第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」をオカムラのミッションとし、「人が活きる社会の実現」を目指しています。

当社は1945年、設立の主旨に賛同した技術者たちが、資金、技術、労働力を提供し合って「協同の工業・岡村製作所」としてスタートを切りました。その創業の精神は、「創造、協力、節約、貯蓄、奉仕」の5つの言葉からなる社是と、これを受けた「基本方針」により企業文化として定着し、「よい品は結局おトクです」をモットーに、お客様のニーズを的確にとらえたクオリティの高い製品とサービスを社会に提供することに努めてまいりました。これらは、「オカムラのDNA」として、現在のオカムラグループの経営と事業活動に受け継がれております。

企業理念である「オカムラウェイ」は、ミッション(経営姿勢)、オカムラ宣言(めざすありたい姿)、私たちの基本姿勢(大切にする価値観)の3つで構成され、全ての根幹には、「人が活きる」という視点があります。

サステナビリティの重要性がますます高まる新しい価値観の中、一人ひとりが「活きる」ことこそが社会課題の解決につながる。その信念と使命感のもとに、オカムラグループは、すべての人々が笑顔で活き活きと働き暮らせる社会の実現を目指しています。なお、「オカムラウェイ」を通じた活動や取り組みについては、当社ウェブサイト(URL https://live.okamura.co.jp/)に掲載しております。

持続的な成長に向け、新たな需要の創出と変化に対応できる経営基盤強化をはかるとともに、事業を通じた社会課題解決に取り組んでまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

2024年3月期から2026年3月期までの3ヵ年を対象とする「中期経営計画2025」を策定いたしました。

中期経営計画2025では、「需要創出型企業」への変革を加速します。中期経営計画2022における戦略投資の成果を刈り取るとともに、これからの時代に対応できる事業基盤の強化に取り組んでまいります。加えて、持続的成長を支える従業員のエンゲージメントを向上させる人財育成投資と意識改革を一段と進め、従業員一人ひとりが自分らしく活き活きと働くことができることで「強いオカムラ」を目指してまいります。

詳細につきましては、「中期経営計画の策定に関するお知らせ」をご参照ください。

 

① 中期経営計画2025で目指すもの

・新たな需要の創出

時代の流れを捉え、提案力と製品力を磨き、「需要創出型企業」への変革を加速する

・変化に対応できる経営基盤強化

「人財育成と働きがいの向上」、「デジタル技術活用の加速」、「多品種変量生産への対応」、「市場に根ざした海外事業の展開」

・事業を通じた社会課題への取り組み

事業を通じた社会課題への継続的な取り組みと2050年カーボンニュートラル実現に向けた地球環境への長期的取り組みの着実な実行

 

② 定量目標(2026年3月期)

・売上高    3,000億円以上

・営業利益    240億円

・営業利益率   8.0 %

・ROE     10.0 %

 

③ 投資と株主還元の基本方針

・成長に向けた投資

戦略投資枠として500億円を設定し、既存事業の強みの維持・強化と新規市場・事業開発にバランスよく投入する

・株主還元

配当性向は、前中期経営計画より引き上げ、40%以上を安定的に維持する

自己株式の取得は、投資の実行状況や外部環境等を踏まえ柔軟に対応する

 

 (3) 経営環境及び対処すべき課題

①ESGへの取り組み

オカムラグループは、人が活きる社会の実現に向けて「人が活きる環境の創造」、「従業員の働きがいの追求」、「地球環境への取り組み」、「責任ある企業活動」の4つを取り組むべきテーマと掲げ、それぞれについて重点課題を定めて活動を推進し、社会に貢献するとともに持続的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

「人が活きる環境の創造」

確かな品質と安全性を追求した創造性豊かな製品・サービスを社会に提供し、新しい価値・市場・トレンドの創造に挑戦し続けます。

 ・イノベーションの推進と新しい価値の創造

 ・モノ・コトづくりのクオリティの追求

 ・安全な製品・サービスの提供

 

「従業員の働きがいの追求」

健康と安全に配慮した職場づくりに努め、従業員一人ひとりの多様性を尊重したうえで、それぞれが働きがいを感じ、互いに協力し、自己成長できる環境を目指します。

 ・Work in Lifeの推進

 ・DE&Iの推進

 ・キャリアの形成支援と専門人材育成の強化

 

「地球環境への取り組み」

事業活動におけるサプライチェーン全体を通じて地球環境負荷の低減を徹底することで、持続可能な社会づくりに貢献していきます。

 ・サーキュラーエコノミーの推進

 ・持続可能な自然資源の利用と保全

 ・気候変動問題への貢献とカーボンニュートラルの実現

 

「責任ある企業活動」

高い倫理観に基づき行動し、ステークホルダーの皆様に適時・適切な情報開示を行うとともに、コミュニケーションの充実を図り、地域・社会と共生し、公正・透明・誠実な企業活動を通じて、社会から信頼され愛されるグローバル企業を目指します。

 ・公正、透明、誠実な行動

 ・リスクマネジメントの強化

 ・適正な情報開示とステークホルダーとの対話

 

② 事業環境の変化

新型コロナウイルス感染症の拡大からポストコロナ時代に入り、社会のあり方、人々の意識や行動は大きく変わってきております。とりわけオフィス環境事業においては、オフィスのあり方が見直されてきております。

当社グループは、オフィスの変化は従前からの動きであり、その変化が一層加速されるものとして捉えております。これまでの一律的なオフィスから、多様化に向かうオフィス空間・家具のニーズに応える提案力・商品力の強化に努めております。

 

③ 各事業における対処すべき課題

主力のオフィス環境事業につきましては、ハイブリッドワークとデジタル時代における新しいオフィスの在り方の変化にともない、全国のオフィス改装需要は堅調に推移すると予想しております。

このような状況のもと、当社の強みである未来の働き方の研究成果と豊富な納入実績を通じた知見に基づく提案力、変化を先取りし新たな需要を創出する製品開発力を活かし、多様化するニーズに対応することで売上高、営業利益の拡大を目指します。

 

商環境事業につきましては、店舗の人手不足を背景とした省人省力化・自動化への需要、環境配慮や電気料金高騰による省エネ需要から冷凍冷蔵ショーケースなど店舗設備への投資が活発になる見込みです。

このような状況のもと、当社の強みである店舗什器、冷凍冷蔵ショーケースを始めとする豊富な製品と、提案からアフターサービスまでの一貫したサービス機能と店づくりにかかわるデザイン・研究開発の体制を活かし、売上高の拡大を目指すとともに、業務の標準化等によるコストの低減や販売価格の見直しにより収益性の改善に努めてまいります。

 

物流システム事業につきましては、大型物流施設の需要は堅調に推移し、また、作業員不足を背景とした省人・省力化関連需要は拡大するものと予想しております。足元での受注高は堅調に増加しておりますが、部品の調達難など供給面においては、厳しい状況が継続すると見込んでおります。

このような状況のもと、安定した売上及び利益確保を目指し、オートストアなど優位性のある製品を活かした積極的な提案活動とコスト管理の徹底に努めてまいります。また、差別化製品の開発に積極的に取り組むとともに、先進技術を用いた製品開発やデジタル技術を用いたサービスの充実、保守体制の強化に取り組んでまいります。

 

生産性・効率性の向上につきましては、つくば事業所に新工場棟を増設するとともに、長野県須坂市に新工場を建設し、変化する需要に柔軟に対応できる生産体制を強化していきます。効果的な設備投資と継続的な改善活動により、生産性の向上を図るとともに、効率性と安定供給の両立に取り組んでまいります。併せて、全社にわたる働きがい改革の実践と業務効率化への取り組みを一層強化し、競争力の向上に努めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方および取り組み】

(1)サステナビリティに関する考え方および取り組み

当社グループでは、持続可能な社会の実現が求められる新たな価値観の社会の中で、企業が持続的に成長するためには、サステナビリティを中心に捉えた事業活動が重要であると認識しています。「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」をミッションとして、事業活動の経済的側面と同時に、社会的側面・環境的側面の重要性を認識し、「オカムラグループサステナビリティ方針」を掲げ、企業の社会的責任を果たす経営に取り組んでいます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

※オカムラグループサステナビリティ方針

https://www.okamura.co.jp/company/sustainability/policy/sustainability_policies.pdf

 

① マテリアリティ(経営の重要課題)の特定及びKPI・行動計画の策定

ステークホルダーの皆さまからの期待や社会の要請に対し、グループ一体となって応えていくために、「人が活きる環境の創造」「従業員の働きがいの追求」「地球環境への取り組み」「責任ある企業活動」の4つの観点から重要課題を特定しています。

重要課題については、サステナビリティに関する各種ガイドライン、評価機関の調査項目、社内の方針や規範、社内外のアンケート・ヒアリング等多様な視点を統合し、ステークホルダーにとっての重要性と当社グループにとっての重要性を定量的かつ定性的に分析し、特定しました。

また、特定した重要課題を着実に実施するため、各課題それぞれKPIを定め、年度毎の目標値を設定してその達成に向け取り組みを推進しています。

 

・重要課題への取り組み


※重要課題の「人が活きる環境の創造」については、事業活動中心の内容で、中期経営計画としてKPI・年度目標を設定しているため、こちらには掲載していません。

 

② サステナビリティ推進体制(ガバナンス体制)

代表取締役を委員長とし、各事業本部およびコーポレート部門を統括する執行役員により構成されるサステナビリティ委員会を設置し、マテリアリティ(経営の重要課題)に関する年度計画に基づき、当社グループ全体の取り組みを推進・サポートし、進捗をモニタリングするとともに、対応方針の立案を行っています。

サステナビリティ推進部は、サステナビリティ委員会の事務局として委員会の運営を行うとともに、委員会で承認された事項について社内の各組織を通じて事業活動へ展開し、定期的にフォローを行っています。

また、全社横断のサステナビリティ推進プロジェクトにおいて、各事業本部の推進フォローおよび従業員への活動の浸透化を図っています。

これらの活動結果は定期的に取締役会に報告し、取締役会において当該報告内容に関する管理・監督を行っています。


③ リスク管理

事業等のリスク」に記載の通り、当社グループのリスク全般について合理的にコントロールし、リスクがもたらす損失の最小化または機会の最大化を図るよう、サステナビリティ推進活動と有機的に結び付けて、計画的に推進しています。

また、サステナビリティの計画的な推進を目的として設置した、サステナビリティ委員会の事務局であるサステナビリティ推進部が、リスクマネジメント事務局としても関わっており、リスクマネジメントの運営を支援・推進しています。

 

④ 気候変動への取り組み(TCFD)

重要課題の一つである「地球環境への取り組み」の活動として、パリ協定に準じた世界の平均気温上昇を、産業革命以前に比べて1.5℃以下に抑えるため、科学的根拠に基づく温室効果ガス排出量削減目標を設定しています。この目標は国際的なイニシアチブ「SBTi(The Science Based Targets initiative)」により、2022年10月にSBT認定を取得しました。

また、2023年5月発表の「中期経営計画2025」では、事業を通じて社会課題へ継続的に取り組む事を掲げ、今後さまざまな取り組みを進めて行きます。

当社グループでは、「地球環境への取り組み」をビジネスの機会と捉え、サーキュラエコノミー(循環経済)の概念に基づいた「サーキュラーデザイン」の考え方を策定しました。資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出し、資源・製品価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を積極的に進め、2050年カーボンニュートラル実現に向けて着実に実行して行きます。

オカムラグループ気候変動情報開示

https://www.okamura.co.jp/company/sustainability/report/pdf/2023/TCFD_open_230627.pdf

 

(2)人的資本に関する考え方および取り組み

① 人財の育成に関する考え方(戦略)

当社は創業以来、経営の基本方針において、従業員を共に企業を繁栄させる協力者でありチームの一員と捉え、「創造・協力・節約・貯蓄・奉仕」を社是に、人を中心とした経営を行ってまいりました。創業の精神を踏まえ、「人が活きる」ことを経営理念として掲げながら、以下の考え方に基づき、持続的成長を支える従業員のエンゲージメント向上に向けて人財育成と働きがい改革を一段と進め、従業員一人ひとりが自分らしく活き活きと働くことができることで、環境の変化に対応できる「強いオカムラ」を目指してまいります。

 

・従業員一人一人が活き活きと働き、WiL-BE(注)を実現できる環境づくりを通して、エンゲージメントを高め、最大限の成果を発揮することによって企業価値を向上させる。

・経営戦略を実現するために必要な人財ポートフォリオを構築し、採用、育成、評価、処遇、配置の人財サイクルによって従業員一人一人の成長とキャリア形成を図る。

・全社一体で最大限のパフォーマンスが発揮できる組織の構築と人財の配置を行い、オカムラウェイ(経営理念)の浸透とチームワークの強化で経営目標を達成する。

 

(注)当社では働き方改革を「WiL-BE(ウィル・ビー)」と名付けて推進しています。「WiL-BE」は当社が提唱する「Work in Life(ワークインライフ)」に由来していますが、 Work in Lifeは「Life(人生)にはさまざまな要素があり、その中の一つとしてWork(仕事)がある」という考え方です。

 

② 指標と目標

①の人的資本に関する考え方についての指標および目標として、以下を掲げております。

 

 

2021年度実績

2022年度実績

2023年度目標

女性管理職比率(%)

4.9

5.9

6.5

男性育児休職取得率(%)

16.2

64.8

65.0

障がい者雇用率(%)

2022年6月1日時点で
2.52

2023年6月1日時点で
2.46

2024年6月1日時点で
2.50以上

従業員満足・エンゲージメントの向上

-

-

サーベイの実施

 

(注)実績及び目標は、提出会社の状況であります。

 

③ 取り組み事例

a.女性リーダーの育成に向けた取り組み

オカムラでは、女性管理職比率を2024年度までに7.0%に上げることを目標にしています。

女性管理職を増やす施策として、女性従業員がリーダーシップスキルとマインドを習得するための選抜研修を実施しています。

 

「女性リーダーシッププログラム(Women’s Leadership Program、略称:WLP)」

一人ひとりが自分らしくリーダーシップを最大限に発揮できるように、リーダーシップスキルとマインドを学ぶ選抜研修を実施。2022年度は全2回実施し、69名が受講しました。

 

「社外団体主催の女性リーダー育成研修への派遣」

課長職相当の女性従業員を社外の研修に派遣し、他社の受講者との交流を通じて、女性リーダーに期待される役割や能力について学んでいます。

 

「女性活躍推進に向けた所属長向け研修」

所属長を対象に、アンコンシャスバイアスを理解し気付くこと、適切な対処の仕方を身につけることにより、部下の育成など日頃のマネジメントのレベルアップにつなげることを目的としたe-ラーニングを実施しています。

 

b.仕事と育児の両立支援に向けた啓発活動

仕事と育児の両立支援に向けた啓発の取り組みとして、育児に関するさまざまな情報交換・発信を行いました。

 

「社内向け啓発」

・ 子育て支援「はぐくむ」プロジェクトメンバーからの情報発信、パパ・プレパパ同士の交流を目的としたMicrosoft Teams(注)チーム「パパCafé」の継続運用

・ 育児休職をテーマとした啓発ポスター・ステッカーを作成

・ 男性育児休職取得者による座談会の開催

・ 課長職以上の管理職全員を対象とした男性育児休職取得推進研修「イクボスセミナー」の実施

(5回)

・ 情報発信サイト「Okamura Live:)」での情報発信

・ 社内掲示板サイトにて育児休職を取得した男性従業員の声等を掲載した「はぐくむNEWS」の発行(月1回)

・ 株式会社ワーク・ライフバランスの男性の育児休職取得を推進する研修「父親学級」(希望者が参加)の開催(4回)

 

「社外向け」

・ NPO法人ファザーリングジャパンの「イクボス企業同盟」に加盟

・ 積水ハウス株式会社「育休を考える日」への協賛

・ 東京・赤坂にある共創空間Seaにて「育休を考える会」と題したセミナーの開催

・ 情報発信サイト「Okamura Live:)」での情報発信

 

(注)Microsoft Teams は、Microsoft Corporation の商標または登録商標で、業務用のチャットやWeb会議ができるツールです。

 

c.人財育成

オカムラグループは、「人事方針」に「能力の開発と発揮、および協力・融和に必要な教育を積極的に行い、自己啓発の意欲の増進を図ること」を明記しています。また、2023年度から3カ年の中期経営計画では従業員と会社がともに成長する「人財育成」を目指しています。これを実現するため、従業員一人ひとりが未来のキャリアを描き続け、多様な経験を通じて成長し続けることを「オカムラ キャリアジャーニー」としています。従業員同士の相互理解を基盤に、従業員一人ひとりのキャリア自律を支援するための学び続ける機会、挑戦する機会の整備をしています。

 

オカムラ ユニバーシティ(略称:オカユニ)」

オカムラでは、従業員が自律的な学びをデザインすることを目的とし、2020年にオカムラ ユニバーシティを開校しました。3年目となった2022年度は、ビジネススキルに関する講座を拡充し、今後のキャリアや自己成長について主体的に考えるきっかけとなっています。

 

「サクセッションプラン(次世代リーダー研修、オカムラビジネススクール)」

オカムラでは、企業の持続的成長と変化するビジネス環境への対応力を高めるべく、変革を担える次世代の「経営人財」の育成を行っています。育成を通して「経験×知識×勘所」を磨き、経営人財が自身のキャリアジャーニーを描き研鑽を積んでいく施策を3段階にて展開しています。1つ目は、非管理職を対象にケースを使いビジネススキルの習得と、アクションラーニングを通して代表取締役や役員に自社課題の提案を行う「次世代リーダー研修」を9カ月間かけて実施しています(過去97名受講)。2つ目は管理職を対象に、外部講師に加え社内外の役員が講話を行い、経営課題を描き解決に向けたアクションに取り組む「オカムラビジネススクール」を2022年に開校しました(1期生13名)。「企業経営」等について幅広くテーマを選定し、外部コンサルタントの指導により毎月1回対面で1年間実施しています。3つ目は研修修了者の一部を外部研修や国内のビジネススクールへ派遣し、社内外を含めた多様な知見の共有や経営感覚を磨く機会を設け、習得した知見を現場で発揮できる状態を目指しています。

 

 

グローバル人財育成制度

海外市場の拡大に対応できるグローバルな人財の育成を目的とする制度です。公募型で選抜した対象者は、通常業務から離れ国内の語学学校へ3ヵ月間集中して通学します。会話や文法、ビジネスコミュニケーションの他に、異文化理解等の講座を設けています。国内語学留学後、海外での語学留学や海外ビジネスに関わる業務への従事、海外現地法人に赴くなど、実際のビジネスを経験することで、海外勤務における総合的な適応力を養います。2022年度は7名が英語、2名が中国語を国内語学学校で学び、うち1名が米国の語学学校へ留学、3名が海外営業本部へ異動し活躍しています。

 

「DX人財」

変化の激しいビジネス環境下で、多様化するお客様のニーズや社会課題に柔軟かつ機動的に対応するため、経営戦略の一環としてDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を強化いたします。最先端のデジタル技術を積極的に活用し、「人が活きる」環境づくり、各事業の成長に貢献していきます。DX教育として、全従業員に対してe-ラーニングを実施いたしました。また、全社横断的に人財を募りDX専門人財を育成するためのオンライン講座を実施し、「デジタル技術の活用」によって、これからの社会で活かせる仕組みや手法を発想し、実践して、顧客・従業員の体験価値を向上できるオカムラパーソンの育成を実施しております。

 

d.健康経営に関する取り組み

オカムラグループでは、「Work in Life」の基盤として健康経営を位置づけ、「オカムラ健康経営宣言」および「オカムラ健康経営の考え方」に基づき、健康経営推進体制を構築し、各種健康診断や疾病予防対策の充実、年次有給休暇取得促進などの取り組みを進め、従業員の健康に配慮した職場づくりに努めています。また、従業員の健康意識向上を促し、自ら健康増進に向けて取り組んでいけるように、ヘルスリテラシー教育や情報発信を行っています。

 

「重点施策」

・ 定期健康診断100%受診と受診後のフォロー実施

・ 二次健診の受診率向上

・ メンタルヘルス対策

・ ストレスチェック結果による産業医面談実施の促進、長時間労働者への産業医面談実施

・ プレゼンティーズム(注)の改善によるパフォーマンス値改善

・ 年次有給休暇取得率の向上

・ 禁煙の促進

・ 特定保健指導の実施率向上

・「安全」を最優先に労働災害と交通事故の撲滅

 

(注)プレゼンティーズム(疾病就業):何らかの健康問題により業務効率が落ちている状態

 

e.インナーコミュニケーション(社内活性)

従業員の“ 働きがいの最大化”に向けて「従業員一人ひとりに寄り添い、働きがい向上の伴走支援をする」をテーマに活動しています。2022年度は、従業員の「働きがい向上の流れをつくる」「働きがい支援の流れをつくる」という2つの目標を設定し活動をしてきました。働きがいの向上のためには、まず、一人ひとりで異なる“ 働きがい”というものについて、従業員それぞれが向き合い、把握することが重要と考えています。そのため、所属長を実施責任者とする「働きがい会議」の計画を行い、2023年度の全社実施に向けた準備を進めています。また、働きがいに関する従業員の声やアイデアを吸い上げ、「WiL-BE 2.0」の4アクション「Human Development」「Work Rule」「Work Smart」「Work Place」へと展開する仕組みづくりを開始しています。既に、2023年1月には、従業員と経営層が対話をする仕組みとして「教えて、中村さん!」をスタートし、従業員からの質問に代表取締役の中村雅行氏が直接回答をする試みを行っています。また、2023年4月には既存の「提案制度」を改定し、より多くの社内提案を集められるように計画しています。

 

 詳細は、「サステナビリティレポート」に記載し、当社ホームページ等で公開しております。  

 https://www.okamura.co.jp/company/sustainability/

 

 

3 【事業等のリスク】

(1) リスクマネジメントの体制

当社グループは、事業目的の達成に影響を及ぼす可能性(好ましい影響・好ましくない影響の双方を含む)をリスクと認識し、リスクの特定、分析および評価を行ったうえで、リスクを合理的にコントロールしてリスクがもたらす損失の最小化または機会の最大化を図るよう、組織的に活動しています。

また、リスクに係る上記の組織的な活動であるリスクマネジメントを、グループのサステナビリティ活動と有機的に結びつけて、その有効性の向上を図るため、サステナビリティ活動の計画的推進を目的として設置されたサステナビリティ委員会において、グループのリスクマネジメントに関する基本方針、重点対応リスクおよび対応策の決定ならびにリスクマネジメントの有効性評価等を行っております。

なお、サステナビリティ委員会およびリスクマネジメントにおける役割の概要に関しては、次のとおりです。

 

 サステナビリティ委員会

a.目的  グループのサステナビリティ活動の計画的推進

b.役割  サステナビリティ委員会は、リスクマネジメントに関して以下の役割を担っています。

     ・リスクマネジメントの基本方針の決定

     ・全社的なリスクに係る重点対応リスク、対応策およびリスクオーナーの決定

     ・リスクマネジメントの実施状況の確認、有効性評価および改善指導

     ・リスクに関する重要事項の取締役会への報告

c.開催  年2回定期的開催および必要に応じて臨時開催

d.構成員 委員長 社長執行役員、

     委員 各事業本部の執行役員、コーポレート担当執行役員等

 

② リスクマネジメント事務局

法務リスクマネジメント部長が事務局長を務め、サステナビリティ委員会の委員であるコーポレート担当部門を構成員として、当社グループのリスクマネジメントの運営を支援・推進しています。

③ 全社的レベルのリスクマネジメント

当社全体または当社グループに影響が及ぶことが想定される事態に対して、サステナビリティ委員会を決定機関として全社的リスクマネジメントを実施しております。

 

④ 事業ユニットレベルのリスクマネジメント

セグメントごとの当社の事業本部および連結子会社を総称した当社グループ内における事業活動の責任単位を事業ユニットとしており、事業本部の執行役員を主管本部長としています。事業本部または子会社で対応が可能な事態には、事業ユニットの主管本部長を責任者としてリスクマネジメントを実施しております。

 

⑤ リスクオーナー

リスクごとに、リスクを効果的にコントロールする活動責任と活動内容・結果についての説明責任を持つ責任者をリスクオーナーとして定めています。リスクオーナーは、事業目的・業績目標に照らして適切なリスク対応策を選択・適用する権限を有しており、リスクへの対応を行っています。全社的リスクのリスクオーナーは執行役員が担うものとし、サステナビリティ委員会にて決定しています。

 

 

当社グループのリスクマネジメント体制に関しては、次のとおりであります。

 


また、当社では、こうした体制の整備、運用に関して、平時のリスクマネジメントとして「リスクマネジメント規程」を、有事のクライシスマネジメントとして「緊急事態対応規程」を制定しております。

 

(2) リスクアセスメントのプロセス

リスクアセスメントにあたっては、まずリスクを特定し、特定したリスクに対して、発生可能性と影響度の観点からリスクマップを用いて分析をしたうえで評価を行っています。

特定されたさまざまなリスクは、大きく「事業環境リスク」「事業戦略リスク」「業務リスク」「金融リスク」「人権・人財・労務リスク」の5つに分類し、さらに中分類・小分類の3つの階層に整理しています。

 

・発生可能性のレベル判定目安


 

・影響度のレベル判定目安


 

・リスクマップ

 


 

リスクアセスメントは、全社的レベルで年2回、事業ユニットレベルで年1回実施しております。

事業ユニットレベルのリスクアセスメントは、まずグループ会社が自社に係るリスクについて分析・評価を行います。次に、グループ会社のアセスメント結果を踏まえて事業ユニットの主管本部長が事業ユニット単位での重点対応リスクを決定します。

全社レベルのリスクアセスメントは、リスクマネジメント事務局が指定した評価部門が事業ユニットのリスクアセスメントを参考にしつつ1次アセスメントを実施、リスクマネジメント事務局が各評価部門の結果を総合的に検討して再度アセスメントを行います。そのアセスメントによって、リスクマップで「重大」リスク、「高」リスクに位置付けられたリスク、および将来の影響変化予測や社会的責任の重要性を考慮して重要と判断したリスクを、サステナビリティ委員会に諮り、同委員会にて全社的な重点対応リスクを決定します。

重点対応リスクには、それぞれについてリスクオーナーが顕在化した場合の事業への影響度を分析して対応策を策定し、実行に努めております。その策定にあたっては、短期的・優先的に対応すべきリスクがサステナビリティ委員会で指定されており、その結果が計画に加味されています。

また、リスクオーナーおよびリスクマネジメント事務局は、対応状況をモニタリングし、課題が明らかになった場合には、リスクオーナーがその是正・改善を図っております。

 

(3) 重点対応リスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に、重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。これらのリスクを制御して可能な限り回避するよう努めております。なお、下記記載のリスク項目は、当社グループ事業に関するすべてのリスクを網羅したものではありません。また、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(下記に重点対応リスクと記載のあるものは、前述のリスクアセスメントプロセスにより全社的な重点対応リスクとしたリスクを、そのリスクの中分類の階層で経営の重要課題の4分類に関連付けしたものです。)

 

① 「人が活きる環境の創造」に係るもの

a.製品・サービスの品質維持、向上

製品・サービスの品質は「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」という当社のミッションの根本であります。安全、高品質で創造性豊かな製品・サービスを追求し、お客様の期待に応えることができるよう、研究開発、生産から販売にいたるすべてのプロセスにおいて常に品質管理の徹底に努めております。

当社グループは、世界的に認められている品質基準(ISO9001)に従って各製品を製造しております。しかし、すべての製品について不測の事故も生じず、将来にわたりクレームが発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、当社グループが最終的に負担する賠償額を、保険が十分にカバーできるという保証はありません。製品の欠陥は、当社グループの評価に影響を与え、業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。お客様への新しい価値の提供、販売対象のモノからコトまでへの拡大、社内製造の製品だけでなく社外調達商品、請負工事、サービスまでのトータル販売の伸張といった事業の変化に伴い、対処すべき品質管理対象も多様化・複雑化し続けております。事業の成長速度に品質維持が追随できず品質管理活動が十分に行きわたらなくなる可能性を認識して、絶えず品質管理活動の見直しを行い品質の維持、向上を図っています。

重点対応リスク:商品・サービスの品質

② 「従業員の働きがいの追求」に係るもの

a.人的資本・多様性

事業の遂行および成長に必要な人財を効果的に集め、育成し、確保できなければ、事業活動を実行、管理、監督するといった重要な能力が妨げられ、計画通りの業績目標が達成できないおそれがあります。人的投資が不足して人財育成に対する取り組みが十分に行われない場合、従業員の健康と安全に十分配慮されない場合、または職場の心理的安全性が確保されない働きにくい社内環境に陥った場合は、従業員の士気の低下や体調不良または離職を招くおそれや、生産力の低下により当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。安全衛生に係る関係法令等への違反は、罰則や賠償金支払だけでなく、当社グループの評価に影響を与え、業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。(リスクへの対応策については、「2 サステナビリティに関する考え方および取り組み」を参照)

重点対応リスク:人財、安全衛生、労務、人権

 

③ 「地球環境への取り組み」に係るもの

a.気候変動

気候変動対策の遅れや関係法令等への抵触、または社会が求める資源循環型に企業活動が移行できないと、持続可能な社会づくりへの貢献が妨げられるだけでなく、当社グループの社会的な信用を棄損するとともに、顧客選定基準からの除外による収益悪化の影響をおよぼす可能性があります。(リスクへの対応策については、「2 サステナビリティに関する考え方および取り組み」を参照)

重点対応リスク:気候変動、資源循環型社会への移行

 

④ 「責任ある企業活動」に係るもの

a.サプライチェーンの分断

当社グループは、地震・洪水等の自然災害や火災等の事故災害、新型の感染症の流行、米中貿易摩擦をはじめとする各国の政策動向により、サプライチェーンが分断された場合、事業活動の停止や機会損失、復旧のための費用負担により、当社グループの業績に悪影響をおよぼす可能性があります。地政学的なリスクの高まりやエネルギー価格の高騰等を背景にした、資材価格の高騰や原材料の調達難といった事態が生じ、これに十分対処できなかった場合、事業活動の機会損失、調達費用負担により、当社グループの業績に悪影響をおよぼす可能性があります。

重点対応リスク:大規模自然災害、感染症の蔓延、資材・原材料調達、事故・人為的な災害

b.ガバナンス・コンプライアンス

当社グループは、法令等の確実な遵守に加えて高い倫理観に基づき、常に公正、透明、誠実な行動に努めるとともに、適時・適切な情報開示やコミュニケーションを通じて顧客、取引先、従業員、地域社会などさまざまなステークホルダーとより良好な関係を築き信頼を得られるよう努めております。経営層からの発信や行動規範の周知活動、e-ラーニングをはじめとする教育などの啓蒙活動を継続的に実施するとともに、グループ内で企業理念、経営方針をより一層徹底し、グループ一体となった企業活動が遂行できるよう活動責任を明確にしたグループ経営への見直しを行いました。

意識の醸成や行動の徹底はグループ全体で行う必要がありますが、グループ会社統制が機能しない場合を含め、すべての企業活動および役員・従業員の言動が適切で、将来にわたり問題行動が発生しないという保証はありません。社会の期待に対応できていない場合は、当社グループの信用が低下して業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。また、当社グループの不適切な行動や信用低下・業績悪化は、取引先にも悪影響をおよぼして取引先を経営破綻に追い込んでしまう社会的責任を生じさせる可能性があると認識しています。組織内のコミュニケーションや心理的安全性が低下した場合、リスクや問題事項の検出遅延、誤認や独断による誤った業務運用、および不正・不適切処理に気づいても報告されない事態を誘発しやすくする可能性があるため、ヘルプラインを社内・社外・国外に設置して懸念事項の早期解決に努めるとともに、定期的に当社グループ全員を対象にした意識調査を行って経年の意識変化分析や改善活動を実施しております。

重点対応リスク:ガバナンス、信用、法律・規制の遵守、労務

 

c.情報セキュリティ

当社グループは、事業上、顧客情報や個人情報を含む秘密情報を保有しております。また、製造販売等の各事業において、様々なICTシステムを利用しており、それらに対する情報セキュリティリスクは年々高まってきております。当社グループは、プライバシーマーク制度に従って、個人情報の適切な取扱いを実施しております。また、サイバー攻撃等によるウイルス感染や不正アクセスなどに対しては、情報セキュリティ事故を未然に防ぐための対策を強化するとともに、2020年に発足したCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を中心として情報セキュリティ事故が発生した際の被害を最小化するための対策を実施しております。その他、従業員に対しては、e-ラーニングによる教育や標的型攻撃メール訓練を実施するとともに、イントラネットやパソコン起動時の注意喚起により、日常業務の中で情報セキュリティリスクを意識するための啓蒙活動を継続的に実施しております。しかしながら、サイバー攻撃等により重大な情報セキュリティ事故が発生した場合、社会的信用の低下や業務停止により、当社グループの業績に悪影響をおよぼす可能性があります。

重点対応リスク:情報セキュリティ

 

⑤ 上記以外で財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の変動に係るもの

a.経済状況

当社グループの国内販売比率は90%を超えております。国内景気の悪化に伴う設備投資の抑制により、需要が縮小し、当社グループの業績や財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

点対応リスク:経済環境の変化

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

 

前連結会計年度末
(百万円)

当連結会計年度末
(百万円)

総資産

245,372

252,914

純資産

144,121

152,702

自己資本比率

58.1

59.6

1株当たり純資産

1,459.34

1,592.79

 

 

総資産は、前連結会計年度末から7,541百万円増加して252,914百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の減少、売上債権及びその他流動資産の増加を主な要因として5,434百万円増加し、固定資産は、投資有価証券の減少、建設仮勘定の増加を主な要因として2,107百万円増加いたしました。

負債は、契約負債の増加、長期借入金の減少などを主な要因として、前連結会計年度末から1,039百万円減少し100,211百万円となりました。

純資産は、自己株式の増加による減少、利益剰余金の増加を主な要因として、前連結会計年度末から8,581百万円増加して152,702百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.5ポイント増加して59.6%となり、1株当たりの純資産は、前連結会計年度末の1,459.34円から1,592.79円となりました。

 

② 経営成績の状況

売上高は、前連結会計年度に比べ6.1%増加して277,015百万円となりました。また、売上原価は売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ10,421百万円増加して188,010百万円となり、売上高に対する売上原価の比率は67.9%となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ4,017百万円増加して71,632百万円となりました。また、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は25.9%となりました。

この結果、営業利益は、前連結会計年度の15,972百万円に比べ8.8%増加し17,372百万円となりました。

営業外損益は、前連結会計年度の1,519百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は1,552百万円の収益(純額)となりました。

この結果、経常利益は、前連結会計年度の17,491百万円に比べ8.2%増加し18,924百万円となりました。

特別損益は、前連結会計年度の4,179百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は4,224百万円の収益(純額)となりました。

この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の21,670百万円に比べ6.8%増加し23,148百万円となりました。

法人税等は、前連結会計年度の6,594百万円に比べ5.2%増加し6,935百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等の負担率は30.0%となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の14,992百万円に比べ6.1%増加し15,906百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の151.26円に比べ7.9%増加し163.15円となりました。また、自己資本利益率は10.8%となりました。

なお、当連結会計年度における各セグメントごとの状況は、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

区分

前連結会計年度(百万円)

当連結会計年度(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

5,328

13,491

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,264

△6,660

財務活動によるキャッシュ・フロー

△8,601

△9,485

現金及び現金同等物期末残高

39,186

36,999

借入金・社債期末残高

21,594

21,159

 

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益23,148百万円、減価償却費6,213百万円及び,契約負債の増加額1,833百万円等による増加と、売上債権及び契約資産の増加額4,601百万円、法人税等の支払額7,583百万円及び投資有価証券売却損益4,350百万円等による減少の結果、13,491百万円の資金増加(前期は5,328百万円の増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入8,355百万円等による増加と、有形固定資産の取得12,369百万円、無形固定資産の取得1,011百万円及び投資有価証券の取得1,157百万円等による減少の結果、6,660百万円の支出(前期は2,264百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得4,070百万円及び配当金の支払額4,111百万円等による減少の結果、9,485百万円の支出(前期は8,601百万円の支出)となりました。

これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は2,187百万円減少し、36,999百万円となりました。

また、借入金・社債の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ435百万円減少し、21,159百万円となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

オフィス環境事業

58,440

8.9

商環境事業

25,232

3.1

物流システム事業

6,191

54.2

その他

5,400

11.5

合計

95,265

9.5

 

(注) 金額は、製造原価によっております。

 

b.受注状況

当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立てて生産しております。一部受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

オフィス環境事業

155,760

56.2

商環境事業

101,842

36.8

物流システム事業

13,624

4.9

その他

5,788

2.1

合計

277,015

100.0

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態

財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。

 

b.経営成績

区分

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

経常利益
(百万円)

親会社株主に
帰属する
当期純利益
(百万円)

1株当たり
当期純利益
(円)

ROE
(%)

当連結会計年度

277,015

17,372

18,924

15,906

163.15

10.8

前連結会計年度

261,175

15,972

17,491

14,992

151.26

10.7

 

 

当連結会計年度の国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の収縮から回復傾向にあるものの、ウクライナ情勢を巡る地政学的リスク、諸資材・部品の価格高騰、世界的な金融引き締めにともなう急激な金利・為替変動に銀行不安も加わり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような状況のもと、当社グループは、「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」をミッションとし、顧客のニーズを的確に捉えたクオリティの高い製品とサービスを社会に提供することで、企業価値の向上に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高277,015百万円(前期比6.1%増)、営業利益17,372百万円(前期比8.8%増)、経常利益18,924百万円(前期比8.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,906百万円(前期比6.1%増)となり、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高となりました。

また、自己資本当期純利益率(ROE)は、10.8%(前期比0.1ポイント増)、総資産経常利益率(ROA)は、7.6%(前期比0.5ポイント増)、売上高営業利益率は、6.3%(前期比0.2ポイント増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

売上高(百万円)

セグメント利益又は損失(△)(百万円)

前連結
会計年度

当連結
会計年度

増減

前連結
会計年度

当連結
会計年度

増減

オフィス環境事業

140,599

155,760

15,160

13,782

15,885

2,103

商環境事業

102,674

101,842

△832

2,740

2,721

△18

物流システム事業

12,360

13,624

1,263

△590

△1,196

△606

その他

5,540

5,788

247

40

△37

△77

合計

261,175

277,015

15,839

15,972

17,372

1,400

 

(注) セグメント利益又は損失(△)の合計は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。

 

 

オフィス環境事業

オフィス環境事業につきましては、新しい働き方に対応したオフィスの構築が、業種・規模を問わず多くの企業にとって重要な経営課題となっており、全国でオフィスのリニューアル需要が活発に推移しました。このような状況のもと、当社は、ハイブリッドワークとデジタル時代に対応した新しいワークスタイルの提案営業と、それを支える働き方の変化を捉えた新製品の拡充により需要の取り込みに努めました。またDB&B社買収による海外売上の増加もあり、売上高、利益ともに過去最高となりました。

この結果、当セグメントの売上高は、155,760百万円(前期比10.8%増)、セグメント利益は、15,885百万円(前期比15.3%増)となりました。

 

商環境事業

商環境事業につきましては、当社の主要顧客であるスーパー、ドラッグストア等の小売業を中心に、改装需要が好調に推移いたしました。このような状況のもと、店舗什器、冷凍冷蔵ショーケースをはじめとした幅広い製品ラインナップと、店舗デザインや施工管理等を含む店舗づくりのトータルサポート体制による当社の総合力を活かした提案を展開し需要の取り込みに努めました。また諸資材・部品の価格高騰の影響を大きく受けましたが、生産・物流コスト削減に努めるとともに、下半期より価格転嫁が徐々に浸透し始めたことにより、売上高、利益ともに前連結会計年度から横ばいとなりました。

この結果、当セグメントの売上高は、101,842百万円(前期比0.8%減)、セグメント利益は、2,721百万円(前期比0.7%減)となりました。

 

物流システム事業

物流システム事業につきましては、労働人口の減少と電力高騰を背景とした省人・省力化への要望は強く、大型物流施設を中心に自動倉庫の需要は高水準で推移しております。このような状況のもと、優位性のある製品の強みを最大限に活かした積極的な提案活動を展開してまいりました。足元での受注高は堅調に増加しており、前連結会計年度に比べ、売上高は増加いたしました。しかしながら、諸資材・部品の価格高騰により、利益は減少いたしました。

この結果、当セグメントの売上高は、13,624百万円(前期比10.2%増)、セグメント損失は、1,196百万円(前期は590百万円のセグメント損失)となりました。

 

c.キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社は、2022年10月19日開催の取締役会において、長野県須坂市に新たに工場を建設することを決議いたしました。設備投資計画の詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。

当社は、安定的な資金の流動性を確保するため、及び運転資金の効率的な調達を行うため主要取引金融機関と20,000百万円の特定融資枠契約を締結しております。なお、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、新たな需要の創造、効率的な経営、グローバル化の推進により、継続的な成長とESGへの積極的な取り組みを通じた企業価値の向上を目指して、2023年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しております。当連結会計年度における売上高は277,015百万円(前期比6.1%増)、営業利益17,372百万円(前期比8.8%増)、経常利益18,924百万円(前期比8.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,906百万円(前期比6.1%増)、自己資本当期純利益率(ROE)は、10.8%(前期比0.1ポイント増)、総資産経常利益率(ROA)は、7.6%(前期比0.5ポイント増)、売上高営業利益率は、6.3%(前期比0.2ポイント増)となりました。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発費の総額は、1,125百万円であります。

当社グループの研究開発活動は、人にとって機能的で、安全・快適な空間創造に貢献するとともに、環境問題に配慮した製品の開発を行うことをモットーに、各事業分野にわたり積極的に研究・開発に取り組んでおります。

 

  当連結会計年度のセグメントごとの主な研究成果は以下のとおりであります。

 

(1)オフィス環境事業

世の中はコロナ禍という想像もしなかった事態に見舞われて、人々の生活やワークスタイルは強制的に変化しました。とくにコロナ禍で世の中の価値観が不連続的に変化しています。このような環境下、これからのニューノーマルな働き方を研究・実践し、具体的な製品開発を通してワーカーのこれからの働き方を提案する研究・開発を行っております。

①アフターコロナに向けて、ワークプレイスのあり方、考え方を変えて、特に働き方や仕事のやり方を変えて生産性を向上させて創造的な仕事に時間を費やすことで企業全体のパフォーマンスを高めるための提案と、それらを実現するためのプロダクトの開発を実施いたしました。オフィスの活動の拠点となる「BASE」を「BASE for One」と「BASE for Team」に再定義し、「BASE for Team」向けの新製品としてWORK VILLA、Lives Post Beamを発売いたしました。

②ワークブースの市場は大きく拡大しており、オフィスのみならず鉄道、空港、学校、病院、自治体等のパブリックスペースやヘルスケア市場にも拡大しています。ワークブース市場のパイオニアとして環境性能向上(軽量化によりCO2排出量の削減)、安全性向上、音環境を向上させたモデルを新たに発売いたしました。働き方のデジタルトランスフォーメーションWork x Dも、ワークプレイスにとどまらず、オフィスビル全体のインフラを構築するシステムとして強化いたしました。

③企業のESG経営を支援する、循環型社会の実現を目指した製品開発を実施しております。業界初の廃棄物の発生を最小化する、オカムラのものづくり思想“サーキュラーデザイン”をさらに強化し、使用済み自社製品の部品を再原料化する取り組み「Re:birthプロジェクト」をスタートさせ、新製品「POTAM(ポータム)」の部品として採用を開始しております。森林の手入れや伐採時に発生する未利用材(枝、葉)に着目し、これを家具部材に利用する活動を始めております。発売開始から20年を迎えるコンテッサチェアについては、今後さらに国内外で販売を続けていく中で、よりサステナビリティ面で進化をさせていく必要があり、当社としては初めて「脱ウレタン」を試みたコンテッササーキュラーモデルを販売いたしました。

④建材市場では、国内間仕切建材メーカーとしては初めて環境認証「level認証」を取得しました。同時に間仕切製品のCO2排出量を算出し、カーボンオフセットプログラムの対象製品として販売を行っております。

⑤Work in Lifeにおけるこれからの働き方や働く場については、実際に社内で実践してその内容を顧客の働く環境改善に向けて社外へ発信、提案しております。社内外の人々と共に考えていく活動、「WORKMILL(ワークミル)」を推進。全国4都市(東京、名古屋、大阪、福岡)で共創空間の運営を行い、企業の抱える組織や社会の課題解決を考える場として活動しています。

当事業における研究開発費の金額は524百万円であります。

 

(2)商環境事業

人手不足を背景とした店内の効率化・省人化効果、およびエネルギーコストの上昇により店舗の省エネ効果がある製品・ソリューションの必要性が高まっております。また、店舗が果たす社会的役割の重要性がより認識されるなか、当事業においてもよりサステナブルな店舗開発・運営に寄与する製品、ソリューションの研究開発を行っております。

・テクノロジーを利用した店内データの収集・分析や店内作業の自動化による効率化の研究・開発

・ロボットを活用した店内作業の軽減に関する実験

・陳列や買い物をしやすくするための、特定の商品に特化した専用什器の研究・開発

・災害時に、店舗をより早く復旧できるようにするための、製品の研究開発と復旧作業体制の構築

・冷凍冷蔵ショーケースの消費エネルギーを低減するシステムの研究・開発

当事業における研究開発費の金額は87百万円であります。

 

 

(3)物流システム事業

eコマースの急成長による物量増加や、慢性的な人手不足による物流効率化のニーズが高まる中、物流倉庫や生産工場における「省力化・省スペース化・スピード化」を追求したマテリアルハンドリングシステム(ハード及びソフトウェア)の研究開発に加え、世界の最新技術も取り入れたお客様に最適なソリューションのご提案、導入サポートを行っております。

・AI・IoT・ロボット技術を応用したマテリアルハンドリングシステムの開発

・AI搭載ロボットと遠隔操作によるハイブリッド型物流自動化ソリューションの開発

・物流効率化を実現する高速・高密度収納のケース系自動倉庫の開発

・省スペース化を実現させるパレット高密度保管用自動倉庫の品揃え強化

・設置工事の短縮を可能とする搬送・仕分けシステムの開発

・保守IoTサービスシステムの開発

当事業における研究開発費の金額は477百万円であります。