第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、情報サービス産業において、歴史ある企業として業績の向上に努め、一定の成果をあげるとともに、それに基づくステークホルダーへの利益還元を実施し、中長期的な企業価値の増大を図ることが最も重要であると考えています。加えて、「人々の喜びや社会の豊かさを生み出す力」を「技術」と捉え、「技術をもって顧客の信頼を築く 技術をもって企業価値を増大する 技術をもって社員生活の向上を図る 技術をもって社会に貢献する」という企業理念に基づき、すべてのステークホルダーから信頼され、安心感を与える企業を目指すとともに、情報サービス業界を常にリードする独立系総合情報サービス企業として業界内での存在感を高めることを目標とし、ゆるぎない経営基盤を確立することにより一層の発展を目指していきます。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

 当社グループを取り巻く環境は大きく変化していくことが予想されています。

 当社グループは、IT市場や技術、ESG等の環境変化を捉え、既存SIビジネスモデルの進化に加えてデジタル、ソリューションおよびサービスビジネスや、それらを実現する人材などへの積極的な投資により、新たな成長モデルを構築し、社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指すため、Vision2030を策定しました。

 これらの実現に向け、「提案価値の向上」、「SI×デジタルのコンビネーション」、「新規領域・グローバルへの進出」、「ESGへの取り組み強化」、「自社経営基盤の改革」を重要課題に設定し、取り組みを進めていきます。

 

(3) 目標とする経営指標

 Vision2030の 1st STAGEとなる中期経営計画(2022年4月~2025年3月)では、事業および経営基盤の両面において重要課題を設定し、それを実現するため以下のとおり目指していきます。

 

 <2025年3月期 財務目標>

事業収益

連結売上高

1,100億円以上

EBITDA(※1)

130億円以上

EBITDAマージン

12%程度

投資

投資枠(3年間累計)

250億円

経営効率

ROE

13%以上

株主還元

配当性向

50%以上

総還元性向

70%以上

 (※1)営業利益120億円以上(参考値)

 

 <2025年3月期 非財務目標>

注力領域

フォーカスビジネス(※2)売上高

40%以上

ESG

CO2排出量削減(2013年度比)

50%以上

SDGs関連売上高(※3)

40%以上

女性管理職比率

6%以上

女性取締役比率

10%以上

独立社外取締役

過半数

 (※2)デジタルBiz・ソリューションBiz・サービスBizの3つの成長エンジンで構成される、今後注力していくビジネス領域

 (※3)SDGsゴール(17項目)に適応するプロジェクトの売上高

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

 当社グループは、企業を取り巻く環境が大きく変化する中、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長を両立していくことが重要な経営課題であるとの認識に立ち、当社グループの環境・社会への取り組みをより一層強化するため、2022年4月に「サステナビリティ委員会」を設置しました。「サステナビリティ委員会」は、取締役会による監督のもと、代表取締役社長を委員長とし、取締役及び執行役員を中心に構成されています。「サステナビリティ委員会」では、環境や人材といった社会課題への取り組みについて、方針や目標、活動計画の策定、目標に対する推進管理や評価、個別施策の審議を行い、定期的に取締役会に報告や提言を行っています。

 また、当社グループの経営成績、財務状況などに影響が及ぼす可能性があるリスクについてはリスク項目を設定し、そのリスクを軽減するための体制整備や対応策などを適切に管理するため「リスクマネジメント委員会」を設置しています。「リスクマネジメント委員会」は、定期的にリスク評価と問題点の把握を行うとともに、リスク発生の有無についても定期的に監視を行い、取締役会への報告を四半期に1度実施しています。

 

(2) 重要なサステナビリティ項目

 上記、ガバナンスおよびリスク管理をとおして識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりです。

・気候変動

・人的資本

 それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは次のとおりです。

 

①気候変動

 

・ガバナンス

 気候変動におけるリスクと機会に関する目標・計画に対して、当社の取締役会は監督機関として機能しています。毎年、気候変動に関連するリスクと機会を定義し、グループ横断で設定するグループ優先リスク、環境負荷低減目標、およびグループ各社の事業計画書、リスクマネジメント計画書の承認、四半期ごとのモニタリングを行っています。また、中長期経営計画など主要な戦略や年次予算を策定・モニタリングする際も取締役会での監督のもと、サステナビリティ・気候関連の要素も考慮して議論を行っています。予実に乖離がでる場合には取締役会からの指示に基づき経営会議やサステナビリティ委員会において対策が検討され実行に移されます。

 

・戦略

 気候関連のリスクと機会が当社グループの事業、戦略、財務計画に及ぼす実際および潜在的な影響について分析し、影響の程度、期間などを開示しています。また、脱炭素社会への移行に伴い不確実性の高い将来を見据え、どのようなビジネス上の課題が顕在しうるかについて、2℃と4℃のそれぞれにおいてTCFDが提言するシナリオ分析を行いました。脱炭素化による持続可能な2℃の世界、あるいは化石燃料依存による高度な経済発展が見込まれる4℃の世界のいずれにおいても、当社のIT関連技術によるDX対応やIoT、AIの新技術領域は、幅広い業種のお客様によるニーズがあり、気候変動に関する機会の影響は大きいことが分かりました。とりわけ、2℃の世界においては、当社の基盤事業である保守運用サービスが堅調に売上を維持拡大していくことが定量分析結果から得られたことで、当社の目標である2030年ネットゼロの達成が非常に重要な意味を持つということを、あらためて確認することができました。したがって、気候関連問題および脱炭素社会への移行は当社の発展に大きくつながりのあるものであるとの認識を強めました。

 

 

・リスク管理

 当社グループでは、気候関連リスク・機会を戦略と位置づけ、企業が適切に対応することで持続的な成長につながると考えています。

 

イ.気候関連リスク・機会を特定し、「発生可能性」と顕在化した場合の「量的影響度」「質的影響度」の3つの尺度で評価します。

ロ.当社グループの戦略に大きな影響を及ぼす気候関連リスクと機会について、リスク対応策および機会実現策を策定し、サステナビリティ委員会において進捗のモニタリングを行います。

ハ.当社グループにおけるリスク管理および危機管理を適正に行うことにより、損失の最小化と持続的成長を図ることを目的として、その推進組織をリスクマネジメント委員会とし、当社グループの事業に関わるリスクを統括管理しています。気候関連リスクは、サステナビリティ委員会によってERMと統合され、全社リスクとして取締役会による監督体制のもと、当社グループの戦略に反映し対応します。

 

・指標と目標

 当社グループは、世界全体の気温上昇2℃未満目標達成のため、長期的な温室効果ガス排出量の削減目標を設定しています。Scope1・2・3の排出量削減目標については、SBT(Science Based Targets)イニシアチブの認定を目指しています。また、長期展望「Vision2030」をもとに、Scope1・2 における2030年CO2排出量NETゼロを掲げ、Scope3についても野心的な目標を設定し、カーボンニュートラルの実現を目指していきます。

 

②人的資本

 

・人材戦略

 当社グループは、高い技術力や専門性を有する人材の確保および育成を持続的成長に不可欠な要素の一つとして認識し、下記の基本方針を定めています。

 

<基本方針>

「各人に求められる役割の大きさで等級格付けを行い、役割と成果に応じたメリハリのある処遇ならびに組織と人の変革を実現する」という方針のもと、さまざまな人事制度を制定し運用しています。また、オープンかつ公正な評価制度を整備するとともに、多様な学習機会を提供しています。

・等級制度:自分のがんばる目標が見える等級格付がある

・評価制度:役割に基づく行動や結果に対して明確・公正な評価がある

・報酬制度:役割に応じた行動と結果に報いる給与・賞与がある

 

・女性活躍推進

 当社または当社グループは、女性活躍推進に関する優良な取り組み実績が認められ、厚生労働省が推進する「えるぼし」の2段階目の認定を2019年10月に取得しました。当社は、えるぼし認定の5つの評価項目のうち、「1.採用」「2.継続就業」「3.労働 時間等の働き方」「5.多様なキャリアコース」の4つが評価されました。

 中期経営計画においては、2025年3月期における女性取締役比率および女性管理職比率の達成目標を掲げるとともに、女性活躍推進法に基づく行動計画においては、そのマイルストーンとして、女性社員比率の向上、女性管理職候補および女性管理職の育成を目標に女性活躍を推進しています。なお、女性取締役比率については2023年3月31日時点で15.4%と2025年3月期目標である10.0%以上を達成していますが、女性管理職比率については2025年3月期までに6.0%以上とする目標に対し、2023年3月31日時点で3.7%でした。

 

・出産・育児・介護等支援

 当社は、育児と仕事の両立に関する「育児関連制度のより利用しやすい制度・仕組みへの改善」、「早期復職および子育て中のキャリアアップに関する支援」等の優良な取り組み実績が認められ、厚生労働省が推進する「くるみん認定」を2022年11月に取得しました。

 2023年3月期は、男性社員の育児休業の利用促進に取り組み、男女の育児休業取得率の格差解消など、男女を問わず育児と仕事の両立を支援しています。また、全社員を対象とした「ダイバーシティ&インクルージョン研修」を実施し、当社におけるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取り組みや当社社員として求められるD&Iに対する意識と行動について、当事者だけでなく周囲も含めて社員一人ひとりが理解を深め、互いに尊重し支え合い高め合える風土づくりを推進しています。

 

・健康経営の推進

 当社グループは、行動規範の一つである「人権の尊重・働き甲斐のある職場づくり」に基づき、すべての社員が心身ともに健康で活き活きと働き、その能力を発揮することにより、個人も会社も成長し続けることを目指しています。

 当社は、2018年11月に社会に対して「健康企業宣言」を行い、健康増進活動の促進に取り組みはじめました。この結果、2020年9月に健康優良企業認定(金の認定)を取得、その後も更新を続けています。また、2022年3月には「健康経営銘柄」に選定されるとともに「健康経営優良法人(ホワイト500)2022」の認定を取得しました。また、社員の健康維持・増進に向けた当社の取り組みが評価され、2023年2月に「スポーツエールカンパニー2023」、2023年3月に「健康経営優良法人(ホワイト500)2023」に認定されました。

 

・チャレンジする多様な人材づくり

 既存SIのビジネスモデルをトータルSIに進化させ、新規ソリューション/サービス創出で事業領域を拡大していくには、果敢にリスクテイクし、新しいことにチャレンジできる人材が必要不可欠であり、常に変化を楽しめる人材が活躍する文化・風土づくりが重要な課題です。失敗を恐れず将来の成長に向けた新たな技術やソリューションにチャレンジする人材が活躍できる環境を整え、仕事の難易度や新規性などのチャレンジを重視する評価の仕組みとしています。

 

・社員エンゲージメント

 社員一人ひとりの意欲を高め、組織としての力につなげていくことを目指し、社員エンゲージメントサーベイを実施しています。この結果は経営戦略・人材戦略を推進するための重要な経営データとして取締役会に報告し、社内イントラネットを通じて社員にも公開し各組織の課題に応じた改善活動を推進しています。また、会社との一体感とともに、自らの会社であるとのオーナーシップ意識を醸成することを目的に、社員向け譲渡制限付株式交付制度を導入し、エンゲージメントの向上に取り組んでいます。

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財務状況などに影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものです。

 

(1) 事業環境の変動について

 情報サービス産業においては、デジタルビジネスの拡大などにより、あらゆる産業からの堅調なIT投資を見込んでいます。

 しかし、社会や経済情勢の変動などにより顧客のIT投資動向が変化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(2) 価格競争について

 当社グループが属する情報サービス産業においては、お客様からの情報化投資に対する要求はますます厳しさを増しており、価格面、サービス面の双方から常に同業他社と比較評価されています。

 特に、他業種からの新規参入、海外企業の国内参入やソフトウェアパッケージの拡大などにより、価格面での競争激化を見込んでいます。

 当社の見込みを超えた何らかの外的要因による価格低下圧力を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(3) 海外事業について

 当社グループは事業戦略の一環として、海外取引の拡大、海外現地法人の設立や資本提携を推進するなど、海外事業の拡大を進めるとともにガバナンス強化を図ります。

 海外事業においては、海外取引における輸出管理法などの内国法および現地法・商慣習の知識・調査不足や相違によるトラブル、海外現地法人の設立、株式取得や運営における現地の法律・会計処理・労務管理・契約・プロジェクト管理などに適切に対応できないなど、さまざまなリスクが想定されます。

 現地の法的規制などに適切に対応できない場合には損害賠償責任を負う可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(4) ビジネスモデル、技術革新について

 当社グループを取り巻く環境は大きく変化していくことが予想されています。急速な顧客ニーズの変化、技術革新に対する当社グループの適応が遅れた場合、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(5) 法的規制について

 当社グループは、会社法、金融商品取引法、個人情報保護法などの法令等の遵守を最優先に事業を推進しています。

 しかし、重大なコンプライアンス違反や法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下や業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 訴訟等について

 当社グループが提供するサービスの不具合、瑕疵や納期遅延、第三者の権利侵害、個人情報を含む顧客情報の漏えいもしくは毀損、不適切な人事労務管理等に関連して、損害賠償請求等の訴訟を起こされる可能性があります。これらの内容および結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(7) 知的財産権等について

 当社グループの事業が他社の知的財産権を侵害したとして、損害賠償請求を受ける可能性や、第三者により当社グループの知的財産権が侵害される可能性があり、いずれの場合も、当社グループの事業および業績等に影響が生じる可能性があります。

 

(8) 人材等について

 当社グループの持続的成長に不可欠な要素の一つとして、高い技術力や専門性を有する人材の確保および育成があげられますが、人材確保が想定どおりに進まない場合、あるいは労働環境の悪化により人材流出や生産性が低下した場合、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) ソフトウェア開発のプロジェクト管理について

 お客様自らの競争優位性を確保することを目的としたシステム開発期間の短縮、いわゆる短納期化に対する要求はますます厳しさを増しており、プロジェクト管理および品質管理の重要性はこれまで以上に高まっています。

 不測の事態が発生した場合、採算の悪化するプロジェクトが発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(10) セキュリティについて

 当社グループの主力の事業である情報サービス事業は、業務の性質上、多くのお客様の重要な情報に接することになり、セキュリティ管理が経営上の重要課題となっています。

 万が一にも重大な情報漏洩が発生した場合には、当社が損害賠償責任を負う可能性があるとともに、お客様からの信頼失墜を原因とする契約解消などが発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(11) 事業継続について

 当社グループは、本社を含めた多くの拠点が国内の大都市圏に集中しており、大規模な自然災害や伝染病の流行などの想定を超える事象が発生した場合、復旧にかかるサービス提供の遅延など、当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社および連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものです。

 

 当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に弱さがみられるものの、持ち直しの動きがみられました。先行きについては、世界的な金融引締め等が続く中で、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

 

 このような状況下において当社グループは、2030年に向けた経営ビジョン「Vision2030」を策定しました。

 IT市場や技術、ESG等の環境変化を捉え、既存SIビジネスモデルの進化に加えてデジタル、ソリューションおよびサービスビジネスやそれらを実現する人材などへの積極的な投資により、新たな成長モデルを構築し、社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指します。

 その実現に向け、「提案価値の向上」、「SI×デジタルのコンビネーション」、「新規領域・グローバルへの進出」、「ESGへの取り組み強化」、「自社経営基盤の改革」を重要課題に設定し、取り組みを進めていきます。

 当期の売上高は、1,061億32百万円(前年同期比12.4%増)、営業利益は13期連続増益、9期連続過去最高の116億94百万円(前年同期比4.4%増)、ならびにEBITDAは124億35百万円(前年同期比5.4%増)となりました。

 

■「提案価値の向上」「SI×デジタルのコンビネーション」

 提案価値の高度化に向けて現場と営業の連動性を高めるため、2022年4月、営業本部に集約していた営業推進機能を各事業本部等に移管しました。

 2022年10月、「ServiceNow ビジネス推進担当」を設置し、ServiceNow®(サービスナウ)を活用したワークフローのデジタル化や連携していない複数システムの統合など、IT戦略立案から運用保守までトータルサポートするITサービスを開始しました。

 2023年3月、安心計画株式会社の発行済株式を取得することで合意しました。自社開発の3次元CAD(3DCAD)による住空間提案システムである「Walk in home」の開発ノウハウと、安心計画株式会社の「Walk in home」における長年の販売で積み上げた営業ノウハウ、営業基盤、運用保守ノウハウを組み合わせることで、ハウジングソリューションビジネスの強化を図ります。

 また、データ活用に特化したソリューションの第1弾として、2022年5月、米社Snowflake Inc.よりSELECT(セレクト)パートナー認定を受け、同社製品である「Snowflake(スノーフレイク)」の販売を開始しました。

 第2弾として、2022年7月、生産管理パッケージ「mcframe 7 SCM/PCM(エムシーフレーム)」(注1)の取り扱いを開始しました。データ活用のためのクラウドプラットフォームであるSnowflakeと既存の工場IoTソリューションを組み合わせることにより、連携していないデータの統合や共有を実現し、製造業の課題解決をサポートしていきます。

 第3弾として、2022年11月、データ活用の高度化を実現するためのビジネス・インテリジェンスソリューション「Geminiot(ジェミニオ)」と製造業データ活用ソリューション「Pasteriot.mi(パステリオ エムアイ)」の販売を開始しました。

 これらデータ活用ソリューションやこれまで培った業務ノウハウにより、顧客のビジネス課題解決や新たなビジネス機会の創出を可能とする「DTS DataManagement Solution」(DTS DMS)に発展させていきます。

 「フォーカスビジネス」(注2)を、当社の成長領域として取り組みを強化していきます。なお、中期経営計画では、2025年3月期までに売上高に占めるフォーカスビジネス売上高の比率40%を目標として推進しています。当連結会計年度のフォーカスビジネス売上高比率は40.4%となり順調に推移しています。

 

(注1)mcframe 7 SCM/PCM

mcframeは生産・販売・在庫・原価管理等の各種機能を提供し、組立加工からプロセス製造、個別受注生産まで対応可能な製造業向けSCM(サプライチェーンマネジメント)パッケージ。1996年の販売開始から世界17か国2,000サイト、1,000社以上の導入実績を誇る、製造業デジタルソリューション。

(注2)フォーカスビジネス

デジタルBiz・ソリューションBiz・サービスBizの3つの成長エンジンで構成される、今後注力していくビジネス領域。

 

■「新規領域・グローバルへの進出」

 2022年11月、米国ITサービス企業Partners Information Technology 社とより強固な連携を図り、米国事業を強化するため、同社株式の51%を取得しました。

 今後も主要な顧客である金融機関のみならず、様々な業界に向けてDXなどのソリューション系ビジネスを強化していきます。

 

■「ESGへの取り組み強化」

 当社は、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることにより、取締役会の監督機能を強化し、さらなる監視体制の強化を通じてより一層のコーポレート・ガバナンスの充実を図るため、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。

 また、当社は第50回定時株主総会後、取締役13名のうち、独立社外取締役が7名となり過半数を占めるとともに、女性取締役は2名となりました。今後も取締役会の独立性およびダイバーシティの向上に努めていきます。

 企業を取り巻く環境が大きく変化する中、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長を両立していくことが重要な経営課題であるとの認識に立ち、当社グループの環境・社会への取り組みをより一層強化するため「サステナビリティ委員会」を新たに設置しました。さらに、ESG活動をより一層進めるとともに、全社横断的な活動の強化を図るため、ESG推進部を新設しました。

 2022年8月、2022年度(2022年8月31日から2023年8月30日)の「JPX 日経インデックス400」(注1)の構成銘柄として選定されました。

 2022年12月、本社(エンパイヤビル)で使用する全ての電力を、100%再生可能エネルギー(以下:「再エネ」)化しました。

 なお、再エネ電力の調達は、エンパイヤビルの運営・管理を行っている東京建物株式会社と連携して調達したトラッキング付非化石証書(注2)を活用しています。

 さらに、健康経営の取り組みでは、その成果が認められ、「健康優良企業・金の認定」を3年連続で更新することができました。また、経済産業省と日本健康会議から「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を2年連続で受けました。さらに、当期新たに、スポーツ庁から「スポーツエールカンパニー2023」の認定を受けました。

 今後も健康経営を推進し、社員の健康増進・職場環境づくりに努めていきます。

 

(注1)JPX 日経インデックス400

資本の効率的活用に加えてコーポレート・ガバナンス強化の取り組みなど、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される株価指数。

(注2)トラッキング付非化石証書

非化石電源由来の電気が有する「非化石価値(環境価値)」が証書化され、発電所所在地などの属性情報(トラッキング情報)が付与されたもの。

 

■「自社経営基盤の改革」

 監査等委員会設置会社移行に伴い、当社は、意思決定の迅速化を図るため、取締役会の委任範囲の変更などの取締役会規則および業務執行に関する権限などの組織関連規程を改定しました。

 今後もスピード経営を実現するため、権限移譲や機構改革を推進していきます。

 

■「株主還元」

 成長投資の機会、資本の状況および近時の株価を含む市場環境などを総合的に勘案し、資本効率の向上ならびに株主への一層の利益還元を図るため、2022年5月から9月に1,481,800株の自己株式を取得しました。また、2022年10月、上記で取得した自己株式全株を消却しました。

 

■「譲渡制限付株式交付制度の導入」

 中長期的な企業価値の向上を図るインセンティブとともに、社員のオーナーシップ意識醸成を目的として、譲渡制限付株式交付制度を導入しました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は、1,061億32百万円(前年同期比12.4%増)となりました。

 売上総利益は、売上高の増加により207億86百万円(前年同期比8.6%増)となりました。

 販売費及び一般管理費は、90億91百万円(前年同期比14.4%増)となりました。売上総利益が増加し、営業利益は、116億94百万円(前年同期比4.4%増)、経常利益は、119億32百万円(前年同期比4.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加などにより、80億1百万円(前年同期比1.9%増)となりました。

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

連結

 

 

対前年同期増減率

売上高

106,132

12.4%

営業利益

11,694

4.4%

経常利益

11,932

4.6%

親会社株主に帰属する当期純利益

8,001

1.9%

 

<売上高の内訳>

 

(単位:百万円)

 

 

連結

 

対前年同期増減率

業務&ソリューション

41,083

11.7%

テクノロジー&ソリューション

33,940

13.7%

プラットフォーム&サービス

31,108

11.7%

合計

106,132

12.4%

 

 各セグメントにおける営業概況は、次のとおりです。

 

業務&ソリューションセグメント

 金融業や情報通信業を中心にクラウド関連の案件などが好調に推移し、売上高は410億83百万円(前年同期比11.7%増)となりました。

 フォーカスビジネスへの取り組みでは、「クラウドアーキテクチャーベースでのAP開発力強化」、「アジャイル/ローコード開発への対応力強化」および「業界特化ソリューション・サービス拡大・さらなる創出」などに努めています。

 業界特化ソリューション・サービスとして、国際基準に準拠したマネー・ローンダリング対策システム「AMLion(アムリオン)」の取引モニタリング機能に加え、金融商品スクリーニング機能の提供を開始しました。

 また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社様より、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策業務における経済制裁リスト・ネガティブニュース照合業務に「AMLion」を採用いただきました。

 データ自動分析プラットフォーム「DAVinCI LABS」は、ポケットカード株式会社様にAutoMLツール(注1)として採用され、与信・マーケティング・債権管理などの分析業務の効率化・高度化を実現します。

 今後も金融のあらゆる業態のコンプライアンスチェック業務の高度化・効率化に貢献していきます。

 

(注1)AutoMLツール

AutoMLは、機械学習を自動化し、データ分析のプロセスを高度化するツールです。従来はデータサイエンティストが行っていたデータの収集・加工、モデルの作成・検証・最適化などの作業を自動化し、精度を向上させることができます。

 

テクノロジー&ソリューションセグメント

 ERPなどのパッケージソリューションや新規連結などにより好調に推移し、売上高は339億40百万円(前年同期比13.7%増)となりました。

 フォーカスビジネスへの取り組みでは、クラウドビジネス技術の強化およびビジネスモデルの変革、パッケージ販売拡大に向けた機能強化、ERPビジネス拡大強化およびエッジAIとサイバーセキュリティ技術の確立などに努めています。

 2022年9月、住空間のVRを活用したオンライン商談の実現、意匠デザインの強化、および法改正に伴う設定変更に柔軟に対応できる機能を拡充した「Walk in home 2022」の販売を開始しました。また、「Walk in home」とのデータ連携や営業プロセスから施工、アフター管理までをサポート、現場監督の業務負担軽減などを実現した「Walk in home CUMOE(ウォークインホーム クモエ)」の販売を開始しました。

 加えて、住宅関連業務のさまざまな機能を搭載し、情報の可視化を実現できる、住宅建設業界向け基幹システム「HOUSING CORE(ハウジング コア)」の提供を開始しました。

 今後もハウジングソリューションを提供し、住宅・建設業のDX化に貢献していきます。

 さらに、顧客のクラウド環境におけるセキュリティ課題に対処するため、「AWS Well-Architectedパートナープログラム」(注1)認定を取得するなど、安全なクラウド環境の提供に注力しています。

 また、株式会社ローソン銀行様のOA環境/IT基盤には、ゼロトラスト・ソリューションとセキュリティ運用サービスを提供しています。

 今後も、お客様のビジネスを支援するセキュリティソリューションを提供することで、安全で信頼性の高いクラウド環境の実現を目指していきます。

 

(注1)AWS Well-Architectedパートナープログラム

当社がAWS Well-Architectedフレームワークを用いて、高品質なソリューションの構築、クラウドアーキテクチャの状態確認、顧客のニーズに応じた改善を支援するための専門知識を有しているパートナーであることをAWSが認定するもの。

 

プラットフォーム&サービスセグメント

 プロダクト案件や運用基盤設計・構築案件の伸長などで、売上高は311億8百万円(前年同期比11.7%増)となりました。

 フォーカスビジネスへの取り組みでは、当社のReSM/ReSMplusを中心とした運用サービスメニューの拡大、HybridCloud、Data Management等の強化・拡販、およびネットワークインテグレーションビジネスの推進などに努めます。

 「ReSM plus」をとおして、中堅企業の生産性向上と企業全体でのワークスタイル変革に貢献するため、中堅企業のDXや業務支援に強みを持つ株式会社綜合キャリアオプションと「ReSM plus」の販売代理店契約を締結しました。

 

 財政状態としては、総資産は806億76百万円となりました。現金及び預金が25億89百万円、商品及び製品が5億33百万円減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が37億63百万円、のれんが10億68百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ総資産が15億59百万円増加しました。

 負債は182億99百万円となりました。買掛金が5億86百万円、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が3億81百万円、賞与引当金が2億37百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ負債が13億16百万円増加しました。

 純資産は623億76百万円となりました。自己株式の取得により自己株式が50億円増加し、剰余金の配当により利益剰余金が40億62百万円、為替換算調整勘定が1億42百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が80億1百万円、新規連結などにより非支配株主持分が8億41百万円、その他有価証券評価差額金が3億16百万円、退職給付に係る調整累計額が2億60百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ純資産が2億42百万円増加しました。なお、自己株式の消却により、自己株式が27億94百万円、利益剰余金が27億80百万円それぞれ減少しています。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の残高である458億17百万円に比べ24億52百万円減少し、433億64百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況についての前連結会計年度との比較は次のとおりです。

 営業活動によるキャッシュ・フローは76億42百万円となり、前連結会計年度に比べ得られた資金が52百万円増加しました。主な要因は、売上債権及び契約資産の増減額が増加したことにより21億70百万円の収入が減少した一方で、棚卸資産の増減額が増加から減少に転じたことにより14億17百万円の支出が減少したこと、その他に含まれる未収入金の増減額が増加から減少に転じたことにより5億27百万円の収入が増加したことなどによるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローは△9億31百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が7億91百万円増加しました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が8億67百万円増加したことなどによるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローは△90億95百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が40億69百万円増加しました。主な要因は、自己株式の取得による支出が30億3百万円、配当金の支払額が10億10百万円それぞれ増加したことなどによるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当連結会計年度において、テクノロジー&ソリューション事業における受注残高が前年同期に比べ、著しく増加しました。これは、当連結会計年度より、Partners Information Technology, Inc.を連結の範囲に含めたことによるものです。

なお、当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更し、以下、対前年同期増減率については、変更後の区分方法に基づき作成した前年同期の数値を用いています。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」を参照ください。

 

イ.生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりです。

セグメントの名称

生産高(百万円)

対前年同期増減率(%)

業務&ソリューション

41,083

11.7

テクノロジー&ソリューション

33,940

13.7

プラットフォーム&サービス

31,108

11.7

合計

106,132

12.4

(注)セグメント間の取引は、相殺消去しています。

 

ロ.受注実績

 当連結会計年度における受注実績は、以下のとおりです。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

対前年同期

増減率(%)

受注残高

(百万円)

対前年同期

増減率(%)

業務&ソリューション

41,695

8.1

10,976

5.9

テクノロジー&ソリューション

34,784

15.0

12,134

82.7

プラットフォーム&サービス

33,257

14.6

11,121

23.9

合計

109,737

12.2

34,233

31.8

(注)セグメント間の取引は、相殺消去しています。

 

ハ.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、以下のとおりです。

セグメントの名称

販売高(百万円)

対前年同期増減率(%)

業務&ソリューション

41,083

11.7

テクノロジー&ソリューション

33,940

13.7

プラットフォーム&サービス

31,108

11.7

合計

106,132

12.4

(注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しています。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

10,528

11.2

11,092

10.5

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社および連結子会社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当期の売上高は、1,061億32百万円(前年同期比12.4%増)、営業利益は13期連続増益、9期連続過去最高の116億94百万円(前年同期比4.4%増)、ならびにEBITDAは124億35百万円(前年同期比5.4%増)となりました。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因に関するリスク軽減策

イ.事業環境の変動について

 当社グループの事業は、業務知識と情報技術に基づいた品質をベースに幅広い業種・業態の顧客ニーズに応えITサービスを提供しているため、特定産業における投資動向の影響を受けにくい構造となっており、今後も事業環境の変動を注視していきます。

 

ロ.価格競争について

 当社においては、プロジェクトの採算管理を徹底し、生産性の向上を図り、DX人材の育成に取り組むとともに、新技術を活用した高付加価値なサービスを提供することにより、単なるコストダウンのみの価格競争の影響を最小限にとどめるように努めています。

 

ハ.海外事業について

 当社においては、海外取引における輸出管理法などの内国法および現地法・商慣習の知識・調査不足や相違によるトラブル、海外現地法人の設立、株式取得や運営における現地の法律・会計処理・労務管理・契約などに適切に対応できないなど、さまざまなリスクが想定されます。当社はこれらのリスクを認識するとともに、担当部署を定めてリスク管理の強化を進めています。

 

ニ.ビジネスモデル、技術革新について

 当社グループは、IT市場や技術、ESG等の環境変化を捉え、既存SIビジネスモデルの進化に加えてデジタル、ソリューションおよびサービスビジネスや、それらを実現する人材などへの積極的な投資により、新たな成長モデルを構築し、社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指すため、Vision2030を策定しました。

 これらの実現に向け、「提案価値の向上」、「SI×デジタルのコンビネーション」、「新規領域・グローバルへの進出」、「ESGへの取り組み強化」、「自社経営基盤の改革」を重要課題に設定し、取り組みを進めていきます。

 

ホ.法的規制について

 当社グループでは、グループのコンプライアンス基本原則や行動規範等を制定するとともに、役員・社員およびパートナー企業社員へのコンプライアンス教育、啓蒙活動を実施し、法令遵守に取り組んでいます。

 

ヘ.訴訟等について

 当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化・充実を経営上の重要課題として認識し、コンプライアンス、情報セキュリティ、品質管理等の必要な体制を備えており、現時点において、財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある訴訟は提起されていません。

 

ト.知的財産権等について

 当社グループは事業活動において、第三者の特許・商標・著作権等の知的財産権を侵害することのないよう常に留意するとともに、研修等を通じて知的財産権に対する社員の意識向上に努め、必要となる技術やビジネスモデルについては、各種特許や商標を出願・登録しています。

 

チ.人材等について

 当社グループにおいては、多様性を尊重し、その活躍を促進するための環境を整備するとともに、従業員エンゲージメントサーベイの定期的な実施とその分析・対応を推進していきます。

 また、人材確保については、中長期的視点での新卒採用や、優れた専門性を有したキャリア人材の採用を実施するとともに、DX領域の新技術習得や専門資格支援など、人材の育成にも注力しています。

 

リ.ソフトウェア開発のプロジェクト管理について

 当社においては、独自の開発標準の浸透に努めています。また、受注金額が一定以上または必要と認めたプロジェクトの受注可否を審議することやプロジェクトの進捗状況を定期的にモニタリングすることを目的としたプロジェクト推進会議を設置することにより、プロジェクトの状況を把握することで不採算案件の抑止に取り組んでおり、現時点では当社グループに大きな影響を与えるおそれのある不採算はありません。

 

ヌ.セキュリティについて

 当社においては、情報の取り扱いと管理についての社内規程を整備するとともに、セキュリティ上の脆弱性がないか社内ネットワークや主要システムの診断を行い、ゼロトラストを含む必要な対策強化についての検討・対応を行っています。

 また、個人情報保護活動の一つとしてプライバシーマークを取得し、社員および協力会社社員に向け、情報の取り扱いについて意識向上のための啓発教育を実施しています。さらに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証取得を受け、セキュリティ管理体制のさらなる強化を図るとともに、国内外グループ共通のコンプライアンスガイドを制定し、グループ各社の社内規程の整備や社員のセキュリティ情報の取り扱いに対する意識向上などに取り組んでいます。

 

ル.事業継続について

 当社では、テレワークや時差勤務などの就労制度を活用し、社員の安心・安全を最優先としつつ、顧客の意向を汲み取りながら業務の継続に取り組んでいます。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの主たる財源は、好調な業績に基づく営業キャッシュ・フローであり、当期末において適切な事業活動のための資金の流動性は十分に確保されています。

 今後の事業拡大に向け、今後の事業拡大に向け、人材投資、研究開発投資、設備投資およびM&Aに資金を活用していく方針です。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」を参照ください。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等

 社会的価値・経済的価値の創出という両輪でさらなる企業価値の向上を目指すため、Vision2030を策定しました。Vision2030の1st Stageとなる中期経営計画(2022年4月~2025年3月)では、事業および経営基盤の両面において重要課題を設定しました。中期経営計画初年度の実績は以下のとおりです。

 

<財務目標と実績>

項目

2025年3月期目標

2023年3月期実績

事業収益

連結売上高

1,100億円以上

1,061億円

EBITDA(※1)

130億円以上

124億円

EBITDAマージン

12%程度

11.7%

投資

投資枠(3年間累計)

250億円

60億円

経営効率

ROE

13%以上

13.0%

株主還元

配当性向

50%以上

66.1%

総還元性向

70%以上

127.9%

(※1)営業利益120億円以上(参考値)

 

<非財務目標と実績>

項目

2025年3月期目標

2023年3月期実績

注力領域

フォーカスビジネス(※2)売上高

40%以上

40.4%

ESG

CO2排出量削減(2013年度比)

50%以上

44%

SDGs関連売上高(※3)

40%以上

34.6%

女性管理職比率

6%以上

3.7%

女性取締役比率

10%以上

15.4%

独立社外取締役

過半数

過半数

(※2)デジタルBiz・ソリューションBiz・サービスBizの3つの成長エンジンで構成される、今後注力していくビジネス領域

(※3)SDGsゴール(17項目)に適応するプロジェクトの売上高

 

⑥ セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 業務&ソリューションセグメント

 金融業や情報通信業を中心にクラウド関連の案件などが好調に推移し、売上高は410億83百万円(前年同期比11.7%増、業績予想比0.7%増)となりました。

 

 テクノロジー&ソリューションセグメント

 ERPなどのパッケージソリューションや新規連結などにより好調に推移し、売上高は339億40百万円(前年同期比13.7%増、業績予想比0.2%減)となりました。

 

 プラットフォーム&サービスセグメント

 プロダクト案件や運用基盤設計・構築案件の伸長などで、売上高は311億8百万円(前年同期比11.7%増、業績予想比3.0%増)となりました。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1) 当社は、当連結会計年度において、Partners Information Technology, Inc.の株式を51%取得しました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」を参照ください。

 

(2) 当社は、2023年3月20日開催の取締役会において、安心計画株式会社の株式を取得することを決議し、2023年3月27日に株式譲渡契約を締結しました。当該株式譲渡契約に基づき、2023年5月31日に同社の株式を100%取得しました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」を参照ください。

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発費の総額は294百万円であり、セグメント別の主な研究開発活動につきましては、次のとおりです。

 

(1) 業務&ソリューション(研究開発費:16百万円)

 振込詐欺救済法対応業務支援システム研究開発

近年、振込詐欺を含む特殊詐欺が増加する中で、口座を利用された銀行の被害者対応の事務負荷が課題となっています。効率化と事務過誤を防ぐことができるシステムの開発を実施しています。

 

(2) テクノロジー&ソリューション(研究開発費:278百万円)

① 新BI・IoT研究開発

BI市場は、AIが自動でデータ分析を行う第3世代が登場してきており、注目が高まってきています。セルフサービスBI(第2世代)の手軽さに加え、AIによる自動分析機能(第3世代)を加えた新商品の開発を実施しました。また、製造業向けにデータ収集の機能を付加したオプション製品も開発しています。

 

② ゼロトラストセキュリティ研究及び実証実験

近年、クラウドサービスやモバイル機器の普及、テレワークの常態化など、従来型の方法では情報資産を守るには必ずしも十分では無い状況になっています。より厳格なセキュリティ対策を講じる「ゼロトラストセキュリティ」が登場し、情報セキュリティ対策の主要なソリューションとして需要が高まっています。

ゼロトラストセキュリティを構成する各種製品群やサービスについて、その有効性の評価、および導入時のノウハウ蓄積や効果検証などを目的として、当社の社内ネットワーク環境において実証実験を行っています。

 

③ 現場監督支援システム開発およびソリューション化

建設業界の現場では「現場監督の負担軽減」「現場とのコミュニ―ケーション」「資材手配の簡略化」が課題となっています。自社製品である「Walk in home」、住宅建設業界向け基幹システム「HOUSING CORE」を活用したソリューションとして住宅建築向けクラウド型施工管理システム「Walk in home CUMOE」の開発を実施しました。「Walk in home CUMOE」として、2022年10月より販売開始しています。