(1)経営方針
当社グループは、「人・社会・地球との共存共栄を図り、豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業を目指す」という企業理念のもと、オープンでフェアな企業活動に努めるとともに、社会的責任の遂行と地球環境の保全に取り組み、創造性を発揮して、お客様、株主、従業員、地域社会等、すべてのステークホルダーにご満足いただける付加価値の提供を経営の基本理念としております。
(2)経営環境
世界経済の先行きは、ロシア・ウクライナ情勢をきっかけとした原材料やエネルギー価格の高騰、急激な為替や金利の変動など、不確実性の高い状況が継続すると予想されます。また、当社を取り巻く事業環境は、デジタルトランスフォーメーションによる第4次産業革命の波や、地球環境の世界的な意識の高まり、地政学リスクによるサプライチェーンの分断など、これまでにない範囲とスピードで変化しております。このような状況下においても、当社はこれらの変化を更なる成長のチャンスとして捉え、リーンな経営を徹底し、新しい分野へのチャレンジを推し進めてまいります。
(3)経営戦略等
当社グループは、2016年5月に「Global Vision」を策定し、あるべき姿として「Be the Right ONE」を掲げ、当社グループらしい事業を広げてまいります。また「未来の子供たちへより良い地球環境を届ける」というミッションの下、産業ライフサイクルを通じて温室効果ガス排出削減に貢献する事業を、全社レベルで加速・推進しています。2030年に2019年比50%削減すること、2050年には実質カーボンニュートラルとする目標実現に向けて世界の脱炭素社会への移行に貢献していきます。
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(4)事業上及び財務上の対処すべき課題 脱炭素社会の実現を含む未来社会への貢献を加速させるために、当社が強みを持つ重点分野と当社が取り組むカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー(循環型経済)の領域を再定義し、「6つの注力事業とプラスα事業としてのEoL(※1)事業」へと整理をいたしました。取り組むべき領域を明確化させ、当社が従来取り組んできた基盤事業と掛け合わせることで、「Be the Right ONE」の追求を加速してまいります。 また、当社グループは、さまざまな社会課題の中でも優先的に取り組むべきサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)(※5)を特定しています。このうち4つの重要課題については、注力事業と深く連動しており、事業を通して課題解決に取り組むとともに、中期経営計画達成に向けた成長戦略と位置付けております。 |
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「6つの注力事業とプラスα事業としてのEoL事業」
当社グループは、「Global Vision」のありたい姿「Be the Right ONE」の実現を追求し、お客さまや社会から選ばれる唯一無二のパートナーであり続けることを通して、社会・環境への責任を果たしてまいります。
※1 Economy of Life(命の経済)
※2 Mobility as a Service
※3 Connected(つながる化), Autonomous(自動運転),
Shared & Services(カーシェアリングなどのサービス), Electric(電動化)の頭文字
※4 Quality of Life(生活の質)
※5 サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)重要な課題への対応」に記載しております。
当社グループは「人・社会・地球との共存共栄を図り、豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業を目指す」という企業理念を、「恒久的に変化しない、世代を通じて継承すべき最高概念」と位置付け、地球環境に配慮したビジネスの展開、社会に貢献する人づくりを通して、企業価値を高めてまいりました。
現在、私たちが住む世界は気候変動に伴う異常気象、森林破壊、資源枯渇、人権問題などさまざまな問題に直面しており、企業活動を行う上で環境や社会は「配慮」するだけではなく、ビジネスを進めるにあたっての「前提条件」、ビジネスの対象そのものになってきております。企業にとって環境や社会課題はリスクであり同時に機会でもあります。こうした中、当社グループでは、従来「CSR活動」として行ってきた活動を発展させ、ESG(環境・社会・ガバナンス)の3つの観点から、長期的な視野を持って持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化しております。
当社グループにとってのサステナビリティは、「経営そのもの」であります。そして、グループの存在意義とあるべき姿を示し、経営に取り組む意志を明らかにした「企業理念」を実現する中で、環境価値や社会価値を維持・増強しながら、経済価値を創出し、当社グループが持続的に成長し続けることと定義しております。
(1)ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティは「経営そのもの」という考えの下、経営企画部主導で活動を推進してまいりました。2019年4月には、「サステナビリティについての考え方」をさらに強力に推進するため、経営企画部内に新たに専門組織となる「サステナビリティ推進室」を設立いたしました。
(2)リスク管理
当社グループではサステナビリティ戦略・方針を議論して決定、推進する場としてサステナビリティ推進委員会を年1回開催しております。委員長である社長が招集し、CSOの下、経営企画部サステナビリティ推進室が事務局を務めております。出席者は社長のほか副社長、営業本部CEO、コーポレートの関連役員などの主要メンバーで構成されております。
2017年度からは特にサステナビリティ方面に見識を有する社外取締役2名が参加してアドバイスをしておりましたが、2022年度からは4名全ての社外取締役を招集し、社外からの広い知見をサステナビリティ経営に生かすよう体制を強化いたしました。また、オブザーバーとして常勤監査役に加え、会長も2022年度より参加しております。
サステナビリティ推進の施策は、経営企画部サステナビリティ推進室が企画・立案し、サステナビリティ推進委員会で決定し、各組織が実行いたします。独立した外部の視点を加えながら、「サステナビリティは経営そのもの」という考えの下、各基本方針やマテリアリティの特定や見直し、環境価値・社会価値・経済価値の観点から重要な案件については、サステナビリティ推進委員会で議論・決定しております。サステナビリティ推進委員会で議論した内容や人権、気候変動などの重要案件への対応については、適宜取締役会に報告し、実行しております。
事業活動におけるサステナビリティ推進としては、営業本部CEO・CSOがサステナビリティ、及びマテリアリティの本部・部門戦略への組み込みの進捗状況を報告、当期の振り返り/KPI達成状況・今後の目標/課題について共有することで、さらなる課題解決につなげる議論を行いました。
アドバイザーとして参加している社外取締役からは、「サステナビリティに対する取り組みを進めるにあたって、マテリアリティKPIは事業の内容をさまざまな指標で説明することを検討する時期にある」と指摘を受けております。当社グループとしてサステナビリティ経営をより一層加速し、会社の持続的な成長と社会課題の解決への貢献に全社レベルで取り組んでまいります。
サステナビリティ推進年表
(3)重要な課題への対応
当社グループではサステナビリティ経営の中で、優先的に取り組むものとして、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を以下のとおり特定しております。「6つのマテリアリティ」を中心に、さまざまな社会課題に取り組み、当社グループGlobal Visionの「Be the Right ONE(“代替不可能・唯一無二”の存在)」になることで企業理念の実現を目指してまいります。
「社会課題の解決と会社の成長を両立する最重要課題」
・交通死傷者ゼロを目指し、安全で快適なモビリティ社会の実現に貢献
・クリーンエネルギーや革新的技術を活用し、自動車/工場・プラントCO₂を削減することで、脱炭素社会移行に貢献
・廃棄物を資源化することで、モノづくりを支え、循環型社会に貢献
・アフリカをはじめとした開発途上国と共に成長し、事業を通じて社会課題の解決に取り組む
「会社の成長を支える土台となる最重要課題」
・安全とコンプライアンスの遵守をビジネスの入口とし、社会に信頼される組織であり続ける
・人権を尊重し、人を育て、活かし、「社会に貢献する人づくり」に積極的に取り組む
社会課題の解決と会社の成長を両立する4つのマテリアリティのひとつである「クリーンエネルギーや革新的技術を活用し、自動車/工場・プラントCO₂を削減することで、脱炭素社会移行に貢献」では、気候変動を重要な経営課題のひとつと認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みに基づいた取り組みの拡充を図り、カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーを推進し解決に向け取り組んでおります。
また、会社の成長を支える土台となる2つのマテリアリティのひとつである「人権を尊重し、人を育て、活かし、『社会に貢献する人づくり』に積極的に取組む」では、グローバルな視点で事業創造ができる人財、世界の市場で活躍できる人財の育成に注力するとともに、地域コミュニティでの職業訓練機会の提供などを通じ、社内外で社会に有用かつ貢献する人づくりに積極的に取り組んでおります。
① 気候変動
(Ⅰ)ガバナンス
当社グループでは気候変動に関わる事業機会をマテリアリティの1つとして選定しており、マテリアリティの取り組みについては、年1回定期的に開催されるサステナビリティ推進委員会(※1)で確認し、取締役会へ適宜報告しております。その内容は、同委員会の構成メンバーである各営業本部CEOを通じて、事業戦略に反映されております。また同委員会では、2020年よりマテリアリティに係るKPIを設定し、進捗をレビューしております。
省エネに関する目標達成状況や気候変動に関する法令改正及び新たな要求事項への対応状況については、年に一度定期的に安全・環境会議(※2)にて審議しPDCAサイクルの確認を行っております。その審議内容は、同会議の構成員である各営業本部・グループ会社担当者を通じて、事業活動に反映されております。
また、2022年4月には専門組織としてカーボンニュートラル推進部を設立し、月1回定期的に開催されるカーボンニュートラル推進会議(※3)にて脱炭素社会への移行に向けた戦略を議論しております。ここでは自社グループの温室効果ガス(Greenhouse Gas、以下GHG)排出削減の進捗管理も行っております。
※1
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サステナビリティ推進委員会 |
気候変動を含むマテリアリティに係る方針、重要事項の決定 |
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委員長 |
貸谷 伊知郎(取締役社長) |
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担当役員 |
富永 浩史(取締役・CSO) |
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事務局 |
経営企画部 サステナビリティ推進室 |
※2
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安全・環境会議 |
気候変動に関する法令対応などの進捗管理 |
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議長 |
佐合 昭弘(副社長) |
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担当役員 |
齋藤 彰徳(CSKO) |
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事務局 |
安全・環境推進部 |
※3
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カーボンニュートラル推進会議 |
カーボンニュートラル実現に向けた戦略の決定 |
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議長 |
貸谷 伊知郎(取締役社長) |
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担当役員 |
今井 斗志光(副社長・CTO) |
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事務局 |
カーボンニュートラル推進部 |
(Ⅱ)戦略
a. シナリオ分析
当社は、気候変動問題を世界が直面する重要な課題の一つとして捉え、気候変動の影響が大きい事業を選定し、TCFD提言に沿った形でシナリオ分析を実施しております。
事業への影響については、影響が大きい要素を選定してシナリオ分析を実施いたしました。リスクでは移行リスク(政策・規制、技術、市場、評判)及び物理リスク(急性・慢性)を、機会では資源効率、エネルギー源、製品及びサービス、ならびに市場を考慮しております。
また、当社グループでは2030年にGHG排出量を2019年比50%削減することを目指しており、今回のシナリオ分析においても同様に2030年を分析のタイムフレームとしております。
<参照シナリオ>
気候変動に起因して、当社グループの事業環境が大きく変化した際に、新たなビジネスの機会及び事業レジリエンスを評価し、事業への影響を分析することを目的として、IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)及びIPCC(気候変動に関する政府間パネル)などの下記シナリオを参照しております。
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区分 |
シナリオの概要 |
主な参照シナリオ |
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1.5℃/2℃ 未満シナリオ |
脱炭素社会の実現へ向けた政策・規制が実施され、世界全体の産業革命前からの気温上昇幅が1.5℃/2℃未満に抑えられるシナリオ。4℃シナリオと比べ、移行リスクは高いが、物理リスクは低く抑えられる。 |
・IEA Net Zero Emissions by 2050 Scenario (NZE) ・IEA Sustainable Development Scenario (SDS) ・IPCC RCP2.6 |
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4℃シナリオ |
新たな政策・規制は導入されず、CO₂排出量は継続的に増加するシナリオ。1.5℃/2℃未満シナリオと比べ、移行リスクは低いが、物理リスクは高くなる。 |
・IEA Stated Policies Scenario (STEPS) ・IPCC RCP8.5 |
<対象事業選定>
当社グループ事業のうち、気候変動の影響が大きい事業(下記A~Dの観点)をシナリオ分析の対象事業として選定し、リチウム事業、アルミ溶湯事業、再生可能エネルギー事業、自動車販売事業についてシナリオ分析を実施いたしました。今後、対象事業の範囲を拡充してまいります。
当シナリオ分析におけるシナリオ・事業環境認識は、国際的な機関などが提示する主なシナリオを基にしており、当社の中長期の見通しではありません。
b. 各事業におけるシナリオ分析結果
<リチウム事業>
当社グループは、電動車に不可欠な車載用リチウムイオン電池の原料を供給するため、アルゼンチンのオラロス塩湖で炭酸リチウムの生産を2014年に開始しております。また、日本国内では、福島県双葉郡楢葉町において水酸化リチウムの製造工場を建設しており、2022年に生産を開始しております。
気候関連・リスク機会
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区分 |
内容 |
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リスク |
アルゼンチン炭酸リチウム生産事業における災害・異常気象などによる生産量への影響 |
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機会 |
自動車の電動化などによるリチウム製品需要の変動 |
各シナリオ下における事業への影響
・いずれのシナリオにおいてもリチウム電池を使用する電動車や蓄電池の需要増加が見込まれる。
・アルゼンチン炭酸リチウム生産事業における、降雨に伴うリチウム生産効率悪化のリスクについては、2022年実績比較で降雨量に変化が見られず、リチウム生産への影響は軽微と想定される。
・1.5℃/2℃未満シナリオと4℃シナリオを比較すると、1.5℃/2℃未満シナリオの方が電動車や蓄電池需要の大きな増加が見込まれ、当事業全体の機会は拡大すると想定される。
当社グループの対応策
電動車の本格的な普及に伴うリチウムの需要増加に対し、既存能力の増強により長期安定的な供給体制構築を目指しております。また、今後の電池高容量化に伴う水酸化リチウムの需要増加を見込み、事業領域を拡大し、安定供給に向けた体制構築を進めてまいります。
<アルミ溶湯事業>
当社グループは、再生アルミをよりCO₂削減効果のある溶湯状態でお客さまへ供給しており、世界トップクラスの取り扱いとなっております。今後、電動車の普及は加速し、それに伴い軽量化に必要となるアルミ部品の需要が高まってまいります。また、環境への配慮から、アルミスクラップの再資源化による再生アルミの需要の増加も見込まれております。
気候関連・リスク機会
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区分 |
内容 |
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リスク |
ガソリン車と電動車の販売構成比の変化に伴う事業への影響 炭素税などの導入に伴う事業への影響 |
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機会 |
電動化に伴うアルミ需要の変動 アルミ新地金から再生アルミへの置き換え需要の変動 |
各シナリオ下における事業への影響
・1.5℃/2℃未満シナリオでは、燃費規制の強化などに伴い、総販売台数に占めるガソリン車の割合が減少するが、一方で電動車の販売比率が増加することによる軽量化の需要増加、加えてグローバルでのリサイクル材の需要増加が見込まれ、当事業全体の機会は拡大することが想定される。
・4℃シナリオでは、1.5℃/2℃未満シナリオで想定される燃費規制の強化などが行われないことが見込まれ、当事業全体への影響は限定的であると想定される。
当社グループの対応策
当事業は重点分野である「循環型静脈事業」の一つと位置付けられており、アルミリサイクルバリューチェーンの川上から川下までの機能強化をグローバルに進めてまいります。炭素税導入などによるコスト増加に対してはGHG排出量削減に向け、新技術などの活用により排出削減に努めてまいります。
<再生可能エネルギー事業>
当社グループは、風力、太陽光、水力、地熱、バイオマスなどの発電事業を全世界規模で展開しており、アフリカ、新興国での開発促進、洋上風力開発などの事業にも注力しております。
気候関連・リスク機会
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区分 |
内容 |
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リスク |
再生可能エネルギー関連政策(固定価格買取・補助金・減税など)の見直しによる事業への影響 |
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機会 |
再生可能エネルギーニーズ増加に伴う事業への影響 |
各シナリオ下における事業への影響
・1.5℃/2℃未満シナリオでは、再生可能エネルギー政策の見直しによる固定価格買取制度の廃止などの影響を受ける可能性はあるものの、全世界において政策の進展や再生可能エネルギーに対する需要の大幅な増加に伴い、関連する技術革新の進展、再生可能エネルギーが基幹エネルギーとなることなどが見込まれる。よって、再生可能エネルギーに対する需要に対応して開発を進めていくことで当事業全体の機会は拡大することが想定される。
・4℃シナリオでは、政策の見直しにより固定価格買取制度が廃止されることなどの可能性があるが、再生可能エネルギーに対する需要は、1.5℃/2℃未満シナリオほどの高まりはないものの一定の増加が見込まれることから、当事業全体への影響は限定的である。
当社グループの対応策
当事業は当社グループの重点分野と位置付けられており、既存ビジネスモデルを強化してグローバル展開を加速させるとともに、電源メニューの多様化やエネルギーマネジメントなど、事業領域の拡大を図っております。競争力ある再生可能エネルギーの安定供給で、より良い地球環境づくりに貢献してまいります。
<自動車販売事業>
当社グループは、トヨタグループを中心とした自動車・輸送用機器メーカーが国内外で生産する乗用車、バス・トラックなどの商用車、産業車輌、補給部品を世界各国へ輸出しております。また、世界150カ国に及ぶグローバルネットワークを通じて、輸入販売総代理店や販売店の事業を展開しております。
気候関連・リスク機会
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区分 |
内容 |
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リスク |
ガソリン車と電動車の販売構成比の変化に伴う事業への影響 |
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機会 |
電動車需要の変動 |
各シナリオ下における事業への影響
・いずれのシナリオにおいても、新興国を中心にグローバルでの新車総販売台数の増加が見込まれるため、当事業全体のリスクは軽微と想定される。
・1.5℃/2℃未満シナリオでは、燃費規制の強化などに伴い、総販売台数に占めるガソリン車の販売割合が減少するものの、電動車の販売割合が増加することが見込まれ、当事業全体の機会は拡大することが想定される。
・4℃シナリオでは、1.5℃/2℃未満シナリオで見込まれる燃費規制の強化などが行われず、ガソリン車及び電動車の販売割合への影響は小さいため、当事業全体への影響は限定的である。
当社グループの対応策
新車販売市場は新興国を中心に今後も拡大していくことが想定されていることから、当社グループは全世界での販売体制を強化してまいります。また、電動車ラインアップの拡充に併せて、その基幹部品である電池素材の資源確保や電池の3R(リビルト、リユース、リサイクル)の事業領域を開拓し、電動車の普及を促進いたします。
(Ⅲ)リスク管理
気候変動を含む環境リスクは、高い基準で管理しております。気候変動に係る事業機会とリスクは、安全・環境会議とサステナビリティ推進委員会で審議され、構成メンバーが事業戦略や活動に組み込んでおります。
<投融資案件>
投融資委員会には副社長・CSO・CFOが、投融資協議会にはCSO補佐、CFO補佐が、また、投資戦略会議には社長・副社長・CSO・CFO・経営企画部長がメンバーとして参加することで、投資案件がESGに与える影響を確認しております。投融資委員会・協議会の評価項目の中には環境リスクがあり、投融資委員会または投融資協議会に上げられた一定要件以上の案件はそのリスクを確認いたします。何らかの懸念がある場合には、それに対する対応やその後の改善報告も義務付けられております。
また、当社は環境マネジメントシステムに関する国際規格であるISO14001を取得しており、国内外の連結子会社を対象に本社による環境内部監査を3年に一度実施するなど、そのリスク管理プロセスをモニタリングしております。
(Ⅳ)指標及び目標
<GHG排出削減目標と今後の取り組み>
自社の操業におけるカーボンニュートラル(CN)は、社会のCNへの貢献同様に不可欠です。そこで当社グループは、脱炭素社会移行への貢献に向けた具体的な方針として、2021年7月に当社単体・国内海外連結子会社(Scope 1(※1)、Scope 2(※2))における、当社グループの事業活動を通じたGHG排出量を、2030年までに2019年比で50%削減を目指し、2050年にCNとする目標を策定いたしました。
当社グループは徹底的な省エネ・再エネ推進(事務所・工場のLED化、所有建物の太陽光発電設置等)に取り組み、また生産プロセスや物流においても燃料転換・消費効率化・技術革新によるGHG排出量削減に取り組むことで、この実現を目指してまいります。
産業ライフサイクルを通じてGHG削減に貢献する事業を、全社レベルで加速・推進できるのは当社グループの強みとなっております。当社グループ全従業員が一丸となり、全力で取り組んでいくことで、社会課題の解決に貢献してまいります。
※1 自社での燃料の使用などによるGHGの直接排出(石油・ガスなど)
※2 自社が購入した電気・熱の使用などによるGHGの間接排出
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② 人的資本
(Ⅰ)戦略
a. 人財の育成に関する方針
当社グループはGlobal Vision実現のため、「商魂」「現地・現物・現実」「チームパワー」をキーワードとする「豊田通商グループウェイ」を実践し、自ら主体的・能動的に考え経営環境の変化に柔軟に対応できる人財を育成することを目的に、さまざまな教育・研修を展開し、社員の能力向上に取り組んでおります。また、性別・国籍に関わらず、多様な人財が活躍できる場・機会を拡大することで、更なる人財の育成に繋げてまいります。
b. 社内環境整備に関する方針
当社グループは多様な社員の活躍機会の拡大を促進するため、ワークとライフの両立支援や働き方改革、多様なキャリアパスを実現する人事制度の導入など環境の整備に努めております。
(Ⅱ)指標及び目標
人財の育成に関する方針を表す指標を「女性管理職比率」と定めております。
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指標 |
指標の説明 |
当事業年度実績 |
目標 |
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女性管理職比率 |
豊田通商㈱における管理職の女性割合 |
6.5% |
多様な人財が活躍できる場・機会の拡大を目指し2025年度10%とする |
社内環境整備に関する方針を表す指標を「育児休業等取得率」と定めております。
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指標 |
指標の説明 |
当事業年度実績 |
目標 |
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育児休業等取得率 |
育児休業及び育児の為の休暇制度の利用率 |
74.0% 内、男性66.9% |
性別を問わず育児に参加することを目的に特に男性の育児休業及び育児の為の休暇の取得率の向上を目指し2025年度100%とする |
(注)現時点では、豊田通商㈱のみの管理としているため、指標及び目標は、豊田通商㈱に限ります。
(1)当社グループのリスク管理
① リスク管理基本方針
当社は、「リスク管理基本方針」において「リスク」を「業務に不測の損失を生じさせ、当社グループの財産、信用等を毀損する可能性を有するもの」と定義し、業務から生じる様々な「リスク」について認識・検討を行い、経営の安全性を確保し、企業価値を高めるため、適切かつ統制された範囲内でリスクを取ることを基本的な考え方としています。
同方針に基づき、リスク総量が経営体力の範囲内に収まっているかを検証するために、定期的に当社連結ベースでの最大予想損失額であるリスクアセット(RA)の計測を実施し、このRAと当社の財務的な企業体力であるリスクバッファー(RB)との均衡を図ることに取り組んでいます。RAは、貸借対照表の各勘定科目をベースにしたリスクアセット元本(RA元本)に最大予想損失率を指すリスクウェイト(RW)を乗じることで算出し、RBは、当社の財務的な企業体力と定義し算出しています。また、当期利益による継続したRBの積み上げを行うことで、健全かつ安定した財務体質の維持を目指しています。RAについては「RA/RB<1.0」として管理しています。2023年3月期のRAは、引き続きRBの範囲内(RA/RB=0.7)となっております。
また、当社グループが保有する国別のRAに対して、それぞれの国格付に応じた上限値を設定し、定期的にモニタリングを実施することで、特定の国や地域に過度なRAが集中することがないよう管理しています。加えて、リスクに対する収益確保を目的として、リスク収益性を測る経営指標の導入や、各ビジネスユニット単位まで落とし込んだキャッシュ・フローマネジメントを推進し、事業の収益性と運転資本の効率性を高めることで、営業キャッシュ・フローの極大化を図り、創出したキャッシュを元に、成長への投資と株主還元をバランスよく両立させるように取り組んでいます。
② リスク管理体制
リスク管理基本方針を具体的に遂行する体制として、COSO-ERMフレームワークなどの考え方を参考に、従来各リスクに対してリスク主管部が個別に行ってきたリスク管理に加えて、よりグローバルなリスク管理を推進するため、2020年4月に「統合リスク管理委員会」を発足しました。同委員会では、各リスクの中から当社として特に注力すべき10のリスク項目を抽出し、各リスクに対してグループ会社各社が当該項目の達成度を自己点検し、グループ会社の所在する地域の中心となる現地法人が点検結果をレビュー、その結果を踏まえてグループ会社各社が改善活動を行う「Check10」という仕組みを導入しております。
Check10では、リスク項目ごとにリスクの大きさと管理体制の2軸評価による評点を付けてヒートマップを作成、グループ会社各社のリスク項目ごとのリスク管理状況を視える化することで、脆弱な部分をあぶり出し、適切に改善策を打つことを狙いとしています。改善には必要に応じてリスク主管部が支援を行います。
また、当該委員会では、豊田通商グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを明確化し、経営目標に関する全社的な重要リスクの特定及び対応方針の協議・決定と、リスク管理プロセスの有効性検証を行い、取締役会へリスクマネジメントに関する議題の提言を行っています。取締役会は、その提言に基づいてリスクプロセスの有効性を継続的に監督し、変更が必要な場合は適切な措置を講じています。
このCheck10活動を拡充することにより、本社のリスク主管部とグループ会社各社の連携強化のみならず、当該地域内での関係強化も図り、連結ベースでの統合的なリスク管理体制の構築を図っています。
[Check10活動のPDCA]
[Check10のリスク項目]
[リスク影響度と管理体制の2軸マトリックスによる評価]
[リスク評価結果(ヒートマップ)のイメージ]
(2)個別のリスクについて
当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。
<全社管理が必要なリスク>
① カントリーリスク
当社グループは、海外の多岐の地域にわたり、商取引及び事業活動を行っており、各国の政府による規制・政治的不安・資金移動の規制等による製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が毀損するリスクが存在しております。当社グループは、カントリーリスクが高い国におけると商取引及び投資については、貿易保険等によりリスクを低減することに努めております。また、最大想定損失額であるリスクアセットの上限値を各国ごとに設定し、定めた上限値の範囲内に抑えることで、特定の地域または国に対するリスクの過度な集中を防ぐことに努めております。しかしながらこうした管理やヘッジ策を講じていてもなお、取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の環境の悪化によるリスクを完全に回避することは難しく、状況によっては債権回収や事業遂行の遅延・不能等により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 世界マクロ経済環境の変化によるリスク
当社グループは、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要事業として、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業を行っております。このため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けております。ロシア・ウクライナ情勢や米国、中国等世界的な景気後退に伴う個人消費や設備投資の低迷が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 自然災害等による影響について
2011年3月の東日本大震災と同年10月のタイ大洪水でサプライチェーンが深刻な影響を受けたため、2012年4月に専門組織として総務部内にBCP推進室を設置いたしました。現在はコンプライアンス・危機管理部の危機管理・BCM推進室が、「豊田通商グループ事業継続基本方針」に従い、地震、台風等の自然災害、テロ、パンデミック等、あらゆるシナリオにおいても社員が出社不可、本社が入館不可、IT使用不可、長期停電のように重要な経営資源が使用不可になった場合のリスクへの対応として、国内外210事業でオールハザードの事業継続計画(BCP)により平時の対策と有事の対策を文書化し、事業継続マネジメント(BCM)の運用を実施しています。また、毎年3月と9月には、大規模地震によって名古屋本社または東京本社が重度に被災するシナリオで状況付与訓練(参加者にシナリオを開示せず臨機応変に対応させる訓練)を実施し、災害対策初動マニュアルならびに対策の継続的改善を実施しています。しかしながら、地震・洪水等の自然災害により、当社グループの事業活動に支障が生じ、追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 特定の販売先への依存
当社グループの収益のうち、トヨタ自動車㈱グループへの収益が占める比率は15.0%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱グループとの取引の動向が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 金利変動リスク
当社グループは、営業債権等による信用供与・有価証券取得・固定資産取得等のために金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により事業資金を手当てしており、一部が変動金利条件となっておりますが、その相当部分は、変動による影響を転嫁できる営業資産に見合っております。また当社グループでは、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)を通じて金利変動リスクをミニマイズすべく取り組んでおりますが、完全に金利変動リスクを回避できるものではなく、今後の金利動向によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥ 上場有価証券の価格変動リスク
当社グループは、取引先との関係維持・強化、事業収益拡大及び企業価値向上を目的に、活発な市場で取引されている有価証券を保有しております。活発な市場で取引されている有価証券は価格変動の影響を受けることがあり、価格下落の場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<Check10にて注視しているリスク>
⑦ 商品リスク
当社グループが取り扱う非鉄金属・石油製品・ゴム・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在します。そのため、商品ごとにポジション限度枠を設定し、限度枠内での運用状況を定期的にモニタリングしています。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも価格変動リスクを完全に回避できるものではなく、商品市況や相場の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑧ 信用リスク
当社グループは多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在します。こうした信用リスクに対応するため、当社グループでは取引先に対し、売掛金・前払金等の取引種別ごとに債権限度、約定限度枠を設定、全社システムによりグループの信用リスクを把握しております。また、財務内容を基にした当社独自基準の格付(8段階)を定め定期的に取引先の状況を確認し、低格付の取引先に対しては、取引条件の見直し、債権保全、撤退等の取引方針を定め、個別に重点管理を行い、損失発生の防止に努めております。このような与信管理を行っておりますが、取引先の財務内容が悪化した場合や予期せぬ事態発生によるリスクを完全に回避することは難しく、取引先の倒産等による債権回収が困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 事業投資リスク
当連結会計年度末現在、当社は775社の連結子会社及び232社の持分法適用会社を有しており、既存提携関係の強化や新規提携を行うことにより既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しています。
当社グループの投資スタンスは、短期的な利益を狙うような投資ではなく、中長期的に事業を育て、当社グループのバリューチェーンの拡大・強化に繋げる戦略的投資を基本としています。新規投資案件については、方針会議・投資戦略会議で戦略性の確認や全社優先順位を議論し、案件の詳細については投融資協議会・投融資委員会で事業計画をスクリーニングの上、機関決定を行っています。協議の過程では、当社独自の指標である使用資金に対して期待される収益規模が確保されているかを検証するTVA(※1)並びにリスクに見合う収益が確保されているかを検証するRVA(※2)を用いて入口管理を行うことや、当社独自の環境チェックシートを用いて、気候変動をはじめとした環境リスクや温室効果ガス排出量、削減効果を評価する等、幅広い視点から投資リターン、各種リスク分析等の検証を行っています。投資実行後は、課題のある案件について、コーポレート部門と営業本部共働で課題の進捗管理・支援を継続的に実施しています(チェック&サポート活動)。また、計画通りの投資リターンを得て、リスク資産に見合った利益を確保しているか等のモニタリングを実施し、計画通りに進行していない案件に対する再建・撤退ルールを厳格に運用しています。
しかしながら、事業環境の変化や技術革新、その他不測の事態により投資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、当社グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
※1 TVA:Toyotsu Value Achievementの略称=(基礎収益-利息収支)×(1-各国税率)-使用資金×
国別使用資金コスト率
-基礎収益とは、営業活動以外から発生した、非経常的で臨時的、かつ多額の損益を調整した税引前
当期利益であり、営業本部・事業体の「稼ぐ力」を示す
-国別使用資金コスト率とは、営業活動・事業活動に要する使用資金から生じる、国別資本コストと
国債利回りの加重平均によるコスト率を示す
※2 RVA:Risk adjusted Value Addedの略称=基礎収益×60%-リスクアセット×リスクコスト率
-リスクアセットとは、不測の事態が起こった場合に発生し得る最大予想損失額
-リスクコスト率とは、当社の株主資本利益率(ROE)目標値13%以上を目線とした株主期待収益率
[投資サイクル]
⑩ 外国為替リスク
当社グループが行っている商品の販売及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。当社グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。また、当社は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑪ 資金調達リスク
当社グループは、事業資金を国内外の金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により調達しているため、金融市場の混乱や格付機関による当社信用格付けの大幅な引き下げ等の事態が生じた場合、当社グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。そのため、資産構成に合わせた最適資金調達を行うと同時に、長期資金の返済・償還時期の分散を図ることで借り換えリスクの低減を図っています。また、現預金、コミットメントライン等の活用により、安定的な流動性を確保すると同時に、金融機関との良好な取引関係の維持に努めておりますが、リスクを完全に回避できるものではありません。このようなリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 人事労務リスク・人権リスク
(人事労務リスク)
当社グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、本社及び海外拠点にて研修実施やツールの提供などによる労務管理知識向上や事業継続計画(BCP)整備による体制強化を働きかけておりますが、ストライキなどの労働争議を原因として操業が停止・制限される事態が発生した場合には、サプライチェーンや当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(人権リスク)
当社グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、全連結子会社への人権デューデリジェンスを通じた人権尊重に取り組んでいるほか、国連「世界人権宣言」を含む国際人権章典、「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際基準に則った「豊田通商グループ人権方針」を定め、サプライヤーを含むすべてのビジネスパートナーのみなさまに対し、当該方針を遵守頂くことを働きかけております。しかしながら、不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 情報セキュリティリスク
当社グループは、トヨタグループ及び豊田通商グループ標準の情報セキュリティ規程・ガイドラインを制定し、グループ全体の対応状況の可視化と継続的な改善を実施しています。また、本ガイドラインに合わせ、ネットワークやメールセキュリティ等のITインフラ領域については、システム共通化によって、グループ全体で効率的に有効性を高める施策を実施しております。サイバー攻撃対応体制も構築し、定常的に製品脆弱性情報やセキュリティ事故等の脅威情報の収集と、迅速な対策・予防措置を実施しております。また、昨今のサイバー攻撃トレンドに鑑み、攻撃を受けた際に被害を最小化する施策として、常時通信監視及び端末のふるまい監視・自動隔離を導入しております。しかしながら、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備・通信障害等による情報システム停止等の可能性は排除できず、この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭ コンプライアンスリスク
当社グループは、国内外において多岐にわたる事業を行っており、日本における会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法、贈収賄関連諸法、安全保障貿易管理等貿易関連及び制裁関連諸法等の各種法令、事業活動を行う各国・地域の各種法令・規制といった様々な分野における広範な法律及び規制に服しております。当社では、役職員の職務の執行がこれら法令、規制及び企業倫理に適合することをコンプライアンスの基本方針としています。コンプライアンス専任部署であるコンプライアンス・危機管理部は、同部をハブとしたグローバルネットワークを通じてグループ全体のコンプライアンス体制を強化し、法務部等、関連するコーポレート部署の協力を得て、各種コンプライアンス施策(コンプライアンストップメッセージ、階層別コンプライアンス教育、グローバル内部通報制度整備等)を策定・実施することで、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図っております。
なお、物流関連のコンプライアンスリスクについては、国内の外国為替及び外国貿易法・関税法等、海外では当該国の法令、それに加えて国内・海外共に米国制裁法・米国再輸出規制等を遵守する貿易管理体制を整えることや、国内外において輸入通関時のHSコード誤りによる事後追徴を回避するための適切なHSコード判定規程の制定に努めております。また、物流業者の起用においては当社の管理規則に則った物流業者選定ルールの浸透を図り、物流業者の関与する不正・異常損等の発生を阻止する対策を行っております。
しかしながら、このような施策を講じても、事業活動におけるコンプライアンスリスクは完全に排除できるものではなく、役職員が不正・不法行為を行った場合、社会的な信用を毀損する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 安全関連リスク
従業員並びに委託者の労働災害により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。災害未然防止に関する設備、作業標準の整備、教育、日常管理を行っておりますが、大規模な労働災害の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 環境関連リスク
気候変動、水資源、生物多様性保全を含む環境関連のリスクは、当社グループ経営に与える影響が高いと判断し、安全・環境会議やサステナビリティ推進委員会で審議、取締役会へ適宜報告され、担当部門や構成メンバーを通じて事業戦略や活動に組み込まれています。
気候変動については、影響が大きい事業を選定し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った形でシナリオ分析を実施しています。「リスク」では、移行リスク及び物理リスクを、「機会」では、資源効率・エネルギー源・製品及びサービス・市場を考慮しています。また、当社単体・国内海外連結子会社における、豊田通商グループの事業活動を通じた温室効果ガス排出量を、2030年までに2019年比で50%削減を目指し、2050年にカーボンニュートラルとする目標を策定しています。加えて、2018年に策定したサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)においても、「クリーンエネルギーや革新的技術を活用し、自動車/工場・プラントCO₂を削減することで脱炭素社会移行に貢献」することを掲げています。
気候変動や森林破壊、人口増加等に伴い世界規模で水不足、水質悪化、洪水、生物多様性の毀損が深刻化しています。水資源の持続可能な利用・生物多様性の維持は、当社事業活動に多大な影響を及ぼすリスクであり、重要課題と認識しています。水リスクについては、連結子会社を対象にAQUEDUCT(世界資源研究所(WRI)が提供する水リスクに関するグローバルな基準となっている評価ツールの一つ)で調査し、利用効率の改善や使用量削減等を含むリスクに応じた対応を行っています。
生物多様性については、新規の投資案件に対し生態系サービスへの影響を事前に調査・評価し、森林保全、環境負荷低減に努めています。既存事業に対しては、ISO14001に基づく環境マネジメントシステム内部監査により、水及び生物多様性を含むリスク評価を実施しています。しかしながら、このような施策を講じても、不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)業績等の概要
①経営環境
当連結会計年度の世界経済を概観しますと、新型コロナウイルス感染拡大からの回復基調もウクライナ戦争長期化等に起因する粘着的なインフレが景気回復の重石となりました。また経済安全保障リスクの高まりや米国の銀行破綻に端を発した連鎖的な信用不安の拡大等、先行きの不透明感が強まりました。
米国経済は、堅調な個人消費と逼迫した労働市場を背景とした物価上昇により金融引き締め策が継続する中、信用不安の高まりから地方銀行の破綻が相次ぐ等、金融市場に不安が残りました。欧州経済は、ウクライナ戦争長期化等によるエネルギー価格の高騰を背景としたインフレが個人消費を抑制し、景気は減速基調となりました。また大手銀行の経営危機等もあり、金融不安が残りました。中国経済は、ゼロコロナ政策で景気が減速基調となっていましたが、年末のゼロコロナ政策解除以降、設備投資や個人消費が回復しました。一方、低調な不動産投資や高止まりする失業率等が懸念材料となりました。新興国はまだら模様の経済基調であり、経済活動再開や供給制約の緩和等に伴う外需主導の景気回復を享受する国々がある一方、一部の国々では資源価格高騰や政情不安等により景気は減速しました。
こうした中、わが国経済は、インバウンド需要や輸出の回復等外需が経済拡大に寄与した一方、輸入物価主導型のインフレによる国内個人消費の低迷が景気の下押し圧力となりました。また、長引く円安基調により1月の経常収支が過去最大の赤字を計上する等、貿易動向も先行き不安な情勢となりました。
②セグメント別の事業活動
当社グループは「Global Vision」において、あるべき姿として「Be the Right ONE」を掲げ、Mobility分野、Life & Community分野、Resources & Environment分野の3つの事業領域で当社グループならではの強みである「Toyotsu Core Values」を発揮し、当社グループらしい事業を広げてまいります。なお、自動車本部は2023年4月1日付でモビリティ本部に名称変更しております。
(Ⅰ)金属
豊通リチウム㈱が福島県双葉郡楢葉町に建設を進めていた、国内初となる水酸化リチウムの製造工場が、2022年11月に竣工しました。電動車の普及加速やバッテリー性能の向上に伴い、これまで以上に需要が見込まれる水酸化リチウムを高品質かつ安定的に供給する事で、カーボンニュートラルに貢献するとともに、本事業を通じて地域経済の活性化や東日本大震災の被災地域の産業復興にも貢献していきます。
(Mobility分野・Resources & Environment分野)
(Ⅱ)グローバル部品・ロジスティクス
㈱Resilireと協業し、同社が開発したサプライチェーンの可視化・リスク管理サービスと当社の物流に関するオンラインプラットフォーム「Streams(ストリームス)」を組み合わせ、リスク対策に向けた一気通貫サービスの提供を、2022年11月から開始しました。DX推進を通じてお客様のサプライチェーンの強靭化及び事業継続計画強化に貢献していきます。(Mobility分野)
(Ⅲ)自動車
カンボジアにおいて、車両組立事業会社であるToyota Tsusho Manufacturing (Cambodia) Co., Ltd.を2022年8月に設立しました。本事業は、同年11月にカンボジア政府と当社が締結した「自動車産業の発展に向けた協業に関するMOU(覚書)」に基づく取り組みであり、同国の自動車産業と経済及び社会の発展に貢献していきます。(Mobility分野)
(Ⅳ)機械・エネルギー・プラントプロジェクト
再生可能エネルギー事業の更なる拡大を目的に、東京電力ホールディングス㈱が保有する㈱ユーラスエナジーホールディングスの株式40%を取得し、2022年8月に完全子会社化しました。また、同目的で、ソフトバンクグループ㈱が保有するSBエナジー㈱の85%の株式を取得し、2023年4月に子会社化するとともに社名をテラスエナジー㈱に改めました。カーボンニュートラル実現への取り組みを加速させることで、脱炭素社会への移行に貢献していきます。(Resources & Environment分野)
(Ⅴ)化学品・エレクトロニクス
ペットボトルの水平リサイクルを目的に、2022年10月に豊通ペットリサイクルシステムズ㈱が滋賀県にて工場を本格稼働しました。また同月、Car to Carの水平リサイクル実現を目的に、当社が出資している㈱プラニックが静岡県にて御前崎工場を本格稼働しました。両社のリサイクル事業を通じて、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進していきます。
(Mobility分野・Life & Community分野・Resources & Environment分野)
(Ⅵ)食料・生活産業
インド国内において病院向けリネンサプライ等の高品質な医療周辺サービスを提供する事を目的に、㈱トーカイと設立したValabhi Hospital Services Private Limitedが2022年11月から営業を開始しました。より安心・安全な医療の提供と地域医療の発展に貢献できるよう、新しいリネンサプライの事業モデル構築と高品質な医療周辺サービスの提供を推進していきます。(Life & Community分野)
(Ⅶ)アフリカ
アンゴラの保健省とヘルスケア分野に関して、またエネルギー・水省及び交通省傘下の開発公社と再生可能エネルギーをはじめとするグリーンエコノミー分野に関して、それぞれMOU(覚書)を、2023年3月に締結しました。同国が進める産業の多角化に寄与し、経済発展に貢献していきます。
(Life & Community分野・Resources & Environment分野)
③業績
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(単位:億円) |
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前連結会計年度 (2022年3月期) |
当連結会計年度 (2023年3月期) |
増減 |
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収益 |
80,280 |
98,485 |
18,205 |
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売上総利益 |
7,592 |
9,688 |
2,096 |
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営業活動に係る利益 |
2,941 |
3,887 |
946 |
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当期利益(親会社所有者帰属) |
2,222 |
2,841 |
619 |
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総資産 |
61,431 |
63,770 |
2,339 |
(2)仕入、成約及び販売の実績
①仕入の実績
仕入と販売との差額は僅少であるため、記載は省略しております。
②成約の実績
成約と販売との差額は僅少であるため、記載は省略しております。
③販売の実績
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ③業績」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項4.セグメント情報」を参照してください。
(3)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項3.重要な会計方針」に記載しています。また、重要な見積り及び判断については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。
②当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の収益は、自動車販売の増加、金属等の市況及び欧州電力価格上昇により、前連結会計年度を1兆8,205億円(22.7%)上回る9兆8,485億円となりました。
利益につきましては、営業活動に係る利益は販売費及び一般管理費の増加の一方で、売上総利益の増加により、前連結会計年度を946億円(32.2%)上回る3,887億円となりました。当期利益(親会社の所有者に帰属)は前期一過性利益の影響があったものの営業活動に係る利益の増加に加え、持分法投資損益の増加等により、前連結会計年度を619億円(27.9%)上回る2,841億円となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(Ⅰ)金属
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、前期一過性利益の影響があったものの、市況上昇及び豪亜における自動車生産関連の取り扱い増加等により、前連結会計年度を37億円(5.0%)上回る766億円となりました。
(Ⅱ)グローバル部品・ロジスティクス
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、北米、欧州及び豪亜における自動車部品の取り扱い増加等により、前連結会計年度を87億円(33.9%)上回る343億円となりました。
(Ⅲ)自動車
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、豪亜を中心とした海外自動車販売会社の取扱台数増加等により、前連結会計年度を172億円(60.4%)上回る457億円となりました。
(Ⅳ)機械・エネルギー・プラントプロジェクト
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、前期一過性利益の影響及び当期電力事業における一過性損失があったものの、欧州電力価格の上昇等により、前連結会計年度を114億円(53.8%)上回る326億円となりました。
(Ⅴ)化学品・エレクトロニクス
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、エレクトロニクス事業の取り扱い増加及び化学品事業における市況の上昇等により、前連結会計年度を49億円(11.3%)上回る479億円となりました。
(Ⅵ)食料・生活産業
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、南米食料事業における輸送費負担増加があるものの、国内生活産業事業の一過性利益等により、前連結会計年度を41億円(73.9%)上回る95億円となりました。
(Ⅶ)アフリカ
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、自動車販売会社の取扱台数増加等により、前連結会計年度を103億円(39.8%)上回る363億円となりました。
次期の業績の見通しにつきましては、当期利益(親会社の所有者に帰属)は2,800億円となる見込みです。
③財政状態
資産につきましては、現金及び現金同等物で1,186億円、棚卸資産で663億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,339億円増加の6兆3,770億円となりました。また、資本につきましては、当期利益(親会社の所有者に帰属)等により利益剰余金が2,263億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,257億円増加の2兆685億円となりました。
その結果、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は30.0%、ネットDERは0.7倍となりました。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
(Ⅰ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による増加、投資活動及び財務活動による減少等により7,716億円となり、前連結会計年度末より1,186億円の増加となりました。資金の増減額は前連結会計年度と比べて1,598億円の増加となっており、この主な増加または減少要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は4,442億円となりました。これは税引前利益等によるものです。前連結会計年度比では3,941億円の収入増加となりましたが、これは主に運転資本が2,658億円減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は1,399億円となりました。これは有形固定資産の取得による支出等によるものです。前連結会計年度比では174億円の支出減少となりましたが、これは主に投資の売却等による収入が191億円増加したこと等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは3,043億円の資金の増加となりました。前連結会計年度比では4,115億円の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は2,066億円となりました。これは非支配株主からの子会社持分取得による支出等によるものです。前連結会計年度比では2,515億円の支出増加となりました。
(Ⅱ)財務戦略
当社グループでは、財務健全性を維持した安定的成長を目指して、「資産の効率化」と「資産の内容に見
合った調達」を柱とする財務戦略を推進しております。
「資産の効率化」については、“最小限の資金で最大限の利益確保”を目指し、売掛債権回収の早期化、在庫の削減等による運転資本の効率化や不稼動・非効率固定資産の削減など、資金の効率化を進めております。これらの活動により得られる資金を、より将来性の高い事業への投資や、有利子負債の圧縮に充当することにしており、“企業価値の向上”と“財務の健全性向上”の両立を目指しております。
一方、「資産の内容に見合った調達」については、固定資産は長期借入金と株主資本でカバーし、運転資本は短期借入金でカバーすることを原則としておりますが、同時に運転資本の底溜り部分も長期資金でまかなうことを方針としております。また、連結ベースでの資金管理体制については、親会社からの国内グループファイナンスに一元化すると共に、海外子会社の資金調達についても、アジア及び欧米の海外現地法人などにおいて集中して資金調達を行い、子会社への資金供給をするというキャッシュマネジメントシステムを活用したグループファイナンスを行うことで、連結ベースでの資金の効率化に努め、資金管理体制の更なる充実を図っております。更には、当社グループの資金調達の安全のため、マルチカレンシー・リボルビング・ファシリティー(複数通貨協調融資枠)等を設定するなど、不測の事態にも対応できるように備えております。
今後の資金調達について、当社グループの営業活動が生み出すキャッシュ・フロー、資産の内容、経済情勢、金融環境などを考慮し、資産の一層の効率化と安定的な資金調達に対応していきたいと考えております。
当連結会計年度末の流動比率は連結ベースで152%となっており、流動性の点で当社の財務健全性を維持しております。また、当社及び連結子会社では、主として現預金及び上述コミットメントラインの設定により、十分な流動性を確保しております。
当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりです。
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長期 |
短期 |
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格付投資情報センター(R&I) |
AA-(安定的) |
a-1+ |
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スタンダード&プアーズ(S&P) |
A(安定的) |
A-1 |
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ムーディーズ(Moody's) |
A3(安定的) |
- |
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。
※将来情報に関するご注意
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものです。実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。