文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、永年に亘る耐火物製造技術の歴史と経験を後世に継承しつつ、独自の技術を生かして、革新する時代に即した新しい技術と製品を創出し、顧客の満足度を高めるとともに、社会に貢献する誠実な企業を目指しております。
当社グループは、収益力の維持とESG経営の推進により、財務価値・非財務価値を高め、社会と調和し、持続的に企業価値を向上し続ける企業を目指しております。このような企業像を実現すべく、売上高経常利益率(経常利益÷売上高)及び自己資本利益率(ROE)を重要な指標として、収益力の強化、企業価値の向上に一層努めてまいります。
当連結会計年度における日本経済および世界経済は、ウィズコロナの下で、感染対策の効果もあってゆるやかに社会・経済活動の持ち直しがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢からくる資源高、円安による物価上昇、世界的な金融の引き締めが継続し、依然として先行きが不透明な状況です。
このような状況のなか、当社グループは、高い収益性を維持するために、お客様のニーズをとらえた新製品の開発及び国内外への積極的な営業展開、安全第一をモットーにした健康経営の推進、CO2排出量削減への取り組みを実施しつつ、一層の生産効率化等に鋭意取り組んでまいりました。
今後、耐火物市場の成熟、人口構成の変化、テクノロジーの急速な発達、持続可能な社会への貢献など不確実性が高まっております。このような環境の中、①製品・サービスの質の向上による売上拡大②低コスト・安定供給体制の強化③新たな収益源の育成④ESGの推進による経営基盤の構築を進めてまいります。
以上の取り組みを実施しながら「財務価値・非財務価値を高め、持続的に企業価値を向上し続ける企業」を目指します。
当社には、
①当社の強みを活かした製品・サービスの提供による他社との差別化
②質の高い製品・サービス提供を支えるスタッフの増員と育成、従業員満足度向上
③持続的なコスト・安定供給体制の構築
④AI・IoT・ICT技術の活用による合理化・効率化の加速
⑤カーボンニュートラルへの対応、ESG経営の推進による経営基盤強化・リスク対応強化
という課題があります。
今後も高い収益力・高い財務健全性の維持を図りながら、ヒト・モノ・情報などへの投資を行い、一層の業績向上に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
ヨータイグループは、企業理念に「永年に亘る耐火物製造技術の歴史と経験を後世に継承しつつ、ヨータイ独自の技術を活かして、革新する時代に即した新しい技術と製品を創出し、顧客の満足度を高めるとともに、社会に貢献する誠実な企業を目指します。」を掲げています。今後も、この企業理念の実践を通じて社会課題の解決に努めるとともに、自社の持続的な成長に向けた取組を進めていきます。
なお、当社が優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)につきましては、当社ウェブサイトに公表している「
①マネジメント体制
当社は気候関連・人的資本への取組を推進する機関として、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員長の指示のもと、サステナビリティ推進室がアクションプランを策定し、サステナビリティ委員会の分科会である環境分科会、人的資本分科会の各会議体において、情報収集、リスクの想定、対応策の立案、社内教育等、年間の活動を計画・立案し、具体的活動を推進しています。
サステナビリティ委員会で審議見直しを行った後、年2回、常勤取締役会議へ報告・審議を経て、年1回、取締役会へ報告される仕組みとしています。また、サステナビリティに関する取組のゴールと目標への進捗状況のモニタリングは、毎年、取締役会にて行っています。
②リスクおよび機会を評価・管理する上での経営者の役割
代表取締役社長は、常勤取締役会議の議長を担うと同時に、サステナビリティ委員会の委員長も担っており、サステナビリティに係る経営判断の最終責任を負っています。常勤取締役会議およびサステナビリティ委員会で協議された内容は、最終的に取締役会へ報告されます。
サステナビリティ委員会は代表取締役社長を委員長とし、取締役、執行役員および代表取締役社長が指定する事業所長がメンバーとなっています。サステナビリティ経営の基本方針を策定し、中期経営計画に対するサステナビリティ関連事項の実行とチェックを行うとともに、サステナビリティ課題に関して取組を行います。
サステナビリティ推進体制

サステナビリティの会議体
①組織が選別した、短期・中期・長期の気候変動のリスクおよび機会の認識
当社における気候変動の影響について、短期(1~3年)・中期(2030年まで)・長期(2030年以降)の時間軸を想定し、シナリオ分析を行いました。気候変動がもたらすリスクは、低炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と物理的な影響(物理的リスク)に分けられます。地球の平均気温が産業革命前と比べて1.5℃および2℃を含む2℃未満または4℃上昇するシナリオを想定し、それぞれのリスクと機会について、影響度が高いと思われる項目を抽出しました。
シナリオ分析プロセス
(イ)リスク・機会の抽出
考えられる気候変動によるリスク・機会を抽出
(ロ)重要リスク・機会の特定
(イ)で抽出したリスク・機会の中から当社への影響が大きいと考えられる項目を特定
(ハ)シナリオの設定および事業インパクト評価
2℃未満シナリオおよび4℃シナリオを設定し、各シナリオでの想定に対する影響を分析
(ロ)で特定した重要リスク・機会を分析した結果をロジックツリー形式で整理し、
事業への影響を定量的に評価
(ニ)対応策の策定
(ハ)で評価した当社への影響に対し、シナリオ別に当社の対応事項を策定
②気候関連のリスクおよび機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
リスク重要度評価の結果、抽出されたリスク・機会は20項目あり、そのうち重要度「大」としたのは6項目で、その一覧は以下の表の通りです。
リスク重要度評価「大」項目に対応した想定されるリスクと機会・財務的影響(定量分析)・対応策・時間軸一覧
(財務的影響:○…影響が大きい、△…影響は小さい、×…影響なし)
③シナリオ分析の結果
設定したシナリオ
(イ)移行リスクの大きいシナリオ(2℃未満シナリオ)
温室効果ガスの排出規制などが厳しくなり、社会システムが気候変動の緩和に移行する「①カーボンニュートラルな社会」におけるシナリオ(参照した外部シナリオ:RCP2.6、SDS/NZE2050)
(ロ)物理的リスクが大きいシナリオ(4℃シナリオ)
自然の猛威に立ち向かう為に物理的な影響への適応が必要な「②気候変動の影響が甚大な社会」におけるシナリオ(参照した外部シナリオ:RCP8.5、STEPS)
自社シナリオ分析の結果検討した、省エネ投資・再エネ切り替えや電炉向け耐火物拡販等の対応策を講じることで、将来のリスクに対する当社事業のレジリエンスを高められると考えます。また、①と②が組み合わさった最も厳しい社会は、それぞれの対応策の組み合わせにより、リスクを低減できると考えます。

①気候関連リスクおよび機会の「識別・評価」のプロセス
サステナビリティ委員会は、気候関連リスク・機会について検討し、常勤取締役会議の審議を経て、取締役会に報告します。取締役会は、気候関連リスク・機会の報告を受けて、最終的な全社の気候関連リスクを特定・評価し、規制環境を配慮しながら検討します。
なお、他のリスクと比較した気候関連リスクの相対的重要性の決定基準は以下のとおりです。
(イ)当社が定めるマテリアリティに影響を与えると考えられるリスク・機会を抽出
(ロ)抽出したリスク・機会のステークホルダーに与える影響度により、対応策の重要性を評価
(ハ)定量面・定性面の視点から検討し、気候関連リスクの相対重要度を確定
②気候関連リスクおよび機会の「管理」のプロセス
国内4工場(日生工場・吉永工場・貝塚工場・瑞浪工場)において、サステナビリティ委員会・常勤取締役会議で審議されたリスク・機会をもとに、各工場の事業活動レベルに落とし込んだリスク・機会を特定・評価し、取締役会に報告し、審議・決議します。
リスク・機会の評価の議論は、サステナビリティ推進室において、「ステークホルダーのニーズ・社会的動向」と「自社事業における重要性」の視点で評価を行い、サステナビリティ委員会・常勤取締役会議の審議を経て、取締役会に報告します。
特定されたリスク・機会に対しては、サステナビリティ推進室にてアクションプランを策定し、サステナビリティ委員会にてレビュー・審査し、取締役会にて承認されたアクションプランについて各事業所にて実施します。気候変動に関する取組のゴールと目標への進捗状況のモニタリングは、毎年、取締役会にて行います。
①気候関連のリスクおよび機会を評価する指標
気候関連リスク・機会を管理するための指標としてGHG排出量Scope1/2および事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率の2つの指標を定めています。
②Scope1、Scope2のGHG排出量の開示
2014年度~2022年度 Scope1+2 全社GHG排出量推移t-CO2換算合計 及び 2030年度目標値
(国内事業所のみ、5.5ガス含む)

③気候関連リスクおよび機会を管理するための目標および進捗状況
2014年度対比2030年度目標として、GHG排出量Scope1/2 30%削減、再生可能エネルギー比率30%までの引き上げを目指します。なお、Scope3については、カテゴリーごとの重要度および測定方法を検討し、開示の充実を図ります。
(6)人的資本に関する戦略
当社は、目指す企業像として「社会と調和し持続的に価値を向上し続ける企業」を掲げています。すべての社員の基本的人権を尊重するとともに、いきいきと働きやすい環境のもとで、価値創造を支える仕組みとして人材戦略を位置付けています。
マテリアリティの一つに「人材育成と活用」を掲げている通り、「人材」は当社における最重要資本であり、社員の成長なくして企業価値を向上させることはできません。社員と企業がともに成長することが重要であると考えています。
①人材戦略における三つの柱
(イ)挑戦
社員一人ひとりが失敗を恐れず、困難な場面を成長できるチャンスと捉え、挑戦していきます。
(ロ)個の自立・自律
企業を取り巻く環境は常に変化しています。新製品開発、設備改善、脱炭素化対応、DX推進など、自らの可能性を信じ変化に対応していきます。
(ハ)技術の高度化への対応
社員の専門性を付加価値の源泉と捉え、マテリアリティに掲げている「高品質製品の持続的な安定供給、質の高い技術サービスの継続提供、環境変化に適応する技術力の保持」に対応していきます。
②人材開発基本方針
人材戦略における三つの柱として掲げた「挑戦」「個の自立・自律」「技術の高度化への対応」が実現できる人材開発を目指します。
(イ)五つの求める人材像
a.新製品開発、設備改善、脱炭素化対応、DX推進に必要な高度な技術力を身に付け、環境変化に適応できる
考えを形にできる人材
b.主体的に行動し、自律的にキャリア構築できる、また、成長意欲や自己効力感の高い人材
c.情熱を持って逆境に負けずに業務遂行できる課題解決型の人材
d.高いコミュニケーション力を駆使して、能動的に行動できる人材
e.価値創造と変革に挑戦するスピリットを持ち自走できる人材
③人材開発への取組(計画を含む)
(イ)採用
先ずは、少子高齢化による労働人口の減少により、人材獲得競争が激化している中、人材に選ばれる企業を目指します。
当社に合った優秀な人材に等しく機会を提供し、挑戦意欲が高い、個の自立・自律ができる、高度な知見を備えた優れた人材を採用します。また、新製品開発、設備改善、脱炭素化対応、DX推進ができる専門的なスキルを持ったプロ人材の確保のために、年間を通じて、新卒採用、キャリア採用、グローバル採用を行っていきます。
(ロ)配置
各人の能力や適性と将来のキャリアパスなどを踏まえた適材適所の人材配置を行います。
優秀な技能職及び一般職に対し、更なる活躍の機会、働き甲斐のある職域の創出を狙い、総合職への職群転換制度を導入しております。
(ハ)定着
定着率を高める仕組みの一つとして、「従業員エンゲージメントサーベイ」を毎年実施し、結果をもとに福利厚生の充実や多様かつ柔軟な働き方の導入、ワークライフバランス推進、公正な人事評価制度整備など、エンゲージメントを高め組織能力向上と企業文化変革の推進を進めていきます。
(ニ)育成
a.階層別研修
階層別に求められるマネジメント能力やスキルの補完を目的とした階層別研修、業務遂行に必要な知識の獲得を目的とした専門研修を通年で実施していきます。
b.社内勉強会
先輩社員などが講師となって部門内外を問わず参加者を募り、耐火物及び工事関連に関する専門知識や安全、品質、DXなど幅広い分野の勉強会を実施してスキルの向上を図っていきます。
c. e-learning(オンライン研修)
2022年度よりe-learningを導入しました。今後は、社員の意見も取り入れながら履修可能な講座のラインナップを充実していき、社員の更なる学習意欲の向上及びスキルアップを図ります。
(ホ)評価制度
基幹・総合職については、2022年4月から公正な評価の実施と上司と部下との話し合いを通じて目標を達成していくことを目的に新人事給与評価制度及び新目標管理制度を導入し、タレントマネジメントシステムを運用しています。
技能・一般職については、2024年4月より成果主義給与制度の改正を予定しております。
(ヘ)ダイバーシティ&インクルージョンの推進
多様な人材がそれぞれの力を最大限に発揮するため、ダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営施策の一つとして位置づけ、挑戦する多様な人材に幅広く活躍の機会を提供するとともに、価値創造につなげる環境づくりを目指しています。
新卒採用、キャリア採用、グローバル採用、定年再雇用などを通じて、様々な人材を迎え入れており、社員一人ひとりが個性と強みを発揮しながら活躍しています。また、積極的な女性総合職の新卒採用及び女性管理職の登用促進を図っていきます。性別・国籍・経歴などにとらわれない多様な価値観を持った人材が意見を出し合い、互いを認め合うことで、自身の成長と当社の発展につなげていきます。
サステナビリティ委員会の人的資本分科会に「女性活躍推進会議」を設置し、女性の社外取締役も参画し課題の整理とアクションプランを策定し、実行することで女性が活躍できる職場環境づくりに努めていきます。
(ト)健康経営
「企業が健全であるためには、社員一人ひとりが心身ともに健康である」ことが重要であると考え、積極的に社員の健康推進活動を行っています。各事業所では産業医を選任・設置し、月1回の従業員との面談などを実施し、フィジカルヘルス、メンタルヘルスの両面で不調者の早期発見、保健指導などを行っています。2024年3月期には経済産業省の「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定を目指し、基盤づくりを進めています。
(チ)安全衛生の確立
「安全は全てに優先する」をモットーに、社長自らが労働災害の防止のための危険防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合計画的な対策を推進しています。各事業所において工場内の安全衛生パトロール、また、4工場間での相互パトロールの実施、安全衛生委員会の開催などを通じて、職場における社員の安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進しています。
(リ)自己申告制度
基幹・総合職を対象に年1回、社員が担当業務の課題、処遇の改善、悩み事などについて、直接、社長に申告を行うことで、社長自らが社員のスキル把握や職場での問題点・課題の把握を行っています。
また、自己申告に挙がった課題の解決に向けて社長と社員が定期的に交流会を実施し、積極的にコミュニケーションの醸成に努めています。
(ヌ)働き方改革
a. DX活用
AI-OCR、RPAを活用し、全部署において単純作業を自動的に処理することで人が行う業務を削減し、時間外労働時間の短縮に努めています。
b.地域限定社員・職群転換
基幹・総合職を対象として、事情により転勤ができない社員を対象に地域限定総合職制度の導入を検討しております。同時に、一般職(事務職)で優秀な人材を地域限定総合職へ職群転換可能な制度の検討を進めることで、優秀な人材の流出防止、女性管理職の増加にも寄与すると考えています。
c.在宅勤務
通勤時間や勤務場所に捉われない自由な働き方として、営業部門、総務等間接部門において、在宅勤務制度の導入を検討しています。
d.永年勤続表彰制度
全社員を対象に勤続10年、20年、30年、40年の節目において、記念品と特別休暇を付与しています。家族旅行や趣味などに活用して、心身ともにリフレッシュする機会を作っています。
e.年次有給休暇(年休)取得の推進
1日、半日、4分の1日単位の年休取得を可能としており、年休を取得しやすい環境を整えています。
(ル)チャレンジングな場の提供
a.コストダウン会議
生産効率向上、品質向上などをテーマに設備改善の提案を出すことができ、設備改善の予算を獲得することができます。
b.カイゼン提案制度
生産性の向上、業務の合理化を促進する一助として、業務上有益な従業員の改善提案を奨励することを目的とした「カイゼン提案制度」を設けております。
(ヲ)資格取得報奨金制度
会社運営に必要な公的資格保持者の確保にとどまらず、社員のスキルアップを図るために、エネルギー管理士(熱、エネルギー)、公害防止管理者(第1種、第2種)、衛生管理者(第1種)等の公的及び民間資格の取得を奨励し、自己啓発を促進しております。
(7)人的資本に関する指標と目標
当社グループでは、上記(6)において記載した人材戦略における三つの柱について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
①2026年度目標
②2030年度目標
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況
当社グループの事業は主に耐火物の製造販売であり、耐火物納入先の需要に応じた築炉工事(エンジニアリング)も行っております。
耐火物は鉄鋼業、化学工業、セメント、ガラスなどの高熱工業には不可欠な基礎資材ではありますが、経済状況によっては、顧客の耐火物需要が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対応すべく、営業、研究開発、製造、技術サービスが一体となって、製品の開発及び販売を実施していきます。また、特定の業界の好不況の影響を極力防ぐために多業界への参入を進めていきます。
(2)原材料価格
原材料の価格は、原材料生産地域の経済状況、為替相場の変動、地政学的リスク等により、大きく変動する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対応すべく、中国を中心としながらも、多様な調達ルートを確保し、リスクを分散していきます。
(3)価格競争
耐火物業界における競争は大変厳しいものがあり、今後も激化するものと考えられます。
当社グループは、耐火物の専門メーカーとして製品を供給しておりますが、競合他社が同種の製品をより低価格で提供できることになった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対応すべく、営業、研究開発、製造、技術サービスが一体となって、誠実かつ機動的な顧客対応を行うとともに、仕入れ原価の低減、合理化設備等の導入などによる生産効率の改善により、一層の原価低減を実施していきます。
(4)海外展開
当社は営口新窯耐耐火材料有限公司を2005年5月に完全子会社といたしました。生産・販売について現地動向を随時把握のうえ、適切に対応しておりますが、現地の法的規制や商習慣等は日本と大きく異なっているため、予測不能な事態が発生した場合には当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対応すべく、現地法人と連携し、有事の際に適切に対応できるように、情報収集に努めてまいります。
(5)自然災害等
当社グループは岡山県に2工場、大阪府に1工場、岐阜県に1工場、中国に1工場の計5箇所の製造拠点を有しております。これらの製造拠点が地震や台風等の自然災害に被災した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対応すべく、各自治体と連携し、リスク予想を把握するとともに、BCP(事業継続計画)を推進し、被害を最小限にするよう努めてまいります。
(6)感染症拡大によるリスク
新型コロナウイルス等の感染症が世界的に拡大し長期化した場合、経済活動の停滞による原材料供給不安、耐火物需要の減少により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対応すべく、情報収集に努め、原材料は在庫水準の適正化、生産面は感染予防策等の実施による生産維持などで、被害を最小限にするように努めてまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済および世界経済は、ウィズコロナの下で、感染対策の効果もあってゆるやかに社会・経済活動の持ち直しがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢からくる資源高、円安による物価上昇、世界的な金融の引き締めが継続し、依然として先行きが不透明な状況です。
このような状況のなか、当社グループは、高い収益性を維持するために、お客様のニーズをとらえた新製品の開発及び国内外への積極的な営業展開、安全第一をモットーにした健康経営の推進、CO2排出量削減への取り組みを実施しつつ、一層の生産効率化等に鋭意取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は282億50百万円と前年同期に比べ23億38百万円の増収となり、過去最高の売上高を更新しました。
増収となった要因は、鉄鋼メーカー向けの需要が増加したこと等が主な要因であります。
営業利益は40億12百万円(売上高営業利益率14.2%)と前年同期に比べ76百万円減少し、経常利益は41億43百万円(売上高経常利益率14.7%)と前年同期に比べ20百万円の増加となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、29億71百万円(売上高当期純利益率10.5%)と前年同期に比べ4百万円の増加となりました。
増益となった要因は、原燃料価格の上昇等があったものの、販売価格への転嫁及び設備投資などによる原価低減が主な要因であります。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
(耐火物等)
耐火物等事業につきましては、鉄鋼メーカー向けの需要が増加した等により、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比9.1%増の231億7百万円、セグメント利益は前連結会計年度比0.5%増の49億32百万円となりました。
(エンジニアリング)
エンジニアリング事業につきましては、工事案件の受注が増加した等により、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比8.6%増の51億42百万円、セグメント利益は受注の増加による稼働率の向上等に伴い、前連結会計年度比7.7%増の7億71百万円となり売上高、セグメント利益ともに過去最高を更新しました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は58億41百万円となり、前連結会計年度末より26億96百万円減少いたしました。これは、税金等調整前当期純利益の獲得、減価償却費の増加があったものの、棚卸資産の増加、有形固定資産の取得による支出、自己株式の取得による支出が主な要因であります。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は17億81百万円となりました(前連結会計年度比13億59百万円増加)。これは主に、棚卸資産の増加24億9百万円、法人税等の支払額12億92百万円等の減少要因があるものの、税金等調整前当期純利益40億89百万円、減価償却費10億46百万円等の増加要因によるものであります。
前連結会計年度に比べて獲得した資金の増加は、売上債権の増減差が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は19億54百万円となりました(前連結会計年度比7億46百万円の増加)。これは主に、有形固定資産の取得による支出18億97百万円等によるものであります。
前連結会計年度に比べて使用した資金の増加は、有形固定資産の取得による支出が増加したことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は25億36百万円となりました(前連結会計年度比4億24百万円の増加)。これは主に、自己株式の取得による支出15億38百万円等によるものであります。
前連結会計年度に比べて使用した資金の増加は、配当金の支払額が増加したことが主な要因であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は外注を含み、実際原価で表示しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な販売先の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績
当連結会計年度における経営成績につきましては、鉄鋼メーカー向けの需要が増加したこと等により、当連結会計年度の売上高は282億50百万円となりました。売上原価は原燃料価格が上昇したこと等により、218億24百万円となりました。この結果、売上総利益は64億26百万円となり、販売費及び一般管理費24億13百万円を差引いた営業利益は40億12百万円となりました。
営業外損益については、営業外収益は受取配当金96百万円、投資有価証券売却益45百万円、固定資産取得のための補助金収入20百万円、不動産賃貸料17百万円等により2億29百万円となり、営業外費用は固定資産除却損51百万円、自己株式取得費用38百万円等により98百万円となりました。この結果、経常利益は41億43百万円となりました。
これにより、売上高経常利益率は前期の15.9%から14.7%となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は40億89百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は29億71百万円となりました。
ロ.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、396億45百万円で、内訳は流動資産299億37百万円、固定資産97億8百万円となりました。これは、現金及び預金の減少等があるものの、原材料及び貯蔵品、建物及び構築物、製品、受取手形及び売掛金の増加等が主な要因であります。
流動資産の主なものは、受取手形及び売掛金100億27百万円(流動資産に占める比率33.4%)、原材料及び貯蔵品60億77百万円(同20.3%)、現金及び預金58億41百万円(同19.5%)、製品49億92百万円(同16.6%)、電子記録債権22億88百万円(同7.6%)であり、固定資産の主なものは、有形固定資産65億56百万円(固定資産に占める比率67.5%)、投資有価証券27億48百万円(同28.3%)であります。
当連結会計年度末の負債合計は85億80百万円で、流動負債は69億20百万円、固定負債は16億59百万円となりました。これは、買掛金が減少したことが主な要因であります。
流動負債の主なものは、電子記録債務23億34百万円(流動負債に占める比率33.7%)、買掛金21億25百万円(同30.7%)、未払費用13億65百万円(同19.7%)であり、固定負債の主なものは、退職給付に係る負債14億40百万円(固定負債に占める比率86.7%)であります。
当連結会計年度末の純資産合計は310億65百万円であり、内訳の主なものは利益剰余金290億5百万円、資本金26億54百万円、資本剰余金18億2百万円等であります。これは、親会社株主に帰属する当期純利益等により、利益剰余金が増加したことが主な要因であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は78.4%となり、財政状態は概ね良好であると判断しております。
ハ.セグメント情報
当連結会計年度末におけるセグメント情報につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ニ.キャッシュ・フロー
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社の運転資金は、主に製品の製造に使用する原材料や資材の調達、さらに、効率的な生産体制の再構築、老朽設備の維持更新、資本政策などに支出されております。これらの資金は、利益により生み出される内部資金により賄うことを基本方針としております。
当連結会計年度におきましては、税金等調整前当期純利益の獲得、減価償却費の増加があったものの、棚卸資産の増加、有形固定資産の取得による支出の増加、自己株式の取得による支出があったこと等により、現金及び預金残高は58億41百万円と、前期末比26億96百万円減少いたしました。
(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは以下のとおりであります。
なお、連結子会社における有形固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
①繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
②退職給付債務の算定
当社で採用している退職給付制度の一部には、確定給付制度が採用されております。
この制度の勤務費用は数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等様々な計算基礎により算出しております。
当該見積り及び仮定について、将来の経済条件の変動や当社内での環境の変化等により、見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債等の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。
当社グループは、これまで培ってきた耐火物製造技術を基に、多様化する社会のニーズや革新する時代に即した国際競争力を持つ製品の開発及びエンジニアリング技術の確立を目指して研究開発活動を行っております。
当社グループの研究開発活動は、当社の技術研究所・新材料研究所をはじめとして各工場・エンジニアリング事業部が一体となって製品の開発・改良・技術の開発及び基礎研究を行っております。
当連結会計年度における当社の研究開発費は
当連結会計年度における研究開発テーマは、以下のとおりであります。
(1) 鉄鋼・非鉄金属用耐火物
(2) セメントキルン用耐火物
(3) 環境装置関係炉用耐火物
(4) ガラス用耐火物
(5) 電子部品焼成用耐火物