促進など事務作業の効率化を推進しておりますがそれにより、改善業務に充当する比率を高め、収益基盤の増強を図ってまいります。

11)将来を担う若手社員の確保とその育成

30歳代以下の社員が少ないことから、2020年度以降積極的に新卒や若手を中心とした中途採用を進めてきております。採用活動を一層強化するとともに、若手・中堅社員への教育を充実させてまいります。

12)女性活躍の推進

2023年6月20日に開催された第119回定時株主総会において初の女性社外取締役として秋山礼子氏を選任するなど、広く女性活躍の推進に注力してまいります。係長及び管理職の女性の割合を上げるべく、育成と登用に取り組んでおります。2021年4月に当社初の女性部長が誕生し人事部長として活躍しております。

13)ESG経営の推進

ESGに関わる取り組みとして、世界34か国で活動する水・衛生専門の国際NGOウォーターエイドに対し、ダクタイル鉄管の販売本数に応じた寄付を2021年度より開始しました。鋳鉄管を購入いただいた顧客の皆様にも、間接的に参画していただくことでSDGsへの貢献の輪を広げております。また、2022年10月には地元久喜市内の中学校にて水の大切さを教える授業を、NGOウォーターエイドとともに当社社員が実施いたしました。地元や市民の皆様に自然と親しみ笑顔を届けられる活動として、久喜工場近隣の久喜菖蒲公園において、“Nature Play Carnival in Kuki”と称する地域貢献のイベントを2021年11月より開始し、毎月開催しております。

 

また、これらの活動に関わる情報をより広くステークホルダーの皆様にお届けするためのPR、IR活動強化を引き続き進めてまいります。

 

 14)PR・IRの強化

2020年に開設しましたnoteや2021年5月にリニューアルいたしましたコーポレートサイトなどを最大限活用したPR活動や、2021年3月より開始しこれまで5回実施してまいりました個人投資家様向け説明会などを通じ、さまざまなステークホルダーの皆様との双方向のコミュニケーションを行うことで、一層の企業活動の充実に努めてまいります。

 

以上の課題にスピード感をもって取り組み、お客様はじめさまざまなステークホルダーの皆様の期待に沿うよう、引き続き収益改善に向けて打てる手は全て打ち、収益力の強化を図ってまいります。

 

② 経営環境の変化に耐え得る財務体力の強化

引き続き必要なあらゆる収益改善施策を迅速に実行し、着実な業績の向上、更なる財務体質強化を図ってまいります。

今後とも株主の皆様の一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)   サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社グループは、サステナビリティに対する重要性を強く認識し、以下の体制で推進・監視を行っております。

 

1)リスクの洗い出しとリスクマネジメントにつきましては、各部門の推進状況に対して、CSR会議にて監視を行っております。

経営会議では、経営に資するリスク項目であるサステナビリティ項目について、その推進状況について、執行側の視点での監視を行っております。

取締役会では、サステナビリティ項目の推進状況について、外部の視点も加えた監視を行っております。

監査役、監査役会は、適宜執行の対応状況の監視を行っております。

 


 

2)2022年8月30日に経済産業省が公表した「サステナブルな企業価値創造のための 長期経営・長期投資に資する対話研究会報告書:SX実現のためのフレームワーク 」に沿って、当社の検討状況について確認し、今後の課題を認識しながら、取り組みを進めてきております。「SX実現のためのフレームワーク 」が示す項目のうち、「成長と重要な成果指標(KPI)」および独立社外取締役の取締役会における比率について課題はあるものの、長期戦略」、「実行戦略」については既に進めてきております

 

(2)   重要なサステナビリティ項目

上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。

・環境に関するリスク
・社会課題に関するリスク
・人的資本に関するリスク

それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。


① 環境

地球環境問題への対応は、世界的に取り組むべき最も重要な課題の一つであり、カーボンニュートラルの実現に向けた生産体制整備は当社にとって極めて重要な経営課題であります。

取組といたしましては、カーボンニュートラルの実現に向け電気炉建設チームを昨年6月に設置し、検討を進めております。この検討を深化させ、具体化を図ってまいります。

 


② 社会課題

当社の事業は、サービスの提供を受ける市民の目を通して、事業体(自治体)様と取引をさせていただいております。我々の事業に関連する、事業体様や施工会社様の人材不足・技能者不足は業界としても大きな課題と認識しており、当社としても極めて重要な経営課題であります。

取組といたしましては、これまで、こうした課題に対応すべく、いくつかの開発を進めてまいりました。具体的には、誰でも楽に簡単に短時間で施工ができる「楽ちゃく」、鉄道・交差点・河川横断等開削工事が困難な箇所で行う非開削工法にて耐震性能維持しつつ画期的に工数の削減が可能な「オセール」、スマートフォンやタブレットで、データ収集・集計、自動編集できるDXソフト「だいさくくん」などがございます。

また、世界34か国で活動する水・衛生専門の国際NGOウォーターエイドに対し、ダクタイル鉄管の販売本数に応じた寄付を2021年度より行ってきております。さらに、地元や市民の皆様に自然と親しみ笑顔を届けられる活動として、久喜工場近隣の久喜菖蒲公園において、“Nature Play Carnival in Kuki”と称する地域貢献のイベントを2021年11月より開始し、毎月開催しております。


③ 人的資本

当社は、パーパスとして「水が途切れない世界を実現する」を掲げ、原料調達から製造・販売に留まらず、データベース化、診断、設計から工事施工まで一貫して行う「管路分野のInnovative All inワンストップ企業」の実現に向けて取り組んでおります。その実現には卓越した人材集団になる必要があり、採用、人材育成、社員のモチベーション向上は、当社としても極めて重要な経営課題であります。

取組といたしましては、以下の「人材育成方針」と「社内環境整備方針」に沿い、活動を進めてきております。

a-1)人材育成方針

パーパスに掲げた「水が途切れない世界を実現する」ために、誠実に挑戦し続けるスペシャルな人材の確保と育成とモチベーションの向上を特に重要な課題と考えており、以下を進めてきております。

 〇新卒中途採用による人材確保

 〇教育体系整備

 〇インナーブランディングの推進

 

a-2)社内環境整備方針

当社は、埼玉県の多様な働き方実践企業のプラチナ認定を受けており、例えば育児短時間勤務を小学校卒業まで認めるなど先進的な取り組みをしてきておりますが、男性と女性の社員数が大きく乖離があるため、女性人材確保・登用を重点課題として取り組んでまいります。

その重点課題に沿って、2023年度の当社役員につきましては、多様性の視点から、女性の社外取締役の登用を実現いたしました。

 

 

b)開示指標・目標及び実績

当社グループでは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

指標

目標

実績

係長級にある者に占める女性労働者の割合(※1)

2026年3月末までに30%以上

(※4)

30.0%

有給休暇取得率(※2)

2026年3月末までに80%以上

(※5)

83.0%

男女の賃金の差異(※3)

2026年3月末までに73%以上

(※6)

全労働者   71.7%
正規労働者  70.2%
非正規労働者 88.6%

 

(※1)厚生労働省令に基づく「女性の活躍に関する情報公開項目」として、「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」の8項目から「係長級にある者に占める女性労働者の割合(%) 」を選択しております。

(※2)厚生労働省令に基づく「女性の活躍に関する情報公開項目」として、「職業生活と家庭生活との両立」の7項目から「有給休暇取得率(%) 」を選択しております。

(※3)男女の制度上の差異はありませんが、構成差による差異が生じております。当社は女性社員の産休・育休の取得率が100%であり、子供の小学校卒業まで育児短時間勤務を利用する割合が高いため、女性の正規労働者の賃金割合が低くなる傾向にあります。

(※4)2030年までに「指導的地位に占める女性の割合を30%程度」としている政府の目標に準じ、30%以上を目標といたしました。

(※5)厚生労働省は2025年までの目標として70%を掲げておりますが、当社は既に数年前から70%超を継続して達成してきており、80%以上を目標といたしました。

(※6)男女共同参画局が発表している国内企業の平均値は75%となっておりますが、当社は(※3)で示した通り、子供の小学校卒業まで育児短時間勤務を利用する割合が高いため、女性の正規労働者の賃金割合が低くなる傾向にありますので、育児短時間勤務による影響分を加味し、73%以上を目標といたしました。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 

(1) 原材料の価格変動リスク

当社は主たる商品を素材から製造しており、原材料の製造原価に占める割合は約5割となっております。鋼屑、コークス及び石油関連製品の購入価格が国際市況の影響を受け大幅に変動する場合があります。従って、原材料価格の変動は当社の業績を大きく左右する要因となっております。

 

(2)市場リスク

当社グループが取り扱う商品の多くは、地方自治体等の公共事業向けとなるため、各年度の公共事業予算に依存しております。従って、公共事業予算が大きく変動した場合、国内需要及び市況価格が変動し、当社グループの売上高及び業績に大きな影響を与える可能性があります。

 

(3) 貸倒損失の発生リスク

当社は、鋳鉄管等の上下水道用資機材を主に各地域の特約店を経由して配管工事業者等に販売しております。当社の販売先である特約店については、各社の規模、財務状況等を精査し与信額を決定しておりますが、予期せぬ原因で特約店向けの債権の回収が困難になるリスクがあります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

2022年度は、世界的なインフレや円安などによる原材料価格・エネルギー価格・物流費等の諸物価の高騰が、昨年度に引き続き収益面に大きな影響を与えました。こうした諸物価高騰を受け、当社は2021年8月に続き、2022年9月にもさらに10%以上の値上げを余儀なくされ、関係各位のご理解を得ながら、販売価格の改定を進めてまいりました。また工事の人手不足や諸物価上昇影響もあり鋳鉄管の全国需要は昨年度に比して減少しましたが、営業活動の成果として受注品種構成を良化したこと等で売上高を伸ばすことができました。販売価格への転嫁にはタイムラグが生じているものの、これまで取り組んできたシナジーを期待する新規・周辺事業の拡販等の成果やグループ会社の成果もあり、業績は昨年度より好転し、対前年度増収増益を実現いたしました。

 

2022年度は、「水が途切れない世界を実現する」という当社のパーパスに基づき、「管路分野のInnovative All in ワンストップ企業」への歩みをさらに進めてまいりました。

DX推進の一環として開発いたしました「だいさくくん」は、スマートフォンやタブレットで、データ収集・集計、自動編集できるDXソフトです。AIを活用し、マンホールの点検業務における作業効率の改善を実現したもので、マンホール点検業務の初回の受注でも高評価を得ました。今後、必要とされる事業体様・点検会社様へのご提案を進めてまいります。

当社開発商品である、プリセット接合工具「楽ちゃく」は、昨年10月の2022名古屋水道展での実物展示により、ご来場の方々から、高い関心を集めることができました。誰でも楽に簡単に短時間で施工ができることを実演し、現場に寄り添った構造設計になっているということを身近に感じていただきました。試用を経てより使いやすい形にバージョンアップしてまいります。

さや管推進工法対応部品「オセール」については、水道展と併催で行われた「全国会議・水道研究発表会」において「さや管推進工法用推力伝達バンドの開発」というテーマで発表いたしました。これまで利用していただいた施工会社様の多くがリピーターになっていただくなど、大変好評を得ております。

「楽ちゃく」・「オセール」は、人手不足対応や働き方改革など、水道工事事業の課題解決の一助となるもので、人材不足の課題を抱える工事施工会社様にとって、極めて有用であることから、一層の拡販活動を進めているところです。これらは、ESG経営の一環としても取り組んできたものであり、人材不足への対応といった社会問題解決に極めて有用と考えております。

事業パートナーとの取組については、㈱水研が販売開始しましたKATANAバルブは、知的財産を共同保有し、当社が製造を担っているものです。切粉を一切混入させることなく短時間で簡単に管路にバルブを設置できるようにすることで、水質確保や施工時間の短縮といった社会課題解決に寄与しております。ポリエチレン管の需要が高い海外での展開を視野に入れております。

Fracta社とのパートナーシップによるFracta-AI管路診断技術のソフト販売活動についても、継続してご利用いただいている事業体様に加え、いくつもの新規のご利用をいただいており、さらなる進化を遂げてきております。

また、本年4月28日に発表いたしました通り、所期の目的を達成したことからWhole Earth Foundationとの提携関係を解消しましたが、当社は今後とも引き続きインフラへの貢献に取り組み、公共インフラ領域におけるDX推進の先駆者を目指してまいります。

 

こうした「管路分野のInnovative All in ワンストップ企業」を目指す取り組みは、順調に推移しており、2022年度はそうした活動成果をさらに前進させる年となりました。

 

 

当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなっております。

 

売上高につきましては、原材料等諸物価の高騰により販売価格改定を進めてきたこと、受注品種構成の良化、シナジーを期待する新規・周辺事業の拡大、グループ会社の売上高の増加、などにより販売が順調に推移してきており、21億2百万円(前年同期比13.8%)増加し、172億88百万円となりました。

 

収益につきましては、原材料等諸物価の高騰に対するタイムラグはあるものの販売価格の改定や受注品種構成の良化、新規・周辺事業の拡大、グループ会社の収益増加などにより、対前年度増益を実現いたしました。営業利益は1億38百万円増加5億21百万円、経常利益は1億58百万円増加5億76百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億26百万円増加3億62百万円の利益となりました。

 

当社ではESGやSDGsに関わる取り組みを積極的に行っております。2022年度は、カーボンニュートラル実現に向け、6月に電気炉建設チームを立ち上げ、キュポラ代替製法導入検討を急ピッチで進めてまいりました。また、国際NGOウォーターエイドに対して、ダクタイル鉄管の販売量に応じた寄付も継続して実施している一方、10月に工場近隣の中学生約300名を対象とした、水道に関する授業をウォーターエイドと共同で行いました。また、久喜工場近隣の久喜菖蒲公園にて、地域の皆様に自然と親しめるイベントを一昨年11月より開始し、好評を得ながら毎月開催してきております。今後も、ESGやSDGsに関わる取り組みを積極的に進めてまいります。

 

引き続き、株主の皆様をはじめステークホルダーの皆様のご期待に添えるよう、種々の経営施策を着実に実行し、さらなる安定利益を確保するように努力してまいりますので、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

セグメントの経営成績は、以下の通りであります。

 

ダクタイル鋳鉄関連

当連結会計年度の売上高につきましては、原材料等諸物価の高騰により販売価格改訂を進めてきたこと、受注品種構成の良化、シナジーを期待する新規・周辺事業の拡大、グループ会社の売上高増加により、前年同期と比べ20億93百万円(前年同期比15.7%)増加し、154億36百万円となりました。

セグメント利益につきましては、原材料等諸物価の高騰に対するタイムラグはあるものの販売価格の改定や受注品種構成の良化、新規・周辺事業の拡大、グループ会社の収益増加などにより、前年同期と比べ2億46百万円(前年同期比231.2%)増加3億53百万円となりました。

 

樹脂管・ガス関連

当連結会計年度の売上高につきましては、親会社の樹脂管・ガス関連事業の売上が増加したこと等により、前年同期と比べ8百万円(前年同期比0.5%)増加18億51百万円となりました。

セグメント利益につきましては、原材料価格及び電力・ガス・物流費等の諸物価の上昇の継続により、前年同期と比べ1億15百万円(前年同期比41.6%)減少し、1億62百万円となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

ダクタイル鋳鉄関連

8,663

+13.8

樹脂管・ガス関連

700

+5.9

合計

9,363

+13.2

 

(注) 1. セグメント間取引はありません。

2. 金額は販売価格を以って計上しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

ダクタイル鋳鉄関連

15,532

+12.9

2,561

+3.9

樹脂管・ガス関連

1,858

+1.1

10

+197.0

合計

17,391

+11.5

2,571

+4.2

 

(注) 1. セグメント間取引はありません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ダクタイル鋳鉄関連

15,436

+15.7

樹脂管・ガス関連

1,851

+0.5

合計

17,288

+13.8

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

太三機工㈱

2,375

15.6

2,772

16.0

東京ガスネットワーク㈱ (※)

1,325

8.7

1,314

7.6

 

※2022年4月1日より東京瓦斯㈱のガス導管事業等が東京瓦斯㈱の100%子会社である東京ガスネットワーク㈱に承継されたため、前連結会計年度の数値は東京瓦斯㈱に対する販売高及び割合を記載しております。

 

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、186億4百万円と前連結会計年度末と比べ8億24百万円増加しました。

これは主に「現金及び預金」が9億17百万円減少したものの、有形固定資産の「機械装置及び運搬具(純額)」が2億39百万円増加、流動資産の「電子記録債権」が7億69百万円増加、「売掛金」が4億83百万円増加、「商品及び製品」が2億95百万円増加したことによるものであります。

負債合計は、98億24百万円と前連結会計年度末と比べ4億36百万円増加しました。

これは主に流動負債の「短期借入金」が3億円増加したことによるものであります。

純資産合計は、87億80百万円と前連結会計年度末と比べ3億88百万円増加しました。

これは主に配当金の支払いによる減少(70百万円)があった一方で、「親会社株主に帰属する当期純利益3億62百万円の計上等により「利益剰余金」が増加したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、21億94百万円と前連結会計年度末に比べて9億17百万円の減少となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の減少は、3億80百万円(前連結会計年度は4億19百万円の増加)となりました。

これは主に、増加要因としての税金等調整前当期純利益5億60百万円、減価償却費3億69百万円があった一方、減少要因としての売上債権の増加額11億39百万円があったこと等により資金の減少が資金の増加を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、7億30百万円(前連結会計年度は8億2百万円の減少)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出5億56百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の増加は、1億93百万円(前連結会計年度は1億83百万円の減少)となりました。

これは主に、配当金の支払による支出70百万円があった一方で、短期借入金の増加額3億円があったこと等によるものであります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、産業活動や日々の生活に欠かせない水・エネルギー・情報・通信などを輸送・供給するための各種管材料及びその他の商品を提供することにより、社会に貢献することを会社存立の基本理念としてまいりました。

そのなかで、技術対応として商品開発、施工技術の強化を行い、次世代を見据えた商品の育成を推進するとともに、外部各種団体の研究会に参加し、市場動向と研究開発の情報収集に努めてまいりました。製造部門においても、技術開発による生産性と品質の向上をはかり、収益の改善及び企業体質の強化を目指しております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は38百万円であり、各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果は次のとおりであります。

 

(1) ダクタイル鋳鉄関連

水道用ダクタイル鉄管の主力商品である耐震管につきましては、長寿命が期待できるGX形を積極的に販売しており、これら耐震管の施工性向上を目的とした開発に注力致しました。

その中で、昨年度に開発を行った開削工法用接合工具(商品名:楽ちゃく)について、本年度は適用呼び径の拡大を実施し、より大きい呼び径での接合において作業の効率化が図れることを確認しております。

当連結会計年度におけるダクタイル鋳鉄関連に係る研究開発費は38百万円であります。

 

(2) 樹脂管・ガス関連

当連結会計年度における樹脂管・ガス関連に係る研究開発費の発生はありません。