第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループの企業理念

 

① 使命

 

独創的アイデアを総合技術で価値ある製品に変え、より良い未来を支えます

 

② 経営姿勢

 

強靭な経営基盤をもとに、創造と挑戦を繰り返し、自ら変革し続けます

 

③ 行動指針

 

信頼こそ全ての基本

・謙虚な姿勢と感謝の心を大切にします

・公明正大に行動します

・新たな価値の創造に挑戦します

 

(2)当社グループの優先的に対処すべき課題

 今後の世界経済は、各国で新型コロナウイルス感染症による行動制限が解除されたことにより経済活動が再開され、景気回復の兆しが見えてきたものの、変異株による影響や、半導体不足、サプライチェーンの混乱による供給制約、資源やエネルギー価格の高騰等により先行き不透明な状態が続いております。半導体市場は、需給バランスが供給過剰へと転じ、需要は減速傾向にあるものの、車載など一部の用途では引き続き需要は拡大傾向にあります。ライフサイエンス市場においては、遺伝子検査市場の拡大に伴い、ホームユースの臨床検査デバイスなどの需要が高まると予想しております。自動車市場はEV化への流れが加速し、需要は拡大傾向にあるものの、半導体不足等の影響による自動車メーカーの生産調整により不透明な状況が続いております。そのような状況の中、当社は顧客ニーズに対して当社グループの技術やソリューション提案力の強みを繋げることにより、課題の解決を通し社会に貢献するとともに、新規事業創出の機会としてまいります。

 Semiconductor事業、Life Science事業、Digital Communication事業、Energy Saving Solution事業においては日々新しい技術が生まれ、市場の変化が非常に激しい業界であり、このような環境下における当社グループの優先的に対処すべき課題は次のとおりです。

 

① Essential領域の事業への注力

 成長市場であり、人と地球のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高める領域を当社はEssential領域と定めております。Semiconductor事業及びLife Science事業は事業自体がEssentialであり、市場成長以上の事業成長を目指してまいります。Digital Communication事業とEnergy Saving Solution事業は既存事業の深化を進めると同時に、要素技術や新製品の開発に注力することで、Essentialな領域への転換を行い、さらなる成長を模索してまいります。また、よりバランスの取れた事業構成とすべく、各事業において顧客価値の創出に努めるとともに、新事業の開発にも継続して取り組んでまいります。

 

② 競争力の強化

 当社グループが属する電子部品業界においては、顧客ニーズの多様化や高度化が進行しております。当社は顧客目線を軸としたディマンドチェーンの構築、課題解決のためのソリューション開発の推進、素材から製品をお届けするまでのサプライチェーン改革に取組み、ソリューションプロバイダーとしての存在価値を示してまいります。

 

③ 組織力の向上

 当社グループの持続的な成長を実現するために、最重要財産である人材への投資は競争力の強化、差別化に直結するため今まで以上に重要になると考えております。当社においては「信頼」「顧客価値」「新規性の追求」「創造と挑戦」という創業以来変わらない文化の醸成のために企業理念の浸透を図り、事業推進を推し進める中核人材の育成に加えて、当社のあるべき人材像への成長のスピードアップを図り、組織力の向上に向けた人的リソースを確保してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要課題(マテリアリティ)

 当社経営の生命線は「新規性の追求」にあると考えており、顧客や関係する機関とこれまでに築き上げてきた信頼関係のもと、継続的に研究開発を行い、次の事業の種を撒いております。

 事業ポートフォリオにつきましては、当社は今後、人々の健康で安心した生活を支えるEssentialな領域(※)に注力してまいります。

 Semiconductor事業とLife Science事業は事業自体がEssentialな領域であり、マーケット自体も成長領域です。Digital Communication事業とEnergy Saving Solution事業は、捻出した利益をEssential領域に振り向けるとともに、Essentialな領域へと業態転換を進めてまいります。事業ポートフォリオをシフトすることで変動の大きな事業運営ではなく「持続可能な成長」を目指してまいります。

(※)Essential領域:人と地球のQOL (クオリティ・オブ・ライフ)を高める領域

 

上記の考え方のもと、当社グループは「人と地球のQOLを高めるEssential領域への貢献」を最重要課題としました。課題を解決するために下記取り組みを進めてまいります。

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(2)ガバナンス

 当社グループは、気候変動に対応する重要課題(リスクと機会)を認識し、長期計画を策定・実行することにより持続可能な成長を実現いたします。

 サステナビリティ委員会は代表取締役社長を議長とし、議長の指名する取締役(独立社外取締役を含む)、執行

役員によって構成されます。サステナビリティ委員会では、気候変動対応を含む重要課題(リスクと機会)に関する長期計画の策定、KGI/KPIの進捗管理などを行っています。

 サステナビリティ委員会で審議された気候変動対応活動を取締役会に報告し、取締役会による審議を行う仕組みとしています。

 

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(3)戦略

「気候変動関連のリスクと事業機会」

 当社は、気候変動を含む将来の社会課題に関する事業機会とリスクを特定しました。事業機会としては、気候変動を含む社会課題の解決に貢献するソリューションを人々が生活する上で必須となる領域(Essential領域)において提供することで、事業規模の拡大、収益力の強化を進めます。

 気候変動に関して、特にインパクトが大きいリスク(移行リスク)として、「原材料価格・電力価格上昇による事業コストの増加」や「プラスチック廃棄物処理コストの増加」、「内燃機関関連製品需要の減少」を想定しています。

 また、物理リスクとしては「大規模自然災害」を想定しており、被害の最小化と事業継続性の確保を進めます。

 

区分

マテリアリティ

リスク

事業機会

時間軸

移行リスク

気候変動に伴う原材料価格・電力価格の上昇

原材料価格・電力価格上昇による事業コストの増加

生分解性樹脂材料の開発とリサイクル材の積極的な活用

中期

プラスチック規制の強化

プラスチック廃棄物処理コストの増加

樹脂材料使用を減少させる設計や金型の開発を促進

長期

モビリティの電動化

内燃機関関連製品需要の減少

電動モビリティ用製品需要の拡大

長期

物理リスク

大規模自然災害

気象災害、特に洪水などによる自社工場被害やサプライチェーンの分断による工場操業停止

水・食料供給関連事業の拡大(殺菌、検査、点滴潅水)

長期

 

「人的資本」

 当社は組織力こそが競争力の源泉であると考えており、組織力にとって重要な企業文化づくりのため、2023年4月1日に企業理念を改定しました。

 当社の使命、経営姿勢を支える全ての基本は信頼であると考えており、様々なステークホルダーの皆様の信頼を大切にしております。

 

「多様な人財の活躍」

 当社グループは、ダイバーシティに関する行動指針において「国籍、人種、民族、宗教、信条、性別、年齢、言語、身体上のハンディキャップ、社会的身分、学歴などによる嫌がらせ・差別は行ってはならない」こと、「相互に考え方、解釈、判断が異なることのあることを十分に認識し、当社グループが事業を営んでいる国又は企業で働く人との誠実なコミュニケーションを通じて相互理解を深め、行動しなくてはならない」ことを定めるとともに、多様な働き方を促進する制度を設けています。

 

(4)リスク管理

 当社は、グループ全体のリスク管理について定める「総合リスク管理規定」を制定し、経営直轄型のリスク管理体制構築を目的とした総合リスク管理委員会を設置しております。総合リスク管理委員会は想定されるグループ全体のリスクに関し事前に察知し、未然に防ぐ施策及びリスク発生時に影響を最小限に留めるための施策を行うこととしております。その中でも気候変動リスクは、今後中長期的にさらに広がることが予想されるリスクとして認識しており、事業戦略への影響や適切な管理方法の検討を図ってまいります。

 

(5)指標及び目標

 気候変動対策の進捗を測る指標として、「Essential売上比率」、「GHG排出量原単位」、「樹脂材料廃棄率」を設定し、2025年度目標を掲げ、毎年進捗を評価してまいります。

Essential売上比率

75.0%

GHG排出量原単位  ※1

0.5t

樹脂材料廃棄率   ※2

4.0%

 

※1 GHG排出量原単位=Scope1~2 GHG排出量/売上高(t/百万円)

※2 樹脂材料廃棄率=廃棄量/投入量

 

「社内の多様性の確保」

 当社は中長期的な企業価値の向上に向けて多様性の確保が重要であると考えております。当社のコアコンピテンシーと社会課題を紐付けた「エンプラスの目指す姿」を策定しており、それに合わせた人材ポートフォリオの策定を進めております。また、優秀な人材については、性別、国籍、障害の有無等の属性に関係なく、積極的に登用しており、全ての社員に平等な評価及び登用の機会を設けています。

(1)女性

 部門横断プロジェクト活動をはじめ、在宅勤務や時差勤務など、育児をしながら活躍できる環境づくりに向けて、風土と制度の両輪で取り組みを進めてまいりました。将来の女性管理職を増やすために候補者層を増やす取り組みが必要であると考えており、採用に占める女性比率を40%以上にする事を目標として掲げております。

採用に占める女性比率:

2019年度 24.4%、2020年度 36.4%、2021年度 32.1%、2022年度 30.0%

新卒採用に占める女性比率:

2019年度 31.6%、2020年度 27.3%、2021年度 45.0%、2022年度 36.0%

(2)外国人

 当社は世界市場のニーズに応える高付加価値製品とサービスを提供することで、現在では海外売上高比率80%、世界14の国と地域で事業を行っております。海外拠点における管理職に占める外国人比率は2021年4月時点60.2%、2022年4月時点60.4%、2023年4月時点66.3%です。今後も管理職に占める外国人比率を50%程度にする事を目標として掲げております。

(3)中途採用

 当社の管理職は、性別や国籍、中途採用、新卒採用の区別なく、能力や適性を総合的に勘案して登用しており、管理職に占める中途採用者は2021年4月時点40.6%、2022年4月時点37.6%、2023年4月時点36.5%です。管理職として登用する上で、中途採用、新卒採用の区別によって特段の差が生じているとは認識しておりませんので、引き続き、管理職に占める中途採用者比率を40%程度に維持する事を目標として掲げております。

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの事業活動に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、主に以下のようなものがあります。なお、記載のリスク事項は、当該有価証券報告書提出日の2023年6月23日現在において判断したものであります。

 当社グループを取り巻くリスクや不確実性に関して、当社グループでは取締役会、経営戦略会議、総合リスク管理委員会において定期的に議論し、これらのリスクや不確実性を機会とすることや、低減するための対応を検討しております。

 

(1)市場での価格競争激化と在庫調整によるリスク

 当社グループが属する電子部品業界は、液晶テレビ、半導体、事務機器など技術革新の一層のスピード化により、既存製品から新製品への切り替えサイクルの早期化、競合他社との価格競争の激化、市場での急激な在庫調整の影響を受けやすい環境にあります。

 当社グループでは、市場変化の影響を受けにくい、価格競争力のある、特許に裏打ちされた占有技術による新規開発製品の上市、新製品比率の増加、高付加価値技術の製品化など研究・開発体制の強化に向けて、経営資源を積極的に投入いたしますが、予想以上の価格競争激化による製品価格の低下や急激な在庫調整が発生した場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)為替レートの変動リスク

 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、約80%と海外売上高の割合が高いため、為替レートの変動は当社グループの外貨建取引から発生する収益・費用及び資産・負債の円換算額を変動させ、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため当社グループでは、外貨建債権回収に係る為替変動リスクを最小化する目的で、為替予約によるリスクヘッジを行っておりますが、当該リスクを完全に回避できる保証はなく、米ドル通貨に対して円高が急激に進展した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)棚卸資産のリスク

 当社グループ保有の製品・仕掛品の、棚卸資産の評価方法は、「第5(経理の状況) 1(連結財務諸表等) (1)(連結財務諸表) (注記事項)(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」の項に記載のとおり、当社及び国内連結子会社は総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用、在外連結子会社は主として総平均法による低価法を採用しております。金型については、個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。また、原材料については、当社及び国内連結子会社は移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用、在外連結子会社は主として移動平均法による低価法を採用しております。当該棚卸資産について今後、製品のライフサイクルの短縮による非流動化や陳腐化、価格競争の激化により市場価値が大幅に下落した場合は、当該棚卸資産を評価減又は廃棄処理することが予想され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)知的財産権に関するリスク

 当社グループでは、事業の優位性を確保するため、他社と差別化できる技術とノウハウの蓄積に取り組んでおります。当社が開発する製品及び技術については当社が保有する知的財産権による保護に努めているほか、他社の知的財産権に対する侵害のないよう細心の注意を払い、社内のリスク管理を徹底しております。

 しかしながら、当社グループが認識していない第三者の所有する知的財産権を侵害した場合、又は当社グループが知的財産権を有する技術に対し第三者から当該権利を侵害された場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)カントリーリスク

 当社グループの事業は北米、ヨーロッパ、アジア等グローバルに展開しております。したがって、各国における政治・経済状況の変化、法律・税制の改正等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)災害・感染症等によるリスク

 当社グループは、地震・風水害などの自然災害、火災などの事故災害等、予期しない事象を想定して、生産能力への影響度合いを最小限に止めるべく、「総合リスク管理委員会」を設置し、リスク管理体制の強化に努めております。しかしながら保有する重要な生産設備に災害等が生じた場合は、これを完全に防止又は軽減できる保証はなく、これらの災害等が発生した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、従業員の安全を確保するために事業活動を停止する可能性があります。加えて、各国政府や地方自治体の要請等により工場の操業を一時的に停止することや、サプライチェーンの分断により資材の調達や製品の出荷に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(1)経営成績

 当連結会計年度における世界経済は、資源やエネルギー価格の高騰、景気後退局面入りの懸念、金融不安の広がりなど、先行き不透明な状況が続いております。

 米国においては、個人消費が堅調に推移する一方、インフレ圧力の継続に伴う積極的な政策金利の引き上げが景気の下押し要因となっております。また、一部金融機関の経営破綻の影響は政策当局の迅速な対応で限定的であるものの、金融不安が個人消費や設備投資等の抑制要因となり、実体経済に悪影響を与える可能性も根強く残っています。

 中国においては、欧米景気の減速により輸出が低迷しました。一方、ゼロコロナ政策の解除を機に個人消費は急速に回復しました。

 新興国・地域においては、半導体需要の減速等を背景に製造業の生産活動は低迷しているものの、個人消費は堅調に推移し、緩やかな景気回復が持続しております。

 わが国経済は、原材料高と世界的な半導体需要の落ち込みから製造業を中心に景況感は悪化したものの、個人消費の回復を背景に景気は持ち直しの動きが見られます。

 このような状況の中、当社が関連する市場においては、サプライチェーンの混乱による顧客の生産調整は解消傾向にあるものの、海外経済の減速や半導体の生産調整など、依然として不透明感は継続しております。当社は、顧客のニーズに対して当社グループの技術やソリューション提案力の強みを繋げることにより、課題の解決を通し社会に貢献するとともに、新規事業創出の機会としてまいります。

 この結果、当連結会計年度の売上高は42,240百万円(前期比28.4%増)となり、営業利益は8,820百万円(前期比145.0%増)、経常利益は8,785百万円(前期比154.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,621百万円(前期比82.8%増)となりました。

 

 各セグメントの業績は次のとおりであります。

 

「Semiconductor事業」

 各種ICテスト用ソケット、バーンインソケットは、サーバー、自動車、モバイルの各用途の需要が高水準を維持し、円安の恩恵も相まって、売上高は過去最高となりました。当第4四半期連結会計期間においては、サーバー用途、モバイル用途は市場の落ち込みにより減少したものの、自動車用途は堅調に推移しました。今後、半導体需要の調整はあるものの、特に当社が注力しているサーバーや自動車用途の需要は中期的には増加傾向が続くと予想され、それに伴い当社の売上高も堅調に推移すると見込んでおります。この結果、当連結会計年度の売上高は23,432百万円(前期比47.3%増)、セグメント営業利益は6,513百万円(前期比150.4%増)となりました。

 

「Life Science事業」

 遺伝子検査用製品は、既存顧客からの受注が好調に推移し、売上高は過去最高となりました。当第4四半期連結会計期間においては、顧客の生産調整により売上高は低調に推移したものの、今後も遺伝子検査市場の拡大に合わせて、主要顧客からの既存量産製品と新規プロジェクトの受注、新規顧客開拓、新製品の開発に注力する事で、当社の売上高も堅調に推移すると見込んでおります。なお、当該Life Science事業には、新規分野への先行投資や新事業開発が含まれております。この結果、当連結会計年度の売上高は3,090百万円(前期比24.8%増)、セグメント営業損失は638百万円(前期は1,186百万円のセグメント営業損失)となりました。

 

「Digital Communication事業」

 光通信関連の光学デバイスは、世界的な半導体不足による顧客の生産調整の影響が改善し、売上高は好調に推移しました。LED用拡散レンズは、液晶テレビ市場の需要減少が継続し、売上高は低調に推移しました。この結果、当連結会計年度の売上高は3,780百万円(前期比6.8%増)、セグメント営業利益は1,587百万円(前期比48.9%増)となりました。

 

「Energy Saving Solution事業」

 自動車用部品とプリンター用部品は、自動車の緩やかな生産回復とプリンター需要の回復により売上高は堅調に推移しました。この結果、当連結会計年度の売上高は11,937百万円(前期比8.8%増)、セグメント営業利益は1,358百万円(前期比21.3%増)となりました。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

Semiconductor事業(百万円)

23,660

148.6

Life Science事業(百万円)

3,220

136.1

Digital Communication事業(百万円)

3,645

103.1

Energy Saving Solution事業(百万円)

12,311

114.1

合計(百万円)

42,837

131.3

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

② 受注状況

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

Semiconductor事業

22,649

126.4

3,143

80.1

Life Science事業

2,958

111.8

285

68.4

Digital Communication事業

3,950

115.7

569

142.6

Energy Saving Solution事業

12,019

110.5

634

114.8

合計

41,578

119.3

4,632

87.5

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

Semiconductor事業(百万円)

23,432

147.3

Life Science事業(百万円)

3,090

124.8

Digital Communication事業(百万円)

3,780

106.8

Energy Saving Solution事業(百万円)

11,937

108.8

合計(百万円)

42,240

128.4

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(3)財政状態の状況

 当連結会計年度末における総資産は54,599百万円となり、前連結会計年度末比7,538百万円の増加となりました。

 流動資産につきましては7,880百万円増加いたしました。主な変動要因は現金及び預金で5,851百万円、受取手形及び売掛金で582百万円、原材料及び貯蔵品で520百万円増加したことによるものです。

 固定資産につきましては342百万円減少いたしました。変動要因は有形固定資産で1,069百万円増加したものの、投資その他の資産で1,345百万円、無形固定資産で66百万円減少したことによるものです。

 負債は7,292百万円となり、前連結会計年度末比1,724百万円の増加となりました。

 流動負債につきましては1,265百万円増加いたしました。主な変動要因は買掛金で369百万円減少したものの、未払金で702百万円、未払法人税等で606百万円、賞与引当金で248百万円増加したことによるものです。

 固定負債につきましては459百万円増加いたしました。主な変動要因はリース債務で411百万円増加したことによるものです。

 純資産は47,307百万円となり、前連結会計年度末比5,813百万円の増加となりました。主な変動要因は自己株式の消却を行ったこと等により利益剰余金で8,453百万円減少したものの、自己株式で12,620百万円、為替換算調整勘定で1,295百万円増加したことによるものです。

 その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は85.3%となり、前連結会計年度末比1.8ポイント減少しております。

 

(4)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は20,753百万円となり、前連結会計年度末に比べて、5,927百万円増加しました。キャッシュ・フローの状況及びその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、税金等調整前当期純利益6,684百万円(前期は4,033百万円)、減価償却費2,243百万円(前期は2,312百万円)、法人税等の支払い1,285百万円(前期は634百万円)が発生した結果、営業活動による収入は8,761百万円(前期は4,046百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、有形固定資産の取得2,377百万円(前期は1,744百万円)、投資有価証券の売却276百万円(前期は798百万円)を行った結果、投資活動による支出は2,581百万円(前期は1,576百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、配当金の支払い484百万円(前期は329百万円)、リース債務の返済229百万円(前期は255百万円)を行った結果、財務活動による支出は765百万円(前期は2,053百万円の支出)となりました。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、安全性及び流動性を確保する効率的な資金管理を行うことを基本方針としております。また、将来の事業展開を勘案し、長期的展望に立って生産設備の増強、研究開発投資及び情報化投資などを行っていく予定で、継続的な利益の積み上げによる自己資金がその財源となります。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、創業以来エンジニアリングプラスチックの超精密加工をコア技術として、高精度・高機能プラスチック精密機構部品・製品を供給しております。精密成形技術を応用した電子・自動車関連機器への製品、微細接触技術を応用した半導体ICソケット、光学設計技術、光束制御技術を応用したオプトデバイス、液晶関連製品、及び、マイクロ流路技術をベースとしたライフサイエンス製品への展開を進めております。

 当連結会計年度は、Semiconductor事業分野では、高密度化に加えて、高周波に対応したICソケット開発を実施いたしました。Life Science事業分野では、遺伝子検査用製品の開発に加えて、新規事業創出を目指し、新技術の開発を進めております。Digital Communication事業分野では、光通信分野の光デバイス開発、LED液晶TV向けの光学レンズ開発などを進めております。Energy Saving Solution事業分野では、自動車関連、OA機器、家電向けに製品機能の向上を目的として、CAEを駆使し事前課題の検証を行うことによりギヤや機能部品の更なる高精度化、高強度化、高機能化に取り組みました。

 当連結会計年度に、研究開発費として1,283百万円を支出しましたが、その主な活動は以下のとおりであります。

 

(1)Semiconductor事業

 モバイル、AI、サーバー用の半導体はデバイスの高集積化が加速しており、将来に向けた多ピン、超微細ピッチ対応ソケットの開発を進めております。また、半導体デバイスの多様化により、使われる環境や試験方法に合わせたソケットが要求され、多品種少量に適した生産技術開発も行っております。

 自動運転向けのセンサーやプロセッサーなどの高信頼性を要求される車載半導体向けのソケットにおいては、今後さらに加速していく電動化、電子化の流れに対応した高寿命、大電流、高耐熱技術や半導体デバイスの高速化に向けた高周波対応ソケットのソリューション開発を進めております。

 

(2)Life Science事業

 バイオ関連においては、DNA、たんぱく質、細胞などの検査・分析システム、及び周辺部品の開発を進め、市場においてソリューション活動を推進しております。

 また、アメリカを中心に、大手バイオテクノロジー企業やベンチャー企業数社と、新規検査・分析システムの消耗品として使われる高機能デバイス、試薬用部材などの共同開発を進めております。

 

(3)Digital Communication事業

 光通信分野においては、高速化に対応したストレージスイッチやサーバー、光モジュール向け光学製品開発を行っており、データセンターの大規模化、第5世代移動通信システムの普及を見越し、高速化、伝送距離延長に対応した高機能レンズ製品の開発を行っております。

 LED関連では、当社独自の光束制御技術を駆使して次世代液晶テレビのデザイン向上、色域拡大といった、新たなバックライトソリューション開発を行っております。

 また、第5世代移動通信システムの普及に向けた次世代ディスプレイ関連のデバイス開発も進めております。

 

(4)Energy Saving Solution事業

 独創的なオリジナルギヤ開発を行い、高精度・高強度・静音の3つの要素技術開発を継続的に行っております。これら要素技術を基盤として、ギヤトレインの設計及び開発を行い、自動車関連、OA機器分野・家電分野の市場要求に適合する開発を進めております。

 

 エンプラスの総合技術を駆使して、あらゆる産業分野に向け、独創的アイデアにより、市場に新しい価値を生み出して参ります。