当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは「創造的な企業活動を通じて世界の歯科医療に貢献する」ことを経営理念に、「企業活動のあらゆ
る局面で、質を重視しつつ量的な成長・拡大をはかる」こと、また、「あらゆる変化を先取りし、積極的に挑戦す
る」ことを行動指針としております。これらの行動を通じて、顧客の皆様にご満足いただける商品及び製品を提供し、また株主の皆様からの信頼とご期待に応えることを経営の基本方針としております。
当社グループは、創立90周年を迎えた2012年に、将来のあるべき姿を見据えた長期ビジョン「500億円構想」を策定いたしました。
その概要は、世界の歯科医療への貢献度と市場における存在感を高めるため、「海外での成長がなければ当社グループの未来はない」という認識のもと、経営資源の配分を大きく海外にシフトし、グループ売上高500億円(うち国内売上高170億円、海外売上高330億円)、営業利益75億円(営業利益率15%)を目指すというものであります。
以来、長期ビジョンである「500億円構想」の達成を目指し、3年ごとに第一次から第四次までの中期経営計画を策定して10年が経過いたしました。この間、多くの課題に取り組んでまいりましたが、現在は、引き続きビジョン達成に向けて第四次中期経営計画に取り組んでおります。
中長期における重点課題は次のとおりであります。
① 地域の需要・ニーズに適合した新製品の開発・投入
② 販売網・販売拠点の整備
③ 国内外学術ネットワークの構築(ユーザーへの直接的な宣伝活動組織の構築)
④ コストダウン、生産量の拡大に対応した生産拠点の再配置、海外生産の拡大
⑤ 海外展開を積極的に推進するための人材育成・確保
⑥ 資金需要の拡大に対応するための資金調達
⑦ M&A(事業提携・技術提携、事業買収)の推進
⑧ グループガバナンス体制の強化
⑨ 三井化学株式会社、サンメディカル株式会社との業務提携
(2)目標とする経営指標
目標とする経営指標につきましては、連結売上高500億円、連結営業利益75億円の達成を長期的な目標に掲げています。その達成につながる目標指標として、第四次中期経営計画では2024年3月期の連結売上高301億円、連結営業利益26億円を掲げておりましたが、最近の業績動向を踏まえ、2024年3月期の連結売上高315億円、連結営業利益37億円に上方修正いたしました。
なお、中期経営計画の数値目標の修正に関するお知らせについては、インターネット上の当社ウェブサイト( アドレスhttps://www.shofu.co.jp/ir/)に掲載している2022年5月11日付プレスリリースをご覧下さい。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済情勢につきましては、世界経済全体では緩やかながら成長が続くと見込まれるものの、各国の金融引締め政策の影響により、欧米を中心に景気後退懸念が高まるなど、依然として楽観視できない状況が続くものと予想されます。
歯科業界におきましては、国内市場ではデジタル歯科や審美・予防分野の成長が期待できるほか、海外市場では各地域の経済成長や生活水準の向上により歯科医療の需要は拡大するものと見込んでおります。
このような状況の中、当社グループは「創造的な企業活動を通じて世界の歯科医療に貢献する」という経営理念のもと、世界の歯科医療への貢献度をより高めていくため、連結売上高500億円、連結営業利益75億円という“当社のあるべき姿”の実現を目指しております。
第四次中期経営計画の最終年度を迎える2023年度は、当社グループの更なる成長に向けて、スピード感をもって着実に実行してまいります。
具体的には、デンタル関連事業におきましては、ボリュームゾーンをターゲットにした製品開発の推進と開発ス
ピードの向上を図るとともに、グローバルな需要に対応するため、京都本社をはじめ生産拠点の再配置を推進してまいります。販売面では、国内外で歯科医療従事者への情報発信と関係強化を図り、当社グループ製品の認知度をより一層向上させ、シェア拡大に繋げてまいります。また、提携企業との連携により事業力を強化するとともに、サステナビリティやグループガバナンスの取組みを推進し、当社グループの中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
ネイル関連事業におきましては、コロナ禍の影響から回復傾向にあるものの、コロナ禍前の水準にまでは至っておりません。また、ユーザーニーズが多様化する中で、製品の差別化が難しく価格競争が恒常化するなど、引き続き厳しい環境が続くことが予想されます。このような状況のなか、通販サイトの充実による新規ユーザーの獲得に注力するほか、Nail Labo製品が体験できる原宿ショップやSNSを活用した情報発信などにより、Nail Laboブランドの認知度向上と浸透を図ってまいります。
工業用研磨材市場におきましては、主な需要先の機械工業業界の動向に左右され、汎用品の市場は安価な輸入品化が進んでおります。また、高付加価値品についても技術ニーズが年々高まっており、海外メーカーを含めた競争の激化、原材料価格の高騰など今後も厳しい環境が続くものと考えております。このような状況のなか、更なる生産性の向上とコストダウンを図るとともに新規販売ルートの開拓や新製品開発の推進により、売上拡大に繋げてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「創造的な企業活動を通じて世界の歯科医療に貢献する」という経営理念のもと、ステークホルダーと協働しながら、企業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現の両立を目指しており、基本的な考え方として次の方針を定めております。
① 人々のQOL向上への貢献
社会や市場のニーズを的確に捉え、安全安心で高品質な製品・サービスを提供するとともに、製品や歯科医療情報などの情報提供を適切に行い、世界中の人々のQOLの向上に貢献してまいります。
② 地球環境に配慮した企業活動の推進
地球環境との調和を図り、環境に対する社会的責任を果たすため、企業活動における温室効果ガス排出量の削減、廃棄物の削減と再利用の推進などに取り組み、脱炭素社会・循環型社会の実現に貢献してまいります。
③ 企業価値の向上を支える経営基盤の強化
コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメントの充実を図り、誠実かつ公正な企業活動を行うことにより、企業価値の向上を支える経営基盤の強化を図ってまいります。
④ 働きがいのある組織文化の醸成・人材づくり
“人材こそが新たな価値を生み出す源泉”“個々の役割の総和が会社の価値”という考えのもと、その多様性を尊重し、各人に学びと成長の機会を提供することで、松風グループの一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮し、活き活きと働くことができる組織文化の醸成と労働環境を実現してまいります。
当社では、社会課題の解決による持続可能な社会の実現と、中長期的な企業価値向上の両立を図ることの重要性が高まる中、サステナビリティの観点を踏まえた経営を推進していくため、代表取締役社長 社長執行役員が委員長を務めるサステナビリティ委員会を設置しております。
サステナビリティ委員会は、社長執行役員以下全執行役員、各部門長及び国内子会社社長により構成され、原則年2回開催しております。
サステナビリティ委員会は、サステナビリティ関連のリスク及び機会を踏まえ、サステナビリティの基本方針や戦略・計画の策定、目標とすべき指標の設定等について審議を行うとともに、取組状況のモニタリング等を実施し、取締役会に報告や提言を行っております。
取締役会は、サステナビリティ全般に関するリスク・機会の監督に対する責任と権限を有しており、常務会及びサステナビリティ委員会で審議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティのリスク・機会への対応方針及び実行計画等についての審議・監督を行っております。
(2) 戦略
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
当社の教育指導方針は、変化に対応できる創造性、積極性、責任感を持った社員の育成を図ることにあります。社員の成長に応じて、知識技能の習得及び組織人としての資質形成のため階層別研修、選抜研修、グローバル人材研修及び自己啓発支援などの教育訓練の機会を提供しております。経営環境の変化を先取りし、単に与えられた仕事をこなすのではなく組織の目標を達成するためになすべきことを自ら考え、積極的にチャレンジしていく強い意思を持った人材の育成を目指しております。
① 女性中核人材の育成・社内環境整備に向けた方針及び取組み
女性社員の管理職登用に向け、女性社員の採用比率30%以上とする目標を掲げ、女性の積極的な応募につながる採用媒体を利用するなど中核人材を担える女性の母集団形成に努めるとともに、在職中の女性社員にはキャリア教育への参加機会を積極的に設けております。また、性別や属性に関係なく誰もが働きやすい社内環境を整えるため仕事と育児や介護等のライフイベントを両立できる看護休暇、育児のための勤務時間の短縮措置及び介護休暇などの各種制度を整備するほか、管理職登用を決定するマネジメント層の研修なども実施しております。
② 外国中核人材の育成・社内環境整備に向けた方針及び取組み
国籍にこだわることなく人物を重視し外国人も採用していますが、まだ管理職への登用には至っておりません。しかし、当社グループの海外子会社との人事交流や外国人留学生を採用するなど、外国人人材の裾野を広げていく方針であります。また、多様な個人が能力を最大限に発揮できる組織づくりと人材育成に取り組み、報酬、教育、昇進機会等について、国籍によらず平等に機会を提供する方針であります。
③ 中途採用者の中核人材の育成・社内環境整備に向けた方針及び取組み
当社では、管理職における転職経験者の比率は20%となっており、近年、中途採用の比率が高まっていることから、今後、管理職における中途採用社員の比率が高まることが予測されますが、今後も中途採用社員、プロパー社員に関係なく平等な報酬、教育、昇進等の機会を提供します。また、当社事業において不足している分野や専門的な人材、あるいは女性や外国人といった多様性を確保するために必要な人材の中途採用は積極的に進めていく方針であります。
当社では、サステナビリティ関連のリスク及び機会の識別、優先的に対応すべきリスク及び機会の絞り込みについて、主にサステナビリティ委員会で検討を行っております。
具体的には、当社にとっての重要課題(マテリアリティ)を特定するにあたり、環境・社会・ガバナンス関連の社会課題として約40項目を抽出し、サステナビリティ関連のリスクと機会を特定しております。約40項目の社会課題リストの中から、それぞれのリスクと機会を踏まえ、自社にとっての重要度とステークホルダーにとっての重要度の2つの視点から重要度評価を行い、常務会での審議を経て、取締役会において当社のマテリアリティを特定しております。
サステナビリティ関連のリスク及び機会への対応状況は、サステナビリティ委員会でモニタリングされ、その内容は取締役会へ報告、監督されます。
(4) 指標及び目標
当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
当社グループの有価証券報告書に記載した業績については、今後起こり得るさまざまな要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には当社グループが事業の展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載していますが、これに限られるものではありません。
また当社グループでは、当社グループでコントロールできない外部要因や、事業上のリスクとして具体化する可能性が必ずしも高くないとみられる事項も含めて、投資家の判断上、重要と考えられる事項については積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 製造販売業等の許可等に関するリスク
当社グループの販売する歯科材料や歯科用機械器具類、薬用歯みがき類、体外診断用医薬品等は、人の口腔内疾患の診断、治療若しくは予防等に使用されるため、開発・製造段階から流通(販売後)に至るまで、細部にわたって医薬品医療機器等法の規制を受けており、法によって医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器等に分類されます。
これら商品及び製品を市販(製造販売)するには、製造販売業許可を都道府県知事から受ける必要があります。この許可要件としては、申請者に欠格要件が無いことや資格を有する管理者を相当数確保配置すること、適切な製造管理、品質管理の下に製造から出荷するための品質保証組織と市販後も安全で適正な使用を確保(推進)するための安全管理組織を設置し、総括製造販売責任者等の下で法に準拠した手順で管理活動を実施することが求められます。またこれに付帯して医薬品や医薬部外品、医療機器等を製造するにあたっては、製造業の登録、又医療機関に販売するためには、販売業許可がそれぞれ必要になります。
当社グループではこれらの許可等の継続は事業にとって最重要課題のひとつとして認識をし、対応しておりますが、何らかの理由によりこれらの許可等を取り消される事態に至った場合、当社グループの事業の継続にとって悪影響を及ぼす可能性があります。
上記許可等の有効期間は、製造販売業許可は5年、販売業許可は6年、製造業登録は5年であり、法令で定める許可要件を満たさなくなった場合には、許可の取消がなされる可能性がありますが、現時点において、その継続に支障を来す要因は発生しておりません。
(2) 品質及び安全性に関するリスク
当社グループは医薬品医療機器等法やその他規制要求事項を遵守し、適切に品質マネジメントシステムが運用されておりますが、当社グループが製造販売する医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器等の使用によって、保健衛生上の危害が発生し、又は拡大するおそれがある場合には、これを防止するために、商品及び製品の自主回収、廃棄、販売の停止、情報の提供等必要な安全確保措置を講じなければなりません。
その結果によっては当社グループが販売する商品の品質及び安全性に対する信用を損ない経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 製造物責任に関するリスク
歯科機材の研究、開発及び製造販売により、当社グループは潜在的な製造物責任追及の対象となります。これまでに、製造物責任の重要な追及若しくは訴追を受けたことはありませんが、将来的には直面する可能性がないとはいえません。これらのリスクに対応するため、当社グループは国内外における製造物責任保険に加入していますが、当社グループが負う可能性のある責任を補償するには十分でない場合、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法規制又は訴訟に関するリスク
当社グループの事業は、会社法、医薬品医療機器等法、環境法規制、外為法等の様々な法規制に関連しています。当社グループでは法令遵守をはじめコンプライアンスを常に考慮した経営に努めておりますが、意図せざる理由により法令違反又は訴訟提起が生じた場合、その結果によっては財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 知的財産に関するリスク
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないように、また当社グループの知的財産権が第三者に侵害されないように、知的財産保護のための体制を整備しております。しかし、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟が提起されたり、また、第三者から知的財産権の侵害を受ける可能性を排除することは不可能であるため、このような事態が生じた場合、その結果によっては財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 新製品開発に関するリスク
当社グループは、人工歯をはじめとした歯科材料全般の製品化研究を行うとともに、歯科用機械器具等、歯科医療全域にわたる研究開発を行っています。当社グループの研究開発は応用研究が中心となりますが、その後の工業化研究を経て上市するには、医薬品や医薬部外品、医療機器等として、医薬品医療機器等法に基づく規制の許認可等が必要となります。
これらの過程で、有効性や安全性に関して予測されなかった問題が判明あるいは発生し、期待する時期に新製品を発売できない場合や、当社グループの実施した試験で良い結果が得られ、承認又は認証申請した場合であっても、申請書の審査過程、GMP/QMS適合性調査等の様々な理由により承認又は認証が遅れたり、取得できなかったり、又は自主的な申請の取り下げなどの場合があります。
これらの場合に、当社グループの収益性を低下させ、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 医療保険制度の動向に関するリスク
当社グループの取扱い製品・商品は、歯科医療に直接・間接に使用されますが、国内における歯科医療はその大半が健康保険による診療となるため、医療保険制度の動向が歯科材料の需要にも影響を与える可能性もあり、制度の変更があった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(8) 市場のグローバル化及び他業種の市場参入に関するリスク
日本の歯科市場はアメリカ、欧州に並ぶ大市場であり、中国を中心とするアジア市場の成長性を考えた場合、欧米の材料・機器メーカーにとって、日本を含むアジア市場は、世界でも最も有望な市場としてとらえることができます。世界的には、すでに欧米企業主導の市場再編の動きが活発化してきており、これらは欧米メーカーの世界戦略、とりわけ対日本・対アジア戦略の一環として認識する必要があります。これまで日本市場は、世界的に見ても特殊な健康保険制度や複雑な流通機構の影響もあり、外資の影響は比較的少なかったといえますが、市場のグローバル化に伴い、国際的な競争にさらされることになります。また、他業種からの参入についても販売競争の激化を引き起こし、これらの要因が当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 市場性のある株式の減損に関するリスク
当社グループは、市場性のある株式を保有しております。政策保有株式を保有することの合理性を検証しておりますが、株式相場が大幅に下落した場合には有価証券評価損の計上により当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
(10) 子会社株式の減損に関するリスク
グループシナジーのある事業への投資を今後も継続してまいりますが、当社グループが保有する子会社株式の評価基準は原価法によっており、市場価格のない株式については財政状態の悪化等により実質価額が著しく下落した場合、子会社株式の減損処理を余儀なくされ、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
(11) 外国為替変動に関するリスク
外国為替変動は当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループにける外貨建て取引については、一定程度外国為替リスクを軽減する措置を講じているものの、外国為替変動の影響を受ける可能性があります。一方、邦貨建て取引においても価格引き下げ要求等、間接的な影響を受ける可能性があります。
また、決算報告書は円を基準通貨として作成するため、在外子会社業績の邦貨換算に当たり、為替レートの変動により財務諸表項目に影響を与え、結果として当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与えることとなります。
(12) 工場の閉鎖又は操業停止に関するリスク
当社グループでは、地震や火災など災害を想定した訓練の実施や必要な備蓄を進めるほか、パンデミックによる感染症の拡大防止のための様々な対応・対策の実施、工場の操業に関わる関連法令・規制の順守など、有事の際に被害を最小限に抑えるためのリスク低減に努めております。
しかしながら、想定を超える自然災害、火災、その他の人災及び新型コロナウイルス等の感染症の拡大により当社グループの工場、設備等が閉鎖又は操業停止を余儀なくされた場合、経営成績に対して深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) コンピュータ情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、ネットワークへのセキュリティ対策を施しておりますが、コンピュータウイルス等の侵入やハッカー等による妨害の可能性が全く排除されている訳ではありません。もしこれらの被害にあった場合は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
(14) 国際的な事業活動に関するリスク
当社グループは、海外各国において様々な事業活動を展開しておりますが、海外各国における、法規制や医療保険制度はもとより、海外各国の政治、経済、文化、法律、商慣習など当社グループ会社を取り巻く様々な環境は、将来に亘って不確実であり、またこれら環境の違いや、そこから派生する様々な問題は、当社グループの財政状態及び経営成績に、悪影響を与える可能性があります。
(15) 財務制限条項
当社は、安定的な資金運用を図るため金融機関から資金調達を行っておりますが、コミットメントライン契約については財務制限条項が付されております。当該財務制限条項に抵触した場合、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(16) 持分法適用関連会社
当社グループは、持分法適用関連会社1社を有しております。持分法適用関連会社の業績・財政状態の悪化によ
り、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルスとの共生が進み、景気に持ち直しの動きが見られましたが、ウクライナ情勢を受けた資源・エネルギー価格の高騰のほか、各国の金融引き締め政策や急激な為替変動に加え、年度末にかけては欧米の金融不安が高まるなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。 国内経済についても、社会経済活動の正常化が進む中、緩やかな回復基調で推移しましたが、世界経済と同様のリスク要因に加え、物価高騰による消費マインドの低下などの懸念材料もあり、景気悪化への懸念が払拭できない状況が続きました。
歯科業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は徐々に収まりを見せ、昨年6月に閣議決定された骨太方針において、国民皆歯科検診の導入検討が発表されるなど、明るい材料もありましたが、歯科医療のデジタル化の進展など市場環境は変化を続けております。
このような状況の中、2022年5月に創立100周年を迎えた当社グループは、第四次中期経営計画の二年目を迎え、今後の成長に向けた積極的な施策を推進してまいりました。具体的には、成長が見込めるデジタル歯科や予防分野の新製品を市場に投入するほか、デジタルコンテンツの充実等を通じて歯科医療従事者への情報提供活動の強化に努めました。また、新興国を中心に海外販売網の拡充に注力するとともに、京都本社内に歯科用CAD/CAM製品のデモ体験ができるショールームを備えた新社屋「あゆみテラス」を竣工させるなど、今後の成長に向けた事業基盤の整備に取り組みました。さらに、サステナビリティ経営を推進するための基本方針を策定するとともに、優先的に取り組むべき重点テーマと重要課題(マテリアリティ)を特定し、目標達成に向けた取組みを展開いたしました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高31,678百万円(前年同期比12.6%増)、営業利益3,824百万円(同18.9%増)、経常利益4,238百万円(同15.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,135百万円(23.1%増)となり、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高の業績となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(デンタル関連事業)
国内におきましては、歯科切削加工用セラミックス「松風ディスクZRルーセント スープラ」や歯科切削加工用レジン材料「松風ブロック HC ハード Ⅱ」など、CAD/CAM関連製品が売上に貢献し、前年同期比増収となりました。
海外では、診療系材料のGiomer製品群の販売戦略が奏功し、各地域で化工品類の売上が伸長するとともに、中国を含むアジア地域を中心に売上が好調に推移しました。さらに、為替変動のプラス影響もあり、前年同期比増収となりました。
これらの結果、デンタル関連事業の売上高は29,238百万円と前年同期比3,361百万円(13.0%)の増収となり、販売費及び一般管理費が増加したものの、営業利益は3,719百万円と前年同期比654百万円(21.4%)の増益となりました。
(ネイル関連事業)
国内におきましては、競合他社の攻勢により一般消費者向けジェルネイル「by Nail Labo」の売上が減少しましたが、主力のアクリル材料「Nail de Dance」に回復の兆しが見られ、売上に貢献した結果、前年同期比増収となりました。
海外におきましては、米国においてSNSを活用したプロモーション活動に注力しましたが、インフレの影響による消費の落ち込みにより苦戦いたしました。一方、台湾ではコロナ禍からの需要回復に加え、独自ブランド製品がチェーン店を中心に売上を伸ばし、海外全体では前年同期比増収となりました。
これらの結果、ネイル関連事業の売上高は、2,345百万円と前年同期比177百万円(8.2%)の増収となりましたが、販売費及び一般管理費が増加したため、営業利益は93百万円と前年同期比38百万円(29.0%)の減益となりました。
(その他の事業)
その他の事業におきましては、工業用研磨材は自動車業界における減産の長期化による影響を受けたものの、設備投資の回復や自動化・省力化ニーズの高まりなどにより産業用機械向けが堅調に推移し、全体の売上は年間を通じて好調に推移しました。
これらの結果、その他の事業の売上高は、95百万円と前年同期比2百万円(2.5%) の増収となりましたが、営業利益は5百万円と前年同期比8百万円(61.4%)の減益となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比1,758百万円増加し、22,220百万円となりました。現金及び預金や、商品及び製品の増加が主な要因です。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比1,258百万円増加し、21,506百万円となりました。本社内の新社屋建設に伴う有形固定資産の増加が主な要因です。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比1,512百万円増加し、5,949百万円となりました。設備関係未払金の増加が主な要因です。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比1,070百万円減少し、2,262百万円となりました。長期借入金を1年内返済予定の長期借入金へ振り替えたことが主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比2,575百万円増加し、35,515百万円となりました。利益剰余金の増加が主な要因です。
以上の結果、自己資本比率は80.8%と前連結会計年度末比0.3ポイント上昇しました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ、622百万円増加し、8,830百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,170百万円のプラス(前期比566百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益4,410百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,290百万円のマイナス(前期比1百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,545百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,457百万円のマイナス(前期比382百万円の減少)となりました。これは主に親会社による配当金の支払額730百万円や、長期借入金の返済による支出325百万円によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループは、販売計画に基づいて、生産計画を立て生産を行っておりますが、一部の製品に関しては受注生産を行っております。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
主たる相手先の販売実績割合が、10%未満のため記載しておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、31,678百万円と、前年同期比3,540百万円(12.6%)の増収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費が増加したものの、増収効果により3,824百万円と前年同期比607百万円(18.9%)の増益となりました。
経常利益は、営業外費用が増加したため増益幅が縮小し、4,238百万円と前年同期比579百万円(15.8%)の増益となりました。
特別利益として受取和解金や投資有価証券売却益を計上した結果、税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、3,135百万円と前年同期比588百万円(23.1%)の増益となり、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高の業績となりました。
(財政状態の分析)
当連結会計年度の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループは現在、必要な運転資金及び投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入により資金調達しております。また、機動的かつ安定的な資金調達体制を構築するため、取引金融機関4行とコミットメントライン契約を締結しております。
当社グループは、金融機関と良好な関係を構築しており、将来に必要な運転資金及び投資資金を今後も安定的に調達することが可能であると考えております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありま す。
独占販売契約
研究開発活動につきましては、歯科用材料、歯科周辺機器及びネイル関連製品についての研究開発を行っております。当連結会計年度は研究開発費として
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(デンタル関連事業)
保存修復分野では、「ビューティボンド Xtreme」が欧州の新規制MDR(Medical Device Regulation)を2022年8月に取得し、2023年3月のドイツケルンにおける世界最大の歯科展示会IDS(International Dental Show)に出品することが出来ました。本品は優れた特性(審美性・接着性・簡便な操作性)を有するだけでなく、充填修復・口腔内リペア・補てつ(綴)修復・レジンコア築造・知覚過敏抑制・象牙質レジンコーティングの症例にワンボトルで適応可能な、ユニバーサルアドヒーシブシステムです。様々な被着材料に対して優れた接着性を実現致します。また、充填用レジン強化型グラスアイオノマーセメント「グラスアイオノマー FX-LC」を2022年7月に国内発売いたしました。本セメントは新規のNGAモノマーを採用し、3つの硬化反応で優れた性能を保有します。またレジンの入っていない充填用のグラスアイオノマーセメントと同等の自己接着力を示し、付属のコンディショナー「FX-LCコンディショナー」を併用することにより更に高い接着力を発現いたします。この他、高いX線造影性を付与している点や他社製品より短いチェアタイムを有することから、使い勝手にも行き届いた製品です。
補てつ(綴)修復分野では、「松風ディスク ZR ルーセントスープラ」に26mmディスクを追加し、従来品では対応が難しかった高さのあるロングスパンのインプラント症例や大きい補てつ(綴)装置にも対応しております。
予防関連材料として、2022年5月に「メルサージュ APプロ」を発売しております。本品は歯面研磨から歯面修復、「削るから埋める」方向性を目指したプロフェッショナルケアに転換した製品です。ブラッシングや歯面研磨による傷を含め、歯質には様々な凹凸が存在します。凹部分を歯や生体に近い卵殻由来のバイオアパタイト(歯質を構成するカルシウムやリンも含まれている)で歯質の傷を埋め、歯質を修復することで表面性状も改善、凹みを整えることでステインやバイオフィルムのコントロールも容易になるトリートメントケアペーストです。また本品は防腐剤無配合であり、優れた操作性を有し、さわやかなユズミントのフレーバーで患者様にもご好評頂いております。
151期には3Dプリンタ器材の開発にも力を入れ、3Dプリンタ用の急速加熱型埋没材「スノーホワイト3Dクイック」をはじめ、プリント材料は「S-WAVEプリントモデルHD」、「S-WAVEプリントキャスト」、「S-WAVEプリントトレー」、及び「S-WAVEプリントスプリント」を上市致しました。3Dプリントの造型装置としてはカリマ社から仕入商品として「S-WAVEプリンターIMD-S」を取り扱い、2023年1月から販売しております。今後も3Dプリンタ事業には更に注力し、本事業のパイオニアとなるべく邁進して参ります。
(ネイル関連事業)
ジェルネイル分野(プロネイリスト向け)では、主力ブランドである可視光線LED硬化ジェルネイルシステム「PRESTO」のラインナップとして、繊細なラインの描写から立体的なアートまで幅広い用途に使用できる「ノーワイプアイシングジェル ホワイト」を5月、「ノーワイプアイシングジェル ダークブラウン」を11月に発売いたしました。また、11名のネイルアーティストとのコラボレーションカラー、各国の流行にマッチした多彩カラーなど、「カラージェル新色(合計119色)」「ブラッシュオン カラージェル新色(合計128色)」を発売いたしました。
著名なネイリストと共同開発したジェルネイルシステム「ageha」のラインナップとして、凹凸のあるアートが描ける「クリームアートジェル新色(6色)」を8月、爪の形状を整えるのに適した操作性と強度を兼ね備えた「ミキシングビルダージェル」を10月に発売いたしました。また、サロンワークで使いやすい操作感にこだわったagehaオリジナルカラーとして「カラージェル新色(合計43色)」を発売いたしました。
アジア諸国での中低価格帯ユーザーをターゲットとしたジェルネイルシステム「ARTiS di Voce」では、ネイルラボ台湾で企画した「カラージェル新色(合計40色)」を発売いたしました。
ジェルネイル分野(一般消費者向け)では、自宅で簡単にネイルのおしゃれを楽しめるジェルネイルシステム「by Nail Labo」のラインナップとして、様々なアートが簡単に楽しめる「コーティングジェル」を10月に発売いたしました。また、季節ごとのトレンドを先取りした「カラージェル新色(合計30色)」を発売いたしました。
(その他の事業)
特にありません。