第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

「Integrity 誠心誠意・真摯であれ」

 当社は、経営理念として「Integrity 誠心誠意・真摯であれ」を掲げ、卓越した独自の技術を組み合わせて新しい機能性材料及び技術ソリューションを開発・提供することでお客さまのニーズや課題に応え、その期待を超える価値を創造し、社会課題を解決することを目指しており、その結果、当社の持続的な事業成長や業績向上が実現し、企業価値の向上につながると考えています。

 

企業ビジョン

「Value Matters-今までなかったものを。世界の価値になるものを。」

 当社は、顧客のニーズや課題に応え、卓越した独自の技術を組み合わせて新しい機能性材料を開発・提供することで顧客の期待を超える価値を創造することを常に目指しており、その結果として当社の事業成長や業績向上が実現し、企業価値の向上につながると考えています。

 この企業ビジョンのもと、「高付加価値製品および技術ソリューションの提供による社会課題の解決を通じて持続的に成長する企業」を目指しています。

 

(2)経営戦略

 当社は、長期で目指す企業像の実現に向けて、社会課題が顕在化した新規領域での事業拡大を通じて持続的な成長を確立するフェーズと位置づけ、2020年3月期から2024年3月期の5ヵ年の中期経営計画『進化への挑戦』を策定いたしました。

 

 1.3つの基本方針

 新規領域での事業拡大を通じて持続的な成長をする企業に進化するため、引続き以下の3つの基本方針に基づき、それぞれにおいて外部環境の変化に応じてアップデートした施策を展開します。

①新規領域での事業成長加速

②既存領域における事業の質的転換

③経営基盤の強化

 

 2.経営目標

 2022年3月期において売上高957億円、営業利益266億円、EBITDA324億円、ROIC22.5%、ROE28.5%となり、2021年5月10日に公表した中期経営計画リフレッシュ(アップデート)の最終年度である2024年3月期の経営目標としていた売上高852億円、営業利益168億円、EBITDA239億円、ROIC15.0%程度、ROE15.0%程度を2年前倒しで達成いたしました。2023年3月期においても売上高1,061億円、営業利益322億円、EBITDA391億円、ROIC24.4%、ROE30.3%となり3期連続で過去最高益を更新しました。2024年3月期においては、次期中期経営計画に向けた準備期間として、持続的な成長と企業価値向上のために、経営基盤の強化をさらに進め、成長戦略を前倒しで実行いたします。

 

(注意事項)

 中期経営計画に関する上記記述中の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、将来に関する記述の正確性・完全性に関する責任を負うものではありません。実際の業績等は様々な要因により異なる可能性があり、当社として将来計画の達成を約束する趣旨のものではありません。なお、実際の結果等にかかわらず、当社は本資料の日付以降において、本資料に記載された内容を随時更新する義務を負うものではなく、かかる方針も有していません。

 これらの記述は投資家の皆様の判断のための参考情報の公開のみを目的としており、投資に関する最終決定はご自身の責任においてご判断ください。これらの記述に全面的に依拠して投資判断を下すことによって生じうるいかなる損失に関しても、当社は責任を負うものではありません。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、持続的な企業価値向上に関わる指標としてROE(株主資本利益率)を位置づけており、EBITDAを当社の稼ぐ力の指標として用いています。さらに、2022年3月期よりROICを新たな経営指標として導入しております。

 

(4)経営環境

 当期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する行動制限が徐々に緩和し経済活動が再開する一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格上昇、世界的なインフレ、中国でのゼロコロナ政策による都市封鎖などの影響により緩やかな回復に留まり、依然として先行きの不透明さは続いています。

 当社の製品が関わる主要業界では、コンシューマーIT製品市場において、スマートフォンは中国での顧客工場停止による生産数減少、ノートPC・タブレットは景気後退懸念による大幅な在庫調整があり、厳しい事業環境となりました。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社は、現在の中期経営計画期間においては、基本方針のもと各種施策を継続して取り組み持続的な成長を目指すとともに、2025年3月期以降も持続的な成長を実現するために必要な施策を展開します。2024年3月期については、特に以下の課題あるいは施策に重点的に取り組んでいきます。

 

1.新規領域での事業成長加速

 コンシューマーIT製品市場における事業で培った当社技術を活かし、IoTをはじめとするデジタルテクノロジーの進化を支え、新規領域での事業拡大を推し進めます。デジタル化が進み、IoTアプリケーションのひとつとなりつつある自動車領域においては、先進運転支援システム(ADAS)のモニタリング等に欠かせない車載ディスプレイの安全性向上に貢献する反射防止フィルムの生産体制を強化し、需要増加に対応します。また、次世代通信やセンサー用途など、デジタル化する社会に欠かせない光半導体を手掛ける株式会社京都セミコンダクターにおいては、昨年度獲得した大型案件の着実な推進により、光通信向け製品のさらなる拡販を図るとともに、収益構造の一層の改善に取り組んでいきます。

 

2.既存領域における事業の質的転換

 当社の強みである、世の中のテクノロジーの進化を先回りした技術開発により、差異化技術製品を生み出すことで既存事業の収益を最大化します。特に、ハイエンドモデルのスマートフォン向けには、①フレキシブルOLEDディスプレイの採用増加に伴い、同ディスプレイでデファクト技術となった粒子整列型ACFの拡大、②センサーモジュールの大型化や搭載数増加に伴うモジュール組み立て用の精密接合用樹脂の拡大、③モジュールの大型化に伴い複雑化した実装箇所に対応するために開発した形状加工ACFの拡大、が続くと見込んでいます。

 

3.経営基盤の強化

 変化の激しい事業環境でも持続的に成長するべく、非財務資本・無形資産を中心とする経営基盤の強化に継続的に取り組んでまいります。なかでも、当社にとって最も重要な経営資源の一つである人的資本の強化策として、2023年4月1日より国内管理職層に対して「ジョブ型人事制度」を導入しました。グローバルスタンダードであるジョブ型人事制度を導入することで、国内外を問わず優秀かつ意欲的な人材の獲得を目指します。また、製造現場のIoT化、システム投資、DX人材育成など全社レベルでのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、生産性や業務効率向上を通じた、人材の価値最大化を目指してまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 サステナビリィに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 近年、社会課題が世界レベルで深刻化・複雑化しており、国際社会の分断も進行しています。

当社グループにおいてもサステナブルな社会の実現は自らの存続条件と捉えており、このVUCA時代において、いかに持続的な成長と企業価値向上を実現するかが重要です。

 また、社会・顧客をはじめとするステークホルダーの方々からも、経済的価値と社会的価値を同期させ、持続可能な社会を実現するための事業展開を求められていると認識しております。

Volatility 変動性、Uncertainty 不確実性、Complexity 複雑性、Ambiguity 曖昧性の頭文字を並べた造語)

 

 

(1)ガバナンス

 当社は、代表取締役社長を最高責任者として、CSR推進部門担当役員の指揮命令のもと、持続可能な社会の実現に向けた活動を推進しています。

 その具体的な活動の展開にあたっては、経営理念、企業ビジョン、CSR方針などにもとづき、全社一丸となり活動を進めるべく、サステナビリティに関する各テーマの担当部門より構成される「サステナビリティワーキンググループ」を組織しています。「サステナビリティワーキンググループ」 では、取締役会において特定された重要課題(マテリアリティ)にもとづき、テーマごとの課題を特定し、定期的にそれらの目標・活動の設定およびモニタリングを行っております。また、部門横断的な視点から検討することで、活動の充実および社内の意識醸成を図っております。

 なお、サステナビリティ推進に係る個別の重要な事項については、適宜執行役員会・取締役会にて報告・議論のうえ、経営戦略、事業戦略の立案・遂行にフィードバックされています。

 

[CSRマネジメント体制]

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(2)戦略

 当社グループを取り巻く社会課題は多岐にわたります。事業を通じた社会課題の解決、持続可能な社会の実現に貢献すべく、マテリアリティ(①「新しい価値の創造・社会課題の解決」、②「ガバナンス・コンプライアンスの強化」、③「多様な人財とエンゲージメントの醸成」、④「操業安全と事業継続性の確保」)を特定し、それにもとづく計画的な取り組みを推進しています。

 また、2022年度からは次期中期経営計画の検討・策定を見据え、当社の取締役会メンバー(社外取締役4名を含む)にて、VUCA時代における「デクセリアルズらしいサステナビリティ経営」をテーマとした議論を開始いたしました。

 

<デクセリアルズらしいサステナビリティ経営>(2023年3月31日時点)

社会における

デクセリアルズの存在意義

・デジタル化の進む社会において、世の中になくてはならない、他社に真似できない

材料やデバイスを生み出し、社会の効率化を通じ課題解決に貢献すること。

デクセリアルズの強みとその強化に向けた課題

・デクセリアルズが社会課題解決に貢献する材料・デバイスを生み出すエンジン(ビジネスモデルの柱)は、「課題発見力」と「ソリューション開発・提案力」。

・その基盤は、様々な技術を掛け合わせて、これまでなかったようなソリューションを開発する「技術」とそれらを使いこなす「人財」。

・「人」と「技術」(知的財産力を含む)が、強化すべき無形資産のトッププライオリティ。

・また、デジタル技術の革新やテクノロジーの進化で今後のビジネスも変化することを見越して、DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じ自らの変革や新たな顧客価値の創出が必要。そのためのデジタル人財やリテラシーの強化に向けた投資も必要。

ビジネスモデルと

事業継続のための課題

・強化すべきは非財務資本であり、下記の点を意識し将来にわたり、持続的成長と企業価値向上を目指していく。

 

1.技術

将来に向けたイノベーション機能、技術ポートフォリオの拡充に向け、2020年にイノベーション・新規事業創出を目指す組織、Dexerials Innovation Group(DIG)を発足させ、将来の社会課題からバックキャストしつつ有望な産業・技術を特定。新たな技術ポートフォリオならびにビジネスモデルの獲得のために2022年3月に株式会社京都セミコンダクターを子会社化。将来に向け、グループシナジーを発揮した新製品の開発などを進めていく。

 

2.人財

これまでも、従業員への株式給付、健康経営などの先進的な取り組みを進めてきたが、人的資本強化による更なる付加価値・生産性の向上が最も大きな重点課題である。具体的な人的資本施策として、持続的成長と戦略を実現させるための多様な人財のポートフォリオをいかにつくるか、2023年4月に導入した「ジョブ型人事制度」を今後、当社グループに拡大し活用していく。

 

3.コーポレート・ガバナンス

2021年に機関設計を監査等委員会設置会社に移行。執行と監督をより明確に分離し、モニタリング・モデルを推進。また、取締役会としてサステナビリティ経営にどう取り組むかというテーマでの議論も行っていく。

 

4.環境

2030年に向け「事業由来の電力消費によるCO2排出ゼロ」という目標を掲げ、TCFD提言への賛同も行い、環境負荷を低減しつつ事業を推進していく。当社グループのCO2排出量(環境負荷による社会への影響)は少ないが、脱炭素への取り組みがビジネス継続の条件となりつつあり、継続的な投資を行っていく。

 

 また、環境面について当社グループは2050年の長期的な時間軸において、気候変動に伴うリスクと機会を特定するため、気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)の第6次評価報告書や国際エネルギー機関( IEA:International Energy Agency)の世界エネルギー見通し(WEO:World Energy Outlook)などを参考に、1.5-2℃シナリオと4℃シナリオを考慮したシナリオ分析を実施しており、財務や温室効果ガスのCO2排出量に大きく影響する当社グループの主要製品(「反射防止フィルム」、「異方性導電膜(ACF)」、「光学弾性樹脂(SVR)」、「表面実装型ヒューズ」)を優先して進めています。これら製品を対象に気候変動のリスクと機会を特定し、事業に大きな影響を与える可能性のある重要なリスクと機会を抽出し、それらの取り組みについて検討をおこないました。

 当社グループは、これらのリスクと機会への取り組みにより気候変動に対するレジリエンスを高め、事業を通じて脱炭素社会へ貢献していきます。

 

 

<気候変動のリスク・機会と主な取り組み>

社会環境の変化

事業への影響

リスク

機会

主な取り組み

低炭素経済への移行

(1.5-2℃)

炭素価格の上昇

・炭素税の導入に伴う製造および輸送コストの増加

 

・再生可能エネルギーの利用や低炭素燃料への転換

・省エネの推進

温室効果ガス排出削減に関する規制強化

・省エネ、再生可能エネルギーへの対応コストの増加

・環境負荷を低減する製品やサービスの需要の増大

・環境負荷の少ない製品の開発と普及促進

・政策動向の情報収集

脱炭素社会、循環型社会関連技術の進展

・低炭素/脱炭素技術や資源循環への対応の遅れによる機会損失が発生

 

・リデュース、リユース、リサイクルの検討

・低炭素/脱炭素関連技術の情報収集

バイオ、リサイクル原材料へのシフト

・化石由来原材料の調達が困難

・化石由来原材料のコストの増加

・バイオ、リサイクル原材料の実用化に伴い、バイオ、リサイクル原材料を利用しやすくなる

・バイオ、リサイクル原材料の導入検討

・バイオ、リサイクル関連市場と技術の情報収集

省エネ、省資源化の促進

・省エネ、省資源対応製品の需要の増大

 

・省エネ、省資源化に対するソリューションの提供

スマート社会の実現、次世代モビリティの普及および市場拡大

・車載用のディスプレイ、センサー、通信機器、バッテリー用デバイスの需要の増大

 

・ディスプレイ、センサー、通信機器、バッテリー等のデバイス向け製品の開発促進及び次世代モビリティの普及

物理的変化

(4℃)

気象災害の甚大化

・修復コストの増加

・サプライチェーンの寸断による操業停止の増大

 

・BCP(事業継続計画)の強化

・原材料、製品の在庫管理の検討

平均気温の上昇

・気温上昇への対応コストの増加

 

・空調コスト低減の検討

・省エネの推進

気温上昇、災害の増加、感染症の拡大等に伴い、ライフスタイルが変化

・在宅ワーク、ステイホームの広がりによるディスプレイ関連の需要の増大

 

・製品ラインナップの拡充

 

 

 さらに 、人材の多様性の確保を含む人材育成方針および社内環境整備方針について、当社グループは、企業ビジョン“Value Matters”を実現するために、「人財ポリシー」を定めています。人財ポリシーの基本原則において、「1.人材は最大の経営資源であり価値創造の源泉。会社と個人は対等なパートナーであり人材の成長が企業価値を高める。」、「2.グローバル基準で優秀かつ意欲的な人材に選ばれる会社になる。社員一人ひとりが価値をつくる人材となる。」を定め、人材の可能性を最大限に引き出し、人的資本を最大活用するために、積極的に職場環境づくりに取り組んでいます。

 また、人材育成方針を定めており、社員に対して「自ら学び、自ら考え、自ら行動し、成長し続ける」という自律的な働き方を求め、また会社はそれを実現するための支援や環境を整えることで、社員と会社が共に成長していく考え方を明確にしています。

 社内環境整備方針においては、業務上必要な知識・スキルの獲得にとどまらず、専門性を軸とした教育研修やキャリア開発の支援など、社員の自律的なキャリア形成をサポートすることで、グループ全体で人材育成を強化することで、社員と組織が共に成長し続け、魅力的な会社であることをめざしています。

 また、通常の採用・育成とは別に戦略的人材投資予算を設定し、将来の経営を担う人材を内部から育成する次世代経営人材育成プログラムの実施、専門性人材や高度経営人材の採用にも取り組み、企業の持続的な成長に向けた人材への投資を継続的に実施しています。社員一人ひとりの「成長したい」という欲求と行動が企業の成長に繋がり、それが社員のエンゲージメント向上へと繋がる人的資本への投資を積極的に進めてまいります。

 加えて、一人ひとりが笑顔で前向きに挑戦する活気あふれる職場づくりに取り組み、社員一人ひとりの幸福、企業の持続的な成長とその先ある社会の幸福を実現するため、健康経営を推進しています。具体的に、2021年度より組織横断的な健康経営ワーキンググループの活動をスタートし、2030年度のデクセリアルズのありたい姿を定義し、そのためにおこなうべき具体的施策(ロードマップ)を策定・推進しています。

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、リスク管理に関する規定に基づき、リスクマネジメント委員会を設置してグループ全体の中長期および短期的な事業運営上、財務、外部環境、ESG関連のリスクについて評価を実施し、リスクを回避または軽減するための対策を立て、その進捗を確認しています。例えば「気候変動」については、経営基盤リスクの一つとして位置づけ、取り組みを行っています。リスク管理責任者であるコーポレート管理部門管掌の執行役員が委員長を担当し、各専門領域の部会で構成され、定期的(必要に応じて臨時)に委員会を開催し、モニタリングしています。特定した重点リスク項目は定期的に執行役員会に報告・議論され、さらに経営上または事業上の重要なリスクに関しては取締役会に報告・議論されています。

 

(4)指標及び目標

 当社ではマテリアリティへの取り組みを着実かつ効果的に進めるために、中期的なサステナビリティに関する活動目標を設定しています。2021年度までに3カ年計画を終え、新たなKPI/目標を設定しました。

 なお、指標及び目標に関する取組み状況については、当社の統合レポートにて発信しております。また、KPIなどの定量的情報を含め、サステナビリティ情報開示の更なる充実化を推進していきます。

 

 

<サステナビリティに関する活動目標(統合レポート2022 CSR目標から一部抜粋)>

・事業の活動目標

マテリアリティ

テーマ

達成指標(KPI)

2023年度目標

新しい価値の創造・

社会課題の解決

高速・大容量通信社会における情報通信機器の変化(小型化・薄型化・高速化・高信頼性化)への対応

製品の上市

自動車向け製品の普及促進

自動車向け製品の出荷数量

・反射防止フィルム  540,000㎡

・熱伝導シート     6,000㎡

低温接合ACFの普及促進

出荷数量 1,910万m/年

鉛フリーSCPの新製品上市の継続

新製品上市 1モデル以上

重大品質問題発生件数

ゼロ

製品品質事故発生件数

ゼロ

サプライチェーンマネジメント

主要取引先へアンケート調査および改善要請(指導)の実施

 

・気候変動に関する活動目標

マテリアリティ

テーマ

達成指標(KPI)

2030年度目標

新しい価値の創造・

社会課題の解決

CO2排出量の削減

2030年までに事業由来の電力消費によるCO2排出量ゼロの達成

 

・人的資本に関する活動目標

マテリアリティ

テーマ

達成指標(KPI)

2023年度目標

多様な人財とエンゲージメントの醸成

多様な人財の獲得と活用

次のリーダー・管理職候補の人財プールの運用を開始する(2023年4月~)

リモートワークの活用

リモートワークを前提とした採用の拡大

健康経営の取り組み

就業時間内禁煙の実施

 

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下の事項は当社グループのリスクのうち主要なものを記載しており、当社グループに係る全てのリスクを網羅的に記載したものではなく、記載された事項以外にも予測し難いリスクが存在する可能性があるものと考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済状況の動向

 当社グループは各国に進出してグローバルな事業展開を積極的に推進しております。このため、世界の経済状況の動向や金融不安が当社グループの製品の需要に大きく影響を与えます。また、当社グループの製品を使用するスマートフォンやタブレットPC等の完成品の市場は、経済環境の変化及び景気変動の影響を受けます。中国その他の新興国を含む重要な経済圏における経済の減速、サプライチェーンの混乱、原油など資源価格の高騰やその他の物価の上昇による経済の混乱、欧州や米国等における金融又は銀行部門における継続的な不安定性、日本及び先進国における政府による景気刺激策や金融政策の失敗、ウクライナや台湾などの地域を含む世界各国の不安定な政治情勢、感染症の世界的な拡大による影響などにより、広範囲かつ長期間に亘る世界経済の低迷が生じる可能性があります。当社グループは急激な需要変化に的確に対応できる生産及び販売管理体制への取り組みを進めておりますが、当社グループの製品に対する需要が減少した場合に、速やかに固定費用を切り下げるなどの調整を行うことが難しく、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競争の激化

 当社グループが製品を展開している市場では厳しい競争が続いております。当社グループの競合他社は、研究開発、生産能力、資金や人的資源等において、当社グループよりも強い競争力を有する場合があります。また、当社グループはダイバーシティの推進、働き方改革に取り組むことでより働きやすい労働環境の整備を進め、新卒採用や経験者の通年採用など優秀な人材の獲得を積極的に行っておりますが、優秀な研究者やエンジニア等の人材を確保できない場合、重要な人材が当社グループの競合他社に転職する場合、またデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みの遅れなどにより人的資源の効果的な配置が十分に進まない場合等には、競合他社対比で当社グループの競争力が相対的に低下する可能性があります。さらにディスプレイメーカー・セットメーカーを始めとする当社グループの製品の顧客は、その市場において激しい競争に直面していることから、品質やコストの改善を図るために、又は当該顧客における再編や戦略の変更等により、仕入先を当社グループから競合他社に切り替える可能性や当社グループへの注文を減少させる可能性があります。当社グループは差異化技術を用いた高付加価値製品の開発など事業の強化を進めておりますが、当社グループが競合他社との競争において優位に立てない場合には、当社グループの市場におけるシェアが減少し、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)ディスプレイ製品等への依存

 当社グループは、高機能材料メーカーとして光学材料及び電子材料の事業領域で製品を展開しており、売上高の多くの部分はディスプレイ製品に関するものであり、ディスプレイメーカーの事業戦略や販売戦略の変更等も当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、規模の大きいスマートフォン・タブレットPCのセットメーカーの数は限定されており、これらのセットメーカーによる事業戦略や販売戦略の変更、完成品のモデルチェンジの時期及び販売量は、当社グループの顧客であるディスプレイメーカー等から当社グループの製品に対する需要に影響を与えます。当社グループは、ディスプレイ以外の分野・製品においても、当社グループ製品の採用拡大に努めておりますが、ディスプレイ以外の分野・製品における新規の需要を創出する取り組みが成功する保証はありません。かかる取り組みが成功せず、ディスプレイ製品への依存度の低下が進まない状態において、ディスプレイ業界全体の需要低下や当社グループの製品を使用しているディスプレイ製品に対する需要の減少等の事態が生じた場合は、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)業績の季節的変動等

 当社グループは事業の特性上、スマートフォン・タブレットPC、ノートPC等の最終製品で使用される中小型ディスプレイや電子部品関連業界の動向の影響を受けやすくなっています。よって、当社グループの業績は、短期的には上記の最終製品の新モデル投入時期及びその販売数量、並びにそれらの関連製品に係る主要顧客からの受注の影響を受けやすくなっています。また、クリスマス等の年末休暇や中国の春節等の商戦期に向けて当該最終製品の生産が本格化する第2四半期及び第3四半期に業績が偏重する傾向があります。当社グループは季節的変動が少ない自動車領域を主とした新規領域の売上の拡大に取り組んでいますが、電子部品関連業界の動向の影響を受けやすい製品が当社グループの売上高に占める割合は依然として高く、上記のような最終製品で使用される中小型ディスプレイや電子部品関連業界の動向、及び最終製品の動向が当社グループの製品に対する需要に与える影響により、当社グループの売上は四半期毎又は連結会計年度毎に変動する可能性があります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)製品の販売価格の下落

 当社グループは、常に付加価値の創出及び製品の高品質化に努め、価格水準の維持及び向上を目指し、工程改善、材料歩留りの改善等によるコスト低減に取り組み、製品の販売価格の下落リスクに備えておりますが、顧客からの恒常的な価格圧力、光学材料及び電子材料市場での生産過剰、需要の減少、低価格帯の製品を提供するメーカーによる高性能製品市場への進出、顧客との交渉の結果等により、当社グループでのコスト低減幅以上に当社グループ製品の価格が下落した場合又は利益率の低い製品の販売比率が拡大する場合には、当社グループが十分な利益を確保することが困難となる可能性があります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)海外での事業展開

 当社グループは、日本、中国及び米国に製造拠点を有し、世界各国に進出してグローバルな事業展開を積極的に推進しており、当社グループの売上げの相当程度の部分は、海外顧客向けの製品の販売によるものとなっております。海外事業の展開にあたっては、不安定な政治情勢、不確実な経済環境、当社グループの製品の製造、輸出入や使用等に関する環境や安全等に係る規制を含む法令、労務管理上の問題及び人件費の上昇、高額な関税及び厳格な貿易規制、予期しない法令・税制・政策の新設又は変更や解釈の相違、電力、輸送、通信等の基幹となるサービスの停止・遅延等を起こしうる不安定なインフラ、為替レートの変動、法令、規制、商慣習及び実務上の取扱いの違い、テロ、戦争、経済制裁、貿易摩擦、感染症の世界的な拡大、ボイコットの発生等のリスクが内在しております。当社グループでは政治的・経済的な社会情勢の変化を適時に当社グループ内で共有し、適宜対応に努めておりますが、全ての変化を把握することは困難であり、これらのリスクが顕在化した場合、売上げの減少、費用の増加、業務の混乱等を生じさせ、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)買収(M&A)、事業提携及びその他の戦略的投資

 当社グループは、買収(M&A)、事業提携及びその他の戦略的投資を成長のための経営戦略の1つとして位置付けており、新規市場への参入や新規領域事業の展開等のために買収、事業提携及びその他の戦略的投資を行い、今後も実施する可能性があります。また、当社グループは2024年3月期を最終年度とする中期経営計画において、自動車を中心とした新規領域における成長の加速を基本方針の1つとして掲げておりますが、新規領域事業の展開は、市場環境の変化等の様々な要素に左右されるため、新規領域事業の展開が計画どおりに進まない可能性があります。買収(M&A)、事業提携及びその他の戦略的投資を行う際には、対象企業や新規領域事業等の投資先について詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題が判明する可能性や、投資先の企業の業績変動により当社グループが保有する有価証券などの評価が大幅に下落し評価損を計上または追加的な支出が発生する可能性があります。また当社グループは、買収、事業提携及びその他の戦略的投資並びに各事業に係る固定資産の取得及び保有に際しては投資経済性評価を実施し、投資回収とリスクの検討を行っておりますが、市場動向や価格下落などの理由によって事業収益性が低下し、対象となる資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、減損の認識が必要となる可能性があります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)技術開発等

 当社グループが事業展開する分野は、技術革新とコスト競争力について厳しい要求があり、さらに、競合他社の新技術や新製品開発、当社グループ製品を使用している完成品における新技術や新製品開発、業界における標準や顧客のニーズの変化により、当社グループの製品が予期せぬ陳腐化を起こす可能性があります。また、当社グループの売上げ及び営業利益の相当部分は特定の主力製品の販売によるものとなっており、これらの主力製品に代替する技術が競合他社により開発された場合や競合他社がこれらの主力製品より優れた製品を導入した場合には、当社グループの製品への需要が減少する可能性があります。当社グループは中期の開発戦略のもとに新技術や新製品の開発、新用途・新市場の開拓や生産プロセス改革に必要な研究開発投資や設備投資をしておりますが、市場の変化が激しい業界において変化を予測することは容易ではなく、開発した製品について想定した売上げ等の効果が得られない可能性があります。また、当社グループは顧客が要求する仕様に応じて当社グループ製品を顧客毎にカスタマイズしておりますが、当社グループが常にこの様な顧客の要請に応えられる保証はなく、さらに、顧客が当社グループに求める価格、時期、数量で当社グループ製品を供給できる保証はなく、また、顧客が当社グループに求める高度なアフターサービスを提供できない場合もあります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)原材料の調達

 当社グループは、原材料が適時、適量に調達できることを前提とした生産体制を構築しておりますが、原材料の一部の供給を特定の購入先に依存しております。当社グループは、購入先を複数にするなど主要原材料が確保できなくなるリスクを低減するよう努めておりますが、原材料によっては特定の購入先に依存せざるを得ないものがあり、原材料の購入先が、原材料の供給遅延、供給不足その他の理由により当社グループとの購入契約上の義務を果たせなくなり、また、購入先による原材料の値上げや主要な購入契約が終了した場合には、当社グループは原材料を市場又は他の購入先から調達しなければならず、有利な価格で原材料を調達できる保証はなく、また、これにより当社製品の出荷を予定通り行うことができなくなる可能性があります。また、原材料の価格や燃料価格が上昇する可能性があり、上昇したコストを製品価格に転嫁できない場合や、購入先の自然災害での被災、事故、倒産等により供給が中断し、必要な主要原材料を確保できなくなる場合、および法規制の導入や改正により原材料の使用が制限される場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)知的財産

 当社グループは国内外で多くの知的財産権を保有し、維持・管理しております。しかし、当社グループの知的財産権が無効とされる可能性、当社グループの知的財産が特定の国・地域では十分な保護が得られない可能性や模倣される可能性等があり、当社グループの保有する知的財産権の保護が損なわれる可能性があります。また、当社グループは、主要な競合他社を含む第三者から使用許諾を受けて第三者の知的財産権を使用する場合がありますが、今後、必要な使用許諾等を第三者から受けられなくなる可能性や、当社グループにとって不利な条件での使用許諾しか受けられなくなる可能性、競合他社が当社グループより有利な条件で第三者から使用許諾等を受ける可能性があります。さらに、第三者の知的財産権を侵害したことにより、当社グループが当該第三者に対して損害賠償責任を負う可能性や、当社グループの一定の製品の開発・製造をする権利を失う可能性等もあります。加えて、当社が他社との業務提携等を行ったことにより、他社が第三者との間で締結しているライセンス契約上の制約が、当社グループに課せられる可能性もあります。当社グループは他社の知的財産権の調査を行い、これらの問題が発生することの無いように努めておりますが、全ての問題発生の可能性を排除できる保証はなく、これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(11)製品の欠陥

 当社グループの事業は、部材の企業間取引が基本となっておりますが、当社グループの製品に欠陥があった場合には、修理や回収等に相当程度の費用が生じ、また、顧客の完成品に生じた欠陥について補償を求められる可能性があります。また、当社グループの製品に欠陥があった場合には、当社グループの顧客との関係や当社グループの信用及び評判に悪影響を与える可能性があり、当社グループの製品の売上げやシェアが低下する可能性があります。さらに、当社グループの顧客又は完成品の消費者に対して製造物賠償責任保険の適用を超える賠償などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品の欠陥に関して当社グループに訴訟が提起された場合、製造物賠償責任保険の保険料が増額される可能性や製造物賠償責任保険を継続できない可能性があります。特に、車載や医療等の新規分野については、大規模なリコールが発生する可能性や、製造物責任賠償請求がなされることにより当社グループに大きなレピュテーション上のリスクが発生する可能性があります。当社グループは国際的な品質管理システムに従って製品を製造し、品質管理を行っておりますが、これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)環境問題

 当社グループは、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適用を受けております。事故や自然災害により不測の環境汚染が生じる場合、当社グループが過去又は現在所有する工場用地等において汚染物質が発見された場合や新たな環境規制が施行された場合には多額の費用が発生し、当社グループの活動が制限され、当社グループが環境規制を遵守できない可能性があります。当社グループは、環境保全活動を重要な方針の一つとして掲げ、自主的な削減計画を作成し、実行しておりますが、かかる自主的な削減計画等が当社グループの想定した通りに実行できる保証はなく、これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)気候変動等による影響

 当社グループは、気候変動問題は持続可能な社会実現のために人類が解決すべき重要な課題であり、企業にとって気候変動の対応は事業継続の前提条件であると考えています。

 当社グループは、気候変動に関連するリスク、機会及びこれらの影響の評価に取り組む姿勢を明確にするため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明し再生可能エネルギーの導入などにより2030年度に事業由来の電力消費によるCO2排出量ゼロ達成を目標に掲げるとともに、顧客の製造工程の省エネルギー化や最終製品のエネルギー効率向上に資する製品の提供を通じて、サプライチェーン全体の環境負荷低減に貢献するべく気候変動への取り組みを進めており、統合報告書や当社ウェブサイトを通じて、推奨される情報を継続的に開示しています。

 当社グループは気候変動への対応をリスクとしてだけでなく機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題の解決を目指しておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、費用の増加等を生じさせ、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)コンプライアンスと法規制

 当社グループの事業については各国の競争、汚職防止、コーポレート・ガバナンス、労働、消費者保護、電力、租税等に係る各種法令による規制を受けており、当社グループがかかる法規制に違反する場合、また、当社グループが保有する許認可等に付された条件や制約を遵守できない場合には、規制当局からの制裁や罰金、罰則の適用、追加費用の負担や許認可等の剥奪等の可能性があります。また、法規制の強化や大幅な変更がなされた場合にも、当社グループの活動が制限され、当該法規制の遵守のために新たなコストが発生する可能性があります。当社グループは、内部統制システムを構築した上で各国の法規制の遵守に努めておりますが、かかる法規制の遵守の努力が有効である保証はなく、これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)訴訟

 当社グループは世界各地において事業活動を展開しており、取引先等との間の訴訟を含む様々な訴訟等が提起される可能性があります。訴訟対応コストがかさむ場合、当社グループに不利益な判決、決定又は判断等がなされる場合、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(16)情報セキュリティ

 当社グループは、情報システムを構築し、研究開発、製造、販売及び営業活動など業務遂行に使用しており、当社グループ及び顧客の技術、各活動に関する機密情報を当社グループの情報システム内や様々な形態で保持及び管理しております。第三者による当社グループの情報システムへの予期せぬサイバー攻撃により、業務活動への影響が生じた場合や当社グループが保持又は管理する情報が流出し、第三者がこれを不正に取得又は使用するような事態が生じ、当社グループに対して損害賠償を求める訴訟が提起される場合など当社グループの評判及び信用に悪影響を与える可能性があります。当社グループは、情報セキュリティの確保においては、外部ITベンダーと連携しサイバー攻撃に強いシステムの導入を行うとともに、全社体制の下でこれらの機密情報を保護するための管理を行っておりますが、かかる管理が将来に亘って常に有効である保証はなく、これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)事故・災害等による影響

 当社グループは操業安全と事業継続性の確保を掲げ、災害や事故の未然防止の対策、及びBCPを策定しておりますが、当社グループが事業展開を行っている又は当社グループの取引先が所在する各国における地震や津波、洪水といった大規模な自然災害や感染症の世界的な大流行があった場合、当社グループのみに限定されず、電力・ガスなどのインフラ被害や、原材料の調達・物流・顧客など、広範囲にわたるサプライチェーンへの被害により、事業の中断につながる可能性があります。特に日本では地震が発生する確率が高く、大規模地震が発生した場合、直接的な被害を受ける可能性や、製造工程において火災や化学物質により人的被害が発生する可能性もあり、特に国内事業拠点の集約が進んだ場合にはその影響が相対的に大きくなる可能性があります。さらに、このような自然災害のみならず暴動・労働争議によっても、当社グループの事業が中断する可能性があります。これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)為替相場の変動

 当社グループは、日本円以外の外貨建てによる取引も行っており、製品・サービス等のコストや価格、及び外貨建ての資産・負債は為替相場の変動による影響を受けます。当社グループでは、この影響を最小限に抑えるべく、適宜為替予約等によるヘッジを行っておりますが、かかるヘッジにより為替リスクを完全に回避できるわけではなく、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。なお、海外関係会社の現地通貨建の資産・負債等は、連結財務諸表作成の際には円換算されるため、当社グループの財政状態は為替相場の変動による影響を受けます。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する行動制限が徐々に緩和し経済活動が再開する一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格上昇、世界的なインフレ、中国でのゼロコロナ政策による都市封鎖などの影響により緩やかな回復に留まり、依然として先行きの不透明さは続いています。

 当社の製品が関わる主要業界では、コンシューマーIT製品市場において、スマートフォンは中国での顧客工場停止による生産数減少、ノートPC・タブレットは景気後退懸念による大幅な在庫調整があり、厳しい事業環境となりました。

 このような経営環境のなか、事業環境の変化の影響を受けにくい事業ポートフォリオへの転換に取り組みました。新規領域においては、2022年3月に買収し新規に連結子会社となった株式会社京都セミコンダクターでは生産性の改善に取り組んだほか、自動車向け製品の販売が拡大するなど、コンシューマーIT製品以外の事業を拡大しました。既存領域においては、テクノロジーの進化を先回りした製品の開発・提案に取り組み、高付加価値製品の販売が拡大しました。

 この結果、新規連結の株式会社京都セミコンダクターの貢献に加え、差異化技術製品である精密接合用樹脂、異方性導電膜(ACF)及び光学フィルムの販売が拡大しました。

 

 以上より、当連結会計年度の売上高は106,167百万円(前連結会計年度比10.9%増)となり、営業利益は32,288百万円(前連結会計年度比21.2%増)となりました。

 経常利益は、為替差損等が増加したものの、30,174百万円(前連結会計年度比20.6%増)となりました。

 税金等調整前当期純利益は、特別損失として固定資産除却損等を計上しておりますが、29,632百万円(前連結会計年度比24.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、20,685百万円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。

 

 各セグメントの業績、ならびに製品カテゴリー別の売上状況は以下のとおりであります。

 なお、株式会社京都セミコンダクターの事業である光半導体カテゴリーを電子材料部品事業として新たに追加しております。

 

(光学材料部品事業)

          (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

売上高

49,159

55,384

12.7%

営業利益

13,127

17,969

36.9%

             (注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。

 

 ・ 売上高は55,384百万円(前連結会計年度比12.7%増)、営業利益は17,969百万円(前連結会計年度比36.9%増)となりました。

 ・ 光学フィルムでは、反射防止フィルムにおいてノートPC用ディスプレイ向け製品が減少したものの、車載ディスプレイ向け製品が増加したことに加え、蛍光体フィルムの増加により、増収増益となりました。

 ・ 光学樹脂材料では、精密接合用樹脂における大手顧客スマートフォン向け製品の数量増加などにより増収増益となりました。

 

(電子材料部品事業)

          (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

売上高

47,195

51,495

9.1%

営業利益

15,304

16,106

5.2%

             (注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。

 

 ・ 売上高は51,495百万円(前連結会計年度比9.1%増)、営業利益は16,106百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。

 ・ 接合関連材料では、ノートPC向けの数量減少に加え、事業再評価の結果、汎用品を中心に収益性の低い製品の販売を前連結会計年度において終了したことにより、減収減益となりました。

 ・ 異方性導電膜では、主にスマートフォンのハイエンドモデルにおいてディスプレイ向け粒子整列型ACFが堅調に推移したほか、カメラ等の各種センサーモジュール向けの形状加工ACFの販売拡大により、増収増益となりました。

 ・ 表面実装型ヒューズでは、電動工具やノートPC向けにおいて顧客の在庫調整に伴う数量減により減収減益となりました。

 ・ マイクロデバイスでは、プロジェクター需要の回復に加えて当社製品採用モデルの好調により増収増益となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ77百万円減少し、当連結会計年度末には29,286百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は21,339百万円(前連結会計年度比4,464百万円減)となりました。これは主に法人税等の支払額10,705百万円の一方で、税金等調整前当期純利益29,632百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は9,447百万円(前連結会計年度比2,987百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出10,705百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は12,535百万円(前連結会計年度比6,751百万円増)となりました。これは主に長期借入れによる収入10,000百万円の一方で、自己株式の取得による支出8,999百万円、長期借入金の返済による支出5,220百万円及び短期借入金の純増減額の減少4,500百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

金額(百万円)

光学材料部品

58,017

110.8

電子材料部品

50,435

97.7

合計

108,452

104.3

(注)金額は売価換算値によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

当社グループは主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

金額(百万円)

光学材料部品

54,967

112.1

電子材料部品

51,199

109.7

合計

106,167

110.9

(注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日東電工株式会社

14,737

15.4

12,245

11.5

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

   ①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

(資産の部)

 当連結会計年度末の資産合計は126,379百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,405百万円の減少となりました。
 流動資産は59,238百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,847百万円の減少となりました。その主な要因は、商品及び製品が316百万円、その他(流動資産)が664百万円それぞれ増加した一方で、受取手形及び売掛金が6,013百万円、仕掛品が681百万円それぞれ減少したことであります。
 固定資産は67,141百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,441百万円の増加となりました。その主な要因は、のれんが2,283百万円、土地が1,110百万円それぞれ減少した一方で、建物及び構築物(純額)が3,137百万円、建設仮勘定が3,025百万円それぞれ増加したことであります。


(負債の部)
 当連結会計年度末の負債合計は52,605百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,603百万円の減少となりました。
 流動負債は35,074百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,729百万円の減少となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金が7,115百万円、短期借入金が4,500百万円、その他(流動負債)が4,068百万円それぞれ減少したことであります。
 固定負債は17,530百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,125百万円の増加となりました。その主な要因は、長期借入金が2,684百万円、その他(固定負債)が464百万円それぞれ増加したことであります。


(純資産の部)
 当連結会計年度末の純資産合計は73,774百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,198百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金が16,929百万円、自己株式が8,463百万円、為替換算調整勘定が587百万円、繰延ヘッジ損益が333百万円それぞれ増加したことであります。

 

2)経営成績

 当連結会計年度の売上高は106,167百万円(前連結会計年度比10.9%増)、営業利益は32,288百万円(前連結会計年度比21.2%増)、経常利益は30,174百万円(前連結会計年度比20.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20,685百万円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。

 

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。

 

(営業利益)

売上原価は51,996百万円と、前連結会計年度と比べ1,470百万円増加し、売上原価率は49.0%と、前連結会計年度と比べ3.8%改善しました。

販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ3,339百万円増加し、21,882百万円となりました。その主な要因は、給与、のれん償却費、減価償却費及び開発研究費が増加したことであります。

以上により、当連結会計年度の営業利益は32,288百万円と前連結会計年度に比べ21.2%の増益となりました。

(経常利益)

営業外収益につきましては、359百万円と前連結会計年度と比べ74百万円の増加となりました。その主な要因は、受取利息が増加したことであります。

営業外費用につきましては、2,472百万円と前連結会計年度と比べ568百万円の増加となりました。その主な要因は、為替差損が増加したことであります。

以上により、当連結会計年度の経常利益は30,174百万円と前連結会計年度に比べ20.6%の増益となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益につきましては、補助金収入が64百万円、固定資産売却益が14百万円となりました。

特別損失につきましては、固定資産除却損が508百万円となりました。

以上により、税金等調整前当期純利益は29,632百万円と前連結会計年度に比べ24.6%の増益となりました。

法人税等については、法人税、住民税及び事業税が8,590百万円、繰延税金資産の取崩し等により、法人税等調整額が321百万円となりました。

非支配株主に帰属する当期純利益については35百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、20,685百万円と前連結会計年度に比べ24.1%の増益となりました。

 

3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当連結会計年度においては、コンシューマーIT製品市場において、スマートフォンは中国での顧客工場停止による生産数減少、ノートPC・タブレットは景気後退懸念による大幅な在庫調整があり、厳しい事業環境となりました。

 世界的な景気低迷及びインフレが継続するなか、当社の製品が関わる主要業界では、ノートPCが減速、タブレット、スマートフォン及び自動車は前連結会計年度並みの需要にとどまり、当社を取り巻く事業環境は厳しい状況が続くものと考えております。

 このような状況の下、当社は、ハイエンドモデルのスマートフォンにおいて、ディスプレイ向けに粒子整列型ACF、センサーモジュール向けに精密接合用樹脂及び形状加工ACFの販売拡大に注力するとともに、新規領域である自動車向けや光半導体の成長を加速させてまいります。

 経営成績に重要な影響を与えるその他の要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

    ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は29,286百万円となり、前年度末に比べ77百万円の減少となりました。当社グループでは、フリー・キャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動により支出されたキャッシュ・フローの合計として定義しており、当連結会計年度末の残高は以下のとおりであります。

 

項目

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

25,804百万円

21,339百万円

△4,464百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△12,434百万円

△9,447百万円

2,987百万円

フリー・キャッシュ・フロー

13,369百万円

11,892百万円

△1,477百万円

 

 当社グループの主な短期的な資金の需要としては、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金、配当金の支払等を見込んでおります。なお、当社の短期的な資金調達の源泉は、主に営業活動によって獲得した現金であります。資金調達は金融機関からの借入れにより調達を行っておりますが、当連結会計年度末の有利子負債残高は19,935百万円であり、総資産に対して15.8%と低い依存度となっております。

 

 当社グループでは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性を維持することを資金調達の基本としており、国内の主要金融機関との良好な関係に基づき、長期借入れを中心として必要資金を低いコストで調達しております。また、流動性資金の確保の面では、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末における総額は、15,670百万円(うち借入未実行残高は15,670百万円)であります。

 

 連結子会社が保有する資金は、当連結会計年度末において15,316百万円でありますが、グループ資金は当社での有効活用を前提に、可能な限り配当を実施することを基本方針としており、各連結子会社の配当可能利益をベースに、各社の手元必要流動性資金を考慮の上、当社への資金還流を今後も積極的に進めていく予定であります。

 

 資本政策につきましては、株主還元を充実させていくことを心掛け、従来どおり総還元性向として調整後親会社株主に帰属する当期純利益の40%を目処に、健全な財務基盤を確保しつつ、フリー・キャッシュ・フローの見通し、自己株式の取得を含む総還元性向、安定配当の重要性などを総合的に勘案した上で利益還元を行う方針であります。

 

   ③経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況

 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

 2023年3月期の達成・進捗状況は下記のとおりであります。

 

指標

2023年3月期(計画)

2023年3月期(実績)

2022年度(計画比)

売上高

110,000百万円

106,167百万円

△3,833百万円 (3.5%減)

営業利益

31,000百万円

32,288百万円

 1,288百万円 (4.2%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

20,000百万円

20,685百万円

    685百万円 (3.4%増)

EBITDA

38,000百万円

39,101百万円

1,101百万円 (2.9%増)

ROIC

21.0%

24.4%

3.4ポイント増

ROE(自己資本利益率)

29.1%

30.3%

    1.2ポイント増

(注)2023年3月期(計画)は2022年5月10日公表値

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「4 経営者による財政状

態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状

況」に記載のとおりであります。

 

   ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて

は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

5【経営上の重要な契約等】

当該事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、「Value Matters 今までなかったものを。世界の価値になるものを。」を企業ビジョンとして掲げ、この企業ビジョンを実践すべく、コア技術である材料技術、プロセス技術、分析・解析技術、評価技術を融合、進化させることにより、変化する世の中のニーズを先取りした独自性の高い製品の開発に努めております。

 昨年、今後市場成長が見込まれる高速通信やセンシングの領域で新たな製品・技術の共同開発・上市、販路の相互活用による顧客基盤の拡大等を目的に京都セミコンダクターを子会社化いたしました。京都セミコンダクターの半導体設計技術と、当社の微細加工技術といった両社の技術力を融合し、新技術・新製品の提供を行うことで、事業成長のみならず、社会のデジタル化と社会課題の解決への貢献を図ってまいります。

 また、人材投資とオープンイノベーションを積極的に取り組み、素材やデバイスとしての「製品」だけでなく、新たな「技術ソリューション」の創出を行っています。いまだ開拓されていない領域やこれまでにない水準での新技術・製品・ソリューションの創出、同分野の次世代を担う人材の育成を推進する為、デクセリアルズは、国立大学法人東北大学(以下、東北大学)と2021年より光学や半導体関連などについて共同研究活動を実施し、社会課題解決に貢献する新技術の開発を目指してまいりました。2023年4月1日に「デクセリアルズ×東北大学 光メタセンシング共創研究所」(以下、光メタセンシング共創研究所)を新設いたしました。

 両者の専門性の高い人材が連携する運営体制を敷くことで産学連携をさらに推進するとともに、新技術・製品・ソリューションの創出を目指してまいります。また、同人、同分野の次世代を担う人材の育成についても推進してまいります。

 当連結会計年度の研究開発費は4,274百万円となりました。その内訳は光学材料部品事業で2,359百万円、電子材料部品事業で1,914百万円となっています。

 

また、当連結会計年度の主な研究開発の成果は、下記のとおりです。

・さらなる低抵抗化と小型化を実現した30A定格のセルフコントロールプロテクター 「SFS-0830A」を製品化

・幕張メッセ「二次電池展<スマートエネルギーWeek>」に出展

・幕張メッセ「フィルムテックジャパン<高機能素材Week>」に出展

・デクセリアルズの蛍光体フィルムが電気化学会蛍光体研究懇談会「蛍光体賞」を受賞

 

(注)光メタセンシング:「光と情報が織りなす近未来社会を支える検知システム」を指す造語

共創研究所   :民間機関が、東北大学内において学内の教員やその他学術的知見、施設や設備などに柔軟にアクセスし、共同研究や人材育成などの産学共創活動を企画・推進するために設置する産学連携・交流の拠点