文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、鉄道を中心とした地域の交通インフラなど公共性の高い建設事業を柱に社会資本の整備を担う企業として、「安全・安心」を常に最優先とする企業風土を構築し、地域社会の発展に貢献してまいります。また、環境変化に対応する技術革新や幅広い人材育成に努め、高品質で安全性に優れた成果物を提供することで、お客様からの高い満足と信頼を獲得し、社会とともに発展し続ける企業づくりに邁進してまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2021年度を初年度とする「中期経営計画 Ⅾ-Vision 2025(2021年度~2025年度)」を策定し、以下の中期経営目標を掲げております。
〔中期経営目標(2025年度の経営目標)〕
①売上高・利益目標 「売上高550億円 営業利益60億円」
②総還元性向目標 「30%以上」
③ROA目標 「5.0%」
④投資計画 「営業CF300億円」
内訳 維持更新投資120億円
戦略事業投資 90億円
事業環境投資 50億円
株主還元 40億円
(3) 経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき課題
建設業界は、構造物の老朽化、防災・減災の推進などによる公共工事を主体とした建設市場の構造変化に加え、慢性的な労働力不足、労務費や原材料費の高騰による採算性の低下など、依然として厳しい経営環境が続くものと予測されます。さらには、内部環境として、次世代を担う人材の育成が重要な課題となっております。
当社が目指す方向は、いかなる環境変化に対しても的確に対応できる強固な経営基盤を構築し、高い技術力、企画提案力、優れた品質などにより、お客様、株主・投資家様、地域の皆様、社員など全てのステークホルダーの皆様から、信頼と期待を受け発展し続ける企業となることであります。そのため、当社は、「安全を最優先する企業」、「顧客満足を大切にする企業」、「株主・投資家様からの期待に応えられる企業」、「地域社会の皆様から信頼される企業」、「社員を大切にする企業」を目指し、以下に掲げる個別課題の解決に取り組んでまいります。
① 鉄道の安全・安定輸送の一翼を担う責務として「安全を最優先する企業」及び「安全ルールの遵守」に徹底して取り組むことによって、地域社会やお客様から信頼される企業を目指してまいります。
② 建設事業を通じて地域社会やお客様から信頼されるパートナーとして、環境を大切にし自然との共生を図りながら、地域社会の発展に貢献してまいります。また、社会的信用や信頼の獲得を目標に、コンプライアンスを徹底し、CSR(企業の社会的責任)を自覚した行動に努めてまいります。
③ 経営環境が激変するなか、受注獲得に向け、新しい技術・工法の導入及び商品開発や企画提案技術の向上に積極的に取り組み、技術及び品質で高い評価をいただける技術集団を目指してまいります。
④ お客様のニーズを的確に把握した企画提案や優れた技術、品質、コストパフォーマンスの提供に努め、お客様が期待する水準以上の提案や最高の成果物を提供し、お客様満足度の向上に取り組んでまいります。
⑤ 線路メンテナンス工事に使用する大型保線機械は、定期的な設備更新が必要であります。そのため、単年度の経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼさないよう、計画的に更新を実施してまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)基本方針等
当社は、ESGを重視した経営を実践し、社会・環境課題の解決と地域社会の発展に向けて貢献していきます。
そして、ステークホルダーとのコミュニケーションによる信頼関係の構築に努め、ESG経営を積極的に実践することにより、持続的な成長と企業価値向上の実現に向けて取り組むとともに、SDGsの目標達成へ貢献してまいります。
また、目標達成に向けた重要課題の特定を行い、「環境経営推進委員会・環境経営推進部」「働き方改革推進会議」「健康経営推進委員会」の設置等といった体制の整備を行うとともに、取締役会等と連動し、課題解決に取り組んでまいります。
(2)マテリアリティ(重要課題)
当社は、鉄道工事を基盤とした事業活動を通じて、重要と考えられる社会・環境課題を認識し、優先的に取り組むべきマテリアリティを特定しました。マテリアリティに沿って社会課題の解決に向けた事業活動を展開し、持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。
(3)環境経営への取り組み
当社は、気候変動に伴う自然環境の変化や資源の枯渇等が、地球環境のみならず、地域経済や当社の事業活動に重大なリスクを与えると認識しております。
このリスクに対し、事業活動を通じた環境保全に関する施策を、総合的かつ計画的に推進し、地球環境および社会全体の課題解決へ貢献するとともに、当社の持続的成長と企業価値向上に繋がるものとして、2022年7月に「環境経営推進委員会」を設置いたしました。
また、2022年11月に「環境経営宣言」を行うとともに「第一建設工業 環境計画 ~カーボンニュートラル・チャレンジ2050~ 」を策定いたしました。「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「自然共生社会の実現」からなる3つの戦略について、マテリアリティの特定、事業戦略、活動計画を作成し、「環境経営」を推進してまいります。
「脱炭素社会の実現」においては、事業活動を通して排出するCO2排出量について、2020年度の実績を指標とし、2030年度には30%削減、2050年度にはCO2排出量“実質ゼロ„を目指し、取り組んでおります。

「循環型社会の実現」においては、建設副産物の総排出量抑制および再資源化の推進、電子マニフェストの普及推進等に取り組んでおります。従来は、紙で管理していた産業廃棄物管理票をインターネットを利用した電子マニフェストに変更することで紙の削減に繋がります。
なお、電子マニフェスト交付率の目標を2030年度には90%とし、産業廃棄物のリサイクル率の目標を2030年度には96%と定めております。
「自然共生社会の実現」においては、大型保線機械に使用する生分解性潤滑油の100%導入等に取り組んでおります。
上記以外にも、2003年11月にISO14001認証取得をしており、これに基づき、業務の継続的な改善に取り組んでおります。
また、2023年4月1日より、社会環境等の変化へ戦略的かつ機動的に対応することを目的として、環境経営推進室と品質・環境部を統合した「環境経営推進部」を設置いたしました。
(4)人的資本経営への取り組み
(基本方針等)
当社は、企業価値の持続的な向上のために、人材の価値を高めることが必要であり経営戦略と連動した人材戦略の構築が不可欠であると認識しております。これは、多様な属性・視点や経験を持つ社員の力を結集することが新たな価値を生む原動力になるとの考えに基づくものであります。
また、多様な人材の働き方に配慮し各人がその能力を最大限に発揮するための社内環境整備と知識・スキル・役割認識等向上に向けた人材育成を行うことが重要な経営課題と位置付けております。重要な経営課題解決に向けて、健康経営の推進や業務を増員でコントロール及び部門間運用等を通じた人材確保等による「働き方改革」の施策に取り組んでおります。加えて、人材育成として「新しい研修プラン」に基づく人材マネジメント強化やキャリア採用を含めた多様な人材獲得、社員の学ぶ意欲を後押しする資格取得奨励制度の再構築等、事業環境に適応した社員のキャリア形成にも取り組んでおります。
①健康経営の推進
(健康経営宣言について)
当社は、2021年4月1日に「健康経営宣言」を行いました。その中で当社は、鉄道工事を基盤とした「総合建設業」として、安全・安心を最優先に考え、社会資本の整備、創造と地域社会の発展に貢献していくこととしております。また、技術革新並びに幅広い人材育成に努め、社会とともに発展し続ける会社づくりを目指すため、社員の心身の健康を重要と考え、働き方改革やワークライフバランスとともに健康経営を推進し、明るく活力ある職場づくりに取り組むこととしております。
その中で「健康経営」は、社会貢献活動の一環であると位置づけております。これは、当社が社員の健康寿命を延ばし、退職後の生活を支援する取り組みを行うことで、医療費や介護費用が抑制され、それにより生み出された経費が新たな社会保障費として必要な方々へ平等に支援されると認識しているためです。
(健康経営への取り組み)
当社は、社員の心身の健康を確保し、能力を最大限に発揮するための環境整備に取り組んでおります。具体的には、従業員の健康知識と健康意識の向上をテーマとし、社員への健康経営推進の理解を深め自身の健康管理の能動的な取り組みを促すため、当社の健康経営推進の趣旨・目的に関するオリジナル動画を作成するとともに社員向け特設サイトにて公開を行い、周知を図っております。
また、「社員の健康リテラシー向上」をテーマとし、日本医師会監修「日本健康マスター検定」資格合格者に対する報奨金支給制度を新設し、社員の資格取得への挑戦意欲向上を図っております。加えて、健康障害リスクが高まる社員へのアプローチとして、生活習慣病予防を目的に、「特定健康診査受診率」「特定保健指導実施率」「喫煙者率」「1日1時間以上の歩行者率」に着目し、目標を定め、取り組みを実施しております。
|
指標 |
目標 |
実績(当事業年度) |
|
特定健康診査受診率 |
70%以上 |
84% |
|
特定保健指導実施率 |
50%以上 |
64% |
|
喫煙者率 |
30%以下 |
35% |
|
1日1時間以上の歩行者率 |
50%以上 |
28% |
②働き方改革の推進
当社は、2022年3月に「働き方改革推進会議」を設置し、ワークライフバランスの実現と働きがいを実感できる企業を創り上げるべく、全社員が働き方改革の目的と本質を理解し、行動する「真の働き方改革」を推進しております。
「働き方改革推進会議」は、柔軟な思考・発想による体制構築や人材投資計画等の策定及び各ワーキンググループと連携した施策策定等に取り組み、年4回、取組状況の報告・分析・評価等の議論を行っております。
また、「働き方改革推進会議」には、2つの分科会(労働時間の把握と分析、業務の合理化・効率化分科会、増員で業務コントロール分科会)と各本部、各支店のワーキンググループを設置いたしました。分科会、各ワーキングでは、業務実態の現状把握、分析・評価、及び対策案の検討等を行ったうえで、増進で業務をコントロールすること等、柔軟な要員配置の対応を行い、労働力の維持・増加等の人材投資に戦力的に取り組む事を目指しております。
③働き方の多様化への対応
当社は、女性の活躍推進等に向けて「女性社員の採用比率を10%」「男性の育児休業取得率30%以上・育児休業の平均取得期間10%アップ」「女性の育児休業取得率100%、平均取得期間100%」を目標に取り組んでおります。
また、多様な働き方を推進するために、研修や相談窓口の設置、社内報における特設ページ等、雇用環境の整備を行うとともに、社内規則改正を行い、育児による短時間勤務を希望する社員に対しては1時間単位での就業時間短縮を可能とすること等、仕事と育児の両立を支援できる体制を整備いたしました。
|
指標 |
目標 |
実績(当事業年度) |
||
|
女性社員の採用比率 (注)1 |
10.0% |
11.9% |
||
|
育休取得率 (注)2 |
男性 |
女性 |
男性 |
女性 |
|
30.0%以上 |
100% |
58.1% |
100% |
|
|
育休平均取得期間 (注)2 |
男性 |
女性 |
男性 |
女性 |
|
10.0%アップ |
100% |
48日 |
305日 |
|
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
④「人材マネジメント強化」について
当社を取り巻く経営環境は、激しくかつ常に変化しています。このような不確定で変動的、かつ複雑な状況下においては、経営戦略と連動した人材戦略の構築が不可欠であると認識しています。この事から、当社は、永続的な存続と発展のため、社員満足・顧客満足の実現に向けた「ひとづくり」をコンセプトに2021年度より「新しい研修プラン」を開始し、人材育成に取り組んでおります。
研修体系は、技術・スキル研修と階層別研修の2つから構成しています。技術・スキル研修は、各役職、役割に応じてとるべき行動の実現を目標としており、階層別研修については、当社の「社員の行動指針」の実現を目標としております。
また、講師が研修テーマ毎に①習得したい「知識」、②醸成したい「意識」、③期待したい「行動」の3つを受講者へ明示し、研修目的の見える化を行うことで、研修目標の達成の推進に取り組んでおります。
研修方法は、研修スタイルを能動型・実践型とするアクティブラーニングを導入し、集合研修及びe-ラーニングを組み合わせたブレンディングによる研修プランの策定を行い、2022年度において技術・スキル研修で延べ70回・594人が受講し、階層別研修では延べ8回・183人が受講いたしました。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、この有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 建設市場の動向
当社の受注・売上高は国内の建設投資動向による影響を受けるため、今後想定以上に官公庁及び民間建設投資が急激に減少した場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 工事事故の発生
当社は、工事の施工に際しては、鉄道工事を始めとして公共性の高い事業が多いことから「安全の確保」を最優先した取り組みを実施しておりますが、万が一死亡に直結する等の重大事故が発生した場合、発注者からの信用・信頼の失墜につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料価格の高騰
主要建設資材等が急激に高騰し、請負金額に反映することが困難で価格へ転嫁できない場合や想定以上に材料費や労務費等の価格が急騰したときは業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 施工物の瑕疵等
当社は、建設事業者として、品質管理等につきましては厳密な管理を期しておりますが、重大な瑕疵が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 法的規制等
当社の事業は、建設業法、建築基準法、労働安全衛生法、独占禁止法、宅地建物取引業法等の法的規制を受けております。これらの法律の改廃、法的規制の新設、運用基準の変更等により、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 法令遵守違反等のリスク
当社は法令遵守の徹底を図るために「企業倫理規則」、「倫理・法令遵守委員会規則」の制定及び「倫理・法令遵守委員会」の活動や各種マニュアルの作成、教育を通じ、役員・社員に徹底した法令遵守への取り組みを行っております。しかし、何らかの理由で、法令遵守違反等が発生した場合に社会的信用及び信頼を損なう等、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 信用リスク
当社は、取引先の与信管理を行いリスク回避に努めておりますが、予想されない取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、工事施工中に協力会社や共同施工会社が倒産等に陥った場合には、工期に影響を及ぼすとともに予定外の費用が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 特定の取引先への依存度について
当社は、鉄道工事に特性を有する総合建設業であり、東日本旅客鉄道株式会社からの売上高の比率が高くなっております。このことは、当社が創業以来、培ってきた鉄道工事における専門技術力と永年にわたる同社との信頼関係によるものであります。
しかしながら、同社が何らかの理由により設備投資額又は当社との取引を削減しなければならなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 感染症に伴うリスク
当社は、感染症の流行にあたり従業員等の安全を第一に考え、衛生管理の徹底やテレワーク勤務規則を定め、可能な限り感染予防や感染拡大防止に努めております。
しかしながら、感染症の流行に伴う経済活動の制限等により、当社の安全及び施工体制の維持・確保が困難な状況に陥った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化される中、行動制限の緩和等により社会経済活動が緩やかに回復基調の動きがみられたものの、緊迫する世界情勢に伴うエネルギー価格及び原材料価格の高騰もあり依然として先行き不透明な状況が続いております。
建設業界におきましては、公共建設投資は政府の経済政策等により底堅く推移した一方で、民間建設投資は、企業収益の改善もあり持ち直しの動きがみられたものの、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響やエネルギー価格及び原材料価格の高騰等もあり、依然として厳しい状況が続くものと思われます。
このような状況のなかで当社は、安全を最優先し、最良の総合品質の提供によりお客様満足の向上を目指すとともに、目標達成に向け、技術力の向上や厳密な原価管理等に取り組んでまいりました。
この結果、当事業年度における財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末比24億5千万円(3.4%増)増加の755億4千8百万円となりました。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末比13億4千2百万円(17.4%増)増加の90億3千6百万円となりました。
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末比11億8百万円(1.7%増)増加の665億1千1百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度における売上高は、前事業年度比46億1千8百万円(10.8%増)増収の473億6千7百万円となりました。利益につきましては、営業利益が前事業年度比7億7千4百万円(27.7%増)増益の35億6千9百万円、経常利益が前事業年度比5億5千3百万円(16.6%増)増益の38億8千2百万円、当期純利益が前事業年度比4千6百万円(1.8%増)増益の26億4千3百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(建設事業)
建設事業受注高は、前事業年度比66億4千5百万円(14.1%増)増加の538億2千9百万円となりました。建設事業売上高は、前事業年度比45億6千1百万円(10.9%増)増収の465億1千6百万円となりました。また、セグメント利益は、前事業年度比5億6千3百万円(19.9%増)増益の33億8千7百万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業売上高は、前事業年度比5千6百万円(7.2%増)増収の8億5千万円となりました。また、セグメント利益は、1億8千1百万円(前年同期はセグメント損失3千万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の増加等の要因により、前事業年度末比84億6千4百万円(34.5%減)減少の160億8千4百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、4億円となりました。これは、売上債権の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、61億1千5百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出や関係会社株式の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、19億4千9百万円となりました。これは、自己株式の取得による支出や配当金の支払い等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
|
セグメントの名称 |
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (千円) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (千円) |
|
建設事業 |
47,183,910 |
53,829,435(14.1%増) |
|
不動産事業 |
794,026 |
850,887( 7.2%増) |
|
合計 |
47,977,936 |
54,680,323(14.0%増) |
b.売上実績
|
セグメントの名称 |
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (千円) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (千円) |
|
建設事業 |
41,954,348 |
46,516,217(10.9%増) |
|
不動産事業 |
794,026 |
850,887( 7.2%増) |
|
合計 |
42,748,375 |
47,367,104(10.8%増) |
(注)1.当社では生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。
2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
||
|
建設事業 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
32,823,971 |
76.8 |
36,896,693 |
77.9 |
なお、参考のため建設事業の実績は、次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
1) 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
|
期別 |
区分 |
前期繰越 工事高 (千円) |
当期受注 工事高 (千円) |
計
(千円) |
当期完成 工事高 (千円) |
次期繰越 工事高 (千円) |
|
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
土木工事 |
12,077,645 |
33,956,725 |
46,034,371 |
33,020,014 |
13,014,356 |
|
建築工事 |
3,728,970 |
13,227,184 |
16,956,155 |
8,934,333 |
8,021,821 |
|
|
計 |
15,806,616 |
47,183,910 |
62,990,526 |
41,954,348 |
21,036,177 |
|
|
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
土木工事 |
13,014,356 |
33,715,802 |
46,730,159 |
35,001,184 |
11,728,974 |
|
建築工事 |
8,021,821 |
20,113,632 |
28,135,453 |
11,515,032 |
16,620,420 |
|
|
計 |
21,036,177 |
53,829,435 |
74,865,612 |
46,516,217 |
28,349,395 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがいまして、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致いたします。
2) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
土木工事 |
84.6 |
15.4 |
100 |
|
建築工事 |
50.7 |
49.3 |
100 |
|
|
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
土木工事 |
91.1 |
8.9 |
100 |
|
建築工事 |
33.6 |
66.4 |
100 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
3) 完成工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
土木工事 |
2,586,765 |
30,433,249 |
33,020,014 |
|
建築工事 |
603,916 |
8,330,417 |
8,934,333 |
|
|
計 |
3,190,681 |
38,763,667 |
41,954,348 |
|
|
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
土木工事 |
1,775,961 |
33,225,223 |
35,001,184 |
|
建築工事 |
1,102,891 |
10,412,140 |
11,515,032 |
|
|
計 |
2,878,853 |
43,637,363 |
46,516,217 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
|
発注者 |
工事件名 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
上越新幹線燕三条新潟間堤高架橋耐震補強 |
|
三菱地所レジデンス株式会社・丸紅株式会社 |
文京区本郷4丁目計画新築工事 |
|
伊藤忠都市開発株式会社 |
(仮称)台東3丁目 プロジェクト 新築工事 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
東能代寮新築他工事 |
|
株式会社ジェイアール東日本都市開発 |
武蔵中原SCリニューアル撤去・改修工事 |
当事業年度
|
発注者 |
工事件名 |
|
大和ハウス工業株式会社 |
有料老人ホーム サニーライフ新潟紫竹山 新築工事 |
|
積水ハウス株式会社 |
(仮称)西早稲田計画 新築工事 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
秋田駅東西連絡自由通路天井耐震補強工事 |
|
北陸地方整備局 |
R3・4府屋大橋耐震補強工事 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
大館合築駅舎新築他その1工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
|
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
32,823,971 |
78.2 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
36,896,693 |
79.3 |
4) 次期繰越工事高(2023年3月31日現在)
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区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
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土木工事 |
628,690 |
11,100,284 |
11,728,974 |
|
建築工事 |
1,440,792 |
15,179,628 |
16,620,420 |
|
計 |
2,069,483 |
26,279,912 |
28,349,395 |
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
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発注者 |
工事件名 |
完成予定 |
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株式会社相鉄アーバンクリエイツ |
(仮称)ゆめが丘大規模集客施設 新築工事 |
2024年3月 |
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東日本旅客鉄道株式会社 |
幹:燕三条旅客上家1号屋根改良 |
2025年3月 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
秋田貨物駅構内こ道橋新設工事 |
2025年8月 |
|
東北農政局 |
岩手山麓農業水利事業 導水路建設工事 |
2023年7月 |
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東日本旅客鉄道株式会社 |
村井橋上駅本屋新築その他工事 |
2025年2月 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末比24億5千万円(3.4%増)増加の755億4千8百万円となりました。この主な要因は、以下のとおりであります。
流動資産合計は、期末施工高の増加による完成工事未収入金の増加等があったものの、現金預金や有価証券の減少等により、前事業年度末比25億9千6百万円(5.6%減)減少の435億6千4百万円となりました。
また、固定資産合計は、線路メンテナンス工事用大型保線機械や関係会社株式の取得等により、前事業年度末比50億4千7百万円(18.7%増)増加の319億8千4百万円となりました。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末比13億4千2百万円(17.4%増)増加の90億3千6百万円となりました。この主な要因は、以下のとおりであります。
流動負債合計は、未払法人税等や有形固定資産の購入に伴う未払金の増加等により、前事業年度末比11億3千2百万円(17.0%増)増加の78億円となりました。
また、固定負債合計は、退職給付引当金の増加等により、前事業年度末比2億9百万円(20.4%増)増加の12億3千6百万円となりました。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は、自己株式の取得により減少したものの、当期純利益が増加したことにより、前事業年度末比11億8百万円(1.7%増)増加の665億1千1百万円となりました。
2) 経営成績
(売上高)
当事業年度の売上高は、大型建築物件の増加等により、前事業年度比46億1千8百万円(10.8%増)増収の473億6千7百万円となりました。
(売上総利益・営業利益)
売上総利益は、売上高の増加や完成工事総利益率の向上等により、前事業年度比9億1千9百万円(15.8%増)増益の67億5千万円となりました。
販売費及び一般管理費は、広告宣伝費や租税公課の増加等により、前事業年度比1億4千4百万円(4.7%増)増加の31億8千万円となりました。
この結果、営業利益は、前事業年度比7億7千4百万円(27.7%増)増益の35億6千9百万円となりました。
(経常利益・当期純利益)
経常利益は、営業利益の増益を主な要因として、前事業年度比5億5千3百万円(16.6%増)増益の38億8千2百万円となりました。
また、当期純利益は、前事業年度比4千6百万円(1.8%増)増益の26億4千3百万円となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営に影響を与える大きな要因としては、建設市場の動向、工事事故の発生、原材料価格の高騰、施工物の瑕疵等があります。
建設市場の動向については、慢性的な労働力不足や原材料費の高騰等による採算性の低下など、依然として厳しい経営環境が続くものと認識しております。このような状況のなかで当社は、受注獲得に向けた新技術・工法の導入及び商品開発や企画提案技術の向上に積極的に取り組み、技術及び品質で高い評価をいただける技術集団を目指してまいります。
工事事故の発生については、当社は、鉄道工事を基盤とする総合建設業を営む者として、「安全・安心」を常に最優先に考え行動する企業風土を構築し、経営に重大な影響を与えるような事故の発生防止に努めてまいります。
原材料価格の高騰については、協力会社等への直近の発注状況や原材料価格動向を注視することなどにより、請負金額への反映に努めるとともに、協力会社等との関係を強化し、情報交換を密にすることなどにより、更なるコスト削減に努めてまいります。
施工物の瑕疵等については、これまでの厳密な品質管理を継続し、経営に重大な影響を与えるような瑕疵等の発生防止に努めてまいります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載したとおり、2021年度を初年度とする「中期経営計画 Ⅾ-Vision 2025(2021年度~2025年度)」を策定し、2025年度までの売上利益目標として売上高550億円、営業利益60億円、総還元性向30%以上、ROA5.0%、投資計画(5年間)として300億円という数値目標を掲げております。
この経営目標を達成すべく、安全性の向上、品質の向上、技術力の向上、株主還元といった重点課題に積極的に取り組んでまいります。
〔中期経営計画の進捗状況〕
売上高・営業利益・総還元性向・ROA目標 (単位:億円)
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指標 |
2021年度(実績) |
2022年度(実績) |
2023年度(予想) |
中期経営目標 |
|
売上高 |
427 |
473 |
500 |
550 |
|
営業利益 |
27 |
35 |
35 |
60 |
|
総還元性向(%) |
42.9% |
80.8% |
37.4% |
30%以上 |
|
ROA(%) |
3.5% |
3.6% |
3.4% |
5.0% |
なお、2022年度(実績)及び2023年度(予想)の総還元性向につきましては、2023年5月17日に公表いたしました「自己株式の取得に関するお知らせ」に記載されております株式の総数または取得価額の総額の上限まで取得したと仮定した数値で記載しております。
また、中期経営計画につきましては、今後の業績等も踏まえアップデートする可能性があります。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(建設事業)
建設事業受注高は、前事業年度比66億4千5百万円(14.1%増)増加の538億2千9百万円となりました。建設事業売上高は、大型建築物件の増加等により、前事業年度比45億6千1百万円(10.9%増)増収の465億1千6百万円となりました。
セグメント利益は、売上高の増加や完成工事総利益率の向上等により、前事業年度比5億6千3百万円(19.9%増)増益の33億8千7百万円となりました。
セグメント資産は、期末施工高の増加による完成工事未収入金の増加等により、前事業年度末比65億9千1百万円(20.7%増)増加の383億8千9百万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業売上高は、賃貸用不動産の売上高が増加したことにより、前事業年度比5千6百万円(7.2%増)増収の8億5千万円となりました。
セグメント利益は、1億8千1百万円(前年同期はセグメント損失3千万円)となりました。
セグメント資産は、建物取得による有形固定資産の増加等により、前事業年度末比18億6千7百万円(25.1%増)増加の93億1千5百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
1) 資金需要の動向
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、建設事業に関わる資機材・外注等の原価費用、不動産事業に関わる管理費・営繕費等の不動産事業費用、各事業についての一般管理費等があります。
また、設備資金需要としては、事業用建物や線路メンテナンス工事用大型保線機械等の固定資産投資と、賃貸物件等の不動産事業投資に加え、情報処理のための無形固定資産投資等があります。
2) 財政政策
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、手許流動性資金を相当程度保有し、運転資金及び投資資金につきましては、本社(経理財務部)において一元管理しております。
現時点においては、金融機関等からの借入はなく、手許流動性資金も相当程度保有できているため、不測の事態が生じた場合であっても、当面の資金繰りには支障は無いものと考えております。よって、当社事業の維持拡大に必要な運転・設備資金の確保は今後も可能であると考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の金額に反映されております。
これらの見積りにつきましては、過去の実績等を踏まえながら継続して評価し、必要に応じ見直しを行っておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社が財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」に記載のとおりでありますが、特に、「5.収益及び費用の計上基準」にある一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による収益認識については、財務諸表の作成における見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による収益認識)
当事業年度末までの工事進捗部分について履行義務の充足が認められる工事については、主として一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法により収益を認識しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び当事業年度末における履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積る必要があります。一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法により認識される収益の計上の基礎となる工事原価総額の見積りには、作業内容や工数等の不確実性を伴うものが含まれているため、当社の業績を変動させる可能性があります。
特記事項はありません。
当事業年度における研究開発費の総額は
(建設事業)
土木部門において、将来計画されている新幹線大規模改修における、高架橋接合部構造目地の工法開発に向けた実験に取り組みました。また、当社が開発した仮締切工法であるD-flip工法において、更なるコストダウンを目指した実験に取り組みました。
線路部門において、少子高齢化に伴う従事者不足が加速するなか、鉄道の安全・安定輸送を確保するため、更なる機械化による保線作業の省力化及び効率化を目指した開発に取り組みました。
(不動産事業)
研究開発活動は、特段行われておりません。