文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、社是である「よい品、より安く」の精神に徹し、成形技術と接合技術によるものづくりを通じて安心、安全で環境に優しい商品をお客様に提供し、株主の皆様をはじめ得意先、社員、取引先などすべてのステークホルダーの期待と信頼にこたえるべく、長期安定的な成長を続けることのできる経営基盤を確立し、社会情勢や経営環境をふまえ、新たなビジネスの開拓、経営資源の最適な配置と効率的な投入により、企業価値の増大に努めてまいります。
また、当社の経営理念は以下のとおりであります。
私達は
1.お客様に信頼され、なくてはならない会社
2.共に働く仲間が、生きがいと誇りを持てる会社
3.地域社会から広く支持され、愛される会社
であるよう、たゆまぬ努力を続けます。
(2) 目標とする経営指標
当社では、企業価値の向上を目指すにあたり、売上高、営業利益率、経常利益率、ROE(株主資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組むとともに、財務体質の強化として有利子負債の削減と自己資本比率の向上にも取り組んでおります。その一環として、2022~2024年度までを計画期間とする中期経営計画の目標としてフリーキャッシュフロー60~150億円及び営業利益率(支給品を除く売上高)2.6~5.0%を設定しております。当該KPIの各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
自動車産業はいま、過去に例のない大変革期を迎えています。社会が大きく変わる中で、フタバグループも大胆な変革に向け取り組んでいます。10年後、20年後も“選ばれる会社”“勝ち抜く会社”であるために、創造力、提案力、スピードを一段と改善し、『環境』『安心』『豊かな生活』の提供価値を通じて持続可能な社会に向けて貢献していきます。私たちが向かうべき方向を再確認するために、「2030年めざす姿」とそれに向けた「行動宣言」を掲げています。
また、2030年に向けて中期経営方針として
① 選ばれる会社、勝ち抜く会社に向けた強化
② 真のグローバル企業への取り組み強化
③ 持続可能な企業基盤の強化
を掲げています。これらをもとに、グローバルで経営・収益基盤をさらに充実させるとともに、デジタル化とモノづくりのイノベーションにリソーセスを投入し、強固で持続可能なグローバル企業を目指し、努力してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題と取組み
近年の自動車産業を取り巻く環境変化の中でもBEV普及への対応とカーボンニュートラルへの対応は、フタバ産業としても長期での戦略を持っての対応が必要となります。
長期戦略
①BEV普及の影響への対応
・ボデー部品の売上拡大・付加価値向上
・エンジン搭載車でのシェア向上
・新規事業の進化・創出
②カーボンニュートラルへの対応
・工場のCO2排出量削減目標の設定(フタバ単体、グループ共)
長期の戦略に対応するための取り組みを強力に推進し、フタバグループ全員の活躍により企業価値向上を目指します。
ⅰ 基本的な考え方
フタバグループは、持続可能な社会の実現への貢献を「社会的使命」と考え、国際社会の共通目標であるSDGs(持続可能な開発目標)に賛同し、事業活動を通じた「環境・社会活動の解決」とそれを支える「経営基盤の強化」のため、「14の重要テーマ(マテリアリティ)」を経営戦略に採り入れ、2020年度から取り組んでおります。
2021年度からはこの中でも「カーボンニュートラル」を中心に活動してまいりましたが、2023年度からはさらに「ヒトへの投資(人的資本)」を加え、この2つの最重要テーマを柱に取り組んでまいります。
ⅱ 推進体制
2023年度、新たにCSO(Chief Sustainability Officer)を選任しました。「カーボンニュートラル」と「ヒトへの投資(人的資本)」の2つの最重要テーマをCSOがリードし、実現へと導くために以下体制で取り組んでまいります。

当社ではサステナビリティに関するリスクを以下のプロセスで識別・評価及び管理を行います。
ⅰ リスクの識別
①ステークホルダー視点と事業視点から重要性の高い社会課題を選定
②社外有識者によるレビューを実施
③関連部署へヒアリングを行い、中長期目標及び管理指標を選定
④サステナビリティ推進会議で報告・監督
ⅱ リスクの評価及び管理

(3) 気候変動への対応
当社は2022年6月にTCFDへの賛同を表明しました。TCFDの考え方に基づき、シナリオ分析を行い、事業活動に影響を与えるリスクと機会を抽出し、経営戦略へ織り込む活動を実施しております。今後も財務への影響等を検証し、活動を充実させてまいります。
なお、気候変動に関するガバナンス、リスク管理については、前述の(1)ガバナンス、(2)リスク管理に組み込まれております。
①戦略
気候変動が当社グループに与えるリスク・機会とその影響の把握、及び2030年頃の世界を想定した戦略の妥当性と、さらなる施策の必要性の検討を目的に、シナリオ分析を実施しております。
シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存のシナリオを参照の上、移行面で影響が顕在化する「2℃未満シナリオ※1」及び物理面で影響が顕在化する「4℃シナリオ※2」の2つの世界を想定し、2022年6月時点での各シナリオにおける当社に影響が大きいと思われるリスク・機会と、その対応策を以下にまとめております。
※1 政策・制度が強化され、産業革命前に比べて21世紀末に世界平均気温の上昇が2℃未満に抑えられるシナリオ
※2 新たな政策・制度が導入されず、産業革命前に比べて21世紀末に4℃前後上昇するシナリオ

②指標と目標
当社は、特定したリスクと機会への対応のため、管理指標を設定し取り組みを推進しております。

なお、上記内容は2022年9月発行の『FUTABA統合レポート2022』に開示している「気候変動への対応」の情報を一部更新して掲載しております。詳細につきましては、2023年9月発行予定の『
(4) 人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略並びに指標及び目標
①基本方針
現在、2030年に目指す姿を踏まえた中期経営方針として「選ばれる会社、勝ち抜く会社に向けた強化、真のグローバル企業への取り組み強化、持続可能な企業基盤の強化」を掲げております。
中期経営方針における事業施策のさらなる推進、そして、当社が大切にしてきた「環境」「安心」「豊かな生活」という3つの価値提供の実現には、人材が重要な事業基盤であると認識しております。そこで、人材に関する基本的な考え方として「全員活躍」を掲げました。
「一人ひとりの強み」×「働きがい」×「チャレンジ」を「全員活躍」実現の3本柱とし、「人材マネジメント戦略の検討・実行」「全員活躍に向けた人事制度改革」を推進することで、従業員一人ひとりが、適材適所でそれぞれの強みを活かし、挑戦・活躍・成長すること、会社の事業活動を通じて、社会の持続的成長に貢献することを目指しております。
②「人材マネジメント戦略」及び「全員活躍に向けた人事制度改革」
経営・事業戦略と人材戦略を結びつけ、多様な人材の採用・育成、そして重要なポジションへの登用を通じ、全員活躍を実現してまいります。

③指標及び目標

これらの人的資本に関する取り組みを通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。全員活躍の実現に向けた具体的な取り組みの詳細につきましては、2023年9月発行予定の『
当社グループでは、組織目標の達成を阻害する要因、あるいは事業の継続に影響を与えうる要因をリスクとして識別し、分析、評価、対応を行うPDCAサイクルを回すため、各種委員会を立上げております。機密情報および情報セキュリティに関するリスクには情報セキュリティ委員会、不正リスクには企業倫理委員会、内部統制やガバナンスには内部統制委員会など、各種委員会によりリスクアセスメントを行い、リスクの低減や回避などの適切な措置を図っております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 主要な得意先に関するリスク
当社グループにおきましては、自動車等車両部品が連結売上高の大半を占め、なかでもトヨタ自動車株式会社向けの依存度が高く、同社の生産動向・購買政策などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 資材調達に関するリスク
生産に必要な資材の調達につきましては、品質・コストの維持・改善を図りつつ安定調達の確保に努めておりますが、需給の状況などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外事業展開に関するリスク
海外生産拠点の拡充に伴って、法律・規制・租税制度の予期しない変更や社会的混乱など各国における諸事情の変化や、金利・為替などの市場動向により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループはロシア・ウクライナに拠点を有しておらず、同地域向けの事業も展開しておりませんので、現時点で当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性は低いと考えております。
(4) 製品の欠陥に関するリスク
当社グループは製品の品質の確保・向上に努めておりますが、大規模なリコール等につながる製品の欠陥が発生した場合には、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「安全、品質、ものづくり」の基本を徹底し、品質の確保・向上に努めております。
(5) 電動化に関するリスク
自動車業界は100年に一度の変革期を迎え、既存のエンジン搭載車から電気自動車への切り替えなど、電動化への動きが急速に進んでおります。その対応の遅れは、当社グループにとって既存・新規ビジネスの機会を逸することになり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境のなか、当社グループとしては、BEVおよび電動車向け関連部品の研究開発、解析能力を活用したゾーン開発によるボデー系部品の付加価値向上、複雑・大型化へ対応したボデー系部品・外販設備事業の拡大、投資・工数ミニマムで標準化された排気系部品の成熟市場(エンジン搭載車)でのシェア向上、「排気収集・浄化」の技術を活かした新規事業への取組みを推進してまいります。
(6) 金利・為替変動に関するリスク
当社グループは、業容の拡大に伴い借入調達を行っておりますが、金利変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの海外売上高は全体の売上高の約半分を占めており、円換算後の価値が変動するなど為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、変動金利から固定金利へのスワップや為替予約の締結等を通じて、金利・為替変動リスクを低減しております。
(7) コンプライアンスに関するリスク
当社グループにおけるコンプライアンスとは、「法令遵守はもとより、社会の構成員たる企業人として求められる価値観・倫理観をもって誠実に行動すること。それを通じて公正かつ適切な経営を実現し、市民社会との調和を図り、企業を創造的に発展させていくこと。環境問題を重視し、自らが行動を起こし、環境の保全に努めること。」と定めております。当社グループは、企業の社会的責任と公共的使命を自覚し、高い倫理観を持って企業活動を行い、社会的責任を果たし、また、国内外の文化・習慣を尊重し、環境保全に努め、地域とともに成長し、地域に喜ばれる企業であるよう様々な活動を展開しております。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、機密情報の保護・管理のため、フタバセキュリティガイドラインを策定し、従業員への機密管理意識の徹底を図っています。また、年々高度化しているサイバー攻撃に備え、サイバー保険を付保しております。しかしながら、情報セキュリティ上のリスクを完全には回避できない可能性があり、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材確保に関するリスク
少子高齢化や人口減少が進行していく環境下において、人材を十分に確保できない場合や人材獲得競争の激化によりコストが大幅に増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境のなか、当社グループは「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン宣言」を行い、より一層の制度の整備・拡充や従業員の意識改革に積極的に取り組み、多様な属性を持つ従業員がやりがいや成長実感を持ちながら、活き活きと活躍できる環境を整えております。また、近年では、より一層現地に根差した経営を推進するために、現地人材の計画的な育成に積極的に取り組んでおります。
(10) 自然災害、感染症等に関するリスク
当社グループでは、発生が予想されている南海トラフ巨大地震を最も大きなリスクと捉え、人命第一を最優先に、人的・物的被害を最小限に止め、事業活動の早期再開をはかることを目的とした事業継続計画(BCP) を策定しています。その中で、緊急地震速報や安否確認システムの導入、避難経路の安全確保や建屋の耐震補強、設備の転倒・落下防止対策など、防災・減災の取り組みとともに、定期的な教育訓練を行っています。また、感染症対策につきましても、在宅勤務制度等の基準策定や施設・備品の整備を行い、BCP発動時には災害対策本部を設置し、各生産拠点の情報をとりまとめるとともに、事業への影響を最小限に抑えられるよう対応しています。
しかしながら、大地震や大型台風、洪水等の自然災害、感染症の拡大等により、サプライチェーン、製品供給に大きな支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 固定資産の減損に関するリスク
当社グループは生産活動に使用する固定資産を多額に保有しておりますが、これら固定資産は事業採算の悪化などにより、投下資本の回収リスクを負っており、合理的な基準に基づく固定資産の減損処理を行っております。将来、事業採算悪化により更なる減損処理を行うことがあり、その場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 税効果の変動に関するリスク
当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに当たって、将来の課税所得を合理的に見積もっております。この見積りに変動があることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 退職給付債務に関するリスク
当社グループでは、退職給付制度を採用しておりますが、退職給付費用及び債務は数理計算上の前提条件、期待収益率により算出されており、実際の結果との相違、前提条件の変更により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、日本、北米、中国、アジアにおいては景気は緩やかに持ち直しておりますが、日本を除き、世界的な金融引締め等が続く中、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。欧州においては、景気は持ち直しに足踏みがみられます。
当社グループの主要取引先であります自動車業界においては、新型コロナウイルス感染症の拡大、ロシア・ウクライナ情勢に伴う部品供給不足が依然として続いているものの、すべての地域において新車販売台数が前年に比べ増加しております。
こうした状況のなか、2022年度から2024年度の中期経営目標としては「稼ぐ力を強化し、フリーキャッシュフロー(FCF)の増加をはかる」としております。生産効率の向上などの稼ぐ力をさらに強化し、FCFの増加を着実にはかることで、株主の皆様への還元にあてるとともに、有利子負債の返済、今後の成長への投資に配分していきます。
当社グループが大切にしてきたものに「環境」「安心」「豊かな生活」の3つの提供価値があります。「環境」は、自然環境への負荷を低減する排気系部品です。「安心」は、人を危険から守り、安心できるボデー・内装部品です。「豊かな生活」は、生活品質を高める製品・サービスです。今後も株主・投資家の皆様はもとより、お客様・全従業員・地域社会をはじめとする全てのステークホルダーの皆様へ価値提供と情報発信を増やしてまいります。
当連結会計年度の業績は、売上高は、得意先各社の自動車生産台数の増加、7,080億円(前年度比23.8%増)となりました。利益につきましては、部品事業の売上増加や新規車種切替効果等の増益要因により、営業利益は76億円(前年度比25.6%増)、経常利益は77億円(前年度比0.5%減)となりました。日本セグメントにおける将来事業計画等を吟味の上、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等調整額(益)を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は105億円(前年度比219.8%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
売上高は、得意先各社の自動車生産台数の増加、支給品単価・材料建値の上昇及び為替影響等により3,053億円(前年度比22.9%増)となりました。セグメント利益は、売上高の増加及び新規車種切替効果等により30億円(前年度比1,495.6%増)となりました。
売上高は、得意先各社の自動車生産台数の増加及び為替変動等により1,725億円(前年度比51.6%増)となりました。セグメント損失は、新規車種立上げによる減価償却費の増加及びインフレ影響による費用の増加等により7億円(前年度は6億円のセグメント損失)となりました。
売上高は、得意先各社の自動車生産台数の増加及び為替変動等により683億円(前年度比37.8%増)となりました。セグメント利益は、売上高の増加等により9億円(前年度比36.8%増)となりました。
売上高は、支給品単価の上昇、為替変動等により1,022億円(前年度比1.1%増)となりましたが、実質売上高は減少しています。セグメント利益は、実質売上高の減少等により26億円(前年度比42.9%減)となりました。
売上高は、得意先からの支給品単価の下降等により702億円(前年度比4.6%減)となりましたが、得意先各社の自動車生産台数は増加しており、支給品を除く売上高は増加しております。セグメント利益は、支給品を除く売上高の増加等により15億円(前年度比72.2%増)となりました。
(注)支給品単価の上昇(下降)とは、排気系部品に使用される触媒の得意先からの支給価格が上昇(下降)することです。支給品を含む製品の販売価格も同額上昇(下降)するため、売上高は増加(減少)しますが、利益影響はありません。
財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度の総資産については、売掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて102億円増加し、3,197億円となりました。負債については、買掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて5億円増加し、2,200億円となりました。純資産については、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べて97億円増加し、997億円となりました。
当社グループの現金及び現金同等物は、前年度末に比べ36億円増加し、103億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当連結会計年度の営業活動の結果、得られた資金は477億円であり、前年度に比べ122億円(34.6%増)の増加となりました。これは、仕入債務の増加等によるものであります。
当連結会計年度の投資活動の結果、使用した資金は223億円、前年度に比べて132億円(37.2%減)の支出の減少となりました。これは、有形固定資産の取得支出の減少等によるものであります。
当連結会計年度の財務活動の結果、使用した資金は220億円(前年度は34億円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出等によるものであります。
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2 金額は、製造原価によっております。
当連結会計年度における当社製品におきましては、納入先より3ヶ月程度の生産計画の提示を受け、生産能力を考慮して生産計画をたてております。
なお、治具溶接機については、納入先からの注文に基づき生産しており、受注状況は次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づき分析した内容であり、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析、報告セグメントごとの詳細及び財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当社グループにおける経営理念として大切にしているものに、「環境」「安心」「豊かな生活」の3つの提供価値があります。「環境」は、自然環境への負荷を低減する排気系部品です。「安心」は、人を危険から守り、安心できるボデー・内装部品です。「豊かな生活」は、生活品質を高める製品・サービスです。今後も株主・投資家の皆様はもとより、お客様・全従業員・地域社会をはじめとする全てのステークホルダーの皆様へ価値提供と情報発信を増やしてまいります。
企業価値の向上を目指すにあたっては、売上高、営業利益率、経常利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組んでまいりました。
財政面におきましては、財務体質の強化として有利子負債の削減と自己資本比率の向上に取り組んでまいりました。
各セグメントにつきましても上記基本方針に取り組んでまいりました。
なお、当連結会計年度の各セグメントの経営成績の分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
重要な経営指標に掲げられている指標の分析については次のとおりです。
売上高につきましては、得意先各社の自動車生産台数の増加もありましたが、主として支給品単価・材料建値上昇影響及び為替影響等により7,080億円(前年度比23.8%増)となりました。営業利益率につきましては、前年度と比べてほぼ横ばいとなりました。経常利益率につきましては、前年度と比べて0.3ポイント減少しました。この主な要因は、為替差損の発生、持分法による投資利益が前年度と比べ減少、支払利息が増加したためです。ROEにつきましては、繰延税金資産の計上に伴い発生した法人税等調整額(益)により、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したこと等により前年度と比べて7.8ポイント増加しました。有利子負債につきましては、借入金の返済等により、前年度と比べて165億円減少しております。自己資本比率につきましては、その他包括利益累計額の増加や親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により29.4%(前年度比2.2ポイント増)となりました。
重要な経営指標の推移
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて36億円増加し、103億円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の前連結会計年度との比較分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b. 財務政策
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び外注部品等の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。また、剰余金の配当につきましては、配当政策に基づき実施してまいります。当社グループの運転資金、設備投資資金及び剰余金の配当等は、主として内部資金により充当し、必要に応じて借入による資金調達を実施することを基本方針としております。当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、内部資金、資本市場からの調達及び借入により充当いたしました。今後は、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、有利子負債の圧縮を視野にいれながら、バランスをとった財務運営を目指してまいります。
c. 今後のキャッシュ・フロー
2024年3月期の設備投資につきましては、生産性向上のための合理化・省力化投資、新規受注に伴う金型等投資及び海外生産拠点への投資を中心に実施する予定です。詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却の計画」に記載しております。
当該資金調達につきましては、内部資金又は借入にて充当する予定です。
(参考)
当社グループは2021年5月に2021年度以降の会社の方向性とめざす姿を示すため、2021年度から2023年度を対象とする中期経営方針を策定しております。以下の3つの中期経営方針を柱とし、経営・収入基盤をさらに充実させるとともに、デジタル化とモノづくりのイノベーションにリソーセスを投下し、強固で持続可能なグローバル企業を目指しております。
(1) 選ばれる会社、勝ち抜く会社に向けた強化
・お客様目線を意識した活動(困りごとの解決提案)
・部品事業の収益最大化
(2) 真のグローバル企業への取り組み強化
・本社のグローバル化促進
・中長期の事業戦略の実行
(3) 持続可能な企業基盤の強化
・企業価値の向上
・デジタル社会への環境整備
・新しい時代に向けた意識改革
また、稼ぐ力を強化し、フリーキャッシュフローの増加を図るため、2022年5月に中期経営目標を公表しております。2022~24年度の具体的な目標として、フリーキャッシュフローは60~150億円、連結営業利益率は支給品除く売上高で2.6~5.0%といたしました。
直近2ヵ年の実績及び連結業績予想
2023年3月期の連結売上高は支給品単価上昇に加え、材料建値変動、為替変動等の影響を大きく受け、7,080億円(前年度比23.8%)となりました。一方で、部品供給不足に伴う主要得意先の稼働停止、材料費・労務費・物流費の高騰等が影響し、営業利益率(支給品除く)は前年度並みの1.9%に留まりました。
なお、実際の業績は、その情報の不確実性のほか、今後の経済情勢、市場動向、株価・為替動向等の状況変化により予想数値と異なる可能性があります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 繰延税金資産の回収可能性
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b. 固定資産の減損
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
c. 貸倒引当金
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、得意先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
d. 製品保証引当金
当社製品の品質保証に伴う損失の支出に備えるため、売上高に対する過去のクレーム実績率を基礎として発生したクレーム費用の個別の実情を考慮した上で、当社が求償を受けると見込まれる金額を見積って計上しておりますが、実際に求償される額が見積り額と乖離した場合には利益に影響を与える可能性があります。
e. 退職給付に係る資産・負債
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の長期期待運用収益率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、又は法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。
f. 有価証券の減損処理
当社グループは長期的な取引関係維持のため、得意先及び金融機関の株式を保有しておりますが、これら株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づく有価証券の減損処理を行っております。将来、株式市場の悪化又は投資先の業績不振により、評価損を計上することがあり、その場合、利益に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、「環境・安心・豊かな生活で時代の変化をリードする」をスローガンに、創業以来築き上げてきた「技術開発力」と「モノづくり力」により社会課題の解決に挑戦し続けております。「環境」では、自然環境への負荷を低減する排気系部品を、「安心」では、乗員を危険から守り、安心できるボデー・内装部品を、「豊かな生活」では、生活品質を高める製品や商品・サービスを、と定義付け、今後も揺らぐことのない大切な提供価値として更により良いモノへと進化させつつ、より多くの地域の皆様にお届けすることで、広く社会に貢献してまいります。
「環境」分野においては、当社(単体)工場のCO2排出量を2030年までに2013年比で50%以上削減するという独自目標達成に向けて、モノづくりはもちろん、製品開発段階から自動車メーカー及びサプライヤーとともにLCA(ライフサイクルアセスメント)を意識した取り組みを推進しております。当連結会計年度では、PHEV(プラグインハイブリッド車)におけるバッテリーの搭載容量拡大に貢献する排気系システムや生産時のCO2排出量の削減に貢献するインパネリンフォースメントを開発し、3月に発売されたTOYOTA「プリウスPHEV」に採用されております。また現在、航続距離向上につながるバッテリー容量の拡大を容易にする小型消音デバイスの開発と、その組み合わせによって多彩なレイアウトに最適対応できるモジュラーマフラの開発を推進しております。更に水素燃料や合成燃料に対応する内燃機関製品の開発や、BEV(電気自動車)への搭載を目指したバッテリー関連製品などの開発を強化し、カーボンニュートラル実現のために、全方位で車の電動化やCO2削減に貢献する開発を推進してまいります。
「安心」分野では、乗員を危険から守るボデー骨格部品をモノづくり力で実現することを目指し、これまでの部品単品毎の作り易さに特化した形状提案から、精度向上を目指して進化を続けているCAE解析の活用などにより、中規模アッセンブリでの衝突性能とモノづくりを両立した早期の構造提案へとレベルアップさせてきました。中規模アッセンブリ製品では、TOYOTA「bZ4X」やSUBARU「ソルテラ」のリヤフロアパンアッセンブリやリアフロアサイドメンバーサブアッセンブリが採用され、昨年5月に販売されました。また冷間超ハイテン材の取り組みとして1180MPa級の冷間超ハイテン材の成形工法を手の打ち化し、更に1470MPa級の冷間超ハイテン材を使用したフロントピラーアッパアウタ、フロントピラーアッパインナがトヨタ車で初めて新型「プリウス」に採用されました。1470MPa材は、一般的な鋼材よりも非常に高い強度を持ち、板厚を薄くしても目標性能が確保できるため、車両の軽量化に貢献することができます。一方で、伸びにくい材料であるため寸法精度の確保に課題がありましたが、超ハイテン材の量産で培ったノウハウや成形解析による最適形状の織り込みにより、この課題を克服することができました。引き続き構造提案力とモノづくり力を進化させ、安全・安心につながるボデー部品を提供してまいります。
最後に「豊かな生活」分野においては、農業事業に加えて社会課題に対するソリューションを提供する新規事業に挑戦しております。農業事業では、持続可能な食料システムの構築やCO2ゼロエミッション化を目指した「CO2貯留供給装置」に加え、将来性を見越した低リスク農業への転換に必要な有機農業に貢献する「除草装置」の開発を行っており、早期実用化に向けて開発を加速してまいります。また新規事業ではカーボンニュートラルへの貢献を目指し、新たなCO2回収技術の確立に向けて、産学官と連携して取り組みを推進しております。
将来性への期待が高い車両の電動化や新規事業などの先行開発分野に大きくリソーセスをシフトして開発スピードを上げるとともに、更にその前段階となるリサーチ分野についても新たに活動を開始しております。
研究開発活動は主に国内にて行っており、当連結会計年度における自動車等車両部品の事業を中心とした研究開発費は