文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「バイオから宇宙まで、化学の力で新しい価値を創造する企業グループとして、人と社会に貢献する」ことを経営理念とし、これを実践する上で重視する3つの価値観「挑戦」、「公正」、「調和」を定めています。
当社グループでは、経営理念、価値観を事業経営、組織運営の中心に据え、社会と共に成長し、事業の継続的な発展を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、新たな事業環境に対応したコスト構造の実現に向け、生産性の向上とコストダウンの徹底を図るとともに、当社が目指す方向である「ライフ・ヘルスケア」、「電子・情報」、「環境・エネルギー」の3分野へ積極的に経営資源を投入し、持続的成長のための収益基盤の確立を進めてまいります。また、事業の基盤をなす安全の確保、環境の保全、品質管理の徹底、コンプライアンスの強化および内部統制システムの一層の充実を図り、企業の社会的責任を果たしてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営の主たる指標については、グループの業績評価における重要指標である営業利益のほか、株主重視の視点から個別事業における業績管理など経営効率の評価基準として、自己資本当期純利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)および売上高営業利益率を活用しております。
(4)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルス感染症については、日本国内における感染症法上の位置づけが「5類感染症」に移行されたことを受けて、徐々にその影響は小さくなるものと見込んでおります。しかしながら、ウクライナ危機や米中対立の激化、原燃料価格の高止まり、世界的なインフレ継続、金融情勢の混乱等の懸念もあり、世界経済の先行きは不透明な状況が継続すると想定されます。
このような情勢下、当社グループは、2030年度を最終年度とする「NOF VISION 2030」を定め、2023年度を起点とする「2025中期経営計画」収益拡大ステージ、「2028中期経営計画」事業領域拡大ステージを経て2030年度の「ありたい姿」を目指してまいります。
また、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「電子・情報」「環境・エネルギー」において、市場ニーズの変化に柔軟に対応し、化学の力で新しい価値を継続的に創出し、すべてのステークホルダーの皆様の信頼にお応えし続けることで、安心で豊かな社会の実現に向けて挑戦してまいります。
「2025中期経営計画」においては「実践と躍進」を基本方針として掲げ、「市場の変化を捉えた事業拡大」「新製品・新技術開発の加速」「生産性の向上」「安全・安心の追求」「CSRの推進」の各課題に取り組んでまいります。
「市場の変化を捉えた事業拡大」を加速するため、目指す3分野での積極的な戦略投資を推進してまいります。機能化学品事業においては、愛知事業所内の化粧品ODM(オリジナル・デザイン・マニュファクチャリング:相手先ブランドによる設計・製造)ラインを増設する計画を進めてまいります。また、ライフサイエンス事業においては、将来の核酸医薬品等バイオ医薬品市場の成長を見込み、愛知事業所内にDDS医薬用製剤原料の製造設備を新設する計画を進めてまいります。
「新製品・新技術開発の加速」については、バイオ化学品、熱制御素材、エレクトロニクス分野、健康食品分野等の重点分野に関するオープンイノベーションによる事業協創を進め、新製品・新技術開発の加速につなげてまいります。
「生産性の向上」として、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する全社的な人材育成の取り組みを継続すると共に、データサイエンスを活用したMI(マテリアルズ・インフォマティクス)による新規化合物の探索および配合組成の最適化等の研究開発の効率化、生産・品質管理システムの導入とネットワーク構築等によるスマートファクトリー化に引き続き取り組んでまいります。
「安全・安心の追求」では安全・安心な製品の提供、社会環境や自然環境への安全配慮、保安防災、労働安全の徹底に取り組み、適切な事業運営に努めてまいります。
「CSRの推進」では、サステナビリティに関する11項目のマテリアリティを特定し、これを「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」「事業基盤の強化」「レスポンシブル・ケア活動の推進」の3つに大別し、項目毎に目標(KPI)を設定し、その取り組みを推進しております。「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」では、先進医療・医薬、人の美しさと健康、アンチエイジング、環境負荷の低減、資源循環、スマート社会等、さまざまな要請に貢献するため、目指す3分野に当社の独自技術・素材を活かした製品供給を目指してまいります。「事業基盤の強化」では、収益力の強化、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方改革の推進、価値観の多様性を受け入れる企業風土作り、レジリエンスを向上させる事業継続計画の充実等を深化してまいります。「レスポンシブル・ケア活動の推進」では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた施策の検討や、化学物質の管理等の施策に取り組みます。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連の情報開示の拡充に取り組んでまいります。
当社グループは、持続可能な社会実現へ貢献するため、これらの課題への取り組みを遂行し、さらなる事業革新を進め、国際競争力のある強靭な企業体質を築いてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループは、取締役兼執行役員と役付執行役員で構成する政策会議、ならびに社長を委員長とするCSR委員会における協議を経て、サステナビリティに関するマテリアリティ(重要課題)を特定し、取締役会で承認しています。それぞれのマテリアリティは、KPIと目標値を設定して主管組織・担当部門が活動を推進し、進捗状況・結果をCSR委員会へ報告しています。CSR委員会では、全ての取締役が参加してマテリアリティのレビューを行い、重要課題の項目、KPI、目標値、対応方針を見直すことで、活動レベルの継続的な向上を図っています。
(2)重要なサステナビリティ項目
①気候変動への対応
気候変動への対応は、マテリアリティの一つとして特定しており、中長期目標を含む重要事項はCSR委員会で協議しています。当社グループは、2022年4月にTCFD提言への賛同を表明して、
②人的資本への対応
「企業は人なり」との基本思想の下に、当社グループの「価値観」である「挑戦」「公正」「調和」を体現し、新たな価値を創造できる人材の成長を後押しする積極的な人的資本投資を実施します。
従来の能力開発システムに加え、自律的人材の育成、グローバル人材の育成、DX人材の育成およびキャリアデザイン構築支援を目的とした人材育成施策を推進します。また、人事評価における目標設定項目に、中長期的な視点で困難な目標に果敢に挑戦する「チャレンジ目標制度」を導入し、挑戦が評価される風土づくりに継続的に取り組みます。
性別や年齢、国籍や障害の有無等に関わらず、多様な人材の採用を継続します。さらには、女性がより活躍できる風土をつくるため、積極採用し、女性が働きやすい制度の充実を図ります。また、新たな事業領域への進出を加速するために経験人材の継続的な採用を進めます。
従業員一人一人が目標を持って活き活きと職務を遂行することができる仕組み、制度および職場づくりを継続的に進めます。また、エンゲージメント調査を定期的に実施し、働きがいの向上に努めます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。リスク管理については、リスク管理委員会において、リスクの網羅性の確認・評価、リスク管理に関する施策の立案等を行い、取締役会に報告しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況等の変動
当社グループは国内外に生産・販売拠点を有しており、また、提供している製品の多くが幅広い業界で使用されていることから、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況や地政学的リスク、当社グループの需要業界における景気動向、市場動向、公的な法規制などが、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)新製品開発
当社グループは、グローバルな課題解決の一翼を担うとともに人と社会に貢献するため、「ライフ・ヘルスケア」、「電子・情報」、「環境・エネルギー」の目指す3分野において、新製品開発を推進しております。新製品の開発には、多くの経営資源と長い時間を要するとともに、企業間の開発競争が激化しております。このため、市場環境や技術動向の急激な変化により、当社製品の需要が実現せず、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料価格
当社グループは原材料として、天然油脂系原料や、石化系原料を使用しております。これらの原材料価格は国際市況の影響を受けやすく、使用原料多様化等の施策を講じておりますが、原材料価格の変動をタイムリーかつ十分に製品価格に転嫁できなかった場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料調達
当社グループは、CSR調達方針に基づき品質・コストを検討した上で、複数の調達先の確保を原則としておりますが、使用原料の一部に供給元が限定されている原料があり、何らかのトラブルにより供給が滞った場合、製品の安定的な製造・販売に支障をきたす可能性があります。
(5)為替レートの変動
当社グループは、海外子会社の財務諸表を連結財務諸表作成のため円換算しております。現地通貨建ての項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、為替相場の変動に対するヘッジ等を通じて、短期的な為替の変動による影響を最小限にとどめる措置を講じておりますが、短期および中長期的な為替変動が当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)事故災害・自然災害
当社グループは、製造設備・物流で発生する事故、地震等の自然災害や感染症の世界的流行(パンデミック)等に対して、事前の安全対策や発生時の損害を最小限にする施策を講じるとともに、事業継続計画(BCP)を策定して有事への備えに努めておりますが、万一想定を超える事故・災害等が発生し、生産活動をはじめ、販売や物流等のその他の事業活動の中断等が生じた場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)製品品質
当社グループは、全ての工場で品質マネジメントシステムを構築し、高い品質水準の確保に努めておりますが、製造・輸送等の過程において予測できない瑕疵や偶発的なトラブルが発生し、品質への影響が生じる可能性があります。製造物責任賠償に関しては、保険に入る等で万一に備えておりますが、賠償額を十分にカバーできない可能性があります。
(8)食品の安全性
近年、食品の「安全・安心」に対する消費者の関心が高まっております。当社グループでは、FSSC22000の認証を取得し、国際規格に従って各種製品を製造しております。また、使用原材料のトレーサビリティの確保など品質管理に万全な体制で取り組んでおりますが、社会全般にわたる食品の安全性問題が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)法令等の規制強化
当社グループは、事業を営む各国の法令等に従って、事業活動を行っております。特に、環境・健康への影響に対する世界的な意識の高まりから、化学物質の取り扱いに関する国内外の各種規制は強化される傾向にあり、法規制対応に注力しております。将来における法令・規制・政策等の変更による事業活動の制限・対応コストの増加により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)知的財産
当社グループは、グローバルに知的財産の権利確保を図るとともに、厳重に管理して侵害を監視する体制を強化しておりますが、第三者からの侵害を完全には防止できない可能性があるほか、他社との間で知的財産を巡って紛争が発生する可能性があります。
(11)情報セキュリティ
当社グループは、事業活動において取得する財務情報、機密情報、個人情報等を、電子情報などの形式で蓄積・利用しております。これらの情報の管理は、ハード・ソフト両面において、その都度必要なセキュリティ対策を講じるとともに、基幹システムの冗長化も図っております。しかしながら、コンピューターウイルスによる第三者からの攻撃、不正アクセスなどによって、保有する機密情報・個人情報の漏洩、基幹システムの障害が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)人材確保
当社グループは、経営理念を実現するため、多様な人材の採用、育成に注力しております。雇用情勢の悪化等により、必要な人材を確保できない場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)退職給付債務
当社グループの退職年金資産運用の実際の結果が前提条件と異なった場合、その影響額(数理計算上の差異)はその発生翌連結会計年度より10年間で費用処理することとしております。年金資産の運用利回りの悪化や低金利の長期化による割引率の低下等は当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)海外展開
当社グループは、北米・欧州・アジアなど世界各地に生産・販売拠点を設け、海外での事業活動を拡大しております。各拠点において有効な内部統制システムの構築に努めておりますが、将来的に法令違反等の問題が発生し、行政処分による課徴金、刑事・民事訴訟による罰金、損害賠償金の支払いが発生する可能性があるほか、各国での予期しない法令・規制や政策等の変更、テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱等により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当期は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進む国や地域を中心に、各種制限の緩和と経済活動の正常化が一段と進む一方で、中国のゼロコロナ政策の動向による経済活動の停滞、ウクライナ危機や資源・エネルギー価格高騰の継続、世界的なインフレ加速、金融情勢の混乱等により景気の不透明感が強まりました。国内においては、社会経済活動の正常化が進むなかで、個人消費や設備投資、生産活動等に持ち直しの動きがみられました。
当社グループを取り巻く事業環境は、世界的な原燃料価格の高騰、半導体供給不足の継続、ウクライナ危機等の地政学的リスク等が懸念される状況が継続しましたが、全般に国内外の需要は堅調に推移しました。
このような事業環境下、当社グループは2022年度を最終年度とする3ヵ年計画「2022中期経営計画」において、「挑戦と協創」を基本方針として掲げ、課題である「成長市場への事業拡大」「新製品・新技術開発の加速」「社内外との連携強化」「生産性の向上」「CSR活動の推進」に取り組み、新市場開拓と拡販ならびに生産コストの低減に努める一方で適正価格の維持に注力し、持続的成長に向けた経営努力を積み重ねてまいりました。
「成長市場への事業拡大」を更に強化するために、川崎事業所内におけるDDS医薬用製剤原料の製造設備の稼働にあわせて、生産性の向上や品質管理の強化を実施し、ライフサイエンス事業の供給力強化を図りました。また前期に実施したバイオ化学品、熱制御素材に関するオープンイノベーションによる事業協創の取り組みに続き、当期は、エレクトロニクス分野や健康食品分野での協創テーマの公募採択を行い「社内外との連携強化」を推進しました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
①財政状態
資産は、前期末に比べ19,808百万円増加し、309,438百万円となりました。
負債は、前期末に比べ1,511百万円増加し、69,436百万円となりました。
純資産(非支配株主持分を含む)は、前期末に比べ18,296百万円増加し、240,002百万円となりました。
②経営成績
当期の連結売上高は、217,709百万円(前期比13.0%増)となりました。連結営業利益は、40,624百万円(前期比14.1%増)、連結経常利益は、43,183百万円(前期比14.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、33,973百万円(前期比27.3%増)となりました。
以下、各事業セグメントの概況についてご説明申し上げます。
(機能化学品事業)
脂肪酸誘導体は、環境エネルギー関連の需要が堅調に推移するとともに、原燃料価格高騰を受け販売価格を改定
し、売上高は増加しました。
界面活性剤は、トイレタリー関連の需要が好調に推移し、売上高は増加しました。
エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体は、トイレタリー関連、合成樹脂・樹脂加工や塗料向けの需
要が堅調に推移するとともに、原燃料価格高騰を受け販売価格を改定し、売上高は増加しました。
有機過酸化物は、国内およびアジアでの需要が堅調に推移するとともに、原燃料価格高騰を受け販売価格を改定
し、売上高は増加しました。
特殊防錆処理剤は、国内外向け自動車関連の需要が堅調に推移し、売上高は増加しました。
これらの結果、機能化学品事業の連結売上高は、146,422百万円(前期比14.0%増)、連結営業利益は、22,901百万円(前期比6.7%増)となりました。
(ライフサイエンス事業)
食用加工油脂は、製菓・製パン用機能性油脂の需要が落ち着いたものの、原燃料価格高騰を受け販売価格を改定し、売上高は増加しました。
機能食品関連製品は、健康食品向けの出荷が減少し、売上高は減少しました。
生体適合性素材は、MPC(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)関連製品の需要が好調に推移し、売上高は増加しました。
DDS(ドラッグ・デリバリー・システム:薬物送達システム)医薬用製剤原料は、欧米への出荷が好調で、売上高は増加しました。
これらの結果、ライフサイエンス事業の連結売上高は、40,907百万円(前期比21.2%増)、連結営業利益は、18,003百万円(前期比27.6%増)となりました。
(化薬事業)
産業用爆薬類は、売上高は減少しました。
宇宙関連製品は、ロケット向け製品の出荷が増え、売上高は増加しました。
防衛関連製品は、売上高は減少しました。
機能製品は、売上高は減少しました。
これらの結果、化薬事業の連結売上高は、29,871百万円(前期比0.5%減)、連結営業利益は、1,751百万円(前期比0.7%減)となりました。
(その他の事業)
その他の事業は、運送事業および不動産事業から構成されております。その連結売上高は、509百万円(前期比8.6%増)、連結営業利益は、209百万円(前期比28.2%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が10,062百万円増加しましたが、運転資金負担の増加8,799百万円、法人税等の支払額の減少67百万円等により、前期に比べ4,060百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入の増加5,365百万円、設備投資による支出の減少1,196百万円、固定資産売却による収入の減少114百万円等があり、前期に比べ8,045百万円の支出減となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出の増加3,136百万円、借入金の返済による支出の減少2,200百万円、配当金の支払額の増加996百万円等の結果、前期に比べ857百万円の支出増となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末に比べ7,649百万円増加し、89,081百万円となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
機能化学品事業 |
119,573 |
10.7 |
|
ライフサイエンス事業 |
46,022 |
17.6 |
|
化薬事業 |
26,874 |
△4.7 |
|
合計 |
192,470 |
9.8 |
(注) 金額は販売価格によっております。
②受注実績
当連結会計年度における化薬事業の受注実績を示しますと、次のとおりであります。
なお、化薬事業を除く製品については見込み生産を行っております。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
化薬事業 |
38,372 |
87.7 |
37,301 |
119.9 |
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額 (百万円) |
前期比 (%) |
|
機能化学品事業 |
146,422 |
14.0 |
|
ライフサイエンス事業 |
40,907 |
21.2 |
|
化薬事業 |
29,871 |
△0.5 |
|
報告セグメント計 |
217,200 |
13.0 |
|
その他の事業 |
509 |
8.6 |
|
合計 |
217,709 |
13.0 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等
a.財政状態
(資産合計)
総資産は、前期末に比べ19,808百万円増加し、309,438百万円となりました。資産の増減の主な内容は、現金及び預金の増加7,090百万円、売上債権の増加3,748百万円、棚卸資産の増加9,835百万円、有形固定資産の増加1,919百万円、投資有価証券の期末時価評価等による減少3,092百万円等であります。
(負債合計)
負債は、前期末に比べ1,511百万円増加し、69,436百万円となりました。負債の増減の主な内容は、買入債務の減少2,119百万円、有利子負債の減少784百万円、未払法人税等の増加2,747百万円等であります。
(純資産合計)
純資産(非支配株主持分を含む)は前期末に比べ18,296百万円増加し、240,002百万円となりました。純資産(非支配株主持分を含む)の増減の主な内容は、親会社株主に帰属する当期純利益33,973百万円、剰余金の配当による減少7,943百万円、自己株式の取得等による減少7,007百万円、その他有価証券評価差額金の減少2,501百万円、退職給付に係る調整累計額の減少84百万円等であります。
b.経営成績
(売上高)
売上高は217,709百万円と前期比13.0%、25,067百万円の増収となりました。その内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況 ②経営成績」に記載したとおりであります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は141,766百万円と前期比14.6%、18,052百万円の増加となりました。原価率は、前期と比較して0.9ポイント増加し65.1%となりました。
販売費及び一般管理費は35,318百万円と前期比6.0%、1,985百万円の増加となりました。売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は6,573百万円と前期比7.6%、465百万円の増加となりました。
(営業利益)
営業利益は、40,624百万円と前期比14.1%、5,028百万円の増益となりました。セグメント別の営業利益については、セグメント情報の欄に記載しております。
(営業外収益(費用))
営業外収益(費用)は、前連結会計年度の2,028百万円の収益(純額)から、2,558百万円の収益(純額)となりました。受取利息および受取配当金の合計から支払利息を差引いた金融収支は、前連結会計年度の1,070百万円の収入(純額)から、1,291百万円の収入(純額)となりました。
(経常利益)
経常利益は43,183百万円となり、前期比14.8%、5,558百万円の増益となりました。
(特別利益)
特別利益は4,882百万円となり、前期比3,664百万円の増加となりました。この増加は、主に当期において投資有価証券売却益等を計上したことによるものであります。
(特別損失)
特別損失は25百万円となり、前期比839百万円の減少となりました。この減少は、主に前期において固定資産圧縮損等を計上したことによるものであります。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は48,040百万円となり、前期比26.5%、10,062百万円の増益となりました。
(法人税等(法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額))
税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は29.2%となり、前期比0.4ポイントの減少となりました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
非支配株主に帰属する当期純利益は42百万円(前期は、非支配株主に帰属する当期純利益31百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は33,973百万円となり、前期比27.3%、7,282百万円の増益となりました。1株当たりの当期純利益は417.02円と前期比93.25円の増加となりました。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
新型コロナウイルス感染症については、日本国内における感染症法上の位置づけが「5類感染症」に移行されたことを受けて、徐々にその影響は小さくなるものと見込んでおります。しかしながら、ウクライナ危機や米中対立の激化、原燃料価格の高止まり、世界的なインフレ継続、金融情勢の混乱等の懸念もあり、世界経済の先行きは不透明な状況が継続すると想定されます。
このような情勢下、当社グループは、2030年度を最終年度とする「NOF VISION 2030」を定め、2023年度を起点とする「2025中期経営計画」収益拡大ステージ、「2028中期経営計画」事業領域拡大ステージを経て2030年度の「ありたい姿」を目指してまいります。
また、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「電子・情報」「環境・エネルギー」において、市場ニーズの変化に柔軟に対応し、化学の力で新しい価値を継続的に創出し、すべてのステークホルダーの皆様の信頼にお応えし続けることで、安心で豊かな社会の実現に向けて挑戦してまいります。
「2025中期経営計画」においては「実践と躍進」を基本方針として掲げ、「市場の変化を捉えた事業拡大」「新製品・新技術開発の加速」「生産性の向上」「安全・安心の追求」「CSRの推進」の各課題に取り組んでまいります。
「市場の変化を捉えた事業拡大」を加速するため、目指す3分野での積極的な戦略投資を推進してまいります。機能化学品事業においては、愛知事業所内の化粧品ODM(オリジナル・デザイン・マニュファクチャリング:相手先ブランドによる設計・製造)ラインを増設する計画を進めてまいります。また、ライフサイエンス事業においては、将来の核酸医薬品等バイオ医薬品市場の成長を見込み、愛知事業所内にDDS医薬用製剤原料の製造設備を新設する計画を進めてまいります。
「新製品・新技術開発の加速」については、バイオ化学品、熱制御素材、エレクトロニクス分野、健康食品分野等の重点分野に関するオープンイノベーションによる事業協創を進め、新製品・新技術開発の加速につなげてまいります。
「生産性の向上」として、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する全社的な人材育成の取り組みを継続すると共に、データサイエンスを活用したMI(マテリアルズ・インフォマティクス)による新規化合物の探索および配合組成の最適化等の研究開発の効率化、生産・品質管理システムの導入とネットワーク構築等によるスマートファクトリー化に引き続き取り組んでまいります。
これらの課題への取り組みを遂行し、さらなる事業革新を進め、国際競争力のある強靭な企業体質を築いてまいります。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営の主たる指標については、グループの業績評価における重要指標である営業利益のほか、株主重視の視点から個別事業における業績管理など経営効率の評価基準として、自己資本当期純利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)および売上高営業利益率を活用しております。
当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、14.8%(前期比2.2%増加)、総資産経常利益率(ROA)は14.4%(前期比1.0%増加)、売上高営業利益率は18.7%(前期比0.2%増加)となりました。
④セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政状態につきましては、以下のとおりであります。
機能化学品事業における資産は、前期末に比べ、11,317百万円増加し、121,756百万円となりました。
ライフサイエンス事業における資産は、前期末に比べ、6,649百万円増加し、35,234百万円となりました。
化薬事業における資産は、前期末に比べ、1,383百万円増加し、58,582百万円となりました。
その他の事業における資産は、前期末に比べ、105百万円増加し、4,083百万円となりました。
セグメントごとの設備投資等の概要につきましては、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載したとおりであります。
なお、経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①基本方針
当社グループは、独創性のある製品を国内外の市場に提供できる機能材メーカーとしてさらなる進化を遂げ、信頼され存在感のある企業グループの実現に努めるために、以下のとおり対応してまいります。
事業への資源配分については、「市場の変化を捉えた事業拡大」を加速するため、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「電子・情報」「環境・エネルギー」での積極的な戦略投資を推進してまいります。
利益配分については、株主の皆様への安定的な利益還元を経営の重要課題と認識しております。配当は、総還元性向50%程度を現中期経営計画最終年度(2025年度)の目標水準とし、安定的な利益還元の維持継続を基本とする配当の実施とともに、自己株式取得・消却を必要に応じ実施してまいります。
なお、配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
内部留保資金は、将来に向けた成長のための設備投資や研究開発投資、財務体質の充実などにあて、収益基盤の強化を図ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは人件費および発送配達費等の費用であります。当社グループの研究開発費は、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めております。
当社グループの投資活動にかかる資金需要のうち主なものは、高付加価値品の需要拡大に対応する生産設備、新技術開発による生産設備の新設や環境負荷低減のための設備改修等にかかる設備投資であります。
④有利子負債
2023年3月31日現在の有利子負債の概要は下記のとおりであります。
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年度別要支払額 |
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区 分 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
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短期借入金(億円) |
20 |
20 |
- |
- |
- |
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長期借入金(億円) |
24 |
1 |
6 |
17 |
- |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
⑤財務政策
当社グループは現在、運転資金および設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が1年以内の短期借入金で、銀行等からの借入金および海外子会社の現地での借入金から構成されております。これに対して、生産設備などの長期資金は原則として固定金利の長期借入金で調達しております。2023年3月31日現在、長期資金の残高は24億円で、主に固定金利の円での借入であり、銀行等からの借入金であります。
当社グループは、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力および借入により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症に関しましては、徐々にその影響は小さくなっていくものと見込んでおりますが、2023年3月31日現在の現金及び現金同等物890億円に加え、銀行等からの借入金により、資金の流動性を確保してまいります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
技術導入契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
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日油㈱ |
INTERNATIONAL MILITARY SERVICES LIMITED |
英国 |
155㎜FH-70榴弾砲用発射装薬 |
製造技術 |
1987年4月23日から 2027年3月31日 |
|
日油㈱ |
RHEINMETAL L W & M GMBH |
ドイツ |
120mm戦車砲 |
技術援助 |
2004年1月28日から 2024年1月27日 |
|
日本工機㈱ |
ALLIANT TECHSYSTEMS INC. |
米国 |
30mm機関砲用弾薬 |
技術援助 |
2007年2月28日から 2024年3月31日 |
|
日本工機㈱ |
Nammo Raufoss AS |
ノルウェー |
20mmMP弾 |
技術援助 |
2017年3月13日から 2027年3月12日 |
当社グループの事業は、機能化学品、ライフサイエンス、化薬、その他の事業からなり、これらの固有技術の展開を図るとともにグループとしての総合力を発揮して化学産業を取り巻く環境や社会ニーズの変化に対応した研究開発を進めております。成長の期待される先端分野や新規分野では、先端技術研究所および新規事業開発室を始めとする当社グループの研究部門のみならず、産官学との共同研究や委託研究により研究開発を推進しております。
当連結会計年度は、研究開発費として
以下、各事業セグメントの研究開発活動の概況についてご説明申し上げます。
〔主な研究開発の成果〕
(1)機能化学品事業
脂肪酸誘導体、界面活性剤およびエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体などを中心に高機能・高付加価値製品の開発を進めております。トイレタリー関連では、主力のアミノ酸系界面活性剤のほか、使用感に優れる紫外線散乱効果向上剤や植物由来炭化水素油を新たに開発し、市場展開を進めております。また、電子情報関連ではトナー用の高機能ワックス、積層セラミックコンデンサー用高機能添加剤の開発を進めております。
有機過酸化物・機能性ポリマーおよび石油化学品では、自動車の内装用樹脂材料の摺動性改良剤や異音防止剤のほか、自動車部材用などのシール材に最適な各種エラストマー素材や各種ランプユニットに最適な耐久性の高い防曇剤の開発を進めております。また、成型加工する樹脂表面に耐汚染性や耐擦傷性などの機能を付与できる添加剤の開発も進めております。
特殊防錆処理剤は、自動車部品向けに処理皮膜に傷が付いても耐食性が良好な水系亜鉛フレーク処理剤を開発し、市場展開を進めております。また、自動車部品に続く重点分野として建築・インフラ分野を位置づけ、市場の開拓を進めております。
当セグメントに係る研究開発費は
(2)ライフサイエンス事業
食用加工油脂は、プラントベースミート食品のジューシー感向上や大豆臭のマスキング効果に寄与する製品として油脂含有粒状大豆たん白を開発いたしました。また機能食品では、健康食品向け新機能の探索と新規素材の開発を進めております。
生体適合性素材では、アイケア、生化学、医薬・医療機器関連などの分野に向けたMPCポリマーや新規素材の開発を進めております。
DDS(ドラッグ・デリバリー・システム:薬物送達システム)医薬用製剤原料は、国内外の研究機関と共同で低分子医薬品やタンパク質医薬品のDDS用脂質、活性化PEGの開発を進めております。また、新規開発品として、抗体医薬品や核酸医薬品用に単分散PEG、核酸送達用脂質の開発も進めております。
当セグメントに係る研究開発費は
(3)化薬事業
産業用爆薬類では、コスト低減と安全性の向上を目的に需要家のニーズに応えられる高性能含水爆薬や無線電子雷管、および爆薬装填システムの研究開発を行っております。また、非火薬破砕剤の用途開発も進めております。
宇宙用推進薬では、H3ロケット用推進薬の研究開発を進めております。
防衛用発射薬・推進薬は、国の研究開発計画に基づき新しい製品設計や製造技術の確立に向けて取り組んでおります。
当セグメントに係る研究開発費は
(4)コーポレート研究
先端技術研究所で次世代の素材や技術の研究に取り組むとともに、新設した新規事業開発室とナノ医療イノベーションセンターに研究拠点をおいて、ライフ・ヘルスケア分野の先端医療、再生医療関連で産官学連携でのオープンイノベーションを推進しております。さらに、エレクトロニクス分野と健康食品分野で「産学委託研究公募」を実施し、新素材・新技術の導入と次世代の製品群の創出を進めております。
コーポレート研究に係る研究開発費は