第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

来期の経営環境を展望しますと、世界経済は、主要中央銀行による金融引締めの効果が強まるもとで、欧米を

中心に景気が一段と減速することが懸念されます。中国経済も、ゼロコロナ政策撤廃により内需が持直すものの、輸出が伸悩むことから景気回復ペースは緩慢となる見通しです。日本経済は、輸出が伸悩むものの、賃金上昇と

インフレ率低下、日銀の金融緩和継続が内需を後押しする他、インバウンド需要の一層の復調も見込まれるため、景気の回復が期待されます。ドル・円相場は、米国長期金利の低下基調に伴い円高地合いが予想されます。原油

価格は、主要産油国による供給抑制により、期初の80ドル近辺で底堅く推移する見通しです。

 なお、ロシア・ウクライナ情勢に係る高い不確実性の他、欧米における銀行の貸出抑制姿勢の強まりから海外

景気が下振れするリスク等には引続き注視してまいります。

 

・中期経営計画「Brand-new Deal 2023」の更なる推進


 現中期経営計画「Brand-new Deal 2023」(2021年度から2023年度までの3ヵ年計画)の最終年度となる

2023年度は、当該中期経営計画の基本方針である、『「マーケットイン」による事業変革』と『「SDGs」への

貢献・取組強化』の更なる推進を通じて、引続き、多様化するマーケットニーズへの対応と、本業を通じた生活

基盤の維持・環境改善等の「SDGs」実現への貢献を果たしてまいります。

人的資本等の強みである非財務資本と安定した財務基盤に基づき、成長投資の着実な実行とハンズオン経営の

徹底による既存事業の磨きを通じ、持続的成長を実現する事業基盤の強化・拡大を力強く進めてまいります。

 

基本方針

<「マーケットイン」による事業変革>

 多様化する売り手/買い手の顕在・潜在ニーズを捉えて、川下から川上までのバリューチェーン変革による事業成長を実現するため、現中期経営計画における主要施策への取組を継続します。

・グループ最大の消費者基盤であるファミリーマート事業の進化

・川下起点のバリューチェーン全体の変革

・データ活用・DXによる収益機会拡大

 グループ最大の消費者基盤であるファミリーマートを起点に、グループが保有する機能を最大限活用した

ファミリーマートのデジタル化、顧客接点・データ基盤を活用した広告・メディア・金融事業等の新たな

収益基盤の創出、ファミリーマート以外での新たな消費者接点・データ基盤の獲得を通じた更なる収益の

拡大を図ります。

 

<「SDGs」への貢献・取組強化>

 大きく変化する経営環境をチャンスと捉え、

「SDGs」実現に貢献してまいります。

・脱炭素社会を見据えた事業拡大

・循環型ビジネスの主導的展開

・バリューチェーン強靭化による持続的成長

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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティの考え方

 当社は、創業の精神である企業理念「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」のもと、自社の
利益だけではなく、投資家や株主の皆様、取引先、社員をはじめ、周囲の様々なステークホルダーの期待と

信頼に応えることで、社会課題の解決に貢献することを目指しております。

 当社は、2018年4月に環境・社会・ガバナンス(ESG)の視点を取入れ、社会影響と事業影響という2つの観点から7項目のマテリアリティ(サステナビリティ上の重要課題)を特定しました。マテリアリティに

対して、リスクと機会の両方の観点から対応していくことで、当社の中長期的な企業価値向上に繋がると認識しております。詳細は当社「ESGレポート 2022」P.15 マテリアリティの選定・レビュープロセスをご参照

ください。

 当社を取巻く現在の事業環境等を考慮したうえで、これらマテリアリティに対して、以下3つの観点で、

本業を通して取組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

① 持続的な企業価値の向上

 当社グループは、160年を超える発展の過程で変化をチャンスと捉えて、川上から川下まで、原料から

小売までとその影響範囲を拡大しつつ、時代とともに取扱商品の構成や事業領域を転換しながら発展してきました。そのため、常に既存ビジネスの枠組を超えて新たな価値創造を行うことが、当社グループの持続的な

企業価値向上に資すると考えております。当社グループは、強みである生活消費分野における消費者接点を

活用し、売り手や買い手、世間のニーズを捉えた「マーケットイン」の発想で、商品・サービス等の新たな

価値の提供に取組むと同時に、サプライチェーンを含め、環境及び人権に配慮した事業活動を行うことが重要だと認識しております。

② 気候変動対応

 気候変動は最も緊急性が高い地球環境問題の一つと認識しており、グローバルに事業を行う当社グループでは、気候変動による事業環境の変化への適応に努めるとともに、これを更なる成長機会と捉えております。

また、2030年・2040年・2050年までの温室効果ガス(GHG)排出量削減目標と、具体的な対応を策定し、実行することで企業価値向上に繋げていきます。

③ 人的資本経営・多様性

 当社グループは、企業理念である「三方よし」の精神を継承し、企業行動指針である「ひとりの商人、無数の使命」を体現する人材の確保・育成に努めております。その実現には、人種、性、宗教、国籍、年齢等に
かかわらず、従業員一人ひとりの能力を最大限に引出す人材戦略の実行と環境の整備が不可欠であり、当社の朝型勤務・健康経営等の働き方改革や人事政策の事例を当社グループで共有したうえで、グループ各社の
ビジネスに合わせた独自の人材戦略を展開しております。また、グループ各社の採用、人材育成、労務管理等における課題に対し、きめ細やかな支援を行う等、当社グループが一体となって企業価値の向上に努めており

ます。

 

(2)サステナビリティの取組

① ガバナンス

 当社のサステナビリティ・ガバナンス体制図は次のとおりです(2023年6月23日現在)。

 

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(a) 監督機能としての取締役会

 当社グループは、サステナビリティ課題への対応を経営の重要課題の一つと認識し、取締役会にてサステナビリティに関するグループ方針、戦略、関連ビジネス推進の承認をするとともに、サステナビリティ開示情報の適切性を監督しております。

 マテリアリティに関して、リスクと機会への対応方針や具体的アプローチ、成果指標、進捗度合い等の重要事項のレビューを通し、マテリアリティの妥当性につき取締役会が監督しております。

 環境・社会リスクを含むサステナビリティ関連のリスクと機会に対応する事業戦略・投資戦略の執行(戦略の見直し・事業撤退判断を含む)に関して、当社ではすべての新規投資案件に対し、事前のESGリスク評価として「投資等に関わるESGチェックリスト」を使用し、サステナビリティ関連のリスクに関する方針、体制、取組状況を把握、分析し、重要事項を協議するHMC(HMCについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください)にてサステナビリティ関連のリスクを検証しており
ます。また、投資実行後は、サステナビリティ関連のリスクの予防を目的とする事業会社のモニター・
レビューや、環境汚染等の未然防止を目的とする現地訪問調査等を多面的に実施しております。これらの
審議内容や取組については、定期的にCAO(Chief Administrative Officer)から取締役会に報告され、

取締役会が監督しております。

(b) 監督機能における取締役会のスキル・コンピテンシー

 当社CAOはSDGs/ESG分野の専門的経験・知見を有しており、サステナビリティに関する各種施策の
立案・実施を担当するサステナビリティ推進部より月2回程度の頻度で定期報告を受けております。また、
外部有識者を招聘して毎年開催するサステナビリティアドバイザリーボードでの講義、意見交換を通じて、

サステナビリティに関する世の中の動向、当社への期待、対応すべき課題に対する知見を深めております。

 当社の代表取締役であるCAOは、会社の全般的経営方針及び経営に関する重要事項を協議するHMCの
メンバーであると同時に、サステナビリティ委員会の委員長を兼務しており、サステナビリティに関する
統括責任者としてサステナビリティ委員会で審議した事項を決定しております。なお、重要事項については、CAO決定後に、HMCで承認しております。当該決定事項は、CAOからサステナビリティ推進の主たる
活動状況とともに適宜取締役会に報告することで、取締役会の監督にあたってのコンピテンシーを確保して

いると考えております。

(c) 執行機能としてのサステナビリティ委員会

 サステナビリティ関連事項に対応するための各種施策の立案・実施に関する審議を行うサステナビリティ

委員会は、サステナビリティ関連目標設定、進捗状況、現状のサステナビリティ関連のリスクと機会を識別、評価、管理しております。取締役会は、サステナビリティ関連のリスクと機会に対応する事業戦略・投資戦略の執行(戦略の見直し、事業撤退判断を含む)を監督しております。また、各事業セグメント及び職能部署のマネジメントを執行側のESG責任者と定めています。ESG責任者は、サステナビリティ関連事項について各種

施策・取組の進捗を管理し、サステナビリティ委員会に報告しております。

2022年度サステナビリティ関連審議、報告実績

サステナビリティ

関連会議体

開催数

主な承認、審議、報告事項

取締役会

3回

・サステナビリティ委員会での審議内容及びCAO決定事項の報告

・社会貢献活動報告

サステナビリティ

委員会

3回

承認事項

・サステナビリティ関連方針の制定、改訂

・投資等に関わるESGチェックリスト改訂

・有価証券報告書サステナビリティ関連開示

 

報告事項

・気候変動対応

・サステナビリティアクションプランレビュー

・人権デューデリジェンス、サステナビリティ調査レビュー

・ISO14001環境マネジメントレビュー

・ESG評価

・環境・社会リスクモニター・レビュー結果

・マテリアリティの確認

・TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)開示準備

 

② 戦略

 当社グループは、企業理念や外的環境の変化を踏まえた「サステナビリティ推進基本方針」を定め、組織的・体系的にサステナビリティに資する取組を推進しております。具体的には、当社グループのマテリアリティをサステナビリティアクションプランに落とし込み、中期経営計画の方針に基づき推進するトレーディングや事業投資を通じて、課題解決に繋げていきたいと考えております。

 サステナビリティアクションプランでは、取組むべき課題、対象事業分野、具体的アプローチ、成果指標、進捗状況を毎年レビューし、開示しております。

 

(a) 当社グループ方針

 当社グループの「サステナビリティ推進基本方針」は次のとおりです。

伊藤忠グループ「サステナビリティ推進基本方針」

 

 伊藤忠の創業の精神である企業理念「三方よし」のもと、グローバルに事業を行う伊藤忠グループは、
地球環境や社会課題への対応を経営方針の最重要事項の一つとして捉え、持続可能な社会の実現に貢献

します。本方針は企業行動指針「ひとりの商人、無数の使命」及び企業行動倫理規範に基づいて策定して

います。

 

1.マテリアリティの特定と社会課題の解決に資するビジネスの推進

 国際社会の一員として、自社のみならず社会にとっても持続可能な成長につながるマテリアリティを

 策定し、事業活動を通じて企業価値向上を目指します。

 

2.社会との相互信頼づくり

 正確で明瞭な情報開示及び開示情報の拡充に努め、ステークホルダーとの双方向の対話を通じて、

 社会からの期待や要請を受けとめ、それらを実践していくことで信頼される企業を目指します。

 

3.持続可能なサプライチェーン・事業投資マネジメントの強化

 地球環境の保全や気候変動の緩和と適応、汚染防止と資源循環、生物多様性及び生態系の保護、人権と
 労働における基本的権利に対し、問題の未然防止及び継続的な配慮に努め、持続可能な事業活動を推進

 します。

 事業投資先や取扱商品のサプライチェーン上の資源(大気、水、土地、食糧、鉱物、化石燃料、動植物

 等)の有効利用、人権の尊重、及び労働安全衛生への配慮に努めます。取引先に対しては当社グループ

 のサステナビリティに対する考え方への理解と実践を求め、持続可能なバリューチェーン構築を目指し

 ます。

 各国法制度及び国際規範を尊重し、世界各国・地域の文化、伝統、慣習の理解に努め、公正かつ誠実な

 企業活動を展開します。

 

4.サステナビリティ推進に向けた社員への教育・啓発

 「サステナビリティを推進するのは社員一人ひとり」であることから、社員に対し重要課題に関する
 意識を醸成するための教育・啓発活動を行います。社員一人ひとりが、本方針に基づき各組織のアク

 ションプランを実行します。

 

代表取締役 副社長執行役員 CAO
小林 文彦

 

 

(b) マテリアリティごとの戦略

 当社は、第三者意見等も踏まえて、マテリアリティごとのリスクと機会をそれぞれ分類し、サステナビリティ委員会で審議するとともに、随時見直しを実施しております。

 マテリアリティに関する具体的な取組として、各事業セグメントや職能組織で分野ごとのリスクと機会等を抽出したうえで、中長期的な目標達成に向けたサステナビリティアクションプランを定め、その進捗に関するレビューを成果指標に基づき実施するとともに、サステナビリティ委員会に進捗状況を報告し、PDCAサイクルを回すことにより、確実な推進を目指しております。

 詳細は2023年9月発行予定の当社「ESGレポート 2023」サステナビリティアクションプランをご参照

ください。

 

 

マテリアリティごとのリスクと機会

マテリアリティ

リスク

機会

技術革新による商いの進化

・IoT、AI等、新技術の台頭に伴う

 既存ビジネスモデルの陳腐化

・先進国での人手不足や、効率化が遅れている事業での優秀な人材の流出 等

・新市場の創出や、革新性のある

 サービスの提供

・新技術の活用による人的資源や
物流の最適化、働き方改革推進に

 よる競争力強化 等

気候変動への取組み

(脱炭素社会への寄与)

移行リスク

・GHG排出に対する事業規制等による化石燃料需要の減少

物理的リスク

・異常気象(干ばつ、洪水、台風、ハリケーン等)発生増加による

 事業被害 等

・気候変動の緩和に寄与する、再生可能エネルギー等の事業機会の

 増加

・異常気象に適応できる供給体制

 強化等による顧客維持・獲得 等

働きがいのある職場環境の

整備

・適切な対応を実施しない場合の
労働生産性の低下、優秀な人材の
流出、ビジネスチャンスの逸失、

 健康関連費用の増加 等

・働きがいのある職場環境の整備による労働生産性の向上、健康力・モチベーションの向上、優秀な
人材の確保、変化やビジネス

 チャンスへの対応力強化 等

人権の尊重・配慮

・広域化する事業活動での人権問題発生に伴う事業遅延や継続リスク

・提供する社会インフラサービスの不備による信用力低下 等

・地域社会との共生による事業の

 安定化や優秀な人材確保

・サプライチェーン人権への配慮、労働環境の改善に伴う安全かつ

 安定的な商品供給体制の構築 等

健康で豊かな生活への貢献

・消費者やサービス利用者の安全や健康問題発生時の信用力低下

・政策変更に基づく、市場や社会
保障制度の不安定化による事業

 影響 等

・食の安全・安心や健康増進の需要増加

・個人消費の拡大やインターネットの普及に伴う情報・金融・物流

 サービスの拡大 等

安定的な調達・供給

・環境問題の発生及び地域社会と
関係悪化に伴う反対運動の発生に

 よる影響

・主に生活消費分野での低価格化
競争の発生による産業全体の構造

 的な疲弊 等

・新興国の人口増及び生活水準向上による資源需要の増加

・環境に配慮した資源や素材の安定供給による顧客の信頼獲得や新規事業創出 等

確固たるガバナンス体制の

堅持

・コーポレート・ガバナンス、内部統制の機能不全に伴う事業継続

 リスク、予期せぬ損失の発生 等

・強固なガバナンス体制の確立に
よる意思決定の透明性の向上、
変化への適切な対応、安定的な

 成長基盤の確立 等

 

(c) 具体的アプローチ

 2021年度には、当社を取巻くサステナビリティ関連事項を考慮し、取締役会において中期経営計画「Brand-new Deal 2023」の成長戦略として『「SDGs」への貢献・取組強化』を基本方針としました。本取締役会決議を踏まえ、サステナビリティ委員会で各マテリアリティに関する具体的施策及び目標に対する進捗状況の
審議・レビューを行うとともに、各事業セグメントにおいてこれらの施策を継続的に実行しております。
また、当社グループは、人材戦略を経営戦略の一つとして明確に打ち出しており、グループ全体で関連施策に

取組んでおります。

 

具体的アプローチは次のとおりです。

 

事業セグメント

具体的アプローチ

持続的な

企業価値の

向上

(注)1

繊維

サーキュラーエコノミー実現の加速に向けた戦略的な提携・投資

食料

ルイボスティーの取組

住生活

Metsä Fibre Oyとの取組強化

情報・金融

Docquity Holdings Pte. Ltd.の持分法適用会社化

第8

広告・メディア事業の取組拡大

処方薬の店舗受取サービス「ファミマシー」の開始

その他

「ITOCHU SDGs STUDIO」からの発信を強化

気候変動対応

(注)1

機械

北米における再生可能エネルギー事業への取組強化

金属

カナダ最大の鉄鉱石事業の権益取得、貴重な高品位鉄鉱石を生産

エネルギー・化学品

太陽光発電の「オフサイトコーポレートPPA事業」本格化

再生航空燃料ビジネスの拡大

人的資本経営

・多様性

(注)2

全セグメント

優秀な人材の確保

働き方の進化

健康力向上

主体的なキャリア形成支援

成果に応じた評価・報酬

経営参画意識の向上

(注)1 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)定性的成果」をご参照ください。

2 「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(4)人的資本経営・多様性」をご参照ください。

 

③ リスク管理

(a) サステナビリティ関連のリスクと機会の識別

 グローバルに事業展開している当社グループでは、各国の環境・社会に関する対策・法制化等の社会情勢や事業環境の変化が事業に与えるリスクを常に監視しております。各事業セグメントにおける経営及び事業活動の統括責任者であるカンパニープレジデントの諮問機関であるDMC(Division Company Management Committee)は、環境・社会等のサステナビリティ関連を含むビジネスのリスクと機会を毎年レビューし、
各種施策、ビジネスの優先順位を定めて計画を策定しております。各事業セグメントの計画は、HMC、
及び監督機関である取締役会に上程され、最終的に取締役会がサステナビリティの観点から総合的に

分析・審議したうえで承認されております。

(b) サステナビリティ関連のリスクと機会の評価

 当社グループは、リスク管理を経営の重要課題と認識し、COSO-ERMフレームワークの考え方を参考に、当社グループにおけるリスクマネジメントの基本方針を定め、必要なリスク管理体制及び手法を整備しており
ます。気候変動、サプライチェーン、人権等のサステナビリティに係る規制等の動向、及び世界各地の事業に

与えるサステナビリティ関連のリスクと機会に関する情報収集を定期的に行い、リスクを特定しております。

(c) サステナビリティ関連のリスクと機会の管理

 当社グループでは、迅速な意思決定を実現するため各事業セグメントに権限を委譲し、事業運営に伴う
サステナビリティ関連のリスクと機会の管理を行っております。各事業セグメントのDMCにおいて、経営
方針及び経営に影響を及ぼす投資、融資、保証、事業等が審議され、カンパニープレジデントがそれらを決定

しております。なお、当該決定事項は、事業段階ごとの状況に応じて管理しております。

 

(d) 全社的リスクマネジメントシステムへの統合

 当社グループでは、サステナビリティ関連をはじめとする様々なリスクと機会に対処するため、各種の社内委員会や責任部署を設置するとともに、各種管理規則、投資基準、リスク・取引限度額の設定や報告・監視体制の整備等、必要なリスク管理体制及び管理手法を整備し、リスクと機会を全社的かつ個別的に管理しております。

 各事業セグメントが管理するリスクと機会は、社内の各委員会へ報告され、重要度に応じて各委員会での審議を経て、HMCまたは取締役会にて承認されます。なお、管理体制の有効性につき毎年内部統制委員会にてレビューを実施し、取締役会に報告しております。

 詳細は当社「ESGレポート 2022」P.179 リスクマネジメントをご参照ください。

④ 指標及び目標

 サステナビリティアクションプランの取組むべき課題、アプローチ、成果指標、進捗度合いの詳細は2023年9月発行予定の当社「ESGレポート 2023」サステナビリティアクションプランをご参照ください。

 

(3)気候変動対応

 当社は、気候関連財務情報開示の重要性を認識し、2019年5月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明して以降、TCFD提言に基づく情報開示に努めております。

 詳細は当社「ESGレポート 2022」P.37 気候変動(TCFD提言に基づく情報開示)をご参照ください。

① ガバナンス

 気候変動に係るリスクと機会への対応方針やGHG排出量の削減目標・取組、気候変動リスクと機会を考慮
した年度予算・事業計画等の重要事項につき、サステナビリティ関連のリスクと機会の一つとして前述

サステナビリティ全般のガバナンスにおいて統合的に管理・監督しております。

② 戦略

 当社の事業は、気候変動の移行リスク及び物理的リスクの影響を短期、中期、長期の様々な時間軸で受けて
おります。そのため当社は、各事業案件の推進プロセス及び気候変動を含む環境・社会リスクの管理プロセス
の中で、事業や戦略、バリューチェーン等に重大な財務的影響を与える可能性のあるリスクと機会を特定、

評価、管理しております。

(a) 気候変動関連のリスクと機会

気候関連の

リスクと機会

気候関連のリスクと機会が

組織の事業、戦略、

財務計画に及ぼす影響

影響を
受ける
時間軸(注)

影響を受ける
バリューチェーン

影響を受ける

事業・業種の例

移行

リスクと

機会

政策と

法制度

・世界各国のGHG排出計画の厳格化・GHG排出に対する事業規制等による化石燃料

 需要の減少

・カーボンプライシング
(炭素税等)や事業規制等

 による事業コストの増大

中期・

長期

上流・

当社グループ

発電事業・オペレーション、化石燃料
事業、鉄鉱石事業、
自動車事業、化学品

事業

技術革新

気候変動の緩和に寄与する
再生可能エネルギー、蓄電池関連事業、低炭素燃料、
低炭素製鉄原料等の事業機会

の増加

短期・

中期・

長期

当社グループ

再生可能エネルギー
・蓄電池関連事業、
低炭素燃料事業、
新素材事業、鉄鉱石

事業

市場状況の変化

政策と法的リスク及びクリーンテック等のテクノロジーの影響を受ける製品・サービスの需要の増加と減少

短期・

中期・

長期

上流・

当社グループ

化石燃料事業、
化学品事業、自動車
事業、再生可能
エネルギー・蓄電池
関連事業、新素材
事業、CCUS・排出権

関連事業

物理的
リスクと
機会

急性的な物理的

リスク・
機会

異常気象(干ばつ、洪水、
台風、ハリケーン等)発生

増加による事業被害等

短期・
中期・
長期

上流・

当社グループ・
下流

食料事業、

森林関連事業、鉱業

異常気象に適応できる供給

体制強化等による顧客維持・

獲得等

短期・
中期・
長期

上流・
当社グループ・
下流

食料事業、

森林関連事業

慢性的な物理的

リスク・機会

気温上昇と気候変動に付随

する干ばつ等が農業・林業の
収穫及びそれらの関連製品の

生産量に与える影響

中期・長期

上流・
当社グループ・
下流

食料事業、

森林関連事業

(注)短期:~1年、中期:~3年、長期:4年~

(b) シナリオ分析

 当社事業のうち気候変動緩和に係る事業環境変化の影響の大きな事業セクター全体をシナリオ分析の対象事業として検討し、政策と法的リスク等の「移行リスク」影響の大きい事業として「発電事業」、「エネルギー事業」、「石炭事業」、「鉄鉱石事業」、「化学品事業」、「自動車事業」を、気候変動の「物理的リスク」影響の大きい事業として「Dole事業」、「パルプ事業」、「飼料穀物事業」を選定しました。
 気候変動緩和に係る事業環境変化の影響の大きな事業セクターの特定にあたっては、TCFDが指定した気候
変動の影響を潜在的に大きく受ける4つの非金融セクター(エネルギー、運輸、材料及び建物、農業・食品・

木材製品)を参考にしており、選定された事業はこれらに含まれております。

(c) 既存戦略への影響と事業の移行計画

 シナリオ分析を行う中で、現状の事業戦略や事業地域の転換といった気候変動対策を取らない場合の財務的な負のインパクトが大きいリスクを把握し、中期経営計画「Brand-new Deal 2023」の基本方針『「SDGs」への貢献・取組強化』のもと、具体的な事業の移行計画、財務計画(資産入替を含む)の策定に既に着手して

おります。

③ リスク管理

 気候変動リスクは、サステナビリティ関連のリスクと機会の一つとして前述サステナビリティ全般のリスク管理において統合的に管理しております。なお、気候変動のリスク管理は、次のとおり、事業の段階ごとの

評価手法に組込まれております。

事業の段階ごとの評価手法

事業の段階

評価手法

事業開始

新規投資案件の環境リスク評価(1年に80件程度)

事業運営

・取扱商品の環境リスク評価(サプライチェーン全体での評価)

・グループ会社の環境実態調査(1年に2、3社)

・サプライチェーンサステナビリティ調査(当社及び子会社)

・ISO14001に基づく内部環境監査(当社、グループ会社3社)(年1回)

事業戦略の見直し

事業戦略、資産入替の検討

 

 各事業段階の評価手法でリスクまたは機会が特定された場合、リスクと機会の事業への影響を評価しており
ます。それにはシナリオ分析・ストレステスト等の定量評価、投資方針・GHG排出量削減目標への準拠性評価
のような定性評価が含まれます。定量評価された気候変動のリスクと機会の情報には、気候変動以外のリスク

と機会の定量情報が加算され、収益への貢献度合いを分析しております。

④ 指標及び目標

 当社グループは、気候変動リスクと機会への対応の一環として、GHG排出量と電力使用量、クリーンテックビジネスに関し、以下の指標及び目標を設定しております。指標及び目標を定める際には、日本政府目標や、国際的な信頼性が高く多岐にわたる事業領域をカバーできるIEA(国際エネルギー機関)の資料等を参照しております。

<GHG排出量削減目標>

指標(集計範囲):

Scope1/2/3(当社及び子会社)、化石燃料事業・権益(当社及び子会社・関連会社・一般投資)

目標:

・2050年までにGHG排出量「実質ゼロ」を実現。

・2040年までに2018年比75%削減を実現し、GHG排出量削減に貢献するビジネスの積極推進を通じ

「オフセットゼロ(注)」を目指す。
(注)オフセットゼロ:削減貢献量が当社GHG排出量を上回る状態。

・2030年までに2018年比40%削減を実現。

 

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⑤ GHG排出量データ

             (単位:千t-CO2e)

 

2022年3月期

Scope1

1,485

Scope2

716

・千t-CO2e単位で表示している数値については、千t-CO2e未満の端数を四捨五入して表示しております。

・2022年3月期のScope1及びScope2は「ESGレポート 2022」の数値を記載しており、同数値は、第三者保証を受けております。集計範囲、算出方法及び第三者保証の詳細につきましては、当社「ESGレポート 2022」P.83 ESGデータ(環境)にある集計範囲及び気候変動パフォーマンスデータにある注意書き並びに第三者保証報告書をご参照ください。

・2023年3月期のScope1及びScope2については、2023年9月発行予定の当社「ESGレポート 2023」をご参照ください。

 

(4)人的資本経営・多様性

 当社グループは、人的資本経営を着実に実行するために、従業員一人ひとりの能力を最大限に引出す「働きがいのある職場環境の整備」に努めております。また、当社は、労働生産性向上による企業価値向上のため、「①優秀な人材の確保、②働き方の進化、③健康力向上、④主体的なキャリア形成支援、⑤成果に応じた評価・報酬、⑥経営参画意識の向上」から構成される人材戦略の着実な実行に努めております。

① ガバナンス

 当社グループの企業理念である「三方よし」を実現するため、当社グループでは、人材戦略を経営戦略の一つとして位置付けております。また、当社では、経営方針に係る重要な人事政策等の関連事項は、人事・総務部の立案、CAO、CSO(Chief Strategy Officer)、業務部の審査を経て、全般的な経営方針及び経営に関する重要事項を協議するHMCで決定しております。決定事項は、CAOより取締役会に定期的に報告され、取締役会が監督しております。当社グループは、ガバナンス強化の観点から、当社より適切な人材をグループ各社に派遣しております。また、改訂コーポレートガバナンス・コード等により「人材の多様化」に対する社会的な要請が一層高まる中、喫緊の課題である「女性の活躍支援」を加速させるため、当社では2021年 10月に取締役会の任意諮問委員会である「女性活躍推進委員会」を新設し、取締役会が重要施策を監督する体制を構築しました。委員長を社外取締役とし、委員総数の半数以上を社外役員で占めております。今後も現場や個々の事情を把握したうえで、「①現場との協議、②女性活躍推進委員会での議論、③取締役会への報告」という一連のサイクルを継続し、実効性のある施策に落とし込んでまいります。計画的な採用・育成を通じて、取組方針の一つである役職を担う人材の候補者数の拡大を図ってまいります。また、当社グループ各社との人材交流等を行い、グループ全体での女性活躍を推進してまいります。

② 戦略

 当社グループの人材育成方針及び社内環境整備方針は次のとおりです。

<人材育成方針>

 当社グループは、一体となって従業員一人ひとりの主体的な学びや、チャレンジングな経験の機会を創出
しており、多様な能力・適性に応じた人材育成、キャリア形成支援をグループ全体で推進しております。
また、当社では、1999年度より育成費用を持続的な企業価値向上のための人的資本投資と位置付け、それらを
全社でレビューし、人材育成に繋げております。これらを通じ、社会環境の変化や顧客ニーズを捉えた「無数

の使命」を果たす「商人」を育成し、当社グループの企業理念である「三方よし」を実現してまいります。

<社内環境整備方針>

 当社は、「健康力向上」こそが、企業行動指針である「ひとりの商人、無数の使命」を果たす人材力強化の
礎であるという考えに基づき、「伊藤忠健康憲章」の制定、がんと仕事の両立支援等をはじめとした健康・
安全に対する万全な体制を構築しております。また、労働安全衛生に関する情報提供等、当社産業医による
グループ会社支援を行っております。今後も、従業員一人ひとりの健康を第一に、従業員が安心して働くこと

ができる職場環境の実現をグループ全体で目指してまいります。

③ リスク管理

 当社は、価値創造の原動力である従業員一人ひとりの能力を最大限に引出すための基盤整備に努めており
ます。その一環として、迅速な意思決定を実現するため各事業セグメントに権限を委譲し、事業運営に伴う
人材に関するリスクと機会の管理を行っております。経営戦略に基づいた人材戦略のもと、各カンパニー
プレジデントが人材確保や適材適所等を推進しております。また、定期的にエンゲージメントサーベイを
実施し、結果を各事業セグメントに報告しており、従業員の働きがいをモニタリングする仕組みを構築して
おります。なお、当社グループ各社に対しては、事業セグメントを通じた労務管理リスク・人材リスクの把握

や課題に対するきめ細やかな支援に努めております。

④ 指標及び目標

(a) 人材育成方針

指標

実績

集計対象

人材育成投資総額

16.3億円

提出会社

一人あたり人材育成投資額

39.6万円

提出会社

研修受講者数(延べ人数)

48,044名

提出会社

企業理念「三方よし」を深く理解するための創業地訪問参加者数(注)

3,027名

連結会社

(注)2004年度より導入した創業地訪問の参加者数の直近事業年度までの累計

 

(b) 社内環境整備方針

指標

実績

集計対象

がん特別検診対象者受診率

93.1%

提出会社

労働災害の罹災者数

3名

提出会社

死亡災害件数

0件

提出会社

グループコンプライアンス意識調査の回答率(注)

99.4%

連結会社

(注)独自で調査をしている上場子会社を除く国内外子会社及びその事業会社の従業員53,163名が対象

 

 

3【事業等のリスク】

当社グループは、その広範にわたる事業の性質上、市場リスク・信用リスク・投資リスクをはじめ様々なリスクにさらされております。これらのリスクは、予測不可能な不確実性を含んでおり、将来の当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対処するため、必要な

リスク管理体制及び管理手法を整備し、リスクの監視及び管理を行っておりますが、これらのすべてのリスクを

完全に回避するものではありません。

以下に記載するリスクについては、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、重要性の観点から取上げたもので、すべてのリスクを網羅した訳ではありません。当社グループの事業は、記載されたリスク

以外の、現在は未知のリスク、あるいは現時点では特筆すべき、または重要と見なされていないリスクも存在して

おり、これらのリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

将来事項に関する記述につきましては、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社が合理的であると判断したものであります。

(1)マクロ経済環境及びビジネスモデルに関するリスク

当社グループは、国内の商品売買・輸出入・海外拠点間の貿易取引に加え、金属資源やエネルギーの

開発等、多様な商取引形態を有し、各事業領域において原料調達から製造・販売に至るまで幅広く事業を

推進しております。

主な事業領域ごとの特性として、プラント・自動車・建設機械等の機械関連取引、金属資源・エネルギー・化学品等のトレード並びに開発投資については世界経済の動向に大きく影響を受ける一方、繊維・食料等の

生活消費分野は相対的に国内景気の影響を受けやすいと言えます。但し、経済のグローバル化の進展に伴い、生活消費分野についても世界経済の動向による影響が大きくなっております。

また、世界経済全般のみならず、海外の特定地域に固有の経済動向に加え、近年の急速な技術革新等による産業構造等の変化、グローバル化に伴う新興成長国との競合激化、更には規制緩和や異業種参入等のビジネス環境の変化が、当社グループの既存のビジネスモデルや競争力、将来の財政状態、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)市場リスク

当社グループは、為替相場、金利、商品市況及び株価の変動等による市場リスクにさらされております。

そのため、当社グループは、バランス枠設定等による管理体制を構築するとともに、様々なヘッジ取引を利用すること等により、為替相場、金利及び商品市況の変動等によるリスクを最小限に抑える方針であります。

① 為替リスク

当社グループは、輸出入取引が主要事業の一つであり、外貨建の取引において為替変動リスクにさらされております。そのため、先物為替予約等のデリバティブを活用したヘッジ取引により、為替変動リスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。

また、当社の海外事業に対する投資については、為替の変動により、為替換算調整額を通じて株主資本が

増減するリスク、期間損益の円貨換算額が増減するリスクが存在します。これらの為替変動リスクは、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

なお、詳細については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 25 金融商品」の「為替リスク管理」の注記内容をご参照ください。

② 金利リスク

当社グループは、投資活動、融資活動及び営業取引に伴う資金の調達や運用において金利変動リスクに

さらされております。そのため、投資有価証券や固定資産等の金利不感応資産のうち、変動金利にて

調達している部分を金利変動リスクにさらされている金利ミスマッチ額として捉え、金利が変動することに

よる損益額の振れを適切にコントロールするために金利変動リスクの定量化に取組んでおります。

また、定期的に金利動向を把握するとともに、「EaR(Earnings at Risk)」を用いて、金利変動による

支払利息への影響額をモニタリングしておりますが、金利動向によっては、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、米ドルLiborを参照した金融商品を保有しているため、米ドルLiborの恒久的な公表停止に係る金利指標改革の影響を受ける可能性がありますが、当連結会計年度末までに代替的な金利指標への移行に

向けた金融機関との交渉を概ね完了しております。

 なお、詳細については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 25 金融商品」の「金利リスク管理」の

注記内容をご参照ください。

 

③ 商品価格リスク

当社グループは、様々な商品の売繋ぎを基本とした実需取引を行っておりますが、相場動向を考慮し買越

及び売越ポジションを持つことで価格変動リスクにさらされる場合があります。そのため、棚卸資産、売買

契約等を把握し、主要な商品についてはディビジョンカンパニーごとにミドル・バックオフィスを設置し、

個別商品ごとに商品バランス枠及び損失限度額の設定、モニタリング管理を行うとともに、定期的な

レビューを実施しております。

また、当社グループは、金属資源・エネルギーの開発事業やその他の製造事業に参画しており、当該事業の

生産物・製品に関しても上記と同様に価格変動リスクにさらされております。

これらの商品価格リスクに対しては商品先物・先渡契約等によるヘッジ取引を行うことでリスクの軽減に

努めておりますが、完全に回避できるものではなく、商品価格の動向によっては、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、市場に影響されやすい市況商品取引のリスクを把握、モニタリングするため、

「VaR(Value at Risk)」を用いております。当該手法による数値は過去の一定期間の市場変動データに

基づき、将来のある一定期間のうちに被る可能性のある最大損失額を統計的手法により推定したものです。

なお、詳細については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 25 金融商品」の「商品価格リスク

管理」の注記内容をご参照ください。

 

④ 株価リスク

 当社グループは、主に顧客・サプライヤー等との関係強化、または投資先への各種提案等を行うこと等に

よる事業収益追求や企業価値向上を図るため、市場性のある様々な株式を保有しております。これらの株式は株価変動のリスクにさらされており、株価の動向によっては、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、株価変動に伴う連結株主資本への影響額を定期的に把握、モニタリングするため、

「VaR(Value at Risk)」を用いております。当該手法による数値は過去の一定期間の市場変動データに

基づき、将来のある一定期間のうちに被る可能性のある最大損失額を統計的手法により推定したものです。

なお、詳細については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 25 金融商品」の「株価リスク管理」の注記内容をご参照ください。

 

(3)投資リスク

 当社グループは、様々な事業に対する投資活動を行っておりますが、このような投資活動においては、経営環境の変化、投資先やパートナーの業績停滞等に伴い期待通りの収益が上げられないリスクや、投資先の業績の停滞等に伴い投資の回収可能性が低下する場合及び株価が一定水準を下回る状態が相当期間にわたり

見込まれる場合には、投資の一部または全部が損失となる、あるいは追加資金拠出が必要となるリスクが

あります。また、パートナーとの経営方針の相違、投資の流動性の低さ等により当社グループが望む時期や

方法での事業撤退や事業再編が行えないリスク、あるいは、投資先から適切な情報を入手できず当社

グループに不利益が発生する等の投資リスクがあります。これらのリスクを軽減するために、新規投資の

実行については投資基準を設けて意思決定をするとともに、既存投資のモニタリングを定期的に行い、

投資効率が低い等保有意義の乏しい投資に対しては、EXIT選定基準を適用することにより資産の入替えを

促進する等の対応に努めております。

 しかしながら、こうした管理を行ったとしても、投資リスクを完全に回避できるものではなく、将来の当社

グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)固定資産に関する減損リスク

当社グループが保有または賃貸する不動産、資源開発関連資産、航空機・船舶、のれん及び無形資産等の

固定資産は、減損リスクにさらされております。

 これらの資産について、現時点において必要な減損等の処理は実施しておりますが、店舗・倉庫等の収益性低下により帳簿価額が回収できなくなった場合、石炭・鉄鉱石・原油価格等の資源価格の変動による市況低迷や研究開発の方針変更等が生じた場合、また、資産価値の下落や計画外の追加的な資金拠出等により投資の

全部または一部が損失となる等の場合において、新たに減損処理を実施することになり、将来の当社グループ

の財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループにおいては、持続的成長基盤の構築に向けた投資と機動的な資産入替えを着実に実行することにより、当社の強みである高効率経営を継続していきます。また、投資の決定においては買収価格の適切性に

関する十分な審議を行い、投資後も定期的なモニタリングを行うことで、適正管理に努めております。

 

(5)信用リスク

 当社グループは、国内外の取引先に対し、営業債権、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており

ます。取引先の信用状況の悪化や経営破綻等により、これらの債権等が回収不能となる、あるいは、商取引が継続できないことにより、取引当事者としての義務を果たせず、契約履行責任を負担することとなる等の信用リスクを有しております。そのため、当社グループでは、信用供与の実施に際して、信用限度額の設定及び

必要な担保・保証等の取得等を通じたリスク管理を行うことでリスクの軽減に努めるとともに、取引先の

信用力、回収状況及び滞留債権の状況等に基づいて予想信用損失を見積り、貸倒引当金を設定しております。

 しかしながら、こうした管理を行ったとしても、信用リスクの顕在化を完全に回避できるものではなく、

将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 なお、詳細については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 25 金融商品」の「信用リスク管理」の注記内容をご参照ください。

 

(6)カントリーリスク

 当社グループは、海外の様々な国・地域において取引及び事業活動を行っており、これらの国・地域の

政治・経済・社会情勢等に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規制の変更等による国家収用・送金

停止等のカントリーリスクを有しております。

 そのため、個別案件ごとに適切なリスク回避策を講じるとともに、当社グループ全体として特定の国・地域に対する過度なリスク集中を防止する観点から、社内の国格付に基づく国別の国枠を設定し、これらの国々に対する総エクスポージャーを当社グループの経営体力に見合った総枠で管理すること等により、リスクの

コントロールに努めております。

 これらの対策を通じて、リスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではなく、ロシア・

ウクライナ情勢のようにリスクが顕在化した場合、状況によっては債権回収や事業遂行の遅延・不能等により損失が発生しかねず、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 なお、ロシア・ウクライナ情勢による影響について、当社グループではロシアでの資源関連投資等を行っておりますが、当連結会計年度末の総資産に占める割合は1%未満です。当連結会計年度において、当社の保有

するロシア・ウクライナ関連資産については直近の情勢を踏まえた適切な会計処理を行っていることから、

財政状態及び経営成績への重要な影響は見込まれておりません。

 

(7)資金調達に関するリスク

 当社グループは、国内外の金融機関等からの借入金及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行により、事業に必要な資金を調達しておりますが、当社に対する格付けの大幅な引下げ等により金融市場での信用力が低下した場合、あるいは、主要金融市場の金融システムの混乱が発生した場合等には、金融機関・投資家から当社グループが必要な時期に希望する条件で資金調達ができなくなる可能性や資金調達コストが増大するリスクがあります。そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、

調達先の分散や調達手段の多様化に努めておりますが、リスクを完全に回避できるものではありません。

このようなリスクが顕在化した場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす

可能性があります。

なお、詳細については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 25 金融商品」の「流動性リスク管理」の注記内容をご参照ください。

 

(8)税務に関するリスク

 当社グループは、グループ税務ポリシーを策定したうえで、租税制度の定めや意義・立法趣旨に則り、

誠実な態度で税務業務に取組み、租税回避を企図した取引は行わず、事業活動により稼得した所得に基づき

適切な納税を行うことを基本理念としております。また、適正・公平な課税がなされるよう、適時適切な情報開示によるグループ全体の税の透明性の確保や、各国・地域税務当局に対する誠実な対応による信頼関係の

構築及び建設的な対話を通じた公正な関係維持に努めております。このような対応により、税務当局との

見解の相違に伴う税金費用の増加による企業価値の毀損等のリスクに対処しております。

 しかしながら、タックス・プランニングによる課税所得の見積りの変動及びタックス・プランニングの

変更、あるいは税率変動等を含む税制の変更等があった場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に

重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの連結財政状態計算書において、資産側に計上される繰延税金資産は金額上重要性が

あり、繰延税金資産の評価に関する会計上の判断は、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を

及ぼします。そのため、当社グループは、将来の課税所得と実行可能なタックス・プランニングを考慮し、

回収可能な繰延税金資産を計上しております。

 

(9)重要な訴訟等に関するリスク

当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼすおそれのある訴訟、仲裁その他の法的手続は現在ありません。しかしながら、当社グループの国内及び海外の事業活動等が今後重要な訴訟等の対象となり、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法令・規制に関するリスク

当社グループは、国内外で様々な商品及びサービスを取扱う関係上、関連する法令・規制は多岐にわたり

ます。具体的には、会社法、金融商品取引法、税法、各種業界法、外為法を含む貿易関連諸法、独禁法、知的財産法、環境に関する法令、贈賄防止に関する法令、海外事業に係る当該国の各種法令・規制等があり、当社グループでは法令遵守を極めて重要な企業の責務と認識のうえ、コンプライアンス体制を強化して法令遵守の徹底を図っております。

 しかしながら、こうした対策を行ったとしても、役員及び従業員による個人的な不正行為等を含め

コンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを回避できない可能性が

あります。

 また、国内外の行政・司法・規制当局等による予期せぬ法令の制定・改廃が行われる可能性や、社会・経済環境の著しい変化等に伴う各種規制の大幅な変更の可能性も否定できません。

 このような場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)人材に関するリスク

当社グループは、様々な国において多様な事業活動を行っており、個別事業の発展には事業の企画・遂行や組織の指揮・監督にあたる人材の活躍が重要です。当社グループでは多様な人材を確保し、当社と

グループ会社の連携も含めた継続的な能力開発と、働きがいのある職場環境の整備を通じて、適材適所の

配置を実現しております。

しかしながら、今後、労働市場流動化の更なる進展や、事業モデルの変化に応じて特定分野に高度な

知識・経験を持った人材へのニーズが集中する等、人材確保の環境が大きく変化する可能性があります。

このため、当社グループでの人材確保・開発の取組強化によっても、事業分野によっては求められる人材が不足し、新規事業創出や事業拡大の機会に十分応えられないリスクを完全に回避できるものではなく、人材

の不足の状況によっては将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)環境・社会に関するリスク

当社グループは、環境・社会に関するグローバルな課題の解決を経営上の重要課題の一つとして位置付け、サステナビリティ推進基本方針を定め、サステナビリティ上の重要課題を特定しました。また、商品取扱・

サービス提供及び事業投資案件の法令抵触リスクを含む環境リスクを未然に防止する環境マネジメント

システム(ISO14001)の構築、サプライチェーンに対する広範囲なサステナビリティ調査の実施、事業での

人権影響評価と特定並びに人権デューデリジェンスプロセスの構築、新規事業投資案件のESGに関するリスク評価等、リスク管理に積極的に取組んでおります。具体的な運営についてはサステナビリティ委員会を

設置し、サステナビリティに関する方針の策定・見直しや毎年の全社活動のレビューを実施するとともに、

各部署においても環境・社会マネジメント活動を推進しております。

特に喫緊の課題と認識する気候変動に関しては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に

賛同し、経済産業省・環境省・金融庁が主導するTCFDコンソーシアムにも参加、気候変動に関するリスクが

事業や業績に与える影響・対応策についてTCFDの提言に基づき分析を行い、開示を行うと同時に温室効果ガス

排出量を算出し、削減目標を公表、排出量削減に向けた取組を進めております。

しかしながら、こうした対策を行ったとしても、当社グループの事業活動により、環境汚染等の環境・社会に関する問題が生じた場合には、事業の遅滞や停止、対策費用の発生、社会的評価の低下等につながり、将来

の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)自然災害に関するリスク

当社グループが事業活動を展開する国や地域において、地震等の自然災害及び感染症が発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。当社は、大規模災害時及び新型コロナウイルスを含む感染症発生時の業務継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、防災訓練等の対策を講じて

おり、グループ会社においても個々に各種対策を講じております。

しかしながら、当社グループの事業活動は広範な地域にわたって行っており、自然災害及び感染症の被害

発生時には、その被害を完全に回避できるものではなく、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な

影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)情報システム及び情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、すべての役員及び従業員に対し、情報の取扱に関する行動規範を定め、高い情報

セキュリティレベルを確保することを重要事項と認識し、デジタル化/データ活用のための全社情報化戦略の策定、情報共有や業務の効率化のための情報システム構築・運用の実施、情報システム運用上の安全性確保のため、サイバーセキュリティリスクも考慮したセキュリティガイドラインの適用と遵守状況のモニタリング、国内外の重要システムやサーバ等の防御対策、マルウェア等の技術的なセキュリティ対策強化及びサイバー

セキュリティ対策チームに加えサイバー攻撃の脅威から当社グループ全体を守る事業会社による体制強化等、

危機管理対応の徹底に継続して取組んでおります。

 しかしながら、こうした対策を行ったとしても、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピューター

ウイルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備の損壊・通信回線のトラブル等による情報システムの停止等のリスクを完全に回避できるものではなく、被害の規模によっては、将来の当社グループの財政状態や

業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要、これらに関する経営者の視点に

よる認識及び分析・検討結果は、次のとおりです。

 

(1)経済環境

 当連結会計年度における世界経済は総じて減速傾向となりました。欧米では物価上昇及び主要中央銀行による利上げ、中国では12月にかけて厳格な新型コロナウイルス感染対策が続いたことが、景気の主要な下押し要因となりました。原油価格(WTIベース/1バレルあたり)は、各国の対露経済制裁による原油供給の先行き

不透明感等を背景に、期初の101ドル台から6月半ばに123ドル台へ上昇しましたが、その後は世界経済の減速に伴い反落しました。3月には欧米における一部銀行の経営悪化を受けて一時64ドル台まで下落が進みましたが、

期末は75ドル台で終えました。

 日本経済は、新型コロナウイルス感染対策に係る行動制限の解除を受けて人出が回復する中で、サービス分野を中心に景気が持直しました。但し、夏場・冬場の新型コロナウイルス感染拡大や物価上昇、世界経済の減速により緩やかな増勢にとどまりました。ドル・円相場は、米国長期金利の上昇に伴い期初の122円台から10月下旬にかけて一時151円台まで円安が進みましたが、その後は日本政府の為替介入等により1月中旬にかけて一時

127円台まで円高が進み、期末は133円台で終えました。日経平均株価は、米国株価の下落が下押しした一方、

円安や国内景気の持直しが下支え要因となって一進一退が続きましたが、期末には28,000円台に乗せ、期初の27,000円台後半を僅かに上回りました。10年物国債利回りは、米国長期金利に連れた上昇圧力が強まるもとで、12月下旬に日銀が長期金利目標の変動幅を拡大したことから、従来の上限であった0.25%前後から0.50%前後へ上昇しましたが、3月中旬以降は欧米における一部銀行の経営悪化を受けた安全資産を購入する動きの広がりに

より低下し、期末は0.39%で終えました。

 

(2)定性的成果

 当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2023」(2021年度から2023年度までの3ヵ年計画)

において、『「マーケットイン」による事業変革』と『「SDGs」への貢献・取組強化』を基本方針として

掲げています。「Brand-new Deal 2023」2年目である2022年度の具体的成果は、次のとおりです。

 

① 繊維カンパニー

「リーボック」の日本における販売権及びライセンス権取得

 当社は、優れたデザイン性と革新的な機能の両立により世界中で抜群の知名度と人気を誇る、スポーツ

ブランド「リーボック」の日本における販売権及びライセンス権を取得しました。ブランドビジネスに関して

圧倒的なノウハウを有する当社と、EC運営大手ジェイドグループ(株)(2023年6月1日付で(株)ロコンドから

社名変更)で推進するシューズ事業では、スポーツからファッションまで幅広い商品展開やプロモーションの

強化を通じ「リーボック」の更なるブランド価値向上を図ります。

 生活消費分野に強みを持つ当社は、市場や消費者のニーズに応える「マーケットイン」の発想を通じて、

重点分野と位置付けるスポーツ関連ビジネスの収益基盤強化を図ります。

 

サーキュラーエコノミー実現の加速に向けた戦略的な提携・投資

 当社は、繊維業界が抱える廃棄問題の解決を目指し業界の変革を志す「RENUプロジェクト」を軸に、繊維製品回収サービスを手掛ける(株)ecommitやポリエステルのケミカルリサイクル技術ライセンス展開を行う(株)RePEaTへの出資等、国内外のパートナー企業との連携を更に強化しました。繊維原料から、テキスタイル・服飾資材・アパレル、そして、小売に至るまで総合商社随一の規模を誇る当社のバリューチェーンを通じ、

サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現を目指し、「SDGs」への貢献を果たしてまいります。

 

② 機械カンパニー

北米建機ファイナンス・リース会社「ZAXIS Financial Services Americas, LLC」の設立

 当社は、2022年に日本産業パートナーズ(株)との合弁会社を通じ、日立建機(株)の総議決権数の26.0%に

あたる株式を取得し、筆頭株主となりました。日立建機(株)との資本提携後の協業第一弾として、当社、

日立建機(株)及び東京センチュリー(株)との3社合同で、世界市場の約40%を占める世界最大の北米市場に

おいて日立建機製品の販売金融を行うファイナンス・リース会社ZAXIS Financial Services Americas, LLCを

設立しました。

 当社と東京センチュリー(株)は、北米において長年ファイナンス事業に取組んできた実績があり、両社の

知見を活かして、これまで日立建機(株)が北米で取組めていなかった建機ファイナンス事業を強化することで、

多様なサービスを提供し、北米における日立建機製品の拡販を推進していきます。

 

北米における再生可能エネルギー事業への取組強化

 当社の米国子会社Tyr Energy, Inc.は、米国において再生可能エネルギーの開発を専業に取組むTyr Energy Development Renewables, LLC(以下、「TED社」という。)を設立しました。TED社を通じ、土地確保・電力

系統接続・各種許認可取得・ファイナンス組成等、再生可能エネルギーの開発に必要な一連の業務を1社で完結

できる体制を総合商社で唯一構築しており、既に約2GWのソーラー発電所を開発しています。

 また、当社の米国子会社Tyr Wind, LLCを通じて北米において6件の風力発電所に参画するとともに、同じく当社の米国子会社で世界最大の独立系発電所運転・保守サービス会社であるNAES Corporationの知見も活用し、

今後拡大が期待される北米再生可能エネルギー市場における取組を加速していきます。

 

③ 金属カンパニー

カナダ最大の鉄鉱石事業の権益取得、貴重な高品位鉄鉱石を生産

 当社は、鉄鋼大手ArcelorMittal Canada Inc.、韓国Posco Holdings Inc.、台湾China Steel Corporationが

カナダで操業中の同国最大の鉄鉱石事業ArcelorMittal Mining Canada G.P.及びArcelorMittal Infrastructure Canada G.P.(以下、「AMMC」という。)の一部権益を取得しました。AMMCは、同国最大級の鉄鉱山であり、

生産・出荷に必要となる重要なインフラ(鉄道、港湾、ペレット生産設備等)をすべて保有する一貫操業体制により非常に高いコスト競争力を有し、年間25百万トンの鉄鉱石とペレットを安定的に生産しています。

生産される高品位の鉄鉱石は、還元鉄の生産に不可欠な原料となります。還元鉄を用いた製鉄プロセスでは、

従来と比較しCO2排出量を最大で半減させることができるため、鉄鋼業の低炭素化に大きく寄与することが

期待されます。

 当社は、本権益取得により他社に類を見ず、大洋州・南米・北米の3地域で優良な鉄鉱石資源を確保し、

安定供給体制を強化するとともに、パートナー企業と鉄鋼業の低炭素化に貢献していきます。

 

④ エネルギー・化学品カンパニー

太陽光発電の「オフサイトコーポレートPPA事業」本格化

 当社は、2021年に国内の遊休地を有効活用し、複数の中小規模の太陽光発電所を開発・保有(以下、

「オフサイト型」という。)したうえでグリーン電力を束ね、都心のオフィスビル等のお客様へ長期に電気と

環境価値の提供を行う(株)クリーンエナジーコネクト(以下、「CEC社」という。)へ資本参画しました。

CEC社を通じて2022年度時点で全国500箇所での発電を開始しており、国内オフサイト型PPA業界での

リーディングポジションを確立しています。また、2023年2月には、Amazonに対して国内における追加性のある再生可能エネルギーを長期で供給するオフサイトコーポレートPPAの提供を開始し、2024年度までに日本国内で

約700箇所、計70MWのAmazon専用のNon-FIT低圧太陽光発電所を開発する計画です。

 当社は、CEC社との取組を通じ、2025年度までに現状の10倍にも及ぶ約5,000箇所、累計500MWの太陽光発電所を導入し、国内で最大規模のオフサイトコーポレートPPA運営事業者となることを目指し、再生可能エネルギー

分散型電源の普及を推進していきます。

 

再生航空燃料ビジネスの拡大

 当社は、日本国内で最初に商用フライトへの再生航空燃料(以下、「SAF」という。)の供給を行ったSAF

供給のフロントランナーです。世界最大のリニューアブル燃料メーカーであるフィンランドNeste OYJが生産

するSAFの全日本空輸(株)及び日本航空(株)への供給に続き、アブダビに本拠地を置くEtihad Airways PJSCへの供給を開始しました。日本から海外の航空会社への供給は当社が初めてとなります。また、国内でSAF導入を

推進する国土交通省航空局の実証案件を通じて、SAFの原液を輸入し、富士石油(株)の協力のもと、国内で化石由来のジェット燃料と混合して供給するという新たな取組によりSAF混合サプライチェーンを構築しました。

 これらの取組を通じ、次世代燃料の普及、サプライチェーンの構築・拡充を加速し、脱炭素社会の実現を

目指します。

 

⑤ 食料カンパニー

国内製糖事業の再編

 国内人口動態の変化や砂糖需要の多様化に対応するため、2023年1月、当社100%子会社であった

伊藤忠製糖(株)と住友商事(株)が筆頭株主であった東証プライム市場上場の日新製糖(株)との経営統合を

実施し、当社を筆頭株主とする持株会社ウェルネオシュガー(株)を発足させました。当社は、海外拠点を

フル活用した原料糖の安定調達から日本随一の精製効率を誇る伊藤忠製糖(株)の高品質な砂糖の販売まで、50年以上にわたって強靭な砂糖事業バリューチェーンを構築してきました。新会社は国内砂糖シェア3割を有し、

中京圏では盤石な伊藤忠製糖(株)の「クルルマーク」と東京・大阪の大都市圏で高認知度を持つ日新製糖(株)の「カップ印」という地域別に高いブランド認知度を誇る両社の小売商品ラインアップにより全国の需要を隈なく

カバーします。

 商社トップクラスである当社の海外原料調達能力や当社グループの中間流通・川下領域でのネットワークを

活かした販売シナジーに加え、両社の研究開発力の結集によるオリゴ糖をはじめとする健康訴求品の開拓

加速等の統合効果を追求し、砂糖事業を拡大していきます。

 

ルイボスティーの取組

 当社は、健康や美容への関心の高まりを背景にノンカフェイン飲料として注目されているルイボスティーの

原料輸入・加工・ブランディングを行い、飲料メーカー、コンビニエンスストア等に販売しています。ルイボスは、南アフリカ共和国のみで栽培されている希少な植物で、生産量の約50%が輸出に回る中、日本向けの輸出は過去10年間で約7倍へと急拡大しています。当社は、単なる原料販売にとどまらず、消費者の嗜好を汲み取った商品開発をメーカーと進めてきました。伊藤忠食糧(株)と共同で、バリューチェーン全体を構築する

オーガナイザー機能を発揮し、国内大手飲料メーカー向けのシェアは約50%と圧倒的な立ち位置を確立して

います。

 今後も自社ブランドでのティーバッグやルイボスチョコレート等の新商品開発を推進し、ルイボスのような

高機能商材を世界各地で開発するとともに、消費者ニーズに即した付加価値ある最終商品の開発まで踏み込む

ことで、強固な川中・川下グループ企業群を有する当社にしかできないバリューチェーンの構築を進めて

まいります。

 

⑥ 住生活カンパニー

北米住宅用構造材事業の取得

 当社は、米国にて住宅用構造材の製造・販売を展開するPacific Woodtech Corporationを通じ

Louisiana-Pacific Corporation(以下、「LP社」という。)より柱・梁材製造事業を取得し、業界最大手の

一角となりました。LP社の米国カリフォルニア州、ノースカロライナ州、加国ブリティッシュコロンビア州の

3工場を取得することで、全米をカバーする製造拠点の体制が整いました。

 北米建材事業では、既に業界No.1であるフェンス事業に続き、住宅用構造材事業においてもバリュー

チェーンの強靭化を実現し、 単板積層材専門の製造業者として No.1の地位を確立しました。今後も高付加

価値製品の製造力を強化し、更なる事業の拡大・収益力強化を図ってまいります。

 

Metsä Fibre Oyとの取組強化

 当社は、100%子会社ITOCHU FIBRE LIMITEDを通じ世界最大手市販針葉樹パルプメーカーであるフィンランドのMetsä Fibre Oy(以下、「MF社」という。)に25.0%出資しています。2022年10月には省人化を実現した

最新鋭の新製材工場が稼働し、竣工式にはフィンランド首相が駆けつける等、地元からも支持される事業を展開しています。2022年度においては、当社が長年培ってきた販売ネットワークを活かしながら、好調なパルプ市況もあり、ITOCHU FIBRE LIMITEDは史上最高益を達成しました。2023年度にはパルプ新工場稼働を予定しており、MF社として400万トン規模まで生産量を拡大することで、他商社を圧倒し、業界No.1の地位を更に盤石のものとします。また、パルプ工場で発電される木材由来の再生エネルギーは、自社使用分を除いて周辺地域へと

供給し、地域環境保全にも貢献しています。

 引続きMF社が生産を、当社が成長市場であるアジアを中心とした世界中の販売を担い、更なるパルプ

ビジネスの拡大を図ります。

 

⑦ 情報・金融カンパニー

(株)外為どっとコムの持分法適用会社化

 当社は、2022年9月に外国為替証拠金取引(以下「FX」という。)大手の(株)外為どっとコムに40.2%の

出資を実行し、持分法適用会社化しました。これにより、当社は、スイスを拠点とする世界的総合金融

ブローカーであるトラディショングループに次ぐ株主となりました。FX市場は2022年に過去最高となる取引額を記録する等、安定した成長を続けています。同社は、「お客様第一主義」を掲げ、業界最低水準の手数料や

長期的な運用ができる積立サービス、質の高いFX関連情報の発信等、徹底的に顧客の立場に立ったサービスの

提供を強みに口座数を約58万まで拡大し、利用者数を伸ばしています。

 当社は、ポケットカード(株)、(株)オリエントコーポレーション及び香港・タイ・英国等海外でのリテール

金融事業等、他商社比で圧倒的な強みのあるリテール金融基盤を有しています。今回の(株)外為どっとコム

への出資を機に、リテール金融事業の「融資・決済」分野と連携し、同社の更なる顧客基盤拡大を支援しつつ、

消費者ニーズを捉えた「資産運用」分野へも事業領域を拡大し、優位性を更に高めてまいります。

 

Docquity Holdings Pte. Ltd.の持分法適用会社化

 当社は、2022年8月に医師向けオンラインプラットフォームを展開するDocquity Holdings Pte. Ltd.に筆頭株主となる29%の出資を実行し、持分法適用会社化しました。近年、東南アジアにおける医療・ヘルスケア

分野のデジタル化が加速しており、国を超えた医師同士の知見共有や製薬企業等から医師への情報提供に

おいて、オンラインの活用が急速に浸透しています。同社のプラットフォームは、東南アジアを中心に総会員数約35万人(東南アジアの医師数全体の7割以上)を有し、東南アジア最大の事業規模を誇っています。当社は、情報通信分野において強みを持ち、かつ、ヘルスケア分野においても長年培った知見を有しているからこそ、

同社のような先進企業への出資を、他商社に先駆けて初めて実現することが可能となりました。

 当社は、治験受託大手のエイツーヘルスケア(株)が有する製薬業界に対するノウハウに加え、当社グループの国内外のネットワークを活用することで、同社の既存事業である医薬品・医療機器マーケティング事業の更なる成長を支援するとともに、新たな医師・医療機関向けのデジタルサービスの展開等、医療・ヘルスケアDX事業を

推進してまいります。

 

⑧ 第8カンパニー

広告・メディア事業の取組拡大

 (株)データ・ワンは、前期比14%増とマーケットの急成長が続くデジタル広告市場において、1日

1,500万人が来店する(株)ファミリーマートの購買データと(株)NTTドコモのdポイントデータを活用し、消費者及び広告主双方のニーズに合わせたデジタル広告配信事業を展開しています。通常、広告配信効果は市場全体の

売上によって大まかにしか測ることができませんが、本事業では実際の購買データから広告配信効果を

きめ細かく検証することが可能であり、広告主より高評価をいただいています。また、実際の購買データに

基づく顧客属性に応じた広告を配信するため、消費者にとってもニーズに沿った広告が届くことで

ストレスフリーに閲覧可能であり、広告配信ユーザー数は国内最大級となる約2,900万人となりました。

 今後は、ファミリーマート店舗で展開拡大するメディア事業との一層の連携を図ります。2023年度内に

1万店舗へ設置予定のデジタルサイネージで配信する広告と(株)データ・ワンのデジタル広告を連携させ、

リアルとオンラインを融合した新しい広告事業へと進化させていきます。

 

処方薬の店舗受取サービス「ファミマシー」の開始

 (株)ファミリーマートは2022年5月、処方薬の店舗受取サービス「ファミマシー」を開始しました。

ファミマシーは、凸版印刷(株)グループ会社が運営する「とどくすり薬局」と連携し、処方薬を最短翌日に、

送料・手数料無料で首都圏の約4,500店舗で受取が可能なサービスです。24時間いつでも、利用者のタイミングで最寄りのファミリーマート店舗で受取ができることで、調剤薬局への処方箋の持参、処方の順番待ちといった

不便さを解消します。

 今後は、サービス展開地域を拡大するとともに、「マーケットイン」の発想を通じて、引続き消費者ニーズに

基づいた利便性の高いサービスを提供していきます。

 

⑨ その他

「ITOCHU SDGs STUDIO」からの発信を強化

 当社は、2022年7月に次世代を担うこどもたちが「遊び」を通してSDGsの考え方を体験できる施設「ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARK」を新設しました。安心安全に遊べる無料の施設として注目され、1日300人の予約枠は常時満枠となっています。更に「こどもの視展」等の展示、当社冠番組のJ-WAVEラジオ公開収録等で前年度比

約5倍の年間約10万人が来場する等、他に類を見ないSDGs発信拠点として成長しています。SNSフォロワー数も3万人に上り、当STUDIOの発信強化に寄与しています。今後も、消費者との接点を更に拡大し、あらゆる

生活者がSDGsと出会うきっかけを提供していきます。

 

(3)業績の状況

① 収益

 当連結会計年度の「収益」は、エネルギー・化学品はエネルギートレーディング取引及び化学品関連取引並びにエネルギー関連事業での市況価格上昇等により増収、食料は食糧関連取引での市況価格上昇及び食品流通関連事業での取扱数量増加等により増収、住生活は建材関連事業での市況価格上昇及びEuropean Tyre Enterprise Limited(欧州タイヤ関連事業)での採算改善に加え、北米住宅用構造材関連事業の子会社化等により増収、

金属は鉄鉱石価格の下落はあったものの、石炭価格の上昇に加え、円安の影響等により増収となり、全体としては前連結会計年度比1兆6,523億円(13.4%)増収の13兆9,456億円となりました。なお、「商品販売等に係る

収益」は12兆6,056億円、「役務提供及びロイヤルティ取引に係る収益」は1兆3,400億円となりました。

 

② 売上総利益

 当連結会計年度の「売上総利益」は、エネルギー・化学品は市況価格上昇に伴うエネルギートレーディング

取引の採算改善及び電力取引の堅調な推移等により増益、金属は鉄鉱石価格の下落はあったものの、石炭価格の

上昇に加え、円安の影響等により増益、住生活は国内不動産事業の堅調な推移及びEuropean Tyre Enterprise Limitedでの採算改善に加え、北米住宅用構造材関連事業の子会社化等により増益、機械は自動車関連事業及び

北米建機関連事業での販売好調等により増益となり、全体としては前連結会計年度比1,927億円(9.9%)増益の

2兆1,299億円となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の「販売費及び一般管理費」は、前第1四半期連結会計期間末に全家便利商店股份有限公司

(以下、「台湾FM」という。)を子会社から関連会社に区分変更したことによる減少はあったものの、堅調な

収益拡大及び円安による経費増加等により、前連結会計年度比724億円(5.4%)増加の1兆4,191億円と

なりました。

 

④ 貸倒損失

 当連結会計年度の「貸倒損失」は、一般債権に対する貸倒引当金の増加等により、前連結会計年度比9億円

増加の89億円(損失)となりました。

 

⑤ 有価証券損益

当連結会計年度の「有価証券損益」は、北米飲料機器メンテナンス事業及びコネクシオ(株)の売却に伴う利益はあったものの、ファンド保有株式の評価損益悪化に加え、前連結会計年度の台湾FMの一部売却、(株)Paidyの連結除外及び日伯紙パルプ資源開発(株)の売却に伴う利益並びにITOCHU Coal Americas Inc.の連結除外に伴う

為替差益の実現の反動等により、前連結会計年度比1,447億円(68.3%)減少の672億円(利益)となりました。

 

⑥ 固定資産に係る損益

 当連結会計年度の「固定資産に係る損益」は、Doleでの減損損失等により、前連結会計年度比325億円悪化の501億円(損失)となりました。

 

⑦ その他の損益

 当連結会計年度の「その他の損益」は、海外特定債権・事業に係る利益等により、前連結会計年度比54億円

増加の151億円(利益)となりました。

 

⑧ 金融収支(「受取利息」、「支払利息」、「受取配当金」の合計額)

 当連結会計年度の金融収支は、前連結会計年度比200億円減少の522億円(利益)となりました。

 このうち「受取利息」及び「支払利息」の合計である金利収支は、米ドル金利上昇に伴う支払利息の増加等に

より前連結会計年度比189億円悪化の275億円(費用)となり、「受取配当金」は、LNGプロジェクト及び

ブラジル鉄鉱石関連投資からの配当金の増加はあったものの、石油ガス上流権益からの配当金の減少等

により、前連結会計年度比11億円(1.3%)減少の797億円となりました。

 

⑨ 持分法による投資損益

 当連結会計年度の「持分法による投資損益」は、その他及び修正消去(注)はCITIC Limitedでは鉄鉱石価格下落の影響及び傘下の関係会社に係る減損損失があったものの、総合金融分野の堅調な推移及び証券事業の

再評価に係る利益並びに円安の影響等により取込損益が増加したことに伴い増加、金属は価格下落による

鉄鉱石事業の取込損益減少はあったものの、北米事業の堅調な推移による伊藤忠丸紅鉄鋼(株)の取込損益増加に加え、円安の影響等により増加、住生活は海外不動産事業での物件売却益に加え、パルプ市況上昇等による

ITOCHU FIBRE LIMITED(欧州パルプ事業)の取込損益増加等により増加となり、一方、食料は北米穀物関連事業の堅調な推移等はあったものの、北米畜産関連事業では中国での販売価格下落や円安による対日販売の不調及び穀物市況上昇による生産コスト増加並びに減損損失に伴う取込損益悪化があり減少となりましたが、全体として

は前連結会計年度比292億円(10.0%)増加の3,207億円(利益)となりました。

 なお、主な持分法適用会社の業績については、後述「(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績」をご参照ください。

 

(注)「その他及び修正消去」は、各事業セグメントに帰属しない損益及びセグメント間の内部取引消去が含ま

   れております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」を

   ご参照ください。

 

⑩ 当社株主に帰属する当期純利益

 以上の結果、「税引前利益」は、前連結会計年度比432億円(3.8%)減益の1兆1,069億円となりました。「法人所得税費用」は、税引前利益の減少等により、前連結会計年度比89億円(3.3%)減少の2,622億円と

なり、「税引前利益」1兆1,069億円から「法人所得税費用」2,622億円を控除した「当期純利益」は、前連結

会計年度比343億円(3.9%)減益の8,447億円となりました。このうち、「非支配持分に帰属する当期純利益」

442億円(利益)を控除した「当社株主に帰属する当期純利益」は、前連結会計年度比198億円(2.4%)減益の8,005億円となりました。

 

⑪ 日本の会計慣行に基づく「営業利益」

 当連結会計年度の「営業利益」(「売上総利益」、「販売費及び一般管理費」、「貸倒損失」の合計)は、

エネルギー・化学品は市況価格上昇に伴うエネルギートレーディング取引の採算改善及び電力取引の堅調な推移等により増益、金属は鉄鉱石価格の下落はあったものの、石炭価格の上昇に加え、円安の影響等により増益、

機械は自動車関連事業及び北米建機関連事業での販売好調等により増益、住生活は国内不動産事業の堅調な推移及びEuropean Tyre Enterprise Limitedでの採算改善に加え、北米住宅用構造材関連事業の子会社化等により

増益となり、全体としては前連結会計年度比1,194億円(20.5%)増益の7,019億円となりました。

 

(4)セグメント別業績

 当連結会計年度の、事業セグメント別の業績は次のとおりです。当社は8つのディビジョンカンパニーにより以下の区分にて、事業セグメント別業績を記載しております。

 

① 繊維カンパニー

収益(セグメント間内部収益を除く。以下同様。)は、新型コロナウイルスの影響軽減に伴うアパレル関連

事業での業績改善等により、前連結会計年度比854億円(19.2%)増収の5,301億円となりました。売上総利益は、上記と同様の理由により、前連結会計年度比197億円(20.4%)増益の1,165億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、新型コロナウイルスの影響軽減に伴うアパレル関連事業での業績改善があり、一過性

利益の減少等はあったものの、前連結会計年度比3億円(1.3%)増益の255億円となりました。セグメント別資産は、中国アパレル関連投資の回収はあったものの、新型コロナウイルスの影響軽減に伴う取引増加による営業債権及び棚卸資産の増加並びにアパレル関連事業の新規連結に加え、円安の影響等により、前連結会計年度末比

209億円(4.8%)増加の4,577億円となりました。

 

② 機械カンパニー

収益は、航空機関連事業での機体売却の増加や自動車関連事業及び北米建機関連事業での販売好調に加え、

円安の影響等により、前連結会計年度比1,995億円(16.7%)増収の1兆3,935億円となりました。売上総利益は、自動車関連事業及び北米建機関連事業での販売好調等により、前連結会計年度比290億円(14.1%)増益の2,348億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、自動車関連事業及び北米建機関連事業の好調並びに日立建機(株)の持分法適用開始に加え、北米飲料機器メンテナンス事業の売却に伴う利益があり、リース関連事業でのロシア向け航空機に係る損失や海外事業に係る減損損失等はあったものの、前連結会計年度比268億円(33.4%)増益の1,071億円となりました。セグメント別資産は、営業債権及び棚卸資産並びに日立建機(株)の株式取得による持分法投資の増加に加え、円安の影響等により、前連結会計年度末比3,620億円(27.8%)増加の1兆6,646億円となりました。

 

③ 金属カンパニー

収益は、鉄鉱石価格の下落はあったものの、石炭価格の上昇に加え、円安の影響等により、前連結会計年度比2,250億円(21.6%)増収の1兆2,681億円となりました。売上総利益は、上記と同様の理由により、前連結会計年度比431億円(24.1%)増益の2,220億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、石炭価格の上昇

及び伊藤忠丸紅鉄鋼(株)の北米事業の堅調な推移に加え、円安の影響等があり、鉄鉱石価格の下落及び

前連結会計年度の一過性利益の反動はあったものの、前連結会計年度比204億円(9.0%)増益の2,469億円と

なりました。セグメント別資産は、棚卸資産及び利益の積上げによる持分法投資の増加に加え、円安の影響は

あったものの、営業債権の減少等により、前連結会計年度末比105億円(0.8%)減少の1兆2,748億円となり

ました。

 

④ エネルギー・化学品カンパニー

収益は、エネルギートレーディング取引及び化学品関連取引並びにエネルギー関連事業での市況価格上昇等

により、前連結会計年度比5,249億円(18.3%)増収の3兆3,890億円となりました。売上総利益は、市況価格

上昇に伴うエネルギートレーディング取引の採算改善及び電力取引の堅調な推移等により、前連結会計年度比

623億円(24.6%)増益の3,154億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、市況価格上昇に伴う

エネルギートレーディング取引の採算改善及び電力取引の堅調な推移等があり、受取配当金の減少はあった

ものの、前連結会計年度比236億円(26.1%)増益の1,143億円となりました。セグメント別資産は、北米

合成樹脂関連事業の子会社化及び蓄電池関連取引の棚卸資産の増加に加え、円安の影響等により、前連結会計

年度末比634億円(4.3%)増加の1兆5,526億円となりました。

⑤ 食料カンパニー

収益は、食糧関連取引での市況価格上昇及び食品流通関連事業での取扱数量増加等により、前連結会計年度比3,327億円(7.7%)増収の4兆6,263億円となりました。売上総利益は、食糧関連取引の採算改善及び食品流通関連事業での取扱数量増加等があり、Doleでのインフレによる需要低迷に伴う販売数量減少及び物流コスト増加並びにプリマハム(株)での調達コスト増加に伴う採算悪化はあったものの、前連結会計年度比105億円(3.3%)増益の3,309億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、食糧関連取引の採算改善や国内製糖事業

及び北米油脂事業の再編に伴う利益はあったものの、畜産関連事業での採算悪化に加え、Doleでのインフレに

よる需要低迷に伴う販売数量減少及び物流コスト増加並びに減損損失等により、前連結会計年度比453億円(73.4%)減益の165億円となりました。セグメント別資産は、食糧関連取引及びDoleの加工食品事業の棚卸

資産や食品流通関連事業の営業債権の増加に加え、円安の影響等により、前連結会計年度末比1,673億円(8.5%)増加の2兆1,468億円となりました。

 

⑥ 住生活カンパニー

収益は、建材関連事業での市況価格上昇及びEuropean Tyre Enterprise Limitedでの採算改善に加え、北米

住宅用構造材関連事業の子会社化等により、前連結会計年度比2,265億円(21.8%)増収の1兆2,635億円と

なりました。売上総利益は、国内不動産事業の堅調な推移及びEuropean Tyre Enterprise Limitedでの採算改善に加え、北米住宅用構造材関連事業の子会社化等により、前連結会計年度比347億円(18.2%)増益の2,250億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、不動産事業及びITOCHU FIBRE LIMITEDの堅調な推移に加え、北米住宅用構造材関連事業の子会社化に伴う再評価益等はあったものの、前連結会計年度の一過性利益の反動により、前連結会計年度比106億円(10.0%)減益の948億円となりました。セグメント別資産は、北米住宅用

構造材関連事業の子会社化に加え、円安の影響等により、前連結会計年度末比971億円(8.6%)増加の

1兆2,233億円となりました。

 

⑦ 情報・金融カンパニー

収益は、コネクシオ(株)の連結除外による減収はあったものの、伊藤忠テクノソリューションズ(株)の取引が堅調に推移したこと等により、前連結会計年度比111億円(1.3%)増収の8,751億円となりました。売上総利益は、伊藤忠テクノソリューションズ(株)の取引は堅調に推移したものの、コネクシオ(株)の連結除外等により、前連結会計年度比98億円(3.3%)減益の2,861億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、

コネクシオ(株)の売却に伴う利益等はあったものの、ファンド保有株式の評価損益悪化及び携帯関連事業の取込損益減少並びに前連結会計年度の一過性利益の反動により、前連結会計年度比400億円(38.3%)減益の644億円となりました。セグメント別資産は、持分法投資の取得及び棚卸資産の増加に加え、円安の影響はあった

ものの、コネクシオ(株)の連結除外等により、前連結会計年度末比423億円(3.1%)減少の1兆3,081億円と

なりました。

 

⑧ 第8カンパニー

収益は、(株)ファミリーマートでは外部環境変化による加盟店に対する支援金の増加があったものの、

商品力・販促強化による客数及び客単価の伸長に伴う日商増加等の影響により、前連結会計年度比

92億円(2.0%)増収の4,671億円となりました。売上総利益は、(株)ファミリーマートでは外部環境変化

による加盟店に対する支援金の増加を、商品力・販促強化による客数及び客単価の伸長に伴う日商増加等の影響が上回った一方、前第1四半期連結会計期間末に台湾FMを子会社から関連会社に区分変更したことにより、

前連結会計年度比37億円(1.0%)減益の3,838億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、

(株)ファミリーマートでは加盟店に対する支援金等の外部環境変化によるコストの増加を、商品力・販促強化による客数及び客単価の伸長に伴う日商増加等の影響が上回った一方、前連結会計年度の一過性利益の反動

により、前連結会計年度比211億円(47.8%)減益の230億円となりました。セグメント別資産は、

(株)ファミリーマートでの日商増加に伴う現預金及び営業債権の増加に加え、固定資産の取得や投資有価証券の公正価値上昇等により、前連結会計年度末比929億円(5.1%)増加の1兆9,067億円となりました。

 

⑨ その他及び修正消去

当社株主に帰属する当期純利益は、CITIC Limitedでは鉄鉱石価格下落の影響及び傘下の関係会社に

係る減損損失があった一方、総合金融分野の堅調な推移及び証券事業の再評価に係る利益並びに円安の影響等により取込損益が増加したことに加え、税金費用減少もあり、米ドル金利上昇に伴う支払利息の増加や

C.P. Pokphand Co. Ltd.に係る減損損失はあったものの、前連結会計年度比262億円(31.9%)増益の1,081億円となりました。

 

(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績

 

 ① 黒字・赤字会社別損益及び黒字会社比率

 

 

黒字・赤字会社別損益

 

 

 

 

 

 

 

(単位:億円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

黒字会社

赤字会社

合計

黒字会社

赤字会社

合計

黒字会社

赤字会社

合計

事業会社損益

(海外現地法人含む)

7,195

△106

7,089

7,716

△779

6,937

521

△673

△151

 

 黒字会社比率

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

 

黒字会社

赤字会社

合計

黒字会社

赤字会社

合計

黒字会社

赤字会社

合計

連結子会社

会社数

180

12

192

177

11

188

△3

△1

△4

比率(%)

93.7

6.3

100.0

94.1

5.9

100.0

0.4

△0.4

 

持分法適用会社

会社数

69

13

82

63

20

83

△6

7

1

比率(%)

84.1

15.9

100.0

75.9

24.1

100.0

△8.2

8.2

 

合計

会社数

249

25

274

240

31

271

△9

6

△3

比率(%)

90.9

9.1

100.0

88.6

11.4

100.0

△2.3

2.3

 

(注)会社数には、親会社の一部と考えられる投資会社(165社)及び当社もしくは当社の海外現地法人が直接投資している会社を除くその他の会社(486社)を含めておりません。

 

当連結会計年度の事業会社損益は、前連結会計年度比151億円減少の6,937億円の利益となりました。

黒字会社損益は、前連結会計年度の一過性利益の反動等があった(株)ファミリーマートの減益はあったものの、北米飲料機器メンテナンス事業売却及び北米油脂事業再編に伴う利益等があった伊藤忠インターナショナル会社の増益、総合金融分野を中心とした堅調な推移及び証券事業の再評価等によりCITIC Limitedの取込損益が増加したOrchid Alliance Holdings Limitedの増益に加え、石炭価格の上昇及び円安の影響等があったITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltdの増益等により、前連結会計年度比521億円増加の7,716億円の利益となりました。また、赤字会社損益は、Dole International Holdings(株)やHYLIFE GROUP HOLDINGS LTD.の採算

悪化及び減損損失等により、前連結会計年度比673億円悪化の779億円の損失となりました。

黒字会社比率(連結対象会社数に占める黒字会社数の比率)については、前連結会計年度の90.9%から

2.3ポイント低下の88.6%となりました。

 

 ② 主な関係会社損益

 

 

 

(単位:億円)

 

 

取込

比率(%)

取込損益(注)1

 

 

前連結

会計年度

当連結

会計年度

繊維

㈱ジョイックスコーポレーション

100.0

7

11

㈱レリアン

100.0

17

7

㈱デサント

40.0

27

41

㈱ドーム

69.7

5

㈱エドウイン

100.0

16

6

㈱三景

100.0

5

11

ITOCHU Textile Prominent (ASIA) Ltd.

100.0

20

22

伊藤忠繊維貿易(中国)有限公司

100.0

17

21

機械

東京センチュリー㈱

30.0

160

41

I-Power Investment Inc.

100.0

41

43

I-ENVIRONMENT INVESTMENTS LIMITED

100.0

75

36

伊藤忠プランテック㈱               (注)2

100.0

14

19

㈱アイメックス

100.0

42

33

㈱ジャムコ

33.4

△14

7

日本エアロスペース㈱

100.0

16

17

㈱ヤナセ

82.8

97

127

Auto Investment Inc.

100.0

27

30

シトラスインベストメント合同会社                  (注)3

100.0

36

伊藤忠マシンテクノス㈱                            (注)4

100.0

10

14

MULTIQUIP INC.

100.0

37

63

金属

ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltd

100.0

1,587

1,763

JAPÃO BRASIL MINÉRIO DE FERRO PARTICIPAÇÕES LTDA.

77.3

37

89

伊藤忠丸紅鉄鋼㈱

50.0

313

478

伊藤忠メタルズ㈱                 (注)2

100.0

31

30

エネルギー・化学品

ITOCHU Oil Exploration (Azerbaijan) Inc.

100.0

89

71

ITOCHU PETROLEUM CO., (SINGAPORE) PTE. LTD.

100.0

14

17

伊藤忠エネクス㈱

54.0

71

75

日本南サハ石油㈱

25.0

41

27

伊藤忠ケミカルフロンティア㈱

100.0

64

76

伊藤忠プラスチックス㈱              (注)2

100.0

47

53

タキロンシーアイ㈱

55.7

35

14

食料

Dole International Holdings㈱

100.0

84

△364

㈱日本アクセス                  (注)2

100.0

171

175

不二製油グループ本社㈱

43.9

45

31

ウェルネオシュガー㈱

37.8

0

伊藤忠飼料㈱

100.0

22

9

プリマハム㈱

47.9

40

14

伊藤忠食品㈱

52.2

27

33

HYLIFE GROUP HOLDINGS LTD.

49.9

11

△131

 

 

 

 

 

(単位:億円)

 

 

取込

比率(%)

取込損益(注)1

 

 

前連結

会計年度

当連結

会計年度

住生活

European Tyre Enterprise Limited

100.0

35

44

ITOCHU FIBRE LIMITED

100.0

178

217

伊藤忠紙パルプ㈱                 (注)2

100.0

18

21

伊藤忠セラテック㈱

100.0

7

9

伊藤忠ロジスティクス㈱              (注)2

100.0

46

63

伊藤忠建材㈱

100.0

60

53

大建工業㈱

36.3

27

43

伊藤忠都市開発㈱

100.0

30

38

伊藤忠アーバンコミュニティ㈱

100.0

14

15

情報・金融

伊藤忠テクノソリューションズ㈱

61.2

207

209

㈱ベルシステム24ホールディングス

40.7

26

28

伊藤忠・フジ・パートナーズ㈱

63.0

20

22

エイツーヘルスケア㈱

100.0

16

20

ほけんの窓口グループ㈱

92.0

22

28

ポケットカード㈱               (注)2,5

78.2

40

42

㈱オリエントコーポレーション

16.5

19

30

㈱外為どっとコム

40.2

5

First Response Finance Ltd.

100.0

25

31

ITOCHU FINANCE (ASIA) LTD.

100.0

48

38

GCT MANAGEMENT (THAILAND) LTD.

100.0

40

41

第8

㈱ファミリーマート                (注)6

94.7

447

237

その他及び

修正消去

Orchid Alliance Holdings Limited         (注)7

100.0

964

1,172

C.P. Pokphand Co. Ltd.              (注)8

23.8

△26

△43

Chia Tai Enterprises International Limited    (注)9

23.8

△5

△24

 

 

 

 

 

(参考)

海外現地法人

(注)10

伊藤忠インターナショナル会社

100.0

277

510

伊藤忠欧州会社

100.0

116

123

伊藤忠(中国)集団有限公司

100.0

68

71

伊藤忠香港会社

100.0

80

69

伊藤忠シンガポール会社

100.0

52

70

(注)1 取込損益には、IFRS修正後の数値を記載しておりますので、各社が公表している数値とは異なる場合があります。

2 取込損益には、第8カンパニーの取込損益を含んでおります。

3 傘下の日立建機㈱からの取込損益を当第3四半期連結会計期間より含んでおります。当社の融資に対する

パートナーからの受取利息等は含んでおりません。

4 伊藤忠マシンテクノス㈱と伊藤忠システック㈱は、2022年4月1日に経営統合したため、伊藤忠マシンテクノ

ス㈱の前連結会計年度の取込損益は、両社の取込損益を合算して表示しております。

5 ポケットカード㈱の取込損益には、㈱ファミリーマート経由の取込損益を含んでおります。

6 ㈱ファミリーマートの取込損益には、ポケットカード㈱の取込損益を含んでおります。

7 Orchid Alliance Holdings Limitedの取込損益には、付随する税効果等を含めて表示しております。

8 C.P. Pokphand Co. Ltd.の当連結会計年度の取込損益には、当社が保有する当該会社に対する持分法投資に

係る減損損失等を含んでおります。

9 Chia Tai Enterprises International Limitedの前連結会計年度及び当連結会計年度の取込損益には、

当社が保有する当該会社に対する持分法投資に係る減損損失等を含んでおります。

10 各セグメントに含まれている海外現地法人の損益を参考情報として表示しております。

 

(6)仕入、成約及び販売の状況

① 仕入の状況

 仕入と販売との差異は僅少なため、仕入高の記載は省略しております。

 

② 成約の状況

 成約と販売との差異は僅少なため、成約高の記載は省略しております。

 

③ 販売の状況

 「(4)セグメント別業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照

ください。

 

(7)流動性と資金の源泉

① 資金調達の方針

 当社の資金調達は、金融情勢の変化に対応した機動性の確保と資金コストの低減を目指すとともに、調達の

安定性を高めるために長期性の資金調達に努める等、調達構成のバランスを取りながら、調達先の分散や調達

方法・手段の多様化を図っております。また、国内子会社の資金調達については原則として親会社及び国内

グループ金融統括会社からのグループファイナンスに一元化するとともに、海外子会社の資金調達についても

シンガポール、英国及び米国の海外グループ金融統括会社を拠点にグループファイナンスを行っております。

資金調達を集中することにより、連結ベースでの資金の効率化や資金調達構造の改善に努めております。この

結果、当連結会計年度末時点では、連結有利子負債のうち約68%が親会社、国内及び海外グループ金融統括会社

による調達となっております。

 資金調達手段としては、銀行借入等の間接金融と社債等の直接金融を機動的に活用しております。間接金融については、様々な金融機関と幅広く良好な関係を維持し、必要な資金を安定的に確保しております。直接金融については、国内では、社債発行登録制度に基づき2021年8月から2023年8月までの2年間で3,000億円の新規社債発行枠の登録を行っております。また、資金効率の向上並びに資金コストの低減を目的に、コマーシャル・

ペーパーによる資金調達も実施しております。海外では、当社とグループ金融統括会社で合わせて

5,000百万米ドルのユーロ・ミディアムタームノート(Euro MTN)プログラムを保有しております。また、2021年3月にSDGs債フレームワーク(サステナビリティボンド・フレームワーク)を策定し、これに基づきSDGs債を

発行しております。

 当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりです。今後も一層の格付け向上を

目指し収益力の強化、財務体質の改善、及びリスクマネジメントの徹底に努めます。

 

長期

短期

日本格付研究所(JCR)

AA+/安定的

J-1+

格付投資情報センター(R&I)

AA/安定的

a-1+

ムーディーズ・インベスターズ・サービス(Moody's)

A2/安定的

P-1

S&Pグローバル・レーティング(S&P)

A/安定的

A-1

 

② 有利子負債

  当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末比1,007億円増加の3兆66億円となりました。

 現預金控除後のネット有利子負債は、前連結会計年度末比1,082億円増加の2兆3,912億円となりました。

 NET DER(ネット有利子負債対株主資本倍率)は、前連結会計年度末の0.54倍から0.05改善の0.50倍となりました。また、有利子負債合計に占める長期有利子負債比率は、前連結会計年度末の82%から78%へと4ポイントの減少となりました。

  前連結会計年度末及び当連結会計年度末の有利子負債の内訳は、次のとおりです。

 

 

 

(単位:億円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減

社債及び借入金(短期):

 

 

 

銀行借入金等

4,362

6,017

1,655

コマーシャル・ペーパー

300

280

△20

社債

563

301

△262

短期計

5,224

6,597

1,373

社債及び借入金(長期):

 

 

 

銀行借入金等

22,353

22,257

△96

社債

1,482

1,213

△269

長期計

23,835

23,469

△365

有利子負債計

29,059

30,066

1,007

現金及び現金同等物、定期預金

6,229

6,155

△74

ネット有利子負債

22,830

23,912

1,082

 

③ 財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、日立建機(株)の株式取得等による持分法で会計処理されている投資の増加に

加え、取引増加や市況価格上昇等による営業債権及び棚卸資産の増加並びに円安に伴う為替影響等により、

前連結会計年度末比9,580億円(7.9%)増加の13兆1,117億円となりました。

 「株主資本」は、配当金の支払及び自己株式の取得はあったものの、当社株主に帰属する当期純利益の積上げ及び円安に伴う為替影響等により、前連結会計年度末比6,202億円(14.8%)増加の4兆8,195億円と

なりました。また、株主資本比率は前連結会計年度末比2.2ポイント上昇の36.8%となりました。

 「株主資本」に「非支配持分」を加えた「資本」は、前連結会計年度末比6,999億円(14.7%)増加の

5兆4,636億円となりました。

 

④ 流動性準備

  当社グループは、調達環境の悪化等、不測の事態にも対応しうる流動性準備の確保に努めております。

  当連結会計年度末では、短期有利子負債と偶発負債の合計額8,634億円に対し、現金及び現金同等物、定期

 預金(合計6,155億円)、コミットメントライン契約の未使用枠(円貨4,500億円、外貨993百万米ドル)を合計した流動性準備の合計額は1兆1,981億円となっており、十分な流動性準備を確保していると考えております。

 また、これに加えて、売却可能有価証券等短期間での現金化が可能な資産等を8,368億円保有しております。

 

(流動性準備額)

(単位:億円)

 

当連結会計年度末

現金及び現金同等物、定期預金

6,155

コミットメントライン

5,826

合計

11,981

 

(短期有利子負債と偶発負債)

(単位:億円)

 

当連結会計年度末

社債及び借入金(短期)

6,597

社債及び借入金(長期)(注)

1,120

偶発負債(関連会社及びジョイント・ベンチャー、一般取引先に対する金融保証実保証額)

916

合計

8,634

   (注)1年以内に期限の到来する社債及び借入金のうち、コミットメントラインに係るものを、連結財政状態

計算書上で「社債及び借入金(長期)」として表示しております。

 

 

⑤ 資金の源泉

当社グループの主な資金需要には、営業活動上の運転資金に加え、投資及び有形固定資産の取得等が

あります。当社グループの資金の源泉に対する基本的な考え方は、新規投資の資金を、営業取引収入、資産の

売却・回収、及び財務健全性を維持しながら借入金や社債等により調達することで賄うというものです。

なお、当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2023」(2021年度から2023年度までの3ヵ年計画)期間において、成長投資・有利子負債コントロール・株主還元の3つのバランスを堅持し、株主還元後実質

フリー・キャッシュ・フロー(注)の黒字を前提としたキャッシュアロケーションを行います。

(注)「実質営業キャッシュ・フロー」-「ネット投資」-「配当・自己株式取得」
   ・「実質営業キャッシュ・フロー」=「営業キャッシュ・フロー」

                       -「運転資金等の増減」+「リース負債の返済等」

  ・「ネット投資」=「投資キャッシュ・フロー」+「非支配持分との資本取引」-「貸付金の増減」等

 

当連結会計年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、営業取引の伸長による運転資金の増加はあったものの、金属、第8、エネルギー・化学品及び住生活での営業取引収入の堅調な推移等により、9,381億円のネット入金となりました。

なお、前連結会計年度は、8,012億円のネット入金でした。

当連結会計年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、機械での北米飲料機器メンテナンス事業及び

情報・金融でのコネクシオ(株)の売却はあったものの、機械での日立建機(株)の株式及び住生活での北米住宅用

構造材関連事業の取得並びに金属でのカナダ鉄鉱石事業への投資に加え、食料、第8、機械及びエネルギー・

化学品での固定資産の取得等により、4,538億円のネット支払となりました。

なお、前連結会計年度は、386億円のネット入金でした。

当連結会計年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、リース負債の返済に加え、配当金の支払及び

自己株式の取得等により、5,001億円のネット支払となりました。

なお、前連結会計年度は、8,467億円のネット支払でした。

 

「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末比57億円(0.9%)減少の6,060億円となりました。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度のキャッシュ・フローの要約は次のとおりです。

 

 

(単位:億円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

営業活動によるキャッシュ・フロー

8,012

9,381

投資活動によるキャッシュ・フロー

386

△4,538

財務活動によるキャッシュ・フロー

△8,467

△5,001

現金及び現金同等物の増減額

△69

△158

現金及び現金同等物の期首残高(連結財政状態計算書計上額)

5,440

6,117

売却目的保有資産に含まれる現金及び現金同等物の振戻額

443

現金及び現金同等物の期首残高

5,883

6,117

為替相場の変動による現金及び現金同等物への影響額

303

101

現金及び現金同等物の期末残高

6,117

6,060

 

 

(8)重要な会計方針

 当社の連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、各連結会計年度末日の資産、負債、偶発資産、偶発負債の報告金額及び報告期間の収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、仮定及び判断を使用することが必要となります。当社の経営陣は、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、仮定及び判断を、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。但し、これらの見積り、仮定及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。この差異は、当社の連結財務諸表及び当社のすべての事業セグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、ロシア・ウクライナ情勢による影響について、当社及び子会社ではロシアでの資源関連投資等を行っておりますが、当連結会計年度末の総資産に占める割合は1%未満です。当連結会計年度において、当社の保有

するロシア・ウクライナ関連資産については直近の情勢を踏まえた適切な会計処理を行っていることから、

財政状態及び経営成績への重要な影響は見込まれておりません。

 

 当社の経営陣が、将来にわたり、重要な修正を生じさせるリスクを有すると考えている見積り及び仮定は、

主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末の残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」の各項目の注記内容をご参照ください。

 

・非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値測定

 公正価値で測定される資本性金融資産のうち、非上場の銘柄については、投資先と同じ業界に属する上場銘柄の公表情報を参照したマルチプル法、あるいは投資先からの受取配当に係る将来キャッシュ・フロー見積額を現在価値に割引くことにより公正価値を算定する配当キャッシュ・フロー還元法等により公正価値を測定しております。マルチプル法を適用する場合のマルチプル倍率、あるいは配当キャッシュ・フロー還元法を適用する場合の将来受取キャッシュ・フローの見積り及び割引率は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。

 

・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失の見積り

 償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失は、当該資産に係る契約上のキャッシュ・フローと回収可能なキャッシュ・フロー見込額の差額をもとに見積っております。当該資産に係る回収可能なキャッシュ・フロー見込額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、当該資産に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。

 

・有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る

 減損テストにおいて測定される回収可能価額

 有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高いほうを回収可能価額として測定しております。回収可能価額は、原則として、独立鑑定人の支援を受けて算定した使用価値に基づいております。使用価値は、取締役会が承認した事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を割引くことにより計算しております。事業計画は原則として5年を限度としており、過去の実績を反映させ、外部情報とも整合性を取ったうえで策定しております。事業計画の対象期間を超える将来キャッシュ・フローの成長率は、資金生成単位が属する市場もしくは国の平均成長率を勘案して決定しております。割引率は、各資金生成単位の加重平均資本コスト等を基礎に算定しております。当該売却費用控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び

使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率等の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しており

ます。

 

 

・確定給付型退職後給付制度の確定給付制度債務及び制度資産の公正価値測定

 確定給付型退職後給付制度については、確定給付制度債務と制度資産の公正価値の純額を負債または資産として認識しております。確定給付制度債務は、年金数理計算により算定しており、年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれております。これら前提条件は、金利変動の市場

動向等、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断して決定しております。これら年金数理計算の前提条件には将来の不確実な経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、確定給付制度債務及び制度資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。

 

・引当金の測定

 引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれる支出の期末日での最善の見積りに基づいて測定しております。将来において債務の決済に要すると見込まれる支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動に

よって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。

 

・法人所得税の見積り

 法人所得税の算定に際しては、税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要因について見積り及び判断が必要となります。そのため、各期末において見積った法人所得税と、実際に納付する法人所得税の金額とが異なる可能性があり、その場合、翌年度以降の法人所得税の計上額に重要な影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、当該回収可能性の判断は、当社及び子会社の事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来事業年度の課税所得の見積りは、将来の不確実な

経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を

生じさせるリスクを有しております。

 

 当社の経営陣が、会計方針適用にあたっての判断が、資産、負債、収益及び費用の計上金額に重要な影響を

与えると考えている項目は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の

当連結会計年度末の残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」の各項目の注記内容をご参照

ください。

 

・子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの範囲

 

・デリバティブを除く金融資産の、償却原価で測定される金融資産、FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産

 への分類

 

・貸手リース契約に係る重要なリスクと経済価値の移転に関する判断

 

・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る信用リスクが著しく増大しているかの判断

 

・有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る

 減損テスト実施にあたっての資金生成単位の判別、減損(あるいは減損戻入)の兆候の有無の評価

 

・引当金の認識に係る過去の事象から発生した現在の義務の有無及び当該義務を決済するための資源流出の

 可能性に関する評価

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。