当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「美と健康」に関する生活必需品をフルラインで安定的に供給する企業として、高品質・ローコストの物流機能と小売業の利益経営に貢献する営業機能を両輪に、メーカーから小売業に至るまでのサプライチェーン全体の最適化・効率化に貢献する中間流通業を目指すことを基本方針としております。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき課題等
当社が属する化粧品・日用品、一般用医薬品業界においては、労働人口減少による人手不足により、人件費や配送費の上昇が続いており、将来においてもこの影響はさらに大きくなると予測しております。また、新型コロナウイルス感染症がもたらしたニューノーマルへの対応や、コストプッシュインフレを背景とする物価の上昇、持続可能な企業・社会を目指した動きの加速など、当社を取り巻く環境は多様化かつ複雑化しております。
このような環境のなか、今後迅速な対応がより重要性を増すと予想され、当社は以下の課題を優先的に対処すべき課題と認識し、これに対応すべく中期経営計画における重点戦略を定め取り組んでまいります。
《マテリアリティ(重要課題)》
①事業活動・強みを活かして解決すべき課題
・当たり前の日常を支える ・持続可能な流通の構築 ・環境への配慮
②自らの強みとすべき課題
・パートナーシップ(連携・協働) ・人財、組織 ・イノベーション(デジタル活用)
(3)経営戦略等
当社の事業エリアである化粧品・日用品、一般用医薬品業界は、気候変動に伴う自然災害の多発や新型コロナウイルス感染症の流行など人々の生活を脅かす環境のなかにあっても、「当たり前の日常を支える」エッセンシャルな事業エリアであります。同時に、当社売上高は1兆円を超え、年間35億個(国民一人当たり換算で30個)を生活者の皆様にお届けする企業として、当社の果たす役割は非常に重要性が増しております。
このような観点から、当社が有するマーチャンダイジングや物流などの中間流通機能をさらに高め、「安心・安全」はもとより「高効率」な流通プラットフォームを提供できる企業基盤を構築し、小売業様、メーカー様をはじめとしたステークホルダーの皆様との連携・協働を加速させ、社会のニーズに柔軟に対応することにより、持続的成長を果たしてまいります。
具体的には、「輝く未来へ ~サプライチェーンとともに歩む~」をビジョンとする3か年の中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)のなかで、次の重点戦略を取り組んでまいります。
また、取り組みの達成状況を判断するための指標として事業活動の成果を示す売上高及び営業利益、並びに当社の生産性を推し量る販管費率を定めております。中期経営計画の最終年度である2024年3月期は以下の目標を設定しております。
なお、中期経営計画の最終年度である2024年3月期の目標数値を2023年5月11日に開示いたしました通期業績予想に合わせて変更しております。
①売上高 1兆1,420億円
②営業利益 265億円
③販管費率 5.25%
①激変する環境に対応する「リテールソリューション力の強化」
「ニューノーマル」と言われるような、従前の常識が通用しない変化が流通業界にも起こっております。「生活者に商品がわたる現場(店頭)」を重視し、前回の中期経営計画において機能強化を目的に設置した店舗支援本部、SCM本部、EC事業部をはじめ各部門と営業部門との連携・協働により、マーチャンダイジングや生産性向上など流通全体の幅広い課題に対応できるソリューション力を強化してまいります。
②安心・安全・高効率を追求する「ロジスティクスソリューション力の強化」
当たり前の日常を支える「安心・安全」を基本に据え、高効率のロジスティクス機能を引き続き強化してまいります。既存センターにおける継続的な改善を進めるとともに、「新物流モデル」を活用した新センター建設により出荷キャパシティ拡大を進めてまいります。同時にホワイト物流など、「配送課題」の解決に向けた取り組みを進めてまいります。
③価値提供の仕組みを支える「システム機能の強化・デジタル化の推進」
当社の価値提供の仕組みを支えるシステム機能の強化は、生産性及び対応スピード向上を実現するためには欠かすことができない「扇の要」であります。増大するサイバーリスクに対応するためのセキュリティ強化はもとより、基幹システム刷新やデジタル人財の育成・確保などにより、守りから「攻めのIT」へ転換を進め、急速に変化する現場ニーズに対応してまいります。さらに業務の効率化や提供価値の向上など、将来のデジタルトランスフォーメーションに向けた体制を強化してまいります。
④持続的成長の源泉「人財・組織の強化」
当社従業員の多様性を活かしながら、経営理念(PALTAC MIND)の浸透を図り、当社の事業戦略を実現できる組織強化を進めてまいります。人財面では、現場力や専門知識などのスキル向上を進め、チャレンジ精神やグリット(やりきる力)など、従業員に備わっている強みを最大限に引き出す取り組みを進めてまいります。また、組織面では、人財が活躍できるよう、デジタル技術を活用するなど、各部門が連携・協働できる体制を整え、組織として総合力を発揮できる基盤を構築してまいります。
⑤ESG、SDGsを重視した経営
当社は、化粧品・日用品、一般用医薬品などの生活必需品を扱う中間流通業者であります。企業活動を通じて、持続可能な社会に向けたSDGsの達成に貢献するとともに、「人々の豊かで快適な生活の実現」を目指しております。本中期経営計画においても流通段階に存在するムダを排除し生産性向上に努めることで、社会的価値の提供や環境負担軽減にも貢献できると考えております。このような考え方を基本に、効率的かつ有効なガバナンス体制の強化を進め、社会インフラ企業として持続的成長を果たしてまいります。
(注)SCM(Supply Chain Management)とは、生産された商品が生活者にわたるまでの流通過程全体を視野に、商品や情報等の流れを最適化・効率化するための手法のことをいいます。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、流通を通じ、持続可能な「人々の豊かで快適な生活」の実現を目指し、事業活動に取り組んでおります。その実現に向けては、環境・社会・経済の価値向上を一体で進めることが必要不可欠と考えております。当社はそのような考えから、SDGsをはじめとする社会全体のサステナビリティ課題と事業との関連性を踏まえ、優先的に取り組むべき課題をマテリアリティとして特定し、事業活動を通じてサプライチェーン全体の最適化・効率化を図ることで解決に挑戦しております。
(1)ガバナンス
当社では、気候変動への適切な対応や人的資本の向上といったサステナビリティ課題への対処に向けて、代表取締役社長の監督・指示のもと、全社横断的な取り組みを推進するサステナビリティプロジェクトにおいて、事業に影響を及ぼすリスク・機会の特定、及びそれらへの対応方針の立案を行っております。これらの結果は、プロジェクトの事務局を担うCSR推進本部が定期的に取締役会に報告し、取締役会において当該報告内容に関する管理・監督を行っております。
(2)リスク管理
当社では、経営目標の達成に向けて、事業遂行上に存在し得るリスク要因に適切に対応し、企業の社会的責任を果たすことを目的に「リスクマネジメント基本規則」を制定しております。リスク管理体制については、リスク管理の統括部署であるCSR推進本部が中心となり、経営層・各部門と連携し、気候変動や人的資本投資などサステナビリティの観点を含む事業運営に影響を及ぼすリスクの抽出・分析、影響度・発生可能性等を基準とした重要性の評価、及び対応方針の立案を行っております。これらのプロセスを経て特定した「重要なリスク」は、定期的に取締役会に報告され、取締役会において管理・監督を行い、中期経営計画の戦略に織り込んで対応を進めております。
(3)戦略並びに指標及び目標
①気候変動対応
イ.戦略
異なるシナリオ(2℃未満、4℃)における事業インパクトを評価するとともに、気候関連リスク・機会に対する自社戦略のレジリエンスを評価することを目的として、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数のシナリオを参照し、2030年時点における気候変動の影響について分析を実施いたしました。
分析の結果、2℃未満シナリオでは、炭素税等の導入や気候変動対応への取り組み遅延による取引縮小等のリスクが高まる一方で、エシカル商材等の需要拡大が見込まれると認識いたしました。4℃シナリオでは、主なリスクとして自然災害による供給網への被害が想定されます。しかし、当社は平時より大規模災害等の様々なリスクを想定した実効性のあるBCPを策定しており、その一つとして、被災により物流センターが出荷不能に陥った場合でも、他のセンターから配送を補完できるバックアップ体制を整えております。そのため、2030年時点での自然災害による物理的リスクの影響は大きくないと考えております。
一方で、機会においては、気温上昇に伴う夏物商材や災害対策商材等の需要拡大が見込まれると認識いたしました。また、いずれのシナリオにおいてもコスト上昇圧力が強まることが見込まれますが、これはリスクである反面、当社が築き上げてきた「強み」であるローコストかつ高効率物流網を活かす機会でもあると考えております。当業界は、店舗における人手不足や配送ドライバー不足への対応など喫緊の課題に直面しており、気候変動以外を要因とするコスト上昇圧力も強まっております。このような環境下においては、「効率的な流通の仕組みの構築」が、持続的成長の実現を左右する重要課題と考え、中期経営計画「PALTAC VISION2024」に基づき、中間流通機能の強化及びステークホルダーとの連携・協働を通じて、サプライチェーン全体の最適化・効率化に取り組んでおります。
■リスクと機会
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区 分 |
内 容 |
影響度 |
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2℃未満 |
4℃ |
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リスク |
移行 |
政策・ 法規制 |
・炭素税等の導入によるコスト増加 ・配送業者のコスト増加による配送単価の上昇 |
中 |
小 |
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評判 |
・気候変動対応への取り組み遅延による取引縮小 |
中 |
小 |
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物理 |
慢性 |
・気温上昇による季節商材(冬物)等の需要減少 |
小 |
小 |
|
|
・気象パターンの変化による原材料費の高騰 (仕入原価の上昇) |
小~中 |
小~中 |
|||
|
急性 |
・異常気象の激甚化による供給網への被害(物的・人的) |
小 |
小 |
||
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機 会 |
販売機会の 増加 |
・生活者のエシカル消費ニーズの拡大 ・災害対策商材の需要増加 |
小~中 |
小 |
|
|
・気温上昇による季節商材(夏物)や熱ストレス対策商材 等の需要増加 |
小 |
小 |
|||
|
相対的 競争力の上昇 |
・気候変動対策に伴うコスト上昇効果を最小限に抑える ローコスト物流網へのニーズ上昇 |
小~中 |
小 |
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|
・安定供給を維持する物流基盤へのニーズ上昇 (BCP対策及び全国RDC物流網) |
小~中 |
小~中 |
|||
事業/財務影響度の評価 大:事業戦略への影響または財務的影響が大きいことが想定される
中:事業戦略への影響または財務的影響が中程度と想定される
小:事業戦略への影響または財務的影響が小さいことが想定される
ロ.指標と目標
当社では、今世紀末までの気温上昇2℃未満実現に貢献するため、Scope1・2について「2030年度にCO2排出量2020年度比50%削減」「2050年度にCO2排出量実質ゼロ」の目標を設定しております。当社のScope1・2においては、物流センターの電力使用による排出が大半を占めておりますが、商品出荷を止めることはできないため、電力使用量を大幅に減らせないなか排出削減を実現する必要があり、再エネを「創る」「買う」施策を中心に目標達成に向けた取り組みを進めてまいります。具体的には、太陽光発電システムを設置可能な物流センターの屋上へ順次設置するとともに、環境証書の購入や再エネ電力プランへの切り替えによる再エネ電力の調達を計画しております。2024年3月期からは調達電力に占める再エネ比率の目標値を年度毎に設定し、着実な削減を進めてまいります。併せて、事務所・物流センターにおける節電など省エネ施策を徹底・拡充させ、コスト削減や職場環境の改善も狙った、より効果的に排出量を「減らす」取り組みも進めてまいります。
Scope3については、商品輸送に伴うCO2排出量(GHGプロトコル:カテゴリー4)の削減に向けて、配送効率化に向けた既存の取り組みを加速するとともに、お取引先様との連携・協働により取り組みの幅を拡大することで、事業活動を通じたCO2排出量の削減を進めてまいります。その他のカテゴリーにおいては、当社事業との関連度を考慮したうえで、CO2排出量の算定及び算定精度の向上に努めるとともに、削減可能性の調査・情報収集を行い、順次対応してまいります。
②人的資本・多様性
イ.戦略
当社では、「人財は成長の源泉である」という考えのもと、事業戦略の遂行に必要なスキル・マインドを兼ね備えた人財の確保、育成、定着を図るとともに、多様な人財一人ひとりの活躍を最大化できる組織の構築に取り組んでおります。
人財の確保においては、急速かつ多様に変化する経営環境のなか、着実に事業戦略を実行するため、デジタル技術などの専門スキルを有する人財や女性従業員の比率向上などに着目しつつ、新卒採用だけでなく中途採用も積極的に実施することで、多様な人財の確保に努めております。
人財の育成においては、従業員のステージに応じた研修やOJTを通じて、経営理念の浸透を図るとともに、主体性や自律性を高めることで、新たな発想を生み出し、変革に挑戦できる人財を育てていく考えです。なかでも、流通の課題解決に向けた営業・物流機能の強化を支える流通の新たな価値創造に不可欠であるデジタル技術の有効活用に向けて、拠点・部署を問わず社員同士が交流し、知識やノウハウ、課題等を共有しあえる社内コミュニティ・ポータルサイトを創設するなど、デジタルリテラシーの向上、連携・協働の促進を図っております。
これらの取り組みと並行して、社会の在り方の変化にあわせた柔軟な人事制度を導入し、従業員エンゲージメントの向上により協働・共創関係を深化させることで、人財の定着を図りつつ、多様な人財が最大限活躍できる組織を構築してまいります。人事制度については、既に育児・介護支援の充実や専門職コースの新設などを実施しておりますが、エンゲージメントの向上においては、現在スコアの測定に向けた準備を進めている段階です。今後、測定結果に基づいて目標の設定、施策の展開を進めてまいります。
ロ.指標と目標
当社は2024年3月期において、最終年度となる中期経営計画の実行に注力するとともに、その先の経営戦略を構築していく考えです。人財・組織戦略における指標と目標については、新たに描く中長期のビジョンに沿って改めて設定し、経営計画と併せてお知らせいたします。
当社では、経営目標の達成に向けて、事業遂行上に存在し得るリスク要因に適切に対応し、企業の社会的責任を果たすことを目的に「リスクマネジメント基本規則」を制定しております。リスク管理体制については、リスク管理の統括部署であるCSR推進本部が中心となり、経営層・各部門と連携し、事業運営に影響を及ぼすリスクの抽出・分析、影響度・発生可能性等を基準とした重要性の評価、及び対応方針の立案を行っております。これらのプロセスを経て特定した「重要なリスク」は、定期的に取締役会に報告され、取締役会において管理・監督を行い、中期経営計画の戦略に織り込んで対応を進めております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)労働人口減少に関するリスク
当社は、多くの従業員により事業活動を行っていることから、昨今の労働人口減少は、持続的成長の実現に向けて対応すべき重要な環境変化の1つと認識しております。労働人口減少は、人件費の高騰や人材の確保が困難となるなど、当社のみならず業界全体に大きな影響を及ぼします。このため、魅力ある職場環境や人事制度の構築、従業員のスキル向上に向けた継続的な育成やキャリア人材の積極採用、既存物流センターの改善活動による生産性の向上、及び大幅に生産性を向上させる新物流モデルの開発などに取り組み、労働人口減少に向けた対応を行っております。しかしながら、今後の労働人口減少の予期せぬ進展により、さらなる人件費の高騰や計画どおりに人材を確保できない場合は、事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)配送に関するリスク
当社は、物流センターを起点として小売業へ商品配送を行っており、配送については全面的に外部の配送業者へ委託しております。現在、配送業者と良好な関係を構築しており、目前に迫る物流の2024年問題に向けても、配送改善などによる対応を進めております。しかしながら、今後の配送業者における人手不足が、さらに深刻化する場合などには、当社が負担する配送費の増大や安定供給に支障をきたすなど事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)事業環境の変化に関するリスク
当社が属する化粧品・日用品、一般用医薬品業界において、業種・業態を超えた競争の激化やM&Aによる規模拡大が続いております。このため、当社では取引先のニーズを捉え、環境の変化に即座に対応できる組織を構築しております。しかしながら、今後さらなる競争の激化や取引先の企業再編等により取引先の政策や取引条件が大幅に変更された場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)情報システム・情報セキュリティに関するリスク
当社は、重要な営業・物流施設であるRDCの運営・管理において、複雑にプログラミングされた独自の情報システムやコンピュータネットワークを用いております。自然災害などに対応するため、基幹システムのクラウド化によるデータの分散保管や、免震設備及び自家発電装置を備えたデータセンターの活用など、被災時の早期復旧を可能とする仕組みを整え、事業継続性の向上に努めております。しかしながら、想定を超える自然災害などの発生により、機能停止した場合などは、販売・物流に大きな支障が生じる可能性があります。また、コンピュータウイルスの侵入を防止するため、ソフトの導入及びシステムの監視体制を構築しておりますが、サイバー攻撃などによるシステム障害や情報漏洩が発生した場合は、事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害・感染症等の発生に関するリスク
当社は、全国に多数の事業所、物流センターを設置し、多くの従業員により事業活動を行っております。自然災害や感染症の拡大等による損失を最小限に抑えるため、一部の事業所の物流機能が不全となった場合においても、他の事業所からバックアップできる体制を敷くなど、事業継続計画(BCP)の整備に努めております。しかしながら、大規模な自然災害の発生等によるライフラインや交通網の寸断、新型インフルエンザ等の感染症の流行により予期せぬ事態が発生した場合、物流サービスの提供などに支障が生じ業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)気候変動に関するリスク
当社が属する生活必需品の流通業界においても、気候変動への対応は業界全体で対応すべき重要なテーマであると認識しております。当社は気候変動をはじめ環境に関する社会的課題を持続的成長に向けて解決すべき重要課題の一つとして捉え、中長期戦略に織り交ぜた対応を進めております。しかしながら、気候変動による自然災害の増加によってもたらされる供給網への被害や原材料費高騰に伴う仕入原価の上昇などの物理的な被害や炭素税等の導入をはじめとする脱炭素社会への移行コストにより当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)固定資産の減損に関するリスク
他事業者との競合規模や当社の事業領域の拡大、日々進化し続けるデジタル技術の活用など当社を取り巻く環境が変化するなか、持続的成長に向けた物流・情報システム機能を充実・拡大するための設備投資を積極的に実施しております。しかしながら、事業環境の著しい変化や収益状況の悪化などにより、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)コンプライアンスに関するリスク
当社は、ステークホルダーのみなさまから信頼され永続的に発展する企業であるためには、一人ひとりが、法令の遵守はもちろんのこと、社会におけるルールやマナーを守り、高い倫理観を持って行動することが重要であると考えております。このため一人ひとりがコンプライアンスの重要性について理解を深められるよう、集合研修やオンライン研修など様々な教育・研修を行っております。しかしながら、コンプライアンス上のリスクは完全に排除することは困難であり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社の社会的信用の低下や発生した損害に対する賠償金の支払いなどにより、事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)特有の法的規制等に係るもの
当社は、一般用医薬品及びその関連商品を取り扱っております。このため主に医薬品医療機器等法などの関連法規の規制を受けており、各事業所が所轄の都道府県知事より必要な許可、登録、指定及び免許を受け、あるいは監督官公庁に届出の後、販売活動を行っております。このため主管部門であるCSR推進本部において必要な許認可等の取得及び法令遵守の環境維持に努めておりますが、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合や許認可等が得られない場合は、当社売上のおよそ1割を占める商品の全部又は一部の販売が制限され事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)債権回収リスク
当社は、販売先との継続取引に伴う債権について、当該販売先との密な連携体制の強化や当社内における債権管理の徹底、さらには取引信用保険の加入等により貸倒発生のリスクを抑える活動を行っておりますが、結果として販売先の破産、民事再生等による債務不履行が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)商品在庫リスク
当社が所有する商品在庫及び販売先からの返品在庫は、ほとんどが仕入先へ返品が可能なため商品在庫リスクを回避することができますが、仕入先の破産や民事再生等が発生した場合、商品在庫の価値低下を招くと同時に返品が不能となるため、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)業績の変動について
当社の業績は、第4四半期において、他の各四半期に比べて売上高は減少する傾向にあり、利益も売上高の変動の影響を受けて減少する傾向になっております。
これは主に、1月は年末にかけて日用品をまとめて購入する消費需要が12月に発生する影響により、また2月は営業日数が少ないため他の月に比べて売上高が少なくなることによります。
このため、第3四半期までの業績の傾向が、年間の当社の業績の傾向を示さない可能性があります。
なお、2023年3月期における四半期毎の業績の概要は以下のとおりであります。
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2023年3月期 |
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第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
年間 |
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売上高 (百万円) (構成比 %) |
276,247 (25.0) |
278,651 (25.2) |
293,297 (26.6) |
255,956 (23.2) |
1,104,152 (100.0) |
|
営業利益 (百万円) (構成比 %) |
6,514 (26.6) |
5,445 (22.3) |
7,151 (29.2) |
5,361 (21.9) |
24,472 (100.0) |
|
経常利益 (百万円) (構成比 %) |
7,335 (26.7) |
6,134 (22.4) |
7,943 (28.9) |
6,026 (22.0) |
27,440 (100.0) |
(13)親会社グループとの関係
親会社グループは、「医療と健康、美」の流通で社会に貢献することを目指し、主な事業として「医療用医薬品等卸売事業」、「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」、「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」を営んでおります。当社は、そのなかで「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」を専属的に担っており、他のグループ企業とは取扱商品や流通形態等が大きく異なることから、当社との間に競合関係は存在せず、親会社グループから影響を受けることなく独自に営業活動を行っております。ガバナンス面における当社の事業戦略、人事政策等の経営判断につきましては、全て当社が独立して主体的に検討のうえ決定しており、当社取締役会の決定が、グループ内の最終決定となっております。また、当社役員につきましては、親会社グループからの受け入れはなく、独立した社外役員を積極的に登用し、取締役の過半数が独立社外取締役となっております。一方で、親会社においても、少数株主の権利保護をはじめ当社の独立性確保は重要であると認識しており、「グループ会社基本規程」(適切なグループガバナンスの確保に向け制定された規程)のなかで、当社に対しては「独立性を確保し、独自の資金調達、迅速な意思決定のもと積極的に事業展開を図ることで企業価値を向上させることがグループ経営の観点からも望ましい」と明記しており、併せて当社事業にかかわる意思決定については当社の取締役会がグループのなかでの最終意思決定機関である旨が明確になっております。現状は、これら親会社グループとの関係については大きな変更を想定しておりませんが、仮に将来において親会社グループが当社と同一の事業に参入し新たな競合関係が発生するなど経営方針を変更した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当事業年度末現在の親会社グループとの関係につきましては、次のとおりであります。
① 資本関係
当社親会社である株式会社メディパルホールディングスの持株比率は50.68%となっております。
② 人的関係
[役員の兼任]
当事業年度末における当社役員について親会社グループからの受け入れはありませんが、適切なグループガバナンス維持のため、当社代表取締役社長糟谷誠一は親会社の取締役を兼務しております。
なお、糟谷誠一は2023年6月27日開催予定の親会社の定時株主総会終結の時をもって親会社の取締役を任期満了により退任し、同総会において当社代表取締役社長吉田拓也が親会社の取締役に選任される予定であります。
また、上場企業としての独立性と親会社グループのグループガバナンスとのバランスの最適化が従前以上に重要になるとの考えから、2023年6月23日開催の当社定時株主総会において、親会社の常務取締役左近祐史氏を当社取締役として選任しております。
③ 取引関係
関連当事者取引のうち、親会社グループに関連する取引は以下のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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会社名 |
取引内容 |
取引金額 |
取引条件等 |
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
|||
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(親会社) ㈱メディパルホールディングス |
保険料の支払 |
13 |
14 |
団体保険を親会社グループ一括で運用しており、負担分を支払しております。 |
|
保険金等の受取 |
4 |
6 |
保険契約に基づき、保険金等を受取しております。 |
|
|
(兄弟会社) ㈱メディセオ |
確定拠出年金信託報酬の支払 |
2 |
2 |
親会社グループ一括で運用しており、負担分を支払しております。 |
|
商品の販売等 |
349 |
319 |
卸売業者間の取引条件を勘案して決定しております。 |
|
|
商品の仕入 |
14 |
4,089 |
配送コスト等を勘案して双方交渉のうえ決定しております。 |
|
|
(兄弟会社) ㈱アトル |
商品の仕入 |
2 |
7 |
配送コスト等を勘案して双方交渉のうえ決定しております。 |
|
(兄弟会社) ㈱メディパル保険サービス |
保険料の支払 |
430 |
488 |
当社の保険代理店として取引しており、第三者の取引条件と同等であります。 |
業績等の概要
(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続いたものの、行動制限の緩和などウィズコロナのもとで社会経済活動の正常化が進み、緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方で、原材料及びエネルギー価格の高騰によるコストプッシュインフレを背景とした物価上昇が個人消費に影響を与えるなど、未だ先行きは不透明な状況が続いております。
化粧品・日用品、一般用医薬品業界においては、感染状況の落ち着きとともにコロナ関連需要は縮小しつつある一方で、外出機会の増加に伴って、メイクアップや洗顔などの化粧品、ドリンク剤や胃腸薬などの医薬品が好調に推移いたしました。また、前年に比べ気温が高く推移したこともあり、制汗剤や殺虫剤、花粉関連商材などの春夏季節品も好調に推移いたしました。
このような状況のなか、当社は当事業年度で2年目となる中期経営計画のもと、お取引先様との連携・協働による「売れる仕組みの強化」や、差し迫る物流の2024年問題やホワイト物流への対応を視野に入れた「配送改善」、組織的に強化した全ての取り組みを支える「デジタルの活用」、中長期の成長を担う「人財の積極採用」など、サプライチェーン全体の最適化・効率化に向けた取り組みを進めました。
売上高については、小売業様の幅広いニーズに対応できるリテールソリューション機能の充実と、連携・協働による同機能の積極的な活用に注力いたしました。なかでも、店頭活性化による売上拡大及びインストアシェア拡大を図りました。具体的には、店頭の活きた情報や業界最大の流通情報を活用した需要変動への迅速な対応や、これまでのメーカー様には取り扱いがなかった商品を含め、市場環境の変化を先読みした新たな品揃え提案に努めました。
販管費については、中長期の成長に向けた人財の確保を進めるなか、電気代高騰などの影響を受けましたが、庫内作業の生産性向上に継続して取り組むとともに、配送費上昇とホワイト物流への対応を同時に実現する配送改善などに努めました。
なお、営業利益については、最大市場である関東エリアの出荷規模拡大及び生産性向上を目的とする栃木物流センターの新設に伴う一過性の費用等が発生し、14億円の引き下げ要因となりました。
これらの結果、当事業年度の業績は、売上高1兆1,041億52百万円(前期比5.6%増)、営業利益244億72百万円(前期比5.6%減)、経常利益274億40百万円(前期比4.2%減)、当期純利益192億51百万円(前期比2.0%減)となりました。
なお、当社のセグメント報告は、単一セグメントのためセグメント別の記載を省略しております。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前事業年度末より53億22百万円増加し、459億93百万円となりました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は165億94百万円(前期比53億55百万円の減少)となりました。これは主に、税引前当期純利益278億46百万円、減価償却費57億50百万円、売上債権の増加額107億61百万円、棚卸資産の増加額32億87百万円、仕入債務の増加額62億81百万円、法人税等の支払額83億88百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は60億93百万円(前期比40億76百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出55億50百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は51億77百万円(前期比35億53百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額50億27百万円によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
当社は、卸売事業を営んでいるため生産、受注の実績はありません。このため、販売実績について記載しております。なお、当社は卸売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)販売方法
当社は化粧品・日用品、一般用医薬品等の卸売業であり、メーカー及び商社から仕入れた商品を量販店、小売店及び卸売業者等へ販売しております。
(2)販売実績
当事業年度の販売実績につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (収益認識関係) (1)顧客との契約から生じる収益を分解した情報」を参照ください。
なお、最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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株式会社マツキヨココカラ&カンパニー |
108,102 |
10.3 |
126,912 |
11.5 |
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っており、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積り及び判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損処理)
当社は、保有する固定資産のうち、営業活動から生じる損益が継続してマイナスである資産及び今後使用が見込まれない資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画の変更や市場環境の悪化などにより、その見積りや前提とした仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(2)当事業年度の経営成績の分析
「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績」を参照ください。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
「3.事業等のリスク」を参照ください。
(4)経営戦略の現状と見通し
「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績」を参照ください。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務方針
当社は、常に事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財務体質を目指し、安定的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めております。
当事業年度末現在において、当社の流動性は十分な水準にあり、財務の柔軟性は高いと考えております。
今後の設備の新設等に関わる投資予定金額、資金調達方法については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」を参照ください。
② 資産、負債及び純資産
当事業年度末の総資産は、4,769億36百万円(前期比6.3%増)となりました。その内訳は主に、現金及び預金459億93百万円、売掛金2,017億83百万円、商品及び製品512億73百万円、未収入金153億59百万円、固定資産1,491億47百万円であります。
負債につきましては、2,172億35百万円(前期比5.9%増)となりました。その内訳は主に、買掛金1,583億89百万円、未払金241億38百万円であります。
純資産につきましては、2,597億円(前期比6.5%増)となりました。その内訳は主に、資本金158億69百万円、資本剰余金278億27百万円、利益剰余金2,085億1百万円であります。
③ キャッシュ・フロー
当事業年度の資金の状況として、営業活動の結果得られた資金は165億94百万円(前期比53億55百万円の減少)となりました。これは主に、税引前当期純利益278億46百万円、減価償却費57億50百万円、売上債権の増加額107億61百万円、棚卸資産の増加額32億87百万円、仕入債務の増加額62億81百万円、法人税等の支払額83億88百万円によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は60億93百万円(前期比40億76百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出55億50百万円によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は51億77百万円(前期比35億53百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額50億27百万円によるものであります。
以上の結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、459億93百万円となりました。
当社の現在のキャッシュ・フローの状況において、営業活動による資金の創出、金融機関からの円滑な資金の借入及び適正な手元資金の保有が図られており、財務方針に基づく流動性及び財務の柔軟性は確保できていると考えております。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照ください。
該当事項はありません。
当社は、労働人口減少が進行し、生産性の高い仕組みを構築することがますます重要である環境下において、物流ノウハウと融合することを目的にAI・ロボットなどの最新技術の研究開発活動を行っております。
当事業年度の主な研究開発活動は、大きさ、重さ、形状などが異なる何万種もの商品を自動で識別し、ピッキングするロボットアームの設計・開発であり、研究開発費の総額は
なお、当社は卸売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。