第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、

①常に研究開発に励み、独自の技術を駆使することによって社会と環境に貢献し、顧客とともに栄える会社

②誠意(信)と協調(和)を基本とし、各自の個性を尊重し合いながら、全力を発揮出来る楽しい会社

③国際的視野にたち、自らの向上にチャレンジするインテリジェントな会社

④いたずらにスケールメリットを求めず、適正利潤により全社員の生活向上と、福祉の充実を図れる会社

を経営理念とし、企業ニーズに最適な水処理ソリューションを提供してまいります。

 

(2)中期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標

当社グループは、アジアにおける半導体・FPD・製薬工場向け純水・超純水装置の卓越した企業を目指すことを中長期的な目標に掲げており、2021年に発表した中期経営計画「HiPES-2023(リバイス)」に取り組んでおります。この目標を達成するために、国内・韓国・中国・台湾を中心とするアジアでの競争力強化と受注拡大に注力し、迅速かつきめ細かな対応による差別化を図り、環境等に対するニーズを的確に捉え、

①国内:半導体・製薬関連装置の積極受注及びメンテナンス拡大による安定収益の確保

②韓国:最先端半導体投資の確実な受注と投資再開が見込まれるFPD市場への対応

③中国台湾:半導体関連企業を中心に採算性を重視した受注活動への注力

④製薬業界へのUF膜法による注射用水製造装置の提案・受注活動強化

⑤コストダウン、経費削減の継続

に取り組み、事業展開を図るとともに、エンジニアリング体制及び外部ネットワークとの連携強化や最先端半導体向け超純水製造装置開発、分析技術の向上、人材活性化等の企業基盤強化策を推進しております。

また、当社グループは収益性を示す連結売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付け、当該指標の継続的な向上により企業価値増大を図ってまいります。2023年3月期における連結売上高営業利益率は13.2%となっておりますが、コスト低減、経費削減とともに新規市場開拓、周辺事業拡大及び高付加価値商品の拡販等による更なる向上を目指してまいります。

 

(3)経営環境及び会社の対処すべき課題

当社グループは、超純水製造装置の設計・施工・販売とそのメンテナンス及び消耗品の販売を主たる業務としており、国内では半導体及び製薬関連企業の堅調な投資が見込まれ、海外では韓国・中国・台湾を中心に半導体・FPD関連企業の工場新設が継続する見通しであり、最近ではアメリカ、その他の地域からの受注も増加しております。

このような経営環境の下、当社グループは水処理の研究開発及び技術力の向上に積極的に取り組むことにより、半導体を中心とする最先端産業の発展・向上に貢献するとともに、超純水分野で培った技術をベースに環境負荷低減に貢献する製品開発を更に強化すること、並びに超純水製造技術を製薬業界向け注射用水・精製水製造装置などに応用し、健康支援の一端に寄与することで、中期経営目標の達成に向けた事業活動をグループ一丸となって推進しております。

これを実現させるための課題としては、①営業力の強化、②エンジニアリング体制及び外部ネットワークとの連携強化、③受注採算の改善、④継続的な研究開発による顧客への最適システムの提案、⑤優秀な人材の確保等が重要な経営課題と認識しております。

なお、新型コロナウイルス感染症と長期化により、景気の先行きは予断を許さない状況となっております。当社グループといたしましては、進行中の案件に関しては感染症に最大限の注意を払いながら工事を続行する等、現時点で中断や延期等の情報は無く、大きな影響は見られておりません。しかしながら、先行き不透明な状況でもあることから、今後の事業環境の推移を注視し、開示すべき事象が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。

 

 

 

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は、2021年11月「サステナビリティ基本方針」を策定し、当社のサステナビリティに関する考え方をまとめるとともに、5つの重要課題を掲げ、それら重要課題に対する当社の取組み姿勢を示しております。

 

■サステナビリティ基本方針

私たち、野村マイクロ・サイエンスは、『水の純化とその関連技術を通して社会に貢献し、持続的に成長できる会社』を基本理念に掲げ、事業活動に関わるすべてのステークホルダーと手を携えながら、社会課題解決への取組みを通して、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、持続的な企業価値の向上を目指しております。

<環境問題への取組み>

私たちは、低炭素社会や循環型社会などの実現に向けた取組みを通して地球環境の保護に貢献します。

<人権の尊重>

当社は、事業活動に関わるすべての人の個性や人権を尊重した行動を実践します。

<職場環境への配慮と人材育成>

当社は、安全で働きがいのある職場環境を整備するとともに、従業員が自らの能力を最大限に発揮することができるよう積極的な支援に努めます。

<法令・社会規範の遵守>

当社は、法令・社会規範の遵守を徹底するとともに、誠実かつ公正な事業活動により、社会から信頼される存在であり続けます。

<地域社会への参画・貢献>

当社は、地域社会の一員として、住民との対話と協働を通して、地域社会の発展に貢献します。

 

また、当社は、「サステナビリティ基本方針」に掲げた重要課題に応じて取組み項目を定め、具体的な実施事項及び定性的あるいは定量的な目標を設定し、サステナビリティを巡る取組みとして実行しております。

 

■2022年度 サステナビリティを巡る取組み

<環境問題への取組み>

・当社水処理装置による環境貢献(Scope3 Category11:2030年度までに温室効果ガス排出量を2019年度比で15%削減)

・事業活動における温室効果ガスの排出量削減(モーダルシフトの推進、再生可能エネルギーの利用、社用車としてガソリン車からエコロジーカー(EV・HV等)への転換など)

<人権の尊重>

・「ビジネスと人権」に関する取組(人権方針の策定、人権デュー・ディリジェンスの仕組み構築)

<職場環境への配慮と人材育成>

・ダイバーシティの推進(女性管理職比率2025年度までに5%、2030年度までに10%、新卒採用女性比率20%以上の確保など)

・ワークライフバランスの実現(働きがいと働きやすさを両立するための施策の展開など)

<法令・社会規範の遵守>

・コンプライアンス委員会による法令遵守の徹底

・社員コンプライアンス研修の実施(年2回)

<地域社会への参画・貢献>

・地域美化活動、災害時における地域住民への支援、感染症予防への援助、国土緑化活動への支援など

 

(1)サステナビリティ

①ガバナンス

当社においては、代表取締役社長執行役員がサステナビリティを巡る取組み全体の責任者として当社のサステナビリティにおける主導的な役割を担っており、常勤の取締役などで構成されるサステナビリティ委員会を諮問機関として設置し、自ら委員長に就任しております。

サステナビリティ委員会は、毎年度におけるサステナビリティを巡る取組みについて審議を行い、委員長である代表取締役社長執行役員に対して答申するとともに、取組みの状況・結果について定期的にレビューを行い、必要に応じて取組みの見直しを審議します。

サステナビリティ委員会の審議を経たサステナビリティを巡る取組みは、取締役会での決議を経て確定し、代表取締役社長執行役員を中心に全社的な取組みとして社内へ周知のうえ推進されるとともに、これらの取組みの状況については定期的に取締役会へ報告されることとしております。当該報告を受けた取締役会は、サステナビリティを巡る取組みに対して適切に評価・監督を行うとともに、必要に応じて助言を行います。

当社は、このように、「サステナビリティ基本方針」のもと、代表取締役社長執行役員を責任者として、サステナビリティを巡る取組み全体を推進しており、サステナビリティを巡る取組みの状況・結果についてはサステナビリティ委員会が評価し、必要に応じて取組みの見直しを行う体制を構築しております。そして、サステナビリティを巡る取組みの状況・結果、並びにこの体制の有効性を取締役会が適切に評価・監督を行うことで、実効性を確保しております。

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②リスク管理

当社は、各部門が認識・把握したサステナビリティに関連したリスクを代表取締役社長執行役員に報告することとしており、当該部門での一次的なリスク評価の結果、重大なリスクと判断されたものについては、経営会議へ報告され、経営会議において二次的なリスク評価を行います。経営会議において重大なリスクと判断された場合には、代表取締役社長執行役員は、当該リスクに対する具体的な取組みについて検討を行ったうえで、当該リスクに対する取組みをサステナビリティ委員会へ答申します。サステナビリティ委員会における審議の結果、継続的な取組みとして実行する必要があると判断された場合、当該リスクに対する取組みは、当社のサステナビリティを巡る取組みに組み入れられるとともに、取締役会の監督下に置かれ、定期的な取組み状況の報告及び評価・見直しの対象となります。

 

(2)個別項目

a.気候変動(TCFDへの対応)

①ガバナンス

当社は、「(1)サステナビリティ①ガバナンス」に記載したとおり、代表取締役社長執行役員をサステナビリティを巡る取組み全体の責任者、サステナビリティ委員会を代表取締役社長執行役員の諮問機関、取締役会をサステナビリティを巡る取組みの評価・監督機関として、サステナビリティを巡る取組みを推進しておりますが、気候変動に対する取組みについても同様のガバナンスにより推進しております。

なお、気候変動に対する取組みについては、サステナビリティ委員会で気候関連のリスク及び機会の評価を行い、その評価に基づく必要な対応策について審議のうえ、戦略に反映しております。

 

②戦略

当社は、国際エネルギー機関(IEA)のSTEPS(公表政策シナリオ)・SDS(持続可能な開発シナリオ)や国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP2.6(2℃シナリオ)・RCP8.5(4℃シナリオ)などに基づき、2030年および2050年における当社の事業遂行上のリスクと機会並びに財務的な影響の分析・評価を行うとともに、以下のとおり気候変動への対応策の検討を実施しました。

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当社は、シナリオ分析において、「既存製品/サービスの低炭素オプションへの置換」、「環境意識の高い企業の増加による消費行動の変化」に起因する従来型製品の売上の減少(リスク)による財務的な影響度が非常に大きくなるものと評価した結果、当社が製造する水処理装置を通して温室効果ガスの排出を抑制し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することが最重要課題であるとの認識に至りました。また、この最重要課題に適切に対応することが機会である「R&Dとイノベーションを通じた低炭素型製品/サービスの開発、それらに伴う販売の拡大」にも繋がるものと考え、対応策の一部については、当社中期経営計画(HiPES-2023)における営業戦略に反映しております。

なお、シナリオ分析においては、以下の表に示す政府機関および研究機関で開示されているシナリオなどを参照して、重要度の評価及び財務影響の分析を実施しております。

 

■ IEA 『World Energy Outlook 2020』(2020年)

・STEPS(公表政策シナリオ) / ・SDS(持続可能な開発シナリオ)

■ IPCC 『AR5』

・ RCP2.6(2℃シナリオ) / ・ RCP8.5(4℃シナリオ)

■ 厚生労働省 『医薬品・医療機器産業実態調査』(2019年)

■ 一般社団法人 日本半導体製造装置協会 『半導体・FPD製造装置需要予測』(2021年)

■ 中小企業庁 『中小企業白書』(2019年版)

 

③リスク管理

当社は、将来における気候上昇のシナリオとして、2℃と4℃の気温帯を想定し、2030年および2050年におけるシナリオ分析を実施しております。具体的には、当社のサプライチェーンを念頭に、当社全体、及び当社各プロセスにおいて想定しうるリスクを特定し、2℃と4℃シナリオでどのような財務影響が起こるかを想定し、重要度の評価をしました。

特定された気候変動に関するリスクに対しては、代表取締役社長執行役員を中心としてリスクの回避、軽減、移転、受け入れ、コントロールに関する方針の策定や対応策の立案を行い、サステナビリティ委員会での審議を経たうえで、気候変動に関するリスクマネジメントを行います。また、サステナビリティ委員会における審議の状況、並びに気候変動に関するリスクへの対応策の実施状況及びその結果については、サステナビリティを巡る取組みとして代表取締役社長執行役員より取締役会へ報告が行われるとともに、取締役会が適切に評価・監督を行います。

 

④指標及び目標

当社は、シナリオ分析の結果、当社が手掛ける水処理装置を通して温室効果ガスの排出を抑制することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することが重要であると認識し、対応策の一部については、中期経営計画(HiPES-2023)における営業戦略に反映しております。具体的には、蒸留法の装置に代えて環境配慮型の装置であるUF膜法による注射用水製造装置を積極的に提案し、販売を増加させていくとともに、超純水製造装置の省エネルギー技術を発展させることでも温室効果ガスの排出量の削減を図ってまいります。

加えて、低炭素型製品の開発や低炭素貢献技術の開発などに対して積極的に投資を行うことで、新たな環境配慮型製品を生み出し、温室効果ガス排出量の削減に貢献していきたいと考えております。

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なお、当社は、上記目標とは別に、「サステナビリティ基本方針」で定めるマテリアリティのひとつ「環境問題への取組み」の一環として、モーダルシフト(トラック・内航船輸送から鉄道輸送への移行)の推進、再生可能エネルギーの生産・利用(太陽光パネルの設置等)、社用車としてガソリン車からエコロジーカー(EV・HV等)への転換の推進などにより、Scope1、Scope2においても温室効果ガスの排出削減に取り組んでまいります。

(3)人的資本

①戦略

■人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針、社内環境整備に関する方針

私たち、野村マイクロ・サイエンスは、経営理念において『誠意(信)と協調(和)を基本とし、各自の個性を尊重し合いながら、全力を発揮出来る楽しい会社』と『いたずらにスケールメリットを求めず、適正利潤により全社員の生活向上と、福祉の充実を図れる会社』を掲げており、超純水製造装置をはじめとする水処理装置事業を中核として、経営理念の推進に取り組んでまいりました。

また、基本理念である『水の純化とその関連技術を通して社会に貢献し、持続的に成長できる会社』に基づき2021年に策定した「サステナビリティ基本方針」では、「職場環境への配慮と人材育成」を重要課題の一つとして掲げています。私たちは、安全で働きがいのある職場環境を整備するとともに、社員が自らの能力を最大限に発揮することができるよう人材育成に投資を行うことで、会社と社員を共に成長させ、企業価値を高めてまいります。

本方針は「人材の育成、人材の多様性の確保、人材が成長できる環境の整備」を推進するための指針として、外部の専門機関の助言を得ながら、代表取締役社長執行役員が委員長を務めるサステナビリティ委員会において審議を行ったうえで、取締役会の決議に基づき策定しております。

当社は、この本方針に従い、すべての社員が互いに協調し、成長し、やりがいを常に感じられる環境で働くことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

[個別の方針]

1)人材育成

持続的な企業の成長を支えるには人材の育成が不可欠であるとの考えから、階層別研修、専門知識のセミナー受講、eラーニングなどの様々な研修施策や経験豊富なシニア社員による若手社員への教育を実施し、人的資本への積極的な投資を行ってまいります。

2)ダイバーシティ&インクルージョンの推進

当社のさらなる発展のためには、多種多様な人材の活躍が必須と考えております。当社売り上げの6割を超える海外においては、顧客とのコミュニケーションの強化は不可欠であることから、言語や習慣がわかる人員を確保すべく現地採用を積極的に行っております。また、男女を問わず様々なスキルを持った人材の採用を進めていることから、これまで男性が多かった部署やフィールドにおいて活躍する女性も増えております。さらに障がいを持つ社員については、能力を最大限に発揮できるようにバリアフリー化をはじめとした働きやすい環境の整備を進めております。このようにして「ダイバーシティ&インクルージョン」を積極的に経営に取り入れてまいります。

3)職場環境の整備

働きやすい職場環境を整えることにより、完成度の高い製品を産み出し、細やかで質の高いアフターサービス等を顧客に提供することが可能となり、結果として顧客満足度の向上及び会社の持続的な成長に繋がると考えております。そのため当社では、社員のライフステージ、ライフスタイルに対応する様々な勤務制度を設けるだけでなく、社員に対して調査を行い、その結果に基づき制度等の改善を図るなど、社員がやりがいを感じて働くことのできる職場環境の整備を進めております。

4)安全と健康の確保

「安全は全てに優先する」との考えに基づき、総括安全衛生管理者の下、「災害0」を目指して安全衛生活動を推進しており、毎月開催の安全衛生委員会においては、月次で活動テーマを掲げ、安全と健康の確保に努めております。また、社員の健康確保を目的として、疾病予防の為の支援や人事部による相談対応等を行い、全ての社員が心身共に健康で業務に取り組めるようにウェルビーイングの向上に努めております。

5)コンプライアンス

全ての社員が「各種法令及び社内規程を遵守することにより、一人ひとりの人権を尊重し、ハラスメントを起こさない。」との当事者意識を持ち続けるために、社内外での啓蒙活動を継続的に行い、コンプライアンスの遵守と問題発生の未然防止に取り組んでまいります。

 

■具体的な取り組み

当社は、「人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針、社内環境整備に関する方針」の個別の方針の各項目に応じて、以下のとおり具体的な取組みを行っております。

1)人材育成

取組み事項

内容・状況

階層別研修

新入社員研修、3年目研修、5年目研修、主任研修、リーダー研修、マネージャー研修、部長研修、役員研修の各研修を実施もしくは実施予定としております。

専門知識のセミナー受講

各部署で必要な知識を得るためのセミナー受講を促し、また費用を会社が負担することで、従業員の能力アップを図っております。

eラーニング

各部署で必要な知識を得るための説明動画等を社内イントラネットに用意し、従業員が受講しやすくしております。

OJT制度

新入社員の配属部署の先輩社員が新入社員のOJT担当者となり、OJTにて部署での業務遂行に必要な様々な事項を教育し、新入社員の早期育成に繋げております。

上記に加え、今後は下記の取り組み等により、更に人材育成を図り、生産性向上に繋げます。

◆シニア人材の研修による若手社員の早期育成

経験豊富なシニア人材が研修を通じて、若手社員へ技術や知識を伝達し、若手社員の早期育成に繋げます。

◆DX人材の育成

現在、業務効率化を目的にシステム担当部署を中心にDX化可能な業務の洗い出しを行っております。今後は研修を通じて、各部署のDX化推進に携わる人材の育成を強化します。

 

2)ダイバーシティ&インクルージョンの推進

取組み事項

内容・状況

現地採用の推進

事業展開国(韓国、中国、台湾、米国)の子会社にて、積極的に雇用。連結ベースで2023年3月31日現在の外国人従業員比率は29.0%、また外国人管理職比率は25.8%となっております。

女性採用

2023年4月の新卒入社人数に占める女性割合は23.5%。

※20%以上を目標として、設定しております。

※2019年度から2023年度の5年度通算では25.5%となっております。

女性管理職登用

女性管理職比率を連結ベースで2025年までに5%、2030年までに10%とすることを目標として設定しております。

連結ベースで2023年3月31日現在の女性管理職比率は7.5%となっております。

障がい者雇用

社員数の増加に伴い、2022年7月より、法定障がい者雇用率(2.3%)を下回る状況(1名不足)となりました。2022年12月にバリアフリーの新本社棟が竣工しましたので、新本社棟で働くことができる障がい者の採用活動を行っております。

シニア人材の活用

60歳の定年後、70歳まで勤務を継続できる制度を導入しており、豊富な経験・知識を部署の業務遂行に活用しています。また再雇用時には勤務時間を通常の80%にして雇用する形も用意しており、2018年度から2022年度までの5年間に定年退職を迎えた従業員うち、95%が継続雇用となっております。

積極的な中途採用

当社は以前より中途採用活動を積極的に展開しており、2018年度から2022年度の5年間で年平均18.6名の中途採用をしております。

※2018年度から2022年度までの5年間における新卒採用者数の平均は10.2人となっております。

中途採用者の管理職登用

従来より管理職への登用を従業員の人格・資質・能力・経験・実績などを総合的に評価することで行っております。2023年3月31日現在の中途採用者の管理職比率は62.3%であり、半数以上となっております。

サクセッションプラン作成

組織上重要なポジションが将来時点で欠けることがないように、その後継者候補を選び、育成プランを立て、実施しております。また、そのプランは毎年見直しを行っております。

面接重視の採用

当社は超純水製造装置の販売、設計、製造、納入の各段階で顧客、仕入先、協力会社とのコミュニケーションが不可欠ですので、学歴や職歴に捕らわれず、採用に関しては面接でのコミュニケーションを重視しております。

 

 

3)職場環境の整備

取組み事項

内容・状況

子育て支援

男性も取得可能な育児休暇・介護休暇・短時間勤務制度を設け、社員の業務環境の安定化を推進しております。短時間勤務制度は子供が小学三年生終了時まで、利用可能としております。

フレックスタイム制度

コアタイムを10:00~12:00として、コアタイム以外の時間を従業員が柔軟に活用できるようにしております。

毎月第三金曜日の公休日

毎月第三金曜日を公休日とすることで、有休を使用せず、官公庁の所用などを済ますことが出来、また毎月三連休を設定することで従業員のリフレッシュとモチベーションの向上を図っております。

従業員エンゲージメント調査

2023年度より、年1回の従業員エンゲージメント調査を行います。その調査結果を分析し、把握された課題について、改善を行います。また労働組合、従業員の声に耳を傾けて、従業員がやりがいを感じて働くことのできる職場環境を目指し、日々改善に努めております。

メンター制度

2023年度より新卒採用社員には5年目程度の社員を公私共に相談できるメンターに指名し、部署では悩みや意見が発言しづらい新卒採用社員のメンタルケアを行い、アドバイスを授けています。また会社として対応が必要な事項は人事部を中心に対応して改善を図っております。

中途採用者との面談

2023年度より、入社後3ヶ月を経過した中途採用者と人事部が悩みや意見を聞く面談の場を設けています。面談で伝えられた改善が必要な事項は人事部が必要に応じて、中途採用者の部署長と協議して、改善を図っております。

4)安全と健康の確保

取組み事項

内容・状況

雇い入れ時の安全衛生教育

新卒採用、中途採用に関わらず、入社時に人事部より、雇い入れ時の安全衛生教育を行っております。

安全衛生責任者による

現場パトロール及び教育

本社に総括安全衛生管理者を配置し、必要に応じて、当社装置の納入現場のパトロール及び現場スタッフへの安全衛生教育を行っております。

安全衛生委員会の開催

総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、安全運転管理者、産業医の他、会社側と労働組合側それぞれの委員で構成される安全衛生委員会を毎月1回開催しています。安全衛生委員会では月次で活動テーマを掲げ、安全と健康の確保に努めております。

外部リソースの活用

業務量の増加に対して、従業員のみでは対応が難しい場合には外部リソースを有効活用することにより、従業員の長時間労働を防止しております。

人間ドック費用補助

人間ドックを受診する社員について、野村健康保険組合の費用負担とは別に会社が一部、費用を負担することにより、人間ドックの受診を促進し、従業員の生活改善、疾病の早期発見に努めております。

がん罹患対策

2023年より、外部機関の「だ液によるがんリスク検査」を会社で契約し、また費用を一部補助することで従業員は廉価で検査を行うことができ、従業員の早期のがん発見・がん治療に繋げております。

 

 

5)コンプライアンス

取組み事項

内容・状況

インサイダー取引防止

当社は上場企業であることの責任により、従業員だけでなく、派遣社員にもインサイダー取引防止に関する教育を行っております。また従業員の自社株の売買時には事前の売買申請、情報取扱責任者による承認、売買後の報告を必須としており、インサイダー取引を防止しております。

業務遂行に関わる法令の遵守

業務遂行に当たっては会社法、労働基準法、下請法、外為法など様々な法令を遵守する必要があります。そのため、会社及び各部署においては理解が必要な法令に関連する研修やeラーニングを従業員に積極的に受講を促し、法令遵守に努めております。

社内規程の遵守

当社では法令に基づき、従業員が遵守すべきルールである社内規程を定めております。主要な規程の内容及び規程遵守の必要性を入社時に説明し、規程の遵守に努めております。社内規程は法改正及び社会情勢の変化等にて改訂を行い、従業員の適正な業務遂行に支障がないようにしております。

契約内容の遵守

顧客、仕入先、協力会社等の多くの取引先との取引において、契約書が必要になります。当社では全ての従業員に契約書の重要性と契約条項の内容について、教育を行い、契約内容の遵守に努めております。

ハラスメント防止

一人ひとりがお互いの人権を尊重し、ハラスメントがない職場環境を構築する為、eラーニングを中心とした教育を従業員に行います。また管理職に対しては適宜、集合研修にて、パワハラを中心にハラスメント防止の教育を行っております。

労働組合との協議

当社では管理職を除く正規従業員で構成される労働組合があり、賞与・昇給については定期的に労使協議を行い、合意を図っております。また、労働組合は随時、会社に協議の場を求めることが出来、会社は労働組合の求めに応じて、協議を行っております。

内部通報窓口の設置

内部通報規程を定め、従業員が職場における法令違反行為、社内規程違反行為、企業倫理違反行為を知った時に弁護士及び常勤の監査等委員に匿名で通報が可能な制度を設けております。

反社会的勢力の排除

反社会的勢力との一切の関わりを持たないことを目的として、社内体制の整備・従業員の教育・外部専門機関との連携等の一連の取組みを行っております。

 

②指標及び目標

当社は、「人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針、社内環境整備に関する方針」の個別の方針2)ダイバーシティ&インクルージョンの推進を重要課題と認識し、以下の各項目を指標として設定し、重点的に取り組むこととします。

項目

当事業年度の状況

目標

女性管理職比率

(注)1

7.5%

2030年までに10%とする

新卒採用女性比率

(注)2

23.5%

2024年4月の新卒採用女性比率を20%以上とする

障がい者雇用率

(注)3

2.3%

2024年3月末までに2.3%以上とする

(注)1.女性管理職比率は、連結子会社を含めた連結ベースでの状況及び目標となっております。

2.連結子会社におきましては、新卒採用を行っていないことから、新卒採用女性比率は提出会社の状況及び目標となっております。

3.障がい者雇用率は、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)に基づくものであることから、提出会社の状況及び目標となっております。

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)特定業種・顧客への依存

当社グループの主力事業である水処理装置事業は、電子部品関連、特に半導体市場が主要マーケットとなっておりますが、半導体用途の拡大、微細化、高集積化を背景に設備投資規模・投資件数が拡大するなど当社グループ業績拡大の要因である反面、主要顧客の投資動向による需要の変動が避けられない状況にあります。したがいまして、予期せぬ市場変動等によって顧客の設備投資計画の延期・凍結等があった場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループはこのような市場変動に対応するため、顧客の投資動向等に関する情報収集に努めております。また中期的な成長戦略として、半導体をはじめとする電子産業のほか、国内を中心とした製薬関連分野の成長加速に注力するとともに、メンテナンス及び消耗品受注を促進し、安定収益の確保に努めております。

(2)海外事業

当社グループはアジアを中心に各国・各地域で事業を展開しており、海外売上高比率は概ね70%となっております。今後もアジアを中心とした海外市場での競争力強化と受注拡大に注力していく方針ですが、海外市場においては、政治・経済の混乱、社会情勢の変化、予期せぬ法令・規制の変更等のリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、近年では米中貿易摩擦による輸出入規制の強化、ロシア・ウクライナ情勢、台湾情勢等の地政学的リスク等が高まりつつあります。

当社グループでは、事業展開している地域の情報収集を海外拠点とともに積極的に実施し現状把握に努めるとともに、法令・規制の変更等については現地の弁護士、会計士等へ随時確認を行う等、国際情勢や規制の影響を受けにくい運営体制の構築を推進しております。

 

(3)サプライチェーン

当社グループは機器等資材の外部調達に加え、装置の据付については協力業者等へ外部委託しております。そのため、地震、水害等の自然災害、テロ、感染症等の不可抗力による被害・事故等が生じた場合、機器等がタイムリーに供給されない可能性があるとともに、製品供給元や協力業者の事業展開、稼働状況、人員不足等の状況により資材価格の高騰、納期の長期化等が発生する可能性があります。これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、経済環境の変化、為替変動等により原材料価格やエネルギー価格が高騰し、資材価格や工事費の上昇等が発生した場合も、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、厳格な原価管理のもと、資材複数購買実施による調達品の確保、納期長期化が予想される機器等についての在庫化、予想発注等による納期対応・コストダウン等を実施するとともに、協力会社と需給情報を共有するなど外部ネットワークとの強化を図っております。また顧客とは販売価格の交渉を継続し、販売価格への転嫁に努めております。

 

(4)品質

当社グループは顧客工場内に設置する水処理装置の品質向上に日々取り組んでおりますが、顧客要求の高度化・短納期化、設備の複雑化が進み、設計及び施工の難度がますます高まっております。そのため、設備の設計・製作・施工については品質管理のルールを制定し、関連法規の遵守・最新基準への適合及び外部購入品の品質管理を進めております。当社グループが提供している製品・サービスに不具合・瑕疵等が発生した場合には、不具合対応費用や損害賠償責任の発生、当社グループに対する信頼性の低下など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループはISO9001に基づく品質マネジメントを構築し、顧客との商談時より技術検討会を実施し、品質リスクの抽出と把握を進めるとともに、設計時のデザインレビュー、主要なサプライヤーの品質監査、施工進捗に合わせた各種検査及び試運転による最終性能試験の実施等、各プロセスにおける品質確認を実施しております。また、重大な瑕疵と発生の抑制に向けて、全社的な品質管理体制の強化と各部門間で知見・ノウハウを共有する横断的仕組みの導入・改善を進めております。製品・サービスの不具合・トラブル、クレーム等が発生した場合には、迅速な是正対応とともに発生原因の究明を実施し、再発防止の徹底に努めております。

 

(5)人材確保

当社グループが持続的成長を実現するためには、継続的に優秀な人材を確保していくことが重要となります。したがいまして人材を計画通りに採用、育成ができない場合、また優秀な人材が離職した場合には長期的に開発力、生産能力、競争力の低下を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、マネジメント強化に向けた社内研修体制の構築等による人材育成とともに、長時間労働・各種ハラスメントの防止を含めた労働環境の継続的な改善に取り組んでおります。また、国籍・性別問わず優秀な人材を採用・育成しダイバーシティを推進してまいります。

 

(6)為替

当社グループの連結財務諸表は、各海外子会社の現地通貨財務諸表を円換算し反映させておりますが、為替レートの変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、国内法人については極力円建てでの受注交渉を行っておりますが、顧客要請により外貨建て取引も存在しており、急激な為替変動が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは為替動向を注視しつつ、必要に応じて為替予約等を実施し、為替変動リスク低減に努めております。

 

(7)研究開発

当社グループでは、最先端分野からの要求より“さらに先”を行く超純水製造装置開発と分析技術の確立を目指し、様々な研究に取り組んでおります。しかしながら競合他社による新技術の先行投入、技術革新や顧客ニーズの変化等に追随できない場合、当社グループの技術の陳腐化とともに製品競争力が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、顧客ニーズや技術トレンドの情報収集・分析に加え、民間企業・大学等との共同研究に積極的に取り組み、省エネ型超純水システム等新製品の開発並びに超純水製造装置以外の製品等の市場投入を図ってまいります。

 

(8)知的財産権

当社グループは、特許権をはじめとする知的財産権の重要性を強く認識しており、当社グループ独自の技術及び研究成果については必要に応じて知的財産権の出願を行い、権利保護に努めております。しかしながら、当社グループの知的財産権が侵害される場合や意図せず第三者が有する知的財産権を侵害してしまう場合には、その対応費用や損害賠償責任の発生など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、新製品開発等に関して国内及び海外の各種データベースや文献調査等により知的財産権の調査を確実に行う調査体制を充実させ、特許侵害の防止と訴訟問題・クレームの排除に努めております。

 

(9)コンプライアンス

当社グループは事業展開する各国・各地域において、法令、規制等を遵守しておりますが、予期せぬ法令改正等により意図せず法令に抵触したと判断された場合、また規制等に適切に対応できなかった場合には社会的信用の低下、課徴金や損害賠償金の発生、各種対応費用の発生等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、社長執行役員を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、活動方策の策定・実施を審議しコンプライアンス体制の更なる整備及び維持を図ってまいります。また内部統制システムの構築、維持、向上を推進するために、社内教育等を継続実施するとともに、法令違反や規程・倫理違反行為の早期是正のため、グループ共通の内部通報制度を導入し、迅速な対応に努めております。

 

(10)自然災害・事故等

当社グループの事業拠点あるいは仕掛中の現場周辺において、大地震や津波、台風、洪水等の自然災害あるいは予期せず事故等が発生した場合、これらの施設に物理的に障害が生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、人命保護最優先、資産保護と事業・業務継続を目的とした事業継続計画を策定しており、当該計画に基づき災害時等への対応を行っております。また、社員安否確認システムの導入、防災訓練等の対策を講じ、災害時等の事業への影響を最小限とするよう努めております。

 

(11)貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れに備えるために与信管理を徹底する一方、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能額を引当計上しておりますが、想定以上の貸倒れが発生した場合、損失により当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、外部信用機関の活用、顧客財務状況の定期的なモニタリング等による与信管理を徹底し貸倒れリスク回避に努めております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の活動制限緩和により経済活動は正常化に向かいつつあるものの、原材料、エネルギー価格の高騰、米中貿易摩擦の長期化やロシア・ウクライナ情勢等の地政学的リスクの高まり等依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループの業績に影響を及ぼす半導体業界は、パソコンやスマートフォン需要の鈍化等により半導体メモリー等一部市況に停滞感はあるものの、電気自動車、産業機器やデータセンター等に利用されるパワー半導体を中心に引き続き堅調に推移しております。Semiconductor Equipment and Materials International(SEMI)が発表した2022年の世界半導体製造装置市場統計によると、半導体製造装置販売額は、台湾、北米、日本等で前年比増となり、世界全体では前年比5%増の過去最高となる107,640百万ドルとなりました。

また、FPD(フラットパネルディスプレイ)関連市場は、パソコン、タブレットやTV向けパネル価格の下落が長期化したことに加え、中国の複数都市でのロックダウンの影響等によりFPDメーカーの投資計画が遅延している状況です。

このような状況下、当社グループは海外では半導体・FPD関連企業、国内では製薬・半導体関連企業を中心に積極的な営業活動を展開し、受注獲得に努めてまいりました。

これらの事業活動により、旺盛な設備投資を背景に各地域の半導体関連企業から大型水処理装置案件の受注が増加したこと等により、受注高は76,558百万円(前期比84.4%増)の大幅増となりました。水処理装置については、国内外の受注済み水処理装置案件の工事が順調に進捗し、売上高は35,247百万円(同79.0%増)となりました。また、メンテナンス及び消耗品については、半導体関連企業を中心に受注は堅調に推移し、売上高は11,568百万円(同5.7%増)となりました。その他の事業については、半導体関連企業向け配管材料の受注が増加し、売上高は2,779百万円(同118.5%増)となりました。

利益面については、水処理装置の大幅な増収等により売上総利益は前期を上回り、販売費及び一般管理費の増加を吸収したことから営業利益、経常利益は前期を上回りました。また、特別利益に負ののれん発生益を計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純利益においても前期を上回りました。

以上の結果、売上高は49,595百万円(同55.5%増)、営業利益は6,550百万円(同47.8%増)、経常利益は6,416百万円(同40.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,806百万円(同76.4%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

日本

水処理装置については、国内、韓国及び中国の半導体関連企業からの受注が堅調に推移し、メンテナンス及び消耗品については、更新・改造工事やメンテナンス等の受注が堅調に推移し、売上高は21,389百万円(前期比14.5%増)となりましたが、原価低減が奏功した高採算の大型水処理装置案件が前期までに一巡したことに加え、一部の水処理装置の原価上昇と販売費及び一般管理費が増加したこと等により営業利益は2,742百万円(同6.4%減)となりました。

韓国

水処理装置、メンテナンス及び消耗品ともに半導体関連企業を中心に受注は堅調に推移いたしました。売上高は、水処理装置、メンテナンス及び消耗品の増収により7,224百万円(同81.8%増)となり、営業利益は水処理装置、メンテナンス及び消耗品の増収効果により1,289百万円(同138.8%増)となりました。

中国

受注高は大型水処理装置を複数受注するなど堅調に推移いたしました。売上高は半導体関連企業の水処理装置案件の工事が順調に進捗したことにより9,074百万円(同112.1%増)の大幅増となり、営業利益は384百万円(同35.2%増)となりました。

台湾

半導体関連企業からの大型水処理装置受注に加えメンテナンス及び消耗品受注が堅調に推移いたしました。売上高は水処理装置、メンテナンス及び消耗品の増収により6,340百万円(同33.5%増)となり、営業利益は水処理装置、メンテナンス及び消耗品の増収効果により1,471百万円(同136.2%増)となりました。

アメリカ

半導体関連企業から大型水処理装置を受注いたしました。売上高は大型水処理装置案件の工事進捗により5,566百万円(前期は220百万円の売上高)の大幅増となり、営業利益は661百万円(前期は56百万円の営業利益)となりました。

②財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比54.7%増の41,918百万円、自己資本比率は50.6%となっております。

流動資産

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ13,819百万円増の37,179百万円(前期比59.2%増)となりました。主な要因は、現金及び預金の増加額が4,037百万円となったこと等によるものであります。

当連結会計年度末の流動資産の主な内訳は、現金及び預金14,120百万円、売掛金8,154百万円等であります。

固定資産

当連結会計年度末の固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,008百万円増の4,739百万円(同27.0%増)となりました。主な要因は、建物及び構築物(純額)の増加572百万円となったこと等によるものであります。

当連結会計年度末の固定資産の主な内訳は、土地1,255百万円、建物及び構築物(純額)1,062百万円等であります。

流動負債

当連結会計年度末の流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ9,323百万円増の20,043百万円(同87.0%増)となりました。主な要因は、契約負債の増加が5,370百万円となったこと等によるものであります。

当連結会計年度末の流動負債の主な内訳は、支払手形及び買掛金7,341百万円、契約負債6,298百万円等であります。

固定負債

当連結会計年度末の固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ34百万円増の474百万円(同7.9%増)となりました。主な要因は、役員退職慰労引当金の増加が22百万円となったこと等によるものであります。

当連結会計年度末の固定負債の主な内訳は、役員退職慰労引当金279百万円、長期未払金150百万円等であります。

純資産

当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ5,468百万円増の21,401百万円(同34.3%増)となりました。主な要因は、利益剰余金の増加が4,837百万円、資本剰余金の増加が242百万円となったこと等によるものであります。

 

当連結会計年度末における報告セグメントごとの資産、負債の金額は、次のとおりであります。

(単位:千円)

 

日本

韓国

中国

台湾

アメリカ

合計

セグメント資産

20,341,330

2,908,013

6,777,287

5,340,253

6,551,994

41,918,879

41,918,879

セグメント負債

7,720,217

1,014,681

4,887,372

3,128,362

3,767,137

20,517,771

20,517,771

 

③キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益7,450百万円となった一方で、売上債権の増加額3,295百万円等により、前連結会計年度に比べて4,768百万円増加し、当連結会計年度末には13,216百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、4,681百万円(前期は1,132百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等

調整前当期純利益7,450百万円、契約負債の増加額5,051百万円となった一方で、売上債権の増加額3,295百万円、

前渡金の増加額1,669百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は、64百万円(前期は134百万円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の

払戻による収入1,908百万円となった一方で、定期預金の預入による支出1,090百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、24百万円(前期は881百万円の使用)となりました。これは主に、短期借入に

よる収入849百万円となった一方で、配当金の支払額968百万円等によるものであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。

当社グループでは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。当連結会計年度末において、主要取引金融機関と総額8,215百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高3,442百万円、借入未実行残高4,772百万円)。

 

(契約債務)

2023年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(千円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

3,442,880

3,442,880

リース債務

24,774

8,758

13,669

2,346

当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社が代わりに弁済する義務があり、2023年3月31日現在の債務保証額は、4,915百万円であります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、受注した超純水製造装置及び排水処理装置の据付工事につきまして、当社グループの基準をクリアした施工技術と安定的な施工能力を有する協力工事会社に全て外注しており、生産実績がないため、記載しておりません。

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。

事業の種類別の名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

水処理装置事業(千円)

73,778,823

183.3

44,366,076

254.9

その他の事業(千円)

2,779,208

218.5

合計(千円)

76,558,031

184.4

44,366,076

254.9

 (注)金額は、販売価格によっており、事業間の内部振替前の数値によっております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。

事業の種類別の名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

水処理装置事業(千円)

46,816,622

152.8

その他の事業(千円)

2,779,208

218.5

合計(千円)

49,595,831

155.5

 (注)1.事業間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三星電子(株)

8,415,762

26.4

9,954,114

20.1

SAMSUNG AUSTIN SEMICONDUCTOR,L.L.C.

220,506

0.7

5,566,194

11.2

3.当連結会計年度の水処理装置事業の売上の内訳は次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

水処理装置(千円)

35,247,949

179.0

メンテナンス等(千円)

11,568,673

105.7

合計(千円)

46,816,622

152.8

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、見積りや仮定によることが必要になります。経営者は、過去の実績や状況及び現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点でもっとも合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に採用しております。当社グループが採用しております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

なお、当連結会計年度末において新型コロナウイルス感染症による大きな影響はありませんが、今後更なる感染拡大による経済活動の停滞などが生じた場合には、実際の結果は異なる場合があります。

a.収益及び費用の認識

当社グループは、工事契約に関して、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しており、工事収益の総額、工事原価総額並びに決算日における履行義務の充足に係る進捗度の見積りを行っております。当該進捗度の見積もりは発生原価に基づくインプット法によっており、毎月のコスト会議にて進捗管理を行っております。工事原価総額の見積りは、急激な原材料の価格変動や技術的な要素、仕様の変更、顧客からの要請への対応、外注先による工事遅延等の工事契約を取り巻く外部環境の変化により不確実性を伴っております。当初予想と実績に乖離が生じた場合には想定した利益を確保できない可能性があります。

b.工事損失引当金

当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、次期繰越工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。工事原価総額の見積りは、毎月のコスト会議による進捗管理を行っておりますが、将来の工事原価の見積りは、急激な原材料の価格変動や技術的な要素、仕様の変更、顧客からの要請への対応、外注先による工事遅延等の工事契約を取り巻く外部環境の変化による不確実性を伴っております。損失見込み額については現在入手可能な情報を基に適切に見積りを行っておりますが、見積りと実績が異なった場合、将来の損益に影響を与える可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、今後の受注拡大を図るためには、継続的な研究開発による競合他社との差別化、並びに新商品の開発強化が不可欠であるとの観点から、水処理装置事業を中心に水処理の研究開発及び技術力の向上に積極的に取り組んでおります。

当社グループの研究開発活動は、主力製品である超純水製造装置に関する研究開発と、それ以外の研究開発に大別され、さらに、既に実用化されている技術、装置及び製品の改良や改善に関する研究開発と、新規及び応用に関する研究開発に分けて活動を行っております。

研究開発した技術、装置及び製品は、直ちに設計に反映するとともに、営業活動にも対応できるようにしております。超純水製造装置関連では開発と基本設計の双方の業務内容を把握しつつ、情報交換を密にしながら、顧客ニーズ直結型の研究開発を行うことを特徴としております。

また、高度化並びに多様化する顧客ニーズに的確かつ迅速に対応することが不可欠であるとの観点から、①現場主義、②スピード、③チャレンジ、④研究者の能力アップ、⑤産学官共同開発を主眼として、研究開発活動に取り組んでおります。

これらの研究開発の一環として、民間企業・大学等との共同研究にも積極的に参画しており、高度化・多様化する顧客ニーズへの的確かつ迅速な対応のみならず、将来展望のある新商品の開発並びに機能水製造装置、金属除去フィルター等の超純水製造装置以外の商品開発にも取り組んでおります。

当連結会計年度末の研究開発スタッフは36名で構成されており、同年度の研究開発費総額は256百万円となっております。