第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、創立10周年を迎えるにあたり、新たなビジョン「データを活用した可能性に溢れた豊かな社会」を掲げ、社会や顧客企業に対して「データに基づいて意思決定を高度化する」ことを当社のミッションであり、社会的役割と位置付けました。


 

(当社事業の考え方)

当社は経営戦略の方針として、コンサルティングサービスとプロダクトサービスとの相乗効果を狙っており、双方の顧客へアプローチするだけでなく、コンサルティングサービスで得たAIノウハウを活用し、AI製品化を研究開発することで、新たなプロダクトサービスを提供するという好循環を目指しております。そして、コンサルティングサービスとプロダクトサービスの両軸による「安定かつ収益性の高いビジネスの実現」をめざしております。


 

(コンサルティングサービスの考え方)

現在の中核ビジネスであるコンサルティングサービスは、売上拡大にむけて、「大規模×長期化」を実行しております。具体的には、データ利活用を全社的に推進しようとしている企業もしくは、より拡大しようとしている企業を攻略先として定め、DX/AIアセスメント~データ解析/AIモデル構築~AIシステム実装/運用まで一気通貫でのサービス提供を進めております。また、顧客企業との関係性については、当社サービスを通じて信頼を獲得し、同一顧客にて複数のテーマを実行することで、受注金額拡大を図っております。今後も中長期にわたり顧客への経営支援を行う体制を構築し、安定的な収益基盤として強化してまいります。さらに顧客と共にサービス展開を実施していく事業参加型案件の獲得とそれを担う人材の獲得及び育成による生産性向上策を進めてまいります。

また蓄積したライブラリーを活用したプロジェクト運営の効率化、プロジェクト毎の工数を短縮し、利益率の向上を図ってまいります。

 

(プロダクトサービスの考え方)

当社は顧客・協業先と進めてきた数多くのプロジェクトを通じ、解析技術等のノウハウをライブラリーとして蓄積し、将来のプロダクト構築に活かすための準備を進めてきました。今年度、自社AI製品ブランドとして「TDSEシリーズ」を稼働させ、第2の成長事業としてAIプロダクト充実を図っていきます。

またNetBaseやCognigyなど先端技術を保有する海外AI製品を活用して、国内企業向けサービスを展開しております。先進のビッグデータ活用技術やAI技術を持った国内外企業の調査は継続しており、当該企業が保有するサービス及びプロダクトを取り込んだソリューション展開を図っていくことで、ビジネス拡大を図ってまいります。また、サービス開発においては、データ保有企業やサービス企画企業など当社と補完関係を築くことのできる協業企業とともに、サービス開発及び提供を進めてまいります。プロダクトサービスは、当社の将来基盤を築き上げる高成長事業として注力してまいります。

 

(2)中期経営計画

ビジョン・ミッションの達成に向け、当社が中長期に成長した姿を目指すことから、2023年度~2025年度の三ヵ年に亘る中期経営計画「MISSION 2025」を始動させました。テーマは以下の通りです。

 

「MISSION 2025」のテーマ(2025年度)

コンサルティングサービスの持続的な成長を達成し、並行して

プロダクトサービスのラインナップを全社挙げて強化する。

 

 

「MISSION2025」の先にある中長期目標(2028年度)

プロダクトサービスを第二の事業の柱として確立させ、6年後にストック型ビジネスの売上高10億円以上を目指す。

 

 


 

今後もAI市場は中長期的にも拡大が期待されると見込まれる一方で、新たな産業が生まれ、多様化・複雑化する社会・産業の課題に対し、先見性をもって対応していくことが必要とされます。このような環境下において、当社の強みである人的資本の更なる増強、成長事業の責任を明確化した組織改編とそれを支える経営基盤強化、及び共創ビジネスを構築する企業間連携を通じて総合力を発揮することで、中期経営計画「MISSION 2025」の達成を目指します。

 

 

(目標とする経営指標)

中期経営計画「MISSION 2025」において、企業全体としての重要目標達成指数(KGI)及び利益目標を設定し、事業部単位では各々KPI指標を設定し、責任を明確化した組織運営および経営管理を行ってまいります。

 

① 重要目標達成指数(KGI)と利益目標


 

② 各事業部の経営指標


 

(基本戦略)

サービス種類

内 容

コンサルティングサービス

(フロー型)

・安定成長を維持するための採用強化とリーディング人材育成

・顧客信頼を獲得する強みの向上と新たな技術ニーズへの対応

プロダクトサービス

(ストック型)

・自社プロダクト開発組織立ち上げ、製品ブランド戦略とラインナップ強化

・ソーシャルメディアマーケティング・グループ新設、

SNS分析ビジネスから広告/運用領域展開にむけたAI製品提供

・カンバセーショナルAIソリューション・グループの新設

独自生成AIを活かしたサービス強化とCognigyの拡販

 

なお、戦略及び施策内容については、2023年5月15日公開した「事業計画及び成長可能性に関する事項」

「中期経営計画MISSION2025について」、他関連資料を参照願います。

 

 

(3)経営環境

経済全体では世界で起こる紛争問題・インフレ懸念など先行き不透明さがあるものの、経済復興にむけた動きもあり、企業のデジタル技術やAI技術の活用に対する投資意欲は強く、AI市場は大きく成長することが予測されています。

 

 ① サービス別事業環境の市場成長


 

 ② ビジネス領域別事業環境の市場成長


※株式会社富士キメラ総研「2022 人工知能ビジネス総合調査(2022年9月公表)から当社作成

 

(4)対処すべき課題

中期経営計画にて定めた戦略・目標等を実現するために、対処すべき課題及び対策は以下の通りです。

 

① コンサルティングサービス(フロー型)による継続的な売上成長

創業以来蓄積してきたデータ活用の実績とノウハウを用いて、DX/AIアセスメント~データ分析~システム実装、教育までを一気通貫で提供することで顧客と中長期にわたる関係を構築し、「大規模×長期化」による累積売上最大化を目指してまいります。今年度は以下を重点的に取り組んでまいります。

 

・人財の採用と定着

事業成長のためには、優秀なデータサイエンティストおよびデータエンジニア等のDX人財の採用と定着が必要不可欠であることから、採用体制および採用広告を強化すると共に、定着強化に向けた各種制度の見直しを図ることで執務環境の充実度向上を図ります。

 

・最新技術のキャッチアップ

当社の属しているAI関連技術の革新速度は非常に早く、社会や顧客内のデータ活用領域を拡大するためにも、最新技術のキャッチアップは不可欠と考えております。常に最新技術をキャッチアップするために、社員間で最新の論文や事例などを共有する意識の醸成を図ると共に、最新技術のキャッチアップと共有する仕組みの強化を図ります。

 

・パートナー企業との連携

より多くのパートナー企業と協力体制を強化することで、DX人財を確保し売上の拡大を図ります。

 

・デジタルマーケティング強化

コロナ禍によりデジタルマーケティングによる新規営業の重要性が加速したことから、弊社創業以来蓄積してきたノウハウを活用したコンテンツによる情報発信を拡充すると共に、会社認知度の向上に向けた取組を強化します。

 

② プロダクトサービス(ストック型)による高成長への取組強化

現在、プロダクトサービスとしては、グローバルで活用されているSNS分析AIツール「Netbase」、対話型AIプラットフォームである「Cognigy」を中心に売上拡大を推進しております。また、マーケットニーズを取り入れた当社AI製品の拡充にも取り組んでまいります。今年度は製品毎に以下を重点的に取り組んでまいります。

 

・当社AI製品の拡充

現在、当社は創業以来、数多くのAI技術を蓄積するライブラリー「scorobox」の充実を図っており、これを活用したAI製品の提供に取り組んでおりますが、今後はマーケットニーズに重点を置き、テストマーケティングなどを取り入れながら、製品開発を進めてまいります。現在、以下のAI製品のテストマーケティングを実施しており、マーケットニーズを取り込みながら製品化に向けた判断を実施してまいります。

 

- TDSE QAジェネレーター

応対ログ、社内規約やマニュアルなどの文章よりTDSE独自の生成AI、およびオントロジー技術を活用し、AIが質問(Q)と回答(A)の組合せを膨大に自動生成し、既存の自然言語処理(NLP)の精度を大幅に上げることができるサービスです。

 

- TDSE Eye

非専門家でも最先端の画像解析技術を利用できるプラットフォームです。第一弾として正常画像のみかつ少量のデータでも利用可能な画像異常検知サービスをリリースしております。

 

・Netbase/Cognigyによる売上拡大

プロダクトサービスであることから、売上拡大のためには、新規顧客獲得と既存顧客の継続利用がカギになります。そのため、デジタルマーケティングによる認知度向上と営業体制を強化することで、新規顧客の獲得と継続に向けたサポート強化を図ります。また、各製品の弊社代理店数を増やすことで自社だけでなく、代理店による更なる売上拡大に取り組んでまいります。

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社では、「データを活用した可能性に溢れた豊かな社会」をビジョンに掲げ、社会や顧客企業に対して「データに基づいて意思決定を高度化する」に取り組んでおります。また 中期経営計画「MISSION2025」を達成するために、透明性の高い経営に取り組むことを基本としております。その実現のため、株主の皆様や顧客をはじめ、取引先、従業員等各ステークホルダーと良好な関係を築き、長期的視野の中で企業価値の向上を目指すべく経営活動を推進しております。

取締役会を経営の基本方針や重要課題並びに法令で定められた重要事項を決定するための最高意思決定機関として位置づけ、原則月1回開催するとともに、執行業務を担う取締役が適宜打合せを行い、事業経営にスピーディな意思決定と柔軟な組織対応を可能とするよう努めております。加えて、業務執行に関する監視、コンプライアンスや社内規程の遵守状況、業務活動の適正性かつ有効性を監査するため、監査役が取締役会に出席することで議事内容や手続き等について逐次確認しております。また、内部監査室を置き、内部監査を実施し、監査結果を定期的に代表取締役社長に報告しております。

ディスクロージャーは、会社法・金融商品取引法はもとより、取引所が定める「上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則(適時開示規則)」に基づく情報開示を、実施しております。また、株主・投資家等へのIR活動も重要との認識に立っており、公正妥当と認められた企業会計基準を尊重し、積極的な開示に努めております。

 

(2)リスク管理

当社では、リスク管理に関して必要な事項について「リスク管理規程」に定め、発生しうるリスクの発生防止に係る整備、発生したリスクへの対応等を行うことにより、業務の円滑な運営および事業継続に資することとしております。また、様々なリスクを一元的に把握、管理するため、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、リスクの管理を効果的かつ効率的に実施するために、次にあげる事項を行ってまいります。

・リスク管理の基本方針、管理体制に関する事項

・各部門のリスク管理に関する法悪心、体制及び対策に関する統括

・リスクの定期的な把握、リスク回避・軽減策の検討

・危機発生時に備えた対応の検討、危機発生時の指揮・対応指示

・その他リスク管理に関し必要な事項

 

(3)人的資本における戦略

当社がビジネスを推進するための強みであるコア・コンピタンスは3つあり、まず、国内最高峰のデータサイエンティスト集団を有していること。次に、ビジネス課題ファーストな技術力と実績を有していること、そして、コンサルティングからプロダクト開発まで一気通貫の実現体を有していることです。これらは顧客からの高い評価を受けており、そのため当社では人的資本の重要性を認識しています。

このコア・コンピタンスを今後も継続させ、さらに進化させるために、人事評価制度/報酬制度の充実をはかる他、人財強化の専門組織を設け、優秀な技術者の採用と教育体制の充実に取組んでおります。

 

・専門組織の設置 技術要員の採用および育成を強化するため、『人財強化専門組織』を設置

・教育体制    創業時より人財強化に繋がる教育ノウハウが豊富に蓄積。人財育成に関する仕組や教育風土に優位性があると自負しております。

・各種取組    スキル向上と業績成果に応じた解像度の高い人事評価/報酬制度。

社員のロイヤリティを定期的に測定し、各階層とのコミュニケーションを大事にしながら向上を図る。

 

 

(4)人的資本における指標及び目標

当社では、Valueの一つを『「チームワークと成長」 互いの考え方・働き方・生き方を尊重し、常に協力して、自分とチーム全体を成長させる。』としており、性別・年齢等を問わず能力の高い人財の採用を進めております。

<2022年度実績>

技術従業員増加率の目標:15%以上

技術従業員増加率の実績:14.3%

  参考値 

2021年度末技術者 :98名

2022年度末技術者 :112名

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、当社の事業等に係るリスクをすべて網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスク
① ビッグデータ・AIソリューションサービスの技術革新の影響について

当社は、ビッグデータ活用技術及びAI技術に基づく事業を展開しておりますが、当該分野は新技術の開発が相次いでおり、変化の激しい業界となっております。当社は、顧客ニーズに応じた競争力のあるサービスを提供できるよう、人材の採用・育成や技術、ノウハウ等の取得に注力しておりますが、当社サービスに代わる競合他社の代替サービスが登場し、当社の競争力に影響を与える場合は、当社の事業に影響を与える可能性があります。

 

② 景気動向及び業界動向の変動による影響について

企業を取り巻く環境や企業経営の効率化等の動きにより、AI関連市場が今後急速に拡大すると当社では確信しております。このような状況下であるものの、ウクライナ情勢もあり景気動向や業界動向の変化等により顧客企業の事業環境や業績が悪化した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システム障害について

当社の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網や大規模なコンピュータサーバー群に依存しております。そのため、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、稼働状況の監視及びシステムの冗長化、セキュリティ対策等による未然防止策を実施しております。このように対応は行っているものの、大規模なシステム障害等が発生した場合は、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 知的財産権におけるリスク

当社は、ビッグデータ解析及びAIにおける技術革新、知的財産権ビジネスの拡大等に伴い、知的財産権の社内管理体制を強化し、第三者の知的財産権侵害の可能性は可能な範囲で調査しております。当社にて十分な対応を行っているものの、万一他社の特許を侵害してしまった際には、ロイヤリティの支払や損害賠償請求等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ プロジェクトの検収時期の変動あるいは赤字化によるリスク

当社では、プロジェクトにて想定される工数を基に見積もりを作成し受注をしております。そのため、当社は顧客の要求する仕様に対する認識のズレや想定工数が大幅に乖離することがないよう慎重に工数の算定をしておりますが、業務量は顧客企業から受領するデータの内容に依存することから、事前に正確な工数を見込むことは困難であります。そのため見積もり作成時に想定されなかった不測の事態等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ ソーシャルメディア活用に関するリスク

当社は業務上、ソーシャルメディアから日々大量に生成されるデータを取得しております。しかしながら、ソーシャルメディア運営側の方針転換等により情報提供の方針が変更となった場合、サービス品質の低下や情報の取得に対する追加コストの発生等により、当社サービスに影響を及ぼす可能性があります。また、ソーシャルメディアデータに関する法整備においては、2010年1月に施行された改正著作権法でインターネット上の検索サービスを提供する事業者が、その検索サービスに必要な情報を収集する行為が一定の条件下で認められるようになりました。しかしながら、今後、新たな法律の制定や既存の法律の変更等により自主規制が求められるようになる可能性は否定できず、当社のサービスを提供する上での情報収集やサービスの提供方法自体に何らかの制約を受けることとなった場合、当社サービスに影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

(2) 当社の事業体制に関するリスク

① 人材の確保について

当社は、今後のさらなる事業拡大及び多様化に対応するため、専門的な情報技術や業務知識を有する優秀な人材を確保していくことが必要であると考えております。しかしながら、優秀な人材の確保が計画どおりに進まない場合や社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、結果として、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定の取引先の依存について

当社は株式会社リクルートへの売上高が2023年3月期売上高に対して26.1%となっております。同社との関係性は良好でありますが、同社の事情や経営施策によっては取引が大きく減少することにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 内部管理体制について

当社は、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題の一つと位置づけ、監査役監査及び内部監査室による内部監査の実施、規程・マニュアルの制定により内部管理体制の強化を図っております。このような対応にも関わらず、法令等に抵触する事態や不正行為等が発生した場合は、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 業務委託先の確保について

当社は、自社の人材の確保及び育成に注力している一方、プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトの各局面に応じて適切な業務委託先を確保することも必要であると考えております。そのため、業務委託先との関係を強化し、柔軟に事業規模を拡大する仕組みの構築に取り組んでおります。しかしながら、プロジェクトに対する業務委託先の関与割合が高まった場合には、顧客が要求する品質水準に達するまでに、契約時点では予見不能な追加コストが発生する可能性や、当社の品質水準を満たす業務委託先を選定できない場合や業務委託先の経営不振等によりプロジェクトが遅延する可能性があり、その場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (3)自然災害に関するリスク

① 自然災害などによるリスク

大地震・火災・洪水等の自然災害の発生により、当社の事業活動が中断し、サービスに遅延が生じるおそれがあります。これにより、売上が減少し、事業の回復に多大な費用が生じた場合、当社業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当事業年度における国内経済において、新型コロナウイルス感染症の拡大と縮小が繰り返されましたが、年度後半には行動制限が緩和され、2023年5月には感染症法上の位置付けが5類に移行されるなど、経済活動は正常化への動きが進みました。一方で、経済活動の正常化ならびにロシアのウクライナ侵攻等の要因からインフレおよび金利が上昇する等、引続き注意を要するものと思われます。

海外IT企業では、景気減速や競争激化等で先行きが一部懸念されてはいるものの、企業のデジタル活用の本質的な流れは、特に先進的なAIやIT技術を活用したDX市場において、中長期的に継続して拡大すると見込んでおります。

このような状況の下、コンサルティングサービス(フロー型)では当社は長年培ったデータ解析およびAI構築技術を基にデータ活用における一気通貫したサービス提供を継続・強化するとともに、既存顧客の深耕による「大規模×長期化」と、アライアンスを含めた顧客ネットワークの拡大、デジタルマーケティングを活用した新規顧客開拓を継続して努めてまいりました。また、AI 画像解析サービス「TDSE Eye」の第一弾サービス提供開始するとともに、高い成長を目指すプロダクトサービス(ストック型)の充実にむけ、販売拡大の取組も進め、㈱ガイアックスおよび㈱ゴンドラとAI製品であるソーシャルアナリティクスツール「NetBase」の販売パートナー契約を、医療業界の豊富なノウハウを保有するシミックソリューションズ㈱と対話型AIプラットフォーム「Cognigy」の販売パートナー契約を締結しました。また、積極的なデジタルマーケティングを実施した結果、多数の大手企業から「Cognigy」について、お問合せをいただいており、今後の契約に繋がるものと考えております。

以上のとおり取組んできた結果、当事業年度の業績においては堅調に推移し、売上面では、コンサルティングサービス(フロー型)の前期からの継続性を維持しつつ、アパレル業・サービス業・金融業・人材派遣等の案件の大規模化が進み、プロダクトサービス(ストック型)ではNetBase、Cognigy共に新規顧客獲得も進んだことで、過去最高を更新し2,415,940千円(前期比40.2%増)と大幅増となりました。利益面では、年度後半に、売上増に伴う外注増や事業強化を目的とした技術社員採用および育成の強化、社員モチベーション向上のための手当、今後に向けてのマーケティングを行いながら、営業利益、経常利益はともに過去最高を更新し、営業利益は265,825千円(前期比21.9%増)、経常利益は267,348千円(前期比21.8%増)、当期純利益は特別功労金を特別損失に計上してはいるものの168,807千円(前期比13.8%増)と増益となりました。

 

なお各四半期会計期間では、以下のとおりとなっております。

 

 

第1四半期会計期間

第2四半期会計期間

第3四半期会計期間

第4四半期会計期間

売上高

506,130 千円

582,585 千円

659,049 千円

668,174 千円

営業利益

41,352 千円

82,647 千円

109,870 千円

31,954 千円

経常利益

41,860 千円

83,174 千円

108,862 千円

33,450 千円

四半期純利益

384 千円

56,977 千円

74,404 千円

37,041 千円

 

 

 

 

② 財政状態の状況

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末と比べ288,141千円増加し2,339,675千円となりました。

 

(流動資産)

流動資産の残高は、前事業年度末と比べ259,756千円増加し2,151,330千円となりました。これは主に現金及び預金が162,062千円、売掛金及び契約資産が77,927千円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

固定資産の残高は、前事業年度末と比べ28,384千円増加し188,345千円となりました。これは主に繰延税金資産が22,191千円増加したこと等によるものであります。

 

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末と比べ127,130千円増加し470,367千円となりました。

(流動負債)

流動負債の残高は、前事業年度末と比べ127,130千円増加し450,367千円となりました。これは主に買掛金が25,571千円、賞与引当金が51,006千円及び前受金が29,384千円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 

(固定負債)

固定負債の残高は、前事業年度末から変動なく、20,000千円となりました。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末と比べ161,010千円増加し1,869,308千円となりました。これは主に当期純利益168,807千円を計上したこと等により繰越利益剰余金が148,237千円増加したこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,775,572千円となり、前事業年度末1,613,509千円と比べ162,062千円増加しました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、195,389千円(前事業年度は224,141千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益227,836千円(前事業年度は218,869千円)、賞与引当金の増加、仕入債務の増加およびその他の負債の増加等のプラス要因、売上債権及び契約資産の増加および法人税等の支払等のマイナス要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、12,796千円(前事業年度は13,129千円の使用)となりました。これは主に無形固定資産の取得および保険積立金の積立による支出等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、20,530千円(前事業年度は40,763千円の使用)となりました。これは配当金の支払によるものであります。

 

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当社が行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。

 

② 受注実績

当事業年度における受注実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ビッグデータ・AIソリューション事業

2,525,759

131.8

644,468

120.5

合計

2,525,759

131.8

644,468

120.5

 

 

③ 販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ビッグデータ・AIソリューション事業

2,415,940

140.2

合計

2,415,940

140.2

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱リクルート

415,873

24.1

629,541

26.1

㈱ファーストリテイリング

146,550

8.5

481,599

19.9

 

 

 

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果
 

(売上高)

当事業年度の売上高は、コンサルティングサービス(フロー型)では既存顧客の深耕による「大規模×長期化」と、アライアンスを含めた顧客ネットワークの拡大が進み、プロダクトサービス(ストック型)では、NetBase、Cognigy共に新規顧客獲得も進んだことで、過去最高を更新し2,415,940千円(前期比40.2%増)と大幅増となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度における売上原価は、前事業年度比53.7%増の1,565,024千円となりました。これは主に技術社員の増強に伴う労務費の増加および外注費の増加等によるものであります。

この結果、当事業年度の売上総利益は、前事業年度比20.6%増の850,916千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度比20.0%増の585,090千円となりました。

この結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度比21.9%増の265,825千円となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

当事業年度における営業外収益は、前事業年度比15.4%増の1,797千円となりました。

この結果、当事業年度の経常利益は、前事業年度比21.8%増の267,348千円となりました。

 

(特別損益、当期純利益)

当事業年度における特別損失は40,000千円となりました。前事業年度は、固定資産除却損およびリース解約損を計上したため821千円でした。

この結果、当事業年度の当期純利益は、前事業年度比13.8%増の168,807千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況 」に記載しております。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、労務費、外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、研究開発のための費用であります。当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、利益剰余金の増加等により、前事業年度末より162,062千円増加の1,775,572千円となりました。流動比率は477.7%と、流動性を十分に確保しております。運転資金や投資資金については、自己資金により調達することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関等より調達を行うこととしております。

 

 

 

④ 経営上の目標の達成・進捗状況

当事業年度の業績においては堅調に推移し、売上面では、コンサルティングサービス(フロー型)の前期からの継続性を維持しつつ、アパレル業・サービス業・金融業・人材派遣等の案件の大規模化が進み、プロダクトサービス(ストック型)ではNetBase、Cognigy共に新規顧客獲得も進んだことで、過去最高を更新し2,415,940千円(前期比40.2%増)と大幅増となりました。利益面では、年度後半に、売上増に伴う外注増や事業強化を目的とした技術社員採用および育成の強化、社員モチベーション向上のための手当、今後に向けてのマーケティングを行いながら、営業利益、経常利益はともに過去最高を更新し、営業利益は265,825千円(前期比21.9%増)、経常利益は267,348千円(前期比21.8%増)、当期純利益は特別功労金を特別損失に計上してはいるものの168,807千円(前期比13.8%増)と増益となりました。

 

次事業年度以降においては、中期経営計画「MISSION2025」を策定し、組織改編にも取組み、コンサルティングサービスの持続的な成長を達成するとともに、プロダクトサービスのラインアップの強化することとしており、初年度である2024年3月期通期の業績予想につきましては、売上高は2,589百万円(前期比7.2%増)を見込みます。利益では案件増加に対応した技術社員の人員増・教育の強化、プロダクト開発に向けた研究開発等の費用を今回増やしますが、営業利益は281百万円(前期比5.7%増)、経常利益は281百万円(前期比5.1%増)、当期純利益は195百万円(前期比15.5%増加)となる見込みです。

 

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであり、当社が今後、持続的な成長を果たすためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。これらの課題に対し常に最大限入手可能な情報に基づき、現在及び将来の事業環境を認識し最適かつ迅速な対応に努めていく方針であります。

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

ビッグデータ・AIソリューション事業に関する契約

 

相手先
の名称

国名

初回契約
締結日

契約期間

契約内容

NETBASE SOLUTIONS,INC.

米国

2014年

9月26日

2021年7月29日から

2022年7月28日まで

1年毎の自動更新

販売代理店契約

NETBASE SOLUTIONS,INC.が所有する製品の国内における販売権の取得等。

Cognigy GmbH

ドイツ

2018年

8月1日

2018年8月1日から

2019年7月31日まで

1年毎の自動更新

販売代理店契約

Cognigy GmbHが所有する製品の販売権の取得等。

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社は、成長戦略であるプロダクトサービスの拡充にむけて、新たな製品ブランドとなる『TDSEシリーズ』の企画・開発を進めております。

具体的には、最先端の画像解析技術を利用できる当社独自プラットフォームとして、『TDSEEye』を提供開始しております。昨年度、第一弾として正常画像のみかつ少量のデータでも利用可能な画像異常検知サービスを提供開始するに至りました。

また、当社独自の生成AIサービスである「TDSE QAジェネレーター」についても複数企業との検証を進めながら、次フェーズにむけた展開を目指し、製品改良を進めております。

当事業年度の研究開発投資は36,279千円でありました。

当社は、ビッグデータ・AIソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。