(1)経営の基本方針
[企業理念]
[長期ビジョン]
[行動指針]
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社グループでは、将来の事業環境を踏まえ、昨年長期ビジョン「RAIZNEXT Group V-2032」および「第2次中期経営計画-RAIZNEXT SYNERGY POWER」を策定いたしました。
第2次中期経営計画は、第1次中期経営計画につづき、本格的な「シナジー効果の創出」を行うための計画であるとともに、長期ビジョンの実現に向けたファーストステップと位置付けております。
なお、第2次中期経営計画では、次の経営数値目標を掲げております。
① 業績計画
第2次中期経営計画最終年度(2024年度 2025年3月期)業績目標
<連結>
② 経営指標の目標値
自己資本当期純利益率(ROE)・・・ 8%以上
連結配当性向 ・・・・・・・・・・40%以上
長期ビジョン、第2次中期経営計画の詳細につきましては、当社ウェブサイトに掲載しておりますので、そちらをご参照願います。(https://www.raiznext.co.jp/)
当社グループの事業に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のような項目があります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生回避および発生した場合の対応に努める所存であります。なお、これらの項目のうち、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(2) 特定の取引先・製品・技術等への依存
(3) 特有の法的規制・取引慣行・経営方針
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、前期に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況の中で推移しましたが、感染対策の徹底やワクチン接種が促進され、社会経済活動が正常化に向かう中で、景気は持ち直しの動きも見られました。しかしながら、変異株の出現による新型コロナウイルス感染症の再拡大やウクライナ情勢等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社を取り巻く事業環境につきましては、石油業界では、自動車の低燃費化を主要因とする構造的な需要低下により精製能力の削減と稼働調整が行われており、加えて新型コロナウイルス感染症の影響により製品需要が低迷しています。
また、石油化学や一般化学業界では、一部で需要回復の兆しは見られるものの、全般的には新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、製品需要が低迷した状況が続きました。
工事施工にかかわるステンレス鋼などの一部資材は、ウクライナ情勢により価格が高騰したものの、国内在庫が確保されており、当期は資材確保の問題はありませんでした。ただし、ウクライナ情勢が長期化した場合、納期の長期化などが今後懸念されます。
こうした状況下、前期はメンテナンス分野で石油・石油化学関連の定期修理工事が多い年にあたり堅調に推移しましたが、当期はこれらの定期修理工事が少なかったことから、通期では受注高・完成工事高が減少しました。
収益面におきましては、改造改修工事等の工事量が当初想定を上回ったことに加え、直接工事費や経費の削減、稼働の効率化等により個々の工事における収益性の向上に努めた結果、増益となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は、1,007億81百万円で、前期末より36億59百万円増加しました。これは、未成工事支出金が61億56百万円減少したものの、現金及び預金が61億52百万円、受取手形、完成工事未収入金及び契約資産が30億78百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、214億38百万円で、前期末より17億93百万円減少しました。これは、退職給付に係る負債が16億89百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、793億42百万円で、前期末より54億52百万円増加しました。これは、その他有価証券評価差額金が3億13百万円減少したものの、利益剰余金が47億69百万円、退職給付に係る調整累計額が12億30百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(経営成績)
当社グループの連結の業績は、受注高1,412億29百万円(前期比1.3%減)、完成工事高1,298億32百万円(前期比11.0%減)、営業利益109億82百万円(前期比5.7%増)、経常利益112億70百万円(前期比5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益77億48百万円(前期比5.5%増)となりました。
当社単体の業績は、受注高1,322億9百万円(前期比1.3%減)、完成工事高は1,212億4百万円(前期比11.5%減)、営業利益100億83百万円(前期比7.1%増)、経常利益105億92百万円(前期比6.5%増)、当期純利益86億19百万円(前期比30.0%増)となりました。
受注高の工事種類別内訳 (単位:百万円)
完成工事高の工事種類別内訳 (単位:百万円)
(注)その他は、不動産の賃貸等などであります。
当連結会計年度末における連結ベースの現金および現金同等物は、前期末に比べ61億48百万円(前期比92.0%)増加し、期末残高は128億35百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュフローは、111億57百万円のプラスとなり、前期に比べ25億65百万円のプラスになりました。主な支出は、未払消費税等の減少額12億59百万円、法人税等の支払額10億51百万円、主な収入は、税金等調整前当期純利益113億16百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュフローは、22億25百万円のマイナスとなり、前期に比べ11億23百万円のマイナスとなりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出29億49百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュフローは、28億49百万円のマイナスとなり、前期に比べ43億20百万円のプラスとなりました。主な支出は、配当金の支払額29億78百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
事業セグメント別
事業セグメント別
工事種類別
(注) 1 当社グループでは、エンジニアリング業以外は受注生産を行っておりません。
2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載を省略しております。
3 主な相手先別の完成工事高および総完成工事高に対する割合は、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、期末日現在の資産、負債および期間中の収益、費用の報告額に影響する判断および見積りが要求され、過去の実績および状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っております。
当社グループは特に以下の会計方針の適用において見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合もあります。
また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5経理の状況」の「1連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)(新型コロナウイルス感染症拡大の影響)」に記載したとおりであります。
1)貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定の債権については、保守的に見積った回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。
取引先の財政状態および業績が見込以上に悪化した場合等、貸倒懸念債権等の特定の債権の回収可能性の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
2)工事損失引当金
当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における未引渡工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。
実際の工事施工状況が予定から乖離する等、工事損失発生の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において工事損失の追加計上が必要となる可能性があります。
3)完成工事補償引当金
当社グループは、完成工事に係る瑕疵担保等の費用に備えるため、過去の経験割合に基づく一定の算定基準を基礎に、期末日現在において予定されている瑕疵担保等の費用を合理的に見積った補償見込額を加味して完成工事補償引当金として計上しております。
瑕疵担保等の費用の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において補償損失の追加計上が必要となる可能性があります。
4)退職給付に係る負債
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、見積りを反映した各種の仮定に基づく数理計算により算出された退職給付に係る負債を計上しております。
これらの各種仮定には、割引率、長期期待運用収益率、予想昇給率等が含まれており、実際の結果が見積りの前提と異なる場合、または前提が変更された場合、来期以降の連結財務諸表において退職給付債務および費用に影響する可能性があります。
5)繰延税金資産
当社グループは、期末日後将来的に発生する課税所得を見積り、当該課税所得に係わる税金負担を軽減する効果を有すると判断した回収可能額を繰延税金資産として計上しております。
将来課税所得の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において繰延税金資産の調整額の計上により損益に影響する可能性があります。
6)収益及び費用の計上基準
当社グループは、履行義務の充足に係る進捗度の合理的な見積りができる工事については、一定期間にわたり履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。進捗度は、当連結会計年度末までの既発生原価累計額を工事完了までの見積総原価と比較することにより測定しております。また、履行義務の充足に係る進捗度の合理的な見積りができない工事については、原価回収基準、工事期間が短いメンテナンス工事については、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しております。
実際の工事施工状況が予定から乖離する等、工事収益総額および工事原価総額の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において工事損益に影響する可能性があります。
7)固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについては、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、並びに減損損失の認識および測定の前提となる割引前将来キャッシュ・フローの見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、来期以降の連結財務諸表において減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。
1) 経営成績等の状況
当社グループの当期の経営成績は、受注高1,412億29百万円(前期比1.3%減)、完成工事高1,298億32百万円(前期比11.0%減)、営業利益109億82百万円(前期比5.7%増)経常利益112億70百万円(前期比5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益77億48百万円(前期比5.5%増)となりました。
ア 受注高および完成工事高
受注高が前期比で18億66百万円減少し、完成工事高が前期比で160億81百万円減少となった要因は、前期は主要顧客である石油・石油化学業界において定期修理工事が多い年にあたり堅調に推移しましたが、当期はこれらの定期修理工事が少なかったことによるものです。
イ 営業利益
営業利益は、改造改修工事等の工事量が当初想定を上回ったことに加え、直接工事費や経費の削減、稼働の効率化等により個々の工事における収益性の向上に努めた結果、前期比で5億96百万円増加となりました。
ウ 経常利益
経常利益は、営業外損益において収支差し引きでプラス2億87百万円となり、前期比で6億13百万円の増加となりました。
エ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比で4億4百万円増加となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2事業等のリスク」に記載したとおりであります。当社グループを取り巻く環境は、国内の石油製品の需要減少により、経営環境は楽観できない状況が続くものと予想されます。
当社グループの当期末における現金および現金同等物は、前期末に比べ61億48百万円(92.0%)増加し、期末残高は128億35百万円となりました。概要については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当期におけるキャッシュ・フロー施策として、新規分野、新規事業への参入を行い、健全なキャッシュ・フローを維持できる収益の確保に努めてまいりました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、金融機関との取引関係の維持、調達先の分散など、資金調達リスクを軽減するため様々な対策をとっております。
当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題」に記載したとおり、将来の事業環境を踏まえ、2021年3月に「2032年度までに当社グループがありたい姿」を描いた長期ビジョンである「RAIZNEXT Group V-2032」を策定いたしました。また、あわせて2021~2024年度を対象とする「第2次中期経営計画-RAIZNEXT SYNERGY POWER」を策定いたしました。第2次中期経営計画は、第1次中期経営計画に続く「シナジー効果の創出」の期間であるとともに、長期ビジョンの実現に向けたファーストステップと位置付けております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、当社が顧客に提供するソリューション・サービスに係る技術力の強化を目指して取り組んでいるものであります。
当連結会計年度は第2次中期経営計画の初年度として、「メンテナンス事業の強化」をキーワードに活動を展開しました。具体的には、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化、および現場業務のIT化を踏まえ、DX(Digital Transformation)の推進を目指し、各種先進技術の活用・導入を図ってまいりました。
なお、当期の研究開発費の総額は
(1)メンテナンス作業の機械化
既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化および安全性の向上を目的とした作業の機械化に取り組みました。
①熱交換器のメンテナンスに関連する技術
熱交換器のカバー類の脱着について、狭所における支保工材を活用した工法の改善策としてより軽量で取扱いが容易な部材の採用や冶具の開発を行いました。また、熱交換器の開放作業において、高温高圧の環境下で使用される事によって発生するボルトの焼き付き、かじりの対応策として、従来の火気によるボルトの溶断や手作業による切断に代わり、より安全で効率的な工法として既存製品を応用した無火気切断工法を確立しました。今後は現場での実績を蓄積し、これらの標準化を図ってまいります。
さらに、技術者不足の懸念がある熱交換機チューブバンドルのリチュービング作業や内面洗浄の非熟練化や機械化への取組みを開始しました。当期においては、既存製品の作業性の評価を中心に活動を実施し、来期以降は当社オリジナル製品の開発も視野に活動を進めてまいります。
②配管切断技術
以前より活動を実施しているウォータージェットを利用した切断機に関して、配管の外径に限定されていた工具をフレキシブルに対応すべく専用機材の設計を行いました。来期は設計した機材の製作と現場への適用実績を蓄積し、更なる改良を重ね、既存の技術を含むコールドカッティング技術全体のメニュー化を図ってまいります。
③自動溶接の適用範囲拡大
当期においてはタンク側板自動溶接の適用範囲を縦継手まで拡大すべく、溶接条件の検討並びに実験を行ってまいりました。板厚による溶接条件の確立や安定した溶接の品質確保を目標に、来期も当期で得られた知見を元に、現場への適用を目指してまいります。
④溶接士不足への対応
将来的に溶接士の不足が懸念されることから、前期に引き続き、自動溶接機による配管の溶接実験を継続して行いました。現場適用を目標に進めておりましたが、溶接条件や機材の特性から現場への適用は難易度が高い事が分かり、導入には至っておりません。今後は現場適用だけではなく、弊社工場での活用も視野にいれ、検討を継続してまいります。
今後も、メンテナンス技術力の強化を目標にメンテナンス作業の機械化を進めてまいります。
(2)現場業務のIT化
現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化するとともに業務品質を向上させることを目指して、ITツールの開発とその活用法に取り組みました。
①工事情報共有化・工事進捗管理システム
当社が自社開発した工事情報共有化・工事進捗管理システム(SPIRIT)は、多くの定期修理工事現場においてお客様や他の元請会社にご活用いただいております。当該システムの開発、運用から7年が経過したことから、最新のIT技術を活用してこれまで以上にユーザーフレンドリーなシステムにすべく抜本的に見直し、再構築するためにPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施いたしました。このPoCによって、新たに開発する機能等の実現性が検証できたことを受け、前期より社内外のユーザーをメンバーとするプロジェクト体制を組んで開発を実施してまいりました。その結果、計画通り開発を完了し、2022年1月に現場への初回導入を実施いたしましたが、社内外から高い評価を得ることができました。来期以降も継続して必要な機能の開発を行いつつ、並行して定期修理工事現場へ積極的に導入してまいります。
②位置情報管理技術の開発
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を用いて現場機器等の管理を行うため、位置情報管理システムの開発を進めておりますが、近距離無線通信の活用によって位置測位精度の向上を図ることができました。これをGPS技術と組み合わせることで広域における大まかな位置情報と狭域における精度の高い位置情報の取得が可能となりました。今後は、現場での適用拡大を図り、標準化を目指してまいります。
③VR(Virtual Reality:バーチャル・リアリティ、仮想現実)映像の現場活用
前期は安全体感VRの有効性を検証し、現場での安全教育へ導入、運用を実施いたしました。当期は以前より開発しておりました、熱交換器チューブバンドルの抜出、挿入に使用するハイドロエキストラクターの操作VRの制作を完了させました。来期には弊社内の教育に生かすべく、活用ならびに展開を図ってまいります。
④AI(Artificial Intelligence:人工知能)
AIを現場管理業務に適用するため、「予測系AI」「認識系AI」「対話系AI」によってどのような現場業務に効果が見出せるか、の検討を開始しました。また、AIを活用した各種ツールが急速に普及しておりますが、その有効性と現場活用について調査を実施しました。
これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく、働き方改革にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指して継続的に推進してまいります。
(3)その他の技術等
①溶接技術の確立
溶接補修により溶接熱影響部のクリープ寿命に著しい影響を及ぼすといわれている材料について、適切な溶接技術を確立するための材料評価を実施してまいりました。基礎データの採取を経て、溶接補修を施した試験片の製作と硬度およびクリープ試験によるデータ採取しました。さらに基礎データと比較することで溶接欠陥への対処に関する知見を獲得し、リスクを回避した溶接施工方法を確立、目標の一つであった電気事業法への対応も完了した事から、当社の補修技術として展開を図ってまいります。
②FREND検査™
当社は、熱交換器、ボイラチューブの内・外面腐食検査を高精度かつ迅速に行うことができる、独自の検査技術(FREND検査™)を有しております。この技術をUベンドを有する熱交換器チューブに適用すべく、曲率半径の小さなUベンド部を通過できるセンサの開発に着手し、良好な結果を得ることができました。さらに異なる型式の熱交換器チューブへの適用を目指して開発を進めておりましたが、当期において十分な実績と知見を得られましたので、対応範囲を拡大し、顧客の拡大に努めてまいります。
③ドローンの活用
活用法が急拡大しているドローン技術について、点検・検査に止まらずメンテナンス現場やエンジニアリング分野での活用について検討を実施しました。プラント設備内や配管内の点検、メンテナンスを中心に検討を行いましたが、マルチパスと呼ばれる電波干渉の影響で、機器内部で墜落するリスクがある事から、導入には至りませんでした。今後は屋外飛行による施工記録、外面検査等への適用に向けて調査、検証を継続します。
④Liderの活用
新型iPhoneに実装されたLider(レーザー光を照射し、物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定する技術)を活用した、現場採寸業務と設計図への反映について検討を開始しました。測定精度の問題から設計業務への活用は困難であると分かりましたが、その他業務への活用を含めて検証を継続してまいります。
当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラント設備の老朽化が進み、安全・安定操業に対するニーズの高まりや経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス請負企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が早急に求められております。
当社グループはこれからも、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発活動を実施してまいります。研究開発のテーマ選定にあたっては、これまでどおり国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、第2次中期経営計画に掲げたDXの推進に向けて、2021年6月に発足した当社新組織「DX推進室」を中心に、他部署との連携を強化し、デジタル技術や先進技術を活用したテーマを積極的に推進してまいります。