第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、制御、計測、検査技術を活かした製品ときめ細かいサービスの提供により、お客様から厚い信頼を獲得し、良きパートナーとして共に成長します。さらに、パートナーシップにより生み出された価値を広く社会に応用することで、「技術と信頼」の経営理念の下、豊かで持続可能な社会の実現に貢献することを経営の基本方針としています。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、持続的な成長と企業価値向上の実現に向けて、財務の健全性、安定性を保ちながら収益性の拡大を目指しています。財務の健全性・安定性を示す指標として自己資本比率を重視し、その一定水準を維持するとともに、収益性の拡大を示す指標として経常利益率を重視し、業績予想等で具体的な目標値を公表します。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、いかなる環境下においても成長できる体制の実現を目指し、「市場の拡大」、「技術の進化」、「経営体質の強化」を重点テーマに掲げています。具体的には、海外販売の拡大、新規市場の開拓を進めるとともに、当社グループが保有する画像解析技術及び光応用技術などの強化により、競争優位性の向上を目指していきます。

 

(4)経営環境

 当連結会計年度においては、原油価格高騰やウクライナ情勢、世界的な金融引締めなどにより不透明感が強いものの、新型コロナウイルス感染症の感染症分類緩和や人流の回復に伴う景気の持ち直しが期待されています。

 上記の状況の下、当社グループの各事業分野においては、以下の環境であると認識しています。

① プロセス事業

鉄鋼業界においては、世界の鋼材需要は引き続き成長するものと見込んでいます。その中でも、世界的に電気自動車の需要が高まり、高品位鋼のニーズが強くなっています。また、非鉄金属業界においても、電気自動車の普及に伴う自動車部品やインフラ向けの需要が高まっているものと認識しています。

② ウェブ事業

製紙業界・印刷市場における紙需要はデジタル化の進展に伴い減少しているものの、電極シートやセパレータなどでフィルムを使う二次電池業界の設備投資動向は引き続き好調であるものと認識しています。

③ 検査機事業

製造業界や第一次産業分野における省人化や高品質化ニーズにより、各種検査機の需要は堅調に推移するものと認識しています。

④ オプティクス事業

半導体業界における需要調整の中、当事業の主要販売先である半導体業界の設備投資需要は一時的に停滞が見込まれるものの、年度後半から回復基調に復するものと認識しています。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループが持続的な成長と企業価値向上を実現する上で対処すべき主な課題は以下のとおりです。

① 海外展開の推進

海外子会社を、販売のみならず設計・調達・生産・サービス等の機能を持つ拠点に拡充し、各地域に即した製品・サービスを展開していきます。

② 新規事業の創出

当社グループが有する画像・センシング・光学技術を融合し、成長市場に対して競争力を持つ新製品の開発を進めていきます。

 ③ 多様な人材の確保

海外展開の推進や新規事業の創出など様々な経営課題に対応できる多様な人材確保を進めるとともに、グループとしての総合力を高めるべく会社間の連携並びに人材交流を強化します。

④ 各事業別の取り組み

プロセス事業においては、電気自動車向けの需要の高まりが見られる鉄鋼メーカーの高品位鋼向けの設備投資に向けた販売活動強化に加え、製品開発についても注力していきます。

ウェブ事業では、二次電池メーカーの設備投資意欲が引き続き堅調であることから、当該分野向けの販売活動に注力していきます。また、高水準となっている受注残高の出荷に向けた取り組みを行っていきます。

検査機事業においては、無地検査装置の引き合いが堅調であることから、海外も含め顧客企業の設備投資の取り込みを図ると共に、食品外観検査装置分野における販売活動に注力していきます。

オプティクス事業においては、半導体業界の市場変動による影響はあるものの、中・長期的な市場成長が期待できる分野であることから、新製品や生産技術の開発、新規用途開拓に積極的に取り組んでいきます。

 

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)ガバナンス

 当社は、ニレコ コーポレート・ガバナンス基本方針を定め、「技術と信頼」の経営理念の下、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、経営の監督機能を強化しつつ積極果断な経営判断を促す仕組みの構築が重要であるとの考えに基づき、コーポレート・ガバナンス体制の充実・強化に取り組んでいます。

 同基本方針においては、サステナビリティに関する考え方として、以下の項目を明記しており、取締役会でサステナビリティに関する具体的なリスクや機会の議論を進めています。

 

第2章 ステークホルダーとの適切な協働

(基本方針)

第7条 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、全てのステークホルダーとの適切な協働が不可欠であるとの認識の下、その関係構築に向け取り組む。

 

(SDGs推進)

第8条 当社は「技術と信頼」の経営理念の下、当社が関わり生み出した価値を広く社会において応用することで、豊かで持続可能な社会の実現に貢献する経営を目指している。その経営理念を実現するためには、持続可能性を追求することも重要と考え、地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害への危機管理等を重視している。気候変動やサステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、積極的に取り組んでいる。

 

(多様性の確保)

第9条 当社は、多様な視点や価値観を取り入れることも自社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資するものと考え、個人の属性に拘らない多様な人材の確保・活用を積極的に推進する。

 

 ニレコ コーポレート・ガバナンス基本方針の詳細については、当社ホームページ、(https://www.nireco.jp/company/governance/)」を参照ください

 

(2)戦略

 当社は、コーポレート・ガバナンス基本方針第9条「多様性の確保」の方針の下、年齢、性別、国籍に拘らない通年採用方針をとることで多様な人財の確保に努め、海外子会社の経営幹部および従業員の多くは現地採用の人材で構成しています。管理職登用におきましても個人の属性に拘ることなく実績を重視し、選抜しています。

また、全ての従業員に公平な教育機会を提供し、能力向上を求めることが結果として中核人材の多様性確保につながるものと考えており、優秀な人材の確保がサステナビリティの向上に結びつくものと認識しています。

そのような方針の下、ITの活用による教育インフラの整備、外部講師による研修も積極的に活用し始めており、従業員の能力向上意欲を醸成する評価制度の導入など社内環境を整備しています。加えて、当社は全ての役員・従業員が順守すべき行動規範に「人権の尊重・人材の育成」を掲げ、あらゆる差別を排除し、従業員の人格、価値観を尊重した中立かつ公正な立場で、物事を捉える視野が広く、異文化における様々な商習慣などに対し理解・共感を持ちながら他者に接する人材を育成することを主眼としており、評価制度にも反映しています。

さらに、ニレコ本体では多様な働き方を可能とする制度として、在宅勤務制度やフレックスタイム制度の充実を進めるとともに多様な人材が能力を最大限発揮できる社内環境の整備に努めており、グループ会社においても従業員の能力発揮や福利厚生に配慮した施策に取り組んでいます。

事業においても、顧客の製造ラインにおける検査・計測・制御装置の開発、提供を通じ、エネルギー消費の低減や製品廃棄ロスの削減に貢献することで、サステナビリティ社会の実現のみならず当社企業価値の向上にもつながるものと捉え、経営戦略を立案しています。

 

(3)リスク管理

当社は、ニレコのすべての規定・規則・細則等に優先する行動規範の中において「自然環境の保護」を掲げています。また、基本方針第8条(SDGs推進)のとおり、環境保全に努めることは「技術と信頼」の経営理念の実現につながるものと考えており、環境問題の解決に積極的に取り組んでおり、グループ会社においても同様の取り組みを行っています。これらの活動を通じ、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、及び管理すべく取り計らっています。

当社単体では、二酸化炭素排出量の削減や紙・金属・水資源の再利用を図るなど環境負荷の低減に取り組んでおり、エネルギー消費量、廃棄物量の年度実績を基に全社的なエネルギー消費量や廃棄物量の削減に向けた具体的な対策を講じています。また、年度末には実績の検証を行うことにより、対策に活かしています。

 

(4)指標及び目標

当社グループでは現時点においては中核人材の登用における多様性の確保目標について測定可能な目標を設定しておりませんが、今後目標設定に向けて議論を進めていきます。なお、現在、取締役会を構成する取締役6名のうち、1名は女性取締役が就任しており、中核人材の多様性確保に留意しています。

また、当社は、人材の多様性を確保するため誰にとっても働きやすい職場環境であることを重視しています。その方策の一つとして子育て世代の支援の一環である育児休業制度の活用を推奨しています。

当該指標に関する当連結会計年度の目標及び実績は次の通りです。

 

当連結会計年度実績(当社単体)

 

目標

育児休業制度利用率

女性社員育児休業制度利用率

100%

100%

男性社員育児休業制度利用率

100%

25%

 

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中にある将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

 

①経済状況による業績への影響について

 当社グループは、制御・計測・検査機器の専門メーカーとして、鉄鋼業、製紙・化学・印刷業・食品業および半導体産業まで幅広く産業界の合理化、省力化・品質向上ニーズに応えてきました。このように当社グループの事業対象は国内外の産業界であり、その設備投資動向が当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症による経済的な影響は収束に向かう中、ロシア・ウクライナ情勢などを要因としたエネルギー価格上昇や物価上昇などもあり、不透明な環境が続くものと見込んでいます。これらの新型コロナウイルス感染症の感染状況や、原材料価格の変動、地政学的リスク、経済状況の変動なども、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

②競合に関するリスク

 当社グループは、激しい競争にさらされている製品を有しています。また、アジア諸国を中心に海外での事業展開に伴い、欧米グローバル企業や現地企業との価格面、機能面における競争が熾烈になっています。当社グループとして、このような競合先に打ち克つべく全社一丸となって事業運営に取り組んでいますが、当社グループが競合相手に比べて優位に展開できない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③取引先との関係等に関するリスク

ⅰ)顧客に対する信用リスク

 当社グループの顧客の多くは、代金後払いで当社グループから製品・サービスを購入しています。当社グループでは顧客の信用状況に細心の注意を払っていますが、こうした対策をとっているにも関わらず、当社グループが多額の売上債権を有する顧客に業績の悪化等による信用リスクが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

ⅱ)資材等の調達

 当社グループの生産活動はグループ内の生産子会社及び外注先が担っており、原材料等が適時、適量に調達できることを前提とした生産体制を敷いています。また、原材料・部品等の一部については、その特殊性から仕入先が限定されているものや仕入先の切替えが困難なものもあります。このような外注先、仕入先による供給の遅延・中断等があった場合に、製品の生産が困難となることや納期が長期化する恐れがあります。加えて、原材料・部品等の調達を他の仕入先に変更した際に購入費用が増加する可能性があり、これらの事象が当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

④製品開発に関するリスク

 当社グループの成長は新製品の開発と販売に依存するものと考え、新製品の開発を進めています。当社グループは今後も継続して魅力ある新製品を開発できると考えていますが、そのすべてが想定通りに進み、販売できるようになるとは限らず、また、途中で開発を断念しなければならない事態に陥る恐れもあります。そのような場合、製品によっては、当社グループの事業、業績及び状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑤製品品質に関するリスク

 当社グループは厳しい品質管理基準に従って各種の製品・サービスを提供していますが、すべての製品・サービスに欠陥がないとは言い切れません。当社グループの製品・サービスの中には顧客の生産ラインにおいて高い安全性が求められるものもあることから、故障が顧客に深刻な損失をもたらす危険があり、欠陥が原因で生じたそのような損失に対する責任を当社グループが問われる可能性があります。また、これらの問題に伴い、当社グループの製品・サービスに対する顧客の信頼を低下させる可能性があります。上記いずれの要因によっても、当社グループの事業、業績及び財務状況が重大な影響を受ける可能性があります。

 

⑥海外進出に関するリスク

 当社グループは経営方針として「グローバル展開」を掲げ、中国、台湾、韓国に生産及び販売拠点を設立し、また、その他の国々への販売も展開しています。これら進出各国における政情の変化、経済状況の変動、予期せぬ法律や規制の変更、未整備の技術インフラ等が、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦自然災害に関するリスク

 地震、火災、洪水等の自然災害や新型コロナウイルス等疫病の蔓延により、当社グループの各拠点、サプライチェーン企業、あるいは、当社グループの製品ユーザーが壊滅的な損害を受ける可能性があります。そのような場合に、当社グループの事業、業績及び財務状況が重大な影響を受ける可能性があります。

 

⑧退職給付債務

 当社グループの従業員に係る退職給付費用及び債務は、年金資産の時価の下落及び運用利回り・割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢などを要因としたエネルギー価格高騰や物価上昇の中、主要各国において政策金利引き上げによるインフレ抑制策がとられるなど、不透明感の強い状況が続きました。わが国においては、為替が大きく変動する中、物価上昇や供給面の制約等の影響が見られました。一方、新型コロナウイルス感染症による経済への影響は収束に向かいました。

当社グループ(当社及び連結子会社)の主要取引先である鉄鋼、電子部品、化学、半導体、印刷・紙加工、食品など各メーカーの設備投資は、業種により強弱はあるものの一定の回復基調が続き、混乱が続いていたサプライチェーンの制約状態にも一部の半導体を除き緩和の兆しが見られました。

このような状況の下、当社グループはいかなる環境下においても成長できる企業グループの実現を目指し、当社グループのコア技術である画像処理、センシング及び光学技術の強化を進めたほか、生産性の向上や部材調達についての取り組みなどに努めました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて849百万円増加し17,002百万円となりました。負債は前連結会計年度末に比べて95百万円増加し2,397百万円となりました。純資産は前連結会計年度末に比べて754百万円増加し14,605百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の業績につきましては、売上高9,155百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益1,182百万円(前年同期比109.7%増)、経常利益1,255百万円(前年同期比93.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益860百万円(前年同期比111.9%増)となりました。また、受注残高は5,529百万円(前年同期比26.3%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

 

プロセス事業

当事業においては、鉄鋼メーカーの設備投資意欲に回復の動きが見られ、受注が回復するとともに、売上高も前年同期比で増加しました。利益面においては、収益性の高い製品の割合が高かったことにより前年同期比で増加しました。

 その結果、当事業の売上高は2,411百万円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は460百万円(前年同期比47.0%増)となりました。また、受注残高は1,710百万円(前年同期比44.0%増)となりました。

 

ウェブ事業

 当事業においては、二次電池製造装置業界向けなどを中心に主力製品である耳端位置制御装置の受注高は堅調を維持しており、受注残高も高水準であるものの、サプライチェーンの混乱による影響により売上高は前年同期比で減少しました。利益面においては収益改善努力が奏功し、前年同期比で増加しました。

 その結果、当事業の売上高は2,465百万円(前年同期比6.3%減)、セグメント利益は248百万円(前年同期比7.5%増)となりました。また、受注残高は1,540百万円(前年同期比15.3%増)となりました。

 

検査機事業

当事業においては、フィルムや金属箔、不織布等多様な無地素材の検査に用いられる無地検査装置および農業分野向け選果設備向けなどの食品検査装置ともに顧客の設備投資意欲が回復に向かっており、売上高・利益共に前年同期を大幅に上回りました。

 その結果、当事業の売上高は1,797百万円(前年同期比32.6%増)、セグメント利益は200百万円(前年同期比472.2%増)となりました。また、受注残高は1,252百万円(前年同期比83.0%増)となりました。

 

 

オプティクス事業

 当事業においては、半導体検査装置向けの光学部品などの販売が堅調に推移しました。また、一部製品の生産性向上などにより利益率が向上し、これらの要因により売上高・利益共に前年同期を上回りました。

その結果、当事業の売上高は1,855百万円(前年同期比24.6%増)、セグメント利益は740百万円(前年同期比84.4%増)となりました。また、受注残高は814百万円(前年同期比13.8%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、営業活動により135百万円増加し、投資活動により91百万円減少し、財務活動により476百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は前連結会計年度末と比べて415百万円減少し、2,752百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの概況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は135百万円(前年同期849百万円)となりました。これは主なフローインとして税金等調整前当期純利益1,249百万円、減価償却費267百万円などがあり、主なフローアウトとして売上債権及び契約資産の増加606百万円、棚卸資産の増加542百万円、法人税等の支払額216百万円などがあった事によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は91百万円(前年同期359百万円)となりました。これは主に保険積立金の解約による収入53百万円、投資有価証券の売却による収入12百万円などがあったものの、固定資産の取得による支出216百万円などがあった事によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は476百万円(前年同期393百万円)となりました。これは主に配当金の支払額307百万円、社債の償還による支出100百万円、長期借入金の返済による支出63百万円などがあった事によります。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

プロセス事業(千円)

2,577,894

107.1

ウェブ事業(千円)

2,652,326

99.1

検査機事業(千円)

1,420,928

117.2

オプティクス事業(千円)

1,860,095

128.8

報告セグメント計(千円)

8,511,243

110.0

その他(千円)

604,935

147.5

合計(千円)

9,116,178

111.9

 (注)金額は販売価格によっています。

 

(b)受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高

(千円)

前年同期比(%)

プロセス事業(千円)

2,934,311

131.5

1,710,587

144.0

ウェブ事業(千円)

2,669,687

78.8

1,540,507

115.3

検査機事業(千円)

2,365,635

165.5

1,252,549

183.0

オプティクス事業(千円)

1,725,122

91.3

814,070

86.2

報告セグメント計(千円)

9,694,754

108.5

5,317,712

128.0

その他(千円)

612,851

95.4

211,369

94.5

合計(千円)

10,307,605

107.6

5,529,081

126.3

 

(c)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

プロセス事業(千円)

2,411,928

108.8

ウェブ事業(千円)

2,465,274

93.7

検査機事業(千円)

1,797,652

132.6

オプティクス事業(千円)

1,855,195

124.6

報告セグメント計(千円)

8,530,049

110.9

その他(千円)

625,219

147.6

合計(千円)

9,155,268

112.8

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されています。なお、これらの会計方針に基づく連結財務諸表上の資産・負債並びに収益・費用の額の決定に際しては、当該取引の実態や過去の実績等に照らし、合理的と思われる見積りや判断を要することがあります。特に、以下に記載した会計方針及び会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えています。

1) 貸倒引当金

当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能見込額を見積もり、貸倒引当金として計上しています。将来、顧客等の財政状況悪化、経営破綻等により、顧客等の支払能力が低下したと判断される場合には、貸倒引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。

2) 資産の評価

当社グループは、棚卸資産については主として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用していますが、製品別・品目別に管理している受払状況から、滞留率・在庫比率等を勘案して、陳腐化等により明らかに収益性が低下していると判断される場合には、帳簿価額と正味売却価額との差額を評価損として計上しています。実際の正味売却価額が当社グループの見積もりより悪化した場合には、評価損の追加計上が発生する可能性があります。

当社グループは、長期的な取引関係の維持・構築のため、一部の顧客及び金融機関等の株式を所有しており、金融商品に係る会計基準に基づいて評価しています。市場価格のある株式については将来において時価が著しく下落し、回復する見込があると認められる場合を除き、評価損を計上する可能性があります。一方、市場価格のない株式については、将来において投資先の業績不振等により、帳簿価額に反映されていない損失あるいは帳簿価額の回収不能が発生したと判断された場合には、評価損を計上する可能性があります。

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、将来において、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。

3) 繰延税金資産

当社グループは、合理的で実現可能な事業計画又は予算に基づき将来の課税所得を見積もり、回収可能性を十分に検討し、繰延税金資産を計上しています。

将来の課税所得の見積もり額が減少した場合には、当該会計期間において、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が発生する可能性があります。

4) 退職給付費用及び債務

当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務を算出するにあたり、採用した数理計算上で設定した基礎率(割引率、昇給率、退職率、死亡率、長期期待運用収益率)は、統計数値等により合理的な見積もりに基づいています。これらの見積りを含む基礎率が実際の結果と異なる場合、その影響額は数理計算上の差異として累積され、将来にわたって償却されるため、今後計上される退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び検討内容

a.財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比べて849百万円増加して17,002百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少452百万円があったものの、売掛金の増加354百万円、投資有価証券の増加261百万円、原材料及び貯蔵品の増加246百万円、仕掛品の増加226百万円があった事によります。

 

(負債)

負債は前連結会計年度末に比べて95百万円増加して2,397百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少160百万円、1年内償還予定の社債の減少100百万円があったものの、未払法人税等の増加205百万円、未払費用の増加110百万円があった事によります。

 

(純資産)

純資産は前連結会計年度末に比べて754百万円増加して14,605百万円となりました。これは主に配当金の支払307百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の増加860百万円、その他有価証券評価差額金の増加205百万円があった事によります。

なお、自己株式の消却414百万円により利益剰余金と自己株式が減少しています。

 

b.経営成績の分析

1)売上高の状況

当社グループは、製品・サービスの収益力強化に取り組むとともに、競争力強化・新規事業領域の開拓に向

けた事業展開を積極的に推し進めました。

当連結会計年度における当社グループの売上高は9,155百万円となり、前連結会計年度と比べて12.8%増となりました。セグメント別の詳しい状況については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

なお、海外売上高については、アジア向けや欧州向け売上高の増加により、前連結会計年度と比べて43.0%増の2,025百万円となりました。

 

2)利益の状況

当連結会計年度における当社グループの利益の状況については、全社的なコストの削減及び継続的な生産性向上に努めた結果、営業利益は1,182百万円(前連結会計年度比109.7%増)となりました。経常利益は1,255百万円(前連結会計年度比93.2%増)、経常利益率は13.7%となり、期初予想の9.3%を上回りました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は860百万円(前連結会計年度比111.9%増)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

d.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは財務の健全性、安定性を保ちながら収益性の拡大を目指すため、財務の健全性・安定性を示す指標として自己資本比率を重視し、その一定水準を維持するとともに、積極的な投資により成長に向けた競争力の強化を図ります。主な資金需要は、製品の原材料費、研究開発費、事業活動に必要な有形・無形固定資産投資、配当金支払などであり、その主な資金原資は、事業活動で積み上げた利益剰余金及び営業キャッシュ・フローです。また、資金の流動性については、自己資金で充分確保されています。
 なお、配当金については、市場のニーズに応えうる研究・開発体制の強化、グローバル展開を進めるための投資、機動的な自己株式の取得など、持続的な成長と株主価値向上へ内部留保を活かすと共に、株主の皆様へ適切な利益還元を図るべく、連結配当性向40%以上かつ連結自己資本配当率(DOE)2%以上を利益還元目標としています。
 当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、制御・計測・検査機器の専門メーカーとして、顧客からの多様なニーズに応えるため、電子、電気、流体、光学などの技術分野を中心として、グループの今後を担う新製品の研究開発及び既存製品の改良研究を進めています。

 

(1)当社製品と研究開発の特徴

当社グループは、創業以来長年培ってきた制御の技術を進化させるとともに、その過程で派生した技術を成長させていくことにより、工場の生産・加工ラインにおける制御・計測・検査のための様々な製品を創り出してきました。我が国において、戦後の復興から一貫して製造業が経済の牽引役を担ってきた中で、品質の高い製品を効率的に生産するという製造業のニーズに合致するものでありました。このような背景を持った当社グループの研究開発の特徴は以下の点にあります。

①多様な市場に向けて多品種かつ少量に製品を生産・供給すること

②顧客の工場における生産ラインの環境や条件は千差万別で、それぞれの環境や条件の中で正しく稼動し、機能することが求められること

③顧客の生産効率や歩留まり率向上に貢献し、不良品の流出を防ぐ高いレベルの機能が求められること

これらの特徴から、当社グループにおける研究開発が目指しているところは、生産ラインの多様性に対応しつつも、高精度の計測・制御・検査を同時に追求していく点にあります。

 

(2)問題点と今後の課題

当社グループにおける研究開発の問題点として考えられることは、顧客の生産ラインの多様な条件に適応しながら、高精度であるという矛盾する要求に高いレベルで応えることが常に求められている中、開発にかかる時間とコストが増える傾向にあるという点です。

この問題点を解決するには、当社グループのコア技術の中でも特に強みであり、また、開発余地の大きい独自のセンシング技術、画像処理技術、及び光学技術を各事業分野に応用展開することが最も重要だと考えています。他社にはない長年の技術的蓄積とノウハウを活かすことにより、一から開発するよりも時間とコストを節減できるのみならず、競合他社との差別化にもつながると考えています。

 

(3)研究開発の体制

当社グループの研究開発は、顧客ニーズにきめ細かく対応した製品をタイムリーに供給することを目指しています。

当社グループにおける研究開発体制の特徴は、営業、サービス、技術、開発の各部門及びグループ会社が連携し、一体となって顧客要求に応える製品を開発する点にあります。

なお、当連結会計年度における研究開発担当人員は42名であり、これは総従業員数の約9.3%に相当します。

 

(4)セグメント別の目的、課題、成果等

当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要な課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりです。

 

プロセス事業

創業以来の基幹事業であるプロセス事業は、鉄鋼業を主体としたプロセス産業の発展とともにその技術を進化させてきました。また、その過程で新たに生まれた制御や画像処理の技術をその他の事業にも活かすことで事業の多角化にも貢献してきました。現在は、既存技術に新技術を融合させることにより、成熟産業の新たなニーズを掘り起すことを目指して研究開発を進めています。

 

ウェブ事業

ウェブ事業のコア技術である位置制御技術は、当初、製鉄所での鋼板製造ラインにおける位置制御の技術を、製紙、印刷、フィルムなど帯状素材(ウェブ)の分野に応用・展開したものです。現在、高機能フィルムの製造工程において、耳端位置制御装置や張力制御装置が不可欠の装置となっており、微細レベルの制御と製造コストの削減というユーザーのニーズに応えるため、更なる機能向上を進めています。

 

検査機事業

検査機事業のコア技術である画像処理技術は、鉄鋼製品の品質検査向けに開発以来、長年にわたり培われてきた技術です。この技術を活かして、多方面の分野に応用・展開することが重要だと考え、研究開発に取り組んでいます。現在では、液晶パネルや二次電池の部材をはじめとした高機能フィルムなど帯状素材の品質検査をする無地検査装置と、青果物向けの品質検査をする選果装置や加工食品向け外観検査装置、近赤外分析装置等の研究開発を進めています。

 

オプティクス事業

オプティクス事業は高精度な特殊光学部品技術やレーザ技術を、長年にわたり培ってきた技術です。この技術を多くの分野に応用・展開することを目指し、研究開発に取り組んでいます。

 

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は530百万円となっており、その内訳は「プロセス事業」が147百万円、「ウェブ事業」が243百万円、「検査機事業」が56百万円、「オプティクス事業」が83百万円です。