第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

(1)NTTグループ中期経営戦略に基づく事業展開

NTTグループは2023年5月に新中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」を発表しました。お客さまと社会のために新たな価値を提供し、事業そのものをサステナブルな社会の実現へとシフトすることで、地球のサステナビリティを支える存在になっていきたいと考えています。そのために、成長分野への投資を拡大し、5年間で成長分野に約8兆円の投資を行うほか、さらに未来のためにキャッシュ創出力を拡大し、2027年度に向けて成長のためのキャッシュを増大することで、EBITDA約4兆円をめざしていきます。

具体的な取組みの柱として、新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ、お客さま体験(CX)の高度化、従業員体験(EX)の高度化、の3つを掲げて取り組みます。

 

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(2)中期財務目標

新中期経営戦略の発表にあわせ、新たに財務目標を設定しました。

持続的なさらなる成長に向けて、キャッシュ創出力を軸とした取組みを強化することとし、主要指標としてEBITDAを設定のうえ、2027年度に向けて20%増加となる4兆円をめざします。

ドライバーとなる成長分野ではEBITDAは40%増加を目標とし、海外営業利益率も2025年度で10%をめざします。既存分野ではEBITDA10%増加に加え、ROIC(投下資本利益率)9%の目標を掲げて取り組んでいきます。

また、サステナビリティ関連指標としては女性の新任管理者登用率、温室効果ガス排出量、従業員エンゲージメント率を設定し、目標の達成をめざし様々な取組みを進めていきます。

2023年度は、2018年11月に公表(2021年10月に改訂)した中期経営戦略「Your Value Partner 2025」におけるメインの財務指標であるEPS(1株当たり当期利益)について、370円の達成をめざし取組みを進めます。

 

 

中期財務目標

目標指標

目標水準(2027年度)

全社目標

EBITDA

+20%

増加(対2022年度)

 

 

 

 

 

 

成長分野

EBITDA

+40%

増加(対2022年度)

海外営業利益率

10%

(2025年度)

既存分野

EBITDA

+10%

増加(対2022年度)

ROIC(投下資本利益率)

9%

(2022年度実績:8.2%)

 

上記に加え、サステナビリティ関連指標を設定

 ・女性の新任管理者登用率  : 毎年30%以上

 ・温室効果ガス排出量    : 2040年度カーボンニュートラル、ネットゼロをめざす

 ・従業員エンゲージメント率 : 改善

 

(注)1. 海外営業利益率の集計範囲は、NTTデータ連結です。また、買収に伴う無形資産の償却費等、一時的なコストを除いて算定します。

2. 成長分野は、IOWN、デジタル・データセンター、電力・エネルギー、スマートライフ、不動産、AI・ロボット等です。

3. 既存分野は、NTTドコモのコンシューマ通信事業、NTT東日本、NTT西日本です。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

〇 NTTグループサステナビリティ憲章

NTTグループは、サステナビリティ憲章を制定しています。高い倫理観と最先端の技術・イノベーションに基づくIOWN構想の推進により、①「自然(地球)」との共生(環境問題への対応)、②「文化(集団・社会~国)」の共栄(社会課題への対応)、③「Well-being(幸せ)」の最大化(人権・ダイバーシティ&インクルージョン等への対応)に取り組んでいます。これらの取組みを通じて、企業としての成長と社会課題の解決を同時実現し、持続可能な社会の実現に貢献しています。

 

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また、2023年5月には新中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」を発表しました。新たな価値創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTをめざす等、様々な取組みを進めています。

 

 

 

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(1)サステナビリティに関するガバナンス

NTTグループでは、サステナビリティの推進を重要な経営課題と捉え、特に重要な事項については取締役との議論を踏まえて決定しています。

取締役による監督体制としては、取締役会直下にサステナビリティ委員会(委員長:社長)を設置し、グループ全体の活動方針やその進捗状況を管理しています。サステナビリティに関する方針(憲章及び付随する方針等の制定・改廃、特に重要な指標の決定)は、サステナビリティ委員会を経て取締役会で決定しています。

サステナビリティに関する課題のうち、重要な解決すべき課題・アクティビティとして選定したプロセスについては、2021年度に、第三者機関・ISO26000・GRI Standards等評価機関、SDGs、世界トレンド、社内ワークショップ、他企業のマテリアリティ等を参考に、サステナビリティを取り巻く新たな課題を網羅的に考慮し、NTTグループとして取り組むべき課題をグローバル規模で議論、選択し特定しました。また、取り組むべき優先度については、「企業としての成長」と「社会への課題解決」へのインパクトの両面で評価を行い、社会課題の解決と事業の成長を同時実現するマネジメントをめざし、外部有識者の意見も取り入れ、優先度を評価しました。

上記において特定した課題及びその優先度の設定に関する妥当性は、サステナビリティ委員会で審議した後、取締役会にて定期的(年1回)にレビューし、随時見直しを行うこととしており、2023年4月20日開催の取締役会において、レビューした優先度を踏まえ、①気候変動、②人的資本、③新たな価値創造、④レジリエンスの4項目を2023年度のサステナビリティに関する重要項目として決定しています。

 

 

(2)サステナビリティに関するリスク管理

サステナビリティに関する重要項目のリスクや機会については、サステナビリティ委員会で議論し、取締役会に報告しています。なお、NTTグループのリスク管理プロセスとして、身近に潜在するリスクの発生を予想・予防し、万一リスクが顕在化した場合でも損失を最小限に抑えること等を目的として、リスクマネジメントの基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を制定し、代表取締役副社長が委員長を務めるビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、リスクマネジメントのPDCAサイクルを構築し運用しており、サステナビリティ関連のリスクの識別、評価、管理に関するプロセスはNTTグループの総合的なリスク管理プロセスに統合されています。

 

 

 

(3)戦略、指標及び目標

① 気候変動

〇 気候変動に関する戦略(リスク及び機会に対処するための取組み)

 

気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動や資源循環への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合にはコスト負担が増加する等、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、 NTTグループでは、環境エネルギービジョン NTT Green Innovation toward 2040を策定し、2040年のカーボンニュートラル実現に向けて環境負荷低減の取組みを推進しています。自らのグリーン電力化の推進として再生可能エネルギーの活用を進めるほか、圧倒的な低消費電力をめざしたIOWNの研究開発の推進、インターナルカーボンプライシング制度の導入、グリーンボンドの活用等を進め、環境エネルギーへの取組み及び情報開示の充実を図っています。

機会への対応としては、データセンターにおける再生可能エネルギーメニューの提供拡大や、温室効果ガス排出量可視化プロセスの構築支援、法人や個人のお客様に対するグリーン電力販売の拡大等に取り組んでいます。

 

また、NTTグループは、2023年5月に公表した新中期経営戦略の取組みの一つである循環型社会の実現として、グリーンエネルギー×ICTで実現するグリーンソリューションの推進、再生可能エネルギー発電事業の拡大及び地産地消型の最適化・効率化された電力の安定供給の実現、様々な産業間での資源の循環、地域創生のさらなる加速による、持続可能な社会の実現をめざします。あわせて、ネットゼロに向け、NTT Green Innovation toward 2040のScope3への拡大をめざします。

 

〇 気候変動に関する指標及び目標

 

指標

目標

実績

温室効果ガス排出量

[Scope1,2]

2030年度:80%削減(2013年度比)

2040年度:カーボンニュートラル

[Scope3]

2040年度:ネットゼロ

[Scope1,2]

2022年度(速報値):

246万t、47%削減(2013年度比)

[Scope3]

2022年度(速報値):

2,003万t、15%削減(2018年度比)

(注)1. 温室効果ガス排出量の集計範囲は、当社及び連結子会社です。

2. 温室効果ガス排出量(Scope1,2及び3)の確報値は、2023年10月頃、当社コーポレートサイトに掲載予定です。

 ・NTTグループの環境活動 環境データ 詳細データ集(GHG): https://group.ntt/jp/environment/data/data/ghg.html

3. Scope1,2は、日本政府が掲げる地球温暖化対策計画に合わせ2013年度を基準年に、Scope3は、海外グループ会社を含む現在と同等の集計範囲での算定を開始した2018年度を基準年に設定しています。

 

 

② 人的資本

〇 人的資本に関する戦略(リスク及び機会に対処するための取組み、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)

 

<従業員エンゲージメントの強化>

情報通信市場や情報サービス市場においては、国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスを中心として変化が一層加速していくと見込まれます。このような状況の中で、従業員エンゲージメントの強化は、生産性や創造性の向上、及び優秀な人材のリテンションのために重要です。エンゲージメントの低下は、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、従業員エンゲージメント調査を実施し、把握した課題の改善に向けた取組みを強化しています。2023年4月に導入した専門性を軸とした新たな人事給与制度に基づき、社員一人ひとりが今まで以上に高い専門性とスキルを獲得・発揮できる環境を整備するとともに、公募人事等の拡大により、社員が自らチャレンジし活躍できる機会も拡大します。管理職についてはジョブ型人事制度を導入しており、年次・年齢にかかわらない適所適材配置を実施しています。また、戦略の理解や浸透に向け、経営幹部と社員の双方向のコミュニケーションの場の整備も行います。あわせて、多様な人材が活躍できるための環境整備も、従業員エンゲージメント向上を支える基盤となることから、ワークインライフの実現に向けた取組みを継続します。

機会への対応としては、社員のチャレンジ意欲の向上や専門性の獲得によりキャリア上の目標達成や働きがいが向上し、それにより従業員エンゲージメントが高まることで、NTTグループとしての労働生産性や創造性が向上すると考えています。

 

<人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針>

人材育成については、社員の自律的なキャリア形成による成長支援を強化します。具体的には、グループ共通で定義した18の専門分野の専門性向上のため、社外資格取得支援を含め研修メニューを充実し2023年度は約700講座を準備しています。また、社員が自らキャリアを描く支援をするためのキャリアコンサルティング機能を充実します。さらに、NTTグループのDX推進に向け、高度なデータ活用スキルを有するDX人材の育成に取り組んでおり、2023年3月末には約2,000名となりました。加えて、NTTグループの幹部候補育成を目的としたプログラムである“NTT University”を運営しているほか、グローバルな視点を持つリーダー育成を目的に、国内の管理者の中から毎年40名程度を海外の事業会社へ派遣しています。

多様性の確保については、経営中核人材への継続的な女性の輩出をめざし、“NTT University”において対象者の女性比率を30%以上確保しているほか、女性の新任管理者登用率30%以上を目標に掲げ、各階層の女性社員に対する研修、育児休職復帰者及び上司向けの研修等を実施しています。

社内環境については、ワークインライフの実現に向け、リモートワークを基本とし、コアタイムを設定しないフレックスタイム、分断勤務等を活用した柔軟な働き方ができる環境を整備しています。また、居住地を自由にするリモートスタンダード制度も導入を開始し、単身赴任の解消や転勤に伴う転居を必要としない環境の整備に取り組んでいます。さらには、女性・障がい者・LGBTQ等、属性のマイノリティや子育て・介護等の制約を持つ社員が働きやすい職場環境を構築するため、人的ネットワークの構築や周囲(特に上司)の知識習得・マインド改革・風土醸成のための研修等を実施しているほか、男性の育児参画についても積極的に推進しています。

 

<健康・安全>

社員の健康・安全が十分に確保できない場合、労働生産性の低下等に繋がり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、労働基準法等の関係法令の遵守はもとより、安全管理及び健康管理を目的に安全管理規程、健康管理規程等を定めています。NTTグループの事業を支える電気通信設備工事における事故の防止や安全な作業環境の整備に向け、委託先会社等の協力会社も含めたNTTグループ全体で各種対策や安全意識の向上に継続的に取り組んでいます。

機会への対応としては、従業員の健康維持・増進への取組みがモチベーションや生産性を向上させ、企業の収益拡大にもつながるとの方針のもと、経営戦略の一環として健康経営に取り組んでいます。具体的には、スマートフォンアプリ(dヘルスケア)を活用した社員の健康活動促進のための取組みや、社員の健康状態・変調を把握するための定期アンケート(パルスサーベイ)の実施といった取組みを進めています。

 

<人権>

当社グループ及びサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働等の人権侵害行為が発生した場合には、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、外部評価機関も活用した人権デューデリジェンスの実施や、人権課題に関する研修、人権に関する相談窓口の設置・運営等、グループ一体となった人権意識の向上、人権マネジメントの強化に取り組んでいます。

機会への対応としては、人権デューデリジェンスにおける重要サプライヤへの直接対話の実行及びそれらのプロセスや結果を情報開示することにより、ステークホルダーの皆さまから信頼される企業として、ブランドイメージの向上につながると考えています。

 

なお、NTTグループは、2023年5月に公表した新中期経営戦略の取組みの一つであるオープンで革新的な企業文化として、お客さま重視を基本に、オープン、コラボレーション、トライ&エラーを重視する文化の浸透、ダイバーシティ&インクルージョンの継続強化に取り組みます。さらに、自律的なキャリア形成への支援強化として、社員の自律的なキャリア形成を支援し、事業の成長を支える人的投資の拡大、ライフイベント(出産、育児、介護等)のサポートも含めたトータルなキャリア形成の支援に取り組みます。加えて、全世界の従業員の家族を含めたサポートプログラムの強化・充実として、従業員が在職中に死亡した場合に、子女の大学卒業までの教育費の一部をサポートする制度を拡充します。

 

〇 人的資本に関する指標及び目標

 

指標

目標

実績

従業員エンゲージメント率

改善(前年度比)

2022年度:57%

女性の新任管理者登用率

毎年:30%

2022年度:29.7%

男性育児休業取得率

2023年度:100%

2022年度:114.1%

重要サプライヤとの直接対話率

2023年度:100%

2022年度:100%

(注)1. 従業員エンゲージメント率の集計範囲は、国内グループ約100社(今後、海外グループ会社まで拡大予定)です。

2. 女性の新任管理者登用率及び男性育児休業取得率の集計範囲は、国内主要6社(当社、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTT東日本、NTT西日本、NTTデータ))です。

3. 重要サプライヤとの直接対話率の集計範囲は、NTTグループ全調達額の90%以上を占める重要サプライヤ(約140社)のうち、年間40社程度です。

 

(参考)多様性に関するその他の指標及び目標

 

指標

目標

実績

女性

採用率

毎年:30%

2022年度:35.8%

管理者比率

2025年度:15%

2022年度:10.4%

役員比率

2025年度:25~30%

2023年6月:21.0%

外部人材

中途採用比率

2023年度:30%

2022年度:40.7%

(注)1. 上記指標の集計範囲は、いずれも国内主要6社(当社、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTT東日本、NTT西日本、NTTデータ))です。

2. 当社における有価証券報告書提出日現在の女性の役員比率は、取締役30.0%、監査役40.0%、執行役員40.0%です。

 

 

③ 新たな価値創造

〇 新たな価値創造に関する戦略(リスク及び機会に対処するための取組み)

 

NTTグループは、お客さまの新たな体験や感動創造(カスタマーエクスペリエンス)の高度化に向け、様々なパートナーと連携して新たな価値の創造及び社会的課題の解決をめざす、B2B2Xモデルを推進しています。B2B2Xモデルの推進が想定どおりに進展しなかった場合、市場競争力が低下し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、 NTTグループの連携を図りながらプロジェクトを拡大するため、社長を委員長とするマーケティング戦略委員会を設置・運営しています。また、グループ横断の社内カンファレンスの開催等を通じて、各社の優良事例の水平展開によるB2B2Xビジネスの拡大に取り組んでいます。

機会への対応としては、パートナーのみなさまが持つ各業界の知見や顧客基盤と、NTTグループが持つデジタルサービスやデータマネジメント技術といったテクノロジーを組み合わせることで、パートナーのお客さま(ユーザ)に新しい価値を提供することが可能となります。具体的には、①産業バリューチェーンの進化、②顧客対応の進化、③モバイルデータの活用、④地域に根差したサービス・街づくり等の分野において、オールNTTグループでの取組みを展開しています。

 

また、NTTグループは、2023年5月に公表した新中期経営戦略の取組みの一つである研究開発とマーケティングの融合として、研究開発マーケティング本部を新設します。持株会社において、研究開発推進機能とマーケティング機能、アライアンス機能を融合・強化し、プロダクトアウト型の研究開発の強化に加え、グローバルでの共創による研究開発~プロダクト提供を行うとともに、様々なパートナーとのアライアンスを推進します。さらに、CXを重視したサービスの強化として、あらゆるステークホルダーをお客さまとして捉え、お客さま体験ファーストを推進していきます。カスタマージャーニーに寄り添いながらアジャイルでサービスを常に改善・アップデートしていくことで、お客さまの期待を超える新たな体験や感動を提供し、選ばれ続けるNTTグループをめざします。

 

 

〇 新たな価値創造に関する指標及び目標

 

指標

目標

実績

B2B2X収益額

2023年度:8,700億円

2022年度:8,154億円

(注)B2B2X収益額の集計範囲は、総合ICT事業セグメント、地域通信事業セグメント、グローバル・ソリューション事業セグメントです。

 

 

④ レジリエンス

〇 レジリエンスに関する戦略(リスク及び機会に対処するための取組み)

 

<自然災害、大規模故障等>

NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスや金融・決済等生活基盤を支えるサービスを数多く提供しています。

これらのサービス提供に関して、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、武力攻撃やテロ等の物理的な攻撃、重要システムにおける開発遅延や不具合、大規模なネットワーク故障の発生等によりお客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、通信ビルの耐震機能・水防機能の強化、伝送路の異経路化、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化等サービス提供に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。特に大規模故障への具体的な対策として、迅速かつ的確なサービス復旧を行うとともに、故障原因を早期に究明し、①顕在化したリスクのグループ横断的な総点検・再発防止、②想定外のことは必ず起こることを前提に、グループ横断的なリスクの棚卸に基づく、より強靭なネットワークの実現に向けた施策をグループ全体で実施していきます。

機会への対応としては、ネットワークの強靭化や復旧対応の迅速化等を通じて、通信ネットワーク・情報システムの信頼性が高まれば、顧客満足度やブランドイメージの向上につながると考えています。また、さらなる信頼性を求めるお客さまに対しては、BCPを強化するソリューションのラインアップを充実することで新たな価値を提供します。

 

<セキュリティ>

サイバーテロ等のセキュリティインシデントにより、サービス停止・サービス品質の低下や情報の漏洩・改竄・喪失が発生した場合、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、「サイバーインシデントは必ず起きる、被害の最小化が大切」という考えに基づいて、「三線防御」の原則の導入、グループ全体で守るべき規程の整備、セキュアなリモートワーク環境を提供するゼロトラスト型ITシステムへの移行、グローバルな脅威情報の収集/活用、早期検知・迅速対応のための最新技術の導入、セキュリティ対策の攻撃者目線での検証、万一のインシデント時の対応演習、社員全員に向けた基本動作研修等の取組みを通じて、リスクベースでの情報セキュリティ対策に取り組んでいます。

機会への対応としては、最新技術と高度知識を持つセキュリティ専門人材を育成するとともに、上記リスクへの対応を通じて蓄積されてきた知見や情報を活かし、グループ外の企業やコミュニティに対するリスク対策支援サービスの提供等にも取り組んでいます。

 

<広報対応>

システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等が発生した際の広報対応が遅れた場合、NTTグループの信頼性やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。

このようなリスクへの対応として、NTTグループでは、故障発生時の迅速な広報対応等の実現に向け、総務省の定める周知・広報に関するガイドライン順守に向けた体制を整備しているほか、緊急時の広報対応に関する各社の優良事例の水平展開等を通じて、広報対応の品質向上に取り組んでおり、こうした取組みを推進することで、顧客満足度やブランドイメージの向上につながると考えています。

 

なお、NTTグループは、2023年5月に公表した新中期経営戦略の取組みの一つである事業基盤のさらなる強靭化として、大規模故障やサイバー攻撃等の発生を踏まえた強靭なネットワーク/システムの実現や激甚化する自然災害への対策を強化していきます。

 

〇 レジリエンスに関する指標及び目標

 

指標

目標

実績

重大事故発生件数

2023年度:ゼロ

2022年度:3件

外部からのサイバー攻撃に伴う電気通信サービス停止件数

2023年度:ゼロ

2022年度:0件

(注)1. 重大事故発生件数及び外部からのサイバー攻撃に伴う電気通信サービス停止件数の集計範囲は、指定公共機関である通信4社(NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ)です。

2. 重大事故とは、電気通信役務の提供を停止または品質を低下させた、以下の条件を満たす事故です。

・緊急通報(110、119等)を扱う音声サービス:1時間以上かつ3万人以上

・緊急通報を扱わない音声サービス:2時間以上かつ3万人以上、または1時間以上かつ10万人以上

・インターネット関連サービス(無料):12時間以上かつ100万人以上、または24時間以上かつ10万人以上

・その他の役務:2時間以上かつ3万人以上、または1時間以上かつ100万人以上

3【事業等のリスク】

本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行っています。

当社におけるビジネスリスクマネジメントの概要、リスクの抽出・重要リスクの特定、リスクの内容及び対処策については以下のとおりです。

 

 

(1)ビジネスリスクマネジメントの概要

身近に潜在するリスクの発生を予想・予防し、万一リスクが顕在化した場合でも損失を最小限に抑えること等を目的として、リスクマネジメントの基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を制定しています。代表取締役副社長が委員長を務めるビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、リスクマネジメントのPDCAサイクルを構築し運用しています。なお、2022年度においてビジネスリスクマネジメント推進委員会は2回、グループビジネスリスクマネジメント推進委員会は2回開催され、全社的に影響を与えると想定されるリスクの特定及びその管理方針等について議論しました。

また、グループ一体となってリスクマネジメントに取り組むため、NTTグループビジネスリスクマネジメントマニュアルを策定しグループ各社に配布しています。本マニュアルにより、リスク発生に備えた事前対処策、リスクが顕在化した場合におけるグループ連携方法や対応方針、情報連絡フロー等を定め、迅速な対応を可能とする体制を整備し運用しています。

 

 

(2)リスクの抽出・重要リスクの特定

当社では社会環境の変化等を踏まえ、想定するリスクや、その管理方針の見直しを随時行っています。リスクの抽出にあたっては、ビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、NTTグループを取り巻くリスクの分析プロセスを策定し、このプロセスに則って定期的にリスク分析を実施することで、全社リスクを特定します。さらに、それらリスクの相関分析を行い、最も重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「重要リスク」と特定し、その対応策を決定します。

 

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(3)リスクの内容及び対処策

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでいます。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面していますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。

 

○ 事業環境及びそれに対応した戦略に係るリスク

事業成長に関するリスク

 

市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性や設備投資の効率化が図れない可能性、販売経費・設備関連コスト・人件費等の削減効果が充分に発揮されない可能性があります。情報通信市場では、競合他社の新規参入等による競争激化や、新料金プラン等による顧客基盤の維持・さらなる拡大がNTTグループの想定したとおりにならない場合、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国等の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施していますが、海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

その他の市場においても、各事業において想定したとおりの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

また、NTTグループは、お客さまの新たな体験や感動創造(カスタマーエクスペリエンス)の高度化に向け、様々なパートナーと連携して新たな価値の創造及び社会的課題の解決をめざす、B2B2Xモデルを推進しています。B2B2Xモデルの推進が想定どおりに進展しなかった場合、市場競争力が低下し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、2023年5月に発表した新中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」に基づき、これまでの中期経営戦略の考え方や取組みをベースに、新たな価値創造と地球のサステナビリティを実現することをめざしています。

設備投資の効率化に向けては、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、AI等を活用し、自らの業務プロセスをデジタル化することで様々な業務におけるさらなる生産性の向上をめざします。また、グループ各社が共通で購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、グローバルベンダー等と一元的に価格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社のNTT Global Sourcing, Inc.を米国に設立し、NTTグループのトータルの調達コスト削減等に取り組んでいます。

ITシステムについても、グローバルで標準化されたシステムへ移行していくことを通じて、共通基盤化による効率化を進めるとともに、シンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでいます。

また、グローバル事業における着実な成長を実現するため、2019年よりグローバル事業の再編成に取り組んできましたが、昨今お客さまのニーズはますます多様化・高度化し、デジタル技術を活用したトランスフォーメーション(DX)や、ITモダナイゼーションへのニーズが高まるとともに、競合各社は社会・テクノロジーの変化に合わせサービスラインを拡大する等、事業環境が大きく変化してきています。このような状況下、NTTデータとNTT Ltd.で行ってきたビジネスユーザ向けグローバル事業をNTTデータ傘下に集約し、両社がより一体となって事業運営を行うこととしました。統一した事業戦略のもと、インフラからアプリケーションまでのEnd to Endのサービス提供、当社の研究開発の成果の活用、Smart Worldや5G等の分野におけるビジネス推進に取り組むとともに、中長期的には、IOWN構想を中核とした環境価値、社会価値も提供可能な高度なサービスの実現に向けて取り組みます。

出資に関しては、定期的にモニタリングを実施する等、期待したリターンを得られるよう取り組んでいます。

お客さまの新たな体験や感動創造の取組みが十分に進展しないリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。

 

 

金融市場の混乱により悪影響を受けるリスク

 

NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施していますが、金融市場において大きな変動が生じた場合には、資金調達が制約される可能性や資金調達コストが増加する可能性があります。

また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しています。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めています。さらに、債権流動化等により資金の効率化にも取り組んでいます。また、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めています。

 

 

環境問題に関するリスク

 

気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動や資源循環への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合にはコスト負担が増加する等、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

気候変動に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 気候変動に関する戦略」をご参照ください。

 

資源循環に関するリスクへの対応として、NTTグループでは、2030年度の目標として、NTTグループが排出する廃棄物のリサイクル率を99%以上とすることを設定しています。社会的要請や法令・規制に則り、通信設備・携帯端末等のリユース・リサイクルや、プラスチックの利用削減、有害廃棄物の適正な処理、保管・管理の徹底等を進め、資源循環の取組みの充実を図っています。

 

 

人的資本に関するリスク

 

情報通信市場や情報サービス市場においては、国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスを中心として変化が一層加速していくと見込まれます。このような状況の中で、従業員エンゲージメントの強化は、生産性や創造性の向上、及び優秀な人材のリテンションのために重要です。エンゲージメントの低下は、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

また、社員の健康・安全が十分に確保できない場合、労働生産性の低下等につながり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

さらに、当社グループ及びサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働等の人権侵害行為が発生した場合には、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

人的資本に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。

 

 

知的財産権に関するリスク

 

NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等の権利について、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける必要がある場合があります。現在、NTTグループ等は、当該権利の保有者との間で契約を締結することによりライセンス等を受けており、また、今後の事業遂行上必要となる他者の知的財産権等の権利については、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける予定です。

しかしながら、当該権利の保有者との間でライセンス等の付与について合意できなかったり、又は、一旦ライセンス等の付与に合意したもののその後当該合意を維持できなかった場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品又はサービスの提供ができなくなる可能性があります。

また、NTTグループ各社による海外企業の買収等に伴い、グローバルビジネスが拡大しており、NTTグループが海外企業からその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受ける機会が増える可能性があります。仮に他者より、NTTグループがその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合、あるいは和解等により当事者間で合意した場合には、当該権利に関連する事業の収益減や当該権利の侵害を理由に損害賠償責任等を負ったり、当該事業の実施の差止めを受ける可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等の権利について、第三者が不正に使用する等により、本来得られるライセンス収入が減少したり、競争上の優位性をもたらすことができない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、戦略的な権利化や権利調査による状況把握を実施する等、他者やNTTグループが保有する知的財産権等の権利への対策を講じています。

 

 

○ 業務運営に係るリスク

システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等に関するリスク

 

NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスや金融・決済等生活基盤を支えるサービスを数多く提供しています。

これらのサービス提供に関して、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、武力攻撃やテロ等の物理的な攻撃、重要システムにおける開発遅延や不具合、大規模なネットワーク故障の発生等によりお客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。

また、サイバーテロ等のセキュリティインシデントにより、サービス停止・サービス品質の低下や情報の漏洩・改竄・喪失が発生した場合、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

さらに、システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等が発生した際の広報対応が遅れた場合、NTTグループの信頼性やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。

システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

 

地政学に関するリスク

 

NTTグループは国内外において事業を展開しているため、テロリズム、武力行為、地域紛争等の国際情勢問題により、社員等の安全が脅かされる可能性や建物や設備が破壊される可能性、また、現地ビジネス展開、サプライチェーン、資金調達等への影響が生じることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない等、事業継続が困難になる場合があります。状況によっては、これらの問題が当該国・地域のみに限定されず、グローバルな事業継続に影響が発生する場合も考えられます。

また、それらの結果、社員が直接被害を受ける可能性や、ネットワークやシステムの復旧に長い時間を要する可能性、燃料や機器の調達が困難になることによりサービスを安定的に提供できない可能性等が考えられ、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。状況によっては、それらに係る損害についてNTTグループが責任を負う可能性も考えられます。さらに、これらがNTTグループの信頼性や企業イメージの低下につながるおそれもあります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、国内外の情報管理方法の強化や社員安否確認の定期的な訓練、通信ビル等重要設備のセキュリティ確保や冗長性のある伝送ルート設計、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化等を行っています。また、 NTTグループは「NTTグループサプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン」を公表し、国際情勢問題等に伴う原材料の高騰、物流の混乱、原材料や部品等の入手困難化といった事業継続に大きな影響を与える事態に備えて、サプライチェーンへの影響を最小限に留めるよう、事業継続計画を策定することをサプライヤに要請するとともに、それらの事態が発生した場合の事業への影響を最小化するよう、関連するサプライヤと連携し、対応を実施します。これらのように、NTTグループは事業継続に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。

 

不祥事や契約上のトラブル等に関するリスク

 

NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在又は欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。また、近年では法令・規制に加えて、人権、児童労働、環境破壊、中間搾取等、サプライチェーン上に存在するグローバルレベルでのリスクへの対処も問題視されています。

これらに関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、法令遵守は極めて重要な企業の責務であるとの認識のもと、国内外を問わず、反競争的な違反行為、贈収賄等の防止をはじめ、より一層のコンプライアンスの強化をしていきます。

また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっています。

しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、個人情報等の機密情報の厳重な管理等に努めるとともに、「NTTグループ情報セキュリティポリシー」を制定し、グループ内における管理体制の整備、役員や従業員への啓発活動等に取り組んでいます。

また、NTTグループが当事者となる訴訟、係争、損害賠償請求が発生し、裁判所等によりNTTグループにとって不利な判断がなされた場合は、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、NTTグループ各社において発生している、又はそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じています。

 

 

製品、サービスの不適切な利用等により、社会的問題が発生するリスク

 

NTTグループの提供している製品やサービスがユーザに不適切に使用される可能性があります。代表的なものとして、迷惑メールの送信、ネットバンキングの不正送金等のサイバー犯罪や振り込め詐欺等の犯罪にNTTグループのサービスが利用される可能性があるほか、NTTグループの契約者が迷惑メールを大量に受信してしまう等、これらの行為の被害を受けてしまう可能性があります。また、未成年者の有害サイトへのアクセス制限サービスの機能・精度等に関しては様々な議論があります。そのほか、歩行中や運転中の携帯電話使用によるトラブルの発生や、有料コンテンツの過度な利用による高額課金、不正アプリ(ソフト)を通じた個人情報の流出等が社会的に問題となっています。

これらの問題によって、NTTグループの製品やサービスに対する信頼性の低下、顧客満足度の低下や企業イメージの低下による解約数の増加、新規契約者を期待どおり獲得できないという結果を引き起こす可能性があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、歩きスマホ防止機能やフィルタリング機能等の安心・安全な利用のための製品・サービス提供、知識やマナーの啓発活動等の取組みを進めています。

 

パンデミック等による業務への影響リスク

 

新型コロナウイルス感染症等のパンデミックにより、お客さまの事業活動の縮小、システムインテグレーションの受注や各種サービス販売の減少、計画していた工事等の遅延等、事業活動に大きな影響が生じる可能性があります。また、ウィズ・アフターコロナにおいては、人々の生活や企業の活動のスタイルが大きく変容し、それらの結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

NTTグループでは、感染症の世界的な流行への対応にあたり、お客さま、パートナー、従業員を含む全ての関係者の健康と安全を確保しつつ、人々の生活や企業の活動にとって重要な情報通信サービスの安定的な利用の確保に取り組んでいます。当社及び通信事業を営む主要子会社は、人命尊重の視点から感染防止に努めつつ、指定公共機関としての責務を遂行するとともに、在宅勤務の普及等で増加傾向にあるトラフィックについても注視しながら、ネットワークの安定運用に必要な設備増強等の対策を講じています。

 

○ 規制等、政府との関係に係るリスク等

政府の規制、株式保有等により事業に影響を与えるリスク

 

日本の情報通信市場においては、競争促進や利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきています。

政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っています。規制の内容等については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。

また、NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。

スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラフィック量が増加していく中、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定どおりに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。さらには、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、移動通信ネットワークにおけるキャリアアグリゲーション等、周波数利用効率の向上にも努めています。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。

政府は現在当社の自己株式を除き発行済株式の34.25%(議決権比率34.29%)を保有しています。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しています。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。

 

(参考情報)当社事業にかかる法規制等

 

(1)規制

情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されています。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進する様々な措置を講じています。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しています。

当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在します。その概要は次のとおりです。

 

① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)

電気通信事業法による規制は次のとおりです。

(a) 電気通信事業者に課される規制

a 基礎的電気通信役務の提供

・ 基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供(第7条)

基礎的電気通信役務(国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき次に掲げる電気通信役務)を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない。

・第一号基礎的電気通信役務

加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、ワイヤレス固定電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、災害時用公衆電話、緊急通報(110番、118番、119番)等。

・第二号基礎的電気通信役務

FTTHアクセスサービス、CATVアクセスサービス、専用型ワイヤレス固定ブロードバンドアクセスサービス

b 電気通信事業の開始等

・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)

ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっています(第16条)。

・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)

・ 電気通信事業の休廃止に関する総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条、第26条の4)

c 利用者料金その他の提供条件の設定等

・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)

基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 消費者保護関連

電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、電気通信業務の休廃止の周知義務(第26条の4)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の4)等が課されています。

(注)

基礎的電気通信役務    国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき電気通信役務(いわゆるユニバーサルサービス)として総務省令で定めるもの。具体的には加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、ワイヤレス固定電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、災害時用公衆電話、緊急通報(110番、118番、119番)等。

d 相互接続

・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)

e ユニバーサルサービス基金制度

 ユニバーサルサービス基金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な通信事業者全体で支えていくための制度です。

 第一号基礎的電気通信役務については、その提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する適格電気通信事業者(第108条)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。

 東西地域会社は、総務大臣から適格電気通信事業者に指定されており、2022年度と2023年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ67億円、63億円となっています。

 第二号基礎的電気通信役務についても、第一号基礎的電気通信役務と同様に、支援機関が適格電気通信事業者(第110条の3)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、必要な費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条の5)こととされています。

 なお、東西地域会社は、日本電信電話株式会社等に関する法律により、第一号基礎的電気通信役務のみ全国提供を義務付けられています(第3条)。

 

(b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制

a 利用者料金その他の提供条件の設定

・ 指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)

第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 特定電気通信役務の料金の規制(第21条)

特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。

(注)

・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、各事業者の業務区域(NTT東日本の場合は東日本エリア全域、NTT西日本の場合は西日本エリア全域)内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。

・指定電気通信役務    第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。

・特定電気通信役務    指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。

・基準料金指数      特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。

・プライスキャップ規制  料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、2022年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。

b 相互接続等

・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)

東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっています。

 

 

(電話接続料)

1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。

なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。

2022年度以降の接続料については、2021年の情報通信審議会における検討の結果、IP網への移行期間(2022年4月から2024年12月まで)において、引き続き長期増分費用方式を適用することとされました。

 

(光ファイバ接続料)

東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられています。

加入光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2020年度から2022年度までの3年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。

なお、加入光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。

 

・ 第一種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第33条の2)

東西地域会社は、第一種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。

・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)

東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)

東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)

東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。

 

c 禁止行為

東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社及び株式会社NTTドコモとの役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。

また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。

したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。

 

(c) 株式会社NTTドコモに課される規制

a 相互接続等

・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)

株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 第二種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第34条の2)

株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。

・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)

株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。

 

なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。

 

b 禁止行為

株式会社NTTドコモは、電気通信事業者間の競争環境の確保の観点から、端末を販売等しない場合よりも端末を販売等する際の通信料金を有利にすることや、行き過ぎた期間拘束により利用者を囲い込むこと等を禁止されています(第27条の3)。なお、本規定については、株式会社NTTドコモのほか、総務大臣に指定された事業者に課されています。

また、株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されています(第30条)。

(注)

・第二種指定電気通信設備  電気通信事業者の設置する特定移動端末設備(携帯電話端末・BWA端末)に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。

 

 

② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)

(a) 概要

1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。同法は2001年6月公布、同年11月施行の「電気通信事業法等の一部を改正する法律」等によっても改正されています。

一 目的

1 当社は、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ること並びに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社とする。

2 東西地域会社は、地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社とする。

二 事業

1 当社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。

(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有並びに当該株式の株主としての権利の行使をすること

(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと

(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと

(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務

2 当社は、二の1に掲げる業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。

3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。

(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務

イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県

ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府並びにイに掲げる県以外の県

(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務

4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次の業務を営むことができる。

(1)二の3に掲げるもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務

(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域(目的業務区域)以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務

5 地域電気通信業務は、東西地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することを確保するために必要があると認められる場合に、総務大臣の認可により、他の電気通信事業者の設備(無線設備)を用いて電話を提供することができる。

6 東西地域会社は、3、4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。

 

三 責務

当社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき電気通信の役割の重要性にかんがみ、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて我が国の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。

 

(b) 総務大臣の認可を必要とする事項

・ 当社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)

(注)当社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)

・ 当社の取締役及び監査役の選任及び解任の決議(第10条)

(注)日本の国籍を有しない人は、当社及び東西地域会社の取締役又は監査役となることができない

・ 当社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議、当社の剰余金処分の決議(第11条)

・ 当社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)

・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条)

 

(c) その他総務大臣に対する義務

・ 当社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)

・ 当社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)

・ 当社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条)

 

 

③ 電波法(昭和25年法律第131号)

(a)総務大臣の免許を必要とする事項

・ 無線局の開設(第4条)

 

(b)総務大臣の許可を必要とする事項

・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条)

 

(携帯電話の周波数帯割当て)

移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。

(2)当社株式に係る事項

 

① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条)

当社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。

  (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人

二 外国政府又はその代表者

三 外国の法人又は団体

四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体

なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、及びその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しています。

 

 

② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)

政府は、常時、当社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。

  (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)

・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。

・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があった場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があった場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。

2023年3月31日時点の当社の発行済株式総数は3,622,012,656株であり、同日現在の政府保有株式数は1,167,975,704株、即ち、自己株式除き発行済株式総数の34.25%となっています。

(注)当社は2000年12月に公募増資により30万株(2009年1月4日付の株式分割、2015年7月1日付の株式分割及び2020年1月1日付の株式分割後に換算すると1億2,000万株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は33.33%となります。

NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われています。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。

 

 

 

③ 政府保有株式の売却について

  政府の保有する当社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条)

 

・ 売却の経緯及び売却方針について(第一次売出から第六次売出について)

当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、1986~1988年度において売却されました。

また、1990年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、1997年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。)

1998年度においては、1998年12月に100万株について売却が実施されました。

1999年度においては、100万株が売却限度数として計上されていましたが、このうち48,000株については1999年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については1999年11月に売却が実施されました。また、上記の1990年12月に示された売却方針については終了しました。

2000年度においては、2000年11月に100万株の売却が実施されました。

 

・ 政府保有株式の売却実績について

提出日現在までの政府保有株式の売却実績については、下表のとおりです。

年度

政府の売却実績

売却時期

売却株数

売却方法

1986年度

1987年 2月(第一次売出)

200,000株

一般競争入札

1,750,000株

証券会社による「売り出しの取り扱い」

1987年度

1987年11月(第二次売出)

1,950,000株

証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」

1988年度

1988年10月(第三次売出)

1,500,000株

証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」

1998年度

1998年12月(第四次売出)

1,000,000株

ブックビルディング方式による株式売り出し

1999年度

1999年 7月13日

48,000株

自己株式買入

1999年11月(第五次売出)

952,000株

ブックビルディング方式による株式売り出し

2000年度

2000年11月(第六次売出)

1,000,000株

ブックビルディング方式による株式売り出し

2002年度

2002年10月 8日

91,800株

自己株式買入

2003年度

2003年10月15日

85,157株

自己株式買入

2004年度

2004年11月26日

800,000株

自己株式買入

2005年度

2005年 9月 6日

1,123,043株

自己株式買入

2011年度

2011年 7月 5日

57,513,600株

自己株式買入

2012年 2月 8日

41,820,600株

自己株式買入

2013年度

2014年 3月 7日

26,010,000株

自己株式買入

2014年度

2014年11月14日

35,088,600株

自己株式買入

2014年11月28日

1,068,100株

自己株式買入

2016年度

2016年 6月14日

59,000,000株

自己株式買入

2019年度

2019年 9月11日

48,666,700株

自己株式買入

2022年度

2022年 9月15日

92,925,400株

自己株式買入

(注)1.1995年11月24日を効力発生日として、普通株式1株につき1.02株の割合をもって株式分割いたしました。

2.2009年1月4日を効力発生日として、普通株式1株につき100株の割合をもって株式分割いたしました。

3.2015年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割いたしました。

4. 2020年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割いたしました。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

(1)経営成績の状況の分析(連結)

 

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営業収益

NTTグループの営業収益は、固定音声関連、移動音声関連、IP系・パケット通信、通信端末機器販売、システムインテグレーション及びその他の6つのサービス分野に区分しています。

当連結会計年度の営業収益は、前期比8.1%増加し、13兆1,362億円となりました。これは、固定音声関連収入や移動音声関連収入の減収はあるものの、システムインテグレーション収入やその他の営業収入の増加等によるものです。

当連結会計年度の各サービス分野における営業収益の概要は、次のとおりです。

 

・固定音声関連収入

固定音声関連サービスには、加入電話、INSネット、一般専用、高速ディジタル伝送等、地域通信事業セグメントと総合ICT事業セグメントの一部が含まれています。

当連結会計年度における固定音声関連収入は、前期比4.9%減少し、8,712億円となりました。これは、携帯電話やIP電話の普及、OTT事業者が提供する無料又は低価格の通信サービスの増加等により、加入電話やINSネットの契約数が引き続き減少したこと等によるものです。

※ Over The Top の略。自社でサービスの配信に必要な通信インフラを持たずに、他社の通信インフラを利用

してコンテンツ配信を行うサービス。

 

・移動音声関連収入

移動音声関連サービスには、5GやLTE(Xi)等における音声通話サービス等の総合ICT事業セグメントの一部が含まれています。

当連結会計年度における移動音声関連収入は、前期比5.1%減少し、1兆464億円となりました。これは、主にahamo等の料金プラン導入によるお客さま還元の拡大により、収入の減少があったこと等によるものです。

 

・IP系・パケット通信収入

IP系・パケット通信サービスには、「フレッツ光」等の地域通信事業セグメントの一部や、5GやLTE(Xi)等におけるパケット通信サービスやArcstar Universal One、IP-VPN、OCN等の総合ICT事業セグメントの一部が含まれています。

当連結会計年度におけるIP系・パケット通信収入は、前期比0.0%減少し、3兆4,440億円となりました。

 

・通信端末機器販売収入

通信端末機器販売には、総合ICT事業セグメント、地域通信事業セグメントの一部が含まれています。

当連結会計年度における通信端末機器販売収入は、前期比8.9%増加し、7,562億円となりました。これは、総合ICT事業セグメントにおいて、端末機器販売単価の上昇に伴い収益が拡大したこと等によるものです。

 

・システムインテグレーション収入

システムインテグレーションには、グローバル・ソリューション事業セグメント、総合ICT事業セグメント、地域通信事業セグメントの一部が含まれています。

当連結会計年度のシステムインテグレーション収入は、前期比13.4%増加し、4兆5,465億円となりました。これは、グローバル・ソリューション事業セグメントにおいて、国内外ともに、旺盛なデジタル化需要を取り込んだこと等によるものです。

 

・その他の営業収入

その他のサービスには、主に建築物の保守、不動産賃貸、電力販売、総合ICT事業セグメントにおけるスマートライフ事業等が含まれています。

当連結会計年度のその他の営業収入は、前期比24.2%増加し、2兆4,720億円となりました。これは、エネルギー事業における電気料収入の増加等によるものです。

 

 

 

営業費用

当連結会計年度の営業費用は前期比8.9%増加し、11兆3,072億円となりました。主な要因は以下のとおりです。

 

・人件費

当連結会計年度の人件費は、前期比7.9%増加し、2兆7,687億円となりました。これは、グローバル・ソリューション事業セグメントにおいて、事業の業容拡大により人件費が増加したこと等によるものです。

 

・経費

当連結会計年度の経費は、前期比12.4%増加し、6兆5,633億円となりました。これは電気料収入の増加等に伴い、収益連動費用が増加したこと等によるものです。

 

・減価償却費

当連結会計年度の減価償却費は、前期比1.4%増加し、1兆5,826億円となりました。

 

営業利益

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前期比3.4%増加し、1兆8,290億円となりました。

 

金融損益

当連結会計年度の金融損益は、前期の72億円に対し△253億円となりました。これは、金利上昇等により支払利息が増加したこと等によるものです。

 

持分法による投資損益

当連結会計年度の持分法による投資損益は、前期比28.9%減少し、140億円となりました。

 

税引前利益

以上の結果、当連結会計年度の税引前利益は前期比1.2%増加し、1兆8,177億円となりました。

 

法人税等

当連結会計年度の法人税等は、前期比2.7%減少し、5,249億円となりました。前連結会計年度、当連結会計年度の税負担率は、それぞれ30.05%、28.88%となっています。

 

当社に帰属する当期利益

以上の結果、当連結会計年度の当期利益は前期比2.9%増加し、1兆2,928億円となりました。また、非支配持分に帰属する当期利益を控除した当社に帰属する当期利益は、前期比2.7%増加し、1兆2,131億円となりました。

 

業績の内訳は次のとおりです。

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

121,564

131,362

9,797

8.1%

 固定音声関連収入

9,161

8,712

△449

△4.9%

 移動音声関連収入

11,025

10,464

△562

△5.1%

 IP系・パケット通信収入

34,448

34,440

△8

△0.0%

 通信端末機器販売収入

6,947

7,562

615

8.9%

 システムインテグレーション収入

40,081

45,465

5,384

13.4%

 その他の営業収入

19,902

24,720

4,817

24.2%

営業費用

103,879

113,072

9,194

8.9%

 人件費

25,661

27,687

2,026

7.9%

 経費

58,394

65,633

7,238

12.4%

 減価償却費

15,612

15,826

214

1.4%

 その他

4,211

3,926

△285

△6.8%

営業利益

17,686

18,290

604

3.4%

金融損益

72

△253

△325

持分法による投資損益

197

140

△57

△28.9%

税引前利益

17,955

18,177

222

1.2%

法人税等

5,395

5,249

△146

△2.7%

当期利益

12,560

12,928

368

2.9%

控除:非支配持分に帰属する当期利益

749

796

47

6.3%

当社に帰属する当期利益

11,811

12,131

320

2.7%

 

 

(2)経営成績の状況の分析(セグメント)

 

 

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総合ICT事業セグメントには、固定音声関連サービス、移動音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーションサービス、その他が含まれています。

地域通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーションサービス、その他が含まれています。

グローバル・ソリューション事業セグメントには、主にシステムインテグレーションサービスが含まれています。

また、その他(不動産、エネルギー等)には、主に建築物の保守、不動産賃貸、電力販売、研究開発等に係るその他のサービスが含まれています。

 

当連結会計年度における各セグメントの営業実績の概要は、次のとおりです。なお、各セグメントの営業実績の記載における営業収益・営業費用・営業利益は、セグメント間取引を含めています。また、当社グループは電気通信事業等の事業を行っており、生産、受注といった区分による表示が困難であるため、セグメントごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の状況については各セグメントの営業業績に関連付けて示しています。

①総合ICT事業セグメント

 

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総合ICT事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、ahamo等の料金プラン導入によるお客さま還元の拡大による減収の影響があったものの、法人事業の拡大や、金融・決済、マーケティングソリューションを始めとするスマートライフ事業の拡大等により6兆590億円(前期比3.2%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、収益連動費用の増加等により4兆9,651億円(前期比3.5%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は1兆939億円(前期比2.0%増)となりました。

 

セグメント業績の概要                                  (単位:億円)

 

前連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

58,702

60,590

1,888

3.2%

固定音声関連サービス

1,760

1,727

△34

△1.9%

移動音声関連サービス

11,099

10,542

△557

△5.0%

IP系・パケット通信サービス

23,043

22,926

△117

△0.5%

通信端末機器販売

6,290

6,860

570

9.1%

システムインテグレーションサービス

5,252

6,095

843

16.0%

その他

11,257

12,440

1,182

10.5%

営業費用

47,976

49,651

1,674

3.5%

人件費

4,707

4,765

57

1.2%

経費

34,300

35,818

1,518

4.4%

減価償却費

7,799

7,859

59

0.8%

その他

1,170

1,209

39

3.4%

営業利益

10,725

10,939

213

2.0%

 

 

《契約数、ARPU》

 

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2023年3月31日現在、NTTドコモの携帯電話サービスの契約数は8,749万契約となり、前期末時点の8,475万契約から1年間で274万契約増加しました。また、解約率は前期比0.03ポイント増加し、0.65%となりました。

当連結会計年度における総合ARPUは4,640円と、前期の4,740円に比べ100円(2.1%)減少しました。これは、モバイルARPUが、ahamo等の料金プラン導入によるお客さま還元の拡大により4,050円となり、前期の4,150円に比べて100円(2.4%)減少したことによるものです。

 

 

総合ICT事業セグメントの契約数及び市場シェア                     (単位:千契約)

サービスの種類

2022年3月31日現在

2023年3月31日現在

増減

増減率

携帯電話サービス

84,752

87,495

2,742

3.2%

  5Gサービス

11,530

20,602

9,072

78.7%

  LTE(Xi)サービス

61,396

57,771

△3,625

△5.9%

  FOMAサービス

11,826

9,122

△2,704

△22.9%

携帯電話市場シェア

43.4%

43.1%

△0.3ポイント

spモードサービス

50,099

51,673

1,574

3.1%

iモードサービス

2,675

1,627

△1,048

△39.2%

ぷらら(ISP)

3,889

3,733

△156

△4.0%

OCN(ISP)

7,018

7,301

283

4.0%

ひかりTV

2,952

884

△2,068

△70.0%

(注)1.携帯電話サービス契約数には、MVNOとの契約及び通信モジュールサービス契約数を含めて記載しています。

2.他社契約数については、一般社団法人電気通信事業者協会及び各社が発表した数値を基に算出しています。

3.spモードサービスには、ahamo契約数及びOCNモバイル契約数を含めて記載しています。

 

 

ARPU

区分

前連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

増減

増減率

総合ARPU(円)

4,740

4,640

△100

△2.1%

 モバイルARPU(円)

4,150

4,050

△100

△2.4%

 光ARPU(円)

590

590

(注)1.ARPUの算定式については「(注)2.ARPUの算定式(b)NTTドコモ」をご参照ください。

2.モバイルARPUにOCNモバイル関連収入・契約数を含めて算出しています。

 

②地域通信事業セグメント

 

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地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、子会社収入等の増加によるその他営業収入の増加等があったものの、固定音声関連サービス収入の減少等により3兆1,776億円(前期比0.9%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、電気代の高騰影響による経費の増加があったものの、前年度に計上した減損損失が無くなる影響やコスト効率化の取組みによる費用の減少等により2兆7,571億円(前期比0.4%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は4,205億円(前期比4.4%減)となりました。

 

セグメント業績の概要                                  (単位:億円)

 

前連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

32,076

31,776

△300

△0.9%

固定音声関連サービス

9,320

8,762

△558

△6.0%

IP系・パケット通信サービス

15,986

16,011

25

0.2%

通信端末機器販売

677

712

35

5.2%

システムインテグレーションサービス

2,193

2,078

△116

△5.3%

その他

3,899

4,212

313

8.0%

営業費用

27,676

27,571

△105

△0.4%

人件費

6,574

6,405

△170

△2.6%

経費

14,576

14,885

309

2.1%

減価償却費

4,213

4,196

△17

△0.4%

その他

2,312

2,086

△226

△9.8%

営業利益

4,400

4,205

△195

△4.4%

 

 

加入電話及びINSネットの契約数                          (単位:千加入/回線)

サービスの種類

2022年3月31日現在

2023年3月31日現在

増減

増減率

(NTT東日本)

 

 

 

 

 加入電話

6,597

6,142

△455

△6.9%

 INSネット

803

718

△85

△10.6%

(NTT西日本)

 

 

 

 

 加入電話

6,527

5,966

△561

△8.6%

 INSネット

801

716

△84

△10.5%

(注)1.加入電話は、一般加入電話とビル電話を合算しています(加入電話・ライトプランを含む)。

2.「INSネット」には、「INSネット64」及び「INSネット1500」が含まれています。「INSネット1500」は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)のいずれについても「INSネット64」の10倍程度であることから、「INSネット1500」の1契約を「INSネット64」の10倍に換算しています(INSネット64・ライトを含む)。

 

加入電話やINSネットについて、お客さまのニーズが携帯電話、IP電話、OTT事業者が提供する無料又は低価格の通信サービス等へと移行していること等に伴い、2023年3月31日現在の固定電話契約数(固定電話+INSネット)は、前期比1,185千契約減少し、13,542千契約となりました。

 

 

フレッツ光(コラボ光含む)、フレッツ・ADSL、ひかり電話、フレッツ・テレビ伝送サービスの契約数

(単位:千契約)

サービスの種類

2022年3月31日現在

2023年3月31日現在

増減

増減率

(NTT東日本)

 

 

 

 

 フレッツ光(コラボ光含む)

13,156

13,326

170

1.3%

 (再掲)コラボ光

9,573

9,871

297

3.1%

 フレッツ・ADSL

120

5

△115

△96.0%

 ひかり電話(千チャネル)

10,075

10,058

△17

△0.2%

 フレッツ・テレビ伝送サービス

1,154

1,177

24

2.0%

(NTT西日本)

 

 

 

 

 フレッツ光(コラボ光含む)

10,110

10,249

139

1.4%

 (再掲)コラボ光

6,719

6,938

219

3.3%

 フレッツ・ADSL

166

53

△113

△68.2%

 ひかり電話(千チャネル)

8,707

8,694

△13

△0.1%

 フレッツ・テレビ伝送サービス

841

888

47

5.6%

(注)1.「フレッツ光(コラボ光含む)」はNTT東日本の「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ 光ライトプラス」、「フレッツ 光WiFiアクセス」及び「ひかり電話ネクスト(光IP電話)」、NTT西日本の「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光マイタウン ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「ひかり電話ネクスト(IP電話サービス)」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しています。

2.「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」は、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しています。

 

2023年3月31日現在の「フレッツ光(コラボ光含む)」の契約数は、「光コラボレーションモデル」の展開等に取り組んだ結果、23,575千契約(前期比309千契約(1.3%)増)、「ひかり電話」の契約数は、18,752千チャネル(前期比30千チャネル(0.2%)減)、「フレッツ・テレビ」の契約数は、2,066千契約(前期比71千契約(3.5%)増)となりました。

 

固定通信サービスにおける固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)及びフレッツ光ARPU     (単位:円)

サービスの種類

前連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

増減

増減率

(NTT東日本)

 

 

 

 

固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)

2,530

2,550

20

0.8%

フレッツ光ARPU

4,570

4,490

△80

△1.8%

 基本利用料ARPU

3,350

3,310

△40

△1.2%

 付加サービスARPU

1,220

1,180

△40

△3.3%

(NTT西日本)

 

 

 

 

固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)

2,510

2,540

30

1.2%

フレッツ光ARPU

4,620

4,550

△70

△1.5%

 基本利用料ARPU

3,220

3,190

△30

△0.9%

 付加サービスARPU

1,400

1,360

△40

△2.9%

(注)各ARPUについては、「(注)1.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit)」「(注)2.ARPUの算定式 (a)NTT東日本、NTT西日本」をご参照ください。

 

当連結会計年度における固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)は、前期に比べ、NTT東日本が20円(0.8%)増加し2,550円、NTT西日本が30円(1.2%)増加し2,540円となりました。

当連結会計年度におけるフレッツ光ARPUは、前期に比べ、NTT東日本が80円(1.8%)減少し4,490円、NTT西日本が70円(1.5%)減少し4,550円となりました。これは、「光コラボレーションモデル」の進展に伴う単金減等によるものです。

 

③グローバル・ソリューション事業セグメント

 

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グローバル・ソリューション事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、国内外での旺盛なデジタル化需要の取り込みに加え、為替影響等により4兆917億円(前期比13.2%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、収益連動費用の増加等により3兆8,261億円(前期比12.4%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は2,656億円(前期比26.2%増)となりました。

 

セグメント業績の概要                                   (単位:億円)

 

前連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

36,152

40,917

4,765

13.2%

システムインテグレーションサービス

36,136

40,917

4,781

13.2%

その他

16

△16

△100.0%

営業費用

34,047

38,261

4,214

12.4%

人件費

12,637

14,776

2,138

16.9%

経費

17,915

20,092

2,178

12.2%

減価償却費

3,091

3,144

54

1.7%

その他

404

249

△156

△38.5%

営業利益

2,105

2,656

551

26.2%

 

 

 

 

④その他(不動産、エネルギー等)

 

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その他(不動産、エネルギー等)における当連結会計年度の営業収益は、エネルギー事業の電気料収入の増等により1兆8,070億円(前期比29.4%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用はエネルギー事業の電気料収入の増加等に伴い、収益連動費用が増加したこと等により1兆7,179億円(前期比29.8%増)となりました。この結果、営業利益は892億円(前期比23.0%増)となりました。

 

業績の概要                                        (単位:億円)

 

前連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

13,960

18,070

4,111

29.4%

システムインテグレーションサービス

405

571

166

41.0%

その他

13,554

17,499

3,945

29.1%

営業費用

13,235

17,179

3,944

29.8%

人件費

2,488

2,654

167

6.7%

経費

9,141

12,783

3,642

39.8%

減価償却費

1,189

1,269

81

6.8%

その他

417

472

54

13.0%

営業利益

725

892

167

23.0%

 

 

 

(参考)国内売上高及び海外売上高に関する情報

 

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国内における当連結会計年度の営業収益は、総合ICT事業セグメントにおいて、ahamo等の料金プラン導入によるお客さま還元拡大による減収があったものの、エネルギー事業における電気料収入やグローバル・ソリューション事業セグメントにおけるシステムインテグレーションサービス収入の増加等により10兆5,199億円(前期比5.7%増)となりました。海外における当連結会計年度の営業収益は、グローバル・ソリューション事業セグメントにおけるシステムインテグレーションサービス収入の増加等により2兆6,163億円(前期比18.8%増)となりました。

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

121,564

131,362

9,797

8.1%

国内

99,546

105,199

5,653

5.7%

海外

22,018

26,163

4,145

18.8%

(注)営業収益は、製品及びサービスの提供先別に国内・海外を分類しています。

 

 

 

(注)

1.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit):1契約者(利用者)当たり月間平均収入

契約者(利用者)当たりの月間平均収入(ARPU)は、契約者(利用者)1人当たりの平均的な月間営業収益を計るために使われます。地域通信事業の場合、ARPUは、地域通信事業セグメントの営業収益のうち、固定電話(加入電話及びINSネット)並びに「フレッツ光」の提供により毎月発生する収入を、当該サービスの稼動契約数で除して計算されます。総合ICT事業の場合、ARPUは、総合ICT事業セグメントの営業収益のうち、携帯電話(5G)、携帯電話(LTE(Xi))、携帯電話(FOMA)、及び「ドコモ光」のサービス提供により発生する通信サービス収入(一部除く)を、当該サービスの稼動利用者数で除して計算されます。これら数字の計算からは、各月の平均的な利用状況を表さない端末機器販売、契約事務手数料、ユニバーサルサービス料等は除いています。こうして得られたARPUは、各月のお客さまの平均的な利用状況を把握する上で有用な情報を提供するものであると考えています。なお、ARPUの分子に含まれる収入は、IFRSによる連結決算値を構成する財務数値により算定しています。

 

2.ARPUの算定式

(a) NTT東日本、NTT西日本

NTT東日本及びNTT西日本のARPUは、以下の2種類に分けて計算しています。

・音声伝送収入(IP系除く)に含まれる加入電話とINSネットの基本料、通信・通話料、及びIP系収入に含まれる「フレッツ・ADSL」、「フレッツ・ISDN」からの収入に基づいて計算される固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)。

・IP系収入に含まれる「フレッツ光」、「フレッツ光」のオプションサービスからの収入、「ひかり電話」における基本料・通信料・機器利用料、及び附帯事業営業収益に含まれる「フレッツ光」のオプションサービス収入に基づいて計算されるフレッツ光ARPU。

 

※1 「フレッツ光」は、NTT東日本の「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ 光ライトプラス」、「フレッツ 光WiFiアクセス」及び「ひかり電話ネクスト(光IP電話)」、NTT西日本の「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光マイタウン ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「ひかり電話ネクスト(IP電話サービス)」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しています。「フレッツ光」のオプションサービスは、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しています。

※2 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)及びフレッツ光ARPUには、相互接続通話料は含まれていません。

※3 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)の算定上の契約数は、固定電話(加入電話及びINSネット)の契約数です。

※4 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)の算定上、INSネット1500の契約数は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)のいずれについてもINSネット64の10倍程度であることから、INSネット1500の1契約をINSネット64の10倍に換算しています。

※5 フレッツ光ARPU算定上の契約数は、「フレッツ光」の契約数(「フレッツ光」は、NTT東日本の「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ 光ライトプラス」、「フレッツ 光WiFiアクセス」及び「ひかり電話ネクスト(光IP電話)」、NTT西日本の「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光マイタウン ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「ひかり電話ネクスト(IP電話サービス)」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含む)です。

※6 NTT東日本及びNTT西日本におけるARPU算出時の稼動契約数の計算式は、以下のとおりです。

通期実績:当該期間の各月稼動契約数{(前月末契約数+当月末契約数)/2}の合計

 

 

(b) NTTドコモ

NTTドコモのARPUの計算式は、以下のとおりです。

・総合ARPU:モバイルARPU+光ARPU

※1 ・モバイルARPU:モバイルARPU関連収入(基本使用料、通話料、通信料)/稼動利用者数

・光ARPU:光ARPU関連収入(基本使用料、通話料)/稼動利用者数

※2 NTTドコモにおけるARPU算出時の稼動利用者数の計算式は、以下のとおりです。

当該期間の各月稼動利用者数{(前月末利用者数+当月末利用者数)/2}の合計

※3 利用者数は、以下のとおり、契約数を基本としつつ、一定の契約数を除外して算定しています。

利用者数 = 契約数

-通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」並びにMVNOへ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る契約数

-5G契約、Xi契約及びFOMA契約と同一名義のデータプラン契約数

 

なお、通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」、MVNOへ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る収入並びに「dポイント」等に係る収入影響等は、ARPUの算定上、収入に含まれていません。

 

(3)キャッシュ・フロー及び財政状態の状況の分析

 

キャッシュ・フロー

前連結会計年度及び当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2021年4月1日から

2022年3月31日まで)

当連結会計年度

(2022年4月1日から

2023年3月31日まで)

営業活動によるキャッシュ・フロー

30,103

22,610

投資活動によるキャッシュ・フロー

△16,992

△17,369

財務活動によるキャッシュ・フロー

△14,381

△5,902

現金及び現金同等物の期末残高

8,346

7,939

 

NTTグループにおいては、事業が創出する安定的なキャッシュ・フローが設備投資等の経常的な投資活動に必要な支出を賄っているほか、株主還元(配当・自己株式取得)や借入金等の債務返済の主な原資となっています。

 

・営業キャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によって得たキャッシュ・フローは、2兆2,610億円となりました。

これは主に、非資金損益項目調整後の当期利益(当期利益に減価償却費、固定資産除却損等の非資金損益項目を加算)が2兆9,259億円となったことによります。

また、前連結会計年度の3兆103億円から7,492億円減少しています。これは、当期において、前期と比べ、非資金損益項目調整後の当期利益が294億円増加した一方で、主に運転資本等の増や法人税等支払いの増等により現金支出が7,786億円増加したためです。

 

・投資キャッシュ・フロー

当連結会計年度の投資活動に充てたキャッシュ・フローは、1兆7,369億円となりました。

これは主に、有形固定資産・無形資産及び投資不動産の取得による支出が1兆8,519億円となったことによります。

また、前連結会計年度の1兆6,992億円から支出が378億円増加しています。これは、当期において、前期と比べ、有形固定資産・無形資産及び投資不動産の取得による支出が938億円増加したこと等によるものであります。

 

・財務キャッシュ・フロー

当連結会計年度の財務活動に充てたキャッシュ・フローは、5,902億円となりました。

これは主に、株主還元による支出が9,508億円、借入債務の収支が6,930億円の収入となったことによります。

株主還元による支出の内訳は、配当金4,397億円、自己株式の取得5,111億円の支出です。また、借入債務の収支の内訳は、短期借入債務の増加による収入2,956億円、長期借入債務の増加による収入1兆909億円、長期借入債務の返済による支出6,934億円です。長期借入債務の増加による収入の内訳として、当連結会計年度はグリーンファイナンスにより6,677億円を調達しており、環境課題の解決に資するプロジェクト(5G関連投資、FTTH関連投資、IOWN構想実現に向けた研究開発、再生可能エネルギー)に充当しています。

また、前連結会計年度の1兆4,381億円から支出が8,479億円減少しています。これは、当期において、前期と比べ、自己株式取得による支出が2,574億円増加した一方で、借入債務による収支が1兆2,389億円増加したこと等によるものであります。

 

 

財政状態

前連結会計年度及び当連結会計年度の資産、負債、資本の状況は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減

資産

238,622

253,089

14,466

負債

148,441

159,582

11,141

(再掲)有利子負債

73,643

82,305

8,663

資本

90,181

93,506

3,325

(再掲)株主資本

82,825

85,614

2,789

 

当連結会計年度末の資産は、営業債権の増やその他の流動資産の増等により、前連結会計年度末に比べて1兆4,466億円増加し、25兆3,089億円となりました。

当連結会計年度末の負債は、自己株式取得及び税金支払による借入金の増や円安の進展による負債の増等により、前連結会計年度末に比べて1兆1,141億円増加し、15兆9,582億円となりました。有利子負債残高は8兆2,305億円であり、前連結会計年度末の7兆3,643億円から8,663億円増加しました。

当連結会計年度の株主資本は、当期利益の増等により、前連結会計年度末に比べて2,789億円増加し、8兆5,614億円となりました。有利子負債の株主資本に対する比率は96.1%(前連結会計年度末は88.9%)となりました。また、株主資本に非支配持分を加えた資本は前連結会計年度末に比べて3,325億円増加し、9兆3,506億円となりました。

 

・現金及び流動性

NTTグループは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。当連結会計年度末のNTTグループの現金及び現金同等物残高は7,939億円であり、前連結会計年度末の8,346億円から406億円減少しました。現金及び現金同等物とは、負債の返済や投資等に利用される予定の一時的な余剰金のことで、運転資金として使用されます。したがって、現金及び現金同等物の残高は、その時点の資金調達や運転資金の状況に応じて毎年度変化します。

また、当連結会計年度末のコミットメントラインの未使用残高は、3,182億円でした。

 

・契約上の債務

下記の表は、当連結会計年度末におけるNTTグループの契約上の債務をまとめたものであります。

(単位:百万円)

 

負債・債務の内訳

支払い期限ごとの債務額

総 額

1年以内

1年超

5年以内

5年超

契約上の債務

 

 

 

 

長期借入債務※1

6,972,397

582,242

3,812,879

2,577,276

社債

3,275,830

381,685

1,649,307

1,244,838

銀行からの借入金

3,696,567

200,557

2,163,572

1,332,438

長期借入債務に係る支払利息

289,992

65,169

163,704

61,119

リース負債※2

1,212,540

221,915

499,417

491,208

購入コミットメント※3

628,370

336,987

288,570

2,813

その他の固定負債※4

 

 

 

 

 

※1.長期借入債務には1年以内に返済予定のものを含めて表示しています。長期借入債務の詳細については、連結財務諸表「注記4.5. 短期借入債務及び長期借入債務」をご参照ください。

※2.リース負債には利息相当額を含めています。

※3.購入コミットメントは主に有形固定資産その他の資産の購入に関する契約債務であります。なお、残余期間が1年内の購入コミットメントを含めていますが、解約可能な購入コミットメントを除いています。

※4.その他の固定負債は重要性がない、あるいは支払時期が不確実であるため、上表に金額を記載していません。なお、連結財務諸表「注記3.11. 従業員給付」に記載のとおり、NTTグループの年金制度に対して、翌連結会計年度に合計18,220百万円の拠出を見込んでいます。

 

当連結会計年度末のNTTグループの有形固定資産及びその他資産の購入等に係る契約債務残高は約6,284億円となっており、営業活動によって得たキャッシュ・フローによりこれらの売買契約代金の支払をする予定であります。

 

 

 

(4)重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断

重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断については、連結財務諸表「注記1.4. 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」をご参照ください。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

IOWN構想の具現化や様々な産業への技術の展開・課題解決等の取組みを推進しました。

 

IOWN構想

社会活動や経済活動のデジタルシフトが加速する中、通信ネットワークの利用は大きく拡大しデータ量・遅延・消費電力等が限界を迎えようとしています。IOWN構想は、革新的な光技術によってこの限界を打破し、持続可能な世界の実現をめざすものです。

 

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○ IOWN構想の具現化に向けた研究開発

-2023年3月、IOWN構想の実現に向けた初めての商用サービスとして、通信ネットワークの全区間で光波長を専有するAPN IOWN1.0(All-Photonics Network:オールフォトニクス・ネットワーク)の提供を開始するとともに、今後の展開を公表しました。

-IOWN2.0以降の早期提供に向けて、新たな半導体部品や、ソフトウェアの開発・提供を進めました。引き続き、本構想の目標達成及び、その早期実現に向けて取り組んでいきます。

 

光電融合デバイス研究開発ロードマップ

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IOWNのオープンイノベーション

-世界の様々な企業・団体とユースケースを議論し、必要となる技術、フレームワーク、アーキテクチャの開発を進めることで、新たなコミュニケーション基盤としてのIOWNの実現をめざしています。

-IOWNがめざす世界、及びそのイノベーションに賛同した世界の主要なICT企業等が参加するIOWN Global Forumのメンバー数は、117組織まで拡大しました。(2023年3月末時点)

 

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○ 様々な産業への技術の展開・課題解決

-第6世代移動通信方式(以下、6G)のサービス提供に向けた技術的課題を解決するため、当社及びNTTドコモは主要ベンダーとの協力体制を拡充し、国内外全5社と6Gの実現に向けた実証実験を協力して実施していくことで合意しました。

-宇宙統合コンピューティング・ネットワークの実現に向けた取組みを進めました。当社とスカパーJSAT株式会社が設立した合弁会社、株式会社Space Compassが事業を開始したほか、光通信技術を活用した宇宙から地球へのデータ伝送サービス(光データリレーサービス)の提供開始に向け、同社はSkyloom Global Corporation(本社:アメリカ)と共同事業契約を締結しました。

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-地球環境負荷の低減に貢献するため、海水中に溶け込んだ二酸化炭素(CO2)量を低減させる藻類の研究を進めています。研究の中で、藻類のCO2吸収量を増加させることが期待できる遺伝子特定に成功しました。本技術は、当社とリージョナルフィッシュ株式会社が設立に向けて基本合意書を締結した、将来の食糧不足、地球環境問題の解決をめざすグリーン&フード事業に関する合弁会社で活用していく予定です。

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当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりです。

セグメントの名称

金額

(百万円)

摘 要

総合ICT事業

129,904

通信事業の競争力強化に向けた移動・固定が融合した高品質かつ経済的な高機能ネットワーク、及びスマートライフ事業の拡大をめざしたサービスやデバイスの分野におけるイノベーション創出、さらにソリューション事業領域拡大に向け、ソフトウェア開発力強化によるデータドリブン・ESG経営を支える研究開発等

地域通信事業

84,840

IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等

グローバル・ソリューション事業

27,502

グローバル・ソリューション、システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等

その他

(不動産、エネルギー等)

135,121

ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等

小計

377,367

 

セグメント間取引消去

124,547

 

合計

252,820

 

 

上表の研究開発費用は、基礎的・基盤的研究から実用化研究開発までに係る費用を示しています。

当社が開発した技術のビジネス展開にあたっては、サービス・製品化を図る必要がありますが、このサービス開発に関する設備投資・費用は2,321億円であり、研究開発費用との合計については、4,849億円となっております。

 

※ サービス開発・機能追加に必要となる固定資産(ハードウェア、ソフトウェア等)への投資額や、サービス開発に要した人件費、委託費等が含まれています。

 

なお、当事業年度において当社が要した基盤的研究開発費用の総額は1,278億円(前期比5.9%増)となり、基盤的研究開発収入1,220億円(前期比0.0%増)を得ました。