第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営の基本方針

 

[企業理念]

産業インフラを支える。豊かな未来を拓く。

 

・安全で安定的なプラントの操業を支え、人、暮らし、環境の未来に貢献します。

・メンテナンスとエンジニアリングによって、プラントおよび設備の最適化を実現します。

・多様性・自主性を尊重し、従業員・パートナー企業の幸せを追求します。

 

 

[長期ビジョン]

 

 RAIZNEXT Group V-2032


「変革の時代に、進化したプラントサービスを」


・エネルギーに携わる企業としての社会的責任を全うし、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
・常に最新の技術を導入・洗練し、メンテナンス・エンジニアリングの両輪でパートナー企業と共に最大限の顧客価値を提供し続けます。
・人々の暮らしを支えるプラントの安定稼働を守る柱であるというプライドを持ち、従業員がやりがいをもって働くことのできる会社を目指します

 

 

 

[行動指針]

進取果敢

 

既存の枠組みに捉われず

新しい発想で積極的に

挑戦します。

 

誠心誠意

 

お客様によりそい

一つひとつの仕事に

心を込めて取り組みます。

 

共存共栄

 

関係する全ての人を尊重し

ステークホルダーとともに

発展します。

 

 

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

当社グループでは、将来の事業環境を踏まえ、昨年長期ビジョン「RAIZNEXT Group V-2032」および「第2次中期経営計画-RAIZNEXT SYNERGY POWER」を策定いたしました。
 第2次中期経営計画は、第1次中期経営計画につづき、本格的な「シナジー効果の創出」を行うための計画であるとともに、長期ビジョンの実現に向けたファーストステップと位置付けております。
なお、第2次中期経営計画では、次の経営数値目標を掲げております。

 

① 業績計画

第2次中期経営計画最終年度(2024年度 2025年3月期)業績目標

<連結>                               

 

2024年度目標(2025年3月期)

完 成 工 事 高

1,450億円

営 業 利 益(率)

105億円(7.2%)

親会社株主に帰属する当期純利益(率)

 70億円(4.8%)

 

 

② 経営指標の目標値

     自己資本当期純利益率(ROE)・・・ 8%以上

     連結配当性向 ・・・・・・・・・・40%以上

 

長期ビジョン、第2次中期経営計画の詳細につきましては、当社ウェブサイトに掲載しておりますので、そちらをご参照願います。(https://www.raiznext.co.jp/)

 

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のような項目があります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生回避および発生した場合の対応に努める所存であります。なお、これらの項目のうち、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 連結会社(当社および連結子会社)の経営成績等の状況の異常な変動

 

分類

内容

統制活動の内容

受注工事高減少(メンテナンス事業)

 当社グループの事業は、石油・石油化学・一般化学等のプラント関係のメンテナンスをコアビジネスとしております。

 ここ数年は、当社グループが特に影響を受けやすい石油関係のプラントにおいて製造機能の停止等が散見されており、プラントメンテナンス市場の縮小に伴う受注工事高の減少が懸念されます。

 当社グループでは、長期ビジョンRAIZNEXT Group V-2032、第2次中期経営計画を策定しております。これに基づき、受注工事高の大幅な減少など経営成績に大きな影響を及ぼすことのないよう、既存顧客のシェア拡大や新規顧客の開拓など、各種の施策を推進してメンテナンス事業に係る受注工事高減少に対処しております。

受注工事高減少(エンジニアリング事業)

 当社グループは、メンテナンス事業と並んで、石油・石油化学・一般化学等のプラント関係のエンジニアリング事業(新設および改修工事にも力を入れております。

 エンジニアリング事業においては、国際情勢等、社会・経済の動きや製品の需要動向が設備投資の大幅削減をもたらし、これに伴い受注工事高が減少することが懸念されます。

エンジニアリング事業においては、大型装置改造・改修工事、FS・FEED業務からの参入によるプラント建設工事に加え、新たな事業領域として再生可能エネルギー等の脱炭素社会に向けた投資案件の受注拡大を目指すなど、エンジニアリング事業に係る受注工事高減少に対処しております。

資機材価格高騰

 プラントのメンテナンスおよび建設関係に使用する資機材等の価格が高騰した際、それを請負金額に反映することができずに業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 特に、工期が長期間にわたる場合に、当社が見積り・受注する時点と、協力会社等に工事を発注する時点との間にタイムラグがあり、この間に価格が高騰した場合には、当初の想定よりも収益が低下する恐れがあります。

 資機材価格の高騰に関して、それぞれの価格動向に関する情報の収集・発信に努めるとともに、資機材の早期発注、多様な調達先の確保、工事価格への転嫁等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。

工事従事者不足

賃金高騰リスク

 工事監督者や工事作業員等の工事従事者が不足した場合、また、これにより工事従事者の賃金が高騰した場合には、定期修理工事や建設工事の遅延、工事原価の増加により工事採算が悪化し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、第2次中期経営計画において、メンテナンス事業遂行体制の強化として、協力会社の施工体制強化と協力会社への支援・指導を掲げております。

 プラント市場における建設労働力の動向や将来の中期的な工事需要の予測に基づき、必要な工事従事者数の把握に努めております。また、これらの情報を協力会社と共有化して連携を強化することにより、工事従事者不足のリスク低減を図っております。あわせて、工事従事者の賃金が高騰していることに対し、工事価格への転嫁や工事需要に基づいて安定的・計画的に協力会社等へ工事を発注することにより、急激な賃金高騰リスクの低減に努めております。

 

 

 

(2) 特定の取引先・製品・技術等への依存

 

分類

内容

統制活動の内容

特定業界・特定取引先への依存

 当社グループの事業は、石油・石油化学業界が主要な顧客であり、当該顧客に対する受注高・完成工事高が大きなウエイトを占めております。

 このため、国内におけるエネルギー政策や石油製品の需要、設備の合理化や事業再編等、業界の動向が当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 石油・石油化学業界では、将来的な石油製品需要の減少が予想され、業界再編や設備再編等が進展するなか、大規模な設備投資が見込めない状況にあります。

 現状においてはプラントの経年化対策工事や安全・安定稼働のためのメンテナンス需要に対応して業績の維持・拡大に努めるとともに、長期ビジョンRAIZNEXT Group V-2032や第2次中期経営計画で謳っております再生可能エネルギー等の新規領域における受注拡大を目指しております。

 

 

(3) 特有の法的規制・取引慣行・経営方針

 

分類

内容

統制活動の内容

コンプライアンスに関するリスク

 当社グループは、建設業法をはじめ様々な関係法令の適用を受けております。

 当該法令のみならず、当社の社内規程の遵守を含めた当社グループのコンプライアンス体制が十分に機能しなかった場合、当社グループが行政処分や訴訟等の対象になるなど、当社グループの信用、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、行動基準の第1項に「法令および社内規程の遵守」を掲げ、公正で透明性の高い企業活動を行う旨宣言しており、これを当社グループ内に周知・徹底しております。

 また、次のとおり、当社グループのコンプライアンス体制を整備・運用しております。

 1.コンプライアンス委員会を年2回開催し、コン プライアンス体制強化に係る年度活動計画の策定および活動状況のチェックを行う

 2.全員参加型の自主点検活動である「遵法状況点検」を毎年実施し、遵守法令の確認、コンプライアンス上疑義のある行為の早期把握・是正に努める

 3.社内法務部および社外の法律事務所を窓口とした「コンプライアンス・ホットライン制度」の整備・適正運用を図る

 4.建設業法、安全保障貿易管理関連等重要法令に係るコンプライアンス関連教育・研修を実施する

内部統制に関するリスク

 内部統制体制が十分に機能しない場合、業務の適正を確保できなくなり、当社グループの業績および財政状態、財務報告の信頼性等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、第2次中期経営計画におけるガバナンス体制の強化として、内部統制システムの整備・運用を掲げております。

 社会的信頼の失墜につながる不正行為の未然防止や会社目標達成に向けたルールや仕組み等、内部統制システムの整備・運用を図っております。

 また、当社取締役会で決議された「内部統制システムの整備・運用に関する基本方針」に基づき、業務の適正を確保する体制を構築・運用しています。具体的には内部統制委員会を設置し、ここで毎年定期的に内部統制システムの整備・運用状況の確認およびこれに係る計画を確認したうえ、その結果を経営会議において審議し取締役会で報告しています。また、財務報告の信頼性確保のため金融商品取引法に基づく内部統制にも対応しております。

 

 

(4) 重要な訴訟事件等の発生

 

分類

内容

統制活動の内容

重要な訴訟に関するリスク

 当社グループの事業活動に関連して、当社グループに対して訴訟その他法的措置が提起された場合、その内容によっては、当社グループの信用、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 各事業活動に係る契約の事前審査、社内決裁や取締役会決議に先立つ徹底したリーガルチェックの実施など、コンプライアンス体制の整備・適正運用を通じて、訴訟リスクの未然防止・軽減に努めております。また、取引先との間で紛争に発展する恐れのある事態に備え、あらかじめ社内法務部に相談する体制を整えております。さらに、万一、訴訟等が提起された場合に備え、社外の法律事務所と連携し、訴訟等に的確に対応する体制を整備しております。

 

 

(5) その他投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項

 

分類

内容

統制活動の内容

工事上の品質リスク

 設計・施工の品質管理には万全を期しておりますが、契約不履行責任および製造物責任に基づく損害賠償が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、長期ビジョンRAIZNEXT Group V-2032、第2次中期経営計画において、品質の確保を掲げております。

 事業に関連する各種法令や、ISO9001に基づく品質マネジメントシステム、各種技術基準等の遵守をはじめ、社内教育の充実や適正な人員配置等のマネジメント強化、業務遂行に関するルール・手順の見直し・整備、情報共有の強化により、設計や施工等の品質確保と品質不適合の発生防止に努めております。

 また、当社の契約不履行による品質トラブルが発生した場合に備え、これに対応する各種保険に加入することにより、費用負担の軽減に努めております。

情報セキュリティへの脅威

 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報、個人情報を管理しているほか、技術・営業・施工・経営情報等の事業に関する機密情報等を保有しております。

 コンピュータウイルスの感染、外部からの不正なアクセス、標的型のメール、サイバー攻撃、その他不測の事態により、重要な情報が社外に漏洩した場合は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、顧客や取引先の情報、個人情報、技術情報等についての秘密保持に係る規程を整備するとともに、取引基本契約に秘密保持条項を盛り込む等の対策をとっております。

 コンピュータのウイルス感染やサイバー攻撃については、情報漏洩、悪用を防ぐためのセキュリティ対策や、定期的な教育等を通じて従業員の意識の向上に努める等、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めております。

 また、新型コロナウイルス感染拡大に伴い在宅勤務が増加し、勤務場所も多様化していることから、コンピュータの使用について、更なるセキュリティ強化対策を進めております。

自然災害

地震、台風等の自然災害によって、正常な事業活動ができなくなる可能性があります。

 当社グループでは、危機管理規程に基づき、大地震、台風等の自然災害のリスクが顕在化した場合の対応に備えております。災害発生時においては、ただちに従業員の安否確認を実施するなど、人命と安全に最大限に配慮しつつ、顧客との連携を密にして、プラントの早期復旧に取り組むこととしております。

 また、東日本大震災以降、主要仕入先の所在地・在庫品目・在庫量等について都度モニタリングを行い、不測の事態が発生した場合も供給体制が整えられるよう努めております。

 なお、平時においては、安否確認システムの整備、非常用物資の備蓄、顧客との災害時応援協定の締結など災害発生時に備えております。さらに、首都直下地震により本社が被災した場合に備え、首都圏外の事業所に暫定的な対策本部を設置することなどを含む事業継続計画を策定し、当該計画の運用・見直しを進めております。

パンデミック

国内や全世界的な新型コロナウイルス等感染症の蔓延により、経済活動に重大な影響や制限が発生し、当社グループの従業員への感染等により事業活動が大きく制限された場合は、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、危機管理規程に基づき新型コロナウイルス対策本部を設置し、感染症に係るタイムリーな情報収集と各種対策・ロードマップの立案・実施等により、感染症が事業に重大な影響を及ぼすことのないように努めております。

 従業員に対しては、自身の健康管理を徹底させるとともに、政府・地方自治体の要請に応じ、可能な限り在宅勤務の実施や会議・出張等の自粛、衛生面などの感染防止対策を徹底しております。特に工事現場においては、衛生管理や「三密」回避等の徹底した感染拡大防止を実施するとともに協力会社に所属社員の健康管理の徹底、感染者発生時の情報共有などを要請しております。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響による資機材供給の遅延等に対しては、常に情報収集を行い、これらを社内および顧客に伝え、納期調整を行うよう努めております。

 

 

 

分類

内容

統制活動の内容

プラント事故

 当社グループがメンテナンスや建設工事に携わったプラントに、何らかの原因によって操業停止、爆発、火災等の重大事故が発生し、その発生原因が当社グループの責任である場合には、損害賠償責任、プラントの復旧に係る負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、危機管理規程に基づき緊急事態に備えております。また、事業に関連する各種法令や、ISO9001に基づく品質マネジメントシステム、現地工事安全衛生管理基準、作業安全基準、各種技術基準等の遵守を徹底することで、施工上の事故や品質不適合の発生防止に努めております。加えて、事故や契約不履行が発生した場合に備え、各種保険に加入することにより、費用負担の軽減に努めております。

労働災害

 当社グループは、プラントのメンテナンスや建設工事にあたり、工事上の安全について徹底した管理を行っております。しかしながら、万一、労働災害、事故が発生した場合は、信用の失墜につながり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、長期ビジョンRAIZNEXT Group V-2032、第2次中期経営計画において安全の確保を掲げております。

 プラントのメンテナンスや建設工事にあたり、安全衛生に係る各種法令や規程・マニュアル等の遵守など工事上の安全について徹底した管理を行うとともに、労働災害・事故が発生した場合に備えて各種保険に加入することにより、費用負担の軽減に努めております。また、事業活動に重大な影響を及ぼす労働災害が発生した場合には、危機管理規程に基づき対応することとしております。

人材の確保

当社グループは、事業の維持・成長に必要な人材の確保に努めております。国内の少子・高齢化や景気動向による労働市場の需給バランスの変化、人材の流動化の進展等により、人材の確保が想定どおりに進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、長期ビジョンRAIZNEXT Group V-2032、第2次中期経営計画において、人材の確保と育成を掲げております。

 安定的に事業を継続するためには、長期的な視点に立った人材の確保が必要です。人材の確保については、新卒採用だけでなく、積極的な中途採用を進めるとともに、女性社員の積極的採用と育成、人材の多様化促進にも取り組んでまいります。また、人事諸制度に基づいた公平な評価、処遇の充実など仕組みの構築を図り、従業員の帰属意識を高める施策により人材の定着を図っております。

 なお、人材育成については、教育研修体系のブラッシュアップや公的資格の取得を含めた計画的な育成・増員、中堅社員、責任者クラスの育成のため、指導者としてシニア人材を活用するなど早期の人材育成に取り組んでおります。

改正労働法に関するリスク

 法改正に基づき、2024年4月から、建設事業の労働時間の上限規制が施行されます。上限規制を遵守できない場合は罰則が科せられ、その結果、顧客の信用を失い、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 建設業界において長時間労働が常態化していることは否めませんが、当社グループでは、長期ビジョンRAIZNEXT Group V-2032、第2次中期経営計画において時間外労働対策を掲げ、残業時間の削減、健康管理への取組み、有給休暇取得の推進・強化のための各種施策の徹底を図っております。

 2020年度より「時間外労働管理ガイドライン」を制定し、時間外労働時間の管理・徹底を図るとともに、人員の増加・適正な配置等も計画しております。また、現場においては大型案件に従事する人員の調整や負荷の多い責任者クラスの早期育成に取り組んでおります。あわせて、人手不足や工事の集中化などによる長時間労働の対策として、工事工程の調整や休日の確保などの施策を顧客と協力して取り組み、労働時間のさらなる削減に努めております。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
 ① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度のわが国経済は、前期に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況の中で推移しましたが、感染対策の徹底やワクチン接種が促進され、社会経済活動が正常化に向かう中で、景気は持ち直しの動きも見られました。しかしながら、変異株の出現による新型コロナウイルス感染症の再拡大やウクライナ情勢等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
 当社を取り巻く事業環境につきましては、石油業界では、自動車の低燃費化を主要因とする構造的な需要低下により精製能力の削減と稼働調整が行われており、加えて新型コロナウイルス感染症の影響により製品需要が低迷しています。
 また、石油化学や一般化学業界では、一部で需要回復の兆しは見られるものの、全般的には新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、製品需要が低迷した状況が続きました。
  工事施工にかかわるステンレス鋼などの一部資材は、ウクライナ情勢により価格が高騰したものの、国内在庫が確保されており、当期は資材確保の問題はありませんでした。ただし、ウクライナ情勢が長期化した場合、納期の長期化などが今後懸念されます。
 こうした状況下、前期はメンテナンス分野で石油・石油化学関連の定期修理工事が多い年にあたり堅調に推移しましたが、当期はこれらの定期修理工事が少なかったことから、通期では受注高・完成工事高が減少しました。
 収益面におきましては、改造改修工事等の工事量が当初想定を上回ったことに加え、直接工事費や経費の削減、稼働の効率化等により個々の工事における収益性の向上に努めた結果、増益となりました。
 

 

(財政状態)

当連結会計年度末における資産合計は、1,007億81百万円で、前期末より36億59百万円増加しました。これは、未成工事支出金が61億56百万円減少したものの、現金及び預金が61億52百万円、受取手形、完成工事未収入金及び契約資産が30億78百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度末における負債合計は、214億38百万円で、前期末より17億93百万円減少しました。これは、退職給付に係る負債が16億89百万円減少したこと等によるものであります。

当連結会計年度末における純資産合計は、793億42百万円で、前期末より54億52百万円増加しました。これは、その他有価証券評価差額金が3億13百万円減少したものの、利益剰余金が47億69百万円、退職給付に係る調整累計額が12億30百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

(経営成績)

当社グループの連結の業績は、受注高1,412億29百万円(前期比1.3%減)、完成工事高1,298億32百万円(前期比11.0%減)、営業利益109億82百万円(前期比5.7%増)、経常利益112億70百万円(前期比5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益77億48百万円(前期比5.5%増)となりました。

当社単体の業績は、受注高1,322億9百万円(前期比1.3%減)、完成工事高は1,212億4百万円(前期比11.5%減)、営業利益100億83百万円(前期比7.1%増)、経常利益105億92百万円(前期比6.5%増)、当期純利益86億19百万円(前期比30.0%増)となりました。

 

    受注高の工事種類別内訳                   (単位:百万円)

 

受注高

前連結会計年度(2021年3月期)

当連結会計年度(2022年3月期)

前期比

増減率

 

メンテナンス

101,210

90,167

△11,043

△10.9%

 

エンジニアリング

41,885

51,062

9,176

21.9%

エンジニアリング業

143,095

141,229

△1,866

△1.3%

 

 

    完成工事高の工事種類別内訳                 (単位:百万円)

 

完成工事高

前連結会計年度(2021年3月期)

当連結会計年度(2022年3月期)

前期比

増減率

 

メンテナンス

101,364

87,032

△14,332

△14.1

 

エンジニアリング

44,438

42,679

△1,759

△4.0

エンジニアリング業

145,803

129,711

△16,091

△11.0

その他事業

111

121

9

8.6

合 計

145,914

129,832

△16,081

△11.0

 

 

  (注)その他は、不動産の賃貸等などであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金および現金同等物は、前期末に比べ61億48百万円(前期比92.0%)増加し、期末残高は128億35百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュフローは、111億57百万円のプラスとなり、前期に比べ25億65百万円のプラスになりました。主な支出は、未払消費税等の減少額12億59百万円、法人税等の支払額10億51百万円、主な収入は、税金等調整前当期純利益113億16百万円によるものであります

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュフローは、22億25百万円のマイナスとなり、前期に比べ11億23百万円のマイナスとなりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出29億49百万円によるものであります

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュフローは、28億49百万円のマイナスとなり、前期に比べ43億20百万円のプラスとなりました。主な支出は、配当金の支払額29億78百万円によるものであります

 

 

③生産、受注及び販売の実績

 1) 受注実績

事業セグメント別

区分

前連結会計年度(百万円)

当連結会計年度(百万円)

エンジニアリング業

 

 

  石油・石油化学関係

107,957

92,378

  一般工業関係

35,137

48,851

合計

143,095

141,229

 

 

 2) 売上実績

事業セグメント別

区分

前連結会計年度(百万円)

当連結会計年度(百万円)

エンジニアリング業

 

 

  石油・石油化学関係

98,318

90,458

  一般工業関係

47,484

39,252

145,803

129,711

その他の事業

111

121

合計

145,914

129,832

 

 

工事種類別

 

区分

前連結会計年度(百万円)

当連結会計年度(百万円)

エンジニアリング業

 

 

  メンテナンス

101,364

87,032

  エンジニアリング

44,438

42,679

145,803

129,711

その他の事業

111

121

合計

145,914

129,832

 

(注) 1 当社グループでは、エンジニアリング業以外は受注生産を行っておりません。

2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載を省略しております。

3 主な相手先別の完成工事高および総完成工事高に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

完成工事高(百万円)

割合(%)

完成工事高(百万円)

割合(%)

ENEOS㈱

60,708

41.6

44,730

34.5

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、期末日現在の資産、負債および期間中の収益、費用の報告額に影響する判断および見積りが要求され、過去の実績および状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っております。

当社グループは特に以下の会計方針の適用において見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合もあります。

また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5経理の状況」の「1連結財務諸表等  注記事項 (追加情報)(新型コロナウイルス感染症拡大の影響)」に記載したとおりであります。

1)貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定の債権については、保守的に見積った回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。

取引先の財政状態および業績が見込以上に悪化した場合等、貸倒懸念債権等の特定の債権の回収可能性の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

2)工事損失引当金

当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における未引渡工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。

実際の工事施工状況が予定から乖離する等、工事損失発生の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において工事損失の追加計上が必要となる可能性があります。

3)完成工事補償引当金

当社グループは、完成工事に係る瑕疵担保等の費用に備えるため、過去の経験割合に基づく一定の算定基準を基礎に、期末日現在において予定されている瑕疵担保等の費用を合理的に見積った補償見込額を加味して完成工事補償引当金として計上しております。

瑕疵担保等の費用の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において補償損失の追加計上が必要となる可能性があります。

4)退職給付に係る負債

当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、見積りを反映した各種の仮定に基づく数理計算により算出された退職給付に係る負債を計上しております。

これらの各種仮定には、割引率、長期期待運用収益率、予想昇給率等が含まれており、実際の結果が見積りの前提と異なる場合、または前提が変更された場合、来期以降の連結財務諸表において退職給付債務および費用に影響する可能性があります。

5)繰延税金資産

当社グループは、期末日後将来的に発生する課税所得を見積り、当該課税所得に係わる税金負担を軽減する効果を有すると判断した回収可能額を繰延税金資産として計上しております。

将来課税所得の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において繰延税金資産の調整額の計上により損益に影響する可能性があります。

6)収益及び費用の計上基準

当社グループは、履行義務の充足に係る進捗度の合理的な見積りができる工事については、一定期間にわたり履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。進捗度は、当連結会計年度末までの既発生原価累計額を工事完了までの見積総原価と比較することにより測定しております。また、履行義務の充足に係る進捗度の合理的な見積りができない工事については、原価回収基準、工事期間が短いメンテナンス工事については、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しております。

実際の工事施工状況が予定から乖離する等、工事収益総額および工事原価総額の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において工事損益に影響する可能性があります。

7)固定資産の減損

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについては、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。

減損の兆候の把握、並びに減損損失の認識および測定の前提となる割引前将来キャッシュ・フローの見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1) 経営成績等の状況

当社グループの当期の経営成績は、受注高1,412億29百万円(前期比1.3%減)、完成工事高1,298億32百万円(前期比11.0%減)、営業利益109億82百万円(前期比5.7%増)経常利益112億70百万円(前期比5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益77億48百万円(前期比5.5%増)となりました。

  ア 受注高および完成工事高

 受注高が前期比で18億66百万円減少し、完成工事高が前期比で160億81百万円減少となった要因は、前期は主要顧客である石油・石油化学業界において定期修理工事が多い年にあたり堅調に推移しましたが、当期はこれらの定期修理工事が少なかったことによるものです。

 イ 営業利益

 営業利益は、改造改修工事等の工事量が当初想定を上回ったことに加え、直接工事費や経費の削減、稼働の効率化等により個々の工事における収益性の向上に努めた結果、前期比で5億96百万円増加となりました。

 ウ 経常利益

 経常利益は、営業外損益において収支差し引きでプラス2億87百万円となり、前期比で6億13百万円の増加となりました。

 エ 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比で4億4百万円増加となりました。

 

2) 経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因については、「2事業等のリスク」に記載したとおりであります。当社グループを取り巻く環境は、国内の石油製品の需要減少により、経営環境は楽観できない状況が続くものと予想されます。

3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの当期末における現金および現金同等物は、前期末に比べ61億48百万円(92.0%)増加し、期末残高は128億35百万円となりました。概要については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当期におけるキャッシュ・フロー施策として、新規分野、新規事業への参入を行い、健全なキャッシュ・フローを維持できる収益の確保に努めてまいりました。

また、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、金融機関との取引関係の維持、調達先の分散など、資金調達リスクを軽減するため様々な対策をとっております。

4) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題」に記載したとおり、将来の事業環境を踏まえ、2021年3月に「2032年度までに当社グループがありたい姿」を描いた長期ビジョンである「RAIZNEXT Group V-2032」を策定いたしました。また、あわせて2021~2024年度を対象とする「第2次中期経営計画-RAIZNEXT SYNERGY POWER」を策定いたしました。第2次中期経営計画は、第1次中期経営計画に続く「シナジー効果の創出」の期間であるとともに、長期ビジョンの実現に向けたファーストステップと位置付けております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、当社が顧客に提供するソリューション・サービスに係る技術力の強化を目指して取り組んでいるものであります。

当連結会計年度は第2次中期経営計画の初年度として、「メンテナンス事業の強化」をキーワードに活動を展開しました。具体的には、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化、および現場業務のIT化を踏まえ、DX(Digital Transformation)の推進を目指し、各種先進技術の活用・導入を図ってまいりました。

なお、当期の研究開発費の総額は85百万円であり、主な取組みは次のとおりです。

(1)メンテナンス作業の機械化

 既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化および安全性の向上を目的とした作業の機械化に取り組みました。

①熱交換器のメンテナンスに関連する技術

 熱交換器のカバー類の脱着について、狭所における支保工材を活用した工法の改善策としてより軽量で取扱いが容易な部材の採用や冶具の開発を行いました。また、熱交換器の開放作業において、高温高圧の環境下で使用される事によって発生するボルトの焼き付き、かじりの対応策として、従来の火気によるボルトの溶断や手作業による切断に代わり、より安全で効率的な工法として既存製品を応用した無火気切断工法を確立しました。今後は現場での実績を蓄積し、これらの標準化を図ってまいります。

さらに、技術者不足の懸念がある熱交換機チューブバンドルのリチュービング作業や内面洗浄の非熟練化や機械化への取組みを開始しました。当期においては、既存製品の作業性の評価を中心に活動を実施し、来期以降は当社オリジナル製品の開発も視野に活動を進めてまいります。

②配管切断技術

 以前より活動を実施しているウォータージェットを利用した切断機に関して、配管の外径に限定されていた工具をフレキシブルに対応すべく専用機材の設計を行いました。来期は設計した機材の製作と現場への適用実績を蓄積し、更なる改良を重ね、既存の技術を含むコールドカッティング技術全体のメニュー化を図ってまいります。

③自動溶接の適用範囲拡大

 当期においてはタンク側板自動溶接の適用範囲を縦継手まで拡大すべく、溶接条件の検討並びに実験を行ってまいりました。板厚による溶接条件の確立や安定した溶接の品質確保を目標に、来期も当期で得られた知見を元に、現場への適用を目指してまいります。

④溶接士不足への対応

 将来的に溶接士の不足が懸念されることから、前期に引き続き、自動溶接機による配管の溶接実験を継続して行いました。現場適用を目標に進めておりましたが、溶接条件や機材の特性から現場への適用は難易度が高い事が分かり、導入には至っておりません。今後は現場適用だけではなく、弊社工場での活用も視野にいれ、検討を継続してまいります。

今後も、メンテナンス技術力の強化を目標にメンテナンス作業の機械化を進めてまいります。

(2)現場業務のIT化

 現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化するとともに業務品質を向上させることを目指して、ITツールの開発とその活用法に取り組みました。

工事情報共有化・工事進捗管理システム

 当社が自社開発した工事情報共有化・工事進捗管理システム(SPIRIT)は、多くの定期修理工事現場においてお客様や他の元請会社にご活用いただいております。当該システムの開発、運用から7年が経過したことから、最新のIT技術を活用してこれまで以上にユーザーフレンドリーなシステムにすべく抜本的に見直し、再構築するためにPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施いたしました。このPoCによって、新たに開発する機能等の実現性が検証できたことを受け、前期より社内外のユーザーをメンバーとするプロジェクト体制を組んで開発を実施してまいりました。その結果、計画通り開発を完了し、2022年1月に現場への初回導入を実施いたしましたが、社内外から高い評価を得ることができました。来期以降も継続して必要な機能の開発を行いつつ、並行して定期修理工事現場へ積極的に導入してまいります。

位置情報管理技術の開発

 IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を用いて現場機器等の管理を行うため、位置情報管理システムの開発を進めておりますが、近距離無線通信の活用によって位置測位精度の向上を図ることができました。これをGPS技術と組み合わせることで広域における大まかな位置情報と狭域における精度の高い位置情報の取得が可能となりました。今後は、現場での適用拡大を図り、標準化を目指してまいります。

③VR(Virtual Reality:バーチャル・リアリティ、仮想現実)映像の現場活用

 前期は安全体感VRの有効性を検証し、現場での安全教育へ導入、運用を実施いたしました。当期は以前より開発しておりました、熱交換器チューブバンドルの抜出、挿入に使用するハイドロエキストラクターの操作VRの制作を完了させました。来期には弊社内の教育に生かすべく、活用ならびに展開を図ってまいります。

 ④AI(Artificial Intelligence:人工知能)

 AIを現場管理業務に適用するため、「予測系AI」「認識系AI」「対話系AI」によってどのような現場業務に効果が見出せるか、の検討を開始しました。また、AIを活用した各種ツールが急速に普及しておりますが、その有効性と現場活用について調査を実施しました。

  これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく、働き方改革にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指して継続的に推進してまいります。

(3)その他の技術等

 ①溶接技術の確立

 溶接補修により溶接熱影響部のクリープ寿命に著しい影響を及ぼすといわれている材料について、適切な溶接技術を確立するための材料評価を実施してまいりました。基礎データの採取を経て、溶接補修を施した試験片の製作と硬度およびクリープ試験によるデータ採取しました。さらに基礎データと比較することで溶接欠陥への対処に関する知見を獲得し、リスクを回避した溶接施工方法を確立、目標の一つであった電気事業法への対応も完了した事から、当社の補修技術として展開を図ってまいります。

②FREND検査™

 当社は、熱交換器、ボイラチューブの内・外面腐食検査を高精度かつ迅速に行うことができる、独自の検査技術(FREND検査™)を有しております。この技術をUベンドを有する熱交換器チューブに適用すべく、曲率半径の小さなUベンド部を通過できるセンサの開発に着手し、良好な結果を得ることができました。さらに異なる型式の熱交換器チューブへの適用を目指して開発を進めておりましたが、当期において十分な実績と知見を得られましたので、対応範囲を拡大し、顧客の拡大に努めてまいります。

 ③ドローンの活用

 活用法が急拡大しているドローン技術について、点検・検査に止まらずメンテナンス現場やエンジニアリング分野での活用について検討を実施しました。プラント設備内や配管内の点検、メンテナンスを中心に検討を行いましたが、マルチパスと呼ばれる電波干渉の影響で、機器内部で墜落するリスクがある事から、導入には至りませんでした。今後は屋外飛行による施工記録、外面検査等への適用に向けて調査、検証を継続します。

Liderの活用

 新型iPhoneに実装されたLider(レーザー光を照射し、物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定する技術)を活用した、現場採寸業務と設計図への反映について検討を開始しました。測定精度の問題から設計業務への活用は困難であると分かりましたが、その他業務への活用を含めて検証を継続してまいります。

 

当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラント設備の老朽化が進み、安全・安定操業に対するニーズの高まりや経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス請負企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が早急に求められております。

 

  当社グループはこれからも、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発活動を実施してまいります。研究開発のテーマ選定にあたっては、これまでどおり国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、第2次中期経営計画に掲げたDXの推進に向けて、2021年6月に発足した当社新組織「DX推進室」を中心に、他部署との連携を強化し、デジタル技術や先進技術を活用したテーマを積極的に推進してまいります。