第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、経営理念及び経営方針を以下のとおり定め、社会に対する企業責任を積極的に果たしてまいります。

『経営理念』

「東京センチュリーグループは、
高い専門性と独自性を持つ金融・サービス企業として、
事業の成長に挑戦するお客さまとともに、
環境に配慮した循環型経済社会の実現に貢献します。」

 

<経営方針>

・お客さまとの連携や、グループの総力の結集をもって、
あらゆる可能性を追求しながら、
グローバルに最良の商品・サービスを提供し、
お客さまの事業発展に貢献します。

 

・新しい事業領域を切り拓きつつ、
持続的成長を実現することにより、
中長期的な企業価値の向上に努めます。

 

・多様な人材の能力と個性の積極的な発揮を促す風土を醸成し、
すべての役職員が専門性を高め、
成長と誇りを実感できる企業を目指します。

 

・企業の社会的責任を常に意識し、
循環型経済社会づくりを担う存在として、
積極的かつ誠実に事業活動を行います。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社は2023年5月12日に「中期経営計画2027」(2023年度~2027年度)を策定しスタートさせました。「中期経営計画2027」では、高い収益性と安定性のあるポートフォリオへの変革を進め、稼ぐ力の強化とESGの推進によるサステナビリティ経営の好循環サイクルを確立し、持続的な価値創造を続けてまいります。

 

〈中期経営計画2027テーマ〉

『自らを変革し、変化を創造する』

-TC Transformation and Sustainable Growth-

 

将来も持続的な成長を続けるため、これまで築いてきた強みを深化させるとともに、変化に対応するだけではなく自らを変革し、変化を創造する企業グループを目指します。

 

 

〈基本方針〉TC Transformation

 将来の持続的な成長に向け、主に4つの要素について変革を図ります。これらの変革を進める中で、稼ぐ力の強化とESGの推進を実行し、企業価値を向上させてまいります。

 


 

〈目標指標〉


 

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大、上海ロックダウン、ロシアのウクライナへの侵攻とそれに続く国際商品相場の高騰、欧米を中心とする世界的なインフレの加速と金利の上昇等により、引続き先行き不透明な状況にあります。

当社グループにおいては、「中期経営計画2027」にて定めた以下の事業戦略を遂行してまいります。

 

〈事業戦略〉

「金融」・「サービス・事業」をカテゴリー化し、各ビジネスカテゴリーにおける期待収益率、リスク・リターン、Capability、マーケットの成長性等を加味した、ポートフォリオの適切な配分をおこないます。利益成長とROA向上に徹底的にこだわり、高い収益性と安定性のあるポートフォリオへと変革を進めてまいります。

ポートフォリオの変革を進める中で、バランスシートマネジメントの強化と総合リスクマネジメントの強化・リスク管理の高度化を並行して推進してまいります。

また、環境インフラ事業分野を新たな事業分野として独立させ、環境ビジネスにかかる専門性と独自性を持つ事業分野を設立することで、ナレッジの高度化及び共有化を図り、当該ビジネスの深化、推進を目指しております。

 

 

① 国内リース事業分野


 

 

 

② オートモビリティ事業分野


 

 

③ スペシャルティ事業分野


 

 

 

④ 国際事業分野


 

 

⑤ 環境インフラ事業分野


 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) ガバナンス及びリスク管理

① ガバナンス

(サステナビリティ共通)

企業価値の最大化には、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが重要な経営課題であるとの認識のもと、経営環境の変化に迅速かつ的確な判断を可能とし、健全で透明性の高い経営体制の実現に取り組んでおります。

とりわけ、サステナビリティ経営戦略は、当社の事業活動における重要な骨格であり、事業を通じて社会課題の解決に貢献し、社会と当社の持続的な成長と企業価値向上を図るサステナビリティ経営を進めるため、SDGsに対応するマテリアリティの取り組みを推進し、進捗状況を確認するPDCAサイクルを構築しております。

具体的には、当社はサステナビリティ経営に関わる審議機関としてサステナビリティ委員会を設置し(2018年4月)、原則年2回開催しております。サステナビリティ委員会で審議された重要事項については、経営会議及び取締役会に報告・審議を行い、取締役会の監督を受ける体制を構築しております。サステナビリティ委員会は取締役経営企画部門長が委員長を務め、サステナビリティを重要な経営課題と認識して取り組みを進めております。

 


 

なお、コーポレート・ガバナンス全般については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)1) 企業統治の体制」もご覧ください。

 

(気候変動)

2022年度において、気候変動に関して特に重要性の高いテーマとして、当社グループの温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロを目指す「2040年度カーボンニュートラル方針」の検討をいたしました。本方針は、サステナビリティ委員会で審議・承認された後、経営会議及び取締役会にて審議・承認され、2022年9月に「2040年度カーボンニュートラル方針」として公表しております。(内容詳細は、「(2) 重要な戦略並びに指標及び目標 ②指標及び目標 (気候変動)」をご参照ください。)

 

 

② リスク管理

(サステナビリティ共通)

当社取締役会は、当社の適切なリスク管理を行うため、「リスク管理の基本方針」を定めております。当社に係るリスクを全体として把握・評価し、必要に応じ定性・定量それぞれの面から、適切な対応を行うため、総合リスク管理委員会を設置し、同委員会規程に基づき、総合的なリスク管理を実施しております。

企業のサステナビリティと特に関係の深い非財務リスクは、オペレーショナルリスクとして、総合リスク管理部がリスクの抽出・計量化、対応策の見直し等を行うとともに、総合リスク管理委員会において、総合的な管理を実施しております。当社は、オペレーショナルリスクとして、以下の図に記載のとおり、11項目を特定し、管理しております。なお、2023年4月1日より昨今の国・地域における政治・経済・社会情勢の変化や国際的な制裁・法規制の変更をより適切に把握する観点から、従来、信用リスクとして管理していたカントリーリスクを大分類のリスク項目といたしました。

 


リスク管理体制の整備の状況の全般については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)2) 内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況」もご覧ください。

 

 

(気候変動)

当社グループは、経営理念に掲げる「環境に配慮した循環型経済社会の実現」に向けて、気候変動への対応を重要な課題として認識しております。この認識の下に、2021年4月28日に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明しております。また、TCFDコンソーシアムにも加盟し、気候変動への対応を進めております。

気候変動リスクの管理については、非財務のリスクカテゴリー「オペレーショナルリスク」の一つに位置付け、年2回、「非財務情報のリスク指標」として総合リスク管理委員会を通じて取締役会にモニタリング結果を報告する体制を構築しております。

当社では、中・長期的な気候変動リスクとして、台風・豪雨等の異常気象による緊急性の物理的リスク及び炭素税の導入・法規制の強化といった移行リスクが存在し、社会的に多大な影響を与える気候変動が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があると認識しております。

具体的には、TCFD提言に準拠したシナリオ分析の実施と情報開示を開始するなど、気候変動への対応を進めている中で、当社グループとして主に以下の気候変動リスクを特定しております。

● 「環境・エネルギー事業(太陽光発電事業)」に関しては、台風・豪雨等の異常気象による緊急性の物理的リスク及び炭素税の導入・法規制の強化といった移行リスク。

● 「航空機事業(航空機リース事業)」に関しては、異常気象の激甚化の影響により被る物理的リスク及び各国の炭素排出目標や航空業界独自の規制といった移行リスク。

● 「オートモビリティ事業(法人・個人向けオートリース事業)」に関しては、異常気象の激甚化の影響による物理的リスク(洪水・大雨の影響による車両生産の遅延等)及びガソリン車・ディーゼル車からEVへシフトすることに伴う移行リスク(給油から充電への変化等)。

なお、シナリオ分析の詳細は、以下のURLから「気候変動への対応とTCFDへの賛同」(シナリオ分析の対象事業別実施内容)をご覧ください。

https://www.tokyocentury.co.jp/jp/csr/environment/tcfd.html#anc_03

 

(2) 重要な戦略並びに指標及び目標

① 戦略

(サステナビリティ共通)

当社のサステナビリティの根源は、金融・サービス企業としてステークホルダーの皆さまとともに持続的な成長と企業価値の向上を図り、循環型経済社会の実現に貢献することにあります。SDGsの目標を読み解き、10年後・20年後の未来を想定し、必要とされる金融・サービスの創出を志向するバックキャスティングのもと、サステナビリティ経営を推進しております。

当社は、事業を通じて社会課題の解決に貢献し、社会と当社の持続的な成長と企業価値向上を図るサステナビリティ経営を進めるため、SDGsに対応する5つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、取り組みを進めております。

なお、当該マテリアリティを特定するに当たっては、SDGsを踏まえた、ステークホルダーからの優先度と当社にとっての優先度を勘案のうえ、「マテリアリティマップ」を策定し、サステナビリティ委員会、経営会議及び取締役会での議論を経て決定しております。

 


 

 

(当社マテリアリティに係る2022年度の事業上の代表的な取組事例)

 当社のマテリアリティに関係する2022年度の代表的な事業の事例として、以下の取り組みが挙げられます。

脱炭素社会への貢献:

● タイ、フィリピン及びインドネシアでの二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業の採択

● 国内精密機器メーカーの工場における寄付型のコーポレートPPA(自家発電サポートサービス)の提供開始

● カーボンクレジット付きリースの提供開始

技術革新に対応した新事業創出:

● 食品流通のDXを推進するスタートアップ企業への出資

社会インフラ整備への貢献:

● 交通事故につながる可能性の高い場面を自動検知する次世代AIドライブレコーダーサービスを提供するIT企業との業務提携による交通事故削減の支援

持続可能な資源利用への対応:

● 当社連結子会社CSI Leasing Inc.のドイツ、デンマーク及びスウェーデンにおける現地企業の買収によるIT機器のライフサイクルマネジメントサービスの更なる推進

● 電力会社との電動車の使用済み電池利活用に係る業務提携契約の締結

人材力強化につながる職場環境整備:

● 従業員同士のコミュニケーション活性化を目的とする交流会「TC-Mee+(ミータス)」をスタート

 

(気候変動)

5つのマテリアリティ(重要課題)のうち、特に気候変動に関係する項目として「脱炭素社会への貢献」を掲げております。当社グループでは、気候変動・環境への取り組みを通じたクリーンエネルギーの普及への貢献を重点取り組みとして、太陽光発電事業をはじめとする再生可能エネルギー事業を通じて気候変動緩和への取り組みを進め、脱炭素社会の実現に向けて貢献しております。

例えば、営農併設型太陽光発電事業や水上型太陽光発電事業への参入、コーポレートPPAによる電力サービスの拡充など、これまでに蓄積してきた再生可能エネルギーの知見を活かして新たな領域に取り組みを広げています。更に海外でも、環境省及びその執行団体である公益財団法人地球環境センター(GEC)による「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)」への取り組みを通じて、日本の環境技術を活用したアジア地域における脱炭素社会に向けた貢献を進めております。

また、オフィスでは、当社グループでのカーボンニュートラルに向けた取り組みの一環として、2023年1月から、当社及びグループ会社が入居する秋葉原所在のビル3棟における使用電気の100%を再生可能エネルギー由来に変更いたしました。

当社グループは、今後とも国内・外において環境に優しいクリーンエネルギーの普及による脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。

 

② 指標及び目標

(サステナビリティ共通)

当社では、サステナビリティ経営の戦略に紐づく、5つのマテリアリティ(重要課題)に係る非財務のKPIを設定し取り組みを進めております。

本欄(「サステナビリティに関する考え方及び取組」)には、5つのマテリアリティ(重要課題)に係る非財務のKPI等のうち、特に代表的な取り組みのKPI等を記載しております。

 

マテリアリティ

KPI

対象

目標年度

目標

2021年度実績

脱炭素社会

への貢献

連結子会社4社(※1)の太陽光発電事業推進を通じたCO2削減への貢献

年間発電量

2022年度

478,900MWh以上

482,795MWh

CO2削減量(通常火力発電対比)

2022年度

191,321t-CO2以上

192,877t-CO2

JCM(二国間クレジット制度)の想定GHG削減量(累計)

GHG(温室効果ガス)の想定削減量(累計)

2025年度

56,000t-CO2

35,457t-CO2

技術革新に

対応した

新事業創出

経済産業省が認定する「DX認定制度(※2)」の認定維持

2021年3月にDX認定事業者として認定を取得

社会インフラ

整備への貢献

テレマティクスサービス導入台数

NCS・NRS・OAL(※3)

74,180台

持続可能な資源

利用への対応

リファービッシュ事業の推進

中古PC年間販売台数

2024年度

210,000台以上

247,456台

人材力強化に

つながる

職場環境整備

男性の育児休業取得率

TC単体

2022年度

100%

100%

管理職に占める女性比率

TC単体

2022年度

30%

9.7%

 

※1 連結子会社4社:太陽光発電事業会社「京セラTCLソーラー合同会社」他3社が対象

※2 DX認定制度:2020年5月に施行された「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づく認定制度

※3 NCS:日本カーソリューションズ株式会社、NRS:ニッポンレンタカーサービス株式会社、OAL:株式会社オリコオートリース

詳細は以下のURLからサステナビリティデータブック2021(p12‐17)をご覧ください。

https://www.tokyocentury.co.jp/download/pdf/jp/csr/databook2021_all.pdf#page=13

 

(気候変動)

2020年10月、わが国政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、いわゆる「カーボンニュートラル宣言」を表明しましたが、当社は、政府の目標達成年よりも早いカーボンニュートラルを目指す意欲的な目標として、2022年9月に「2040年度カーボンニュートラル方針」を策定・公表いたしました。当社のカーボンニュートラル方針は、周南パワー株式会社(連結子会社)のトランジション・ロードマップを含む、当社グループのスコープ1及びスコープ2の温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロを目指すものとなっております。

また、当社グループの2021年度の温室効果ガス(GHG)排出量の実績は以下のとおりです。当社においては、カーボンニュートラルを目指す社会的な潮流や企業に対する気候関連情報の開示要請が高まっている状況を踏まえ、スコープ1及び2の排出量のみならず、スコープ3の排出量の把握範囲の拡大に努めるとともに、温室効果ガス(GHG)排出量の削減のための方策も引き続き検討してまいります。

 

単位:t-CO2

スコープ区分

2021年度

スコープ1(直接排出)

10,963

スコープ2(エネルギー起源の間接排出)

9,177

スコープ3(サプライチェーンなどスコープ1、2以外の排出)

6,195,446

合計

6,215,586

 

※1 スコープ1及びスコープ2は、東京センチュリーグループ(合計60社)で算定。スコープ3は、原則として東京センチュリー単体で算定。

※2 詳細なスコープ1、2及び3の対象範囲は以下のURLからサステナビリティデータブック2021(p03‐04)をご覧ください。

https://www.tokyocentury.co.jp/download/pdf/jp/csr/databook2021_all.pdf#page=4

※3 スコープ3のカテゴリー別内訳は以下のURLからサステナビリティデータブック2021(p23)をご覧ください。

https://www.tokyocentury.co.jp/download/pdf/jp/csr/databook2021_all.pdf#page=24

 

当社の「2040年度カーボンニュートラル方針」の詳細は以下のURLからプレスリリースをご覧ください。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/8439/tdnet/2178430/00.pdf

 

(3)人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略並びに指標及び目標

1)戦略

「中期経営計画2027」のKey ConceptであるTC Transformationの要素として、人材・組織Transformation(HRX)を推進し、経営戦略・事業戦略を支える人材/組織戦略を着実に遂行してまいります。

 


 

人材/組織戦略に基づく、人材育成の方向性、社内環境整備の方向性は以下のとおりであります。

 

〈人材育成の方向性〉

従業員一人ひとりが個々の人間力を磨きながら成長し、自らを変革し、変化を創造することのできる人材を育成します。

① 自己変革力 自らのなりたい姿を実現するために進化を続け「変革する」力を高められること

② 創造力   過去の自分を超えて新しい価値を生み出す「創造力」が豊かであること

③ 挑戦心   様々なことに関心・意欲がある「挑戦心」を持ち続けられること

 

〈社内環境整備の方向性〉

当社が持つ高い組織実行力を維持しつつ、個々人が自由な発想力で働くことのできる環境を整備します。

① 多様な人材が健やかでやりがいを持ち前向きに働ける組織づくりの整備

② 社会情勢やライフステージ、事業環境の変化に応じた学び・学び直しの場の整備

③ 従業員同士のコミュニケーションが円滑に行える職場環境の整備

 

 

2)指標及び目標

  当社では、経営戦略・事業戦略を支える人材/組織戦略の遂行のため、以下の人材育成・社内環境整備に係るKPI、指標・目標を設定し取組みを進めております。

 

 ① 「中期経営計画2027」における経営目標及び主要KPI

 

目標・KPI

直近実績

 エンゲージメント指数(経営目標)

従業員エンゲージメント調査における肯定的回答率の維持・向上

63%

 人材確保・育成に向けた投資(単体)(KPI)

「研修費用」+「研修時間×

人件費」+「人材採用費用」

 2027年度:8億円以上

4億円

 新卒採用に占める女性比率(単体)(KPI)

新卒に占める女性比率維持

42.1%

 キャリア採用比率(単体)(KPI)(※)

従業員に占める

キャリア採用比率の維持・向上

33.5%

 

(※)2023年4月1日付の数値を記載

 

 ② 関連する指標・目標

 

目標

直近実績

 管理職に占める女性比率(単体)

2030年までに30%以上

11.8%

 障がい者雇用率(単体)

法定雇用率(2.7%)以上の

雇用を維持

2.8%

 有給休暇取得率(単体)

70%以上を維持

78.8%

 男性の育児休業取得率(単体)

100%を維持

100.0%

 介護離職者(単体)

ゼロを維持

0名

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の内容、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

なお、当社グループはリスクを把握し、管理する体制を構築しておりますが、詳細について、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 2)内部統制システム及びリスク管理体制の整備状況」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(金融商品関係)」をご参照ください。

 

(特に重要なリスク)

(1) 信用リスク

当社グループが取り扱っているリース、割賦、貸付取引は、与信先に対し比較的長期間にわたり、信用を供与する取引であります。しかしながら、今後の景気動向、取引先の信用状況の悪化等により、不良債権が増加した場合、貸倒費用が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた特定業種を中心に企業の信用状況が更に悪化することで新たな不良債権が増加した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<リスクに対する対処内容>

信用リスクについては信用リスク管理委員会を設置し、同委員会規程に基づき、基本方針を定め、信用リスクの計量、管理を行っております。個別案件取組に際しては、与信業務規範に則り、取引の相手方、案件の内容、物件価値等を総合的に評価したうえでその可否を判断しております。また、大口案件や新種スキーム案件等の複雑な判断を要する案件については、案件審査会議を設置し、同会議規程に基づき審査・決裁しております。加えて、内部格付制度にもとづく1社与信ガイドラインの運用やカントリーエクスポージャー管理などポートフォリオ全体として与信が集中しないよう信用リスクをコントロールし、リスクの極小化に努めております。

 

(2) カントリーリスク

当社グループでは、海外における事業展開や投資を積極的に進めており、これらの国や地域における法令や規制の変更や、政治・経済・社会情勢の変化により生じる予期せぬ事態等により、当社グループの事業展開や投資が順調に展開できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<リスクに対する対処内容>

昨今の地政学的リスクの顕在化を踏まえ、カントリーリスクをリスク分類として独立させ、全社的に管理強化に取り組んでおります。具体的には、カントリーリスクに関する情報収集・社内周知の強化、カントリーエクスポージャーのモニタリング強化、投融資対象不適格国の指定、情報セキュリティーや腐敗防止等の観点から外国所在の事業関係者等のリスク評価の強化などを行っております。

 

(3) 市場リスク

① 金利変動リスク

当社グループが取扱っているリース・割賦取引において、リース料等は物件購入代金のほか、契約時の金利水準等を基準として設定され、契約期間中のリース料等は原則として変動いたしません。一方、リース・割賦取引の物件購入資金の原価である資金原価(金融費用)は、固定金利の資金調達のほかに変動金利による調達もあるため、この部分については市場金利の変動による影響を受けます。市場金利が急激に上昇した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 為替変動リスク

当社の海外における連結子会社・持分法適用関連会社の収益や費用については期中平均相場により円貨に換算しており、為替相場の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。海外事業に対する投資についても、為替の変動による株主資本の毀損リスクや、期間損益の減少リスクが存在し、為替相場が大幅に変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<リスクに対する対処内容>

金利変動、為替変動等の市場リスクについては、ALM委員会を設置し、同委員会規程に基づき、資金の運用と調達の総合的な管理を実施しております。当社グループではALM(資産・負債総合管理)分析に基づき、ヘッジ比率、マチュリティーラダー、ギャップ分析、GPS(Grid Point Sensitivity)、VaR管理等を導入し、リスクを適切に管理し、必要に応じてリスクヘッジを行っております。

 

(4) 投資リスク

① 有価証券価格変動リスク

当社グループは、取引企業との関係強化や営業投資目的の観点から、上場・非上場有価証券を保有しております。当社グループでは、純投資目的以外の目的である投資株式について、個々の取引関係等に応じて定期的に保有適否の見直しを行い、また営業投資目的の有価証券は定期的に価格変動等のモニタリングを実施しておりますが、今後の価格の変動等により、評価損等が発生し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 戦略的提携、企業買収、出資に関わるリスク

当社グループは、リース・金融といった分野に留まらずに、国内外のパートナー企業とともに事業性ビジネスを展開するための戦略的提携や企業買収、出資を行っております。2016年にCSI Leasing, Inc.の完全子会社化、2018年に神鋼不動産株式会社(現、TC神鋼不動産株式会社)の連結子会社化(70%取得)、2019年にAviation Capital Group LLCの完全子会社化など営業基盤の拡大を図ってまいりました。このような戦略的提携や企業買収、出資に関し、法制度の変更や競争の激化、金融環境の変化などにより、戦略的提携の解消並びにそれに伴うサービスが提供できなくなる可能性や、戦略的提携、企業買収、出資が期待どおりの効果を生まず、減損損失、評価損、持分法投資損失等の発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、買収対象子会社・関連会社の業績が計画通りに伸長せず、当初認識したのれん及び無形資産の効果が期待どおりに実現しない場合には、のれん及び無形資産の減損損失の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

<リスクに対する対処内容>

当社グループは、多様化する投資リスクを適切にコントロールしつつ、事業ポートフォリオの最適化を実現することを目的として、投資採択基準の明確化や統一的モニタリングプロセスの構築、継続・撤退の判断基準明確化等を主眼とした投資管理のための投資マネジメントフレームワークを策定し、2021年4月より運用を開始しております。一定の基準に該当する投資案件の採択検討時に、経営会議の審議前に投資に係る諮問委員会を開催し、案件ごとのリスクに対応した資本コスト考慮後収益性(定量基準)や当社戦略との整合性等(定性基準)を確認するとともに、事業計画や投資ストラクチャー、想定されるリスク量や環境への影響等について、専門部による多角的な評価を実施いたします。加えて、投資実行後は統一されたプロセスに基づくモニタリングを行い、定期的に投資案件の現状と採択時のシナリオとの整合性を確認するとともに、当初の計画が達成できないことが明らかな場合には、あらためて投資継続の是非を協議いたします。案件採択からモニタリング、投資継続判断までを統一的に管理する新たな枠組みを適切に運用することにより、投資に係るリスク管理の一層の高度化を図るとともに、事業ポートフォリオ最適化に向けた取り組みを強化してまいります。

 

(5)ものにかかわるリスク

当社グループは2009年4月の合併以降、ファイナンス・リース、貸付等の金融を主軸としたビジネスからの変革に注力し、航空機、オート、不動産等モノの付加価値に着目したオペレーティング・リースやアセット投資の拡充を図ってきております。次の10年に向けた強固な事業基盤を確立すべく、その取り組みの一つとして、2019年に米国大手航空機リース会社Aviation Capital Group LLCを完全子会社とするなど、ポートフォリオ全体に占めるアセットビジネスの比率は高まっております。しかしながら、グローバル経済の大幅な悪化などが起因し、航空機、不動産マーケットに急激な変化等が生じた場合、対象資産の収益性の低下等により、資産価値が大幅に下落し、減損損失等の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた航空機リース事業について、感染再拡大による需要の減少や、収益性の低下により、資産価値が著しく下落した場合には、減損損失、追加的な費用の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<リスクに対する対処内容>

 当社グループが保有する航空機について、流動性の高い平均機齢の若いナローボディー機が中心で、満了時期を分散するなど、アセットリスクを考慮したポートフォリオを構築しております。また、航空機、オート、不動産等資産価値を有する物件の「ものにかかわるリスク」については、各リスク所管部にて管理するとともに総合リスク管理委員会において、リスク量やその状況等の管理を行っております。なお、アセット価値の変動リスクについて、他のリスク同様に統計的手法でVaR(最大想定損失額)を連結ベースで計量するなど定期的にモニタリングをしております。

 

(6) 流動性リスク(資金調達)

当社グループは、事業に必要な資金を賄うため、銀行借入れによる間接調達のほか、社債やコマーシャル・ペーパーの発行、債権流動化による直接調達によって資金調達を行っております。金融市場の混乱や当社グループの財務内容の悪化などにより、調達環境が変化し資金調達の制約を受けることで、業績に影響を与える可能性があります。

 

<リスクに対する対処内容>

流動性管理指標として長期調達比率、安定調達比率、流動性カバレッジ指標等を導入し、資金調達の多様化、金融機関とのコミットメントライン契約及び当座貸越契約の締結、市場環境を考慮した調達バランスや手元流動性の調整などによって、流動性リスクに対処しております。

 

(その他重要なリスク)

(7) システムリスク、情報セキュリティリスク

営業関係、契約管理、資産管理、統計業務等広範囲にわたって活用しているコンピュータシステムについて、不測の事態による停止、誤作動、外部からの不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入などが発生した場合、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは個人情報を含む顧客情報や内部情報を有しており、仮に重要な情報が当社グループ又は外部委託先から漏えいした場合、損害賠償やレピュテーションの毀損等により損失を被る可能性があります。

 

<リスクに対する対処内容>

情報セキュリティ対応は、標的型攻撃メールやランサムウェア、ビジネスメール詐欺等のサイバーテロからお客さまや当社の情報資産を守るため、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO27001を取得し、情報セキュリティ委員会を中心に情報管理に関する規程やルールの整備、定期的なリスクアセスメントの実施によるリスクへの対策、有効性評価アンケート等を実施しております。また、ハードやソフトのシステム的なセキュリティのみならず、役職員一人ひとりが日頃から必要な対策や基本動作を怠らないことが大切と認識し、情報セキュリティ研修や標的型攻撃メール訓練を定期的に実施し役職員のレベルアップを図っております。

サイバーセキュリティ対策は、「TC-CSIRT」を設置しインシデント発生時の被害拡大防止を図るとともに、平時におけるセキュリティ監視、マニュアル類の整備や役職員への啓発活動等を通じて、インシデントの発生予防や再発防止に努めております。また、サイバー攻撃は日々高度化・巧妙化するため、サイバーセキュリティ対策についての第三者アセスメントの定期的実施や日本シーサート協議会への加盟による外部との積極的な情報共有などを通じ、 対応の高度化を図っております。さらに、インシデント対応力強化を目的に、サイバー攻撃の実践を想定した演習を定期的に実施しています。本演習を通し、インシデント発生時の対応力を検証するとともに、改善ポイントの抽出と対策の検討を繰り返し実施することにより態勢強化に努めております。

 

(8) 人材確保に関するリスク

当社グループは、「金融機能を持つ事業会社」として、国内外で事業の多角化を進めており、多様な人材を安定的に確保する必要があります。当社グループが必要な人材を十分確保・育成できない場合や、雇用している人材が退職した場合、専門人材の雇用に係るコストの追加発生や、提供しているサービスの質が低下するなど、当社グループの事業活動や業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

<リスクに対する対処内容>

各種事業の競争力を維持・強化していくために、採用方法の工夫やダイバーシティへの取り組み強化、キャリアチャレンジ制度をはじめとした各種施策の実施など、人材力強化につながる職場環境の整備を通じて、有能な人材の安定的な確保・育成・従業員エンゲージメントの向上に努めております。

 

(9) 災害等によるリスク

当社グループは、地震、風水害、火災、及び人為的な大規模災害や感染症等の予測不能な事象による危機に備え、事業継続計画(BCP)に関する対応を定めておりますが、予想外の経済的損失を被った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<リスクに対する対処内容>

大規模災害をはじめとした危機事象が発生した場合の対応体制等については、「危機対策規程」及び「事業継続計画規程」に基づき、BCPマニュアル「大規模災害編」「感染症編」の制定、安否確認システムや防災サイト等を整備し、定期的に訓練を実施しております。また、テレワーク環境の整備によりオフィス被災時や出社困難時の対応にも備えております。

 

(10) 制度変更リスク

当社グループは、現行の法律・税務・会計等の制度や基準をもとに事業を展開しております。将来、これらの諸制度が大幅に変更された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 気候変動リスク

当社グループは、「環境に配慮した循環型経済社会の実現」に向けて、気候変動への対応を重要な課題として認識しております。「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明し、TCFD提言に準拠したシナリオ分析の実施と情報開示を開始するなど、気候変動への対応を進めております。2030年までの長期的なリスクとして、台風・豪雨等の異常気象による緊急性の物理的リスク及び炭素税の導入・法規制の強化といった移行リスクが存在し、社会的に多大な影響を与える気候変動が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

<リスクに対する対処内容>

2021年4月28日に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明して以降、気候変動に係るリスク重要度評価から、環境・エネルギー事業(太陽光発電事業)、航空機事業(航空機リース事業)、オートモビリティ事業(法人・個人向けオートリース事業)を対象に、TCFD提言に沿って、複数のシナリオを用いた気候変動リスク及び機会の特定と、定性的・定量的な事業インパクト評価を実施いたしました。今後とも、リスクへの対応策と機会の獲得について更に検討を深めるとともに、シナリオ分析の対象事業の拡大と、分析精度の向上を図ってまいります。また、事業活動を通じた環境影響・貢献を把握するため、新規に取り組む投資や審査の個別案件に関する環境影響評価の実施、環境を含めた非財務情報のリスク指標を定めて取締役会によるモニタリングを行っております。

 

(12) 民間設備投資動向の変動によるリスク

民間設備投資額とリース設備投資額とは、一時的な差異はあるもののほぼ相関関係にあり、今後もこの傾向は続くものと考えられます。当社グループは、金融を主軸としたリースからモノの付加価値を高める金融・サービスに注力する姿勢を強く打ち出し、パートナー企業との協業による事業性ビジネスの拡大を中心に、事業領域の大幅な拡大を進めておりますが、今後民間設備投資額が大きく減少し、リース設備投資額も大きく減少した場合は、タイムラグはありますが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) その他のリスク

上記リスクの他、不適切な事務処理が行われることによる事務リスク、法令や社会規範が順守されなかった場合に社会的信用の失墜に繋がるコンプライアンスリスク、レピュテーショナルリスクなどがあります。また、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株が出現、拡大し、再び人・モノの動きを遮断し、消費や生産活動の落ち込みを生じさせるなど、グローバル経済全体に大きな影響を及ぼした場合、当社グループの事業活動や業績・財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

※「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において、億円単位で記載している金額は億円未満を四捨五入しております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの事業の取組状況、財政状態及び経営成績の状況、キャッシュ・フローの状況、並びに営業取引の状況の概要(以下「経営成績等」)は次のとおりであります。

 

① 事業の取組状況

(営業基盤の強化)

〔国内リース事業分野〕(2023年4月に新設した環境インフラ事業分野を含む)

・お客さまの脱炭素経営の取り組みや、企業価値向上を支援することを目的に、カーボンクレジット付リースの取り扱いを開始しました。カーボンクレジット付リースは、当社及びグループ会社が提供するリース・オートリース等に、J-クレジットをはじめとしたカーボンクレジットのオフセットサービスを付加したものであり、当該サービスを活用することで、生産設備・IT機器・車両等のリース物件の使用に伴い排出するCO2のオフセットが可能となります。お客さまの目的に応じた最適なカーボンクレジット付リースを提供することに加えて、クレジットの購入や無効化手続きなどの必要な事務手続きを代行することにより、簡便にカーボン・オフセットの実施をすることが可能になります。

・JFEエンジニアリング株式会社と国内コーポレートPPA事業に係る太陽光発電事業会社「アーバンエナジーPV合同会社(以下、新会社)」を設立し、協業を開始いたしました。本協業では、新会社が太陽光発電設備の所有・発電事業を担い、PPA事業者へ電力を供給し、PPA事業者は電力需要先に対して再エネ電力の供給やO&M(保守・管理)サービスを提供します。新会社は、電力需要先の建物屋根上や土地に太陽光発電設備を設置し、PPA事業者を通して発電される電力を供給いたします。今後とも当社は、カーボンニュートラルへの取り組みなど再生可能エネルギー由来の電気の利用を検討しているお客さまに対して、長期間にわたり再エネ電力を安定供給するとともに、国内コーポレートPPA事業の更なる拡大を推進し、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

 

〔国内オート事業分野〕(2023年4月よりオートモビリティ事業分野に改称)

・当社のグループ会社である日本カーソリューションズ株式会社(以下、NCS)とGO株式会社(旧、株式会社Mobility Technologies)は、GO株式会社が提供する次世代AIドラレコサービス『DRIVE CHART』に関する顧客紹介契約を締結し、NCSのリース契約先等の取引先企業への『DRIVE CHART』の提供を開始しました。『DRIVE CHART』は、ドライブレコーダーをベースとした専用車載器から得られる各種データから、交通事故につながる可能性の高い危険シーンを自動検知し、ドライバーの運転傾向を分析するサービスで、一時不停止など自身では認識しにくい危険運転を可視化し、ドライバー自身はもとより、運行管理者による一括管理を実現することができます。また、個別最適化された運転改善方法を提案することによって交通事故削減の効果が期待でき、より安心で快適、便利なモビリティ社会の実現に貢献してまいります。

・関西電力株式会社と当社は、電動車の使用済み電池(以下、リユース電池)を活用した定置型蓄電池事業に係る業務提携契約を締結しました。本提携では、リユース電池を組み合わせ、これまでにない大規模な定置型蓄電池を系統用蓄電池として利用することや、ビルや工場等のお客さまへご提供することを検討します。本提携において当社はグループ会社を通し、リース期間が満了した電動車本体などからリユース電池の調達を行うとともに、定置型蓄電池の提供に向けたサービスの検討を担います。国内では再生可能エネルギーの導入が進む一方、時間帯や天候等で発電量の変動が大きくなるなど、需給調整力の確保が課題となっています。系統の安定化に不可欠な需給調整力の供出や、発電した電力の有効活用といった観点から、定置型蓄電池の重要性は今後増大していくものと考えられます。

 

〔スペシャルティ事業分野〕(2023年4月に新設した環境インフラ事業分野を含む)

・東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社及び京セラコミュニケーションシステム株式会社と共同で、太陽光発電事業におけるアセットマネジメントサービスとテクニカルマネジメントを提供する共同事業会社「A&Tm株式会社」を設立いたしました。アセットマネジメントとテクニカルマネジメントをワンストップで提供することにより、発電量の最大化及び発電設備の長期安定利用を可能とし、太陽光発電事業者の収益性向上を実現いたします。

・三菱地所株式会社と当社は、関係権利者の方々とともに開発を進めております東京駅日本橋口前「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」街区において、日本一の高さとなる「Torch Tower」高層部のホテルにウルトララグジュアリーホテル「Dorchester Collection(ドーチェスター・コレクション)」を誘致することを決定しました。ホテルの開業は2028年度を予定しており、世界各地の歴史や文化にその名を刻んできたDorchester Collectionとの融合により、TOKYO TORCHならではの世界観を創り上げ、他では体験することのできない日本・東京の真のラグジュアリー体験創出を目指します。

・洋上風力発電の普及・拡大に向けて注目されている電気運搬船の開発・製造並びに蓄電池を搭載したEV用急速充電器用電池の製造・販売などを行う株式会社パワーエックス(以下、パワーエックス)の第三者割当増資を引き受けました。今回の出資を通して、パワーエックスが計画する蓄電池の普及サポートや、電気運搬船事業へのファイナンス提供等の機会を得ることにより、脱炭素社会の構築に貢献してまいります。

 

 

〔国際事業分野〕

・伊藤忠商事株式会社、日立建機株式会社及び当社の3社は、日立建機グループが取り扱う北米における建設機械の販売金融を行うファイナンス合弁会社「ZAXIS Financial Services Americas, LLC」を設立いたしました。3社はこれまでにもタイやインドネシアでファイナンス合弁会社を設立・運営してきた実績があり、これらの経験を生かし、北米におけるファイナンス合弁会社を設立することに合意したものです。北米の建設機械市場は世界最大規模であり、今後も住宅建設・インフラ分野などで安定した需要が見込まれます。国際事業分野の重点エリアである米国において、アジア地域における日立建機株式会社及び伊藤忠商事株式会社との合弁事業によりこれまで蓄積してきたファイナンスノウハウや、豊富な拠点ネットワークなどをフル活用することにより、更なる事業の成長を目指してまいります。

・当社とBank of the Philippine Islands(以下、BPI)の合弁会社であるBPI Century Tokyo Rental Corporation(以下、BPICTR)は、フィリピン共和国におけるオートビジネスの更なる強化を図るため、同国の大手独立系オートリース会社であるDiamond IGB Inc.(以下、Diamond社)と同社及びグループ各社(以下、Diamondグループ)の株式の100%取得を前提とした業務提携を締結し、協業を開始いたしました。Diamond社は、地場大手独立系リース会社として、フィリピン全土で車両のリース・レンタルを提供するとともに、グループ会社にて車両管理と車両の修理・メンテナンスを手掛け、車両に関する総合的なサービスを提供しております。本提携により、海外オートビジネスに強みを有する当社とフィリピン大手銀行として強固な営業基盤を有するBPIの合弁会社であるBPICTRに、オートビジネス専業として培ってきたDiamondグループの短期レンタル、シャトルサービス、運転手付リース、車両管理事務等の質の高いオートサービスが加わることとなり、これまで以上にお客さまのニーズにお応えすることが可能となります。

 

〔当社全般〕

・株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ系列のリース会社である東銀リース株式会社と資本業務提携契約を締結し、株式会社三菱UFJ銀行及び農林中央金庫とともに同社の第三者割当増資を引き受けました。当社の出資比率は25.0%となり、持分法適用関連会社となりました。各社の経営資源を活用し協力することにより、お客さまの経営課題や社会課題への対応を加速させることで、各社グループの企業価値向上を目指します。

 

(経営基盤の強化)

〔財務基盤の充実と強化〕

・株式会社格付投資情報センター(R&I)より取得している当社の格付「A」が「A+」に変更されました(方向性はポジティブ)。

・日本格付研究所(JCR)より取得している当社格付「AA-」の見通しが、安定的からポジティブに変更されました。

・当社は、環境、社会、経済に及ぼすインパクトを包括的に分析・評価し、ポジティブな影響を与える活動を継続的に支援することを目的とした、サステナブル・ファイナンスの一つであるポジティブ・インパクト・ファイナンスによる調達を推進し、累計調達額は本邦最大規模の2,001億円となりました。ポジティブ・インパクト・ファイナンスにおいて設定するKPIを達成することは、当社のマテリアリティである「脱炭素社会への貢献」、「技術革新に対応した新事業創出」、「持続可能な資源利用への対応」及び「人材力強化につながる職場環境整備」等に資するものであり、当社は今後とも環境・社会課題の解決や持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

〔その他経営基盤の強化〕

・連結子会社である周南パワー株式会社がバイオマス混焼発電所の商業運転を開始したことに伴い、同発電所のトランジション・ロードマップを含む、当社グループの温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロを目指す「2040年度カーボンニュートラル方針」を策定いたしました。当社の2021年度のGHG排出量の約98%は同社が保有するバイオマス混焼発電所からの排出量となりますが、当該バイオマス混焼発電所は、今後、バイオマス混焼比率を高めていくとともに、燃焼効率の高いブラックペレットの導入や、GHGを排出しないアンモニア混焼へのトランジションに向けた対応を進めていくことで、2040年度をターゲットにGHG排出量の実質ゼロ化の早期実現を目指します。また、国内外の連結子会社で使用する電力を中心に、再生可能エネルギー比率の向上も同時に進めていくことにより、当社グループの2040年度カーボンニュートラルの達成を目指してまいります。

・経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人認定制度」において、当社は「健康経営優良法人2023」(大規模法人部門)に認定されました。健康経営優良法人認定制度は、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。当社は、役職員一人ひとりが心身ともに健康で、いきいきと働ける環境を整備することが重要と捉えており、役職員とその家族の健康保持・増進に取り組んでおります。

・当社は、経済産業省が東京証券取引所と共同で実施する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2022」に選定されました。今回の選定で、DX銘柄の前身である「攻めのIT経営銘柄」(2015年度創設)から、8年連続での選定となります。リースを祖業とし、業種を超えた幅広いパートナー企業との共創に強みを持つ当社においては、IoTの普及や製造業におけるソフトウェア産業化などを背景として活用の裾野が広がる「サブスクリプション」が、ビジネス変革の推進力であると捉え、そのプラットフォームを提供すること等により、自社とパートナー企業双方の企業価値向上につなげてまいります。

・当社は、性別多様性に優れた企業を対象に構築される「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」の構成銘柄に選定されました。「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」は米国・MSCI社によるESG指数の一つで、企業のESGの取り組みを重視する世界の投資家から重要な判断基準として活用されております。当社は、「ダイバーシティ基本方針」に基づき、人種、宗教、性別、年齢、性的指向、障がいの有無、国籍にとらわれない、多様な人材の採用・育成・登用を進めているほか、役職員への研修・教育活動等を通じ、一人ひとりがお互いを尊重しながら能力を最大限発揮できる環境づくりを推進しており、「女性の活躍推進に向けた行動計画」において定める定量的目標に対し、取り組みの成果が着実に表れております。

 

 

② 財政状態及び経営成績の状況

業績につきましては、売上高は前期比470億円(3.7%)増加し1兆3,250億円、売上総利益は、国際事業で営業投資有価証券の評価損計上があったものの、スペシャルティ事業及び国内オート事業の増益により前期比184億円(8.9%)増加し2,255億円となりました。

販売費及び一般管理費は、前期比99億円(8.0%)増加し1,343億円となりました。主な要因は、国際事業及びスペシャルティ事業の人件費及び物件費の増加であります。

営業外損益は前期比71億円(90.9%)増加し150億円の利益となりました。主な要因は、持分法投資利益の増加であります。

これらにより、経常利益は前期比157億円(17.3%)増加し1,062億円となりました。

 

連結子会社Aviation Capital Group LLCは、ウクライナ侵攻による米国、欧州連合(EU)等によるロシアへの経済制裁を遵守し、ロシアの航空会社向け航空機リースを全て解除しましたが、ロシアによる経済制裁の対抗措置により、解除済みリース機体8機の内7機について、返還の見通しが立たず将来キャッシュ・フローの見積りが困難な状況にあります。さらに、返還を受けた1機についても機体の公正価値が帳簿価額を下回る状況にあります。また、同社がロシア籍の航空会社1社に対して有する融資・融資保証については、担保設定している機体をロシア国外へ移送し、仕組を再構築の上、回収を図ることが可能と判断しておりましたが、ウクライナ侵攻長期化の影響もあり、その後はロシア国外への移送手続きが滞り、ロシア側の承認手続きに進捗が見られず、回収の見通しが立たない状況が続いております。かかる状況を受け、当該機体の減損損失458億円、当該融資・融資保証の貸倒損失290億円の合計748億円を「ロシア関連損失」として特別損失に計上いたしました。それを主因として、特別損益は損失が前期比695億円増加し706億円の損失となりました。

また、法人税等は前期比96億円(31.4%)減少し211億円、非支配株主に帰属する当期純利益は前期比13億円(16.1%)増加し97億円となりました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比455億円(90.5%)減少し48億円となりました。

 

なお、12月決算会社である主な海外子会社・海外関連会社の連結財務諸表作成にかかる期中平均の為替レートは、当連結会計年度131.63円/米ドル(2022年1月~12月)、前連結会計年度109.90円/米ドル(2021年1月~12月)であります。

 

当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は、前期末比4,183億円(7.4%)増加し6兆821億円、セグメント資産は為替変動を主因に前期末比4,844億円(9.9%)増加し5兆3,638億円となりました。

負債合計は、前期末比3,249億円(6.7%)増加し5兆1,931億円となりました。有利子負債は、前期末比2,673億円(6.3%)増加し4兆5,147億円となりました。

純資産合計は、前期末比934億円(11.7%)増加し8,890億円となりました。主な要因は、利益剰余金が127億円減少したものの、為替換算調整勘定が1,031億円増加したことであります。

この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.6ポイント上昇し12.5%となりました。

 

なお、12月決算会社である主な海外子会社・海外関連会社の連結財務諸表作成にかかる期末の為替レートは、当連結会計年度末132.70円/米ドル(2022年12月末)、前連結会計年度末115.02円/米ドル(2021年12月末)であります。

 

セグメント別の業績及びセグメント資産の状況については、④ 営業取引の状況に記載しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

  (単位:百万円)

 

前連結会計年度
自 2021年4月1日
至 2022年3月31日

当連結会計年度
自 2022年4月1日
至 2023年3月31日

増減額

営業活動キャッシュ・フロー

227,383

△31,429

△258,813

投資活動キャッシュ・フロー

△16,075

△31,308

△15,233

財務活動キャッシュ・フロー

△201,421

6,926

208,347

現金・現金同等物期末残高

240,047

201,280

△38,766

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動では、税金等調整前当期純利益が356億円、賃貸資産減価償却費が2,004億円となったこと等に対し、賃貸資産の取得による支出が3,996億円となったこと等により、314億円の支出(前連結会計年度は2,274億円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動では、投資有価証券の売却及び償還による収入が89億円となったこと等に対し、投資有価証券の取得による支出が173億円、社用資産の取得による支出が96億円となったこと等により、313億円の支出(前連結会計年度は161億円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動では、長期借入金の返済による支出が8,771億円、社債の償還による支出が368億円となったこと等に対し、長期借入れによる収入が9,756億円となったこと等により、69億円の収入(前連結会計年度は2,014億円の支出)となりました。

これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比388億円減少し2,013億円となりました。

 

④ 営業取引の状況

連結会計年度におけるセグメント資産残高、セグメント売上高及びセグメント利益をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

a. セグメント資産残高

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

報告セグメント

国内リース事業

1,379,734

1,312,037

△67,696

△4.9

国内オート事業

611,769

611,558

△211

△0.0

スペシャルティ事業

2,311,842

2,743,531

431,688

18.7

国際事業

557,055

655,683

98,627

17.7

報告セグメント計

4,860,402

5,322,811

462,408

9.5

その他

18,999

40,964

21,965

115.6

合計

4,879,401

5,363,776

484,374

9.9

連結財務諸表との調整額

784,386

718,338

△66,047

連結財務諸表上の資産合計

5,663,787

6,082,114

418,326

7.4

 

 

b. セグメント売上高

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

報告セグメント

国内リース事業

512,256

481,467

△30,788

△6.0

国内オート事業

341,169

353,515

12,346

3.6

スペシャルティ事業

306,952

344,103

37,150

12.1

国際事業

116,749

144,883

28,134

24.1

報告セグメント計

1,277,126

1,323,969

46,842

3.7

その他

849

993

143

16.8

連結財務諸表上の売上高

1,277,976

1,324,962

46,986

3.7

 

(注) 売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。

 

c. セグメント利益

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

報告セグメント

国内リース事業

33,939

31,740

△2,198

△6.5

国内オート事業

19,227

27,977

8,749

45.5

スペシャルティ事業

29,498

57,398

27,899

94.6

国際事業

18,987

△948

△19,936

報告セグメント計

101,653

116,167

14,514

14.3

その他

351

4,669

4,318

合計

102,004

120,837

18,832

18.5

連結財務諸表との調整額

△11,484

△14,642

△3,157

連結財務諸表上の経常利益

90,519

106,194

15,674

17.3

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、2020年度を初年度とし2022年度まで3ヵ年の「新・第四次中期経営計画」を策定し、その基本方針及び経営戦略にもとづき、「金融機能を持つ事業会社」として、パートナー企業との事業性ビジネスを含めたグローバルな安定事業基盤の確立などに注力してまいりました。

2023年度からは新たに5ヵ年の「中期経営計画2027」を策定し、「自らを変革し、変化を創造する -TC Transformation and Sustainable Growth-」をテーマに、高い収益性と安定性あるポートフォリオへの変革を推進してまいります。

なお、当社グループの当連結会計年度における具体的な取り組みは、「(1)経営成績等の状況の概要 ①事業の取組状況」に記載のとおりであります。

 

(経営成績及び財政状態)

当社グループの重要な経営指標である経常利益は、国際事業において営業投資有価証券の評価損が発生し減益となったものの、国内オート事業及びスペシャルティ事業が増益となったことから、全体では前期比157億円(17.3%)増加し1,062億円となりました。

セグメント別の経常利益及びROAについて分析した結果は以下のとおりであります。

(単位:億円)

セグメントの名称

経常利益

ROA

2022年3月期

2023年3月期

前期比

2022年3月期

2023年3月期

前期比

国内リース事業

339

317

△22

2.4%

2.4%

国内オート事業

192

280

87

3.1%

4.6%

1.5pt

スペシャルティ事業

295

574

279

1.3%

2.3%

1.0pt

国際事業

190

△9

△199

3.7%

全社・消去等

△111

△100

12

連結

905

1,062

157

1.9%

2.1%

0.2pt

 

*ROA:経常利益/((前期末セグメント資産+当期末セグメント資産)/2)

 


〔国内リース事業〕

国内リース事業の経常利益は前期比22億円減少し317億円、ROAは横ばいの2.4%となりました。

国内リースマーケットは低金利の長期化等により、収益性の厳しい環境が継続しておりますが、有力パートナーとの共創ビジネス、各種提案型営業の推進に加え、事務の合理化等により収益性の向上を進めております。

当連結会計年度の経常利益は、有力パートナーとの共同事業であるNTT・TCリース株式会社や日通リース&ファイナンス株式会社等の持分法による投資利益が増加したものの、資産残高減少に伴う単体利益の減少を主因として減益となりました。

 

 


〔国内オート事業〕

国内オート事業の経常利益は前期比87億円増加し280億円、ROAは1.5ポイント上昇の4.6%となりました。

レンタカー事業を営むニッポンレンタカーサービス株式会社については、売上回復及び新型コロナウイルス感染症下で取り組んできたコストコントロールの強化及び直販比率向上施策等の効果により、利益率が大幅に改善し過去最高益を更新しました。

法人向けオートリースの日本カーソリューションズ株式会社は、リース収益の拡大に加え、機動的な中古車売却オペレーションによるリース満了車両の売却益最大化により、過去最高益を更新しました。

個人向けオートリースの株式会社オリコオートリースの業績も堅調に推移しております。

 

 

 


〔スペシャルティ事業〕

スペシャルティ事業の経常利益は前期比279億円増加し574億円、ROAは1.0ポイント上昇の2.3%となりました。

航空機事業において、売上原価として計上している減損損失が減少したことが増益の主な要因であります。

また、船舶事業は持分法適用関連会社の売船収益が増加、不動産事業はキャピタルゲインが増加するなど、その他のプロダクツでも、増益を果たしております。

 

 


〔国際事業〕

国際事業の経常利益は前期比199億円減少し9億円の経常損失となりました。

当連結会計年度の経常利益は米州・欧州地域においては、CSI Leasing, Inc.における物件売却収益が増加したことなどにより、増益となったものの、アジア・アセアン地域において、保有する営業投資有価証券の評価損を計上したことにより減益となりました。

 

 

特別損益は、投資有価証券売却益を49億円計上するなど特別利益合計で54億円計上したものの、(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態及び経営成績の状況に記載の通りロシア関連損失を748億円計上するなど特別損失合計で760億円計上し、合計で706億円の損失となりました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比455億円(90.5%)減少し48億円となりました。前述のロシア関連損失の影響が大きく、ROEは前期に比べ7.4ポイント低下し0.7%となりました。

 

財政状態について、当連結会計年度末の資産合計は、前期末比4,183億円(7.4%)増加し6兆821億円となりました。利益の源泉となるセグメント資産残高は、国内リース事業が、リース取扱高減少に加え、資産効率を重視した営業活動の推進等により減少となったものの、スペシャルティ事業及び国際事業では、海外子会社における為替の変動により増加し、合計では前期末比4,844億円(9.9%)増加し5兆3,638億円となりました。

負債合計は、前期末比3,249億円(6.7%)増加し5兆1,931億円となりました。有利子負債は、前期末比2,673億円(6.3%)増加し4兆5,147億円となりました。

純資産合計は、前期末比934億円(11.7%)増加し8,890億円となりました。うち、自己資本は、前期末比886億円(13.2%)増加し、7,616億円となりました。これは、利益剰余金が前期末比127億円減少したものの、為替の変動により為替換算調整勘定が前期末比1,031億円増加したためであります。

この結果、自己資本比率は前期末に比べ、0.6ポイント上昇し12.5%となりました。

 

当社グループは、合併以降、ファイナンス・リース、貸付等の金融を主軸としたビジネスからの変革に注力し、航空機、オート、不動産等モノの価値に着目した事業を拡充してきましたが、次の10年に向けた事業基盤を強固にしていく中で、最適な資本構成を踏まえたバランスシートマネジメントを推進しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、営業貸付債権の増加及び賃貸資産の取得などにより、314億円の支出となりました。また、東銀リース株式会社の第三者割当増資を引き受け株式を取得したこと等により、投資活動によるキャッシュ・フローは313億円の支出となりました。引き続き各事業分野の営業基盤強化に向けた成長事業への投資を実行する一方で、ROA向上に向け収益性や成長性を考慮した健全なポートフォリオの維持に注力しております。

財務活動によるキャッシュ・フローは69億円の収入となりました。事業活動で得られた資金を長期借入金の返済、社債の償還及びコマーシャル・ペーパーの返済に充てる一方で、成長事業への投資に必要な資金を確保するため、長期借入金及び社債など長期の有利子負債による調達を行いました。

これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比388億円(16.1%)減少し2,013億円となりました。

 

 

(資金調達の基本方針)

当社グループは、金融情勢の変化に機動的に対応しつつ調達先の分散や調達手段の多様化を図ることで、調達の安定性を高めること及び資金コストの低減を基本方針としております。また、ALM(資産・負債総合管理)の実施により、市場リスクについて多面的な分析を行い、各種リスクを適切にコントロールしております。

 

(資金調達の方法)

当社グループの資金調達は、国内外の金融機関からの借入による間接調達と社債、コマーシャル・ペーパー、ユーロ・ミディアム・ターム・ノート、リース債権流動化といった資本市場からの調達による直接調達で構成されております。

当連結会計年度末において、間接調達は、前期末比2,395億円(8.4%)増加し3兆839億円となりました。直接調達は、前期末比277億円(2.0%)増加し1兆4,308億円となりました。この結果、当連結会計年度末の直接調達比率は31.7%となり、前期末比1.3ポイント低下しました。

また、当連結会計年度末の長期調達比率は85.7%となり、前期末に比べて1.2ポイント上昇しました。

 

(流動性の確保)

当社グループは、流動性を確保するため取引金融機関134行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末の契約総額は、前期末に比べて1,302億円増額の1兆9,266億円、借入未実行残高は1兆4,708億円となっており、資金の流動性は十分に確保されております。

 

③ 経営上の目標の達成状況

(当連結会計年度の業績及び翌期の見通し)

当社グループは、「新・第四次中期経営計画」における経営指標として、利益項目だけでなく、安定的な財務基盤を支える資金調達力を強化するため、自己資本比率を経営指標として採用するとともに、株主資本コストを上回る資本効率を重視していることから、ROEを経営指標として採用しておりました。

当連結会計年度において、連結経常利益1,062億円、親会社株主に帰属する当期純利益48億円、連結自己資本比率12.5%、連結ROE0.7%となりました。

 

2024年3月期の経済環境については、新型コロナウイルスの感染症法上の5類への移行に伴い、インバウンドも含めた人々の移動も活発化し経済活動は着実に回復していくものと期待されます。一方で、ロシア・ウクライナ情勢は世界経済に不確実性をもたらし、市況の高騰等を通じたインフレ圧力が金融政策に影響を与え、米国金利の上昇、欧米金融機関の破綻に端を発した金融システム不安など経済環境は依然として不透明な状況にあります。

このような経済環境下ではありますが、新たに策定した5ヵ年の「中期経営計画2027」の初年度である2024年3月期の業績見通しは経常利益1,100億円(前期比3.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益700億円となります。
 なお、従来は中期経営計画の目標に連結経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、連結自己資本比率、連結ROEを設定しておりましたが、新たな「中期経営計画2027」の目標では、利益目標を親会社株主に帰属する当期純利益に一本化しつつ、連結ROA(総資産純利益率)、連結ROEを目標とする事により、株主の皆さまの視点にあわせた、持分法適用会社を含むグループ会社の業績をより良く反映させる高度なグループ会社一体経営を目指してまいります。

 

 

2023年3月期
(実績)

2024年3月期

(予想)

2028年3月期
(経営計画目標)

親会社株主に帰属する当期純利益

   48億円

700億円

1,000億円

連結ROA(総資産純利益率)

   0.1%

1.4%

連結ROE

   0.7%

10%

 

 

(株主還元方針と配当額)

当社グループは、継続的な業容の拡大や企業体質の強化に向けた取り組みが企業価値の増大につながるものと考え、それらを実現するために内部留保の充実を図るとともに、長期的かつ安定的に利益還元を行うことを基本方針としております。なお、内部留保資金につきましては、良質な営業資産の購入資金に充当するなど今後の経営に有効に活用してまいります。

当連結会計年度の配当につきましては、期初に1株当たり年間143円(中間配当71円、期末配当72円)の予想をさせていただきました。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は48億円と大幅な減益となりましたが、その要因はキャッシュアウトを伴わない一過性の損失であり、今後の財務状況及び業績等を勘案し、長期的かつ安定的に利益還元を行う基本方針を踏まえ、期初予想通り、中間配当は1株当たり71円、期末配当は1株当たり72円とさせていただきました。これにより年間配当は1株当たり143円といたしました。

なお、次期連結会計年度の配当につきましては、業績や財務状況、今後の経営環境を総合的に勘案し、配当性向(連結)を35%とし1株当たり年間200円(中間配当100円、期末配当100円)とさせていただく予定であります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりですが、重要なものは以下のとおりであります。

 

a. 賃貸資産の減損損失の計上

賃貸資産は、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を基礎としてグルーピングを行い、減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が識別された場合には、二次リースの可能性及び将来の市況等を考慮したリース料や処分価値等を見積り、減損の認識の要否を判断しております。その結果、減損の認識が必要と判定された賃貸資産については、回収可能価額を正味売却価額又は使用価値のいずれか高い金額とし、帳簿価額との差額を減損損失として計上しております。

経営者は、賃貸資産の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、賃貸資産が回収可能な合理的な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて減損損失の追加計上を実施する可能性があります。

なお、航空機リースにかかる賃貸資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)①賃貸資産の減損」に記載のとおりであります。

 

b. のれんの減損損失の計上

企業結合で生じたのれんは、会社単位を基礎としてグルーピングを行っております。のれんの償却については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。経営者は、その資産性について、子会社の業績や事業計画等を基に検討を行っており、その検討の内容は合理的であると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、将来において当初想定した収益力もしくは費用削減効果が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 

. 貸倒引当金の計上

貸倒引当金は、取引先の経営状態や支払状況等によって分類区分された債権について、一般債権については貸倒実績率により、破産更生債権等については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

経営者は、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれており、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があります。この場合には、将来当社グループが貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。

 

d. 金融商品の時価評価

金融商品の時価には、市場価格に基づく価額の他、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。有価証券のうち、市場価格のない株式等については、取得原価をもって計上しておりますが、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には減損処理を行っております。

当社グループで行っているデリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ取引等)、通貨関連取引(為替予約取引及び通貨スワップ取引等)であり、それらの時価は取引金融機関から提示された価格等によっており、金利、外国為替相場等のインプットを用いた将来キャッシュ・フローの割引現在価値により算定されています。

経営者は、金融商品の時価の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であると判断しております。ただし、当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、予測不能な前提条件の変化等により金融商品の評価に関する見積りが変動する可能性があります。この場合には、将来当社グループにおける時価評価額が変動する可能性があります。

 

e. 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。

経営者は、繰延税金資産の回収可能性の評価の見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて繰延税金資産の取崩し又は追加計上により損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金の状況

「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金、その他の営業貸付債権、関係会社短期貸付金及び関係会社長期貸付金)の状況は次のとおりであります。

① 貸付金の種別残高内訳

 

 

 

 

2023年3月31日現在

貸付種別

件数
(件)

構成割合
(%)

残高
(百万円)

構成割合
(%)

平均約定金利
(%)

消費者向

 

 

 

 

 

無担保
(住宅向を除く)

有担保
(住宅向を除く)

住宅向

事業者向

 

 

 

 

 

14,114

100.00

876,056

100.00

2.12

合計

14,114

100.00

867,056

100.00

2.12

 

 

② 資金調達内訳

 

 

2023年3月31日現在

借入先等

残高(百万円)

平均調達金利(%)

金融機関等からの借入

1,905,927

1.37

その他

454,122

0.78

社債・CP

434,222

0.81

合計

2,360,050

1.26

自己資本

404,639

資本金・出資額

81,129

 

 

③ 業種別貸付金残高内訳

 

 

 

2023年3月31日現在

業種別

先数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

製造業

372

14.70

11,465

1.32

建設業

66

2.61

139

0.02

電気・ガス・熱供給・水道業

28

1.11

35,861

4.14

運輸・通信業

102

4.03

84,533

9.75

卸売・小売業、飲食店

548

21.65

4,118

0.47

金融・保険業

70

2.77

79,617

9.18

不動産業

40

1.58

114,078

13.16

サ-ビス業

830

32.81

514,038

59.28

個人

その他

474

18.74

23,204

2.68

合計

2,530

100.00

867,056

100.00

 

 

 

④ 担保別貸付金残高内訳

 

 

2023年3月31日現在

受入担保の種類

残高(百万円)

構成割合(%)

有価証券

5,033

0.58

うち株式

債権

2,202

0.25

うち預金

商品

不動産

200

0.02

財団

その他

42,548

4.91

49,984

5.76

保証

9,859

1.14

無担保

807,212

93.10

合計

867,056

100.00

 

 

⑤ 期間別貸付金残高内訳

 

 

 

2023年3月31日現在

期間別

件数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

1年以下

264

1.87

311,054

35.88

1年超5年以下

12,425

88.03

297,785

34.34

5年超10年以下

1,184

8.39

142,204

16.40

10年超15年以下

142

1.01

70,813

8.17

15年超20年以下

95

0.67

25,151

2.90

20年超25年以下

1

0.01

18

0.00

25年超

3

0.02

20,028

2.31

合計

14,114

100.00

867,056

100.00

一件当たり平均期間

4.61年

 

(注) 期間は、約定期間によっております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

記載すべき重要な研究開発活動はありません。