第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社は長期ビジョン「ESPEC Vision 2025」の実現に向けて、4カ年ごとの中期経営計画(StageⅠ~Ⅲ)を実行しており、2022年度より最終ステージである中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」を推進しております。長期ビジョンでは、環境創造技術をかなめとする事業により世界の先端技術の安全・安心に貢献する企業を目指しております。また、創造性や活力ある多様な社員の活躍によって成長を続ける企業を目指しております。

 当社は、企業理念「THE ESPEC MIND」の実践と長期ビジョン「ESPEC Vision 2025」の実現に向けた事業活動により「経済的価値」「社会的価値」の創出と向上を図り、持続的成長を目指すサステナビリティ経営を推進しております。当社が社会と共に成長し中長期の価値向上を果たすために、中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」の策定と併せて優先的に取り組む重要課題(マテリアリティ)を特定しております。特定した6つの課題(事業構造の革新、機能強化、地球環境保全、ガバナンス強化、人材育成・職場の活性化、ダイバーシティ推進・人権尊重)は、中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」の各戦略に反映させ、取り組みを進めております。なお、重要課題(マテリアリティ)は、社会の変化に合わせて柔軟に見直しを行ってまいります。

 中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」では、基本方針「個と職場の慣性と惰性を打破し、先端技術の実用化に貢献する」を掲げ、長期ビジョンの実現に取り組んでおります。国際情勢の悪化など先行き不透明な状況ではありますが、クリエイティビティとバイタリティにあふれる組織、自律的な社員が活躍する組織へと改革に取り組み、IoTや次世代自動車など先端技術分野における課題解決に貢献してまいります。

 

(1)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、営業利益率、ROE(自己資本利益率)です。2022年度よりスタートした中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」では、2025年度売上高550億円、営業利益70億円、営業利益率12.7%、ROE(自己資本利益率)10%を目標としております。初年度である2022年度につきましては、期初目標である売上高500億円、営業利益50億円、営業利益率10%、ROE(自己資本利益率)8%に対して、売上高は達成いたしましたが、利益面につきましては部品調達難に伴う生産効率の悪化、部材価格及び電気代の高騰、受注拡大に伴う販管費増加の影響を受け、未達となりました。これを受け、2023年度は重点戦略として「収益力の向上」を掲げ、収益の確保・拡大に注力してまいります。

 中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」の基本方針や中期経営戦略につきましては(2)②、2023年度の連結業績目標や重点戦略につきましては(2)③に記載しております。

 

(2)長期ビジョンおよび中期経営計画

①長期ビジョン「ESPEC Vision 2025」

<エスペックの姿>

・グローバルに〈環境〉をインテグレートするエスペック

・先端技術の安全・安心に貢献する企業

・クリエイティビティとバイタリティにあふれる成長企業

 

②中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」(計画実施期間2022~2025年度)

 当社は、2014年11月に策定した長期ビジョン「ESPEC Vision 2025」において、2025年度連結業績目標 売上高600億円以上、営業利益60億円以上、営業利益率10%以上を目指しておりましたが、事業環境の変化をふまえ2025年度の連結業績目標を見直しております。中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」では、売上高550億円、営業利益70億円、営業利益率12.7%、ROE(自己資本利益率)10%を目指しております。

 

<基本方針>

個と職場の慣性と惰性を打破し、先端技術の実用化に貢献する

・IoT・次世代自動車市場に貢献する商品・サービス提供に向けた積極的な成長投資

・ビジネスチャンスと不測の事態に対する変化対応力を高める

 

 

<中期経営戦略>

a.環境試験事業戦略

装置事業セグメント

(ⅰ)重点先端技術分野(IoT、次世代自動車)の製品ラインアップの拡充

(ⅱ)カスタム製品のグローバルでの競争力強化と新市場開拓

(ⅲ)オープンイノベーションの推進による新環境因子技術の拡充

サービス事業セグメント

(ⅰ)お客さまの悩みを解決するトータルテクニカルサポート業への転換

(ⅱ)先端技術分野向け試験の拡充と試験技術の高度化

b.グローバル戦略

 中国、欧州、韓国におけるマーケティングの強化

c.新規事業戦略

 新規事業の基盤確立と新たな分野へのチャレンジ

d.モノづくり改革とDX戦略

(ⅰ)デジタル技術による先進的カスタマイズモノづくり

(ⅱ)データ活用による顧客接点強化と社内情報蓄積・共有

(ⅲ)デジタル技術によるビジネススタイルの刷新

e.組織開発・人材開発戦略

(ⅰ)企業理念の浸透と自律的な社員が育つ組織づくり

(ⅱ)リーダーシップ改革と学び直しの推進

(ⅲ)DX、グローバル人材育成と多様な社員の活躍推進

f.経営基盤強化戦略

(ⅰ)安定調達と品質システムのレベルアップ

(ⅱ)持続的で健全な成長を支えるコーポレートガバナンス

(ⅲ)第8次環境中期計画の達成

 

<主な取り組み>

a.環境試験事業戦略

装置事業セグメントにおきましては、先端技術分野の試験ニーズに応える製品ラインアップを拡充し、受注拡大に取り組んでまいりました。また、部材価格の高騰に対応するため、製品値上げを実施いたしました。サービス事業セグメントにおきましては予防保全サービスの販売拡大に取り組むとともに、受託試験事業において車載用バッテリーの解析サービスを新たに開始いたしました。

b.グローバル戦略

欧州において自動車市場向け製品の販売拡大に取り組むとともに、中国において生産能力を増強いたしました。

c.新規事業戦略

先端技術分野において主に素材をターゲットとするサーマルソリューション事業や食品機械事業において、市場浸透に向けた取り組みを強化してまいりました。

d.モノづくり改革とDX戦略

部材不足が継続するなか、過去最高の受注高に対応するため、全社を挙げて戦略的在庫の積み増しや代替調達、設計変更などに取り組み、生産量の確保に努めてまいりました。また、Webを活用したプロモーションを強化いたしました。

e.組織開発・人材開発戦略

新しい企業理念を発表し、経営層と社員の対話を強化いたしました。また、新評価システムやコミュニケーション手法を取り入れるとともに新しい教育制度も導入いたしました。

f.経営基盤強化戦略

取締役会における審議の充実化と監督機能のさらなる強化を図ることを目的として、監査等委員会設置会社に移行いたしました。

 

③2023年度の経営方針・連結業績目標・重点戦略

<経営方針>

変化対応力を高めて、収益力とニーズ対応力の向上を図る

 

<連結業績目標>

売上高560億円、営業利益50億円、営業利益率8.9%、ROE(自己資本利益率)7.5%

 

<重点戦略>

a.収益力の向上および納期正常化

部材の確保および生産の前倒しにより受注残高を早期に売上高につなげることで、製品納期の正常化を進め生産効率を改善してまいります。また、部材価格や電気代、人件費の高騰などに対応するため、製品価格の再値上げを検討するとともにコストダウンを徹底し収益を確保・拡大してまいります。

b.拡大するバッテリー市場への対応

日本および中国、欧州、北米において、バッテリー向け評価試験および検査装置のラインアップ拡充と販売拡大を図ってまいります。

 

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ全般に関する考え方及び取組

 企業理念THE ESPEC MINDには二つの重要な考え方があります。一つは「企業は公器」であることです。私たちは事業や企業活動を通じて社会に貢献する企業でありたいと考えています。二つ目は、エスペックは「ステークホルダーとの価値交換性の向上を目指す」ということです。これは、ステークホルダーのみなさまとの間で、お互いにとってより良い関係を築いていきたいということです。当社のサステナビリティ経営はTHE ESPEC MINDの実践であり、ESPEC Vision 2025の達成に向けた取り組みそのものです。当社は、こうした企業理念の実践と長期ビジョンの実現に向けた事業活動により「経済的価値」と「社会的価値」の創出と向上を図り、持続的成長を目指してまいります。

 

ESPEC Vision 2025/将来像

■エスペックの姿

・グローバルに〈環境〉をインテグレートするエスペック

・先端技術の安全・安心に貢献する企業

・クリエイティビティとバイタリティにあふれる成長企業

■エスペックの事業

・世界の先端技術にとって不可欠な存在となっている

・新ニーズへの一番乗りとなっている

・世界の市場における強力な販売・サービス体制を持っている

■エスペックの文化

・冒険心にあふれた構成員の活動によって、より「プログレッシブ」な文化が実現している

 

エスペックの「サステナビリティ経営」

企業理念の実践と長期ビジョンの実現に向けた事業活動により「経済的価値」「社会的価値」の創出と向上を図り、持続的成長を目指してまいります。

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サステナビリティ方針

・企業理念「THE ESPEC MIND」の実践により、「経済的価値」と「社会的価値」の創出と向上を図ります

・ステークホルダーとのより良い価値交換により持続的成長を目指します

・ESPEC Vision 2025のもと、「環境創造技術」をかなめとした事業活動を通じて地球環境や社会課題の解決に貢献します

・サステナビリティに関する情報開示を積極的に行います

 

エスペックのステークホルダー・エンゲージメント

私たちは社会に貢献する企業であり続けるためにステークホルダーとのエンゲージメントを大切にしています。そのため、エスペックが2025年までに果たしたい「約束」をステークホルダーごとに設定しました。これをもとに、各ステークホルダーとの対話を重視し、日常のさまざまな機会や仕組みを通じてコミュニケーションの活性化に取り組んでいます。私たちはステークホルダーとの価値交換性を高めるために重要なことは何かを常に考えながら活動し、お互いにとってより良い関係を築いてまいります。

 

ESPEC Vision 2025/ステークホルダーとの約束

■エスペックと従業員

・貢献に応じた明瞭な分配と待遇

・意欲と能力ある人材への多彩な「成長支援」と「活躍機会の提供」

・多様なワークスタイルに対応する環境の整備

■エスペックと顧客

・どこよりも最適な機能のひと足早い提供

・常に進化し続けるパートナー

■エスペックと株主

・成長機会の永続的探求

・現在と将来の的確な発信

・「説明できる経営」の堅持

■エスペックと取引先

・フェアな取引

・提案・意見の歓迎

■エスペックと地域社会

・地域社会の文化と伝統の尊重

・能動的かつ良質なコミュニケーション

※ステークホルダー・エンゲージメントの主な取り組み(ステークホルダーごとの主な対話の方法・機会)に関する詳細は、サステナビリティレポート2022をご参照ください。

 

エスペックのマテリアリティ(重要課題)

マテリアリティ(重要課題)の特定にあたっては、まず、GRIスタンダードやSDGs(持続可能な開発目標)、外部調査などを参照し社会課題を抽出しました。次に、抽出した課題について、THE ESPEC MINDやESPEC Vision 2025との整合性などの観点から、持続的成長を図るために取り組むべき課題の選定を行いました。これらの選定した課題について執行役員会で協議・決定し、当社のマテリアリティとして特定しました。

なお、当社は長期ビジョンESPEC Vision 2025の達成に向けて、2022年度から最終ステージである中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」を推進しています。「プログレッシブ プラン2025」の策定にあたっては、当社が特定したマテリアリティを各経営戦略に落とし込んでおり、社会課題の解決に貢献する事業の強化と、E(環境)S(社会)G(ガバナンス)に視点をおいた経営基盤の強化に取り組んでおります。

   マテリアリティとSDGs目標

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①ガバナンス

 2019年度にサステナビリティ推進室(2022年度よりサステナビリティ推進本部)を設置し、サステナビリティの推進やSDGsの達成に貢献する取り組みを強化しております。2022年6月には、サステナビリティ推進本部長に取締役が就任いたしました。サステナビリティ推進本部は、サステナビリティ方針やマテリアリティ(重要課題)の策定・見直し、中期経営計画および環境中期計画への反映、サステナビリティ情報開示の役割の中心を担っており、サステナビリティの取り組みに関する進捗と課題について取締役会および執行役員会にて報告を行っています。取締役会は本報告を受け、サステナビリティの取り組みについて議論・監督を行っております。また、サステナビリティ推進本部は、内部統制システム委員会、情報開示委員会、全社環境管理委員会と連携し、全社におけるサステナビリティ経営を推進しております。

②リスク管理

 当社は、サステナビリティに関連するリスクを識別・評価するためリスク管理委員会を設置し、内部統制システム委員会と一体で運用し、サステナビリティ推進本部と連携することでリスク管理の徹底を図っております。リスク管理委員会はリスクについて影響の高さと対策状況に応じて4つの象限に分類し評価を行っております。また、象限ごとに対応方針を決定し、主管部門の活動に反映しております。

 

(2)地球環境に関する考え方及び取組

 当社は2022年度より第8次環境中期計画(計画実施期間2022~2025年度)をスタートし、特に地球温暖化対策と生物多様性保全活動を中心に取り組んでおります。

 

<地球温暖化対策>

 環境負荷低減に向けた技術を開発されるお客さまへの製品・サービスの提供を通じて、温室効果ガス排出量の低減に貢献してまいります。また、低GWP(地球温暖化係数)冷媒の搭載や省エネなど環境配慮型製品の開発を進めるとともに、取引先に対し、2025年までにSCOPE 1・2排出量を20%削減することを要請するなど取引先と一体となった活動を強化しております。さらに、当社は2020年より再生可能エネルギーの事業所への導入を進めており、2021年度に国内拠点への導入を完了しております。今後は自家発電比率の向上や海外拠点への再生可能エネルギーの導入を進めてまいります。

 当社は2021年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明し、気候変動に関する情報を開示しております。また、国際的な非営利団体CDPが公表した「CDP気候変動レポート2022」において、3年連続Bスコアに認定されるとともに、「サプライヤーエンゲージメント評価」において最高評価のAスコアとなり「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー」に初めて選定されました。

<生物多様性保全活動>

 森づくりや水辺づくりなど環境保全事業を通じて生物多様性保全に取り組む企業の活動を支援してまいります。また、当社の生物多様性保全活動の拠点である神戸R&Dセンターでは、社員と家族が在来苗木を植栽し育てた森やビオトープ、地元六甲北部の植物で構成した屋上草地を設置しており、生物多様性に配慮した事業所として第三者認証「ABINC(いきもの共生事業所)認証」の取得や、緑化優良工場等表彰制度(通称:全国みどりの工場大賞)「近畿経済産業局長賞」の受賞など社外より高い評価をいただいております。

 2022年11月には、創業75周年事業として、林野庁「法人の森林制度」を活用した新しい生物多様性保全活動「エスペック50年の森」をスタートいたしました。苗木を植樹し、生物多様性豊かな森を育むことで環境への貢献を目指すとともに環境教育の場としても活用してまいります。なお、2022年8月には、兵庫県立大学と「SDGs推進」に関する協定を締結いたしました。生物多様性保全や環境・エネルギー問題の解決に連携・協力してまいります。

 

■気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応

 当社は2021年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明いたしました。TCFDの提言に基づき積極的に情報開示を行ってまいります。

a.ガバナンス

代表取締役執行役員社長を委員長とする全社環境管理委員会において、四半期ごとに環境課題に対する実行計画の策定と進捗管理を実施しております。取締役会は本委員会の報告を受け、環境課題への対応方針などについて議論・監督を行っております。代表取締役執行役員社長は執行役員会の議長を担うと同時に、諮問委員会である全社環境管理委員会の委員長を担っており、環境課題に係る経営判断の最終責任を負っております。

b.戦略

2℃未満および4℃シナリオにおける気候関連のリスク(移行リスク・物理的リスク)と機会について、短期・中期・長期の視点で事業影響や財務影響を評価しております。この評価をふまえ当社戦略のレジリエンスを検証しております。

 

 

気候関連リスク・機会に対する事業インパクト(財務影響と事業リスク)評価と当社の対応

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 影響時期:短期10年以内、中期10年~30年、長期30年超

 財務影響度:★1億円以内、★★1億円~10億円、★★★10億円超

 

c.リスク管理

リスク管理委員会と全社環境管理委員会および環境マネジメントシステム(ISO14001)において、リスクの識別・評価を実施し、発生頻度やインパクトから優先順位付けしたうえで対策を決定し、進捗を管理しております。重要リスクについては取締役会に報告し、取締役会による監督体制のもと当社戦略に反映しております。

d.指標・目標

2030年までのグループ全体の温室効果ガス排出量削減目標を4カ年ごとに設定する環境中期計画に展開しております。

・SCOPE1+2  2030年までに60%削減、2025年までに55%削減(2019年度比)

・SCOPE3   2030年までに30%削減、2025年までに10%削減(2019年度比)

※TCFDに基づく情報開示に関する詳細は、サステナビリティサイトをご参照ください。

https://www.espec.co.jp/sustainability/env/climate/tcfd.html

 

(3)人的資本・多様性に関する考え方及び取組

人権の尊重

 当社は企業理念THE ESPEC MINDの「宣言」において、人権の尊重を表明しております。また、エスペックに所属する全ての役員・社員に適用する「エスペック行動憲章・行動規範」においても「基本的人権を尊重し、社内外において、性別・年齢・国籍・人種・民族・宗教・信条・社会的身分・障がい等による差別的取扱、言動は一切行わない」旨を定め、毎年の社内教育を通じて周知徹底を図っております。

 

人事方針

 会社の盛衰は「人」で決まります。会社にとって「人」が中心であり「人」重視の経営こそが会社発展の原動力です。「社員が主役の会社でありたい」というのが基本的な考え方です。また、高いモチベーションと品格を兼ね備え、チャレンジ精神に富む良質な人材の開発・育成に取り組むことで「社員能力・活力の最大化」を目指しております。

 

ダイバーシティの推進および中期経営計画

 当社は「ダイバーシティの推進・人権尊重」をサステナビリティにおけるマテリアリティ(重要課題)の一つとして特定しており、意欲や能力のある社員が働きやすく活躍できる組織づくりに力を入れております。2013年度より女性の活躍推進を強化するとともに、シニア社員や外国人など多様な人材の活躍推進に取り組んでおります。

 中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」では、基本方針「個と職場の慣性と惰性を打破し、先端技術の実用化に貢献する」のもと、創造性と活力にあふれる組織、自律的な社員が活躍する組織へと改革に取り組み、IoTや次世代自動車分野の技術課題の解決への貢献を目指しております。中期経営戦略の一つである組織開発・人材開発戦略では、社員一人ひとりが自律的に行動し成長できる組織改革を推進しています。2021年度は、個人の能力や資質を人的資本として客観的に測定・フィードバックし、自己開発につなげることを目的として、執行役員と管理職を対象とした360°サーベイと人材アセスメントを実施しました。また、2022年4月には、社員への「貢献に応じた明瞭な分配と待遇」の実現に向け、新たな賃金制度を導入いたしました。

 

①戦略

多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針は以下の通りです。

 

人材育成方針

意欲と能力ある人材への多彩な「成長支援」と「活躍機会の提供」

 自身の成長は自分の意志と意欲に大きく左右されます。まさに成長は自分自身のテーマといえます。当社は成長意欲や能力のある従業員に対して、多彩な成長支援やチャレンジできる機会を提供します。

 

社内環境整備方針

多様なワークスタイルに対応する環境の整備

 従業員が、安心して思う存分能力を発揮できる環境を会社が整えることは重要であると考えます。人々が望むワークスタイルは時代とともに変化します。当社は適切な範囲の中で、時代の要請する多様なワークスタイルに対応する先進的な職場環境の整備に努めてまいります。

 

女性の活躍推進については、目指す姿を明確にし、3つの施策に取り組んでおります。

 

女性活躍推進の目指す姿

1.管理職となる女性社員、高い専門性を持つ女性社員が多数活躍している

2.女性社員が幅広い職種で活躍している

3.全社的にワークライフバランスが浸透し、社員にとって働きやすい職場環境になっている

・多様性に富んだ創造性と活力ある会社になっている

・様々な働き方ができる会社になっている

・優秀な人材が集まる会社になっている

 

女性活躍推進に向けた施策

1.女性自身の意識改革

女性社員のキャリア形成支援を目的としたキャリアデザイン研修や、女性リーダー育成研修などを通じて、女性社員自身の意識改革に取り組んでまいります。

2.女性のキャリアを支援する制度の拡充

短時間勤務制度の利用期間拡大など、女性のキャリアを支援する制度の拡充に取り組んでまいります。

3.働きやすい職場づくり

管理職を対象とした女性活躍推進セミナーの開催や、残業時間の抑制に向けた取り組みなどにより、働きやすい職場づくりを進めてまいります。

 

 

 

②指標及び目標

女性活躍推進に関する行動計画および次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を以下の通り策定しております。

 

女性活躍推進に関する行動計画

計画期間:2021年1月1日~2025年12月31日までの5年間

 

目標1:新卒採用者に占める女性割合30%以上を確保する。

取組み:新卒採用の女性を積極的に採用する。

 

目標2:女性管理職比率について、10%以上を確保する。

取組み:管理職候補となる女性社員の発掘と育成。

 

目標3:一人あたりの平均残業時間を15時間(/月)以下にする。

取組み:平均残業時間と、長時間残業が常態化している社員の残業時間の抑制。

 

次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画

計画期間:2021年4月1日から2026年3月31日までの5年間

 

1.育児休業取得率

 計画期間中に、男性の育児休業取得率を7%以上にするとともに、女性の育児休業取得率を100%にする。

2.キャリア構築できる環境・風土づくり

 従業員が仕事と育児を両立しながら、キャリアの構築を実現できる環境・風土作りを行う。

3.年次有給休暇の取得率向上

 年次有給休暇の取得率を、全社平均65%以上にする。

 

※ダイバーシティの推進に関する詳細は、サステナビリティサイトをご参照ください。

https://www.espec.co.jp/sustainability/social/employee/diversity.html

 

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

3【事業等のリスク】

 当社におけるリスク管理につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ全般に関する考え方及び取組 ② リスク管理」に記載のとおりであります。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)業績変動のリスク

 当社は、電子部品・電子機器および自動車関連メーカーを主要顧客としており、当社の業績は、これらの業界の業績や設備投資動向の影響を強く受けます。景気変動の影響等により主要顧客の設備投資が低調に推移した場合は、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また当社は、国内市場において高い市場シェアを持っておりますが、国内市場は成熟市場であるため当社の成長は、海外市場での業績に左右されます。高い市場シェアを持つ欧米の環境試験器メーカーや低価格を武器に市場参入を図る中国、台湾メーカーとの競争が当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、これらの業績変動リスクの緩和と次代の成長を図るため、海外市場のさらなる拡大と中期経営計画に基づき新たな収益基盤となる新規事業開発を推進しております。

 

(2)災害、感染症、戦争等に係るリスク

 当社の2022年度における連結売上高に占める海外売上高比率は52.7%と高く、今後もこの比率はさらに高まると考えております。事業を展開する国や地域において、大規模な自然災害、重大な感染症の流行、戦争、テロ、政情不安等の予見困難な社会的混乱が発生する事態になった場合、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の主要な製造拠点、研究開発拠点は国内にあり、これらの主要な施設が地震や台風等の自然災害により甚大な損害を被った場合は事業運営が困難になるだけでなく、施設の修復または建て直しのために巨額の費用が発生する可能性があります。当社が直接被害を被らない場合でも、電力等のインフラの供給が制限されたり、サプライヤーから必要な部品、素材等の供給が受けられないなどの二次的被害を被ることで、事業活動に大きな支障が生じる可能性があります。当社におきましては、非常事態が発生した場合または発生が予想される場合には、危機対応規定に基づき、当社および関係者が被る損失を最小限にとどめるよう迅速な情報伝達と適切な対処、誠意ある対応を行っております。

 

(3)輸出規制に伴うリスク

 当社商品の輸出および技術の提供に関しては、外国為替及び外国貿易法、米国輸出管理規則(EAR)など、国内外の輸出管理関連法令の影響下にあります。また、最終需要者等を通じて、懸念国や懸念需要者に大量破壊兵器または通常兵器等の開発用として転用される可能性もあります。これらのことにより、当社の商品、技術が予期せぬ第三者、用途で使用され、結果として当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、最新の法規制を遵守すべく、輸出管理本部を主体として、商品の仕様、仕向地、最終需要者、用途、取引経路等を把握しております。

 

(4)サプライヤーへの依存、原材料の調達および価格高騰に伴うリスク

 当社は、多種の部品や素材を複数のサプライヤーから購入しております。また、生産量の変化への対応と多様な生産技術を効率よく獲得するため、複数の外注加工業者を活用しております。サプライヤー、外注加工業者の倒産や事業撤退等により供給が停止した場合は生産に問題が生じる可能性があります。また、サプライヤーの責により、欠陥の内在する部品が混入した場合、生産の大幅な遅れや、最悪の場合には納品後の製品に対する対応等のために多額の費用が必要になる可能性があります。また、当社製品の原材料は、主にステンレス、鉄、銅、アルミニウム等であり、それらの仕入価格は国際市況の影響を受けます。世界的な半導体、電子部品等の不足による調達遅延や、原材料価格が高騰した場合、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、サプライヤーおよび外注加工業者に対し、厳重な取引先管理を実施し、品質保証、生産管理、環境管理体制、安定調達を目指したサプライチェーンの評価や指導を行い、相互の信頼関係の醸成に努めております。

 

 

(5)業務提携、企業買収等に伴うリスク

 当社は、事業領域の拡大のため、業務、資本提携や企業買収等を実施することがあります。事前調査で把握できなかった問題が生じた場合や、事業環境の変化等により当初想定した効果が得られない場合、のれんの減損処理等によって当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、これらの意思決定に際しては、対象となる企業の事業内容や財務内容、取引関係等について詳細な事前審査を実施し、十分にリスクを検討しております。

 

(6)情報セキュリティ事故に伴うリスク

 当社は、業務を遂行するうえで個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。情報漏洩等の情報セキュリティ事故が発生した場合、当社の社会的信用やブランドイメージの低下等によって当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては、情報セキュリティマネジメントシステムの国際認証規格「ISO27001」に基づき情報資産の管理を徹底しております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度の当社グループの事業環境につきましては、社会のデジタル化や脱炭素化を背景にエレクトロニクス及び自動車関連の投資が好調に推移し、主に5G・IoT、自動運転・電動化に関する市場において需要が継続いたしました。生産面におきましては、部品調達難への対応として戦略的在庫の積み増しや代替調達、設計変更などあらゆる対策に取り組み、生産量を確保いたしました。

 当連結会計年度の経営成績につきましては、受注高は、先端技術分野を中心とする需要拡大に加え、部品調達難に伴う製品納期長期化による前倒し受注や為替の影響もあり、前連結会計年度比で16.0%増加し、過去最高となる59,521百万円となりました。売上高につきましても、前連結会計年度比で26.4%増加し過去最高となる52,892百万円となりました。利益面につきましては、部材価格及び電気代の高騰、受注拡大に伴う販管費増加の影響を受けましたが、主に増収により営業利益は前連結会計年度比で121.8%増加し4,366百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比で74.8%増加し3,330百万円となりました。

 

 

前連結会計年度

(第69期)(百万円)

当連結会計年度

(第70期)(百万円)

対前期増減率(%)

受注高

51,303

59,521

16.0

売上高

41,852

52,892

26.4

営業利益

1,968

4,366

121.8

経常利益

2,322

4,664

100.9

親会社株主に帰属する当期純利益

1,905

3,330

74.8

 

 

 セグメント別の状況につきましては、次のとおりであります。

 

当連結会計年度のセグメント別業績

 

受注高

(百万円)

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

装置事業

51,446

45,031

3,919

サービス事業

6,963

6,788

428

その他事業

1,469

1,404

16

連結消去

△359

△330

1

59,521

52,892

4,366

 

 

 

装置事業

 

 

前連結会計年度

(第69期)(百万円)

当連結会計年度

(第70期)(百万円)

対前期増減率(%)

受注高

43,535

51,446

18.2

売上高

34,518

45,031

30.5

営業利益

1,370

3,919

186.0

 

 

サービス事業

 

前連結会計年度

(第69期)(百万円)

当連結会計年度

(第70期)(百万円)

対前期増減率(%)

受注高

6,771

6,963

2.8

売上高

6,407

6,788

5.9

営業利益

618

428

△30.8

 

その他事業

 

前連結会計年度

(第69期)(百万円)

当連結会計年度

(第70期)(百万円)

対前期増減率(%)

受注高

1,265

1,469

16.1

売上高

1,188

1,404

18.2

営業利益又は営業損失(△)

△23

16

 

 

②財政状態の状況

 当連結会計年度末における総資産は67,176百万円となり、前連結会計年度末と比べ5,254百万円の増加となりました。

 負債は20,003百万円で前連結会計年度末と比べ3,673百万円の増加となりました。

 純資産は47,172百万円で前連結会計年度末と比べ1,580百万円の増加となりました。

 これらの結果、自己資本比率は69.9%と前連結会計年度末と比べ3.4ポイントの減少となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの増加1,916百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの減少1,061百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの減少2,898百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額の増加183百万円などにより、期首時点に比べ1,859百万円減少し、当連結会計年度末には14,298百万円となりました。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

 当連結会計年度における生産実績、受注実績及び販売実績は、次のとおりであります。

a.生産実績

セグメントの名称

生産高(百万円)

対前期増減率(%)

装置事業

43,009

31.2

サービス事業

44

2.4

その他事業

合計

43,054

31.2

(注) 上記金額は販売価格によっております。

 

 

b.受注実績

セグメントの名称

受注高(百万円)

対前期増減率

(%)

受注残高(百万円)

対前期増減率

(%)

装置事業

51,446

18.2

25,616

33.4

サービス事業

6,963

2.8

1,558

12.7

その他事業

1,469

16.1

231

39.3

59,880

16.1

27,406

32.1

消去

△359

△48

合計

59,521

16.0

27,358

32.0

 受注残高の主な増加要因は、5G・IoTに関する市場や自動車の自動運転・電動化に関する市場を中心に活動を強化した結果、受注高が増加した一方で、製造面では電子部品不足が解消されず、代替調達や設計変更などの対策を講じたものの製品納期の長期化が継続した影響によるものであります。

 

c.販売実績

セグメントの名称

販売高(百万円)

対前期増減率(%)

装置事業

45,031

30.5

サービス事業

6,788

5.9

その他事業

1,404

18.2

53,223

26.4

消去

△330

合計

52,892

26.4

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

 

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績

 当連結会計年度の事業環境といたしましては、社会のデジタル化や脱炭素化を背景にエレクトロニクス及び自動車関連を中心に投資が好調に推移いたしました。当社の取り組みといたしましては、装置事業では5G・IoTや自動車の自動運転・電動化に関する市場など先端技術分野を中心に活動を強化するとともに、製品ラインアップの拡充に取り組んでまいりました。サービス事業では、クラウドを活用したネットワークサービスや車載用バッテリーの解析サービスを新たに開始いたしました。

 当連結会計年度の経営成績といたしましては、特に装置事業の環境試験器が好調に推移し、受注高は前連結会計年度比で16.0%増加し過去最高となる59,521百万円となりました。生産面におきましては部品調達難が継続いたしましたが、全社一丸となった対応により生産量を確保し、売上高につきましても過去最高となる52,892百万円(前連結会計年度比26.4%の増加)となりました。売上原価につきましては、増収に加え、部材価格や電気代の高騰などにより前連結会計年度比で25.4%増加し34,935百万円となりましたが、原価率は66.0%と前連結会計年度比で0.5pt改善いたしました。販売費及び一般管理費につきましては、受注拡大に伴う人件費や活動経費の増加などにより13,590百万円(前連結会計年度比1,556百万円の増加)となりました。これらの結果、利益面につきましては、営業利益は前連結会計年度比で121.8%増加し4,366百万円、経常利益は100.9%増加し4,664百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は74.8%増加し3,330百万円となりました。

 

b.セグメントごとの経営成績

<装置事業>

 環境試験器につきましては、部品調達難の影響を受けましたが、国内市場では汎用性の高い標準製品、カスタム製品ともに受注高・売上高は前連結会計年度比で増加いたしました。海外市場においても受注は好調に推移し、売上高は中国、北米、欧州、東南アジア、韓国において前連結会計年度を上回りました。なお、部材価格高騰に対応するため製品価格の改定を実施いたしましたが、受注残高が積み上がっていたため当連結会計年度業績への貢献は軽微となりました。

 エナジーデバイス装置につきましては、自動車の電動化に向けた投資拡大により主に国内において充放電試験用チャンバーが好調に推移し、受注高は前連結会計年度比で大幅に増加いたしましたが、部品調達難の影響を受け、売上高は前連結会計年度並みとなりました。

 半導体関連装置につきましては、主力のバーンインチャンバーにおいて顧客の計画遅れなどの影響を受けましたが、受注高・売上高ともに前連結会計年度並みとなりました。

 こうした結果、装置事業全体では、前連結会計年度比で受注高は18.2%増加し51,446百万円、売上高は30.5%増加し45,031百万円となりました。利益面につきましては、主に売上高の増加により営業利益は前連結会計年度比で186.0%増加し、3,919百万円となりました。

 

<サービス事業>

 アフターサービス・エンジニアリングにつきましては、保守契約など予防保全サービスが堅調に推移するとともに、修理サービスにおいて調達が困難であった部品の入手が進んだことから受注高・売上高ともに前連結会計年度比で増加いたしました。

 受託試験・レンタルにつきましては、車載用バッテリーを中心に受託試験が堅調に推移し、受注高・売上高ともに前連結会計年度並みとなりました。

 こうした結果、サービス事業全体では、前連結会計年度比で受注高は2.8%増加し6,963百万円、売上高は5.9%増加し6,788百万円となりました。利益面につきましては、受託試験において電気代高騰の影響を受けるとともに、人員増や新しいアフターサービスの運用費などにより販管費が増加し、営業利益は前連結会計年度比で30.8%減少し、428百万円となりました。

 

<その他事業>

 環境保全事業及び植物育成装置事業を中心とするその他事業では、森づくりや水辺づくりは低調に推移いたしましたが、植物研究用装置や植物工場の受注高・売上高は前連結会計年度を上回りました。こうした結果、前連結会計年度比で受注高は16.1%増加し1,469百万円、売上高は18.2%増加し1,404百万円となりました。利益面につきましては、売上高の増加により営業利益は前連結会計年度比で39百万円増加し16百万円となりました。

 

②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度末における総資産は67,176百万円となり、前連結会計年度末と比べ5,254百万円の増加となりました。これは主に、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産ならびに電子記録債権)の増加3,435百万円、受注残高の増加に伴う原材料及び貯蔵品などの棚卸資産の増加2,946百万円、現金化に伴う有価証券の減少2,599百万円、有価証券の現金化等に伴う現金及び預金の増加743百万円、その他流動資産の増加404百万円、時価評価による投資有価証券の増加224百万円などによるものであります。

 負債は20,003百万円で前連結会計年度末と比べ3,673百万円の増加となりました。これは主に、売上増加に伴い生産、営業活動が増加したことによる仕入債務(支払手形及び買掛金ならびに電子記録債務)の増加2,318百万円、受注増加に伴う契約負債の増加1,011百万円、その他流動負債の増加269百万円などによるものであります。

 純資産は47,172百万円で前連結会計年度末と比べ1,580百万円の増加となりました。これは主に、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益が3,330百万円計上された一方、配当金として1,488百万円が利益処分されたこと等による利益剰余金の増加1,836百万円、企業環境の変化に対応した機動的な資本政策に伴う自己株式の取得による減少1,081百万円、為替換算調整勘定の増加560百万円、その他有価証券評価差額金の増加249百万円などによるものであります。

 これらの結果、自己資本比率は69.9%と前連結会計年度末と比べ3.4ポイントの減少となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は1,916百万円(前年同期は、2,018百万円の資金の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益4,670百万円の計上による資金の収入、減価償却費の計上1,339百万円、売上高の増加に伴う売上債権の増加による資金の支出3,202百万円、受注残高の増加に伴う棚卸資産の増加による資金の支出3,138百万円、仕入債務の増加による資金の増加2,159百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は1,061百万円(前年同期は、932百万円の資金の支出)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出が969百万円となったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は2,898百万円(前年同期は、2,830百万円の資金の支出)となりました。これは主に配当金の支払額が1,484百万円、自己株式の取得による支出1,294百万円となったことによるものであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金および設備資金を自己資金で賄うことを基礎としておりますが、必要に応じて銀行借入により資金調達しております。

 また、運転資金の効率的な調達を行うため、当連結会計年度末において複数の機関との間で合計3,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高3,000百万円)。

 事業活動における運転資金需要の主なものは、当社製品の製造に係る原材料費、労務費、外注加工費等の製造費用、各事業についての販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、製造用設備やレンタル用設備、受託試験用設備への投資に加え、情報処理のためのソフトウエアへの投資等があります。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって適用した重要な見積りの方法につきましては、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、2022年9月8日開催の取締役会において、日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社の環境試験装置事業の譲受に向けた基本合意書を締結することを決議し、同日付で締結いたしました。

詳細は、同日公表の「事業の一部譲受に向けた基本合意書の締結に関するお知らせ」に記載のとおりであります。

https://www.espec.co.jp/news/data/20220908.pdf

 

6【研究開発活動】

当社では研究開発活動としてコア技術である環境創造技術の深耕とネットワークシステム技術や電子デバイス計測制御技術との組み合わせにより、自動車や5G・IoTに関連する市場に向けた各種試験装置の製品開発を行いました。また、新たな事業領域である食品機械市場、医療、マテリアル市場に向けた製品開発や、省エネルギー・地球温暖化対策といった環境負荷低減技術の研究開発を行ってまいりました。

当連結会計年度における研究開発費は1,041百万円であり、事業セグメント別の研究開発費は装置事業990百万円、サービス事業51百万円であります。

装置事業およびサービス事業の研究開発活動の成果は次のとおりであります。

 

(1)装置事業

①地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)の低い新冷媒R-473Aを搭載した恒温恒湿器の各モデルの開発を進めております。冷媒R-23よりGWP値が88%削減された新冷媒を採用するとともに、独自技術により性能確保をしながら省エネを実現し、製品ライフサイクル全体の温室効果ガス排出量低減に貢献してまいります。

②半導体の高発熱負荷に対応したバーンインチャンバーを開発しました。-20℃から+150℃の温度範囲において、許容発熱負荷を従来比で4倍に拡大し、半導体が高発熱状態であってもチャンバー内の温度を均一に保持可能としました。今後も、IoTや次世代自動車分野で活用が進む最先端半導体の品質確保に貢献してまいります。

③5G通信機器の温度特性試験に対応した電波暗箱型恒温器について、新たに内容積の大きな4器種を開発し、ラインアップを拡充しました。電波暗箱型恒温器は、電波を遮蔽するシールド機能に加え、恒温槽内での電波の反射を防ぐ電波暗箱機能を備えており、-40℃から+100℃の温度環境下で無線試験が可能です。試験の対象物に合わせた多様な試験装置をラインアップし、高まる需要にお応えしてまいります。

④通電(発熱)状態での計測が容易、かつ試料の変化が観察可能な卓上型無風恒温槽「ワンデバイスチャンバー」を開発いたしました。5G通信、自動運転化の普及に伴い課題となっている高発熱部品や高密度実装基板の熱対策や、光通信用デバイス、高周波デバイスなどの「熱設計」や「サーマルマネジメント(熱管理)」のための評価に貢献してまいります。

⑤神戸R&Dセンターに設置されている全天候型試験ラボを活用し、お客さまの技術分野の課題解決に向けた、新たな試験方法の共同開発を進めております。全天候型試験ラボでは、温度、湿度、雪、雨、霧、太陽光、風のような地球上のさまざまな気象環境を動的に再現することができます。社内外の技術の融合によるイノベーションの活性化を目指してまいります。

⑥日々進化するデバイスの評価におけるお客さまの課題解決をサポートするため、神戸R&Dセンターにソリューションラボを開設しました。ソリューションラボには当社製品および各種計測器を設置し、これらを活用しながらお客さまとのコラボレーション活動を推進し、お客さまの課題解決に貢献してまいります。

 

(2)サービス事業

 モバイル端末(SIM)通信およびクラウドを利用した新しいネットワークサービスの提供を開始いたしました。

 高いセキュリティ環境下で、リモートワーク中や遠隔地からも装置の運転状況を確認いただけます。