第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループの経営の基本方針は、「トータルソリューションとして、お客様のニーズを的確に捉え、スピーディーに対応し、お客様の満足できる企業」として、世界中より時代を先取りできる製品を発掘、供給することにより企業価値の最大化を図ることであります。

 そのために当社グループは、経験豊富な人材や、協力企業などの様々なネットワークを活用することで、お客様のニーズを的確に捉え、既存仕入先とのリレーションシップを強化するとともに、新規仕入先をスピーディーに開拓できる体制を構築してまいります。

 よって、2024年3月期開始の次期中期経営期間における「中期経営方針」を、次のとおり定めました。

 全社一丸となり、以下の3項目を中期経営方針の基盤とし、デジタル・トランスフォーメーション(以下、DXという)、グリーン・トランスフォーメーション(以下、GXという)市場の開拓を推進し、サステナビリティ・トランスフォーメーション(以下、SXという)への寄与をもって社会へ貢献し、企業価値の向上を目指す。

① 高利益率化を追求する。

② 単品販売志向から脱却し、システムソリューション販売を強化する。

③ 経営基盤を強化並びに資金効率の向上をもって財務体質を強化する。

 

(2) 経営環境

 当社グループを取り巻く環境は、国内の産業構造の変化、景気・為替相場・需給動向の変動、国際的な通商政策を含む地政学的リスクの影響を受けやすい状況にあります。その結果、企業や事業の再編等、生き残りのための競争も激しい環境にあります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題並びに経営戦略等

 当社グループは、2020年4月より「収益構造改革」を推進してまいりました。しかし、その改革は未だ途上であり、特に半導体製品分野における汎用品ビジネスが依然として主力であります。そして、それらの主要仕入先に偏重傾向であるとの現状認識を有しております。当連結会計年度は、部品調達難の顧客の生産調整の影響を受けたシステム製品分野及びバッテリ&電力機器分野の不調を、円安の恩恵を受け、かつ、旺盛な半導体需要に対応できた半導体製品分野がリカバリーし、結果的に改革途上のかかる収益構造が奏功した形となり、営業利益以下の利益指標において過去最高益を更新しました。

 しかし、このような厳しい経営環境の中で、当社グループの安定的かつ持続的成長のために、2023年4月から開始する次期中期経営期間においても、推進中の「収益構造改革」の基本構造を踏襲しつつ、上記「中期経営方針」のもと、以下に掲げる「市場・顧客戦略」「製品戦略」「経営基盤戦略」を有機的に運用することで、「中期経営目標」の達成に努めてまいります。

① 市場・顧客戦略

 DX及びGX関連市場を重点市場とし、既存顧客の深掘とともに、優良新規顧客の開拓を強化する。

② 製品戦略

 新規商材及び高付加価値商材の発掘・拡販、商権の拡大にあたり、下表の各分野戦略に基づき仕入先及び協力会社との連携を強化する。

分野名

分野別戦略

半導体製品

 当社グループの創業来の中核分野としての蓄積されたノウハウ、メーカ・顧客とのパイプを最大限活用し、DXの進展を背景としたデジタル化への対応を強化する。

 そのために、SоC(注)1、CPU、通信用半導体、メモリモジュール及びSSD等の高付加価値商材の拡販に努める。

 また、汎用品においても、引続き商権の拡大に努める。

ディスプレイ

 汎用品及び高付加価値商材のビジネスを両輪で遂行し、利益「額」と「率」の拡大に努める。

 汎用品は、既存顧客への拡販と商権の拡大を図る。また、高付加価値商材は、有機ELパネル等の新規商材や、カスタム対応の提案を積極的に行う。

 

 

分野名

分野別戦略

システム製品

 当分野を、中期経営方針の「高利益率化を追求」、「単品販売志向から脱却し、システムソリューション販売の強化」の本丸として位置付け、EMSビジネス及びBоardビジネスの強化と、DX関連市場向けのサーバ機器の販売を強化する。

 また、バッテリ&電力機器分野と合わせて、当分野における販売構成比の相対的増加を目指す。

バッテリ&電力機器

 当分野を、中期経営方針のSX及びGXへの寄与のための重点分野と位置づけ、今後市場の成長が期待されるエネルギーマネジメント関連商材及びEV(注)2関連商材の発掘と拡販のために、カギとなる商材であるバッテリセルとともに、電源等周辺機器やパワーデバイス等の部品もトータルソリューションとして積極的な提案を行う。

 また、システム製品分野と合わせて、当分野における販売構成比の相対的増加を目指す。

(注)1.SоC(System on a Chip):半導体製品にあるASICの機種の一つです。システム全体を1つのチップに集積化することで、高度な機能を実現するための集積回路のことです。SоCには、マイクロプロセッサ、メモリ、入出力インターフェース、デジタル信号処理回路、アナログ回路、電源回路等、多数の回路が統合されています。

2.EV(Electric Vehicle):内燃機関でなく電力を動力とする車両です。

 上記「市場・顧客戦略」及び「製品戦略」を遂行するにあたり、中期経営目標の達成のための重要なドライバとして「新規開拓活動」を引続き、次期中期経営期間の重点活動とします。

a. 既存顧客の深掘 :

 半導体製品分野をコア分野とし、ディスプレイ・システム製品・バッテリ&電力機器の各分野の需要をつかみ、相乗効果を発揮させる。

b. 新規顧客の開拓 :

 産業機器・社会環境関連市場の新規優良顧客の開拓を加速化させる。

③ 経営基盤戦略

 中期経営方針である「経営基盤を強化並びに資金効率の向上をもって財務体質を強化する」並びに、中期経営戦略である「市場・顧客戦略」及び「製品戦略」を円滑に遂行するため、経営基盤にかかる戦略を以下のとおりとする。

a. 人的資本に関する戦略

 「当社グループの最大の資本は人であり、役員及び従業員が最大限に力を発揮できる環境と共に社業の発展がある」との考えに立脚し、次の戦略を掲げる。

・中期経営方針に掲げるSXへ寄与する商材の拡販のため、適材適所の人員配置や、実践を通じ人材育成を図る。

・能力と志を有する従業員に対し、年齢・性別を問わず段階的に実践の場を与え、次世代の役員や管理職の人材育成を図る。

・中途採用を中心とした新規採用によって増員を図り、従業員の年齢構成の最適化を目指す。

・公正な評価制度の追求や、モチベーションアップのための各種制度設計・施策を、継続的に検討・推進することで、より働きがいのある職場づくりを目指す。

b. 経営管理機能の強化

 法制度の改正への対応のみならず、効率的な働き方の実現、及び各種戦略の実効性の把握に資するよう、経営管理機能のDX化を推進する。

c. 資本戦略

・ビジネス展開を見極めつつ、在庫運用の最適化を追求し、資本効率の向上を目指す。

・取引金融機関と良好な関係を維持し、資金調達コストの低減を図る。

・株式市場における当社株式価値の維持・向上のために、会社情報の発信の充実に加え、最適な資本政策を機動的に実施できるよう適時適切に検討を行う。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営方針の実効性を定量的に図る経営指標として「経常利益」及び資本効率を評価する指標として「RОE(自己資本利益率)」を重要視しております。よって、次期「中期経営目標」は次のとおりとします。

① 次期中期経営期間の最終年度(2026年3月期)における連結経常利益15億円を目指す。

② 継続的にROE10%以上を維持する。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、「モットー」及び「企業行動憲章」を行動規範とし、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の「戦略リスク」と「オペレーションリスク」に分類したリスクマネジメントを行いつつ、環境保全に寄与する商品の拡販に注力する取組み、そして、ESG(環境・社会・ガバナンス)にかかる取組みを通じ、当社グループの持続的成長・発展を図ることが、より良い地球環境や社会への貢献(サステナビリティを巡る課題への貢献)と考え、その実現を目指すことを基本方針としております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループのサステナビリティに関する取組は、以下のとおりです。

① 環境保全について

 企業行動憲章に定めるとともに、ISО14001認証規格を取得し、環境方針と環境活動報告を当社ウェブサイトで公表しております。

・環境方針と環境活動報告URL : https://www.shinden.co.jp/csr/environment.html

 その他の代表的な取組みとして、化学物質管理方針を定め、当社ウェブサイトで公表するとともに、化学物質管理システムを構築・運用しており、国内外の関連法規、業界基準及び顧客要求に基づく禁止化学物質・環境影響物質を適切に管理しております。

・化学物質管理方針URL : https://www.shinden.co.jp/csr/chemical.html

② 人権の尊重について

 企業行動憲章に定めるとともに、米国金融規制改革法に賛同し、当社サプライチェーンにおいて仕入先への働きかけをおこない、製品に関する紛争鉱物調査を推進していることを当社ウェブサイトで公表しております。

・紛争鉱物調査URL : https://www.shinden.co.jp/csr/dispute.html

③ 取引先との公正な取引について

 企業行動憲章に定め、遵守に努めております。

④ 従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇について

 人事各規程で定め運用しております。

 また、次世代育成支援対策推進法及び女性活躍推進法に基づく行動計画を定め、当社ウェブサイトで公表し、雇用環境の整備に努めております。

・次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画URL : https://www.shinden.co.jp/company/jisedai.html

・女性活躍推進法に基づく行動計画URL :  https://www.shinden.co.jp/company/actplan.html

⑤ 自然災害等への危機管理について

 危機管理規程を定め、運用しております。

 

(1)ガバナンス

 当社は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のあるコーポレート・ガバナンス体制のもと、サステナビリティに関する取組みを進めてまいります。

 

(2)戦略

 サステナビリティ関連の機会に関しては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題並びに経営戦略等」に記載の「① 市場・顧客戦略」及び「② 製品戦略」に織込み、「中期経営目標」の達成に努めてまいります。

 また、当社グループの持続的成長のためには、人的資本への投資等が課題のひとつであると認識しております。

 この課題に対応するための人的資本に関する戦略は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題並びに経営戦略等 ③ 経営基盤戦略 a. 人的資本に関する戦略」に記載しております。

 

(3)リスク管理

 定期的(年1回)、または臨時で開催される、CSR委員会より、取締役会に報告しております。

 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の各リスク項目等の評価に際し、サステナビリティ関連のリスクと機会を評価した結果、当社グループの事業に影響を及ぼす重大なリスクは特定されませんでした。

 

(4)指標及び目標

 従業員が働きやすい職場環境の整備を行うため、有給休暇取得率の向上(全社平均65%以上)を目指しています。当社における2022年(2022年1月1日から2022年12月31日)の有給休暇取得率は、67.3%でした。

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクを洗い出し、それらについて、経営者の目線から事業計画への影響度と発生可能性を考慮した上でリスク評価を行った結果を列記しております。また、リスクの洗い出しに際して、以下の定義のとおり、リスクを「戦略リスク」と「オペレーションリスク」に分類しております。

 

(リスク区分)

戦略リスク

事業戦略の策定及び遂行により獲得を企図する成果が予定通り獲得できない程度及びその発生可能性であり、健全な範囲で事業成果を獲得するために敢えて選択して取るリスク

オペレーションリスク

戦略遂行を支えるオペレーション上の事象による損失額及び事象発生可能性であり、事業遂行上一定以下に抑制すべきリスク

 

(リスクテーブル)

リスク区分

リスクの種類

戦略リスク

環境横断的リスク

(1)景気変動の影響

(2)為替リスク

(3)地政学的リスク

(4)自然災害、事故等による影響

事業特有のリスク

(5)商品の需給動向の変動

(6)主要仕入先(メーカ)への高依存

(7)主要販売先への高依存

オペレーションリスク

(8)資金調達

(9)借入金及び支払承諾の財務制限条項

(10)顧客情報管理

(11)棚卸資産廃棄及び棚卸資産評価の影響

(12)売掛債権回収リスク

 

 当社グループは、これらリスクの発生の可能性及び影響度を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありません。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)景気変動の影響

 当社グループの取扱商品は、半導体製品、ディスプレイ、システム製品及びバッテリ&電力機器等であり、顧客は、日本(日系)のセットメーカ向けが中心となり、その製品の一部として組み込まれております。したがって、景気の変動が、顧客の属する市場の需給動向に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループとしましては、既存の顧客への供給責任を果たす一方、成長性の高い市場への販路の拡大や付加価値の高い商品の拡販に努めております。昨今の欧米主要各国のインフレ対策としての金融引締めによる世界的な景気後退懸念もあり、当社グループの施策のみで当該リスクを完全に回避できるものではありません。よって、景気の変動による市場及び顧客の需要の変化により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの発生可能性は「高」程度、影響度は「高」程度であると認識しております。

 

(2)為替リスク

 当社グループは外貨建販売比率が高く(2022年3月期70.7%、2023年3月期73.4%)、その主な決済通貨は米ドルであります。当社グループの経営成績は、為替相場の動向により売上高及び利益が変動し易い構造にある上、決算処理に係る外貨建資産、外貨建負債及び連結子会社の円換算額の評価等からも影響を受ける可能性があります。また、買掛債務の支払いサイトに比べ、売掛債権回収サイトが長く、売掛債権高が買掛債務高を上回る傾向があるため、外貨建借入金にて外貨建債権債務のバランス化を図る等により、為替相場の変動の影響を避け、抑制するように努めております。しかしながら想定以上に為替相場が変動した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの発生可能性は「高」程度、影響度は「中」程度であると認識しております。

 

当社グループの外貨建て売掛債権・買掛債務の金額及び割合

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

売掛債権金額(千円)(A)

8,140,513

6,351,695

内外貨建て売掛債権(千円)(B)

7,049,763

5,375,980

外貨建て比率(%)(B/A)

86.6

84.6

買掛債務金額(千円)(C)

2,548,432

2,364,026

内外貨建て買掛債務(千円)(D)

1,668,295

1,354,791

外貨建て比率(%)(D/C)

65.5

57.3

 

(3)地政学的リスク

 当社グループは、主要販売先である日本(日系)のセットメーカ等の海外生産拠点の事業活動をサポートすることを主な目的として、日本のみならず、アジアを中心とした海外でも事業活動を展開しております。また、当社グループの仕入先の大部分は海外のメーカであります。引続き、積極的に世界の優れた製品の拡販に努め、収益の拡大を図ってまいりますが、以下の要因により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

① テロ及び戦争等。

② 各国または当事国間における政治的、社会的、経済的状況の変化。

③ 各国における法律・輸出入規制・税制等に関する法的規制の改変、並びに商慣習及び労使関係の変化。

④ 上記①から③、またはそれら以外の予見できない地政学的要因により、サプライチェーンが寸断され商品の供給が停滞した場合。

 また、①に関連する「ロシア・ウクライナ情勢」につきましては、当社グループは同地域で事業を営んでおらず、かつ、同地域向けのビジネスはございません。従いまして、直接的な影響はないものと認識しております。

 当社グループの事業を遂行するうえで、当該リスクも当社グループの施策のみで完全に回避できるものではありませんが、「(6) 主要仕入先(メーカ)への高依存」の項目に記載の施策をとりつつ、これらの影響を最小限に抑えるよう努めてまいります。

 当該リスクの発生可能性は「高」程度、影響度は「高」程度であると認識しております。

 

(4)自然災害、事故等による影響

 地震や津波、台風等の自然災害、感染症の蔓延、事故、火災等により人的・物的な被害が生じた場合、あるいはそれらの自然災害及び事故等に起因する電力・ガス・水道・交通網の遮断等により、正常な事業活動が阻害された場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 あわせて、取引先の生産機能、物流機能が著しく低下し、それに伴い、需要及び供給が停滞する可能性があります。

 また、当社グループが部品、資材等の供給が可能であっても、他の必要部品や資材が調達できず取引先が生産を見合わせる事態も想定され、これらの状況によっては、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 最後に、当社グループの事業活動におきまして、コンピュータシステム及びそのネットワークを活用しており、そのためセキュリティの強化やデータのバックアップ体制の構築、ハードウエアの増強等、システムトラブル対策を講じていますが、これらの対策にも関わらず、自然災害、事故等によりシステムトラブルが発生した場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの発生可能性は「中」程度、影響度は「高」程度であると認識しております。

 

 

(5)商品の需給動向の変動

 当社グループの主な取扱商品である半導体製品は、メモリ及びメモリモジュール等の汎用品が主体でありますが、これらは技術革新が早いため、次世代製品への世代交代時期に需要と供給のバランスが崩れ、半導体市場特有の循環的な市況変動により、これまでも深刻な低迷期を繰り返してきた経緯があります。また、当連結会計年度は、前半に旺盛な需要に対する半導体不足によって価格の上昇がありましたが、後半より市況の潮目が変わり、価格の下落や需要の減少基調にあります。今後、市況の好転が遅れ、商品価格の下落と、供給数量の減少が長期化した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの事業を遂行するうえで、当該リスクも完全に回避できるものではありませんが、これらの影響を最小限に抑えるよう、以下のとおり努めてまいります。

① 半導体製品においては、SоCをはじめとするASIC、CPU、通信用半導体、メモリモジュール及びSSD等の高付加価値商品の拡販。

② 販売先及び仕入先との関係を密にし、生産計画等の情報の取得による精度向上に注力するとともに、汎用品の適切な受発注管理を行う。

③ 半導体製品以外に、ディスプレイ、システム製品、バッテリ&電力機器等、他の品目分野の商品の拡販を実施し、全体最適化を図る。

 当該リスクの発生可能性は「高」程度、影響度は「高」程度であると認識しております。

 

(6)主要仕入先(メーカ)への高依存

 当社グループの取扱商品は、半導体製品、ディスプレイ、システム製品及びバッテリ&電力機器等であり、当社グループの主要販売先の厳密な納入基準を満たすため、一部の主要仕入先(メーカ)に高く依存しております。

 当社グループとしましては、主要仕入先(メーカ)との良好な関係の維持に努めておりますが、それらの経営方針の変更等の要因で、代理店政策の見直しが行われた場合、代理店契約の解除または変更のおそれがあります。代理店契約の解除に際しては、当社グループに現在割り当てられている商権の喪失のおそれがあり、代理店契約の変更に際しては、一部商権の喪失、または仕入にかかるマージン率が引き下げられるおそれがあります。これらの場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、代理店政策の見直し以外にも、主要仕入先(メーカ)の市場における競争力が著しく低下した場合等にも、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当連結会計年度は、一時的に海外アッセンブリメーカ向けビジネスが急拡大し、主要仕入先の仕入高割合が増加しておりますが、当社グループとしましては、当該リスクは、「(3) 地政学的リスク」と関連性を有することを認識し、主要仕入先(メーカ)の取扱商品の維持拡大のみならず、世界的視点で仕入先(メーカ)の新規開拓により、高付加価値商品をシステムソリューションとして顧客に提供することで、取扱商品の多角化を図り、主要仕入先(メーカ)に対する過度の偏重を抑制し、これらの影響を最小限に抑えるよう努めてまいります。

 当該リスクの発生可能性は「高」程度、影響度は「高」程度であると認識しております。

 

 

当社グループの連結仕入高に占める主要仕入先(メーカ)の仕入高割合(上位3社)

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

割合(%)

割合(%)

51.7

61.2

 

 

 

(7)主要販売先への高依存

 当社グループの販売先は、主に日本(日系)の大手セットメーカであります。何らかの理由により主要販売先が経営戦略を変更した場合、主要販売先からの販売価格の値引き要請を適時適切に仕入価格に転嫁できなかった場合、さらには、主要販売先の最終製品の販売動向により、生産計画の変更・延期・取消等が発生した場合、もしくは主要販売先が自社生産から外部委託生産へ生産方式を転換した場合等には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当連結会計年度は、一時的に海外アッセンブリメーカ向けビジネスが急拡大し、主要販売先の売上高割合が増加しておりますが、当社グループとしましては、主要販売先と緊密な関係を維持し、長期安定取引の継続に努めるとともに、成長性の高い市場への販路の拡大や付加価値の高い商品の発掘・拡販により、これらの影響を最小限に抑えるよう努めてまいります。

 当該リスクの発生可能性は「高」程度、影響度は「高」程度であると認識しております。

 

当社グループの連結売上高に占める主要販売先の売上高割合(上位3グループ企業)

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

割合(%)

割合(%)

33.2

35.9

 

(8)資金調達

 当社グループは、買掛債務の支払いサイトに比較して売掛債権回収サイトが長く、売掛債権高が買掛債務高を上回る傾向があるため、売上高が増加する局面等においては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスになり易い財務体質にあり、その場合には相応の増加運転資金が必要となります。不足する運転資金は金融機関からの借入金等により調達しております。2022年3月期におきましては、内部留保金額の増加と売掛債権の減少等により営業キャッシュ・フローがプラスとなり、借入金の一部返済を行いましたが、為替が円安となったため外貨借入額の円換算額が増加し、有利子負債は増加しております。2023年3月期におきましては、内部留保金額の増加と売掛債権の減少等により営業キャッシュ・フローがプラスとなり、現預金も充当して借入金を返済した結果、有利子負債は大幅に減少しております。当社グループは、今後とも自己資本の充実を図るとともに、引続き金融機関との良好な関係の構築に努めてまいりますが、資金調達環境が悪化した場合、もしくは金利水準が大幅に変動した場合等には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの発生可能性は「中」程度、影響度は「高」程度であると認識しております。

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

有利子負債残高(千円)(A)(注)

11,438,914

6,354,955

内長期(a)

1,025,354

858,864

総資産額(千円)(B)

20,888,336

16,856,890

有利子負債依存度(%)(A/B)

54.8

37.7

長期有利子負債比率(%)(a/A)

9.0

13.5

(注)有利子負債=コマーシャルペーパー+短期借入金+1年内返済予定の長期借入金+1年内償還予定の社債+長期借入金+社債

 

 

(9)借入金及び支払承諾の財務制限条項

 当社グループの借入金の一部には、財務制限条項が付されており、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)※2 財務制限条項」の条項のいずれかに抵触した場合、期限の利益を喪失し、該当する借入先に対して借入金を一括して返済することになっております。その場合、当社グループの資金繰りに支障をきたし、運転資金の不足により売上高の伸長が阻害され、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの発生可能性は「低」程度、影響度は「高」程度であると認識しております。

 

(10)顧客情報管理

 当社グループは、顧客ニーズを的確に把握するために、仕入先及び販売先の製品開発及び生産計画等の重要情報を早期に入手し得る立場にあります。当社グループは、これら取引先との間において守秘義務を盛り込んだ契約を締結し、重要情報の取り扱いに際しては当社グループのコンプライアンス関連規程・マニュアル等に則り厳格に運用し、当社グループ内部からの情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じております。

 これらの取組みにより、前連結会計年度及び当連結会計年度において重要な情報セキュリティ事故は発生しておりませんが、不測の事態により当社グループから情報漏洩が発生した場合には、当社グループが刑事責任や損害賠償責任を負うおそれがあるほか、信用低下等による間接的損害により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの発生可能性は「低」程度、影響度は「中」程度であると認識しております。

 

(11)棚卸資産廃棄及び棚卸資産評価の影響

 当社グループは、顧客からの所要数量、納期などの要求に適切に対応し、顧客に対する供給責任を果たすために必要な棚卸資産を確保しております。しかしながら市場の変動等に伴い、顧客の所要数量に変動が生じた場合は、廃棄、または資産価値評価の見直しを必要とする等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの事業を遂行するうえで、当該リスクも完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性がありますが、これらの影響を最小限に抑えるよう、顧客の所要数量及び受注状況や取扱商品が搭載される製品の需要動向を考慮し、仕入先への発注数を調整する等、棚卸資産の適正管理に努めてまいります。

 当該リスクの発生可能性は「高」程度、影響度は「中」程度であると認識しております。

 

(12)売掛債権回収リスク

 当社グループでは、与信管理規程に則り取引先別に与信限度額を設定し、信用状態の継続的な把握をすることにより不良債権の発生防止に努めております。また、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率による計算額を、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。しかしながら、事業環境の急激な変化等により取引先の財政状態が悪化し、支払遅延や売掛債権等の回収が行えない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの発生可能性は「中」程度、影響度は「中」程度であると認識しております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウイズコロナの下で、緩やかな持ち直しの動きがみられました。しかし、供給面での制約や物価の上昇が継続していることと、世界的な金融政策の引締めによる海外経済の悪化懸念等の下振れリスクが、その先行きに不透明感を増加させています。

当社グループが属するエレクトロニクス業界は、年度当初より旺盛な半導体需要と、円安基調に為替相場が推移したことで活況を呈しました。また、DX(デジタル・トランスフォーメーション)関連市場への投資拡大や、GX(グリーン・トランスフォーメーション)による電子機器の高機能・高効率化への需要拡大が期待されております。一方、足元においては、メモリや液晶等の商材の供給難が緩んできたことに伴う価格の下落、それら商材における顧客の在庫水準の高止まりに起因する需要の減少、一部部品の供給制約の継続が散見されており、予断を許さない状況が続いています。

このような情勢の下、当社グループは、商材の激しい需給動向への対応と、成長軌道の実現のための「収益構造改革」の一環として、DX(デジタル)関連市場や、GX(脱炭素・再生可能エネルギー)関連市場への新規開拓等、中長期的取組みを推進しております。

当連結会計年度における販売面は、当社グループの中核分野である半導体製品分野において、年度前半の旺盛な半導体需要の取込みに注力したことに加え、為替相場が円安に進行したため、第3四半期までは増加基調にありました。しかし、年度後半から半導体市況の潮目が変化したところに、第4四半期より為替相場が円高に転換したことと、年度を通してディスプレイ分野の直接取引への商流変更、足元では回復基調にあるもののシステム製品分野及びバッテリ&電力機器分野の一部商材の供給難による顧客の生産調整の影響を受けたため売上高は減少しました。利益面は、半導体製品分野の増収効果と、ディスプレイ分野の利益率が改善し、そして為替相場が第3四半期まで円安に進行したことが奏功して売上総利益が増加したため、営業利益も増益となり過去最高益を更新しました。一方、年度当初の半導体をはじめとする各種商材の納期長期化への対応として在庫確保を行い供給の安定化を図ったため、外貨建て負債が大きくなっていたところへ急激な円安進行によって為替差損を大幅に計上したことと、ドル金利の上昇により支払利息が増加しました。しかし、営業利益の増加が、これらのマイナス影響を打ち消したため、経常利益以下の利益指標も増益となり、営業利益と同様に過去最高益を更新しました。

その結果、売上高は419億24百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益は22億42百万円(前年同期比49.3%増)、経常利益は13億2百万円(前年同期比22.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億97百万円(前年同期比20.0%増)となりました。

 

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

(日本)

当連結会計年度は、直接取引に商流変更となった液晶モジュールビジネスの影響を受けたため、売上高は383億41百万円(前年同期比5.4%減)となりましたが、利益率の改善によりセグメント利益は22億26百万円(前年同期比49.6%増)となりました。

(海外)

当連結会計年度は、年度前半の中国のロックダウン施策や海外顧客の生産調整の影響を受けつつも、半導体製品を中心に需要の取込みに注力したため、売上高は35億83百万円(前年同期比21.5%増)、セグメント利益は48百万円(前年同期比112.6%増)となりました。

 

当連結会計年度末の財政状態は、総資産は168億56百万円(前連結会計年度末比19.3%減)、負債は99億14百万円(前連結会計年度末比31.6%減)、純資産は69億42百万円(前連結会計年度末比8.6%増)となりました。

 

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度において、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ21億43百万円減少し41億73百万円となりました。主な要因は、営業活動による資金は増加したが、財務活動による資金の減少によるものであります。

   (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、45億77百万円(前年同期は7億47百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益を13億2百万円、為替差損を12億70百万円計上したこと、売上債権の減少20億29百万円があったことによるものであります。

   (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は15百万円(前年同期は7百万円の増加)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出17百万円があったことによるものであります。

   (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果減少した資金は67億72百万円(前年同期は8億66百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の純減額59億円、長期借入金の返済による支出が10億17百万円あったことによるものであります。

 

 ③ 仕入及び販売の実績

  a. 仕入実績

  当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

37,099,780

90.0

海外(千円)

12,440

15.0

合計(千円)

37,112,220

89.9

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の仕入実績及び当該仕入実績の総仕入実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額

(千円)

割合

(%)

金額

(千円)

割合

(%)

GigaDevice Semiconductor Inc.

5,159,823

12.5

10,185,211

27.4

SK hynix Japan(株)

11,055,212

26.8

9,165,673

24.7

エルジーディスプレイジャパン(株)

5,135,143

12.4

BOE TECHNOLOGY (HK) LIMITED

4,637,236

11.2

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の仕入実績のうち、当該仕入実績の総仕入実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

  b. 販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

38,341,304

94.6

海外(千円)

3,583,167

121.5

合計(千円)

41,924,471

96.5

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額

(千円)

割合

(%)

金額

(千円)

割合

(%)

Amkor Technology Korea, Inc.

6,436,121

15.4

JCET STATS ChipPAC Korea Ltd.

4,306,079

10.3

NECパーソナルコンピュータ(株)

4,699,385

10.8

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  a. 経営成績の分析

  (a) 売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3.5%、15億34百万円減少し、419億24百万円となりました。

品目別売上高は、次のとおりであります。

(半導体製品分野)

年度前半の世界的な半導体不足の中、その旺盛な需要への対応に注力したことと、メモリ価格上昇や為替相場が円安基調に推移したことで大幅に増加した結果、売上高は281億33百万円(前年同期比31.7%増)となりました。

(ディスプレイ分野)

当年度より再構築分野として、高利益商材の販売に注力し利益率の改善に努めております。直接取引に商流変更となった液晶モジュールビジネスの影響を受け、売上高は57億85百万円(前年同期比52.8%減)となりました。

(システム製品分野)

異物検出装置は堅調に推移しましたが、一部部品の供給不足継続の影響による顧客の生産調整のためEMSビジネスが減少し、売上高は55億60百万円(前年同期比13.4%減)となりました。

(バッテリ&電力機器分野)

顧客製品における開発遅延や、一部部品の供給不足継続の影響による顧客の生産調整のため、売上高は21億11百万円(前年同期比29.9%減)となりました。

(その他分野)

売上高は3億32百万円(前年同期比17.5%減)となりました。

 

 

  (b) 売上原価、販売費及び一般管理費

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ6.0%、24億15百万円減少し、376億20百万円となり、売上原価率は同2.4ポイント改善し89.7%となりました。これは主に、為替の円安効果とディスプレイ分野のメーカ構成に変化があり売上原価率が改善しました。

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ7.3%、1億40百万円増加し、20億61百万円となりました。これは主に、ウイズコロナの下で感染拡大に留意しつつ販売活動が徐々に活発化したことと、半導体ビジネス拡大のための販売手数料が増加したことが要因となります。

 

  (c) 営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ49.3%、7億40百万円増加し、22億42百万円となり、営業利益率は同1.9ポイント増加し5.3%となりました。これは売上総利益の増加が、販売費及び一般管理費の増加分を上回ったことによるものであります。

 

  (d) 営業外損益及び経常利益

 当連結会計年度は、支払利息の増加や為替差損の増加等があり、営業外損益は前連結会計年度と比べ5億円の減少となりました。営業利益の増加により、経常利益は13億2百万円(前年同期比22.6%増)となりました。

 

  (e) 特別損益

 前連結会計年度は、Shinden Hightex Korea Corporationの清算による関係会社清算益を計上したため、特別損益は前連結会計年度と比べ14百万円の減少となりました。

 

  (f) 法人税等及び当期純利益

 法人税、住民税及び事業税、並びに法人税等調整額を合わせた税金費用の合計は4億4百万円であり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は31.0%であります。

 

  b. 財政状態の分析

  (a) 資産

 総資産は168億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ40億31百万円(19.3%)減少しました。主な要因は、現金及び預金が21億43百万円(33.9%)、売掛金が17億88百万円(22.0%)減少したことによるものであります。

 

  (b) 負債

 負債は99億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ45億83百万円(31.6%)減少しました。主な要因は、その他の流動負債が6億円(248.0%)増加しましたが、有利子負債が50億83百万円(44.4%)減少したことによるものであります。

 

  (c) 純資産

 純資産は69億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億51百万円(8.6%)増加しました。主な要因は、自己株式を1億75百万円取得しましたが、利益剰余金が6億73百万円(18.3%)増加したことによるものであります。

 

  (d) 経営指標

 流動比率は、短期借入金の減少等により前連結会計年度末と比べ29.9ポイント増加し、182.2%となりました。自己資本比率は、利益剰余金の増加による純資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ10.5ポイント増加し41.1%となりました。有利子負債対純資産比率は0.9倍となり、前連結会計年度末と比べ0.9ポイント減少しました。

 

 

  c. 資本の財源及び資金の流動性について

  (a) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、45億77百万円の資金の増加(前年同期は7億47百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益を13億2百万円、為替差損を12億70百万円計上したこと、売上債権の減少20億29百万円があったことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、15百万円の資金の減少(前年同期は7百万円の増加)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出17百万円があったことによるものであります。

以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは45億61百万円の資金の増加となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、67億72百万円の資金の減少(前年同期は8億66百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の純減額59億円、長期借入金の返済による支出が10億17百万円あったことによるものであります。

以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は41億73百万円(前年同期は63億16百万円)となりました。

 

  (b) 資金需要

 当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用等であります。これらの資金需要に対し、主として金融機関からの借入により調達することとしております。

 なお、当社グループの資金需要等の動向につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク  (8)資金調達」に記載のとおりであります。

 

  d. 経営成績に重要な影響を与える要因について

 世界的な物価の上昇や金融政策の引締めによる海外経済の悪化懸念等の下振れリスクが顕在化し、景気低迷による消費マインドが低下した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 併せて、当社グループは、仕入れ及び販売にかかる外貨取引の割合が高いため、わが国を含めた各国の中央銀行による金融政策の変更や経済動向の変化、金融不安等によって為替の急激な変動があった場合、為替差損益が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 足元の供給面での制約が継続し、他社を含めた部品の調達難による顧客の生産調整の影響が拡大した場合等、当社グループの主要販売先が属する市場の需給動向に影響を及ぼす可能性があり、それらの要因等より、主要販売先の所要数量に変動が生じた場合は収益が減少し、さらに利益面では、棚卸資産の廃棄、または資産価値評価の見直しを必要とする等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 昨今の情勢より地政学的リスクが高まっており、仕入価格や物流費用等の各種費用も増加基調にあるとともに、事態が緊迫化した場合は、サプライチェーンが混乱する懸念があります。そこへ供給制約に拍車がかかり、商品の需給バランスが崩れた場合、主要仕入先(メーカ)に高い依存をしている当社グループの経営成績へ影響を及ぼす可能性があります。

 また、上記の景気変動並びに、為替変動及びサプライチェーンの混乱、または、その他の要因による、販売先の事業環境の急激な変化によって財政状態が極端に悪化した場合、売掛債権等が取立遅延や不能になるおそれがあります。そのような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、上記の事象の顕在化等により著しく当社グループの財政状態や経営成績が悪化し、資金調達環境が変化した場合は、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 したがいまして、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の中で、経営者の視点により分析・検討した結果、「特に重要なリスク」として認識しているリスクは、以下のとおりとなります。

・(1) 景気変動の影響

・(2) 為替リスク

・(3) 地政学的リスク

・(5) 商品の需給動向の変動

・(6) 主要仕入先(メーカ)への高依存

・(7) 主要販売先への高依存

・(8) 資金調達

・(11) 棚卸資産廃棄及び棚卸資産評価の影響

・(12) 売掛債権回収リスク

 

 

  e. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

2022年5月12日に公表しました、2023年3月期通期業績予想にかかる当連結会計年度の達成状況は以下のとおりです。

なお、2022年11月9日に2023年3月期通期業績予想を修正しておりますが、以下の記載は当初の2022年5月12日の公表値に基づき記載しております。

売上高は当初計画に比べ7.0%、31億75百万円減少しました。年度前半の半導体をはじめとした主要取扱商材の供給ひっ迫による影響と、年度後半からのそれら汎用品における需給動向の変化による需要減が主な要因となります。

営業利益は当初計画に比べ42.8%、6億72百万円増加となりました。これは主に、為替相場が第3四半期まで円安に推移したことと、年度後半よりシステム製品分野におけるEМSビジネスが復調してきたために売上総利益が増加したことが要因となります。

経常利益は当初計画に比べ4.2%、52百万円増加となりました。これは主に、年度前半の商材の需給ひっ迫への対応として在庫確保を行なったため為替差損を計上したことと、ドル金利の上昇により支払利息が増加しましたが、営業利益の増加が、これらのマイナス要因を上回ったことが要因となります。

親会社株主に帰属する当期純利益は、当初計画に比べ4.3%、37百万円増加となりました。また、1株当たり当期純利益は当初計画に比べ6.1%、25円94銭増加となりました。

 

指標

2023年3月期(当初計画)

2023年3月期(実績)

増減額(当初計画比)

売上高

45,100百万円

41,924百万円

3,175百万円 ( 7.0%減)

営業利益

1,570百万円

2,242百万円

672百万円 (42.8%増)

経常利益

1,250百万円

1,302百万円

52百万円 ( 4.2%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

860百万円

897百万円

37百万円 ( 4.3%増)

1株当たり当期純利益

422円86銭

448円80銭

25円94銭 ( 6.1%増)

 

 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

相手先の名称

品目

国名

契約内容

契約期間

SK hynix Japan(株)

半導体商品(メモリ等)

日本

取扱店基本契約

2001年12月1日から1年間。以降1年間の期限ごとに自動更新。

GlobalFoundries U.S.Inc.

半導体商品(CPU,ASIC等)

米国

電子部品の販売代理店契約

2018年6月26日から3年間。以降1年間の期限ごとに自動更新。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは研究開発部門を持たない商社であり、当社グループ独自の研究開発活動は行っておりませんが、顧客へのトータルソリューションの一環として、顧客要求を満たすカスタム商品の開発を仕入先に委託しております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究開発費は次のとおりであり、当連結会計年度の研究開発費の総額は2百万円であります。

(1)日本

 当連結会計年度の研究開発費は2百万円であります。

 

(2)海外

 該当事項はありません。