文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
~社会インフラの整備に貢献する企業を目指します~
当社グループは、「事業投資」という行為を通じて、全国の地域社会に利益還元し、地方経済の活性化と発展を促す循環型社会の実現を目指します。
また、5G/IoT時代に必要な「高周波技術」と「デジタル技術」を融合した製品開発を通じて「人・モノ・コト」が自在につながる豊かな社会を実現するのと同時に「再生可能エネルギー事業」の事業開発により、「地球温暖化」や「日本のエネルギー自給率の向上」で社会貢献してまいります。
また、当社は企業理念として、以下の3つの「再」に取り組むことを掲げております。
・企業「再」生
・「再」生エネルギーの普及
・生まれたキャッシュの「再」投資
上記企業理念を重視し、また、常にコンプライアンスに重点をおいた経営を行いESG(Environmental=環境、Social=社会、Governance=企業統治)及びSGDs(持続可能な開発目標)の視点を十分に取り入れた企業として、株主様、取引企業様のご期待に応えられますよう邁進してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
(経営環境)
再生可能エネルギー市場では、各国政府や金融業界で脱炭素化の動きが強まっておりますが、国内市場では太陽光発電所について、固定買取価格制度による売電価格が下落し続けている状況となっており、当社では対応策としてこれまでに高価格の案件を積み上げ、これらの案件が今後の収益拡大に寄与すると見込んでおります。
一方で、新型コロナウイルス感染症による世界的流行からの経済回復のための景気刺激策にも、EUを中心に脱炭素化の方針が打ち出されており、また投資家の間でもESG重視の姿勢が強まるなど、再生可能エネルギー市場へのエネルギーシフトがより一層進むことが見込まれます。
こうした社会情勢の変化や再生可能エネルギーに関する政策を機微にとらえ、新たな社会的価値を創出し続けながら、社会と企業の持続的な成長を目指してまいります。
(中長期的経営戦略)
当社グループの電子・通信機器事業では、5G関連市場、官公庁、及び公共プロジェクト関連市場を中心とした拡販営業に加え、新規の市場や顧客開拓にも力を入れ、業績の拡大を目指してまいりました。
結果、これら市場での認知度も高まり、顧客からの引合いも増加しています。
このような背景から、今後は従来のモジュール・コンポーネント規模の提案から、装置、サブシステム、さらにはより大規模なシステムによる「ワンストップでお客様の問題を解決するソリューション型の提案」を行い、「製品の高付加価値化」と業績の拡大を目指すために、従来からの「アナログ・高周波技術」と、「デジタル信号処理技術」の融合、及び「戦略パートナーとの共同開発」をさらに進めてまいります。
また、今春より商用運用が開始された5G関連市場においては、サブシックスバンドにおける受動高周波コンポーネント等の製品群の投入に加えて、ローカル5G等で需要の見込まれる準ミリ波帯製品は、公共プロジェクト分野で需要の見込まれるミリ波帯製品とともに新たな製品群の柱とすべく、開発に注力し、市場シェアの獲得を目指してまいります。
さらにベトナム子会社においては、「新鋭設備の導入」と従業員の教育・訓練により、通信・放送インフラにおいては特に重要な品質に関して、「最高レベル品質」の製品を低価格で提供することにより、海外の大手顧客に訴求し、受注の拡大を目指してまいります。
これらの経営戦略により、安定した経営基盤の確立と事業領域の拡大を推進し、現在の中期事業計画の最終年度である2023年3月期の売上高営業利益率として目標としている10%を達成すべく活動してまいります。
再エネシステム販売事業では、当社では内外で拡大する自然エネルギー(太陽光、風力、バイオマス、温泉熱等)分野での最適化機器制御・モニタリング及びその余剰電力を利用したニュービジネスの構築を模索してきました。前期には、当社パートナーである、AURA-Green Energy株式会社及び宮城県仙台市の電気制御機器・ソフトウェア設計の株式会社システム・アイと共同で風力発電機器からの余剰電力を蓄電して、IoTセンサネットワークのコンピューター駆動用サーバーや緊急時防災減災システム等の低コスト化の電源確保を想定したグリーンエネルギー余剰電力マネージング&オペレーション協調操業システム「GEMCOS」の開発および実証試験を東北大学の協力を得て開始しました。余剰となる電力を自在に活用することができる本システムは、非常時のライフライン用電源確保など多岐にわたり応用が見込め、早期の実用化と普及を目指してまいります。
このようなパートナー企業との協業や東北大学との産学連携は、中長期的な競争における当社の強みであると認識しております。今後も再生可能ネルギー事業を中心に、電子・通信機器事業ともシナジーが見込め、この連携を基に多数の新たな事業展開を目指します。
また、発電所の開発・販売におきましては、引き続き太陽光発電所及び小型風力発電所を日本全国にて拡大すべく、社内体制を整え、営業活動をさらに強化し、次期においても引き続き収益の獲得を目指してまいります。
再エネ発電所事業では、固定買取価格制度による売電価格の下落によって太陽光発電所の新規開発から、太陽光発電以外の再生可能エネルギー(風力発電など)の発電所新設にも注力するようシフトしております。地域に密着した太陽光発電所及び小型風力発電所の開発をさらに推進すべく、発電所用地の確保から、電力会社への売電開始まで、一貫した管理体制を整えることで、さらなる建設を進め、地域社会に貢献してまいります。また、次なる事業展開への投資が図れる発電所については売却も実施するなど、業容拡大を積極的に目指しております。
当社グループの方針である「事業投資」に関連した戦略として、海外事業への投資拡大を目指しております。前期ではインドネシアにおける小水力発電事業が二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業に採択され、発電施設が着工となりました。今後も海外事業投資を拡大し、海外での電力普及や温室効果ガス削減にて、社会貢献を増やすことで企業価値の向上を目指します。
(3)会社の対処すべき課題
①電子・通信用機器事業におきましては、移動通信関連については、2020年3月から5G(第5世代移動体通信)のサービスがスタートし、自社製品開発にも、より一層の力を入れて取り組んでおります。通信インフラ関連の整備などは、今後も一層の伸びが予測されます。しかしながら、新型コロナウイルス感染症により対面営業が困難な状況に鑑み、新規の顧客がより興味を持って閲覧、引合いが増加するように、ホームページの刷新・拡充に取り組んでまいります。
また、低価格化、短納期化等の要求は引き続き厳しく、営業力の強化は当然のことながら、コストダウンや納期短縮のため一層の改善が必要に迫られております。
従って、これら分野におきましては、営業体制の強化、コストダウンによる低価格化の実現及び品質の向上を図り、市場競争力を高める一方で、企業体質の改革と強化を行い、業績の向上に邁進してまいる所存であります。
②再エネシステム販売事業の拡大を目指す中で、太陽光発電所について、固定買取価格の引き下げや改正FIT法の影響により売電価格が下落し、案件の需要が減少しております。
これらに対処すべく、一部部材の自社調達による原価低減を図ってまいります。また、買取価格で優位である小型、大型風力発電所等の開発・販売を強化し、売上における風力発電の占める比率を高めてまいります。余剰電力活用システムの実用化による新たな価値創出に取り組んでまいります。
③当社グループの企業理念のひとつである、生まれたキャッシュの「再」投資におきましては、アジアを中心とした海外事業投資にも積極的に取り組んでまいりますが、開拓・推進する機能の強化が課題となります。事業開発の成功を積み重ね、人材の拡充や社内教育を行い、企業価値向上のための体制の強化を目指します。
④当社の事業開発は出資金額に対する内部収益率(IRR)を最重要指標としており、成長のためには財務基盤のより一層の強靭化が必要と認識しております。社内人材の教育によって、資本効率の最大化を追求してまいります。
当社グループといたしましては、中長期に向けて企業価値の拡大並びに利益の最大化に努めるべく引き続き尽力してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新型感染症
新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、今回のコロナウイルスを含めた「新型感染症」の流行によるリスクを新たに認識しております。海外、国内の移動制限などによって各事業計画に遅延が発生する可能性があります。
本リスクに対しましては、当社グループ従業員の感染を防ぐために在宅勤務に必要な環境を導入し、本社では出社人数8割減を達成した状態で業務可能な体制を構築しております。新型感染症による移動制限などが発生する可能性は、今後数年にわたり高いと判断しており、従業員に感染者が発生した場合は当社グループの事業が一時的に制限されることが予想されますが、在宅勤務体制構築に一定の成果が見られることから運営への影響は軽微であると認識しております。
(2) 経済状況
当社グループの営業収入のうち、重要な部分を占める電子・通信用機器事業の製品需要は、国内外の経済状況の変化による通信設備投資需要の影響を受ける可能性があります。又、海外企業の国内市場への参入や、国内企業の海外生産へのシフトによる低価格での製品提供により、価格競争の熾烈化が起こり、当社の市場競争力が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 価格競争
携帯電話設備をはじめ、当社グループの得意とする高周波無線技術を必要とする市場において、国内だけでなく海外企業の参入など、当業界における競争は激化しております。
当社グループでは、通信用機器をはじめ太陽光モジュールにおきましても、技術力に裏付けされた高品質かつ高付加価値製品を提供する一方で、徹底したコスト削減により、市場でのシェアを確保してまいりますが、将来においても優位性を保ち、競争できるという保証はありません。価格面での競争に十分に対抗できないことにより顧客離れが起こることも想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 人材の確保及び育成
当社グループの㈱多摩川電子の将来の成長は、有能なエンジニアに依存するところが大きく、技術力の高いエンジニアの確保及び育成は同社の重要な課題であります。特に、基幹技術であります高周波領域に係るアナログ無線技術者の育成には、長期間の年月を必要とするため、その育成にかかるコスト及び常に高水準の技術を維持し、あるいは最新の技術情報を得るための費用は、人件費を押し上げる要因にもなり、これらのコストの増加が、業績に影響を及ぼす可能性があります。
再生可能エネルギー事業に関しましては、太陽光発電所等の用地確保から、発電所の建設、実際の売電開始に至るまで、専門的な知識を有する人材が必要不可欠です。そのため、当該人材の確保にコストがかかり、業績に影響を与える可能性があります。
(5) 出荷後の製品の欠陥
当社グループの㈱多摩川電子の製品は、携帯電話設備、防災無線設備、放送関連設備、各種通信設備等公共性の高い設備に使用されておりますので、厳格な品質管理のもとに各種の製品の開発・製造を行っております。しかしながら、精密な製品のため戸外での気象条件や設置状況など使用されている環境により、その性能に影響が出る可能性があります。
また、万一、設計・製造に起因する性能劣化が発生した場合には改修等による費用が発生し、業績に影響が及ぶ可能性があります。
(6) 品質低下
当社グループが行う再エネシステム販売、並びに太陽光発電所事業につきましては、納める商品の品質管理には万全を期しておりますが、劣化等に伴い、当初計画との予期せぬかい離が発生する可能性があり、その場合には補償等の問題が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法的規制
当社グループの再生可能エネルギー事業における太陽光発電所事業については、発電所の規模が大きくなればなるほど、森林法、環境法等の法令や条例の規制を受け、その申請手続も複雑かつ多岐にわたると共に、許認可がおりるまでの期間が長引くことが考えられます。
上記の状況から、用地確保から発電所建設に至るまでの期間が予想以上に長引いたり、途中で当該案件を断念せざるを得ない状況に陥ったりすることで、当社グループの業績に影響を与える可能性がありますが、顕在化の可能性は低いと認識しております。
(8) 政府の施策
当社グループにおける再生可能エネルギー事業は、「再生可能エネルギー特別措置法」施行後、産業用太陽光発電システム分野での市場拡大に大きく寄与しておりますが、電力の固定価格買取制度における買取価格の引き下げ(2013年4月から実施済)や、買取年数の短縮等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、経営戦略で述べたように太陽光発電以外の再生可能エネルギー(風力発電など)の発電所新設に注力しております。
(9) 新規事業投資に伴うリスク
当社グループは、かねてより環境関連事業分野への進出を検討しておりますが、当初の計画どおり事業展開が進まなかった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 海外取引に関するリスク
当社グループは、M&Aにより今後も海外子会社等を取得・売却する可能性があります。こうした海外投資、海外事業会社との取引については、次のとおり業績に影響を及ぼす可能性があります。
a.新型コロナウイルス感染症における経済活動制限リスク
現在、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、海外または日本における経済活動が制限され、海外への渡航や海外での移動に支障が生じております。このような事態が長期化した場合、海外投資や海外事業会社との取引に時間を要する可能性があります。
b.カントリーリスク
当社グループは、中国の太陽光モジュールメーカーと取引を行っております。当該地域における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、慣習、テロ等の様々な要因により、今後の事業戦略や当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
c.法的規制リスク
海外取引の拡大により、税率、関税など監督当局による法令の解釈、規制などが強化され、あるいは予期せぬ変更が生じた場合、新たな費用が発生する可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
d.為替変動リスク
海外事業に関し、為替相場の急激な変動により為替差損が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
e.大規模災害等のリスク
当社グループは、中国の太陽光モジュールメーカーと取引を行っておりますが、当該地域における大規模な地震や台風、洪水等の自然災害及び、伝染病、新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
f.瑕疵担保責任リスク
海外取引における品質管理には万全を期しておりますが、瑕疵担保責任等により巨額の損害賠償が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
g.係争・訴訟に関するリスク
当社グループは、業務の遂行にあたり法令遵守などコンプライアンス重視の経営に努めておりますが、国内及び海外事業に関連して、訴訟、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあります。また、商品売買契約に基づく出荷数量、納期等について当社グループに不測の事態が発生し、契約不履行となった場合の契約紛争について、将来重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績ならびに財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(11) M&Aにおけるリスク
当社グループにおいては、グループ全体の事業拡大やグループ事業構成の最適化を図り、シナジーを生み出す可能性が高い案件については、M&A・事業提携を検討して進めております。実施に際しては十分な調査等を行いますが、その後の事業環境や市場動向の大幅な変動や不測の事態により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用情勢に改善が続き、個人消費・設備投資にも持ち直しが見られるなど緩やかな景気回復基調が続いておりますが、通商問題の動向や中国経済の先行き、政策に関する不確実性などが世界経済に与える影響により、依然として不透明な状況で推移しました。
このような経営環境のもと、電子・通信用機器事業につきましては、5G関連市場、公共関連市場を中心とした拡販営業に加え、新規市場や顧客開拓にも力を入れ新たな領域の受注獲得を行ってまいりました。また、引き続き「製品の高付加価値化への取り組み」、「事業領域の拡大・開拓」、「業務提携先との共同開発」を継続的に推進しながら、自社開発品の提案強化を図ってまいりました。
結果、従来のアナログ高周波製品以外に各種業務用無線で使用される光関連製品をはじめ、高速信号処理に不可欠なデジタル信号処理装置、大容量データの無線伝送に必要なミリ波帯域製品等、新規開拓顧客と新しい市場からの引き合いも増加しております。
中でも、2020年3月12日に開示致しました『国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構』殿より公示された『次世代放射光施設の線型加速器用低電力高周波回路及びビームモニタ回路システムの製作』を、一般競争入札において単独で落札するなど、更なる新市場に対しても積極的な取組みを行い、大きな成果を上げております。
移動体通信分野におきましては、5G関連市場をはじめ、高周波コンポーネントの需要が増加しております。
また海外向け移動体通信設備関連につきましても、新規顧客からの引き合い案件が少しずつ増加しております。
公共分野におきましては、災害対策、業務用無線、監視システム向けに、光伝送装置、デジタル信号処理装置等の需要が増加してきておりますので、公共事業分野における更なる需要拡大を図るとともに5G関連市場の設備向け製品開発をはじめとした自社開発品にも積極的に取り組んでまいります。
電子・通信用機器事業全体としての受注状況は対前期比で増加傾向にあり、安定した事業基盤を確立するべく、引き続き当社グループの事業領域の拡大を推進していくとともに自社開発品の提案強化により、収益拡大に向けた活動を継続してまいります。
再エネシステム販売事業におきましては、太陽光発電所及び小型風力発電所の開発・販売を推進してまいりました。また、再エネシステム販売事業においては、天候不良などの理由で建設が遅れていた高圧の太陽光発電所の販売が完了いたしました。収益拡大に向け、引き続き太陽光発電所及び小型風力発電所の開発・販売活動を継続してまいります。
再エネ発電所事業におきましては、稼働済みの太陽光発電所が順調に売電しております。長崎県五島市荒神岳太陽光発電所が2020年3月に太陽光パネル約500kWの増設が完了し、固定買取価格36円で増設分の売電が開始され、発電規模が5,847kWに拡大いたしました。また、次なる事業展開への投資が図れることなどを総合的に判断し、下関豊浦町太陽光発電所を2019年9月に売却し、千葉県館山発電所を2020年3月25日に売却いたしました。当社グループは、次なる柱となる再生可能エネルギー及び環境事業全般について積極的に検討しており、同事業の業容拡大を目指しております。
以上の結果、当連結会計年度における受注高は、4,494百万円(前年同期比30.3%増)、売上高は、6,332百万円(前年同期比64.9%増)となりました。損益面については、営業利益805百万円(前年同期比426.0%増)、経常利益672百万円(前年同期は経常損失79百万円)、減損損失74百万円を計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は、439百万円(前年同期比241.8%増)となりました。
電子・通信用機器事業につきましては、公共関連市場を中心とした販売拡大活動に加え、新規顧客の開拓に注力しております。特に公共分野においては、需要も安定して増加してきており、今後も堅調に推移していくことが予測されます。引き続き当社グループの事業領域の拡大を推進していくとともに自社開発品の提案強化により、収益拡大に向けた活動を継続してまいります。
再エネ発電所事業におきましては、太陽光発電所の開発・販売に加え、小型風力発電所の開発にも積極的に取り組んでおります。今後も地域の特性を生かし、地域に密着した再生可能エネルギーの開発を加速させることでCO2の削減はもとより、地域や社会に貢献し再生可能エネルギーの導入および普及促進に努めてまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a. 電子・通信用機器事業
移動体通信分野と、官公庁及び公共関連分野での受注拡大に注力したことから、受注高は4,334百万円(前年同期比35.6%増)、売上高は3,417百万円(前年同期比19.7%増)となり、セグメント利益は348百万円(前年同期比57.1%増)となりました。
b. 再エネシステム販売事業
太陽光発電所をはじめとした分譲販売に注力しておりますが、固定買取価格の引き下げや改正FIT法の影響により太陽光発電案件等の需要が減少しているため、受注高は159百万円(前年同期比37.0%減)、売上高867百万円(前年同期比119.8%増)、セグメント損失は27百万円(前年同期はセグメント損失83百万円)となりました。
c. 再エネ発電所事業
稼働済みの登別市太陽光発電所、長崎県五島市のメガソーラー発電所及び静岡県島田市のソーラーシェアリング発電所は順調に売電しております。また、次なる事業展開への投資が図れることなどを総合的に判断し、下関豊浦町太陽光発電所を2019年9月に売却し、千葉県館山発電所を2020年3月に売却したことから、売上高2,091百万円(前年同期比239.7%増)、セグメント利益は698百万円(前年同期比294.1%増)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、7,761百万円(前期比37.9%増)となりました。主な内訳は、現金及び預金が2,215百万円、売上債権が1,391百万円、棚卸資産が3,899百万円となっております。
このうち売上債権は、主に大手通信機器メーカーに対するものであります。また、棚卸資産には、当連結会計年度において一部の太陽光発電所の保有目的を変更し、固定資産から科目を振替えたものが含まれております。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、1,640百万円(前期比58.1%減)となりました。主な内訳は、土地、建物や機械及び装置等の有形固定資産が811百万円、無形固定資産が90百万円となっております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、1,961百万円(前期比10.7%減)となりました。主な内訳は、仕入債務が400百万円、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が390百万円となっております。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、3,304百万円(前期比17.6%減)となりました。主な内訳は、長期借入金が368百万円、リース債務が2,289百万円、長期未払金が358百万円となっております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、4,156百万円(前期比23.4%増)となりました。主な内訳は、資本金1,961百万円、資本剰余金1,235百万円、利益剰余金1,034百万円となっております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、長期借入金の返済による支出等があったものの、長期借入による収入や株式の発行による収入等があり、前連結会計年度末に比べ938百万円増加し、1,964百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,499百万円(前年同期は499百万円の資金獲得)となりました。
これは主に、売上債権の減少やたな卸資産の減少などによるものであります。
投資活動の結果獲得した資金は132百万円(前年同期は928百万円の資金獲得)となりました。
これは主に、有形固定資産の売却による収入などによるものであります。
財務活動の結果支出した資金は688百万円(前年同期は2,123百万円の資金支出)となりました。
これは主に、リース債務返済による支出などによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績については、電子・通信用機器事業における5G関連市場、公共関連市場を中心とした拡販営業に加え、新規市場や顧客開拓にも力を入れ新たな領域の受注獲得を行ってきたこと、再エネシステム販売事業における天候不良などの理由で建設が遅れていた高圧の太陽光発電所の販売が完了したこと、再エネ発電所事業において、次なる事業展開への投資が図れることなどを総合的に判断し、下関豊浦町太陽光発電所を2019年9月に売却し、千葉県館山発電所を2020年3月25日に売却したこと等により売上高は6,332百万円(前年同期比64.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績等の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
営業利益は、電子・通信機器事業における製品の高付加価値化への取り組みや再エネ発電所事業における稼動済み発電所が順調に売電していることにより805百万円(前年同期比426.0%増)となりました。
当社グループでは、セグメント毎に中期経営計画を策定し、収益の最大化を目指しております。既存事業の体制を強化しつつ、新規事業への積極的な算入も視野に入れ、2022年3月期までに再生可能エネルギー事業では営業利益27百万円に向けた企業体質の構築を達成目標としております。経営上の目標の達成状況は、当連結会計年度における営業利益は805百万円となり、中期の経営収益の最大化を目指し、事業基盤の再構築に取り組んでまいります。
電子・通信用機器事業の受注は拡大傾向にあり、安定した事業基盤を確立するべく、引き続き当社グループの事業領域の拡大を推進していくとともに自社開発品の提案強化により収益拡大に向けて取り組んでまいります。
また、再エネシステム販売事業においては、今後は一部部材の自社調達による原価低減、新規事業の積極的取り組みを通して再生可能エネルギーのみならず、環境事業全般の総合商社を目指してまいります。
さらに、再エネ発電所事業においては、高いFIT価格の権利を有している小形風力案件や海外アジア圏での再生可能エネルギー発電所の可能性を検討し、同事業のグローバル化を目指してまいります。
当社グループは、事業活動に係る短期的な運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金の他に外部借入により調達しております。一方、設備投資に係る中長期的な資金については、外部借入、リース取引、割賦購入又は新株予約権の発行などにより必要な資金を調達しております。
今後の投資については、電子・通信用機器事業においては、ミリ波ユニットの開発・製造や、再エネ発電所事業における大形風力発電所、小形風力発電所及び海外における小水力発電所などを設備投資計画等に照らし、資金効率を検討しながら取り組んでまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
新型コロナウイルス感染症の影響に関して、当社グループでは、各事業拠点において、厳重な対策を実施した上で事業活動を継続しており、当社グループへの業績への影響への影響は限定的であると見込んでおります。
新型コロナウイルス感染症は、企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予測することは困難でありますが、当社グループでは、外部の情報源に基づき、新型コロナウイルス感染症の影響を織り込んだ結果、軽微であると考えております。
当社グループでは、上述した仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性判断や固定資産の減損判定等の会計上の見積りを行っております。
該当事項はありません。
電子・通信用機器事業は情報通信社会の発展に貢献していくため、高周波無線通信技術をコアとした、要素技術の研究開発を進めております。
研究開発は、今後予測される市場ニーズやマーケット情報に基づいて、モバイル、防災、交通、公共、通信の各分野別に設計部門が中心となって行っております。また、グローバル競争に負けない要素技術の開発や技術改良なども積極的に行い毎月開催される開発会議において、技術情報や開発成果を共有して、いち早く市場投入し受注に結びつけるよう活動しております。
現在従事している技術スタッフは55名で、日常業務をおこなう傍ら研究開発業務を行っております。
研究開発の成果としては、5G関連市場設備向けデバイス、マイクロ波帯デバイス、高電力対応デバイス、アナログ光応用製品、バーンイン試験装置、ミリ波帯製品、デジタル解析技術やソフトウェアなどのアクティブ技術を複合化させた高付加価値の製品です。
再生可能エネルギー事業では、中長期的経営戦略に述べたように、東北大学との産学連携を強化しており、グリーンエネルギー余剰電力マネージング&オペレーション協調操業システム「GEMCOS」の開発および実証試験などの研究を行っております。今後も電子・通信用機器事業も含め、東北大学と共同での研究に力を注いでまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、