文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「企業価値の中に、未来を見つける。」というミッションのもと、「中小企業にテクノロジーを届けよう。」というビジョンを掲げております。現在、主力サービスである中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance」の普及と関連するサービスの提供により、中小企業の成長支援や新しい付加価値の創造、労働生産性の向上に貢献してまいります。
「Big Advance」は金融機関より受領するサービス導入時の初期導入費用に加えて、毎月運用・保守費を受領しております。
運用・保守費はサブスクリプション型(継続課金型)であり、金融機関より月額固定形式で受領する収益、金融機関と会員企業との間の月額利用料に対するレベニューシェア方式を採用した収益により構成されていることから、導入金融機関数や会員企業数、会員企業の解約率(チャーンレート)を重要指標としております。
① 地域金融機関と協業したユニークで強固なビジネスモデル
「Big Advance」は、全国の地域金融機関とパートナーシップを結び展開する、日本で最も裾野の広い中小企業向け経営支援プラットフォームであると判断しております。中小企業の経営支援を実施する上で、金融機関や士業(税理士など)の果たすべき役割は大変重要であり、2020年版の小規模企業白書によると、小規模事業者の31.5%、中規模企業の46.1%が日常の相談相手として金融機関を挙げています。
「Big Advance」は、圧倒的な中小企業の顧客基盤を有する金融機関とパートナーシップを結び中小企業へサービスを提供することで、全国の中小企業に対して効率的にサービスを届けることを可能にしました。また、金融機関のサービスとして提供することで中小企業は安心して「Big Advance」の機能を活用することができ、かつ金融機関とのコミュニケーションも増加するため、融資等の金融サービスもスムーズに享受できる可能性が高まります。
日常の相談相手(企業規模別)

資料:(株)野村総合研究所「中小企業の経営課題と公的支援ニーズに関するアンケート」
(注)1.各回答者(n)は以下のとおり。小規模事業者:n=1,681、中規模事業=1,558。
2.複数回答のため、合計は必ずしも100%にはならない。
(出典:2020年版 小規模企業白書)
② 「テクノロジー」と「Face to Face」を融合し、様々な企業ニーズに対応
金融庁が2018年に実施した中小企業向けのアンケート「貴社の売上や収益、利益の改善に寄与した金融機関が提供した代表的なサービスは何ですか?」(注)という問いかけに対し、主な回答項目の10個のうち6つを「Big Advance」はカバーしております。また従来、企業と金融機関とのコンタクト方法は電話が中心でありコミュニケーションコストが非常に高かったところ、「Big Advance」のチャット機能を活用することにより、金融機関と気軽にコミュニケーションをとることができ、経営課題の早期発見・早期解決にも効果を発揮しております。
ビジネスマッチング機能では、これまで企業が金融機関にマッチングを依頼すると、その金融機関内で保有する情報をもとにマッチング候補先を紹介されるためマッチングの成約率に限界がありました。「Big Advance」では、「Big Advance」導入金融機関の全ての取引先のマッチングニーズを企業自ら検索することができるため、マッチング候補先を効率的かつ地域を越えて見つけることが可能となっており、またマッチングの面談依頼とセッティング自体は、金融機関が間に入ってコーディネートする仕組みになっているため、安心して面談を実施できる仕組みとなっております。また「Big Advance」の導入金融機関及び会員企業数が増加することによって更なるネットワーク効果が発揮されます。
(注)「貴社の売上や収益、利益の改善に寄与した金融機関が提供した代表的なサービスは何ですか?」のアンケートの回答は以下のとおり。下図の黒塗り箇所は「Big Advance」が対応しているサービス領域

③金融庁、財務局、第二地方銀行協会等からの認知
関東財務局東京財務事務所や第二地方銀行協会のセミナー等での講演活動や、「Big Advance」や地域金融機関との協業に関する講演活動を行うとともに、2019年8月に公表された金融庁「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート」に地域金融機関との提携例の一つとして、「金融機関広域連携プラットフォームを提供する企業と連携し、地域企業のビジネスマッチングを支援」するサービスとして、当社事例が掲載されており、官公庁や第二地方銀行協会等に対する当社サービスの認知度は向上しているものと考えております。
④ 高い安定性を誇るBtoB・SaaSモデル
当社は、主に中小企業向けサービスをSaaSモデルで提供しており、損益分岐点を超える会員企業数を獲得できた後は、安定的に収益を計上できることから、外部環境の変化に強く、安定的かつ継続的な収益構造にあります。また、継続率の長期化を目的とした機能改善の開発やカスタマーサクセス等に投資しております。「Big Advance」の会員企業の獲得は、導入金融機関の担当者が推進しており、会員企業は「Big Advance」登録後も活用方法などのサポートを金融機関の担当者から継続的に受けられます。
また活用のサポート活動を通して会員企業のニーズを収集し、すばやくサービスにフィードバックすることで、会員企業が急伸する中においても2022年4月~2023年3月の平均チャーンレート(注)は、1.51%で推移しております。

⑤ 企業文化
当社では「Deep User In(ユーザーを知り尽くし、ユーザーの期待を超えよう)」「Commit myself(今、自分にできる最高の仕事をしよう)」「Big & Speedy(大胆な方針を立て、素早く実行しよう)」「Team is Great(一人ではできないことを成し遂げよう)」という4つの行動指針を共通の価値観として大切にしています。その結果、メンバーは高い自律性と専門性を発揮しながらも強いチームワークを持ち、AIを始めとする先進的なテクノロジーを追求しながら、利用企業が使いやすい温もりのあるサービスの開発・提供に取り組んでおります。
国内経済環境としては、少子高齢化を背景とした労働力不足が問題視される一方で、政府主導により時間外労働時間の上限引き下げ等の労働法規の改正といった働き方改革が推進される中、労働生産性の向上に向けたソリューションへの期待が高まっているものと認識しております。そのような状況の中、当社が事業展開する「国内ソフトウエア市場」はこれまで大きな成長を果たしてきており、今後も引き続き成長が見込まれる市場として注目を集めております。
一方で、現在我が国をはじめ世界中で感染が拡大している新型コロナウイルス感染症の影響で、各国で経済活動が強く制限されており、我が国の中小企業においても消費の急激な落ち込みの影響を甚大に受けているものと考えられます。このような状況の中、当社の経営支援プラットフォーム「Big Advance」は、インターネット上でビジネスマッチングなどの機能を利用できるなど非対面サービスであること、また地域や金融機関の枠を超えて全国の会員企業とビジネスを創出することができること等において優位性を発揮するとともに、中小企業の経営支援により効果を発揮するものと認識しております。
しかしながら、今後の状況によって、経済活動自体が減速することとなった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があり、今後の経営環境の変化を注視していく必要があるものと考えております。
① ユーザー数の拡大
当社のビジネスモデルの大きな特徴ですが、「Big Advance」の会員企業獲得は、導入金融機関の各支店の担当者が推進しており、会員企業数はサービスリリース以来順調に拡大しております。当社としては、これまで金融機関の各支店の担当者の会員獲得推進サポートとして、担当者向け研修や同行訪問、オンラインセミナー等を実施しております。
2019年6月から半年に1回「BAカンファレンス」と称し、導入金融機関の「Big Advance」推進担当者が一堂に会し金融機関の枠を越えて情報交換をできる機会を設けております。
今後も隔週単位でバージョンアップを実施し、最適なUI/UX(注1)の実現を目指し、改善を行っていくとともに、導入金融機関との連携を深め金融機関あたりの会員企業数の拡大を図り、サービスの認知度向上、新機能のリリースや既存機能の強化、地方自治体との連携強化等を通じ、新たな導入金融機関及び会員企業の開拓を図ってまいります。
②ARPA(注2)拡大戦略
今後、様々な新機能・オプション機能を「Big Advance」に追加することにより、収益力の向上を図ります。オプション機能としては、2022年10月に株式会社ジオコードとの連携を開始し、「Big Advance」利用企業が同社の勤怠管理ツール「ネクストICカード」をシームレスに利用できる「ちゃんと勤怠byネクストICカード」をリリース致しました。さらに、2023年1月には「Big Advance」利用企業向けに請求書発行業務をオンラインで行うことのできる「ちゃんと請求書」をリリースしております。
引き続き、中小企業の課題解決につながる新機能・新事業のリリースを行い、中小企業の様々なニーズにスピーディーに対応できる中小企業向け経営支援プラットフォームの構築を進めてまいります。
③DX Solutions戦略
金融機関向けに、取引先法人ポータルサイト及びID認証連携機能を提供し、デジタルを活用することで、金融機関と法人取引先とのリレーションをより強固にすることや士業事務所向けに業務・顧問先管理ツールの提供、中小企業向けに補助金活用コンサルティングサービスの提供等で、金融機関、士業、中小企業のデジタル化支援のサービスを通じ、中小企業の抱える課題解決につなげてまいります。
(注) 1. UI/UX:UIはユーザーインターフェイスのことで、ユーザーとの間に現れるサービスやプロダクトの外観を表します。UXはユーザーエクスペリエンスのことで、ユーザーがプロダクトやサービスを通して得られた体験を表します。
2. ARPA:Average Revenue per Account の頭文字をとったもので、1アカウントあたりの平均売上を示す指標のことです。
① 情報管理体制の強化
当社グループが提供するサービスは、ビジネスの根幹となるインフラ機能であり、また機密性の高い情報を多く扱っているため、セキュリティの確保や情報管理体制の継続的な強化をしていくことが重要であると考えております。現在個人情報保護方針及び情報セキュリティ基本方針に基づき、情報管理を徹底しておりますが、今後も継続して自社による監視体制のみならず、外部業者による脆弱性の確認等を継続的に実施し、情報管理体制の強化・整備を行ってまいります。
② 優秀な人材の確保と育成
当社の持続的な成長のためには、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を多数採用し、組織体制等を強化していくことが重要であると捉えております。当社の経営理念や事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を進めるとともに、高い意欲を持って働ける環境や仕組みの構築、研修体制の充実等に取り組んでまいります。
③ システムの強化
当社グループはインターネット上でサービスを提供しており、システムの安定的な稼働が必要不可欠となっております。自然災害や事故等により、通信トラブルが生じた場合、当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があるため、当社では、システムの安定性確保のための人員確保、教育・研修の実施等を継続して努めてまいります。
④利益及びキャッシュ・フローの創出
当社グループの収益の中心は、サブスクリプション型のビジネスモデルであり、継続してサービスが利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルになります。引き続き、ユーザー数の拡大、顧客単価の上昇等のための機能拡充やデータの利活用に向けた開発費用や新規ユーザーの獲得費用等の成長投資を行い、事業ストック収益を積み上げることで、中長期的な利益及びキャッシュ・フローの最大化に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、コーポレート事業部を所管部門とし、最終責任者を代表取締役CEO近藤繁として取り組んでおります。
取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任を有しており、経営会議等で協議された内容に基づき、当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応等について審議・監督を行っております。
持続可能な開発目標(SDGs)への取り組み
当社は、「企業価値の中に 未来を見つける。」をミッションとし、「中小企業にテクノロジーを届けよう。」というビジョンを実現するため、持続的に企業価値を向上させ、本業を通じて社会課題を解決していくことを掲げております。
持続可能な開発目標(SDGs)については、「8 働きがいも経済成長も」、「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」、「17 パートナーシップで目標を達成しよう」を重点項目として、取り組んでまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社グループは、事業を成長させていくためには、優秀な人材を採用、育成していくことが最重要であると認識のもと、人事報酬制度の見直し、フレックス勤務及びリモートワークを取り入れた柔軟な勤務制度の採用等を行っております。
人事報酬制度については、事業成長に伴い、社員数が増加し、組織も拡大していく中で、目標管理制度を見直し、全社で共通的な目標に向かって取り組む仕組みを採り入れるほか、各人に求められる役割や価値に対応した人事報酬制度への改定、福利厚生制度の充実等を実施しております。
また、当社グループは専門的な知識、経験を持った多様な人材が強みの源泉であり、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力のある組織の構築を推進してまいります。
当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、リスクマネジメント委員会において行っており、サステナビリティに係るリスクの識別、対応方針についても同委員会において、検討を行っております。
重要なリスクは、経営会議の協議を経て、取締役会へ報告、監督されます。
(4)指標及び目標
当社グループでは、上記(2)戦略において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、下記の通り考えております。
(注)当社の役職は下位から「リーダー」、「アシスタントマネージャー」、「グループマネージャー」、「ゼネラルマネージャー」となっており、「アシスタントマネージャー」が係長級となります。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している事項を以下に記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(特に重要なリスク)
① システムトラブルについて
当社が展開する事業は、インターネットを介してサービスを提供する形態であり、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼします。
また、当社のサービスは、外部クラウドサーバAmazon Web Services社が提供するサービス(以下、「AWS」という。)を利用して提供しており、AWSの安定的な稼働が当社の事業運営上、重要な事項となっております。
これまでのところ、当社においてAWSに起因するサービスの停止やトラブル等は起こっておりませんが、システムエラーや人為的な破壊行為、自然災害等の当社の想定していない事象の発生によりAWSが停止した場合には、顧客への損害の発生やサービスに対する信頼性の低下などにより、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化のリスクは高くないと認識しております。
当社ではAWSが継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整備しております。AWSは、FISC安全対策基準(注)を満たす安全性を備えております。
(注) FISCとは、金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準のことを指します。
② 情報セキュリティ及び個人情報等の漏洩について
当社事業においては、個人情報や機密情報が含まれているデータ等を大量に取り扱っております。また、AI企業評価アルゴリズム「FAI」を開発・提供するにあたり、金融機関や顧客から取得した機密情報を含むデータを用いて人工知能の学習を行うことがあります。
万が一、こうしたデータの情報漏洩、改ざん、または不正使用等が生じた場合、もしくは何らかの要因からこれらの問題が発生した場合には、顧客への損害賠償やサービスに対する信頼性の低下などにより、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する可能性は高くないと認識しております。
当社におきましては、2015年8月にプライバシーマークを取得し、さらに情報セキュリティマネージメントシステム(JIS Q 27001:2014)「ISO 27001」の認証を取得し、当該公的認証に準拠した体制を整備しており、情報管理の重要性を周知徹底するべく役職員に対し研修等を行い、情報管理の強化を図っております。また、情報セキュリティについては外部からの不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入防止についてもシステム的な対策を講じております。なお、万一の場合に備え、サイバー保険を付保しております。
③ 特定サービスへの依存について
当社は「Big Advance」を主力サービスと位置付けており、経営戦略上今後も当該サービスを主軸とした事業展開に注力していく方針であります。
国内外の経済情勢や技術革新等による事業環境の変化や当社サービスの競争力低下が生じた場合には、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化のリスクは高くないと認識しております。
当社が事業を展開する国内ソフトウエア市場は継続的に拡大していることに加え、クラウド関連市場は近年急速に拡大しており、今後も当該サービスは一層拡大していくものと考えております。さらに当社におきましては、「Big Advance」を魅力的なサービスとして提供し続けるべく、継続的なユーザビリティの改善や独自のAIアルゴリズムを活用した機能強化の実施、新技術の積極的な投入や創造的な職場環境の整備、及び研究開発活動の推進等に努めてまいります。
(重要なリスク)
④ 法的規制等について
当社事業においては、主として「電気通信事業法」及び関連法令等の規制を受けており、届出電気通信事業者としての届出を実施しており、ユーザーの通信の媒介にかかる通信の秘密の遵守等が義務付けられております。なお、当該届出について有効期限の定めはございません。
また、当社事業に関連するFinTech領域では、「銀行法」の改正が行われるなど、新たなサービスに関する法令整備が進んでおり、今後新たな法令等が成立することで追加の規制を受ける可能性があります。現時点では特段認識しているものはありませんが、今後既存の規制への抵触あるいは何らかの新たな規制による当社事業運営への影響が生じる場合は、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する蓋然性は高くないと認識しております。
当社におきましては、法務コンプライアンス部門を設置し、さらに顧問弁護士等とも連携し、最新の情報を収集しております。法的規制等への対応が必要となった場合には、法務コンプライアンス部門を中心に、適切な対応をとれる体制を整備しております。
⑤ 協業パートナー先である金融機関との連携について
当社は、「Big Advance」を導入済みの地域金融機関とパートナーシップを結んで事業展開をしており、本書提出日現在において80社を超える金融機関と連携してそれぞれ「Big Advance」を提供しております。当社は全国の地域金融機関を通じて「Big Advance」の会員企業を増加しております。現時点での特段の懸念事項は生じておりませんが、今後において金融機関の戦略等の変更あるいは金融機関における会員企業の開拓に係る何らかの支障が生じた場合には、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する蓋然性は高くないと認識しております。
当社におきましては、金融機関の枠を超えた情報交換の場である「BAカンファレンス」を半年ごとに実施するなど金融機関との関係を強化するとともに、一部の金融機関とは資本業務提携をするなど良好な関係を維持継続できるよう努めております。
⑥ 競合について
当社が事業を展開する国内ソフトウエア市場においては、サービスを提供する企業が多数参入していることに加え、クラウド関連市場は、近年急速に拡大している分野であるため、さらに多数の競合企業が参入する可能性がありますが、全国の金融機関を通じて会員企業を拡大する当社のビジネスモデルは参入障壁が高く、競合企業が参入することは困難であると認識しております。
競合企業の競争力向上や競合環境の変化にともなって、当社における十分な差別化が困難となり競争力が低下した場合には、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する蓋然性は高くないと認識しております。
当社におきましては、「Big Advance」を導入済みの地域金融機関とパートナーシップを結び、独自の開発ノウハウを活用したサービスを提供することにより、市場における優位性を構築してまいりました。今後も継続的にユーザビリティの改善や独自のAIアルゴリズムを活用した機能強化を実施していくことにより、サービスの競争力の維持向上に努めてまいります。
⑦ 技術革新について
当社の事業に関連するクラウドサービス及びAIを取り巻く技術革新のスピードは大変速く、技術革新への対応が遅れた場合は、想定外の開発費等の費用が発生し、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する蓋然性は高くないと認識しております。
当社はこうした技術革新に対応できるよう、新技術の積極的な投入や創造的な職場環境の整備、研究開発活動の推進等を行っていく方針であります。
⑧ 既存ユーザー企業の継続率及び単価向上について
当社サービスは、サブスクリプション型のビジネスモデルであることから、当社の継続的な成長には、新規会員企業の獲得のみならず、既存会員企業の維持が重要と考えております。
しかしながら、当社サービスの魅力の低下、競合他社に対する競争力の低下、顧客ニーズに合致しない等により、当社の想定を大幅に下回る継続率となった場合には、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する蓋然性は高くないと認識しております。
当社では、既存会員企業の維持については、機能の追加開発やサポートの充実により、継続率の維持・向上を図っております。
⑨ 人材の確保と育成について
当社が今後更なる成長を成し遂げていくためには、優秀な人材の確保と育成を重要課題の一つであると位置付けております。しかしながら、当社の採用基準を満たす優秀な社員を十分に採用できない場合や、採用後の育成が十分に進まなかった場合には、当社の事業拡大の制約となり、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある、重要なリスクと認識しておりますが、当該リスクは一定程度予見が可能であり、顕在化する蓋然性は高くないと認識しております。
当社では、質の高いサービスの安定稼働や競争力の向上にあたっては、開発部門を中心に極めて高度な技術力を有する人材が要求されていることから、優秀な人材を積極的に採用するとともに、成長ポテンシャルの高い人材の採用・育成も同時に進めていく必要性を強く認識しており、そのための風土づくりや、人事制度、福利厚生の充実などに努めております。
⑩ 横浜信用金庫との提携等について
当社主力サービスである「Big Advance」の商標権は、2018年4月の「Big Advance」リリース時に最初に導入した金融機関である横浜信用金庫(以下、「同社」という)と共同で保有しており、今後も共同保有を継続する予定であります。なお、同社との間では商標権共有に関する覚書を締結しておりますが、当社は、「Big Advance」の商標の使用及び金融機関に対する通常実施権の設定について制限を受けることがないことから、現時点で特段の懸念事項等は生じておらず、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性は極めて小さく、顕在化する蓋然性は極めて低いと認識しております。
また、当社は「Big Advance」における導入金融機関数を拡大するにあたり、当社と同社との間で金融機関での「Big Advance」展開の促進を図ることを目的として、業務連携契約を締結し、同社より他の金融機関で利用可能な「Big Advance」のバナー広告や会員企業向けの連絡文書等のコンテンツの提供を受け、当社よりその使用料を支払っております。現時点で特段の懸念事項等は生じておりませんが、万が一両社の関係性が悪化した場合には、契約破棄により一時的に「Big Advance」のコンテンツ作成及び提供に影響が生じる可能性がありますが、両社の関係は極めて良好であることから、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性は極めて小さく、顕在化する蓋然性は極めて低いと認識しております。
今後も当社は「Big Advance」を魅力的なサービスとして提供し続けるべく、当社としてユーザビリティの改善等サービスの継続的な拡充を進めるとともに、同社とも良好な関係を維持してまいります。
⑪ 自然災害・感染症等について
地震や台風等の自然災害、未知のコンピュータウイルス、テロ攻撃、システムトラブル又は伝染病といった想定を超える自然災害や事故が発生した場合、当社が保有する設備の損壊や電力供給、インターネットアクセスの制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある、重要なリスクと認識しておりますが、当該リスクの蓋然性を見通すのは困難であります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関しては、当社は全国の地域金融機関を通じて会員企業を増加しておりますが、感染拡大の影響による地域金融機関の臨時休業及び外訪の制限等により、営業活動が低迷する場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、感染拡大への対策として、従業員への検温や不要不急の外出禁止依頼、手洗い、マスク着用の励行、発熱があった際の出社禁止等の対応を実施しております。それでも従業員への感染が発生した場合は、本社を閉鎖し、消毒作業の実施が必要となる可能性があります。
さらに、当社では予測が不可能かつ突発的な自然災害や事故等に備え、サービスの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視、従業員安否確認手段の整備、オフィスでの備蓄食料の確保等トラブルの事前防止又は回避に努めております。
(1) 経営成績等の状況
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産合計は、1,646,932千円となりました。この主な内訳は、現金及び預金1,486,093千円、売掛金及び契約資産90,246千円であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産合計は、557,478千円となりました。この主な内訳は、のれん243,843千円、ソフトウエア91,505千円、建物付属設備66,661千円であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債合計は、246,300千円となりました。この主な内訳は、1年以内返済予定の長期借入金41,309千円及びその他流動負債160,297千円であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債合計は、137,843千円となりました。この主な内訳は、長期借入金134,783千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,820,268千円となりました。この主な内訳は、資本金810,820千円、資本剰余金785,120千円です。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制約が、拡大防止の取り組みやワクチン接種の普及により緩和され、正常化への動きが見られるようになりました。一方、ロシアのウクライナ侵攻による資源・原材料価格の高騰や円安の影響もあり、先行きは不透明な状況が継続しております。
そのような状況下、当社グループは、中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance(ビッグアドバンス)」を提供し、日本全国の地域金融機関と連携し、各金融機関の取引先の中小企業に対して、課題解決や成長支援につながるソリューションを提供しております。
当社グループが提供する経営支援プラットフォーム「Big Advance」は、オンラインにて、地域を超えた全国の企業とのビジネスマッチング、ホームページ作成、社内コミュニケーションツールとしての社内チャット及び全国の補助金・助成金の情報の提供などを通じて中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を支援しております。2022年5月に株式会社CAMPFIREと提携し、「Big Advance」にクラウドファンディング機能を追加し、さらに同年10月には株式会社ジオコードとの連携を開始し、「Big Advance」利用企業が同社の勤怠管理ツール「ネクストICカード」をシームレスに利用できる「ちゃんと勤怠byネクストICカード」をリリースいたしました。さらに、2023年1月には「Big Advance」利用企業向けに請求書発行業務をオンラインで行うことのできる「ちゃんと請求書」をリリースしております。
また、2022年11月には株式会社市岡経営支援事務所の株式を100%取得し子会社化し、中小企業向けに補助金活用コンサルティングの提供を開始しました。
「Big Advance」を導入する金融機関数及びその顧客である中小企業会員数は、2023年3月末時点の導入金融機関数84社、会員企業数71,138社となりました。
一方、当連結会計年度は中期経営計画で示した通り、ユーザー数拡大や顧客単価向上のための新機能・新サービス開発等の成長投資を行い、積極的な人材採用や新機能・サービスの開発を実施してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,776,181千円となり、営業利益は63,884千円、経常利益は65,122千円、親会社株主に帰属する当期純利益は21,160千円となりました。
なお、当社グループはビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
また、当社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比については記載しておりません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,489,938千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により使用した資金は24,911千円となりました。税引前当期純利益65,063千円及び減価償却費55,785千円計上しましたが、法人税等の支払額125,285千円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は225,454千円となりました。これは主に、子会社株式取得による支出138,891千円、及び「Big Advance」の開発による無形固定資産の取得による支出113,799千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は4,736千円となりました。これは主に、長期借入金による収入140,000千円、自己株式の取得による支出99,935千円、及び長期借入金の返済による支出51,128千円によるものであります。
a 生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
当社グループの事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。なお当社グループはビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。
当社グループの財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の分析・検討内容
前項「(1)経営成績等の状況 ① 財政状態の状況」をご参照ください。
b 経営成績の分析・検討内容
(売上高)
売上高は、1,776,181千円となりました。売上の中心となる「Big Advance」は、2023年3月末における導入金融機関数84社(前年同期比1社増加)、その顧客である中小企業の会員登録がなされた会員企業数71,138社(前年同期比1.2%減)となりました。解約率は1.51%(2022年4月~2023年3月の平均)となり目標とする2%以内で推移しております。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は810,090千円、売上総利益は966,090千円となりました。中期経営計画で示した通り、ユーザー数拡大や顧客単価向上のための新機能・新サービス開発等の成長投資を行い、積極的な人材採用や新機能・サービスの開発を実施したものになります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は902,206千円、営業利益は63,884千円となりました。主な要因は、業容拡大のための営業及びコーポレート部門の人員増強による人件費及び採用教育費の増加であります。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は2,324千円となりました。主な内容は、商標利用料であります。また、営業外費用は1,086千円となりました。主な内容は、借入金に係る支払利息であります。また、以上の結果、経常利益は65,122千円となりました。
(特別損益、当期純利益)
特別利益2千円となりました。主な内容は有価証券の売却益であります。また、特別損失は61千円となりました。主な内容は固定資産除却損であります。法人税、住民税及び事業税を41,872千円、法人税等調整額2,030千円を計上した結果、当期純利益は21,160千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
前項「(1)経営成績等の状況 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な資金流動性を安定的に確保することを基本方針としております。当社における主な資金需要は、エンジニア部門・営業部門に係る人件費・採用費、サーバなどの通信費を含めた運転資金であります。今後も営業活動によるキャッシュ・フローの増加を図ることを中心としながらも、資金需要の必要性に応じて金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等外部資金の活用を含め、最適な方法による資金調達を行う予定であります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、提供するサービスの付加価値向上及び新サービスの開発を目的として開発活動を行っておりますが、当連結会計年度において研究開発費の計上はありません。