文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において、当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。)が判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。
当社グループは、「人間尊重」と「三つの喜び」(買う喜び、売る喜び、創る喜び)を基本理念としています。「人間尊重」とは、自立した個性を尊重しあい、平等な関係に立ち、信頼し、持てる力を尽くすことで、共に喜びをわかちあうという理念であり、「三つの喜び」とは、この「人間尊重」に基づき、お客様の喜びを源として、企業活動に関わりをもつすべての人々と、共に喜びを実現していくという信念であります。
こうした基本理念に基づき、「わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす」という社是を実践し、株主の皆様をはじめとするすべての人々と喜びを分かち合い、企業価値の向上に努めていきます。
当社グループは、世の中に「存在を期待される企業」であり続けるため、「すべての人に、“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」ことを2030年ビジョンとして掲げ、企業活動を行っています。年間3,000万人規模の製品を供給する世界一のパワーユニットメーカーとして「環境」と「安全」に徹底的に取り組むとともに、新たな価値創造として、複合型ソリューションや新領域へのチャレンジに全社一丸となって取り組んでいます。また、こうした事業ポートフォリオの変革に向けた投入資源を生み出すためにも、さらなる事業体質の強化をはかっていきます。

当社グループを取り巻く経営環境は、大きな転換期を迎えています。価値観の多様化や、高齢化の進展、都市化の加速、気候変動の深刻化、さらに電動化、自動運転化、ⅠoTといった技術の進化による産業構造の変化が、グローバルレベルで進んでいます。新型コロナウイルス感染症の影響により、日々の生活環境や慣習は大きく変化し、また、世界の分断が加速し、地政学的リスクも顕在化しています。さらには、企業活動に関わるすべてのステークホルダーと、長期的な社会課題を解決するための、積極的な関係構築も求められています。将来の成長に向けては、提供価値の質の向上に取り組むことが不可欠です。
四輪事業では、コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化といった技術革新によって、100年に一度といわれる大変革期に直面しています。安心で自由な移動という普遍的な価値に加え、統合化されたサービスやカスタマイズによる新たな体験が求められています。また、世界的に環境規制の一層の強化が進む中、自動車業界においてはEV(電気自動車)事業拡大に伴い、資源の争奪競争が激しくなることが想定されます。このような不透明な環境下においても「電動化」や「安全への取り組み」を確実に進めるために、「事業体質の強化」に取り組んでいきます。
二輪事業は、世界的に環境規制の強化が進む中、先進国に続き、一部の新興国でも電動化の政府目標が発信され、変化の兆しが出てきています。このような事業環境変化や地域特性の中でも、多面的・多元的なアプローチに取り組み、カーボンニュートラルの実現をめざします。また、安全については、車両単体の安全技術適用のみならず、インフラとの連携や安全運転普及活動にもさらに力を入れて取り組んでいきます。
パワープロダクツ事業及びその他の事業は、労働人口の減少や作業者の高齢化により、「もっと安全に」「もっと簡単に」使える作業機の進化が求められています。当社グループは作業機と同時に、センサーや知能化などの技術を進化させるために、プロや熟練作業者のノウハウを収集・データ化し、作業機と連携させて、作業の質を向上させていきます。また、脱炭素へ向けては、エンジンからバッテリーへの単純な置き換えだけでなく、お客様にとって何がベストかを考えながら、さまざまな可能性にアプローチしていきます。
(3) 優先的に対処すべき課題
経営環境を踏まえ、当社グループが持続的な成長を続け、気候変動をはじめとしたさまざまな社会の課題解決に貢献するために、当社グループならではの価値提供の実現に向け、以下の課題に取り組んでいきます。
<価値創造へ向けた取り組み>
① 地球環境負荷ゼロ
当社グループは2050年に、製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロをめざします。その柱となるのが、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」の3つです。(Triple Action to ZERO)
カーボンニュートラルの取り組み
四輪事業はカーボンフリーを達成するため、「先進国全体でのEV、FCV(燃料電池自動車)の販売比率を2030年に40%、2035年には80%」、そして「2040年には、グローバルで100%」をめざします。
この実現に向けては、市場変化に合わせたラインアップ展開とバッテリーの安定調達が重要な課題です。
ラインアップ展開においては、EV普及の拡大期にある、現在から2020年代後半にかけて、主要市場となる北米・中国・日本など、地域ごとの市場特性に合わせた商品投入を進めていきます。
また、EVの普及期に入っていると推察される2020年代後半以降は、「各地域ベスト」から進化し、「グローバル視点でベスト」なEVを展開していきます。2030年までに軽商用からフラッグシップクラスまで、グローバルで年間200万台を超える生産を計画しています。
バッテリーの安定調達に向けては、現在から2020年代後半までは外部パートナーシップの強化により、液体リチウムイオン電池の安定的な調達量の確保をめざします。
2020年代後半には、EV拡大期に合わせ、次世代電池技術の独自開発にチャレンジしていきます。㈱GSユアサとの協力関係においては、10年にわたり協業を進めてきたハイブリッド用電池の次のステージとして、高容量・高出力なEV用リチウムイオンバッテリーの開発に着手し、展開を進めていきます。また、半固体電池では、SES AI コーポレーションへの出資を通じた共同開発を進めると共に、全固体電池は独自開発に向けた研究を進め、2024年には実証ラインを立上げ、より一層取り組みを加速していきます。
これらの調達や開発の領域に加え、長期的視点では、資源確保からリソースサーキュレーションを含めた、新たなバリューチェーンの構築に取り組んでいきます。重要鉱物の確保において阪和興業株式会社とPOSCOホールディングス、リサイクルの観点からは、アセンド・エレメンツやサーバ・ソリューションズとパートナーシップを締結しています。
バッテリー領域においては、各領域における戦略的パートナーシップにより、「当社グループをハブとした、強固なバリューチェーンを構築」し、各パートナーとの共存共栄をはかることで、サステナブルな事業基盤の構築と、競争力の強化をはかっていきます。
二輪事業においては、2050年カーボンニュートラルの達成をめざして、製品領域における電動製品の販売比率目標値を段階的に設定し、取り組みを加速します。具体的には2026年までに100万台、2030年には販売構成比の約15%にあたる年間350万台レベルの電動車販売を目標に掲げ、ICE(内燃機関)の進化と電動化で2040年代にカーボンフリー製品100%をめざします。
二輪車は販売の中心が新興国であり、エネルギー需給、雇用、生活の利便性など各国・地域の社会ニーズが複雑なため、二輪車の利便性とカーボンニュートラルのバランスをとることが課題と考えています。電動車の展開に加えて、ICE車の大幅な燃費改善技術など、多面的・多元的なアプローチでカーボンニュートラルに取り組んでいきます。
電動車においては、各市場の特性に合わせ、電動商品をカテゴリーごとに展開していきます。
※EM:Electric Moped(電動モペッド)、最高速度25km/h~50km/hのカテゴリー。
EB:Electric Bicycle(電動自転車)、最高速度25km/h以下のカテゴリー。
電動アシスト自転車は含まない。
2025年までに、コミューターとFUNモデルをあわせて合計10モデル以上の新規電動車の投入を計画しています。
ICE車においては、燃費向上の取り組みとして、熱効率向上や低フリクション技術によるエンジン単体の燃費向上技術のほかに、車両トータルでの燃費を向上させる技術を開発しています。さらに地域特性を考慮して、ガソリンにエタノールなどを混合したカーボンニュートラル燃料対応技術にも取り組んでいきます。
パワープロダクツ事業においては、先進国をターゲットに電動製品を投入し、プレゼンスの確立をめざします。高いプレゼンスを持っているエンジン歩行芝刈機などの完成機においても、電動化を進め、エンジン製品と変わらない強みをお客様に提供していきます。また、エンジン販売で高シェアを有する建設業界の法人様をターゲットに、電動パワーユニットの販売とその搭載支援を提供することで、小型建機メーカー様の電動化を後押ししていきます。電動商品の展開においては、従来通りの販売・アフターサービスだけでなく、法人様の業務効率改善、投資抑制をはかることで、事業運営への貢献をめざします。
詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
② 交通事故死者ゼロ
当社グループは、2050年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします。また、マイルストーンとして2030年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者半減をめざします。

交通事故死者ゼロの実現に向けては、先進安全技術の展開と開発の強化に加え、交通安全の教育活動やインフラ、政策への働きかけなどが課題であると考えています。
当社グループは、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」の普及や、すべての人に安全教育の機会を提供する活動などに取り組み、ハード・ソフト両面で、事故のない社会の実現をリードしていきます。
詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
③ 新たな価値創造
1.複合型ソリューションの提供
当社グループは、製品単体にとどまらずさまざまな製品が連鎖し、領域を超えてつながることで、より大きな価値を提供することをめざします。そのためには、電動モビリティやその他製品を「端末」と位置づけ、各製品に蓄えられたエネルギーや情報を、ユーザーや社会とつなげる技術と枠組みの構築が課題と考えています。
当社グループは、クロスドメインでのコネクテッドプラットフォーム構築に取り組み、価値を創出していきます。バッテリーをはじめとした電動領域、そしてソフトウェア、コネクテッド領域については、今後開発を加速するために、外部からの採用強化も含め、開発能力の強化をはかっていきます。

2.新領域のチャレンジ
当社グループの研究開発子会社である㈱本田技術研究所は、環境負荷ゼロ社会と事故のない社会の実現に向けた先行技術の研究に加え、モビリティの可能性を三次元、四次元に拡大していくために、空、海洋、宇宙、そしてロボットなどの研究を進めています。具体的なテーマとして、「eVTOL」「アバターロボット」「宇宙領域へのチャレンジ」に取り組んでおり、燃焼・電動・制御・ロボティクス技術といった当社グループが培ってきたコア技術を活用することで、新領域においても人々の生活の可能性を拡げる喜びの実現にチャレンジしていきます。
④ 財務戦略
当社グループは、資源の適切な配分を通じて、事業ポートフォリオの変革を加速させ、企業価値向上の実現をめざします。
この実現に向けては、「事業体質の強化」「新たな価値創造を加速する資源投入」「資本効率の向上」が課題と考えています。
1.事業体質の強化
当社グループは、「事業ポートフォリオの変革」の実現のために、「事業体質の強化」に全社一丸となって取り組んでいます。
四輪事業は、プラットフォームのレイアウト統合や部品共用化などを実現する「Hondaアーキテクチャー」の導入や生産能力の適正化、グローバルモデルの派生削減などを進めています。二輪事業では、カテゴリー・排気量・車格をまたいだ仕様・部品の共通化に取り組んでいます。これらの取り組みの結果、収益体質は確実に改善してきています。
新型コロナウイルス感染症の影響や地政学的リスクの顕在化など、依然として先行きが不透明な事業環境ではあるものの、これまで構築した体質をさらに強化することで、2025年度においては、ROS(売上高営業利益率)7%以上の達成を見込んでいます。
2.新たな価値創造を加速する資源投入
当社グループは、「事業ポートフォリオの変革」に向けた資源投入として、2021年度からの10年間で約8兆円の研究開発費を計画しています。その主な投入先は、「電動化・ソフトウェア領域」に約3.5兆円、「新たな成長の仕込み」に約1兆円となります。電動化・ソフトウェア領域については、EV専用工場の建設やバッテリーの安定調達に向けたEV用バッテリー生産合弁会社の設立など、2021年度からの10年間で約1.5兆円の投資を現時点で計画しており、研究開発費と合わせて総額約5兆円を資源投入していきます。
3.資本効率の向上
事業ポートフォリオの変革を支えるリソースマネジメントのため、ROIC(投下資本利益率)を活用し、資本コストを意識した経営を強化します。事業別には、事業構造に応じた最適な管理指標を活用し、資本コストを上回るリターンの持続的な創出に努めます。二輪・四輪・パワープロダクツ事業などの、金融を除く事業領域では、ROICにより、変革実行のための原資創出を財務管理の面からリードします。ROICの分子である利益を最大化するとともに、保有する資産の徹底的な活用や必要投資の見極めを通じて分母の投下資本を最適化することで、資本効率を高め、変革を支える原資創出の最大化をめざします。
なお、成果の配分については、株主の皆様に対する利益還元を、経営の最重要課題の一つとして位置づけており、長期的な視点に立ち将来成長に向けた内部留保資金や連結業績などを考慮しながら決定していきます。配当は、連結配当性向30%を目安に安定的・継続的に行うよう努めていきます。また、資本効率の向上および機動的な資本政策の実施などを目的として自己株式の取得も適宜実施していきます。

<価値創造を支える取り組み>
① 知的資本
当社グループでは、開発、事業、知財・標準化を一体として連携させ、価値創造ストーリーにおける知的資本に関する資源投入を戦略的に行っていきます。知的資本の活用プロセスでは、外部環境認識・分析および自社戦略に基づき、知的資本を投入し、新領域における特許ポートフォリオの拡充をはかっていきます。構築されたポートフォリオを活用し、各種知財戦略の立案・実行を通じて、提供する価値の質の向上や取り組みの質向上をめざしていきます。
② 品質
当社グループでは「桁違いに高い品質」の実現をめざしています。
業界を取り巻く環境は、特に「環境」「安全」、そして「知能化」への対応を巡って、今まで以上に大きな転換期を迎えようとしています。当社グループは、今後パワートレインの電動化、交通事故ゼロ社会の実現に向けた安全運転支援技術の導入を加速し、オープンイノベーションを通じた「新たな価値」の創造に向けチャレンジしていきます。そのため、当社グループは「移動」と「暮らし」の進化に合わせ、お客様とのあらゆる接点においてトラブルを減らすことをめざし、各領域で質を追求し、桁違いに高い品質を実現する活動を進化させていきます。
③ サプライチェーンマネジメント
当社グループは、世界中に存在するお取引先とともに、サステナブルな取り組みを積極的に進めていくことで、「存在を期待される企業」として、地域社会と共存共栄するサプライチェーンの実現をめざしています。具体的には、世界中のサプライヤーとともに、環境、安全、人権、コンプライアンス、社会的責任などに配慮し、「Hondaフィロソフィー」をベースとして、公平、公正、かつ透明性の高い取引を継続して行っていきます。さらには、重点課題である低炭素への取り組みステップを表した「購買環境グランドデザイン」を策定し、すべてのサプライヤーと共有・同意のもと、ともに低炭素サプライチェーンの実現に取り組んでいきます。
その他の<価値創造を支える取り組み>の詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照ください。
以上のような企業活動全体を通した取り組みを行い、株主、投資家、お客様をはじめ、広く社会から「存在を期待される企業」となることをめざしていく所存でございます。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において当社グループが判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。
① ガバナンス
当社グループは、内外環境認識を踏まえた全社の方向性と、コーポレートとして取り組むべき重要課題を合意することを目的として、「コーポレート統合戦略会議」を設定しており、その中でサステナビリティ課題への方針や取り組みの議論・検討を行っています。
また、モビリティカンパニーとして最重要課題である環境安全領域のさらなる推進強化として、「世界環境安全戦略会議」を設定しています。環境領域の戦略には気候変動対応も含まれており、世界環境安全戦略会議において定めたCO2排出量の削減目標については、取締役会で決定されています。
これらの会議体は最高経営責任者が議長を務めており、検討された重要課題を踏まえて、経営会議や取締役会で全社戦略を決定し、各本部・統括部、各子会社の方針・施策として実行しています。

② リスク管理
「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」を制定し、リスクを能動的にコントロールすることで、「持続的 成長」や「経営の安定化」につながる活動を行っています。
リスクマネジメントオフィサー監視、監督のもと、当社グループの有形・無形の資産、企業活動、ステークホルダーに重大な被害・損失を与え、企業経営に影響をもたらす可能性があるものと定義したリスクを分類・管理・対応しています。各組織でリスクの特定・評価を実施し、その評価結果をもとに各本部のリスクマネジメントオフィサーが「本部重点リスク」を特定しています。
また、社内のリスク認識に加え社外のリスクトレンドも反映し、コーポレートとして重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論を行っています。リスクマネジメントに関する重要事項については、リスクマネジメント委員会で審議しており、実施内容については経営会議で適宜報告されています。気候変動に起因する環境規制に関わるリスクや自然災害等リスクについてもこの管理・監視項目の中で把握し、組織特性を踏まえたより効果的なリスクマネジメント活動の展開をはかっています。例えば、規制リスクは、既存の規制のみならず新規の規制に関しても管理を行っています。
① 戦略
世の中に「存在を期待される企業」であり続けるため、当社グループは「すべての人に、“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」ことを2030年ビジョンとして掲げ、これまでのビジネスに加え、新たな価値創造に向けて全社一丸となって取り組んでいきます。
その中でも、年間3,000万人規模の製品を供給する世界一のパワーユニットメーカーとして「環境」と「安全」に徹底的に取り組んでいます。
<環境戦略>
Triple Action to ZERO (環境負荷ゼロの循環型社会の実現に向けた取り組み)
当社グループは2050年に、製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロをめざします。その柱となるのが、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」の3つです(Triple Action to ZERO)。この取り組みによって、可能な限り地球資源の消費を抑制し、環境負荷ゼロの循環型社会の実現をめざします。
カーボンニュートラル(二酸化炭素排出量実質ゼロ)
「気候変動問題」への対応として、企業活動、および、製品ライフサイクル観点から排出されるCO2に対し、産業革命以前と比較した地球の平均気温上昇を1.5℃に抑える目標の達成をめざします。企業活動からのCO2排出量低減に向けて、生産効率向上、省エネルギー施策の導入、低炭素エネルギーへの転換、再生可能エネルギーの活用を推進していきます。製品使用時のCO2排出量低減に向けて、電動化をはじめとした環境革新技術の投入やエネルギーの多様化対応、トータルエネルギーマネジメントといった取り組みを推進していきます。
クリーンエネルギー(カーボンフリーエネルギー活用率 100%)
「エネルギー問題」への対応として、これまでのエネルギーのリスクを減らす取り組みを超えて、企業活動、および、製品使用において使用されるエネルギーをすべてクリーンなエネルギーにすることをめざします。企業活動における再生可能エネルギーの活用において、地域社会のCO2低減に直接的に貢献できる方法を優先して採用していきます。具体的には新たに再生エネルギーを活用した発電設備を設置することに重点を置き、自社敷地内への設置から検討を始め、順次敷地外まで範囲を広げて活用拡大に取り組んでいます。
リソースサーキュレーション(サステナブルマテリアル使用率 100%)
「資源の効率利用」への対応として、バッテリーのリユースやリサイクルをはじめとした、マテリアル・リサイクルに関する研究を進めます。これまでの、資源と廃棄におけるリスクを減らす取り組みを超えて、環境負荷のない持続可能な資源を使用した製品開発に挑戦します。
<安全戦略>
先進国の交通事故ゼロに向けた対応
先進国においては2030年までに、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」や、歩行者保護・衝突性能の強化・先進事故自動通報(歩行者事故を含む)などの死亡事故シーンを100%カバーする技術を、四輪車全機種へ適用することをめざします。
新興国の交通事故死者ゼロに向けた対応
新興国においては2030年までに、二輪車・四輪車双方への安全技術をすべての機種へ展開するとともに、すべての人に安全教育の機会を提供することをめざします。二輪車の安全技術については、先進ブレーキ、視認性・被視認性を備えた灯火器を、より多くの二輪車に搭載していきます。また二輪車と四輪車の双方を担う当社グループの特長を活かした共存技術である、二輪検知機能付き「Honda SENSING」を、2021年の「VEZEL」以降の四輪車の新型モデルに順次投入しております。
全世界の交通事故死者ゼロに向けた対応
一人ひとりの能力や状態に合わせ、運転ミスやリスクを減らし安全・安心な運転へと誘導できる世界初(注1)のAI活用による「知能化運転支援技術」(注2)と、すべての交通参加者である人とモビリティが通信でつながることで、事故が起きる手前でリスクの予兆・回避をサポートする「安全・安心ネットワーク技術」により、当社グループが目標に掲げる「2050年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロ」の実現をめざします。
(注) 1 当社調べ
2 AIを活用したリスクとの因果関係を視点の特徴量から求めた独自の注意推定モデル
② 指標及び目標
<環境戦略>
Triple Action to ZEROの実行
当社グループは、「環境負荷ゼロ」の循環型社会の実現に向けて、2050年に当社グループの関わるすべての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラルをめざしています。その着実な実現に向けて、企業活動領域においてはCO2総排出量(Scope1,2)を指標とし、2030年に2019年度比で46%削減する目標を設定し進めています。製品領域においては電動製品の販売比率(注1)を指標とし段階的な目標として、2030年に二輪車15%、四輪車30%、パワープロダクツ36%の目標を設定し取り組みを加速します。
<安全戦略>
交通事故死者を2030年に半減(注2)、2050年にゼロへ
当社グループは、2050年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします。またマイルストーンとして2030年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者半減をめざします。これらは新車だけでなく市場に現存するすべての当社グループ二輪車・四輪車を対象にしています。
(注) 1 二輪車は電動モーターサイクル(BEV)と電動自転車(EB)、四輪車はBEVと燃料電池自動車(FCV)、パワープロダク
ツは電動製品の比率。
2 2020年比で2030年に全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する1万台当たりの交通事故死者数を半減。
① 戦略
<ヒト・組織戦略ビジョン>
100年に一度といわれる大変革期を勝ち抜くために、当社グループは現在の事業環境を「第二の創業期」と位置づけ、「新たな成長・価値創造を可能とする企業への変革」に向けた取り組みを進めています。
ヒト・組織戦略においても、「企業変革を加速させるヒト・カルチャーへの進化」というビジョンを掲げ、「自立した個」である従業員の強い想いや情熱、チャレンジ精神を最大限に引き出すことで、「変化を楽しむ」ことができるイノベーティブで魅力ある企業風土へのさらなる進化をはかっていきます。

<事業戦略と連動した「人」リソースマネジメント>
二輪・四輪・パワープロダクツの既存事業領域、電動化および新価値領域の事業開発を中心とした新事業領域のそれぞれにおける事業方針と連動し、要員ポートフォリオに基づく最適な要員戦略を策定することで、全社的な「人」総合力の最大化をめざしていきます。
特に電動化や新価値事業開発の領域を担う人材の確保に向けては、内部からの育成・登用に加え、幹部レベルを含めた外部採用を積極的に行っています。

② 指標及び目標
<ヒト・組織戦略ビジョンの実現に向けた取り組み>
ヒト・組織戦略ビジョンの達成に向けて、さまざまなフェーズにおいて意欲ある従業員の成長を促し、支え、Hondaというフィールドで「活き活きと輝く」ことを後押しするための取り組みを展開しています。
なお、各地域において「従業員活性度」(注1)を管理指標として設定しており、日本(注2)においては「非常に良好な状態(5段階評価で総合点平均3.5ポイント以上)」を継続して達成することを目標としています(2021年度実績:3.48ポイント)。
(注) 1 第三者の調査会社による各地域の従業員活性度調査
2 労働協約適用会社を対象とする
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社グループでは、リスクマネジメント委員会において事業運営上重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論などを行っています。以下のリスクも同委員会で審議のうえ特定されたものです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
(1) 地政学的リスク
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、それらの国や近隣地域での関税、輸出入規制、租税を含む現地法令・制度・協定・商習慣の変化、戦争・テロ・政情不安・治安の悪化、政治体制の変化、ストライキなど様々なリスクにさらされています。これら予期せぬ事象が発生し、政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりに伴いサプライチェーンが寸断されるなど、事業活動の遅延・停止が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
その中でも、主に①経済安全保障、②国家間・地域紛争、③人権に関する法規の3つの地政学的リスクを認識しています。これらの地政学的リスクは、当社グループの全社戦略である地球環境負荷ゼロ、交通事故死者ゼロ、新たな価値創造への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。これらの地政学的リスクが将来及ぼしうる各地域の事業規模については、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報 (4) 地域別セグメント補足情報」を参照ください。
① 経済安全保障
<リスク>
各国において重要資源・部品、先端技術などに対する輸出入規制、ブロック化を促進する政策の強化の動きが活発化しています。各国において輸出入などに関する政策が強化された場合、生産活動の停滞や遅延、開発・購買・営業などの事業活動にかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、国内および海外の各部門が連携し各国の政策動向などの情報収集・モニタリングするインテリジェンス機能を強化するとともに、当社グループの事業に影響を与える可能性がある案件が確認された場合は、リスクマネジメント委員会が先行的に検討を行うことで、早期にリスクヘッジできる体制を構築しています。
② 国家間・地域紛争
<リスク>
ウクライナ情勢の悪化など、国際情勢の見通しが不透明な状況が続いています。新たな紛争が発生した場合、発生した国や地域のみならず、それ以外の国や地域でも、人的および物的被害、サプライチェーンの寸断などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、国家間・地域紛争の動向などの情報収集・モニタリングするインテリジェンス機能を強化するとともに、当社グループの事業に影響を与える可能性がある事象が確認された場合は、「人命・安全の確保」および「社会からの信頼の維持」を前提としたうえで、当社グループの会社資産・体制の保全、事業継続をはかるための対応を迅速に行っています。
③ 人権に関する法規
<リスク>
各国において、企業に人権の取り組みを求める法規の制定が進んでおり、サプライチェーン全体での人権リスク対応の必要性が急速に高まっています。これらの法規に対して適時適切な対応が出来なかった場合、ブランドイメージや社会的信用の低下に加え、当社グループの生産活動の停滞や遅延、開発・購買・営業などの事業活動にかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、Hondaフィロソフィーに掲げる人間尊重の基本理念のもと、事業活動において影響を受けるステークホルダーの人権を尊重する責任を果たすため、「Honda人権方針」を定めています。本方針に基づき、人権デューデリジェンス、適切な教育・啓発活動の実施など、各国法規を踏まえ自社およびサプライチェーンにおける取り組みを行っています。
(2) 購買・調達リスク
<リスク>
当社グループは、良い物を、適正な価格で、タイムリーにかつ永続的に調達することをめざして、多数の外部の取引先から原材料および部品を購入していますが、製品の製造において使用するいくつかの原材料および部品については、特定の取引先に依存しています。効率的かつ適正なコストで継続的に供給を受けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因のなかには、取引先が継続的に原材料および部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって、当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。
取引先から原材料および部品が継続的に供給を受けられなかった場合、原材料および部品の価格が上昇した場合、もしくは主要な取引先を失った場合、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。これらの購買・調達リスクは、当社グループの全社戦略である地球環境負荷ゼロ、交通事故死者ゼロ、新たな価値創造への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
<対応策>
当社グループにおいては、事業、業績への影響を最小化するため、サプライチェーンの見直しおよび強化を継続的に行っています。また、部品の供給状況についてモニタリングを行い、当社グループの生産などの事業活動に悪影響を与える可能性がある事象が発生した場合には、取引先と連携し速やかに対応を実施しています。
当社グループにおいて、半導体の調達不足が顕在化し、国内外の一部の生産拠点において四輪車および二輪車の生産停止、減産といった影響が発生しています。また、その他の一部の原材料および部品においても価格上昇が発生している、もしくは今後見込まれています。当社グループにおいては、取引先と連携し事業継続の観点から事業、業績への影響を最小化するための対応を行っています。
(3) 情報セキュリティリスク
<リスク>
当社グループは、委託先によって管理されているものを含め、事業活動および当社製品において情報サービスや運転支援に関する様々な情報システムやネットワークを利用しています。特にIoTなどの情報技術が製品の制御に不可欠なものになっています。
サイバー攻撃は攻撃手法の高度化、複雑化が進んでおり、その攻撃対象は世界各国に渡っています。当社グループの全社戦略である地球環境負荷ゼロ、交通事故死者ゼロ、新たな価値創造への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
また、近年世界各国で個人情報保護規則が急速に整備されています。新たな価値創造への取り組みにおいては、従来の事業と比べ取り扱う個人情報の量と質が異なる可能性があるため、個人情報保護に向けた対策の重要性は高まっています。
当社グループ、取引先および委託先における外部からのサイバー攻撃のほか、機器の不具合、管理上の不備や人為的な過失、さらには自然災害やインフラ障害等の不測の事態により、当社グループの重要な業務やサービスの停止、機密情報・個人情報等の漏洩、不適切な事務処理、あるいは重要データの破壊、改ざん等が発生する可能性があります。
このような事象が起きた場合、ブランドイメージや社会的信用の低下、影響を受けた顧客やその他の関係者への損害責任、制裁金の支払い、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、事業、業績への悪影響を最小化するため、情報システムのセキュリティに関する管理体制および基準を定めています。本基準に基づき、ハード面およびソフト面でのセキュリティ対策を実施し、情報システムのセキュリティ強化をはかっています。
サイバーセキュリティ委員会を設置し、業務・生産システム、ソフトウェア、品質などの領域を横断するグローバルでの対応体制を構築しています。法規を踏まえた規程・手順書などの整備、対応フロー策定、サイバーセキュリティに関する演習を通じた改善点の検証・対策、人材育成などを行っています。
サイバー攻撃の脅威および脆弱性の分析を行うとともに、サイバー攻撃に関するインシデントが発生した場合には、迅速に実態把握を行ったうえで、影響を最小化するための対応を行っています。
なお、生産設備へのサイバー攻撃に対しては、国内外の各拠点で生産設備の検証を行うとともに、セキュリティ強化に向けた対策を行っています。
また、各国における個人情報保護規則に対しては、現行の規制のほか、今後施行が見込まれている規則の動向などの情報収集・モニタリングを実施したうえで対応を行っています。
(4) 他社との業務提携・合弁リスク
<リスク>
当社グループは、相乗効果や効率化などを期待、もしくは事業展開している国の要件に従う場合に、他社と業務提携・合弁による事業運営を行っています。
当社グループの全社戦略である地球環境負荷ゼロ、交通事故死者ゼロ、新たな価値創造への取り組みを進めるにあたっては、業務提携などの活用の重要性は高まっています。
業務提携などにおいて、当事者間で業務上の不一致、利益や技術の流出、意思決定の遅れ、業務提携先などの業績不振が生じた場合、あるいは提携内容の変更や解消が生じた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、中長期の事業戦略に基づき業務提携などの戦略を議論・策定したうえで、デューデリジェンスを通じた情報収集・リスク検証を行っています。契約締結後においても業務提携などに関する運営状況のモニタリングを行い、当社グループの事業、業績への影響が発生する可能性がある場合には、提携先などと連携し影響を最小化するための対応を行っています。
(5) 環境に関わるリスク
<リスク>
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、気候変動、資源枯渇、大気汚染、水質汚染、生物多様性などをはじめとする環境に関する様々なリスクの可能性を認識しています。また、これらに関する様々な規制の適用を受けています。
その中でも気候変動に関する規制および燃費・排出ガスに関する規制について、世界各国で見直しが実施もしくは今後予定されています。規制内容または見直しの動向によっては、二輪事業、四輪事業、パワープロダクツ事業及びその他の事業において、生産・開発・購買・営業などにかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
これらの環境に関わるリスクは、当社グループの全社戦略である地球環境負荷ゼロへの取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
<対応策>
当社グループにおいては、国内および海外の各部門が連携し、政策・規制動向などの情報収集・モニタリングを実施するとともに、それらの状況に基づく最適な生産・開発体制の構築などの対応を行っていきます。
(6) 知的財産リスク
<リスク>
当社グループは、長年にわたり、自社が製造する製品に関連する多数の特許および商標を保有し、もしくはその権利を取得しています。これらの特許および商標は、当社グループの全社戦略である地球環境負荷ゼロ、交通事故死者ゼロ、新たな価値創造への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
当社グループの知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは、広範囲にわたり当社グループの知的財産権が違法に侵害されること、さらには特許権侵害訴訟による製造・販売の差し止めや高額の損害賠償金、ライセンス料の請求によって、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、外部の専門家、取引先と連携し、特許保有者からの特許権侵害訴訟を想定した対策を実施しています。また、関連法規の動向を注視・分析し、将来の法的手続で不利な判断がなされた場合など当社グループの事業、業績への悪影響が発生する可能性がある場合には、影響を最小化するための対応を行っています。
(7) 自然災害等リスク
<リスク>
地震、風水害、感染症などの発生時に当社グループの拠点や従業員が被害を受け、生産・開発・購買・営業などの事業活動の停止・遅延が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。また、これらの事象によって取引先が被害を受けた場合、あるいはインフラの停止が発生した場合にも、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
加えて、世界各国において、気候変動の影響などにより気象災害が激甚化・頻発化しており、この傾向は今後も継続すると予想されます。その結果、これらの災害が当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、事業、業績への影響を最小化するため、これらの事象のリスク評価や事業継続計画(BCP)の策定および定期的な見直しを行っています。
また、各国で顕在化した事象に基づき、対応体制および規程・手順書の見直し、訓練実施による改善点の検証・対策などを行っています。
なお、当社グループに重大な影響を与える事象が発生した場合には、グローバル危機対策本部を設置し、各地域の情報収集および影響の最小化に向けた対応を全社横断的な観点で実施します。
(新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響)
新型コロナウイルス感染症に対しては、社会経済活動を再開する動きが加速しており、当社グループにおいても生産・開発・購買・営業などの事業活動の正常化が進んでいます。
しかしながら、感染症が再び拡大した場合は、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。今後も生産・開発・購買・営業などの事業体質の強化をはかるとともに、感染症が再び拡大した場合は、お客様、お取引先および従業員をはじめとするステークホルダーの安全を最優先にしつつ、事業継続の観点から事業、業績への悪影響を最小化するための対応を行っていきます。
(8) 金融・経済リスク
<リスク>
① 経済動向、景気変動
当社グループは、世界各国で事業を展開しており、様々な地域、国で生産活動を行い、製品を販売しています。これらの事業活動は経済低迷、通貨変動などの影響を受けることで、市場の縮小による販売台数の減少、部品調達価格および製品の販売価格の上昇、信用リスクの上昇、資金調達金利の上昇などに繋がる可能性があります。その結果として当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
② 為替変動
当社グループは、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品の多くを複数の国に輸出しています。各国における生産および販売では、外貨建てで購入する原材料および部品や、販売する製品および部品があります。したがって、為替変動は、購入価格や販売価格の設定に影響し、その結果、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、金融・経済などの動向をモニタリングし当社グループに対する事業影響を把握するとともに、事業計画に反映し、対応を実施しています。
(9) 市場環境変化リスク
当社グループは、日本、北米、欧州およびアジアを含む世界各国で事業を展開しています。これらの市場の長期にわたる経済低迷、消費者の価値観、ニーズの変化や、燃料価格の上昇および金融危機、原材料の高騰・供給量低下による製品価格上昇などによる購買意欲の低下、他社との競争激化は、当社グループの製品の需要低下につながり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(10) 金融事業特有のリスク
当社グループの金融サービス事業は、お客様に様々な資金調達プログラムを提供しており、それらは、製品の販売をサポートしています。しかしながら、お客様は当社グループの金融サービス事業からではなく、競合する他の銀行およびリース会社等を通して、製品の購入またはリースの資金を調達することができます。当社グループが提供する金融サービスは、残存価額および資本コストに関するリスク、信用リスク、資金調達リスクなどを伴います。お客様獲得に関する競合および上記金融事業特有のリスクは、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(11) 法務リスク
当社グループは、訴訟、関連法規に基づく様々な調査、法的手続を受ける可能性があります。係争中、または将来の法的手続で不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(12) 退職後給付に関わるリスク
当社グループは、各種退職給付および年金制度を有しています。これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。確定給付制度債務および確定給付費用は、割引率や昇給率などの様々な仮定に基づいて算出されています。仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与えることにより、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(13) ブランドイメージに関連するリスク
当社グループのブランドに対するお客様や当社グループを取り巻く社会からの信頼・支持が、企業の永続性において重要な要素の一つとなっています。このブランドイメージを支えるため、製品の品質や法規制への対応、リスク管理の実施、内部統制の充実などあらゆる企業活動において常に社会からの信頼に応えられるように努めています。しかしながら予測できない事象により、当社グループのブランドイメージを毀損した場合や迅速で適切な情報発信などの対応が実施出来なかった場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当連結会計年度の当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。)をとりまく経済環境は、緩やかな持ち直しの動きがみられたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大、半導体の供給不足、インフレ影響など、厳しい状況が続きました。米国では、物価安定に向けた急速な金融引締めが進んだものの、個人消費の下支えなどにより、景気は底堅い推移となりました。欧州では、緩やかな持ち直しの動きがみられたものの、ウクライナ情勢の悪化によるインフレ影響を受けて、景気は足踏み状態となっています。アジアでは、中国など一部で弱さがみられたものの、景気は緩やかに持ち直しました。日本では、一部で弱さがみられたものの、景気は緩やかに持ち直しました。
主な市場のうち、二輪車市場は前年度にくらべ、ブラジルでは大幅に拡大、ベトナム、インド、タイ、インドネシアでは拡大しました。四輪車市場は前年度にくらべ、インドネシア、インド、タイ、ブラジル、日本では拡大しましたが、欧州、中国ではおおむね横ばい、米国では縮小となりました。
このような中で、当社グループは、世の中に「存在を期待される企業」であり続けるため、「すべての人に、“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」ことを2030年ビジョンとして掲げ、「地球環境負荷ゼロ」「交通事故死者ゼロ」「新たな価値創造」を目指すとともに、事業体質の強化にも努めてまいりました。研究開発面では、安全・環境技術や商品の魅力向上、モビリティの変革にむけた先進技術開発に、外部とのオープンイノベーションも活用し、積極的に取り組みました。生産面では、生産体質の強化や、グローバルでの需要の変化に対応した生産配置を行いました。販売面では、新価値商品の積極的な投入や、グローバルでの商品の供給などにより、商品ラインアップの充実に取り組みました。
当連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、16兆9,077億円と前連結会計年度にくらべ16.2%の増収となりました。
営業利益は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、7,807億円と前連結会計年度にくらべ10.4%の減益となりました。税引前利益は、8,795億円と前連結会計年度にくらべ17.8%の減益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、6,514億円と前連結会計年度にくらべ7.9%の減益となりました。
事業の種類別セグメントの状況
(二輪事業)
二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加や為替換算による増加影響などにより、2兆9,089億円と前連結会計年度にくらべ33.1%の増収となりました。営業利益は、売価およびコスト影響や販売影響による利益増、為替影響などにより、4,887億円と前連結会計年度にくらべ56.9%の増益となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車(二輪車・ATV・Side-by-Side)販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。
(四輪事業)
四輪事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による増加影響などにより、10兆5,935億円と前連結会計年度にくらべ15.8%の増収となりました。営業損失は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、166億円と前連結会計年度にくらべ2,528億円の減益となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。また、当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジット等が、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して提供された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていませんが、Hondaグループ販売台数には含めています。
(金融サービス事業)
金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、オペレーティング・リース売上の減少などはあったものの、為替換算による増加影響などにより、2兆9,540億円と前連結会計年度にくらべ4.7%の増収となりました。営業利益は、為替影響などはあったものの、減収に伴う利益の減少などにより、2,858億円と前連結会計年度にくらべ14.2%の減益となりました。
(パワープロダクツ事業及びその他の事業)
パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による増加影響などにより、4,511億円と前連結会計年度にくらべ13.0%の増収となりました。営業利益は、販売影響による利益増や為替影響などにより、228億円と前連結会計年度にくらべ323億円の増益となりました。なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、為替換算による利益減などはあったものの、費用の減少などにより、257億円と前連結会計年度にくらべ79億円の改善となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社のパワープロダクツ販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社のパワープロダクツ販売台数です。なお、当社は、パワープロダクツを販売している持分法適用会社を有しないため、パワープロダクツ事業においては、Hondaグループ販売台数と連結売上台数に差異はありません。
所在地別セグメントの状況
(日本)
売上収益は、全ての事業における増加などにより、4兆5,480億円と前連結会計年度にくらべ4.3%の増収となりました。営業利益は、売価およびコスト影響による利益減などはあったものの、為替影響などにより、258億円と前連結会計年度にくらべ302.8%の増益となりました。
(北米)
売上収益は、四輪事業における連結売上台数の減少や金融サービス事業におけるオペレーティング・リース売上の減少などはあったものの、為替換算による増加影響などにより、9兆4,162億円と前連結会計年度にくらべ16.4%の増収となりました。営業利益は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、2,588億円と前連結会計年度にくらべ48.3%の減益となりました。
(欧州)
売上収益は、四輪事業における減少などはあったものの、為替換算による増加影響などにより、7,037億円と前連結会計年度にくらべ0.4%の増収となりました。営業損失は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、販売影響による利益減などにより、25億円と前連結会計年度にくらべ292億円の減益となりました。
(アジア)
売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、4兆8,578億円と前連結会計年度にくらべ19.8%の増収となりました。営業利益は、売価およびコスト影響による利益増や為替影響などにより、4,087億円と前連結会計年度にくらべ20.5%の増益となりました。
(その他の地域)
売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、8,196億円と前連結会計年度にくらべ38.2%の増収となりました。営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響による利益増などにより、589億円と前連結会計年度にくらべ157.4%の増益となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3兆8,030億円と前連結会計年度末にくらべ1,280億円の増加となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対する各キャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、2兆1,290億円となりました。この営業活動によるキャッシュ・インフローは、部品や原材料の支払いの増加などはあったものの、顧客からの現金回収の増加などにより、前連結会計年度にくらべ4,494億円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、6,780億円となりました。この投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、有形固定資産の取得による支出の増加などにより、前連結会計年度にくらべ3,020億円の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は、1兆4,683億円となりました。この財務活動によるキャッシュ・アウトフローは、資金調達に係る債務の返済の増加や自己株式の取得などにより、前連結会計年度にくらべ8,526億円の増加となりました。
(注) 1 生産台数は、当社および連結子会社の完成車の生産台数の合計です。
2 二輪事業には二輪車、ATVおよびSide-by-Sideが含まれています。
3 パワープロダクツ事業及びその他の事業にはパワープロダクツの生産台数を記載しています。
見込生産のため、大口需要等の特別仕様のものを除いては、受注生産はしていません。
仕向地別(外部顧客の所在地別)売上収益は、以下のとおりです。
(注) 各事業の主要製品およびサービス、事業形態につきましては、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」を参照ください。
(2) 経営成績等の状況の分析
当社グループは2050年に、製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの地球環境負荷ゼロ、全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします。詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」と「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
これらの目標の達成に関連する電動化に向けた設備や施設の新設に係る投資や資産化される研究開発支出などが資本的支出全体に占める割合は現時点では重要性はないものの、将来に向けては、適切な支出規模の範囲内で電動化やソフトウェア領域へのリソースシフトをさらに進め、その割合を大幅に拡大させる見込みです。
当社グループが展開する事業は厳しい経済・社会環境下に置かれており、その収益性は様々な要因により左右されます。その中でも、当社グループは気候変動をはじめとした様々な社会課題の解決、リスクへの対処に積極的に取り組んでおり、認識している課題、リスク事象の詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」「3 事業等のリスク」を参照ください。それらへの対処の過程、結果により販売台数の増減や追加費用などが生じ、将来の収益性に重要な影響を及ぼす可能性があると考えます。
以降の経営成績等の状況の分析は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えた事象や要因を経営者の立場から分析し、説明したものです。
なお、この経営成績等の状況の分析に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において判断したものであり、リスクと不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
当社グループの業績
当連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、前連結会計年度にくらべ増収となりました。
営業利益は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、減益となりました。
二輪事業の概要
当連結会計年度の連結売上台数は、インドやベトナム、タイなどで増加したことにより、1,216万1千台と前連結会計年度にくらべ13.4%の増加となりました。
四輪事業の概要
当連結会計年度の連結売上台数は、米国などで販売が減少したことにより、238万2千台と前連結会計年度にくらべ1.7%の減少となりました。
パワープロダクツ事業及びその他の事業の概要
当連結会計年度のパワープロダクツ事業の連結売上台数は、米国などで販売が減少したことにより、564万5千台と前連結会計年度にくらべ9.0%の減少となりました。
(当連結会計年度の連結業績の概況)
売上収益
当連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、16兆9,077億円と前連結会計年度にくらべ2兆3,550億円、16.2%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約2,532億円、約1.7%の増収と試算されます。
営業費用
営業費用は、16兆1,269億円と前連結会計年度にくらべ2兆4,454億円、17.9%の増加となりました。売上原価は、二輪事業における連結売上収益の増加に伴う費用の増加や為替影響などにより、13兆5,761億円と前連結会計年度にくらべ2兆82億円、17.4%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、品質関連費用を含む諸経費の増加や為替影響などにより、1兆6,699億円と前連結会計年度にくらべ3,434億円、25.9%の増加となりました。研究開発費は、8,809億円と前連結会計年度にくらべ938億円、11.9%の増加となりました。
営業利益
営業利益は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、7,807億円と前連結会計年度にくらべ904億円、10.4%の減益となりました。なお、為替影響約2,959億円の増益要因を除くと、約3,863億円の減益と試算されます。
ここで記載されている変動要因の各項目については、当社が現在合理的であると判断する分類および分析方法に基づいています。なお、一部の分析項目において、当社および主要な連結子会社を対象に分析しています。
・「為替影響」については、海外連結子会社の財務諸表の円換算時に生じる「為替換算差」と外貨建取引から生じる「実質為替影響」について分析しています。「実質為替影響」については、米ドルなどの取引通貨の、対円および各通貨間における為替影響について分析しています。
・「売価およびコスト影響」については、販売価格の変動影響、コストダウン効果および原材料価格の変動影響などを対象に分析し、当該項目に影響する「為替影響」は除いています。
・「販売影響」については、連結売上台数や機種構成の変化に伴う利益の変動、金融サービス事業の売上収益の変化に伴う利益の変動に加え、その他の売上総利益の変化要因を対象に分析し、当該項目に影響する「為替影響」は除いています。
・「諸経費」については、販売費及び一般管理費の前連結会計年度との差から、当該科目に影響する「為替換算差」を除いて表示しています。
・「研究開発費」については、研究開発費の前連結会計年度との差から、当該科目に影響する「為替換算差」を除いて表示しています。
また、為替影響を除いた試算数値は、当社の連結財務諸表の金額とは異なっており、IFRSに基づくものではなく、IFRSで要求される開示に代わるものではありません。しかしながら、これらの為替影響を除いた試算数値は当社の業績をご理解いただくために有用な追加情報と考えています。
税引前利益
税引前利益は、8,795億円と前連結会計年度にくらべ1,906億円、17.8%の減益となりました。営業利益の減少を除く要因は、以下のとおりです。
持分法による投資利益は、当連結会計年度において一部の持分法で会計処理されている投資について、減損損失を計上したことなどにより、850億円の減益要因となりました。
金融収益及び金融費用は、受取利息の増加などはあったものの、デリバティブから生じる損益の影響や為替差損益の影響などにより、150億円の減益要因となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「22 金融収益及び金融費用」を参照ください。
法人所得税費用
法人所得税費用は、1,622億円と前連結会計年度にくらべ1,472億円、47.6%の減少となりました。また、当連結会計年度の平均実際負担税率は、前連結会計年度より10.5ポイント低い18.4%となりました。当連結会計年度の法人所得税費用の減少額には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益の額961億円が含まれています。これは、当社および一部の国内の連結子会社により構成される通算グループにおいて、前連結会計年度および当連結会計年度において課税所得が稼得されたことや、次連結会計年度以降において主に国内外の四輪事業における連結売上台数の増加に伴う利益の増加見込みなどにより、将来課税所得が稼得される可能性が高いと判断したことによるものです。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「23 法人所得税 (1) 法人所得税費用」を参照ください。
当期利益
当期利益は、7,173億円と前連結会計年度にくらべ433億円、5.7%の減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、6,514億円と前連結会計年度にくらべ556億円、7.9%の減益となりました。
非支配持分に帰属する当期利益
非支配持分に帰属する当期利益は、658億円と前連結会計年度にくらべ122億円、22.9%の増益となりました。
(二輪事業)
連結売上台数は、全ての地域で増加したことなどにより、1,216万1千台と前連結会計年度にくらべ13.4%の増加となりました。二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加や為替換算による増加影響などにより、2兆9,089億円と前連結会計年度にくらべ7,237億円、33.1%の増収となりました。なお、販売価格の変動はあったものの、売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約3,932億円、約18.0%の増収と試算されます。
営業費用は、2兆4,202億円と前連結会計年度にくらべ5,465億円、29.2%の増加となりました。売上原価は、連結売上台数の増加や為替影響などにより、2兆999億円と前連結会計年度にくらべ4,898億円、30.4%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、2,484億円と前連結会計年度にくらべ539億円、27.7%の増加となりました。研究開発費は、718億円と前連結会計年度にくらべ27億円、4.0%の増加となりました。
営業利益は、売価およびコスト影響や販売影響による利益増、為替影響などにより、4,887億円と前連結会計年度にくらべ1,772億円、56.9%の増益となりました。
日本
2022年度二輪車総需要(注)は、約40万台と前年度にくらべ約4%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、新型車「ダックス125」の投入効果や「スーパーカブ110」の増加などにより、24万6千台と前連結会計年度にくらべ0.8%の増加となりました。
(注) 出典:JAMA(日本自動車工業会)
北米
主要市場である米国の2022年(暦年)二輪車・ATV総需要(注)は、約73万台と前年にくらべ約6%の減少となりました。
当連結会計年度の北米地域の連結売上台数は、主にメキシコにおいて、「Navi」や「Dio」の増加などにより、45万9千台と前連結会計年度にくらべ5.0%の増加となりました。
(注) 出典:MIC(米国二輪車工業会)
二輪車・ATVの合計であり、Side-by-Side(S×S)は含まない。
欧州
欧州地域の2022年(暦年)二輪車総需要(注)は、約108万台とほぼ前年並みとなりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「PCX」の増加などにより、34万7千台と前連結会計年度にくらべ9.5%の増加となりました。
(注) 英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、ポルトガル、オランダ、ベルギー、オーストリアの10ヵ国の合計、当社調べ
アジア
最大市場のインドの2022年(暦年)二輪車総需要(注1)は、約1,536万台と前年にくらべ約6%の増加となりました。その他のアジア地域主要国の2022年(暦年)二輪車総需要(注2)は、ベトナムなどで増加したものの、中国などで減少したことにより、約1,989万台とほぼ前年並みとなりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、インドにおける「Activa」シリーズや、ベトナムにおける「Wave」シリーズの増加などにより、951万2千台と前連結会計年度にくらべ14.8%の増加となりました。
なお、持分法適用会社であるインドネシアのピー・ティ・アストラホンダモーターの販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「BeAT」シリーズや「Variо」シリーズの増加などにより、約448万台と前連結会計年度にくらべ約15%の増加となりました。
(注) 1 当社調べ
2 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、パキスタン、中国の7ヵ国の合計、当社調べ
その他の地域
主要市場であるブラジルの2022年(暦年)二輪車総需要(注)は、約135万台と前年にくらべ約19%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「CG160」シリーズや「Biz」シリーズの増加などにより、159万7千台と前連結会計年度にくらべ10.9%の増加となりました。
(注) 出典:ABRACICLO(ブラジル二輪車製造者協会)
(四輪事業)
連結売上台数は、北米地域で減少したことなどにより、238万2千台と前連結会計年度にくらべ1.7%の減少となりました。四輪事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による増加影響などにより、10兆5,935億円と前連結会計年度にくらべ1兆4,460億円、15.8%の増収となりました。なお、販売価格の変動はあったものの、売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約1,414億円、約1.5%の増収と試算されます。セグメント間取引を含む四輪事業の売上収益は、10兆7,817億円と前連結会計年度にくらべ1兆4,211億円、15.2%の増収となりました。
営業費用は、10兆7,983億円と前連結会計年度にくらべ1兆6,739億円、18.3%の増加となりました。売上原価は、為替影響などにより、8兆7,782億円と前連結会計年度にくらべ1兆3,307億円、17.9%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、品質関連費用を含む諸経費の増加や為替影響などにより、1兆2,382億円と前連結会計年度にくらべ2,515億円、25.5%の増加となりました。研究開発費は、7,818億円と前連結会計年度にくらべ916億円、13.3%の増加となりました。
営業損失は、為替影響などはあったものの、販売影響による利益減や品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、166億円と前連結会計年度にくらべ2,528億円の減益となりました。
各カテゴリ別の販売台数構成比は概ね以下のとおりです。(小売販売台数ベース)
パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):前連結会計年度42%、当連結会計年度42%
ライトトラック(SUV・ミニバン等):前連結会計年度52%、当連結会計年度50%
軽自動車:前連結会計年度6%、当連結会計年度8%
四輪事業における主要な製品は以下のとおりです。
パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):
「ACCORD」 、「BRIO」 、「CITY」 、「CIVIC」 、「FIT」 、
「INTEGRA」、「JAZZ」
ライトトラック(SUV・ミニバン等):
「BREEZE」 、「CR-V」 、「FREED」 、「HR-V」 、「ODYSSEY」 、
「PILOT」 、「VEZEL」 、「XR-V」 、「ZR-V」
軽自動車:
「N-BOX」
カテゴリ別の収益性を決定する要因はさまざまですが、販売価格は重要な要素の一つと考えています。上記カテゴリごとの販売価格については、各モデルによって異なるものの、全体的には、ライトトラックは比較的高く、軽自動車は比較的低い傾向があります。
車両の貢献利益も各モデルによって異なりますが、一般的にライトトラックは販売価格が高いことから貢献利益も高く、軽自動車は販売価格が低いことから貢献利益も低い傾向があります。例えば、当社グループの主要な販売地域である日本市場と米国市場における、当連結会計年度のカテゴリ別の貢献利益は、ライトトラックは全カテゴリ平均より約25%高く、パッセンジャーカーは約5%低く、軽自動車は約65%低いと試算されます。上記の貢献利益は売上収益から販売量に比例して発生すると考えられる材料費を控除した金額の台当たり金額と定義して算定したものです。
日本
2022年度四輪車総需要(注1)は、約438万台と前年度にくらべ、約4%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数(注2)は、半導体供給不足の影響などを受けたものの、「N-BOX」の増加などにより、48万4千台と前連結会計年度にくらべ1.7%の増加となりました。
当連結会計年度の生産台数は、64万3千台と前連結会計年度にくらべ1.4%の増加となりました。
(注) 1 出典:JAMA(日本自動車工業会:登録車+軽自動車)
2 当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジット等が、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して提供された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていません。
北米
主要市場である米国の2022年(暦年)四輪車総需要(注)は、約1,389万台と前年にくらべ約8%の減少となりました。
当連結会計年度の北米地域での連結売上台数は、半導体供給不足の影響などを受け、「HR-V」や「CIVIC」が減少したことなどにより、119万5千台と前連結会計年度にくらべ6.9%の減少となりました。
当連結会計年度の北米地域での生産台数は、124万9千台と前連結会計年度にくらべ1.7%の減少となりました。
(注) 出典:Autodata
欧州
欧州地域の2022年(暦年)四輪車総需要(注)は、約1,128万台と前年にくらべ約4%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「CIVIC」の減少などにより、8万4千台と前連結会計年度にくらべ16.0%の減少となりました。
(注) 出典:ACEA(欧州自動車工業会)乗用車部門(EU27ヵ国、EFTA3ヵ国、英国)
アジア
アジア地域主要国の2022年(暦年)四輪車総需要(注1)は、インドやマレーシアなどで増加したことにより、約834万台と前年にくらべ約18%の増加となりました。
中国の2022年(暦年)四輪車総需要(注2)は、約2,686万台と前年にくらべ約2%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数の合計は、インドネシアにおける「BR-V」や「BRIO」の増加などにより、50万5千台と前連結会計年度にくらべ14.0%の増加となりました。
なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、半導体供給不足の影響などを受け、「XR-V」や「VEZEL」の減少などにより、124万台と前連結会計年度にくらべ21.5%の大幅な減少となりました。
アジア地域の連結子会社の当連結会計年度の生産台数(注3)は、55万6千台と前連結会計年度にくらべ14.1%の増加となりました。
なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の当連結会計年度の生産台数は130万6千台と前連結会計年度にくらべ19.4%の減少となりました。
(注) 1 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの8ヵ国の合計、当社調べ
2 出典:中国汽車工業協会
3 タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの7ヵ国の合計
その他の地域
主要市場であるブラジルの2022年(暦年)の四輪車総需要(注)は、約196万台と前年にくらべ約1%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「CITY」の増加などはあったものの、「CIVIC」の減少などにより、11万4千台と前連結会計年度にくらべ6.6%の減少となりました。
当連結会計年度のブラジル工場での生産台数は、6万6千台と前連結会計年度にくらべ21.4%の大幅な減少となりました。
(注) 出典:ANFAVEA(ブラジル自動車製造業者協会:乗用車+軽商用車)
(金融サービス事業)
当社グループは、製品販売のサポートを主な目的として、日本・米国・カナダ・英国・ドイツ・ブラジル・タイにある金融子会社を通じて、顧客に対する金融サービス(小売金融、オペレーティング・リースおよびファイナンス・リース)および販売店に対する金融サービス(卸売金融)を提供しています。
金融サービスに係る債権およびオペレーティング・リース資産残高の合計は、10兆6,210億円と前連結会計年度末にくらべ274億円、0.3%の増加となりました。また、前連結会計年度末の為替レートで換算した場合、前連結会計年度末にくらべ約6,504億円、約6.1%の減少と試算されます。
金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、オペレーティング・リース売上の減少などはあったものの、為替換算による増加影響などにより、2兆9,540億円と前連結会計年度にくらべ1,334億円、4.7%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約2,890億円、約10.2%の減収と試算されます。セグメント間取引を含む金融サービス事業の売上収益は、2兆9,561億円と前連結会計年度にくらべ1,328億円、4.7%の増収となりました。
営業費用は、2兆6,702億円と前連結会計年度にくらべ1,799億円、7.2%の増加となりました。売上原価は、オペレーティング・リース売上の減少に伴う費用の減少などはあったものの、為替影響などにより、2兆5,442億円と前連結会計年度にくらべ1,450億円、6.0%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、為替影響などにより、1,260億円と前連結会計年度にくらべ349億円、38.3%の増加となりました。
営業利益は、為替影響などはあったものの、減収に伴う利益の減少などにより、2,858億円と前連結会計年度にくらべ471億円、14.2%の減益となりました。
(パワープロダクツ事業及びその他の事業)
パワープロダクツ事業の連結売上台数は、北米地域で減少したことなどにより、564万5千台と前連結会計年度にくらべ9.0%の減少となりました。パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、為替換算による増加影響などにより、4,511億円と前連結会計年度にくらべ518億円、13.0%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約76億円、約1.9%の増収と試算されます。セグメント間取引を含むパワープロダクツ事業及びその他の事業の売上収益は、4,764億円と前連結会計年度にくらべ546億円、13.0%の増収となりました。
営業費用は、4,536億円と前連結会計年度にくらべ223億円、5.2%の増加となりました。売上原価は、為替影響などにより、3,692億円と前連結会計年度にくらべ198億円、5.7%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の減少などはあったものの、為替影響などにより、572億円と前連結会計年度にくらべ29億円、5.5%の増加となりました。研究開発費は、271億円と前連結会計年度にくらべ4億円、1.8%の減少となりました。
営業利益は、販売影響による利益増や為替影響などにより、228億円と前連結会計年度にくらべ323億円の増益となりました。なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、為替換算による利益減などはあったものの、費用の減少などにより、257億円と前連結会計年度にくらべ79億円の改善となりました。
日本
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジン(注)が増加したことなどにより、37万6千台と前連結会計年度にくらべ6.5%の増加となりました。
(注) 相手先ブランドで販売される商品に搭載されるエンジン
OEM:Original Equipment Manufacturer
北米
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、227万4千台と前連結会計年度にくらべ16.9%の減少となりました。
欧州
当連結会計年度の連結売上台数は、発電機の増加はあったものの、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、116万8千台と前連結会計年度にくらべ1.8%の減少となりました。
アジア
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、140万8千台と前連結会計年度にくらべ5.3%の減少となりました。
その他の地域
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、41万9千台と前連結会計年度にくらべ3.2%の減少となりました。
当社および連結子会社は、IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債および収益・費用の報告額ならびに偶発資産・偶発債務の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した報告期間およびその影響を受ける将来の報告期間において認識されます。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、連結財務諸表注記の「2 作成の基礎 (5) 見積りおよび判断の利用」を参照ください。
(資金需要、源泉、使途に関する概要)
当社および連結子会社は、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持を財務方針としています。当社および連結子会社は、主に二輪車、四輪車およびパワープロダクツの製造販売を行うとともに、製品の販売をサポートするために、顧客および販売店に対する金融サービスを提供しています。生産販売事業における主な運転資金需要は、製品を生産するために必要となる部品および原材料や完成品の在庫資金のほか、販売店向けの売掛金資金です。また設備投資資金需要のうち主なものは、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充のための必要資金です。また、当社および連結子会社は、世界一のパワーユニットメーカーとして「環境」と「安全」に徹底的に取り組むとともに、新たな価値創造として、複合型ソリューションや新領域へのチャレンジに全社一丸となって取り組んでいます。こうした事業ポートフォリオの変革に向けても資金が必要となります。上記取組みに関する資源投入の計画に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ④ 財務戦略 2.新たな価値創造を加速する資源投入」を参照ください。
生産販売事業における必要資金については、主に営業活動から得られる資金、銀行借入金および社債の発行などによりまかなっております。なお、当社は、前連結会計年度において、「環境」と「安全」への取り組みに対する支出の一部を社債発行により調達するためのサステナブル・ファイナンス・フレームワークを設定し、資金使途をそのフレームワークに準じた環境事業に限定する米ドル建てグリーンボンドを、総額27.5億米ドル発行しました。これらを踏まえ、現在必要とされる資金水準を十分確保していると考えています。これら生産販売事業の資金調達に伴う当連結会計年度末の債務残高は8,027億円となっています。また、顧客および販売店に対する金融サービスでの必要資金については、主にミディアムタームノート、銀行借入金、金融債権の証券化、オペレーティング・リース資産の証券化、コマーシャルペーパーの発行および社債の発行などによりまかなっています。これら金融子会社の資金調達に伴う当連結会計年度末での債務残高は6兆8,674億円となっています。
当社および連結子会社の借入必要額に、重要な季節的変動はありません。
今後も必要資金と手元資金の状況を鑑みながら、必要に応じて資金調達を検討していきます。
(流動性)
当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物3兆8,030億円は、主に米ドル建てと円建てを中心としていますが、その他の外貨建てでも保有しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、売上収益の約2.7ヵ月相当の水準となっており、当社および連結子会社の事業運営上、十分な流動性を確保していると考えています。
しかしながら、景気後退による市場の縮小や金融市場・為替市場の混乱などにより、流動性に一部支障をきたす場合も考えられます。このため、特に1兆483億円の短期債務を負う金融子会社では、継続的に債務を借り換えしているコマーシャルペーパーについて、代替流動性として合計1兆3,067億円相当の契約信用供与枠(コミットメントライン)を保有しています。さらに、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在、当社および連結子会社は世界的に有力な銀行と契約に基づかない信用供与限度額を十分に設定しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の資金調達に係る債務は、主に米ドル建てを中心としていますが、円建てやその他の外貨建てでも保有しています。
資金調達に係る債務の追加情報については、連結財務諸表注記の「15 資金調達に係る債務」および「25 金融リスク管理」を参照ください。
また、当社および連結子会社が発行する短期および長期債券は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プアーズおよび格付投資情報センターなどから、2023年3月31日現在、以下の信用格付を受けています。
なお、これらの信用格付は、当社および連結子会社が格付機関に提供する情報または格付機関が信頼できると考える他の情報に基づいて行われるとともに、当社および連結子会社の発行する特定の債券に係る信用リスクに対する評価に基づいています。各格付機関は当社および連結子会社の信用格付の評価において異なった基準を採用することがあり、かつ各格付機関が独自に評価を行っています。これらの信用格付はいつでも格付機関により改訂または取り消しされることがあります。また、これらの格付は債券の売買・保有を推奨するものではありません。
(貸出コミットメント)
当社および連結子会社は、販売店に対する貸出コミットメント契約に基づき、貸付金の未実行残高を有しています。当連結会計年度末において、販売店への保証に対する割引前の将来最大支払額は、1,192億円です。これらの貸出コミットメント契約には、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれているため、必ずしも貸出実行されるものではありません。
(従業員の債務に対する保証)
当社および連結子会社は、当連結会計年度末において、従業員のための銀行住宅ローン59億円を保証しています。従業員が債務不履行に陥った場合、当社および連結子会社は、保証を履行することを要求されます。債務不履行が生じた場合に、当社および連結子会社が負う支払義務の割引前の金額は、当連結会計年度末において、上記の金額です。2023年3月31日現在、従業員は予定された返済を行えると考えられるため、当該支払義務により見積られた損失はありません。
当連結会計年度末における契約上の債務は、以下のとおりです。
(注) 1 当社および連結子会社の発注残高は、設備投資に関するものです。
2 2024年度以降の拠出額は未確定であるため、確定給付制度への拠出は、次連結会計年度に拠出するもののみ記載しています。
連結財務諸表注記の「25 金融リスク管理 (2) 市場リスク」を参照ください。
該当事項はありません。
当社および連結子会社の研究開発は、先進の技術によって、個性的で国際競争力のある商品群を生み出すことを目的としています。製品に関する研究開発につきましては、当社のほか、㈱本田技術研究所、ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シーを中心に、また、生産技術に関する研究開発につきましては、当社のほか、ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シーを中心に、それぞれ現地に密着した研究開発を行っています。
当社はハードとソフトやサービスを融合させた新価値創出の強化をはかるため、事業開発機能とソフトウェア・電動コア技術を集約した事業開発本部を新設しました。従来の二輪、四輪、パワープロダクツといった製品別の事業本部から独立させて1つの組織体制に束ねることで、機動力を高めるとともに、製品間で技術と事業を融合させ、シナジーを強化していきます。
当連結会計年度に発生した研究開発支出は、
また、当社および連結子会社では研究開発支出の一部について、無形資産に計上しています。連結損益計算書に計上されている研究開発費の詳細については、連結財務諸表注記の「21 研究開発費」を参照ください。
セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において当社グループが判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。
(二輪事業)
二輪事業では、「チャレンジする組織風土を最大化し、今後の環境変化を乗り越え、手の届く価格で、お客様に喜んでもらえる商品を創造し続けられるものづくり集団となる」を方針として、研究開発活動に取り組んでまいりました。
主な成果として、2023年3月にアドベンチャースタイルの大型二輪スポーツモデル「XL750 TRANSALP」を発表しました。新開発の水冷・4ストローク・OHC・4バルブ直列2気筒のエンジンを搭載し、防風性能と空力性能を兼ね備えた機能的な大型ウインドスクリーン、車両の情報を集約し表示する5.0インチTFTフルカラー液晶マルチインフォメーションディスプレイを採用しました。また、あらかじめ設定された出力特性を選択できる「ライディングモード」や「HSVCS」など各種の先進装備を採用し、ライダーの利便性を高めています。
2022年9月に「HAWK 11」を発売しました。経験豊かなベテランライダーを中心としたお客様に、新たな価値観と充実したバイクライフを提案する日本市場向けの大型モーターサイクルになっており、水冷・4ストローク・OHC・直列2気筒1,082cm3エンジンに、6速マニュアルトランスミッションと、ライディングをサポートする電子制御技術を搭載し、ゆったりと走るシーンから、軽快にワインディング走行を楽しむシーンまで、ライダーの充足感を追求した、扱いやすい車体パッケージとしています。
また、2023年1月には、アドベンチャースタイルの軽二輪スクーター「ADV160」を発売しました。水冷・4ストローク・4バルブ・156cm3単気筒の新エンジン「eSP+」を搭載し最新の排出ガス規制(注)に対応させることにより、環境にも配慮しています。
さらに、2023年2月に発売した大型クルーザーモデル「Rebel 1100T」はロー&ロングなスタイリッシュなデザインと、長距離走行時の快適性に配慮し、ライダーへの走行風をやわらげる大型フロントカウルを採用し快適なロングツーリングに対応したモデルとしています。
「地球環境負荷ゼロ」へ向けた取り組みとして、2040年代にすべての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することをめざし、ICE(内燃機関)の進化にも継続的に取り組みながら、今後の環境戦略の主軸として二輪車の電動化を加速させていきます。
具体的には、2025年までにグローバルで、電動二輪車を合計10モデル以上投入し、2026年に100万台、2030年にHondaの総販売台数の約15%にあたる年間350万台レベルの電動二輪車の販売をめざしていきます。
その先駆けとして、2022年11月にイタリア・ミラノで開催されたEICMA 2022において、Hondaが初めてヨーロッパで販売する電動二輪車「EM1 e:」を発表しました。若者向けに手軽で楽しいアーバンライディングを提供します。街中での走行や通学・通勤を、効率よく、静かに、クリーンに走る「EM1 e:」は、現代のニーズやライフスタイルに最適なモデルです。
また、電動二輪車の最大市場である中国では、2023年1月に上海で開催されたオンライン発表会において、中国国内のZ世代(ジェネレーションZ)の若い消費者に向けた電動二輪車、「Honda Cub e:」「Dax e:」「ZOOMER e:」の3モデルを発表しました。従来のモデルの特徴的なデザインをモチーフに、先進的な機能・装備などを加えることにより、新しい価値観を提供し、中国の若い消費者にさらなる驚きと選択肢をもたらすことを狙いにしています。
二輪事業に係る研究開発支出は、
(注) 2020年排出ガス規制
(四輪事業)
四輪事業では、「魅力ある強い商品のために総合力を発揮し、ものづくりプロセスの深化により、四輪事業を永続的に成長させる」を方針として研究開発に取り組んでまいりました。
主な成果として、2022年4月に中国においてEV「e:NS1」、同年6月に新型EV「e:NP1」を発売しました。独創、情熱といった当社グループのものづくりのDNAと、最先端の中国の電動化・知能化技術を融合し開発した「e:N」シリーズの第1弾として、「心動 未体験EV」をコンセプトとし、乗る人の心を揺さぶる新しい価値を数多く取り入れました。2022年7月に発売した新型「CIVIC e:HEV」、同年9月に発売した新型「CIVIC TYPE R」が国産車として初めて、2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー(主催:日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会)で「パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。ハイブリッドカーである「CIVIC e:HEV」は、洗練されたパワートレインにより、現代的でスマートな走りがしっかり作り上げられたスポーツサルーンとして評価されました。また、「CIVIC TYPE R」は、優れたシャシー性能と空力ボディ、滑らかな回転フィールのVTECターボエンジンにより、街乗りからサーキット走行まで幅広くカバーするパフォーマンスを実現し、ドライバーに素直な感動を与えてくれる点に多くの評価を集めることが出来ました。
グローバルでは、新型「CR-V」、新型「ACCORD」を発売しました。パワートレインは1.5L直列4気筒DOHC直噴ターボエンジンに加え、旧型よりさらに進化した2モーター式ハイブリッドシステムを搭載しました。また、安全運転支援システム「Honda SENSING」の機能も刷新し、先進の予防安全技術を提供します。
北米においては、2022年12月に新型「PILOT」を発売しました。新型プラットフォームの採用により、室内空間は拡大し、特に3列目シートはゆとりある設計になりました。また、当社グループ初の組み合わせとなる3.5LV6エンジンと10速オートマチックトランスミッションを搭載し、力強い走りを実現しています。
また、北米では2022年6月に発売したAcuraブランドの新型「INTEGRA」が、そのスポーティなデザイン、魅力的なドライビング エクスペリエンス、多彩なパッケージ、プレミアム機能が評価され、2023 North American Car, Truck and Utility Vehicle оf the Year Awardsの受賞式において「2023 North American Car оf the Year(2023北米カー・オブ・ザ・イヤー)」を受賞しました。昨年の「CIVIC」に続き、2年連続の受賞になりました。
「地球環境負荷ゼロ」へ向けた取り組みとして、バッテリー開発と市場変化に合わせたEV製品の投入を進めていきます。バッテリーにおいては、2020年代後半のEV拡大期に合わせ、次世代電池技術に対する、独自開発へのチャレンジに取り組んでいきます。具体的には、㈱GSユアサと高容量・高出力なリチウムイオンバッテリーの開発に向けて協業を進めていきます。また、半固体電池では、SES AI コーポレーションの出資を通じた共同開発を進めるとともに、全固体電池については、自前開発に向けた研究を進めていきます。
EV製品の投入については、現在から2020年代後半までは主要地域ごとの市場特性に合わせた商品を投入していきます。北米では、ゼネラルモーターズ(GM)と共同開発の中大型クラスEVを2024年に2機種投入します。中国では、HondaブランドEVとなる「e:N」シリーズの開発を更に加速させ、2027年までに10機種を投入します。また、日本においては、2024年中に、軽商用EVの投入を計画しています。そしてEV普及期と想定される2020年代後半以降は、グローバル視点でベストなEVを展開していきます。ハードウェアとソフトウェアの各プラットフォームを組み合わせたEV向けプラットフォーム「Honda e:アーキテクチャー」を採用した商品を2025年からの投入に向けて、開発を進めています。また、GMとのアライアンスを通じて、従来のガソリン車と同等レベルの競争力を持つ量販価格帯のEVを、2027年以降に北米から投入する計画です。
当社グループは電動化へ向けた開発を更に加速していきます。
「交通事故死者ゼロ」へ向けた取り組みとしては、2022年12月に「Honda SENSING 360」と「Honda SENSING Elite」の次世代技術を発表しました。
「Honda SENSING 360」に次世代技術として、ドライバー異常や周辺環境を検知し事故のリスクを減らすことで、ドライバー運転負荷をさらに軽減する新機能を追加し、2024年よりグローバルで順次適用開始していきます。また、「Honda SENSING Elite」の次世代技術として、Honda独自のAI技術を活用した認知・理解技術により、従来の高速道路に加え一般道路も含めた自宅から目的地までシームレスな移動を支援する技術を新開発しました。これらの技術を2020年代半ばから順次適用開始していきます。
四輪事業に係る研究開発支出は、
(パワープロダクツ事業及びその他の事業)
パワープロダクツ事業では、「暮らしの“未来”を創造し「役立ち」と「喜び」を更なる高みへ」を方針として、研究開発活動に取り組んでまいりました。
主な成果として、2022年夏に大型除雪機「HSL2511」を一部改良し発売しました。「HSL2511」は、電子制御燃料噴射装置を採用したエンジンの搭載により、優れた始動・メンテナンス性に加え、高い燃費性能を実現した大型除雪機です。また、Honda独自のオーガ操作支援機能「スマートオーガシステム」の採用で使いやすさとパワフルな除雪能力を両立させたモデルとしてご好評をいただいています。
「地球環境負荷ゼロ」へ向けた取り組みとしては、2022年10月にバッテリー交換ステーション「Honda Power Pack Exchanger e:」の販売を開始し、バッテリーシェアリング事業を行う株式会社Gachacoに納品しました。「Honda Power Pack Exchanger e:」は、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を複数同時に充電し、電動二輪車をはじめとする「Honda Mobile Power Pack e:」ユーザーのスムーズなバッテリー交換を可能にするバッテリー交換ステーションです。ユーザーは街の中のステーションで必要な時に充電済みバッテリーにアクセスすることができ、充電時間を待つことなく、効率よく電動モビリティを利用することが可能になります。
「新たな価値創造」へ向けた取り組みとしては、より良き社会実現に向けた、QOL(Quality Of Life:生活の質)、QOW(Quality Of Work:仕事の質)向上のためのソリューションシステムの開発を進めています。そのための技術として、作業システムの知能化、IoT化を進化させ、社会課題の解決に寄与する活動を加速させています。2023年3月には米国・ラスベガスで開催された「CONEXPO-CON/AGG 2023」において、プラットフォーム型自律移動モビリティの実験用車両「Hоnda Autonomous Work Vehicle(以下「Honda AWV」という。)」の3代目となるプロトタイプを公開しました。Honda AWVは、CES 2018に出展した「3E-D18」のコンセプトを基に、アタッチメントやツールが追加され、運搬をはじめ、さまざまな作業に活用できるプラットフォームとなっています。なお、Honda AWVはGPSによる位置情報、レーダーやライダーによる障害物検知機能、その他のセンサー類を駆使して自律的に走行します。
また、研究開発中の自動芝刈り機のプロトタイプモデル「Honda Autonomous Work Mоwer(以下「Honda AWM」という。)」を、2022年10月に米国・ケンタッキー州ルイビル市で開催された「Equip Exposition 2022」で展示しました。1回目に手動で芝刈り作業ルートを記録することで、自動運転するルートを教示し、2回目以降の作業を自動化する、ティーチング&プレイバック機能だけでなく、障害物を検知して停止する機能も搭載しています。
当社グループはこれからも、「新たな価値創造」へ向けた取り組みを加速していきます。
航空機においては、Honda独自の最先端技術を開発して、空の世界においても新しい価値を創造し、長期的な観点から航空機ビジネスを成長させていくためのビジネス基盤の構築をしてまいりました。
2022年10月に米国フロリダ州オーランドで開催された世界最大のビジネス航空ショー、ナショナル ビジネス アビエーションにおいて、小型ビジネスジェット機「HondaJet」の最新型としてアップグレードされた「HondaJet Elite II(以下「Elite II」という。)」を発表しました。Elite IIは、燃料タンクの拡張および最大離陸重量の増加により、航続距離を延長し、より遠くの目的地へ移動することが可能になりました。機体構造の改良においてはグランドスポイラーを主翼に初搭載し、着陸時の機体ハンドリングと安定性を向上させました。また、空の領域における新たな安全技術の取り組みとして、最新の自動化技術であるオートスロットル機能と緊急着陸装置の導入を推進しています。
アフターサービスに関しては、高水準のサービスと技術者の専門性が評価され、昨年度に続き、米国連邦航空局(FAA)から最高レベルである「ダイヤモンドレベルAMT賞」を受賞しました。
今後もビジネスジェット市場のさらなる活性化へ向けた体制整備に取り組みます。
パワープロダクツ事業及びその他の事業に係る研究開発支出は、
次世代技術として、人、機械、社会の共働・共生をサポートする独自のAIである協調人工知能「Honda CI(Cooperative Intelligence)」を活用した「Honda CIマイクロモビリティ」と活用技術を公開しました。2022年11月から茨城県常総市内の複数エリアにて技術実証実験を順次開始しています。今後、少子高齢化やアフターコロナの社会において、ますますマイクロモビリティによる人とモノの自由な移動ニーズが増加することが予想されます。当社グループは、2030年ごろの実用化を見据えCIマイクロモビリティの技術をさらに進化させることで、「移動と暮らしの進化」と「交通事故ゼロ」を両立する「Honda CIマイクロモビリティ」の実現をめざします。また、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、製品の電動化の促進のみならず、エネルギーキャリアとしての水素の活用拡大にも積極的に取り組み、水素事業の拡大をめざしていきます。水素事業のコアとなる燃料電池システムのさらなる進化に取り組み、耐久性の向上、コストの削減を進めています。具体的には、燃料電池システム活用のコアドメインを、燃料電池自動車(FCV)、商用車、定置電源、建設機械の4つと定め、他社との協業にも積極的に取り組んでいきます。
なお、これらの取り組みに係る研究開発支出は各事業に配分されています。
当連結会計年度末時点において、当社および連結子会社は、国内で15,000件以上、海外で27,100件以上の特許権を保有しています。また、出願中の特許が国内で5,800件以上、海外で14,200件以上あります。当社および連結子会社は、特許の重要性を認識していますが、特許のうちのいくつか、または、関連する一連の特許が終了または失効したとしても、当社および連結子会社の経営に重要な影響を及ぼすことはないと考えています。