文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
当社グループは、社会の一員として、社会との調和を図りながら持続的に発展し、さらにステークホルダーの期待に積極的に応えていくことの重要性を強く認識しており、「新しい潮流の変化に鋭敏であり続けるアグレッシブな先進企業を目指す」「世界とともに生きる」を経営理念として、独自性のある優れた技術で、時代の先端をいく製品と顧客ニーズに合った製品を提供し、企業の社会的責任を果たしていくことを経営の基本方針としています。
SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、幅広い事業を世界中で展開し、革新的な技術で世界をリードすることで、持続可能な社会と人々の豊かなくらしに貢献する企業となることを目指しています。
『ADEKA VISION 2030』の実現に向けたファーストステージとして、2021年度から2023年度までの中期経営計画『ADX 2023』を遂行しています。
「ADX」は「ADEKAは変わります(ADEKA Transformation)」という決意を表しています。2030年を目標年とするSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、カーボンニュートラルをはじめとする新しい社会環境に対応するとともに、利益を重視し、足腰の強い企業体質へと自ら変革することで、社会価値と経済価値の追求による企業価値向上を図っていきます。
中期経営計画の最終年度である2023年度に、「営業利益420億円、ROE9%」を目指しています。
なお、当社グループは、2022年8月に、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の見直しを行いました。
〔中期経営計画(2021-2023年度)『ADX 2023』経営指標〕
※1 適切な還元を総合的に勘案し、安定配当の維持を基本とする。
※2 カーボンニュートラルの実現に向けた環境投資を含む。
「新しい社会環境に対応する経営基盤へ変革し、利益を重視した持続的な成長を目指す」
持続可能な社会の実現に向けて製品・サービスの提供を通じ、社会的課題の解決に取り組み、売上・利益を最大化していきます。中長期的視野で持続的に成長できる収益構造を構築し、社会価値と経済価値を追求することで、企業価値の向上を図ります。
カーボンニュートラルをはじめとする新しい社会環境に対応するために、ADEKAは変わります。社会価値と経済価値を最大化させるべく、以下の3つの基本戦略を進めます。加えて、基本戦略遂行を支える基盤として、人財戦略、DX戦略を進めます。
SDGsの達成に貢献していくため、樹脂添加剤・化学品・食品・ライフサイエンスの各事業における戦略製品に、気候変動対応、環境負荷低減や資源の有効活用等に貢献する「環境貢献製品」や、社会の期待に応える価値創出を目指した「ADEKA Innovative Value製品」(AIV製品)を組み入れ、社会価値と経済価値の双方を追求します。また、事業活動全体で生産性向上を進め、トータルコストの最適化を図ります。
成長ドライバーとして「ライフサイエンス」「環境」「エネルギー」「次世代ICT」分野をターゲットとし、事業化を推進します。加えてM&Aによるポートフォリオの拡充と最適化を図ります。
グループの求心力を高めるべく、グループガバナンスを一層強化するとともに、健全な財務基盤の構築により足腰の強い企業を目指します。また、同時に新しい働き方の追求にも取り組んでまいります。
3.サステナビリティを意識した企業経営
当社グループは、中長期的な視点に立ち、「サステナビリティ」における課題に取り組むことで、グループの持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を実現し、持続可能な社会と人々の豊かなくらしに貢献していきます。
ADEKAグループCSR基本方針「ADEKAグループは、公正・透明な企業活動を通じて、技術と信頼でステークホルダーの期待に応え、持続可能な社会に貢献します。」は、本業を通じた持続可能な社会への貢献という観点から、当社グループが経営とCSRを統合し、社会・ステークホルダーの期待に応え、企業価値向上を目指す基本姿勢を表現したものです。
同基本方針に基づいた企業活動を具体的に推進するため、CSR委員会(委員長:代表取締役社長)では、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の3分野にわたるCSR優先課題と、SDGs達成の目標年度である2030年を念頭に置いた目標(KPI)を定め、全社横断的な取り組みを行っています。
2022年度は、環境(E)においては、「カーボンニュートラル推進戦略」の制定と実行、社会(S)では、D&Iプロジェクトチームの新設・女性活躍推進の加速、ガバナンス(G)では、リスク管理の向上に向けた「リスクマネジメント委員会」への改組など、下掲の取り組みを実行しました。
〔2022年度の主な活動〕
4.グループ戦略課題
2024年3月期の世界経済は、減速傾向が強まると見通しています。原燃料価格の高止まりによるインフレ圧力は依然根強く、加えて国際情勢の緊迫化によるサプライチェーンの寸断や欧米で表面化した金融不安が経済に及ぼす影響が懸念され、先行き不透明な状況が続くと予想されます。
当社グループの主要対象分野である自動車関連分野は、供給制約の影響が一部で残るものの、国内での挽回生産が進み、世界全体の自動車生産も緩やかな回復シナリオを想定しています。また、自動車のEV化、電装化、軽量化のニーズが高まり、車重軽量化に貢献する核剤やEV部材向けイントメッセント系難燃剤「アデカスタブ」シリーズ、優れた燃費向上効果を発揮する潤滑油添加剤「アデカサクラルーブ」シリーズ等の販売拡大を見込んでいます。ICT・家電分野は、パソコンやスマートフォンの需要低迷やデータセンター投資の減速等を背景に、上期中は半導体の生産調整が続く見通しです。一方でデジタル化を支える最先端の半導体分野は力強い成長が続くと見ており、先端半導体メモリ向け高誘電材料「アデカオルセラ」シリーズやEUVフォトレジスト向け光酸発生剤「アデカアークルズ」シリーズのさらなる販売拡大を見込んでいます。食品分野は、消費者の低価格・節約志向は継続するものの、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い人流回復と訪日観光客の増加が期待されており、製パン、製菓、洋菓子・デザートの需要は回復基調で推移する見通しです。また、食の多様化や環境配慮の観点から需要が高まっているプラントベースフード「デリプランツ」シリーズの販売拡大に努めるとともに、引き続き販売価格の適正化と品種統合を進めてまいります。ライフサイエンス分野は、人口増加や新興国での作付け面積拡大を背景に、世界の農薬需要は引き続き拡大基調で推移する見通しであり、水稲用殺虫剤「オーケストラ」をはじめとする主要重点品目の販売拡大を見込んでいます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.気候変動対応(TCFDに関する取り組み)
ADEKAグループは2022年2月に、TCFD*賛同を表明しました。
世界的に脱炭素社会実現への取り組みが加速するなかで、当社グループは特に環境面において、CSR優先課題として掲げる「地球環境の保全(GHG排出量削減等)」「環境貢献製品の提供」を積極的に推し進め、サプライチェーン全体での環境負荷低減に貢献してまいります。
今後もTCFD提言に沿って気候変動が事業活動に与える影響を分析・評価し、複数のシナリオに基づく対応策を策定し、事業のレジリエンス向上を図るとともに、これらの取り組みをステークホルダーの皆さまにより分かりやすくお伝えできるよう発信してまいります。 *TCFD 気候関連財務情報開示タスクフォース
(1) ガバナンス
① 気候関連リスク・機会に対する取締役会の監督
・ADEKAグループでは「CSR優先課題」を決定する際に「気候変動への対応」を、優先して取り組む社会的課題のひとつに挙げています。
・GHG排出削減量のKPI検討(2030年、2050年)などの重要な審議は、代表取締役社長が委員長を務める「CSR委員会」(2022年は5回開催)にて実施しています。
・気候変動に関連する課題を含む重要な決議事項に関しては、取締役会に報告しており、取締役会の監督が適切に図られる体制を整えています。
② 気候関連リスク・機会を評価、管理する上でのマネジメントの役割
・事業活動における気候変動関連のリスクと機会の適切な評価・管理を推進していくために、CSR委員会は、委員長は代表取締役社長、委員は常勤取締役及び常務執行役員、上級執行役員、環境・安全対策本部長が務めています。
・下部組織であるCSR推進部会での討議によりCSR委員会への上程案を作成し、CSR委員会では、気候変動関連課題の方針決定、施策の審議とモニタリングを行います。
・従って、CSR委員会の委員長である代表取締役社長は、気候変動対応に関する方針決定、リスクや機会への取り組み推進、目標達成等について責任を負っています。
(2) リスク管理
① 気候関連リスクの識別・評価・マネジメントプロセスの組織全体の総合的リスク管理への統合プロセス
ADEKAグループでは、全社レベルのリスク管理として、グローバルリスクマネジメント、クライシスマネジメント、事業継続マネジメント、情報セキュリティ等のほか、当社独自の概念である「4つの安全」(労働安全、環境安全、品質安全、設備安全)によるPDCAサイクルを用いた継続的な取り組みを行っています。一方、ESG側面のリスク・機会の識別・評価を行うことに関しては、以下のCSRマネジメント体制を敷いています。
② 気候関連リスクの識別・評価のプロセス
・ADEKAグループでは、CSR委員会の直下にCSR推進部会を設置し、GHG排出量、並びに会社の財務への影響度合い等の観点から、会社全体を包括する重要な気候関連リスクと機会の抽出・評価を行っています。
・重要リスクと機会の評価は、CSR委員会で審議の上決定し、取締役会に報告しています。
・ADEKAグループ・CSR優先課題の中で、気候変動問題は重要な課題として、優先課題「地球環境の保全」「環境貢献製品の提供」の両方に含まれています。
③ 気候関連リスクのマネジメントプロセス
・ADEKAグループでは、気候変動問題はCSR優先課題に含まれるものとして、その取り組みの進捗を定期的にCSR推進部会で討議し、さらにCSR委員会に報告して審議・承認を行っています。
・進捗を評価する項目
(ⅰ) CSR優先課題で定めているKPI
「地球環境の保全」・・・GHG排出量 「環境貢献製品の提供」・・・「環境貢献製品」売上高
(ⅱ) TCFDの要件に照らした活動の進捗
(3) 戦略
① 考え方
TCFD提言は、戦略の開示にあたり、2℃以下のシナリオを含む複数の気候シナリオで分析を行うことを推奨しています。そこで移行面での影響が顕在化する「1.5℃/2℃未満シナリオ」と、物理面での影響が顕在化する「4℃シナリオ」を設定しました。対象とする事業を選定し「リスク・機会の特定→影響度の評価→影響分析→対応策の検討」のステップに基づいて、原料調達から製品需要のバリューチェーン全体を考慮して、気候変動リスク・機会を抽出し、事業へのインパクトや対応策の検討を行っています。

シナリオ分析の対象は、当社グループの全事業(樹脂添加剤、情報・電子化学品、機能化学品、食品、ライフサイエンス)としました。中期経営計画における「カーボンニュートラルに向けた取り組み」を踏まえ、中期的なマイルストーンとして排出量削減目標を設定した「2030年」と、長期なマイルストーンとしてカーボンニュートラル達成を目指す「2050年」について、シナリオ分析を行っています。
シナリオとしては、具体的には、国際エネルギー機関(以下、IEA)によるNZE(1.5℃シナリオ)やSDS(2℃未満シナリオ)、国連気候変動に関する政府間パネル(以下、IPCC)によるRCP8.5(4℃シナリオ)やRCP2.6(2℃未満シナリオ)などを参照しています。
② 設定シナリオ
③ 財務影響評価
・設定したシナリオに基づき、当社グループにおける気候変動関連のリスク・機会を整理し、その規模や時間軸についても評価しました。
・2030年時点の想定(GHG排出量、炭素税による影響)を下記のとおり行いました。
※外部シナリオ「WEO2022 NZEシナリオ」における、2030年時点の炭素価格
(先進国:140$/t-CO2、新興国:90$/t-CO2)、1$=130円想定での日本円換算。
④ 主要なリスクと機会、影響度、対応策
〔対象事業〕全体→「全」、樹脂添加剤→「樹添」、情報・電子→「情電」、機能化学品→「機能」、食品→「食品」、ライフサイエンス→「ライフ」

※リスク・機会の影響度 「大」・・・利益への影響が、規模「20億円以上」と想定される
「中」・・・利益への影響が、規模「5億円以上、20億円未満」と想定される
「小」・・・利益への影響が、規模「5億円未満」と想定される
⑤ ビジネスチャンス
下記の5製品群は、気候変動対応の観点から、中長期的に当社グループのビジネスチャンスと判定されました。
これらの分野の、より一層の伸長に注力することにより、社会価値と経済価値の同時追求を目指します。

(4) 指標と目標
① GHG排出削減
(ⅰ) ADEKAグループ カーボンニュートラル・ロードマップ
ADEKAグループとして「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けた取り組みとして
●「2030年:GHG排出量46%削減(Scope1+2)」
●「技術・製品の創出によるGHG削減貢献」
上記を二本柱として推し進める旨を示したロードマップを定めています。

削減目標の対象範囲は自社グループにおける排出=Scope1+2としますが、社会のカーボンニュートラルに貢献する製品・技術の創出にも並行して取り組み、市場や社会におけるGHG排出量削減への貢献を目指します。
(Scope3を含むサプライチェーン全体での排出量は、現時点では精査中であり、算出対象とするカテゴリ選定、排出量精査、削減方針策定などに注力中です。体制整い次第Scope3、サプライチェーン全体含めた排出量削減に努めます)
(ⅱ) CSR優先課題「地球環境の保全」のKPI
(ⅲ) GHG排出量(Scope1,2,3)、排出原単位実績推移
ADEKAグループでは、GHG排出量(Scope1,2,3) 、排出原単位の実績推移を公開しています。削減に向けて製品の安定供給を維持するとともに、生産効率化などの改善を進めており、社長工場監査及び環境・安全対策本部監査にて進捗を確認しています。
② 「環境貢献製品」の開発・提供加速
ADEKAグループでは、CSR優先課題の1つである「環境貢献製品の提供」の2030年KPIを「『環境貢献製品』売上高:2019年度比3倍に拡大」と定めています。これはADEKAグループの気候変動に伴うビジネスチャンスの拡大を目指す指標でもあります。
「環境貢献製品」は、「気候変動対応」「環境負荷低減」「資源有効活用」の3分野のいずれかで社会に貢献する製品・技術を当社CSR委員会で認定したものです。(現在14製品群、2019年時点売上高:約313億円)そして「売上高」を2030年KPIとして位置づけ、進捗をモニタリングしています。中期経営計画ADX 2023の基本戦略「収益構造の変革」の中でも、環境貢献製品の開発・提供を加速し“社会価値と経済価値を同時に追求”することを掲げています。ADX 2023の3年間では、環境貢献製品の売上高は「1.4倍」に成長する見込みです。
「環境貢献製品」に関する詳細は、当社HP「ADEKAの環境貢献製品」をご参照願います。
(https://www.adeka.co.jp/csr/eco-products.html)

(5) 対応の高度化
① 専門組織「カーボンニュートラル戦略企画室」を設置(2022年4月1日)
2050年カーボンニュートラルにむけた取り組みを全社的かつ機動的に進めるための専門組織を、経営企画部内に設置しました。今や気候変動、脱炭素、カーボンニュートラルにむけた取り組みを通じ、社会の持続的成長に貢献しつつ自社も成長していく戦略を語ることは、欠くことのできない社会からの要請です。同室はカーボンニュートラル戦略策定の中心となり、ADEKAグループ全体の活動を牽引しています。
② 「カーボンニュートラル推進戦略」の策定実行
2050年カーボンニュートラルにむけ、 GHG削減による長期視点での価値創造にむけて「カーボンニュートラル推進戦略」を策定し、実行しています。推進戦略の詳細検討を行う社内ワーキンググループの設置・運営を通じて、再エネ電力を導入(本社、研究所、大阪支社等の電力。2022年度分より)することを決定したほか、ICP(インターナルカーボンプライシング)の試験運用の開始などを進めています。
③ TCFDシナリオ分析の深化と継続
今回の分析・評価結果の事業戦略への組み込みを推進する一方で、シナリオ分析の内容のブラッシュアップを継続していきます。
今後、持続的な企業価値向上に資する一連の取り組みを通じて、外部環境や市況の変化を見据えながら、定期的に、気候変動シナリオ分析において特定したリスクと機会を確認・更新し、それらの影響度の測定、指標と目標の具体化・充実化、事業戦略への反映等を図りながら、適宜ステークホルダーの皆さまへ情報開示し、説明責任を果たしてまいります。
2.人的資本
(1) 戦略
(多様性の確保に向けた人財育成方針及び社内環境整備方針)
当社では、人事理念の一つとして「従業員の人間性と個性の尊重」を掲げています。当該理念に基づき多様な価値観やキャリア、経歴をもった人財を採用するとともに、全ての従業員がその能力と個性を最大限発揮し、グローバルに活躍できるよう、キャリアディベロップ研修をはじめとした各種育成施策を実施する方針です。また、多様な人財が活躍するためには、ワーク・ライフ・バランスを図り、各個人のニーズにあった柔軟な働き方を可能とする制度が必要と考えています。当社では、フレックスタイム制度や専門型・企画型裁量労働制、テレワーク勤務制度といった、時間や空間にとらわれない働き方を導入しています。今後は、現在試行中の勤務間インターバル制度の正式導入等、さらなる制度改定に取り組んでまいります。加えて、個々の人財が組織の中で活躍していくためには、一人ひとりの適性を把握し、個々に合ったキャリア構築や研修プランを策定する必要があると考えています。そのため、業務適性や本人の希望、モチベーション等を踏まえて、より適した業務へのアサインメントや個別の研修プランを提供することを企図し、タレントマネジメントシステムの導入・展開を進めています。また、互いの個性を受け入れ、尊重し合う環境の整備に向けて、LGBTQへの理解促進も含めたダイバーシティ&インクルージョン研修を実施します。引き続き多様性の確保に向けた取り組みをハード・ソフト両面から進めてまいります。
(2) 指標及び目標
(女性・外国人・経験者採用者の管理職登用に関する目標・状況)
当社グループでは、ありたい姿『ADEKA VISION 2030』においてCSR優先課題の1つに「人財活躍の機会拡大」を掲げ、多様な人財の視点や価値観を活かし、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めています。性別、年齢、国籍などを問わず、一人ひとりが個性を活かして能力を発揮できる職場環境を整えています。女性、外国人、経験者採用者、高齢者、障がい者など、多様な人財の採用を積極的に行っています。当社グループのありたい姿に関する詳細は、当社のHP『ADEKA VISION 2030・中期経営計画』(https://www.adeka.co.jp/ir/strategy.html)をご参照願います。
① 女性従業員の登用
当社では、女性従業員が十分に能力を発揮できる環境、仕事と子育てが両立できる職場づくりを目指して、育児休業制度の拡充やワーク・ライフ・バランスの促進に取り組んでおり、育児のための積立特別休暇制度の拡充や育児・介護に関する制度を周知するためのパンフレット作成等の取り組みを積極的に進めています。2021年4月に女性活躍を推進するタスクチームを立ち上げ、より一層女性が活躍できる風土醸成に向けた取り組みを実施しています。現在、当社在籍人数に占める女性従業員の比率は約16%であり、管理職に占める女性の比率は4.6%です。2030年度までに管理職に占める女性の比率を10%以上にすることを目標に掲げています。女性活躍に関する現況や目標の詳細は、当社のHP「次世代育成支援/女性活躍推進行動計画」(https://www.adeka.co.jp/csr/ngns.html)をご参照願います。
② 外国人の登用
当社では、2019年度から2022年度までの4年間で5名の外国籍従業員を採用しています。当社グループではグローバル展開の拡大が進み、2020年度には海外売上高比率が5割を超えました。当社グループの外国人比率は4割を超え、海外にも多くの拠点を有し、海外拠点(含む子会社)における外国人の割合は9割を超えています。海外拠点ではローカライゼーションを推進していることから、多くの外国人役員や外国人管理職が活躍しており、前述のタレントマネジメントシステムの導入を進めることで、当社グループ全体で外国人を含むグローバル人財の適材適所への登用を加速させていきます。当社に現在在籍している12名の外国籍従業員のうち、管理職に登用されている従業員は現時点では1名です。当社在籍人数に占める外国籍従業員の比率は0.6%であり、管理職に占める外国籍従業員の比率は0.2%です。2030年には外国籍比率と同等の水準にまで管理職比率を引き上げられるよう、管理職への登用を進めていきます。
③ 経験者採用者の登用
当社では、バリューチェーンでの川上や川下業界の経験者や高度の専門性を有する人財の登用は、新たなイノベーションの推進や業務革新のために欠かせないと考え、経験者採用を積極的に行っています。現在当社従業員に占める経験者採用者の比率は15%ですが、近年経験者採用の比率は高まっており、2020年度から2022年度までの3年間で55名の経験者採用を行い、3年間の平均経験者採用比率は27%になりました。現在の管理職に占める経験者採用者の比率は11%ですが、2030年には15%以上にすることを目標に、管理職への登用を進めていきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当連結グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものです。
なお、ここに記載しました事項は、当連結会計年度末現在において、当連結グループがリスクと判断したものであり、当連結グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
グローバル事業展開の拡大を進めている当連結グループは、海外に多数の生産・販売拠点を有しており、当連結グループが製品を販売する国や地域の経済状況、地政学リスク、天候等による影響を受ける可能性があります。
また、当連結グループは多様な事業ポートフォリオを有しており、提供する製品は幅広い業界で産業用中間素材として使用されています。このため、当社の関連需要業界における景気や市場動向、公的規制等による需要の減少と、それに伴う取引先の倒産による貸倒れリスクや棚卸資産の長在化リスク等、直接的、間接的な影響を受けます。
地政学リスクに関しては、ロシアによるウクライナ侵攻が続いています。当連結グループは、ロシア・ウクライナに生産・販売拠点を有しておらず、直接的な影響は少ないものの、両国の軍事的対立の長期化による原燃料価格の高止まりや物流停滞、世界的なインフレの加速といった間接的なリスクが業績に影響を及ぼす可能性があります。また、中国軍による台湾近海での軍事演習の実施など、台湾情勢が緊迫化しており、台湾有事リスクが懸念されています。当連結グループは、台湾に複数の生産・販売拠点を有しており、万一、台湾で有事が発生した場合、従業員の生命・身体への危険、台湾封鎖に伴う供給網の寸断、対中金融制裁による決済の滞りや、サイバー攻撃による情報流出・事業中断など、様々な影響が想定されます。
新型コロナウイルス感染症については、2023年5月にわが国の感染症法上の位置づけが2類から5類に引き下げられるなど、落ち着きつつあります。しかし、その感染力や変異性の強さから、引き続き、警戒が必要だと考えています。当社グループでは、ウィズコロナの事業活動への転換を進める一方で、従業員・顧客を含むステークホルダーの感染防止対策を引き続き徹底し、万一、感染症の世界的な蔓延が発生した場合にも、製品・サービスの提供に支障が生じないよう、業務のデジタル化、事業継続計画(BCP)の整備と、サプライチェーン網の維持等に努めます。また、在宅勤務・サテライトオフィス等でのリモートワーク、会議のオンライン化やペーパーレス化を推進し、従業員のパフォーマンスの向上と業務効率化に向け、きめ細かなITサポートを拡充していきます。
当連結グループの事業で用いる主要原材料である石油化学原料及び油脂原料、電力等ユーティリティの購入価格は、国内・国外の市況、為替相場の変動の影響を受けます。
業績に及ぼす影響は、販売価格への転嫁、為替リスクヘッジ等により極力回避していますが、予期せぬ異常な変動が生じた場合には、販売価格への転嫁の時間的ギャップ等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結グループは世界各国で事業を展開しており、連結子会社の財務諸表項目は連結財務諸表の作成のために円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、輸出入等の外貨建て取引においても、同様の可能性があります。これに対し、当連結グループでは、主要通貨の為替動向を注視するとともに、ヘッジ等を通じて為替リスクの低減に努めていますが、為替相場が大きく変動した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結グループは、新製品開発力の強化に注力しており、成長事業として位置づけている情報・電子化学品事業は、半導体やデジタル関連製品等に用いられる革新的な新材料の占める割合が多くなっています。
当連結グループは、継続して当社独自の技術優位のある新製品を開発し提供できると考えていますが、関連需要業界は、技術的進歩、変化が著しく、それに伴うメーカー間の技術競争が激しくなっています。また、近年は、製造技術の進歩により、新興国をはじめとする海外のコンペティターによる追随の速度が速まっています。
従って、次のようなリスクが想定されます。
上記のリスクをはじめとして、当連結グループが、業界と市場の変化を十分に予測できず、顧客のニーズにあった魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性に影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクが顕在化する時期や程度は、現時点で想定していません。
当連結グループは、人体や環境への安全性に配慮して、製品の品質規格と安全審査基準を定めており、新製品を開発・販売する際に厳しくチェックしています。また、化学品ではSDS、イエローカードにより、食品では製品規格書により、安全な使用と取扱いのための情報提供を行っています。加えて、工場は、ISO9001、FSSC22000等の品質や食品安全に対するマネジメントシステム、トレーサビリティシステム等を導入し、製造を行っています。
製品検査値の改ざん・転記ミス防止対策を含む品質安全管理は、統一したルールに基づき実施されていることを監査により確認しています。
しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。
当連結グループを取り巻くステークホルダーに安全・安心を提供すべく、「4つの安全(労働安全、環境安全、品質安全、設備安全)」活動を推進しており、ISO45001、ISO14001、ISO9001、FSSC22000、ISO22301等の国際標準に基づくマネジメントシステムを導入し、運営しています。当社では保安力の向上活動に注力し、生産工場における事故・災害の予防を図っています。また、災害、パンデミック等のインシデントによる予期せぬ事業停止に備えた事業継続マネジメントシステム(BCMS)の構築に取り組み、2010年に国内の化学工業として初めて、当社化学品の一部製品の製造について、BCMS規格 BS25999-2の認証を取得しました。さらに、ISO22301を取得、2015年に適用範囲に物流関係会社を加え、顧客への安定供給体制を構築し運営しています。
グループ全体でトラブル情報を共有化しており、監査により安全管理状況を確認しています。
また、食品の安全に関する関心の高まりを受け、食品生産工場を中心にFSSC22000の導入や食品安全リスク低減活動等を推進するなど、予防力向上に注力しています。FSSC22000については、2011年度に加工油脂業界として初めて鹿島西製造所で認証取得以降、当社及び国内外の関係会社の各工場で順次拡大してきました。
4つの安全活動を当社の重点テーマとし、パトロール、入出管理の強化、安全教育と技術継承、設備点検とメンテナンス、感染症予防策としての従業員と職場の衛生管理強化、緊急時対応訓練、海外拠点、OEMを含めた併産工場の確保及び取引先事業者への監督指導の強化に努めています。
しかし、当連結グループ又はサプライチェーンにおいて以下のトラブルが発生した場合には、工場停止又は稼動率低下による供給不能又は供給困難、製品の品質・環境・地域住民や従業員の安全への影響が発生する可能性があります。
② 無差別テロによる食品への異物・毒物混入、化学品の危険物漏洩
当連結グループは、研究開発の強化・生産技術の深化によるイノベーションの創出と競争力の強化を目指しています。技術立地なハイテクメーカーとして、技術情報等の営業秘密の保護は不可欠であり、また、各国における個人情報保護法制の強化に伴い、個人情報保護対策が重要性を増しています。当連結グループでは、情報セキュリティ・ポリシー及びセキュリティ関連規程に基づき、ハッキング、コンピューターウイルス、サイバー攻撃への対策や、従業員教育等、セキュリティ強化対策を進めていますが、情報漏えいやセキュリティ事故等が発生した場合、当局による行政処分・制裁、利害関係者からの損害賠償請求による経済的損失や、当連結グループの競争力やレピュテーションの低下につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
多様化する業務に対応すること等を目的として、ソフトウエアの更新・改良を行う場合があります。ソフトウエアの更新・改良にあたっては、システム保守体制等の万全を期していますが、更新・改良に伴う予期せぬ障害等によりシステムトラブルが発生した場合には、当連結グループの業務に影響を及ぼす可能性があります。
データセンター等に設置しているシステムが災害等により稼働できなくなった場合に備え、遠隔地へのデータ複製のほかバックアップ用回線等の整備を行っていますが、予期せぬ災害等によりシステムトラブルが発生した場合には、当連結グループの業務に影響を及ぼす可能性があります。
事業を取り巻く様々な政府規制、法規制に対し、コンプライアンス推進委員会その他の各種委員会の活動を通じて、コンプライアンス強化に努めています。特に近年は欧州REACH規則をはじめとして世界各国で化学物質規制法が大幅に改定され始めているため、情報収集力の強化と法規制対応に注力しています。また、米国・中国間の対立激化に伴い、米国の安全保障貿易関連規制等が強化され、中国で2020年12月に輸出管理法が施行されるなど、幅広い分野で規制措置の応酬が繰り広げられています。当連結グループは、両国の幅広い業界で産業用中間素材として使用される製品を供給していることから、このような米中対立に伴う規制強化により、製品の販売に、直接的、間接的な影響を受ける可能性があります。規制に関する重大な変更がなされた場合には、当連結グループの活動が制限され、あるいはコストが増加し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものです。
(1) 業績等の概要
当期における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和に伴い、社会経済活動の正常化が進んだものの、ウクライナ情勢をはじめとする地政学リスクの高まりに加え、原燃料価格高騰や世界的なインフレ進行等を受け、緩慢な景気回復に留まりました。
当社グループ事業の主要対象分野である自動車関連分野は、第3四半期以降、半導体等の供給制約が解消に向かいましたが、地域によるばらつきがあり、自動車生産は僅かな回復に留まりました。ICT・家電分野は、巣ごもり需要の一巡やインフレ進行に伴う消費者の買い控えにより、スマートフォンやパソコンの販売が減少しました。食品分野は、行動制限の緩和により土産物や外食の需要が回復基調にあるものの、原材料価格高騰に伴う物価上昇により、消費者の生活防衛意識が高まり、業界として厳しい状況が続きました。農業分野は、欧州で干ばつ等の天候不順の影響から需要が弱含んだものの、北米で大豆や棉の作付面積が拡大し、需要が増加したほか、世界最大の農薬市場であるブラジルで主要作物の作付面積が拡大していること等から、農薬需要は総じて堅調に推移しました。
このような状況のなか、中期経営計画『ADX 2023』の2年目となる2022年度は、社会価値と経済価値の追求による企業価値向上に向けて、引き続き「収益構造の変革」「新規事業領域の拡大による持続的な成長」「グループ経営基盤の強化」の3つの基本戦略のもと施策を推し進めました。樹脂添加剤では、UAEでワンパック顆粒添加剤の設備を増強し、2022年12月から営業運転を開始しました。情報・電子化学品では、先端半導体メモリ向け高誘電材料「アデカオルセラ」シリーズの新製品について、韓国での一貫生産を本格的に開始しました。また、2022年7月に同シリーズの韓国での増産投資、2023年2月に研究開発機能の大幅な拡充を図るため、「アデカコリア研究開発センター」の移転をそれぞれ決定しました。食品事業では、2022年4月からプラントベースフードの新ブランド「デリプランツ」シリーズの販売を開始し、2023年3月には伊勢丹新宿店で「デリプランツ」シリーズを使用した限定メニューに採用される等、新たな領域での市場開拓とお客様への提案を進めました。ライフサイエンス事業では、インドで水稲用殺虫剤ベンズピリモキサンの本格販売を開始し、製造設備の増強も進めています。CSRの取り組みでは、カーボンニュートラルの実現とSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた新たな組織体制の構築・強化、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の実現を目指した女性活躍の推進、健康経営の推進に取り組みました。社名認知度向上に向けた取り組みでは、年末年始にテレビCMを放映しました。
なお、当連結会計年度より、一部の在外子会社等の収益及び費用は、決算日の直物為替相場により円貨に換算する方法から、期中平均為替相場により円貨に換算する方法に変更し、遡及適用後の数値で前年同期比較を行っています。
売上高は前連結会計年度に比べ、421億8百万円(前連結会計年度比+11.7%)増収の4,033億43百万円となりました。
売上原価は前連結会計年度に比べ、391億2百万円(同比+14.7%)増加し、3,051億24百万円となりました。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、46億68百万円(同比+7.6%)増加し、658億48百万円となりました。
営業利益は前連結会計年度に比べ、16億62百万円(同比△4.9%)減益の323億69百万円となりました。
営業外収益から営業外費用を控除した営業外損益は、前連結会計年度の利益(純額)16億25百万円に比べ、14億16百万円利益額が減少し、2億9百万円の利益(純額)となりました。
経常利益は前連結会計年度に比べ、30億79百万円(同比△8.6%)減益の325億79百万円となりました。
特別利益から特別損失を控除した特別損益は前連結会計年度の利益(純額)12億72百万円に比べ、46億59百万円損失額が増加し、33億86百万円の損失(純額)となりました。
これは、主に食品事業に係る減損損失を計上したことによるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ、77億38百万円(同比△21.0%)減益の291億92百万円となりました。
法人税等は前連結会計年度に比べ、14億30百万円(同比△14.8%)減少し、82億31百万円となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ、6億円(同比+16.8%)増加し、41億82百万円となりました。
上記要因の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ、69億9百万円(同比△29.2%)減益の167億78百万円となりました。
セグメントの状況は、以下のとおりです。
自動車向けでは、半導体不足等による減産の影響を受け、国内で核剤等が、また中国を含むアジア圏においてはゴム用可塑剤等の販売数量が減少しました。
建材向けでは、北米で住宅内装材の需要が減少し、塩ビ用安定剤の販売が低調でした。
食品包装向けでは、テイクアウトやデリバリーといった中食需要の拡大を捉え、北米を中心に透明化剤の販売が好調に推移しました。
ポリオレフィン樹脂に使用されるワンパック顆粒添加剤や酸化防止剤は、欧州等での需要低迷により販売数量が減少しました。
難燃剤は、家電やパソコン等の需要の落ち込みにより、筐体等に使用されるエンジニアリングプラスチック向けの販売が低調でした。一方、ポリオレフィン樹脂向けは大型家電向けを中心に販売が堅調に推移しました。
樹脂添加剤全体では、原料価格高騰に対する販売価格の改定や為替の影響により、前期に比べ増収となりました。一方、利益面は、販売数量の減少により減益となりました。
半導体向けでは、第3四半期後半より足元にかけて、需要の落ち込みやメモリ価格の下落を背景とした半導体メーカーの減産の影響を受け、一部製品群で販売が減少しました。一方、最先端のDRAMに使用される高誘電材料及びEUVやArF等の最先端のフォトレジストに使用される光酸発生剤の販売が好調に推移しました。また、NAND向け製品の販売も堅調でした。
ディスプレイ向けでは、パネルメーカーの大幅な在庫調整の影響を受け、光学フィルム向け光硬化樹脂、カラーフィルター向け光重合開始剤、ブラックマトリクスレジスト及びエッチング薬液の販売が低調に推移しました。
情報・電子化学品全体では、半導体材料は先端世代向け製品を中心に好調に推移しましたが、ディスプレイ関連材料の落ち込みをカバーするには至らず、前期に比べ減収減益となりました。
自動車向けでは、国内中心に半導体不足等による減産の影響を受けましたが、エンジンオイル用潤滑油添加剤の販売が、海外での新規採用や新エンジンオイル規格の市場浸透により好調に推移しました。また、海外を中心に構造接着用特殊エポキシ樹脂の販売も好調でした。
建築塗料向けでは、反応性乳化剤の販売がアジア地域を中心に堅調に推移しました。また、化粧品向け特殊界面活性剤は、国内外で市況が緩やかに持ち直し、販売が堅調でした。
一方、工業用途で使用されるプロピレングリコール類は市況悪化の影響を受け低調に推移しました。また、過酸化製品はディスプレイ向けを中心に需要落ち込みの影響を受け低調でした。
機能化学品全体では、海外での潤滑油添加剤等の販売拡大や販売価格の改定により、前期に比べ増収となりました。一方、利益面は、原燃料価格の高騰に対し、販売価格の改定を推し進めましたが、一部製品での販売数量の減少や価格改定のタイムラグがあり、減益となりました。
以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ116億円(前連結会計年度比+5.8%)増収の2,117億20百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ30億86百万円(同△10.5%)減益の262億60百万円となりました。
製パン、製菓用のマーガリン、ショートニング類は、国内消費の減退に加え、最終商品のダウンサイジングに伴い販売が減少しましたが、機能性マーガリン「マーベラス」シリーズは、パン等のおいしさの持続と消費期限延長に寄与する機能性が評価され、採用が拡大しました。また、行動制限の緩和により人流が増加し、土産菓子に使用されるフィリング類の販売が好調に推移しました。一方、洋菓子・デザート用のホイップクリーム類は採用が減少し、販売が低調でした。新製品のプラントベースフード「デリプランツ」シリーズは、おいしさと使いやすさが評価され採用内定件数が増加しました。食品ロス削減に向けた品種統合は、2023年3月に全製品(約1,000品種)の4割程度を削減する目標に対し、320品種の削減となりました。
食品事業全体では、前期から取り組む販売価格の改定により増収となりました。一方、利益面は、パーム油等の原料価格高騰に対し、販売価格の改定を推し進めましたが、用役・副原料・包装材・物流費のさらなるコスト増をカバーするには至らず、営業損失となりました。
以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ91億87百万円(同比+12.5%)増収の825億25百万円となり、営業損失は前連結会計年度に比べ17億17百万円減益の24億3百万円(前年同期は6億86百万円の営業損失)となりました。
(ライフサイエンス事業)
国内では、2021年10月から開始したコルテバ社製品の販売が通年にわたり寄与したこと等から、農薬販売は前期を上回りました。海外では、ブラジルの農薬需要が拡大基調にあるなか、同国での農薬販売が好調に推移しました。また、欧州で主にばれいしょ向けで除草剤の販売が好調でした。
医薬品は、一部案件において前倒し受注があったことから、外用抗真菌剤「ルリコナゾール」の販売が堅調に推移しました。
ライフサイエンス事業全体では、海外での農薬販売の拡大により前期に比べ増収増益となりました。
以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ219億82百万円(同比+27.4%)増収の1,020億82百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ29億92百万円(同比+62.3%)増益の77億93百万円となりました。
③ 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ、247億63百万円(前連結会計年度末比+5.2%)増加の5,000億68百万円となりました。
主な要因は、以下のとおりです。
流動資産は前連結会計年度末に比べ、215億34百万円(同比+7.3%)増加の3,154億1百万円となりました。
これは、主に棚卸資産の増加によるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ、32億29百万円(同比+1.8%)増加の1,846億66百万円となりました。
有形固定資産は前連結会計年度末に比べ、1億70百万円(同比+0.1%)増加の1,194億88百万円となりました。
無形固定資産は前連結会計年度末に比べ、12億1百万円(同比+7.1%)増加の180億44百万円となりました。
これは、主にソフトウェア仮勘定の増加によるものです。
投資その他の資産は前連結会計年度末に比べ、18億57百万円(同比+4.1%)増加の471億33百万円となりました。
これは、主に退職給付に係る資産の増加によるものです。
当連結会計年度末の負債は前連結会計年度末に比べ、99億25百万円(同比+5.6%)増加の1,883億58百万円となりました。
主な要因は、以下のとおりです。
流動負債は前連結会計年度末に比べ、146億35百万円(同比+12.7%)増加の1,294億88百万円となりました。
これは、主に1年内償還社債の増加によるものです。
固定負債は前連結会計年度末に比べ、47億10百万円(同比△7.4%)減少の588億70百万円となりました。
これは、主に社債の減少によるものです。
有利子負債の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 ⑤ 連結附属明細表」に記載しています。
当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末に比べ、148億38百万円(同比+5.0%)増加の3,117億9百万円となりました。
これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の増加による利益剰余金の増加によるものです。
その結果、自己資本比率は前連結会計年度末52.6%に比べ、0.4ポイント減少の52.2%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末の資金残高に比べ32億61百万円(前連結会計年度末比△3.9%)減少し、795億37百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
営業活動による資金収入は、前連結会計年度に比べ38億19百万円(前連結会計年度比△18.1%)減少し、172億53百万円となりました。
これは、主に仕入債務の減少によるものです。
投資活動による資金支出は、前連結会計年度に比べ81億89百万円(同比+72.3%)増加し、195億20百万円となりました。
これは、主に有価証券の取得による支出の増加によるものです。
財務活動による資金支出は、前連結会計年度に比べ91億86百万円(同比△77.8%)減少し、26億18百万円となりました。
これは、主に長期借入金の返済による支出の減少によるものです。
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しています。
営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
4.2023年3月期より、一部の在外子会社等の収益及び費用は、在外子会社等の決算日の直物為替相場により円貨に換算する方法から、期中平均為替相場により円貨に換算する方法に変更し、2022年3月期のキャッシュ・フロー関連指標について、遡及処理後の数値を記載しています。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.その他については、生産は行っていません。
その他の一部で受注生産を行っていますが、金額僅少のため省略しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上である販売先はありません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。また、この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積りを用いています。これら繰延税金資産の回収可能性や固定資産の減損等の見積りは、過去の実績やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、固定資産の減損に係る会計上の見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
当連結グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常に目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。当連結グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資・投融資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動からのキャッシュ・フローに加え、借入及び社債により調達しています。
当連結会計年度末現在において、当連結グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は高いと考えています。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の総額は795億37百万円となっています。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当社の研究開発体制は、既存事業に密着した6つの開発研究所(樹脂添加剤開発研究所、情報化学品開発研究所、電子材料開発研究所、機能化学品開発研究所、機能高分子開発研究所、食品開発研究所)、将来の柱となる新規事業の創出を担う2つのコーポレート研究所(ライフサイエンス材料研究所、環境・エネルギー材料研究所)、及びこれらを支援する研究企画部により構成されています。
国内の連結子会社である日本農薬㈱、ADEKAクリーンエイド㈱、ADEKAケミカルサプライ㈱、及びADEKA総合設備㈱でも、独自の研究開発を行っています。また、海外拠点においては、国内の研究所と連携しつつ研究開発のローカライゼーションを推進しています。
第161期(2022年度)の研究開発方針として、
① 持続可能な社会と人々の豊かなくらしに貢献する研究開発を推進する。
② 戦略製品を中心とした市場開発・新製品開発に注力し、更なる事業拡大へ繋げる。
③ エネルギー、環境、次世代ICT、ライフサイエンスなどフロンティア領域での新規事業創出を加速する。
④ カーボンニュートラルの実現をADEKAグループの目標として意識し、研究開発による取り組みを本格化する。
の4項目を掲げて研究開発活動を推進しました。当連結会計年度の研究開発費の総額は、
既存事業のさらなる拡大に向け、戦略製品を中心とした市場開発や新製品開発に注力しています。市場環境の変化やユーザーニーズを鋭敏に捉えて社内で共有することで、タイムリーな製品開発を推進しています。
当期における主な成果は以下のとおりです。
環境対応型製品アデカシクロエイドでは、バイオマス原料を活用した塩ビ用可塑剤や、生分解性バイオプラスチックであるPLA(ポリ乳酸)の成形エネルギーコストを削減できるPLA用可塑剤、リサイクルプラスチックに従来のプラスチックと同等もしくはそれ以上の機能を付与する添加剤パッケージを開発しました。ユーザーでの評価が順調に進展するのと並行して、更なる製品のラインナップの拡充を図っています。
食品容器のテイクアウト需要やCOVID-19による医療機器需要に対応して、透明性と剛性に優れるPP(ポリプロピレン)製品の軽量・薄肉化技術を市場に提案し、各地域で評価されています。第31回ポリマー材料フォーラム(2022年11月15日~16日開催)では、PPの耐衝撃性を向上するβ晶核剤に関するポスター発表が優秀発表賞を受賞しました。
半導体向けでは、最先端DRAM向けの新規高誘電ALD成膜材料の採用が本格化しています。ロジック半導体向けの新規ALD材料も、ユーザーでの性能評価が進展しています。また、EUV向けを含む先端フォトレジスト向け光酸発生剤や関連材料の採用が拡大しています。
高強度の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)成形品を効率よく生産できる技術「ファイバーtoコンポジット(F to C)成形プロセス」の市場開発を開始しました。自動車・モビリティ、コンストラクション用として素材の特徴を生かした新たなソリューションをユーザーに提供します。
化粧品原料では、ウレタン皮膜形成剤「アデカノールOU-2 eco」や、高粘度基油「アデカノールOUH eco」といった天然由来原料からなる製品群を開発し、化粧品展示会等でユーザーへの提案を進めました。
子会社であるADEKAクリーンエイド㈱の業務用洗浄剤分野では、経済産業省及びNITEから発表された「新型コロナウイルスに有効な界面活性剤」を一定濃度以上含む手指用殺菌・洗浄剤 セーフメイトノロCS(医薬部外品)のリニューアルに着手しました。本品は従来品よりも殺菌力を強化し、泡色変化で手洗い時間を知ることができます。またRSPO認証を得ていることから、持続可能な社会の実現に貢献できる製品です。
食品工業用洗浄剤分野では、生分解性キレート剤ベースのタンク・配管用洗浄添加剤 クリーンエイド9を上市しました。本品は、毒物及び劇物取締法や労働安全衛生法、PRTR法の対象物を含まず、またキレート剤が生分解性のため、環境負荷の低減に貢献できる製品です。
子会社であるADEKAケミカルサプライ㈱の粉末冶金用潤滑剤分野では、世界大手の粉末冶金用鉄粉製造販売企業と次世代製品の開発を目的とした共同開発を行っています。共同開発テーマである高湿度流動対応潤滑剤の開発においては、ナノ粒子配合により流動性の改善に非常に高い効果が得られました。
建材用添加剤分野では、コンプライアンス上問題になる可能性のある検査項目(水分、見掛比重、有効成分)について、ユーザーと調整し、規格変更が了承されました。今後は、委託工場にて検査項目の変更の説明を行い、2023年7月納入分から変更することを目標としています。
子会社であるADEKA KOREA CORP.では、最先端半導体向け成膜材料の合成設備、成膜評価装置、分析機器を保有し、取引先との共同研究を実施しています。12名の研究員が在籍し、次世代半導体の先端技術調査から、顧客トラブル時のテクニカルサポート(詳細分析、ソリューション提供)、新規プロセスの提案まで幅広く対応しています。2023年8月には京畿道華城市に研究開発センターを移転し、延床面積7倍、クリーンルームも2倍となる新施設を開設する予定です。新施設では成膜・評価装置と人員の倍増を計画しており、最先端の半導体成膜材料の評価・分析のスペシャリティとして、先端半導体の発展に貢献してまいります。
カーボンニュートラルをはじめとする環境配慮、食品ロス削減、労働力不足、健康志向、持続可能な原料調達などの社会課題や、食品産業の構造変化や働き方の多様化、消費行動の変化などに伴う課題に対して、市場ニーズを捉えた新製品開発を行っています。
2022年度新製品は、「おいしさとやさしさで貢献します~持続可能な社会の実現~」をテーマに、以下の製品を中心とした7製品をラインナップしました。2021年度新製品に引き続き、原料にパーム油を配合する製品にあっては持続可能なパーム油(RSPO認証油)を使用しています。
① プラントベースフード※ 「デリプランツ」シリーズ
従来のプラントベースフードのイメージを一新する“おいしさ”と“使いやすさ”を実現した新ブランド「デリプランツ」シリーズの展開を開始しました。2022年4月に、(ⅰ)高濃度のため少量で効果的に使用できる「デリプランツ オーツコンク」、(ⅱ)作業性の良さと焼き残り・冷凍耐性を持つ「デリプランツ チーズ(クリーミー)」、(ⅲ)良好な作業性と保形性を持つ「デリプランツ ホイップ」、(ⅳ)コクのあるプラントベースフードが作れる「デリプランツ マーガリン」の4製品を2022年度新製品として上市しました。続いて2022年7月には、(ⅴ)自然な動物脂のようなコクを付与する調味用油脂「デリプランツ コクファット」を追加上市しました。今後もシリーズラインナップを拡充すると共にアプリケーションの開発を進め、市場への浸透を図ってまいります。
※弊社では、原材料及び食品添加物に動物性原料を直接配合していない製品を「プラントベース」と表記しています。
② 「マーベラス」シリーズ
パンの経時的な品質低下を抑制することで消費期限を延長し、食品ロス削減に貢献する製パン用練込油脂「マーベラス」シリーズが引き続き好評を得ています。焼きたてのおいしさが持続する「マーベラス」、レンジ加熱耐性のある「マーベラスSL」、リテール向けのポンドタイプ「マーベラスアソシエ」の既存3製品に続き、パンをボリュームアップさせながらも保型性の向上によりきれいな外観を保たせ、物流・陳列時のロスを減少させる「マーベラスV」を上市しました。今後、ユーザーの用途に合わせて4製品での展開を進めてまいります。
連結子会社である日本農薬㈱では、持続的な新規剤創出を目指したパイプライン化合物の拡充及びステップアップと、新たなリード化合物の創出に継続して取り組むとともに、既存剤の維持・拡大を目指し全社的な連携による戦略的かつグローバルな研究開発を推進しています。
当期における主な成果は以下のとおりです。
2021年9月に国内開発を決定した新規汎用性殺虫剤(開発コード:NNI-2101)は、一般社団法人日本植物防疫協会が実施する新農薬実用化試験に供試するなど、農薬登録取得に向けた開発活動が進捗しています。本剤は幅広い殺虫スペクトルを示すこと、既存剤に感受性の低下した害虫にも有効であること、浸透移行性に優れることから、汎用性に優れた新しい有効成分です。多くの害虫や作物を対象として様々な処理方法で実用性を検討中であり、利便性の高い害虫防除資材を目指して開発を進めています。
水稲用殺虫剤ベンズピリモキサン(商品名「オーケストラ」)は、国内・インドでの本格販売を開始し、混合剤開発などの応用研究を進めるとともに、作用機構解析を含むプロモーションデータのさらなる拡充に努めました。さらに新規混合剤開発も進めており、製品ラインナップの拡充により本分野の市場シェア拡大及び水稲本田散布剤としてのブランド確立を進めてまいります。
汎用性園芸殺菌剤ピラジフルミド(商品名「パレード」)は、省力的で使いやすい製品を目指して、無人航空機散布やセルトレイ処理など幅広い処理法で登録を取得し、普及を進めています。また、グローバルでも開発を進めており、カナダでは新規に登録を取得し、米国、メキシコ、コロンビア、エクアドル、ペルー、チリ、サウジアラビア、ベトナムでは登録申請中です。
(4) 新規事業の推進
エネルギー、環境、次世代ICT、ライフサイエンスなどフロンティア領域において、組織の壁を越えた技術を融合し、ADEKAグループの強みを活かした新規事業創出を推進しています。将来ニーズと時間軸を意識し、組織の壁を越えた技術の融合とオープンイノベーションにより、早期事業化に向けて取り組んでいます。
臓器修復など、多用途への展開を検討している脱細胞化ウシ心のう膜は、国内外の医療関係者へのヒアリング調査を実施するとともに、医療機器としての認証取得に向けた試験やサプライチェーンの構築に取り組んでいます。
硫黄変性ポリアクリロニトリル「SPAN」を正極活物質としたリチウム硫黄(Li-S)系二次電池セルを設計・試作し、世界最軽量(700W/kgを超える重量エネルギー密度)と世界最長寿命(5,000サイクルの充放電試験)の実証に成功しました。この成果は、第63回電池討論会(2022年11月8日~10日開催)で発表しました。