第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

[経営理念「アワクレド」]

●新しい技術開発への挑戦

●新たな需要創出への挑戦

●社会変化への迅速な対応

[経営ビジョン]

「思いを守る、明日へつなぐ」をテーマとして、生活を豊かにする商品、価値ある商品、価値あるサービスを提供し、次代へ文化を伝えるとともに、豊かな社会づくりに貢献する企業を目指します。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

①コアコンセプト

 「生命関連産業」(注1)のリーディングカンパニーを目指します。

 ポストコロナの時代に求められる具体的なコンセプトとしての「生命関連産業」は、相互扶助、循環、持続可能性といったコンセプトと親和性が高く、ナカバヤシグループが近年循環型社会の実現を目指した木質バイオマス発電事業や、技術の継承と地域雇用の安定を目指す新たなビジネスモデル「製本業と農業の二刀流」の展開、海洋プラスチック問題を始めとした「脱プラ」「廃プラ」課題を解決する紙製品事業「asue(あすえ)」の始動など、社会課題の解決に貢献し得る様々な事業活動を積極的に広げ、持続可能な社会の実現と美しい地球環境の保全のために、SDGsの達成に向けた事業活動・企業活動を目指すという方針につながるものでもあります。既存事業の生命関連産業分野とDXの活用、新しい技術、社会のニーズ・ウォンツを組み合わせることで、単なる労働集約型事業とは異なった新商品や新サービス、新規事業を生み出し、生命関連産業を基軸に成長戦略を描いてまいります。

(注1)「生命関連産業」とは、京都大学の広井良典教授が提唱している概念であり、(1)健康・医療(2)環境(再生可能エネルギーを含む。)(3)生活・福祉(4)農業(5)文化の5つの分野において、日常に根ざした「生活」の豊かさや「幸福」を求める志向に基づく産業を指します。

②中期基本方針

 新・中期経営計画「add+venture 70」(アドベンチャー70)(2022年3月期~2024年3月期)に基づき「収益力の強化」「成長力の推進」「株主価値の向上」を基本方針として、次の『Main add+venture』を目標として掲げ、その達成に向けた諸施策を実践してまいります。

1.3年間で企業価値を高める70の新しいことに挑戦

2.2024年3月期の売上高650億円、経常利益率4.6%

3.ROE8.0%

4.配当性向30~40%台の堅持

5.新しい人事評価制度を確立することによる多様な働き方の更なる高度化

6.ニューノーマルに対応した事業展開とDXを用いたバックオフィスの効率化

7.積極的な社会貢献活動の推進

 

 

③セグメント別事業戦略

 当社グループといたしましては、「アワ クレド〈信条〉」に基づき、従来の既成概念にとらわれることなく、社内外の経営資源を効率的に活用して、より幅広い視野に立って技術の研鑽を重ね、アナログ製品からマルチメディア関連事業へ積極的な事業展開を図り、時代のニーズにマッチした製品の開発と、お客様からのご要望に対しスピーディーかつ柔軟にお応えできる総合生活企業を目指してまいります。

 当社グループは事業の多角化により多くの様々な顧客基盤を保持しており、グループ会社間のシナジーにより川上から川下まで一貫した生産、物流、販売システムが確立されています。次のセグメントにおきましても、これまで経営の効率化と意思決定の迅速さを目指した運営をしてまいりました。今後更にグループ全体としての経営資源の最適配分、事業セグメント間やグループ会社間のシナジー創出について加速度をもって取り組んでまいります。

[ビジネスプロセスソリューション事業]

 「こまったを良かったに」、ビジネスプロセスにおける付加価値の高いソリューション事業を目指します。

・図書館製本業から図書館総合サービス企業への転換を今後も図ってまいります。

・人材不足、働き方改革など社会を取り巻くビジネス環境をトータルにサポートする『BPO総合支援サービス』を展開してまいります。

[コンシューマーコミュニケーション事業]

 ニューノーマルの時代に求められる「冒険心あふれる製品」の開発に挑戦します。

・教育現場での快適な学び、働き方改革における効率的なWorkPlaceを提供していきます。

・SDGsなどの社会課題解決に貢献できる製品を提供していきます。

・人と人とのコミュニケーション不足によるストレスを癒す製品やサービスなど、健康を切り口とした製品を開発していきます。

・海外販路の開拓を強化し、海外市場におけるNCLブランドの認知度を向上させていきます。

[オフィスアプライアンス事業]

 オフィス環境の改善とデジタル化を見据えた製品やサービスの提供を目指します。

・秘密保持に関する製品やサービスを提供していきます。

・多様な働き方に対応するファニチャーやシステムを提供していきます。

・調光ガラス『N-Smart(エヌ・スマート)』の販売強化とパーティション以外の製品開発をしていきます。

[エネルギー事業]

 木質バイオマス発電及び太陽光発電の安定稼働と熱利用による新分野の創造を目指します。

[その他]

 農業の6次産業化に加え、ICT技術を活用した営農を図ります。

 

③中期財務戦略

 新規事業や既存ビジネスの深掘による売上増加、業務プロセスの見直しや新たな付加価値の提供による利益率改善を図り、連結売上高650億円、経常利益率4.6%を目指します。配当性向については、引き続き30~40%を堅持していきます。

中期数値目標(連結)                            (単位:百万円・%)

 

2021年3月期

(実績)

2022年3月期

(実績)

2023年3月期

(実績)

2024年3月期

(修正目標)

売上高

63,644

63,118

61,581

65,000

経常利益

3,023

2,336

939

3,000

経常利益率

4.7

3.7

1.5

4.6

 

 

 

(3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①経営環境

 新型コロナウイルス感染者数に波はあるものの行動制限の緩和などにより社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな持ち直しの動きが続きました。一方、原材料価格の高騰やロシア・ウクライナ情勢の長期化、外国為替相場での円安傾向など、外部環境の変動により景気の先行きは不透明な状況が続いております。

 また、当社グループを取り巻く環境は、ライフスタイルや企業活動が大きく変化したこともあり、製品やサービスの改革を遂行しておりますが、引き続き厳しい状況が続いております。

 一方、社会経済活動の正常化もあり、市販製品のOEM受注は増加傾向にあります。また自治体からBPO業務(マイナポイントや各種交付金業務)の受託や資格試験等の運営業務におけるPC端末を利用した試験手法(CBT)が堅調に推移しており、今後インターネットテスト(IBT)の分野も更に普及が見込まれております。

 こうしたなかでも困りごとを解決すべく、当社のスローガンである「こまったを良かったに」の提案を積極的に行ってまいります。

②優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

〇企業ブランドの確立

 かつては「フエルアルバム」のブランドで消費者の間では認知度が高かった当社ですが、近年のアルバム需要の減少により当社の認知度は以前より低下しております。近年は若年層への認知度向上策として頑張る若者を応援する施策を継続して実施しており、今後も番組スポンサーやイベント協賛だけでなく、ミュージックビデオ等あらゆる媒体を活用し、変革する企業イメージを訴求してまいります。

〇売上高総利益率の向上

 紙器包材事業の拡充・拡大、BPO事業の拡大、環境配慮関連、ぬいぐるみビジネス、防災関連等、付加価値の高い製品・サービスを投入していき粗利益率の向上を図ってまいります。

〇グループ会社間におけるシナジー効果の拡大

 グループ全体として経営資源の最適配分、事業セグメント間やグループ会社間のシナジー創出を加速度をもって取り組んでまいります。

〇新規事業の推進

 3年間で企業価値を高める70の新しいことに挑戦していくことを目標に設定し、ニューノーマルに対応した事業展開を図ってまいります。

〇戦略的人事改革の実践

 生産年齢人口の減少を見据え、多様な働き方が出来、積極的にチャレンジできる企業風土が醸成される人事改革を実践してまいります。

〇財務基盤の強化

 新規事業や既存ビジネスの深掘による売上増加、業務プロセスの見直しや新たな付加価値の提供による利益率改善を図り財務基盤を強化してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、中長期的な企業価値向上の柱として、「健康・医療」「環境」「生活・福祉」「農業」「文化」の5つの領域において生命関連産業のリーディング・カンパニーとなることを目指し、次の5つの基本方針をもって持続可能社会の実現を図り、サステナビリティを高めることによるリスクの減少、収益機会の増大を実現します。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1.あらゆる人権を尊重します。

2.グループで働く人の健康、労働環境、公正・適切な処遇を常に維持向上します。

3.購買先・販売先との公正・適正な取引を維持し、良好な関係性を高めます。

4.自然災害等へのリスク管理体制を整え、内外のリスク低減を図ります。

5.事業活動を通じて、人類の共通課題である地球環境の維持・改善、気候変動問題への取組に挑戦します。

 

 特に気候変動についての取組におけるリスクと収益機会については以下の通りです。

 気候変動による事業に対する財務面での重大な影響は、監査等委員会から取締役会に指摘があった事項のうち、取締役会が「重大」と判断したものについて戦略に織り込んでいます。

 当社において、取締役会に常に出席する上席執行役員管理統括本部長が、リスク管理部門長であり、環境ISO14001マネジメントシステム上の「環境管理責任者」かつ「環境委員会」の委員長でもあります。また管理統括本部長が、環境マネジメントシステムの最高責任者であり、取締役会への報告責任者でもあります。環境管理責任者は、環境マネジメントシステム上の「環境影響評価」の最終承認者であり、環境影響評価においては、当社のあらゆる活動の環境側面をボトムアップ方式で抽出し、その抽出された環境側面に対するリスクと機会両面の影響を認識評価しています。環境影響評価は、年1回の頻度で年度末(3月末)に実施され、その評価結果に基づき翌年度の環境に係わる重点活動が決定、実施されます。その過程で重要事項は環境管理責任者を通じて取締役会に報告される組織構造(仕組み)であり、また、環境ISOマネジメントシステムについては、年1度の頻度で外部審査を受けており、その結果も環境管理責任者に直接に報告、伝達され、この審査結果も環境管理責任者を通じて取締役会に報告される組織構造(仕組み)となっています。

 なお、上記プロセスにおいて対象とする時間軸は限定しておらず、短期・中期・長期全てが対象、かつ「定常時」「非定常時」「緊急時」の視点でもリスクと機会は検討評価されています。

 

(1)ガバナンス

2023年4月以降における取締役会による気候変動対応の監視体制は、下記の体制にて実施する予定であります。

(a) 取締役会が気候関連課題について報告を受けるプロセス、議題として取り上げる頻度、監視対象 、サステナビリティ経営をグループ全社で横断的に推進するため、環境課題に関する具体的な取り組み施策について、「経営会議」で協議・決議します。また、半期に一度開催される「サステナビリティ委員会」において、「経営会議」で協議・決議された環境課題への対応方針等を共有し、当社グループの環境課題 に対する実行計画の策定と進捗モニタリングを行ってまいります。 取締役会は、「経営会議」および「サステナビリティ委員会」で協議・決議された内容の報告を受け、当社グループの環境課題への対応方針および実行計画等についての論議・監督を行ってまいります。

(b) 経営者の気候関連課題に対する責任、報告を受けるプロセス(委員会等)、モニタリング方法について代表取締役社長は、「経営会議」の長を担うと同時に、直轄の諮問委員会である「サステナビリティ委員会」の委員長も担っており、環境課題に係る経営判断の最終責任を負っております。「経営会議」および「サステナビリティ委員会」 で協議・決議された内容は、最終的に取締役会へ報告を行います。

 

(2)リスク管理

2023年4月以降は、下記の体制にて実施する予定であります。

(a) 気候関連リスクの特定・評価プロセスの詳細、重要性の決定方法については、「グループ連結売上高の5%以上の影響がある場合」を財務面での重大な影響と定義することとし、適切に対応することで、持続的な成長につながると考えております。 環境課題に係るリスクについて、「サステナビリティ委員会」の中でより詳細に検討を行い、各事業子会社と共有化を図ってまいります。各事業子会社では、気候変動の取り組みを実行計画に落とし込み、各事業子会社社長を長とする会議の中で論議しながら実行計画の進捗確認を行ってまいります。その内容について、「経営会議」や「サステナビリティ委員会」において、進捗のモニタリングを行い、最終的に取締役会へ報告を行っていきます。

 

(b) 全社リスク管理の仕組みへの統合状況については、リスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、「内部統制推進室」が行います。「内部統制推進室」では、外部環境分析をもとに、環境課題に係るリスクを含めた企業リスクを識別・評価し、優先的に対応すべき企業リスクの絞り込みを行い、進捗のモニタリングを行ってまいります。「内部統制推進室」で論議・承認された内容は、取締役会による監督体制の下、当社グループの戦略に反映し、対応してまいります。

 

 次に人的資本に対する取組みについては以下の通りです。

『当社グループの目指すべき人材像』

・環境の変化に対応すべく、常に自らの強みや専門性に磨きをかけ続け、こだわりをもって顧客や関係者に高い付加価値を提供できる人物

・オーナー意識をもってチャレンジし、失敗を恐れずに思い切った新しい価値を適切な方法で提供できる人物

・決して受動的にならず、自らが率先して動き、手本を示すことで周囲に良い影響を与えることができる人物

・仕事はチーム一体となって行うことを自覚し、周囲を巻き込み調和を図りながら、高い成果を出すために決断し、メンバーを牽引できる人物

 

『人的資本の取組みについて』

 

 

『As-is』人財・コスト

『To-Be』人財・投資

目指す姿

 

 

ダイバーシティ&

インクルージョン

・リモートワークの定着

・時間有給等、ライフスタイルに合わせた休暇取得

・戦略的中途採用の強化

・他社人材の受け入れ

・褒める・認め合う表彰制度の実施

中途採用管理職比率

5年後40%

女性活躍推進

・女性管理職比率7.5%

・女性リーダー層情報交換会の実施

・女性外部交流機会の創出

・Womans Councilの組成

2024年度女性管理職

比率10%(公表済)

LGBTQ

・全社的LGBTQの指針はない

・バリアフリートイレの整備

・LGBTQ教育・指針の作成

2024年度指針公開

全社員研修実施

人事制度改革

・年功色の強い制度

・協業姿勢は強化しながら、個々の頑張りに対し報われる体系

2023年4月開始済で

To-Beへ早期定着化

人財育成

・新入社員・選抜型研修

・選択型オンライン研修

・業務経験の幅は狭い

・外部機関出向研修の実施

・早期経営人材の選抜・育成

・関係会社出向含む異動

20代異動経験率

5年後50%

戦略思考の人事運営

・人事運営の硬直化

・部分最適は可だが全体最適は課題

・人事運営の流動化

・人財ポートフォリオ戦略

・重点組織への再配置

カンパニー間異動

5年間で60名

 

 

エンゲージメントと

Well-beingの向上

・エンゲージメント調査は未実施

・エンゲージメントの実施

・男性育休取得

男性育休取得

2年後100%

健康経営

・若手相談窓口の設置

・平均時間外労働時間

月間平均10時間

・全社員向けよろず相談窓口の設置

・残業を前提としない働き方

平均時間外労働時間

月間平均5時間

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスク

①デジタル化、ペーパレス化進行によるリスク

 デジタル化、ペーパレス化が年々進行していることから、図書製本や法人向け手帳などの市場が縮小しており、当社グループ連結業績にさらに影響を及ぼす可能性があります。一方で公共図書館の指定管理など図書館業務の受託に注力してまいります。また近年「脱プラ」「廃プラ」が注目されており、プラスチックに代わる素材として「紙」の需要が高まることが予想されるため、こうした環境配慮型製品の開発・販売に取り組みます。

②少子化に関するリスク

 国内では少子化が続いており、ノートなどのステーショナリー関連製品やチャイルドシートなどにおいて、当社グループ連結業績にさらに影響を及ぼす可能性があります。

③国際情勢に関するリスク

 貿易相手国の法規制や経済情勢の変化等により商品調達に支障をきたす場合は、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

④新型コロナウイルス感染に関するリスク

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが五類感染症に移行し、コロナ禍からの正常化に向けた回復の動きが続くものと思われます。しかしながら感染が完全に終息している状況には至っておらず、再び感染が拡大し、国内外の経済活動の停滞が長期化した場合は、調達面や販売面において、当社グループ連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)市況変動に関するリスク

①為替変動リスク

 当社グループは、一部の商品については輸入に依存しているため、為替レートの変動が当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。先物為替予約などによりリスク回避を行っておりますが、すべてのリスクを回避することはできません。

②原材料価格の高騰リスク

 当社グループの製品の主な原材料は、原紙・樹脂等であります。原材料は国内外メーカーから調達しておりますが、原油価格が高騰し原材料の価格が上昇した場合は、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、ビジネスソリューション事業(データプリントサービス等)やネット通販事業において、顧客の個人情報を取り扱っております。プライバシーマークを取得し、顧客情報の管理には十分留意しておりますが、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い、法的罰則等により、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)製造物責任に関するリスク

 当社グループは、定められた品質管理基準に従って、各種の製品を製造しております。製品単位ごとに品質チェックを実施し、欠陥が生じないようにするための体制を構築しておりますが、それにもかかわらず何らかの欠陥が生じた場合は、顧客の信頼の喪失、賠償金の支払い等が発生する可能性があります。製造物責任についての保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を補填できるという保証はなく、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)災害等に関するリスク

 当社グループは、すべての設備について定期的な点検を実施しておりますが、台風、地震などの自然災害、火災・停電などの事故が発生した場合、生産が中断することを防止できる保証はありません。当社グループの生産設備は国内外に点在しておりますが、これらの所在地において大規模な災害が発生した場合は、当社グループの生産能力が著しく低下し、改修に多額の費用が発生する可能性があります。災害等に備え保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する損害額を補填できるという保証はなく、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 こうしたことから、影響額を最小限にとどめるべく当社グループはBCPの観点からBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業の生産拠点を各地に分散しており、またデータセンターの活用など災害に備えた対応を行っております。

 

(6)コンプライアンスに関するリスク

 当社グループは、グループ倫理規範やコンプライアンス・マニュアルを制定し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めておりますが、2019年10月に当社は、日本年金機構の入札に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立ち入り検査を受けました。その結果、2022年3月3日に公正取引委員会より排除措置命令及び課徴金納付命令を受け、納付金を支払いました。また、2023年3月2日に日本年金機構より「不正行為に係る損害賠償請求の方針について」と題する文書等により通知を受け、その対応を慎重に検討してまいりましたが、結果として日本年金機構からの請求額を支払いました。

 当社では命令を受けた事実を厳粛に受け止め、引き続き従業員教育の徹底などを通じて、コンプライアンス体制の一層の強化に努めてまいります。

 

(7)関係会社に関するリスク

 当社グループは、経営資源を有効活用し収益基盤の多様化を進めるため、グループのシナジーを発揮し企業価値向上に取り組んでおります。しかしながら、関係会社各社の業績が著しく悪化し、将来にわたって事業が計画どおりに展開しないと判断された場合又は株式の時価が下落した場合には、関係会社株式の減損処理の必要に迫られます。その場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)固定資産の減損に関するリスク

 当社グループは、保有する固定資産について、固定資産の時価が著しく下落した場合や収益性が低下した場合には減損損失が発生し、当社グループの連結業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(9)繰延税金資産に関するリスク

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。しかしながら、今後将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しが発生し、当社グループの連結業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(10)気候変動に関するリスク

 気候変動については、当社の主要商品類の一つが紙製品であることから重要なリスク要因として認識しており、TCFDの枠組みに沿った対応を進めております。

 原材料に関しては気候変動の影響を直接的に受けることが予測され、調達方法等を常に見直しをしております。温室効果ガス(GHG)に関してはその排出量を把握し、HPにおいて開示しております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染者数に波はあるものの行動制限の緩和などにより社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな持ち直しの動きが続きました。一方、原材料価格の高騰やロシア・ウクライナ情勢の長期化、外国為替相場での円安傾向など、外部環境の変動により景気の先行きは不透明な状況が続いております。

 一方当社グループを取り巻く環境は、ライフスタイルや企業活動が大きく変化したこともあり、製品やサービスの改革を遂行しておりますが、引き続き厳しい状況が続いております。

 このような中、当社グループは、第3次中期経営計画(2021年4月1日~2024年3月31日)「add+venture 70」(アドベンチャー70)を策定いたしました。ニューノーマルやDXによって従来のビジネスモデルやプロセスが大きく変わることから、企業価値を高める70の新しい目標を設定し計画達成のため、グループ全体として経営資源の最適配分、事業セグメント間やグループ会社間のシナジー創出などに取り組んでいます。ポストコロナの時代に求められる具体的な方針として当社グループはこれからの時代に中心的な役割を担っていく産業分野である「生命関連産業」(注)のリーディングカンパニーを目指し、既存事業の強化や新規事業への参入に向けた取り組みを進めてまいります。具体的には次の5つの分野(1)健康・医療(2)環境(再生可能エネルギーを含む)(3)生活・福祉(4)農業(5)文化を指します。

(注)「生命関連産業」とは、京都大学の広井良典教授が提唱している概念

 

 当社グループにおける当連結会計年度の売上高は615億81百万円となりました。原材料及び電力費や物流費の上昇により原価率が上昇したため営業利益は4億55百万円、経常利益は9億39百万円となりました。また、特別利益は非連結子会社の吸収合併による抱合せ株式消滅差益76百万円など1億22百万円を計上し、特別損失は独占禁止法関連損失10億37百万円、関係会社清算損失1億65百万円、減損損失として1億11百万円など合計で13億45百万円計上いたしました。

 

当連結会計年度における当社グループの経営成績は以下のとおりであります。

売上高              615億81百万円  (前期比2.4%減)

営業利益             4億55百万円  (前期比74.9%減)

経常利益             9億39百万円  (前期比59.8%減)

親会社株主に帰属する当期純損失  6億66百万円  (前期親会社株主に帰属する

当期純利益10億18百万円)

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

[ビジネスプロセスソリューション事業]

2022年3月3日に公正取引委員会より独占禁止法に違反する行為が認められるとして、排除措置命令および課徴金納付命令を受けたことで、官公庁および市町村から概ね2か月から8か月の指名停止処分を受けました。それに伴い図書館ソリューション業務も公共図書館からのカウンター業務等アウトソーシング業務や図書館製本の受注が減少しました。またDPS(データプリントサービス)についても極めて低調な結果となりました。

このような中、日本通信紙株式会社を中心に、自治体からBPO業務(マイナポイントや各種交付金業務)の受託や資格試験等の運営業務におけるPC端末を利用した試験手法(CBT)が堅調に推移しており、更に普及が見込まれるインターネットテスト(IBT)の提案を推進しました。

また、従来から連結子会社であった日本通信紙株式会社の株式を追加取得し完全子会社化いたしました。製造部門の合理化、営業部門の効率化を推進しグループシナジーを高めて、人材不足、働き方改革など社会を取り巻くビジネス環境をトータルにサポートする『BPO総合支援サービス』の展開に努めました。

紙器包材等パッケージの分野においては、2022年12月から高品質な食品向け紙製重箱「JIYUBACO」の販売を「asue」ブランドから開始し、既に年末年始用の家庭用おせち料理商品へ採用されるなど、脱プラ廃プラに対する意識の高まりもあり堅調に推移しております。シール・ラベル業務は、エンタメ・アミューズメント業界が活発化したことにより株式会社八光社の売上が伸長しました。なお、前期にM&Aにより連結子会社化した株式会社広田紙工の業績が通期に寄与いたしました。

この結果、当事業の売上高は311億39百万円(前期比5.0%減)、営業利益は6億92百万円(前期比22.1%減)となりました。

 

[コンシューマーコミュニケーション事業]

社会経済活動の正常化もあり市販製品のOEM受注は増加したものの、企業におけるペーパーレス化の流れやGIGAスクール構想が浸透したこともあり事務用品や紙製品の売上が減少しました。

新たなツーリズム支援施策として取り組みを始めためぐりingビジネスは、全国旅行支援や外国人観光客の回復に伴い、御朱印帳や御城印帳などの売上がコロナ禍前を超える水準となりました。

ワイヤレスセンサー・チャイムなど介護・防犯用品の製造販売を手掛けるリーベックス株式会社は、国内の防犯意識の高まりにより、個人での設置が可能な住宅向け防犯アイテムが好調に推移しました。

また、前期にM&Aにより連結子会社化した株式会社サンレモンが展開するぬいぐるみの販売は、テーマパーク関連や若年層から人気の版権関連商品が引き続き高い水準で推移しました。

しかしながら、原材料及び電力費や物流費の上昇が続く中、販売価格改定を行い収益の確保に努めましたが営業損失となりました。

この結果、当事業の売上高は215億65百万円(前期比1.5%増)、営業損失は2億43百万円(前期営業利益6億43百万円)となりました。

[オフィスアプライアンス事業]

シュレッダ事業は、デジタル化やペーパーレス化が更に進行したことから売上が減少しました。また原材料価格と電力費の高騰が重なり利益率も悪化いたしました。オフィス家具のEC事業を展開するカグクロ株式会社は、売上は堅調に推移しましたが、仕入価格と物流費の上昇に対する販売価格改定に時間を要したため利益率が悪化いたしました。

この結果、当事業の売上高は73億94百万円(前期比1.3%減)、営業利益は2億52百万円(前期比53.6%減)となりました。

[エネルギー事業]

木質バイオマス発電は、木質チップの需要が増加し原材料価格が高騰したため利益率が悪化いたしました。太陽光発電は、順調に推移いたしました。

この結果、当事業の売上高は14億34百万円(前期比6.1%減)、営業利益は47百万円(前期比33.8%減)となりました。

[その他]

野菜プラント事業及びにんにくファーム事業等であり、売上高は46百万円(前期比26.5%減)、営業損失は29百万円(前期営業損失41百万円)となりました。

 

財政状態の分析は、次のとおりであります。

[資産]

流動資産は、前連結会計年度末に比べて3億6百万円減少し、298億93百万円となりました。これは商品及び製品が2億2百万円、原材料及び貯蔵品が1億47百万円それぞれ増加しましたが、受取手形及び売掛金が5億60百万円、現金及び預金が2億25百万円それぞれ減少したことなどによります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて2億15百万円減少し、278億10百万円となりました。これは機械装置及び運搬具が4億49百万円、繰延税金資産が1億48百万それぞれ増加しましたが、のれんが3億19百万円、建設仮勘定が2億81百万円、建物及び構築物が2億5百万円それぞれ減少したことなどによります。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて5億21百万円減少し、577億3百万円となりました。

[負債]

流動負債は、前連結会計年度末に比べて12億62百万円減少し、178億76百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が5億76百万円、短期借入金が4億55百万円それぞれ減少したことなどによります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて23億63百万円増加し、129億45百万円となりました。これは長期借入金が26億30百万円増加したことなどによります。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて11億1百万円増加し、308億22百万円となりました。

[純資産]

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて16億23百万円減少し、268億81百万円となりました。これは資本剰余金が4億27百万円、その他有価証券評価差額金が1億17百万円それぞれ増加しましたが、利益剰余金が9億95百万円、非支配株主持分が9億65百万円それぞれ減少したことなどによります。

この結果、自己資本比率は45.4%となり、前連結会計年度末に比べて0.7ポイント低下いたしました。

 

②キャッシュ・フローの状況

(1)キャッシュ・フロー及び流動性の状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、87百万円の支出(前期22億26百万円の収入)となりました。主な内訳として、収入については、減価償却費16億54百万円、売上債権の減少額6億2百万円、支出については、独占禁止法関連支払額16億48百万円、法人税等の支払額5億80百万円、棚卸資産の増加額4億63百万円であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、13億33百万円の支出(前期比10億49百万円支出増)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出14億22百万円であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、10億74百万円の収入(前期2億99百万円の支出)となりました。主な内訳として、収入については、長期借入れによる収入76億円、支出については、長期借入金の返済による支出59億93百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出7億4百万円であります。

この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は前連結会計年度末より2億5百万円減少し、78億70百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの配分と資本政策

営業キャッシュ・フローの配分については財務基盤の確立を目指しつつ、企業価値向上に資する投資を積極的に行うとともに、株主還元に配慮した適正配分に努めてまいります。

事業への配分については紙器包装事業、BPO事業、環境配慮型製品の開発など収益力の高い事業や成長力のある新規事業、ニューノーマルに対応した事業への投資を安定的かつ継続的に実施してまいります。

株主還元については安定的な配当の維持並びに経営基盤の強化と今後の事業展開を勘案した上で、この両者をバランスよく回転させることを基本方針としております。連結配当性向は30%~40%を維持してまいります。

 

(3)資金調達の方針

資金調達については、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の安全性維持を基本方針としており、主として銀行、生保からの短期及び長期借入金により資金調達を行っております。子会社については原則として外部からの資金調達は行わず、グループファイナンスを活用し、資金調達の一元化により資金の効率化及び流動性の確保を図っています。また事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応を図るため十分な現金同等物を保有しております。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

ビジネスプロセスソリューション事業

25,202

103.2

コンシューマーコミュニケーション事業

5,617

87.8

オフィスアプライアンス事業

2,235

93.2

エネルギー事業

1,434

93.9

その他

69

89.5

合計

34,559

99.3

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、受注生産を行っている事業はビジネスプロセスソリューション事業であり、主なものは図書製本、法人向け手帳、データプリントサービス等であります。一方、コンシューマーコミュニケーション事業、オフィスアプライアンス事業、エネルギー事業及びその他は、見込み生産であり、受注生産の割合が僅少である事業、または、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まない事業のため、記載は省略しております。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

ビジネスプロセスソリューション事業

30,971

98.9

2,376

114.3

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

ビジネスプロセスソリューション事業

31,139

95.0

コンシューマーコミュニケーション事業

21,565

101.5

オフィスアプライアンス事業

7,394

98.7

エネルギー事業

1,434

93.9

その他

46

73.5

合計

61,581

97.6

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 当連結会計年度における相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満の相手先のみであるため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

原材料価格の高騰やロシア・ウクライナ情勢の長期化、外国為替相場での円安傾向など、外部環境の変動により景気の先行きは不透明な状況が続いております。また当社グループを取り巻く環境は、ライフスタイルや企業活動が大きく変化したこともあり、製品やサービスの改革を遂行しておりますが、引き続き厳しい状況が続いております。

一方、社会経済活動の正常化もあり、市販製品のOEM受注は増加傾向にあります。また自治体からBPO業務(マイナポイントや各種交付金業務)の受託や資格試験等の運営業務におけるPC端末を利用した試験手法(CBT)が堅調に推移しており、今後インターネットテスト(IBT)の分野も更に普及が見込まれております。

なお、連結財務諸表作成時点において入手可能な情報に基づいた最善の見積りを行っているものの、為替変動は不確定要素が多く、また新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが五類感染症に移行したものの、感染が完全に終息している状況には至っておらず、今後経済環境への影響や感染状況が変化した場合には、最善の見積りを行った結果として見積もられた金額と事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。

・固定資産の減損処理

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変化が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

・繰延税金資産

 繰延税金資産は入手可能な証拠に基づいて将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。同様に計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。

・退職給付費用

 確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率、退職率及び死亡率など年金数理計算上の基礎率に基づき見積もっております。数理計算上の基礎率や計算方法は適切であると考えておりますが、基礎率の変動が確定給付費用及び確定給付制度債務に重要な影響を及ぼします。

 なお、当社及び一部の連結子会社の割引率は高格付けの社債の利回りに基づき決定しております

・関係会社株式

 市場価格のない関係会社株式について、関係会社に財政状態の悪化により、実質価額が著しく低下したときは、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、評価損を認識しております。

② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

18ページ 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]

(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況をご参照ください。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

20ページ 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]

(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況をご参照ください。

④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況

当社グループは2022年3月期から2024年3月期までの中期経営計画「add+venture 70」(アドベンチャー70)に基づき、「収益力の強化」「成長力の推進」「株主価値の向上」を基本方針とし、「Mainadd+venture」を目標として掲げ、その達成に向けた諸施策を実施してまいりました。

その達成状況については次のとおりです。

 

(1)基本方針の達成状況

〇「収益力の強化」

 更なる認知度向上と企業ブランドを確立するために、夢に向かって頑張る人たちを応援するアニメーションミュージックビデオをYouTube上で配信。ラジオ番組のスポンサーや音楽フェスにも協賛しました。全世代向け認知度向上策としてスポーツイベントへの協賛やWeb動画プロジェクトを立ち上げ、製品紹介動画等を作成し、展開してまいりました。

 また付加価値の高い製品やサービスの開発を継続して取り組んでおり、「紙器・紙製包材事業」では2021年5月に株式会社広田紙工を子会社化し、asue(あすえ)ビジネスやお客さまの要望にあったオリジナルパッケージの取り組み強化により粗利益率の改善に取り組んでいます。また精神的な健康に繋がる癒し提供するぬいぐるみビジネスでは2021年7月に㈱サンレモンを子会社化しました。

 グループ再編やシナジー創出については、2022年3月に国際チャート㈱を株式交換により完全子会社化しました。また2023年2月に日本通信紙㈱の株式を追加取得し、完全子会社化しました。

〇「成長力の推進」

 生命関連産業の強化として、心の癒し・健康につながる新たな製品カテゴリーとしてのぬいぐるみビジネスへの参入。新規事業の創造として寺社仏閣、アニメ、鉄道、登山など様々な“巡り”にかかわる総合的な企画・提案をする「めぐりingビジネス」に取り組んでいます。また2023年4月より新人事制度が始まり、社員の能力を最大限発揮できる環境を作っていくことにより、組織の成長を促していきます。

〇「株主価値の向上」

 2022年3月3日に公正取引委員会より日本年金機構(以下「機構」)が発注する帳票の作成及び発送準備業務に関する独占禁止法に基づく排除措置命令及び課徴金納付命令を受けたことに関し、機構より2023 年3月2日に「不正行為に係る損害賠償請求の方針について」と題する文書等により通知を受け、その対応を慎重に検討してまいりましたが、結果として機構からの請求額を支払いました。株主の皆様にはご迷惑とご心配をおかけして誠に申し訳なく存じます。当社では命令を受けた事実を厳粛に受け止め、引き続き従業員教育の徹底などを通じて、コンプライアンス体制の一層の強化に努めてまいります。

 

(2)中期基本方針「Mainadd+venture」の達成状況

①3年間で企業価値を高める70の新しいことに挑戦

[DX推進チームの立ち上げ(DXによる売上創出)]

・当社で開発したWeb展示会などで使用するECサイトソフトウエアの企画・販売

・別製品対応受注システムの開発

・PT MIRAI INTERNASIONAL INDONESIA(システム開発子会社)の活用

・一般品対応Web受注システムの開発

[紙器包材事業の拡充・拡大]

・食品向けバリア包装材の製造・販売(コーヒー豆パッケージ、青果物・食品パッケージ他)

・食品向け紙製一次包装箱の製造・販売

・新素材カトラリーの開発

・紙器包材、BtoB向けECサイトのOPEN

・紙製中子の開発

・スキンケア用、紙製詰め替え袋の開発

[文化]

・インバウンド・旅行者向け総合サービス「めぐりingビジネス」御朱印・御城印

・刃物ビジネスの検討

[生活・福祉]

・カメレオンコードを活用した“図書館システム”の開発

・使用済み紙おむつパック機の開発及びビジネスモデルの構築

・洋菓子店リニューアル・ネット販売本格開始

・IBT試験・Web講習の需要拡大に向け、受験者の本人認証システムと不正防止監視システム(替え玉受験・カンニング・中抜け受講等)の開発完了・運用開始

・AR(拡張現実)を実装した卒業アルバムや同人誌および印刷物

・日本製筆記具や高級紙製品などの商品開発、販売

・文字魂プロジェクトの事業化

・Webサイト自動翻訳クラウドサービス「Myサイト翻訳」販売

・紙以外の裁断機の開発販売(HDD,SSDの破砕機等)

・ステンレスやアルミ加工の設備を松江工場に導入(スチール加工から他金属加工への展開)

・ステンレス・アルミ等を活用したアウトドア製品の開発・製造

・医療従事者向けメディカル製品の開発

・介護施設向け用品の開発

・介護施設のBPOの創出

・調剤薬局のBPO

・要介護者向けサービスの検討

・定年を見据えたビジネスモデルの創出

・野球グラブの残革を利用したアップサイクル商品の企画・販売

・アクリルパネルのリサイクルやアップサイクル

・GIGAスクール向け デジタル文具(USB Type C製品)の拡充

・スマホ破砕機(データ処分)の開発→レアメタルの回収

・船舶用調光ガラス

・調光アクリルパネル

・通販事業者向け送り状発行システムの構築

②2024年3月期の売上高650億円、経常利益率4.6%

(単位:百万円・%)

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

 

(計画)

(実績)

(計画)

(実績)

(当初計画)

(修正後)

売上高

65,000

63,118

62,000

61,581

70,000

65,000

経常利益率

4.8

3.7

3.2

1.5

5.5

4.6

③2024年3月期ROE8.0%

 

2023年3月期

ROE

(注)親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため記載しておりません。

④配当性向30%~40%の堅持

 

2023年3月期

配当性向

(注)親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため記載しておりません。

⑤新しい人事評価制度を確立することによる多様な働き方の更なる高度化

●新人事制度の趣旨

・会社が社員それぞれに「期待する成長の方向性」を示す

・現状に甘んじるのではなく、「高い目標に挑戦する(add+venture)社員」に報いる

・上記を達成するため、評価の「納得感」・「透明性」を高める

・社員男女比率の変化や生産性人口の減少、労働環境変化を見据えた制度設計

●新人事制度改定のポイント

・「期待する成長の方向性」の明確化 → 等級定義表に基づく、レベル別評価基準を設定

・誰でも役職者制度の廃止 → 組織に必要な役職者数を適正化し、相応の役割と処遇を付与

・時代に即した報酬制度に変更 → 年齢給を廃止し、年功による賃金体系を見直し

                       属人給から仕事給へ、各種手当の見直し

⑥ニューノーマルに対応した事業展開とDXを用いたバックオフィスの効率化

●管理部門

管理統括本部「3年後紙ゼロ」宣言

ワークフロー、各種社内資料を見直し、DXで3年後に管理に関する紙をゼロに

[実績]稟議書、労働契約書、情報収集共有伝達方法のデジタル化~社内ポータルサイト「えぬぽ」構築

タレントマネジメントシステム、勤怠入力のモバイル化

[予定]BIツール導入による経営判断の可視化・意思決定のスピードアップ

●営業部門

[実績]医療NAVI→医療施設からの受発注業務のDX化

[予定]物流管理システムの構築

⑦積極的な社会活動の推進

●ナカバヤシ株式会社

・「ナカバヤシのSDGsへの取り組み(製本と農業の二刀流)」の説明

 フードロス削減を目的に規格外にんにくを使用した加工品作り体験

・ノートなど出雲工場で製造した学用品を寄贈

・カーボンニュートラル推進→株式会社田部とオフセット・クレジット(J-VER)の売買契約を締結

・地域の子供たちへの学習支援として各地の非営利団体へ東京2020商品を寄付

・名古屋デザイン&テクノロジー専門学校と共同で産学連携プロジェクトを実施

 10~20代女性をターゲットにした「大切な誰かのため」にアルバムをつくってあげたくなるプロモーション戦略の考案

・中学生・高校生を対象としたキャリア学習支援(累計10校)

●兵庫工場

・「目的意識を持った行動の重要性について」特別講演

・養父市内の企業学習として工場見学

・「企業が取り組む農業」というテーマで本業と農業の二刀流によるにんにくの産地化PJの推進などを説明

●島根ナカバヤシ株式会社

・手帳生産工程の工場見学・平田工場

●リーマン株式会社

・「物づくりについて」のチャイルドシート啓蒙活動

・コロナ禍でのオンライン学習の補助としてノートを寄贈

●日本通信紙株式会社

・印西BPOセンター 受給電力30%を再生エネルギーに変更

 CO2削減に貢献

・石岡工場に太陽光パネル設置

●株式会社松本コロタイプ光芸社

・DTPの制作現場の工程について会社見学

●松江バイオマス発電株式会社

・バイオマス発電のしくみについて工場見学

・発電所内容、「働くこと」をテーマとした講演授業

●株式会社サンレモン

・売り上げの一部寄付

・ぬいぐるみ寄付

●株式会社八光社

・地域イベント向けシール、ステッカーを寄贈

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は2023年2月1日開催の取締役会において、連結子会社である日本通信紙株式会社の株式を追加取得し、完全子会社化することを決議いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、独創的な製品の開発、生産技術の開発を主として積極的な活動を行っております。当連結会計年度における研究開発費は131百万円となりました。

 ビジネスプロセスソリューション事業においては、コンベアプレス機を開発いたしました。

 このビジネスプロセスソリューション事業に係る当連結会計年度の研究開発費は45百万円となりました。

 コンシューマーコミュニケーション事業においては、古紙パルプ配合率100%の再生紙を利用した環境にやさしい収納製品、紙製整理箱「リトレイ」を開発いたしました。

 このコンシューマーコミュニケーション事業に係る当連結会計年度の研究開発費は56百万円となりました。

 オフィスアプライアンス事業においては、主に製造子会社が様々なシュレッダの開発・製品化に取り組んでおります。

 このオフィスアプライアンス事業に係る当連結会計年度の研究開発費は29百万円となりました。