第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針・経営戦略等

(会社の経営の基本方針)

当社グループは、「協カ一致、堅実運営、積極活動」の社是三原則を掲げ、商事会社として経済社会の流通機構の一翼を担い、以て社会の繁栄に寄与することを目的として協カ一致して積極的に活動し、堅実に連営して企業を安定成長せしめ、株主及び取引先をはじめステークホルダーすべての信頼と期待に応え、相互繁栄を図るとともに役職員の生活の向上、幸福の増進を図ることを基本方針としております。

 

(中長期的な会社の経営戦略)

当社グループは、2019年4月から2022年3月までの3年間にわたる中期経営計画「FACE2021」において、「困難にも向き合いながらさらなる成長を促進し、新たな価値を創造し、会社の『品質』を向上させる。」をビジョンとし、営業と技術サービスの一体化、事業間交流における新たな価値の創造等、時流に適合した事業軸体制の進化により、収益力のさらなる向上を図ってまいりました。また、これまで以上にリスク管理の徹底を行うとともに、M&A、企業アライアンスの手段を検討する等、事業企画力の強化と経営資源の有効活用により、ダイナミックな経営を目指してまいりました。

中期経営計画「FACE2021」は、新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う行動制限、半導体の供給不足、原材料価格の高騰、自動車の減産など厳しい状況下で推移いたしましたが、そのような環境において、最終年度における定量目標の計画値には未達ながらも、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新いたしました。また、持続的成長に向けた経営基盤の強化を推進し、「次世代型エンジニアリング商社」につながる基礎固めをすることができました。

一方、目まぐるしく変化する情勢、またこの中期経営計画「FACE2021」の振り返りの中で、社会・事業環境において大きな変革が続く昨今の状況を踏まえ、企業運営の抜本的な見直しと、より長期的視野に立った戦略立案の必要性をこれまで以上に認識いたしました。そこで、当社の存在価値や使命は何であるかをいま一度見直すこととし、社会から求められる考え方への対応も含め、新たな経営理念と2030年のあるべき姿を見据えた成長戦略「V2030」を策定いたしました。さらに、当社のあるべき姿「次世代型エンジニアリング商社」の実現に向け、「V2030」からのバックキャスティングにより、2022年度から2030年度までの各3年間を「創造」「成長」「飛躍」の期と位置づけ、新中期経営計画「MT2024」(創造期)を策定し、目下取り組んでおります。

 

 

(2) 目標とする経営指標

新中期経営計画「MT2024」                                             

                             (単位:百万円)

 

2023年3月期(実績)

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

受注高

244,296

170,000

180,000

200,000

売上高

153,674

140,000

170,000

185,000

営業利益

6,717

5,500

7,000

8,500

経常利益

7,108

5,800

7,200

8,700

親会社株主に帰属
する当期純利益

6,316

3,900

4,800

5,800

ROE

10.35%

10%

 

 注 表中の2023年3月期以降の数値は、2022年5月12日に開示しました新中期経営計画の数値となります。

 

成長戦略「V2030」                                             

                (単位:百万円)

 

2030年度目標

売上高

300,000

営業利益

12,500

ROE

10%

 

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

今後の我が国経済の見通しにつきましては、物価上昇圧力の継続や海外経済減速への懸念といった景気の下振れ要因により先行きに不透明感が残るものの、インバウンド需要の回復・増大や、コロナ禍からの経済活動の正常化に向けた景気回復への動きが続くことから、緩やかながらも持ち直していくことが予想され、物価上昇圧力の解消や海外経済の回復により景気好転の動きがより明確になることが期待されます。

当社グループは、こうした短期的な経営環境の推移に対し柔軟かつ適切に対応することであらゆるステークホルダーへの貢献を図るだけでなく、中長期的な環境の変化や課題を見据え、前述した成長戦略「V2030」及び新中期経営計画「MT2024」において、次の通り理念、戦略、定性目標を掲げており、それらを着実に遂行することにより、次世代をリードするような独自のエンジニアリングに重きを置いた商社を目指してまいります。

 

 

I.新経営理念と成長戦略「Ⅴ2030」(Ⅴ:Ⅴision)


新経営理念

 

Mission(果たすべき使命)

 人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに

 

Ⅴision(あるべき姿)

 <次世代型エンジニアリング商社>

 時代の一歩先を行くモノづくりパートナーを目指し、当社のエンジニアリング機能を核として継続的な価値の提供によりグローバルにお客様事業の成長と持続可能な社会の実現に貢献します。

 

Ⅴalue(価値基準)

<信頼> 社内外の関係者と協調し、ステークホルダーからの期待や社会的責任と当社目標を一致させながら、

    やりがいに溢れ、個人が尊重され、成長を実感できる会社を目指します。

<成長> 独自のエンジニアリング機能によるモノづくりへの貢献とともに、積極的な成長市場への投資・

    事業領域の拡大により継続的な成長を目指します。

<貢献> 経営の透明性と会社の継続的な品質の向上を通じて、重要な社会課題に積極的に取り組むことで

    持続可能な社会の実現に貢献します。

 

 これら経営理念を実現させるため、6つの基本戦略と2030年度の目標を掲げました。

 

1.「Ⅴ2030」 基本戦略
① 積極的な投資
② PL経営+BS経営
③ マルチステークホルダーを意識した経営
④ モノ売りから「モノ×コト」売り
⑤ グローバルの成長を取り込む
⑥ DX推進

 

2.「Ⅴ2030」 定量目標(連結)
売上高:300,000百万円、営業利益:12,500百万円、ROE:10%

 

Ⅱ.中期経営計画「MT2024」(MT:Medium-Term Business Plan)

 

   定性目標

1.成長に向けた事業戦略            2.経営基盤の強化
① エンジニアリング機能の強化          ① ガバナンスの深化
② 戦略的事業投資                ② リスクマネジメントの強化
③ グローバル企業とのビジネス拡大        ③ 財務戦略の強化
④ DX強化                   ④ 人材戦略の強化

                           ⑤ サステナビリティ経営の推進

 

今後とも、役職員が法令はもとより社会的規範を遵守するため「第一実業株式会社行動規範」に則り行動し、企業としての社会的責任を果たすとともに社会に貢献していくことにも注力してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

1 サスティナビリティ全般

当社グループは、「人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに」を経営理念に掲げ、新しい時代を担う商社として、世界の様々な現場に寄り添うビジネスを展開しております。経営基盤を強化し、環境・社会・ガバナンスの重要課題に、事業活動を通じて積極的に取り組むことで企業価値を高めてまいります。更に、当社グループは、企業の社会的責任を果たしながら持続的かつ利益ある成長を追求し、ステークホルダーの皆さまとともに、発展していくことを目指してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社では、持続的な成長を確保することを目的として、2022年4月にサステナビリティ委員会を設置し、気候変動を含むサステナビリティに関する事項を審議しております。また、2023年4月にサステナビリティ推進部を新設し、当社グループ全体の取り組みを推進させることといたしました。

サステナビリティ委員会は、社長執行役員を委員長とし、CSuO(Chief Sustainability Officer)である常務執行役員が推進責任者を務めております。同委員会は、年2回程度開催され、サステナビリティに関する方針を定めるとともに、社内の取り組みを定期的にモニタリングし、今後の取り組みに対する審議・検討を行っております。また、審議内容については取締役会に報告され、取締役会では独立社外取締役の視点も入れた上で、サステナビリティの取り組みの評価を行っております。

 

(2) リスク管理

当社のリスク管理は、リスク管理委員会を中心として行われ、サステナビリティに係るリスクについても、同委員会の議案として取り上げられております。但し、気候変動リスクを含む重要かつ優先的に取り組むべきリスクについては、サステナビリティ委員会のモニタリングを受けております。また、リスク管理委員会は、リスク管理を効果的かつ効率的に実施するために、リスク管理規程に基づき、その他のリスクと併せて、当社戦略に沿った気候変動リスクの管理を行っております。

 

(3) 戦略

持続的な成長を維持していくために重点的に取り組むマテリアリティについて、次の手順にて特定しました。

 

STEP1:SDGsやISO26000等の国際的なガイドラインを参照しつつ、ステークホルダーの視点と、当社

グループにおける各セグメントの事業戦略をもとに課題を広範囲に抽出し、環境(E)、社会・経済

(S)、ガバナンス(G)の側面で分類しました。

STEP2:STEP1でリストアップした課題について、ステークホルダーにとっての重要度(縦軸)と当社グルー

プにとっての重要度(横軸)の2軸からなるマトリックスを用い、重要性の高い課題から並べて優先順位付けを行いました。

STEP3:特定プロセス、マテリアリティ及びマトリックスについて経営会議、取締役会において意見交換を行

い、妥当性を確認しました。取締役会での審議を経て承認を得たマテリアリティは、以下のとおりであります。

     ・持続可能な地球環境への貢献

     ・産業の持続的な発展への貢献

     ・健康で安全、安心な暮らしへの貢献

     ・多様な人材の活躍推進

     ・経営品質の向上

 

当社グループは事業活動を通じて、SDGs達成への貢献と環境、社会、経済それぞれの価値の創出に取り組んでまいります。

 

(4) 指標及び目標

  マテリアリティに対する目標は以下のとおりです。関連指標・KPIについては、今後検討してまいります。

マテリアリティ

目標

持続可能な地球環境への貢献

・脱炭素社会の実現

・資源循環型社会の実現

・自然環境の保護

産業の持続的発展への貢献

・AIと次世代通信技術の活用

・スマートファクトリーの推進

・安全、安心な製品の提供

健康で安全・安心な暮らしへの貢献

・社会インフラによる安全性向上

・高品質製品の開発と安心の提供

多様な人材の活躍推進

・健全な職場環境

・持続的な能力開発

・タレントマネジメント

経営品質の向上

・内部統制とガバナンス強化

・リスクマネジメント

・社会への貢献と調和

 

 

2 気候変動

(1) ガバナンス

当社は、2004年1月よりISO14001に基づく、環境マネジメントシステム(EMS)を運用し、環境負荷低減を組織的に推進しております。トップマネジメントは社長執行役員、管理責任者は総務本部長と定め、環境方針に基づきEMS推進委員会を中心にPDCAサイクルにより、継続的な改善に取り組んでおります。こうした仕組みを通じて、気候変動についても、リスクと機会の両面から取り組みを加速させております。

なお、TCFD提言に基づく戦略の開示については、今後対応してまいります。

 

(2) リスク管理

上記1(2)に記載のサステナビリティ全般のリスク管理をご参照ください。

 

(3) 戦略

当社は、持続可能な地球環境への貢献をマテリアリティの一つとして、特定し、脱炭素社会の実現を目標として掲げております。自社の削減目標として、Scope1、2の削減率を定めるとともに、成長戦略Ⅴ2030の投資戦略に脱炭素を取り込むなど、事業を通じた取り組みを開始しております。

具体的には、愛知県田原市でのバイオマス発電会社への出資や、バイナリー発電装置の導入推進、環境負荷低減を図るアンモニア製造技術を有する企業への出資などの取り組みを行っております。

 

(4) 指標及び目標

当社グループの、気候変動リスクに関する指標及び目標、並びに実績は、次のとおりであります

項目

目標

2021年度実績(t-CO2)

Scope1及びScope2

2030年度までに2020年度の温室効果ガスの排出量(1,617.37t-CO2)を46%削減、2050年度までに、ネットゼロを目指す。

1,617.09

 

※ Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)

  Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

排出量の算定に関しては、当社及び国内外連結子会社を範囲としますが、小規模で全体への影響が限定的な拠点については除外しております。また、海外現地法人における現地スタッフの自家用車使用に伴う排出量は、その推計値を、Scope1及びScope2から除外しております。

 

3 人的資本

(1) 戦略

 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

当社は、2022年に「人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに」をミッションとする新たな経営理念を制定しており、多様化するニーズにあって、先進的な技術や高品位なサービスを活かした提案力により、「次世代型エンジニアリング商社」をあるべき姿として目指しております。

これらを基に、下記のとおり方針を策定し推進しております。

 

■人材育成方針

 「環境の変化に対応できる、しなやかさと強さを兼ね備えた人材の育成と組織形成」

■社内環境整備方針

 「高度専門性」「自律」「多様性」「健康経営」を軸に「採用」「研修・教育」「制度」の深化・充実を図る

 

これらにより、社員一人ひとりを「自ら考え、周囲に働きかけながら、実現に結び付ける」ビジネスパーソン志向を備えた人材とするべく、長期的な視点で育成することで、人的資本への投資と持続的な企業価値向上の両立を目指してまいります。

また、人的資本経営による社員の成長を、当社事業における基礎体力の向上と従業員の労働意欲に結び付けることで会社の成長エンジンとし、当社の企業価値向上につなげ、ステークホルダーの皆さまへ還元してまいります。

 

・当社事業基礎体力の向上

 入社5年目までの人材については、ビジネス基礎の習得を目的として公的資格取得に向けた研修や階層別教育を実施いたします。

 中堅人材については、ビジネス応用力の習得を目的として、キャリアデザインに応じたリスキル講習や当社風土に基づいた研修を実施いたします。

 また、当社が標榜する次世代型エンジニアリング商社の実現を目的として、新入社員研修の段階から設備納品時に必要とされる項目について安全教育を実施し、専門性を高めてまいります。

・従業員の労働意欲や成長意欲の向上

 当社は7つの事業領域において事業を行っており、様々な市場・業界でビジネスを推進していることから顧客や仕入先の風土も多岐にわたっており、多様性への理解を深めることが「稼ぐ力」となります。

 そのため、多様性推進を目的とし、女性活躍の環境整備と採用活動の多角化を進め、中核的人材における女性比率の向上と外国籍人材や中途人材の採用を推進してまいります。

 また、従業員のエンゲージメントや健康の増進を目的に、働き方改革に係る各種の施策を推進し、エンゲージメント調査を進めてまいります。

・幹部候補の経営力向上

 上記に加えて、幹部候補の育成を目的に、実践経験の場として海外駐在を計画的に推進し、経営感覚を持った人材の増進を進めてまいります。

 

 

(2) 指標及び目標

 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標

2024年3月期に向けて、下記関連指標・KPIを公表してまいります。

目的

期待される効果

関連指標・KPI

当社事業基礎体力の向上

入社5年以内人材へのビジネス基礎の習得

・従業員一人あたり教育費

・売上における教育研修比率

中堅人材へのビジネス応用力醸成

次世代型エンジニアリング商社実現に向けた高度専門性強化

職長教育受講者数

従業員の労働意欲や成長意欲の向上

・多様性推進→他者尊重風土

・多様性を「稼ぐ力」に

・中途入社者比率

・外国籍社員比率

・総合職に占める女性比率

・従業員エンゲージメント向上

・従業員の健康増進

・エンゲージメント調査結果

・有給休暇取得率

幹部候補の経営力向上

経営感覚を持った幹部候補育成

海外駐在経験者比率

 

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが数年以内に顕在化する可能性があると判断したリスクでありますが、ここに掲げられている項目に限定されるものではなく、予見が困難なリスクも存在します。そのため、記載内容と実際の結果が異なる場合があります。

 

(マクロ経済環境の変化によるリスク)

当社の主な事業は各種機械・器具・部品の販売及び各種機械·器具の賃貸等であり、国内販売並びに輸出入を行っております。海外においては、2019年4月から2022年3月までの3年間にわたる中期経営計画「FACE2021」において、世界4軸体制による海外事業展開を加速させてまいりましたが、2022年4月から2025年3月までの3年間にわたる新たな中期経営計画においても引き続き海外事業展開を加速させていくとともに、グローバル企業とのビジネス拡大を図ってまいります。従いまして、国内はもとより世界的な景気動向によっては、当社グループの業績が変動する可能性があります。中国、アジア地域、北中南米、欧州の政治動向又は経済動向は、当社グループの事業機会を拡大させる可能性がある一方で、各国に広がりつつある保護主義、中国や新興国経済の成長鈍化、米中対立の影響による世界経済の減速懸念や世界的な地政学的リスクの発現など、これらの地域における経済活動の停滞は当社グループの業績を悪化させる要因となる可能性もあります。とりわけ中国に偏りつつあったサプライチェーンの再編や米国の政治動向、地域を問わない政治的・経済的紛争により投資が左右されることは当社グループの業績に関わる重要度の高いリスクと認識しております。

当社では、世界4軸体制による海外事業展開に伴い連携を強化した海外各国の当社グループ会社との密なコミュニケーションにより、迅速な情報の入手と展開を行う体制を構築しております。また、事業ポートフォリオの機動性を活かして速やかに事業シフトを行うとともに、政治的不安定地域、経済減速地域の取引先を最大限にサポートすることにより、業績悪化のリスクを最小限にとどめる体制となっております。

 

(海外売上高比率増大に伴うリスク)

我が国企業は海外市場への進出や生産拠点の海外移転を依然進めております。これに対応し、当社グループも海外拠点の拡充等によりグローバル化を推進し、ビジネスチャンスの拡大を図っております。それに向けて、商社としてのコーディネート力を活かし、国内外の取引先へ日本又は海外の商品及びサービスの提供をサポートするべく、クロスボーダー取引の展開にも注力しております。当連結会計年度における連結売上高に占める海外売上高の割合は前期の53.4%から53.6%へと横ばいとなっているものの、今後も中期経営計画の着実な実行により海外売上高比率は高まっていく傾向にあるものと予想されます。このため、国際的な金融環境、税制、為替レート動向、原油や原材料価格・輸送費用の動向、顧客企業の生産拠点への設備投資動向などが当社グループの業績に影態を及ぼす可能性があります。また、海外での事業活動には予期できない政治体制・経済環境の変動、法律·規制の変更等による社会的混乱等のリスクが存在いたします。

このことに対し当社では、当社グループのグローバルネットワークや幅広い取引先との関係を活かして迅速に情報・動向を把握し、最適な取引形態を選択することにより収益減少のリスクを最小限にとどめるように努めております。

 

(金利・資金調達に関わるリスク)

当社グループは、取引銀行5行と貸出コミットメント契約を締結し、必要に応じて資金を調達しております。当連結会計年度における当社グループの有利子負債は58億82百万円となっており、今後も運転資金の機動的かつ安定的な調達と金利コストの削減を目指してまいります。しかし、金融市場が不安定な場合や、当社グループの信用カの悪化により格付機関から当社に付与されている信用格付が引き下げられた場合等においては、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの営業活動の制約要因となる可能性があるほか、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の売上高及び金利動向によっては金融収支が悪化し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。加えて、国内外の主要金融市場において大きな混乱が生じた場合には、資金調達コストが増大する可能性もあります。

このことに対して当社グループでは、金融機関との良好な関係の継続や、適時の対話による機関投資家との関係の構築と深化に努めるとともに、資金調達先の多様化を図ってまいります。また、不測の事態に備えた資金政策や、良好な財政状態の維持による格付けの維持や向上により、運転資金の機動的かつ安定的な調達、資金調達コストや金利コストの削減に努めてまいります。

 

(IT・システムリスク)

当社グループの事業活動におけるシステム・ネットワークヘの依存度は年々拡大しており、セキュリティの高度化、コンピュータシステムデータのバックアップ等によりシステムやデータの保護に努めておりますが、自然災害、コンピュータ・ウイルス、不正アクセス、電力供給の制約や大規模停電、故障や不具合等によりシステムや通信ネットワークに甚大な障害が発生した場合、取引先との受発注業務をはじめ、事業活動に支障をきたすほか、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、事業継続対策の一つとして十分な安全性を備えたデータセンター又はクラウドサービスを利用しシステムやデータの保護を図っており、また従業員が使用するコンピュータ等の末端機器への監視システムを導入することでコンピュータ・ウイルスや不正アクセスへの対応を行っております。電力・通信インフラの不具合による事業活動への影響に対しては、当社グループが定める緊急時対応プランにおいて、速やかに安全な地域に移動し事業停止期間を最短に抑える等の対策を講じております。

 

(事業の展開に関わるリスク)

当社グループのビジネスモデルは機械メーカーの代理店業に特化したものから、技術革新に伴う取引先工場の生産支援、技術サポート等へとサービスの幅を広げております。それに伴い、モノ(商品)のみの取引からコト(役務)としての取引へと事業範囲が拡大しており、同時に個々の案件の取引規模も拡大し、また取引が複雑化、長納期化しております。とりわけ、リチウムイオン電池(LIB)に関わる事業においては、その製造における材料工程、製造工程、検査工程などあらゆる装置・役務を取り扱っております。LIB市場については、内燃機関エンジン車の販売禁止が協議されている自動車業界やバッテリー機能の向上・効率化を志向する電子デバイス業界を中心に需要が依然増加しており、欧州・米州をはじめ世界各国で設備投資が行われております。市場・事業に対するリスクとして、大型工事案件の増加による事故の発生、それに伴う法的責任や費用の発生、技術の陳腐化に伴う市場価値の下落などが想定されます。それらに対し、当社では十分な技量を備えたエンジニアの採用とその人事評価制度の整備、ドイツにおける合弁会社の営業活動推進による欧州EV市場の攻略、経営企画本部内に設置したグローバル戦略推進部門や契約締結に関わる法務・経営管理部門の強化など、リスク回避とビジネスチャンス獲得に向けた市場への対応力、競争力を高める取り組みを行っております。加えて、ここ数年で増大した、納入設備のリモー卜立上げ・試運転・検収立会い等に関して、検収後に不具合、要調整項目や未確認項目が発覚し、設備の不具合解消や調整のみならず契約上の責任、費用が発生することが想定されます。そのことに対しては、これまでに積みあがったノウハウのさらなる蓄積、成功事例の迅速な検証とともに、法務・経営管理部門の機能強化を通じて、リスクの回避を図ってまいります。しかしながら、上記を含めリスクを完全に排除することはできず、リスクが発生した場合には当社グループの業績及び財政状態へ影響を及ぼす可能性があります。

 

(与信リスク)

当連結会計年度末における当社グループの売上債権の合計額は452億42百万円と、総資産の29.7%を占めており、取引先の信用悪化や経営破綻等により損失が発生する信用リスクを負っております。また、得意先からの商品及びサービスの受注に伴い、各種機械・器具等の製造を各仕入先に対して発注しております。これらのことに対し当社グループでは、取引権限やリスク管理に関する規程に則り、与信限度額・成約限度額について必要な承認手続きを行うこと、与信先の信用状態に応じて必要な担保・保証等の取り付けをすること、債権の流動化等のリスクヘッジを講じております。しかしながら、経済環境の悪化等による取引先の流動性危機、連鎖倒産、もしくは特定の大口与信先の経営不安等が発生し債権等が回収不能になった場合など、発生しうるリスクを完全に排除することはできず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(長期戦略や中期経営計画におけるリスク)

当社グループは、長期の成長戦略、また2022年度からの新たな中期経営計画を策定いたしました。これらの戦略や計画は中長期に及ぶことから、従来の事業においてここに記載しているリスクが潜在する期間も中長期にわたることに加え、積極的に推進を図っていく事業関連投資やその他投資においても、十分な効果が現れなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、先般より機能を強化している経営企画部門を中心として投資検討能力の向上によるリスクの最小化を図っており、投資実行後は、定期的検証に基づく進捗分析、変更是非の検討と判断、速やかな開示を行ってまいります。

 

(災害リスク)

地震、台風、火災、感染症の流行等の災害発生により、当社グループの事務所、工場、役職員などに対する被害が発生し、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。当社グループでは事業継続計画基本書を策定しており、加えてこれらの災害に対するリスク管理マニュアルの作成、安否確認システムの導入、防災訓錬などの対策を講じてきております。しかしながら、これらによって災害による被害を完全に回避できる保証はなく、重大な被害が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影轡を及ぼす可能性があります。また、災害により当社グループの主要な取引先に重大な被害が発生した場合には、取引先の営業・生産活動の停滞が当社グループの業績を悪化させる要因となる可能性もあります。

 

(サステナビリティに関するリスク)

昨今大きな影響が懸念されている気候変動に関して、当社グループでは、TCFDの提言にある種々のリスクが、当社グループのみならずサプライチェーンにおいても重要な影響を及ぼすものと認識しており、税負担の増大等による直接的かつ財務的な影響のみならず、取扱商品・製品の技術的問題や市場での需要の減少、それに伴う企業評価の低下等が当社グループの業績及び財政状態を悪化させる要因となる可能性があります。当社グループではこの課題を専門的に取り扱う組織体を設置し、シナリオの設定や影響額の算定、また継続的なモニタリングを行っていくと同時に、当社グループの置かれたサプライチェーンにおいて、環境配慮製品やサービスを当社グループのお客様であるものづくり企業へ提供することにより、脱炭素社会の実現と環境課題に積極的に取り組んでまいります。また、気候変動に関連する課題以外でも、環境破壊、人権、ダイバーシティなどに関連する様々な基準や市場の変化に伴って当社のビジネス領域での需要や競争原理が変化し、それらの変化への対応が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があると認識しており、グローバル企業が実施する様々なサプライチェーンデューデリジェンスに適合する会社基準の策定に取り組んでまいります。

 

なお当社では、本報告書提出日において、上述した項目をはじめとした事業推進上のリスクを統合的に取り扱う実務専門部署を創設しており、複数の階層によりリスクの監視・管理を行う統合リスクマネジメント体制をスタートしております。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における我が国経済は、円安、物価高といった逆風の中、海外経済に起因する懸念材料を抱えながらも、脱炭素やDXに向けた堅調な設備投資意欲や、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の緩和による個人消費の持ち直し、また年度後半におけるインバウンド需要の回復に支えられ、安定に向けた流れで推移しておりました。しかし、原燃料価格の高止まりによる物価上昇圧力、物価高継続による消費減退への懸念が年度末に向けても続いたことに加え、海外経済の減速への懸念、欧米の金融システムへの不安の高まりにより、景況の良化を見込むことが難しい状況となりました。

 

当社では今年度より新たな経営理念、成長戦略「V2030」並びに中期経営計画「MT2024」を掲げ、社会的使命の遂行、「次世代型エンジニアリング商社」としての存在の確立、定性並びに定量目標の達成と企業価値の向上に向けて事業を推進しており、技術・サービス力のさらなる強化、DXによる新たなビジネスモデルの構築を図るとともに、人的資本等の充実、サステナビリティ経営に注力しております。その結果、業績は年度を通じて好調に推移し、当連結会計年度の売上高は、1,536億74百万円(前期比3.8%増)となりました。

 

売上原価は、30億66百万円増加1,270億3百万円前期比2.5%増)となりました。なお、売上総利益率は、エレクトロニクス事業の粗利益率向上などにより、前期の16.3%から17.4%へと増加しました。この結果、売上総利益は25億32百万円増加266億71百万円前期比10.5%増)となり、過去最高となりました。

 

販売費及び一般管理費は、積極的な人材投資により給与をはじめとして人件費が増加したこと、またソフトウエアへの設備投資から生じた減価償却費の増加等により、26億82百万円増加199億53百万円前期比15.5%増)となりました。

この結果、営業利益は1億49百万円減少67億17百万円前期比2.2%減)となり、営業利益率は前期の4.6%から4.4%へと低下しました

 

営業外損益においては、営業外収益は、仕入割引や為替差益が減少したことなどにより64百万円減少10億74百万円前期比5.6%減)となりました。営業外費用は、為替差損などにより4億70百万円増加6億83百万円前期比221.1%増)となりました。この結果、営業外損益は前期より5億35百万円減少の3億90百万円(前期比57.8%減)となり、経常利益は6億84百万円減少71億8百万円前期比8.8%減)となりました。

 

特別損益においては、特別利益として投資有価証券売却益19億48百万円を計上した一方で、特別損失として投資有価証券評価損15百万円などがあり、差引き19億32百万円の収益(前期比712.8%増)となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益90億40百万円から法人税等(法人税等調整額を含む)27億67百万円並びに非支配株主に帰属する当期純損失43百万円を差引き、9億53百万円増加63億16百万円前期比17.8%増)となりました。

 

当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前期の9.6%から10.3%へと増加しました。今後も、新中期経営計画の基本方針に則り、さらなる収益性の向上を目指し、自己資本の充実を図りつつ、ROEの維持・向上を目指してまいります。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

プラント・エネルギー事業

国内外向けの各種プラント用設備や地熱・天然ガス開発向け機材等の売上が大幅に増加し、売上高は53億11百万円増加171億92百万円前期比44.7%増)となり、セグメント利益(営業利益)は2億45百万円増加8億55百万円前期比40.2%増)となりました。

 

エナジーソリューションズ事業

国内外向けリチウムイオン電池製造設備等の売上が減少し、売上高は4億95百万円減少185億9百万円前期比2.6%減)となり、粗利率の低下及び経費の増加により、セグメント損益(営業損益)は7億64百万円減少68百万円の損失となりました。

 

産業機械事業

プラスチックス製品・食品関連業界向けの成形機及び周辺機器や医療関連器具製造装置等の売上が増加したため、売上高は44億91百万円増加237億66百万円前期比23.3%増)となりましたが、経費の増加により、セグメント利益(営業利益)は4百万円減少6億42百万円前期比0.7%減)となりました

 

エレクトロニクス事業

IT及びデジタル関連機器製造会社向けの電子部品製造関連設備等の販売が減少したため、売上高は35億37百万円減少485億61百万円前期比6.8%減)となりましたが、粗利率の改善により、セグメント利益(営業利益)は90百万円増加32億15百万円前期比2.9%増)となりました。

 

自動車事業

自動車関連業界向けの自動組立ライン、塗装ライン、車載電子部品製造関連設備等の売上が減少したため、売上高は5億20百万円減少314億59百万円前期比1.6%減)となり、セグメント利益(営業利益)は3億29百万円減少9億9百万円(前期比26.6%減)となりました。

 

ヘルスケア事業

錠剤印刷検査装置やパッケージング用機器・装置等の売上が増加したため、売上高は2億46百万円増加114億35百万円前期比2.2%増)となり、セグメント利益(営業利益)は30百万円増加11億92百万円前期比2.7%増)となりました。

 

航空・インフラ事業

航空機地上支援機材及び空港施設関連機器や自治体及び官公庁向け特殊車両等の売上が微増し、売上高は51百万円増加25億18百万円前期比2.1%増)となり、セグメント損失(営業損失)は34百万円減少45百万円となりました。

 

その他

売上高は52百万円増加2億31百万円前期比29.1%増)、セグメント損失(営業損失)は25百万円減少93百万円となりました。

 

 

 

受注、販売及び仕入の実績は、次のとおりであります。
① 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比(%)

受注残高
(百万円)

前期比(%)

プラント・エネルギー事業

22,525

+45.9

19,730

+37.1

エナジーソリューションズ事業

72,790

+461.5

78,414

+225.4

産業機械事業

27,601

+10.5

18,080

+26.9

エレクトロニクス事業

49,292

△15.8

30,516

+2.5

自動車事業

47,666

+64.6

34,456

+88.8

ヘルスケア事業

14,675

+28.8

10,799

+42.9

航空・インフラ事業

9,586

+332.0

8,298

+574.5

その他

158

△25.2

211

△25.7

合計

244,296

+57.9

200,508

+82.5

 

注 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

プラント・エネルギー事業

17,192

+44.7

エナジーソリューションズ事業

18,509

△2.6

産業機械事業

23,766

+23.3

エレクトロニクス事業

48,561

△6.8

自動車事業

31,459

△1.6

ヘルスケア事業

11,435

+2.2

航空・インフラ事業

2,518

+2.1

その他

231

+29.1

合計

153,674

+3.8

 

注 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 
 
③ 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績は、販売実績と概ね連動しているため記載を省略しております
 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、203億円増加1,525億35百万円前期比15.4%増)となりました。流動資産は202億56百万円増加1,352億78百万円(前期比17.6%増)、固定資産は43百万円増加172億56百万円前期比0.3%増)となりました。

流動資産の増加は、電子記録債権の減少があったものの、現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産や前渡金が増加したことが主な要因であります。固定資産の増加は、無形固定資産の減価償却による減少があったものの、有形固定資産や投資有価証券が増加したことが主な要因であります。

 

負債の合計は153億64百万円増加888億77百万円前期比20.9%増)となりました。流動負債は152億19百万円増加865億11百万円(前期比21.4%増)、固定負債は1億45百万円増加23億65百万円前期比6.6%増)となりました。流動負債の増加は、借入金の減少があったものの、支払手形及び買掛金や前受金が増加したことが主な要因であります。固定負債の増加は、繰延税金負債が増加したことが主な要因であります。

純資産の合計は49億35百万円増加636億58百万円前期比8.4%増)となりました。これは主に、配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益63億16百万円を計上したことが主な要因であります。純資産が増加した一方で、総資産も大きく増加した結果、自己資本比率は前期の44.3%から41.6%へと減少しました。

 

有利子負債は、前期比17億49百万円減少の58億82百万円(前期比22.9%減)となりました。内訳は短期借入金51億43百万円(1年内返済予定の長期借入金を含む)、長期借入金2億40百万円、その他4億99百万円であります。長期借入金は新ERPシステム導入に対応するものであります。なお、当連結会計年度末における有利子負債比率(DER)は0.09倍となり、前期の0.13倍から減少しております。

 

新中期経営計画「MT2024」のビジョンと基本方針に沿って、実施計画を着実に実践しながら、当社グループ全体の資金をグローバルレベルで有効に活用することにより、財務体質のさらなる強化を図ってまいります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、55億27百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は323億9百万円となりました

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、89億40百万円の増加(前期比123億67百万円増)となりました。これは主に、前渡金の増加、法人税の支払いがあったものの、税金等調整前当期純利益の計上、前受金の増加があったことによるものであります。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、6億60百万円の増加(前期比10億69百万円増)となりました。これは主に、固定資産の取得支出があったものの、投資有価証券の売却による収入があったことによるものであります。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、45億69百万円の減少(前期比28億26百万円減)となりました。これは主に、借入金の返済、自己株式の取得や配当金の支払いがあったことによるものであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの主要な資金は、商品やサービスの購入のために費やされており、他には販売費及び一般管理費、設備並びに新規事業分野への投資、M&Aやアライアンスにも活用しております。これらの資金需要について、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資本並びに銀行その他の金融機関からの短期・長期借入による資金調達にて対応していくこととしております

資金の流動性については、取引銀行5行と120億円の貸出コミットメント契約を締結し、機動的かつ安定的な調達手段を確保しております。世界情勢の急激な変化等による資金需要に対応するため、また事業の拡大に伴う受注案件の大型化によるリスクに備えるため必要となる資金を十分確保しております

株主還元については、株主に対する利益還元を経営の重要政策の一つとして位置づけており、親会社株主に帰属する当期純利益の30%を配当性向の目安として、今後の事業展開及び安定配当の継続等を総合的に勘案のうえ、業績に応じた適正な配当を実施してまいります

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、各種機械・器具・部品の販売等を行っておりますが、一部商品につきましては、子会社が開発・設計・製造を行っております。第一実業ビスウィル㈱は外観検査装置・錠剤印刷機を開発・設計・製造しております。

当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は372百万円であります。

 

各セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

プラント・エネルギー事業

当セグメントに係る研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。

 

エナジーソリューションズ事業

当セグメントに係る研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。

 

産業機械事業

当セグメントに係る研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。

 

エレクトロニクス事業

当セグメントに係る研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。

 

   自動車事業

     該当事項はありません。

 

ヘルスケア事業

画像処理システムにおいては、各検査システム共通の心臓部である画像処理ユニットV-IPUのAI機能ブラッシュアップ開発に注力し、検出性能と処理能力の向上を行い、従来のルールベースの画像処理とAIを組み合わせることで性能を向上させ、誤検知率低減も実現しました。さらに、AIの処理性能を約2倍に高速化し、検査システムに搭載することでシステムとしての処理能力を25%向上させることに成功しました。

また、主力商品である錠剤外観検査システムにおいては、海外向け戦略機TVIS-NSRの開発が完了しました。同機種は、当社グループのフラッグシップモデルであるTVIS-NS-VAからメイン機能を移植し、海外のニーズに最大限対応したモデルとなっており、今後海外市場への拡大を目指しております。

当連結会計年度における研究開発費の金額は325百万円であります。

 

航空・インフラ事業

該当事項はありません。

 

   その他

当セグメントに係る研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。