文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(会社の経営方針)
当社グループは、産業ガス及び関連する技術・機器等を通じ、事業基盤のさらなる強化と収益力の向上、工場の安全・安定的な操業の継続、健全な財務体質の維持を行い、ダイバーシティ経営の強化、SDGsへの貢献、広報・IR活動の強化を推進し経済的価値を創造するとともに、社会に貢献することを基本方針としております。この基本方針のもと、企業倫理と遵法の精神に基づいた企業活動を行い、持続的な企業成長と企業価値の向上を実現し、取引先、株主、社員、地域社会をはじめ様々なステークホルダーの期待と信頼に応えてまいります。
(経営環境を踏まえた経営戦略、目標とする経営指標及び対処すべき課題等)
当社グループの産業ガス、液化石油ガス、産業器材各分野の主たる市場である東北、北海道地域経済の見通しといたしましては、地域総人口の継続的な減少が地域購買力の減退をもたらし、公共事業も減少傾向にあります。加えて、地政学リスクの高まりによる原材料価格や燃料価格の高騰等もあり、事業環境は先が見通せない状況が続くと想定されますが、東北各県、北海道、関東に事業会社が存在する当社グループの総合力を活かして安定収益を継続していく所存であります。
このような状況下、ガス関連事業の産業ガス関連分野においては、セパレートガスの用途開発及びグループの総合力を活かした事業領域の拡大、水素関連事業の強化をしてまいります。エネルギー関連分野では、災害時に強い液化石油ガス及び災害対策用機器の普及に加え、省エネルギー機器の販路を開拓し、民生用小売需要の拡大を図ってまいります。食品関連分野では、環境負荷低減への技術・用途の開発を行い、新型ホイップ製造機の市場投入と大型飲食店への更なる展開、食材の供給から販売まで一貫した体制を構築してまいります。メディカル関連分野では、医療用酸素をはじめとした各種医療用ガス・医療機器の販路を拡大し、在宅医療ビジネスや介護・福祉ビジネス、ヘルスケアビジネスへの参入を行ってまいります。
器具器材関連事業においては、産業ガス事業と一体化した営業活動を強化し、グループ全体で新規顧客の開拓、購買窓口の統合を進めながら、競争力のある商品提供と販売エリアを全国に向けて強化してまいります。
自動車機器関連事業においては、当社の主たる販売先である自動車部品メーカーの需給調整の影響を受ける傾向があり、自動車産業も含めた業界の動向に注視してまいります。
製氷機関連事業においては、国外も含めた新規顧客の獲得を目指し、また、先進技術を活用した新製品の開発及び環境に配慮した製品開発による事業拡大を目指してまいります。
当社グループの構造改革については、各事業分野における成長戦略を徐々に軌道に乗せるためにも当社グループの販売力・収益力の現状を総合的に分析したうえで、成長戦略達成に向け新たな人材戦略を掲げ、ダイバーシティへの取組、グループ組織及び人員配置の最適化、更なるIT化を推し進め、グループ経営管理システムの再構築を図り、将来を見据えることが必要であると認識しております。加えて、当社においては、事業領域の拡大を目指す中、より積極的な広報・IR活動を推進するため、東京支社を新設し、高付加価値分野である食品用ガスの主要拠点であった東京事務所の移転を実施、また、情報発信・収集機能を強化し、グループ企業価値の向上を目指しております。
当社グループでは、2022年度を初年度とする新中期経営計画を策定し、定量目標として連結売上高400億円、経常利益25億円(経常利益率6%以上)、親会社株主に帰属する当期純利益16億円という業績目標の達成に向けて取り組んでまいります。加えて、資本コストを的確に把握した経営管理を行う方針のもとROE8%以上、財務基盤強化として自己資本比率の向上、また、株主還元方針として累進配当施策を実施し、1株当たり50円以上の年間配当を維持することを目標にしております。
これら事業戦略を遂行するうえで、事業等のリスクが顕在化した場合の経営環境の急激な変化に十分注意を払いつつ、対処すべき課題を適宜解決しながら事業運営を行ってまいります。
なお、本計画は当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社グループとして約束する趣旨のものではありません。従いまして、今後の国内外の経済情勢や予測不可能な不確定要素等により、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
当社グループのCSR活動は、当社が掲げている東邦アセチレングループの「経営方針」を実践することそのものにほかなりません。
こうした考え方を「東邦アセチレングループCSR憲章」としてまとめ、グループの役員や従業員の一人ひとりが、ステークホルダーの皆様への責任を果たせるようにグループ全体でCSR活動を推進してまいります。
CSR活動全体を推進する体制としては、代表取締役副社長が担当する「CSR推進委員会」を設置し、あらゆるステークホルダーの皆様に対する取り組みを一元的に把握、管理しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
ガバナンスでは、執行役員制度を導入し、経営体制の「意思決定」と「業務執行」を分離することにより、経営の透明性と公正性を高める体制を整備しています。
次にコンプライアンスでは、コンプライアンス担当執行役員が管轄する「コンプライアンス委員会」を設置し、グループ全体におけるコンプライアンス推進体制を構築するとともに、当社グループの役員や従業員に企業倫理の遵守を周知徹底しています。
環境対応では、「環境方針」のもと、環境保安・品質保証担当執行役員が管轄し、環境負荷の低減をはじめ、社会課題に貢献する製品開発、地域社会における環境保全活動等を推進する体制を整えています。
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
人材育成方針
女性・中途採用者等の異なる経験・技能・属性を背景とした多様な価値観を持つ人材の存在と育成が、企業の持続的な成長に結びつくとともに、中長期的な企業価値の向上に不可欠であるとの認識のもとで人材の採用と育成を行ってまいります。
社内環境整備方針
従業員一人ひとりが働きがいを持ち、各個人の能力を最大限に発揮するためには「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現」が必要不可欠です。「働きやすさ」と「働きがい」を両立するために、当社グループでは、残業時間削減、ダイバーシティ推進、時差出勤や在宅勤務の実現など、さまざまな取り組みを推進しています。
また、一般職から総合職へ転換可能な職種転換制度を設けるなど、女性活躍にも努め、現状、女性がいない又は少ない部署への配置を行い、個の力が十分に発揮できるよう、組織力を強化していくことに加え、会社の様々なプロジェクトのメンバーにも女性を登用し、多様なキャリア形成を支援しながら、女性の活躍の場を増やしております。
リスクマネジメントでは、リスク管理担当執行役員が管轄する「リスク管理委員会」を設置し、さまざまなリスクに対応できる体制を構築しており、全社的な潜在リスクの洗い出しやリスクの影響評価及び対応策について、継続的に分析・審議を行い、取締役会にその内容を報告しています。また、業務遂行上の日常業務におけるさまざまなリスク要因に関しては、「リスク管理規程」に基づいて、リスク管理担当部署が適切に対処しています。
当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
指標 ・・・・・・・・・全社員に占める女性社員の割合
目標 ・・・・・・・・・2027年3月末までに25%以上
実績(当事業年度末)・・21.8%
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、当該リスクが顕在化する可能性のある程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社は、グループ全体の事業を取り巻く様々なリスクに対し、リスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避と発生した場合の対応にも取り組む方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。
(事業にかかる経営環境に関するリスク)
(1)市場について
当社グループが製造・販売する酸素、窒素、アルゴン、水素等の産業ガスは、既に国内は業界大手が寡占するなかで飽和状態になりつつあります。当社グループの主な事業基盤は、東北・北海道・関東地域を中心に鉄工、造船、半導体や自動車業界を大口顧客としておりますが、販売シェアの競合が激化しており、需要動向によって産業ガスの販売量が影響を大きく受ける可能性があります。また液化石油ガスは、東北地域を中心に主として工業用・民生用(家庭需要)向けでありますが、オール電化の推進により民生用の需要は減少傾向にあります。
当社グループでは、当該リスクへの対策として、販売子会社を通じて地域密着型の営業活動を行い需要家との信頼関係を長きにわたり築き上げており、それを基に事業環境の変化に柔軟に対応した販売戦略の最適化に取り組んでおります。また、高い技術サービスの提供により市場競争に耐え得る強固な基盤を維持する取り組みが必要であると認識しております。
(2)販売価格について
一般高圧ガスは、各種産業における商品・製品の製造加工に必要な原材料として位置づけられており、景気が低迷状況に陥った場合、需要先の様々なコストの見直しの余波によりその販売価格に影響を受けます。また、各高圧ガスメーカーが所有する生産工場の稼働状況によっても販売価格に影響を受ける可能性があります。酸素、窒素、アルゴン、水素等の製造コストの中で、大きな割合を占める電力コストが原油価格の高騰等で大幅な上昇に至った際に、それらを適切に販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対策として、生産設備の自動化による効率化の推進及び省エネ対応の設備への更新を行っております。また、需要予測に基づく生産管理と生産コストの低減を目標とした管理体制の強化に取り組む必要があると認識しております。
液化石油ガスは、多くの需要先との間で販売価格は製品の輸入価格を基礎に連動させる価格体系にしており、輸入価格等の変動状況によっては販売価格が影響を受ける可能性があります。仕入価格の変動を販売価格に速やかに転嫁できない場合には、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、輸入価格等の変動については地政学的リスクによる影響を多く受けるため、動向をモニターする以外、予測することは困難であると認識しております。
(3)競合会社との競合リスクについて
当社グループの各事業において、国内に多様な競合会社が存在するため、異業種からの新規参入等、潜在的な競合リスクが存在します。また、事業環境の変化等で競合会社との価格競争に晒された場合、その対応のために様々なコストが発生することが予想され、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。
(4)季節的な要因の変動について
当社グループが販売する主力商品の液化石油ガスについては、天候(暖冬等)により工業用・民生用(家庭需要)への販売数量が影響を受ける可能性があります。液化石油ガスの消費量は、気温や水温の影響を受けることから販売量は夏季に減少し、冬季に増加する傾向にあります。このため、当社グループの売上及び利益構造は下期に偏る傾向を有しており、特に気候変動があった事業年度は液化石油ガスの販売量に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、昨今の温暖化による気候変動について予測することは困難であると認識しております。
なお、当連結会計年度の四半期毎の売上高推移は以下のとおりであります。
液化石油ガス 第89期売上高推移
(5)薬価制度について
当社グループは、医療機関向けに医療用ガスや医療機械の販売を行っております。これらのうち、医療用ガスは顧客の施設内に供給設備を設置することで安定供給の責任を果たしております。販売価格は競争入札によるものが多く、また競争入札故に既存顧客先との取引を失注する可能性があり、加えて薬価改定の内容によっては、当社グループの販売又は収益が影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対策として、薬価改定の内容については厚生労働省からの発信情報を都度、モニターする他、顧客のニーズに対応するために供給設備の維持管理費用が低減できるサービスの提供を積極的に行い、既存顧客の維持並びに新規顧客の獲得に努めております。
(6)品質・安全について
当社グループが製造・販売を行う高圧ガスの中には、需要先の使用用途によっては可燃性・毒性を有するガスも含まれており、予測できない原因により事故に発展するリスクを完全に排除することはできないと認識しております。そのため、当社製品の欠陥等が原因で需要先の製品に欠陥や事故等が生じた場合、製造物責任法により損害賠償請求を受ける可能性があります。また、高圧ガスの保安の確保には万全を期しておりますが、ガスそのものの危険性を全て解消することは難しく、万が一、漏洩、発火、爆発等で従業員や設備に多大の損害が生じ操業停止等に至った場合、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対策として、適切な品質管理体制のもと品質保証監査によるリスク回避策と、安全に対する教育の実施による意識の浸透を図る等事故の防止に努めております。
(7)自然災害等について
当社グループは、東北・北海道・関東地域を中心に事業展開を行っておりますが、東日本大震災による津波で甚大な被害を被り、復旧に要した費用や生産工場の稼働停止による損害額は多額になりました。将来、発生が懸念されている大地震をはじめ、暴風雨、洪水等の自然災害が発生した場合には、当社グループの事(営)業所等が重大な損害を受ける他、特に製造拠点においては生産能力の大幅な低下を招く可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対策として、事業運営に最も不可欠な従業員の安全確保を最優先に、保険等の加入による最低限のリスク回避を行っている他、重要な企業データが喪失しないよう外部に保全先を確保しております。また、グループ各社が被災時であっても重要な事業が継続できるよう整備の推進や生産工場が稼働停止に陥った場合でも、他の地域で共同運営を行う会社との連携により安定供給を可能とする体制がある等被害の局限化を進めております。当社グループでは、自然災害等の発生について予測することは困難であると認識しております。
(事業にかかる法的規制に関するリスク)
(1)コンプライアンスリスクについて
当社グループは、「東邦アセチレングループCSR憲章」を制定し、法令遵守及び企業倫理に基づき誠実に行動することをコンプライアンス行動指針に定め、全ての役員と従業員が良識ある企業行動と行動規範から逸脱しないよう徹底を図っております。また、事業活動を広範に行うなかで故意又は過失による法令違反行為が発生した場合には、監督官庁等からの行政処分、利害関係者からの訴訟の提起、惹いては社会的信用の低下などにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対策として、コンプライアンス委員会を設置しております。同委員会では、年度毎に活動目標を定め日頃からコンプライアンス活動を実践し、雇用環境の整備を進め、労働時間の適正化やハラスメント予防に関する役職員へ教育の徹底、内部通報制度の設置等コンプライアンス意識が浸透するよう取り組んでおります。
(2)法的規則等(環境に関する法規制を含む)について
当社グループが属するガス業界は、「高圧ガス保安法」をはじめとする各種の諸法令、諸規則により事業活動に規制を受けておりますが、今後、何らかの理由によりこれらの法的規則等の変更又は行政指導があった場合、また将来的に国内外で温暖化ガスの規制強化による対応コストの増加が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対策として、事業継続のためこれら多数の法的規則に対応できる体制と監査機能の強化を図っているため、法令遵守体制等に起因するリスクの顕在化の可能性は高くないと認識しております。また、法的規則の変更等の外部要因に起因するリスクについても関連法令の改正等の動向をモニターすることで、顕在化のリスクを早期に把握し体制の整備を進める方針でありますが、かかる外部要因によるリスクについては、その顕在化の内容、時期等当社グループが制御できるものではないと認識しております。
(3)情報セキュリティと漏洩等について
当社グループは、事業活動を通じて入手した顧客情報の管理について、「個人情報の保護に関する法律」に基づき個人情報保護規程を定め、情報管理に対して適切なセキュリティ対策を講じ厳重な管理を行っております。また、信頼の高い外部業者に委託することで万全の対応を整えておりますが、災害、ソフトウエア又はハードウエアの欠陥、サイバー攻撃による不正アクセスやコンピュータウイルスの感染等により、システム障害や情報漏洩事故が発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下や利害関係者からの訴訟の提起等により、業績に影響を与える可能性があります。
(4)特許等の知的財産権について
当社グループが製造する製品において、第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受ける可能性があります。第三者から知的財産権の侵害の可能性がある旨、通知を受けた場合には早急に顧問弁護士や関係先と連携し可能な範囲で知的財産権の調査を行う等の対応を行っております。また当社グループの主張が認められなかった場合には訴訟を提起され、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対策として、代替技術の開発等で侵害の回避策を講じる他、事業の遂行にあたり当該事由に抵触していないことの事実確認と報告義務を課す等の防止策を行っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a.事業全体の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」という。)による行動制限が徐々に緩和され、社会経済活動が正常化に向かう一方で、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高止まりや急激な為替変動による物価上昇に加え、世界的な金融引き締めなどにより、先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社グループでは、外食産業向けは感染症が収束に向かうなかで消費需要が回復し、ウクライナ情勢の長期化の影響を受け電気料金は期初から上昇し製造コストは増加しましたが、グループ全体で販売価格の改定に積極的に取り組み、収益確保に努めました。
その結果、当社グループの連結業績の売上高は340億87百万円と前連結会計年度に比べ28億1百万円(9.0%)の増加となり、営業利益は15億22百万円と前連結会計年度に比べ2億93百万円(23.9%)の増加、経常利益は16億84百万円と前連結会計年度に比べ3億29百万円(24.3%)の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は9億88百万円と前連結会計年度に比べ1億65百万円(20.0%)の増加となりました。
売上高
当連結会計年度の売上高は、340億87百万円と前連結会計年度に比べ28億1百万円の増加となりました。ガス関連事業は原材料費の高騰に伴う販売価格の改定により増加、液化石油ガスの輸入価格の上昇により増加しました。器具器材関連事業及び自動車機器関連事業は全般的に需要が増加したことにより売上高は増加しました。
売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、101億21百万円と前連結会計年度に比べ5億21百万円の増加となりました。ガス関連事業は、前年に実施した多賀城工場の大規模定期修理はなかったものの、電気料金の大幅な上昇に伴う製造コストの増加により収益を圧迫、一方で各種高圧ガスの価格改定を行ったこと及び食品用ガスの出荷量が外食産業向けに大幅に増加したことに加え、器具器材関連事業及び自動車機器関連事業は売上高が増加したこと等により売上総利益は増加となりました。
販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、85億99百万円と前連結会計年度に比べ2億27百万円の増加となりました。ガス関連事業における市場の需要回復に伴う運搬費の増加に加え、東京支社新設に伴う諸経費の増加により販売費及び一般管理費は増加しましたが、売上総利益の増加を受け営業利益は15億22百万円と前連結会計年度に比べ2億93百万円の増加となりました。
営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、受取賃貸料が増加したこと等により2億62百万円と前連結会計年度に比べ70百万円増加となりました。また、営業外費用は、賃貸費用が増加したこと等により1億円と前連結会計年度に比べ35百万円の増加となりました。
以上の結果、経常利益は16億84百万円と前連結会計年度に比べ3億29百万円の増加となりました。
特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益13百万円を計上し、特別損失は、固定資産除売却損7百万円、減損損失2百万円等を計上し、合計10百万円を計上いたしました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、9億88百万円と前連結会計年度に比べ1億65百万円の増加となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況
ガス関連事業
ガス関連事業の売上高は、220億83百万円と前連結会計年度に比べ18億86百万円(9.3%)の増加、営業利益は20億3百万円と前連結会計年度に比べ2億90百万円(17.0%)の増加となりました。
当部門の状況といたしましては、溶解アセチレン、酸素及び窒素は需要が減少したものの調達コスト増加に伴う販売価格の改定に加え、アルゴンは発電所工事・自動車関連向けに、水素は石英加工向けに、食品用ガスは行動制限の緩和を受け外食産業向けに需要が増加、液化石油ガスは輸入価格の上昇の影響を受け、売上高は増加しました。
利益面におきましては、前年に実施した多賀城工場の大規模定期修理がなかったものの、電気料金の大幅な上昇に伴う製造コストが増加、水素も調達コストの増加で収益を圧迫しましたが、各種高圧ガスの価格改定を行ったこと及び食品用ガスの出荷量が大幅に増加したこと等により、営業利益は増加となりました。
なお、ガス関連事業は地政学リスクに晒されるなか原材料価格や燃料価格の高騰等の懸念はありますが、その変化に対し迅速に対応してまいります。また、食品用ガスの分野におきましては、感染症による影響は薄れていく中で、市場規模拡大に向け人的資本への投資を積極的に行い、事業基盤の強化策を実行してまいります。
器具器材関連事業
器具器材関連事業の売上高は、96億86百万円と前連結会計年度に比べ7億12百万円(7.9%)の増加、営業利益は3億53百万円と前連結会計年度に比べ85百万円(31.8%)の増加となりました。
当部門の状況といたしましては、溶接材料は販売価格を改定したことに加え、溶接切断器具はコロナ禍で停滞していた需要が回復し大型工作機械の需要が増加したこと等により売上高は増加しました。営業利益は、売上総利益の増加に伴い増加となりました。
なお、設備投資需要が回復基調にあるなかで、溶接切断器具は鉄工所向け等の需要の増加や自動化を見据えた新たな需要の獲得、溶接材料は自動車関連向けに堅調な需要が見込まれ、また生活関連器具においてもさらなる販路の拡大に努めてまいります。
自動車機器関連事業
自動車機器関連事業の売上高は、11億70百万円と前連結会計年度に比べ5億86百万円(100.4%)の増加、営業損益は前連結会計年度に比べ73百万円増加し、46百万円の営業利益(前連結会計年度は27百万円の営業損失)となりました。
当部門の状況といたしましては、自動車部品メーカーの設備投資需要の回復を受け、営業利益を確保しました。
なお、自動車業界を取り巻く事業環境は、環境規制の強化に伴うさらなる技術開発が期待されるなかで、今後、半導体不足の解消が徐々に進み、当社グループの主要取引先である自動車部品メーカーの需要も堅調に推移していくものと考えております。
製氷機関連事業
製氷機関連事業の売上高は、8億64百万円と前連結会計年度に比べ3億11百万円(26.5%)の減少、営業利益は42百万円と前連結会計年度に比べ27百万円(170.9%)の増加となりました。
当部門の状況といたしましては、製氷・冷凍機械の大型物件の減少により売上高及び売上総利益は減少しましたが、販売費及び一般管理費は前期に発生した保証工事等が大幅に減少したこともあり、営業利益は増加しました。
なお、製氷・冷凍機械の受注環境に大きな変化はありませんが、大口受注先の設置が一巡するなかで、さらに新規顧客の獲得を目指すべく新たな分野からの受注獲得に向けた積極的な営業展開を行い、引き続き販路の拡大に努めてまいります。
その他
その他の売上高は、2億81百万円と前連結会計年度に比べ71百万円(20.3%)の減少、営業利益は47百万円と前連結会計年度に比べ6百万円(12.7%)の減少となりました。
当部門の状況といたしましては、医療機器の需要が増加したものの、医療用ガス配管工事の大型物件にかかる仕掛の減少により、売上高及び営業利益は減少となりました。
c.目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、産業ガス及び関連する技術・機器等を通じ、経済的価値を創造するとともに、社会に貢献することを基本方針とし、2022年度を初年度とする4ヶ年の新中期経営計画を策定いたしました。既存事業の競争力強化と成長分野への積極投資を行う両利きの経営で、さまざまな事業強化策を実行し、事業ポートフォリオの変革を続けながら企業価値向上に努める所存であります。
目標とする経営指標といたしましては、連結売上高400億円、経常利益25億円(経常利益率6%以上)、親会社株主に帰属する当期純利益16億円、ROE(自己資本当期純利益率)は8%以上を維持すること、また累進配当施策を実施し、1株当たり50円以上の年間配当を維持することを目標にしております。
現時点の進捗状況といたしましては、連結売上高は340億円、経常利益16億円(経常利益率4.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益9億円、ROE6.1%であり、年間配当金は10円増配し60円といたしました。
長期化する感染症の拡大や地政学リスク、エネルギー価格の高騰など、事業環境に多くの変化が生じましたが、その変化に迅速に対応し、新中期経営計画2年目に向けた足掛かりを築くことができました。今後も外部環境が不透明な状況が続きますが、目標達成に向け尽力してまいります。
(注) 金額は製造原価によっております。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 当連結会計年度において、自動車機器関連事業に著しい変動がありました。これは、自動車部品メーカーの設備投資需要の回復によるものであります。
2 当連結会計年度において、製氷機関連事業に著しい変動がありました。これは、製氷・冷凍機械の大型物件の減少によるものであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 当連結会計年度において、自動車機器関連事業に著しい変動がありました。これは、自動車部品メーカーの設備投資需要の回復によるものであります。
2 当連結会計年度において、製氷機関連事業に著しい変動がありました。これは、製氷・冷凍機械の大型物件の減少によるものであります。
3 当連結会計年度において、その他に著しい変動がありました。これは、医療用ガス配管工事の大型物件にかかる仕掛の減少によるものであります。
当連結会計年度末における流動資産の残高は192億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億31百万円の増加となりました。この主な要因は、器具器材関連事業の売掛金の回収により減少しましたが、自動車機器関連事業の売上高が増加したこと等により売上債権等が増加したこと等によるものであります。
固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は121億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億38百万円の減少となりました。この主な要因は、固定資産の投資による増加がある一方で、減価償却費の計上により減少したこと等によるものであります。
流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は109億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億92百万円の増加となりました。この主な要因は、器具器材関連事業の買掛金が支払いにより減少しましたが、自動車機器関連事業の売上高増加に伴い仕入債務が増加したこと等によるものであります。
固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は20億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ68百万円の減少となりました。この主な要因は、長期借入金が減少したこと等によるものであります。
純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は183億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億68百万円の増加となりました。この主な要因は、配当金の支払いによる減少がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等によるものであります。
現金及び現金同等物
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、85億37百万円となり、前連結会計年度末より2億8百万円(2.5%)の増加となりました。
営業活動で得られた資金は11億5百万円、投資活動で使用した資金は4億43百万円、財務活動で使用した資金は4億54百万円となり、現金及び現金同等物は増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益及び契約負債が増加しましたが、売上債権及び契約資産、仕入債務の支払いが増加したこと等により、前連結会計年度に比べ6億75百万円(37.9%)減少しております。
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の売却による収入が減少しましたが、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ2億40百万円(35.2%)支出が減少しております。
財務活動によるキャッシュ・フロー
主に長期借入金の返済による支出が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ1億76百万円(28.0%)支出が減少しております。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループにおける主な資金需要は、事業活動にかかる製品製造のための原料費及び商品仕入れの他、販売費及び一般管理費等の運転資金及び生産性向上のための設備投資資金であります。また、成長分野への中長期的な投資と株主還元を両立させながら必要な資金の確保を行い、財務健全性を維持しながら、キャッシュ・フロー経営の推進を図ってまいります。
運転資金及び設備投資資金については、主に自己資金から充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達することを基本としております。また、財務基盤の充実と、今後起こり得る様々なリスクに十分に対応できる自己資本を保有してまいります。
資金の流動性については、手許の運転資金はグループファイナンスを通じて連結子会社の余剰資金を当社に集中させる等資金効率の向上を図っている他、金融機関との間で当座貸越契約等を行っており、流動性に一部支障が生じる事象が発生した場合でも一定の流動性が維持できると考えております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債の残高は36億11百万円、現金及び現金同等物の残高は85億37百万円であります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
該当事項はありません。
(1) 研究開発活動の基本方針
当社グループは、専業ガスメーカーとしての技術力の維持・向上を図るべく、原価低減及び保安技術の向上に寄与する開発に取り組んでおります。当社の研究開発は、自社開発を主体としており、他社又は研究機関と共同の開発活動につきましては、副次的なものと位置づけた上で、ガス関連技術の開発を研究開発活動の方針としております。
なお、当連結会計年度に係る研究開発費は
(2) 研究の目的
液化ガス等高圧ガス生産時の原価低減、保安技術の向上、顧客へのガスの安定供給及び新規用途の開発を主な目的としております。
(3) 研究内容
ガス生産分野につきましては、主力製品である溶解アセチレン、酸素、窒素、アルゴン、水素の生産技術、高純度化技術及び評価・分析技術の開発を行っております。
ガス供給分野につきましては、高圧ガスの安定供給及び供給設備の保全技術について研究しております。
ガス利用分野につきましては、食品分野をターゲットとするガスの利用開発を行っております。
環境分野につきましては、廃水処理技術の開発に成功し、廃水処理プラントを実用化しております。
ガスその他の分野につきましては、特殊分析技術を始め種々の開発を行っております。
主な研究開発の成果は以下のとおりです。
ガス生産分野
① アセチレンガス精製設備・装置の開発
② 高純度酸素・窒素・アルゴンの開発
③ 高圧ガス容器洗浄設備の開発・実用化
ガス供給分野
① 液化ガス貯槽からの極微量洩れ検出装置の開発・実用化
② 客先設置液化ガス貯槽液面(残液)監視システムの開発・実用化
ガス利用分野
① アルゴンガスを使用するホイップ作製技術の開発
環境分野
① 廃水処理技術の開発・実用化
ガスその他の分野
① 各種ガスの特殊分析技術の開発(水素中のヘリウム分析及びパーティクル分析方法の確立)
② ガス中の微生物検査技術の開発
③ ペアガラス向けガス利用技術の開発
(4) 研究開発費に対する基本的な考え方
ガスの分析、評価技術はガス関連技術開発の根幹であり、その向上は重要課題の一つであると考えております。そのため、必要な投資は、分析機器の充実に力点を置いております。