第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、グループの目指す姿として「経営理念(ミッション)」、「経営ビジョン」、「行動指針(バリュー)」を以下のとおり定めております。

<経営理念(ミッション)>

グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えます

<経営ビジョン>

持続的成長と企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループを創造します

<行動指針(バリュー)>

お客さま第一     :わたしたちは、常にお客さまの安心と満足のために、行動します

誠実         :わたしたちは、あらゆる場面で、あらゆる人に、誠実、親切、公平・公正に接します

チームワーク     :わたしたちは、お互いの個性と意見を尊重し、知識とアイデアを共有して、ともに成長します

革新         :わたしたちは、ステークホルダーの声に耳を傾け、絶えず自分の仕事を見直します

プロフェッショナリズム:わたしたちは、自らを磨き続け、常に高い品質のサービスを提供します

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは2022年度から2025年度までの4年間の中期経営計画において、グループ全体の業績を示す経営指標として「IFRS純利益」、「修正ROE」(注1)、「ESR(Economic Solvency Ratio)」(注2)を掲げており、目標値は次のとおりであります。なお、当社グループは2025年度決算からIFRS(国際財務報告基準)を適用する予定のため、現時点のIFRS純利益の実績値は算出しておりませんが、2025年度の利益目標を「グループ修正利益」(注3)(日本基準。2022年度実績1,727億円)に置き換えると4,400~4,700億円程度に相当します。

 

 

2025年度目標

IFRS純利益

4,700~5,000億円

修正ROE

10%以上を安定的に達成

ESR

180~250%

(注)1 修正ROE   =IFRS純利益÷(IFRS純資産-政策株式の含み損益)

2 ESR     =時価純資産÷統合リスク量(信頼水準99.5%)

3 グループ修正利益=連結当期利益+異常危険準備金等繰入・戻入額-その他特殊要因(のれん・その他無形固定資産償却額等)+非連結グループ会社持分利益

 

(3) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

今後のわが国を含む世界経済は、景気の緩やかな持ち直しが持続することが期待される一方、世界的な金融引締めに伴う影響や物価上昇等による下振れリスクが懸念されます。

保険業界においては、大規模自然災害の頻発やウィズコロナ社会への移行、地政学リスクの高まりといった不確実な環境下においても、様々な課題に対応し社会のレジリエンスを高める社会インフラとしての役割を果たしていくことが求められております。

このような中、2023年度は前年度よりスタートした中期経営計画の2年目を迎え、当社グループでは、引き続き「リスクソリューションのプラットフォーマーとして、社会と共に成長する」ことをテーマに掲げ、レジリエントでサステナブルな社会を支える企業グループを実現するため、「Value(価値の創造)」「Transformation(事業の変革)」「Synergy(グループシナジーの発揮)」を基本戦略とし、「サステナビリティ」「品質」「人財」「ERM」を、基本戦略を支える基盤として各取組みを進めてまいります。

 

 

Value

(価値の創造)

「CSV×DX」取組みをグローバルに展開することで、気候変動をはじめとした社会課題の解決に貢献します。また、データやデジタルを活用したリスクコンサルティングを高度化し、補償・保障前後の商品・サービスの開発を進め、収益基盤を強化します。

Transformation

(事業の変革)

主に「商品」「事業」「リスク」のポートフォリオ変革を進め、大規模自然災害やパンデミック等の発生にも耐えうる態勢を構築します。

Synergy

(グループシナジーの

発揮)

「1プラットフォーム戦略」によりグループ共通化・共同化・一体化を推進します。また、「生損保事業のシナジー」を進めるとともに、国内外のグループ各社のノウハウ等を活用し合う「グローバルシナジー」を追求し、グループの多様性を活かし連携を強化することで一層の成長につなげます。

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基盤

サステナビリティ

品質

人財

ERM

ステークホルダーと当社グループ双方に重要度が高い社会課題である「地球環境との共生」「安心・安全な社会」「多様な人々の幸福」に取り組みます。

社会の信頼とお客さまの満足を確保するとともに、透明性と実効性の高いコーポレートガバナンスを実践します。

基本戦略の実行を支える人財を確保するとともに、その能力・スキル・意欲を最大限に発揮できる環境を整備します。

リスク、リターン、資本の一体的管理による収益力と資本効率の向上に努め、政策株式の削減を進めます。

 

主な事業領域別の取組方針は以下のとおりです。

国内損害保険事業においては、「特色ある3つの損害保険会社」「国内最大の販売網」「日本有数の企業グループとの緊密な関係」といった強みを活かして、トップラインを拡大し安定的な利益を創出してまいります。引き続き、火災保険の収益改善に取り組むとともに、「1プラットフォーム戦略」の推進をはじめとする事業費の削減取組みにより、収益性の向上を図ります。

国内生命保険事業においては、三井住友海上あいおい生命と三井住友海上プライマリー生命の強みであるチャネル(損保代理店、金融窓販)を活かした顧客アプローチを強化し、収益を拡大していくとともに、2社の連携による資産形成マーケットの開拓を進め、持続的な成長を図ります。

海外事業においては、収益力が回復してきたMS Amlin事業における良績契約の引受拡大、Transverse社を活用した米国MGA市場の取込み、アジアのリテール事業強化等の収益力強化の取組みを着実に推進し、加えて、米国・アジアでの事業投資やグローバルシナジーの強化などを進めてまいります。また、資本効率を向上させるため、収益性と成長性のモニタリングを進め、海外事業管理の高度化に取り組んでまいります。

リスク関連サービス事業においては、インターリスク総研をグループの中核に、デジタル・データの活用による補償・保障前後のサービスやコンサルティングなどのリスクマネジメントサービスを強化し、新たな事業機会を創出してまいります。

当社グループは引き続き、これら各事業領域における収益力の向上により資本効率を高め、資本コスト・株価を意識した経営、企業価値向上に努めてまいります。

さらに、サステナビリティにおける3つの重点課題として掲げた「地球環境との共生」「安心・安全な社会」「多様な人々の幸福」に基づき、社会の持続可能性への貢献と当社グループの長期的成長に向けて取り組んでまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、経営理念の実現に向けたサステナビリティの考え方を定め、取組みを進めております。

 

MS&ADインシュアランス グループのサステナビリティの考え方

 

MS&ADインシュアランス グループは、経営理念の実現に向け「価値創造ストーリー」を紡ぐ企業活動を通じて、社会との共通価値を創造し、「レジリエントでサステナブルな社会」を目指します。

信頼と期待に応える最高の品質を追求し、ステークホルダーとともに、地球環境と社会の持続可能性を守りながら、誰もが安定した生活と活発な事業活動にチャレンジできる社会に貢献し続けます。

<以下略>

 

なお、本項に記載した将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

① MS&ADの「価値創造ストーリー」とビジネスモデル

当社グループは、保険事業という公共性の高い事業を中心に、社会課題を解決し社会への価値を提供するとともに、我々自身も売上や利益といった価値を享受するという、ビジネスモデル「価値創造ストーリー」を掲げております。

当社グループは、「サステナビリティの考え方」に基づき、保険・金融サービス事業者として、事故や災害をはじめ様々なリスクを引き受け、万一の際の補償を提供します。また、リスクそのものの発生を抑制するとともに、リスクを引き起こす要因となる社会課題の解決に力を注いでおります。「リスクを見つけ伝える」「リスクの発現を防ぐ・影響を小さくする」「経済的な負担を小さくする」、この取組みにより、企業活動を通じた社会との共通価値の創造を実現してまいります。これが当社グループのビジネスモデルであります。

 

② めざす姿「レジリエントでサステナブルな社会を支える企業グループ」

中期経営計画(2022-2025)では、価値創造ストーリーを実践し、リスクソリューションのプラットフォーマーとして社会課題の解決へ貢献し社会とともに成長する「レジリエントでサステナブルな社会を支える企業グループ」をめざす姿としました。

当社グループの経営理念の実現に向けて、社会課題に向き合い、当社のビジネスモデルを通じた商品・サービスを提供することで、お客さまが安心して生活や事業活動を行うことのできる環境づくりをサポートしてまいります。

 

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③ 重点課題の特定

重点課題の特定にあたっては、世界共通の目標や国際的なガイドラインやフレームワーク等を踏まえ、解決が望まれる社会課題を洗い出したうえで、ステークホルダーの評価や意思決定に対する影響と、当社グループの事業における影響を評価し、双方にとって重要度の高いものを選択しております。

 

[STEP1]社会課題についての分析

社会で解決が求められている課題を的確に把握するために、世界共通の目標であるSDGs(持続可能な開発計画)やISO26000、国際的なガイドラインやフレームワーク、報告書等を踏まえ、解決が望まれる社会課題を洗い出しました。

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[STEP2]サステナビリティの重点課題の決定

洗い出した社会課題解決に向けた当社グループの事業活動について、ステークホルダーによる評価及び意思決定に対する影響が大きい項目、かつ、当社グループの長期的なリスク・機会に大きく影響するものを分析しました。ステークホルダーと当社の双方にとって重要度の高いものを整理して3つの重点課題を定めました。

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[STEP3]重点課題における主な取組み

これらの重点課題は、社会と当社グループ双方に価値を創造する取組みとして進めることを明確にするため、CSV(Creating Shared Value)取組みと位置付けております。また、課題の解決によって到達すべきゴールはSDGsのめざすゴールとも一致しております。

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[STEP4]経営への報告

特定した重点課題は、中期経営計画のサステナビリティ重点課題として経営に報告を行い、インフォメーションミーティングや従業員への対面での説明会等を通じステークホルダーに公表しております。

 

当社グループでは、マテリアリティ分析を通じて3つの重点課題を特定し、「地球環境との共生」(気候変動、自然資本)、「安心・安全な社会」(サイバーセキュリティなど新たなリスクへの対応、防災・減災、地方創生)、「多様な人々の幸福」(人権尊重、DE&I、人的資本)の解決に取り組むとともに、腐敗防止、贈収賄防止、情報セキュリティ管理等の取組みを進めております。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、サステナビリティ関連の課題に対して取締役会、グループ経営会議、及び課題別委員会によるガバナンス体制を敷いております。

取締役会は、法令・定款に定める事項のほか、グループの経営方針、経営戦略、資本政策等、グループ経営戦略上の重要なサステナビリティ関連の事項及び会社経営上の重要な事項の論議・決定を行うとともに、取締役、執行役員の職務の執行を監督しております。取締役会では、リスク・リターン・資本をバランスよくコントロールするため、リスク選好に基づいて経営資源の配分を行い、健全性を基盤に「成長の持続」と「収益性・資本効率の向上」を実現し、中長期的な企業価値の拡大をめざしております。取締役会は、執行役員を選任するとともに、その遂行すべき職務権限を明確にすることにより、取締役会による「経営意思決定、監督機能」と執行役員による「業務執行機能」の分離を図っております。執行役員は、取締役会より委ねられた業務領域の責任者として業務執行を行い、その業務執行状況について取締役会に報告します。

グループ経営会議では、経営方針、経営戦略等、グループの経営に関する重要な事項について協議するとともに、担当役員による決裁事項の一部について報告を受けることにより、具体的な業務執行のモニタリングを行っております。

課題別委員会は、業務執行にかかる会社経営上の重要事項に関する論議及び関係部門の意見の相互調整を図ることを目的として設置しております。サステナビリティ関連の課題や取組みは、主として、課題別委員会のサステナビリティ委員会及びERM委員会での論議を経て、取締役会とグループ経営会議の双方に報告し、決定します。

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サステナビリティ委員会は、2023年度に新設されたグループCSuO(Group Chief Sustainable Officer)が運営責任者となり、グループ各社の社長、及びグループCFO、グループCRO、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン担当役員等で構成し、サステナビリティ課題の取組方針・計画・戦略等の論議を行っております。2022年度は、グループCFO(サステナビリティ担当役員)が運営責任者となり4回開催しました。主な論議テーマは、2022年度のサステナビリティ取組み、DE&Iの推進、グループ人権尊重取組みの推進、2050年ネットゼロへの取組み等であります。なお、各論議内容は、取締役会に報告しております。

ERM委員会は、グループCFOとグループCROが運営責任者となり、ERMに関する重要事項の協議・調整等を行うとともに、リスク・リターン・資本の状況やサステナビリティ関連を含むリスク管理の状況等について、モニタリング等を行っております。2022年度は8回開催し、2023年2月に開催したERM委員会では、経営が管理すべき重要なリスク(グループ重要リスク)として、「人財を取り巻く環境の変化」を新たに加えること、「気候変動」に引き続き留意してリスクを管理していくこと等を論議し、取締役会にてグループ重要リスクを決定しております。また、ERM委員会では気候変動を含む自然災害リスク管理の高度化についても論議しており、論議内容は取締役会に報告しております。

なお、腐敗防止、贈収賄防止については「品質向上・コンプライアンス委員会」、情報セキュリティ管理については「グループシステム委員会」において論議しております。両委員会については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照ください。

 

 

(2) 戦略

当社グループは、中期経営計画(2022-2025)において、「地球環境との共生(Planetary Health)」、「安心・安全な社会(Resilience)」、「多様な人々の幸福(Well-being)」の3つをサステナビリティの重点課題(マテリアリティ)として定めております。

社会で解決が求められている様々な課題は、当社グループの事業活動へのリスク(サステナビリティに関連するものを含めた当社グループを取り巻くリスクについては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (2)当社グループの主要なリスク」参照)となる一方で、これらの課題解決につながる商品・サービスの提供を通じて社会との共通価値を創造する取組みは新たな事業機会となり得ます。

当社グループは、このようなリスクと機会を踏まえ、社会との共通価値を創造するCSV取組みを進めております。

 

① 地球環境との共生~Planetary Health~

当社が、サステナビリティに関する重点課題を特定する際に、ステークホルダー及び当社にとって最も重要度が高いものと判定した気候関連についてのリスクと機会は、次のとおりであります。

気候関連のリスクや機会は、大規模自然災害のように単年度の収支に影響をもたらすものや、中期及び長期に発現するものがあることを認識しております。

当社グループは、単年度毎の事業計画に加え、気候関連のリスクや機会を含む様々なリスクと機会を踏まえて、中期の戦略・計画を策定し、取り組んでおります。リスクソリューションのプラットフォーマーとして、気候変動の解決に貢献し、社会と共に成長してまいります。

 

a.気候関連のリスク

当社グループは、気象条件の物理的な変化による影響や脱炭素社会への移行を、事業におけるリスクとして捉え、安定的な収益や財務の健全性確保のための取組みを進めております。大規模自然災害発生時にも円滑に保険金をお支払いできる体制を維持・強化するとともに、防災・減災取組みを進め、リスクの軽減を図ります。

気候関連財務情報開示タスクフォース(以下「TCFD」)は、気候関連のリスクを物理的リスクと移行リスクの2つに分類しております。

物理的リスクは、気候変動の物理的影響に関連したリスクであります。更に、リスクが発生する状態に応じて2種類(「台風等の急性の物理的な事象に起因する急性物理的リスク」「長期的な気候パターンの変化に起因する慢性物理的リスク」)に分類しております。

移行リスクは、脱炭素経済への移行に関連するリスクであります。リスクをもたらす要因別に、4種類(「気候変動の緩和や適応に対する政策・法規制によるリスク」「脱炭素社会への移行を支援する技術の革新等によるリスク」「市場の需要供給の変化によるリスク」「気候変動への対応に対する社会の評価・評判によるリスク」)に分類しております。

 

本分類に沿ったリスクは以下の通りであります。

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[シナリオ分析]

当社グループでは、自然災害被害を補償する保険引受にかかる影響(物理的リスク)と、温暖化対策の導入による投資にかかる影響(移行リスク)について、それぞれシナリオ分析を実施しております。

物理的リスクの分析では、温暖化の進行に伴って勢力等が変化した台風による支払保険金の変動について分析し、支払保険金が増加する可能性があることを確認しております。また、移行リスクの分析では、温暖化対策の進展に応じて投資先企業が追加負担する可能性のあるコストについて分析し、投資先企業が温暖化対策を進めることで追加コストを抑制できる可能性があることを確認しております。

なお、分析にあたっては、気候変動の影響は、大きさや発生時期等の不確実性が高いことから、様々な前提や仮定を置いております。物理的リスクの分析では気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオに、移行リスクの分析では国際エネルギー機関(IEA)のシナリオに基づいて分析しております。

当社グループは、気候変動の緩和と適応への取組みや科学的知見の更新等を踏まえ、今後も継続的なシナリオ分析の見直しと高度化に取り組んでまいります。

 

b.気候関連の機会

脱炭素社会への移行による社会や経済の急激な変化は、新たな保険商品・サービスへの需要の喚起や、新しい産業の勃興や技術変革に伴う顧客企業の業績向上など、当社グループの成長につながる機会をもたらすと考えております。TCFDは、気候関連の機会を「資源の効率性」、「エネルギー源」、「製品・サービス」、「市場」、「レジリエンス」の5つに分類しております。

「資源の効率性」は、エネルギーや資源の効率的な活用に関する機会であります。

「エネルギー源」は、低排出型エネルギーの生産や活用に関する機会であります。

「製品・サービス」は、低排出型の新たな製品サービスの開発・イノベーションに関する機会であります。

「市場」は、新しい市場への開拓に関する機会であります。

「レジリエンス」は、気候関連の適応に関する機会であります。

本分類に沿った当社グループの事業活動に対する機会は、以下の通りであります。

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c.リスクと機会を踏まえた当社グループの取組み

重点課題「地球環境との共生(Planetary Health)」では、気候変動の影響を最小化し、脱炭素化への移行を支援する取組みを進めております。財務の健全性・収益の安定性を確保しつつ、台風や洪水等の自然災害によって生じた損害に対して保険金をお支払いするとともに、2050 年ネットゼロの目標を掲げて、気候変動のリスクを低減するための新しい技術の発展や脱炭素社会への移行を支える取組みと、グループの事業活動に伴う環境負荷を低減する取組みを進め、レジリエントでサステナブルな社会を支えております。

 

具体的には、次のとおり取り組みました。

・2022年6月、サステナビリティに関する保険引受・投融資の方針を変更し、7月から運営を開始しました。既設の石炭火力発電に関する新規取引停止や、環境や社会に負の影響を及ぼす事業の周辺環境への配慮状況を確認する運営を導入しました。

・投資先のGHG排出量削減に向けて、気候変動に対応した対話取組みの推進、再生可能エネルギーへの投融資を行っております。加えて、インパクト投資の実行と共にノウハウ構築も進めてまいります。

・TCFD提言に基づく情報開示において、投融資先におけるGHG排出量の計測対象の拡大(外国株式、外部委託先)や脱炭素に資する商品の保険料増収率などの拡充を図りました。

 

また、「地球環境との共生(Planetary Health)」では、生物多様性の喪失等の自然資本の持続も気候変動と一体的に取り組む課題と位置付けております。

 

具体的には、次のとおり取り組みました。

・当社は、2023年9月の自然関連財務情報開示タスクフォース(以下「TNFD」)提言の最終化に向けて開示枠組みの開発に参画しております。また、日本におけるTNFDの主流化をめざして「TNFD日本協議会」を設置し、TNFD賛同企業向けに開発中の開示枠組に関する解説などを実施しております。

・2022年11月、株式会社三井住友フィナンシャルグループと気候変動・自然資本分野での協業を開始しました。さらに、農林中央金庫、株式会社日本政策投資銀行を加えた4金融機関グループで、ネイチャーポジティブ(以下「NP」)の実現に向けて金融アライアンスを2023年2月に発足しました。NPに資するソリューションの調査や、企業の事業活動におけるNPへの転換を支援する金融商品の開発を検討してまいります。

 

② 安心・安全な社会~Resilience~

a.リスクと機会

当社グループは、イノベーションの進展や産業構造の変化などに伴う新しいリスクの発現、感染症の拡大、自然災害や大規模地震、地域産業の衰退などの社会課題を重点課題(安心・安全な社会~Resilience~)と位置づけており、これらは当社グループの事業活動にとってもリスクとなります。

一方、サイバーリスクの増加や、AI、宇宙開発、拡張・仮想現実などでの新たなリスクの発現への対処は、当社グループ事業における機会でもあると考えております。

 

b.リスクと機会を踏まえた当社グループの取組み

 

(a) 社会の変革に伴い発現する新たなリスクへの対応

イノベーションの進展や産業構造の変化などに伴う新しいリスクに対応する商品・サービスの提供

企業活動のサプライチェーン全体におけるサイバーセキュリティ対策に寄与する保険・「情報セキュリティeラーニング」等のリスクコンサルティングサービスをグループ各社で共同開発するなど、新たなリスクに対応した商品・サービスを提供しました。

 

(b) データ分析やAIを活用した防災・減災

データ分析によるリスクの可視化や課題解決手段の提供など、事故 ・自然災害大規模震への備えを支援

 

(c) レジリエントで包摂的な地域社会づくり(地方創生)

地域を取り巻く様々なステークホルダーと連携した社会課題解決の推進や、持続可能なインフラへの移行、地域産業の活性化、多様なモビリティサービスの実現等による地方創生の推進

・自然環境の保全・再生、環境負荷低減、防災・減災、地方創生をテーマとした取組みとして、既存の取組み(「MS&ADみんなの地球プロジェクト」「ラムサールサポーターズ」)を包含した「MS&ADグリーンアースプロジェクト」に取り組んでおります。

 

③ 多様な人々の幸福~Well-being~

a.リスクと機会

当社グループは、高齢化・少子化の進展、人権侵害・多様性の排除、貧困・格差拡大といった社会課題を重点課題(多様な人々の幸福~Well-being~)と位置づけており、これらは当社グループの事業活動にとってもリスクとなります。

一方、自治体や地域企業、金融機関等と連携した地方創生取組みは当社事業における機会になると考えております。また、人権デュー・ディリジェンスの推進・支援や、女性、高齢者、障がい者、セクシュアルマイノリティのお客さまの保険・金融アクセス向上など、課題解決に向けた取組みは、当社グループ事業の中期的な成長実現につながる機会と考えております。

 

b.リスクと機会を踏まえた当社グループの取組み

(a) 健康、長寿社会への対応

企業の健康経営の支援や健康増進、未病・重症化予防に資する商品・サービスの提供、人生100年時代における資産寿命の延伸を支援する商品・サービスの提供

 

(b) 人権尊重の推進

人権を尊重した事業活動、人権デュー・ディリジェンスによる人権課題への対応、保険・金融アクセスの向上

・2021年度に人権尊重取組として「公平・公正なお客さま対応」、「取引先、代理店における人権対応の考慮」、「社員の健康への配慮と差別のない職場環境」を重点項目に選定しました。重点項目ごとに予防・改善策とモニタリング方法を策定し、取組みを推進しております。

・海外は、国・地域によって抱える課題が異なるため、2022年6月に海外拠点向けアンケートを実施しました。人権リスク対応状況を確認し、予防・改善策やモニタリング方法を定めて人権尊重取組を推進しております。

・新たな課題として、LGBTQのお客さまへの対応、テクノロジー・AIに関する人権侵害への対応、外部委託先・代理店の人権課題に対する認識度の引上げ・人権尊重取組推進の支援、カスタマー・ハラスメント対策を認識し、対応を進めております。

 

(c) 社員のエンゲージメント向上

社員のDE&I推進やグループ一体感の醸成を図り、社員がいきいきと活躍できる企業文化をめざした、社員が参加できるグループ横断活動の検討

 

(3) リスク管理

当社グループは、サステナビリティに関連するものを含め、当社グループを取り巻くリスクについて、リスク管理態勢を整備し、リスク管理を経営の最重要課題として取り組んでおります。当社グループのリスク管理については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」を参照ください。

 

(4) 指標・目標

当社グループは、3つの重点課題ごとにリスクと機会に関する指標・目標を次のとおり定めております。

 

① 地球環境との共生~Planetary Health~

当社グループは、当社グループやサプライチェーンを通じて排出するGHGの削減に向けて、次のa.及びb.を指標・目標として取り組んでおります。

 

a.GHG排出量削減率

指標・目標

進捗状況

・2030年度: ▲50%

(対2019年度)

・2050年度: ネットゼロ

・2022年12月末: ▲25.3%

 

b.再生可能エネルギー導入率

指標・目標

進捗状況

・2030年度: 60%

・2050年度:100%

・2022年12月末: 12.3%

 

当社グループは、脱炭素社会・環境汚染対策につながる循環型経済への移行に向けて、次のc.を指標・目標として、技術革新と社会実装を支える商品・サービスの提供を行っております。

 

c.社会の脱炭素化、循環型経済に資する商品

指標・目標

進捗状況

・保険料増収率: 年平均18%

・2022年度: 17.9%

 

 

② 安心・安全な社会~Resilience~

当社グループは、イノベーションの進展や産業構造の変化に伴う、サイバーリスクなど新たなリスクに対応するため、次のa.を指標・目標として、商品・サービスの提供を行っております。

 

a.社会のレジリエンス向上に資する商品

指標・目標

進捗状況

・引受件数増加率: 年平均20%

・2022年度: 29.4%

当社グループは、次のb.を指標・目標として、自治体や商工団体等、地域を取り巻くステークホルダーと連携した社会課題解決の推進や、持続可能なインフラへの移行、地域産業の活性化、多様なモビリティサービスの実現等による地方創生の推進に取り組んでおります。

 

b.地域企業の課題解決支援数

指標・目標

進捗状況

・コンサルティングサービス、研修・セミナー等: 2025年度 年1万件

・2022年度: 12,349件

 

③ 多様な人々の幸福~Well-being~

当社グループは、次のa.及びb.を指標・目標として、企業の健康経営の支援、健康増進、未病・重症化予防に資する商品・サービスの提供、人生100年時代における資産寿命の延伸を支援する商品・サービスの提供を行っております。

a.健康関連の社会課題解決につながる商品

指標・目標

進捗状況

・保有契約件数: 260万件(2025年度末)

・2022年度: 217万件

 

b.長寿に備える資産形成型商品

指標・目標

進捗状況

・保有契約件数: 10万件(2025年度末)

・2022年度: 5.0万件

 

当社は、次のc.を指標・目標として、企業の人権関連対応の支援を行っております。

c.企業の人権関連対応の支援数

指標・目標

進捗状況

・コンサルティングサービス、研修・セミナー等: 2025年度 年1,000件

・2022年度: 1,111件

 

当社グループは、次のd.を指標・目標として、グループ一体感の醸成と社員がいきいきと活躍できる企業文化をめざし、社員が参加できるグループ横断活動に取り組んでおります。

 

d.社員意識調査

指標・目標

進捗状況

・CSVを実感している: 前年同水準以上

・2022年度 4.5 pt(2021年度 4.6 pt)

・MVV※を意識している: 前年同水準以上

※ミッション(経営理念)、ビジョン(経営ビジョン)、バリュー(行動指針)

・2022年度 4.6 pt(2021年度 4.7 pt)

 

(5) 人財育成方針

① 基本的な方針

・当社グループには、国内外の連結会社に約4万人の社員がおり、グループの最大の財産は人財と考えております。人財はグループの企業価値向上の原動力であり、人財育成に積極的に投資します。

・当社グループがめざす人財像は、「自律的に行動し、変革にチャレンジし、新たな価値を創造する人財」であります。このような人財を継続的に輩出するよう、人財育成に取り組みます。

・当社グループの強みである多様性を活かして組織を牽引することができる、多様なリーダーの育成に取り組みます。経営をリードする人財、女性リーダーなどの育成を、グループ共同で進めます。

 

② 中期経営計画を踏まえた方針

・経営戦略を実現するのは人財であり、戦略実現のために必要なスキルを明確化し、リスキリングやアップスキルなどへの人財投資により社員の自律的な成長機会を拡充するとともに、外部人財を含めた専門人財の確保・活躍を推進し、最適な人財ポートフォリオを構築します。特に、CSV×DXのグローバルな展開や、事業・リスクポートフォリオの変革などを担う「デジタル人財」「海外人財」については、KPIを設定し、人財育成の進捗を確認しながら、重点的に育成に注力します。

 

a.デジタル人財の育成

すべての社員がベーシックなデジタルスキルを身につけることに加えて、大学等との連携育成プログラムなどを活用し、ビジネスサイド、データ分析サイドの両面からデジタル人財の育成を進めます。

(a)ビジネスサイド :DXを活用してビジネスを創造・拡大することのできる人財

(b)データ分析サイド:高度なデータ分析等、ビジネスを実現するための高いスキル・専門性を有し発揮できる人財

〔KPI〕 2025年度7,000人  (上記(a)と(b)合計)

(2023年4月時点3,601人、グループ国内保険会社5社合計)

 

・ビジネスサイドの取組み

デジタルスキルに関するオンライン教育ツールの拡充や、グループ各社のデジタル人財認定制度、大学等(※)との連携講座などを活用して体系的に進めることで、多くの社員がスキルを身につけ、向上するよう取り組みます。

・データ分析サイドの取組み

大学等(※)との連携講座や、データサイエンスに関する高度なスキルの認定制度を活用して育成に取り組みます。また、ジョブ型の社員区分を設け、外部専門人財の確保・活躍に適した環境を整備・活用します。

 

(※)MS&ADデジタルアカデミー(INIAD:東洋大学情報連携学部)

累計参加人数788人(2018年度~2022年度)

MS&ADデジタルカレッジfrom京都(KUAS:京都先端科学大学)

累計参加人数431人(2020年度~2022年度)

 

b.海外人財の育成

海外事業を担う人財を、ポストに対して質・人数ともに十分に確保することを必要としております。現状、必要な人数は確保できており、世代交代を進めながら持続的に人財を育成・確保するためのプログラムに取り組んでおります。

 

〔KPI〕 2025年度1,200人  2023年4月時点1,182人

(三井住友海上火災保険株式会社・あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の2社合計)

 

具体的には、海外事業に必要な「経営人財」や「専門人財(経理・財務、IT、リスク管理等)」について、次のような取組みを実施しており、多面的・計画的に人財を育成します。

 

(a)指名型研修の実施

・経営人財育成:グローバルリーダー養成プログラム 2013~2022年度累計参加人数74人

・専門人財育成:グローバルエキスパート養成プログラム 2014~2022年度累計参加人数88人

・海外雇用社員の経営人財育成:グローバルマネジメント研修 2021~2022年度累計参加人数54人

 

(b)海外派遣研修制度:2013~2022年度累計参加人数337人

・公募による海外派遣研修制度。派遣期間は原則1年以上で、海外事業展開を支える人財を中長期的視点で育成する取組み。

 

(c)グローバルトレーニー制度:2013~2022年度累計参加人数1,085人

・1週間程度の外国人との協働プログラムを通じてグローバルビジネスを疑似体験することで、海外人財に求められるスキル・要素の習得をめざす取組み。

 

上記の他にも、海外駐在経験者への本社部門やマネジメント経験の付与、若手の海外赴任、海外雇用社員の日本での勤務など、グローバルな人財相互交流などにより、人財育成を進めます。

 

(6) 社内環境整備方針

① 基本的な方針

・経営戦略を実行するのは、社員一人ひとりであります。社員の能力・スキル・意欲を最大限発揮できる職場環境を整備することで、エンゲージメントを高め、経営戦略の実効性を高めます。

・中期経営計画の基本戦略「Transformation」にある「新たなビジネスの創造等、事業の構造を変革し、事業環境の変化に適応する」などの実現にあたっては、多様な人財の意見やアイデアを引き出し、活かすことが重要であります。ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進し、意思決定層の多様性を確保し、当社グループの特長である多様性のメリットを最大化します。

 

② 中期経営計画を踏まえた方針

・KPIを設定して取組みを進め、社員がいきいきと活躍し、グループの多様性を企業価値向上に結びつける環境を整えます。

 

a.魅力ある職場環境の整備

社員のエンゲージメントを向上させるためには、自律的なキャリア形成機会、柔軟で効率的・効果的な働き方、チャレンジを後押しする企業文化といった職場環境の整備が重要であり、それぞれ次のような取組みを進めます。

 

(a)自律的なキャリア形成機会の提供

自らが希望するポスト・部門に異動し、活躍のステージを広げるための公募制度(ポストチャレンジ)の活用を拡大し、グループ会社間での人事異動、人財育成、キャリア形成取組みを活性化します。また、自身を即戦力として、これまで培ってきた能力・スキル等を自ら指定する部署にアピールできる制度(フリーエージェント)の活用や、社員が既存組織の枠を超えて会社施策に参画する仕組みなど、自律的なキャリア形成機会の提供を拡充します。

ポストチャレンジ応募実績:2022年度 376人

 

(b)多様で柔軟な働き方の推進

・在宅勤務と出社を効率的に組み合わせ、リモートワークを活用した業務運営を進めます。また、ジョブ型雇用の導入や、副業・兼業の緩和により、スキル向上・活用の機会を拡大します。

・キャリアビジョンやライフイベント等に応じた転居転勤の可否選択を柔軟に認めていきます。

 

(c)新たなチャレンジを後押しするマネジメント

チャレンジを奨励し、社員の意欲を引き出し活かす意識改革・風土醸成につながるマネジメントを展開します。

 

b.ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)

(a)意思決定層の多様化

イ 女性の登用について、役員や管理職への登用のためのパイプライン整備の取組みを強化しています。また、2030年度末までのKPIとして、女性管理職比率を30%に設定するとともに、組織の長となる「女性ライン長」の比率をその半数に定め、意思決定者の多様性を促進します。

〔KPI〕 女性管理職比率  30% (2030年度末)   2023年4月時点19.5%

女性ライン長比率15% (2030年度末)   2023年4月時点12.9%

                (当社及びグループ国内保険会社5社合計)

グループ各社におけるパイプライン整備の取組み例は次のとおりであります。

・持株直資関連事業会社非常勤取締役への女性選任

2023年4月新任8人、2019年度以降累計28人

・副部長・副支店長ポストへの女性の配置

2023年4月時点44人

 

ロ 外部人財の登用について、管理職に占める外部人財や、社外カルチャー経験者の比率向上を進めるなど、多様な経験を意思決定に活かす取組みを進めます。

〔KPI〕 管理職に占める中途採用者比率:現行水準以上

  2023年4月時点22.6%、2022年4月時点22.1%

 

(b)男性労働者育児休業

男性労働者育児休業の取得促進は、企業の社会的責任・社会への貢献であるとともに、男性が育児や育児休業への理解を深める機会であります。多様な価値観を受け容れる職場環境整備の一環として、KPIを設定して取組みを進めます。

〔KPI〕 2025年度男性労働者育児休業:取得率100%、取得日数4週間 をめざす

  2022年度 取得率92.5%、取得日数8.1日 (グループ国内保険会社5社合計)

 

(c)意見やアイデアを積極的に引き出し活かすマネジメントノウハウの展開

当社グループの特長である多様性を活かすためには、様々な人財の知識・経験・価値観を引き出し、組織の意思決定に活かすインクルーシブな組織運営が不可欠であります。そのためのマネジメントノウハウである「インクルーシブ・リーダーシップ」の実践・浸透に取り組みます。

 

(d)グループ社員の交流・意見交換機会の提供

多様な人財が集まり、知識・経験の共有や、新たな気づきや価値観を創出する契機とするため、グループ各社の社員がグループ横断で参加する交流・意見交換会などを実施し、多様性とインクルーシブな体験の機会を提供します。

 

 

c.健康経営

社員がいきいきと働き、その能力を最大限発揮するためには、社員の健康維持・増進が不可欠であります。労働時間や休暇等の時間管理の徹底、メンタル不調への対策強化・復帰支援などにより、社員の心身の健康を保持・増進できる、健康や安全に配慮した職場づくりに取り組み、Well-beingを推進します。

 

〔KPI〕 ・年次有給休暇取得日数:前年同水準以上 2022年度16.4日

休暇取得を促進し、社員の心身の健康保持に取り組みます。

・運動習慣者比率:現行水準以上 2022年度26.5%

「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施」の運動習慣のある社員の比率をKPIに設定し、健康保持・増進への意識を高めています。

                        (当社及びグループ国内保険会社5社合計)

 

上記のような環境整備を進め、以下の設問に対する回答スコアを社員のエンゲージメントを測る指標として、KPIを「前年同水準以上」と設定し、進捗を確認しております。

〔KPI〕 社員意識調査

・設問「私は、今の仕事に誇りと働きがいを持っている」

:スコア4.4(2022年度)

・設問「私の職場は、年齢・経験・国籍・性別・障がいの有無等で差別することなく、多様な人財の多様な価値観や意見が受け容れられ、人権を尊重し、いきいきと活躍できる環境にある」

:スコア4.6(2022年度)

        (6段階スコア、当社及びグループ国内保険会社5社合計)

 

3【事業等のリスク】

(1) 当社グループのリスク管理

① リスク管理基本方針

当社グループは、持続的成長と企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループを創造することを経営ビジョンに掲げ、その実現を阻害するあらゆる不確実性を「リスク」と捉え、リスク管理態勢を整備し、リスク管理を経営の最重要課題として取り組んでおります。

当社グループでは、「MS&ADインシュアランス グループ リスク管理基本方針」を定め、グループ内で共有された基本的な考え方のもとでリスク管理を実行しております。

「MS&ADインシュアランス グループ リスク管理基本方針」には、リスク管理の基本プロセスと体制、保険グループとして認識すべきリスクの定義や管理の考え方等が定められております。

グループ国内保険会社では、この基本方針に沿って各社の実態に合わせた「リスク管理方針」を制定し、主体的にリスク管理を行っております。

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② リスク管理体制

当社では、取締役会の課題別委員会の1つであるERM委員会にてリスク管理に係るモニタリング等を行い、重要事項についてはERM委員会の協議を踏まえて、グループ経営会議および取締役会に報告を行う体制としております。

グループ国内保険会社は、国内外の子会社も含め各社それぞれのリスク管理を実行します。リスク管理部は、グループ全体のリスクおよび各社のリスク管理の状況をモニタリングし、グループ全体の統合リスク管理を行い、ERM委員会へその結果を報告しております。

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③ ERMをベースにしたグループ経営

ERM(Enterprise Risk Management)は、保険会社の経営において重要なリスク・収益(リターン)・資本という3つの経営指標をバランスよく管理していく機能を担っております。

当社グループでは、現中期経営計画の基本戦略を支える基盤の1つとして、ERMを位置づけ、リスク・収益(リターン)・資本のバランスを取った経営資源配分により、企業価値向上に取り組んでおります。

a.ERMの機能と役割

ERMでは、リスクを取って収益を求める際、リスク対比の収益性(ROR※1やVA※2)の高いものや高まる取り方を考え、資本の健全性(ESR※3)を維持しつつ、目標とする資本効率性(グループ修正ROE※4)の達成を図ります。これら3者の関係は下図のようになります。

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※1 ROR(Return on Risk):後述b.(a)参照

※2 VA(Value Added):後述b.(b)参照

※3 ESR(Economic Solvency Ratio:経済価値ベースのソルベンシー・レシオ:後述b.(c)参照

※4 修正ROE(Return on Equity):後述b.(d)参照

 

b.ERMで注視する指標

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※5 統合リスク量:200年に一度の確率で当社グループ全体が被る損失の予想額(時価)

※6 時価純資産:経営のバッファとしての純資産管理を徹底するために使用している指標(修正純資産+保険負債の含み損益+その他負債性資本等)

 

(a) ROR (Return on Risk)とは

リスク量に対して利益(リターン)がどの程度確保されているか(リスク量対比の収益性)を示す指標です。

リスクを引き受けるためには、それに見合う資本の確保が必要になります。したがって、RORが高い(すなわち、引き受けたリスクに対して得られる利益が大きい)事業は、必要な資本に対して、得られる利益がより大きい事業と言えます。

(b) VA (Value Added)とは

リスクを引き受けることによって、どれだけの付加価値が得られるかを示す指標です。資本コストは、資本資産価格モデル(CAPM)により推計しています。

(c) ESR(Economic Solvency Ratio)とは

リスク量に対する資本の充実度を示す指標(=「時価純資産」÷「統合リスク量」)です。リスク量は、事業や資産に係る損失や価値変動のリスクを統計的に数値化したものであり、統合リスク量は当社グループ全体のリスクの総額となります。

(d)修正ROE(Return on Equity)とは

資本に対する利益の割合で、資本の効率性を示す指標です。

 

④ ERMとリスク管理

当社グループでは、リスク選好方針に沿って経営計画を策定し、ERMサイクルをベースに、健全性の確保と、収益力と資本効率の向上を図っております。ERMサイクルに沿って、リスクに見合った資本の配賦を行い、引き受けたリスクに対するリターン(ROR)のモニタリングを通じて、リスクコントロールやアンダーライティングの強化等を行っております。

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a.ERMサイクル

ERMは、企画・執行・モニタリングのサイクルを通じて実践しております。

b.ROR向上に向けた取組み

引き受けたリスクに対しどれだけの利益が得られるかを示すRORの推移は、当社グループのリスクポートフォリオの収益力の状況を表しております。当社グループでは、ERMサイクルをベースにRORの向上に取り組んでおります。

c.ストレステストの実施

当社グループは自然災害の発生、資産価値の下落など、様々な事象の発現による影響を分析して、資本の十分性、期間損益への影響、ポートフォリオの脆弱性の確認を行うためにストレステストを実施しております。

また、事象発現時の状況を分析し、資本を毀損する因子の洗い出しを行い、リスク耐性の向上に有効な対策の検討にも活用しております。

 

(2) 当社グループの主要なリスク

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

なお、本項に記載した将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

① グループ重要リスク

グループ各社が洗い出した主要なリスク事象リストに基づき、下表のように発生可能性と影響度を目安として、総合的な判断により、経営が管理すべき重要なリスク事象を「グループ重要リスク」として選定し、グループ重要リスク管理取組計画を策定した上で、リスク対策の実行や各リスクの状況を定期的にモニタリングしております。

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※7 発生可能性:当面(5年以内)の発生可能性。統計的な発生頻度(確率)に加え、統計的手法で捉えきれない切迫度、予兆等を勘案し、総合的に判断。

※8 影響度:「経済的損失」「ブランド力・信用力への影響」等を勘案し、総合的に判断。

 

2023年度は人的資本・多様性に関する開示の義務化等の競争優位の源泉としての人財に対する認識の高まりや、労働需給の変化(人手不足)、DX推進等のグループ戦略の実行に求められる専門性やスキルの変化、社員の意識や価値観の多様化等を踏まえ、「人財を取り巻く環境の変化」をグループ重要リスクに追加しております。また、下表のリスクの高まりや変化については、すでにグループ重要リスクに包含して管理しておりますが、「主な想定シナリオ」に明示することで管理を強化しております。

なお、主な想定シナリオの策定においては「デジタライゼーションの急速な進展」「気候変動」「少子高齢化の進展」「新型コロナウイルスの影響長期化」「国家間等対立の激化・経済安全保障の強化」に留意しております。

 

主な領域

「主な想定シナリオ」に明示する環境変化

外的変化

環境

(a)セカンダリーペリル(国内における雹災など従来影響が小さかった事象)を含む大規模災害の発生

(b)大規模自然災害の発生等に伴う再保険市場のハード化・キャパシティ減少

経済

(c)世界的な景気減速への懸念、グローバルな経済圏の分断への懸念

(d)物価変動やそれに伴う各国の金融政策の変更、財政規律への懸念

社会

(e)デジタライゼーション・衛星通信技術の進展や極端な宇宙天気現象(太陽フレア爆発等)の発生等に伴う大規模通信障害への懸念

(f)脱炭素社会への移行や社会的要請の変化等による保険引受リスクの変化

内的変化

(g)グループ戦略(1プラットフォーム戦略や大規模システム開発等)の進捗

(h)IFRS導入に向けた準備の進捗

(i)リモートワークの常態化

 

2023年度グループ重要リスクは下表のとおりであります。

これらのリスクが発現することにより、多額の保険金・給付金の支払、保有資産の価値の低下、競争環境や評判の変化等が生じ、当社グループの業績や財務状況に影響が生じるリスクがあります。当社グループでは、これらのリスクに対して、グループ重要リスク管理取組計画を策定(取締役会で決議)した上で、リスク対策の実行を通じて、リスクの軽減やコントロールを実施しております。

 

 

No.

グループ重要リスク

(点線枠内は「主な想定シナリオ」)

 

大規模自然災害の発生                           (留意事項:気候変動)

 

・気候変動の影響も受けた国内及び海外の大規模な風水災・森林火災・雪雹災・干ばつや地震・噴火等の発生による保険金支払の増加

・大規模自然災害の発生等に伴う出再保険料の高騰や再保険会社の引受キャパシティの減少等により、方針どおりのリスクコントロールが困難になる事態の発生

・大規模自然災害の発生により当社グループが適切にビジネス・サービスを実行できない状態の発生

金融マーケットの大幅な変動                      (留意事項:国家間等対立)

 

・大国間対立激化やグローバルな経済圏の分断等に伴う経済活動の停滞懸念による株式等の保有資産価値の下落

・物価動向を踏まえた各国の金融政策の変更等に伴う金利・為替の変動による資本余力の低下

信用リスクの大幅な増加                   (留意事項:国家間等対立、気候変動)

 

・各国の経済安全保障関連規制の強化等によるサプライチェーンの分断等に伴う実体経済の悪化や脱炭素社会への移行に向けた規制の強化・対応の遅延等による投融資先企業の業績悪化やデフォルト

・財政規律の欠如に伴う各国の国債の格下げや信用力の低下、世界経済の減速懸念等に伴う投資家のリスク回避姿勢の強まり等による保有債券等の価値の下落

グループの企業価値の著しい毀損や社会的信用の失墜につながる行為※9の発生

(留意事項:デジタライゼーション、気候変動、国家間等対立)

 

・グループ戦略遂行上の組織改編・業務変革・システム開発に伴う業務混乱や苦情の増加

・国際財務報告基準(IFRS)に基づく連結財務諸表の開示に向けた態勢整備の不足・遅延等による開示情報の重大な誤りの発生、若しくは、従来の経営管理指標からの移行・併用にあたっての投資家の否定的な反応

・リモートワークの進展に伴う社内コミュニ―ケーション不足等による業務品質や効率の低下

・当社グループにおける気候変動対応等のサステナビリティに関わる課題への対応不備やそれに伴う訴訟等による評判の低下や財務的な負担

・当社グループ又は外部委託先等における人権や知的財産権の侵害・経済安全保障上の問題等による当社グループの評判の低下

サイバー攻撃による大規模・重大な業務の停滞・情報漏えい・保険金支払の発生

(留意事項:デジタライゼーション、国家間等対立)

 

・巧妙化・多様化したサイバー攻撃による当社グループ及び外部委託先等における業務の停滞・情報漏えいの発生

・デジタライゼーションの進展や大国間の対立激化等に伴う世界的なサイバー攻撃被害の拡大等による保険金支払の増加

システム障害の多発や重大なシステム障害の発生、大規模システム開発の進捗遅延・未達・予算超過・期待効果未実現                  (留意事項:デジタライゼーション、国家間等対立)

 

・デジタライゼーションの進展に伴い影響が増大したシステム障害の発生、大規模自然災害の発生等に伴うシステム関連施設の罹災、宇宙天気現象の影響も懸念される通信衛星・通信回線の不具合・事故等に伴う通信障害によるビジネス・サービスの停滞

・休日や営業時間外に稼働するお客さま・代理店向けシステムの大規模な障害発生によるお客さま等への対応の遅れ

・各国の経済安全保障関連規制の強化等から外部委託先等を変更することによるシステム開発の遅延やサービスの劣化

 

 

No.

グループ重要リスク

(点線枠内は「主な想定シナリオ」)

新型インフルエンザ等の感染症の大流行         (留意事項:気候変動、新型コロナウイルス)

 

・地球温暖化の影響も受けた新種の感染症の大流行・影響長期化、新型コロナウイルスの変異株による感染再拡大等に伴い当社グループが適切にビジネス・サービスを実行できない状態の発生

・世界的な感染拡大による保険金・給付金支払の増加や感染症の影響長期化に伴う経済活動の長期停滞等による収益の低下

保険市場の変化      (留意事項:デジタライゼーション、気候変動、少子高齢化、国家間等対立)

 

・デジタルプラットフォーマーの台頭や消費者意識の変化等によるビジネスモデルの大きな変革、運転支援・自動運転技術の進展による自動車事故の減少等による収益構造への影響

・補償・保障前後のサービス拡大に伴うアプリ・システム・IoT機器等の不具合、業務委託先・事業提携先の不正・事務ミスによる風評被害、機器等の供給制約等による販売戦略への影響

・低炭素・脱炭素技術等の気候変動への対応に係る新たな保険引受による保険金支払の増加

・少子高齢化の進展・人口減少等に伴う市場規模・構造の変化による事業ポートフォリオへの影響

・大国間の対立激化に伴う規制変更や軍事的行動等による特定の国や地域での事業の制限・中断・撤退

・外部環境変化(社会的要請の変化、企業等の建物・設備の老朽化、気候変動リスクやサイバーリスクといった国・地域をまたがるリスクの出現を含む)に伴うリスクの高まり・集積やインフレ等による保険金・事業費の増加

人財を取り巻く環境の変化              (留意事項:少子高齢化、デジタライゼーション)

 

・人財市場・労働需給等の外的な変化やDX推進等の戦略実行に必要なスキル・専門性の変化等による、経営戦略と人財ポートフォリオのギャップ及びその解消に向けた人財の確保・育成の不足

・自律的なキャリア形成機会・柔軟で多様な働き方・多様性の尊重等に対する社員の意識の変化を的確に捉えた環境整備の不足による社員のエンゲージメントの低下や人財の流出

 

 

※9 企業価値の著しい毀損・社会的信用の失墜につながる行為とは、グループ事業に関連する法令等違反行為、重大な労務問題(長時間労働・ハラスメント等)、人権侵害・多様性の排除、データガバナンスの不備等に加え、社会規範等からの逸脱(不作為によるものを含む)や顧客本位の視点の欠如・不徹底等(コンダクトリスク)に起因するものをいいます。

 

② グループエマージングリスク

中長期的な視点から当社グループ経営に影響を与える可能性のある事象や、現時点では当社グループ経営への影響の大きさ、発生時期の把握が難しいものの、経営が認識すべき事象を次のとおり「グループエマージングリスク」として特定し、定期的にモニタリングしております。

2023年度は「労働需給の大きな変化」を「人財を取り巻く環境の変化」としてグループ重要リスクへ移行するとともに、今後20年で建設後50年以上を経過する社会インフラの割合が加速度的に高まること、および脱炭素対応や地政学的リスクによる供給制約等を踏まえたエネルギー供給の不確実性の高まり等を踏まえ、「社会資本(橋梁・トンネル・河川施設・港湾施設・下水道等)の維持管理・更新の大幅な停滞・遅延、エネルギー等の大幅かつ恒常的な供給不足」を追加しております。

 

 

グループエマージングリスク

経済・消費者行動・ビジネスモデルの大きな変化・変革を及ぼす新たな仕組みや革新的な技術の出現・台頭

自然資本の毀損(資源の枯渇、生態系の劣化・危機、環境に甚大な損害を与える人為的な汚染や事故)

当社グループに大きな影響を及ぼす可能性がある国内外の法令・制度・規制等の新設・改廃

社会資本(橋梁・トンネル・河川施設・港湾施設・下水道等)の維持管理・更新の大幅な停滞・遅延、エネルギー等の大幅かつ恒常的な供給不足

国家統治・政治の大きな混乱・機能不全、安全保障の崩壊

 

 

③ グループ重要リスクとグループエマージングリスクの管理

グループ重要リスクとグループエマージングリスクの管理の概要は下図のとおりです。

 

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4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和等により、景気持ち直しの動きが見られましたが、一方で、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格の高騰等により、物価上昇圧力が高まったことやインフレ抑制に向けた各国による金融政策の影響により先行き不透明な状況が続きました。

当期からスタートした中期経営計画(2022-2025)では、「リスクソリューションのプラットフォーマーとして、社会と共に成長する」ことを目指し、「レジリエントでサステナブルな社会を支える企業グループ」を実現するため、3つの基本戦略「Value(価値の創造)」「Transformation(事業の変革)」「Synergy(グループシナジーの発揮)」に取り組みました。当期の業績は、自然災害や新型コロナウイルス感染症などの影響により、グループ修正利益は年初予想(3,000億円)を下回りましたが、修正予想(1,700億円)を上回る1,727億円となりました。また、資本効率においては、グループ修正ROEが年初予想(7.6%)を下回りましたが、修正予想である4.6%を達成しました。財務の健全性の観点では、ESRが目標レンジ(180~250%)内の228%となりました。

 

Value

(価値の創造)

「CSV×DX(注1)」のグローバル展開により、すべてのステークホルダーに価値を提供し、企業価値を向上させること、及び、ビジネス・商品・サービスの収益性を高め、収益基盤を強化することを目指し、以下の取組みを行いました。

(取組内容)

・「事故発生リスクAIアセスメント(注2)」など補償・保障前後の商品・サービスの開発と販売態勢の構築

・火災保険の料率改定、防災・減災サービスの展開、新種保険の戦略商品の拡販など、国内損害保険事業の収支改善・拡大に向けた施策の推進

Transformation

(事業の変革)

新たなビジネスの創造等により、事業の構造を変革し事業環境の変化に適応すること、事業・商品・リスクポートフォリオを変革し、安定的な収益基盤を構築することを目指し、以下の取組みを行いました。

(取組内容)

・海外事業における米国MGA(注3)市場への事業投資や国内生命保険事業・新たなビジネス領域の拡大

・新たなビジネス領域の確立に向けDXも活用し、インターリスク総研を中核としたリスクコンサルティングを高度化

・政策株式について、2022年度の修正目標(1,500億円)を上回る2,066億円を削減

Synergy

(グループシナジーの発揮)

グループの多様性を活かした連携強化による一層の成長の実現、グループ共通化・共同化・一体化の深化による生産性向上、グローバルベースでのシナジー発揮を目指し、以下の取組みを行いました。

(取組内容)

・三井住友海上・あいおいニッセイ同和損保の商品・損害サービス・事務などの領域における品質向上・生産性向上を図る「1プラットフォーム戦略」の推進

・三井住友海上あいおい生命の販売網を活用した三井住友海上プライマリー生命の商品の販売推進、生損保併売の拡大

・「グローバルシナジー」取組みとして、TENKAIプロジェクト(注4)等による国内外グループ各社のノウハウ・スキルの共有・相互利用

(注1)CSV(Creating Shared Value)×DX(Digital Transformation)

CSV(社会との共通価値の創造)に、DX(デジタルトランスフォーメーション)を掛け合わせることによって、生産性と競争力の向上を図り、持続的成長と企業価値向上を実現する取組み。

(注2)事故発生リスクAIアセスメント

AIを活用し、交通事故発生リスクを地点(道路区間・交差点)ごとに数値化して、地図上に可視化する自治体向けのサービス。

(注3)MGA(Managing General Agent)

保険会社から権限などを付与され、保険募集に加えて引受けや損害額認定・査定の業務を担う代理店。

(注4)TENKAIプロジェクト

当社グループのシナジーを最大化すべく、ノウハウ・技術・サービスを国内・海外双方向で“展開”し、企業価値の向上と持続的な成長を加速する取組み。

 

 

 このような中、当連結会計年度の経営成績は次のとおりとなりました。

経常収益は、保険引受収益が4兆4,824億円、資産運用収益が7,457億円、その他経常収益が231億円となった結果、5兆2,512億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が4兆642億円、資産運用費用が1,956億円、営業費及び一般管理費が7,393億円、その他経常費用が208億円となった結果、5兆201億円となりました。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ1,593億円減少し、2,311億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,012億円減少し、1,615億円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

イ  国内損害保険事業(三井住友海上火災保険株式会社)

経常収益は、保険引受収益が1兆7,244億円、資産運用収益が2,261億円、その他経常収益が57億円となった結果、1兆9,563億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆5,199億円、資産運用費用が520億円、営業費及び一般管理費が2,367億円、その他経常費用が63億円となった結果、1兆8,151億円となりました。

以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ430億円減少し、1,412億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ378億円減少し、1,078億円となりました。

ロ  国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)

経常収益は、保険引受収益が1兆4,144億円、資産運用収益が1,004億円、その他経常収益が93億円となった結果、1兆5,243億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆2,333億円、資産運用費用が271億円、営業費及び一般管理費が1,948億円、その他経常費用が21億円となった結果、1兆4,576億円となりました。

以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ142億円減少し、667億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ107億円減少し、431億円となりました。

ハ  国内損害保険事業(三井ダイレクト損害保険株式会社)

経常収益は、保険引受収益が360億円となったことなどにより、360億円となり、経常費用は、保険引受費用が237億円、営業費及び一般管理費が127億円となったことなどにより、366億円となりました。

これらにより、経常損益は前事業年度に比べ13億円減少し、5億円の損失となりました。経常損益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は8億円となりました。この結果、出資持分考慮後の当期純利益(セグメント利益)は、前事業年度に比べ1億円増加し、8億円となりました。

ニ  国内生命保険事業(三井住友海上あいおい生命保険株式会社)

経常収益は、保険料等収入が4,890億円、資産運用収益が722億円、その他経常収益が39億円となった結果、5,653億円となりました。一方、経常費用は、保険金等支払金が2,701億円、責任準備金等繰入額が1,546億円、資産運用費用が174億円、事業費が745億円、その他経常費用が207億円となった結果、5,374億円となりました。

以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ111億円減少し、278億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ83億円減少し、127億円となりました。

 

ホ  国内生命保険事業(三井住友海上プライマリー生命保険株式会社)

経常収益は、保険料等収入が1兆3,498億円、資産運用収益が2,664億円、その他経常収益が1,752億円となった結果、1兆7,915億円となりました。一方、経常費用は、保険金等支払金が1兆6,414億円、資産運用費用が465億円、事業費が594億円、その他経常費用が130億円となった結果、1兆7,605億円となりました。

以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ567億円減少し、310億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ332億円減少し、197億円となりました。

ヘ  海外事業(海外保険子会社)

海外保険子会社セグメントについては、正味収入保険料は前連結会計年度に比べ2,311億円増加し、9,341億円となりました。

経常利益は、前連結会計年度に比べ305億円減少し、90億円となり、出資持分考慮後の当期純利益(セグメント利益)は、前連結会計年度に比べ88億円減少し、157億円となりました。

 

当連結会計年度末の財政状態は次のとおりであります。

 

総資産は前連結会計年度末に比べ334億円減少し、25兆4億円となりました。

当社の連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末に比べ80.2ポイント低下し、777.7%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ425億円減少し、1,941億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ5,529億円増加し、4,809億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ3,730億円減少し、△3,145億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より3,902億円増加し、2兆6,464億円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

保険持株会社としての業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、本項に記載した予想、予測、見込み、見通し、方針、予定等の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には不確実性が内在しており、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性があります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は次のとおりであります。

 

[連結主要指標]

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

比較増減

増減率

正味収入保険料 (百万円)

3,609,052

3,934,473

325,421

9.0%

生命保険料   (百万円)

520,037

453,578

△66,458

△12.8%

経常利益    (百万円)

390,499

231,113

△159,386

△40.8%

親会社株主に帰属する当期純利益      (百万円)

262,799

161,530

△101,268

△38.5%

 

正味収入保険料は、国内損害保険事業において火災保険などで増収し、海外事業においてもアジア、欧州、米州の各地域で増収したことや為替影響などにより、前連結会計年度に比べ3,254億円増加し、3兆9,344億円となりました。

生命保険料は、保険料収入は増加したものの、円安の影響等により運用目標値に到達した外貨建契約の払戻しが増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ664億円減少し、4,535億円となりました。

経常利益は、自動車事故の増加や国内の自然災害、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等による保険金・給付金の増加、海外事業における資産運用損益の減少などにより、前連結会計年度に比べ1,593億円減少し、2,311億円となりました。

経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ1,012億円減少し、1,615億円となりました。

 

 

0102010_016.png

 

保険種目別の保険料・保険金は次のとおりであります。

 

a 元受正味保険料(含む収入積立保険料)

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

火災

784,527

20.3

3.5

877,573

21.2

11.9

海上

201,365

5.2

5.6

254,672

6.2

26.5

傷害

284,581

7.3

△3.0

296,170

7.2

4.1

自動車

1,634,984

42.2

2.6

1,672,541

40.4

2.3

自動車損害賠償責任

276,076

7.1

△7.0

279,102

6.7

1.1

その他

692,153

17.9

4.2

756,927

18.3

9.4

合計

3,873,688

100.0

2.1

4,136,987

100.0

6.8

(うち収入積立保険料)

(52,185)

(1.3)

(△28.2)

(41,359)

(1.0)

(△20.7)

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。

2 元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む。)

 

b 正味収入保険料

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

火災

620,531

17.2

4.7

725,039

18.4

16.8

海上

159,293

4.4

5.7

199,375

5.1

25.2

傷害

232,288

6.5

2.6

247,630

6.3

6.6

自動車

1,679,430

46.5

2.4

1,730,383

44.0

3.0

自動車損害賠償責任

281,282

7.8

△6.5

275,732

7.0

△2.0

その他

636,224

17.6

7.7

756,310

19.2

18.9

合計

3,609,052

100.0

3.1

3,934,473

100.0

9.0

(注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。

 

c 正味支払保険金

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

火災

412,825

21.2

9.6

510,906

22.8

23.8

海上

66,480

3.4

△11.9

85,586

3.8

28.7

傷害

111,059

5.7

△1.7

154,745

6.9

39.3

自動車

844,643

43.4

4.7

952,324

42.5

12.7

自動車損害賠償責任

197,440

10.1

△8.2

183,660

8.2

△7.0

その他

314,525

16.2

△0.2

353,975

15.8

12.5

合計

1,946,975

100.0

2.4

2,241,198

100.0

15.1

(注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

イ 国内損害保険事業(三井住友海上火災保険株式会社)

ロ 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)

当社グループの中核損害保険会社である三井住友海上火災保険株式会社とあいおいニッセイ同和損害保険株式会社は、気候変動など社会課題の解決に貢献し、社会と共に成長すべく、CSVに資する商品・サービスを開発・提供しました。三井住友海上火災保険株式会社では、「見守るクルマの保険(プレミアムドラレコ型)」(注1)に、車両後方を鮮明に撮影する専用リアカメラをオプションで追加して社会のニーズに応えたほか、船舶事故が発生した際に自然環境の損害に対する拡大防止や回復活動の費用を補償する「海洋汚染対応追加費用補償特約」を発売するなど自然資本・生物多様性の保全・回復に資する商品・サービスを提供しました。あいおいニッセイ同和損害保険株式会社では、蓄積した自動車走行データを活用し、地方公共団体での交通安全の立案・効果検証を支援する「交通安全EBPM支援サービス」(注2)を提供したほか、業界屈指の手厚い補償やケガや病気の未然防止につながるサービスを提供するペット保険「ワンにゃんdeきゅん」を発売するなど、社会・地域の課題解決に資する商品・サービスを提供しました。また、両社共同で台風、水害、地震など災害発生時における事業者の社会貢献活動を支援する「災害対策支援保険」を発売したほか、脱炭素社会の実現に向け、ご契約のお車に大きな損害が発生した場合に、電気自動車等を代替自動車として取得する費用を補償する「電気自動車等買替費用特約」を国内損害保険会社で初めて開発・提供しました。

 

(注1)見守るクルマの保険(プレミアムドラレコ型)

「360度撮影」や「ドライブレコーダー本体の車外利用(撮影・通話)」等の機能を備えた通信型ドライブレコーダーの活用により、事故を未然に防止するとともに事故の影響を減らして回復を支援するサービスを提供する自動車保険。

(注2)交通安全EBPM支援サービス

自治体や都道府県警察における通学路の見直しや標識設置等の交通政策実施時に、保有するテレマティクスデータ(急減速などの自動車走行データ)をもとに「危険な交差点」を客観的に推定し、その交差点の詳細分析を通じて「危険の理由」を突き詰め、「最適な交通安全対策」を提案するサービス。なお、EBPM(Evidence-Based Policy Making)とは「証拠に基づく政策立案」の意。

 

三井住友海上火災保険株式会社の経営成績は次のとおりとなりました。

 

[三井住友海上火災保険株式会社(単体)の主要指標]

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

比較増減

増減率

正味収入保険料 (百万円)

1,579,325

1,629,832

50,506

3.2%

正味損害率    (%)

59.0

64.3

5.3

正味事業費率   (%)

33.0

32.5

△0.5

保険引受利益又は保険引受損失(△)    (百万円)

41,036

△15,937

△56,973

△138.8%

経常利益    (百万円)

184,234

141,224

△43,009

△23.3%

当期純利益   (百万円)

145,744

107,899

△37,845

△26.0%

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 正味損害率=(正味支払保険金+損害調査費)÷正味収入保険料

3 正味事業費率=(諸手数料及び集金費+保険引受に係る営業費及び一般管理費)÷正味収入保険料

 

保険引受の概況は次のとおりであります。

正味収入保険料は、火災保険や海上保険で増収したことなどにより前事業年度に比べ505億円増加し、1兆6,298億円となりました。一方、正味支払保険金は、火災保険や自動車保険で増加したことなどにより前事業年度に比べ1,133億円増加し、9,445億円となりました。以上により、正味損害率は64.3%と、前事業年度に比べ5.3ポイント上昇しました。また、正味収入保険料が増加したことにより、正味事業費率は32.5%と、前事業年度に比べ0.5ポイント低下しました。

これらに収入積立保険料、満期返戻金、支払備金繰入額、責任準備金戻入額などを加減した保険引受損益は、国内の自然災害による発生保険金(正味支払保険金と支払備金繰入額の合計)が増加したことなどにより、前事業年度に比べ569億円減少し、159億円の損失となりました。

 

資産運用の概況は次のとおりであります。

利息及び配当金収入が前事業年度に比べ77億円増加し1,349億円となり、また、有価証券売却益が前事業年度に比べ193億円増加し1,107億円となったことなどから、積立型保険の満期返戻金などに充当する運用益を控除した残額の資産運用収益は、前事業年度に比べ244億円増加し、2,261億円となりました。一方、資産運用費用は、有価証券売却損が187億円増加したことなどにより前事業年度に比べ116億円増加し、520億円となりました。

 

これらの結果、経常利益は前事業年度に比べ430億円減少し、1,412億円となりました。当期純利益は、前事業年度に比べ378億円減少し、1,078億円となりました。

 

保険種目別の保険料・保険金は次のとおりであります。

 

a 元受正味保険料(含む収入積立保険料)

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

火災

348,191

19.1

△1.4

377,269

20.1

8.4

海上

90,562

5.0

16.6

108,808

5.8

20.1

傷害

191,612

10.5

△3.8

195,908

10.4

2.2

自動車

696,098

38.3

0.8

695,445

37.0

△0.1

自動車損害賠償責任

132,685

7.3

△7.6

132,470

7.1

△0.2

その他

359,602

19.8

3.6

368,989

19.6

2.6

合計

1,818,752

100.0

0.4

1,878,892

100.0

3.3

(うち収入積立保険料)

(38,231)

(2.1)

(△27.7)

(31,397)

(1.7)

(△17.9)

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む。)

 

 

b 正味収入保険料

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

火災

236,649

15.0

1.4

266,048

16.3

12.4

海上

62,347

4.0

17.5

76,070

4.7

22.0

傷害

148,747

9.4

2.1

151,856

9.3

2.1

自動車

688,564

43.6

0.7

688,505

42.3

△0.0

自動車損害賠償責任

145,434

9.2

△7.6

142,102

8.7

△2.3

その他

297,582

18.8

3.8

305,248

18.7

2.6

合計

1,579,325

100.0

1.3

1,629,832

100.0

3.2

(注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

c 正味支払保険金

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額

(百万円)

対前年増減(△)率 (%)

正味損害率(%)

金額

(百万円)

対前年増減(△)率 (%)

正味損害率(%)

火災

143,497

△0.2

63.3

199,385

38.9

77.3

海上

31,745

△8.7

53.4

34,996

10.2

48.3

傷害

67,769

0.6

50.4

82,614

21.9

59.4

自動車

325,077

2.0

56.9

367,488

13.0

63.5

自動車損害賠償責任

107,338

△7.9

81.9

99,530

△7.3

78.3

その他

155,828

1.1

54.7

160,556

3.0

54.8

合計

831,256

△0.5

59.0

944,572

13.6

64.3

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 正味損害率は正味支払保険金に損害調査費を加えて算出しております。

 

運用資産、有価証券及び利回りの状況は次のとおりであります。

 

a 運用資産

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

預貯金

759,257

10.3

621,810

8.9

買入金銭債権

4,368

0.1

3,091

0.0

金銭の信託

474

0.0

494

0.0

有価証券

5,524,192

74.9

5,288,584

75.5

貸付金

410,660

5.6

403,552

5.8

土地・建物

188,617

2.5

186,854

2.7

運用資産計

6,887,569

93.4

6,504,387

92.9

総資産

7,374,326

100.0

7,000,023

100.0

(注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

b 有価証券

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国債

701,440

12.7

605,721

11.4

地方債

83,840

1.5

77,611

1.5

社債

566,486

10.3

534,191

10.1

株式

1,968,509

35.6

1,785,604

33.8

外国証券

2,106,705

38.1

2,166,296

41.0

その他の証券

97,209

1.8

119,158

2.2

合計

5,524,192

100.0

5,288,584

100.0

(注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

c 利回り

運用資産利回り(インカム利回り)

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

294

666,060

0.04

1,125

675,340

0.17

買現先勘定

0

1,919

0.00

買入金銭債権

118

4,912

2.41

86

5,524

1.57

金銭の信託

86

2,019

4.30

8

378

2.22

有価証券

118,164

4,024,226

2.94

125,062

3,984,016

3.14

貸付金

2,469

413,555

0.60

2,382

403,809

0.59

土地・建物

6,160

188,940

3.26

6,260

192,834

3.25

小計

127,293

5,301,634

2.40

134,926

5,261,903

2.56

その他

30

76

合計

127,323

135,003

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 収入金額は、「利息及び配当金収入」に、「金銭の信託運用益」のうち利息及び配当金収入相当額を含めた金額であります。

3 平均運用額は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。ただし、買現先勘定及び買入金銭債権については日々の残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

  資産運用利回り(実現利回り)

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

6,531

666,060

0.98

4,495

675,340

0.67

買現先勘定

0

1,919

0.00

買入金銭債権

118

4,912

2.41

86

5,524

1.57

金銭の信託

203

2,019

10.10

20

378

5.41

有価証券

169,696

4,024,226

4.22

188,384

3,984,016

4.73

貸付金

2,468

413,555

0.60

2,363

403,809

0.59

土地・建物

6,160

188,940

3.26

6,260

192,834

3.25

金融派生商品

2,903

△2,294

その他

△289

219

合計

187,793

5,301,634

3.54

199,536

5,261,903

3.79

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 資産運用損益(実現ベース)は、「資産運用収益」及び「積立保険料等運用益」の合計額から「資産運用費用」を控除した金額であります。

3 平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。ただし、買現先勘定及び買入金銭債権については日々の残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の経営成績は次のとおりとなりました。

 

[あいおいニッセイ同和損害保険株式会社(単体)の主要指標]

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

比較増減

増減率

正味収入保険料 (百万円)

1,291,344

1,335,557

44,212

3.4%

正味損害率    (%)

59.8

66.6

6.8

正味事業費率   (%)

35.0

34.6

△0.4

保険引受利益  (百万円)

30,508

679

△29,828

△97.8%

経常利益    (百万円)

80,964

66,757

△14,206

△17.5%

当期純利益   (百万円)

53,973

43,195

△10,778

△20.0%

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 正味損害率=(正味支払保険金+損害調査費)÷正味収入保険料

3 正味事業費率=(諸手数料及び集金費+保険引受に係る営業費及び一般管理費)÷正味収入保険料

 

 

保険引受の概況は次のとおりであります。

正味収入保険料は、火災保険や自動車保険で増収したことなどにより前事業年度に比べ442億円増加し、1兆3,355億円となりました。一方、正味支払保険金は、自動車保険や火災保険で増加したことなどにより前事業年度に比べ1,151億円増加し、8,093億円となりました。以上により、正味損害率は66.6%と、前事業年度に比べ6.8ポイント上昇しました。また、正味収入保険料が増加したことなどにより、正味事業費率は34.6%と、前事業年度に比べ0.4ポイント低下しました。

これらに収入積立保険料、満期返戻金、支払備金繰入額、責任準備金戻入額などを加減した保険引受利益は、自動車事故や国内の自然災害による発生保険金(正味支払保険金と支払備金繰入額の合計)が増加したことなどにより、前事業年度に比べ298億円減少し、6億円となりました。

 

資産運用の概況は次のとおりであります。

利息及び配当金収入が前事業年度に比べ68億円増加し636億円となり、また、有価証券売却益が前事業年度に比べ262億円増加し500億円となったことなどから、積立型保険の満期返戻金などに充当する運用益を控除した残額の資産運用収益は、前事業年度に比べ290億円増加し、1,004億円となりました。一方、資産運用費用は、金融派生商品費用が増加したことなどにより前事業年度に比べ145億円増加し、271億円となりました。

 

これらの結果、経常利益は前事業年度に比べ142億円減少し、667億円となりました。当期純利益は前事業年度に比べ107億円減少し、431億円となりました。

 

保険種目別の保険料・保険金は次のとおりであります。

 

a 元受正味保険料(含む収入積立保険料)

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

火災

261,139

19.2

△1.9

289,953

20.8

11.0

海上

△100.0

傷害

77,984

5.7

△1.4

77,048

5.5

△1.2

自動車

707,702

52.1

1.5

710,812

50.9

0.4

自動車損害賠償責任

143,391

10.6

△6.5

146,631

10.5

2.3

その他

168,231

12.4

5.3

170,941

12.3

1.6

合計

1,358,449

100.0

0.2

1,395,388

100.0

2.7

(うち収入積立保険料)

(13,953)

(1.0)

(△29.5)

(9,962)

(0.7)

(△28.6)

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含む。)

 

b 正味収入保険料

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率 (%)

火災

199,610

15.5

△3.9

224,684

16.8

12.6

海上

6,811

0.5

△2.6

7,847

0.6

15.2

傷害

59,440

4.6

2.6

60,615

4.5

2.0

自動車

748,022

57.9

2.5

765,208

57.3

2.3

自動車損害賠償責任

135,506

10.5

△5.4

133,306

10.0

△1.6

その他

141,952

11.0

4.4

143,895

10.8

1.4

合計

1,291,344

100.0

0.8

1,335,557

100.0

3.4

(注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

c 正味支払保険金

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額

(百万円)

対前年増減(△)率 (%)

正味損害率(%)

金額

(百万円)

対前年増減(△)率 (%)

正味損害率(%)

火災

140,084

7.3

73.8

178,407

27.4

83.4

海上

3,845

△3.1

56.9

6,852

78.2

87.8

傷害

26,343

3.5

50.5

31,118

18.1

56.8

自動車

360,797

3.4

55.5

417,598

15.7

61.6

自動車損害賠償責任

89,719

△8.5

72.7

83,775

△6.6

69.6

その他

73,416

0.4

54.9

91,562

24.7

67.3

合計

694,206

2.1

59.8

809,314

16.6

66.6

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 正味損害率は正味支払保険金に損害調査費を加えて算出しております。

 

運用資産、有価証券及び利回りの状況は次のとおりであります。

 

a 運用資産

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

預貯金

155,554

4.1

232,701

6.2

金銭の信託

2,821

0.1

3,050

0.1

有価証券

2,643,754

70.6

2,536,311

67.9

貸付金

245,701

6.5

260,537

7.0

土地・建物

167,287

4.5

165,225

4.4

運用資産計

3,215,118

85.8

3,197,827

85.6

総資産

3,745,150

100.0

3,733,689

100.0

(注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

b 有価証券

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国債

430,559

16.3

407,935

16.1

地方債

39,319

1.5

23,768

0.9

社債

305,408

11.6

254,975

10.1

株式

888,329

33.6

863,841

34.1

外国証券

865,355

32.7

885,682

34.9

その他の証券

114,781

4.3

100,107

3.9

合計

2,643,754

100.0

2,536,311

100.0

(注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

c 利回り

運用資産利回り(インカム利回り)

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

6

160,781

0.00

93

212,080

0.04

金銭の信託

0

2,543

0.00

0

2,535

0.00

有価証券

49,562

1,980,412

2.50

56,127

2,030,208

2.76

貸付金

2,174

240,022

0.91

2,393

251,897

0.95

土地・建物

4,612

171,033

2.70

4,477

167,405

2.67

小計

56,355

2,554,794

2.21

63,091

2,664,126

2.37

その他

477

545

合計

56,833

63,636

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 収入金額は、「利息及び配当金収入」に、「金銭の信託運用益」のうち利息及び配当金収入相当額を含めた金額であります。

3 平均運用額は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

資産運用利回り(実現利回り)

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

873

160,781

0.54

614

212,080

0.29

金銭の信託

0

2,543

0.00

0

2,535

0.00

有価証券

65,157

1,980,412

3.29

89,859

2,030,208

4.43

貸付金

2,176

240,022

0.91

2,396

251,897

0.95

土地・建物

4,612

171,033

2.70

4,477

167,405

2.67

金融派生商品

△679

△10,786

その他

380

742

合計

72,521

2,554,794

2.84

87,304

2,664,126

3.28

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 資産運用損益(実現ベース)は、「資産運用収益」及び「積立保険料等運用益」の合計額から「資産運用費用」を控除した金額であります。

3 平均運用額(取得原価ベース)は原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

ハ 国内損害保険事業(三井ダイレクト損害保険株式会社)

三井ダイレクト損害保険株式会社では、「強くてやさしい」というブランドコンセプトを具体化する新商品として、補償や事故対応に「強く」、お客さまが自ら選べて納得感があり価格もリーズナブルで「やさしい」、その2つを兼ね備えた「強くてやさしいクルマの保険」を発売しました。

 

三井ダイレクト損害保険株式会社の経営成績は次のとおりとなりました。

 

正味収入保険料は前事業年度に比べ8億円減少し、345億円となりました。一方、正味支払保険金は前事業年度に比べ5億円増加し、205億円となりました。正味損害率は67.5%と、前事業年度に比べ3.1ポイント上昇しました。

また、諸手数料及び集金費並びに保険引受に係る営業費及び一般管理費は前事業年度に比べ14億円増加し、130億円となりました。正味事業費率は37.9%と、前事業年度に比べ4.9ポイント上昇しました。

保険引受損益は前事業年度に比べ11億円減少し、3億円の損失となりました。特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は8億円となりました。

この結果、出資持分考慮後の当期純利益(セグメント利益)は、前事業年度に比べ1億円増加し、8億円となりました。

(注) 正味損害率=(正味支払保険金+損害調査費)÷正味収入保険料

 正味事業費率=(諸手数料及び集金費+保険引受に係る営業費及び一般管理費)÷正味収入保険料

 

ニ 国内生命保険事業(三井住友海上あいおい生命保険株式会社)

三井住友海上あいおい生命保険株式会社では、入院や手術に備える医療保険において、入院時(日帰り入院も含みます。)に一時金を受け取れる保障を新設するとともに、ガン保険において、ガンと確定診断されたときに保険料の支払いが不要となる特約を追加し、商品の魅力向上を図りました。さらに、保険商品による保障の提供に加え、「予防・早期発見、重症化・再発防止」にも対応し、お客さまの健康をトータルでサポートすることを目指す新しいヘルスケアサービスブランド「MSAケア」をリリースし、保険商品とヘルスケアサービスを一体で提供しました。

 

三井住友海上あいおい生命保険株式会社の経営成績は次のとおりとなりました。

 

保険料等収入は、個人保険の保険料が減少したことなどにより前事業年度に比べ144億円減少し、4,890億円となりました。

経常利益は、新型コロナウイルス感染症による給付金請求が増加したことなどにより前事業年度に比べ111億円減少し、278億円となりました。当期純利益は前事業年度に比べ83億円減少し、127億円となりました。

 

保有契約高、新契約高及び保有契約年換算保険料の状況は次のとおりであります。

 

a 保有契約高

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額 (億円)

対前年増減(△)率(%)

金額 (億円)

対前年増減(△)率(%)

(1) 個人保険

232,274

△1.7

226,521

△2.5

(2) 個人年金保険

6,203

△3.5

5,977

△3.6

(3) 団体保険

96,180

2.8

98,467

2.4

(4) 団体年金保険

2

△6.5

2

△9.1

 

個人合計((1)+(2))

238,477

△1.7

232,499

△2.5

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものであります。

3 団体年金保険については、責任準備金の金額であります。

 

b 新契約高

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

新契約+転換

による純増加

(億円)

新契約

(億円)

転換によ

る純増加

(億円)

新契約+転換

による純増加

(億円)

対前年増減 (△)率

(%)

新契約

(億円)

転換によ

る純増加

(億円)

(1) 個人保険

16,860

16,860

14,534

△13.8

14,534

(2) 個人年金保険

44

44

32

△27.3

32

(3) 団体保険

433

433

687

58.5

687

(4) 団体年金保険

 

個人合計

((1)+(2))

16,904

16,904

14,566

△13.8

14,566

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 新契約の個人年金保険の金額は年金支払開始時における年金原資であります。

 

c 保有契約年換算保険料

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額(億円)

対前年増減(△)率

(%)

金額(億円)

対前年増減(△)率

(%)

個人保険

4,057

△0.3

4,035

△0.6

個人年金保険

381

△7.0

369

△2.9

合計

4,438

△0.9

4,405

△0.8

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 年換算保険料とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)であります。

 

個人保険・個人年金保険を合計した新契約高は、収入保障保険の減少などにより前事業年度に比べ2,338億円減少し、1兆4,566億円となりました。一方、個人保険・個人年金保険を合計した解約失効契約高は前事業年度に比べ528億円減少し、1兆4,305億円となりました。これらの結果、個人保険・個人年金保険を合計した保有契約高は前事業年度末に比べ2.5%減少し、23兆2,499億円となりました。

保有契約年換算保険料は前事業年度末に比べ33億円減少し、4,405億円となりました。

 

運用資産、有価証券及び利回りの状況は次のとおりであります。

 

a 運用資産

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

預貯金

107,416

2.2

416,761

8.3

有価証券

4,613,652

94.5

4,422,873

88.3

貸付金

58,990

1.2

60,780

1.2

土地・建物

346

0.0

304

0.0

運用資産計

4,780,406

97.9

4,900,718

97.8

総資産

4,883,740

100.0

5,009,178

100.0

(注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

b 有価証券

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国債

3,499,113

75.9

3,279,976

74.2

地方債

102,265

2.2

102,572

2.3

社債

624,513

13.5

636,994

14.4

株式

1,001

0.0

823

0.0

外国証券

315,227

6.8

341,199

7.7

その他の証券

71,531

1.6

61,306

1.4

合計

4,613,652

100.0

4,422,873

100.0

(注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

c 利回り

運用資産利回り(インカム利回り)

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

0

250,268

0.00

0

380,444

0.00

有価証券

48,830

4,387,775

1.11

52,246

4,595,862

1.14

貸付金

1,651

58,853

2.81

1,664

59,740

2.79

土地・建物

422

358

小計

50,481

4,697,319

1.07

53,911

5,036,406

1.07

その他

273

436

合計

50,755

54,347

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 収入金額は、「利息及び配当金収入」であります。

3 平均運用額は日々の残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

資産運用利回り(実現利回り)

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

0

250,268

0.00

△0

380,444

△0.00

有価証券

53,704

4,387,775

1.22

55,469

4,595,862

1.21

貸付金

1,651

58,853

2.81

1,664

59,740

2.79

土地・建物

422

358

金融派生商品

△222

△2,718

その他

227

366

合計

55,361

4,697,319

1.18

54,782

5,036,406

1.09

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 資産運用損益(実現ベース)は、「資産運用収益」から「資産運用費用」を控除した金額であります。

3 平均運用額(取得原価ベース)は日々の残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

ホ 国内生命保険事業(三井住友海上プライマリー生命保険株式会社)

三井住友海上プライマリー生命保険株式会社では、お客さまの資産形成や資産寿命の延伸につながる商品の魅力向上を図るため、年金原資を守りながらふやす楽しみがある指数連動型年金保険「みのり 10年」において保証重視コースと運用重視コースを新設して選択肢を増やしました。また、お客さま向けWEBサービス「プライマリー生命マイページ」を全面刷新し、画面デザインの一新やサービス内容の充実により、利便性の高いサービスを提供しました。

 

三井住友海上プライマリー生命保険株式会社の経営成績は次のとおりとなりました。

 

保険料等収入は、マーケット環境の改善に加え、主力商品の改定や営業・研修活動の積極展開により前事業年度に比べ4,242億円増加し、1兆3,498億円となりました。

経常利益は、前事業年度に金利上昇により責任準備金の繰入負担が減少した反動や新たに標準責任準備金制度の対象となった外貨建保険に係る責任準備金繰入負担などにより前事業年度に比べ567億円減少し、310億円となりました。当期純利益は前事業年度に比べ332億円減少し、197億円となりました。

 

保有契約高、新契約高及び保有契約年換算保険料の状況は次のとおりであります。

 

a 保有契約高

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額 (億円)

対前年増減(△)率(%)

金額 (億円)

対前年増減(△)率(%)

(1) 個人保険

45,874

8.5

46,553

1.5

(2) 個人年金保険

22,161

△6.4

22,768

2.7

(3) 団体保険

(4) 団体年金保険

 

個人合計((1)+(2))

68,036

3.2

69,322

1.9

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資(ただし、個人変額年金保険については保険料積立金)と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものであります。

 

b 新契約高

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

新契約+転換

による純増加

(億円)

新契約

(億円)

転換による純増加

(億円)

新契約+転換

による純増加

(億円)

対前年増減 (△)率

(%)

新契約

(億円)

転換による純増加

(億円)

(1) 個人保険

7,273

7,273

9,256

27.3

9,256

(2) 個人年金保険

923

923

3,542

283.7

3,542

(3) 団体保険

(4) 団体年金保険

 

個人合計

((1)+(2))

8,196

8,196

12,798

56.1

12,798

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 新契約の個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資(ただし、個人変額年金保険については契約時の保険料積立金)であります。

 

c 保有契約年換算保険料

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額(億円)

対前年増減(△)率

(%)

金額(億円)

対前年増減(△)率

(%)

個人保険

4,284

17.0

4,632

8.1

個人年金保険

2,475

△7.4

2,618

5.8

合計

6,759

6.7

7,250

7.3

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 年換算保険料とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)であります。

 

 個人保険・個人年金保険を合計した新契約高は前事業年度に比べ4,601億円増加し、1兆2,798億円となりました。一方、個人保険・個人年金保険を合計した解約失効契約高は前事業年度に比べ2,894億円増加し、7,827億円となりました。個人保険・個人年金保険を合計した保有契約高は、新契約高の増加や為替影響により前事業年度末に比べ1.9%増加し、6兆9,322億円となりました。

 保有契約年換算保険料は前事業年度末に比べ491億円増加し、7,250億円となりました。

 

運用資産、有価証券及び利回りの状況は次のとおりであります。

 

a 運用資産

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

預貯金

764,012

10.8

764,633

11.2

買入金銭債権

80,995

1.1

74,996

1.1

金銭の信託

2,035,737

28.9

2,078,352

30.5

有価証券

3,748,856

53.2

3,451,044

50.6

貸付金

288,656

4.1

261,512

3.8

土地・建物

274

0.0

236

0.0

運用資産計

6,918,533

98.1

6,630,775

97.2

総資産

7,053,307

100.0

6,823,733

100.0

(注) 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

b 有価証券

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国債

19,266

0.5

18,884

0.5

地方債

1,302

0.0

社債

54,543

1.5

67,776

2.0

外国証券

1,789,095

47.7

1,801,060

52.2

その他の証券

1,884,649

50.3

1,563,322

45.3

合計

3,748,856

100.0

3,451,044

100.0

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 「その他の証券」は、証券投資信託の受益証券等であります。

 

c 利回り

運用資産利回り(インカム利回り)

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

6

731,341

0.00

115

834,512

0.01

買入金銭債権

33

92,717

0.04

28

83,070

0.03

金銭の信託

36,054

1,824,782

1.98

68,216

2,150,859

3.17

有価証券

56,030

1,857,549

3.02

66,661

1,686,862

3.95

貸付金

9,497

260,507

3.65

10,317

290,864

3.55

土地・建物

302

256

小計

101,622

4,767,201

2.13

145,339

5,046,426

2.88

その他

1

0

合計

101,623

145,339

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。なお、保険業法第118条に規定する特別勘定に係る収入金額及び平均運用額については除外しております。

2 収入金額は、「利息及び配当金収入」に、「金銭の信託運用益」のうち利息及び配当金収入相当額を含めた金額であります。

3 平均運用額は日々の残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

資産運用利回り(実現利回り)

区分

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

1,948

731,341

0.27

△4,381

834,512

△0.53

買入金銭債権

33

92,717

0.04

28

83,070

0.03

金銭の信託

156,494

1,824,782

8.58

162,891

2,150,859

7.57

有価証券

199,531

1,857,549

10.74

89,931

1,686,862

5.33

貸付金

33,961

260,507

13.04

5,342

290,864

1.84

土地・建物

302

256

その他

174

△1,224

合計

392,142

4,767,201

8.23

252,588

5,046,426

5.01

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。なお、保険業法第118条に規定する特別勘定に係る資産運用損益及び平均運用額については除外しております。

2 資産運用損益(実現ベース)は、「資産運用収益」から「資産運用費用」を控除した金額であります。

3 平均運用額(取得原価ベース)は日々の残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

ヘ 海外事業(海外保険子会社)

当社グループでは、海外自然災害リスクの保険引受けを抑制しつつ、海外事業の成長を通じたグループの利益の拡大や安定化に向けた取組みを進めました。さらなる事業拡大のための事業投資を行いつつ、海外拠点に対するガバナンスや海外自然災害リスクの管理などの強化にも取り組みました。

三井住友海上火災保険株式会社では、米国において成長を続けているMGA市場を捕捉すべく、Transverse Insurance Group, LLC(注1)を買収し、米国保険市場におけるプレゼンスの拡大を図りました。また、MS Amlin事業は、自然災害リスクの抑制と引受けの厳選、料率引上げなどの収支改善取組みを継続した結果、ロシア・ウクライナ紛争、ハリケーン・イアンによる損害などの影響を受けながらも保険引受利益を黒字化するなど収益力が強化されました。アジア地域では、デジタル技術の活用やプラットフォーマー等との連携によるリテール市場の開拓や、MS First Capital Insurance Limited等の各拠点の強みを活かした域内連携強化による企業市場の開拓を継続して進め、引き続き安定した収益をあげました。

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社では、日本、米国、欧州、中国、東南アジアの5極を中心としたテレマティクス・モビリティサービス事業を進めました。欧州ではMind Foundry(注2)と共同開発したAIモデルを用い、料率設定や保険金支払業務の効率化などによる収支改善に取り組みました。また、タイにおいて、運転挙動反映型自動車保険の累計販売件数が20万件を超え、データ活用の先進事例としてInsurance Asia Awards 2022(注3)でInsurtech Initiative of the Year - Thailandを受賞するなどテレマティクス技術を用いたイノベーション取組みが高く評価され、アジア地域でのプレゼンス向上に貢献しました。

 

(注1)Transverse Insurance Group, LLC

MGAに一定の機能と権限を委譲し、そのMGAが販売した保険契約に関わるリスクを再保険会社へ仲介するビジネスモデルの保険事業を展開する持株会社。2018年に米国で設立。

(注2)Mind Foundry

オックスフォード大学のAI分野の教授2名が設立した、AI開発に強みを持つスタートアップ企業。

(注3)Insurance Asia Awards 2022

アジア太平洋地域の保険会社や投資家などを対象とした出版物「Insurance Asia」の発行会社、Charlton Media Groupが主催する表彰制度。

 

海外保険子会社セグメントの経営成績は次のとおりとなりました。

 

[海外保険子会社の主要指標]

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

比較増減

 増減率

正味収入保険料 (百万円)

703,026

934,187

231,160

32.9%

経常利益       (百万円)

39,638

9,044

△30,594

△77.2%

セグメント利益 (百万円)

24,575

15,718

△8,856

△36.0%

(注)1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2 セグメント利益は出資持分考慮後の当期純利益に相当する金額であります。

 

正味収入保険料は、アジア、欧州、米州の各地域で増収したことや為替影響などにより前連結会計年度に比べ2,311億円増加し、9,341億円となりました。

経常利益は、ロシアによるウクライナ侵攻に関連する保険金の見積額を計上したことや金融マーケット変動の影響により資産運用損益が減少したこと、海外生命保険関連会社の持分法投資損益が減少したことなどにより前連結会計年度に比べ305億円減少し、90億円となりました。

出資持分考慮後の当期純利益(セグメント利益)は前連結会計年度に比べ88億円減少し、157億円となりました。

 

当連結会計年度末の財政状態は次のとおりであります。

総資産は前連結会計年度末に比べ334億円減少し、25兆4億円となりました。主な総資産の内訳は、有価証券が16兆1,493億円(前連結会計年度末比8,099億円減少)、現金及び預貯金が2兆7,719億円(同4,149億円増加)、金銭の信託が2兆820億円(同428億円増加)であります。

 

当社及び国内保険子会社のソルベンシー・マージン比率の状況は、以下のとおりであります。

 

保険会社グループでは、保険金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。この「通常の予測を超える危険」を示す「リスクの合計額」(以下の各表の(B))に対する「資本金・準備金等の支払余力」(すなわちソルベンシー・マージン総額:以下の各表の(A))の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたものが、「ソルベンシー・マージン比率」(以下の各表の(C))であります。

ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社又は保険持株会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。

 

イ 当社

連結ソルベンシー・マージン比率

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

(百万円)

(A)ソルベンシー・マージン総額

5,778,630

5,234,013

(B)リスクの合計額

1,347,114

1,345,950

(C)ソルベンシー・マージン比率

[(A)/{(B)×1/2}]×100

857.9%

777.7%

(注)「連結ソルベンシー・マージン比率」は、保険業法施行規則第210条の11の3及び第210条の11の4並びに平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出された比率であります。

 

保有有価証券の時価下落を主因に、ソルベンシー・マージン総額が前連結会計年度末に比べて5,446億円減少したことなどにより、ソルベンシー・マージン比率は前連結会計年度末に比べて80.2ポイント低下し、777.7%となりました。

 

ロ 三井住友海上火災保険株式会社

単体ソルベンシー・マージン比率

 

前事業年度

(2022年3月31日)

(百万円)

当事業年度

(2023年3月31日)

(百万円)

(A)ソルベンシー・マージン総額

3,598,612

3,405,349

(B)リスクの合計額

996,144

995,234

(C)ソルベンシー・マージン比率

[(A)/{(B)×1/2}]×100

722.5%

684.3%

(注)「単体ソルベンシー・マージン比率」は、保険業法施行規則第86条及び第87条並びに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出された比率であります。

 

劣後特約付社債の期限前償還やその他有価証券の評価差額の減少を主因に、ソルベンシー・マージン総額が前事業年度末に比べて1,932億円減少したことなどにより、ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末に比べて38.2ポイント低下し、684.3%となりました。

 

ハ あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

単体ソルベンシー・マージン比率

 

前事業年度

(2022年3月31日)

(百万円)

当事業年度

(2023年3月31日)

(百万円)

(A)ソルベンシー・マージン総額

1,396,160

1,327,493

(B)リスクの合計額

368,045

319,545

(C)ソルベンシー・マージン比率

[(A)/{(B)×1/2}]×100

758.6%

830.8%

(注)上記ロの(注)に記載のとおりであります。

 

巨大災害リスク相当額の減少を主因に、リスクの合計額が前事業年度末に比べて484億円減少したことなどにより、ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末に比べて72.2ポイント上昇し、830.8%となりました。

 

ニ 三井ダイレクト損害保険株式会社

 単体ソルベンシー・マージン比率

 

前事業年度

(2022年3月31日)

(百万円)

当事業年度

(2023年3月31日)

(百万円)

(A)ソルベンシー・マージン総額

17,001

17,853

(B)リスクの合計額

5,199

5,060

(C)ソルベンシー・マージン比率

[(A)/{(B)×1/2}]×100

653.9%

705.5%

(注)上記ロの(注)に記載のとおりであります。

 

当期純利益による株主資本の増加を主因に、ソルベンシー・マージン総額が前事業年度末に比べて8億円増加したことなどにより、ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末に比べて51.6ポイント上昇し、705.5%となりました。

 

ホ 三井住友海上あいおい生命保険株式会社

単体ソルベンシー・マージン比率

 

前事業年度

(2022年3月31日)

(百万円)

当事業年度

(2023年3月31日)

(百万円)

(A)ソルベンシー・マージン総額

398,033

338,880

(B)リスクの合計額

69,105

69,474

(C)ソルベンシー・マージン比率

[(A)/{(B)×1/2}]×100

1,151.9%

975.5%

(注)上記ロの(注)に記載のとおりであります。

 

保有債券の時価下落に伴いその他有価証券の評価差額が減少したことを主因に、ソルベンシー・マージン総額が前事業年度末に比べて591億円減少したことなどにより、ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末に比べて176.4ポイント低下し、975.5%となりました。

 

ヘ 三井住友海上プライマリー生命保険株式会社

単体ソルベンシー・マージン比率

 

前事業年度

(2022年3月31日)

(百万円)

当事業年度

(2023年3月31日)

(百万円)

(A)ソルベンシー・マージン総額

739,516

683,942

(B)リスクの合計額

135,086

152,103

(C)ソルベンシー・マージン比率

[(A)/{(B)×1/2}]×100

1,094.8%

899.3%

(注)上記ロの(注)に記載のとおりであります。

 

保有債券の時価下落に伴いその他有価証券の評価差額が減少したことを主因に、ソルベンシー・マージン総額が前事業年度末に比べて555億円減少したことなどにより、ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末に比べて195.5ポイント低下し、899.3%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

比較増減

営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円)

236,708

194,153

△42,555

投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円)

△71,976

480,953

552,930

財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円)

58,545

△314,502

△373,047

現金及び現金同等物の期末残高   (百万円)

2,256,216

2,646,431

390,215

 

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、保険金の支払額が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ425億円減少し、1,941億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入や金銭の信託の減少による収入が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ5,529億円増加し、4,809億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入や売現先取引による収入が減少したことなどにより前連結会計年度に比べ3,730億円減少し、△3,145億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より3,902億円増加し、2兆6,464億円となりました。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報は次のとおりであります。

長期的な投資資金等に対しては、主に営業活動から得た資金及び内部留保による自己資金を活用するほか、社債の発行や金融機関からの長期借入による外部からの資金調達を行っております。

また、資金の流動性につきましては、大規模自然災害時に保険金の支払や市場の混乱等により資金繰りが悪化する場合に備え、当社グループは、流動性資産を十分に保有するとともに、資金の流出入の動向を踏まえて資産・負債両面から流動性についての評価を行い、適切な資金繰りを行っております。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、次の事項を会計上の重要な見積りと考えております。

イ 時価の算定方法

 資産・負債の一部は時価をもって貸借対照表価額としており、時価の算定は市場価格等に基づいております。一部のデリバティブ取引において市場価格がない場合には、将来キャッシュ・フローの現在価値や取引対象の市場価格、契約期間等の構成要素に基づく合理的な見積りによって算出された価格を時価としております。

ロ 有価証券の減損

 保有している有価証券は有価証券市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来、有価証券市場が悪化した場合には有価証券評価損が発生する可能性があります。

ハ 固定資産の減損

 収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、正味売却価額(資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される価額)と使用価値(資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。したがって、関連する事業の環境が変化した場合、固定資産の使用方法を変更した場合又は不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。

ニ 繰延税金資産

 繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が変動した場合は繰延税金資産が変動する可能性があります。

ホ 貸倒引当金

 債権の貸倒れによる損失に備えて、回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。貸付先の財務状況の変化などにより、回収不能となった金額や貸倒引当金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。

ヘ 支払備金

 保険契約に基づいて支払義務が発生した、又は発生したと認められる保険金等のうち、まだ支払っていない金額を見積もり、支払備金として積み立てております。損害調査の進展、裁判等の結果や為替の変動などにより保険金等の支払額や支払備金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。

ト 責任準備金等

 保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金等を積み立てております。当初想定した環境・条件等が大きく変動し予期せぬ損害の発生が見込まれる場合には、責任準備金等の積増しが必要になる可能性があります。

チ 退職給付費用及び退職給付債務

 退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や将来の退職率及び死亡率など、いくつかの前提条件に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件を変更する必要が生じた場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。

 

 なお、上記のうち「ハ 固定資産の減損」及び「ヘ 支払備金」については、関連する事項を「第5 経理の状況」の「重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

④ 目標とする経営指標等の分析等

 

目標項目

 

2021年度

 

2022年度

 

 

実績

修正予想

実績

 

グループ修正利益    (億円)

 

3,471

 

1,700

1,727

 

 

国内損害保険事業  (億円)

 

2,307

 

1,390

1,180

 

国内生命保険事業  (億円)

 

757

 

280

347

 

海外事業      (億円)

 

343

 

10

179

 

金融サービス/リスク

関連サービス事業  (億円)

 

63

 

20

20

 

グループ修正ROE

 

9.5%

 

4.6%

4.8%

 

ESR(Economic Solvency Ratio)

 

228%

 

228%

 

   (注)グループ修正利益=連結当期利益+異常危険準備金等繰入・戻入額-その他特殊要因(のれん・その他無形

     固定資産償却額等)+非連結グループ会社持分利益

     グループ修正ROE=グループ修正利益÷期初・期末平均修正純資産(除く新株予約権・非支配株主持分)

     修正純資産=連結純資産+異常危険準備金等-のれん・その他無形固定資産

     ESR=時価純資産÷統合リスク量(信頼水準99.5%)

 

2025年度までの中期経営計画の初年度となる2022年度は、自然災害や新型コロナウイルス感染症、コロナ禍からの回復に伴う経済活動の活発化による自動車損害率の上昇、大口保険事故の発生などの影響により、グループ修正利益とグループ修正ROEは2021年度を下回りましたが、期中に公表した修正予想を上回る水準を達成しました。財務健全性を表すESRは、目標とする幅(180~250%)の範囲内を維持しております。

 

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⑤ 問題認識と今後の方針について

問題認識と今後の方針は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しているとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社の子会社である三井住友海上火災保険株式会社(以下「三井住友海上」という。)は、2022年8月10日に、Virgo Transverse Core LLC等と、Transverse Insurance Group, LLC(以下「Transverse社」という。)を買収する基本合意に至りました。その後、関係各国の監督当局の認可を得て、2023年1月3日付(米国時間)で三井住友海上の米国子会社を通じた買収手続きを完了いたしました。取得価額は399百万米ドル(注)となっております。Transverse社は、Managing General Agent(以下「MGA」という。)に一定の機能と権限を付与し、そのMGAが引き受けた保険契約に関わるリスクを再保険会社に仲介するビジネスモデルの保険事業を展開する持株会社であり、対象会社の概要および株式の取得目的は以下のとおりであります。

 

(1) 対象会社の概要

社名   Transverse Insurance Group, LLC

本社   米国デラウェア州

事業内容 傘下に損害保険会社等を有する持株会社

 

(2) 取得の目的

米国MGA市場の成長取込みによる収益拡大や、三井住友海上の強固な財務基盤を背景としたTransverse社の信用力引上げによるビジネス機会の拡大等のグループシナジー効果を発揮することを目的とするものであります。

 

(注)買収後のTransverse社の業績の水準等に応じて一定の追加額を支払う業績連動型追加支払条項を有しております。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。