第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

 

(1)経営方針

当社グループは企業理念として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げています。経営方針、行動指針は以下のとおりです。

※当社グループの企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」を企業理念として再定義しております。

 

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(2)目標とする経営指標

当社は、2023年度を開始年度とする新たな中期経営計画「VISION2025」を策定しました。「VISION2025」において目指す主な経営指標は以下のとおりです。

 

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*上記目標数値は、当社が現在入手している情報をもとに、本有価証券報告書提出日現在における当社の判断に基づいて作成されたものであり、また、一定の前提(仮定)の下に作成されています。当社は、上記目標数値の達成を保証するものではなく、実際の結果は上記と大幅に異なる可能性があります。

※1 事業利益率=事業利益÷売上収益。事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除することにより算出され、主として一時的な要因からなる、その他の収益、その他の費用、為替差損益等を含みません。なお、2024年3月期より、「コア営業利益」から「事業利益」に名称を変更しております。

※2 EBITDAマージン= (税引前利益+支払利息+減価償却費+減損損失)÷売上収益

※3 ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)= 親会社の所有者に帰属する当期利益÷期中平均親会社の所有者帰属持分×100

※4 ROIC(投下資本利益率)= (税引き後事業利益+持分法損益)÷投下資本(株主資本+有利子負債)

 

 

(3)経営環境・成長戦略

①「VISION2023」の進捗と「VISION2025」の策定について

当社は、2021年に中期経営計画「VISION2023」を策定し、「変革と成長」を基本戦略として収益基盤の確保と構造改革で安定した事業収益を「稼げる体質」へ変革し、既存事業の収益基盤の強化、事業ポートフォリオの再定義により新たな成長分野を確立し、エクセレント・カンパニーへの飛躍に向けて様々な経営施策に取り組みました。

これらの取り組みの結果、「VISION2023」の最終年度(2023年度)に設定した主要な経営目標を2022年度に前倒しで達成しました。

 

 

VISION2023

2023年度 目標

2022年度 実績

売上収益

3,200億円以上

3,369億円

事業利益

120億円以上

158億円

ROE

10%以上

18.2%

自己資本比率

30%以上

33.0%

D/Eレシオ

1.0以下

0.63

 

一方、地政学リスク増大によるサプライチェーンの見直しや世界経済動向の不透明化等、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しています。経営指標の前倒し達成とこうした事業環境の変化を踏まえて、今回新たに企業価値最大化の観点から2023年4月に「変革と成長」の基本戦略を強化した、2025年度を最終年度とする新中期経営計画「VISION2025」を策定しました。

 

②新中期経営計画「VISION2025」の位置付け

当社は企業理念として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げており、この理念の実現に向けて「たくましさ」と「したたかさ」を併せ持つエクセレント・カンパニーへの飛躍を目指しています。

「VISION2025」では「VISION2023」で掲げた基本戦略「変革と成長」をさらに進化させ、事業ポートフォリオを最適化することで成長モメンタムを加速し、企業価値最大化を目指していきます。

 

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③新中期経営計画「VISION2025」の基本戦略:「変革と成長」

<基本戦略>

「VISION2025」では、「変革と成長」を基本戦略とした事業ポートフォリオとキャピタル・アロケーションの最適化を図るとともにサステナビリティ経営を推進し、企業価値の最大化に向けて取り組んでいきます。またこれらの取り組みを通じて、安定的にROE10%を確保する体質を構築し、PBR1.0倍超の早期実現を目指していきます。

※PBR(株価純資産倍率)= 株価÷BPS(1株当たり純資産)

 

 

<企業価値の最大化に向けた事業ポートフォリオの最適化>

「VISION2025」では企業価値最大化の観点で、中期的な事業の成長性と自社の資本効率性を考慮した資源配分を行い、2025年度に向けて事業ポートフォリオの最適化をさらに進め、持続的な企業価値と株主価値の向上に取り組んでいきます。

※2023年度~2025年度の3カ年における売上成長率

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<戦略強化の方向性>

「VISION2025」では当社を取り巻く事業環境の変化と企業価値最大化の観点から、「VISION2023」より戦略強化の方向性を見直し、当社の目指す事業戦略をより明確にするために分野名称を変更しました。

 

分野

戦略強化の方向性

モビリティ&

テレマティクスサービス

市場の変化に対応した車載用スピーカー・アンプ・アンテナ・ケーブル・レンズを軸に事業拡大

セーフティ&

セキュリティ

北米中心に無線システム事業を成長牽引事業として利益の最大化

エンタテインメント

ソリューションズ

ゲーム・アニメ事業を強化

既存メディア事業は事業の質的転換を推進

 

④財務戦略

「VISION2025」では、資本コストを重視した資本効率向上と成長投資バランスのとれたキャピタル・アロケーションの実行により、企業価値最大化を目指していきます。

 

<2025年度 財務目標>

・ROE: 10%以上

・ROIC:9%以上

・有利子負債資本倍率(D/Eレシオ):0.6以下

・親会社所有者帰属持分比率:35%以上

・総還元性向:30~40%目安

 

*上記目標数値は、当社が現在入手している情報をもとに、本有価証券報告書提出日現在における当社の判断に基づいて作成されたものであり、また、一定の前提(仮定)の下に作成されています。当社は、上記目標数値の達成を保証するものではなく、実際の結果は上記と大幅に異なる可能性があります。

 

 

<キャピタル・アロケーションの考え方>

「VISION2025」では、資本コストを上回る資本収益性の達成に向けて、利益成長を実現する営業キャッシュ・フロー創出に重点を置いた上で、成長投資、戦略投資等の使途を明確化して、キャピタル・アロケーションの最適化を図ります。

成長投資には設備投資や経営基盤強化に向けた投資を、戦略投資には新規事業等への投資や株主還元、有利子負債返済を織り込んでいき、戦略的なキャピタル・アロケーションを実行していきます。

 

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<株主還元方針について>

当社は、安定的な利益還元及び今後の成長に向けて経営資源を確保することを経営上の最重要課題の一つと考え、収益力及び財務状況を総合的に考慮して、総還元性向を株主還元の指標としました。業績に応じた株主還元策とした配当に加え、中長期的な利益成長に向けた資本活用、資本効率性改善効果のバランスを踏まえつつ、機動的に自己株式取得を行い、総還元性向30~40%を目安に株主への安定的な利益還元を実施していく方針です。

 

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⑤サステナビリティ戦略

当社グループは、企業理念「感動と安心を世界の人々へ」に基づき、事業を通じてあらゆるステークホルダーの期待に応えていくことが重要だと考えます。社会から信頼され、社会に貢献する企業であり続けることは、企業としての持続的な成長にもつながると考えています。

「VISION2025」では、「利益ある成長」と「グローバルでの社会課題解決」を両輪とするサステナビリティ経営の推進活動をさらに深化させ、企業価値向上を目指します。

 

<サステナビリティ戦略の方向性>

E:環境への取り組み

環境負荷削減に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献

S:社会への取り組み

イノベーションを実現する人材の育成及び組織能力強化と、

サステナビリティ調達の推進

G:ガバナンス

サステナビリティ経営を確実に実行する推進体制

持続的な企業価値向上に向けた取締役会実効性評価の継続的な取り組み

 

当社グループのサステナビリティ戦略についての詳細は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社は前述の経営環境のもと、中期経営計画「VISION2025」で掲げた各種施策を継続推進することにより、最終年度である2025年度の経営目標達成を目指し、持続的な企業価値向上を強化していきます。

上記の成長戦略を進めるにあたり当社が認識している対処すべき課題は以下のとおりです。

 

① サプライチェーンマネジメント(SCM)改革

経営判断に必要なデータ分析を強化、原材料から顧客までのサプライチェーンを改革し、安定的な商品供給による機会損失の最小化と、中期経営計画「VISION2025」における経営指標の1つである営業キャッシュ・フローの目標達成を目指します。

 

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② ものづくり改革

事業環境の変化に即応する安定した『ものづくり』へ、生産グランドデザインと設計改革を推進します。

 

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③ SDGsへの貢献

当社グループは、事業と関連の強い社会課題を抽出・分析し、企業ビジョンとのつながりを考慮しながらマテリアリティ(重要課題)を特定しています。SDGsの全17ゴールのうちの8ゴールを最優先で取り組むべき重要課題として選定し、進捗管理のためKPIsとして、定性・定量的な目標を設定しています。社会課題テーマ(社会、労働、環境、品質、経済、安全、ガバナンス、価値創造)を明確にし、課題解決に向けた製品やサービス、ソリューションを提供することで、持続的な企業価値の向上とSDGs達成への貢献を図っていきます。

 

(5)環境保全・社会貢献活動に向けた取り組み

当社グループは、2021年8月に新たな環境ビジョンを策定し、地球環境保全に対する基本的な考え方を示すとともに、それに基づく環境基本方針「JKグリーン2025」の中で、「気候変動への対応」「資源の有効活用」「環境保全・管理」「生物多様性の保全」の4項目でそれぞれ目指すべきゴールを設定しました。特に、気候変動への対応については、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、Scope1+2と3でそれぞれCO₂排出量削減の目標を設定しています。

具体的には、環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001認証取得を継続するとともに、その活動を通じて廃棄物や水の使用量削減及び化学物質の適正管理を行っています。また、従業員に対する定期的な環境研修による環境保全についての啓発活動、環境法規制遵守に基づいた飛散性アスベストの除去及びや保管している高濃度PCB汚染廃棄物も計画的に無害化処理を進める等環境リスクの低減を推し進めています。

電機メーカーとして要素技術開発や商品設計に際してアセスメントを行う事によってRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等製品の有害化学物質管理や各国の法規制に対応しながらバリューチェーン全体におけるScope3(購入品の製造、販売した製品の使用、輸送等)のCO₂排出量削減及び環境負荷の低減を目指してプラスチック使用量削減と個装箱の小型化による積載効率の向上等にも取り組んでいます。

また、事業活動における地球環境や生物多様性の保全だけでなく、当社の製品・サービスや知見を生かし、聴覚過敏による困難を抱える方のサポートに繋がる製品の開発や除雪車へのドライブレコーダーの導入等を行うとともに、今後の社会を担う次世代の育成や地方自治体が主催する活動への参画等コミュニティに貢献する活動もグローバルで展開しています。具体的には、SDGsへの理解を促すことを目的とした出前授業や、学生の職場見学・就業体験、各拠点でのスポーツイベントへの支援や震災自然災害等に対する復興支援、寄付活動等を通じて、様々なコミュニティへの貢献に繋がる取り組みを、情勢に鑑みて新型コロナウイルス感染症等へのリスク対策等も講じながら推進しています。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は、企業理念「感動と安心を世界の人々へ」に基づき、事業を通じてあらゆるステークホルダーの期待に応えていくことが重要だと考えます。社会から信頼され、社会に貢献する企業であり続けることは、企業としての持続的な成長にもつながります。事業を通じて企業と社会のサステナビリティを推進すべく、気候変動への対応を始めとして、さまざまな社会課題を解決する取り組みを継続していきます。また、当社が関わるすべてのステークホルダーと深い信頼関係を築きながら、事業を通じた社会課題の解決に取り組むことで、持続的な企業価値の向上と社会への貢献を図っていきます。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

1. 気候変動への対応

当社は、気候変動問題の緩和に貢献し、適応する取り組みは重要な経営課題と捉え、調達、製品開発、製造、製品・サービスの提供といったバリューチェーン全体を通じて、気候変動がもたらすグループへの影響の回避・低減に取り組みます。その取り組みにおいて、Scope1+2, Scope3カテゴリーのCO排出量削減や、生産工数の削減や省エネ機器導入等を通したエネルギー利用の削減を進めています。

 

※Scope1は、組織境界における温室効果ガスの排出源からの直接的な大気中への温室効果ガスの排出量(直接排出量)、Scope2は、他者から供給を受けた電気、熱の利用により発生した電気、熱の生成段階での CO₂排出量(エネルギー起源間接排出量)、Scope3は、直接排出量、エネルギー起源間接排出量以外の事業者のサプライチェーンにおける事業活動に関する間接的な温室効果ガス排出量(その他の間接排出量)をいいます。

 

また、2023年4月に金融安定理事会(FSB)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動のリスク・機会をより一層意識した経営戦略の策定を進めていきます。

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(1)ガバナンス

当社は、コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方として、「経営と執行の分離」、「社外取締役・社外監査役の招聘」及び「内部監査部門の設置によるチェック機能向上」を掲げています。この体制を効果的に機能させるため、監査役会設置会社形態で執行役員制度を採用しています。経営体制としては、取締役会が経営の基本方針並びに最重要事項を決定する一方、最高経営責任者(CEO)を含む執行役員会へ、取締役会が定めた事業執行責任に基づき、JVCケンウッドの業務運営組織(グループ関係会社含む)の運営に関する意思決定権を広く委譲し、JVCケンウッドにおける意思決定を迅速かつ効率的に行っています。JVCケンウッドグループの気候変動を含むサステナビリティに関しても、このような体制のもと、取締役会が責任を負っており、またこれらに関わる事項を監視しています。

 

取締役会は、2021年に気候変動を含む様々なリスクや機会を考慮した、新たな環境方針「JKグリーン2025」を決議しました。この方針の中で、JVCケンウッドグループは、2050年カーボンニュートラルのコミットメントと、それに向けた2025年までのScope1, 2, 3における温室効果ガスの削減計画を策定しました。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づいた気候変動に関するリスクと機会の把握・分析を強化、並びにサステナビリティ全般推進強化のため、取締役会は2023年度に「サステナビリティ委員会」をCEO直轄組織として設置しました。サステナビリティ委員会はCEOを委員長とし、「環境部会」(責任者:サステナビリティ推進室管掌役員)を始めとして、「サステナビリティ経営戦略部会」(責任者:経営企画部管掌役員)及び「サプライヤー部会」(責任者:調達・物流部門管掌役員)の3つの部会がサステナビリティ委員会のもとに設置されています。

 

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(2)リスク管理

当社では、職場と経営層が協働して取り組むリスクマネジメントとして、全世界の職場でリスクサーベイランスプロセスを毎年実施しています。リスクサーベイランスにおけるリスク項目の中には自然災害リスク等が含まれており、気候変動に関する事項も含めてリスクの特定、評価、管理を行っています。確認したリスクに対しては、危機対応を想定した各種マニュアルを整備し、有事に備えて防災訓練・事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)訓練、安否確認訓練を実施し、日頃から役員・従業員の防災意識向上に取り組んでいます。

 

また、当社は、気候変動イニシアティブ(JCI:Japan Climate Initiative)のメンバーとして、気候変動に関わる情報交換や政策提言の支援を行っています。JCIはパリ協定が求める脱炭素社会の実現に向け、世界と共に挑戦の最前線に立つことに賛同した企業や自治体、NGOなどによるネットワークで、政府による温暖化ガスの削減戦略に対する働きかけや気候変動に係る国際会議等で意思表明など、当社は、JCIが掲げる宣言「脱炭素化をめざす世界の最前線に日本から参加する」に賛同し、「1.5℃目標の実現に向けた世界のトップランナーとなるよう、自らの活動においてエネルギー効率化と再生可能エネルギー利用を加速する」という内容に沿って、生産工程の省エネルギーをはじめとする取り組みを強めていく方針です。

 

 

(3)戦略

当社は、TCFD提言に沿って「1.5℃シナリオ」を含む複数のシナリオを考慮の上、気候変動に関するリスクと機会について分析を行っていきます。その結果、自然災害の激甚化による物理的なリスク、被害を軽減するために導入される各種規制から生じる移行リスクを特に重要なリスクとして識別し、これらに対して、脱炭素に貢献する製品展開の拡大、省エネ・省資源にともなうコスト低減に取り組んでおり、さらなる成長に寄与する機会の検討を進めています。

 

施策例として、以下の内容を推進しています。

・環境負荷低減を考慮した製品開発(製品に使用するプラスチック量の削減、電気自動車の再生バッテリーを利用したポータブル電源の開発等)

・天然資源(ガス/OIL)設備代替推進

・再生可能エネルギーによる電力購入、設備導入推進

 

またカーボンニュートラル実現施策として、安定した「ものづくり」実現と使用エネルギー削減に取り組むため、

拠点統合、自動化推進、設計改革等の、「ものづくり改革」を策定しており、ものづくり改革の推進のために、「生産グランドデザイン」として、以下の観点を設定しています。

 

・当社収益基盤である日本国内市場へ向けた「日本生産回帰」を推進加速する生産拠点の統合

・設計改革及び自動化推進等を軸に、総生産量・総工数に見合った生産拠点レイアウトへ最適化、事業部個別最適から脱却し、グループ標準としての開発拠点へ統合し、生産拠点を再編

・本社横浜地区建設中新拠点の消費エネルギー低減

 

 

 

(4)指標及び目標

当社は、環境基本方針(JKグリーン2025)に基づいて策定された各種省エネルギーの取り組みを進めています。

2019年度には、環境省主催の「インターナルカーボンプライシング活用支援事業」に参加し、社内における炭素コストの意識付けを図る活動を開始し、グローバルでのCO₂排出量削減の長期目標として2050年カーボンニュートラルを実現すべく、CO₂排出量(Scope1+Scope2)を2019年度比で25.2%削減することを掲げているほか、Scope3目標として、グローバルでのScope3におけるCO₂排出量の算定及び事業活動にともなう、CO₂排出量削減に取り組んでいます。

 

<環境基本方針「JKグリーン2025」4項目の重点目標>

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<CO₂排出量(Scope1+Scope2)を2025年度までに2019年度比25.2%削減目標と排出量推移>

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2. 人的資本

(1)ガバナンス

当社のガバナンスに関する基本的な考え方は「1. 気候変動への対応 (1)ガバナンス」に記載の通りです。

 

(2)リスク管理

当社でのリスクマネジメントについては「1. 気候変動への対応」に記載の通りです。リスクサーベイランスにおけるリスク項目の中には人事・労務管理リスク等に関する事項も含めてリスクの特定、評価、管理を行っています。

 

(3)戦略

当社グループは、2023年度を開始年度とする新たな中期経営計画「VISION2025」を2023年4月に策定しました。そして、経営方針である、「イノベーションを実現する人材の育成と組織能力の強化」を実現するにあたり、経営戦略と連動した以下のような人的資本施策を推進します。

 

① 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針

<人材戦略>

「VISION2025」では、経営戦略と連動した人材要件の策定、またそれを実現するための人材育成計画を策定し実行します。また2024年夏完成予定の「Value Creation Square」の創設を柱とした新たな働き方の実現を目指します。

 

<VISION2025での人材戦略>

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<Value Creation Square>

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<ダイバーシティ&インクルージョン>

当社では、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」を重要な戦略の一つと位置付けています。当社がさらなる飛躍を遂げるためには、すべての従業員が各々のポジションで最大限の力を発揮することが不可欠です。人種・国籍・宗教・文化・障がい・働き方・年齢・性別・性的指向・性自認など、さまざまな背景を持った従業員が生き生きと活躍できる組織を実現し、一人一人のエンゲージメントを高めることが、組織の活性化やパフォーマンス向上につながると考えています。多様性が尊重される組織風土づくりに継続して取り組むことで、イノベーションの創出と事業を通じた持続的社会への貢献を目指します。

 

ダイバーシティ概念図

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② 社内環境整備に関する方針

<健康経営>

当社グループは、企業理念「感動と安心を世界の人々へ」の実現のため、「変革」と「成長」に取り組んでいます。その源泉は従業員であり、従業員一人一人が共に健康であることを重要な経営課題と認識し、「JVCケンウッド健康宣言」を発信して「全ての従業員が健康で生き生きと働くことができる職場環境」の整備を持続的に目指していきます。JVCケンウッドは、経済産業省・日本健康会議が主催する「健康経営優良法人認定制度」の大規模法人部門において、優良な健康経営を実践している企業として2018年度から6年連続で認定されており、2023年度は5回目となる「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)ホワイト500」の認定を受けました。

 

当社グループは「JVCケンウッド健康宣言」のとおり、「全ての従業員が健康で生き生きと働くことができる職場環境」づくりに取り組み、「従業員のパフォーマンス向上」を解決すべき経営課題と認識しています。この目指す姿に向けて、健康経営を通じて従業員一人ひとりの健康レベルの維持・向上を図り、「アブセンティーイズムの低減」「プレゼンティーイズムの低減」「ワークエンゲージメントの向上」「ワーク・ライフ・バランスの充実と向上」を目指します。そして、健康経営の目標や取り組みをまとめた「健康経営取り組みMAP」に沿って、全従業員が一体となって取り組みを推進しています。

 

<JVCケンウッド健康宣言>

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<健康経営取組MAP>

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<人権に関する取り組み>

当社グループは、事業活動及びサプライチェーンに関わる、すべてのステークホルダーの人権を尊重しています。企業の事業運営のグローバル化にともなう人権への影響に対する関心の高まりを背景に、2011年に国連人権理事会によって発行された「ビジネスと人権に関する指導原則」では、企業がその事業活動やサプライチェーンにおける人権への悪影響を未然に防止あるいは軽減するために実施すべきステップが示されています。また2020年10月、企業活動における人権尊重の促進を図るため、日本政府は「『ビジネスと人権』に関する行動計画(2020-2025)」を策定しました。このような流れを受け、事業活動において人権を尊重する意思をより明確に表明するため、JVCケンウッドグループは「JVCケンウッドグループ人権方針」を策定しました。本方針は当社役員及び従業員だけでなく、事業を通じて影響を及ぼす可能性のあるビジネスパートナーやサプライヤーを含むバリューチェーン上のすべての外部パートナーにも遵守することを求め、ステークホルダーエンゲージメントを通じて適切な対処を積極的に働きかけていきます。同方針に基づき、事業活動における人権尊重の取り組みを今後より一層進めていきます。

JVCケンウッドグループ人権方針については下記URLをご参照ください。https://www.jvckenwood.com/content/dam/pdf/220215_jvckenwood_human_rights_policy_jp.pdf

 

(4)指標及び目標

JVCケンウッドでは、「VISION2025」における取組テーマである、「人材戦略」、「多様性」、「健康経営推進」を行う上で、採用人数、研修人員数、エンゲージメント指標、自己都合退職率、生産性指標、休職者率を重要な指標と捉え、個々の施策を進めていきます。経営戦略との連動を意識した人材育成や採用方針をたて、結果として「働き甲斐のある職場」を新設の「Value Creation Square」にて実現していきます。そうした活動のアウトプットとて、新卒、キャリアを問わず採用人数を2022年3月期61名について1.5倍以上にしていくこと、人材要件を実現する育成施策の推進強化、休職者率のモニタリングと日々の健康推進施策による維持低減施策を通じたエンゲージメント指標の22年度実績58パーセントからの更なる向上を目標とします。

 

詳細は、当社ホームページの下記URL(ESGデータ)を参照ください。また、女性管理職比率、男性育児休業等取得率、男女間賃金格差については、「第1 企業の状況 5.従業員の状況」に記載しています。

https://www.jvckenwood.com/jp/sustainability/esgdata.html

 

3【事業等のリスク】

当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらの記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

<当社グループにおけるリスク管理体制>

当社グループでは事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、影響及び損害の最小化を図るとともに、これらを機会として活かすための体制を整備しています。全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置き、配下に各事業分野、グループ会社責任者を配置し、リスク管理担当部門を事務局としてリスクマネジメントプロセスに基づいて各職場が主体的に直面し得るリスクを定期的に洗い出し、リスクの事前把握と、発現した際の迅速な対応含め施策を進めています。

 

<当社グループにおけるリスクマネジメントプロセス>

・当社グループの全部門を対象に毎年リスクサーベイランスを行い、各事業部・地域において事業の現場で直面するリスクを洗い出して「事業拠点リスク」と位置付けて、影響度・発生頻度及び対応状況を踏まえてリスク評価するとともに対策を策定し実行、施策進捗をモニタリングし改善するサイクルをそれぞれの部門において実施

・最高経営責任者(Chief Executive Officer、略語:CEO)が主宰し、リスク管理担当役員を議長、議長により指名された本社部門長及び各事業分野の担当役員を構成員として設置される全社リスク管理会議において、各事業部・地域により洗い出された「事業拠点リスク」と経営課題・事業課題を踏まえ、経営への影響度や緊急性、インシデント発生状況等を勘案して抽出したリスク課題を「最優先で取り組むべきグローバル重要リスク」と位置付けてリスク解決に向けた施策を策定し、経営層レベルによる全社的視点での取り組みとして当該リスク管掌担当役員を対応推進責任者に指名

・対応推進責任者は、グローバル重要リスクを連結会計年度の事業達成への取り組みとして、施策を各事業部・地域に落とし込んで改善するサイクルを実施し、進捗をモニタリング

 

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(1)事業環境の変化等にともなうリスク

① 原材料等の調達の外部依存について

当社グループ製品の開発・製造活動において、外部より十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウエア、サービスなどについて競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ入手することは重要です。当社グループにおいては外部の部品開発業者、生産業者、部品供給業者、製品開発業者、ソフトウエア開発業者等からの購入、生産委託、又は共同開発等により、外部業者に対して一定程度以上の依存をしています。したがって、外部業者との関係悪化、外部業者自身の経営問題、外部業者の自然災害や事故等の罹災、パンデミック等によるグローバルな社会環境・事業環境の変化等様々な要因での供給の遅滞や停止や当社グループ製品に関する開発の遅滞や停止などが発生した場合、製品開発・製造活動に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、現時点においてロシア・ウクライナ紛争及びロシア経済制裁等による当社グループの製品の原材料等の調達への直接的な悪影響は無いと判断しておりますが、ロシア・ウクライナ紛争及びロシア経済制裁等は依然として継続・長期化していることにともない、部品や製品の原材料不足などへの影響は注視が必要と考えております。また、エネルギー価格の高騰、為替相場の変動等により、これらが当社グループへ直接的に、又は当社が依存する外部業者に対して悪影響を与えることによって、間接的に当社グループ製品の開発や製造にも制約や影響が生じるリスクが継続している状況です。当社グループは、サプライヤーと連携の上で、上記の原材料や基材の調達に制約が生じる事情の有無について早期発見に努めており、そのような制約のおそれについて関知した場合には当社グループの調達への悪影響を可能な限り軽減するための対策に善処するよう図っておりますが、これらの連携及び対策が奏功する保証はありません。

 

当該リスクに対し、外部業者との友好な取引関係の確立・維持に努めることは当然ながら、開発のバックアップや調達の停止リスク回避を考慮した取引先の複数確保、BCP在庫の保有、汎用部品の採用、仲介業者活用による在庫確保等の対策を講じ、急なコストの悪化や、当社グループの国内・海外の生産工場における製造活動の停止等が起きぬよう、対策を講じています。特に、当社グループは、前期連結会計年度に引き続き当連結会計年度においても半導体等の部品供給不足による生産遅延の影響を大きく受けました。これについては、部品備蓄の対応や問題部品の代替設計等による生産・販売の継続など、新たな施策を講じ事業影響の最小化を図っており、現在では、半導体を中心として電子部品の調達難が緩和方向となり、概ねの部品調達が実施できる状況となっております。しかしながら、半導体はじめとする部品の安定供給や価格動向等については依然として不確実性をともなう状況にあり、これらの施策を講じていたとしても、当社グループが想定する規模や期間を上回る外部事業者側の事情や事業環境等の変化(悪化)があったような場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 経済状況等の変化によるリスク

当社グループの製品・サービスに対する需要は、その販売国又は地域の経済状況の影響を受けるため、当該市場における景気後退にともなう需要の減少が、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。個人顧客を主力購買層とするものについては、個人顧客のライフスタイルや嗜好の変化、可処分所得の増減等により販売数量が左右されやすい性質を持っています。これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域における経済状況、景気動向等、個人消費に影響を与える諸要因によって大きく変動する傾向があり、これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、それに対応した当社グループの事業改革が想定どおりに功を奏しない場合や、これらの悪化要因に対応した製品を適時に開発、製造して市場に提供できない場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、各国・地域の官公庁や民間企業などの法人顧客を主力購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向等によって販売量が左右され、それによって当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクは、発生の時期・内容・規模・地域等が不明確であり、事前に影響の測定が困難なものでありますが、当社グループは当社グループの予測からの変化を常にモニタリングし、日々のオペレーション対応からコンティンジェンシープランの実施までリスク規模に合わせた迅速でフレキシブルな対応をリスクマネジメントプランに則り対応し、リスクの回避又は影響の最小化を図っております。ただし、国際紛争やパンデミックの長期化・拡大等により、当社グループが想定する規模や期間を上回る経済環境の変化(悪化)があった場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 為替相場及び金利の変動による影響について

当社グループの売上収益に占める海外向の割合は5割以上あり、拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて連結財務諸表作成にあたり海外の現地通貨建ての資産・負債等が円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの為替感応は、ユーロに対する円高で業績は悪化し、米ドルに対する円高で業績は良化します。また、金利の変動は、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、主要通貨での予定取引及び資産・負債の一部に対して為替予約等ヘッジ取引を実施することにより、急激な為替レートの変動リスクの軽減に努めています。また、一部の通貨においては各国規制などによりヘッジできていない取引及び債権・債務が存在するものの、当社グループの経営成績等の全体に及ぼす影響は限定的になっています。しかしながら、主要通貨において当社グループの想定を超える長期的な為替相場の不利な変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 顧客の資金状況・財務状況について

当社グループは、代金後払いの条件で顧客へ製品等の販売を行っている取引があります。当社グループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限通りの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し当社グループは、取引先毎の財務状況調査、財務体力に応じた与信限度の設定、L/C取引、取引信用保険の付保などの対応を行いリスクの回避に努めています。

 

 

⑤ 業界動向の変化

当社グループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化などを含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、同一業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を超えた新たな市場開拓と機会を秘めています。そのような状況下、競合他社による組織再編やM&Aにより、同一業界内又は隣接する業界やその他の業界における企業間での地位や競争の構造が変化し、あるいは業界内でのビジネススキームの変化や標準規格の変更等により、当社グループが規模のメリット、技術開発力、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達、生産地、販路、持続可能性の評価等において劣後することとなり、業界における現在の地位を維持できなくなる可能性があります。あるいは、当社グループが業界再編の当事者となることにより、当社グループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編等により競争の構図が刷新されるような状況においては、当社グループが当社グループ製品の業界における現在の地位をその後も維持し発展していくことができるとの保証は無く、係る場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、当社グループは、業界他社動向を常に注視しつつ、他社にない製品・サービスの開発を推進し、業界の変化に左右されない地位の維持、拡大に努めてまいります。

 

⑥ 市場における競争の激化

当社グループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうち当社グループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、当社グループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、当社グループ製品の需要が減少し、当社グループ製品の価格が下落したり、当社グループのブランド価値が下落したりする恐れや、当社グループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争において当社グループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、当社グループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、係る影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。

当該リスクに対し、当社グループは、各事業分野において、企業方針に基づき、顧客価値創造を目指した高付加価値な製品及びサービスの企画を継続し、競合優位な企業を目指します。

 

⑦ 技術革新における競争について

技術革新が重要な競争要因になっているなかで、当社グループとして絶えず研究開発活動への資金・資源を投入し続ける必要があります。当社グループの新たな製品開発に必要、又は市場から要求される必要な技術は常に高度化していると共に、近年では、持続可能な社会実現への期待も増してきており、技術の高度化や持続可能な社会への貢献にともないそれらの対応に要する資金が増加していく可能性がありますが、当社グループがそのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、当社グループが将来の市場ニーズに応える新技術や社会的責任を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際には当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。更には、予測を超える広範・大規模な技術革新や社会的要請に急激な変化が起こった場合、研究開発活動等に十分な資金・資源の投入ができない場合、及び有能かつ熟練した研究開発要員を確保できず、あるいは外部に流出してしまった場合には、十分な商品化開発が進まず、売上収益を確保できないリスクがあります。また、構成部品の市況変化による高騰などから総原価が増大した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。

当該リスクに対し、当社グループは、リスクを最小化するために、変化する市場環境、社会的要請、技術トレンド、構成部品、及び第三者ソリューションの市況を含めた技術開発・製品化ロードマップを適時改訂するとともに、技術者の人財能力育成も計画的なプログラムを実施し、発生し得るリスクを早期に察知・可視化するモニタリング活動を重要視して事業活動を展開していきます。

 

 

⑧ 国際的な事業活動におけるリスク

当社グループは海外で幅広くビジネスを展開しており、現地における労使関係、宗教や文化、規制の相違、政情・経済上の不安、商慣習等に関する障害や、予期しない会計基準や法規制の導入、持続可能性の評価要件の違い、税務当局との見解の相違等により、コスト、税負担のほか、事業活動上の様々な障害や制約に晒される可能性があります。また、国内外での製品輸入通関申告手続について適切な関税分類に従って実施していますが、輸出国の通関当局との見解の相違により、通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があります。

当該リスクに対し、当社グループは、各国関連子会社、地域経済団体、当局、弁護士、コンサルタント等との間で情報共有又は連携し、事前の必要な対策とリスクが顕在化した際の影響の最小化に向けた準備・対応を行うとともに、持続可能な社会の実現に向けてグループ一体となって取り組んでまいります。

 

(2)事業オペレーションにともなうリスク

① 情報セキュリティリスクについて

当社グループは、顧客の秘密情報、プライバシー情報、そして経済的に重要な情報を扱っています。このような情報が、標的型サイバー攻撃等の悪意ある行為や不注意により外部に流出するリスクは常に存在します。さらに、当社グループの商品ラインナップには、外部デバイスやメディアとネットワークを経由し連携する商品やサービスが含まれています。これらの商品やサービスには、サイバー攻撃等による誤動作を引き起こすセーフティリスク、デバイス操作情報の流出によるセキュリティリスク、そして接続しているシステムや製品が正常に処理できないリライアビリティリスク等が存在します。このようなリスクが現実となった場合、顧客や関係者への損害賠償、対応に必要なコスト、さらには当社グループ及びサービスに対する社会的信頼の損失といった事象が起こり得ます。これらは、当社グループの事業、業績、そして財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

そうしたリスクを最小限に留めるため、当社グループは昨年、CISO(Chief Information Security Officer)を任命し、その傘下にJK-CIRT/CC(JVCKENWOOD Central Incident Response Team/Coordination Center)を設置し、全社的なサイバーセキュリティ体制づくりをスタートさせました。具体的には、社内規程の見直し、セキュリティポリシーの厳守、そしてインフラ及び製品のセキュリティ体制の強化を進めています。これらの取り組みにより、リスクの現実化を抑制し、事業の継続性と社会的信頼を確保することを目指しています。しかしながら、全ての対策が完全に情報の流出や製品の誤動作を防ぐ保証とはなりません。これらのリスクが現実化した場合、当社グループの事業、業績、財務状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。当社は引き続き、情報セキュリティ対策の強化を推進する予定です。また、情報セキュリティ研修を通じて内部関係者のサイバーセキュリティリテラシーを向上させ、サイバーセキュリティの文化を浸透させることを目指します。さらに、サイバーセキュリティに関する最新の技術動向や脅威情報を常に把握し、セキュリティ対策の最適化を進める等、サイバーセキュリティ体制の継続的な見直しと改善にも尽力していきます。

 

② 品質問題の発生について

当社グループは、様々な製品を製造・販売しており、その製品の特性上、製品に欠陥が発生し、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)が発生する可能性があります。

当該リスクに対し、当社グループは、企画・開発・生産の各工程において、品質を重視した各プロセスの基準遵守と有効なフェイズゲートを設け、品質に問題が生じぬよう徹底したチェックを行っています。しかし、それでも品質問題が起こる可能性はゼロではないため、製造物賠償責任保険へ加入しています。併せて、重大製品事故(PL(Product Liability:製造物責任)法問題含む)を含む品質問題防止にむけた全社の取り組みとして、1)新機種の製品安全評価、2)重要安全部品管理強化、3)製品安全マネジメント体制の再構築(PL情報のデータベース化、及び、オペレーション明確化と迅速化)、4)品質向上・安全性確保に向けた設計及び評価ノウハウの全社共有の推進をしています。また、上記仕組みの構築だけでなく品質月間等のイベント実施や定期的に社内外の品質情報を社内展開するなど、従業員の品質に対する意識の向上を図っています。しかしながら、このような努力をもってしても、当社グループの製品の欠陥を完全に防止できるものではなく、また、製造物責任の範囲が当社グループが加入する製造物賠償責任保険の対象範囲を超えるなど、当社グループの想定を超える場合には、賠償責任の可能性や、品質対策費用の発生、更には当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下等を引き起こし、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 人材の確保、喪失、高齢化

当社グループの全ての事業活動の成果の多くは人材に大きく依存しています。特に高度な専門知識や経験を持った有能かつ熟練した従業員が賃金水準、待遇の相対的低下、労働環境の悪化等の事情によって当社グループ外に流出した場合や、人員構成比率の高い50代の従業員が退職した後の人材補充が適正に行われない場合には、当社グループの将来の事業活動に悪影響を与え、技術や業務ノウハウの伝承が円滑に行われず、企業競争力の低下を招くなど、事業の持続可能性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

当該リスクに対し、当社グループでは、「VISION2025」で掲げている、経営戦略と人材戦略の連動やエンゲージメントの向上を柱とした人的資本経営の実践にむけて、人材の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、異なる考え方を受け入れる(インクルージョン)、ダイバーシティ&インクルージョンの推進とそれを可能にする制度作りに積極的に取り組んでいます。多様な発想や価値観を持った人々が互いを尊重し、刺激し合うことで、革新的なアイデアが生みだされ、それにより世界中のお客さまの多様なニーズに応えることができると考えます。コロナ禍で一時的な採用活動の停滞などがありましたが、当社グループは「新卒採用の拡充」「中途採用の多角的実施」等により多様な人材を確保するとともに、従業員の育成体系を整備しキャリア開発を促進し、テレワークを中心とした働き方改革との相乗効果で、従業員の定着と年齢構成の適正化、リバランスを進め、企業競争力の維持、事業継承に対するリスク低減に取り組んでいます。

 

④ M&A・他社との提携の成否

当社グループは、新製品・サービスの提供や、企業価値の向上、新たな事業展開を目的とし、他社とのパートナーシップが必要と判断した場合には、M&A、業務・資本提携や合弁会社設立などを行っています。実施に当たっては、リスク分析、当社グループとの相乗効果の可能性等十分に検討を行い進めていますが、市場や競合関係、技術イノベーションの変化等において著しい変化があった場合、当初想定した成果を出すことができず、投資額を回収できなくなる可能性があります。また、当社グループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合など、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 持分法適用関連会社の業績・財務状況

当社グループは、持分法適用関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで、経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)財務・会計に関するリスク

① 有利子負債に付された財務制限条項を維持できない場合

当社グループの有利子負債に係るシンジケートローン契約、コミットメントライン契約及びターム・ローン契約には財務制限条項を含む期限前弁済条項が付されており、これらの条件が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があり、その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、当社グループは、キャッシュ・マネージメント・システムなどによるグループ資金の効率化を図り、有利子負債を圧縮するとともに、主要取引金融機関との関係強化に努めています。

 

(4)法的規制に関するリスク

① 法的規制

当社グループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。今後こうした法的規制がより厳格となったり、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法的規制に従うことが困難となった場合には、事業活動が制限を受けたり、法規制等を遵守するための費用が増加するリスクがあります。

当該リスクに対し、当社グループは、事業活動に纏わる全ての関連法規に基づき、それらに則ったプロセスや結果となっているか厳重なチェック体制を維持するとともに、現場管理者向け研修等を定期的に実施して、その重要性を現場に浸透させ、対応を進めることに努めています。

 

 

② コンプライアンス

当社グループは、全世界で業務を遂行するにあたり、各国のさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらを遵守すべく、役職員へのコンプライアンス意識の向上と体制構築に努めています。しかしながら、これらに対する違反等が発生する可能性は皆無と言えず、発生した場合には、社会的信用を失い、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、当社グループは、JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準及び諸規程を整備するとともに、それらの実効性を確保するために適宜見直しを行っています。さらに、運用状況のモニタリング、コンプライアンス研修等を通じた規程の制定/改定等についての教育・指導を行っています。

 

③ 知的財産権

現在、他社から使用許諾を受けている特許等の知的財産権について、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりすることで、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図せず第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、当社グループの評判、ブランド価値の低下を引き起こすリスクがあります。

当該リスクに対し、当社グループは、本社知的財産部に加え、事業セグメントごとに関係スタッフを配置し、他社特許権を侵害しない管理体制の構築・運用など全社的に知的財産リスクの回避に取り組むとともに、強化に努めています。

 

④ 過重労働、安全配慮義務違反

過重労働や安全配慮義務違反により、人財喪失や損害賠償責任等の直接的な損害が発生しうることに加え、当社グループに対する社会的評価の低下やブランドイメージ悪化につながるリスクがあります。

当該リスクに対し、当社は日々の残業労働時間確認に加え、人事部門においても残業労働時間の全部門確認を行い、経営層との状況共有や対策実施を行っています。また、年休取得やストレスチェックの実施により従業員の健康維持に注力した取り組みを組織的に行っています。加えて、テレワークが増える昨今の状況を考慮し、PCログの取得や休日、深夜早朝時間帯における就労申請外勤務者のPCロックなどのIT施策を加え就労状況の見える化に取り組んでいます。

 

⑤ 環境保護について

当社グループは、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染などに関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の遵守義務が生じており、これらの対応等に関連する費用負担や事故、法令抵触事項等が発生した場合の賠償により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。またRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等、環境に関する規制見直しにより、有害物質等を除去する義務が更に追加された場合や、CSRの観点から当社グループが任意に特定の環境保全活動に取り組んだ場合には、それを果たすための設備投資や機材購入等の支払いが発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が自然環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、当社グループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらが当社グループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、当社グループは、地球環境保全を念頭に適宜改正される製品及び事業所の環境関連法令への対応に努めており、必要な情報を常に収集して、当社の製品及びサービスへの対応を図っています。

 

 

(5)災害等に関するリスク

① 自然災害、人的災害

当社グループは、日本国内及び東南アジア・中国地区をはじめとして海外にも生産拠点を保有し、各国の営業拠点等を通じて世界中のお客様に製品を供給しています。そのため、予測が難しい自然災害(地震、津波、火災、洪水等)、感染症によるパンデミック等、又は火災や爆発、輸送機関の事故、及び戦争、騒乱、騒擾等の人的災害が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、事業活動が中断され、更には当社グループの拠点のみならず、部品調達先や取引先、ロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、当社グループは、危機対応を想定した各種マニュアルを整備し、有事に備えて防災訓練・事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)訓練、安否確認訓練を実施し、日頃から役員・従業員の防災意識向上に取り組んでいます。このような当社グループ一体となった事業継続、災害からの早期復旧と、生産・出荷・サービス提供の迅速な再開など、リスク最小化に向けた事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を進めています。

 

また、国内外の工場においても該当国の規制を遵守し、稼働停止による当社グループに対する影響を最小限に抑える活動を推進していますしかしながら、感染症や自然災害、人的災害の発生などに対しては、一企業グループとして最善と考えられる施策を展開した場合でも、そのリスクを完全に回避することは困難であり、当社の想定を上回る被害が生じた場合等においては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は以下のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

1)経営成績

当連結会計年度における当社及び連結子会社の売上収益は、モビリティ&テレマティクスサービス分野の生産・販売の正常化による増収に加え、パブリックサービス分野の無線システム事業の販売が想定を上回って好調に推移し、大幅増収となったこと等から、前年同期比で大幅な増収となりました。全社営業利益についても、増収の効果に加え、第3四半期連結会計期間に固定資産譲渡益(約97億円)を計上したこと等から、前年同期比で大幅な増益となりました。

なお、当連結会計年度の連結経営成績のサマリーは以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

2022年3月期

2023年3月期

前年同期比

増減率

売上収益

282,088

336,910

+54,821

+19.4%

コア営業利益

7,144

15,836

+8,691

+121.6%

営業利益

9,054

21,634

+12,579

+138.9%

税引前利益

8,515

21,161

+12,646

+148.5%

親会社の所有者に帰属する

当期利益

5,873

16,229

+10,356

+176.3%

※売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除することにより算出され、主として一時的な要因からなる、その他の収益、その他の費用、為替差損益等を含みません。セグメントの業績評価は「コア営業利益」を使用して説明します。なお、2024年3月期より「コア営業利益」から「事業利益」に名称を変更します。

 

また、当連結会計年度の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。

 

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

損益為替レート

米ドル

約130円

約138円

約141円

約132円

 

ユーロ

約138円

約139円

約144円

約142円

前期(参考)

米ドル

約110円

約110円

約114円

約116円

 

ユーロ

約132円

約130円

約130円

約130円

 

* 売上収益

当連結会計年度における売上収益は、モビリティ&テレマティクスサービス分野が、自動車向けスピーカー、アンプ、ケーブル等の販売拡大に加え、半導体等の部品不足の解消等により、分野全体で大幅な増収となりました。さらに、パブリックサービス分野の無線システム事業の販売が想定を大幅に上回って好調に推移したことに加え、メディアサービス分野の販売も堅調に推移したことから、全社の売上収益は前年同期比で約548億円の大幅増(19.4%増収)となる3,369億10百万円となりました。

 

*コア営業利益

当社は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除したものを「コア営業利益」としています。

当連結会計年度における全社のコア営業利益は、上記のとおり大幅な増収となったこと等から、前年同期比で約87億円の大幅増(121.6%増益)となる158億36百万円となりました。なお、従業員の雇用等に関わる政府補助金を純損益として認識し、売上原価と販売費及び一般管理費から控除しています。

 

*営業利益

当連結会計年度における営業利益は、前年度に計上した子会社の売却益及び金融資産の評価益が減少したものの、コア営業利益が大幅な増益となったことに加え、第3四半期連結会計期間に固定資産譲渡益(約97億円)を計上したこと等から、前年同期比で約126億円の大幅増(138.9%増益)となる216億34百万円となりました。

 

* 税引前利益

当連結会計年度における税引前利益は、営業利益が大幅な増益となったこと等から、前年同期比で約126億円の大幅増(148.5%増益)となる211億61百万円となりました。

 

* 親会社の所有者に帰属する当期利益

当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が大幅な増益となったこと等から、前年同期比で約104億円の大幅増(176.3%増益)となる162億29百万円となりました。

 

2)財政状態

*資産

資産合計は、現金及び現金同等物の増加に加えて、サプライチェーン問題等の影響により棚卸資産が増加したこと等から、前連結会計年度末比で約185億円増となる2,993億55百万円となりました。

 

*負債

負債合計は、営業債務及びその他の債務は増加しましたが、銀行借入れの返済を進めたことにより借入金が減少したこと等から、前連結会計年度末比で約12億円減となる1,956億24百万円となりました。

 

*資本

資本合計は、利益剰余金が約155億円増加したことに加え、その他の資本の構成要素が増加したこと等から、前連結会計年度末比で約198億円増となる1,037億31百万円となりました。

 

なお、親会社所有者帰属持分比率は、親会社の所有者に帰属する持分合計が増加したことから、前連結会計年度末比で4.7ポイント増加し33.0%となりました。

 

② セグメントごとの売上収益及び損益

セグメントごとの売上収益及びコア営業利益は以下のとおりです。

(百万円)

 

 

 

 

 

セグメントの名称

2022年3月期

2023年3月期

前連結会計年度比

 

 

 

 

 

モビリティ&テレマティクス

売上収益

164,251

197,564

+33,312

サービス分野

コア営業利益

2,246

4,396

+2,149

パブリックサービス分野

売上収益

58,089

74,652

+16,563

 

コア営業利益

2,467

10,675

+8,207

メディアサービス分野

売上収益

53,432

57,265

+3,833

 

コア営業利益

2,703

798

△1,905

その他

売上収益

6,315

7,427

+1,112

 

コア営業利益

△273

△33

+239

合計

売上収益

282,088

336,910

+54,821

 

コア営業利益

7,144

15,836

+8,691

 

営業利益

9,054

21,634

+12,579

 

税引前利益

8,515

21,161

+12,646

 

親会社の所有者に帰属する当期利益

5,873

16,229

+10,356

 

* モビリティ&テレマティクスサービス分野

当連結会計年度におけるモビリティ&テレマティクスサービス分野の売上収益は、前年同期比で約333億円の大幅増(20.3%増収)となる1,975億64百万円、コア営業利益は同約21億円の大幅増(95.7%増益)となる43億96百万円となりました。

(売上収益)

OEM事業は、車載用スピーカー、アンプ、ケーブル等の販売拡大に加え、半導体等の部品不足が解消したことで用品が増収となったこと等から、前年同期比で大幅な増収となりました。

アフターマーケット事業は、半導体等の部品不足の解消に加え、国内外で販売が堅調に推移したこと等から、前年同期比で大幅な増収となりました。

テレマティクスサービス事業も部品不足の解消に加え、損害保険会社向け通信型ドライブレコーダー等のテレマティクスソリューション関連商品が堅調な販売を継続したこと等から、前年同期比で増収となりました。

(コア営業利益)

テレマティクスサービス事業は部品価格高騰の影響を受けたこと等から減益となったものの、OEM事業、アフターマーケット事業は増収の効果により大幅増益となったことから、モビリティ&テレマティクスサービス分野全体でも、前年同期比で大幅な増益となりました。

 

* パブリックサービス分野

当連結会計年度におけるパブリックサービス分野の売上収益は、前年同期比で約166億円の大幅増(28.5%増収)となる746億52百万円、コア営業利益は同約82億円の大幅増(332.6%増益)となる106億75百万円となりました。

(売上収益)

無線システム事業は、全世界的な危機管理への機運の高まりにより需要が拡大していることに加え、米国において多額の政府予算を背景に公共安全市場の需要が堅調であること、さらに高機能を有する新製品トライバンド対応無線機の導入により受注獲得が進んでいること等によって好調に推移し、前年同期比で約161億円の大幅な増収となりました。

業務用システム事業は、株式会社JVCケンウッド・公共産業システムで、売上規模の大きい電設市場の販売回復が遅れているものの、ヘルスケアが増収となったことから、前年同期比で約5億円の増収となりました。

(コア営業利益)

無線システム事業が増収効果により前年同期比で大幅な増益となったことから、パブリックサービス分野全体でも大幅な増益となりました。

 

* メディアサービス分野

当連結会計年度におけるメディアサービス分野の売上収益は、前年同期比で約38億円増(7.2%増収)となる572億65百万円、コア営業利益は同約19億円減(70.5%減益)となる7億98百万円となりました。

(売上収益)

メディア事業は、第2四半期連結会計期間以降にプロジェクターの販売が回復したこと等から、前年同期比で約25億円増収となりました。

エンタテインメント事業は、年間を通じてコンテンツビジネスの販売が堅調に推移したこと等から、前年同期比で約13億円増収となりました。

(コア営業利益)

エンタテインメント事業は、増収効果により前年同期比で増益となりましたが、メディア事業でヘッドホン、イヤホン等が仕入価格高騰による影響を受けたこと等から、前年同期比で減益となり、メディアサービス分野全体では前年同期比で減益となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

* 営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において営業活動により増加した資金は266億7百万円となり、前年同期比で約195億円収入が増加しました。主な要因は、税引前利益が増加したことや営業債権及びその他の債権が減少したこと等によるものです。

 

* 投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において投資活動により減少した資金は73億29百万円となり、前年同期比で約25億円支出が減少しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出は増加しましたが、当社八王子事業所の土地売却による収入があったこと等によるものです。

 

* 財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において財務活動により減少した資金は140億32百万円となり、前年同期比で約28億円支出が増加しました。主な要因は、銀行借入れの返済を進めたこと等によるものです。

 

なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比で約75億円増となる561億86百万円となりました。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

* 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

モビリティ&テレマティクスサービス分野

208,661

23.40

パブリックサービス分野

81,518

41.56

メディアサービス分野

58,772

3.35

その他

7,407

△14.84

合計

356,359

21.94

(注)金額は販売価格で計上しており、消費税等は含まれていません。

 

* 受注実績

当社グループの製品のうち、モビリティ&テレマティクスサービス分野・パブリックサービス分野・メディアサービス分野・その他については原則として見込生産によっています。ただし、メディアサービス分野におけるエンタテインメント事業の一部は受注生産によっていますが、これらは受注と同時に生産・引渡しを行うため受注高と販売高はほぼ同額です。

 

* 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②セグメントごとの売上収益及び損益」に、セグメントごとに記載しています。なお、主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討事項は以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1) 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、2023年3月期の期初における連結業績予想及び2023年2月1日付の修正業績予想との対比で、以下のとおりとなりました。なお、当社グループは、2022年10月31日及び2023年2月1日付で2023年3月期通期連結業績予想の修正を行っています。

      (百万円)

 

(参考)

2023年3月期
通期連結業績予想
(2022年4月27日付
期初業績予想)

2023年3月期
通期連結業績予想

(2023年2月1日付
修正業績予想)

2023年3月期
通期連結実績

2023年3月期
通期連結業績予想比

(2023年2月1日付

修正業績予想比)

売上収益

300,000

330,000

336,910

101.2%

営業利益

8,000

21,400

21,634

101.1%

税引前利益

7,000

21,000

21,161

100.8%

親会社の所有者に帰属する
当期利益

4,000

16,000

16,229

101.4%

 

当連結会計年度の経営成績は、モビリティ&テレマティクスサービス分野の生産・販売の正常化による増収に加え、パブリックサービス分野の無線システム事業の販売が想定を上回って好調に推移し、大幅増収となったこと等から、売上収益は3,369億10百万円となり、第3四半期連結会計期間に固定資産譲渡益(約97億円)を計上したこと等から、営業利益は216億34百万円、税引前利益は211億61百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は162億29百万円となりました。

 

2) 財政状態

財政状態の分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の概要 2)財政状態」に記載しています。

 

3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

*キャッシュ・フロー

当社は、円滑な事業活動に必要な資金について、主として銀行等金融機関から借入金により資金調達を行っており、借入金の年度別返済額を平準化することで借り換えリスクの低減を図っています。

また、一時的な資金需要の増加にも対応できるように銀行とコミットメントライン契約を締結し、十分な流動性を確保しています。

なお、当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動で支出されたキャッシュ・フローの合計をフリーキャッシュ・フローとして定義し、当社はこの指標を戦略的投資又は借入金返済に充当可能な資金、或いは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、有用な指標と考えており、以下のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。

 

また、これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー」に記載しています。

(百万円)

 

2022年3月期

2023年3月期

営業活動によるキャッシュ・フロー

7,059

26,607

投資活動によるキャッシュ・フロー

△9,804

△7,329

フリーキャッシュ・フロー

△2,744

19,278

 

*資金需要

当社の運転資金のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び宣伝販促費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。

 

*財務政策

社は、株主への安定的な利益還元を図っていくとともに、今後の成長に向けた投資、財務基盤の強化を図り、大きな成長を実現する事業の構築を推進して行き、その時々の経営状況に鑑みて、株主還元、有利子負債の返済、投融資に配分して資金を使用します。

この2年間での資金配分は以下のとおりとなっています。

(百万円)

 

2022年3月期

2023年3月期

株主還元

819

980

投融資

16,273

16,115

有利子負債の返済

10,008

12,331

※1. 投融資は、投資キャッシュ・フローから定期預金の増減、資産売却及び分配による収入を除外した額。

※2. 有利子負債は、借入金純増減額の減少額とリース負債の返済額の合計額で、合計額がマイナスの場合は「-」(増加(収入)となる。)となります。

 

4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

当社グループにおいては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

1.技術受入契約

当社グループが提供を受けている主な技術受入契約は以下のとおりです。

契約会社名

相手先

国名

技術受入契約の内容

契約期間

株式会社

JVCケンウッド

MPEG LA, LLC

米国

AVC/H.264 エンコーダー/デコーダー等に関する特許実施権

2010年1月から

特許権満了日まで

 

2.技術援助を与えている契約

当社グループが提供している主な技術援助に係る契約は以下のとおりです。

契約会社名

相手先

国名

技術援助契約の内容

契約期間

株式会社

JVCケンウッド

アルダージ株式会社

日本

ARIB規格関連製品に関する特許再実施権の許諾

2007年1月から

最終特許満了日まで

株式会社

JVCケンウッド

One-Blue, LLC

米国

BD&DVD規格関連製品に関する特許再実施権の許諾

2011年9月から

最終特許満了日まで

株式会社

JVCケンウッド

Access Advance, LLC

米国

HEVC規格関連製品に関する特許再実施権の許諾

2019年9月から

最終特許満了日まで

 

3.解除した契約

当社は、2014年5月にMPEG LA, LLCとの間でHEVC規格関連製品に関する契約を締結し、当社HEVC規格必須特許についての再実施権をMPEG LA, LLCに許諾してきましたが、2019年9月にAccess Advance, LLCとの間で同様の製品に関する契約を締結し、同月以降、Access Advance, LLCに対しても同様の再実施権を許諾してきていますので、2023年3月をもってMPEG LA, LLCとの契約を解約して、Access Advance, LLCとの契約に一本化することとしました。

 

4.当社は、2022年10月31日開催の取締役会において、当社が保有する固定資産の譲渡を決議いたしました。

(1)当該事象の発生年月日

2022年10月31日  固定資産譲渡契約締結決議日(取締役会決議日)

2022年11月11日  固定資産譲渡契約締結日

2022年11月30日  固定資産譲渡

 

(2)当該事象の内容

①譲渡の理由

当社は中長期的な企業価値向上を目指し、技術開発強化及びさらなる働き方改革促進を図るためのオフィス拠点再編を進めています。その一環として八王子事業所(東京都八王子市)の土地を売却することとしました。

 

②譲渡資産の内容

所在地   東京都八王子市

土地面積  23,040.82㎡(登記簿面積)

譲渡益   連結財務諸表(IFRS)  約97億円

現況    事務所

※譲渡価額については公表を控えさせていただきます。譲渡益は、譲渡価額から帳簿価額及び譲渡に関連する諸費用等を控除した金額です。また、本取引にともない発生する、営業費用及び法人税等については上記譲渡益には含まれておりません。

 

③譲渡先の概要

譲渡先につきましては、国内の事業法人ではありますが、譲渡先の意向により非開示といたします。

なお、譲渡先と当社との間には、記載すべき資本関係、人的関係及び取引関係はなく、また、譲渡先は当社の関連当事者には該当しません。

 

(3)当該事象の連結損益に与える影響額

当該事象の発生により、2023年3月期第3四半期連結決算において、固定資産売却益として約97億円をその他の収益に計上いたしました。

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、当社のモビリティ&テレマティクスサービス分野、パブリックサービス分野、メディアサービス分野の各事業分野、及びその他分野に含まれるDXビジネス開発部によって行われています。当連結会計年度における主たる事業分野の研究開発活動は以下のとおりです。

当社グループの当連結会計年度における基礎技術の研究開発に係る費用は21億円、量産設計に係る費用は152億円、総額は174億円です。

 

*モビリティ&テレマティクスサービス分野

ナビゲーションの商品化では、高音質ハイレゾ音源の再生に対応し、高画質と高速レスポンスを生み出す「彩速テクノロジー」を有した国内商品群の「彩速ナビ」において、デジタルルームミラー型ドライブレコーダーとの接続など安心・安全をサポートする「スマート連携」対応を強化しました。また「彩速ナビ」で好評を得ている機能「ここです案内」を継承した、初めての方にも使いやすいポータブルナビゲーションを開発し、商品群を充実させました。

海外商品群においても、広視野角のHDパネルを搭載、「Apple CarPlay」「Android Auto」「Wireless Mirroring for Android」との接続に対応し、高精細な映像とスマートフォン連携を強化した商品群を拡充しました。また、多種多様な仕様の車両への搭載を可能とする奥行きの短いショートボディの商品群を充実させました。

ドライブレコーダーの商品化では、デジタルルームミラーを搭載したドライブレコーダー「ミラレコ」を開発しました。「ミラレコ」は、カメラをリアウィンドウに設置するため、従来のルームミラーと比較して、搭載荷物や車体などにより生じる車両後方の死角が少なく、視界が広がります。この車両後方の映像を「ミラレコ」の大画面IPS液晶画面でリアルタイムに確認可能な「バーチャルルームミラー機能」により、ドライバーの安全性を向上させました。

その他商品群としては、飲酒・残酒運転の未然防止用途のアルコール検知器において、2022年4月の道路交通法施行規則の改正に対応し、事業者による測定結果の記録・管理を容易にするスマートフォンとのBluetooth®連携可能な通信型アルコール検知器を開発しました。

当連結会計年度の主な研究開発活動及び製品開発の成果は、以下のとおりです。

 

(1)国内用品車両メーカー向けに、客先要求仕様に対応したナビゲーション、ディスプレイオーディオ、カーオーディオ、ドライブレコーダー、リアカメラなどの車載製品を開発しました。

(2)海外用品車両メーカー向けに、客先要求仕様に対応したディスプレイオーディオ、カーオーディオの車載製品を開発しました。

(3)市販国内商品向けに、高画質と高速レスポンスを改善した「彩速ナビ」や、「彩速ナビ」で培ったナビゲーション性能・映像技術を継承したポータブルナビゲーションを開発、商品化しました。

(4)デジタルルームミラー型を含むドライブレコーダーを開発、商品化しました。

(5)市販海外商品向けに、高精細HDパネルを採用し、「Apple CarPlay」「Android Auto」「Wireless Mirroring for Android」の接続への対応によりスマートフォン連携を強化したナビゲーション、ディスプレイオーディオの商品群を拡充しました。

(6)損害保険会社向けに、360度撮影、車外持出し、防塵・防水に対応した通信型ドライブレコーダー「STZ-DR30」を開発しました。

(7)国内・海外市販商品向けに、音声認識「Amazon Alexa」に対応したカーオーディオを開発、商品化しました。

(8)日本製の高感度・高精度なガスセンサーを採用し、Bluetooth®接続によりスマートフォンと連携でき、検査や測定結果の記録・管理が容易な記録・通信型アルコール検知器「CAX-AD300」を開発、商品化しました。

当分野に係る研究開発費の金額は、111億円です。

 

*パブリックサービス分野

無線システム事業では、独自の業務用デジタル無線規格「NXDN™」に対応した「NEXEDGE®」無線システム・端末や業界標準の業務用デジタル無線規格「DMR」に対応した無線システム・端末、米国の公共安全市場向けに開発されたデジタル無線規格である「P25」に対応した無線システム・端末を開発、商品化しています。

ヘルスケア事業では、医用画像診断ソリューションや検査・各種診断システムなどを開発、商品化しており、業務用システム事業では、業務用音響システムや映像監視システム向けに機器・ソフトウエアを開発、商品化しています。

当連結会計年度の主な研究開発活動及び成果は、以下のとおりです。

 

(1)北米の公共安全市場に向けた新商品として、業務用デジタル無線機のフラッグシップモデル「VP8000」シリーズを開発、商品化しました。強固で堅牢なプラットフォームに加え、トライバンド(VHF/UHF/700-800MHz帯)と2つのデジタル無線規格(P25/DMR)に対応し、無線機1台で警察・消防・救急と、学校などの民間のセキュリティとの相互通信が可能です。また、本製品は国際的に権威のあるデザインアワード「iF DESIGN AWARD 2022」においてプロダクト分野で受賞しており、デザイン性でも高い評価を受けています。

(2)DMRプロトコルに対応した、一般業務用市場向けVHFデジタルレピーター「NXR-1700」を開発、商品化しました。また、UHFモデル「NXR-1800」の開発も進めており、NXDN™プロトコルにも対応することで、製品ラインアップを順次拡大予定です。

(3)DMR対応機及びNXDN™対応機をラインアップした、一般業務用市場向け車載型デジタル無線機の量販モデル「NX-1700/1800」を開発、商品化しました。

(4)主に電気・ガス・水道などのライフライン関連や清掃・整備・保安などの公共サービス及び各種公共交通機関や学校・教育関連などの市場に向けて新たに「Trunking 2.5システム」を開発し、世界最大規模の業務用無線通信機器/システムの展示・商談会「IWCE 2023(International Wireless Communications Expo 2023)」に参考出品しました。Trunking 2.5方式は同市場で広く使われているDMR規格をベースとした独自方式で、周波数運用効率が高く、シンプルな設営・運用を可能とします。

(5)32型の大画面と800万画素の高解像度表示を実現するカラー液晶モニター「CL-R813」を商品化しました。本機の1画面に高解像度CT/X線透視画像の6枚同時表示や、ビューワ、レポート、AI判定結果などのさまざまなアプリケーション画面の自由なレイアウトを可能としました。また狭ベゼルの採用と軽量設計により、大画面とスリムなデザインを両立しています。

(6)議会・会議の円滑な会議運営を実現するフルデジタル会議システム「PM-5000」シリーズ専用の会議システムソフトウエア「jmee」をバージョンアップしました。新たに複数端末からの操作を実現し、サーバーのバックアップ機能搭載により万が一のトラブル発生時にも会議の継続が可能なシステムを開発、商品化しました。

(7)国内の統合映像監視システム向けに、光学30倍の高精度PTZ(パン・チルト・ズーム)機構、カラー撮影における最低被写体照度0.03lxの高感度撮影、フルHD/60fpsの高解像度・高密度動画撮影、高効率H.265圧縮方式などに対応した、ネットワークカメラのラインアップを強化しました。

当分野に係る研究開発費の金額は、42億円です。

 

*メディアサービス分野

メディアサービス分野は、原音原画再現を探究しコンテンツ制作者の意図を忠実に再現するための商品開発を行っています。また、With/Afterコロナ時代に向けたリモート・バーチャル向け商品やサービスの開発及び災害・緊急時向け防災用途にも使用できる商品やソリューションの開発を行いました。

当連結会計年度の主な研究開発活動及び成果は、以下のとおりです。

 

(1)プロジェクター市場におけるブランドのステータス維持のため、製品アップデートや新製品導入を行いました。D-ILAデバイスの誕生25周年記念モデルとして「DLA-V90RLTD」を開発し、あわせて発売中の「DLA-V90R/V80R/V70R」及び4K120p対応の「DLA-V50」の計4モデルの商品力を向上するため、映像制作者の意図を忠実に再現する画質モード「FILMMAKER MODE」などの新機能を追加した最新ファームウエアを開発、公開しました。また、4K/HDR対応のホームシアターエントリー機の高輝度化と、240Hz入力のハイフレームレートを実現した「LX-NZ30」を開発、商品化しました。

(2)近年の高画質映像配信の需要増加を受けて、低コスト・省人化運用の中核となるPTZ(パン・チルト・ズーム)リモートカメラの新ラインアップとして、4K60pのIPストリーミング出力と水平画角80°の広角撮影に対応し、自動追尾機能を新たに搭載した「KY-PZ510N」シリーズを開発、商品化しました。

(3)株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントが運営する「ビクタースタジオ」のエンジニアが音質を監修し、音楽のディテールをより楽しめるノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホン「HA-FX150T」を開発、商品化しました。

(4)成長市場であるアウトドアや防災ソリューション、電力需給ひっ迫時の電源確保などの多目的用途に、可燃性の低さや従来機種比約6倍の充放電回数が特長のリン酸鉄系リチウムイオン充電池を採用し、安心して使用できる大容量高出力のポータブル電源「BN-RF1500」「BN-RF1100」を商品化しました。あわせて、高効率変換パネルを採用し、効率的な給電を可能にするポータブルソーラーパネル「BH-SV180」を商品化しました。

当分野に係る研究開発費の金額は、19億円です。

 

*その他

DXビジネス開発部では、新たな収益基盤の創出、ビジネスクリエーション活動をミッションとしています。

当連結会計年度の主な研究開発活動及び成果は、以下のとおりです。

 

(1)パナソニックホールディングス株式会社及びWiL, LLC社と共同出資したVieureka株式会社が6月に営業開始しました。Vieureka株式会社は、エッジAIの社会インフラ「Vieurekaプラットフォーム」を提供しており、当社のエッジAI搭載カメラソリューション開発技術が生かされます。

(2)デジタルや3DCGを活用した新しいエンタテインメント事業の創出を検討し、株式会社HIKKYが主催する世界最大のメタバースイベント「バーチャルマーケット」に、3Dアバターによるバーチャルライブや3DCG化したキャラクターを出展しました。また、当社バーチャル社員によるVTuber活動を行い、事業性を検証しました。

その他の分野に係る研究開発費の金額は、2億円です。