当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは企業理念を「時空を超えてヒトやモノをつなぎ、豊かな社会を創造する」としております。中期経営計画の全体戦略は「新しいICTとAIのソリューション・サービスを提供する企業として、通信事業者及び多様な企業顧客の活動を支え、『音声』に強みをもつリーディングカンパニーとなって成長する」として、既存のインフラ・プラットフォームを軸としながら、特定ベンダーに依存しない先進的なトータルソリューション・サービスの提供を引き続き行ってまいります。
(2)経営戦略等
2023年3月期において、従来の「通信事業者」及び「それ以外の法人」という顧客層を基点とした事業分類から製品・サービスを基点とした分類に変更し、「ボイスコミュニケーション」「モバイル通信ソリューション」としました。モバイル通信ソリューションでは、MVNO市場、5G/ローカル5G市場をターゲットに展開する計画でしたが、政府主導の携帯料金大幅値下げ政策などの影響でMVNO市場は活性化せず、ローカル5Gの需要も予想より低調でした。一方で、様々な企業・機関での問い合わせ対応の効率化や、多様化したコミュニケーション間で発生する膨大な情報をDX化するなど、多くの企業が抱える新たな課題の発見もありました。当社は音声認識AIシステムの開発を2014年より開始し、大手金融機関における導入実績を始め、様々な領域における音声認識・テキスト化AIシステムの開発・提供を行なってきました。また、当社の強みである電話のIP化技術をベースに、ソフトウェアPBX(電話交換機)や、ソフトウェアSBC等を、急成長する大規模言語モデルの生成AI(例えば、ChatGPT等)と組み合わせることによって、新たな価値を提供できるコミュニケーションDX事業へシフトいたします。なお、主力事業であるボイスコミュニケーション事業は変更ありません。
ボイスコミュニケーションにおいては、リモートワーク推進やオフィス移転、オンプレミスPBXの更改期などの要因により、スマートフォンの内線利用などに適したクラウドPBXの需要が近年増えつつあります。あらゆる業種の企業が導入していることから非常に大きな市場となっているPBXですが、通信事業者のPSTNマイグレーションが完了する2025年以降、オンプレミスPBXの保守期間が終了し、後継機選定の際にコスト削減や業務効率化を目指して、クラウドPBXへの移行を検討する企業が多くなっています。この市場の変化に対応し、当社グループはクラウド化を推進しています。オンプレミスPBXやビジネスホンの顧客基盤を有する企業とのパートナーシップを強化し、OEM/Enabler型のサービスモデルを展開しています。これにより、既存の顧客を支援しながらPBX市場におけるシェアを拡大します。さらに近年では、企業のコンタクトセンターPBX/CTI関連における通信コミュニケーションサービスの手段として、チャットやSMSなどオムニチャネルでのシームレスなコミュニケーションが求められるようになっており、この市場においても、当社の相互接続ソリューションを提供しています。そして2025年のPSTNマイグレーションが完了する最終フェーズに向けて、通信事業者を中心とした既設システムの更改や、機能強化の対策として、ソフトウェアSBC「NX-B5000」の提供も継続します。
コミュニケーションDXは、ボイスコミュニケーションが創業時からのノウハウを生かしてあらゆる市場領域に広げていくのに対して、音声認識/AIやCPaaSといった技術を活用した、特定の業種や用途に特化したDXソリューション・サービスを提供する新規分野となります。金融コンプライアンスへのAI活用、建設や工事現場における危険予知、コンタクトセンターのオペレーション支援、CSM(Customer Service Management)のDX化として使えるクラウドIVRやFAXなど、具体的なビジネス事例が増えています。オペレーションコストの最適化が課題となっている通信事業者に対しては、業務支援システムのクラウド化や、サービス運用支援なども計画しています。5Gおよび次世代通信技術の展開、サイバーセキュリティの強化、クラウドサービスの提供、人工知能(AI)やビッグデータの活用などが通信事業者の中長期的な課題となっており、これらの課題解決には時間と技術革新が必要となります。長く通信事業者に対するソリューションを提供してきた当社も、これらの課題解決に向けて、研究開発活動を進めていきます。
これらの事業分野において、さらなる成長と市場シェアの拡大を目指しています。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの中長期的な見通しにつきましては、経営環境の変化に柔軟に対応し、より現実的な数値目標を設定すべく、毎年、直前事業年度の業績等を踏まえて次年度以降3ヵ年の中期経営計画の見直しを行っております。
依然として事業の成長を持続することが重要であるとの経営判断に基づき、CAGR(年間平均成長率)を重要な指標と位置づけており、今後3年間の中期経営計画についてはCAGR7.6%を見込んでおります。その結果として2026年3月期(通期)の連結業績として、売上高3,800,000千円、営業利益140,000千円、経常利益130,000千円、親会社株主に帰属する当期純利益100,000千円を計画しております。
(4)経営環境
当社グループの主要事業である通信サービス分野においては、大手通信事業者、各種サービス事業者による価格競争や商品及びサービスの差別化、新たな事業者の参入による市場競争は激しさを増しており、各社の製品開発や技術革新に向けた取り組みは、一層加速しています。こうした中、当社グループが創業以来培ってきたボイスコミュニケーションの市場は電話でのコミュニケーションに限定しない、各種サービスと音声の連携の動きがますます広がっており、メタバースのような仮想空間でのコミュニケーション技術や大規模・低遅延・高速通信が可能な5Gや通信事業者の装置インタフェースのオープン化、さらには6Gの通信インフラの技術革新も進み、当社グループの事業機会は拡大していくものと認識しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
株式会社東京証券取引所の新市場区分の見直しに伴い、2023年3月31日時点において当社が選択したグロース市場の上場維持基準の時価総額について基準を充たしておりません。当社グループが今後優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。
① 収益力の向上
当社グループの事業における売上規模の拡大と利益率の向上は、今後の業績拡大のための重要な課題であると認識しております。受注拡大に向け、国内外の販売パートナーとの連携により効率的な販路拡大を目指してまいります。
利益率向上に対しては、自社開発ソフトウェアを活用したソリューションの提供により利益率の高いビジネスを進めるとともに、クラウドサービスの販売拡大においては運用効率の最適化を図り、経営管理体制の強化に努め、継続的なコストの見直しと組織体制や事業活動の効率化を推し進めてまいります。
② 新製品の企画開発
通信網のIP化、クラウド化といった技術の進化による市場環境の変化に対応した新しいサービスや新製品の提供を推し進めていくことが重要な課題であります。
当社グループは自社開発ソフトウェアと、国内外のベンダーが既に所有している高い技術・製品及び産学連携による研究開発の成果を組み合わせることにより、変化する顧客のニーズに合致した製品の提供、次世代ネットワーク関連や音声認識といった成長事業分野に対応した新しいサービスや新製品の提供が可能になります。
また、広報活動を通じて当社グループの提供するソリューション・サービスをわかりやすくステークホルダーの方々へ伝えていくことが重要であると考えております。
③ 品質向上に向けた活動
当社グループの創業以来培ってきた通信事業者向けソフトウェア開発においては、通信事業者の厳しいサービス運用基準への適合が要求されます。また、これらのソフトウェアをクラウド上で提供するクラウドサービスにおいても、品質の確保は必須であり、事業を継続していく上で当社グループの重要課題であると認識しております。より高いレベルでの品質確保のため独立かつ客観的な立場で判断ができる品質管理担当を設け、全ての開発プロジェクトに品質プロセスを適用し品質の担保に努めております。
④ 働き方改革への対応
当社グループの属する情報通信分野においては、高度化する技術への対応、高度な専門知識を持った技術者の不足等の難題を抱えていることから、人材採用・育成、働き方改革は重要な経営課題であります。
当社グループではかねてから柔軟な働き方に対応した制度の導入や生産性を向上させるための自社ソリューションの活用を実践しておりますが、育児・介護・自己実現を希望する社員の多様な働き方ができるよう、テレワークの徹底をはじめとした働き方改革を進めております。
当社グループは、ワークスタイル変革・制度改革を推進することで、優秀な人材の採用・育成を進めてまいります。
当社グループは「時空を超えてヒトやモノをつなぎ、豊かな社会を創造する」という企業理念の下、社会の発展に貢献できるビジネス展開や、自社の制度改革などを実践してまいりました。
環境・社会・ガバナンスの3つの観点から成る以下の取り組みを、今後も社員一人ひとりが意識し継続していくことで「SDGs」の達成に貢献できると考えています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、環境・社会・ガバナンスの3つの観点から重要性の高い課題について方針を定め、管理・報告する組織を決定し、リスクに対しては適切な回避策を策定する一方、マーケットの変化に対応していく等、新たな成長機会の獲得を目指すための取り組みをしています。活動内容については、当社の課題管理担当組織より定期的に経営会議に報告し、さらに執行役員から取締役会に報告することで、取締役会の監督が適切に図られるよう体制をとっています。
(2)戦略
<環境>
① 環境対策推進のためのパートナーシップのプログラムへの参加
② グリーン調達を意識した取引
③ リモートワーク対応可能なサービスの提供
④ 契約締結やFAX受信のオンライン化によるペーパーレスの推進
<社会>
① コミュニケーション基盤となる共通プラットフォームの提供
② 字幕電話サービスの提供
③ リモートワーク推進
<ガバナンス>
① 商用システムにおける製品バグを起因とする運用停止時間の低減
② クラウドサービスにおける高稼働率の実現
③ 社内勉強会開催
④ 社内DXの推進
(3)リスク管理
<環境>
① 気候変動に影響する炭素排出量への取り組み
環境負荷軽減が配慮されたサーバーやネットワーク機器を利用するなどの購買管理を実施する。
② 自然災害の発生による事業の中断を回避するための取り組み
働く場所を限定しないリモートワークを取り入れ、災害の被害を逃れた社員で事業継続をするためのリソースを確保できる体制を整備している。サービス提供については、基本はクラウド上でデータを管理しており、ロケーションの拠点冗長については今後のサービスビジネスの伸びを考慮して検討を進める。
<社会>
① 労働管理への取り組み
問題を放置することによる人材流出や採用活動の停滞が発生しないような取り組みを実施する。
② 多様性な人材の確保
少子高齢化の進行による人材不足が懸念される中、多様な(シニア、国籍、性別、生活環境などを問わず)人材が働きやすい職場環境をつくる。
③ 人的資本の開発
採用方針の策定や社員育成プランの企画を行い人的資本の開発を行う。
④ 製品の安全性と品質管理への取り組み
製品・サービスの品質低下を防止するため、管理体制を徹底した取り組みを実施する。
⑤ プライバシーとデータセキュリティに関する取り組み
クラウドサービスの提供に伴うプライバシー情報や秘密情報の漏洩を防止するための対策を検討し実施する。
⑥ 責任ある投資判断
ソフトウェア開発や、事業買収の検討をする際には、十分な検討を行い、短期、中期、長期における影響について議論した上で責任ある投資判断を決定する。
<ガバナンス>
① 企業行動
コンプライアンスを意識した企業の社会的信頼への取り組みを実施する。
製品・サービスの品質や維持のために必要な従業員のスキルアップへの取り組みを実施する。
(4)指標及び目標
<環境>
① 取引先と環境負荷軽減の取り組み連携



<社会>
① ボイスコミュニケーション技術を活かしたサービス提供
② 働き方改革の推進






<ガバナンス>
① 従業員が倫理観をもって働ける環境作り
② 製品・サービスの品質維持、向上




(5)人的資本・多様性についての取り組み
<基本指針>
人的資本の活用にあたって、当社グループでは、社員との良好な信頼関係の構築が重要であると考えており、組織全体の成長を実現するため、従業員が高いパフォーマンスを発揮できる環境整備と社員教育の充実を図るとともに適材適所への配置と有機的な組織づくりを進めております。
<多様な働き方の推進・環境整備>
当社グループではリモートワークの推進、コアタイムの無いフレックス制度の導入、養育する子が中学校就学の始期に達するまで取得可能な短時間勤務制度、定年制度の廃止等により、個人の要望に沿った柔軟な勤務を支援しております。また女性活躍推進法に基づく取り組みを進めており、キャリアアップ支援やワークライフバランスの改善など、様々な取り組みを通じ、女性の活躍を促進しています。これは、企業としての社会的責任を果たすと同時に、多様な人材の確保という観点からも重要な取り組みであると考えています。
<社員教育の充実>
社員が自律的に、かつ能力が最大限に発揮されるために、個別の能力や志向に応じたスキルアップ支援を積極的に行っています。業務に関連するテーマについて各社員が主体となり講師を担う、社内勉強会「ビジネスビレッジ」を随時開催しております。また、社員の意見やフィードバックを取り入れることで、組織全体の成果を向上させることを目指しています。
(参考)女性活躍推進に関する取り組み
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指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度末) |
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年間の正社員女性採用比率 |
2028年度までに20%以上 |
17.6% |
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当社グループの正規雇用者に占める 女性の割合 |
2028年度までに24%以上 |
18.0% |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの事業展開上、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしも事業上のリスクに該当しない事項であっても、投資判断上あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、すべてのリスク予測及びそれらに対する回避を保証するものではありません。また以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。
(1)市場環境の変化について
当社グループの主要事業である通信サービス分野においては、大手通信事業者、各種サービス事業者による価格競争や商品及びサービスの差別化、新たな事業者の参入による市場競争は激しさを増しており、各社の製品開発や技術革新に向けた取り組みは、一層加速しています。こうした中、当社グループが創業以来培ってきたボイスコミュニケーションの市場は電話でのコミュニケーションに限定しない、各種サービスと音声の連携の動きがますます広がっており、当社グループの事業機会は拡大しているものと認識しております。しかしながら、環境変化に当社グループが追随することができなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)新規事業について
当社グループは、将来的な事業拡大に向け、当社グループの技術や製品を活用した新規事業及び新サービスの開発に積極的に取り組んでおります。新規事業等の展開にあたっては、人材の採用、研究開発費や設備費への先行投資や、広告宣伝費等に追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また事業方針の変更や事業の見直し、事業からの撤退等何らかの問題が発生する可能性も想定されます。
新規事業の拡大・成長が当初の予測どおりに進まない場合、それまでの投資負担等により当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
そして、これらの新規事業には不確定要因が多く、事業推進の過程において急激な市場・技術動向の変化、当社グループの経営方針や取引先企業との関係の転換等により、事業計画の変更を余儀なくされる可能性があります。
また、新規事業及び新サービスの展開に先立ち、製品開発やシステム構築を行う必要がありますが、これらの対応が人員不足等の原因により計画どおりに進捗せず、収益化が遅れる可能性があります。これらの場合は、それまでの投資負担等により当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)投資活動について
当社グループは将来に向けて社会と技術の変化に対応すべく、「新しいICTとAIのソリューション・サービスを提供する企業として、通信事業者及び多様な企業顧客の活動を支え、『音声』に強みをもつリーディングカンパニーとなって成長する」という全体戦略を掲げておりますが、これを実現するために、M&A等(買収、合併、事業の譲渡・譲受、事業投資)の投資活動は効果的な手段の一つと考えております。
これら投資活動の実施に当たっては十分に検討を行いますが、その想定したとおりに事業を展開できない場合、投資を十分に回収できないリスクや投資活動に伴い発生したのれん等の減損損失が発生するなどのリスク等が存在しており、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)知的財産権について
当社グループにとって知的財産権の保護は重要な課題であるとの認識に基づき、特許等知的財産権の出願・登録を積極的に行っております。なお、当連結会計年度末における当社グループが保有する特許は10件、出願中の特許は3件となっております。
第三者の知的財産権を侵害するリスクを最小限にするため、当社グループにおける知的財産分野の体制及び人員の強化を図り、最善の努力を行っております。しかしながら、当社グループの技術は広範囲に及ぶ一方、情報通信産業における知的所有権の調査・確認作業は繁雑であり、かつ今後に向けてどのような知的財産権が成立するかを把握することはきわめて困難であるため、現在、または将来に向けて当社グループが利用または提供する技術が、第三者の知的財産権を侵害しているという主張が当社グループに対してなされる可能性があります。そのような事態が発生した場合は、訴訟費用や損害賠償金の支払い等の発生により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)ソフトウェア資産の減損損失の可能性について
当社グループは通信システムに関わるソフトウェアを開発しており、現時点で適正と考えられるソフトウェア資産を計上しております。しかしながら今後、事業環境の変化により保有するソフトウェアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)プロジェクトの納期変動リスクについて
当社グループでは、プロジェクトごとに売上規模や利益率が異なり、その売上計上時期によって業績が大きく変動します。想定外の仕様の変更など顧客側の都合等により契約上、当初予定されていた期間内に、顧客による検収を受けることができない場合、またシステムの不具合等の要因によりサービスの納品時期がずれ込んだ場合、当社グループの四半期ごとの業績が大きく変動する可能性があります。
(7)人材の確保について
当社グループの事業領域は情報通信分野における先端技術を必要とすることから、高度な専門知識と経験を有する人材の確保が経営上の重視すべき事項となっております。また、当社グループの人員は現段階では事業規模に対して適正と考えておりますが、効率性重視の観点から各組織に配置されている従業員数は最小単位となっており、業務によっては特定個人の属人性に依存している部分もあります。人材の確保や社内の情報・ノウハウ共有には十分な措置を講じておりますが、必要な人材を必要な時期に常に確保・維持できる保証はなく、人材に急な欠員が生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)資金調達について
当社グループの中長期的な継続成長のために必要な重点事業分野については、新製品のための研究開発投資やM&A等による事業拡大のための投資活動、ソフトウェア及びハードウェア等のシステム投資等を継続する予定であり、そのための資金需要に対応していく必要があります。これらの資金需要に対し、環境変化によって十分な資金調達を行えない場合には事業機会を逸し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)大規模自然災害・感染症拡大等について
当社グループは大規模な自然災害や感染症が拡大した場合においても、平常時よりテレワークを推進することで事業継続が可能な体制整備を進めておりますが、当社グループや取引先の事業活動の停滞や、社会的な生産・物流の停滞に伴う調達への支障が生じるおそれがあり、これらが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは、「第1 企業の概況 2事業の内容」に記載のとおり、事業分野を変更しております。 以下の前連結会計年度との比較は、変更後の区分に基づいております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループをとりまく情報通信分野は、業界再編計画、通信の大容量化と通信サービス提供価格の変化、クラウドサービスの拡大、第5世代移動通信システム(5G)/IoTソリューションの開発・利用環境の整備、AI技術を活用したサービス提供など、引き続き構造変化が進行しています。
情報通信技術を利用することで作り出されるデータを分析・活用することで、人々の生活をより便利にし、ビジネスモデルの変革をすることで、世の中をより良い方向へ進めるDX(デジタル・トランスフォーメーション)関連の需要も増加しています。
テレワーク推進による業務システムの見直しや企業内に設置されているPBXの老朽化に伴いクラウドPBXを利用する企業が増えるといった変化も起きており、働く時間・場所の制約を超えた働き方を可能とするために新たなICTソリューションの導入が活性化しています。
こうした状況の下、当社グループ活躍の場はさらに広がるものと期待して、以下のとおり事業を展開してまいりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、3,004,088千円となり、前連結会計年度と比べ441,272千円の減少となりました。増加の主な要因は、流動資産「その他」に含まれる前払費用が8,561千円増加したことによるものであります。減少の主な要因は、現金及び預金が38,721千円、売掛金が142,562千円、原材料及び貯蔵品が33,804千円、仕掛品が77,138千円、のれんが10,916千円、ソフトウェア資産が119,860千円(新規開発及び取得等により595,419千円増加、減価償却により254,437千円、減損損失により460,842千円減少)、繰延税金資産が11,099千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の総額は、1,207,916千円となり、前連結会計年度と比べ227,255千円の減少となりました。増加の主な要因は、買掛金が17,695千円増加したことによるものであります。減少の主な要因は、長期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が82,939千円、前受金が29,544千円、賞与引当金が29,997千円、未払法人税等が50,198千円、流動負債「その他」に含まれる未払消費税等が41,618千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、1,796,172千円となり、前連結会計年度と比べ214,016千円の減少となりました。増加の要因は、第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ125,510千円増加したことによるものであります。減少の要因は、子会社株式の追加取得により資本剰余金が2,000千円、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により利益剰余金が462,381千円減少したことによるものであります。
b.経営成績
当社グループの経営成績については、モバイル通信ソリューション事業において、大型案件であるMVNO事業者向けの運用・課金制御システム導入の大幅な遅れに稼働を費やし、今期の新規案件の獲得に向けた営業活動が停滞しました。また、ボイスコミュニケーション事業においては、DX関連で通信事業者向け案件の期ズレやパートナーシップによるクラウドサービスの提案が今期受注に至らなかった事、PSTNマイグレーション関連では一部のパートナーの経営悪化による計画の見直しなどがありました。移行完了に向かっているPSTNマイグレーションに代わり、PBXやビジネスフォンのIP化やクラウドサービス化への需要の増加に伴い、サブスクリプション型のビジネスモデルへ変化していることもあり、期間売上が減少しました。以上により売上高は、3,053,432千円(前連結会計年度比18.6%の減少)となりました。
損益面につきましては、MVNO事業者向けの新規導入プロジェクトの開発遅延によるソフトウェア償却費の減少や人員減による人件費の減少、売上計画未達に伴い固定費の圧縮等を実施しましたが、減収の影響が大きく売上総利益は1,148,046千円(前連結会計年度比15.9%の減少)、営業利益は、31,298千円(前連結会計年度比83.4%の減少)、経常利益は、23,813千円(前連結会計年度比86.8%の減少)となりました。また、MVNO事業者向けの運用・課金系制御システムのソフトウェアについて減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は、454,411千円(前連結会計年度は164,657千円の親会社株主に帰属する当期純利益)、となりました。
受注残高については、ボイスコミュニケーション事業のDX関連において、納期ずれ込みによる増加があったことに加え、新規のサブスクリプション型サービスの獲得や保守サポート・サービスにおいて、保守案件が積みあがったことにより受注残高は1,952,616千円(前連結会計年度比41.6%の増加)となりました。
|
区分 |
第 21 期 (2022年3月期) |
第 22 期 (当連結会計年度) (2023年3月期) |
増減 |
増減率(%) |
|
|
売上高 |
(千円) |
3,750,288 |
3,053,432 |
△696,855 |
△18.6 |
|
売上総利益 |
(千円) |
1,364,998 |
1,148,046 |
△216,951 |
△15.9 |
|
営業利益 |
(千円) |
188,605 |
31,298 |
△157,306 |
△83.4 |
|
経常利益 |
(千円) |
181,071 |
23,813 |
△157,257 |
△86.8 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
(千円) |
164,657 |
△454,411 |
△619,069 |
- |
|
受注残高 |
(千円) |
1,378,664 |
1,952,616 |
573,952 |
41.6 |
当連結会計年度における事業区分別の概況は、以下のとおりです。
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事業区分の名称 |
第21期 (2022年3月期) |
第22期 (当連結会計年度) (2023年3月期) |
増 減 |
増減率(%) |
|
ボイスコミュニケーション事業(千円) |
3,136,705 |
2,631,117 |
△505,588 |
△16.1 |
|
モバイル通信ソリューション事業(千円) |
613,582 |
422,315 |
△191,267 |
△31.2 |
〔ボイスコミュニケーション事業〕
当連結会計年度では、DX関連においては、テレワークの推進やフリーアドレス化を目的とした法人電話のスマートフォン需要が前期から引き続き高い傾向にあります。働く場所の多様化に伴い、固定電話と同様の機能をスマートフォンで代用可能としたスマートフォン内線ソリューションと、それに伴うソフトウェアIP-PBX「NX-C1000 for Enterprise」の販売が好調でした。企業の電話に必要な既存の電話システムやスマートフォン、各種コミュニケーションサービスと連携したデバイスフリーでの内線化が実現可能となります。また、「スマートフォン認証システム」の実証実験システムの構築も実施しました。顔写真の不備やなりすまし等の確認作業を本スマートフォン認証システムによる自動化で削減が出来、業務効率化を実現しています。さらに、自治体における災害時の情報伝達や、平常時のお知らせなどに利用するIP告知システムで、当社のSIP相互接続サービスの構築及びソフトウェアSBC「NX-B5000 for Enterprise」と「NX-C1000 for Enterprise」ライセンスを販売しました。昨今DX推進やスマートフォンの普及に伴い、PBXクラウド化の需要が高まる中、当社のクラウドPBXを継続してご利用いただいており、増設によるライセンスの追加納品やシステム構築も実施しています。
PSTNマイグレーション関連においては、移行完了に向けて機能追加案件の減少はみられるものの、リモートワークの推進に伴い、法人向けIP電話サービスのトラフィック対策や、その運用のための機器の増設対応など、引き続きソフトウェアSBC「NX-B5000」を販売しています。
音声認識&AIサービス関連においては、事業者のコンプライアンス強化に向けて有効な、音声認識BPOサービス「U-cube cogni」が継続して利用されています。そして新たに、当社の製品が基盤となり、通信事業者によるクラウドサービスの提供が始まりました。これにより継続利用による収益が見込まれます。また、当社のパートナーであるNuance Communications, Inc.のNuance Transcription Engineライセンスを搭載した音声認識装置を官公庁に提供しました。多言語の音声認識に対応しており、音声管理装置と連携することによって、テキストの自動化を実現したシステム構築が可能です。さらに通信事業者のコールセンターシステムの拡張に伴い、当社のソフトウェア「LA-6000」を提供しました。通話の録音から録音データの収集・蓄積・管理までを行い、業務効率化を実現しています。コールセンターのテレワークを推奨するために、録音データの管理と音声認識連携機能を兼ね備えたコールセンターシステムも提供しています。録音データをリアルタイムで音声認識AIサービスへ送信することにより、コールセンターのオペレーターがタイムリーに受電情報を確認できるようになります。そのほかに、株式会社アイセック・ジャパンが聞こえに不自由を感じている方向けに提供する「字幕電話サービス」において、当社の音声認識AIと電話機能がシステム基盤として採用され、一般利用者向けの提供を開始しました。
保守サポート・サービスにおいては、堅調に推移しています。
当連結会計年度の売上高は、2,631,117千円(前連結会計年度比16.1%の減少)となりました。DX関連で通信事業者向け案件の期ずれやパートナーシップによるクラウドサービスの提案が今期の受注に至らなかった事、移行完了に向かう通信事業者向けのPSTNマイグレーションに代わり、PBXやビジネスフォンのIP化やクラウドサービス化への需要が高まっており、案件数としては拡大傾向にありますが、サブスクリプション型のビジネスモデルへ変化していることもあり、期間売上としては減少しています。
〔モバイル通信ソリューション事業〕
当連結会計年度では、前期に引き続き、モバイル事業者のユーザー制御、サービス制御、接続先毎の通信速度を制御するシステムの運用支援及びライセンスの販売がありました。通信事業者がモバイルインターネット接続を実現するために必要な接続装置や、加入者の課金・通信量などを管理するシステムを提供しています。これに伴い、今後の運用・保守についても受注しています。また、Red Hat社が提供する企業向けコンテナソリューションOpenShiftを導入するシステム更改を行いました。さらに、新たなサービス展開を視野にいれ、モバイルデータ通信向け課金処理システムの実証実験を受注しています。ユーザーの保有する様々な情報を収集・分析し、それらデータを紐づけて運用する課金システムの実証実験となります。そのほかに、メタバースの相互運用性標準の開発を促進する団体「The Metaverse Standards Forum(メタバース・スタンダード・ フォーラム)」に加盟しました。当社の事業は「音声」領域に強みをもっていますが、音声領域のみならず幅広い通信コミュニケーション分野での事業拡大を目的としています。そのため従来リーチしていない事業領域に対して当社のボイスコミュニケーションの技術を融合させていく取り組みを進めようとしています。
保守サポート・サービスにおいては、堅調に推移しています。
当連結会計年度の売上高は、422,315千円(前連結会計年度比31.2%の減少)となりました。なお、前連結会計年度には、大型仕掛案件の納品があり売上高に大きく影響しましたが、当連結会計年度では、新領域として取り組んでいたMVNO事業者向け運用・課金系制御システムの新規導入プロジェクトに、大幅な稼働と期間を費やしたこと、またそれにより新規案件の獲得が困難であったことが主な減少の要因となります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して38,721千円減少し1,207,699千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により獲得した資金は414,482千円(前連結会計年度は、488,423千円の獲得)となりました。主な増加要因は減価償却費265,490千円、のれん償却額10,916千円、減損損失460,842千円、売上債権の減少142,562千円、棚卸資産の減少105,987千円、仕入債務の増加17,695千円等によるものであります。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失437,028千円、賞与引当金の減少29,997千円、前受金の減少29,544千円、未払又は未収消費税等の増減額40,897千円、法人税等の支払額53,155千円等によるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は608,905千円(前連結会計年度は、392,297千円の使用)となりました。減少要因は、有形固定資産の取得による支出5,098千円、無形固定資産の取得による支出603,806千円によるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により獲得した資金は155,702千円(前連結会計年度は、26,953千円の使用)となりました。増加要因は、長期借入れによる収入200,000千円、株式の発行による収入249,238千円によるものであります。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出282,939千円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出2,000千円、配当金の支払額7,879千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、通信技術に関するソリューション・サービスの提供を事業とする単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
a.生産実績
当社グループは、ソフトウェアの開発・販売を主たる事業としており、生産という概念は薄く、かつ受注形態が多岐にわたり生産実績の把握が困難であるため、生産実績の記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。
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事業区分の名称 |
受注高 |
前年同期比(%) |
受注残高 |
前年同期比(%) |
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ボイスコミュニケーション事業(千円) |
3,259,862 |
- |
1,549,466 |
168.3 |
|
モバイル通信ソリューション事業(千円) |
367,522 |
- |
403,150 |
88.0 |
|
合計(千円) |
3,627,384 |
95.7 |
1,952,616 |
141.6 |
(注)当連結会計年度より事業区分を再編したことにより、受注高の前年同期との比較分析は行っておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。
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事業区分の名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
ボイスコミュニケーション事業(千円) |
2,631,117 |
83.9 |
|
モバイル通信ソリューション事業(千円) |
422,315 |
68.8 |
|
合計(千円) |
3,053,432 |
81.4 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
サクサ株式会社 |
369,233 |
9.8 |
224,984 |
7.4 |
|
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 |
303,272 |
8.1 |
402,638 |
13.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、3,004,088千円となりました。流動資産は2,256,264千円となり、主な内訳は、現金及び預金が1,207,699千円、売掛金が892,097千円、製品が11,051千円、仕掛品が15,486千円、原材料及び貯蔵品が58,591千円であります。
固定資産は、747,824千円となり、主な内訳は、有形固定資産が37,224千円、のれんが20,012千円、ソフトウェア資産が581,857千円、差入保証金が59,731千円、繰延税金資産が35,154千円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の総額は、1,207,916千円となりました。流動負債は、898,886千円となり、主な内訳は、買掛金が270,966千円、1年内返済予定の長期借入金が231,822千円、前受金が229,575千円であります。
固定負債は、309,030千円となり、主な内訳は、長期借入金が285,771千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、1,796,172千円となりました。主な内訳は、資本金が1,127,092千円、資本剰余金が1,079,223千円、利益剰余金が△409,199千円であります。
b.経営成績
経営成績の状況に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
Ⅰ ソフトウェア資産の減損損失の可能性について
当社グループは通信システムに関わるソフトウェアを開発しており、現時点で適正と考えられるソフトウェア資産を計上しております。しかしながら今後、事業環境の変化により保有するソフトウェアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
Ⅱ プロジェクトの納期変動リスクについて
当社グループでは、プロジェクトごとに売上規模や利益率が異なり、その売上計上時期によって業績が大きく変動します。想定外の仕様の変更など顧客側の都合等により契約上、当初予定されていた期間内に、顧客による検収を受けることができない場合、またシステムの不具合等の要因によりサービスの納品時期がずれ込んだ場合、当社グループの四半期ごとの業績が大きく変動する可能性があります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
Ⅰ 資金需要
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。
運転資金需要のうち主なものは営業活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に通信システムに関わるソフトウェアの開発費(外注費及び人件費等)によるものであります。
Ⅱ 財務政策
当社グループの財務政策は、資産構成や投資内容に最適な資金調達を行うことを基本方針としており、その運転資金及び設備資金について現状では自己資金又は長期を中心とする金融機関からの借入によって対応しております。今後も、調達手段の選択においては、資本コスト、資金調達環境及び条件、自己資本比率、手許流動性の水準などを総合的に勘案し、長期的な企業価値向上に最も資すると考える方法により対応してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における財政状態及び報告期間における経営成績に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しておりますが、不確実性が伴うため、当初の見積り・予測数値と実際の数値に乖離が生じる可能性があります。
当社グループでは特に以下の会計方針を重要と認識しており、連結財務諸表作成において必要となる見積り・予測に影響を与える可能性があると考えております。
a.市場販売目的ソフトウェアの減価償却方法
市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売収益に基づく償却額と残存見込販売有効期間(3年)に基づく均等償却額とのいずれか大きい金額を計上する方法により減価償却金額を算出しております。
この見込販売収益は、各ソフトウェアの製品カテゴリー別に、顧客単位で積み上げられた販売計画を基礎としております。
なお、販売実績収益又は将来の販売見込収益が当初見込と比べて大きく乖離した場合、追加の費用計上が必要となる場合があります。
また、今後、事業環境の変化により保有する市場販売目的ソフトウェアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、一時費用が発生し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。
c.のれんの減損
のれんの償却方法については、投資効果の及ぶ期間にわたり、定額法により償却しております。なお、のれんの減損の兆候を識別した場合には、のれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見積りを毎期末実施しております。その結果、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損処理を行う可能性があります。
d.自社利用のソフトウェア及びソフトウェア仮勘定の減損
自社利用のソフトウェア及びソフトウェア仮勘定については、将来の収益獲得又は費用削減が確実と認められる場合は無形固定資産に計上しております。なお、減損の兆候が識別され、将来の収益獲得見込額に基づき算定された割引前将来キャッシュ・フローと帳簿価額を比較し、減損損失を認識すべきであると判定された自社利用のソフトウェア及びソフトウェア仮勘定については、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
④ 経営上の目標の達成状況について
当連結会計年度の業績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」で述べたとおりとなりました。
また、現ステージにおいては事業の成長を持続することが重要であるとの経営判断に基づき、CAGR(年平均成長率)を重要な指標と位置付けておりますが、当連結会計年度においては18.6ポイント下落いたしました。引き続き、目標とする経営指標を達成できるよう改善に取り組んでまいります。
(1)資本・業務提携契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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株式会社ネクストジェン |
株式会社協和エクシオ (現エクシオグループ株式会社) |
資本・業務提携契約 |
2017年2月に締結した資本業務提携関係を強化・拡充し、今後さらに両社の協業体制を向上させることを目的とした資本業務提携 |
2019年12月20日から 2022年12月19日まで (以後1年ごとの自動更新) |
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株式会社ネクストジェン |
株式会社タカコム |
資本・業務提携契約 |
多様なサービスの提供、広範な顧客層の開拓による営業基盤の強化、新技術の開発による競争力の向上を目的とした資本業務提携 |
2019年12月20日から 2022年12月19日まで (以後1年ごとの自動更新) |
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株式会社LignApps (連結子会社) |
NECネッツエスアイ株式会社 |
業務提携契約 |
DX実現のためのCPaaS事業における両社の協業による付加価値の高いサービス、アプリケーションの共同開発や相互流通による拡販が進み、新規顧客や新たなマーケットの開拓を目的とした資本業務提携 |
2019年3月25日から 2024年3月24日まで (以後1年ごとの自動更新) |
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株式会社ネクストジェン |
都築電気株式会社 |
資本・業務提携契約 |
クラウドサービスの関連分野において、事業の加速・推進のための投資を実行し、事業基盤強化及び事業の拡大・成長に役立てることを目的とした資本業務提携 |
2021年12月24日から 2024年12月23日まで (以後1年ごとの自動更新) |
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株式会社ネクストジェン |
NECネッツエスアイ株式会社 |
資本・業務提携契約 |
開発したアプリケーションをパートナー会社間で相互利用・販売できるマーケットプレイスの仕組みを構築することを目的とした資本業務提携 |
2022年12月23日から いずれかの当事者が契約を解除するまで |
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株式会社ネクストジェン |
岩崎通信機株式会社 |
資本・業務提携契約 |
オンプレミス型製品に加えてCPaaSを使用したクラウドサービスの展開を行うにあたり、スピードアップを図ることを目的とした資本業務提携 |
2022年12月23日から 2025年12月22日まで (以後1年ごとの自動更新) |
(2)連結子会社の吸収合併
2022年2月4日開催の取締役会において、連結子会社である株式会社NextGenビジネスソリューションズを吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。この契約に基づき、当社は2022年4月1日付で株式会社NextGenビジネスソリューションズを吸収合併いたしました。
2022年9月16日開催の取締役会において、連結子会社であるアクロスウェイ株式会社を吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。この契約に基づき、当社は2022年11月1日付でアクロスウェイ株式会社を吸収合併いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
当社グループの研究開発活動は、進化の早い通信ネットワークのインフラを中心に、通信システム・サービスに利用可能性のある最新技術の調査・研究、新製品の開発、既存製品の改良を行っております。
当連結会計年度における研究開発費は
(1)クラウド環境でのサービス運用につなげる研究開発
・U-cubeクラウドサービスの拡大を図るため、自社製品のクラウド運用監視機能を拡張し、高度化するための研究開発
(2)ソリューション連携のための実現方式の研究開発
・多様なコミュニケーションクラウドサービスと連携し、通話録音および音声AI製品の商品展開を広げるため、API機能を提供するための研究開発
(3)音声認識AIを活用した新サービスに向けた研究開発
・聞こえに不自由を感じているが発話が可能な人と、発話も困難である人との間で、音声認識による字幕を使った双方向コミュニケーションを、従来の電話によって実現させるための研究開発
・音声認識とテキストAIを連携させることにより、コンタクトセンターにかかる通話を任意のカテゴリに分類させ定量分析し、業務改善に活用するための研究開発