ここでは、(1)経営方針、(2)長期ビジョン「Shaping The Future 2030」、(3)中期経営計画「SF 1st Stage」(4)SF 1st Stageの経営目標という構成で記載しています。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
また、文中における「営業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「試験研究開発費」 を控除したものを表示しています。
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(1) 経営方針 |
①当社グループの企業理念
当社グループでは、1959年に創業者・立石一真が、社憲「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」を制定しました。その後、社憲の精神を企業理念へと進化させ、時代に合わせて改定しながら、事業発展の原動力また求心力として数々のイノベーションを生み出し、社会の発展と人々の生活の向上に貢献してきました。この企業理念を社員一人ひとりが実践することで、事業を通じた社会的課題の解決を目指しています。このためには、世界中の社員の誰もが企業理念の考え方を理解し、行動することが重要であり、現在、グローバルレベルで企業理念の実践を強化しています。
当社グループは、これからも企業理念の実践を通じて、企業の社会的責任を果たすとともに、持続的な企業価値の向上を目指します。
なお、今後も企業理念を実践し、社会の発展と企業価値の向上に努めていく当社の経営の根幹は普遍であることを明確にするために、第85期定時株主総会(2022年6月23日開催)にて同企業理念を定款に記載する旨の議案を上程し、株主様の賛成を得て定款の一部を変更しました。
②企業理念に基づく経営のスタンス
当社グループでは、すべてのステークホルダーに対して、事業を通じて企業理念を実践していくための経営の姿勢や考え方を示すものとして、「経営のスタンス」を宣言しています。それらを「長期ビジョン」「オムロングループ マネジメントポリシー」「ステークホルダーエンゲージメント」の各方針に体系化し、実践しています。
また、この「経営のスタンス」は、企業の永続的な成長を目指すものであるため、当社グループの「サステナビリティ方針」としても同内容を掲げています。
(各サステナビリティ目標値については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) SF 1st Stageの経営目標」、取組みの詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)事業環境、経営成績等の状況・分析・検討 ①当社グループの経営成績の実績及び見通し」をご覧ください)
③当社グループの存在意義
当社グループの存在意義は、「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続けること」です。これを実現するためには社会価値を創出し、正しく利益を得る、再投資するというサイクルを回すことで社会的課題の解決を拡大再生産できる仕組みを構築することが重要と考えています。
(参考)企業理念浸透への取組み
当社グループでは、企業理念を現場に浸透・共鳴させるために様々な活動を行っています。
<企業理念の実践を支える主な取組み>
・企業理念ダイアログ
経営トップ自らがグローバル各拠点を訪問し、企業理念について世界各地の経営幹部や現場社員と対話を行います。そこでは、日常業務における企業理念の大切さや、経営トップ自らが事業責任者として企業理念を実践した当時の経験など実例を交えた講話が行われます。その後、参加者が互いの理念実践事例を共有・共鳴し合い、そこでの気づきを踏まえ、今後の企業理念実践アクションプランについて議論が交わされます。このように企業理念ダイアログは、各地の経営幹部や現場社員にとって企業理念の実践に向けた行動を加速する機会となっています。
・エンゲージメントサーベイ「VOICE」
当社グループでは、経営陣がグローバル全社員の生の声をエンゲージメントサーベイ「VOICE」により集計し、当社グループで働く従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を経営陣と社員が一緒に実現する、エンゲージメントマネジメントに取り組んでいます。
VOICEは2016年から2年に一度実施し、グローバル全従業員に約70問の質問を送り、回答及びフリーコメントを収集しています。今回(2022年9月~10月実施)の調査における回答率は91%、3万8千件のフリーコメントが寄せられました。これらの回答を詳細に分析し、会社の魅力度を測るとともに、経営陣が調査結果から導かれた組織課題についての議論を行い、目標を明確に定めたのちにアクションを推進しています。
なお、VOICEをきっかけに、コーポレートシステム刷新によるDXの着手、JOB型をベースとした人事評価制度の見直し、360度フィードバックによる管理職の課題抽出とトレーニング実施等の具体的なアクションに取り組んでいます。
・The OMRON Global Award (TOGA)
社員による業務を通じた企業理念実践の物語をグローバル全社員で共有するプログラムです。TOGAは、社員自らが社会的課題の解決に向けた目標を立てることで、企業理念実践にチャレンジし続ける風土の醸成を狙いとしています。日々の仕事や職場における企業理念実践の取組みを全社員で共有し、称えあうことで、企業理念実践への共感、共鳴の輪を拡大しています。
TOGAについての詳細はウェブサイトをご覧ください。
https://www.omron.com/jp/ja/about/corporate/vision/initiative/#
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(2) 長期ビジョン「Shaping The Future 2030」(2022~2030年度) |
オムロンは、2022年度から2030年度までの新たな長期ビジョン(呼称:「Shaping The Future 2030」、略称:「SF2030」)を策定し、スタートさせました。当ビジョンにおいては、社会が変革期を迎える中、オムロンがその存在意義を発揮し、より多くの社会的課題の解決を通じて社会の発展に貢献し続けるため、自らの変革と新たな価値創造のストーリーを定めました。この「SF2030」のもと、事業の成長とサステナビリティ課題への取組みを一体化して進化させ、企業価値を向上させていきます。
①「SF2030」ビジョンステートメント
「SF2030」には、「オムロングループ全社員が企業理念を実践し、センシング&コントロール+Think技術で、持続可能な社会をステークホルダーとともにつくっていく」という思いを込めています。
②オムロンが想定する2030年の社会
私たちは、効率や生産性を追求する「工業社会」を経て、物質的な豊かさを手に入れました。しかし人々の価値観はモノの豊かさから心の豊かさに大きく変化しています。例えば、人々の環境問題に対する意識、仕事に対する価値観は大きく変わってきています。サステナブルな製品や生活を選択することはもちろん、仕事においても、自分の能力を発揮できる仕事を通じ、ワークライフバランスを見つめなおす動きが加速しています。新たな社会・経済システムへの移行期である現在、そして次の10年は、新旧の価値観がぶつかりあい、社会・経済システムへのひずみが生じることにより社会的課題が次々に発生する時代の転換期にあると考えています。オムロンはこれらの社会的課題を解決することで社会価値を創出し、社会全体の豊かさと自分らしさの追求が両立する社会の実現に貢献し続けます。
③オムロンが創出する社会価値
社会価値の創出に向けて、オムロンは、社会に与えるインパクトが大きく、オムロンの強みであるオートメーションと顧客資産や事業資産を活かす観点から、3つの社会的課題「カーボンニュートラルの実現への貢献」、「デジタル化社会の実現への貢献」、「健康寿命の延伸への貢献」を設定しました。
カーボンニュートラルの実現を通じて地球温暖化問題へ取り組み、安心・安全・便利な暮らしと自然環境の両立を実現するエネルギーシステム作りに貢献します。
デジタル化社会の実現においては、年齢や貧富の差に関わらず、必要な情報を必要な人が得ることができる状態を作ることが求められています。オムロンは、誰もがその恩恵にあずかることができるデジタル化社会の実現を通じて格差社会から生まれる問題の解決に取り組み、人々があらゆる制約から解放され、楽しく創造的でかつ、持続可能な社会を実現するものづくりやインフラ作りに貢献します。
また、高齢化が進む社会において、健康寿命を延ばすことは、個人はもちろん、家族が幸せな生活を送るためにとても重要なことです。加えて、医療費の抑制といった観点からも重要です。オムロンは健康寿命の延伸のためにあらゆる人が健康で豊かな自立した人生を送るためのヘルスケアシステムを構築することで高齢化社会における問題の解決に真正面から取り組んでいきます。
<オムロンが捉える社会的課題と創出する社会価値>
これらの3つの社会的課題の解決による社会インパクトを最大化するために、「SF2030」より、グループのドメインを見直し、改めて4つのドメインを設定するとともに同領域での社会価値を定めました。インダストリアルオートメーションでは、「持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化」への貢献を目指します。ヘルスケアソリューションでは、「循環器疾患の“ゼロイベント”」への貢献を目指します。ソーシャルソリューションでは、「再生可能エネルギーの普及・効率的利用とデジタル社会のインフラ持続性」への貢献を目指します。デバイス&モジュールソリューションでは、「新エネルギーと高速通信の普及」への貢献を目指します。
<4つのドメインが創出する社会価値>
インダストリアルオートメーション
インダストリアルオートメーションでは「持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化」へ貢献します。これまでオムロンは、i-Automation!で、お客様との共創を通じてアプリケーションを創出し、様々な業界のモノづくりの技術革新や人手不足の解消、生産性の向上を実現させてきました。これからは、i-Automation!をさらに進化させ、生産性とエネルギー効率の最大化による地球環境との共存や、人の可能性を最大発揮できる製造現場の構築や業務プロセスの改善やエンジニアリング領域の業務効率向上を通じて作業者の働きがいも両立させるサステナブルな未来を支える製造現場を構築していきます。
ヘルスケアソリューション
ヘルスケアソリューションでは、「循環器疾患の“ゼロイベント”」へ貢献します。これまでオムロンは、医療品質の家庭用デバイスをグローバルに普及させ、家庭で計測した血圧データを用いた診断・治療プロセスをつくり、脳・心血管イベント発症の予防に貢献してきました。これからは、イベント発症を未然に防ぐ、新しい予防医療の仕組みを構築することで、誰もが自然と健康に暮らすことのできる社会、質の高い医療を誰もがどこでも受けられる社会の実現を目指していきます。その社会に向けて、日常生活下でバイタルデータが測定できるデバイスの創出、医師の診断・治療の意思決定を支援するアルゴリズムを用いた遠隔診療サービスの導入や、新しい予防医療サービスの開発を実現します。
ソーシャルソリューション
ソーシャルソリューションでは、「再生可能エネルギーの普及・効率的利用とデジタル社会のインフラ持続性」への貢献を目指します。オムロンはこれまで、太陽光発電や蓄電池の普及に貢献してきました。これからは、進化したエネルギー制御技術で発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献します。また、社会インフラ領域においては、様々な機器、施設の運用現場を熟知し、日本全国を網羅するサービス網を通じ、運用・保守を支えてきました。これからは、現場システムの効率的な運用を支援するマネジメント&サービスで、運用・保守プロセスを革新していきます。
デバイス&モジュールソリューション
デバイス&モジュールソリューションでは、「新エネルギーと高速通信の普及」に貢献します。オムロンはこれまで、電気を繋ぐ・切る技術で、高い性能と品質を持つリレーやスイッチを顧客の製品に組み込み、グローバルに広く提供してきました。これからは、環境負荷の低いエネルギーの導入によりあらゆる機器が直流化します。この変化を踏まえて、オムロンは、放電を安全に制御する技術や故障タイミングを事前に検知する技術で、火災や感電を防ぎ、機器の安全性を高めるデバイスを創出します。また、高速通信の普及では、耐ノイズ性能を高める技術と、これまで培った微細加工技術を用いた量産化により、「途切れない接続」を可能とする高周波対応デバイスを創出します。
④「SF2030」におけるサステナビリティ重要課題
オムロンは「SF2030」のもと、事業の成長とサステナビリティ課題への取組みを一体化して進化させ、推進しています。社会価値と経済価値を生み出すのは、「事業を通じた社会的課題の解決」そのものです。その実現のためには、ソーシャルニーズ創造による新規事業やそれを支える多様な人財づくりが欠かせません。これらは「オムロンの持続的成長」にも繋がります。また、脱炭素・環境負荷低減やバリューチェーンにおける人権の尊重は、「社会の持続的発展」を促すための企業の社会的責任として必須となっています。「SF2030」では、これらの5つのサステナビリティ重要課題に取り組むことで、社会価値と経済価値の両方を創出し、企業価値の最大化を目指します。
(注) 1 Scope1・2:自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス
2 Scope3 カテゴリー11:Scope3は自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出。そのうち、カテゴリー11は製造・販売
した製品・サービス等の使用に伴う排出。
※「SF2030オムロンの進化の方向性」など、「SF2030」の詳細は、弊社ウェブサイトに掲載しています。
特設サイト:https://www.omron.com/jp/ja/sf2030/
※サステナビリティ重要課題特定プロセスの詳細は、ウェブサイトをご覧ください。
https://sustainability.omron.com/jp/omron_csr/sustainability_management/
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(3) 中期経営計画「SF 1st Stage」(2022年度~2024年度) |
2022年度から2024年度までの中期経営計画 (以下、SF 1st Stage)では、この3年間を「SF2030」ビジョン達成に向けて、社会的課題を捉えた価値創造と持続的成長への能力転換を加速する“トランスフォーメーション加速期”と位置づけました。社会構造の変化に伴い生じる成長機会を掴み、これまで培った競争力を発揮することで力強い成長を実現します。それと同時に、変化する社会に適応するため組織能力の転換を推進し、成長の持続性を高めてまいります。
<長期ビジョン「SF2030」における1st Stageの位置づけ>
①SF 1st Stage方針
SF 1st Stageの全社方針は、「トランスフォーメーションの加速による価値創造への挑戦」です。この実現に向けて、3つのグループ戦略を設定しました。1つ目は、事業のトランスフォーメーションです。具体的には、4コア事業(制御機器事業・ヘルスケア事業・社会システム事業・電子部品事業)の進化、顧客資産型サービス事業の拡大、社会的課題起点での新規事業の創出に取り組んでいます。4コア事業の進化については、それぞれが成長領域を見直し注力事業を設定し、新たな価値創造を実現することで売上成長を牽引していきます。2つ目は、企業運営・組織能力のトランスフォーメーションです。事業環境の変化に適応しながら価値創造し続けるために、ダイバーシティ&インクルージョンの加速、DXによるデータドリブンの企業運営、サプライチェーンのレジリエンス向上に取り組んでいます。そして、3つ目は、サステナビリティへの取組み強化です。特に、脱炭素・環境負荷低減に向けた温室効果ガス排出量の削減、バリューチェーンにおける人権尊重の徹底に取り組んでいます。
<SF 1st Stageの全社方針と3つのグループ戦略>
②SF 1st Stageにおける3つのグループ戦略
Ⅰ 事業のトランスフォーメーション
(ⅰ)4コア事業の進化
長期ビジョン「SF2030」で掲げている4つのドメインで、3つの社会的課題の解決に向けて、事業の進化と成長を通じて社会価値を創出していきます。4つのドメインを担う4コア事業では、注力事業を再設定し、事業ポートフォリオを進化させていきます。各注力事業が新たな成長機会を獲得するため、これまで構築した資産・能力を最大活用していきます。また、新たな顧客価値を創造し、そして市場競争を勝ち抜く強固な無形資産の構築を進め、高い売上成長を実現していきます。
IAB(制御機器事業)
持続可能な社会への移行に伴い、モノづくりが変化するデジタルや環境モビリティ、食品・日用品に加え医療、物流業界といった成長業界を注力事業と設定し、フォーカスしていきます。
(注)売上成長(CAGR)の2021年度累積は、制御機器事業の一部商品を電子部品事業に組み替えて表示しています。
HCB(ヘルスケア事業)
循環器、呼吸器、ペインマネジメント、そして遠隔診療サービスを注力事業に設定しました。
SSB(社会システム事業)
注力事業を「再生可能エネルギー制御」、そして保守や運営支援などを行うマネジメント&サービスとしました。
(注)Power Purchase Agreement(電力販売契約)の略称
DMB(電子部品事業)
電子部品事業では、社会のデジタル化に伴いあらゆる機器が直流化する流れを先取りして対応していきます。
(注)売上成長(CAGR)の2021年度累積は、制御機器事業の一部商品を電子部品事業に組み替えて表示しています
以上のように、これらの4コア事業で注力事業を定め、売上成長を牽引していきます。全社の注力事業の売上は、2021年度から2024年度には35%程度の増加となる、1,200億円超増加の大幅成長を計画、制御機器事業を中心に注力事業の成長がグループの成長をリードします。
これらの成長の実現にむけて、4コア事業の中でも、特に事業成長のポテンシャルが大きい制御機器事業に対しては、新たなアプリケーションやロボットをはじめとする製品の開発、アプリケーションエンジニアの採用と能力強化への人財投資、サービス事業拡大に向けた基盤構築に向けた投資を積極的に行います。
(ⅱ) 顧客資産型サービス事業の拡大
これまで、モノのインストールを通じて培った顧客資産(現場知見や現場データ)を活かし、顧客の本質的課題を解決する多様なサービスにより顧客への提供価値を拡大し、サービス事業の売上高を当社グループの売上高比で2024年度までに10%以上に引き上げることを目指します。
例えば、制御機器事業において、磨き上げた革新FAアプリで獲得した累計20万社の顧客や、ヘルスケア事業のオムロンコネクトのマンスリーアクティブユーザー、システム導入・運用を通じてつながる鉄道会社顧客等の顧客資産を活用し、コンサルティングや、アフターサービス等、顧客の本質的課題を解決する多様なサービスにより、顧客への提供価値を拡大します。
(ⅲ) 社会的課題起点での新規事業の創出
社会的課題を起点に事業テーマを設定し、事業構想・事業開発とオートメーション技術開発を一体化して進めることで新事業の創出確度を高め、2024年度までに3つの新たな事業を創出します。
事業アーキテクチャ(ビジネスモデル)と技術アーキテクチャを相互に連携させたアーキテクチャの策定を行い、さらに、製品・サービス・ビジネスモデル開発と技術開発を連携させた事業開発を行うことで、より戦略的な新事業の創出を各事業およびイノベーション推進本部にて実行します。
特にイノベーション推進本部では、社会的課題を解決するために近未来をデザインし、その実現に必要な戦略を明確に描き実行することで新規事業の創出を目指します。全社のイノベーションプラットフォームとして新たな事業機会の発掘に挑戦し、ビジネスモデルを変革しながら新事業を生み出していくことでソーシャルニーズを創造し、よりよい社会の実現に貢献していきます。
Ⅱ 企業運営・組織能力のトランスフォーメーション
グループ戦略の二つ目である企業運営・組織能力のトランスフォーメーションでは、事業環境の変化に適応しながら価値創造し続けるために、企業運営と組織能力を進化させていきます。そのために、自社、社会、事業環境の観点から、トランスフォーメーションに取り組むべき3つの領域を掲げました。
<企業経営・組織能力のトランスフォーメーション>
(ⅰ) ダイバーシティ&インクルージョンの加速
ダイバーシティ&インクルージョンの加速では、成長意欲ある人財への積極的な投資を従来比3倍強の3年累計60億円まで拡大することや、既に管理職には導入されているジョブ型人事制度を順次一般社員まで拡大することに加え、社会的課題解決の成果を分かちあうための取組み・制度として、企業理念実践の場であり、社会課題解決事例への共感の場であるTOGAのさらなる進化や、新たにグローバルの全ての管理職を対象にした業績連動型株式報酬制度の導入により強化するなどの人事施策を加速いたします。
これらの施策の推進により、付加価値額を人件費で割って算出する人的創造性を、2024年度では2021年度比で7%向上させます。この指標は一人ひとりの能力発揮による価値創造の成果指標であり、重要な戦略目標と位置付けています。
その他のダイバーシティ&インクルージョンの取組みは「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に記載しています。
(ⅱ) DXによるデータドリブンの企業運営
DXによる企業運営の進化では、付加価値拡大と業務の効率化を目的に、バリューチェーン情報の連結による事業スピードの向上とコスト改善力の獲得、成長ドライバと事業リスクのタイムリーなマネジメントによる企業価値の向上、グローバル全社員の見える化を通じた適所適材による組織能力の最大化、グローバルエクセレントカンパニー水準のガバナンスと生産性の両立の4つの領域でデジタルトランスフォーメーションを推進します。SF 1st Stage各領域で業務プロセスの標準化を推進し、DX基盤の初期モデル構築を実現いたします。
(ⅲ) サプライチェーンのレジリエンス向上
サプライチェーンを取り巻く環境は、地政学リスクの高まりや物流価格高騰の長期化、カーボンニュートラルや人権尊重への対応等、大きく変化しています。この事業環境の変化により、これまでのサプライチェーンマネジメントの前提も大きく変化しています。よりレジリエントなサプライチェーンマネジメントの構築を進め、変化対応力をさらに高めてまいります。
Ⅲ サステナビリティへの取組み強化(環境・人権取組みの強化)
グループ戦略の3つ目は、サステナビリティへの取組み強化です。なかでも、「脱炭素・環境負荷低減に向けた 温室効果ガス排出量の削減」と、「グローバルでの人権尊重の取組み徹底」に注力します。
(サステナビリティの取組みの詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。)
(ⅰ) 脱炭素・環境負荷低減の実現
オムロンは、2018年7月に、2050年にScope1・2について温室効果ガス排出量ゼロを目指す「オムロン カーボンゼロ」を設定し、着実に温室効果ガス排出量の削減を行っています。SF 1st Stageにおいては、以下の取組みを推進しています。
SF 1st Stageでの主な取組み
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温室効果ガス 排出量の削減 |
Scope1・2 自社領域からの排出量 |
Scope1・2については、SF 1st Stage期間中の2016年度比53%の削減と国内全76拠点を対象とするScope2カーボンゼロ化に取り組んでいます。 |
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Scope3カテゴリー11 製造・販売した 製品・サービス等の 使用に伴う排出量 |
Scope3については、当社の温室効果ガス排出量の約8割を占めるScope3カテゴリー11において2030年度に2016年度比18%削減を実現すべく、各事業で新商品の省エネ設計などを継続して実施しています。 |
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循環経済への移行 |
資源枯渇や環境破壊の問題を解決するため、「ビジネスモデルの変革」、「製品寿命の延長」、「回収・リサイクルの拡大」、「循環型の原材料調達」、「再資源化率の最大化」などにより循環経済への移行に継続して取り組みます。 |
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(ⅱ) グローバルでの人権尊重の取組み徹底
SF 1st Stage期間において、バリューチェーンにおける人権の尊重への取組みを強化していきます。
これまでオムロンでは、自社生産拠点および重要仕入先を対象にしたサステナビリティセルフアセスメントなどを活用して人権リスク調査や対策を行ってきました。これらに加えて、SF 1st Stageでは対象をバリューチェーン全体に拡大し、オムロン人権方針に従い、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」に沿った取組みを強化し、グローバルにおける人権ガバナンス体制の確立を目指します。
SF 1st Stageでの主な取組み
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UNGPに沿った 人権デューディリ ジェンスの実施 |
バリューチェーン全体を俯瞰した人権影響評価を実施することにより、「顕著な人権課題」を特定し、人権デューディリジェンスのサイクルを回せる状態を作り込んでいきます。 |
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各国・地域に 適した人権救済 メカニズムの構築 |
オムロンが人権に対して悪影響を引き起こしたり、または助長を確認した場合、正当な手続きを通じた救済を実行できるよう、各国・地域に適した人権救済メカニズムを構築していきます。 |
オムロンのバリューチェーンに関わる人々が人権リスクにさらされずに働き、生活できることは、持続可能なビジネスの基盤であり、よりよい社会へと繋がると考えています。これらの取組みを通じて、オムロンの成長力へと変えていきます。
<(参考)オムロンの人権方針>
サステナビリティ重要課題の一つである「バリューチェーンにおける人権の尊重」を実現するため、2022年3月1日に「オムロン人権方針」を制定しました。2011年に国連においてUNGPが採択されたことにより企業の人権尊重責任が明確化され、グローバルで企業を対象とする人権関連の法規制やルールづくりが進んでいます。近年では、UNGPに沿った人権取組みが企業に義務化される動きが高まっており、事業継続の観点からも重要性を増しています。オムロンは、国際社会と協調した経営や行動に努め、バリューチェーン全体で人権リスクの低減に取り組みます。
オムロングループ人権方針は以下を参照ください。
https://sustainability.omron.com/jp/social/human-rights/
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(4) SF 1st Stageの経営目標 |
SF 1st Stageでは、事業成長とサステナビリティ課題への取組みを今まで以上に融合させた価値創造に取り組むことから、経営目標に、財務目標に加え、非財務目標を設定しました。
<中期経営計画(SF 1st Stage)の財務目標>
<中期経営計画(SF 1st Stage)の非財務目標>
(注) 1 「カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」に繋がる注力事業の売上高。
2 GHG:温室効果ガス
3 各リージョン:米州、欧州、アジア、中華圏、韓国、日本
4 非財務目標の⑧から⑩は、社員投票で決定した目標。
SF 1st Stageの経営目標(財務目標・非財務目標)の進捗は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」にて記載しています。
<参考> 「SF2030」サステナビリティ重要課題と2024年の目標
(注)1 Scope1・2: 自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス
2 Scope3 カテゴリー11: 自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出のうち製造・販売した製品・サービス等の
使用に伴う排出
3 UNGP: 国連のビジネスと人権に関する指導原則
2022年度の進捗は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」にて記載しています。
オムロンは、創業の時代から社会的課題への解決を標榜し、「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」という社憲を原点に、一貫してサステナビリティを重視した経営を推進してまいりました。オムロンにとってサステナビリティとは、企業理念を実践することに他なりません。つまり、企業理念に基づき持続的な企業価値の向上を図り、地球視点で社会の持続的発展を追求していくという考え方が基本にあります。
「SF2030」では、社会の急速なパラダイムシフトを成長の機会として捉え、サステナビリティ取り組みと事業活動を統合し、より一層の能動的な取り組みへと進化させてまいります。
ここでは、(1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み、(2)気候変動の対応、(3)人的資本に関する取組みについて、それぞれ「①ガバナンス」「②戦略」「③リスク管理」「④指標と目標」の項目で記載します。
(1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み
①ガバナンス
・全社でのサステナビリティ推進体制として、取締役会の直下に「サステナビリティ推進室」を設け、サステナビリティ課題の管理を行うとともに、執行部門に「サステナビリティ推進委員会」を設置、サステナビリティ課題への取組みを実行しています。
具体的には、サステナビリティ推進委員会は、注力ドメイン及び本社機能部門、各種委員会(企業倫理リスクマネジメント委員会、情報開示実行委員会、グループ環境委員会など)におけるサステナビリティに関わる重要課題の特定、年度計画の策定やその進捗モニタリングを統括し、執行会議への報告を行っています。
また、これらの委員会の活動内容は、サステナビリティ推進室や、執行部門から定期的に取締役会に報告しています。サステナビリティ重要課題の取組み推進は、2022年度の取締役会の重点テーマの一つとして重点的な監督を受けています。さらに、2023年度よりサステナビリティ担当の取締役および業務執行としてのサステナビリティ推進担当役員を設置し、グループ全体でのさらなるガバナンスの強化を図っています。
※取締役会でのサステナビリティ重要課題の取組み推進についての議論の詳細については、以下の「2022年度取締役会実効性評価結果」をご参照ください。
https://www.omron.com/jp/ja/assets/img/sustainability/governance/corporate_governance/chart/20230601_governance_effectiveness_j.pdf
<サステナビリティ推進のためのマネジメント構造>
・2017年度から役員報酬の中長期業績連動報酬(株式報酬)の評価に、DJSIの調査に基づくサステナビリティ評価を組み入れています。さらに、オムロンの成長に寄与するKPIとして「温室効果ガス排出量の削減」「社員に対するエンゲージメントサーベイにおけるSustainable Engagement Index (SEI)のスコア」を、2020年度の役員報酬制度の改訂において新たに追加しました。
第三者機関のサステナビリティ評価を採用することで公正性・透明性を高め、サステナビリティ方針・目標・KPI・進捗状況をウェブサイトなどで開示することで、ステークホルダーとの対話を強化し、取組みの進化に活かしています。
役員報酬制度の詳細については、「
②戦略
・私たちオムロンの存在意義は「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続けること」です。これを実現していくために、オムロンが注力すべきサステナビリティ重要課題を特定し、中長期戦略の中に組み込んで具体的な取組みと目標を設定して事業を通じて実行しています。
「SF2030」では、事業とサステナビリティを統合し、社会価値と経済価値の両方を創出することで企業価値の最大化を目指します。
詳細は「
③リスク管理
「
④指標及び目標
・サステナビリティに関する指標及び目標は、以下に記載しています。
2030年度・2024年度の目標「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」
2022年度の進捗 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」
・サステナビリティ課題への取組みに対する社外からの評価
当社がこれまで継続してきた、事業を通じたサステナビリティ課題の解決への取組みが高く評価され、DJSIワールドを始め世界標準の様々なインデックスへの組み入れや表彰を受けています。
<第三者評価の推移>
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2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
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Dow Jones Sustainability Indices |
DJSI-World |
DJSI-World |
DJSI-World |
DJSI-World |
DJSI-World |
|
S&P Global Sustainability Award |
- |
- |
Gold Class |
Silver Class |
Top 5%(注) |
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CDP(気候変動) |
B |
A- |
A- |
A- |
A |
|
EcoVadis |
SILVER |
GOLD |
PLATINUM |
GOLD |
PLATINUM |
(注) S&P Global社によるSustainability Award は2022年度から評価の記載が変更になりました。
※社外からの評価の詳細については下記をご参照ください。
https://sustainability.omron.com/jp/evaluation/
(2)気候変動への対応
世界各地で異常気象による大規模な自然災害が多発する中、気候変動は当社が取り組むべき最重要課題であると捉え、2022年度からスタートした長期ビジョン「SF2030」のもと、社会的課題である「カーボンニュートラル社会の実現」に挑みます。
2019年2月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明以降、株主・投資家などのステークホルダーと当社の気候変動取組みについてのエンゲージメントを強化するため、TCFDのフレームワークに基づいた情報開示を進めています。
TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示
TCFD提言は、すべての企業に対し、「①ガバナンス」「②戦略」「③リスク管理」「④指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、当社の気候関連への取組みを開示します。
①ガバナンス
・オムロン環境方針
「SF2030」におけるサステナビリティ重要課題、「事業を通じた社会的課題の解決」「脱炭素・環境負荷低減の実現」を推進し、目標達成するための重要な指針として、2022年3月1日に「オムロン環境方針」を改定しました。この方針で、取り組むべき重要な環境課題と行動指針を定めたうえで、脱炭素・環境負荷低減に取り組みます。今後、オムロンは本方針に基づき、バリューチェーン全体での環境課題解決に取り組み、ステークホルダーの期待に応えることで企業価値の向上につなげていきます。
※オムロン環境方針は下記をご参照ください。
https://sustainability.omron.com/jp/environ/management/vision/
・取締役会の役割・監視体制
当社グループでは、「オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシー」において、TCFD等の枠組みに基づく気候変動リスクへの取組みを含むサステナビリティ方針・重要課題および目標について、取締役会が決定・開示することを明確に定めています。
TCFD提言に沿って「SF2030」及び中期経営計画と連動させ各事業のシナリオ分析を行い特定した気候変動に関するリスクや事業機会、目標や具体的な取組み施策については、執行会議およびサステナビリティ委員会で協議・決定・進捗管理・モニタリングを定期的に実施し、必要に応じて是正策を検討します。取締役会は、執行会議で協議・決定された内容の報告を定期的に受け、論議・監督を行っています。
また、2021年度から2024年度を対象とする社内取締役および執行役員の中長期業績連動報酬(株式報酬)(注)の評価指標の一部として、温室効果ガス排出量の削減目標、気候変動対応を含む第三者機関によるサステナビリティ指標(Dow Jones Sustainability Indices)に基づく評価を組み込んでいます。
(注)詳細は「
②戦略
・短期・中期・長期の気候関連リスク・機会および対応
長期ビジョン「SF2030」および中期経営計画では、サステナビリティ重要課題「脱炭素・環境負荷低減の実現」を設定し、気候変動を「機会」と「リスク」の二側面で捉え、企業としての社会的責任の実践と更なる競争優位性の構築を図ります。
そして、気候変動による生態系および人間社会に対する深刻な影響の拡大を抑止するため、当社グループは「脱炭素に向けた製品・サービスの提供」、「モノとサービスを組み合わせたビジネスモデルの進化」、「パートナーとの共創」、「エネルギー効率の改善」、「再生可能エネルギーの使用拡大」などによりバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量削減に取り組んでいきます。
その中で、当社グループは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表する「世界の平均気温が4℃以上上昇する」「世界の平均気温がパリ協定で合意した2℃未満の上昇に抑えられる(一部1.5℃以内)」の2つのシナリオで、リスクと機会を分析し、気候変動問題解決にはオムロンの対応が必要であると再確認しました。具体的には、インダストリアルオートメーションの分野において、
i-Automation!”を進化させ、地球環境との共存と、働く人々の働きがいも両立させるサステナブルな未来を支える製造現場を構築し、生産性とエネルギー効率を高めるオートメーションの実現を目指します。また、ソーシャルソリューションの分野において、これまで太陽光発電や蓄電池の普及に貢献してきましたが、今後は、進化したエネルギー制御技術で発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献します。またデバイス&モジュールソリューション分野では、製品の環境性能向上、およびカーボンフットプリント削減への関心の高まりによる電子部品事業の製品における省エネ・省資源の開発・および提供も加速します。その他にも社会と様々な接点を持つ当社グループは、社会の多くの場面でカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
また、2022年度では、当社グループは国内製造業で初めてEP100に加盟し、制御機器事業とヘルスケア事業のすべての生産拠点において1ギガワット時(GWh)当たりの売上高比率である「エネルギー生産性」を2040年までに2016年比で倍増させることをコミットしました。現在、血圧計や体温計の国内生産拠点である松坂事業所では、制御機器事業とヘルスケア事業が連携し、エネルギー消費量を減らしながら生産量を倍増する仕組みづくりに取り組んでいます。取組みを通じて得たノウハウを自社だけにとどまらず世の中に提供していくことで、製造業および社会の脱炭素化に貢献していきます。
・事業を通じてカーボンニュートラルに貢献する全社売上高目標と進捗
2024年までの中期経営計画では、事業を通じてカーボンニュートラルに貢献する全社売上高(Green Revenue)の目標を1,300億円と設定しています。その初年度である2022年度の実績は、カーボンニュートラルへの取組みを加速し、1,092億円(計画比+105%) を達成しました。
当社グループが認識する気候関連リスク及び、製品・サービス市場ごとの機会は以下の通りです。
<当社グループの気候変動のリスク・機会の概要と対応>
(注)リスクとして記載の物理リスクは、日本、中国を中心とする主要生産15拠点を対象として、ハザードマップ、AQUEDUCTを活用した分析を実施しました。100年に一度の災害が発生した際には、2拠点がリスクに晒されることが明らかになりましたが、再現期間を加味した年間影響額は1.5/2℃・4℃どちらのシナリオでも極めて小さいことから影響度は「小」としております。
<TCFDシナリオの前提>
<事業及び財務への影響度(大・中・小)の定義>

※・リスクへの影響度として営業利益に対してプラスもしくはマイナスの影響を定義しております。
・影響度は、特定したリスク・機会へ対応した場合を記載しております。
③リスク管理
・リスクを評価・識別・管理するプロセス
当社グループは、各事業のシナリオ分析を実施し、気候変動影響による「移行リスク」「物理リスク」を網羅的に抽出しています。そして、抽出した気候変動に伴うリスクについて、採用シナリオごとに「顕在時期」「事業および財務への影響額」を可視化し、事業および財務への影響度を評価しています。評価を基に当社グループにとって重要な気候変動に伴うリスクを特定し、事業リスクの一環として全社リスクマネジメントに統合しています。なお、対応策の立案にあたっての重要事項は、取締役会へ報告しています。
2022年度は、制御機器事業、ヘルスケア事業及び電子部品事業については、2021年度のシナリオ分析の結果を再評価し、社会システム事業については、シナリオ分析を再実施しました。物理リスクについては、各事業における主力製造拠点のリスク評価の見直しを行いました。
・全社リスクマネジメントへの統合状況
当社グループは、リスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、グループ共通のフレームワークで統合リスクマネジメントの取組みを行っています。気候変動リスクをグループ重要リスクと識別・評価し、シナリオ分析によるリスクと整合させ、バリューチェーン全体での取り組みのモニタリングを行っています。
④指標と目標
・気候変動のリスク・機会に関する指標
当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3(注1)の温室効果ガス排出量、および事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギーに関する指標を定めています。
・温室効果ガス排出量に関する目標及び実績(Scope1・2・3)
当社グループは、環境分野において、持続可能な社会をつくることが企業理念にある「よりよい社会をつくる」ことと捉え、2018年7月に、2050年にScope1・2について温室効果ガス排出量ゼロを目指す「オムロン カーボンゼロ」を設定しました。
そして2022年3月、オムロンはカーボンニュートラル社会の実現に向けて取り組みを進化させ、Scope1・2については、削減シナリオを2℃シナリオからより積極的な1.5℃シナリオに変更しました 。また、Scope3カテゴリー11について、2030年に18%削減(2016年度比)という目標を新たに設定しました。これらの目標はSBTイニシアチブ(注2)の認定を受けています。
また、目標達成に向けて、オムロンは、引き続きエネルギー効率の改善を進めるとともに、自社のエネルギーソリューション事業が提供する再エネ由来のJ-クレジット(注3)や自己託送(注4)などを活用することで、2024年度にScope2についてオムロンの国内拠点のカーボンゼロ(注5)の実現を目指します。
<温室効果ガス排出量に関する目標及び実績(Scope 1・2・3)>
(注)1 Scope1・2:自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス
Scope3カテゴリー11:Scope3は自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出。そのうち、カテゴリー11は製造・販売した製品・サービス等の使用に伴う排出。
2 SBTイニシアチブ(Science Based Targets イニシアチブ):科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減の中長期目標設定を推奨している国際的イニシアチブ
3 J-クレジット:環境価値 (CO2を排出しない効果)を国が認証する制度
4 自己託送:自家発電設備を保有する事業者が当該設備を用いて発電した電力を、一般送配電事業者の送電網を介して遠隔地にある自社工場や事業所などに送電・供給し、電力を使用することが可能となる電力供給制度
5 生産13拠点、非生産(本社・研究開発・販売)63拠点における自社の電力使用により排出される温室効果ガス排出量(Scope2)が対象
6 温室効果ガス排出量(Scope1・2)の2022年度の実績は、
7 2022年度の温室効果ガス排出量削減は、計画を上回る省エネ・創エネの取り組みに加え、マレーシアの脱炭素対策・中国上海地区でのロックダウン等の影響により、目標を大幅に上回る削減量となりました。
(3)人的資本に関する取組み
①ガバナンス
オムロンでは、ダイバーシティ&インクルージョンの加速を2022年度の取締役会運営方針の重点テーマの一つに設定してモニタリングしています。
また、オムロンでは2023年度から人財戦略は今後の経営の要という認識のもと、主に「企業理念の浸透・共鳴の輪の拡大」、「リーダー育成と登用」、「全社員にとっての魅力的な会社づくり・企業文化の醸成」のさらなる実行を目ねらいとし、CHRO(最高人事責任者)を設置しました。CHROリードのもと、本社と事業が一体となって、「SF2030」での価値を創造するために人的資本の取組みをさらに推進していきます。
②戦略
「SF2030」人財戦略ビジョン
「SF2030」の目標である、事業を通じた社会価値創出の原動力は、社員一人ひとりです。会社と社員が「選び・選ばれ」、「ともに成長する」新たな関係を構築していくことを前提に、企業理念の実践を通じて、社会的課題の解決を志す、スペシャリティを備えた多様な人財が集い、一人ひとりが主体性を持って能力を発揮する集団であり続けられる人財戦略をグローバルに実行していきます。
中期経営計画(SF 1st Stage)人財戦略
SF 1st Stageでは、オムロンが人的資本を有効に活用し企業価値の向上につなげているかを定量的に測る指標として「人的創造性」を設定し、2024年度において2021年度比で+7%向上させる目標を掲げました。
・人的創造性の向上
人的創造性とは、売上から変動費を差し引いた付加価値額を人件費で割ったものです。付加価値とは、オムロンが顧客や市場に向けて創り届けた価値の大きさ、人件費とは、価値創造の担い手である人財の価値の総和の大きさを指します。企業が適正な付加価値を得て、それを使って新たな価値の拡大再生産を行うことは、企業と社員の持続的成長の実現に不可欠です。私たちが成し遂げたいことは、価値創造であり、分子の付加価値を伸ばすために、分母である人財への投資をしっかりと行うことで、それ以上の付加価値を生み出していきます。
<人的創造性の考え方>
・人的創造性を高める3つの因子
オムロンでは、この人的創造性を高めるための人財投資には、全社の経営目標や事業戦略に則した3つの因子が重要と考えています。
1つ目は、人財の最適な配置です。事業の成長領域に適所適財となる人財配置を行うことで、社員のパフォーマンスを向上させ、付加価値の拡大につなげていきます。具体的には事業ごとの成長シナリオに基づく将来の人財ポートフォリオを描き、それに向けた採用・育成・再配置を継続的に実施しています。
2つ目は、人財の能力獲得、強化です。価値創造のプラン、つまり事業戦略を実行するために必要な能力の獲得、その実現に向けた育成プログラムの準備や経験の場を提供していきます。具体的には、スキル獲得の為の研修型プログラムに加え、社外や母国外での経験機会の付与、自らの表出やフィードバック、対話の機会拡大を通じた人財能力開発投資を行い、人財の能力発揮を促しています。
3つ目は、保有能力の発揮です。社員個々人が持つ多様で多彩な個性や能力を最大限発揮できる環境を整備します。具体的には高いパフォーマンスの発揮の為には、前述の1,2に加え、エンゲージメントやモチベーションの向上が大切となってきます。エンゲージメントサーベイ「VOICE」を活用し、社員の声から経営課題を特定し、制度や働く環境改善などに繋ぐ活動を行います。また、360度フィードバックや上司と部下の1on1ミーティングなど対話を通じ、より個性や能力を発揮できる環境を整備しています
<人的創造性を高める3つの因子>
③リスク管理
「
④指標と目標
SF 1st Stageでは、人的創造性の向上の実現とダイバーシティ&インクルージョンを加速させる8つの取組みについて目標を定めています。それぞれの目標と進捗は以下の通りです。
<人的創造性の向上とダイバーシティ&インクルージョンを加速する8つの取組みと進捗>
(注)1 2023年4月3日に出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社及び、同日に設立のオムロンエキスパートエンジニアリング株式会社を含む4月20日時点の当社及び連結子会社集計値です。3月31日時点の当社及び連結子会社について集計した女性管理職比率は16.8%です。
2 VOICEとは、経営陣がグローバル全社員の生の声を聴くエンゲージメントサーベイです。
3 VOICE SEIとは、組織の状態性を測る総合指標として持続可能なエンゲージメント指標/Sustainable Engagement Indexの
略称です。
4 TOGAとは、The OMRON Global Awardsの略称です。(詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (参考)企業理念浸透への取組み」をご参照ください。)
(参考)グローバルの女性管理職比率について
欧州、米州、アジア、中華圏のリージョンにおいては既に20%を超えており、引き続き維持・向上していきます。今後は、特に日本における育成・登用を加速していくことで、SF 1st Stageの目標である18%以上の達成を目指します。
・女性の更なる活躍に向けた取組み
グローバル経営幹部候補の選抜・育成におけるジェンダーバランスの考慮、女性を対象としたリーダーシップトレーニングやメンタリングプログラムなど、女性リーダーの拡充に向けた様々な取組みを実施しています。また、女性への働きかけだけでなく、アンコンシャスバイアスに関する研修や心理的安全性を高める管理職向けの研修などを通じて、社員一人ひとりの個性や知識、経験・体験に基づいた考え方や意見の多様性を引き出し、立場に関わらず成果や価値創造に向け率直な意見を気兼ねなく話し合える風土醸成の取組みも行っています。
国内においても、キャリア支援と両立支援の二つの軸を同時に実行していくことで多様なロールモデルを育成しています。キャリア支援では、女性のメンバーを対象とした「女性リーダー研修」の実施、各拠点を主体とする女性交流会・勉強会・講演会などを通じた女性ネットワークの実現・拡大、相互研鑽を進めています。両立支援では、仕事と家庭の両立支援ガイドの発行、相談窓口の設置、人事処遇制度の改定など、一人ひとりが個性を発揮し、活躍できる環境を働くメンバーと一緒に改善しています。これらの取組みを加速するため、上司と対話を行い、自律的なキャリア開発を支援するキャリア開発面接や、社内公募・応募制度など、中長期的にキャリア形成を考え、実現できる仕組みを用意しています。また、直属上司以外の“斜め”の関係を活かしたメンタリングプログラムを導入し、複眼的視点からの気づきを通じた相互成長やネットワーキングの機会も創出しています。
こうした取組みの結果、日本国内の女性職場リーダーは増加しています。2023年4月現在、オムロングループ(国内)における女性役員は、7名(内訳:社外取締役1名、執行役員常務1名、執行役員2名、関係会社取締役社長2名、関係会社取締役1名)です。女性管理職人数(国内)は、2018年には85人でしたが、今では137人になり(注)、多様なスタイルのロールモデルが誕生し、意思決定に多様な意見が反映されています。引き続き、管理職や女性社員の意識改革、女性の活躍機会の拡大や登用などに取り組んでいます。
(注)2023年4月3日に出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社及び、同日に設立したオムロンエキスパートエンジニアリング株式会社を含む4月20日時点の当社及び連結子会社集計値です。
3月31日時点の当社及び連結子会社について集計した女性役員は5名(内訳:社外取締役1名、執行役員常務1名、執行役員2名、関係会社取締役社長1名)、女性管理職人数(国内)は、136名です。
<女性管理職比率の推移(グループ国内)>
(注)各年度における集計値は翌年度4月20日時点の数値を記載
(参考)オムロンの健康経営
オムロンでは、社会的課題を解決するには、何よりも働く社員一人ひとりの健康が経営の基盤になると考え、2017年7月に健康経営宣言を行い、経営トップ自らが「健康経営」を推進してきました。この活動を進めるにあたって、以下の3つの活動方針に沿って、推進しています。
①「イノベーションを起こす人と組織をつくる」ということ。前向きなチャレンジを促進する環境を整えて、仕事にやりがいや楽しさを感じられるようにします。
②「心身が健康で、社員が自分の人生を楽しんでいる状態をつくる」ということ。社員に健康に配慮した生活を心がけてもらい、仕事だけでなく趣味なども積極的に楽しめるようにします。
③「オムロンを卒業しても社会で活躍し続ける社員でいっぱいにする」ということ。健康を維持・向上できれば、将来にわたって活躍できるようになり、社会に貢献しながら充実した人生を送ることができます。
※健康経営の取組み詳細については下記をご参照ください。
https://sustainability.omron.com/jp/social/wellness-management/
(1) グローバルな事業活動を支える統合リスクマネジメント
当社グループでは、統合リスクマネジメントというグループ共通のフレームワークでリスクマネジメントを行っています。経営・事業を取り巻く環境変化のスピードが上がり、不確実性が高くなる中で変化に迅速に対応するためには、リスクへの感度を上げ、リスクが顕在化する前に察知し、打ち手を講じていく必要があるためです。
現場だけでは対処できない環境変化から生じる問題を、現場と経営が力を合わせて解決する活きたリスクマネジメントを目指し、グローバルでPDCAサイクルを回しながら、当活動の質の向上を図っています。
「SF2030」を実現していくため、企業理念やルールを守りつつ、いかに効率的、効果的で迅速なリスク判断を現場ができる仕組みを構築するかという点も重要なテーマとして、取組みを進めています。
(2) 統合リスクマネジメントの仕組みと体制
統合リスクマネジメントの枠組みは、内部統制システムの下、グローバルリスクマネジメント・法務本部が主管するオムロングループルール(OGR)(注1)「オムロン統合リスクマネジメントルール」にまとめ、グループ経営における位置づけを明確にしています。また、リスクマネージャを本社機能部門、ビジネスカンパニー、海外の地域統括本社、国内外の各グループ会社で任命し(約160名)、経営と現場が一体となってグローバルの活動を推進しています。
主な活動は次の3点です。
・環境変化をタイムリーに把握して、関係者で共有し、適時に影響評価を行うこと
・定期的に、グローバルにリスクを分析して重要リスクを洗い出し、対策をとること
・リスクが顕在化し、危機が発生した場合は、即時に報告し危機対策を講じること
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<企業倫理リスクマネジメント委員会体制> |
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主要なリスクマネージャを構成員とする企業倫理・リスクマネジメント委員会(原則年4回開催)においては、重要なリスクの発生状況、環境変化、リスク対策の状況について議論・共有するとともに、グループ全体のリスク評価を行っています。また、危機が発生した場合には、速やかに経営報告されリスクのランクに応じて危機対策本部を通じて対応を行っています。これらリスクマネジメントの活動状況については、適宜、執行会議や取締役会に報告するとともに、内部監査部門による内部監査を受けています。 |
<統合リスクマネジメントのサイクル>
(注1)当社グループでは、公正かつ透明性の高い経営を実現する経営基盤として、グループ共通の「オムロングループルール(OGR)」を制定しています。OGRは、リスクマネジメントの他、会計・資金、人財、情報セキュリティ、品質保証等の主な機能に対し制定されています。環境変化等を適宜・適切にルールへ反映するため、毎年見直しを行っています。
(3) グループ重要リスクとその分析
当社グループでは、「SF2030」において、「新たな社会・経済システムへの移行」に伴い生じる社会的課題を解決するため、社会的課題に影響を与える因子を踏まえ、「事業のトランスフォーメーション」と「企業運営・組織能力のトランスフォーメーション」に取り組んでおり、これらを遂行する中で対処すべき重要な要素を、リスクと捉えています。
リスクのうち、当社グループを運営する上で、グループの存続を危うくするか、重大な社会的責任が生じうるリスクおよび重要なグループ目標の実現を阻害するリスクを「グループ重要リスク」に位置付け、そのうち最重要であるリスクをSランク、重要であるリスクをAランクと設定し、対策の実行状況やリスク状況の変化をモニタリングしています。「グループ重要リスク」に対して適切な対策が講じられない場合、重大な社会的責任が生じたり、事業戦略の失敗につながり、結果的に企業価値が喪失する可能性があります。
<2022年度末時点のリスク評価>
2022年度末に実施した当社グループのリスク分析に基づくグループ重要リスクのテーマ、リスクのランクおよび今後の動向に対する認識は下表の通りです。これらのリスクは、適切かつ十分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があるため、投資家の皆様の判断にも重要な影響を及ぼす可能性がある事項と考えています。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月23日)現在において当社グループが判断したものです。
<事業等のリスクの全体像>
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<グループ重要リスクへの対応>
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① S 製品の安定供給 |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
コンテナ不足・通関の遅延等によるサプライチェーンの混乱は収束に向かい、経済環境の |
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不透明性はあるものの、今後も社会・産業構造の変化による消費や投資の拡大が見込まれています。一方で、半導体等の部材不足は長期化し、物流コストの増加が懸念される状況は継続しています。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。 ・半導体製造装置・電気自動車(EV)・二次電池等成長業界への注力 ・グローバルに需要が増加する血圧計等の販売強化 |
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影響 |
拡大する製品需要に的確に応えていくことは、新たな社会価値創出、事業機会となります。 |
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一方、部材の調達量が必要量に届かない場合や、物流リードタイムが大幅に長くなった場合、製品供給が低下する可能性があります。その結果、売上減少や事業競争力の低下につながるリスクがあります。 |
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対応 |
体制 |
グローバルのビジネスバリューチェーンの最適化を経営計画の重点取組みの一つとして、 |
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グローバル購買・品質・物流本部と各ビジネスカンパニーが推進しています。 ・関連OGR:購買ルール |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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・地産地消を基本スタンスとした生産の移管や分散 ・重要製品における部材調達の現地化・複線化 [具体的なリスク対応例:部材逼迫への対応] 部材逼迫の状況が継続する中、調達性の高い部品への切り替えや部品点数の低減を目的とした製品設計の変更、外部EMSとの戦略パートナーシップ締結等の対応を行いました。 |
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② S 地政学 |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
米中関係やロシア・ウクライナ情勢などを巡る各国・地域の政策により、グローバルビジ |
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ネスの環境は複雑さを増しています。特に半導体等重要物資の安定供給や先端技術開発の促進、輸出や投資への規制等 経済安全保障政策は、多国間枠組みの形成・活用を含め急速に進展しています。今後、政治的対立や人権問題、紛争リスクの高まりにより各種措置は更に拡大する可能性もあり、これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。 ・中国・アジア等の主要工場からグローバル市場への製品供給 ・米国等におけるロボット等 先端技術に対する投資や事業拡大 ・経済安全保障政策の対象製品に関わる顧客への販売、金融・交通等 社会インフラに関する事業の推進 |
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影響 |
グローバルでのサプライチェーン再編等の動向は、新たな社会価値創出、事業機会となり |
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ます。一方、市場変化への対応が十分でなかった場合、当社グループへの需要が減少し、また、新たな法規制への対応が適切に行われなかった場合には、輸出規制や制裁違反等が発生する可能性があります。その結果、売上減少・戦略の見直しや重大な行政罰、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。 |
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対応 |
体制 |
事業対応方針については、取締役会や執行会議等の経営会議体にて議論し、決定していま |
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す。法規制対応については、各主管部門が統括し、例えば、輸出規制はグローバルリスクマネジメント・法務本部が輸出管理全社委員会のもと、グローバルに安全保障取引管理を行っています。 ・関連OGR:統合リスクマネジメントルール・安全保障取引管理ルール |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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・地政学リスク影響を低減する中長期的な生産・研究開発等の体制検討と推進 ・グローバルの政治・経済情勢や法規制動向のモニタリング、経済制裁等に対する影響分析と対応 [具体的なリスク対応例:ロシア・ウクライナ情勢] 社長を本部長とする全社対策本部を設置し、対応しています。2022年8月には、事業の持続可能性を慎重に精査した結果、ロシアにおける制御機器事業と電子部品事業の無期限停止を決定しました。ヘルスケア事業に関しては、血圧計やネブライザー等 医療機器に限定し、供給を継続しています。 |
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③ S IT・情報セキュリティ |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
社会経済活動の急速なデジタル化は、データに基づく経営判断やIoT機器を中心とした新た |
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な製品・サービスの開発等 企業運営に変革をもたらしています。グローバルにデータ流通の基盤が整備されていく一方で、サイバー攻撃のリスクはますます高まり、また、プライバシー保護や経済安全保障の観点から個人データや技術情報等 重要情報の取扱いや移転について各国で規制の強化も進んでいます。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。 ・サプライチェーンも含むグローバルのシステムによる事業運営 ・新たな経営システムの構築を目的とした「コーポレートITシステムプロジェクト」 ・ヘルスケア事業における遠隔診療サービス等 「モノとサービス」を組み合わせたビジネスモデルの推進 |
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影響 |
医療におけるビッグデータ活用等の動向は、新たな社会価値創出、事業機会となります。 |
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一方、サイバー攻撃等 情報セキュリティリスクへの対応が十分でなかった場合、当社グループの事業活動や製品・サービス提供の停止や情報の漏えい、また、グローバルの個人データ規制について、特に国外移転対応が適切に行われなかった場合には、法令違反が発生する可能性があります。その結果、売上減少や重大な行政罰、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。 |
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対応 |
体制 |
基本方針や施策については、統括担当取締役の監督のもと、情報セキュリティ、製品セキュ |
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リティ、個人情報管理の領域ごとに、各本社機能本部長が執行責任者として統制・管理しています。各領域を横断する課題については、統括担当取締役を議長とする「サイバーセキュリティ統合会議」を随時開催し、解決しています。さらに昨今の環境認識の下、より経営レベルで推進の方向付けを行うために、新たに社長を議長とする「情報セキュリティ戦略会議」にて優先課題と戦略を議論し、決定する体制を整備しました。実行面においても、サイバーセキュリティ統括担当役員として、グローバルビジネスプロセス&IT革新本部長を議長とし、グローバル各局のIT責任者が参画する「情報セキュリティ推進会議」を通じて施策を推進・管理していきます。また、個人データについては、グローバルリスクマネジメント・法務本部長を責任者として、各国法令動向やオムロングループの状況を把握し、法規制対応の強化を図っています。 ・関連OGR:IT統制ルール・情報セキュリティルール |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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・グローバル標準のフレームワークであるNIST-CSF(注1)に準拠した評価と対策の強化 ・外部専門機関を通じた包括的な脅威情報の収集とグループ内への対策の展開 ・インシデント対応オフィスによる事故発生時の迅速な報告と被害最小化に向けた対応 ・情報リテラシー向上のための社員教育・サイバー攻撃訓練の実施 ・Webサイトの脆弱性診断と改善の実行 ・グローバルでの個人情報規制への対応体制構築 [具体的なリスク対応例:IT機器の常時監視と不審挙動検知体制の整備・運用] 当社の情報セキュリティ体制に対する外部評価を踏まえ、サイバー攻撃を検知する対策を重点的に強化しました。社内のIT機器の24時間365日監視をグローバルで行い、不正アクセス等の攻撃を検知した際には、速やかに対処しています。 |
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(注1)NIST-CSF:米国国立技術標準研究所(NIST)が2014年に発行したサイバーセキュリティフレームワーク(CST)。汎用的かつ体系的なフレームワークで、米国だけでなく世界各国が準拠を進めている。
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④ S 品質 |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
品質は企業に対する社会的信頼の基盤です。新技術を活用した新規性の高い製品やサービス |
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においても、高い安全性や正確性の確保が求められ、AI利用や製品セキュリティに対する新たな法規制等も検討・制定が進んでいます。また、人の健康や環境負荷低減に対する社会的要請はますます高まり、有機フッ素化合物(PFAS)等をはじめとする化学物質の含有やリサイクル、表示等に関する規制が各国で厳格化しています。これらの外部環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。 ・不具合発生時に火災や事故、設備の停止等につながる制御機器やエネルギーソリューション製品の展開 ・様々な国の製品安全や化学物質、サイバーセキュリティ等の法規則が適用されるグローバル製品の展開 ・製造現場のデータ活用サービスi-BELT等「モノとサービス」を組み合わせたビジネスモデルの推進 |
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影響 |
新たな技術や製品安全等の高い基準にグローバルで対応した品質の確保は、新たな社会価値 |
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創出、事業機会につながります。一方、製品やサービスの設計・検査の不備や、品質不具合発生時等の顧客対応や報告が十分でなかった場合、グローバルの法規制・規格等への準拠が適切に行われなかった場合には、当社グループ製品の大規模リコール、製品の生産・流通の停止等が生じる可能性があります。その結果、損失の発生や売上減少、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。 |
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対応 |
体制 |
社長を最高責任者とする品質保証体制を構築し、「品質第一」を基本とする「品質基本方針」 |
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のもと、グローバル購買・品質・物流本部が推進しています。重大な品質問題が発生した場合は、取締役会の監督のもと、迅速かつ適切に対応を行っています。 ・関連OGR:設計・生産ルール、品質保証ルール、製品品質リスク管理ルール |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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・ISO9001等(ISO13485:医療機器産業、IATF16949:自動車産業)品質マネジメントシステム(QMS) ・サービス事業に適合したQMS構築 ・リスクが高い技術(リチウムイオン電池、パワーデバイス等)に関する品質技術確立 ・製品セキュリティ体制強化(外部からの脆弱性情報収集と対応(PSIRT)・セキュリティ監視活動等) ・製品環境や安全関連の法規制・規格の動向の把握、影響評価を行う管理体制の強化 ・品質相談窓口の設置・運用、現場品質点検・品質コンプライアンス研修の実施 [具体的なリスクへの対応例:品質問題発生時の対応] 重大な品質問題が発生した際に、経営トップ層に迅速かつ正確にリスクを報告する制度を整備し、運用しています。社会システム事業で生じた蓄電池ユニットの発火リスクに対しては、安心してご使用いただくために、当社の蓄電池ユニットの一部についてソフトウェア更新および無償交換を進めています。 |
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⑤ S 事業継続リスク(自然災害・感染症) |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
2020年より続いた新型コロナウイルス感染症の緊急事態が収束し、社会経済活動が正常化す |
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る一方で、新たな感染症の発生や洪水・豪雨、巨大地震等の自然災害により、社会が機能不全に陥る可能性がグローバルで継続しています。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。 ・グローバルの様々な国や地域に存在するサプライヤーや生産拠点 ・緊急時においても継続が求められる社会インフラや人の健康管理に使用される製品・サービスの提供 ・防災・減災需要に対するエネルギーソリューションビジネスの展開 |
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影響 |
企業に対する事業継続の要請や社会のレジリエンスを高める取組みは、新たな社会価値創出 |
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、事業機会となります。一方、予期できない災害等が発生した場合、社会インフラ・経済活動の大規模停止、自社工場の生産停止、重要サプライヤーからの長期にわたる部品供給停止等により、事業活動の一部停止や縮小等が生じる可能性があります。その結果、売上減少やブランド価値の棄損につながるリスクがあります。 |
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対応 |
体制 |
人身の安全、社会インフラの維持、復興への全面協力等を定めた基本方針のもと、各ビジネ |
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スカンパニーと本社機能部門が連携し、生産、購買調達、物流、ITを含めた事業継続計画を整備しています。 ・関連OGR:統合リスクマネジメントルール・購買ルール |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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・有事を想定したシミュレーション・訓練 ・社員の安否確認システムの運用、事業所での非常食や飲料水の備蓄 ・サプライヤーの生産地情報の一元管理、代替え生産拠点の評価体制整備 ・緊急時のエスカレーションルート・影響を把握する仕組みの整備 [具体的なリスク対応例:新型コロナウイルス感染症] 新型コロナウイルス感染症については、2020年2月に社長を対策本部長とする対策本部を設置し、社員の健康と安全の確保、該当拠点地域への感染拡大防止を最優先とし対応を行っていましたが、2023年3月の日本政府による方針決定を踏まえ、季節性インフルエンザ等と同等の対応に移行しています。 |
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⑥ S サステナビリティ課題(環境・人権) |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
持続可能な社会の実現に向け、環境や人権課題に対して、自社だけでなくバリューチェー |
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ン全体を通じて、企業が責任を果たすことが求められています。また、企業価値評価・投資活動に反映させるため、企業のサステナビリティ課題への取組みに対する開示要請は年々高まっており、内容の第三者保証を法規制化する動きも進んでいます。 環境については、温暖化に起因する洪水や干ばつ等の頻発化により生じる食料・水不足等は地球レベルでの社会課題となっています。グローバル各国でカーボンニュートラルに向けた政策が加速する中、企業に対する温室効果ガス排出量の削減やトレーサビリティの確保等の要請も拡大しています。 人権については、強制労働、児童労働、低賃金や未払い、長時間労働、安全や衛生が不十分な労働環境等の是正が社会課題となっています。デューディリジェンスによるサプライチェーンの可視化や人権侵害懸念国・地域からの輸入禁止等により、人権の尊重を法規制で担保する取組みが進んでいます。また、AIの活用等技術革新による新たな人権課題も生じています。 サステナビリティ課題への対応は企業にとってのビジネスライセンスとなってきており、これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。 ・制御機器事業における生産性とエネルギー効率を高める生産現場オートメーションの実現 ・社会システム事業におけるエネルギー制御技術の進化による再生可能エネルギーの普及 ・電子部品事業におけるカーボンフットプリント削減に繋がる部品の開発・提供 ・中国・アジアを含めグローバルの事業拠点とサプライチェーン ・AIを活用した製品・サービスの研究開発・提供 |
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影響 |
脱炭素や人権尊重に貢献する製品やサービスに対するニーズの高まりは、新たな社会価値 |
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の創出と事業成長を実現する機会となります。一方、多くの企業が社会課題の解決に挑む中、戦略と実行の成否は事業競争力に直結します。また、販促活動においていわゆるグリーンウオッシングといわれる不適切な開示を行った場合、バリューチェーン上の人権課題に適切な対応を行わなかった場合やAIに対する法規制等に準拠せず製品やサービスを通じて差別などの人権問題を発生させた場合には、社会的信用が失われ、その結果、取引停止・製品の開発中止や戦略の見直し、ブランド価値の棄損につながる可能性があります。 |
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対応 |
体制 |
環境・人権課題への対応については、取締役会決議により制定されたオムロン環境方針、 |
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オムロン人権方針に基づいた活動を行っています。具体的な執行体制としては、社長CEOから権限委譲されたサステナビリティ推進担当役員の責任の下、サステナビリティ推進室が中心となって取組みを推進し、自社領域はグローバル人財総務本部長、サプライヤー領域はグローバル購買・品質・物流本部長、事業戦略領域は各ビジネスカンパニー長がそれぞれ責任を持って対応しています。 ・関連OGR:環境経営ルール、HRMルール、購買ルール |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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[環境] ・Scope1・2、Scope3カテゴリー11ごとに目標を設定した温室効果ガスの削減の加速 ・回収・リサイクルの拡大、循環型の原材料調達、再資源化率の最大化等による循環経済への移行 ・TCFD提言に沿った情報を含むサステナビリティ課題にかかる情報開示 [人権] ・国連「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」に沿った人権デューディリジェンスの実施 ・グローバルでの人権救済メカニズムの構築 ・サプライヤーに対するサステナブル調達ガイドラインの提示・遵守状況確認 ・RBA(注1)アセスメントツールを活用したリスク評価 ・AIに関する情報収集および利用方針・QMSルールへの組み込み検討 [具体的なリスク対応例:人権救済窓口としての内部通報制度の拡充] |
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(注1)Responsible Business Allianceの略。電子業界を中心とするグローバルなCSRアライアンス。
※サステナビリティ課題への対応の詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)オムロンのサステナビリティの考え方及び取組み、(2)気候変動への対応」をご参照ください。
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⑦ S グローバルコンプライアンス |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
気候変動や高齢化等の社会課題に対する取組みはグローバルで加速し、企業の果たす役割が |
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重要になる中、公正な取引に対する社会的要請もますます高まっています。国際機関や各国政府により反競争法的行為や贈賄防止等に対する法規制は厳格化するとともに、ITやAI等技術の進化やアライアンス等によるイノベーションの推進等に対応した規制の検討や運用も進んでいます。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。 ・各国政府の許認可を含む製品・サービスのグローバル展開 ・様々なビジネスパートナーとの共創による新たな製品やビジネスモデルの開発 |
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影響 |
企業のイノベーションに対する期待は、新たな社会価値創出、事業機会となります。一方、 |
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公正な取引に関する法規制等に違反したものと当局が発見または判断した場合には、重大な行政罰、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。 |
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対応 |
体制 |
企業倫理・コンプライアンスを含む内部統制としての対応方針は、取締役会で議論し決定し |
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ています。「オムロングループマネジメントポリシー」のもと企業倫理リスクマネジメント委員会を設置し、活動を展開しています。 ・関連OGR:倫理行動ルール |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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・毎年10月のグローバル企業倫理月間等による定期的なコンプライアンス教育 [具体的なリスクへの対応例:グローバル企業倫理月間におけるコンプライアンス教育] 2022年度の企業倫理月間では、グローバル共通活動としてトップメッセージ配信やカルテル研修の他、長期ビジョンと地域のリスクをふまえて各地域統括本社がテーマを設定し、e-learningやリモートでの研修を開催しました。 |
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⑧ A 人財・労務 |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
キャリアに関する価値観が多様化し、これまで以上にグローバルで人財の流動化が進んでい |
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ます。また、IT人財をはじめ先端技術を保有する技術系人財など、希少なスキルや経験を持つ人財の獲得競争も激化しています。このような環境では、人財から選ばれる人的資本経営の実行がより重要となっています。加えて、近年は社会から人的資本の情報開示が求められるようになっています。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの事業環境に対して大きな影響があります。 ・AI、ロボティクス等の先端技術分野における研究開発 |
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影響 |
スペシャリティを備えた多様な人財が集い、一人ひとりが主体性を持って能力を発揮し続け |
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ける人財づくり・環境づくりは企業価値向上の原動力となります。一方、人財戦略の効果が十分でない場合は、新たな人財の採用だけでなく、従業員の流出につながるリスクがあります。加えて、人的資本の情報開示が不適切な場合、行政からの指導、投資家からの信頼低下により、ブランド価値の毀損にもつながる可能性があります。 |
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対応 |
体制 |
重要な人財戦略については、取締役会・執行会議にて議論し、決定しています。2023年度よ |
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り設置されたCHRO(最高人事責任者)の下、グローバル人財総務本部が中心となり施策を実行しています。 ・関連OGR:HRMルール |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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・成長意欲のある人財への投資 ・役割責任・スペシャリティを定めるジョブ型人事制度の導入 ・社会課題解決の成果を分かち合う取組み・制度(中期連動株式報酬制度等) ・企業理念を全社員に浸透させ、共感と共鳴の拡大を促す取組み「TOGA」の実行 |
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※人財・労務リスクへの対応の詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本に関する取組み」をご参照ください。
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⑨ A 会計・税務 |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
適正な財務報告と税務コンプライアンスは企業活動の基本です。企業のグローバル化や取引 |
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のボーダーレス化が加速し、新たなビジネスモデルやサービスが生まれる中で、会計基準は高度化し税制も複雑化しています。また、各国間の協調・連携が進み企業に対する税の透明性に対する要請も高まっています。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。 ・グローバルでの顧客との取引・グループ間取引 ・「モノ」に加え「モノ」と「サービス」の組み合わせによる多様なサービス展開 |
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影響 |
グローバルの会計基準への準拠と税務手続きに対する信頼の確保は、新たな社会価値創出、 |
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事業機会につながります。一方、新サービスや事業等を行うに際して、会計処理が適切に行われなかった場合、また、各国の租税法や移転価格税制、関税法、および当局の執行動向に適切な対応が行えなかった場合、決算修正、多額の追徴や和解金の支払い、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。 |
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対応 |
体制 |
財務報告に係る内部統制の基本的枠組み、取締役会で承認した「税務方針」(注1)のもと、 |
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グローバル理財本部を中心に、会計・税務の適正性を担保するための体制・ルールを整備し運用しています。 ・関連OGR:会計・資金ルール、不正統制ルール、J-SOX推進ルール |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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・外部専門家等を活用した会計基準の定期的な情報収集と影響等の調査・対応 |
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(注1)「税務方針」については下記をご参照ください。
https://sustainability.omron.com/jp/governance/tax/
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⑩ A M&A・投資 |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
社会課題を解決する手段として、テクノロジーの進化が求められる中、スタートアップ企 |
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業を始めとする技術力のある企業とのアライアンス、M&A、出資を通じたイノベーションの加速が期待されています。一方で、投資先の業績・評価の変動に加え、経済安全保障政策による投資規制やIT等新たな分野における独占禁止法の運用強化等の動きもあります。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。 ・ポートフォリオマネジメントのもとアライアンスや事業売却も含むM&A・投資の推進 ・新規事業の創出等のための、オムロンが捉える社会的課題に共感・共鳴しあえるパートナーとの共創 |
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影響 |
戦略的なM&A・投資を通じた新たな経営資源の獲得は、社会価値創出、事業機会となります。 |
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一方、計画やデューディリジェンスが不十分であったり、PMI(Post Merger Integration)が適切に行われなかった場合には、想定したシナジー効果や提携が計画通り進まない可能性があります。その結果、多額の減損損失の計上や計画の大幅な見直しにつながるリスクがあります。 |
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対応 |
体制 |
M&A・投資の方針と実行は、経営ルールに定める責任権限に基づき取締役会等の経営会議体 |
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にて議論、決定し、案件ごとに、ビジネスカンパニーと本社部門および外部専門家から構成されるプロジェクトチームにより推進しています。 ・関連OGR:経営ルール |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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・事業戦略に基づいたM&A・投資候補の探索、評価 [具体的なリスクへの対応例:投資先の評価] 出資先である株式会社JMDCやAliveCor,Inc.について、投資先の業績や取り巻く環境の評価及びディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と帳簿価額との比較など、定性的要素および定量的要素を総合的に勘案し、評価損失の要否を判断しています。 |
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⑪ A 知的財産 |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
社会課題を解決しながら持続的に企業価値を向上するためには、強みのある知的財産・無形 |
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資産を形成した上で価値創造ストーリーと連結することが必要不可欠となり、また、技術開発やビジネスモデルの構築においてオープンイノベーションやアライアンスが加速しています。一方で、知的財産を巡る企業や国家間の競争や対立も激化するとともに、スタートアップ企業との事業連携における公正取引上の課題も指摘されています。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。 ・ロボティクス、センシング、パワーエレクトロニクス、AI・データ解析等の注力する技術領域 ・データヘルスケア、食生産のオートメーション、製造現場のDX支援等の新規事業創造 |
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影響 |
知的財産・無形資産への投資を促進し競争力の源泉とする動向は、新たな社会価値創出、事 |
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業機会となります。一方、その取得や保護が十分でなかった場合、技術・ノウハウの流出やブランドの模倣等が発生し、事業競争力を喪失する可能性があります。また、特許等の侵害や不正使用に関する紛争が発生した場合には、当社グループの製品・サービスの提供停止や巨額の損害賠償請求・ロイヤリティの支払い等が生じる可能性があります。その結果、損失の発生や売上減少、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。 |
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対応 |
体制 |
知的財産戦略については定期的に取締役会にて報告・議論されています。基本方針に基づく |
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知的財産活動は、技術・知財本部を主管として実行しています。 ・関連OGR:知財管理ルール |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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・IPランドスケープを活用して研究テーマの方向性決定や協業先選定の確度を高める取組み ・事業や研究開発と連動させた知的財産戦略を策定・実行し、強みのある知的財産権を蓄積 ・研究開発および設計にあたっての第三者の知的財産権調査 ・第三者の当社グループへの知的財産権の侵害に対する分析・評価と、権利行使の強化 |
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⑫ A 新興国における事業展開 |
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リスクシナリオ |
環境認識 |
インド等の新興国市場においては、人口増加によって消費拡大が見込まれ、各種産業が成長 |
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している中、様々な社会課題も顕在化しています。一方で、一部の新興国、地域においては法による統治機能が脆弱であったり、政情が不安定であることから、汚職や腐敗等が社会問題化する場合があります。これらの環境変化は、以下を含む当社グループの長期ビジョン・事業環境に対して大きな影響があります。 ・ヘルスケア事業において成長ポテンシャルの高いインドへの進出等 |
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影響 |
新興国における需要拡大を的確に捉えることは、新たな社会価値創出、事業機会となりま |
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す。一方、これらの国、地域における事業運営において、ガバナンス不全や社内管理の不備により、不正会計などの法規制・コンプライアンス違反が発生する可能性があり、その結果、重大な行政罰、ブランド価値の棄損につながるリスクがあります。 |
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対応 |
体制 |
グループの内部統制システムのもと、OGR等に基づくグループ会社におけるガバナンス体制の |
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構築と運用を行っております。 ・関連OGR:法人運営ルール、会計・資金ルール、IT統制ルール、内部監査ルール等 |
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取組 |
具体的には、以下を含む対策を推進しています。 |
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・各機能主管部門におけるグローバルでの牽制とモニタリング ・地域統括本社毎のリスクマネジメントにより、エリア特性に応じた重要リスクへの対応 ・リスクアプローチに基づく内部監査と改善指導 |
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(1) 事業環境、経営成績等の状況・分析・検討
①当社グループの経営成績の実績及び見通し
<2022年度実績>
新たな中期経営計画(SF 1st Stage)の初年度となる当期(2022年度)における当社グループを取り巻く事業環境は、上海ロックダウンやグローバルでのインフレ拡大、部材の逼迫など、1年を通じて大きく変化しました。
このような中、売上高は、第1四半期(4月~6月)で制御機器事業を中心に上海ロックダウンの影響を大きく受けましたが、第2四半期以降、生産回復に加え高水準の受注残に対応すべく供給力強化を加速した結果、前期比で大幅に増加しました。部材価格高騰や第1四半期における制御機器事業の主力工場の稼働率低下などの影響がありましたが、全社で価格適正化などの付加価値率改善に継続して取り組み、売上総利益率は45.0%(前期比△0.5P)となりました。また、SF 1st Stageの目標達成に向けた積極的な投資を継続して実行しました。以上の結果、営業利益、税引前当期純利益、当社株主に帰属する当期純利益は前期比で大幅に増加しました。また、ROIC(投下資本利益率)とROE(株主資本利益率)は、ともに10%を超える水準となりました。
なお、売上高は8,761億円(前期比14.8%増)、営業利益は1,007億円(同12.7%増)、税引前当期純利益は984億円(同13.5%)となり、過去最高業績を更新しました。
<2023年度見通し>
次期(2023年度)の事業環境は、インフレの拡大や地政学リスクの高まりなど、上期を中心に不透明な状況が継続すると見込まれますが、当社グループが事業活動を展開する事業領域においては、下期以降、回復基調に向かうと認識しています。一方で、社会・産業構造の変化が進み、長期ビジョン「SF2030」で捉える社会的課題(カーボンニュートラルの実現・デジタル化社会の実現・健康寿命の延伸)や、地政学リスクを背景としたグローバルでのサプライチェーン再編の動きはさらに顕在化し、当社グループにとって多くの事業機会が出現すると認識しています。
当社グループでは、このようなチャンスとリスクが混在する事業環境下で、中期経営計画「SF 1st Stage」で設定した戦略を着実に遂行し、収益体質のさらなる強化と着実な成長を目指します。また、長期ビジョンの新たな価値創造に向けて、制御機器事業やヘルスケア事業を中心とした成長投資を積極的に実行します。
上記の取組みを進めることで、3期連続での増収増益を見通します。
なお、2023年度は、売上高は8,900億円(当期比1.6%増)、営業利益1,020億円(同1.3%増)、売上総利益率は46.6%(同1.6ポイント増)を計画しています。
<売上高・営業利益・売上総利益率の推移>
(注)2019年度に車載事業を非継続事業に分類したことに伴い、2018年度の売上高、営業利益は非継続事業を除いた継続事業の数値に組み替えて
表示しています。
<2023年度の経営方針と重点取組み>
2023年度の経営方針は、「トランスフォーメーションの大加速」と定めました。オムロンは、大きく変化する社会・事業環境に適応し、持続的な成長を成し遂げるため、「事業」、「企業運営・組織能力」のトランスフォーメーションを進めています。また、中期経営計画(SF 1st Stage)の 2年目となる2023年度は、不透明な事業環境においても産業構造の変化から生じる事業機会を確実に捉え、売上に結実させていく「自走的成長力の強化」を進めていきます。具体的には、SF 1st Stageで設定した3つのグループ戦略のうち、「事業のトランスフォーメーション」、「企業運営・組織能力のトランスフォーメーション」を加速すべく、5つの重点取組みを推進していきます。
2023年度の5つの重点取組み
① お客様への社会価値・経済価値の訴求とソリューション提供の加速
多くの社会的課題の出現やグローバルサプライチェーン再編の動きなどにより、弊社が推進する共創型ソリューションの提案機会がより多く出現しています。各事業における営業・マーケティング力を強化し、必要な投資とアクションを加速することで、顧客接点の質と量を飛躍的に高め、売上拡大へと結実させていきます。
② 社員の能力発揮を高める人財マネジメントの強化
価値創造・そして戦略推進の主体者は社員であり、高度化する社会的課題解決を実現するため、社員ひとり一人の能力発揮度を高め、企業の競争力をより高めていきます。各事業・各機能において社員に成長機会を提供するとともに、ジョブ型制度の運用やキャリア形成支援の強化を図り、「人的創造性」の向上へと繋げていきます。
③ キャッシュの持続的創出力の強化
常態化するインフレ・不安定なサプライチェーンや金融不安など、多くの経済リスクを内包した事業環境下において、将来成長に向けた投資を実行し続けるためには強固なキャッシュ創出力を備える必要があります。売上成長・価格適正化などにより利益創出力を高めるとともに、徹底した在庫マネジメントにより資産回転率の向上を図ることで、キャッシュの持続的創出力を高めます。
④ グローバルのビジネスバリューチェーンの最適化
米中対立などに端を発したサプライチェーンの混乱は、依然としてリスクを抱えた状態であり、安定的な生産・供給の実現に向け、各事業のサプライチェーン最適化のアクションを加速させていきます。地産地消を基本スタンスとし、主に、生産の移管や分散、重要製品における部材調達の現地化・複線化を進めていきます。
⑤ DX基盤構築の推進
データに基づく企業運営の加速に向けて、経営基幹システムの導入推進と徹底した活用を進めていきます。2022年度に欧州での初期構想の構築は完了しており、2023年度は、設計・開発と試験導入による検証を完了させます。また先行エリアとなる欧州と連携し、日本での初期構想の具体化を着実に進めていきます。
(参考)健康経営アライアンス
人生100年時代を迎え、長く働き続けられる社会が実現に向かう一方で、日本の産業界は、「社員の健康増進」、「健康保険組合の財政の健全化」、「医療費抑制への貢献」の課題に直面しています。このような状況の中で健康経営の推進は、企業の生産性向上や医療費の適正化のみならず、社員を企業の財産と捉える人的資本経営の実践においても重要な経営課題となっています。また、世界における日本産業界全体の競争力を高めることにもつながります。こうした社会課題解決に向け、業界を超えた8社(味の素株式会社、SCSK株式会社、オムロン株式会社、キリンホールディングス株式会社、株式会社島津製作所、株式会社JMDC、日本生命保険相互会社、株式会社三井住友銀行)が健康社会の実現を目指して結集し、2023年3月10日にアライアンス設立を発表しました。
本アライアンスは、「健康経営の型づくりと成果創出のためのソリューションの共創および産業界への実装」を実現します。そのアプローチとして、健康経営を実践する企業とソリューションを提供する企業の叡智を集結させます。具体的には、ヘルスケアデータを活用し、社員の生活習慣病由来の脳・心血管疾患や腎疾患、メンタル不調といった重症化の予測ができる疾病リスクの対処に取り組みます。また、ヘルスケアデータを活用した社員の健康の維持・増進を、アライアンス参画企業が自ら実践しフィードバックするとともに、各社の健康経営に関する製品・サービスをアライアンス内で導入し、新たな開発・実証も行います。モデルケースとなる成功事例は、アライアンス外にも展開し、アカデミアや省庁とも連携しながら社会実装・海外展開を目指します。本アライアンスは、2023年6月末の設立を予定しています。
<SF 1st Stageの財務目標と2022年度における進捗>
(注)営業C/Fは、SF 1st Stage終了時の評価としており、単年度の計画値は公表していません。
<SF 1st Stageの非財務目標と2022年度における進捗>
(注)1「 カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」に繋がる注力事業の売上高。
2 2022年度のGHG排出量は、上海ロックダウン等の一時的な影響を含めた数値。
3 2023年4月3日出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社を含む4月20日時点の当社及び連結子会社集計値。
2023年3月31日時点の連結子会社について集計した女性管理職比率は16.8%。
4 リージョン:米州、欧州、アジア、中華圏、韓国、日本。
5 GHG:温室効果ガス
6 非財務目標の⑧から⑩は、社員投票で決定した目標。
<(参考)サステナビリティ目標と2022年度の進捗>
(注)1 2023年4月3日出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社を含む4月20日時点の当社および連結子会社集計値
2023年3月31日時点の当社および連結子会社について集計した女性管理職比率は16.8%
2 Scope1・2: 自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス
3 Scope3カテゴリー11: 自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出のうち製造・販売した製品・サービス等の使用
に伴う排出
4 JaCER:一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構
5 以下のサステナビリティ目標に対する2022年度の実績は、第三者機関による限定的保証業務を受け、
今年度発行の統合レポートに掲載する予定です。
・海外コアポジション現地化率
・日本国内の障がい者雇用率
6 以下のサステナビリティ目標に対する2022年度の実績は、オムロンコーポレートサイトに掲載し、ビューローベリタス
ジャパン株式会社による限定的保証業務により第三者保証等を実施中であり、2023年6月中に完了する見込みです。
・温室効果ガス排出量(Scope1・2、およびScope3カテゴリ1,2,3,6,7)
・環境貢献量
7 上記限定的保証業務は、いずれも国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000「過去財務情報の監査又は
レビュー以外の保証業務」に準拠した業務です。
②各事業セグメントの実績及び見通し
<「SF2030」における価値創造の取組み>
制御機器事業では、事業ビジョン「オートメーションで人、産業、地球の豊かな未来を創造する」を設定しました。オートメーションを通じ豊かな医・食・住環境を支える持続的な産業の発展と、働く人々の幸せ、そして地球環境の維持との両立を目指しています。制御機器事業は、事業ビジョンの設定において、今後10年で直面するであろう社会の変化を想定しました。それは、目まぐるしく世界が変化する中で、さまざまな社会的課題が浮き彫りになる時代だと考えています。このような市場背景の中で、制御機器事業が解決すべき社会的課題を、「働く人」と「産業の高度化」の二つの側面で捉えました。
「働く人」とは、ミレニアル世代やZ世代に代表される価値観の変化や技術の進化に伴う働く人のマインドの変化、そして働く人にとっての労働機会の変化です。そして、「産業の高度化」とは、次々と生まれる先進技術により2次産業でのモノづくりの革新だけでなく、1次産業や3次産業にまで広がる大きな変革です。制御機器事業が取り組むべき社会的課題は、制御機器事業が強みとするオートメーションにより、働くすべての人々の幸せと産業の高度化の両立を実現し、さらに社会的要請でもある地球環境の保全にも貢献していくことです。制御機器事業が目指すのは、持続可能な産業の進化により、世界中の人々が共通して求める医・食・住環境が充実した社会です。これは、長年に渡りモノづくりを源流で支えてきたオムロンだからこそ可能なチャレンジであり、事業ビジョンには、このような思いを込めました。
その実現に向け2016年に提唱した独自のモノづくりコンセプト、「i-Automation!」を進化させ、業界随一の幅広い制御機器の品揃えと技術・ソリューションで社会的課題を解決するイノベーションを量産し、持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化に貢献していきます。
<2022年度の業績と2023年度の見通し>
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2022年度の業績 |
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売上高の 状況 |
製造業全体の設備投資需要は足元で減速リスクが高まりましたが、当社が注力する半導体製造装置・電気自動車(EV)・二次電池向けなどの需要は依然として堅調に推移しました。 このような状況において、第1四半期に上海ロックダウンによる当社主力工場の稼働率低下の影響を大きく受けましたが、第2四半期以降は、高水準の受注残の解消に向けた供給力強化の取組みを進めるとともに、注力業界を中心としたソリューションビジネスの拡大を加速しました。これらの結果、売上高は4,857億円(前期比16.2%増)と前期比で大きく増加し、過去最高となりました。 |
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営業利益の 状況 |
売上高の大幅な増加により、営業利益は858億円(前期比12.6%増)と前期比で大きく増加し、過去最高となりました。 |
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2023年度の見通し |
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売上高の 見通し |
製造業全体の設備投資需要は、インフレ等の影響もあり不透明な状況ではありますが、注力する半導体製造装置・電気自動車(EV)・二次電池業界の設備投資需要も堅調に推移すると見ています。 このような状況の中、受注残の正常化の取組みを着実に実行するとともに、注力業界を中心にソリューションビジネスの拡大を引き続き加速していきます。 これらの取組みにより、次期の売上高は4,900億円(当期比0.9%増)と当期比で増加を見込みます。 |
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営業利益の 見通し |
売上高の増加や生産性の向上により、次期の営業利益は880億円(当期比2.5%増)と当期比で増加を見込みます。 |
<売上高・営業利益・売上総利益率の推移> <社会価値創出のKPIの進捗>
(注)経営管理区分の見直しにより、2022年度より、IABの一部をDMBに含めて開示しています。
これに伴い2021年度を新管理区分に組み替えて表示しています。
<「SF2030」における価値創造の取組み>
ヘルスケア事業では、家庭で測定した血圧が人々の健康に役立つという信念のもと、その普及に取り組んできました。今では、高血圧治療の現場で家庭で測った血圧データが活用されるようになり、高血圧患者の降圧コントロールにも成果が見られます。しかし、高齢化に伴い高血圧患者はグローバルに増え、高血圧に起因する脳・心血管疾患の発症も増加しています。加えて、新興国を中心に増え続ける呼吸器疾患患者、日常生活に大きな影響を与える膝や腰、肩の慢性的な痛み。これらは人々のQOLを著しく低下させてしまいます。
「SF2030」のビジョン「Going for ZERO 〜予防医療で世界を健康に〜」には、世界中の一人ひとりが健康ですこやかに生活できる社会を、オムロンの手で切り拓いていく、という強い意志を込めました。
これまで培ってきた技術と知見を活用し、「循環器」「呼吸器」「ペインマネジメント」領域において、脳卒中や心不全などの「脳・心血管疾患の発症ゼロ」、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの「呼吸器疾患の増悪ゼロ」、膝痛や腰痛などの「慢性痛による日常生活の制限ゼロ」の3つのゼロにチャレンジします。
そして、病気にならない、病気を重症化させないための予防医療という新しい価値を提案し、「健康であり続けたい」という世界中の人々の願いをかなえます。
2021年、グローバルでの家庭用血圧計の累計販売台数は3億台を突破しました。しかし、世界を見渡すと、まだ普及率は低く、市場規模は2020年の6,100万台から2024年には、8,700万台に拡大するとされています。中で
も、今後ますます市場の拡大が見込まれる中国・インドに注力し、基盤事業を強化します。
<2022年度の業績と2023年度の見通し>
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2022年度の業績 |
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売上高の 状況 |
世界的なインフレ影響による消費マインドの冷え込みと、中国でのゼロコロナ政策継続に伴う販売店休業や物流網停滞の影響を受け、血圧計を中心に需要は低調に推移しました。 そのような中でもグローバルにおける健康意識の高まりへのニーズを着実に捉えるとともに物流の改善なども迅速に実施したことに加え、為替影響もあり、売上高は1,421億円(前期比7.0%増)と前期比で増加しました。 |
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営業利益の 状況 |
固定費抑制や価格適正化に取組みましたが、部材価格の高騰や将来成長への投資継続により、営業利益は160億円(前期比13.6%減)と前期比で大きく減少しました。 |
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2023年度の見通し |
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売上高の 見通し |
中長期的な慢性疾患患者数の増加傾向がグローバルで継続する中、中国での個人消費の回復もあり、血圧計などの需要はグローバルで増加すると見ています。このような中、各エリアにおけるオンラインチャネルでの販売強化に加えて、新興国における需要拡大を的確に捉えることで、次期の売上高は1,460億円(当期比2.7%増)と当期比で増加を見込みます。 |
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営業利益の 見通し |
部材価格高騰の影響が継続するものの、売上高の増加に加え、価格適正化の取組みを継続していくことで、次期の営業利益は170億円(当期比6.1%増)と当期比で増加を見込みます。 |
<売上高・営業利益・売上総利益率の推移> <社会価値創出のKPIの進捗>

<「SF2030」における価値創造の取組み>
2030年に向かうこれからは、地球温暖化を起因とした自然災害の多発や、少子高齢化に伴う労働人口の不足など、暮らしの安心・安全・快適への障害となる、新たな社会的課題が顕在化する時代です。そして、そのような時代を生きる人々の価値観も多様化していきます。社会システム事業は、顧客のニーズに応えることに加え、顕在化する社会的課題を踏まえ、社会システムのあり方を考え、その答えを導き出してまいります。そして、その答えに共感していただいたステークホルダーの皆様とともに、 「次世代の社会システム」をつくっていく。この一連のプロセスと想いを「SF2030」の事業ビジョンの「Design」に込めました。社会システム事業は、暮らしをよくする“ソーシャルグッド”を生み出しながら人々の暮らしをより良くし、笑顔溢れる明るい未来を実現します。
「SF2030」においてオムロンが捉えた解決すべき社会的課題は、「カーボンニュートラルの実現」と「デジタル化社会の実現」です。CO2総排出量の増加や気候変動の加速、少子高齢化の加速による労働力不足といった社会的課題は深刻化し、社会生活にもさまざまな不都合や不安が生じます。また、企業各社では事業運営の効率化や省力化の進展と同時に、事業継続や環境配慮への対応が求められるなど、経営課題は複雑化していきます。これからは、既存の機器やサービス提供による現場課題の解決だけではなく、お客様の経営課題の解決に、ともに取り組むことが必要です。これからの安心・安全・快適な社会とは何か?オムロン自身が将来像を描き、社会システム事業で培ってきたノウハウを活かしたソーシャルオートメーションで、次世代の社会システムの実現を目指します。
<2022年度の業績と2023年度の見通し>
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2022年度の業績 |
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売上高の 状況 |
エネルギーソリューション事業では、エネルギー価格の高騰などにより自家消費を中心に 再生エネルギー関連に対する堅調な需要が継続しました。駅務システム事業では、鉄道利用者数の回復に伴い、顧客の更新投資需要が第2四半期以降は回復傾向で推移しました。これらの結果、売上高は1,073億円(前期比22.3%増)と前期比で大きく増加しました。 |
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営業利益の 状況 |
外貨建て仕入の為替影響はあるものの、売上高の増加に加え価格適正化に継続して取り組んだ結果、営業利益は75億円(前期比15.1%増)と前期比で大きく増加しました。 |
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2023年度の見通し |
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売上高の 見通し |
エネルギーソリューション事業では、エネルギー価格の高騰や補助金支援の継続などにより住宅・産業領域での再生エネルギー関連に対する需要は堅調に推移すると見ています。駅務システム事業では、鉄道利用者数の回復に伴う顧客の設備投資が堅調に推移すると見ています。 これらの需要に迅速に対応して、製品とサービスを組み合わせたソリューションを提供することによって、次期の売上高は1,140億円(当期比6.3%増)と当期比で増加を見込みます。 |
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営業利益の 見通し |
売上高の増加や生産性向上により、次期の営業利益は90億円(当期比20.2%増)と当期比で大幅な増加を見込みます。 |
<売上高・営業利益・売上総利益率の推移> <社会価値創出のKPIの進捗>

(注)環境事業のSSBへの移管により、2020年度より「その他」の事業セグメントを「SSB」の事業セグメントに
含めて開示しています。これに伴い、2018年度および2019年度を新管理区分に組み替えて表示しています。
<「SF2030」における価値創造の取組み>
電子部品事業は、「SF2030」において、3つのトランスフォーメーションを実現していきます。
1つ目は、事業のトランスフォーメーションです。オムロンの注力ドメインの一つとして、「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会」の社会的課題を解決する事業を目指します。コア技術と多彩な機能の組み合わせで製品の価値を向上させ、お客様が必要な機能をデバイス&モジュールを軸としたソリューションとして提供し、社会課題の解決に取り組んでいきます。コアとなる“繋ぐ・切る”技術は、創業以来、社会・お客様に提供し続けているリレー、スイッチ、コネクター、センサーなどのデバイス&モジュールの高機能化と品質向上で磨き続けてきた製品に流れる電気を繋ぐ・切る(オン・オフする)機能や、センシングする機能です。これらで、「新エネルギーと高速通信の普及」に貢献する新たな社会価値を創出していきます。
2つ目は、注力領域のシフトです。コア技術を軸とした事業の強みが最大限発揮でき、さらなる成長機会が見込まれる4つの事業領域にフォーカスしていきます。注力領域は、DCドライブ機器、DCインフラ機器、高周波機器、遠隔/VR機器です。DCドライブ機器、DCインフラ機器においては、環境負荷対応により電源の直流化・高容量化、インフラの電動化が進んでいきます。製品の普及促進に向けて課題となるのが、感電や発火を防ぐための安全対策です。高周波機器、遠隔/VR機器においては、急速なデジタルシフトで高速通信・データの大容量化を実現する技術・デバイスが必要となります。これら課題解決の根幹を、我々の“繋ぐ・切る”技術で実現します。
3つ目は、提供価値のシフトです。これまでの価値に加えて、「グリーン・デジタル・スピード」を軸とした新たな価値を加えていきます。脱炭素社会の実現に貢献するデバイス群の創出、デジタル価値の提供、営業・開発・生産が一体となり、社会変化に柔軟かつタイムリーに対応するコンカレント活動などにより提供価値スピードを加速していきます。
<2022年度の業績と2023年度の見通し>
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2022年度の業績 |
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売上高の 状況 |
民生業界向け部品は、グローバルでのインフレ影響により需要が低下傾向となったものの、注力する太陽電池や蓄電などのエネルギー関連、半導体検査装置関連向け需要は堅調に推移しました。 これらの需要に対応すべく柔軟かつタイムリーな生産・物流・販売に注力した結果、売上高は1,389億円(前期比14.8%増)と前期比で大きく増加し、過去最高となりました。 |
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営業利益の 状況 |
原材料価格高騰などの影響を受けたものの、売上高の大幅な増加に加え、価格適正化や過去に取り組んできた構造改革の成果などにより、営業利益は155億円(前期比53.7%増)と前期比で大きく増加し、過去最高となりました。 |
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2023年度の見通し |
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売上高の 見通し |
民生向け需要は上期を中心に低迷すると見ています。一方で、注力する太陽光発電や蓄電などのエネルギー関連業界や半導体検査装置関連業界での需要獲得に向けたソリューション提案などの取組みを加速することで、次期の売上高は1,390億円(当期比0.1%増)と当期比で横ばいを見込みます。 |
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営業利益の 見通し |
原材料価格高騰の影響などが継続する中で、価格適正化や生産性向上に引き続き取り組むことにより、次期の営業利益は155億円(当期比0.0%増)と当期比で横ばいを見込みます。 |
<売上高・営業利益・売上総利益率の推移> <社会価値創出のKPIの進捗>

(注)経営管理区分の見直しにより、2022年度より、IABの一部をDMBに含めて開示しています。
これに伴い2021年度を新管理区分に組み替えて表示しています。
(2) 財政状態、キャッシュ・フローの状況・分析・検討
①財政状態
当期末の資産の部は、現金及び現金同等物が減少した一方、売上の増加に伴う売上債権の増加、部材逼迫に対応した部材確保や急激な需給変動影響による棚卸資産の増加により、前期末に比べ675億円増加して9,982億円となりました。また、負債の部は、短期借入金が減少する一方、仕入債務や未払税金、リース債務が増加したことにより、前期末に比べ43億円増加の2,669億円となりました。純資産の部は、自己株式の取得を実行する一方で、当社株主に帰属する当期純利益の計上、為替変動による為替換算調整金の増加などにより、前期末に比べ633億円増加し7,312億円となりました。株主資本比率は73.0%となり、強固な財務基盤を維持しています。資金流動性については、当期末現在の手元現預金を1,053億円保有していることに加えて、金融機関との間で300億円のコミットメントライン契約を維持しており、高い水準を維持しています。また、今後の成長投資資金の確保に備え、格付機関から長期発行体格付として高格付を維持するとともに、グローバルで金融機関との良好な関係を維持することで、資金調達力を確保してまいります。
なお、重要な財務指標であるROE(株主資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)は当社グループの想定資本コストを上回る水準を維持しています。当期末は当社グループが目標とする水準10%を超える水準となりました。一方で当期末の手元現預金の対月商月数は、金融機関からの一時借入の影響もあり、1.4ヶ月と平時の目安としている1ヶ月~2ヶ月の水準を維持しています。さらなる企業価値向上のためには、蓄積されたキャッシュと今後生み出すキャッシュを既存事業の強化と新たな成長機会に再投資し、成長を加速することが必要と認識しています。引き続き、経営資本の適正配分により、将来キャッシュ・フローの創出能力と資本効率を高めて企業価値向上を実現し、株主の皆さまの期待に応えてまいります。
当社グループでは、過去に実行した変化対応力の強化や事業ポートフォリオの組み替え、さらにはサステナビリティ課題への取組みなどにより、株価の安定や資本コストの低減が見られます。これらを考慮し、2021年度以降の想定資本コストは、5.5%と設定しました。引き続きROICの改善と資本コストの低減により企業価値の向上に努めます。
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2022年3月末 |
2023年3月末 |
増減 |
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資産合計(資産の部合計) |
9,306 億円 |
9,982 億円 |
+675 億円 |
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負債の部合計 |
2,627 億円 |
2,669 億円 |
+43 億円 |
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株主資本 |
6,652 億円 |
7,285 億円 |
+632 億円 |
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非支配持分 |
27 億円 |
28 億円 |
+0 億円 |
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純資産の部合計 |
6,680 億円 |
7,312 億円 |
+633 億円 |
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負債及び純資産合計 |
9,306 億円 |
9,982 億円 |
+675 億円 |
<ROIC> <ROE>

(注)車載事業売却影響除くROIC、ROEは、当期純利益から車載事業売却益を控除して計算したものです。
<株主資本、株主資本比率>

②キャッシュ・フローの状況
キャッシュアロケーションの方針と状況
当社グループでは、SF 1st Stageおけるキャッシュアロケーションポリシーと株主還元方針について、以下のとおりとしました。
<キャッシュアロケーションポリシー>
(ⅰ)長期ビジョン「SF2030」の実現による企業価値の最大化を目指し、中長期視点で新たな価値を創造するための投資を優先します。SF 1st Stageにおいては、社会的課題の解決やソーシャルニーズ創造のための人財や研究開発などへの投資、増産やDXなどの設備投資、M&A&A(買収・合併・提携)などの成長投資に加えて、脱炭素・環境負荷低減やバリューチェーンにおける人権尊重などのサステナビリティへの取組みに対する投資を優先します。その上で、安定的・継続的な株主還元を実行していきます。
(ⅱ)これら価値創造のための投資や株主還元の原資は内部留保や持続的に創出する営業キャッシュ・フローを基本とし、必要に応じて適切な資金調達手段を講じて充当します。なお、金融情勢によらず資金調達を可能とするため、引き続き財務健全性の維持に努めます。
<株主還元方針>
(ⅰ)中長期視点での価値創造に必要な投資を優先した上で、毎年の配当金については、「株主資本配当率(DOE)3%程度」を基準とします。そのうえで、過去の配当実績も勘案して、安定的、継続的な株主還元に努めます。
(ⅱ)上記の投資と利益配分を実施したうえで、さらに長期にわたり留保された余剰資金については、機動的に自己株式の買入れなどを行い、株主の皆さまに還元していきます。
当社グループでは、SF 1st Stageの目標として、2022年度~2024年度の3年間の営業キャッシュ・フロー累計を2,500億円としています。稼ぐ力の強化と運転資金の効率的な運営により増加を目指します。一方で、注力するIAB(制御機器事業)、HCB(ヘルスケア事業)を中心に、将来の成長に向けた設備投資やM&A投資などの戦略的な投資を実行しています。また、株主還元については、安定的な配当を継続するとともに資本効率を考慮した機動的な自己株式取得も実施しています。引き続き、将来の成長のための投資を実行して、資本コストを上回るリターンに結びつけることで企業価値を高め、株主の皆さまの期待に応えてまいります。
<キャッシュ・フローの推移>

(注)1 為替レートの影響は除いて表示しています。
2 投資キャッシュ・フローについては、事業売却・買収等による影響を分けて表示しています。
事業売却・買収等による収入・支出には、連結キャッシュ・フロー計算書の「事業売却(現金流出額との純額)」
「事業買収(現金取得額との純額)」および 「関連会社に対する投資の増加」が含まれています。
2022年度のキャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、当期純利益が増益となりましたが、売上債権や棚卸資産等の運転資金の増加などにより、535億円の収入(前期比140億円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期も将来成長のための積極的な投資を継続して実行した結果、555億円の支出(前期比946億円の支出減)となりました。前期との差の主な要因は、前期に実施した、医療統計データサービスの分野での株式会社JMDCとの資本業務提携による同社への出資1,122億円などによるものです。
なお、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したフリーキャッシュ・フローは21億円の支出(前期比807億円の支出減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払いや自己株式の取得に加え、借入金の返済などにより、588億円の支出(前期比292億円の支出増)となりました。
以上の他、当期末における現金及び現金同等物残高は、前期末から502億円減少し、1,053億円となりました。
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2022年3月期 |
2023年3月期 |
増減 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
674 億円 |
535億円 |
△140億円 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,502 億円 |
△555億円 |
+946億円 |
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フリーキャッシュ・フロー |
△827 億円 |
△21億円 |
+807億円 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△296 億円 |
△588億円 |
△292億円 |
2023年度の財政、キャッシュ・フローの見通し
次年度(2023年度)においては、長期ビジョン「SF2030」の実現に向けた成長につながる設備投資・投融資を引き続き積極的に実施します。特に設備投資は全社グループのITシステム刷新を行うなど、当期比90億円の増加を見込んでいます。
財務活動では、金融情勢を鑑みながらグループ全体の効率的な資金配置を行い、柔軟な調達・運用を実施してまいります。
なお、重要な財務指標であるROE(株主資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)は当社株主に帰属する当期純利益の増加などによりいずれも当期比で改善を見込んでいます。
<2023年度の財政状態に関連する指標>
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2022年度 (実績) |
2023年度 (見通し) |
増減 |
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ROE(株主資本利益率) |
10.6% |
10%程度 |
- |
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ROIC(投下資本利益率) |
10.4% |
10%程度 |
- |
<2023年度のキャッシュ・フロー関連項目>
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2022年度 (実績) |
2023年度 (見通し) |
増減 |
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減価償却費 |
266 億円 |
290 億円 |
+24 億円 |
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資本的支出(設備投資) |
450 億円 |
540 億円 |
+90 億円 |
(注)資本的支出は、連結キャッシュ・フロー計算書記載の金額
資金調達、資本政策の方針
当社グループは、成長投資の実行と安定的な事業運営を行うため、資本効率を高めつつ、事業運営に必要な流動性と多様な調達手段を確保することを基本方針としています。そのための資金調達を含む資本政策については、以下の基本方針としています。
(ⅰ)株主価値を維持向上するために、投下資本利益率(ROIC)、株主資本利益率(ROE)および1株当たり利益(EPS)の目標水準を考慮した経営を行います。また、経済環境等の急激な変化に備え、金融情勢によらず資金調達が可能な高格付けを維持できる自己資本比率を目標とします。
(ⅱ)支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策については、取締役会において、上記の目標とする投下資本利益率(ROIC)、株主資本利益率(ROE)および1株当たり利益(EPS)等への影響を十分に考慮した上で合理的な判断を行います。
(ⅲ)大規模な希釈化をもたらす資本調達を実施する場合には、資金使途の内容と回収計画を取締役会において十分に審議のうえ決議するとともに、投資家・株主への説明を行います。
<格付情報>
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格付 |
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長期 |
短期 |
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スタンダード&プアーズ |
A |
A-1 |
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格付投資情報センター |
AA- |
a-1+ |
<社債情報>
現在発行している社債はありません。
(参考)ROIC経営への取組み
当社グループはROICを重要な経営指標としています。全社一丸となってこの指標を持続的に向上させるため、「ROIC経営」を社内に広く浸透させています。長期ビジョン「SF2030」においても、ROIC経営を推進し、今後も飛躍的な成長を実現していきます。
事業特性が異なる複数の事業部門を持つ当社グループにとって、ROICは各事業部門を公平に評価できる最適な指標です。営業利益の額や率などを指標とした場合、事業特性の違いや事業規模の大小で評価に差が出ますが、投下資本に対する利益を測るROICであれば、公平に評価することができます。独自の事業ポートフォリオを展開していく当社グループにとって、ROICは欠かすことができない指標です。当社グループのROIC経営は、「ROIC逆ツリー展開」、「ポートフォリオマネジメント」の2つで構成しています。
<ROIC逆ツリー展開>
ROIC逆ツリー展開により、事業戦略を起点にROICを各部門のKPIに分解して落とし込むことで、現場レベルでのROIC向上を可能にしています。ROICを単純に分解した「ROS」、「投下資本回転率」といった指標では、現場レベルの業務に直接関係しないことから、部門の担当者はROICを向上させるための取組みをイメージすることができません。例えば、ROICを自動化率や設備回転率といった製造部門のKPIにまで分解していくことで、初めて部門の担当者の目標とROIC向上の取組みが直接つながります。現場レベルで全社一丸となりROICを向上させているのが、当社グループの強みです。
<ポートフォリオマネジメント>
全社を約60の事業ユニットに分解し、ROICと売上高成長率の2軸で経済価値を評価するポートフォリオマネジメントを行っています。これにより新規参入、成長加速、構造改革、事業撤退などの経営判断を適切かつ迅速に行い、全社の価値向上をドライブしています。
また、限られた資源を最適に配分するために、「経済価値評価」だけではなく、「市場価値評価」も行っています。それにより、各事業ユニットの成長ポテンシャルを見極められ、より最適な資源配分を可能にしています。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当連結財務諸表は米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。長期性資産の減損、のれんおよび非償却性の無形資産の減損、および繰延税金資産の回収可能性等については、原材料価格高騰の影響を考慮して見積りおよび判断を行っています。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 Ⅰ 重要な会計方針の概要 F 会計処理基準」に記載していますが、当社の経営戦略および連結財務諸表に与える影響から重要性があると考えられるものは以下のとおりです。
戦略投資等にかかるのれん等の評価
当社は将来に向けた成長力強化の一環として積極的な戦略投資を行っています。
HCBにおいては、脳・心血管疾患の重症化を防ぎ、治療をサポートする事業での協業を目的として、米国を中心に心疾患の診断と治療の支援サービスおよび商品を提供するAliveCor,Inc.へ2020年2月に出資を行いました。
長期ビジョン「SF2030」ではデータを基軸とした価値創造への収益構造転換が重要になると考えており、その先駆けとして、2022年2月に医療データサービス会社である株式会社JMDCとの資本業務提携のために同社株式の取得を行いました。
当社では、投資管理プロセスを策定しており、買収案件の投資回収状況やのれん減損テストの結果、買収事業の進捗と今後の計画については年に1回、取締役会へ報告しています。
①のれん評価
当社は、のれんの評価について、のれんの償却は行わず、少なくとも年に1回又は減損の兆候が識別された場合に減損テストを実施しています。
減損テストの実施に当たっては、当該報告単位の公正価値をディスカウント・キャッシュ・フロー法により算出し、対応する帳簿価額と比較して評価を行っています。公正価値は経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。事業計画は、マクロ経済状況、市場成長率、利益率、設備計画等の仮定を用いて策定し、事業計画予測期間以後のキャッシュ・フローは、各事業の所在国のインフレ率で永続的に成長するものと仮定して算出しています。
加重平均資本コストは、リスクフリーレート、所在国の経済や市場の状況を反映させるためのリスクプレミアム、インフレ率、負債コスト、類似企業の決定、類似企業に対してプレミアムもしくはディスカウントが適用されるべきかの決定等、多くの見積りを使用して算出しています。当年度の減損判定で使用した割引率は7.4%から10.9%の範囲です。
当年度の減損判定においては、公正価値が帳簿価額を超過していたため、のれんの減損損失は認識しておりません。
②関連会社に対する投資の評価
当年度末連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金には、ヘルスケア事業のAliveCor,Inc.に対する持分法による投資9,835百万円が含まれており、純資産に対する当社の持分相当額を上回る8,199百万円は、主に持分法適用開始時に識別したのれん相当額によるものです。
当社は、関連会社に対する投資について、投資先の超過収益力に基づく公正価値評価を行い、その価値の下落が一時的とは認められない場合には、持分の簿価が当該関連会社の公正価値の当社持分を超過した分について持分法損失を認識しています。同社についてはスタートアップ企業であるため将来事業計画の達成可能性の不確実性やのれん相当額の重要性を鑑み当該公正価値をのれんの評価と同じ方法で算出した結果、公正価値が投資簿価を上回ることから、評価損失の計上は不要と判断しています。当年度の公正価値の算出にあたっては将来事業計画の期間ごとの達成可能性の評価に応じ、割引率を11.7%から20.0%の範囲で使用しています。
また、関連会社に対する投資及び貸付金には株式会社JMDCに対する当社持分121,918百万円が含まれており、純資産に対する当社の持分相当額を上回る101,427百万円は主に持分法によるのれん相当額の残高です。
同社については、市場株価の推移分析、株式市場における市場価格に基づく評価額が帳簿価額を下回る期間及び程度の評価、投資先の業績や取り巻く環境の評価及びディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価額と帳簿価額との比較などの定性的、定量的な要素を総合的に勘案した結果、一時的でない価値の下落は生じておらず、評価損失の計上は不要と判断しています。当年度のディスカウント・キャッシュ・フロー法による評価に使用した割引率は、7.0%から8.0%の範囲です。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当年度におけるセグメントごとの販売実績は、「(1) 事業環境、経営成績等の状況・分析・検討」に記載のとおりです。なお、当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額で示すことはしていません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。
該当事項はありません。
当社グループは、技術の強化と人財の育成を目的に中長期的視野に立った技術戦略を定め、研究開発を実行しています。自社の強み、コア技術として進化させ続けている「センシング&コントロール+Think」技術を技術戦略の核として、全社的視点から当社のコーポレート研究所である技術・知財本部が基盤的な技術開発を担い、各事業部門がその応用技術開発や商品開発を実施しています。主力事業である制御機器事業をはじめ、ヘルスケア事業、社会システム事業、電子部品事業に重点的に研究開発費を割当て、製品開発およびものづくり技術の強化を実施しています。
(1)オムロングループの研究開発への取組み
2022年度の取組みとしては、ロボティクス、センシング、パワーエレクトロニクス、AI・データ解析を自社コア技術の注力領域として継続的な高度化の取組みを行っています。
<注力する技術領域>
ロボティクスにおいては、技術・知財本部の研究開発拠点である京阪奈イノベーションセンタにロボット開発専用の実験環境スペース「ROBOBASE」を新設するなど、人に寄り添うロボット技術の開発に注力しています。
<人と機械の融和の象徴:第7世代 卓球ロボット「フォルフェウス」>
フォルフェウスは、オムロンのコア技術「センシング&コントロール+Think」で、機械が人の能力や創造性を引き出す「人と機械の融和」をわかりやすく体現するロボットです。2021年度から取り組んだ第7世代は、最新のAIや、ロボティクスなど、オムロンのコア技術の活用により、ダブルスを組む2人のチームパフォーマンスを高める機能を搭載しています。
フォルフェウスを始め、オムロンのコア技術に関する情報はこちらをご覧ください。
https://www.omron.com/jp/ja/technology/
パワーエレクトロニクスにおいては、今後、電気自動車の急速な普及拡大が見込まれている中、技術・知財本部と社会システム事業の開発部門が連携し、電気自動車を大容量の蓄電池システムと見立て、自然災害時には貯めた電気を住宅や施設で活用可能なV2Xシステムの要素技術を開発いたしました。同システムは、既存の太陽光発電や蓄電池システムとも接続が可能でありながら国内最小最軽量クラスを実現、これまで設置が難しかった狭小地等にも設置が可能な高い自由度を実現しています。
また、ロボティクスやAI・データ解析においては、技術・知財本部に属する研究子会社であるオムロン サイニックエックス株式会社の牛久 祥孝がプロジェクトマネージャーを務める研究テーマ「人と融和して知の創造・越境をするAIロボット」が、内閣府が推進する困難でインパクトが大きな社会的課題の解決に取り組む挑戦的な研究プロジェクトに資金を提供する「ムーンショット型研究開発制度」における目標3「2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現」のプロジェクトに採択されました。
グループ全体の研究開発に関する費用の総額は、前連結会計年度は442億77百万円、当連結会計年度は501億82百万円です。なお、研究開発費については、技術・知財本部で行っている技術開発費用64億84百万円が含まれています。
(2)知的財産活動
新たな価値創出を進める中で、知的財産は非財務価値の要素としてますます重要となっています。オムロングループの柱として活動する技術・知財本部傘下の知的財産センタは、知財で新たな価値を創り届け、我々の持続的成長に導くように、ミッション、ビジョンを定めて、日々の活動に取り組んでいます。
<オムロン知的財産センタのミッション・ビジョン>
知的財産戦略について取締役会の議題として定期的に報告・議論を行うと共に、CTO管掌の元、知的財産センタが司令塔となって、全社横断で知的財産活動に取り組んでいます。知的財産センタは、コーポ―レートの全社技術開発、新規事業創出における知財戦略の策定・実行のほか、事業部門における知財活動の推進責任者を配置し、事業戦略と連結した知財戦略の策定・実行・監督を行っています。2022年度においては、長期ビジョンの実現に向けて知財・無形資産の活用と連結する価値創造ストーリー(ビジネスモデル)の具体化を進めており、「独占排他型」と「シェアリング&インクルージョン型」を最適なバランスで組み合わせ、両利きの知財活動を実行する、全社知的財産戦略の方向性を、取締役会に報告しました。取締役会では、知財活動が従来以上にビジネスモデルに直結した活動に進化している点や、長期ビジョンのコトビジネス化の推進にタイムリーな取組みである点、社内における知財活用の浸透、知的財産財の知見とビジネスセンスを保有する専門人財育成の重要性などについて、活発な議論が行われました。
両利きの知財活動においては、自社特徴技術の権利化とそれを活用した権利行使の強化だけでなく、近未来デザインを実現する複数のシナリオを知財アーキテクチャとして策定し、ソーシャルニーズの先行出願を行うことで、オムロンユニークな価値を届ける知財活動を強化しています。また、技術者の特許に対するスキル向上のための社内研修を、全技術者向けに継続的に実施すると共に、発明褒賞制度や知財表彰制度を活用することで、技術者の知財活動に対するモチベーションを向上させ、全社的な知財活動の強化を通じて事業成長を図っています。さらに、モノ視点からコト視点への事業環境変化によって発明者の裾野が拡大しているため、技術者のみならず企画部門などの非開発部門のメンバーも対象に、顧客課題・社会課題を解決するコトビジネスの発明創出を推進しています。
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2022年度には、公益社団法人 発明協会が主催する令和4年度全国発明表彰において、製造装置等の信頼性を高めるソフトエラー対策法の発明で、「発明賞」を受賞しました。本発明は、デジタル機器の中核をなすマイクロプロセッサーやメモリーなど半導体デバイスの偶発的エラーを防ぐことで、製造現場のシステム、そして将来的には、EVや自動運転、医療機器といったデジタル機器の信頼性を向上し、人々の安心・安全を支える新技術です。 |
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この様に、知的財産を経営・事業へ積極的に活かすべく、事業や研究開発と連動させた知的財産戦略を策定・実行し、質・量の両側面で特許創出力を向上してきました。これらの活動の成果により、クラリベイト・アナリティクス社が知財動向の分析に基づき優れたイノベーションパフォーマンスを継続的に発揮している革新企業/機関トップ100を選定する「Clarivate Top 100グローバル・イノベーター」に2017年から7年連続で選出されました。
(3)事業セグメント別の研究開発活動
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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金額(百万円) |
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インダストリアルオートメーションビジネス |
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ヘルスケアビジネス |
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ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス |
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デバイス&モジュールソリューションズビジネス |
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本社他 |
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合計 |
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①インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)
社会的マテリアリティ実践に対する社会からの期待は一段と加速している中、“社会的”課題と“経済的”課題の両方を同時に解決すべく3つのモノづくりのコンセプトを定めています。人を重労働から解放しエネルギー制御と融合させる「①人を超える自働化」、機械が人に寄り添い人の可能性を引き出し、人と機械が共に成長する「②人と機械の高度協調」、前述の2つのコンセプトを支える、現場の商品や人のナレッジ、そしてデータを繋ぎ、価値ある形に擦り合わせる「③デジタルエンジニアリング革新」です。
これら3つのコンセプトを基に、デジタルデバイス、環境モビリティ、食品・日用品、医療、物流の5つの業界ドメインにおいて、顧客起点で価値創造とグローバルの顧客への価値伝達を進めています。従来のオムロン起点の「モノ」視点から、「コト」視点で俯瞰して顧客課題を捉えるようにシフトし「ソリューション」としての創出・提供にも取り組んでいます。「ソリューション」は様々な先進コア技術やオムロンの幅広いFA商品群を起点にして、機能モジュールやソフトウェア、アプリケーション、サービスを体系的に構成し、各業界の顧客や工程に合わせて提供できるように価値創出を強化しています。新規技術については積極的にパテントを出願や活用する取組みも強化し、各種の受賞も得ています。
②ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)
当セグメントは、マーケティング部門と研究開発部門が一体となり、パーソナライズ医療の実現に向けて、真のユーザーニーズの把握・創出に努め、一層の開発スピードアップを目指しています。また研究開発部門は、一人ひとりの健康ですこやかな生活の実現に向け、脳・心血管疾患の発症ゼロを目指す「循環器事業」、喘息・COPD患者の重症化ゼロを目指す「呼吸器事業」、慢性痛による日常の活動制限ゼロを目指す「ペインマネジメント事業」の3事業領域において新しい価値を提供できる新商品の創出を目指しています。
当期の主な開発テーマとして、循環器事業においては、疾患の早期発見・治療に繋げることを目的として、血圧、脈拍、脈波、心電計測技術を搭載した心機能低下を捉える新たな血圧計の開発を進めるとともに、遠隔診療サービスのシステム開発・改善に取り組んでいます。
呼吸器事業においては、喘息やCOPDの患者を対象に、発作の予兆や症状を計測する機器の開発にパートナーと共に取り組んでいます。ペインマネジメント事業においては、新たな鎮痛技術を搭載した低周波治療器の開発に取り組んでいます。
③ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)
当セグメントは、太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電システム、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、UPSなどのネットワーク保護といった、多岐にわたる端末・システムに対するお客様のニーズに応える商品開発に取り組んでいます。
エネルギーソリューション事業では、再生可能エネルギーへの一層の関心の高まりに応えるため、蓄電システムおよび太陽光発電用パワーコンディショナーを中心に高効率化や小型軽量化などの技術開発並びに発電した電力の自家消費ニーズに応える商品創出などに継続して取り組んでいます。
駅務システム事業、交通管制システム事業においては駅や道路など、公共の場における利用者の安心・安全・快適に貢献する商品として、AI技術・IoT技術を組み込んだ人や車の動きを検知するセンサー・システムの開発に取り組んでいます。
また、近年、社会課題となっている労働人口減少に対し、社会インフラにおける労働生産性を向上させる技術が求められる中、データサイエンス分野の技術力強化を進めています。
④デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)
当セグメントは、リレー、スイッチ、コネクタを中心としてエレクトロメカニカルコンポ商品および顔認証等の組込画像ソフト技術、光技術などを用いたセンシングコンポ商品、更にはモジュール化技術による高機能化を強みにお客様のニーズに応える新製品開発に取り組んでいます。リレー技術において、アーク遮断技術と産学連携による三次元アークシミュレーション技術により蓄電システムの充電および放電時に流れる直流電流のオン/オフ制御と安全遮断機能を1つのリレーで実現すると共に、高電圧直流電流の安全遮断プロセスを解析しその解析結果を構造設計に反映することで製品サイズをコンパクトにした高電圧直流リレーを発売しました。カーボンニュートラルの実現や災害用レジリエンス強化に向けて蓄電システムのニーズが高まっており、太陽光発電システムで作り出した電力の自家消費を目的として家庭用蓄電池は製品の高容量化が進んでいます。これを実現するにあたり製品の安全性と小型化が課題となっており、アーク制御技術とCAEによる評価・解析技術を活用することでリレーの高容量化だけでなく安全性・小型化まで実現し、再生可能エネルギーの普及を促進し、脱炭素社会の実現に貢献します。