当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来の経営基本方針である「3つの安心」の価値観を受け継ぎ、内外環境変化に適応するために発展的に再定義したグループ企業理念「Sysmex Way」及び「Shared Values※」を定めております。
当社グループの進むべき方向性と大切にすべき価値観を表した「Sysmex Way」をグループ全体で実践し、社会からのより厚い信頼と更なる飛躍を目指します。
※ 前連結会計年度において、「行動基準」と表記しておりましたが、名称改定に伴い変更しております。
(2) 経営環境の認識
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され、社会経済活動の正常化が進みつつあり、収益改善が見込まれます。一方で、円安や資源高の一服でコスト増加圧力は和らぐ方向にあるものの、輸出の不振等一部に弱さが見られます。また、世界的な金融引き締めに伴う影響、原油価格の高騰、ウクライナ情勢の長期化、インフレ等の影響が懸念され、先行きが不透明な状況が続いております。
医療を取り巻く環境は、医療の質・サービス向上へのニーズの高まり、人工知能(AI)・情報通信技術(ICT)等の最先端技術のヘルスケア領域への実装が急速に進展しております。加えて、新興国の経済成長に伴う医療需要の拡大等、今後も継続した成長が期待されております。また、グローバルでの新型コロナウイルス感染症のパンデミックを起点とした医療提供体制の在り方や医療環境自体が大きく変化する可能性もあり、医療機能の分散化、医療アクセスの向上、セルフメディケーション領域における新たな価値の創出等、更なる成長機会が見込まれております。
こうした中、当社グループでは、2023年4月より新たな中期経営計画(2024年3月期から2026年3月期まで)をスタートさせました。同期間中における重点アクションの推進により、持続的な成長の実現とそれを支える経営基盤の強化を図ってまいります。
2024年3月期の連結業績予想につきましては、製品ラインアップの拡充や販売・サービス体制の強化等により、売上・利益共に伸張することを想定しており、売上高460,000百万円、営業利益83,000百万円、税引前利益78,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益52,000百万円を予想しております。
(注)算定にあたりましては、通期の為替レートを対米ドル133円、対ユーロ143円で想定しております。
なお、上記予想は、現時点で入手している情報に基づき算定したものであり、様々な要因により変動する可能性があります。
(3) 目標とする経営指標
グループ中期経営計画におきまして、2026年3月期を最終年度として、連結売上高560,000百万円、連結営業利益112,000百万円を達成することを目指します。
(4) 新たな長期経営戦略
今後、医療を取り巻く環境は大きく変化することが予測されております。医療資源を有効に活用するために、医療のデジタル化に加え、医療機能の分散化、予防や個人でのセルフメディケーションが更に重要になると見込まれております。また、医療の高度化による、再生細胞医療や遺伝子治療等、新たな治療法の実用化や医療現場におけるロボット技術の活用が期待されております。
このような中、当社グループでは、グループ企業理念「Sysmex Way」のもと、2033年度を最終年度とする新たな長期経営戦略を策定いたしました。
<長期ビジョン>
「より良いヘルスケアジャーニーを、ともに。」
当社グループは、健康で長生きしたいという人々の普遍的な願いに寄り添い、一人ひとりの身体状態を正確に捉え、個々に最適な医療・サービスが提供されることにより、生涯にわたり健康な状態が維持できる社会の実現を目指します。
「ヘルスケアジャーニー」は当社グループが新たに提唱する概念であります。人が一生の中(ライフステージ)で、自身のヘルスケアについて経験する各種イベントと、医療機関等を含む対応のプロセスを「旅路」として捉えるものであります。「より良いヘルスケアジャーニーの実現」は世界の人々のQOL向上という重要な社会的課題の一つであります。当社グループは、一人ひとりのヘルスケアジャーニーがより良いものになるよう、様々な協創を通じて新たな価値を提供し、社会にとって不可欠な存在として成長していくことを目指します。
当社が、創業以来取り組んでいるダイアグノスティクス事業はヘルスケアジャーニーの中で重要な役割を担うものであります。高い成長と収益性を実現すると共に、更に強化することによる「イノベーションの創出」や新たな価値提供を目指す「新興国市場へのフォーカス」、一人ひとりの最適な治療に不可欠な「個別化診断」、健常・未病・予防のための「個別化予防」、慢性疾患等を持ちながらも日常生活を続けるための「予後モニタリング」に取り組んでまいります。
またダイアグノスティクス事業とは異なる領域である手術支援ロボットや再生細胞医療の治療領域への挑戦等、価値創出できる領域を選択・追加し、当社の成長につなげてまいります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、2023年4月より新たな中期経営計画(2024年3月期から2026年3月期まで)をスタートさせております。2033年に向けた長期ビジョンの実現を目指し、今後3年間で取り組むべき重点アクションを設定し、具体的施策の実行を継続して推進いたします。今後の成長が期待される免疫検査分野への注力、グループ最大の収益源であるヘマトロジー分野における競争力の再強化に取り組みます。また、新興市場においては、市場ニーズに適応した新製品・サービスの開発により、成長機会を確実に獲得いたします。更に、非連続な成長を実現するため、MR(Medical Robot)事業、再生細胞医療事業等を新たに加え、事業領域の拡大に向けた取り組みを推進いたします。
また、新たな価値創造及び企業体質強化に向けたビジネスプロセス改革をグローバルに推進するため、次世代基幹システムやデジタル基盤刷新への取り組みを継続いたします。グループ全体の生産性を向上すると共に、お客様に対する新たなソリューションの創出に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指します。
加えて、地球環境の持続可能性が喫緊の課題となっている中、グローバルに事業を展開する企業として、事業活動における環境への負荷低減が重要な課題の一つだと認識しております。長期的な環境マネジメントの指針として「シスメックス・エコビジョン2033」を策定しており、製品ライフサイクルにおけるCO2排出量や水消費量の削減、環境に配慮したグリーン調達等を継続して推進いたします。このように製品・サービスの提供を通じた医療課題解決に取り組むと共に、環境への配慮や魅力ある職場の実現等、優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)をグループ全体で推進し、多様なステークホルダーの皆様へ安心をお届けすると共に、サステナビリティ経営の実現を目指します。
経営戦略の実行における重要な課題は以下のとおりであります。
<長期ビジョンの実現に向けた取り組み>
① 既存事業領域のイノベーションによる競争力の強化と市場の拡大
免疫検査分野において、全自動免疫測定装置 HISCLTM-5000/HISCL-800の試薬項目の拡充、アルツハイマー型認知症の診断支援を目的としたビジネスの早期事業化を推進いたします。ヘマトロジー分野では、「多項目自動血球分析装置 XRTMシリーズ」のグローバル展開を加速させることで、成長性・収益性の向上を目指します。また、人口増加及び経済成長、医療品質の向上が大きく期待される新興国において、市場ニーズに適した製品の導入を進め、医療アクセスの向上や医療インフラ強化に貢献いたします。特に、インドを重要市場と位置付け、事業企画・製品開発・市場導入を加速させ、新興国における市場シェアの拡大に取り組みます。
また、血液凝固検査分野においては、Siemens Healthcare Diagnostics Inc.とのグローバルOEM契約締結により、機器・試薬を相互に供給する協業体制のもと、顧客価値の更なる向上を目指します。
② 個別化医療領域における、遺伝子検査を中心とした事業化の加速
今後、大きな成長が期待される個別化医療領域において、当社が強みを持つリキッドバイオプシー技術(遺伝子、細胞、タンパク)を活用した新規項目開発に取り組みます。既に当社が有する研究用製品・技術を活用し、個別化医療領域を牽引する技術の商品化及び市場導入への移行を目指します。加えて、既存の検査技術の組み合わせやデータサイエンスの活用により、造血器腫瘍、癌、遺伝性疾患、加齢関連疾患等を対象とした新たな診断ソリューションの創出に取り組みます。
③ 予防・セルフメディケーション領域における新たなビジネスモデルの創出
社会的ニーズが更に高まる予防・セルフメディケーション領域において、より個人を主体とする医療への移行、医療の分散化を背景に、在宅検査・高齢者向け低侵襲検査を可能とする製品・サービスの開発を推進いたします。個人の時系列データ、集団の統計学的データの両面からの初期医療支援、ヘマトロジー等の既存アセットを活かした集団感染の予防やマラリア等の感染症向け検査の充実に取り組み、ユニバーサルヘルスカバレッジを実現してまいります。
④ 治療領域における、MR事業を中心とした事業成長の加速
手術支援ロボット「hinotori™」による外科領域のビジネスを日本で着実に拡大させると共に、グローバル展開に向け、海外薬事承認取得に向けた活動を推進いたします。また、当社が検体検査領域で培った技術やノウハウを活かすことで、再生医療や遺伝子治療等、診断と治療の境界に位置する領域での新たな事業の創出や、革新的なデジタル技術の社会及び医療への実装を見据えたオープンイノベーションを推進し、医療データを利活用した新たな事業の創出にも取り組みます。
⑤ 資源循環型バリューチェーン実現と社会課題解決に向けた変革
2040年のカーボンニュートラルの達成に向け、包装材、消耗品をターゲットに環境配慮材料へと切り替え、脱プラスチックを推進いたします。また、全てのバリューチェーンで4R※によるグリーンイノベーションを創発し、顧客、アライアンスパートナー、他社、サプライヤー等とのオープンイノベーションと共に、資源の無駄を出さない循環型バリューチェーンの変革を行います。また、医療課題の解決、品質の向上、環境配慮への対応強化、ガバナンスの強化等、当社の持続的成長に向けた優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)やサステナビリティ目標に基づき、事業活動を通じた社会課題解決への貢献を通じて、サステナビリティ経営を推進してまいります。
⑥ 人的資本及び経営基盤強化を通じた企業価値の向上
持続的な成長を支える次世代リーダーと高度専門人材の獲得及び育成を通じ、経営戦略に合わせた人的資本ポートフォリオの拡充を図ります。また、スマートワークの推進や公正で魅力的な企業カルチャーの醸成によるエンゲージメントの向上に取り組みます。引き続き、内部統制の仕組み強化とリスクマネジメント機能の最適化によるグループ管理の高度化、DXによる業務プロセスの改善と生産性の向上に取り組みます。
※ 4R:Reduce、Reuse、Recycle、Replace
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
<サステナビリティ経営について>
当社グループは、「事業活動を通じた社会課題解決」と「企業の持続的な成長」をサステナビリティ経営の基本と考えており、長期経営戦略において、サステナビリティ経営の実践に向け、「事業」「技術」「人的資本」「コーポレートマネジメント」「エコソーシャル」の5つの要素で構成される基本戦略を掲げました。「事業」「技術」は更なる成長に向けた取り組み、「人的資本」「コーポレートマネジメント」は企業基盤の強化、そして「エコソーシャル」は企業活動と環境・社会課題解決を同時に目指すための戦略と位置付け、この5つの要素(個別戦略)を互いに連携させることで、サステナビリティ経営を加速させてまいります。
更に、当社グループは、優先して取り組むべきSDGsを特定し重要課題(マテリアリティ)を設定しております。また、マテリアリティの進捗の可視化や実効性の向上に向け、中期経営計画に沿った具体的な目標及び指標を「サステナビリティ目標」として設定し、責任部門の実行計画や活動へ展開しております。
ガバナンスにおいては、半期ごとに取締役会や経営会議等で、各戦略及びサステナビリティ目標について各部門から定期的に報告し、取締役が進捗を確認しております。また、戦略遂行の前提となる事業環境に変化があった場合は迅速に対応するなど、リスクマネジメントに取り組むことで、企業の持続的な成長及びステークホルダーの支持獲得を目指します。
サステナビリティ目標の進捗状況
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マテリアリティ |
実績 |
目標 |
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KPI |
2022年度 |
2025年度 |
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健康社会への新たな価値創出 |
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イノベーションを通じた医療課題解決 |
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ヘマトロジー市場シェア 出所:Clearstate及び当社推計 |
ヘマトロジー分野における単年度の機器・試薬・サービスの市場規模に対する連結売上高比率 |
54.0% |
- |
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|
特許保有件数 |
特許、実用新案、意匠の保有件数の合計 |
3,832件 |
- |
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|
特許出願件数 |
特許、実用新案、意匠の出願件数の合計 |
257件 |
- |
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|
がんゲノム医療解析実施件数※2 |
NCCオンコパネルを用いたがんゲノム医療解析実施件数 |
1.7千件 |
- |
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OSNATM法による乳がん患者検査数 |
乳がん患者に対してOSNATM法(がんリンパ節転移検査システム)を用いた検査の実施件数 |
52千件 |
- |
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|
医療アクセスの向上 |
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新興国・開発途上国売上高 |
新興国・開発途上国の連結売上高 |
1,567億円 |
- |
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責任ある商品・サービス・ソリューションの提供 |
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品質と信頼の追求 |
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リコール件数 |
販売している製品(装置・試薬)を対象として、自主回収・自主改修を実施した件数 |
2件 |
- |
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FDA Warning Letter 件数 |
FDA Warning Letterを受けた数 |
0件 |
- |
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サプライチェーンマネジメントの強化 |
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CSR調査回答率(国内・海外一次サプライヤー) |
原材料一次サプライヤー(国内・海外)に対して、CSR調査に回答したサプライヤーの割合(海外関係会社の直サプライヤーは含まない) |
94% |
90% |
||||||
|
サプライヤー(国内)に対するトレーニング件数※1 |
サプライヤー(国内)を対象とした説明会、研修・トレーニングなどの実施回数(単年度) |
5件 |
5件 |
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|
サプライヤー(国内一次)第三者認証取得率※1 |
原材料一次サプライヤー(国内)の製造や製品品質に関する第三者認証の取得率 |
88% |
- |
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|
魅力ある職場の実現 |
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エンゲージメントの向上 |
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|
エンゲージメントスコア |
企業風土調査結果におけるエンゲージメントに関する項目の好意的回答率 |
71% |
75% |
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|
男性育児休業取得率※1 |
男性従業員(嘱託・パートタイマー含む)のうち、配偶者が出産した男性従業員に対する育児休業取得者の割合 |
62.0% |
65%以上 |
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|
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進 |
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|
女性マネジメント比率(注)1,3 |
シスメックスグループにおける課長級以上の女性比率 |
19.5% |
20%以上 |
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|
障がい者雇用率※2 |
従業員に占める身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者の割合 |
2.31% |
2.65%以上 |
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人材の育成 |
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|
平均教育時間 |
会社が提供する研修を対象とした従業員1人あたりの平均教育時間(オンライン学習含む) |
30.0時間 |
40.0時間 |
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|
健康増進と労働安全の推進 |
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|
年間総労働時間※2 |
正社員1人当たりの年間総労働時間 |
2,022時間 |
1,980時間 |
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|
労働災害度数率※2 |
延べ実労働100万時間あたりの死傷者数の割合 |
0.81 |
0.5未満 |
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|
労働災害強度率※2 |
延べ実労働1,000時間あたりの労働損失日数の割合 |
0.05 |
0.05未満 |
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環境への負荷低減 |
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|
製品ライフサイクルにおける資源循環 |
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|
包装用資材削減率 |
2019年度を基準年度とする包装材料総重量の削減率 |
7%削減 |
- |
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|
事業活動における環境負荷低減 |
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|
製商品廃棄額対売上高比率 |
有効期限切れなどの理由により廃棄となった製商品の廃棄額の対連結売上高比率 |
0.5% |
- |
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マテリアリティ |
実績 |
目標 |
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KPI |
2022年度 |
2025年度 |
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ガバナンスの強化 |
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|
コーポレートガバナンス |
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|
投資家アナリストミーティング数※1 |
機関投資家・証券会社アナリストとのミーティング実施社数 |
597社 |
- |
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|
コンプライアンス |
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|
内部通報件数 |
内部通報受付件数 |
21件 |
- |
|||||
|
倫理違反件数 |
法律に違反した事象、及びグローバルコンプライアンスコード違反があったとして制裁処分が科された事象の合計件数 |
9件 |
- |
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|
リスクマネジメント |
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|
情報リテラシー教育受講者数※2 |
情報セキュリティに関するトレーニングの受講者数(延べ) |
4,900名 |
- |
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|
災害対応訓練参加率※2 |
災害などを想定した安否確認ツールを用いた訓練参加率(長期休業者含む) |
99.4% |
- |
||||||
翌事業年度より新たに掲げたサステナビリティ目標
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マテリアリティ |
目標 |
|||
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KPI |
2025年度 |
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|
健康社会への新たな価値創出 |
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|
イノベーションを通じた医療課題解決 |
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|
ヘマトロジー検査件数 |
CBCテスト数(試薬数ベース) |
- |
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手術支援ロボットによる症例数 |
hinotoriTMを用いた症例数 |
- |
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|
魅力ある職場の実現 |
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|
エンゲージメントの向上 |
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離職率※2 |
正社員のみの離職率(解雇、人員削減、転職、定年等、理由を問わず組織を離れた人の割合) |
10%以下 |
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自発的離職率 |
自己都合の年間退職率 |
- |
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|
育児休業からの復帰率※1 |
育児休暇取得後の職場への復帰率 |
- |
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ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進 |
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|
女性次世代マネジメント比率 |
シスメックスグループにおけるManagerポジションの女性比率 |
- |
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|
女性従業員比率 |
シスメックスグループにおける女性従業員比率 |
- |
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|
管理専門職層の中途採用者比率※1 |
管理専門職ポジションにおける中途採用者の比率 |
- |
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|
採用者の男女比率(新卒、中途)※1 |
新卒採用における女性比率、中途採用における女性比率 |
- |
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|
経営層の女性比率、外国籍比率※1 |
経営層における女性比率、外国籍比率 |
- |
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経営層の女性比率 |
シスメックスグループの経営層における女性比率 |
- |
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管理専門職層の賃金格差(総報酬額)※1 |
平均総報酬額における性別比率(管理専門職層) |
- |
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一般社員層の賃金格差(総報酬額)※1 |
平均総報酬額における性別比率(一般社員層) |
- |
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人材の育成 |
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付加価値生産性※1 |
付加価値生産性÷時間 |
- |
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付加価値生産性 |
付加価値生産性÷人 |
2,250万円 |
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人材育成投資※1 |
人材開発・研修の総投資額 |
2.52億円 |
||||
|
人材育成投資 |
人材開発・研修の総投資額 |
- |
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|
研修への参加率※1 |
各年度の研修を受講した従業員の総数÷総従業員数 |
90%以上 |
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|
研修への参加率 |
各年度の研修を受講した従業員の総数÷総従業員数 |
- |
||||
|
サクセッションプラン有効率※1 |
キーポジションにおける内部登用率 |
- |
||||
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サクセッション・カバレッジ率※1 |
キーポジションにおける後継候補準備率 |
- |
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|
健康増進と労働安全の推進 |
||||||
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有給休暇取得率※2 |
正社員1人当たりの年次有給休暇取得率 |
75%以上 |
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環境への負荷低減 |
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製品ライフサイクルにおける資源循環 |
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プロダクトロスのゼロ化 |
自社製造品、原材料、スペアパーツの未使用廃棄率 (原価/売上のパーセンテージ) |
0.18% |
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リサイクル・環境配慮材料への完全代替 |
容器と包装材のリサイクル・環境配慮材料の利用率 |
60% |
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GHG排出量削減率(Scope3) |
2022年度を基準年度とするGHG排出量(Scope3)の削減率 |
10%削減 |
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事業活動における環境負荷低減 |
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GHG排出量削減率(Scope1,2) |
2022年度を基準年度とするGHG排出量(Scope1,2)の削減率 |
40%削減 |
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再エネ比率 |
再生可能エネルギー使用量の比率 |
75% |
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一人あたりエネルギー使用量削減率 |
2022年度を基準年度とする一人あたりのエネルギー使用量の削減率 |
3%削減 |
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水消費量削減率(主要試薬工場) |
2022年度を基準年度とする試薬生産量あたりの水使用量の削減率 |
23pt削減 |
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総廃棄物量削減率 |
2022年度を基準年度とする連結売上高あたりの事業活動に伴う総廃棄物量の削減率 |
5%削減 |
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※1は当社、※2は国内グループ会社、その他は当社グループが対象であります。
(注)1.有価証券報告書提出日現在の速報値であります。確定値は2023年9月頃公表予定の「シスメックス サス
テナビリティデータブック 2023」をご参照ください。
2.目標を「-」で表示している項目は、目標を設定しないモニタリング項目であります。
3.シスメックス ルース及びシスメックス プロダクション ルースは含まれておりません。
<人的資本>
当社グループは、長期経営戦略の基本戦略のひとつに掲げた「人的資本」において、持続的成長を可能にする人的資本ポートフォリオの最適化と、一人ひとりの自己実現と最高のチームワーク発揮による組織力最大化に取り組むため、それぞれ中期経営計画における目標、指標を設定いたしました。
人的資本ポートフォリオの最適化については、新たな長期経営戦略に基づき、人的資本投資を積極的に行いながら、既存事業領域と新規事業領域を牽引するリーダー人材及び高度専門人材の獲得、育成を推進いたします。更に、事業、地域、機能、技術分野等の要素を考慮しながら、適切な人材の採用、配置の実現に加え、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンへの取り組みも強化し、グループ全体のイノベーション創出を目指します。また、グループ全体のキーポジションについては、その後継者を特定し、計画的に育成を行うほか、グローバル研修の開発を通じて次世代・次々世代のグローバルリーダーの育成を実行してまいります。
また、組織力最大化についても、従業員が健康で“安心”して働ける環境を提供すると共に、生産性向上、付加価値の最大化に向けた取り組みを推進いたします。具体的な施策としては、スマートワーク(いつでも・誰でも・どこでも働く事の出来る多様な価値観を支える環境・仕組み)を発展させ、魅力ある職場を実現いたします。更に、ウェルビーイングの強化に向け、まずは国内において安全衛生への対応を強化するほか、多様な働き方を推奨する体制の構築、新たなテクノロジーを用いた健康的かつ公正で魅力的な企業カルチャーの醸成を図る等、従業員のエンゲージメント及び生産性の向上を目指してまいります。
ガバナンスにおいては、取締役をメンバーに含む人事委員会を定期的に開催し、グループ経営幹部および基幹人材の育成など、グループ人材マネジメントについて、審議、報告を行っており、人的資本を通じて経営基盤強化を図っております。
実効性ある人的資本の活用及び成果のモニタリングのため、サステナビリティ目標の各指標に加え、モニタリング項目を設定して、適時適切な対応を実施いたします。また、これらのデータについては積極的な開示を行い、社内外のステークホルダーとの対話の充実につなげてまいります。
人的資本の主要な指標
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指標 |
実績 |
目標 |
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2022年度 |
2023年度 |
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人的資本の投下に関する項目 (Input) |
人件費(注)1 |
1,106億円 |
1,238億円 |
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要員計画・人員数(注)2 |
11,126人 |
11,867人 |
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新卒採用※ |
104人 |
120人 |
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キャリア採用※ |
108人 |
97人 |
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離職率※ |
2.57% |
3.00%未満 |
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従業員エクスペリエンス・企業カルチャーに関する項目 (Throughput) |
企業風土調査「Sysmex Way」 設問スコア(注)3 |
81% |
- |
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企業風土調査「ウェルビーイング」 設問スコア(注)3 |
72% |
- |
|
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人的資本の活用の成果に関する項目 (Output) |
付加価値生産性÷人 |
1,874万円 |
1,938万円 |
|
付加価値生産性÷時間※ |
13,230円 |
13,482円 |
|
※項目は当社を対象としており、その他は当社グループが対象であります。
(注)1.研究開発費として計上した人件費等も含んでおります。
2.要員計画・人員数は期末時点の人員数であります。また、派遣労働者等を含んだ人員数であります。
3.目標を「-」で表示している項目は、目標を設定しないモニタリング項目であります。
<気候変動>
当社グループは、2040年までにグループの事業所から排出される温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」宣言を行いました。2023年5月に新たに策定した長期環境目標「シスメックス・エコビジョン2033」では、温室効果ガス排出量削減と再エネ比率の目標を設定し、研究開発から生産、物流、廃棄まで製品ライフサイクルのあらゆる段階で、様々な取り組みを継続して推進してまいります。
エコビジョン2033
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KPI |
目標 |
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2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
2033年度 |
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(エコビジョン) |
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CO2排出量の削減 |
温室効果ガス排出量 GHG Scope 1+2 |
30%削減 |
35%削減 |
40%削減 |
55%削減 |
|
温室効果ガス排出量 GHG Scope 3 |
3%削減 |
5%削減 |
10%削減 |
35%削減 |
|
|
再エネ比率 |
65% |
70% |
75% |
90% |
|
基準年度:2022年度
※1 IEA NZE2050、IPCC RCP2.6など。気候変動に対する厳しい対策を取ることにより、産業革命前からの世界の平均気温上昇が1.5℃未満に抑えられるシナリオ。
※2 自社のみならず、原材料や出荷物流などの上流や製品の使用など下流を含めたサプライチェーン全体を分析対象としている。
※3 IPCC RCP8.5など。現状を上回る温暖化対策をとらないことにより、産業革命前からの世界の平均気温上昇が4℃未満となるシナリオ。
当社グループは検体検査に関連する製品及び関連するサービスを提供する「ヘルスケア事業」を主たる事業としており、世界190以上の国や地域のお客様に対し、医療に不可欠な検査を安定的に提供する責任を担っております。そのため、当社グループの業績は、各国・地域で今後起こりうる様々な要因によって大きな影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、リスクマネジメントを事業の継続と発展のためにグループ内外のリスクを組織的・体系的に管理する活動と定義しております。適切にリスクを取り企業活動を推進する一方、経営及びその持続性に影響を与える可能性についてそれぞれの重要度に応じて予防対策及び発生時対策を行い、それらを共有することによりステークホルダーに安心いただけるよう取り組んでおります。
リスクマネジメントを推進する体制としては、当社グループの内部統制・リスクマネジメント全般を統括する「内部統制委員会」を設置しております。委員長は代表取締役社長が務め、担当執行役員及び常勤監査等委員をメンバーとし、社外取締役がオブザーバーを務めております。また、主要なリスク領域においては、下図のようにコンプライアンス委員会等の関連委員会を設置しております。各委員会では全社横断的に活動を推進すると共に、部門・関係会社での取り組み状況を定期的にモニタリングし、内部統制委員会へ報告しております。
当社グループは、リスク全般について定期的に評価を実施し、事業に与える影響が大きいリスクを特定して対策を講じております。中でも業務全般にわたるリスクに関しては、内部統制委員会で対策方針の確認及びモニタリングを行い、戦略の意思決定内容に係るリスクは、グローバル戦略会議、執行役員会議等の経営会議体において審議・決定しております。
また、各地域・関係会社、各部門の活動テーマについても、年度単位でリスクアセスメントを行い、重要なリスクに対する対応計画の立案及び推進を行う等、自律的にリスクマネジメントを運用しております。各地域や各部門の活動内容はリスクマネジメント統括部門に報告され、特に重要な内容は内部統制委員会へ報告されております。
以上のような活動を通じて内部統制委員会に伝達された内容はタイムリーに取締役会へ報告され、必要に応じて取締役会で審議される仕組みとなっております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経済動向の変動に関わるリスクについて
当社グループは比較的需要が安定しているヘルスケアを主たる事業としておりますが、経済情勢による各国政府の医療財政悪化や病院等医療施設における予算の縮小等が発生した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、世界的な物価の高騰や金利の著しい上昇に伴い、生産・流通等を含む幅広い範囲でコストが増加することにより、グループ連結業績へ影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはグローバルに展開した当社のネットワークを活用し、各国・地域における市場環境の変化について継続的にモニタリング・分析すると共に、グループ全体での更なる効率化や付加価値の創出等に関して適切な対応を実施してまいります。
(2) 為替変動に関わるリスクについて
当社グループは海外関係会社及び代理店を経由して各国・地域へ販売を行っており、連結売上高に占める海外売上高の比率は、2022年3月期 84.7%、2023年3月期 85.4%と高い水準で推移しております。海外関係会社の現地通貨建て財務諸表の各項目は、円換算時に為替レート変動の影響を受けております。当社グループの外貨建て資産及び負債の決済及び期末時評価額については、為替予約等によりリスクを軽減させる措置を講じておりますが、予想を上回る為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、2023年3月期における為替変動の年間での影響は、以下のとおりであります。
|
1円変動の影響 |
売上高 |
営業利益 |
|
USD |
703百万円 |
150百万円 |
|
EUR |
534百万円 |
128百万円 |
|
CNY |
4,828百万円 |
3,681百万円 |
(3) 医療制度改革に関わるリスクについて
医療技術の進展、先進国を中心とした少子高齢化、医療の質に対する要望の高まり等の社会環境変化を背景に、医療費の適正化や質の高い医療サービスを効率的に提供するための医療制度改革が継続して進められております。また、コロナ禍を機に医療インフラの比較的脆弱な国においても検査・医療の重要性が再認識され、医療制度改革が加速されると共に、デジタル化等の技術進展により新たなニーズが生まれることが想定されます。当社グループの経営成績及び財政状態は、このような医療制度改革の影響を受ける可能性があります。このため、当社グループのネットワークを活用して様々な環境変化の中から的確に機会を捉えた上、今後も個別化医療に資する診断技術創出等のライフサイエンスの事業化を進める一方、検体検査機器、診断薬、IT、サービス&サポートを合わせたトータルソリューションを提供し、多様化するニーズにきめ細かく対応できるよう努めてまいります。
また、自国産業保護の動きが見られる一部の国において、現地での組立生産や部品・原材料の調達等が必要となる可能性があり、最新情報の把握に努めると共に、現地生産移管に向けた取り組みを継続しております。
加えて、当社の機器・診断薬の大部分は各国の薬事承認や登録が必要であり、各国において規制見直しの動きが加速しており、薬事承認取得に関する要求事項が複雑・高度化する一方、規制緩和に向けた動きも見受けられます。このような変化への対応が遅れた場合には、市場獲得機会の損失や対応コストが増加する可能性があると共に、製品のタイムリーな供給に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、各国業界団体への参画等を通じて法規制に関する最新情報の把握に努めると共に、当社のネットワークを活用したグローバルな薬事承認取得体制により、薬事承認の適時的確な取得・維持に取り組んでおります。
(4) 知的財産権に関わるリスクについて
当社グループは、特許、商標、意匠等をグローバルに出願しておりますが、一部又は全ての国で権利が付与されない可能性があります。また、当社グループの保有する知的財産権が無断使用された場合に、その無断使用を防ぐために講じる手段が十分には機能しない可能性があります。一方、第三者の知的財産権に関して、当社グループに正当性があるか否かに関わらず、訴訟を提起されたり、ロイヤルティの支払いを要求される等の知的財産紛争が起こる可能性があります。
当社グループでは、グローバルコンプライアンスコード及び従業員への知的財産に関する教育を通じて、当社グループ及び第三者の知的財産権を尊重しながら事業活動を推進するよう努めております。また、知的財産レビューシステムを導入し、研究開発・事業に即した知的財産権の獲得を進めると共に、第三者の知的財産権に関する知財紛争の可能性を低下させるよう、取り組んでおります。
(5) 製品の品質に関わるリスクについて
当社グループが提供する検体検査機器製品及び診断薬製品等には高い信頼性が要求されるため、万全の品質管理体制の下、製品の品質保証に取り組んでおります。しかしながら、万が一製品に品質問題が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、各国の法令・国際規格等に準拠する品質を維持するための仕組みの整備・運用はもとより、国内外の市場及び社内からの信頼性や安全性に関する情報を調査・分析し、設計品質の向上につながる技術情報の蓄積、新製品の量産開始・市場導入前の品質チェックに生かすことによって、品質保証の強化に取り組んでおります。
(6) 気候変動等の環境に関わるリスクについて
持続可能な社会の実現に向け、企業の社会的責任がますます重要となる中、当社においても気候変動等への対応は重要な課題の一つであります。温室効果ガス増加による気候変動は、大規模な風水害、干ばつ、生物多様性へ甚大な影響をもたらし、原材料の調達や物流網の遮断・混乱等、製品をグローバルに安定供給する上でのリスクとなる可能性があります。また、欧米を中心に輸入関税や入札条件への環境規制が強化される傾向にあります。
このような中、当社グループでは「ヘルスケア分野に関わる企業として、地球環境保全活動を通じて、豊かな健康社会づくりに貢献する」という環境方針に基づき、長期的な環境マネジメントの指針として『シスメックス・エコビジョン2033』を策定すると共に、ステークホルダーと協創し、グループ全体で循環型社会の実現に貢献することをビジョンに掲げ、環境配慮型製品・サービスの創出、水消費量削減や廃棄物量削減、リサイクル率向上等を推進しております。
また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同しており、そのフレームワークに基づき気候関連リスクと機会を評価、管理し、情報開示の充実に努めております。また、2040年までに事業所から排出される温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル目標を新たに設定しました。今後更に、SBT(Science Based Targets)に基づく目標の設定を行い、取り組みを加速させてまいります。
(7) 製品の安定供給に関わるリスクについて
当社グループでは、検体検査機器及び診断薬等を世界各国のお客様に対し供給しており、市場への製品の安定的供給に努めております。しかしながら、急激な市況の変化やサプライヤーの事業停止等により、部品・原材料等の調達が困難な場合や、生産工場を含むサプライチェーン拠点が大規模な自然災害や感染症等の発生、また、火災等の重大な事故で罹災した場合には、市場への製品供給に支障を及ぼす可能性があります。部品・原材料等は在庫の確保や複数社購買等によるリスク回避に努め、サプライチェーン拠点での災害等に対する予防、復旧対策の充実に取り組んでおります。
特に、当社グループ売上高の60.3%(2023年3月期)を占める診断薬に関しては、復旧期間を考慮したBCP対策用の在庫維持や複数の生産拠点での生産を行っており、更に主力事業であるヘマトロジー分野の診断薬については、欧州・米州・中国・日本の主要拠点間で供給ネットワークを構築し、安定供給を継続できる体制を整えております。
(8) 情報システム・セキュリティに関わるリスクについて
当社グループでは、情報伝達や基幹業務支援、稟議等の決裁手続に各種情報システムを導入しており、事業上の情報の多くはネットワークを介しております。
そのため、情報システムやネットワーク回線の障害、あるいはコンピュータウイルスや外部からの情報システムへの侵入等による業務への影響を最小限に抑えるために、不正通信検知やマルウェアの隔離等の仕組みの導入、24時間の監視、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)の設置、有事や重大インシデントに対する脅威情報の早期入手のための外部団体加盟等によるセキュリティ対策やIT-BCP(事業継続計画)の充実のほか、厳格なユーザー管理やアクセス制限等の内部統制の強化に取り組んでおります。
また、当社グループでは、お客様や患者さんに確かな安心をお届けするために、製品・サービスにおけるサイバーセキュリティ対策も進めております。「製品セキュリティポリシー」を定め、製品サイバーセキュリティ委員会及びPSIRT(Product Security Incident Response Team)を設置し、各地域の製品セキュリティ責任者との連携を通じて、セキュリティポリシーに基づいた製品の設計・製造、及び市販後の脆弱性管理に取り組んでおります。
(9) 企業買収等に関わるリスクについて
当社グループでは、持続的成長や事業展開の加速のためM&Aや資本提携等を実施することがあります。これら のM&A等の実施においては事前に十分な調査を行い、経営会議体等で審議した上で当社の負担するリスクを限定するよう努めております。しかしながら、対象企業の経営環境や事業の変化、事前調査において判明しなかった情報の露呈や買収後の対象企業の経営環境や事業の変化等の影響を受け、期待されていた効果等が実現されない可能性があります。
(10) 新型感染症の拡大に関わるリスクについて
新型コロナウイルス感染症の流行は収束傾向にあり、各国での規制も概ね緩和されつつあります。しかしながら、再度変異株ウイルスの流行や新たな感染症等による感染拡大が発生した場合には、医療機関での検査数減少や物流網・原材料調達等における混乱、人材や労務環境の維持・継続困難に起因する生産性低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これまでのコロナ禍における経験をもとに、感染症における事業継続計画を策定し製品の安定供給、お客様へのサービス活動の継続、従業員の安全確保等が継続できるよう努めております。更に、当社ではリモートワーク等の有事に柔軟に対応できる勤務形態の構築を行い、感染症拡大時に限らず各従業員のライフスタイルに合わせた新しい働き方の一助としております。また、新型コロナウイルス感染症の診断で使用される診断薬等、新たな検査需要に応えるべく、製品の開発・販売を行い、受託検査ラボの開設等の検査体制構築による感染拡大防止も推進しており、今後も医療課題解決に貢献してまいります。
(11) その他のリスクについて
当社グループは、製造、販売・サービス、研究開発等の活動をグローバルに展開しており、世界中に拠点を有しております。これらの拠点や周辺地域において、地震・風水害等の大規模な自然災害が発生し、当社グループの設備・インフラ及び人材において甚大な被害が生じることにより事業活動が制限される可能性があります。また、地政学的な緊張により、貿易摩擦が生じて輸出入規制が厳格化されたり、今般のロシアによるウクライナ侵攻をはじめとする国家間紛争が発生した場合等においては、市場への製品供給が中断し、業績へ影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではグローバルでの情報連携を通じて各国・地域の情勢をモニタリングしており、安全保障に関する輸出入規制等を遵守し、安全確保の上、人道支援・医療に貢献する当社製品の供給が中断することがないよう対策を推進しております。
今後も刻々と変化する世界情勢に対して注意深く情報収集・モニタリングを行い、当社への影響や必要な対応を適時検討してまいります。
1.経営成績等の概要
(1) 経営成績の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の抑制と社会経済活動の両立が進み、回復へ持ち直す動きが見られますが、依然として継続的な資源・エネルギー価格の高騰や急激な為替変動等、先行きが不透明な状況が続いております。海外においても、新型コロナウイルス感染症による影響の緩和と経済活動の正常化が進む一方で、中国における断続的なロックダウンや、ウクライナ紛争の長期化、資源・エネルギー価格の高騰等、引き続き不透明な状況が継続いたしました。
医療面におきましては、国内では医療及びヘルスケア分野は高齢化や健康・医療ニーズの多様化を背景に、需要が高まっております。政府も成長戦略の一つとして「次世代ヘルスケア」を挙げており、引き続き活性化が見込まれております。海外においても先進国の高齢化や新興国の経済成長に伴う医療需要の拡大と医療の質・サービス向上へのニーズの高まりに加えて、人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)等の最先端技術のヘルスケア領域への実装が急速に進展しており、今後も継続した成長が期待されております。
このような状況の下、当社は血液凝固検査分野において、シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティックス社とのグローバルOEM契約を締結いたしました。本契約のもと、両社は、血液凝固検査分野の機器・試薬を相互にOEM供給し、各々のブランドでグローバルに販売いたします。今後両社は、この協業により実現する世界トップクラスの豊富な血液凝固検査製品群と、各々の強みを組み合わせた効果的なソリューションをグローバルに提供することで、多様化するお客さまのニーズにお応えいたします。
また、微量の血液からアルツハイマー病の原因となる脳内アミロイドβ(Aβ)の蓄積状態を調べる検査試薬について、日本において製造販売承認を取得いたしました。これにより、アルツハイマー病の特徴の一つである脳内Aβの蓄積状態の把握の補助が可能となります。また、本製品は従来の検査方法と異なり、血液にて検査ができるため、検査に伴う身体的・精神的・経済的負担の軽減や早期診断・治療方針決定に貢献することが期待されます。今後、本製品の保険適用を目指した取り組みと共に、早期の市場導入に向けた準備を進めてまいります。
加えて、「OncoGuide™ NCCオンコパネル システム」について、大鵬薬品工業株式会社が開発中の分子標的薬フチバチニブ※1の胆道がん※2患者さんへのコンパニオン診断として、2023年2月に一部変更承認を取得いたしました。当社は、2018年にがんゲノムプロファイリング検査※3として日本で初めて本システムの製造販売承認を受け、いち早く医療機関へお届けすると共に、国内完結型のがんゲノム医療の推進に貢献してまいりました。今回の承認により、本システムを用いて胆道がん患者さんへのフチバチニブに対する適応判定を補助することが可能となり、将来的に保険診療下で本検査を提供することが可能となれば、局所進行又は転移性の胆道がんの患者さんへ新たな治療の選択肢を提供できることが期待されます。
更に、日本発の手術支援ロボットシステム「hinotori™ サージカルロボットシステム」のグローバル総代理店である当社は、日本の医療機関を対象に製品導入を推進しており、2022年10月に消化器外科及び婦人科への適応拡大について厚生労働省より承認を取得し、また、2022年12月には同領域において保険適用となりました。今後新たな領域においても製品導入を推進してまいります。また、海外市場導入にむけた薬事・販売・サービス体制等の準備も継続して進めてまいります。
※1 フチバチニブ(Futibatinib、開発コード:TAS-120):
化学療法の前治療歴がある胆道がん患者さんを含む、FGFR1-4遺伝子異常を持つ進行固形がんへの治療薬として、大鵬薬品工業株式会社が開発中の新規経口抗がん剤。2022年9月には「前治療歴を有するFGFR2融合遺伝子又はその他の再構成を伴う切除不能な局所進行又は転移性肝内胆管がん」の適応で米国食品医薬品局(FDA)より迅速承認を取得している。
※2 胆道がん:
胆道に発生するがんの総称で、発生部位により、胆管がん(肝臓内の胆管に発生する肝内胆管がんを含む)、胆のうがん、乳頭部がんに分類される。
※3 がんゲノムプロファイリング検査:
進行胆道がんを含む固形がんを解析対象とした腫瘍組織の包括的ながんゲノムプロファイルを取得することで、患者さんのがん固有の遺伝子異常を解析し、診断や効果が期待される抗がん剤の選定等治療方針の決定に有用な情報を提供する検査。
<参考>地域別売上高
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比 (%) |
|||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
|||
|
国内 |
55,618 |
15.3 |
59,832 |
14.6 |
107.6 |
|
|
|
米州 |
83,655 |
23.0 |
105,905 |
25.8 |
126.6 |
|
|
EMEA |
101,528 |
27.9 |
111,376 |
27.1 |
109.7 |
|
|
中国 |
93,373 |
25.7 |
96,902 |
23.6 |
103.8 |
|
|
アジア・パシフィック |
29,604 |
8.1 |
36,485 |
8.9 |
123.2 |
|
海外計 |
308,161 |
84.7 |
350,669 |
85.4 |
113.8 |
|
|
合計 |
363,780 |
100.0 |
410,502 |
100.0 |
112.8 |
|
国内販売につきましては、主に新型コロナウイルス感染症の検査に関する免疫検査分野の試薬の売上が増加したことに加え、ヘマトロジー分野及びメディカルロボット事業分野における機器の売上が増加いたしました。その結果、国内売上高は59,832百万円(前期比7.6%増)となりました。
海外販売につきましては、前期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けましたが、検査需要の回復に伴い、主にヘマトロジー分野、尿検査分野及び血液凝固検査分野における試薬の売上が増加したことに加え、為替相場が円安に推移した結果、当社グループの海外売上高は350,669百万円(前期比13.8%増)、構成比85.4%(前期比0.7ポイント増)となりました。
また、販売費及び一般管理費につきましては、前期は全地域において新型コロナウイルス感染症拡大に伴い活動制限等の影響がありましたが、主に販売・サービス活動の再開に伴い増加し、112,371百万円(前期比19.2%増)となりました。加えて、研究開発費につきましては、積極的な開発投資に伴い増加し、31,060百万円(前期比16.0%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は410,502百万円(前期比12.8%増)、営業利益は73,679百万円(前期比9.3%増)、税引前利益は68,713百万円(前期比6.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は45,784百万円(前期比3.8%増)となりました。
セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。
① 日本
主に新型コロナウイルス感染症の検査に関する免疫検査分野における試薬の売上が増加したことに加え、メディカルロボット事業分野における機器の売上が増加いたしました。その結果、売上高は63,300百万円(前期比6.0%増)となりました。
利益面につきましては、販売費及び一般管理費、研究開発費が増加いたしましたが、増収及び売上原価率の改善により、セグメント利益(営業利益)は51,344百万円(前期比34.2%増)となりました。
② 米州
北米において、検査需要の回復及び機器販売が伸長したこと等により、ヘマトロジー分野における機器、試薬及び保守サービスの売上、尿検査分野における試薬の売上が増加いたしました。中南米においても、機器販売が伸長したこと等により、ヘマトロジー分野及び尿検査分野における機器及び試薬の売上が増加いたしました。その結果、米州全体における売上高は100,807百万円(前期比27.7%増)となりました。
利益面につきましては、売上原価率の悪化及び販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益(営業利益)は4,064百万円(前期比12.1%減)となりました。
③ EMEA
検査需要の回復及び機器販売が伸長したこと等により、ヘマトロジー分野、尿検査分野及びライフサイエンス分野における機器及び試薬の売上が増加いたしました。その結果、売上高は113,274百万円(前期比10.6%増)となりました。
利益面につきましては、売上原価率が改善いたしましたが、販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益(営業利益)は8,392百万円(前期比31.8%減)となりました。
④ 中国
中国各地において大規模なロックダウンが実施されたこと等により、ヘマトロジー分野及び尿検査分野における機器の売上が減少いたしましたが、ヘマトロジー分野及び血液凝固検査分野における試薬の売上が増加いたしました。その結果、売上高は96,797百万円(前期比3.8%増)となりました。
利益面につきましては、売上原価率の悪化及び販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益(営業利益)は9,968百万円(前期比13.9%減)となりました。
⑤ アジア・パシフィック
検査需要の回復及び機器販売が伸長したこと等により、ヘマトロジー分野における機器及び試薬の売上、尿検査分野における試薬の売上が増加いたしました。その結果、売上高は36,322百万円(前期比23.7%増)となりました。
利益面につきましては、販売費及び一般管理費が増加いたしましたが、増収及び売上原価率の改善により、セグメント利益(営業利益)は3,456百万円(前期比58.8%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて47,367百万円増加し、531,074百万円となりました。この主な要因は、営業債権及びその他の債権が7,622百万円増加、棚卸資産が11,365百万円増加、無形資産が16,270百万円増加したこと等によるものであります。
一方、負債合計は、前連結会計年度末と比べて8,063百万円増加し、142,718百万円となりました。未払法人所得税が1,849百万円増加、その他の短期金融負債が2,055百万円増加、契約負債が1,616百万円増加したこと等によるものであります。
資本合計は、前連結会計年度末と比べて39,303百万円増加し、388,356百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が28,482百万円増加、その他の資本の構成要素が10,615百万円増加したこと等によるものであります。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の72.0%から1.0ポイント増加して73.0%となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末より4,291百万円減少し、69,460百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動の結果得られた資金は、68,835百万円(前期比10,095百万円増)となりました。この主な要因は、税引前利益が68,713百万円(前期比4,366百万円増)、減価償却費及び償却費が31,807百万円(前期比4,375百万円増)、営業債権の増加額が2,980百万円(前期比7,316百万円減)、棚卸資産の増加額が10,558百万円(前期比1,936百万円減)、法人所得税の支払額が24,281百万円(前期比9,576百万円増)となったこと等によるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動の結果使用した資金は、51,751百万円(前期比16,699百万円増)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出が17,485百万円(前期比4,717百万円増)、無形資産の取得による支出が25,020百万円(前期比5,753百万円増)、資本性金融商品の取得による支出が5,189百万円(前期比4,869百万円増)となったこと等によるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動の結果使用した資金は、24,234百万円(前期比3,692百万円増)となりました。この主な要因は、配当金の支払額が16,528百万円(前期比1,270百万円増)、リース負債の返済による支払額が7,959百万円(前期比1,381百万円増)となったこと等によるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメント毎に示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本 |
61,487 |
109.7 |
|
米州 |
4,461 |
126.8 |
|
EMEA |
7,122 |
115.5 |
|
中国 |
4,029 |
195.2 |
|
アジア・パシフィック |
1,077 |
149.0 |
|
合計 |
78,176 |
114.1 |
(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
日本 |
63,300 |
106.0 |
|
米州 |
100,807 |
127.7 |
|
EMEA |
113,274 |
110.6 |
|
中国 |
96,797 |
103.8 |
|
アジア・パシフィック |
36,322 |
123.7 |
|
合計 |
410,502 |
112.8 |
(注)セグメント間の内部売上高は相殺消去しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は前期比46,721百万円増加(12.8%増)の410,502百万円、営業利益は前期比6,262百万円増加(9.3%増)の73,679百万円、税引前利益は前期比4,366百万円増加(6.8%増)の68,713百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比1,691百万円増加(3.8%増)の45,784百万円となりました。また、親会社所有者帰属持分当期利益率は前連結会計年度の13.5%から当連結会計年度は12.4%へと低下いたしました。
当社グループは、前中期経営計画において2024年3月期を最終年度として、連結売上高420,000百万円、連結営
業利益80,000百万円を達成することを目指し、2023年3月期の目標数値を、連結売上高420,000百万円、連結営業
利益77,000百万円としておりました。その結果、当連結会計年度の売上高及び営業利益は、計画を下回るもそれぞれ増収、増益を達成いたしました。
こうした中、2023年4月より2026年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画をスタートしており、長期ビジョン「より良いヘルスケアジャーニーを、ともに。」の実現を目指して引き続き重要な課題に取り組み、2026年3月期の経営指標(連結売上高560,000百万円、連結営業利益112,000百万円)を達成することを目指します。
① 売上高
当連結会計年度は、国内販売につきましては、主に新型コロナウイルス感染症の検査に関する免疫検査分野の試薬の売上が増加したことに加え、ヘマトロジー分野及びメディカルロボット事業分野における機器の売上が増加いたしました。その結果、国内売上高は59,832百万円(前期比7.6%増)となりました。海外販売につきましては、前期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けましたが、検査需要の回復に伴い、主にヘマトロジー分野、尿検査分野及び血液凝固検査分野における試薬の売上が増加したことに加え、為替相場が円安に推移した結果、当社グループの海外売上高は350,669百万円(前期比13.8%増)、構成比85.4%(前期比0.7ポイント増)となりました。以上により、売上高は前連結会計年度に比べて46,721百万円増加(12.8%増)の410,502百万円となりました。
国内での売上高は59,832百万円と4,213百万円の増加(7.6%増)となり、海外での売上高は350,669百万円と42,508百万円の増加(13.8%増)となった結果、海外売上高比率は前期比0.7ポイント増加の85.4%となりました。
海外の地域別では、米州が105,905百万円(前期比22,250百万円増、26.6%増)、EMEAが111,376百万円(前期比9,848百万円増、9.7%増)、中国が96,902百万円(前期比3,528百万円増、3.8%増)、アジア・パシフィックが36,485百万円(前期比6,880百万円増、23.2%増)となりました。
② 売上原価
売上原価は、前期比21,224百万円増加(12.3%増)の194,419百万円となりました。また、売上原価率は47.4%(前期比0.2ポイント減少)でありました。
③ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、前期は全地域において新型コロナウイルス感染症拡大に伴い活動制限等の影響がありましたが、主に販売・サービス活動の再開に伴い増加し、前期比18,136百万円増加(19.2%増)の112,371百万円となりました。また、売上高に対する比率は27.4%(前期比1.5ポイント減少)でありました。
④ 研究開発費
研究開発費は、商品ポートフォリオ充実のために新商品の開発及び新型コロナウイルス感染症関連の分野を中心に研究開発を推進したこと等により、前期比4,275百万円増加(16.0%増)の31,060百万円となりました。また、売上高に対する比率は7.6%(前期比0.2ポイント増加)でありました。
⑤ 損益の状況
営業利益は売上高の増加及び原価率の改善による売上総利益の伸張等により前期比6,262百万円増加(9.3%増)の73,679百万円、売上高営業利益率は17.9%(前期比0.6ポイント減少)となりました。なお、為替の影響は、前連結会計年度と比較して16,913百万円の増益要因となりました。
税引前利益は、為替差損が1,339百万円(前期は為替差益が850百万円)となり、営業利益が増益となったこと等によって、前期比4,366百万円増加(6.8%増)の68,713百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、法人所得税費用が前期比2,713百万円増加(13.4%増)の22,988百万円となり、前期比1,691百万円増加(3.8%増)の45,784百万円となりました。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループが事業を展開していく上で、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性のある事項については、「3 事業等のリスク」に記載しておりますので、ご参照ください。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金調達と流動性マネジメント
運転資金は必要に応じて短期銀行借入等で調達いたします。各連結子会社については、運転資金確保のために必要に応じて銀行借入を行いますが、国内の子会社については、2003年10月より当社と各社との資金決済にCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、資金の調達・運用を一元化して効率化を図っております。
また、当社は、現在、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりAA-(ダブルAマイナス)の発行体格付を取得しており、毎年レビューを受けて格付を更新しております。高い格付は資本市場から資金調達する際の調達コストを低減するだけではなく、ステークホルダーや世間一般からの信用向上にも貢献します。今後も格付を維持・向上していくために、売上高・利益と資産及び負債・資本のバランスに考慮してまいります。
設備投資等の長期資金需要に関しては、投資回収期間とリスクを勘案したうえで調達方法を決定しております。なお、当連結会計年度は、設備投資及び研究開発活動等の資金について、主に営業活動の結果得られた資金から充当しております。
② 財政状態の分析
財政状態の分析については、「1.経営成績等の概要 (2) 財政状態の分析」に記載しておりますので、ご参照ください。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「1.経営成績等の概要 (3) キャッシュ・フローの分析」に記載しておりますので、ご参照ください。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 3.重要な会計方針」に記載しておりますので、ご参照ください。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルスの影響に関して、翌連結会計年度以降の業績に対する影響は限定的であるとの仮定に基づき、当連結会計年度において会計上の見積りを行っており、その結果、当連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響は軽微なものと判断しております。
・アライアンス契約
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契約会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
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当社 |
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティックス社 |
米国 |
血液凝固検査関連製品の相互グローバルOEM供給(注1) |
自 2023年3月1日 至 2038年2月28日 |
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当社 |
ロシュ・ダイアグノスティックス社(以下、ロシュ社) |
スイス |
当社とロシュ社とのグローバルパートナーシップ(注2) |
自 2021年1月1日 至 2030年12月31日 |
(注)1.本契約には以下の個別契約を含んでおります。
血液凝固検査関連製品の相互供給、販売及びサービスに関する契約(契約期間:自2021年2月1日 至 2025年12月31日)
2.本契約には以下3つの個別契約を含んでおります。
・ロシュ社による当社のヘマトロジー分野製品の販売・サービスに関する契約(契約期間:自 2021年1月1日 至 2026年8月31日)
・生化学検査分野、免疫検査分野及びヘマトロジー分野製品を1社から同時に求められる案件に関する非独占協業契約(契約期間:自 2021年1月1日 至 2030年12月31日)
・両社のITプラットフォームを活用し、短中期的には顧客サービスの向上を、長期的にはクリニカルバリューの向上を狙いとした協業検討に関する契約(契約期間:自 2021年1月1日 至 2030年12月31日)
当社グループは既存の体外診断領域の拡充を図ると共に、個人毎の特性に応じた個別化医療の推進と、より患者さんの近くで検査を提供するプライマリケアの推進に取り組んでおります。
個別化医療においては、医薬品の投与に関わるコンパニオン診断薬の開発や、血液等の体液からより多くの情報を得るためのリキッドバイオプシー技術の開発に取り組んでおり、プライマリケアにおいては、患者負担の少ない検査法の樹立や、装置の小型化、操作性の向上を目指した開発等に取り組んでおります。
当連結会計年度における、主な研究開発活動の状況は以下のとおりであります。
(1) 2022年5月 当社は、尿路感染症※1を対象とした迅速な薬剤感受性検査※2の臨床実装を加速させると共に、薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)※3対策への取り組み等、医療課題の解決に貢献するべく、持分法適用関連会社であるAstrego Diagnostics ABの株式を追加取得し、当社の完全子会社といたしました。
※1 尿路感染症:
腎臓から尿の出口までを「尿路」と言い、尿路に細菌が進入し炎症が生じたものを尿路感染症という。膀胱では膀胱炎、腎臓では腎盂腎炎を引き起こす。
※2 薬剤感受性検査:
検体から検出された病原菌に対する各種抗菌薬の効能を調べる検査。
※3 薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance):
生物が自分に対して何等かの作用をもった薬剤に対して抵抗性を持つことで、これらの薬剤が効かない、もしくは効きにくくなる現象。この薬剤耐性を獲得した細菌のことを薬剤耐性菌という。
(2) 2022年5月 当社は、全自動免疫測定装置HISCL™-5000/HISCL-800を用いて血液中のアミロイドβを測定し、脳内アミロイドβの蓄積状態の把握を補助する検査試薬について、欧州の体外診断用医療機器指令(IVD指令)の自己宣言を完了いたしました。
(3) 2022年6月 当社は、遺伝性網膜ジストロフィー※4の患者さんの血液から、関連遺伝子を対象とした複数の遺伝子変異情報を次世代シークエンサー※5を用いて検出・解析し、原因遺伝子に応じた治療計画やロービジョンケア※6計画の策定及び科学的根拠に基づく遺伝カウンセリングを補助する遺伝子パネル検査システムについて、製造販売承認申請を実施いたしました。
※4 遺伝性網膜ジストロフィー(Inherited Retinal Dystrophy:IRD):
遺伝子変異が原因と考えられる遺伝性進行性の疾患。類似の症状を示すいくつかの疾患を総じて遺伝性網膜ジストロフィーと呼ぶ。夜盲(暗いところでものが見えにくなる)や視野狭窄(視野が狭くなる)、視力低下が主な症状であり、進行すると場合によっては失明に至ることもある。頻度は4,000~8,000人に1人とされ、代表的な疾患は網膜色素変性症(指定難病:告示番号90)である。
※5 次世代シークエンサー(NGS):
DNAの塩基配列を、同時並行で大量に読み取る解析装置。
※6 ロービジョンケア:
視覚に障害があるため、生活上何らかの支障がある方に対し、よりよく見るための工夫や機器の紹介、進路や就労を含む様々な相談・情報提供、福祉制度の利用等、多岐にわたる支援を行う。
(4) 2022年7月 当社は、ヘマトロジー分野におけるフラッグシップモデル「多項目自動血球分析装置 XR™シリーズ」と接続可能な新たな検体搬送システム商品群「バーコードターミナル BT-50」、「検体並び替え装置 TS-01」、「検体保管装置 TA-01」を発売いたしました。
(5) 2022年8月 当社は、ソフトウェアの設計開発機能の強化により、開発スピード向上に取り組むべく、ソフトウェア開発会社である株式会社ピロートの株式を取得し、当社の完全子会社といたしました。
(6) 2022年9月 当社は、遺伝子変異解析セット「OncoGuide™ NCC オンコパネル システム」に関して、FGFR2※7融合遺伝子を含む遺伝子再構成を有する進行胆道がん※8の患者さんに対するコンパニオン診断として、製造販売承認事項の一部変更申請を実施いたしました。
※7 FGFR2遺伝子:
FGFR(fibroblast growth factor receptor)はFGFR1-4の4種類が同定されており、細胞の成長や増殖に関わる線維芽細胞増殖因子受容体と呼ばれるタンパク質である。FGFR遺伝子異常には、融合、変異、増幅等があり、これら遺伝子異常により機能が活性化されると、がん細胞の増殖、生存、遊走、腫瘍血管新生、薬剤耐性等に結び付くと考えられている。
※8 胆道がん:
胆道に発生するがんの総称で、発生部位により、胆管がん(肝臓内の胆管に発生する肝内胆管がんを含む)、胆のうがん、乳頭部がんに分類される。
(7) 2022年9月 当社は、尿沈渣検査分野における新製品「全自動尿中有形成分分析装置 UF-1500」を発売いたしました。
(8) 2022年10月 当社とJCRファーマ株式会社は、造血幹細胞をはじめとする幹細胞やその他の細胞を用いた再生医療等製品の研究開発、製造及び販売を行うAlliedCel株式会社を共同で設立いたしました。
(9) 2022年10月 当社は、遺伝子増幅検出試薬「リノアンプ™CK19」に関して、子宮頸がん・子宮体がんのリンパ節転移検査に適応拡大する製造販売承認事項の一部変更申請について、承認を取得いたしました。
(10) 2022年12月 当社は、血液中のアミロイドβ(Aβ)を測定する検査試薬「HISCL β-アミロイド 1-42 試薬」及び「HISCL β-アミロイド 1-40 試薬」について、体外診断用医薬品として国内での製造販売承認を取得いたしました。
(11) 2023年2月 当社は、「OncoGuide™ NCCオンコパネル システム」について、大鵬薬品工業株式会社が開発中の分子標的薬フチバチニブ(一般名)※9の胆道がん患者さんへのコンパニオン診断として一部変更承認を取得いたしました。
※9 フチバチニブ(Futibatinib、開発コード:TAS-120):
化学療法の前治療歴がある胆道がん患者さんを含む、FGFR1-4遺伝子異常を持つ進行固形がんへの治療薬として、大鵬薬品が開発中の新規経口抗がん剤。2022年9月には「前治療歴を有するFGFR2融合遺伝子又はその他の再構成を伴う切除不能な局所進行又は転移性肝内胆管がん」の適応で米国食品医薬品局(FDA)より迅速承認を取得している。
なお、当連結会計年度における研究開発費は